Tumgik
nythys · 4 years
Text
Nada Surf - Lucky (2008)
Tumblr media
Nada Surf - Lucky (2008)
ニューヨーク出身のバンド、 Nada Surfの5thアルバム。プロデュースは、Wu-Tang ClanからDeath Cab for Cutieまでジャンルを超えた数多くの作品に携わっている名プロデューサー、エンジニアのJohn Goodmanson。
WeezerをプロデュースしたThe CarsのRic Ocasekを迎え、1995年にリリースされた1stアルバム“High/Low”収録の“Popular”がスマッシュヒットし、一躍脚光を浴びた彼ら。その後2ndアルバムに対するレーベルとの意向の違いによる衝突を乗り越え、現在ではNYインディーシーンで確固たる地位を確立している。
ダークなアルペジオで始まり後半にかけて美しいコーラスが重なってゆく“See These Bones”から幕を開け、最高の高揚感が味わえる“Whose Authority”、所謂クワイエット・ラウド手法の逆の発想を用いた“Weightless”、トレモロギターの浮遊感と悲しげなストリングスが混じり合う“The Fox”を筆頭に、バンドのディスコグラフィーの中でも特に美しさとほろ苦さが味わえる作品である。本作に限ったことではないが、Nada Surfの特筆すべき点は楽曲の素晴らしさである。コンスタントにリリースを続けながらも、ファンの期待を裏切らない良作を生み出し続けられるのは、一度メジャーとの葛藤を味わった上で、それでも尚良い曲を作ろうとし続ける彼らの姿勢の賜物であると思う。決してライブで盛り上がる曲ばかりではないが、どれも人生の様々な瞬間に寄り添ってくれる。
個人的にNada Surfは常に基準となるバンドである。良曲を作ろうとするということは、どんなジャンルでも欠かせないことだが、それを直向きに続けているバンドとして、音楽を聴く時にも作る時にも意識してしまう。それ程敬愛している。
どのアルバムもハズレがなく素晴らしいが、初めてNada Surfに出会ったのがこの作品のため特に思い出深い。日本盤には旧友Juliana Hatfieldがバッキングボーカルで参加した“I Wanna Take You Home” (後にボーカルのMatthew CawsとMinor Alpsというユニットを結成している)やアコースティックVerの曲も収録されており、対訳も付いているのでそちらをオススメしたい。
個人的ベストトラックは2曲目の“Whose Authority”。年を重ねるたび曲の高揚感が身に染みてゆく。浮遊感のある曲調と静と動が素晴らしい5曲目“Weightless”も捨てがたいところではある。
youtube
余談ではあるが、私がNada Surfで一番好きな曲は6thアルバム“The Stars Are Indifferent to Astronomy”収録の“Let The Fight Do The Fighting”。悲しげな雰囲気の中で、夜道を照らす街灯のようなトランペットソロの哀愁がたまらない。
youtube
1 note · View note
nythys · 4 years
Text
Local H - As Good As Dead (1996)
Tumblr media
Local H - "As Good As Dead" (1996)
ギターボーカルのScott Lucas率いるアメリカのユニット、Local Hの2ndアルバム。プロデュースはPixies、Throwing Musesなどでエンジニアを務め、Quicksand、Clutch、Fuelなどでプロデューサーとして活躍しているSteven Haiglerとバンドの共同によるもの。
グランジムーブメントを彷彿とさせるヘヴィなリフが主体でありながら、ポップな楽曲に仕上がっているのが特徴。またギターボーカルとドラムという最小限の編成(レコーディングではScottがベースを演奏、ライブではギターにベース用ピックアップを取り付けオクターバーを用いているが)ながら、それを感じさせない骨太なサウンドになっているところにソングライティングの巧みさが窺える。シングルカットされた"Bound for the Floor"/"High-Fiving MF"、"Eddie Vedder"、"Fritz's Corner"を筆頭にバラエティに富んだ作りになっており、飽きさせない作りになっている点も素晴らしい。
歌詞の一節"You go ahead as good as dead"がアルバムタイトルがなっている様に、やはりこの作品には名曲"Eddie Vedder"が欠かせない。Pearl Jamのフロントマンの名前をそのままタイトルにしているが、個人的解釈ではEddieへのアンチテーゼというよりかは、もし自分が彼の様な存在だったら?という苦悩を描いてるのではないだろうかと推測する。勿論アルバムとしてはパンキッシュな歌詞が続いているので、単純に彼への批判の曲かもしれないが、曲の醸し出す雰囲気はどこか物悲しさを感じさせる。
Local HもFailureなどと同じく個人的思入れに対して、世間的な評価が低いバンドである。初期のドラマーJoe Danielsは脱退してしまった("As Good As Dead"20周年ツアーでは一部復帰)が、現在もコンスタントに作品を出し続けており、どれも良作なのでぜひ聴いてみていただきたい。
個人的ベストトラックは8曲目の"Eddie Vedder"。
youtube
2 notes · View notes
nythys · 4 years
Text
Failure - Fantastic Planet (1996)
Tumblr media
Failure - Fantastic Planet (1996)
プロデューサーとしてJimmy Eat World、Lostprophetsなど、エンジニアとしてBeck、Chris Cornell、Paramoreなど現在数多くのアーティストを手掛けているKen Andrews、 AutoluxやLusk、またA Perfect Circleのツアーメンバーなどで活躍するGreg Edwards、Hole、Veruca Salt、Blinker The Starなどで活躍するKellii Scottらによるアメリカのバンドの3rdアルバム。セルフプロデュースでエンジニアはKen Andrews自身によるもの。
アルバムコンセプトやアートワークはフランスのRene Laloux監督の同名のカルトアニメ“ Fantastic Planet” (1973)がモチーフ。全17曲1時間越えの大作にもかかわらず、インスト曲のSegue1~3、ギターのフランジャーが美しい6曲目“Blank”、歪んだベースがヘヴィな16曲目“Heliotropic”、アルバムのラストに相応しい壮大さの17曲目“Daylight”によってバラエティ豊かでストーリー性のある仕上がりになっている。13曲目“The Nurse Who Loved Me”はA Perfect Circleの2ndアルバム“Thirteenth Step”でカバーされている。
静と動を組み合わせる手法という点ではPixiesやNirvanaを感じさせるが、タイトな演奏や、エレキギターのクリーントーンに代わってアコースティックギターを多用しており、前述のバンド違ったオリジナリティを確立している。また1stアルバム“Comfort”はSteve Albiniによるプロデュースだったが、その音に満足できなかったこともあってか、真逆のクリアで迫力のあるサウンドになっている。そのコンセプト、楽曲のクオリティなど細部に至るまで素晴らしく、まるで作品の世界にトリップしたかの様な体験ができる。再結成までの最終作に相応しいバンドの到達点で、グランジムーブメントに影響を受けたオルタナティブロックが進化したスペースロックの大名盤。
Ken Andrewsのプロデューサー、エンジニアとしての活躍を筆頭に、Toolとのツアー、解散前には後にQueens of the Stone Ageなどで活躍するTroy Van Leeuwenが参加していたりと、アメリカのオルタナティブロックを語る上で欠かせない存在だと思うのだが、今一つ評価されていないバンドだと思う。Failureはこの作品だけでは語り尽くせないので今後も他の作品を紹介したい。
個人的ベストトラックは14曲目の“Another Space Song”。再結成直後の2014年のライブでの一曲目で披露されており、再活動を待ち望んでいたファンには堪らない感動を覚えさせる、彼らの名曲のひとつ。
映像でもライブの完成度の高さが感じられるので、いつか生で観てみたいと思っている。
youtube
youtube
2 notes · View notes
nythys · 4 years
Text
The Afghan Whigs - 1965 (1998)
Tumblr media
The Afghan Whigs - 1965 (1998)
Sub Pop黎明期から活躍するアメリカのバンド、The Afghan Whigsの6thアルバム。プロデュースはボーカルギターのGreg Dulli。
ロックを基軸としながらも、ジャズ、ソウル、R&Bなどの影響が最も色濃く表れている作品。そのため落ち着いてしまったという意見もあるが、ロックと黒人音楽の融合の完成形のひとつとして評価して良いのではないだろうか。
2014年の再結成後の作品も含め、デビューから傑作揃いのバンドであるため、初めて紹介するに当たり悩んだが、サウンドワークなど総合的に考え本作を選んだ。エネルギッシュな3rd“Congregation”、 死ぬ前に聴くべき1001枚のアルバムにも選ばれ最高傑作として名高い4th“Gentlemen”  、最も成功した5th“Black Love”を筆頭にどれも捨てがたいので気になった方は是非チェックしていただきたい。
個人的ベストトラックは5曲目の“66”。
youtube
1 note · View note
nythys · 4 years
Text
Lusk - Free Mars (1997)
Lusk - Free Mars (1997)
Tumblr media
Lusk - Free Mars (1997)
Chris Pitman(Guns N' Rosesなど)、Paul D'Amour(Tool、Ministryなど)、 Greg Edwards(Failure、Autoluxなど)、Brad Laner(Medicineなど)によるアメリカのバンド、Luskの唯一のアルバム。 Paul D'Amour、Chris Pitmanによる共同プロデュース。 ToolのドラマーKellii Scottもパーカッションで参加している。
Olivia Tremor Control、XTCの変名バンドThe Dukes Of Stratosphearを感じさせるサイケポップでありながら、エクスペリメンタルロックやドリームポップなどの要素も取り入れた良作。 流石様々なバンドで活躍している職人揃いのバンドである。 センスの良いジャケットや図鑑のような歌詞カードなど、楽曲以外の面でも好印象で、本作品のみで活動を終えてしまったのは残念。
1995~1996年にはChris、Paul、GregのメンバーにFailureのKen Andrewsを加えた前身(?)バンド、ReplicantsでPink FloydやDavid Bowieなどのカバーを披露しており、Luskとしての活動に影響が窺える。
90年代後半にはKen Andrews周辺の良作を残した短命のバンド、プロジェクトが多数存在するので後々紹介したいと思っている。もちろん個人的に多大な影響を受けたFailureも。
個人的ベストトラックは1曲目の“Backworlds ”。
youtube
1 note · View note
nythys · 4 years
Text
The Hormones - Where Old Ghosts Meet (1997)
Tumblr media
The Hormones - Where Old Ghosts Meet (1997)
現在はシンガーソングライターとして活動しているMarc Carrollが率いたアイルランドのバンド、The Hormonesの唯一のアルバム。プロデューサーはBlur、Feederなどを手掛けたSteve Power。
軽快なバンドサウンドに泣きのメロディー、巧みなコーラスワーク等どれも完成度が高く、ギターポップの理想形と言っても良いと思う。またアルバムとしても、フォーキーで悲しげな6曲目“A House By The Hills”やバンジョー、バグパイプを取り入れた8曲目“Dig Like Merry Hell”によって緩急のある作りになっている。
Marc Carrollのソロも素晴らしいので気になった方はチェックしていただきたい。
個人的ベストトラックは5曲目の“Mr. Wilson”。
youtube
0 notes
nythys · 4 years
Text
Fudge Tunnel - The Complicated Futility Of Ignorance (1994)
Tumblr media
Fudge Tunnel - The Complicated Futility Of Ignorance (1994)
後にAt the Drive-In、The Mars Volta、Bloc Party、City And Colourなどのプロデューサー、エンジニアとして活躍するAlex Newportが率いたイギリスのバンド、Fudge Tunnelの3rdアルバム。プロデューサー(アドバイザー?)はSepultura、Nailbomb、SoulflyなどのMax Cavalera。
楽曲としてはバンドのスタイルであるスラッジメタルやハードコアを基本としているが、  それまでとは真逆のインディー志向の強いサウンドを取り入れ、よりダークな世界感を生み出している。また5曲目“ Six Eight ”、8曲目“Find Your Fortune”ではドゥームメタルをも感じさせる演奏を披露している。
うねるギターリフとベース、3ピースとは思えないヘヴィさ、どれも最終作に相応しいが、その完成度の高さにこのまま進化を続けていたらどうなっていたんだろう?と思わずにはいられない。それ程素晴らしい作品だ。ヘヴィロックの衰退している今でこそ聴いてほしいと思う。
個人的ベストトラックは11曲目の“Rudge With a G”。
youtube
1 note · View note
nythys · 4 years
Text
Various Artists - No Seattle: Forgotten Sounds of the North-West Grunge Era 1986-97 (2014)
Tumblr media
Various Artists - No Seattle: Forgotten Sounds of the North-West Grunge Era 1986-97 (2014)
1986年~1997年に発表されたシアトルのバンドのシングルを集めた2枚組コンピレーションアルバム。イギリスのレーベルSoul Jazz Recordsよりリリース。
タイトルはコンピレーションアルバム“No Alternative” (1993)、ジャケットはNirvana - Nevermind (1991)のオマージュ。
当時人気のあったBlack Flag、Melvinsらからの影響を受けたバンドだけでなく、カントリーやファンク、ニューウェーブなどからの影響を垣間見れるバンドもおり、シーンの多様性が感じられる。
個人的にはグランジは当時のシアトルを中心としたバンドを指す言葉であって、音楽性を指す言葉ではないと思っているが、このアルバムを聴けばそれが理解していただけるのではないだろうか。
個人的ベストトラックはDisc2の6曲目Small Starsの“It's Getting Late”。悲しげなストリングスとThe Velvet Undergroundを感じさせるバンドサウンドが心地よい。
0 notes
nythys · 4 years
Text
Verbena - Into The Pink (1999)
Tumblr media
Verbena - Into The Pink (1999)
アメリカのバンドVerbenaの2ndアルバム。プロデュースはNirvana、Foo FightersなどのDave Grohl。
気怠いボーカルと歪んだギターはグランジムーブメントの影響を感じさせるが、 ガレージ色の強い楽曲とベーシストAnne Marie Griffinのコーラスによってポストグランジ勢とは一線を画している。そのサウンドは現在のグランジ・オルタナバンドの先駆けと言っても良いだろう。
アルバムとしては若干楽曲のバラエティーに欠けるが、1曲目“Lovely Isn't Love”と13曲目“Big Skies, Black Rainbows”によってストーリー性のある作りにはなっている。
ポストグランジとは違ったグランジムーブメントの未来を描いた作品として重要なアルバムだと思う。
個人的ベストトラックは3曲目の“Baby Got Shot”。
youtube
0 notes
nythys · 4 years
Text
Blinker The Star - August Everywhere (1999)
Tumblr media
Blinker The Star - August Everywhere (1999)
ソングライターのJordon ZadoroznyはHole - Celebrity Skin (1998) にも共同作曲として参加している、 カナダのバンドBlinker The Starの3rdアルバム。プロデューサー、エンジニア、コーラスなどでFailureのKen Andrews、ドラムで同じくFailureのKellii Scottが参加している。
美しくもどこか儚さを感じさせる良曲揃い。 そしてFailure - Fantastic Planet (1996)を彷彿とさせる透明感のあるプロダクションが楽曲の良さを引き立てている 。
先鋭的な作品も楽しいけど、単純に良曲揃いな作品は安心するよね、と感じさせる素晴らしいアルバム。過小評価されているとは思うが、こういった作品が隠れているのが過去の作品を漁る楽しさであるとも思う。 
個人的ベストトラックは4曲目の“All Dreamed Out”。
youtube
2 notes · View notes
nythys · 4 years
Text
友人に薦められてTumblrを始めることにした。
主に自分の好きな音楽を紹介出来たらと思う。
1 note · View note