Tumgik
ichi-miya · 8 years
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耳飾りは落ちた
夜が体の中に這入ってくるのを 僕は必死で食い止めた それでも夜は爪の先から 1㎜ずつ黒く染めていく 皮膚に絡み付き 血管をよじ登る 僕はそれを見ていることしかできない 闇に染まった自分の体を眺めながら 真っ白だった君が 少しずつ 僕に染まっていくのを ただ見つめることしかできなかった あぁ さようなら もう君はいない 僕のために涙を流した 君はどこにもいないんだ
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ichi-miya · 8 years
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その扉が開いたとして。
目の奥が痛い 真夜中の暗がり ベッドの中 君の返事を待つ私 来ない 来ない 心の中で叫んでみる 来ない 来ない それほ免罪符のように 来ない 来ない 後10分だけ それだけ 待っても来ないなら寝てしまおう そう思って3時間 あぁ 明日早いのになぁ 6時に起きられるかな 太陽は容赦なく目を開けて 私のまぶたを刺激した もう来ないよと告げながら
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ichi-miya · 9 years
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腹痛薬の副作用
期待してるよ、 そう誰かが呟いた でもその言葉は どうひっくり返しても 激励には聞こえなくて あぁ、そうか、僕は、 期待って言葉に 言いくるめられただけなんだ そんなスカスカの言葉一つで 尻尾をふる安い人間だと 思われていたんだね だからその上から 使い捨てって上書きした 裏切ることでしか もう僕は僕自身を捨てられない
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ichi-miya · 9 years
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氷の熱さ
寒い寒い朝 隣に君のいない朝 私はひっそりと ベッドから這い出す 温もりのないシーツに 君がいないと思い知る 暖かな紅茶も 一人で飲むには寂しすぎる 窓のそとは雨で 傘をさす君の姿はない 鍵をかけて家を出る いってらっしゃいの声はない 隣を歩く人もいない 目的地もない 僕に明日は、きっとない
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ichi-miya · 9 years
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エドガー・アラン・ポー『黒猫・アッシャー家の崩壊』
エドガー・アラン・ポーの短編集、題名となっている「黒猫」「アッシャー家の崩壊」の他、「赤き死の仮面」「ライジーア」「落とし穴と振り子」「ウィリアム・ウィルソン」の全6作品を収録している。ポーならではの輝く美的表現の他、ゴシック趣味や奇々怪々を多分に含んだ一冊となっている。本短編集は主に主人公の独白形式をとっており、彼らの目線から見た口にするのも憚られるおぞましさ、そして美しさが際立つ。今で言うホラー的な要素が強く、読み手に訴えかける薄暗くも鮮やかな情景描写は、今でも一切衰えるところを知らない。どの作品も後から見ればある程度形式化されたもののように思えるが、読んでいる最中は闇に覆われ、その輪郭を覗き見ることはできない。ゴシック趣味に存分に浸かり込むことのできる一冊と言えるだろう。
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ichi-miya · 9 years
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その苦痛は自己責任で。
それがあなたの ホントウだと言うのなら わたしは喜んで この身を地獄に捧げましょう それがあなたの シンジツだと言うのなら わたしは喜んで この声を枯らし叫びましょう それがあなたの ヨロコビだと言うのなら わたしは喜んで あなたのとなりで笑いましょう
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ichi-miya · 9 years
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青い世界の歯車。
積み重なって、積み重なって 死が生まれる。
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ichi-miya · 9 years
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『Another上下』綾辻行人
現実と非現実を曖昧にする、そんな魅力がある。あくまでも本の中での話だが、ミステリーを読み慣れた読者にも、何が本当で何が嘘か、巧妙かつ確かな技術で頑なに悟らせまいとする。今作品も設定自体は非現実的であり、ホラーとしての印象が大変強い。しかしその裏に隠されているのは、やはり本格推理小説と呼ぶべき、読者をはっとさせるトリックだ。 《ある》年、クラスの関係者が毎月必ず命を落とす―――。主人公の榊原恒一が家庭の事情で祖父母と叔母の住む夜見山の三年三組に転校してきたことで、悲劇的な運命の歯車が回り出してしまう。彼の越してきたクラスには、謎めいた眼帯の少女がいた。それが物語の中核をなす見崎鳴だった。転校してきたばかりの恒一はクラスメイトの不可解な恐れ、怯え、そして彼女に対する態度に違和感を持ちながらも日々を過ごしていた。だがその後、理不尽に突きつけられ続ける新たな事実に、恒一は鳴と共に立ち向かっていく。
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ichi-miya · 9 years
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甘いワインが染みになる。
あなたの中にある光が、 いつまでも消えないと良い。 ぽつぽつと、えんえんと。 みゃくみゃくと、ほそぼそと。 続いていくものであれば良い。 そう思うだけでいいかなって そう願うだけでいいかなって 静かに眠れるようになったのは、 きっとあなたのせいなのです。
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ichi-miya · 9 years
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温もりのない日曜日。
そんな顔しないでよ。 私は傷ついた、なんて。 そんな顔しないでよ。 傷ついた顔に傷つくよ。 あなたと私の世界は一つでした そんな迷信あるわけないのに そんな顔しないでよ。 傷つくな、なんて言わないから。 そんな顔しないでよ。 傷ついた顔が辛いよ。 私とあなたの世界を一つにしたいなら 決まりごとを設けましょう。 そんな顔しないでよ。 無理だ、なんて。 そんな顔しないでよ。 傷つけあい、傷のなめあい。 そんな顔しないでよ。 同類だってわかってるよ。 だからさ、 そんな顔しないでよ。
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ichi-miya · 9 years
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小さな爪のひとかけら。
グラスにワインを注ぐように 満たされた感覚のなかで 倒れるように眠ることができたなら それは本当の幸福です。
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ichi-miya · 9 years
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浅知恵と勇気。
麻薬みたいなもんだよ 知ってしまったら最後 ろくな抵抗もできないんだ バカみたいだよな 苦しくてたまらないのに 忘れることもできなくて そのうち苦しむってことが 快感に変わってしまうんだ 頭を冷やす、なんて一時の逃げで 緩和法みたいなもの 楽になった気がするだけだよ あぁ、いっそのこと 頭からまっぷたつに 切り裂いてくれたらいいのに。
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ichi-miya · 9 years
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南十字星が消えたら。
簡単には使ってはいけない。 免罪符を振りかざしてはいけない。 そんな暇があるのなら、 本物だけを信じて、私は死のう。
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ichi-miya · 9 years
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上向きの星。
名前をつけるほど 大層なものじゃないけれど ���この瞬間を 愛と呼んでもいいですか ほんの少しだけ 大袈裟な気もするけれど 今この瞬間を 僕のすべてにしてもいいですか あなたがいなくなったとき 僕が壊れてしまわないように あなたを思う気持ちが 僕より先に死んでしまわないように 眠たくて、幸せで、愛しくて 僕は少しだけ、不安だ。
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ichi-miya · 10 years
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あの人の糧は何か。
その傷は消えません。 あなたがどんなに 忘れてくれと願っても 忘れたいと願っても その傷は消えません。 たてまえはほんねを 隠すためにあって 決して消えたわけではあり���せん。 だからかんたんに忘れないで。 たしかにその傷があったことを。 いまでもその傷がきえていない そんな無限の可能性を。
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ichi-miya · 10 years
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すぐに消えてしまわぬように すぐに壊れてしまわぬように。
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ichi-miya · 10 years
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青くない空、赤くない血。
吐き出さないと、溜まっていく。 日常が、溜まっていく。 全部全部、ちゃぐちゃにして かき乱して、引き裂いて 手酷く裏切るような真似を しないではいられなくなる。 大切な貴方さえもどうでもよくなって 自分さえも分からなくなる。 手は赤く汚れていくばっかりで 少しもすっきりしないのに 止められなくなる。 美味しくもない麻薬みたいな 無意味で仕方ない。 それほどに壊すって単純で 心を奪われやすくて 最後にはなんにも残らない。 さぁ、貴方はどうする?
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