All Of Us Strangers
Lucky / Sabishikunai - Kaneko Ayano
白羽弥仁監督「フィリピンパブ嬢の社会学」@フォーラム仙台_20240420
フィリピンパブ、それは一度はだれもが耳にしたコトのある水商売である。貧しい国から出稼ぎに来た若い女性たちが、夜毎日本のオジサンたちにカタコトの日本語で近づき、色仕掛けで小金を引き出す。それは祖国への仕送りのため、DV男に献上するため、やむなくしている仕事であり、人生の暗部であり、ヤクザがらみの人身売買であり、違法入国とか偽装結婚でもあるといった、その名の響きに頭を酷く打ちつけた後のような放心状態を感じる。この原作を書いた中島弘象氏は大学院生時代にフィリピンパブに足を突っ込み、そのホステスと純な魂と純な魂が堅く結ばれるという奇跡体験をした人物である。その奇跡がこの映画になり、かれを走らせている(奥様はこの6月に3人目の子供を出産予定。「なぜか多い6月のベイビー」)。
質疑応答では、中島弘象氏(こうしょうと読む)がじつに気さくな人物で、その気さくさが呼び寄せた人びととの交流をみた。一流でなくていい、二流でも三流でもフィリピンパブでもいい、そこに「22」のように響き合う瞬間があれば、ヒトは明るく強く生きられるんだ、という体験に裏打ちされたメッセージを発信している。明日は白羽弥仁監督も登壇する。
「みどりいせき」 [著]大田ステファニー歓人
青春小説であり、まごうことなき大麻小説。そして意外にも、野球小説だ。それもとびきりイノセントな。時代を背負った本書はある種の若者にとって、はじめて出会う「自分たちの物語」だろう。大人は黙って祝福を。(山内マリコ)
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