Tumgik
kokoro-m · 3 days
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脈打つ楽園
窓枠から揺らぐ桜も、明日には新緑に飲み込まれそうだ。そういえばここ最近の私の心は綺麗なものに反応しづらい日々が続いていたと思う。晴れの日にカーテンを開けると世界が広がる気がしたし、少し雑にひいてしまったコーヒー豆から苦味を感じた時でも満足していたし、少し開けた窓から春一番が吹き込めば、髪の間に隠れた前髪が目に入ってだるがったり、それさえ日常のきらめきの一粒に、感じていた。
限りなく思い出せる出来事として、喜びに溢れていたはずの、ぱりんと割れた器があって、肌に刺さるほど大きな破片はないから散らばったまま放っておいたのであった。掻き集めてしまえば自分が必死になって過去に浸るような馬鹿な羽目にあうので、毎日思い切り踏んづけて、粉々にする。胸を張るように歩いても曇天の日が多いとあからさまに気分は下がって、記憶の引っ掛かりである音楽を街中のドラッグストアで聞けば瞬きの回数が多くなった。ことごとく気分が天気に左右されるのは通常であったが、あの冬というのは、幾分長かった気がする。
青々とした芝、本当の芝生は全く青くない。はげて土が見え、何日か前に落ちた赤褐色の枯葉、折れたての小枝に誰かが落としたガムの包装紙。秋に忘れられたどんぐりの頭、裸足の指をくすぐる小さな蟻、どこからか飛んできた灰色の石ころ。大きな幹からぐんぐん伸びた枝や生まれたての葉っぱが影を落として、太陽は数分ごとに位置を変え、私たちはそれから逃げるように、お尻をよじらせ木陰を追いかける。誰かの恩恵を受けたわけではなく、私はいつも芝生の上にいる。小学生の時、近くの公園が養殖中になると近くのブランコで口を尖らせ、早く陽の光の元で寝転びたい気持ちを抑え、スニーカーの先端でゴム床を蹴った。中学生になると、芝生の上で読むものがミステリー小説になった。官能小説も相変わらず読んでいた。高校生、私は一人になりたかった。ブレザーの背中についた細い葉を手で振り落とし、スカートも入念に叩いて、草の匂いが残る裸足で靴下を履いて、窮屈なローファーで電車に乗った。それから今も、私は芝生の上で寝っ転がったり、体育座りをしたり、首が痛くなるまで枝葉から覗く太陽を見たり、足の甲を走る蟻を応援したりしている。
仲良くなったら変わるよ、好きになったら変わるよ、大人になったら変わるよ、経験したら変わるよ。自分というものが変化するということが大前提で人に教えられると、すごく窮屈な気分になる。好きなものは変わらない、増えるだろうけど。逃げ道だって変わらない。泣く時に来る場所も、聴く曲も、読み返す詩も、変わっていないのに。手の届かないところで美化され、日記の彩りとして消費され、全部同じになんてなれない。あくまで共通のものが私と貴方と誰かに存在して、分かり合える喜びが胸を満たすけれど、貴方や誰かが存在する以前から私はずっとここに居たはずだ。貴方のせいで変わったわけじゃ無い。貴方や誰かを通り過ぎた私が、覚えたての感情を抱いても、知らせたりなんてしない。私の全ては、貴方や誰かに、関係がない。もう居なくなったなら。
一定の冷たさが占めていた、細々とした砂利の音と唸る波の音が聞こえた真夜中の海に似ている。目を覚ませば春風が部屋の観葉植物を力強く揺らす季節になっていた。眠りかけていた機微ごと叩き起こされるも、自分のいる場所が変わっていない。薄く開けた唇の隙間から、生温かい陽気を味わう。次に私が目を閉じた時には安らぎが欲しい。そうして誰も私に触れないで。囲われた木陰の中で、立ちすくんでいる。
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kokoro-m · 1 year
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Sneak your way
呆気なく消える。他人に委ねた可能性の数々は飛沫の反動で滑り落ちていった。いつになったら抜け出せるのだろうと乾いた笑いで、話す度にぬるい慰めをする人からの問いを流し、私にお似合いな砂利道の端っこをそれでも転ばず進んだはずだった。最初から整備された青々しい道は、似合わないだろうと、勝手に言われてきたのを私が飲み込んだから。知らずうちに擦りむく軽々しい勲章は傷ついたものだけが撫でて良い、思いが込もらない指差しをせいぜい肌の色に合わない寒色の爪で跳ね返した。そうでもして、そうでもして歯食いしばってきたのに、山火事が起こる。私を何者に、なきものに。それは足先の痺れを通して、足を組む回数を通じて、冷や汗が出るほどの震えを味わって、心へ蝕む感情だった。私を取り巻くどれもが、至ってこれから希望的ではないのだから。また記憶深い痛みが土砂降りの中、煮えた孤独の味がする。
Your hand is warmer than a flood where I shouldn’t in. You made it. I won’t breathing in your spot. I never exist.
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kokoro-m · 2 years
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Deja vu
Car rides to Malibu
マリブまで車を走らせて
Strawberry ice cream, one spoon for two
貴方と二人で分け合ったイチゴ味のアイスクリーム
And trading jackets
お互いのジャケットを交換して
Laughing 'bout how small it looks on you (Ha-ha-ha-ha)
貴方が着たら小さすぎるんだもの、本当おかしかったよね
Watching reruns of Glee
グリーの再放送を見ながら
Bein’ annoying, singing in harmony
ふざけて一緒に口ずさんだりしてさ
I bet she's braggin' to all her friends
きっと彼女は友達に自慢げに言っているはず
Saying you’re so unique (Huh)
彼は本当に面白い人なの、って
So when you're gonna tell her
ねえ、早く彼女に言ってよ
That we did that too, she think it's special?
私たちがやってたことだって
彼女は特別に思っているでしょ?
But it's all re-used
でも全部私が先に味わった幸せなんだからって
That was our place, I found it first
そこは私たちの場所だったのに
私が貴方を先に好きになったのに
I made the jokes you tell to her
彼女に面白がられてるそのジョークだって私が作ったのに
When she's with you
そんな彼女と居たって、
Do you get deja vu when she's with you?
彼女と居たって、私を思い出すだけだよね?
Do you get deja vu? (Huh)
私とのこと覚えてるでしょう?
Do you get deja vu, huh?
私のことが思い浮かぶでしょう?
What do you call her? Almost say my name
彼女のことなんて呼んでるの?
あたしの名前を言いそうになったりして
'Cause let's be honest, we kinda do sound the same
だって正直になってみてよ
私と名前の響きが似てるくせに
Another actress, I hate to think that I was just your type
私の代役みたいじゃない
私がただのタイプだったなんて考えたくもない
And I bet that she knows Billy Joel
当然彼女はビリー・ジョエルも知ってるでしょうね
’Cause you played her Uptown Girl
だってUptown Girlを弾いてあげてたもんね
You’re singing it together
貴方は気持ちよさそうに一緒になって歌ってたし
Now I bet you even tell her how you love her
In between the chorus and the verse
今頃間奏の間にでも彼女の耳元で好きだって呟いてるんでしょ
So when you're gonna tell her
お願いだから彼女に分からせて欲しいの
That we did that too, she think it’s special?
それって私たちが前にやったことだって
彼女は特別だと思ってるだろうけど
But it's all re-used
全部私との使い回しだってこと
That was the show we talked about
それは私たちが好きで話してたショーのことだし
Played you the song she's singing now when she's with you
貴方が今彼女に弾いて聴かせて歌ってるのも全部私が教えたのに
Do you get deja vu when she's with you?
あの子といるときに私を思い出すよね?
Do you get deja vu? (Huh)
私のことが思い浮かぶでしょう?
Do you get deja vu, huh?
私とのこと忘れたはずないよね?
Strawberry ice cream in Malibu
マリブで食べたイチゴ味のアイスクリームに
Don’t act like we didn't that shit too
私たちにそんな思い出がないみたいに馬鹿言って嘘つかないで
You're trading jackets like we used to do
私たちがしたみたいにジャケットを交換してるでしょ
(Yeah, everything is over-used)
ほらね、全部使い回しなんだから
Play her piano, but she doesn't know
ピアノを聴かせてる でもあの子は知りもしない
That I was the one who taught you Billy Joel
ビリー・ジョエルを教えたのは私、彼じゃない
A different girl now, but there's nothing new
貴方の彼女は変わったけど
貴方のすることに新鮮なことなんて何もない
I know you get deja vu
分かってるんだから 私のことを思い出してるって
I know you get deja vu
貴方の思い出全部に私がいたんだって
I know you get deja vu
私のことが思い浮かんでるはずなの
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大幅私的で詩的解釈和訳、天才曲がシャッフルで流れたので。
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kokoro-m · 2 years
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点線に埋まる
暫く触れてなかったものに手を伸ばすときどうにも冷たく感じるのは、自覚がある故に過ぎた時間を思っているからだ。
見向きしてなかった訳じゃない、そう自分で小さく頷いては肯定しながらパソコンを開くと、夜8時にキャンドルの火だけが揺らぐ部屋に無機質なスポットライトが当たった。ブルーライトカットの眼鏡に反射する。両手の人差し指でカチカチとパスワードを打ち込むも、ページを開いて文字を書くまでに何の気持ちを思い出すかに迷う。ただ忘れただけなのか押しやって奥に潜ませたのか、書いていなくては整理がつかないと思った。咄嗟に浮かぶ感情はいつも革張りのノートに記入することにしていた。書きやすいペンは焦る手の動きで文字をにじませ、特に日時も残さず、日記にしてはあまり��も乱雑である。時にポエムは不可解で、ありったけの表現力で書けたと思いきや、陳腐で凡庸な君への和歌で終わってしまう。涙の跡を残してみたさに俯きながら書いたページをなぞれば、さらさらと紙質の良さを見せつける。
目薬が刺されるのを待つ子供のように目を見開き、空を見て考えていたら息をするのを忘れていた。危ない危ない、クロールの途中の息継ぎのようにしてまた周囲を見渡すと、枯れてもげたはずのサボテンがブックスタンドの代わりをしている。次から次へと関係のない寄り道を選ぶ自分の思考回路に溜息しようにもつい1秒前に吐いたばかりだったと気づいて伸ばした手が止まる。綿棒を真ん中で割って輪ゴムをぐるぐる巻いたら鼻に挟んでそのまま10分ほど待つのを毎日やれば鼻がシュッとするとうたう動画を見たなと考えながら膨らむ鼻の穴を感じるほどに息を吸い、一旦これを吐いてから、明日サボテンに水をやるかは考えようと鉢の色を見て思い立つのだった。
今噛んでいるガムの味が全くわからない。あと一回で治療の終わる虫歯の仮詰めが当たればしみて痛いのに、右側でつい噛んでしまった。でも今は一瞬の微々たる痛みよりこのガムの味が本当にわからないのだ。パッケージは紫、となれば相場ぶどう。わたしは諦めが早いので、毎度のごとく「調べちゃダメ!」と記憶力と想像力を試す母親の形相を思い出しなが包装を鷲掴みした。真顔でガムを噛んでいるとハッカーかヤクザ一家の一人娘の気分になりがちなので、気持ち獲物に触れるかのようにゆっくりと裏の製品情報を舐めまわした。瞬時にハングルの羅列が見える。果実を表すイラストもない。全く分からない。動揺して「羅列」を打つのに5回タイピングミスをした。母親がにんまりする画が見えた。
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kokoro-m · 2 years
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Long time ago
I don't like living under your spotlight
Tumblr media Tumblr media
I don't like.
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kokoro-m · 3 years
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Never Ending Playlist
「賢い刑務所生活」に続いた「賢い医師生活」。
あまりにも愛溢れるドラマの場合、終わりというものが来るのが一年の早さほどに信じられずとりわけ悲しくなる。大好きな登場人物たちに会えなくなるから。それでも終わりを迎えてしまいました。
賢い医師生活を最初に見たシーズン1の1話、いつものように登場人物の顔と名前を一致させつつ物語を楽しむことにした。あの頃は一斉配信だったので割と早い段階で完走した組で、周りで共有できる人が少なかった。なんだかいいドラマだな、そう思って見終わってすぐなのにまた再生して、気づかぬ間にとびっきりの物語、構成、演出、音楽、その全てに魅了されました。ロマンスありきの韓国ドラマも胸に来る切なさや夢見るようなシチュエーションが詰まって最高なのに、賢い医師生活は完全に一線を画していました。これは大変なものに出会ってしまった。
ドラマはまさに、ヒーリングでした。
物語の最初で同じ病院に勤めることになった医大時代の同期5人。イクジュン、ソンファ、ジュンワン、ソッキョン、ジョンウォン。それぞれ違う分野の科を担当し、目も回るほどの忙しさの中で、一人の提案から大学時代にやっていたバンド活動をまた始めることになる。一人が選んだ月ごとの練習曲が、出会う患者と自分たちの生活とリンクするかのように、ときに背中を押し、ときに過去や未来を慰めてくれる。
ドラマを見ているとき、誰かに感情移入したり羨ましくなったりして次が見たくなる、という訳ではなかった。ただただ主演の5人(1999年大学入学組なので99ズと呼ばれている)の関係性、ゆえに繰り出される会話と空気があまりに暖かくて、ずっと見ていたいだけなのだ。もう彼らを知らない人生に戻れないという感じ。物語に特別な事件は起こらない。不条理な会長も、お金絡みで怪しいヤクザも、裏がありそうな患者だって現れない。今までの韓国ドラマで慣れている視聴者側が「何かあるはず」と思えば思うほど、このドラマの良さに気づくことになり呆れてしまうほど。そうだこれは今までのドラマじゃない、「賢い医師生活」だったんだ、と。医師と患者、取り巻く家族、出てくる人物たちの、確かにそこに存在する人生をゆっくりすくい上げるように描いた物語である。
毎度のように泣いてしまうのは、ドラマに対して情が深すぎるのは抜きにしても、人間の心の琴線に触れるのがあまりに上手すぎる脚本の完成度が大きい。どっと目頭から涙が溢れる体験はそうそうないのに、このドラマを見ていると自然と湧き上がる感情に幾度も遭遇する。誰かの言葉に、誰かの表情に自分の心が揺れ動いては抑えられない。そんな脚本を体現する出演者の俳優さんたち、通常フューチャーされる主演陣以外にも丁寧な配慮が物語を通して当たり前に感じれるドラマはこれが初めて。まず99ズの演技力と団結力は言うまでもない。見たらわかる。なるべく素に近いキャラクター設定はメイキングを見たら明瞭で、キャスティング時点で完璧。出会うべくして出会ったような5人がだんだんと砕けて役そのものの関係性のように近づく姿は動物の動画より癒しになる。やっぱり土台がないと役の膨らみには限界があるんだな、と改めて実感する。土台が固まれば固まるほど、上に乗せれるものは多くなる。経験豊富な主演陣を支えるようにとても多くの俳優さんがインターンや外科生、教授や同期役で出演されている。医療モノは登場人物や関わる人がとにかく多いイメージだったので、どうやって全てを配役してキャラクターを肉づけるんだろう、あまりに真ん中の人たちのクオリティが高すぎるし…と思っていたシーズン1序盤、これまた私の中のドラマ常識が崩れる。
とにかく、全員、上手い。余すことなく全員の演技がうますぎる。特に悲しい結末を持つ患者側の家族の方々は表情や空気の作り出し方が只者のそれではなく、完全に領域が桁違いというか、ここのこんな役で、ここまでの深みを出せるの…?と毎回衝撃。そのおかげで一切の緩みのない、本当に真摯なシーンが作られているんだなと感激でした。こんなに丁寧に作られるドラマは、本当にない。そして何と言っても豪華なゲストの数々。流石のシン・ウォノ監督、配役に一切の無駄も手加減もない。大御所ー!あの人だー!誰この人知らないけどめちゃめちゃ素敵!!そんな感想が湧き上がる中、画面からは「喜んで!」と俳優さんから伝わるような愛を感じる友情出演の多さ。韓国ドラマファンとして大興奮でした。たまらない。生み出される登場人物と彼らが持つ無数の感情が、流されることなく積み重なって一つの物語を豊かにしているんだな、と感動します。
さらなる醍醐味は、人生において欠かせない幸せの瞬間、「食べる」!三度のご飯は元気の源、誰かが美味しそうに食べている姿はなんだか胸がほっこりするはず。賢い医師生活でも食事シーンは必見。ぽんぽん飛び交う身内ネタ混ざりの会話にサムギョプサルの焼ける音、麺をすする音、鍋いっぱいのラーメン、疲れた時に沁みるトッポッギとビール。ご飯は一人より、誰かと食べる方があったかい。韓国ドラマは何故か毎回コーヒー頼んだばっかなのに「もう行こうか」とお店を出たり、フォークを刺してもないパスタを残してお腹いっぱいと言ったり、ご飯好きには心が痛い演出が多くて何かと気になっていました。(関係ないけど、あとはニット着たまんま寝たり)ちょっとしたことで 「ああ、これは作り物だもんな」 と割り切ってしまうシ場面が多かったのです。賢いにはそれがない。どれほど嬉しかったことか!!!リアリティに忠実で、役としてのリアルを追求してくれるおかげで、物語���外に気になる暇もない。純粋に話を楽しめることが幸せ。
そうしてコメディな要素も満載なため、まるで友達との会話を思い出し笑いするかのように普段からシーンを思い出してしまうのです。あのネタ面白かったな、あんな言い方最高だったな、と。面白い友達の話を誰かに共有したくなるような気持ち。「昨日イクジュンがさ〜〜、あっ賢いの話なんだけど。」
そして、賢いシリーズに欠かせない「音楽」という大スパイス。選曲から流すタイミング、全てが完璧。「はじまりのうた」や「シング・ストリート」を思い出すような、韓国作品昇華版。どうしてこんなにぴったりな曲を、慄く。映画やドラマでも雨はいつもキーポイントになりますが、賢いでも同様。「雨」や「涙」が歌詞に多く出てきました。私が大好きなのは、「With my tears」 「Already one year」 「I like you(チョ・ジョンソクバージョン)」です。シーズン2の選曲がドタイプでした。ジュンワン恋物語曲は胸が締め付けられて聞くたびにあの眼鏡の奥のおぼろげな瞳思い出して泣きます。シーズン2の1話のギョウルとヨヌオモニ with 「Rain and You」 、正直過呼吸なるかと思いました。夕焼け見ながらの 「Already one year」 は滝涙。未見の方、涙の枯れない私をここに置いて、今すぐNetflixを開いてもらいたいです。
ビハインドを見るたび、出演者のインスタを見るたび、インタビュー記事や動画を見るたび、その顔色の良さ、監督の演出する姿、全部に「愛」が見える。愛の具現化=賢い医師生活。
迎えた今回のシーズン2は前と同様、各回放送終了後ツイッターで賢医ヲタクの皆さんが繰り広げる考察大会を私も血眼になって追いながら全力で共感しつつ、同じ温度で賢医が好きな友人に怒涛のラインをする。前シーズンの膨大なメイキングと番外編(主演5人がキャンプをするというこの世で一番平和なバラエティ動画)をYouTubeでBGMかのように再生しながらご飯を食べ、服を選び、メイクをして、仕事へ向かうのが定番。そうしていつの間にか迎えた毎週木曜、私は早寝なので23時の配信を眠らせた金曜の午前中に見て、同日二回再生して復習をするのがルーティーンでした。これからも何度だって見れるし何度も会えるけれど、たった今あの5人は何を食べてどんな患者さんと向き合ってそれぞれがどんな道を歩んでいるか、それを追えないのが悲しくて仕方がない。
偶然にも窓の外は強めの雨が降る中で、室内の私はベッドシーツを涙の跡で濡らしましたが、物語が一度終わったからといって冷める愛で2年間過ごしていません。いつか賢い医師生活がまた始まることを祈って、信じて、また明日からの私の人生を軽やかに歩むつもりです。あー悲しい!寂しい!もう会いたい!でも再履修のしがいがある!全てのキャストさんの次回作が楽しみ!ミドヌナとイェジン様らのドラマも、ギョンホさんの舞台続報も、追う情報はたくさんあるし、これからもきっとずっと仲の良い99ズが存在しているだけで良い。このドラマに出会ったおかげで私自身も大きく成長できる気がしてならない。いつかもしも私が大成して、賢いキャストの皆さんとお会いできる世界線を目指します。日本を代表する賢いヲタクの一部でありたい。
人生で一番好きな「賢い医師生活」というドラマについて少し語って見ましたが、再度、見ていないという方は、ぜひ見てもらいたいです。必ず幸せな気持ちになれます。離脱した方もいつか戻ってきますように。このドラマを作ってくださった全てのスタッフ陣、キャスト陣、制作の方々、本当にお疲れ様でした。大きな感謝と愛だけ抱えて。
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kokoro-m · 3 years
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私は拍手喝采のなか、まっすぐ渦の中心を見つめ、心を枯らさないよう見上げる夕陽に手をかざし、花びらの降る線路を力強く歩いていたはずが、気がつけば誰も私を見ていなかった。誰ひとり、そこで私を知らなかった。私はこうして、何者でもなくなったと感じた。
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kokoro-m · 3 years
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果実の降る夜
入り混じった夕焼けの色の見分けがつかない
10秒前まであった波線の雲は流れるように消えた
せっかく付けたのにとフィルムカメラの虚しいシャッター音
肩が自然にすくむのは肌寒いほどメロウなラジオのせい
窓際に無理やり寄せたパソコンの画面は間接照明として
いつの間にか擦り切れていた腕に無数の痕
一瞬だけと目を閉じた私を支えたシートベルトにご用心
自分で傷つけてはいないよ、中身だけ
昨夜見た夢の回想が途切れない夕飯時にも
噛みきれないトマトが僅かに飛び散るTシャツに
それこうなれば部屋着にしてしまえと諦めるように諦めた本心
散々読んだんだからと思い出す小説の引用は私宛ではなく
シャンパンの泡が溢れるより先に飛び交う目線のリレー
いけない薬を塗った人差し指の甘さには惹かれるな
やけにリアルで困ったよと鼻声で笑う私もまだ夢で泳いでいる
真っ赤になった肘が知らせるこれは長い間の物語だと
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kokoro-m · 3 years
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Spill out
私の名前をググった時に直近のツイートがずいぶんな文字サイズで表示されるのに気付き、"気軽に呟く"ことができないじゃない、と口角を下に歪ませています、ただいま、こんな時のタンブ��ー...溜息を記号で示す
気分を少しでもあげる為に音楽を聴いても止めてしまうだって果物みたいな言い方されても。二晩寝たのに。ツイッターのニュース欄、情報が早くて好きなんだけれど、それでもまだ君臨するニュース、絶対に忘れないからアライグマがあくびしましたみたいな記事に早くならないかな。
恋愛前提の婚姻関係前提からの子供を授かる前提の前提祭りは是非挙手制参加にしてもらって、どんなハッピーイベントも個人の趣向とタイミングと価値観に合わせて委ねて欲しいな、だから全部一旦許可してください、って何で自分でまだ決められないんだと常々、いろんな人と会話するなかで微笑んでいるのですが、必死に選択する行動を足蹴にされるとは。それが義務だとばかりに。最近特に調子が良くないのに、どこが人生で良い年になるだ、と眉をひそめまくっている。人間はタンポポでもないし柿でもないし産まれてきて今日まで皆んな生きているし...。もしかして今は2021では、ない...?オリンピックもなかったし2020が過ぎたことはわかるからじゃあえっと感覚的には2030くらいが今の私の内部の年号的な、精神年齢の例え的な...?10年じゃ短い、はずもないけれど、これじゃあ自分がませてると勘違いしてしまうから、自分を取り囲む環境は心底大切だなと改めて思う。ここにいてはいけないがここにいたいからここを変えたい。変えたい、変えたい。
。。。
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kokoro-m · 3 years
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オーブンレンジ
私の頬と大違いな頑固なチーズはいつまでも膨らまない
まだここにいるんだからとため息ついて曇ったガラス
大して欲しくもなかった風船が弾ける前に
したいしたくない 凝る親指は右往左往して
舐めてみれば苦いだろうと囁き声に振り返る
暗闇と腕組みした迷路で二歩先には12時を指す長針
見えもしない眼鏡の反射さえ眩しかった
その暖かそうで軽薄な灰色のニットから飛び出た糸を
切るなら切って 信号が赤に変わる前に どうか私の目の前で
笑ってしまえばおしまいよじゃんけんぽん
貴方が出したぐーに弱い私は包み込めもしない掌で
ほくろを数えるフリをしては核心的な瞬きをしたでしょう
はぐらかし方が苦手な方が良いって誰か教えたくせに
呆気なく飲み干した牛乳珈琲が駆け巡って息を吐く
三文字のきっかけで浮かび上がるカレンダーは背景のよう
エコーが響き渡るのはどうせ信号待ちの私だけ
あれこれどれだったと意味のなかった急行電車の中でも
影さえも褒められ微笑み返す一編の小説が書けない
懐かしいなが口癖になれば幸せなもんだと適当な相槌で
リゾートを彷彿とさせる味は甘ったるいのなんの何でなの
かきあげた後ろ髪に引く昔話はビールの瓶と流して
外れたネジを巻いても刺しても咲く花を何と呼ぼう
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kokoro-m · 3 years
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Do you wanna be a villain? Me,not.
今日は本当に天気が最高だった。正直昨日も一昨日も最高だったけど、今日は凄かった。何駅分か歩いた帰り道、住宅の路地に差し掛かるたびに右を向いては浮かぶ夕焼けの移り変わりは魔法のようだった。生き生きとした橙色が雲をわたあめにして、また一本先の路地を覗けばわたあめがライラック色、これほどまでの幸福な帰り道はなかった。マスク越しでもわかる澄んだ空気を歌を歌いながら噛み締め、時折飲み物を飲むふりをして両手を広げた。信号を渡っている最中に撮ったフィルムに映る空はきっと絶好の光景だ。私は私の人生の主人公だった。歩いても歩いても現れる木、薄れて見える月。人間をここまで幸せに誘ってくれるその全てが自然の産物で、この地球に生きている。4/22、Earth Dayに感じるには涙が出るほど美しい街の新緑だった。
地球環境について、環境破壊について、私たちが「今」できることは何か。それに気づけるキッカケになる、大切な日。
誰もが心地よい世界を作っていくには、今までの「知らない」を拡大させて当事者意識を持つことが第一だけれど、環境問題に対して、私はまだ階段の前で靴紐を結び直しているくらいの位置にいる。
問題視されるものにいざ向き合う時、私は常に自分の中に潜在的にあった悪魔のような「無意識」とにらめっこをする。I've got all these demons hiding underneath... 無知を片手に過ごしていたが、反省さえ出来なかったのは、それが当たり前だと思っていたからだろう。
自動販売機の隣にあるペットボトル・カン・ビンのゴミ箱に、おにぎりの包みビニールをぽいっと捨てたこともある。キャップとラベルと本体も分別しなかったし、ガムの包装紙を剥がす細い紙が道に落ちても拾わなかった。何のことも考えてなかった。それによって傷つく人も、何より自分が毎秒触れている足の裏に広がる大地、それらから形成される地球が苦しんでいるのかとは。目に見えて焼き尽くされてしまうような自然破壊は想像しやすいかもしれない、けれどもっと、毎日吸っている空気が流れている時に、寄り添える人間になりたい。
地球温暖化が進んでしまっている、だから夏場のエアコンは30度、冬場は19度に。教室の壁にかかったリモコンの下に貼ってあった。私家ではエアコンあんまりつけないようにしてるんだ!地球のためだもん!そう胸を張っていた。仕事や出先でいろんな人と出会うおかげで、SNSのフォロー欄や検索欄から、普段過ごしていれば興味を向けなかった分野の話題までえれることが出来る。環境に対する思いも、それがなければ何ら子供時代と変わっていなかったかもしれない。
ある時、家にペットボトルが溜まっていた。昨日飲み残した緑茶と、その日、外出先で買った水。どちらも飲み干せていないまま、部屋の机の上で放置されていた。いったい私はなんてズボラなんだ?と思った。中の飲料さえ無駄にしているし、ペットボトルだって二本も余ってしまっている。洗って使いまわそう、そう思っていたのも忘れて捨ててしまうときもある。私が普通に行なっていたことは確実な「無駄な資源」で、ゴミを増やしてしまっている。自分が悪党に思えた。
とはいえ、じゃあ明日からゴミ0を目指すぞ!と思っても、本当にこれは難しくて、これくらいならいいかが積み重なってしまう。The politicianを見た時、主人公が選挙活動のアピールで若年層に訴えかけるにはまず地球環境についてよく考えていると伝えなければと、お湯ではなく水でシャワーしたり、食べ残しはコンポストにしたり、好きなコーヒーを我慢して、などと悪戦苦闘している姿に笑っていたのだけれど、それらを本当に日常的に続けている活動家の人は凄い。海外に住む同い年の人のTiktokは最高にクールだ。本当にすごい。調べても調べても足りない。
結果論ではなく物事の過程にも着目すれば、また新たな(私にとっては)改善点が出てきたり...試したいことがたくさんある。新しい取り組み、って私的にはお金がかかっちゃうなと懸念しがちだけど、最近は自分を優先させない生き方も楽しいなと思い始めた。自分は、この環境に生かされているのに、私が環境を殺す一因にあるから。この人はこんなことまで、そんな視野を持って、すでに果敢に試しているなんて。最近では尊敬したい人が増えに増えた。陳腐な言葉だけれど、なんて地球は大きくて、どれだけの問題があって、それを今までの大切な21年間、どんな目をして私は無視していたのだろう。
超新米の私は、今日は出先でまたペッドボトルを買う始末になってしまったけれど、ウォーターボトルとマイストロー、エコバッグや紙袋をおぼろげに抱えて過ごすようにしている。いらなくなった服を近所の年下の子が着てくれるなんて優しさも貰い、あとは必須のコーヒーボトルやミニ水筒、買うだけは簡単なんだけど、まずは形から入ろうと去年の自粛から意識している。
至高の天気に恵まれた日。私は来年の今日までに、どのくらい成長できるだろうか。これからを未来を守るために、良かったら一緒に。
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kokoro-m · 3 years
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I WANT IT part 0
何でもかんでもインスタの保存欄に物欲を保存してしまう、勿体無いからここでまとめてみよう、お腹が空いたから金平糖を食べながら。
この間展示会にお邪魔させていただいたbabaco (@ba_ba_co)の靴下を買った、アボカドやイチヂク、イチゴから着色を試みたアイテム、糸に独特の深み色と素材の良さが相まってこれは秋に履いたら最高だと確信し私はアボカドを、友達はイチゴを。四つあったんだけどもう一つの色を完全に忘れているな。あとTHE素材がスルスル、みたいな、すっごくこれ通気性良くて履きやすいよ、、みたいな素材の蛍光色っぽいのもあった、今朝見たテレビのニュースキャスターさんがティールブルーのネクタイしてた、その色もあった、やっぱり買えば良かった。インスタの投稿で足の甲の側面にタトゥーしてあって夏絶対真似しよう。
ZARA×PRINCE、可愛くないか。ZARA買ったことない男の子の話を聞きました、いいから行こ
Kiko Arai さんが着る服はなんでも欲しくなっちゃうんですけれども今季のMaxMaraも俺の夢…涼やかなミントグリーンのジャケット、セットアップ(かな?)永遠に雲の上で過ごせるくらい素敵、彼女が着ればそこは虹色の風が吹く、、
願いが叶うならMulberryの全部が欲しい、City Pouchさえ可愛い、まるまるっとベリーしすぎ、24歳くらいで、バッグ、買えるようになりたい。って書きながらインスタ飛んだらやっば〜ダメじゃん〜何もかも可愛い〜気品しかない〜キャリアウーマンになりたいから〜。。最初はやっぱりThe Alexaだよね、あれを私は、何処にでも、連れて歩きたい、、どうしても口調がギャルになるの許せないな
Paloma Woolを買いたいとオンラインショップを開いてもうリアルに4年くらい経ってるのにオンラインでお金を沢山夢に注ぐことができなくて・春
母がもらってきたアートフリーマガジンみたいなやつに載ってたDorette Jewelsがレッドカード、サノスも絶対に欲しがるレベルでインフィニティ・ジュエリー、サノスと俺の相撲大会が始まる、可愛い、あまりにも可愛い
新作のセリーヌのビーチポンチョ、見た瞬間に脳内で私はマルタの海岸でアペロールを飲んでいたのですがこれは幻想?胸下の青く柔らかいロゴに砂ついたりする未来が見えました、普通に現実逃避アイテム、何でそんな素敵に作れてしまう?我らがレドベルJoy子が冬に載せてたもふもふ白フーディポンチョもスクロールできずに必死に特定班の投稿を待ってたら値段に腰割れました、本当に、欲しかった、去年冬はもこもこ熊になる夢をずっと抱いていて、実現できると、思ったのに、手が、伸ばせない、私の憧れ、、そろそろ句読点がうるさいですね
MiumiuのAirpods proケースを手に入れtって私これ言うの45678592回目?
ほーーーーんとLily Brownって可愛い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!店舗勇気出して行ってはでも私これいつ着よう?で帰ってしまってまたインスタ見て叫ぶんですね、以上
Spurさんの投稿見てAKIRA NAKAのとんぼさんシューズが欲しくて欲しくて三千里
Marc JacobsのThe tote bag、三回は本気で買いに店舗に足を踏み入れるも悩んでしまう、そこに現れたレザーミニ、大きく揺らぐ私の心、脳内でも色さえ選べない、インスタの動画可愛かった。
ビリーアイリッシュのブロンドが��ラッシュすぎる話は、した?
昨日の夜母とインスタ見てて(さっきから見過ぎ)、Todsの広告出てきた途端「えーーーー」って合唱した美しさ、Tod’s Island、表参道への電車賃計算しちゃうほど異常なラブリートロピカル、やっぱり夏に早くならないか!えー!なにそのチャーム!おいおい!マーメイド!可愛くて直視できないってシソンヌさんのモノマネしながら今母に再度見せたら呆れられました。
お昼おにぎりにしよっか、と去り際に言われたのでここまでにする。
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kokoro-m · 3 years
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End the
新宿三丁目駅から電車に乗り込んでからというもの、私の心は底なしの悲しみと悔しさで元あった場所に着地出来ていない。
昼間、実質的勝訴と宴になるツイッターのタイムラインにしきりに喜び、自由のパンケーキが今度こそフライパンからすり落ちることなく裏返せるんだと、そう思ったのに。
私はアジア人だ。
「私は日本人だから」と言って、鼻高々に自己紹介をしたことがある。私は日本が好きだったし、日本は好かれているし、日本は誇り高い国だと思っていたから。日本のご飯は美味しいし、日本の人は親切で礼儀正しい。自分のことを誰しもが好いてくれないのと同じで、誰しも嫌いな食べ物があるのと同じで、全員が一致することはない。アジアの国々、と言ってもどれほどまでがと検索したら52ヶ国が加盟している。私達は52のうちの1つに暮らしている。52ヶ国それぞれに歴史があって、文化があって、ルールがあって、多様である。アジア以外の地域には、もっと大きなコミュニティもあり、色んな言語が飛び交いながら個々に存在して、あらゆる国のルーツを持った人が住み、それを受け継ぎ伝統にし、国を、人種を繋げている。正直勉強不足で上っ面なことしかまだ言えないけれど。
今日は立派な怒りだけを握りしめていたい。
あらゆる人が、その不幸を笑われていいはずはないから。
今日私が目にした二つのことは、一つの大きな、大きな傷に繋がっている。
彼等は、アジアの、誇りと愛の象徴である。彼等がもたらす希望は大きくて、陽射しが反射した水のように尊く、その言葉には血が滲み、生き様を通して誰彼問わず、琴線の響きを与えてくれる。限りない人間性の詰まった、これまでになく素晴らしいアートなんだと毎日思っている。絶え間のない努力と棘だらけの道を、こうしてオリジナルの力で切り開いてくれたことは本当に感動して、感謝と尊敬を抱えるので精一杯だ。叩き割ったガラスの破片を乱暴に投げ返すこともなく、そっとハンカチを落としてきたに違いない。偉大な五文字のと、熱狂させる三文字の刺繍を真っ赤に入れて。7つの影はこれから伝説になるのに泥水で汚さないで欲しい。それさえも彼等は美しく飲み干すだろう、流れるままに浄化される。だから、それを踏みにじる権利は見渡しても何処にもない。隣国に住む者として、日々起こっていることに対しても本当に胸が痛い。
もうひとつ、アメリカで起こったこと。何よりも悲しかったのは、私のツイッターやインスタグラムのタイムラインには、まるで雲ひとつない晴天のようにその話題が浮かんでなかったことだった。何ひとつ。誰かがいいねもしてなければ、誰かがリツイートもしていなかった。話して欲しい、と思っている訳じゃない。ただ、沈黙するということは、残酷である、ということを身に染みてしまって苦しかった。
"最大の悲劇は、悪人の圧制や残酷さではなく、善人の沈黙である。"
(キング牧師の言葉を書いている人がいたので引用しました)
あまりの悔しさに泣きながら食べた親子丼はとてもじゃないけど現実味がなくて、アジア人というだけで私は生きてないのに、アジア人というだけで標的にされ命さえ失ってしまう人が同じ世界の何処かにいると思うと、悔しくて恐ろしくて、しょっぱかった。それでもご飯を喉を通して食べれる自分が不甲斐なかった。その場にいなかった、その事件が起こった国にいなかった、自分の国には銃がなかった、そんな他人事ではとてもじゃないけど済ませなかった。とてもじゃないけど、痛すぎる事件だった。一体どんな気持ちで銃口を見つめたんだろう。自分にない罪を思い出そうともしたのだろうか。自分の非を探したのだろうか。相手は、アジア人というだけで、貴方を殺したかもしれないのに。貴方はただ、生きていただけなのに。生きるために、その場所で、仕事を全うして、頭の中では出勤後のデートやら、食べたいディナーやら、子供の顔を思い浮かべてただけかもしれないのに。ただ道を歩いていただけで。自分の家で、寝ていただけで。ただ貴方が、貴方に銃口を向けた人と、違う人種なだけで。その人のバックグラウンドを嫌う人のために貴方が命を落としていい理由はない。内に秘めたる趣向は、秘めているから自由なのであって、それを行動に起こしてしまっては、悪意に過ぎない。
今回はアジア人だったけれど、至上主義の人々による排他的意識が無残にも残る中で、「知る」 ことから始めた上で何が出来るだろう。無力にも感じる私には、誰を救えるだろう。「当事者」だけの問題は過ぎ去っている。渦の中心で溺れる人を見つけたのなら、そこは危ないんだと、声をかけないといけない。でなければ、そこにいる人には二度と会えないから。そんな悲しいことは止めないと。
私は今確実に感情的にこの文章を書いていて、自分の気持ちを追いやれるはずもなく垂れ流しているけれど、消してしまうかもしれないし修正してしまうかもしれない。ただ今、どうしようもなく辛くて、やりきれなくて、目を閉じて口をつぐまない正義は一体何のためにあるのかと思う。知らなかった、は知れなかった。結んだ口は、誰かを救うために、自分を救うために開いてもいいのではないか。
https://www.gofundme.com/c/act/stop-aapi-hate
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kokoro-m · 3 years
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Be MOXIE
最近はもっぱらワンピースにハマるという原点回帰な日々だったのでアニメばかり観ていたのだが、ふと他のも観ようとNetflixをスクロールした。大好きな『シリアルキラー』をあっという間にこの間観終わったので、雰囲気を継承する感じで『ゾディアック』を観る。『セブン』やら『ソウ』っぽい空気が流れる映画がとにかく好きだ。
3日の朝、画面いっぱいに表示された"今日のおすすめ"的な作品に、MOXIE(『モキシー 〜わたしたちのムーブメント〜』)はあった。ブラックホワイトな写真に赤い字体、声を上げる姿が真っ先に浮かんで、すぐさま再生ボタンを押した。また革命の瞬間に出会えることを期待して。
来世は英語圏の学生になりたいと心の底から思う。どれほどまで私服登校の自由な姿に憧れてForever21でチェックシャツを買ったことか。ただそれも外から見た理想が大きくて、実際はどこにでも各々の問題がある。作品中に湧き立つあらゆる怒りに対して、ヴィヴィアンのように部屋で立ち尽くしてしまった。一時停止しては溜息をつき、勇敢な展開になれば指の骨を鳴らすほどに喜びを握りしめた。というか、セスは、何処を探せばいるのでしょうか。偶然隣の席がセスみたいなエンジェルである世界線をこれから創造したい。
私が高校生だった頃、全くと言っていいほど社会や世界情勢やらフェミニズムやらに興味がなくて、朝のニュースは占いときょうのわんこしか見たくなかった。学校では力仕事は勿論男子の仕事だと思っていたし、女子を陰でランキングされていることも、その中に自分はいるのかな、と内容ばかり気になっていたり、ふざけてスカートを履いてみせる男子のおちゃらけ具合も面白いと思っていた。この間、女子生徒はうなじを見せたらいけない、と記事を目にしたけれど、あれは夢の中の話であってほしい。
根強く積み重なっていた"普通"があまりに巨大な壁だと気づいたのは、高校を卒業した後のことだった。何だかもしかしてだけど、私はなめられているのかな、と感じてしまう瞬間が多くなったから。女の子だから荷物を持つ、女の子だから先にどうぞ、女の子だからここは払わなくていいよ。どうして私も払っちゃダメなんだろう、たったの五百円ほどのお茶代を力ずくで止められても何も感動しなかったし、いつまでもおやつ代三百円で渋る子供のように扱われているようで凄くむしゃくしゃした。逆も然りで、お前は男みたいだよな、女の子として見たことがない、男みたいな口調するなよ。私は女の子であることを選ぶ前に、親がつけてくれた一人の人間としての名前を背負って生きているのに。性別に対しての優しさもハンデも、批評も頼んでいなかった。どちらか一方の丸を選ばなければ失格するゲームを、もしかして日常でやっていたのだっけ?塵も積もれば山となる、それ以降私の頭の中にはハテナばかりが住み着いた。ボーイッシュ、な格好をしている子にも好みと趣向があって、ガーリー、な格好をしている子にもプライドと意志がある。自分よりも〇〇な人、を無意識的に判別してしまっていたと気付いた。無邪気で無遠慮で無関心だった学生時代、私は傷つき傷つけられ、そして確実に傷つけていた。猛省を繰り返して、学びを手に入れたかった。しっかりとした理解を得る前に、なんのことも妨げる権利はない。途端に私は、途方に暮れた。世界はとんでもなく広くて、多様だったから。海外に旅行した時の高揚感とあのやみつきになる空気は、あまりに気付きが多すぎて頭がパンクしてたのかもしれない。帰ってきて周りを見渡すと、その違いは瞭然で、それでも何故自分の国はどうして、と思わなきゃいけないのか、悲しくなった。
「If you're doing nothing, you're part of the problem.」
私も常にそう思っている。MOXIEではクラスの中で発言される台詞だった。人に聞く前に調べなさい、とよく母が言っていた。知らずに対抗する前に、知ってから理屈を組み立てるでも何でもいい。ムーブメントをしたり、文字で戦ったり、考えを広げることは、誇りを守ることだと思っている。私は私の誇りを失わないように、自分が生きていかなきゃいけない世の中を、少しでも優しくしたい。バスの前の人が定期を落としたら当然拾って渡すように、お釣りが多かったら返すように、服にゴミがついていたらとってあげるように、優しい当たり前を作りたい。どんな人に対してでも、どんな性別に対してでも。
何かに対して興奮するとつい口調が強くなったり、聞いてほしいあまりに捲し立ててしまいがちで、ただ苦い顔はさせたくない。こんまりさんの言葉を比喩に借りさせてもらえば、ただ少し世界には、ときめかない風潮が多くて、それを少し、磨いては生きやすくならないかな、と希望を提案し続けたいだけで。毎度書きやすい話し口調で文体は滅茶苦茶かもしれないが、日々のときめきを、あらゆる人への差別のない、健やかな未来に飛ばせるようにまた決心した朝の、例によって私の独り言だった。
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kokoro-m · 3 years
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貴方が知るよりも
中針でひと思いに穴を開けた浮き輪は何処まで流されているのだろう
一滴一滴と無力な水の連鎖で沈んでさえなければいい
憶測だけが頼りだと語るかのように視線は右端の空を掠め
濡れた唇に張り付いた二本の髪は艶やかに弱々しくひかる
悪い夢から醒めた時、がくんと後ろに勢い良く傾く首
ああ死ぬところだった、と朽ち果てた想像もしないくせに
潮騒に耳を傾け座り込む、流木は私の腰をシーソーの片割れに迎えて
晴れやかに柔らかくなるはずの心も凝ったまま
突風が吹いて帽子を追いかけるような情景
掌に溜まった砂は乾くまで手相を形どる兵隊たち
踊り子の伸びやかで甘美な指先を思い描いては妬ける情熱
私が欲しかったのは、繰り返す歌詞と生き急ぐ溜息を噛み締め
震えを含めた音で放つ、すべてがいらなくてすべてがほしい
あの日私が遠ざけた衝動は草原に隠された箱の中に
くすんだ波に愛情を込めて、誰も彼も見つめられない先がある
つめたくなった喜びが吹き荒れた人生だったと嘆く
願わくば嵐の夜にワインを飲み明かす彼らには聞こえないで
軽やかな望みがいつか通り過ぎる
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kokoro-m · 3 years
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頬杖をついたら
ああ、気付かなかっただけで毎年の街を彩るイルミネーションに季節感はすっかり助けられていたんだなと思い惚けてしまった、迫る師走の暮れに。まだ明かりの付いていない昼間の樹木を見ては窮屈な気持ちに共鳴していたものの、バスの窓から流れ見たそれらの正体は、空まで伸びるほどに健やかな、真っ黄色のイチョウだった。何だ、全然秋っぽいじゃんか。途端に首に巻いているマフラーが暑苦しくなる。
12月25日、枕元の大きな靴下はない。サンタさんが私の欲しいものをちゃんと分かってくれますようにと、ピンク色の折り紙に鉛筆で描いた思いは小学生の頃に窓から飛ばした。私の瞳には、遊園地で売られる風船のように自由な、そして優雅な風が手紙を運んでくれたと思っていたが、どうやらサンタは実際にいないらしいと友達が言う。じゃあ、桜の花びらのように舞った私の手紙は、一体誰が受け取ってくれたのだろう。正直私はいまだにサンタさんを信じている。
それでも、メリークリスマス、はどうも似合わない。いつもより少し豪華なご飯とホールケーキが食べれる日、くらいに認識していたがばかりに、いつもの11ヶ月の中で時たま自分にご褒美を与えるようになってしまっては、連日お母さんが作ってくれる料理が果てしなく美味しいこと、そんな日々が通常運転だとすれば、寧ろ味気なかったりした。今年は何だか実感が湧かないね。せめてサンタさんがきちんと24日の夜に、白い吐息とヒゲを絡ませながらせっせと子供達の元に駆けつけてくれてればいいな、と他人任せな幸せを願った。毎日変な夢を見るのに、その夜、半開きの唇と共に熟睡した。
ある日お気に入りのホロスコープブレスレットが千切れた時、使いやすいようにと形に沿って切って溜めておいたタトゥーシールが乾燥して全滅した時、捨てれないショップバックがタンスから溢れ出した時、抜けた炭酸のような返信ばかりを送るマシーンになっていたと気付いた時、私は無性に喉が乾く。まるでその後泣くための水分を補給するかのように、いつもは乾かない喉が産声をあげる。浄水なのを確認したレバーをあげて、蛇口からぼとぼとと注がれる水がコップに溜まるのを待つ。急に温度設定を変えてしまった時にはバブルが渦巻いて白濁した水が出る。うげ、と思いながら無心で体内に流し込む。そうした後に、本当はオレンジジュースが飲みたかったのにな、と独りでに落ち込む仕様の無さが欠点だった。「待つ」ことが本当は苦手なのかもしれないと最近思っているのだけれど、そこのところどうだろう私。約���の時間の2分前に友達の既読がない時、そこからとぼとぼ改札を引き返して最寄駅に降り立ち、コンビニのコーヒーを電子決済で買って帰る自分を容易く想像できてしまう。せっかちと忍耐を持ち合わせているつもりが、いつの間にか自分の中でいろんなことへの期待が高まっては幻想に浸って、そのペースに現実が追いついていなかった。
誰にでもあるであろう落ち込みの側面を、隠しきれないくらいが人間らしくていい。何でもいいじゃん今日を過ごせるんだから。「それな」で終わらせてもいいじゃない、それも一つの感情なんだから。あまりに考えることがあって、何を振り返ろうにも脳内が砂嵐で塞ぎ込まれてしまう。あーあ今日も爪が可愛いなあ、くらいの人格設定で毎日を過ごしたい。ちなみにここ数ヶ月の私の爪は本当に可愛かった。自分で塗ったけど、家の花瓶に刺さっていた百合の花を握って爪を引き立てさせたくらいには。湧き出たトラッシュはほっぽり投げて、発酵中のパン生地のことだけを考えていたい。でもやっぱり、こんな冬でさえ、北イタリアのどこかにて、出会いたい。私はただ貴方とダンスがしたいし、これは私についての物語ではない。今日の夜はやっぱりシングストリートを観直そう。
去年の1月と2月に私がPagesにまとめていたものは、あまりに直角的で、溶けた蝋のように頼り甲斐がなかった。3月以降の記録はない、三日坊主の表れだった。
この間、友達のZINEが完成した。テーマは "Youth"について、私も詩を一つ寄稿させてもらって、自分の詩の英訳と彼女の詩の邦訳も担った。キャッキャしながら朝から一つ一つの単語の意味を解読していった。そうだ、来年はもっと文章を書きたいし、恥じらいながらも読んで欲しいし、ウインクをするように雑に切り取った写真も宝箱だけに仕舞わないで、もっと広げられればいいな。こうして書き進める中で気持ちをまとめるタイプだって、誰かまだ察してくれていないかな。
私はグリーンでパープルで、信念のレッドと殻破りなティールブルーを抱えている。
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kokoro-m · 3 years
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Is this lying
I'm not used to being with somebody 
誰かといることに慣れてなかったから
with their shit together
なんだか軽い感じで一緒にいたの
Saying sorry actually makes it better
ごめん、なんて言えばいつも上手く過ごせてて
I did things to you I said I'd never
今までの私なら絶対にしなかったことも
貴方になら何でも出来た
I miss waiting for you in the lobby of your old apartment
貴方が住んでた古いアパートのロビーで帰りを待ってた頃が恋しい
Drawing shapes with you into the carpet
カーペットの皺で作った面影とかも
Back before the end had even started
終わりを告げる始まりさえ存在しなかった私たちのことも
Now that you're gone
今はもう貴方はいない
It's my fault
私のせいなのに後悔してるの
I'm so lost
失ってこんなにも悲しくなるなんて
I'm sorry, I'm sorry, I'm sorry
ありきたりなごめんも伝えたいから
Smoking cheap pre-rolls and listening to LANY
安い巻きタバコを吸いながらLANYを聴いてるの
Hoping you don't hate me
貴方がどうか私を憎みませんようにと馬鹿みたいに願いながら
I know it's lame, but this is how I'm coping without
こんなのダサいって分かってるけど、こうでもしないとって
Inside jokes and places that you'd take me
私達だけのお気に入りの冗談とか、
貴方が連れていこうとしてくれてた場所もあった
Bet you probably blame me
私のこと責めたいに決まってるよね?
I know it's lame, but this is how I'm coping without you
こんなのダサいって分かってるけど、
こうでもして貴方のいない日々を過ごさなきゃいけないから
I'm the best at getting disappointed by my expectations
私の期待を裏切るのが一番得意なのは私自身なのね
Try to read my mind,
何を考えてるか理解しようとしてくれてたけど
it's always racing
貴方の優しさとは裏腹に
気持ちはいつも勝手に先走ってた
Damn, I really love to test your patience
貴方を怒らせるのが好きだったの、あまりに子供だった
Now that you're gone
今はもう貴方は私のものでもなくて
It's my fault
全部私のせいだって知ってる
I'm so lost
でも心にぽっかり穴が空いて仕方がないの
I'm sorry, I'm sorry, I'm sorry
ごめんね、ごめん、今すぐにでも謝りたいの
Smoking cheap pre-rolls and listening to LANY
安い巻きタバコを吸いながらLANYを聴いてるの
Hoping you don't hate me
貴方がどうか私を憎みませんようにと馬鹿みたいに願いながら
I know it's lame, but this is how I'm coping without
こんなのダサいって分かってるけど、こうでもしないとって
Inside jokes and places that you'd take me
私達だけのお気に入りの冗談とか、
貴方が連れていこうとしてくれてた場所もあったのに
Bet you probably blame me
私のこと責めたいに決まってるよね?
I know it's lame, but this is how I'm coping without you
こんなのダサいって分かってるけど、
こうでもして貴方のいない日々を過ごさなきゃいけないから
Without you
貴方なしの日々に
Without you
一人に戻った私の日々に
Without you
二人の姿のない日々に
I'm the best at getting disappointed by my expectations
私の期待を裏切るのが一番得意なのは私自身なのね
Try to read my mind,
何を考えてるか理解しようとしてくれてたけど
it's always racing
貴方の優しさとは裏腹に
気持ちはいつも勝手に先走ってた
Damn, I really love to test your patience
貴方を怒らせるのが好きだったの、あまりに子供だった
Smoking cheap pre-rolls and listening to LANY
安い巻きタバコを吸いながらLANYを聴いてるの
Hoping you don't hate me
貴方がどうか私を憎みませんようにと馬鹿みたいに願いながら
I know it's lame, but this is how I'm coping without
こんなのダサいって分かってるけど、こうでもしないとって
Inside jokes and places that you'd take me
私達だけのお気に入りの冗談とか、
貴方が連れていこうとしてくれてた場所もあったのに
Bet you probably blame me
私のこと責めたいに決まってるよね?
I know it's lame, but this is how I'm coping without you
こんなのダサいって分かってるけど、
こうでもして貴方のいない日々を過ごさなきゃいけないから
Without you
貴方のいない日々を
Without you
貴方を手放した私を
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Coping / Rosie Darling
私的和訳
こういうメロディが大好き
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