これから公認心理師国家試験を受験する人に読んで欲しい記事【精神医学対策編】
さて、公認心理師国家試験対策で、まず重要なのが「精神医学」だ。
言うまでもなく膨大な領域なので、完全な理解は至難の業である。
あくまでも主観だが、精神科はマニアックで好き嫌いも明確になる領域。
苦手意識の強い人が勉強すると、理解はかなり難しいと思う。
しかも、本試験ではかなり高度な問題もあった。
おそらく、高難度の問題は今後も出題されるだろう。
「捨て問」として処理するのもアリかもしれないが、やはり正解数は少しでも増やしたい。
絶対に60%以上の得点率を確保するためにも、各領域を徹底的に理解することが鉄則だ。
今回は、おいらが実施に取り組んだ精神医学の対策を記載する。
■理解する上での基本
どの領域でも言えることだが、価格領域を理解するためには、
「自分がその職務に就いた時に使う」
という前提で取り組もう。
国家試験の問題の多くは、実務で使う常識を確認するかのような意図があるように思う。
看護師国家試験は、一般的に「落とすための試験ではない」と言われている。
ここ最近は、結構難易度の高い問題が多いが、基本は学校で習った常識的な内容がほとんど。
おいらは第103回の試験だったけど、やはり学校で習った内容が大半を占めていた。
精神科病棟に就職した後も、やはり国家試験で勉強した内容を思い出すことが多かった。法律関連、薬剤の違い、対応の基本、疾患に付随する特徴 etc..
勉強したことの全てが、実務に直結していた。
本記事執筆時点では、公認心理師登録証はまだ届いていないため、心理職としての実務は無い。
しかし、今回受験した第3回国家試験では、これまでの実務経験がかなり活きた。
心理学の学習も、おそらくこれからの職務に直結すると見ている。
➡そうであってくれ・・・。
■選択肢と解説を家族や利用者に説明するつもりで理解する
実際の職務では、患者や家族に、疾患や薬剤について聞かれることがある。
職務では、そのような光景は日常茶飯事。
質問を受けたら、いかに簡潔明瞭に説明できるかが職務者の義務である。
そのためには、
正解の選択肢を一字一句覚える
その上で解答の解説を平易な言葉で話せる
のが一番だと考えている。
精神疾患は、よく聞くものであっても、そこに含まれる理論や特徴は膨大かつ複雑である。
統合失調症ひとつでも、陽性症状・陰性症状だけで相当な量がある。
認知症でも、そこに付随する症状は多岐に渡ることは誰でも知っている。
問題集に記載された選択肢と解説は、これらを簡単にまとめたものだ。
されに言い換えれば、質問に対する手っ取り早い返事のセリフだ。
問題文を患者・家族の質問に置き換えたら、その下に並ぶ選択肢たちは、正しい返答と言ったらダメな言葉の一覧なのだ。
■最初は精神看護学からやってみるのもアリ
試験対策を始めた当初から、公認心理師の過去問は流し読み程度でやっていた。所有していた問題集は、分野ごとに区分けされていたので、まずは精神医学領域を2回ほど解いている。
もちろん知らない言葉も出てくるが、多くは実務で一度は耳にしたことがあるような内容である。
中には、学生時代の基礎教育で習ったようなものもチラホラ。
しかし、全ての受験者がそういうわけにもいかないだろう。
冒頭にも記載したとおり、この領域は好き嫌いが明確になる。
嫌いな人は、本当にお手上げ状態になる例もある。
そういう方は、まず看護師国家試験の精神看護学の過去問がオススメ。
看護師国家試験は、Web上で公開されているものを活用した。
ナースフル 看護師国家試験 過去問集は特に秀逸なサイトである。https://nurseful.jp/student/
無料か格安のアプリもあったと思うが、充実度ではこれが一番だった。
過去13年分のボリュームは素晴らしく、解説も簡潔明瞭。
事例問題も豊富なので、初学者でもかなり取っ付きやすいと思う。
これから対策を始める人は、まずここから始めてみよう。
これである程度の理解が進んだら、少しずつ高度な内容に進もう。
当然、おいらも解いた。
これは知識の再確認と、忘れていた勉強の感覚を呼び覚ますためのウォーミングアップとしての意味がある。
■作業療法士国家試験の重要性
精神科では、作業療法士も重要な存在である。
当該職種の国家試験には、当然精神医学が含まれている。
おいらは、以下の2種を徹底的に活用した
クエスチョンバンク 作業療法士 国家試験問題解説 2019 専門問題
クエスチョンバンク 理学療法士・作業療法士 国家試験問題解説 2020 共通問題
この問題集は、表・図・イラストが豊富なので、視覚的に理解する上では最高である。
精神疾患はもちろんのこと、小児の発達や老年期、そして検査関連の問題と包括する範囲も広い。
そして、説明も簡潔ながら詳しい。
疾患や出来事の根拠を系統立てて理解することが可能だ。
また、「どのような場面でこの方法を使うか」的な説明も多い。
さらに、それらは実務では当たり前に見かけるものばかりだ。
そのため、これから就業する上で覚えることをいち早く理解することにもつながる。すでに名前は知っているけど実際を知らないという方にも、きっと役立つだろう。
もちろん、症例問題もあるのでバッチリだ。
難易度的には、看護師国家試験より少し難しい印象だった。
疾患の特徴についての解説だけでも、結構専門的な内容だった印象がある。
ある程度、精神医学の感覚を身に付けた上で取り組んだ方が、理解は早まると思う。
■精神保健福祉士試験で社会制度も一緒に覚える
実はおいら、今年から精神保健福祉士養成課程に進む。
が、、まだ過去問は購入していない。(現在調査中だから)
そこで活躍するのが、過去問.comだ。
https://kakomonn.com/
当然、上記サイトにも解説が用意されている。
※一部の問題では解説が無いのもあります。
しかも、複数種類の解説も多い。
解答の解説が複数あるということは、それだけ考え方・理解の道筋が多いということになる。是非とも積極的にこなしていこう。
精神医学の問題構成は、比較的中程度だったと思う。
精神科急性期病棟では、一度ぐらいは耳にしたことがあるような言葉が多かった。
心理学についても、防衛機制や歴史上の人物など、クイズに出てくるような問題が多く、全体的には平均的な難易度じゃないかと思う。
主観では、看護師国家試験を少しマニアックにしたような印象だった。
また、前回の記事でも記載したが、精神保健福祉士の過去問は、福祉領域の問題に対応する上でも重要。
さらに本試験は、福祉領域に関係する問題も見受けられる。
言い換えれば、精神医学と福祉領域を一挙に覚えられるということ。
こんなお得な方法を使わない手は無いだろう。
タイトルとはズレてしまうが、精神医学と並行して社会制度もぜひ覚えたい。
実務に直結する内容でもあるから、相談に応じる際にも有効だ。。
おいらは訪問看護に従事している。
自立支援などの各種制度は、退院前カンファレンスなどでは当たり前に出てくるキーワード。
訪問開始後も、制度活用について考えることも多い。
これは在宅医療におけるマストアイテムである。
現在、在宅医療に従事している方や、興味を有している方は、率先して理解して欲しい。
それでも、やはり法律も絡む領域ゆえ、細かいことを覚えるにはそれなりの労力を有する。
事実、ここで折れてしまう人も多い。
当然、力づくで覚えたとしても、果たして理解が出来るか?と問われれば怪しいところだ。
おいらの場合は、知っている制度については、過去に対応した患者のケースから覚えた。
そして知らない制度については、活用することのメリットを最優先で知ることにした。
自立支援や障碍者手帳など、精神科の世界で使われる社会制度は多岐に渡る。
中には、ニュースや新聞などで見かけたこともあるようなキーワードもあるだろう。
しかし、実際にそれが何か?と問われても、案外答えられないことは多いと思う。
全ての社会制度には、利用した人に何らかのメリットがあるはず。
さらにそこには、お金の問題も絡んでいるはずだ。
コロナが蔓延している現在、ニュースでも給付金などの社会資源について耳にすることが多い。
これらは基本お金であり、利用することのメリットがある。
だから、もし自分を含め、身近な人が必要となった場合に提案できる手段としても覚えておくといいだろう。
■高度な知識は医師国家試験、精神科専門医試験から
医師国家試験も、やはり診療科目ごとに分類されている。
その中には、当然精神科もある。
おいらは、医療美術部のサイトを活用した。
https://medical-illustration.club/。
医師国家試験は、治療や診断に至る基準が分かる。
上記サイトの解説は、かなり簡素だ。
そのため、詳しく理解するというよりは、正解しているかどうかを確認するのに活用した。
また、解答の解説には、一部リンクが貼ってある。
そこから詳しい説明にたどり着くことも出来る。
少々単純すぎる紹介で申し訳ないが、とりあえず知識の確認をする上では有効だし、自信もつくはずだ。
他にも、「医師国家試験 過去問 精神科」でググれば、意外と公開されている問題もあるので、そういうところからも当たってみよう。
そして精神科の極めて高度な内容は、専門医認定試験から得た。
日本精神神経学会 専門医認定試験問題 解答と解説 第1集と第2集
※ただし、専門医試験の問題集は1冊が高額なので、図書館などにあれば、それを借りるのが一番良い。
代表的な疾患はもちろん、症例問題もしっかりある。
この問題集の解説は、非常に高度で具体的。
正解の根拠もかなり詳細だった。
こちらは、医師国家試験と同様で、本試験の1~2か月ぐらい前に取り組んだ。
やはり、ある程度は精神医学の知識と感覚を身に付けていないと、理解は難しいと思う。
いきなり手を出すのはオススメ出来ない。
だからこそ、最初に基本をしっかりと押さえることが鉄則なのだ!!
とりあえず、精神医学はこんな感じ。
幅広い内容ではあるば、心の健康にかかわる以上、これらの理解は避けて通れない。すべての知識が職務に直結するからこそ、勉強することに意味がある。
医療系国家資格の勉強は、ムダなものは何一つとして無いと思う。
試験合格はもちろんだが、まずは職務に求められる知識の確立として覚えるようにしてみよう。
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■StardewValleyコミックの制作を終えて
Fangamer様よりStardewValleyのコミックが無事発売されました。
1年間という長い期間にあった事や感想をこっそり書かせていただきます。
(I'm sorry only in Japanese.)
■感謝
まず初めに、私にコミックを一任してくださった原作者のEricさん、制作から印刷までずっと手伝ってくださったKariさん、Ryanさん、翻訳をしてくださったStevenさん、封筒制作に協力してくださったKariさんのお母様、写真撮影をしてくださったEricaさん、FangamerとFangamerJPの皆さま、本当にありがとうございます。
たくさんの方々に支えられて完成する事ができました。心より御礼申し上げます。
■経緯
2018年の秋頃、「Chihiro!ビッグニュース ! 新グッズの制作を一緒にしよう!」とFangamer様から依頼が来ました。「Tシャツのデザイン?」 「いいやコミックを作ろう!」 「ふぁ!?」
私は当時Twitterで好き勝手ファンとしてコミックを描き続けていました。まさかそこを評価していただけるとは夢にも思っていませんでしたので、嬉しくて思わず泣き崩れました。
Fangamer初のコミックという、大変な名誉を頂き感謝です。
■内容
ほぼネタバレ無しでお話しますね。
原作者のEricさんから依頼された内容は以下の通りです。
「牧場主が農場にやってくる前の話」
「コミュニティセンターとJojaに焦点を当てて欲しい」
「主人公は固定しないでくれ」
後にも先にもEricさんから頂いた情報はこれ“だけ”です。(えぇぇ…)
だいぶ悩みましたとも。日数にすると実に6ヶ月。(コミックを描く時間ではないですよ、下調べをする時間です) 毎日ゲームを遊んでは撮影して、資料集めにも没頭しました。スクリーンショットは軽く20,000枚は超えていましたね(笑)
この情報の中で、主人公を固定しないという意向にはとても共感しました。このゲームは「誰でも主人公になれる」のが最大の魅力だと思っていますから。
物語はゲームの数年前のお話ですので、私の自分勝手な自己解釈が入らないよう、かなり悩みました。そのポリシーとして、本文で登場するキャラクター達の行動は、大半がゲームの中で彼らが過去にこんな事をした、と言っている台詞から取ってきています。(サムが怒られた理由とかね笑)
誰と誰が接点があるのか、この時系列にいない人は誰か、などなど…。先程言った「下調べに6ヶ月」はこういう理由です。
因みに、本作で「おまけ」でもあり、「重要なネタバレ」でもある例の「手紙」は、私から提案しました。日本人の方々は「読めないw 」と思っていらっしゃると思うので、こっそりお伝えします。
あれはオープニングの“あの”手紙を、そのまま英語で手書きにしたものです。それが貴方の手元にある。つまり、そういう事です。
この手紙が手書きな点はとてもこだわりました。そして誰が書いたのかも…。ここでは内緒にしておきます。
コミックがほとんど台詞の無い、いわゆるサイレント漫画であるのは、私がファンアートを描いていた頃からの作風です。StardewValleyは海外の作品ですので、「世界中の人達に読んで欲しい」という気持ちと、今までにお話した「全てのプレイヤーが感じた想いを大切にしたい」という2つの願いを叶えられる、とてもいいアイデアだと思っています。
まとめますと、
「世界中の人々に読んでほしい」
「全てのプレイヤーの独自解釈を大切にしたい」
「誰もがStardewValleyの主人公である」
というコンセプトで、このコミックを描きました。
■私
制作中の私の身の上話でも。
私、さかいだちひろ(茶色のジュニモ)はフリーランスで活動しています。 元々ゲーム会社で働いていたので、その経験を活かし、ゲームのデザインやイラストなどの仕事をしています。
もちろん今回のコミックを描いていた当時も、他の仕事も抱えていましたので、コミックは仕事を終えた夜にコツコツ描き溜めていきました。このコミック制作の為にデジタル作画を1ヶ月学んだ事も、作業効率アップに貢献したかと思います。
もう本当に楽しい日々でした。ただひとつだけ悩んだのは、毎日大好きなStardewValleyの絵を描いているのに、誰とも語れない事でした。
Twitterでは下手な事を口走れないですし、新規絵を描く余裕もなく、すっかり当たり障りないツイートばかりで正直心細かったです。
ですので、コミックの事を知っていた信頼できる人達は心の支えでした。
とりさん、あきさん、Kariさん、Ryanさん、本当にありがとう。
■応援してくれた人達
とりさんは私のパートナーであり、小説家、脚本家として尊敬している方です。私のごちゃごちゃな物語を丁寧に反芻してまとめてくれました。
あきさんはコミックの存在を知りつつも、一切内容は知りませんでしたので、私の応援はとても大変だったと思います。本の内容も知らず、下手な事を話せないあきさんの方が、私よりSNSで肩身が狭く、ずっと辛かったのではないかな…と思います。たくさん我慢させてしまってごめんなさい。完成した本の一番最初の読者になってもらった時は本当に誇らしかったです。
KariさんはStardewValleyの公式イラストレーターの方で、とても尊敬している方です。
御本人の人柄も絵柄も大変のびのびと優しく、素敵な方です。
パートナーのRyanさんと一緒に、何度も助けて頂いたり励まして頂きました。
何を描いても「Chihiroえらい!」 「Chihiroよくがんばりました!」 と、ニコニコと応援してくれました。(私は母親にもこんなに褒められた事ない!)
まるで私に憧れのお姉さんができたようで嬉しかったです。
何を作っても「茶色にしよう!!」と私のテーマカラーを大事にしてくれたのには嬉しくて恥ずかしかったです///
日本にも何度も来てくださり、その度に1日中私の話を熱心に聞いてくださりました。
そもそもKariさんに見つけてもらわなければ、私はこの仕事も頂けなかったので、本当に命の恩人です。
原作者のEricさんと直接お話する事はありませんでした。
もちろん、Fangamer様を挟んでフィードバックは頂いておりましたが、それ以外はなるべく控えておりました。
私はコミックが完成しない限り、あの方に何一つ誠意を伝える事はできないと思い、ひたすらゲームの台詞やブログの言葉、インタビュー記事など、御本人の気持ちが読み取れるものを読み込んで、理解しようと努めました。
因みにフィードバックで一度も修正はありませんでした。私のアイデアの全てを丁寧に確認して、いつも労いの言葉をかけてくださりました。その言葉が何よりも嬉しくて、生きる糧で、本当に幸せな気持ちでのびのび制作させて頂きました。
■今後
自慢話も程々に、コミックが完成した今後の話です。これからもFangamer様とは長くお付き合いさせていただくと同時に、実は別途ゲーム会社への就職が決まっているので、少なくとも1年間はゲーム制作に没頭しようと思います。
15年前から憧れて夢見ていたゲーム会社なので、本当に嬉しいです。
SNSへの露出はますます少なくなると思います。あの楽しくて温かく声をかけてくださった皆さんとの楽しい時間は、もうなかなか再現できないかとは思いますが、あの時間は一生私の宝物です。
何もお返しもできなくて本当に申し訳ございませんが、コミックを読んで、気付いた方はくすりと笑って頂けたら…と願っています。
■最後に
みなさんに支えられてここまで来る事ができ、本当に私は幸せ者です。心から深く御礼申し上げます。いつも本当にありがとうございます。
これからもそっと側にいてくださると嬉しいです。
私は私自身をより研磨し、向上していくよう努めます。
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