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#カメラが防塵仕様でよかった
bluefumi · 6 years
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Yuigahama Beach in the winter
今日は風がめっちゃ強くて、 海もすごく荒れていた。 朝の天気予報で暖かいって言ってたのに 寒かったぁ... . It's very windy today ! . (01/15/2018)
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kennak · 3 years
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20周年迎えた911か・・・ あの日、崩壊したビルの真下にいて死にかけたうちの夫、今朝は、友達と釣りにいきましたわ。 事件後何年もトラウマで苦しんだ夫だけど、彼の中では「終わったチャプター」なんだって。 911のあと家族を失ったひとたちは勿論、大勢のひとがいろんな形で影響を受けました。 ヒラリー・クリントン(当時NY州選出上院議員だった)が「911に対しては、人の数だけエピソードがある」と言ったのだけど、そのとおりだと思った。そこにいた人もいなかったひとも、誰もがエピソードを持ってる。 影響を受けたのは、個々人の人生や、生活や、考え方だけじゃない。 アメリカという国家そのものが、あの日を境にして、予定していたのとは違う道を歩むことになった、それに気づかされた、いわば、Brutalな日だったと思います。 わたしの夫は、いまはもう引退しちゃったけど、長いこと報道の分野にいて、テレビニュースのフリーのカメラマンだった。あの日は欧州の某テレビ局のために仕事を請け負って、国連ビル前に早朝から詰めていたが、ダウンタウンのツインタワーで何やら妙なことが起きてるらしい、ということで急遽現場へ。 最初の飛行機のインパクトの直後は、ニューヨークでも実際に何が起こってるのかわかってなかったんです。第一報では小型機がタワーにぶつかって炎上したらしい、という話が流れたの。 私はというとその日は仕事してなくて、パジャマ着たまま自宅の南向きの窓から煙が出てるタワーをボーと見ていた。 夫と報道クルーは国連ビルからイーストサイドハイウェイに入り南下、ツインタワーに着いたときは、まだポリスラインがひかれる前で立ち入り禁止になる寸前だったから、早めに現場に到着した報道陣だけがワールドトレードセンター真横まで行くことができた。うちの夫はその数少ない報道陣の一人だった。 私はコーヒー片手にパジャマ姿で、ミッドタウンのアパートビルの19階にあった自宅の南向きの窓から燃えてるビルをみてたんだけど、突然真っ赤な炎が上がったのが見えた。それがセカンドインパクトだったんです。アクション映画でしかみたことがないような、大きな赤い炎。いまでも目に焼き付いている。 あわててテレビをみたら現場は大混乱になっていた。怖くて震えました。わたしが当時働いていたオフィスは、テロ現場のすぐ近くで、わたしの机の後ろの窓からツインタワーがすぐ目の前に見えてた、そういう場所だったの。慌ててオフィスの同僚に電話したけど誰も出ない。 そのときもまだ、テレビニュースでも、はっきりとは「これはテロだ」とは言ってなかったの。 なんなのこれは?事故・・・?じゃないよね?なにこれ?なに?どうなってんの?不安だけが募ってゆく。なんかとんでもないことが起こって混乱して大騒ぎになってるらしい、それだけはわかる。そんな状態。 そしたら夫から電話がきて「たいへんなことになってる。ここは大騒ぎだ。絶対に家から外に出るな。こっちに来るな。家の中にずっといるんだ、いいな!」と叫ばれた。「うん、わかった。そっちも気を付けてよ。」と言って電話を切り、ずっと窓から見えるタワーとテレビ画面を交互に見続けていた。 なにがなんだかわからないまま、不安だけが募ってゆく。そのうち仲の良い友達から電話が入って「ペンタゴンやられたよ!テロだよ!!」と絶叫された。 文字通り膝震えたよ。だって夫はタワーのすぐ近くにいること、わかってたんだもん。 それから少ししたら、タワーが崩れたんだ。崩れるところが窓からも見えたし、テレビの画面でも見えた。怖くなって床にうずくまって、夫に連絡とろうと思って、何度も何度も夫の携帯に電話したけど、出ないの。 心臓バクバクしてくるし、怖くて泣きっぱなしよ。何度かけても夫は電話に出なかった。 自宅でひとりでこころぼそくて、でもなにもできないし、うずくまって泣いてたら、日本の親からも電話くる、友達からも電話くる、そのたびに、夫と連絡とれないといって、わたしは泣いた。 そして2棟目も崩れた。テレビでは全局がワールドトレードセンターを大写しにしていたが、タワーが崩れるとき、キャスターも、Oh My God!!!!と画面で絶叫した。報道陣が最大近寄れるあたりから流れてくる画像は恐怖のひとことでした。体中真っ白になったひとたちがストリートを歩いている。 夫がその日仕事をしていた欧州のテレビ局のニューヨーク支局から電話がきて、国連ビルからツインタワーに向かったクルーは、ディレクターとサウンドマンとカメラマンの3名で、前者2人とは連絡がついたが、大混乱の中カメラマンとはぐれてしまい、私の夫とだけ、まだ連絡がついていないと言われた。 なにか動きがあったら必ず知らせるから、ともかく気を確かに持って、連絡を受けられるようにしておいて、と言われて電話が切れた。動転してしまい、親と友達に電話して事情を語り、泣き続けた。窓の外をみるとダウンタウンのほうからサードアベニューを北に向かって歩いてくる人々が目にはいった。 ワールドトレードセンターはマンハッタン島の南端の金融街のあたりにあり、地上も地下も交通手段はメチャクチャになっていたから、現場で崩壊のインパクトを受けた人々は、自宅に戻るために、島の南端からアベニュー沿いに歩いて北上した。私が窓から見てたのは、その人々の群れだったんです。 「群れ」という言葉がふさわしい。それほど大勢の人々が一斉に集団で北上していた。その様子、はっきりと覚えている。中には全身、崩壊したビルの粉塵をかぶって真っ白になってたひとも少なからずいました。 タワーと一緒にアンテナも崩壊したから、NYシティでは携帯電話がつながらなくなってました。 「なにか動きがあったら即座に連絡するから」と言ってくれた支局長からは、その後なにも連絡はない。夫の携帯電話にはつながらない。ひとりで惚けたようになって、まどの外をぼんやりみてたことを思い出します。 そしたら、電話が入ったんです。夫から。28丁目の公衆電話から掛けてる、といって。当時はまだ、ストリートに「公衆電話」なるものがあったんだよね。彼、生きてたんですよね。少ししたら階下のドアマンから連絡はいって、夫がロビーにいるからすぐ降りてこいという。 突っ掛け履いてロビーに降りていったら、そこに、全身粉かぶったみたいな姿の夫がカメラを持って、立ってました。わたし、そこで、大声で泣いたよ。ドアマンも一緒に泣いてた。 これから現場で写した映像をフィードしにスタジオに行くというので、また一人になるのが嫌で、わたしも付いていった。 スタジオに入ると、そこにいた支局のひとたちがみな一斉に駆け寄ってきて、そこにいるみんなが泣きました。夫はカメラをスタジオの台の上に載せて、そこで、彼も、安心したんでしょうね、ウッとなってちょっと泣いて、またそこでみんなが泣いたんだよ。 うちの夫が写してきた映像は、その欧州のテレビ局のNY支局のスタジオからEditもされず本社に送られ、シンジケートを通して欧州の他の多くの国でも流れました。テロ現場内側の様子を、911の起こったまさにその当日に、欧州のどこかで見たひとがいたら、あれはうちの夫が写した映像です。 さっきも書いたけど、テロが起こってまもなくポリステープが張られ、現場付近はメディアも含め立ち入り禁止になったため、あのときタワーの真下に行けたジャーナリストは実はそんなに大勢はいなかった。 崩壊現場の大混乱と、警官、消防士、医療隊員らの姿を映した貴重な映像で、賞も幾つか頂いた。 うちの夫が写した映像でわかったこと。あの当日、ポリスも、消防士も、医療隊員も、みんな、あんなすごい大混乱と粉塵の中で「職務を遂行していた」んですよ。ファーストレスポンダーの彼らは、本当にあの現場で「働いていた」んです。写ってるんだから、ウソでも誇張でもないよ。感謝の念しかない。 うちの夫が現場を離れて徒歩で北上を始めたとき、一台の車が止まって、「どこまでいくんだ、乗ってけ」と言って乗せてくれて、28丁目まで連れていってくれたんだって。白い革張りのレクサスで、粉だらけ泥だらけの夫を躊躇なくのせてくれた見知らぬ誰かがいた。 テロの翌朝はショックで死んだように静まり返ってたニューヨークだけど、輸血が必要だといえば大勢が長い列を作って献血した、救助隊の犬のブーツが擦り切れたと聞けばわんこブーツが山のように集まった、消防車や救急車が通れば大声で「Thank you!」と叫ぶひとが大勢いた。 いまでは素晴らしくきれいになってるウェストサイドのチェルシーポートのあたりや、ハイラインがあるあたりね、あの近辺は、当時はまだ開発前だったんで、広い空き地の確保が可能で、崩壊現場から見つかった死体の一時置き場だったんですよ。 いろんなことを昨日のことのように思い出す。あの体験を通じて、ニューヨーカーの多くは素朴で暖かいひとたちだというのも確認した。ああいうときに人間、本性が出るからね。ヒューマニティの存在を確認させてもらいましたよ。 そして、もうひとつ、夫の話を聞いて確認したことは、人間の生死を分けるものは運でしかない、ってことかな。うちの夫は、燃えてるタワーを真下から撮影していたが、角度を変えようとして、通りの向こう側に向かって歩き出した瞬間に、背後でタワーが崩壊始めた。 必死にすぐ隣のビルのワールドフィナンシャルセンター(WFC)に向かって走ったが、WFCの1階ロビーは内側から鍵がかけられてて、通せんぼ状態になった。土地勘あるひとなら想像できると思いますが、通り隔てた向こう側から110階分の瓦礫が真上から落ちてきたというんだから。 通せんぼ状態になった一角には、うちの夫のほか、警官や消防士ら10名以上が行く手を塞がれてギュウギュウになり、このまま死ぬのか・・・と思った瞬間、ひとりの警官が拳銃でWFCのロビーのガラスを撃ち破って人が通れるぐらいの穴があき、そこからWFCのロビーになだれこんで全員が助かった。 あのとき、あのポリスマンが機転きかせて発砲しなかったら、その場で全員窒息死したかもしれない。 うちの夫が助かった場所のすぐ目と鼻の先では、瓦礫にあたったのでしょうか、死んだ人が実際にいたわけ。あすはどうなるかわからない。何が生死をわけるかなんて、わかりませんよ。 わたしたちは「生かされている」。 今日を生きよう。
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20190618
雑記(走ること、身体、ミラーレス一眼、CS-40J)。
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身心一如
週一回程にペースは落ちたものの細々とランニングを続けている。今までどれくらいの距離を走ったかが気になり2015年の十月から付け始めた記録を調べたら約1000kmに達していた。それ以前に喫煙者だった頃からたまに走っていたがそれでも大体1200〜1300kmぐらいなのではないかと思われる。約4年間で1000kmという数字は少ないのかもわからないが、以前の私といえば継続してきたことは三日坊主というようなものでそっからすれば大分凄いことである。
三島由紀夫の随筆に、「私にとっては、まず言葉が訪れて、ずっとあとから、甚だ気の進まぬ様子で、そのときすでに観念的な姿をしていたところの肉体が訪れた」というような一節があったが、文弱の極みのような情けない現実の自分から逃走するかのように始めた「走る」という行為は1000kmの遠回りを経て結果自分自身に辿り着いたというような感がある。心と身体の間には思考という1000kmもの距離が横たわっていた。
ランニングコースにいくつかあるトンネルを通り抜ける度に毎回生まれ変わる意識で、振り返ったトンネルの入り口にさっきまでの古い自分がこちらに向かって手を振り別れを告げる映像をまるで幻視のように想像した。走る度に死に、走る度に生まれ変わる。後にユング心理学や文化人類学で象徴思考や擬死再生の儀式などを知ることになるが自然と行き着いた再び自らに生命力を吹き込む方法の一つだった。思考や頭さえ邪魔しなければ魂は自然と正しい場所と正しい時間に辿り着く。
ランニングを始めた頃、誰もいない夜の湖の周りを独り静かに走るのは、今思い返しても背骨が軋むような孤独な時間だったがあれは自己分離感に由来する寂しさだったと思う。それにエゴは静寂を恐れる。一歩一歩、一呼吸一呼吸、身体に定期的に意識を引き戻すことで絶え間のない思考を分断することを習慣化した今ではかつてのような強烈な寂しさを感じることは無くなったように思う。
話は変わり、オリンパスのミラーレス一眼を購入。色々考え若干型落ちの感は否めないものの防塵防滴仕様と山行に向いてそうなOM-D E-M5 Mark2にした。ブログを始めるちょっと前、3年半ぐらい前から始めた小銭の貯金箱がパンパンになり使い道を考えていた矢先でばっちしのタイミング。両替した際はなんだか金持ちになった気分だったが、すぐ飛んで行ったので短い付き合いでありました。説明書の厚みと本体のボタンの多さに面食らうが機械音痴の私に果たして機能を使いこなせるのでありましょうか。
カメラを新品で買ったのは大学生以来だがカメラへの興味は心理的に分かりやすく外の世界への眼差しの現れだと思う。
んで余ったお金でヤマハのクラシックギターのCS-40Jの中古をネットでめちゃ安で購入。すぐ調律狂いそうな蟹みたいな形のペグをGotohの金キラの35G420ペグに交換し、弦はSAVAREZのクリエイション・カンティーガのハイテンションを張った。ボディーの淵に打痕が結構あったため、車用のクリアーのタッチアップで補修。指板とフレットは綺麗だった。恐らく弾かずにインテリア用として立てかけておいてたまに倒して打痕ができたのかなと推測した。ショートスケールかつ自分のチューニングが一音下げだからハイテンションの弦を張ったがそれでも少し弦がビビってしまう。しかしポロリンと無為につま弾くだけでそれっぽく聴こえるから不思議だ。
Soundcloudに以前上げた折坂悠太の「窓」という曲が、動画サイト等にオリジナルが上がっていない為に毎日誰かしらが検索して聴きにくるのだが、どうやらがっかりして皆帰って行くようである。コードも適当で正直みっともないから消したいのだが、とりあえずもっ回一から耳コピし直している。この「窓」が収録されている初期自主制作盤の「あけぼの」はitunesとかで5曲入り900円で買えるけど、折坂悠太という才能が世に出る前の濃密な気配ごとそのまま録音したようなアルバムで一番おすすめであります。
なんかダラダラ長く書いちゃったな。なんかダラダラ長く書きたい日だった。
今でも、夏が来るあの感じは変わってない。
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xf-2 · 6 years
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岡山県が洪水被害で大変なことになっている今こそ、旧民主党メンバーを中心とする過去の悪事を告発しておきたい。 当時パフォーマンスのために公開でやっていた「事業仕分け」。完全な黒歴史になりつつある。 (1)事業仕分けの候補にあがったスーパー堤防を視察中の蓮舫大臣。「仕分けの対象として分かりやすい議論ができる」と獲物を狙うかのような目で一言。 (2)務台俊介。台風10号の被災地となった岩手県岩泉町を視察した際、部下におんぶさせて水たまりを渡り、批判の声が殺到した。 (3)同じく務台俊介。おんぶ事件の半年後の政治資金パーティーで「長靴事件があったものですから、長靴業界はだいぶ儲かった。でも今日のパーティーには長靴業界の人は呼んでいません」と大失言。厳重注意を受け、2日後に辞任した。 (4)仕分け場でかっこつける蓮舫大臣。スーパー堤防の責任者を攻撃し、予算を切り上げようとする。 (5)緒方林太郎議員「スーパー堤防はスーパー無駄遣い」と半笑いで発言。廃止を宣言する。 (6)こうして民主党の事業仕分けで本当に廃止となってしまった。 スーパー堤防については「完成まで400年」と紹介されたが、実は建設途中でも機能するもの。天災を前に人間の無力さを実感させられる今となっては「もし、あのとき続けておけば…」という気持ちになる。 確かに予算と時間はかかるが、洪水被害はもっと大きくなるわけで、実はコストパフォーマンスはいい計画だったのかもしれない。 深い考えもなくカメラの前のパフォーマンスにばかり終始して黒歴史を残した者たち。専門知識もない政治家が事業仕分けをするなど、話自体がおかしいのではないか。 あわせて読みたい→鬼怒川決壊で自衛隊がとった瞬時の判断が素晴らしすぎたと全国民が絶賛 NETGEEK 2018/07/07(土) http://netgeek.biz/archives/122093 <関連記事> 豪雨被害 112人死亡 3人重体 77人不明 NHKニュース 2018年7月9日 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180709/k10011524021000.html?utm_int=news_contents_news-main_001   この度の大雨による洪水で亡くなられた方々、   被害を受けた方々、心より御悔み申し上げます                          トラネコ拝 実は私は現在グアテマラの某所に滞在しているのだが、 先月初めにフエゴ火山の大噴火が起き、死者100名以上、 行方不明200名以上を出す大惨事になったのだ。 私はこの火山からバスで30分ほどの場所で活動しているが、 今いる場所からフエゴ火山の溶岩流の跡がハッキリ見える。 もし噴火の方角がこちらだったらと考えると・・・(汗) 日本も史上まれにみる豪雨で死者112名、行方不明77名も出ている。 さらに洪水だけでなく、今年前半で地震、火山噴火、台風・・・も起きている。 やはり自然災害大国日本は安全対策には万全を期すべきだ。    そこでこの記事だが・・・
あの悪夢の売国政権・民主党時代に二重国籍疑惑のシナ人が、 「埋蔵金」目的で事業仕分けを行い治水事業費を大幅に削減した。 と、その後に東日本大震災や鬼怒川堤防の決壊がおきた。 一応鬼怒川の治水事業はこの時点で計画には入っていなかったが、 民主党政権が大幅に防災・治水事業の予算を削った事は事実である。 ちなみに民主党政権下では国防予算も削減されている。 さらに民主党政権下で削減された災害対策予算の対象は・・・  ●スーパー堤防 ( 「100年に1度の大震災対策は不要」 )  ●耐震補強工事費 ( 高校無償化の財源化 )  ●学校耐震化予算 ( 「緊急性が無い」。以下、麻生政権による推進政策 )  ●災害対策予備費 ( 生活保護枠拡大(母子家庭)の財源化へ )  ●地震再保険特別会計 ( 子ども手当の財源化へ )   ↑・・・30年以内に99%起こると言われてた関東、中部大震災を     視野に入れ麻生政権時に自��で準備してた災害対策予算
その結果・・・   ↓ 倉敷の浸水、河川改修予定だった 5m予測の地域が被害 朝日新聞、後藤一也 2018年7月8日15時40 https://www.asahi.com/articles/ASL784HCTL78PLBJ002.html 民主党時代の蓮舫氏による事業仕分けで廃止になった 『スーパー堤防』、対象地域だった大和川が氾濫・・・ ShareNews Japan 2017-10-23 http://snjpn.net/archives/34321   ↑ あのとき改修しておればこうはならなかった・・・  災害対策費・国防費を削減するという発想は、  まさに国家・国民の事など考えていない証拠だ! 
  安倍政権になってから、また治水事業は再開され予算もついて、 その後も工事は続いていても、今回の未曾有の大雨のもとでは、 人間の力は無力である事を思い知らされるのである。 しかしそれでも万が一、億が一の可能性でも日頃から、 治水・災害事業には予算を惜しまずコツコツと整備をすべきなのだ。 このバカのレン呆の予算切りの結果死ななくてもいい人まで死んだのだ。 だから首都圏や大阪周辺の一級河川へのスーパー堤防計画は、 今回の大雨の被害を見ても絶対に必要な治水事業の一環だと思う。 仮に200年に一度だとしても大災害に備える事は防災の基本である。 <参考> 治水の必要性・八ッ場ダム 東京都都市整備局 http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/seisaku/yanba/chisui.html 
  民主党政権における事業仕分けは、国民向けの単なるパフォーマンスだ。 実際にありもしない「埋蔵金」探しも徒労に終わり、安っぽい政治屋の 見てくれだけの政治ごっこにどれだけ税金と時間が浪費されたことか。 バカで売国でクズを議員に選ぶとこういう悲劇が起きるのである。 情弱国民も民主党政権がいかに酷い売国無能政権であったかを痛感して、 これが後の民主党の支持率低迷、離合集散、安倍政権の盤石化に繋がったのだ。 何度もいうが、立民、民進、共産、社民、自由各党は、 国家・国民など露ほども、微塵も考えていないのだ。 私利私欲・反日売国・国家崩壊・・・これしかないのだ! その典型例が最新のツイートにあがった・・・ >自分に関係ない話だから特に興味もないが、  政治家として一応仕事をしたふりはしておきたい。  そんな軽々しい気持ちがこのミスに現れている。 【炎上】福島みずほ、大雨を「台風」と間違える netgeek 2018年7月8日 http://netgeek.biz/archives/122122 
  て一方政府自民党の大雨洪水の対応に批判がでているが・・・ 政府は8日になってようやく非常対策本部を設置したが、 かなりの被害が出た後で対応が遅すぎるのではないか? という批判がでているが、これは悪質なデマである。   ↓ 宴会に寿司。記録的豪雨が西日本を襲う中、 安倍首相や被害の大きい地域選出の議員たちの行動が物議 ハーバー・ビジネス・オンライン 7/8(日) https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180708-00170076-hbolz-soci 一応政府自民党への誹謗中傷への弁護しておくが・・・ 災害の対応遅れは「赤坂自民亭」懇親会だとネットでは猛批難されているが、 これは7月5日の事であり、この日から大雨が降り始めたのであり、 まだ大雨特別警報(6日17時)が出される前日のことである。 
  しかし・・・ 内閣府は大雨・台風の予想を受け、既に7月2日に情報連絡室、 大雨が激しさを増した6日に情報対策室を設置して大雨への対応を始めている。 そして被害が拡大した7日の結果を受けて8日8:00に非常災害対策本部を設置している。 消防庁は7月3日11:30に応急対策室長を長とする消防庁災害対策室を設置、 7月6日9時に国民保護・防災部長を長とする消防庁災害対策本部を、 同日20時30分に消防庁長官を長とする消防庁災害対策本部を設置している。 気象庁も7月5日14時から臨時の記者会見を行い、 「記録的な大雨になるおそれがある」と厳重な警戒を呼び掛けていた。 防衛省も6日災害対策室を設置して各地からの自衛隊救助要請を受けた。 そして首相官邸も宴会前の5日13時時点で既に対応はしているのである。  ↓ 7月5日からの大雨について:首相官邸 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ooame201807/ <関連記事> 豪雨 政府が非常対策本部を設置 首相「先手で支援を」 毎日新聞2018年7月8日 https://mainichi.jp/articles/20180708/k00/00e/040/162000c <資料> 平成30年7月西日本豪雨 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%88%9030%E5%B9%B47%E6%9C%88%E8%A5%BF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%B1%AA%E9%9B%A8#%E8%A1%8C%E6%94%BF%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%BF%9C 安倍政権は大雨対策を事前からしっかりやっている! こうして時系列でみると、政府の対応は非難されるほど遅かったわけではない。 これがアノ民主党政権なら10日になっても対応していないだろう。 東日本大震災や福一原発事故の対応を思い出してほしい。 今回の宴会での安倍政権批判、否中傷は既に定番化した、 台風も大雨も洪水も火山の噴火も何でも安倍が悪い、アベガー・・・ というバカ野党と売国マスゴミの策動であることがわかる。 そのバカ野党には速攻でブーメラン返しが・・・ ブーメラン? 蓮舫氏、宴会の自民安倍首相を批判 →同日に立憲民主党も酒席パーティー 枝野氏や  辻元氏(地元大阪は避難勧告中)も参加 以下その証拠・・・ ・西崎つばさ@Tsubasa2439(目黒区議会議員)  2018年7月5日18:17  「手塚よしお衆議院議員の政治活動25周年記念パーティー。  枝野幸男代表をはじめ、多くのご来賓が出席されています。大盛況。  #立憲民主党 #手塚よしお #枝野幸男 #長妻昭 #辻元清美 #蓮舫 #憲政記念館」  https://twitter.com/Tsubasa2439/status/1014800535516430336  https://pbs.twimg.com/media/DhuPWdKUYAAIHth.jpg ・衆議院議員 手塚よしお 公式サイト 「25周年感謝の集い」2018年7月6日  さて、昨晩は日頃から私をご支援いただいている皆様にご参集いただき、  「手塚よしお政治活動25周年感謝の集い」を  国会近くの憲政記念館で開催させて頂きました。  野田佳彦前総理、菅直人元総理、枝野幸男代表、長妻昭代表代行、  辻元清美国対委員長、蓮舫副代表ら多数のご来賓にもご祝辞を頂戴し、  政治家冥利に尽きる夜となりました。  https://www.t440.com/2018/07/?post_type=post 
私は安倍首相が理想的な政治家とは決して思わないが、 安倍首相以外にこの国の舵取りを任せられる人材がいない以上、 安倍首相を批判しつつも支持するしかないではないか・・・
 これからも私は安倍政権を批判しつつ、  安倍政権の存続を強く願わざるを得ない!  だって野党がバカ過ぎだからだ(悲)!
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harawata44 · 4 years
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以下引用
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主な仕様は、
・アルミボディ。iPhone 5世代やiPad Proのように角が断たれたデザイン。
・前世代に対して11%薄く、15%小さく、16%軽い
・上位版と同じく有機ELの Super Retina XDRディスプレイ採用。6.1インチ、画素数は11から倍増の2532x1170, 460ppi
・画面のカバーガラスは最新技術のセラミックシールド(「ナノスケールセラミッククリスタル」素材)。「あらゆるスマホのなかでもっとも強いカバーガラス素材」(アップル)
・ボディの側面とガラス面が同じ高さになったこと、ガラスセラミック素材への二重イオン交換プロセス適用などにより、落下時の破損耐性が従来モデル比で4倍に向上
・防水防塵等級はIP68。水深6mまで
・5Gはバッテリー消費とデータ通信状況に応じてLTEとインテリジェントに切り替え
・カメラはデュアル構成。超広角と標準
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・プロセッサはA14 Bionic。初の5nmプロセスプロセッサ。
・6コア CPU、4コアGPU。ともにあらゆるスマホより50%高速
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・カメラレンズは7エレメントで明るく、暗所撮影性能を大幅向上
・Smart HDR 3、Night Mode はA14のニューラルエンジンで強化。
・16コアで前世代より最大80%高速なニューラルエンジン、最大70%高速な機械学習処理アクセラレータ
・新たにナイトモードタイムラプスにも対応
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・MagSafe 復活。無線充電にマグネットを追加することで、無線でも最大15W急速充電を実現。従来のQi とも互換。MagSafe対応の充電器やバッテリーは、マグネットで勝手に正しい場所に密着する。
・MagSafe対応ケースなら、ケースの上からMagSafe充電も
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・充電器は付属せず、USB-C to Lightning ケーブルを同梱。
・価格は799ドルから。画面サイズが5.4インチと小さい iPhone 12 mini は699ドル。
・10月16日午後9時予約受付開始。iPhone 12 mini は11月6日予約
・国内価格はiPhone 12 が64GB 税別8万5800円から、iPhone 12 miniが64GB 7万4800円から
・ストレージは最大256GB。iPhone 12 は10万1800円。iPhone 12 mini は9万800円
関連:
5分でわかる「iPhone 12」まとめ。mini、Pro、Max、無印の4モデルが登場、全機種5G対応 - Engadget 日本版 https://japanese.engadget.com/apple-event-iphone12-213047288.html
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skf14 · 4 years
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06080041
どうしてこんな場所に一人、服を奪われ縛り付けられているのか、全く心当たりがない。私はただ普通に、残業続きの仕事の帰り、いつもの道をいつもの時間、歩いて帰っていただけだ。
目が覚めると、知らない部屋の知らないベッドで寝かされていた、なんてドラマか映画か小説か、少なくとも現実に、そして身の回りで起こるなんて思いもしなかった。
読むのは好きだが体験するのは違う。が、こういう状況に陥った場合、大声で助けを呼んだり喚き散らしたり、暴れるのが得策じゃないことくらいは知っている。幸い、口は自由だったから、口を動かしながら状況を整理する。
「部屋は10畳ほど、ベッドの他には、棚...と作業台?と、椅子、引き出しは4つ、窓は高い場所に一つだけ、多分...はめ殺し。扉には、鍵穴が二つ。」
手足は大の字のように広げられベッドの柵にそれぞれ縛り付けられていて、身体を起こすことはできない。寝返りすら不可能。手首、足首は痛くないよう布を噛ませてから拘束されているが、特殊な道具なのだろうか、紐ではなく革のベルトだった。慣れている、私を長期間、監禁するつもりのようだった。
「私の好きな映画みたいなシチュエーション、だ。出来ることなら体験したくなかったけど。」
時計も電子機器もない部屋では、今何月何日の何時なのか、全く分からない。最後の記憶は5月11日月曜日、仕事終わりに歩いていた道。見ていたスマートフォンの時刻で最後に記憶に残っているのは午前0時24分、聴いていたのは丸ノ内サディスティック。コンビニに寄ってスイーツを買って、食べて寝てまた仕事だと思っていたいつもと変わらない日。
日々のルーティンの中で、警戒が薄れていたのかもしれない。マンションに入る時はいつも気を付けていたのに、痛みもなく気付かないまま連れ去られてしまった。
部屋の中に置きっぱなしにしている朝食の皿だとか、溜まった洗濯物だとか、そういうことばかりが脳内をよぎるのはきっと、今すぐ殺されるような気がしなかったからだ。余裕があるうちに、状況を把握しておきたい。
その時、ドアの向こうで微かな足音がした。ひたりひたりと近づいて、そして南京錠らしきものを外して、扉に鍵を差し込む音がする。がちゃり、開いた扉の前に立っていた男が、私に近付いて微笑む。姿と、顔をまじまじ見て思う。
見覚えがまるでない。
一言で表すなら、美丈夫とでも言えばいいのだろうか。かっちりとしたスーツを着こなして、左手は怪我をしているのだろうか、包帯を巻いている。髪や靴も整っていて、身なりのしっかりした男。社会的地位が低いようには見えない。高身長で、色の白い、目の奥が淀んでいる綺麗なかんばせの男。第一印象は気味が悪い。だった。
「おはよう。気分はどうかな?」
「最悪ですね。此処はどこ?」
「俺の家だよ。」
「私、貴方とどこかでお会いしたこと、ありますか。」
「ないよ。初めまして。」
「目的は。」
「喉、乾いてない?どうぞ。」
ニコニコと楽しそうに笑顔を浮かべたままの男が手に持っていたペットボトルを私の目の前でカチカチと開け、ストローを刺して差し出してきた。何も混ぜていない、という意思表示だろうか。一瞬考えを巡らせて、とりあえず一口飲んだ。目はひとときも男から話さない。私���喉が動いたところを満足げに見下ろした男が、そばに置いてあった椅子を引き寄せて、ベッドの側へと座った。
「寒くない?」
「空調のおかげか、下着姿でも寒くはないです。」
「それはよかった。風邪を引かせるわけにはいかないからね。」
「目的はなんですか。生憎、私には親類がいないので、身代金とか、そういった類のものは期待出来ないと思います。」
「知ってるよ。両親は君が成人して、一人暮らしを始めた後に起こった自宅の火災で死亡、親戚との付き合いもほとんど無く、君には恋人も旦那さんもいない。」
よく調べている、と思わず関心する。SNSに一切手を出していない私のことを、どこで調べたのだろう。と思うが、この世には興信所なり探偵なりがいくらでもいて、本気を出して私を数週間追っていればすぐに手に入る情報なのだろう。
「なら、なぜ。」
「何故だと思う?」
「質問してるのは私です。」
「君、物怖じしないね。恐怖とか感じないタイプ?」
「人並みに怖いものは怖いです。」
「はは、面白いな。次は食事を持ってくるから、待ってて。」
質問に答えないまま、男は立ち上がり、足元にくしゃりと置かれていたタオルケットを私にかけ、手を振って去っていった。気味が悪い、という印象は消えなかったが、頭の中に謎が広がってしまって顔を顰める。
目的がわからなければ、相手を説得することも出来ない。説得出来なければ、この生活が続く。なんて楽観視は出来ない。用済みだといつ殺されるか分からない。部屋には一枚の絵が飾られていて、それは抽象画のようで私にはよく分からなかった。漠然とした不安が胸の中に巣食うのを、必死で押し殺して思考回路を冷静に保つ。
焦っては、怯えてはいけない。ブラックだがそれなりにちゃんとした会社だ。仕事に来ない私を心配して、職場の誰かが私の家に来たり、探したりしてくれるだろう。そこから警察に繋がるとすれば、少なくともいなくなった事実は誰かの知るところにはなる。
脳内のデータを漁る。最新のデータでは年間約8万8千人。そんな中の一人、子供でもなく著名人でもない私を探してくれるとは思えない。若い女がふらりと姿を消す、なんて、いくらでも有り得る。と警察はとりあわないだろう。困ったことになった。
考え事をしているうちに眠ってしまったらしい。光が差していたはずの窓の外は、暗くなっていた。またガチャガチャと鍵が開けられる音がして、男がお盆を持って入ってきた。
「おはよう。気分はどうかな?」
「寝て起きたら、お腹が空きました。」
「丁度いいね。ベッド起こすよ。」
私が寝ていたベッドはどうやら介護用か看護用のものらしく、男がそばの何かを操作したら上体部分がゆっくり動き、身体が起こされた。勿論拘束はこのままだが。
「肉のスープ。あーんして。」
「...何の肉ですか。」
「はは、鶏肉だよ。嫌いかな?」
「......」
黙って口を開ければ、男がそれをふーふーと冷ましてそのブイヨン香るスープをスプーンで掬い、口に運んでくれる。
「君、映画の見過ぎだよ。人肉スープだとでも思ったのかな。」
「貴方のことを信用していないんだから、仕方ない質問だと思いますが。」
「美味しい?」
「はい。」
何が楽しいのか、私が咀嚼する様子をニコニコと眺めている男。そして持ってきたスープを全て食べ終わった後、男が足を組み、口を開いた。
「目的、について聞いてたよね。」
「ええ。」
「目的はね、君と幸せになりたくて。」
「...はい?」
「街で見かけて、君に一目惚れしたんだ。だから、一緒に住んで君と幸せになろうって思ったんだ。それが、目的。」
「意味が分からないんですが。」
「分からないかな。結構分かりやすく簡潔に伝えたつもりだけど。」
「...つまりは、私はこれからずっと貴方にこうして縛りつけられて、この薄暗い部屋で、食事と睡眠を貪って生きるの?」
「三大欲求で言えば、申し訳ないけど、俺は勃起障害を患っているから、君と交尾することはできない。食事と睡眠ならいくらでも与えられる。」
「......一人にしてもらえますか。」
「分かった。何かあれば、呼んで貰えたらかけつけるよ。」
一頻り喋って満足した男が立ち上がり、部屋の隅にあった小さな何かを指差して、そして部屋を去っていった。気が付かなかったが、部屋が暗くなって分かった。赤い光、監視カメラだ。タチが悪い。
これからどうしよう。とにかく、男の元から逃げなければいけない。幸いまだ私に対しての敵意はない。殺す気もない。身長はあるがガタイがいいとは言えない細長い男一人、距離感の近さを考えれば、まだ絶望するタイミングじゃない。
取れる選択肢を全て試そう、そう決めて、目蓋を閉じた。
そして次の日朝起きて、舌を噛んでみたけど、監視していた男がすぐ駆けつけて、しかも噛み切ることなんて出来なくて少し傷付いただけだった。溢れる血を見た男の顔から血の気が引いて、慌ててガーゼを口に突っ込まれた。
「ダメだよ、死なないで。君は、俺が見つけた大事な人なのに。」
「......」
丁寧に介抱されて結局傷は治ってしまった。過保護っぷりが加速したし、痛いだけで死ねないなら意味がない。
誘惑してみても、煽ってみても、無視をしても泣いてみても、鉄仮面のような男の笑顔は変わらず、境遇も変わらない。ただ男が与えるものを食べ、得て、息をするだけの日々。
次第に、保っていたかったはずの余裕が波にさらわれる砂の城のように崩れて、原型が分からなくなっていった。何日経ったかなんて、最初の数日が過ぎてからもう曖昧になってすぐ分からなくなった。
私の中にあるのは、自由だった何気ない日々の記憶と、気味の悪い男が施してくれるただただ優しい介護。後半の記憶が増えていく度に、狂いそうになる。正しい、人間としての生活がしたい。
幸せにしたい?何それ。ふざけてる。人に与えられるものをただ飲み込むだけなら、動物にだって出来る。そんなものは、幸せでも何でもない。欲したものを与えられて満たされて、それで満足するなんて、あまりにも短絡的で頭の悪い考え方をしている男が、心底気持ちが悪かった。
そしてその気持ち悪さは、日々のふとした瞬間に湧き上がってきて私の脳内を支配した。ただベッドに寝ていただけなのに、何かのスイッチが入ったかのように身体が漠然とした恐怖と、焦燥感と、苛立ちとその他諸々の負の感情に支配される。
私は今日も飽きることなく、カメラに向かって暴れ、枯れてしまった声を張り上げて叫ぶ。
「外してよ、これ。自由にしてよ!いい加減にして!もう、いや!いやだ!家に帰りたいの!仕事だってある、私は自由になりたいの!!」
「アンタ、頭おかしいんじゃないの!!こんな、ただただ餌だけ与えて言葉を交わして、それが幸せだなんて、頭がおかしいに決まってる!自由にしてよ!誰か助けて!イヤァああああああああアァァアァアァァああアァァああアアアアあああああ!!!!!」
見ているはずの男は、朝と晩、初日と変わらない笑顔をたたえたまま、飽きずに食事を運んできて私に与える。耐えきれなかった私は口に含んだ食事を男に向かって吐きかけて、怒鳴り散らす。こんな生殺しのまま人としての矜持を嬲られるなら、殺してほしい。怒らせた方が得策かもしれない、私の思考回路が狂い始めていた。
男は一瞬動きを止めて、そして汚れた顔を拭うこともなく、私の口元から垂れたスープを拭いて、困ったように眉を下げた。
「...食事は大切にしないと。経口で与えられなくなるのは、俺も辛いよ。」
「もう、いい。食事も睡眠もいらない。殺して。こんな状況で生きていても、生きているなんて言えない。殺して、殺してよ、お願い、もう...」
「そんなこと言わないで。まだ28日だよ。俺は君に生きてほしいのに。」
「こんなの、生きてるなんて言わない。人として、自由に生きたい、私は貴方となんて幸せになりたくない、なれない、もう、離してよ...自由になりたいの、もう、いや、おうちにかえりたい、」
「泣かないで、我慢して、君に死んで欲しくないんだ、愛してるから...」
「触らないで!!!!」
触れようとする男に唾を吐いて、動けもしないのに身を捩って必死に睨み付けると、男は諦めたのか手を引っ込めて、そして痩せてしまった私の足を見て、ごめん、とだけ呟いた。謝られた私はまた頭に血が上って、引きちぎらんと手足に力を込める。捕まった日にも無理だった行為が、寝たきりの生活で上手くいくはずがない。そんな思考すら浮かばないほど、私は劣化していた。ただただ暴れて、獣のように叫ぶ。
「泣かないで、ねえ、暴れたら傷が付くよ、」
「...っ、せめて、私にも、温もりを頂戴、片手でいいから外して、貴方を抱きしめさせて...お願い、どうせ片手じゃ、何もできやしないでしょう...?」
「......」
男が視線をちらりと逸らして、しばらく考え込んで、そして、左手のベルトへと手をかけてくれた。パチリ、と金具が外されて、そして左手が自由になる。男が私を見下ろして、そしておずおずと身体を近づけて、私の頭の後ろに手を差し入れて、抱き締める。私は彼の頭を左手で抱き、晒された首元へとキスをして、そして、無防備な喉笛に思い切り噛み付いた。
「ぐっ...!?何、を...!」
舌を噛んだ時の要領だ。他人の身体だ、遠慮なんて微塵もなかった。顎の骨が軋んで、犬歯あたりがぐらり、と揺れ歯茎に激痛が走る。そんなことはどうでもいい、と、顎に力を入れた瞬間、ごりゅ、と何かが噛み切れた感触と共に、口の中へ男の血液と体液が流れ込んでくる。肩を思い切り押して、私の上にいた男を剥ぎ取りベッドの下へと落とした。
ぺっ、と吐き出したその塊は血と私の唾液に纏われて何かよく分からなかったが、男の喉にばっくりと歯形の凹みが出来ているのを見る限り、目論見は成功したらしい。
ヒュー、ヒュー、と枯れそうな呼吸で男が喉を押さえながら、私を見上げている。その顔には、恐怖と、絶望が浮かんでいて。人間としての自由を奪われ、虐げられ続けていた私は、謎の高揚感に包まれた。
「ざまあみろ。アンタの温もりなんていらないのよ。」
「............」
酸素不足の金魚のように口をパクパクとさせた男は、どうやらもう声が出せないらしい。私に何かを必死に伝えようとして、何度か咳き込み、そして、力尽き床へと倒れた。死んだのか、気を失ったのか、分からないが一刻も早くこの場所から逃げないと。と、男が外した要領で右手、そして両足の拘束を外した。約一月ぶりに踏みしめた地面。ただのコンクリートなのに、酷く生々しく感じて、じわりと視界が滲む。
自由になれる。これで、また日の光を浴びられる。
床に倒れた男を一瞥し、拘束をしようかと思案するが私の腕ではベッドへ持ち上げることは出来ない。脈を確認してみれば、まだ息がある。驚いたが、とりあえずこの部屋へ閉じ込めておけばいい、と捨て置いて部屋の外へと出た。扉はしっかりと施錠して、廊下を進んでいく。
リビングとダイニングは、生活感がまるでないモデルルームのような部屋だった。テレビも冷蔵庫も、何もない。ただダイニングテーブルと椅子が2つ、それだけの殺風景な部屋。部屋の隅には監視カメラがある。男がいない間、私が逃げても分かるように、だろうか。
部屋を簡単に物色したが、電子機器がない。ともかく外へ出ないと何も出来ない、と、リビングから玄関につながるであろう扉の前に立った。
思考回路がひび割れて止まる音が聞こえた気がした。目の前の扉には、鍵穴が二つ。
ガチャガチャと、外で鍵を開ける音がする。南京錠が外されて、ごとり、ごとりと床に雑に落とされる音がして、そして、扉に差し込まれた鍵が回されて、鍵穴が回って、ゆっくり、扉が開かれる。
扉から距離を取った私の前に現れた男が、固まっている私を見て、一言、「あと2日だったのに。」と卑しく笑って、手に持っていたバールを、私の脳天目掛けて振り下ろした。
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cosmicc-blues · 4 years
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帰れない二人
 ここに書かれた小説は、事実や日記をもとに書かれていますが、あくまでも小説ーすなわち、小説の定義であるところの「散文で書かれたフィクション」ーとはいかなるものなのかをどこまでも追求するために書かれたものといってしまっていいと思います。しかし、だからといって嘘を並べたてたわけでもありません。
 この小説を四羽の鴨のヒナに捧ぐ
  帰れない二人
  私、もしくは彼、あるいはKには日記を書く習慣がある。この日記を読みかえしてみると、たいていの日が「朝、目が覚めると」という決り文句からはじまり、窓から差している光のことなどについて記され、それから並木道や横断歩道などを渡り歩いて最寄りの駅までゆく過程が仔細に記されることとなる。ある初夏の日の日記をここに引用してみる。
  朝、目が覚めると、連日の雨模様からうって変わり、窓からの眩いひかりが部屋じゅうに充満している。小さな天窓からの光線は部屋のすみの物影にまでとどいて、そのひかりの帯のなかには塵が静寂をまもって浮かんでいるのがみえる。窓ががたんと音をたてる、今日は風がつよいらしい、と、部屋じゅうにふっと影が差したような、そのままじっとして様子をうかがっていると、こんどはふあっと部屋じゅうが明るくなる、どうやら上空を風に流れる雲が陽光にかかったらしい。
 朝支度をして外へ出ると、くっきりした輪郭とその陰翳とをあわせもつ白い軍艦のような雲が青い空にいくつも流れている。風はひどく湿っていて、肌に纏いつくかのよう。ところが白い日差しの下にでるとそんな湿り気はたちまち吹き飛んでしまい、肌を刺すかのように注いでくる鮮烈な陽光の感触ばかりになる。白い軍艦雲の流れにともない、住宅街のせまい通りはその両側にたちならぶ家々の屋根ごと影に塗りつぶされては、またそぞろ明るくなってゆく。住宅街を折れ、近道の公園の大樹は風にわさんわさんと小刻みに揺れて、その緑の影はまるで水のような捉えどころのなさですでに乾ききった白い砂の上をしゅわしゅわ揺れている。
 曲がりくねる並木道は連日の雨でいっそう鬱蒼として、瑞々しくはちきれんばかりに膨張した樹々の緑のほんのわずかな隙間から降ってくる木漏れ日のひかりと影とが歩くひとびとの背中や日除けの傘にストン、ストンとちょっと遅い流れ星のように落ちている。自転車が走れば、そのひかりは文字通りの流星になる。一方通行のこの通りにお尻の大きなトラックが迷いこんで来たらしい、その大きな荷台に樹々の枝がひっかかり、枝の揺れがどこか見憶えのあるような形の木漏れ日と影とを道に散乱させている。
  この目が覚めてからのたったの数十分のくだりにたいして、それからの本来日記なるものに書かれるべきであろうその日に起こった出来事については、ずいぶんと省略してあっけなく記されるか、もしくは記されることすらない。たとえば、昼、カリーを食べる、とだけ記されているように。
 私、もしくは彼、あるいはKはほかにはいくつか小説を書いたことがある。小説の書き始めとは、書き終わり以上に重要であろうことは、ある小説がどのように〆られたのかはろくに憶えていないのに、ある小説の冒頭についてはその文字の連なりを一字一句記憶してしまっていることからも明らかそうであるし、時代をこえて読まれ続けているいくつかの小説はそもそも作者の死により〆られることなく未完となっている。なるほど小説の始まりとは、まさしくそれ自体が丸ごとひとつの契機である、それがなければのっけから小説は存在することもできない。そこで私の書いたいくつかの小説の冒頭を読んでみると、そこにはどうやら規則性が見出せそうである。すなわち、そこでは唐突に小説が始まっている。何らかの意図や前提をもってこちら主導で語りが始められるというよりは、たとえば、日記とおなじように、朝、目が覚めるところから、なかばなし崩し的に語りが始まってしまうようなぐあいである。しかも、一般的にいう目覚めのよい意識のはっきりした朝であることはなく、とりわけ何か考えごとをするだけで頭の痛くなるような二日酔いの朝であるとか、意識のあいまいなときにかぎって始まっている。唐突に始まるばかりではなく、曖昧に始まってもいるのである。
 これからあえて書いてみようとすることは、またしてもそのように、唐突に、曖昧に起こるのであった。
 朝、夢うつつに、幾度か寝返りを打っているうちに目が覚めてしまった、もうすこし眠っていたかったのに。せっかくの休日なのだから早く起きて活動したい気持ちはある、それでも目の奥が鈍として重たければ、早起きしたところで仕方がない。それに今朝も日差しはおあずけらしい。七月のなかばをすぎても厚ぼったい灰雲の掃けない異例にながびく梅雨であった。昨年の夏は、観測史上初ということばを何度も耳にした。あまりにも暑い夏で、随所でいくたびも過去最高気温というやつを記録した。いまだかつて誰も体験したことのない暑さがいまここにあるなんて、そう考えるだけで興奮したものだった。あまりの暑さに死人もぽつぽつでたらしかった。それが今年の夏はいつまでも梅雨が明けず、かといって街を浸水させんばかりの大雨が三日三晩つづくのでもなく、傘のいらない程度の霧雨が降ったり止んだりをくりかえし、湿気の蔓延るばかりで、気がつけば観測史上初のながさの梅雨をその日も更新しつづけているありさまであった。梅雨入りまえの初夏こそはそこそこ暑い日もあったのに、ここ数日は夜になれば、ときには日中でも上着を羽織りたくなるほどの涼しい日々がつづいた。たいへん重度の夏好きとして、真冬の氷点下ちかくの日にも「寒い」とはいわず、あえて「涼しい」と不敵な笑みでいってのける者にしてみれば、それはそれは陰惨な涼しさであった。
 あくまでももういちど眠りに就いて、つぎこそは目の奥の鈍重さを晴れやかに目覚めてやろうと気合をいれて目を瞑ると、こつこつ、こつこつこつと雨が窓硝子を打ちはじめる。困ったことにこの音はきらいではないので耳を澄ましているうちに昼になってしまった。ちょっとはうつらうつらしたかもしれない。雨はもうあがっている。
 いまだ目の奥は重たいけれど、もう仕方がないのでシャワーを浴びることにする。風呂場はさすがにむっとしていて、裸になってみてはじめて、今日はここ数日よりいくらかは暑くなっていることに気がつく。水の蛇口をひねって、お湯を冷たくしていくと、シャワーの音が透きとおってよく耳にきこえるような気がする。
 時枝はもうきっと公園についている頃だろう。髪はしぜんに乾くだろうから、硬球と左利き用のグラブの入ったナップサックを肩にかけて公園まで小走りで行く。相変わらずの鈍い天気、ちょっとは暑くなってきたものの、とうてい夏本番とは言いがたい空の下で、痺れを切らしたらしい一匹の蟬がとうとう鳴きはじめている。何かのまちがいで砂漠か深海か宇宙にでも産み落とされた赤子の産声のように、あまりにも孤独で、あまりにも無防備で、でもこの世界へ抵抗せんとする衝力だけはたしかに発しているような、そんな鳴声。道行く先に鳩の群れがわだかまっている、そのまま小走りで直進すると、いっせいに羽ばたいた。
「せみ、鳴きはじめたね」
 あいさつ代わりに言うと、
「また産まれたの、カモの赤ちゃん」
 そう言って時枝は池の中心あたりを指さす。
 やがてカメが甲羅干しをしている大きめの岩の背後から、親ガモのあとについて、四匹のヒナが列になって泳いでいる。カモの一隊は、まるで池の周囲に集う観衆にじぶんたちの姿をお披露目するかのように、池じゅうをぐるりと行脚してみせる。大きい一匹と小さい四匹それぞれのあとには、ちょうど船の先端が水面をふたすじに切って波を起こすように波紋が尾をひいている。水面をみて、また雨がふってきたのかと思うと、それは池じゅう無数にいるアメンボたちの起こす小さな円い波紋で、ヒナたちが時折、赤ちゃんとは思えない素早い身のこなしで列をはなれるのは、どうやらアメンボを追いかけて食べている。
「はやいね」
「うん、はやい」
「産まれながらにして野生だね」
「うん、野生だ」
「癒やされるね」
「うん、癒やしだね。帰ってくるまでに全滅してるかどうか、賭けようか」
「賭けよう賭けよう、今日のカリー代」
「でも、じっさい、カラスに食べられる瞬間みたいかも、カモだけに」
「そんなこと言ってたら、また全滅しちゃうよ。とにかく急いで戻ってこようよ」
 と言いつつ、時枝はたびたび立ち止まってはカメラのシャッターを切る。被写体に寄ってみたり、離れてみたり、背伸びしてみたり、屈んでみたり。こんどはいったい何を撮りだすのかと思うと、道端に停めて���るバイクに寄っていく、そしてバイクのミラーに向かってカシャ。そのミラーのなかを覗いてみると、近くの街路樹の枝の先と緑とが反射して映っている、かすかに風に揺れながら。
「あー。なんか先越された気分」
「だって、毎日あんな日記書かれて。同じものみてみたいって思うじゃない」
「読んでるんだ」
「このカメラ、白黒なんだよ。こっちはカラー用」
 そう言って時枝は首からさげた骨董品のようなカメラに加えて、ウエストポーチからもうひとつ、ひとつめのよりははるかに近代的にみえる、それでもやっぱり時代を感じさせるフィルムカメラを取り出すと、
「いまのは白黒の目でみてたでしょ」
「いや、そうでもない」
「いや、白黒の目だ」
「だいたい、いつもみてるのは走ってる車とかバイクのバックミラーだよ。その走行に対してバックミラーのなかは逆行して流れていくようにみえる。その逆行の流れに樹の緑の揺れているのなんかが飛びこんでくるのが目に飛びこんでくるって感じ、緑の色も含めてね」
「いや、白黒の目だ。それは白黒の目なんだ」
「そうでもないって」
「ズバリ、白黒の目でしょう」
 失笑で済ませるつもりが、堪えきれずにちょっと笑ってしまった。
「……きょう蒸し暑いね」
「うん、蒸し暑い」
 ルナさんはヒジャブで被った浅黒い顔を厨房の奥からだして微笑んだ。ただ、微笑むだけ。目がくりっとしていて、上唇から覗いた歯がとても白い。こちらもお辞儀をして席につくと、水の入ったグラスを運んできてくれたその手でメニューの紙を案内してくれる。手の甲の色黒さにたいして、手のひらはまるでインク落としをつかったみたいに色素が抜けている。「ハラール対応」と書いてあるメニューは日替わりのカリーセットのただひとつだけなので、ただ頷くのみ。するとルナさんは、ただ微笑んで厨房へ戻っていく。
 バングラディシュから来たルナさんの手料理を毎週末に必ず食べにいくようになってから一ヶ月ぐらいは経っただろうか。ルナさんのルナは月の意味だという。毎週かよっていたら顔を憶えてくれたらしく、いつも微笑むばかりでほとんど口をきかないルナさんが、自身の胸に手をあてて「ルナ。��、キ」と教えてくれた。時枝がどう思っているかは知らないが、ルナさんのカリーを食べにいくようになってから休日の過ごし方が上手になったと思う。せっかくの休日なのだから何かをしなくては、どこかへ行かなくては、と思わせられる足枷から自由になったとでも言うべきか。というより、もうルナさんのカリー自体がいちばんの目的なのだ。その目的さえ達してしまえば、重層的なスパイスの旨味で毛穴が剥き出しになりさえすれば、そう、無防備なまでの清涼感に包まれて、あとは野となれ山となれ。あるいはこれから海をみにいくにしても、なんら気負う必要はない、すっからかんの脳みそで海をみることができるのである。それぐらいルナさんの料理は美味しい、けっして食べて美味しかったと満足するだけではなく、味わいながらさらにもっと味わいたくなるような相乗的ななにか、それこそ海の揺らぎから目を離せなくなるようななにか、星空の瞬きから目を離せなくなるようななにかが。
「顔けわしいね」
「そんなことないよ」
「また、うんこ我慢してるのかと思って」
「今日はだいじょうぶ」
「じゃあ、なに考えてるの」
「いや、ルナさんの料理ってもの凄い引力だよね、月だけに」
「もうね、そうなの。大地の力を感じるっていうか、そりゃ火山は噴火するし、潮は満ち引きするワァ! 」
 時枝は頭の上に両手で山をつくって、噴火するような身振りをすると、その手が天井からぶら下がっている唐草模様の間接照明にあたってぐらんぐらん揺れるのがテーブルの上のメニュー用紙にも影となって映じている。
「こらこらー。でも月ってじつは地球のまわりをまわってるんじゃないって知ってた」
「え」
「じつは地球も月のまわりをまわってるの、相互にまわり合いながら太陽のまわりをまわってるってわけ。でも、その回転軸が地球の内部にあるから月だけがまわっているようにみえるというね」
「でも、このあいだね、咳風邪をこじらせて生理不順になってたときも、ルナさんのカレー食べた直後にきたんだよ」
「うんこが」
「うんこじゃない」
 やがてルナさんが頭から足首までを被った装いで幽霊のように床を滑りながら、料理一式ののったお盆を地面と水平にして運んでくる。お盆の上のカリーの食器と、スープの食器のなかとで、ふたつはたがいに隔たっていながら、その水面はまるでひとつの地続きになっているみたいにまったくおそろいの揺れ方をしている。
 ルナさんはいつものように口はきかず、メニュー用紙のお品書きと、それに対応する料理とを、色素の抜けた手のひらで交互に行ったり来たりさせて料理一式を案内してくれる。本日のメニューは、マトンカリー、キュウリとタリマンドのバングラサラダ、茄子のボルタ、オクラのバジ、鯖とトマトの酸っぱいスープ、そして粒のほそいシャダバット米の盛りに香菜とレモンが添えてある、これで千円ぴったり也。ひととおりの案内がすむと、ルナさんはいまいちどカリーを示して「キョウ、カライ」とだけ言った。
「ああ、ルナさんのカリーが食べたい」
 食べ終えて、お代の千円をルナさんに手渡して、店をあとにしてすぐの時枝の口ぐせがいつもこうだった。
「もう食べ終えるまえから食べたいよ。食べながら食べたい」
「それ! まさにそれ! 食べながら食べたい。言い得て妙とはまさにこのことだね」
「いいえてみょう、どこでそんな言葉おぼえたの」
「もともと知ってるよ、ばかにしないでよ」
 ふたりともどちらかといえば小食なほうなのに、このありさまである。ふだん辛いものを食べてもなんともないのに、ルナさんのカリーを食べたあとはじわりじわりと、それこそ地殻の内部でひそかに流動するマントルにのってプレートテクトニクスの運動が展開されるように、目にはみえない力が働いて、からだの内部のずっと底のほうから表面へ向けて順繰りに発汗作用のみなぎっているのを感じる。そればかりではなく、食後といえば眠くなるのが定番らしいが、それとは反対にあらゆる意味で目覚めたような気分になる。つまり、モノリスにさわった猿のようなものである。
 駅前の高架沿いをあてどなく歩いていると、足もとに薄っすらと長方形の影が連なって流れてゆき、いちばんお尻となった四角い影をさかいに高架の影のみがあとにのこった。影がいってしまい、そうとわかったあとで、ガタンゴトン、ガタンゴトンと列車の遠ざかってゆく音がようやく耳に入ってきて、やがて、あとにのこされた高架の影もきえてしまった。わずかな微光さえとざしてしまう曇天を睨みつけながら、
「人類にも夜明けが来たというのに、まだ来てないのは夏だけだぞ」
 ひとりごちると、
「そうだぞ、夏だけだぞ」
 時枝が復唱する。
「ねえ、意味わかっていってる」
「なにが」
「まあいいや、説明がめんどくさい」
「なあに、なあに、教えて、教えて」
「それよりもなんだっけ、ええっと」
「なあに、なあに」
「そうそう、月と地球は相互にまわり合いながら太陽のまわりをまわってるわけじゃん。さらにね、その太陽系じたいも銀河をもの凄いスピードで移動してるんだよね。だから地球が太陽のまわりを一周するっていっても同じところに戻ってくるんじゃなくて、いちど通ったところはずっと永遠に置き去りで、ということは、この地球は宇宙の真っ暗闇をあてもなくずっと旅して……」
「ちがう、ちがう。それじゃなくて」
「なんか凄いよね。空恐ろしい気持ちになってくるよ」
「隠しごとはしないって言った」
「隠しごとなんかしてないって」
「言った、言った。隠しごとはしないって言った」
「そんなことないよ」
「ずるいんだ。ひとには洗いざらい話させておいて自分のことは隠すんだ」
「だから、そういう意味じゃなくて、なんにも隠してないって」
「ずるいんだ、卑怯者だ、藤木くんだ」
「そうじゃなくて、説明しはじめたら切りがないから。だって二00一年宇宙の旅みてないんでしょ」
「みたけどすぐに寝た」
「ほらあ」
「いいの、いいの、イチからちゃんと説明して。切りがなくてもいいから」
 言い争いを一時中断、ふたりそろって点滅しはじめた青信号めがけて一目散に走り出す。横断歩道を半ばまで渡ったところで、もう大丈夫だろうと、歩幅を狭めると、そのまま走り抜けてゆく時枝の背中をグラブ入れのナップザックが左右にゆっさゆっさと揺れているのがみえた。時枝の背を見送ったその目で、いまいちど歩行者待ちの自動車の列を確認すると、列の途切れた車道のさらに先のほうで、前後にあるていどの距離のある二つの赤信号がパッと同時に青に切り変わった。遠近の法則なんてまるで無視して、ふたつのひかりはひとつの平面に隣合わせにあるみたいだった。プー、プー、先頭の車にクラクションを鳴らされてしまい慌てて歩道へ逃げ込むと、
「いま、なに見てたの」
 先に歩道に渡っていた時枝が出し抜けに言う。
「え、信号だけど」
「なんで、どうして」
「そんなこと言われたって」
「また隠しごとだ」
「なんでって、とくに理由はないけども。また日記にでも書いておくからさ、読んでるんでしょ」
「そうやって、またじぶんだけの秘密みたいに日記に書いて」
「秘密じゃないよ。だって読んでるじゃん」
「ちがう、ちがう。そんなの秘密がここにありますよって、鼻先ににんじんぶら下げられてるようなものだよ。生殺しもいいところ。ほんとうの隠しごとよりずっとたちが悪い。ああ、なんて性格の悪さなんだ」
 この信号を渡れば、すでにもとの公園の大樹の下、地域では特定保護の樹木として認定されているらしい。たしかに大きい。とても大きい。その影とも気づかない大きな影のなかでマーチングバンドの練習をしている三人の子どもたちがいる。トランペット、クラリネット、フルート、機敏な動きで楽器を上げ下げしたり、回したり、音楽を鳴らしながら踊っている。ほかにも大勢のひと、缶酎ハイを飲んでいたり、ウクレレをぽろぽろ弾いていたり、弁当をたべていたり、弁当の中身を覗き込んでいたり、たしかにあの弁当は美味しそうだなあ、ただベンチに座ってぼんやりしていたり、とにかく大勢のひとが微かに風に揺れうごくおなじ影のなかにいるのにマーチングバンドの練習をじっとみつめているのが時枝ただひとりだけだったのは少し意外に思えた。それでとくにわけもわからず、うん、うん、と頷いていると、時枝が子どもたちの機敏ではあるけれども勢い余って精度にはちょっと欠けるような動きをそっくりそのまま真似してみせる。
「上手いもんだね」
「子どもの頃ダンスやってたからね」
「そうなんだ。でも、ものまね何やっても上手いよね、感心しちゃった」
「そうお」
「うん、うん、役者になったほうがいいよ」
「ほんとお」
「向いてるよ。だって、あの子たちのちょっと下手くそな部分までそっくり真似できるんだもん。それは凄いことだよね、あの感じがいいよね、ちょっと感動しちゃった」
「嘘だ」
「え」
「またそうやってひとのことをバカにするんだ」
「え、ええー」
「そうなんだ、知ってるんだ。よくわかってるもん」
「ちがう、ちがうって。へたうまみたいのってあるじゃん。音程をあえてずらすとか、あえてリズムをずらすとかさ」
「下手くそって言いたいんだ」
「そんなのあの子どもたちに失礼だって。あれはあれで素晴らしいじゃん」
「ちがうもん。そんな気持ちでやってなんかない。ありのままにやっただけだし」
「じゃあいいじゃん。それが凄いって言ってるの」
「ほんとうにバカにしてないの」
「うん、素晴らしいよ」
「それなら、あの木のものまねして」
「え」
「あの木、好きでしょ、あのでかい木。あの木のものまねして、して」
「なんで」
「いいから。見たいから。あの木、好きでしょ。知ってるよ」
 仕方がないので、樹のとにかく大きいところとか、一本のふとい幹が無数に枝分かれて伸びひろがっている様子なんかを足先から指先まで全身を隈なくつかって表現してみる。まず両足をくっつけて棒立ちになり、それから蟹股にひざを折り曲げていったん反動をつけてから、五本の指をひらひら動かして白鳥のポーズのように両手を伸びひろげる。
「どうですか」
「うーん、微妙。ほんとうに好きなの、あの木」
「なんか悔しいなあ。でもさあ、ひとは樹にはなれないんだから、いくらなんでも難しすぎない」
「そんなことないよ。へたうまとか何とかいってさあ、効果を狙ってやるからいけないんだよ。ありのままにやれば木にもなれるって。あとは何より、そのものを好きになることだね」
「それじゃあ、あの看板やってみせてよ。まえに写真にとってたけど」
 青葉の繁みのなかにぽつんと立っている蜂に注意の黄色い立て看板を指さすと、時枝はすくっとそのものまねをしてみせる。なんだかその立ち姿がほんとうにそれっぽいので、おつぎは広場にある水色のすべり台を指さすと、これも難なくやってのける。ちいさな子どもがすべり台の坂道をすべり落ちそうになりながら懸命に四つん這いになってよじ登っていき、こんどは階段をすたすた駆け下りて、そのまま生垣の隙間を縫って向こう側にみえなくなった。やがて、子どものみえなくなった生垣の向こうから、ぽーんと、色鮮やかなブルーのゴムボールがあがった。
 今回ばかりはカラスに食べられなかったとみえて、カモのヒナたちは四匹とも元気いっぱいに池じゅうを泳ぎまわったり、岩によじのぼったり、岩の上で甲羅干ししているカメを踏みつけたり、つついたり、カメが動いてびっくりしたりしている。
「よかったね」
「うん、ほんとうによかった」
 前にこの池にヒナが孵ったときは、数時間後にもどってくると、もう親ガモだけになっていた。そのときは、ヒナのいるほうが特別な異常事態なのにもかかわらず、公園全体が素知らぬ顔をして、まるで遠い異国の旅先に来てしまったかのような寂しさを憶えたものだった。だからこそ、このよかったねにはほんとうに心がこもっている。
「元気だね」
「うん、ほんとうに素晴らしい」
 このヒナたちのものまねしてよ、という言葉が喉まででかかったけれど、口をつぐんだ。時枝はさっそくヒナたちを写真におさめようと池の周りをぐるぐる、それは時枝だけにとどまらず、ほかにも大勢のひとびとがカモたちの行方を追っていた。
「ねえ! カモの赤ちゃん! カモの赤ちゃんだよ! 」
 ママ友達と世間話をする母親の袖をひっぱって、無理にでも池まで連れていこうとする子どもがいる。はじめは面倒そうに子どもをあしらっていた母親も、いざ池まで来てカモの親子を目にすると、子ども以上のはしゃぎようで、こんどはママ友達を池までひっぱってくる。池の周囲は動物園さながらの盛り上がりで、生ぬるい風にまぎれてマーチングバンドの音がかすかにきこえてくる。
 しばらくカモたちを観察していて気づいたことに、どうやら親ガモとその後にくっついてゆく子ガモたちは、だいたいおなじコースをくりかえし巡回しているらしい。池のなかを泳ぐだけではなく、毎回決まっておなじところから陸に上がり、その周辺をこれまた決まったルートで行脚してから池にもどってくる。池の縁にはちょっとした段差があり、親ガモはそれを難なく越えて上陸するものの、子ガモたちにしてみればそれはたいへんな絶壁とみえて、羽をひろげてジャンプしても四匹ちゅう三匹は陸まで届かず池にもどってきてしまう。親鳥はちょっといったところで全員の集合を待っている。というのは、子ガモは親とはぐれるときまってピイ、ピイと悲痛そうな鳴声を発するからで、親鳥はその声をちゃんときいて待っているらしい。ピイ、ピイと鳴きながら何度めかの挑戦のすえ四匹全員がようやく壁を越えると、ふたたびカモたちの行脚が再開される。池から陸にあがるときとは反対に、陸から池にもどるときは、親ガモのあとに続いて、一瞬のためらいはあるものの、四匹ともに豆鉄砲のごとくポンポンポンと水面に飛び込んでゆくさまは小気味よいものである。さらに観察していて気づいたのは、四匹のうち一匹だけ、額に白い斑点のある子ガモは生まれつき勘がいいのか、運動能力が高いのか、陸にあがるジャンプを一回できめていることがわかった。しょっちゅう列から離れてはアメンボを追いかけまわしているのもその子ガモらしい。
 その額の白い斑点の子ガモを何となく「イダテン」と名付けることにして、
「イダテンすごいね。また一発できめたよ」
 と言うと、時枝は、
「ちがうよ。あれはシロちゃん。シロちゃんすごいねー」
 と言いながら、腰を屈めてシロちゃんのすぐあとを追ってゆく。時枝の両隣には年甲斐もなく壮年の男性と初老の女性がおなじように腰を屈めてシロちゃん、いや、イダテンのあとを追っている。その三人揃って突き出したお尻のおかしいこと、おかしいこと。いまこそ、時枝の首からぶら下げている写真機でカシャリと撮ってあげたいと思った。
 親鳥は繁みを抜けたところの遊歩道で子ガモたちのやって来るのを待っている。やはり、そこにもすぐに人だかりが出来て、ちょっとした撮影会のようになっている。カモたちはとくにひとに怯える様子もなく、なんなら足をひろげた子どもの股をよちよちと潜ったりして観衆を沸かせている。傍若無人にも足もとを闊歩するカモたちにたいして、アーチをつくる子どものほうがおろおろと目を丸くして身動きがとれなくなってしまっている。
 やがて、子ガモたちが親鳥の下に勢揃いしたちょうどその時、人だかりに闖入者あり。二匹のヨークシャーテリアが威勢よく吠えながら人だかりに割って入ってくる。
「リーちゃん! メロン! そっち行かない、行かないで! 」
 耳に桃色のリボンをつけているほうがリーちゃんなのだろうか。左右それぞれの手で二匹のリードを握っているのはまだ小学生ぐらいの女の子、かかとで身体にストップをかけて仰け反りぎみになり、犬たちを必至になって押さえようとしている。犬たちはますます前のめりになり、我を忘れて野生に還ったかのように吠え散らかしている。
「こらメロン! リーちゃん! もうやめて! お願いだから」
 飼い主の子どもに名前を呼ばれてもいっこうに反応する様子がなく吠えつづける。
 人間にはまるで動じないカモたちも、さすがにこの狩猟犬たちの剣幕には驚いたとみえて、あたふたと方向転換、いつもの散歩コースを外れて池からどんどん離れてゆく。しかも、カモたちの歩いてゆく先にはもうすぐ公園の出口が。若干の胸騒ぎを憶えて、
「ちょっと、ちょっと、そろそろ止めたほうがいいよ」
 最前線でカモの親子を追っている時枝に号令をかける。
「よしきた! 」
 時枝は公園の出口付近に先まわりして、野球の内野手のような姿勢で構えている。
 時枝選手、見事なまでのトンネル。
 ボールは外野をてんてんと転がってゆく、かのごとく、カモの親子は公園の外の今日に限ってはいやに広々しく感じられる道路へ解き放たれた。
「今日のキャッチボール、ゴロの特守だな」
 なおも最前線でカモの親子を追いかける時枝に追いつくと、
「ちがうもん、こんなはずじゃなかったもん。シロちゃーん、もどっておいで」
「エラーしたひとは誰だってそう言うよ。ほら、イダテン、もどってもどって」
 いまいちど先まわりしてカモたちを反転させようとするも、親ガモを先頭にカモたちは直進をつづける。
「畜生、このバカどりが! 」
「ほら、言わんこっちゃない」
 自転車をひきながらカモたちを追いかけてきたおばさんが、二輪のタイヤで行く手を塞ごうとするもこれも敵わない。おばさんはさらに、つばの広い麦わら帽子を左右にシッシと振って威嚇してもこれも通じない。
 カモたちの公園から飛び出したのが車通りの少ない住宅街に面していたのは不幸中の幸いだったかもしれない。カモの一行とすれちがう徒歩や自転車の近隣の住民たちは誰しもその可愛らしい歩みをみてニコニコしながらすれちがってゆく。たまに自動車が通れば、自ずと誘導隊が結成され、カモたちを轢かないように配慮がなされる。幾人ものひとびとがカモの一行に一時合流しては、また各々の本来の目的のために散り散りになっていった。
 カモの一隊は柵に囲われた更地の一区画に入ってゆく。見通しのきく更地のいちめんはその全体を緑がかったブルーシートに覆われて、その上には穴のひとつ空いた半分のサイズのコンクリートブロックが無数に点在して重しとしてある。穴の向きはふしぎとひとつに統一されていて、無数にあるすべての穴から一様にその向こう側を覗くことができる。点在する灰色の石群は、地上絵のような何かの模様にみえてきそうで、そうはならない。カモたちはコンクリートブロックを避けてそのあいだを縫うように更地を縦断している。ときどき、穴をくぐる子ガモもある。
「こいつは壮観な眺めだね」
「ほんと、まるで映画みたい」
「知らない景色でもないのに、カモが通るだけでこんなにもちがってみえるんだ。あっ、いま穴くぐったのはイダテンかな」
「ちがうよ、シロちゃんだよ」
「じゃあ、あいだをとってシロテンにしようよ」
「えー」
「だって、額に白い斑点でシロテンじゃん」
「ちぇ」
 公園からカモを追いかけている��参のカモ追いびとは、麦わら帽子をかぶって自転車をひきずるおばさんとの三人だけになっていた。おばさんは手帖にカモたちの姿をスケッチしているらしく、自転車のスタンドを下ろして手帖とペンを手にしては、少し遅れること自転車を引いてまた追いついてくる。あっちへフラフラ、こっちにフラフラするカモたちの鈍行列車ぶりに、おばさんは上手いことリズムを合わせているかのようだった。
 やがて、一行は閑静な住宅街の奥地にひっそりと大きな鳥居を構える社へ辿り着いた。境内は大樹の囲いに鬱蒼と覆われ、どこか密教めいていて、鳥居につづく参道はあまりにも薄暗い。ここからでは敷地の全体像はとても把握できないが、けっこうな広さをもっていそうなことぐらいはたやすく想像することができる。こんな辺鄙ところに遠いむかしの、このあたり一帯がひとくくりに武蔵野と呼ばれていた当時のままのような雑樹林があるなんて思いもよらなかった。吸い込まれてしまいそうなほど立派で巨大な鳥居がぽかんと口を開けていながら、どこかひとの侵入を拒むような不気味さがある。事実あたりにはひと影はいっさいない。
「もしかすると、カモはここに向かっていたのかな」
 時枝は鳥居のなかを指差した。鬱蒼として薄暗い鳥居のなかを。
「ちょっとなかをみてきてもいいですか。池があるかもしれないので」
 おばさんは快く留守番を承諾してくれた。
「どうする」
「うん」
「どっちの」
「いく」
 鳥居をくぐると嘘のように空気がひんやりと一変した。それにもかかわらず、いつのまにか蝉時雨に包まれていた。あまりにも静かで、その流星群のように降りそそぐ音のどこまでも隙間なく充満して、それ以外には何もきこえなかった。公園の特定保護の大樹ほどもある樹がそこらに図太い根を張り巡らせて敷居の石垣を裂いたり盛り上がらせたりしている。いったい樹齢はどれぐらいになるのだろう。
 手水舎のほうへ歩いてゆくと、木でできた古ぼけた看板が立っている。どうやら境内の地図らしい。ペンキがほとんど剥がれて、ささくれ��った木肌が剥き出しになってはいるものの水色のペンキで描かれた楕円があるのはかろうじてわかる。敷地は想像以上に広い。ついでに柄杓で水を浴びると、木の音がカランとやたらに響いた。手水舎のさらに奥のほうに赤い頭巾を被せられた地蔵の群集がある。どの地蔵とも目が合う。じっと見られているように感じられた。
 地図によると、池は本堂を越えたさらにその先にある。やぐら状に木材を組み合わせて底上げされた本堂は、さらに縦横に廊下を伸ばして、また別のお堂や蔵や厠と思わしき小屋に繋がっている。行く手を遮る廊下の床は頭よりもやや上にあり、どうやって向こう側へ行こうかと思案していると、廊下をくぐってゆけるよう石造りの階段が半地下へ伸びている場所がある。天井がずいぶん低く、頭をかがめて下りてゆくと、地下道は向こう側へ通ずる道のみならず、さらに左右にも伸びている。道の交わる地点で左右それぞれの道を覗くと、その道はさらに折れ曲がり、ちょうど誰かの後ろ足の歩き去ってゆくのが道角にチラリとみえた。
 地下道を抜けると、様々な種の木々の群生する小道に出た。木々にまじって細長い石塔がぽつりぽつりと建っている。右手には依然としてお堂があり、微風が吹くと、瓦屋根のおうとつに木の葉がふれてシャリン、シャリンと音をたてる。お堂のなかからは、おそろしく低い声のお経がかすかにきこえてくる。小道を進んでゆくと、道の行止まりに、女神様の合掌している大きな石像の下に地蔵が大勢群がっている。と、ちょうどいま歩いて来たばかりの小道に覆い被さる木々の緑が向こうのほうでざわめいて、とっさに振り向くと、それがしだいに近づいて順々に木々をざわめかせてゆく。前髪が風になびいたかと思うと、しばらくして後方にある絵馬がカタカタと音をたてた。振り戻ると、地蔵の手に握られたいくつもの風車がいっせいにクルクルまわっている。まるで合掌する女神様が一陣の風を吹かせたかのようだった。
 道は尽き、背丈より高い石造りの塀に辺りを囲われ、敷地はこれまでなのかと思うと、ひとひとりがようやくくぐれるほどの小さな門がある。時枝とひとりずつになって門をくぐると、驚いた。とたんに鬱蒼とした薄暗がりが解けて白い風景がひろがっていた。ひらけて広大な敷地に無数の墓石が並んでいる、縦横に、隙間なく、ぎっしりと、ただひとつだけ小ぶりの菩提樹がぽつんとやや斜めに生えているところを除いては。その菩提樹よりさらに先、墓石の途絶えるあたりに、それより先の視野を遮るように緑の群生がみられる。もし池があるとするなら、あのなかにちがいない。
 ひゅるる、と、ひとすじの風が素肌をなめたかと思うと、あたりは急に静まり返り、透明な心地になった。すぐに音のない、音のないよりはるかに静謐な雨が降りはじめた。雨粒のひとつひとつは白い墓石に染み入り、瞬く間、自身の形づくった斑模様を塗りつぶしてゆく。やがて鈍い雷鳴が轟いて、不意にザアーッと来た。慌てて走り出す。斑模様は跡形もなく、墓石に跳ね返った雨粒が飛沫となって砕け散っている。一本だけの菩提樹とは平行線をたどりながら、背のほうへ後退りしてゆき、降りしきる雨の重圧に枝をしならせながら反発しようと揺れるさまは、まるで手を振ってさようならの挨拶をしているかのようだった。
 驟雨はあっけなくあがった。対岸の雑樹林に着くと、葉脈をつたって葉先から零れる雨の滴が時折ボタボタッと落ちてくるばかりだった。服が湿って居心地が悪いので、ズボンの裾をたくし上げた。ギギ、ギギギ、と蝉が散発的に鳴いている。ここでもはやり、赤い頭巾を被せられた地蔵の群衆がじっとしてこちらの動向を窺っている。地蔵たちの視線を気にしながら歩いてゆくと、彼らは勢揃いして、いっせいに、コンパスの針を支点に円を描くように体をすすっと傾けた。やたら静かになったと思うと、いつのまにか蝉時雨が隙間なく空間を埋め尽くしていた。
 と、地蔵の背後の木々の隙間に、深い藪に覆われた飛び石の小道がある。池があるとするなら、もうこのなか以外にはありえない。きっと池の畔に通ずる道なのだろう。藪は胸のあたりまで高さがあり、草を掻きわけながら、飛び石をひとつひとつつたって下りてゆく。あまり人通りがないのか、草のみならず、蜘蛛の巣も払い除けながらやっと下ってゆく。まもなく藪を抜けそうな、濃い緑の池の水面がみえてきたとき、ふいに胸騒ぎを憶えて足もとをみると、ながいながい蟻の行列が石のおうとつに通っていた。もう少しで蟻たちを踏み潰すところだった。その裾をたくし上げた剥き出しの脚をみて、ギョッとした、一瞬血の気がひいた。青白い素足に無数の黒い斑点が纏わりついて、ほとんど真っ黒になろうとしている。それらすべてが血を吸いに集まった蚊であった。
 一目散に飛び石を駆け上がった。気味が悪かった。そのまま無我夢中で走り続けていると、いつのまにか住宅街を貫いてふたつに区分している環状道路沿いに出ていた。大型のトラックが地響きをたてて地面を揺らし、蝉時雨もきこえなかった。
 無意識に走っているうちに、入って来た時とはちがう場所から出たらしかった。
「この場所わかる」
「うん、なんとなく」
「ああ! 」
「どしたの」
「グローブどこかに忘れてきた」
 時枝はじぶんの両手がどちらともに塞がっていないを急に思い出してソワソワし始める。
「いやいや、あなたのはじぶんできちんと背負っていらっしゃる」
「おぼえてないの」
「うん、さっぱり」
「でも、急がないと。待たせてるんだし」
「それはそうだけど、せっかくもらったんだし。それに…… 」
 大型のトラックが二台も三台もたて続けにすぐ真横を通過した。地響きが鳴り止むと、こんどは排気ガスが顔に煙たい。運転手が窓から放り捨てたのかなんなのか、新聞紙が一枚々々バラバラに分かれて散って、そのひと千切り、ひと千切りが風に低く舞いながら道路上を占拠している、まるで西部劇の舞台を転がる枯草のように。
「それに」
「すごく嬉しかったし」
「そうなんだ。嬉しかったんだ。ぜんぜん知らなかった。でも、なんか嘘くさい」
「嘘じゃないって」
「だって、そんなこと、日記には何にも書いてなかった。やっぱり嘘だ」
「そんなことないよ。だって、あれからしばらく、グローブの下に挟んであった置き手紙をひろげては、時枝さんってどんなひとだろうって、字づらから想像してたんだから。でも何度も言うようだけど、うまいこと渡ったもんだよね。奇跡だよね。手紙のおもてが《グローブなしで壁あてをしている左投げのきみへ》だったのには笑ったけどさ」
「そんなのたまたまグローブのない不憫なひとがいて、弟の使い古しがあったからだよ」
「それにしたって、ほかの誰かが持っていってたかもしれないよ。捨てられてたかもしれないし」
「そんなの、いっつも決まって同じ時間に壁あてしに来るんだもん。ちゃんとそうなるように計ったの」
「まあ、規則正しい生活には定評があるからね。でも、それだったら直接渡してくれてもよかったのに」
「そんなの、いきなりじゃ変なひとみたいじゃん」
「それもそうか」
 社の外側をぐるっと大周りして、もとの地点にもどってくると、カモの姿も麦わら帽子のおばさんの姿もみられなかった。が、少し離れた道角に、おばさんの麦わら帽子が落ちているのを発見。風で飛んでいかないよう、麦わら帽子のなかにはバナナが重しとして置いてある。さらにその道角を曲がった先に、もうひとつバナナが置いてある。つぎの道角にもまたバナナが。そうしてバナナをひろっては麦わら帽子なかへ入れてゆくと、レンガ造りのマンションのまえに自転車が停めてある。そのマンション占有の駐車場におばさんとカモはいた。
「すっかり遅くなってしまって、すいませんでした」
 バナナで一杯になった麦わら帽子を差し出すと、
「いえいえ、そんなことないですよ。これ、もしよかったら」
 と、バナナを一本ずつ差しもどしてくれる。
「雨は大丈夫でしたか」
「いえ、こっちでは降っていないですけども」
 そう言われてみると、水たまりはおろか、道路は湿ってすらもいない。よほど局所的な雨だったのか、それとも見てはならぬものみてしまったのか。
「それならよかったです。あ、これ頂きます」
 バナナを剥くと、先っぽにひとつ黒い染みができていた。甘くて美味しい。
「見ての通り、この駐車場、袋小路になっていて。入口から出るということを知らないんですかねえ。さっきから出口を探そうとしてるみたいなんですけど、頑なに入口にはもどってくれなくて。これじゃあ帰ろうにも帰れない」
「鳥頭とは言ったものですけど、意外におぼえているんですかね」
「池はどうでしたか」
「あったにはあったんですけど、ここからだと公園にもどったほうがずっと早いと思います」
「そうでしたか」
 親ガモは袋小路の金網フェンスにクチバシを突っ込んでみたり、噛み切ろうとしてみたり、道なき道をどうにか切り拓こうとしている。子ガモたちは手帖を片手にスケッチをとるバナナおばさんの足もとをチュンチュン歩きまわっている。
 やがて、とうとう親ガモは出入口はひとつしかないことを、入って来たところに戻らなければならないことを悟ったのか、からだを反転させて、休日で車の出払った駐車場を歩きはじめた。子ガモたちも戯れをやめて、しっかりと親ガモのあとに続いてゆく。これでようやく、と思った。肩の荷が少し軽くなったような思いだった。ヒナがすぐにいなくなってしまうのはカラスの仕業だけではないだろうと考えはじめていた。数日前、近所の道端に干乾びた小鳥の亡骸があったのは、もしかすると鴨のヒナだったかもしれない。そういわれてみると、日に々々骨と皮だけになってゆく亡骸の足に水掻きのようなものが付いていた気がしなくもない。
 カモたちは平たい水掻きの付いた足でペタペタと駐車場を歩いている。親と子で大きさはずいぶんちがっていても、歩き方のほうは、まあそっくりである。と、親ガモにつづく子ガモの列から一羽の姿が唐突に消えた。マジックショーか何かのように、消えた。頭のほうでの理解が追いつかず、そのまま棒立ちになって立ち尽くしていると、さらに残りの三羽がごそっとおなじように消えた。時枝がバナナの皮を落っことして駆けていった。親鳥もすぐにこの事態に気がつき、あてもなく困惑した様子で周囲を窺っている。
 何ということか、カモたちがそのとき歩いていたのは、地下に組み込まれた立体駐車場のてっぺんだった。ところどころに僅かな隙間があり、そこから子ガモたちは駐車場の地下へと落下したらしかった。
 三人で手分けして、四つん這いになって、立体駐車場の隙間をのぞく。まもなく四羽の姿を目視。地下一階や地下二階の自動車の収まるスペースではない、いちばん底のコンクリートまで落ちている。地下に落下しても、四羽が仲良く一列になって、雨水を通すための浅い側溝をぺちぺち歩いているのがチラリと垣間みえた。なにしろ隙間が小さいので、子ガモたちの姿のみえたのはそれっきりで、耳を澄ますと辛うじてきこえてくる例のピイ、ピイの鳴声だけが子ガモたちの居所を伝えてくれた。
 親鳥はガーガー鳴きながら、まるで何かの威嚇かアピールのように胸を張って翼をバサバサ開き閉じしている。突然、翼をひろげながら走り出し、もとの袋小路に戻ったかと思うと、また子ガモの落下した辺りまでやってきて、俯き加減にクチバシで周囲を突きながら右往左往としている。が、ふいに飛び立った。ずっと地べたを歩きまわるのを追っていたせいか、鴨が飛べるという事実をすっかり忘れていた。かりに子ガモが救出されても、親鳥がいなければどうしようもない。
 慌ててマンションの管理室へ駆け込んだ。休日なので受付の小窓には内側からカーテンがかけられている。マンションの出入口で思案に暮れていると、空から親鳥のガーガー鳴く声がきこえた。どうやら諦めたのではなく、マンションの上空一帯を飛びまわって探しているらしい。こちらも負けてはいられない。ちょうどマンションに帰って来た住人と思わしき奥さんに勇気を出して声をかける。それでもやはり躊躇いがあったのか、いざ一歩目の踏み出しが遅れてしまい、後ろから追うかたちで、
「あのう、すみません」
 まるで反応がないので、すぐ隣までまわりこんで、
「すみません」
 すると奥さんはビクッとして、
「え、わたしですか」
 はじめこそ、べっこう色の縁の付いた眼鏡の奥で不信そうな目をしていた奥さんは、カモの赤ちゃんという言葉をきいて態度を一変させた。奥さんも公園の池で子ガモをみていたのだった。
「うん、うん、それで今はどちらに」
「いました、いました、あれですよ。ああやって探しているんです」
 奥さんを子ガモの落下地点まで案内する道すがら、また親鳥がガーガー鳴きながら上空を飛んでいった。
「たしかに、この下にいるんですよね」
「耳を澄ましてみてください。鳴いているのがきこえるので」
 またしても親鳥がガーガー鳴きながら飛んでくる。それを見送ってから、四人でそろって押し黙り、立体駐車場の上にしゃがみ込むと、やはり、ピイ、ピイ、と子ガモの悲痛な鳴声がきこえてくる。時枝は急に思い出したみたいにすくっと立ち上がり、さっき落としたバナナの皮を拾いにいった。
 と、そこへマンションの裏口から駐車場に出てくるチェックの短パン姿の壮年の男性がある。時枝はバナナの皮を拾うのも忘れて、彼を立体駐車場の上まで引っぱってくる。
「ほう、ほう、そうでしたか。ちょうど車で出掛けるところだったんです。上げてみましょうか。この下ですから、私の車」
 チェックのパンツからキーケースを取り出し、柱に埋め込まれた鍵穴に差し込んで、回した。気持ちは急いでいるのに装置の作動は緩慢きわまりなく、男性はそれを知っているのか、片手で鍵は回したまま、手持ち無沙汰になったもう片方の手を腰にまわして、さらに足を組んで、首を傾げ、変なポーズのような姿勢をとっている。ようやく、鈍くて荘厳な機械音とともに動作が開始されると、まるで寝息をたてる鯨の腹部のような鈍重さで、それまで足もとにあったてっぺんが盛り上がってゆき、全部で四列ある立体駐車場のうちのひとつがその本来の姿をあらわした。
「これで一段。あと下に三段つづいています。いちばん下まで上げてみますか」
「はい」
 とはいっても、立体駐車場を底上げしたからといって、子ガモが上がってくるのではなく、無闇にてっぺんが高くなっているだけである。子ガモはさらに底のコンクリートまで落ちている。
「これって、半端なところでは止められないんですかね。階と階のちょうどあいだとか。そうすれば隙間をジグザグに縫って、いちばん底まで降りていかれるような気がするんですけど」
「いやあ、たぶん、そういうことができないように、しっかりと切りのよいところでしか止まれないようになってるんですよ」
「ですよね」
「私、そろそろ出なくてはならないので、すみません。駐車場の鍵はお預けしますので使ってください」
「✕○△号室の某といいます。鍵、有り難くお預かりします」
「私は✕○△号室の某です。代わりと言ってはあれですが、理事長を呼んでおくので」
「理事長さんとお付き合いあるんですか」
「じつは昨夜も遅くまでやってたんですよ」
 クイッとお酒を飲む仕草をすると、
「彼、今日はずっと家にいると言っていたので、すぐに電話しておきます」
 車が駐車場から出てゆき、まもなく裏口から理事長さんがやって来た。よれや色落ちのまったくないパリッとしたジーンズを穿いて、白んできた頭髪を色濃い焦げ茶色に染めてある。
「✕○△号室の某さんから連絡をもらいました✕○△号室の某です」
「✕○△号室の某といいます。理事長さん、わざわざありがとうございます、お休みのところ本当にすみません」
「いやいや理事長さんだなんて、某でけっこうですよ。それに順番がまわって来たので慣習にならって引き受けたまでです。そうはいっても当マンションきっての一大事ということですから、微力ながらお力添えできたらと思います」
 と、そこへ駐車場の出入口からなかの様子を窺っていた親子がおっかなびっくり入ってくる。父親と息子、背丈はちょうど倍ぐらいちがっていて、ふたりとも小柄な丸顔で、風体も顔つきもとてもよく似ている。
「ど、どうかされたんですか」
「カモの赤ちゃんが立体駐車場の下に落ちてしまったんです」
「ええ! さっきまで僕たちも公園にいたんですよ。急に姿がみえなくなったと思ったら、こんなところまで来ていたんですね」
 父親は息子の顔のちかくまで屈んで、
「カモの赤ちゃんが落ちちゃったんだって。ほら、さっきまで公園にいた」
 息子の手には手作りのザリガニ釣り用の竿が握られている。
「四匹ともですか」
「そうなんです、四匹とも。この方たちが落ちたところをみたって。それからずっといてくれてるんです。でも、生きてはいるみたいで、たしかに鳴声がきこえるんです」
「昨日は六匹で、今日は四匹ときて、また猫かカラスにやられたものだと思っていたんですけど、とにかく生きていてよかったです」
 父親はまた息子の顔のちかくまで屈んで、
「カモの赤ちゃん、生きてるんだって」
「ぼく、これで釣り上げてみる」
「うーん。これじゃあ、ちょっと長さが足りないよ」
 時枝とバナナのおばさんが息子さんを落下地点へ案内してあげた。
「ここの住人さんですか」
 父親に尋ねてみると、
「いやあ、まったくの通りすがりです。いったい何事だろうと思いまして。しかし、大変なことになりましたなあ��
「そうだったんですね。じぶんたちも住人ではない���ですよ。公園から出ていったカモの行方を追っていたら、まさか、まさかの」
 べっこう色の眼鏡の奥さんと、理事長さんは、腕を組んで真剣な面持ちで今後の打ち合わせをしている。
「やっぱりそうですよね。私もそう思います。うちの旦那が家に居ますから、番号を調べて持ってきてもらいましょう」
 どうやら、とりあえずマンションの管理会社に相談することに決まったらしい。まもなく旦那さんがチラシの切れ端を持って下りてきて「✕○△号室の某です」と理事長さんに挨拶をした。旦那さんにくっついて、小学生ぐらいのふたりの兄妹も下りてきている。三人そろって部屋着に毛の生えたような恰好をしている。さらに一家と付き合いのあるらしいもうひと夫妻が「✕○△号室の某です」と挨拶をして合流した。
「あとのことは皆さん方にお任せしようかしらね」
 バナナのおばさんは、ばつが悪そうに、そっと自転車をひいて駐車場が出ていった。
 まずマンションの管理会社は、休日なので対応できる人員がいないこと、マンションの管理会社とはべつに立体駐車場の管理会社が存在していることを教えてくれた。べっこう色の眼鏡の奥さんが電話番号を復唱して、旦那さんが息子の背中を台代わりにしてメモをとる。妹のほうは長くなりそうと踏んだのか「着替えてくる」と言って部屋へ駆けていった。
 ついで立体駐車場の管理会社は、休日で対応できる人員がいないのでマンションの管理会社に連絡したほうがいいのではないかということ、以前に怪我人がでているので許可なく立体駐車場のなかに入ってはいけないということ、どうしようもないのなら警察に相談してみるのがいいのではないかということを教えてくれた。
 それならば、ということで、ついに一一〇番することになった。これまで流暢に電話口の対応を続けていたべっこう色の眼鏡の奥さんも、さすがに相手が警察官となると形式的にきかれることが多いのか、たどたどしく話を展開した。それから、じっさいに子ガモの落下を見たひとを出してほしいとの要請で、たしかに見ました、と証言した。
「たしかに駐車場の地下に落ちて、それを見たんですね」
 と、電話口の警察官がくりかえすので、
「あまりにも一瞬のことで、子ガモが消えたかのようにみえましたけど、鳴声はきこえますし、地下の側溝を歩いているのもみました」
 と、証言した。べっこう色の眼鏡の奥さんに電話を戻すと、さいごに住所、マンション名、それから「✕○△号室の某です」と通報者の氏名を名乗って、ながい電話が終了した。
 妹が外行きの恰好で戻ってきて、父親の脇にぴったりくっついた。そして、ちょいちょいとTシャツの裾を引く。父親が身を屈めると、耳元に両手をそえて、こしょこしょと何かの内緒話をする。話を聞き終えると父親は、うんうんと頷いて、娘の頭を撫でた。
 遅いですね、まだですかね、という会話を幾度かくりかえしても警察官が来ないので、近くの自動販売機まで冷たい水を買いにいった。喉がカラカラだった。時枝は三台ある自販機を四往復ぐらいして、得体の知れない邪悪な色の清涼飲料水のボタンを押した。ガッシャーンと缶が落ちてくると、ピロピロした電子音が鳴り、自販機のディスプレイにおなじデジタル数字が三つならんだ。ガッシャーン、得体の知れない邪悪な飲料がもうひとつ落ちてくる。
「あげる」
「えー、いらないよ、そんなの」
 とは、反射で言ったものの、
「ちょっと毒見させて」
 やっぱり時枝のをひとくち貰うことにする。落ちてきたばかりの冷たい缶の表面には薄っすらと水滴が張り巡らされている。
「マズ……」
 時枝もひとくち口に含んで、
「なにこれ……」
「なんでこんな変なの選んだの。しかも、もうひとつ出てきちゃって」
「ごめん、ちょっと水もらっていい」
「いいよ、いいよ、飲みな。これはさすがにまずいって」
 駐車場に戻ると、腰のひん曲がって杖をついている老人がひとり増えてはいても、警察官はまだ来ていない。
「ぼくものど渇いた」
 そっくり親子の子どもがぼやくのをすかさず耳にして、
「これ、もしよければ。当たったんです」
「いやあ、いいんですか」
「でも、もの凄く不味いので、毒見したほうがいいかもしれないです」
 ひとくちずつ飲んだきり、まったく中身の減っていない缶を手渡すと、子どもはちいさな両手で缶を受けとめた。そのまま両手で口まで持っていく。べえええ、いちど口に含んだものがそのまま口から流れでた。
「こらッ、みっともない! 」
「いいんです、いいんです、ほんとうに不味いんですから」
「お父さんもおひとついかがですか」
 と、時枝が続いた。
「はあ、それではおひとつ」
 息子が両手で缶を差し出すと、
「不味い! これはたしかに不味いですなあ」
 そうこうしているうちに、ようやく若くて色白な警察官が、あからさまにタラタラ自転車を漕いでやって来た。その目に見えた態度とは裏腹に、警視庁とプリントされた紺色の制服はガチッとして、重そうで、形式的な威厳にあふれている。
 まずは通報者の✕○△号室某さん婦人が招集され、電話口でも話したであろう形式的な質問の応答がはじまった。第一印象のとおり、この若い警察官は語尾がいちいち投げやりで、もともとがそうなのか、あるいは上官に嫌な役回りを演じさせられてそうなっているのか、はたまた別の理由によってそうなっているのかは分からなかった。
 ついで、目撃者として、私、あるいは彼、あるいはKが招集された。電話口よりももっと仔細に、この子ガモたちを初めてみて、落下するのをみるまでの経緯をひとつびとつ詳しく質問されることとなった。✕○△号室某さん婦人の時と同様にメモを取りながらの質疑応答ととなった。社でのことは、わざわざ言うべきことではないと思い、あえて省いた。
「ではKさん、あなたは、鴨が公園から出て行くのをみすみす見逃したんですね」
「いえ、そうではありません。カモたちが公園から出ていってしまってはいけないと思って、どうにか止めようと努め���した」
「しかし、Kさん、あなたは鴨が公園から出ていき、その後を追っていったとおっしゃった。ほんとうに公園から出て行くのがまずいのであれば、首根っこを掴んででも連れ戻すべきではなかったんじゃないですか」
「それができれば苦労はしないですし、こんなことにはなっていませんよ」
「なぜ、どうしてです」
「それは、それは、お巡りさんだって、あの場にじっさいにいれば、そうする他なかったと思いますけど」
「そんなことはないですね。私だったら、もし鴨をほんとうに公園の外に出したくないのなら、首根っこを掴まずとも虫捕り網か何かで捕獲して連れ戻そうとしますけどね」
「そんな、虫捕り網なんて、その場にはなかったわけですし」
「いえいえ、あなたは何か勘違いをしていらっしゃる、あくまでも例えの話です。Kさん、あなたは、鴨が公園から出て行ったのは犬が吠えたせいだとおっしゃった。しかし、飼い主だって、犬をどうにか止めようとしていたわけでしょう。事実、飼い主が犬を止めたお陰で、少なくとも鴨は喰い殺されずに済んだ。そのことについてはどうお考えですか」
「そんな、鴨と犬のはなしを一緒にされても」
「ほう、ひじょうに興味深い話だ。いや、私がこんなことを言うのは、鴨も犬もひとしく動物だと思うからです。何がどうちがうのか、是非ともお聞かせ願いたい」
「だって、鴨と犬ではどう考えても立場がちがうでしょう」
「ほう、立場とおっしゃる。立場とは、例えば、裁かれるものと、裁くものとのあいだに生じる差異のことですか。今回の場合で言うなれば、吠えられるものと、吠えるものとのあいだに生じる差異、ということになりますか」
「お巡りさん、いったい何を言っているんです。子どもは必死に犬のリードを握って、しかも二匹もですよ、力の限り止めようしていたんですよ」
「そう、そうなんです。私が聞きたいのはまさにそのことなんです。子どもですら犬を必死になって止めようとした。しかし、あなたの話からはどうもその必死さが感じられないんです。たとえ虫捕り網を持っていたとしても、子どもが犬にそうしたように、必死になって止めようとしたかどうかは疑わしい」
「それは、犬は、飼い犬ですから、周りに迷惑をかけないように」
「それなら鴨はいいと言うんですか。自分で言うのもなんですけど、警察が出動しているんですよ。私も暇ではないですし、取り締まらなければならないことが他にも山ほどある。いえ、すみません、ちょっと言い過ぎました。この対応も警察官としてのひとつの義務ですから。いまのは忘れてください」
「いえいえ、こちらこそ。きちんとした応答ができずに、申し訳ないです」
「しかし、あながち無関係でもない。いや、先ほどはほんとうに失礼しました。つい私情を挟んでしまって。ただ、飼い犬については迷惑をかけないようにときちんと思われるのに、カモさんたちについてはそこまで思われないのはどういうことかと思いまして。むしろ、カモさんが自動車に轢かれないように配慮までされていますよね。飼い犬であればそうなる前に止めているはずでしょう。まさか飼い犬のために自動車のほうに道をあけさせるなんてことはしないはずです。Kさん、あなたの場合は、いまひとつ対応が後手にまわっているといいますか。やはり、それよりももっと、轢かれるなりして大変なことになるのを未然に防ごうとする心理が働くのではないですか。なにせ飼い犬が轢き殺されてしまえば悲しいですし、そればかりではなく、やろうと思えば未然に止められたことを止められなければ罪悪感を抱くと思うんです」
「いやはや、お巡りさんの話には目から鱗が落ちる思いです。まず、この事態がお巡りさんの手を煩わせていることをもっと辛辣に考えてみるべきでした。そして何より、確かに必死さが足りていなかった。最悪の事態を未然に防ごうともしなかった。ただ、情けないことに、お巡りさんに言われるまでは気づかなかったことですが、あるひとつのことを尊重していたんです」
「ほう、それはいったい何ですか」
「鴨の自由です」
「鴨の、自由」
「そうです。そうなんです。きっと心のどこかで、カモたちに必要以上の干渉をすべきでないと思っていたんです。それでもやっぱり、最悪の事態は避けたいですから、あとを追いながら見守っていたんだと思います」
「なぜ、鴨に干渉すべきではないと」
「それは、このカモたちは野生の生きものだからですよ」
「ありがとうございました。これでようやく答えが出ました」
 聴衆の注目が警察官に集まった。警察が来ていることで、さらに野次馬が増えていた。
「まず、第一に」 
 あたりは静まりかえり、誰かの唾を飲みこむ音がきこえた。
「某さんは、立体駐車場の管理会社から、許可なしになかへ侵入してはいけないと言われている。警察といえども、これを勝手に破るわけにいかないのは承知頂けますかな」
「それは、その通りです」
「ただ、事情が事情であれば、警視庁のほうで適切な令状を出し、正式な手続きをいくつか踏んだ上で侵入することは出来なくはないでしょう。それにしても、管理会社のほうは今日は対応できないと言っておられるようだし、何しろ手続きというものにはいつも大変な時間がかかる。明日になるか、明後日になるか、もしかすると一週間かかるかもしれません。その頃には鴨は衰弱して死んでいるでしょう」
 誰しもが口をつぐんだ。
「そして、第二に、つい先ほどKさんは、この鴨が野生だとおっしゃった。野鳥というのは基本的に警察の管轄外にあたります」
 色白の若い警察官は、管轄外の外のところにアクセントをつけて強調した。
「これが誰かの所有物であったり、つまりペットですね。あるいは誰かや誰かの所有物に著しい危害を加える可能性のある動物、たとえば熊とかイノシシですとか、そういった場合は警察の管轄内になります」
 色白の若い警察官は、管轄内の内のところにもアクセントをつけて強調した。
「今回のケースはどう考えても警察の管轄外にあたります。当然ですが、管轄の外にでる行為は法律で違法と定められています。警察が違法行為をはたらくとどうなるかはご存じですね。いえ、警察に限った話でありませんでした。はい、そうです、クビです。私もさすがに鴨でクビにはなりたくないですから。わかっていただけますか」
 誰も、何も言えなかった。色白の若い警察官は振り返り、聴衆はぞろぞろと重い足どりで彼のために道をあけた。と、
「じぶんのクビと、よっつの命と、どっちが大事なんだ」
 そっくり親子の息子が口走った。子どもの声を止めようとしたり、諫めようとしたりする大人はここにはひとりもいなかった。ところがこんどは、さらに果敢なことに、足もとにあったバナナの皮を投げつけようする。これにはさすがに止めが入り、しかし、小さくてすばしっこい子どもは大人の手をすり抜けてゆく。ポーン。バナナの皮は見事に警官の後頭部に直撃。時枝がすかさず皮を拾いにゆく。
「すみません、ほんとうにすみません。バナナを食べたの、じぶんなんです。投げたのは子どもですけど。だからって、子どもに罪があるわけじゃないんです。バナナの皮を放っておいたじぶんが悪いんです。いつだってバナナはひとに危害を加えるでしょう、転んでしまったり。それを放置して未然に防ごうとしなかったのがいけないんです。お巡りさんも言ってたじゃないですか」
「いえいえ、慣れっこですから、こういうことは」
「これ、よかったらもらってください。まだ買ったばかりでよく冷えています」
 時枝は当たったほうの未開封の缶を差し出した。
「いやいや、受け取れませんよ、そんな」
「いいんです、いいんです。こんなことで呼んでしまって、さらに失礼な態度まで」
「いや、ほんとうにお気持ちだけでけっこうですから」
「いえ、ちがうんです、そうではなくて、こっちの気が済まないんです。あまりにも申し訳がなくって。これじゃあ喉に魚の骨が刺さったままでいるみたいで。ひとに親切でもするつもりで、ちょっとした人助けでもするつもりで、受け取ってもらえませんか。それとも、そういった行為も管轄外だと言うんですか」
「そこまで言うのなら受け取りましょう」
 色白の若い警官は受け取った缶ジュースをかかげて、軽く聴衆にお辞儀をした。そっくり親子の父親が拍手をして、その拍手は事情を知らない聴衆全体にもひろがっていった。
 警官は来たときと同様にタラタラ自転車を漕いで遠ざかってゆき、しばらくすると、プシュッとプルタブを引く音がきこえた。
「それにしても長い問答でしたね。お疲れ様でした。なにもあんなにまどろっこしくしなくても、野鳥は管轄外ですのひと言でよかったような気もしますけど」
 べっこう色の眼鏡の奥さんが労ってくれた。
「いえ、ちがうんです。ただこのひとが偏屈なだけですよ。挙句の果てには、鴨の自由、とか何とか言ってみずから墓穴を掘っちゃって、ああ、恥ずかしい」
「そんなことないですよ、堂々として立派でした。それにあなたも。さっきの対応はほんとうに素晴らしかったですよ。事態はちっとも好転していないのに、どうしてかハッピーエンドみたいになってしまうなんて。子どもを庇っただけでなく、お巡りさんの立場まで、ねえ」
「ちがうんです、そんなに褒められたことじゃないんです。あの缶ジュース、じつはものすんごく不味くて、あの警官にちょっとでもダメージを与えてやりたくて、それで。厄介払いもできたし、ちょうどよかったんです」
「まあ! 」
 べっこう色の眼鏡の奥さんは口に片手をあてて笑った。
 ガヤガヤと人員が増え、時間がいたずらに経過したばかりで、為すすべもないまま事態はふりだしにもどってしまった。むしろ、後退したと言うべきかもしれない。時間だけが経ち、採るべき選択肢は減り、その代わりに禁止事項が増えたのだから。
 杖をついた老人は、立体駐車場のてっぺんに立ち「ひらけー、ゴマ! 」とか「モーセよー、海を割りたまえ! 」とか言いながら足もとを杖でカツン、カツン叩いている。もはや神頼み、これでは世間話でもするほかなく、そっくり親子の父親に、
「息子さん、サウスポーなんですね。じつはじぶんもなんです。さっきの投げっぷりは凄かったなあ。それにコントロールも抜群で。きっと将来はいいピッチャーになりますよ」
「いやあ、お見苦しいところをおみせしてしまって、さらに庇ってまでいただいて」
 と、そこへバナナおばさんが戻ってきた、自転車のカゴ一杯いっぱいにバナナを積んで。
「実はさっきも、知人のところへお裾分けしに行くさいちゅうだったんです。まだ家に段ボール箱で沢山あってとても食べ切れないので、ちょうど良いかと思いまして。でも、こんなに大勢になってしまって、これで足りるかしら」
 バナナの皮事件の目撃者たちは、なるほど、こういうことだったのか、とクスクス笑い合っている。バナナのおばさんはクスクスと注がれる視線に、
「いったいどうしたのかしら」
と言いつつ、すぐに話を切り変えて、
「それで、あれからどうなりました」
 と、まるで秘密の話でもするように声をひそめて言う。もしかするとバナナはあくまでも建前で、この場の当事者として鴨の行方を見守る正当な理由が欲しかったのかもしれない。さっきのバツの悪そうな去り方からして、そんなふうに思われてくるのだった。すると、そこへ理事長さんがバナナを片手にやって来て、
「差入れありがとうございます。脳の血糖値が下がっては、良い解決案も出ませんからな。マンションを代表してお礼申し上げます」
「いいんです、いいんです、ちょうど良かったものですから。こっちが助かってしまったぐらいなんです」
 肩書ばかりで実際にはとくに何もしていない理事長さんも、ときには意外なところで役に立つと思った。その行動が功を奏したかどうかは別にして、いちばんの働き者として鴨救出部隊を引っぱっ��いるべっこう色の眼鏡の奥さんも、
「戻られたんですね。実は方々に連絡して、警察にも来てもらったんですけど、まだダメなんです。なにか良い知恵があったら教えてくださいね」
 と、バナナのおばさんを迎えている。
 どんよりしたムードだったのが、バナナおばさんの再登場で、いい具合に仕切り直しとなった。大勢の大人子どもが揃いもそろってバナナをむしゃむしゃ頬張りながら、救出方法の議論をはじめたり、いまいちど立体駐車場のてっぺんにしゃがみ込んで子ガモのピイ、ピイの鳴声を聞き取ろうとする。落ちたばかりの頃より、確実に鳴声が小さくなっている。どうにかその鳴声を聞き取ろうと耳を澄ませていると、ブルブルと自動車のエンジン音が。サーフボードを積んだ白いアメ車が駐車場に入ってくる。白いキャップをしてサングラスをかけた比較的に若い女性が窓から肘を出して様子を窺っている。助手席には同じくサングラスをかけた男性がいる。女性はサングラスを外すと、
「みなさん、揃いもそろってバナナを持って、いったいどうされたんですか」
「カモの赤ちゃんが立体駐車場の下に落ちてしまったんです」
「え、カモの赤ちゃん。え、それでバナナはいったい」
「いえ、バナナはなんでもないんです。カモの赤ちゃんが隙間から地下に落ちてしまって」
「え、���ょっと状況がのみ込めないんですけど、車は停めていいんですよね」
「あ、はい。大丈夫ですよね」
 べっこう色の眼鏡の奥さんが理事長さんに決断を振ると、そうするほか仕方がないといったふうに黙ったままゆっくりと頷いた。
 白いキャップの女性は肘についで頭も窓から出して、車を反転させてから、バックで車を立体駐車場のてっぺんに駐車した。車の動きに合わせてバナナを持った大勢のひとが場所をあけるためにぞろぞろと連れ立って移動した。若い男女ふたりは大きな荷物を抱えて車からでてきて、いまいちど事情をきくと「それは大変ですね」と言って、大きな荷物を抱え直して部屋のほうへと運んでいった。
 それはもちろんドライなひとだっているだろうと、大きな荷物とふたりの後ろ姿を見送ってから、しばらくすると、さっきのサングラスの男女が意外にも変身して、いや変装してもどって来た。男のほうは繋ぎの作業服に、頭にはタオルを巻いて、手には大きめのライトを持っている。女性のほうは上下ともに黒に白のラインの入ったジャージに、髪はすっきりとポニーテールにまとめてある。変装とはいっても、いったいどっちの姿がほんとうなのか分からないほどの変わりよう。
「どうもどうも。ちょっと地下までおりて様子をみて来ますよ。なんなら助けられるかもしれないし。虫捕り網とか持ってるひとはいないですか。生憎、うちにはなくて」
「それなんですけど、立体駐車場の管理会社から許可なしにひとが入ってはいけないと言われているんです」
「だいじょうぶですよ。このひと、電気工なんです。いつも高所とかで作業してるみたいなんで、ぜんぜん平気なんですって。ねえー」
「いや、たしかに高所で作業はしてるけど、地下の経験はそんなに。それに許可なしでは……」
「なあに言ってるの。その気があるからわざわざ着替えて来たんでしょ。とっととやっちゃいましょ」
「それもそうだな。ヨッシャ。じぶん、先に下おりてるんで、お子さんのいる家なんかで虫捕り網があったらよろしくッス」
 そうして、あれよあれよという間に、いちど上まで引き上げられた立体駐車場の駐車スペースに乗って、キーの操作は上の人間に託し、繋ぎの作業服の兄ちゃんはきわめてゆっくりと周囲のひとびとに見守られながら下っていった。最後は首だけになり、気の利いた冗談のつもりなのか、親指を立てた握りこぶしを頭上に掲げながら、やがてそれもみえなくなった。
 それにしても、男のほうはともかくとして、ジャージのお姉さんはわざわざ着替えてくる必要があったのか。よく見ると、お化粧まで小ざっぱりとしたものに変わっている。芸の細かさと、気合の入りようには唯々感心した。あるいは単に、そういう文化をもっているひとなのかもしれない。
 一段、二段、と駐車場が地下に収まってゆき、そのたびごとに「はーい、もう一段下ろしてくださーい」と地下から声があがる。声は回を重ねるごとに小さくなる。とうとうてっぺんが足もとまでくると、さらに「もう一段」とずっと下のほうから反響した声がきこえてくる。もうこれ以上は下げられない旨を伝えると「了解でーす」と反響した声がかえってきた。そっくり親子の子どもが隙間から地下の様子を覗こうとする。
「何かみえた」
「ううん、なんにも」
「あげてくださーい」
 地下から反響した声があがった。
「ねえねえ、このままここにいてみてもいい」
 そっくり親子の父親がすかさず、
「駄目だよ、危ないから。はやくこっちに来なさい」
「それなら、いっしょに付いていましょうか。立たせないで座らせておけば大丈夫でしょう」
「いやあ、いいんですか」
「子どももそろそろ疲れてきたでしょうし、ちょうどよい息抜きになりますよ」
「いやあ、そうですか。それならお言葉に甘えて」
 それならば、僕も、私も、と✕○△号室の某夫妻の兄妹も名乗りをあげる。べっこう色の眼鏡の奥さんも、いちど禁を破って吹っ切れてしまったのか、
「そしたら、あげてやってもらってもいいですか」
「ぜったい立たたないようにしっかり掴んでおきますから、安心してください」
 ひとりで三人の子守は荷が重いので時枝に号令をかけると、
「よしきた! 」
 そっくり親子の子どもを時枝が抱えることになった。こちらも兄妹を並んで座らせて、背後からふたりの肩に腕をまわす。ゆっくりと、ゆっくりと、尻もちをついている地面が盛り上がってゆく。親御さんたちは子どもが遊園地のアトラクションに乗って、やがて、みえなくなるのを見送るように手を振った。
「それじゃあ、アレだ。じぶんたちはアトラクションの座席に付いてる安全バーなんだな」
 となりの時枝に声をかけると、
「ウィーン、ガッシャン」
 と言いながら、安全バーに見立てた腕をそっくり親子の子どもの頭上から下ろし直した。
「安全バーのロックがきちんとかかっているか、確認してください」
 そっくり親子の子どもが時枝の腕をガッシャン、ガッシャン揺らしてみる。
「だいじょうぶ! 」
「こっちもやっておく」
 いちおう兄妹に尋ねると、
「いい」
 と冷めた返事がかえってきた。
 だんだんと見晴らしがよくなってきて、公園の大樹の緑の先がみえてきた。緑はすり鉢状の反対にひろがってゆく。よくみると、木の葉の一枚一枚は微風にきらきらと目にもとまらぬ速さで小刻みに揺れていて、その無数の集まりの緑の全容は鈍いスローモーションのように蠢き合っている。木の葉の一枚一枚と、緑の全容と、どちらかの速度に焦点を合わせると、もういっぽうの速度が目にみえなくなるのだった。
 立体駐車場を下ろした時とはちがい、上げるときは一段一段止まらずノンストップでいくらしかった。一段が過ぎて、親御さんの姿がすっかり見えなくなると、時枝は子どもを抱えたまま後ろによこたわった。
「こっちもよこたわってみる」
「いいの」
「立っちゃだめとは言ったけど、寝ちゃだめとは言ってないからね」
 ふたりの肩を抱えたままよこたわると、いきなり、空があった。それはそうにはちがいないが、あまりにも突拍子もなく眼前に空があるのに少し驚いた。まるで時間も距離も欠いているかのような見え方だった。
「空に浮かんでるみたい」
 誰かが言った。
「うん」
 また誰かが言った。まったくその通りに思っていたから、言ったのはじぶんだったかも知れなかった。誰ひとりとして互いに向かい合わず、一様に空と正対していると、案外誰の声なのかもわからないものだった。
「雲が流れてる」
 誰かが言った。
「うん」
 また誰かが言った。自然と口数が減っているようだった。それでも数少ない言葉はやっぱりじぶんの口からついて出たようでもあり、まるで周りの存在が消えて、ひとりでよこたわっているかのようだった。
 そう、空一面の灰色の雲とはいっても、たしかに雲は流れている。あえてみようとする前から雲の流れにみいられていた。ふしぎな感じだった。みるよりも前に、みいられている。まるで、谷の向こうの山に「ヤッホー」と語りかけるより前から「ヤッホー」と言われているかのような、山先行のやまびこをきいているかのようなおかしさだった。
 と、装置の作動音が鳴り止んだ。静かになると、ずっと遠い下のほうからひとの喋り声が微かにきこえる。何を喋っているのかはわからない。
 鼻先をひとすじの風がとおっていった。ついで、どこかで小鳥の羽ばたく音がきこえた。自転車のリンリンいいながら走り去ってゆく音がきこえ、環状道路の自動車の走行音が途切れとぎれにきこえてきた。やがて、ガタンゴトン、ガタンゴトン、と、ずっとずっと遠くのほうから列車の連なって走ってゆく音がきこえた。航空機の大気を震わせる音がきこえた。音のきこえる範囲は透明なシャボン玉のようにどんどん膨らんでいるようだった。やがて、膨張の臨界点ともいうべき一点を突破したのか、ありとあらゆる音という音がきこえるよりも前にきこえられていた。山先行ならぬ、音先行の世界。数限りない音の鳴り、音のリズムがあって、とても静かだった。それぞれの独自のリズムで消えたり、あったりする地上の音と隣り合わせに、恒久的な雲の流れてゆく音もずっとここにあった。
 いつのまにか立体駐車場は下っているらしかった。そうと分かったのは装置の作動音がふたたび鳴っているからで、じっさいには下っているのか、上っているのか、止まっているのかもわからなかった。空との距離は遠ざかっているようにも、縮んでいるようにも思われなかった。気が付いてみれば、親御さんたち囲われて、ふしぎそうな顔で見下ろされていた。
 ✕○△号室の某夫妻の妹は起き上がるなり父のところへ駆けて行った。ちょっとすると、父親と連れ立ってお礼に来た。父親が頭を撫でながら、
「どう、楽しかった」
「うん」
「そうかあ、よかったねえ」
「うん。でも、パパの肩車のほうがもっと楽しい」
父親は苦笑いを浮かべながら、もういちどお礼を言った。
「そういえば、お兄ちゃんは」
「知らなあい」
「さっき、虫捕り網をとりにいくって、部屋にもどって行きましたよ」
「ああ、そうでしたか。実はそれなんですけど」
 繋ぎの作業服の兄ちゃん曰く、長い梯子か命綱のロープでもなければ底には下りていかれないとのことだった。ライトで照らしてみても子ガモの姿はみえず、ただ、たしかに小さく鳴声はきこえてくるとのことだった。向こうでジャージのお姉さんにどやされているのがきこえてくる。
「ねえ、ほんとうにだめだったの」
「もうさ、地下は真っ暗闇でなんにもみえないんだから。心細かったあ」
「なによ、男のくせに情けない」
「いやいや、ライトを当ててみたって、ぽっかり空いた空洞みたいに底がどこにあるのかもわからないんだから」
「そんなことってある。だってほら、この隙間から覗くと、うーん、たしかに薄暗いけど、まるっきり見えないこともないじゃない」
「外から覗くのと、中にいるのじゃあ、ぜんぜんちがうんだって」
 ジャージのお姉さんの言うとおり、にわかには信じがたい話なので、じっさいに隙間を覗きにいってみると、子ガモが落ちたばかりの頃よりだいぶ暗くなっていた。ずっと曇り空の下にいるせいで気がつかなかったのか、もう、かなり太陽は傾いているらしかった。
 そこへ車が入ってきた。理事長さんの飲み友達が用事を済ませて帰ってきたのだった。またしても立体駐車場が鈍い作動音とともに、ゆっくり、ゆっくりと上げられて、そして収納された。さらに二台、三台と相ついで車が駐車場に帰ってきた。そういう時刻らしかった。
 気がつけば、はじめこそ車のすべて出払っていた駐車場のてっぺんは、残り一台ですべて埋まるところまできていた。ガー、ガー、ガー、と親鳥がひさしぶりに駐車場の上空を飛んでいった。そのつばさを広げた姿が、黒い影のシルエットとなって、連なって並んでいる自動車のフロントガラスに、ひとつだけの空車スペースはとばしてとびとびに映った。
「そういえばさあ、さっきのは凄かったよね。だって、いきなり空があるんだもん」
「でたあ! もうその手にはのらんぞ。オレはもう人参なんぞ食わん! 」
「え、なに、いきなりどうしたの。バナナじゃなくて」
「なにもきかない、なにもしらない」
「変なの」
「そんなことよりカモの赤ちゃんだよ。もうすぐ日も暮れちゃいそうだし」
 そうなのだった。夜になれば子ガモの救出はますます困難になるのにちがいなかった。かといって、今さらあとに引くわけにもいかない。べっこう色の眼鏡の奥さんのにも、理事長さんにも、顔のしわのおうとつに昼間にはみられなかった陰翳が根差して、その表情からは若干の焦りがみてとれた。
「なんだっけ、いつかテレビでやってた。ほら、雨どいから壁と壁のあいだのわずかな隙間に落ちちゃった猫のはなし。なんかレスキュー隊員みたいなひとが来てなかったっけ」
「ちがうよ、あれは左官屋のおじさんが壁をコンコン叩いて、それで壁の構造をよんで、うまい具合に穴をあけて、みたいな話だったよ」
「なんか、ヘルメット被ったひと来てなかったっけ」
「ヘルメットを被ってたのは建築士のひとで、そう、その家が明治時代からある古民家だったから一級の建築士でも構造がよくわからなくて、そこで昔ながらの左官屋さんが大活躍ってわけ」
「くわしいね」
「いちおう、元テレビっ子だからね。そんなことよりも、いつも変なうんちくばかり言ってるのに、左官屋さんみたいな特殊技能のあるひとは知らないわけ」
「うーん。良い記録がでるように、風向きをよんでピストルを鳴らすスターターなら知ってるけど」
「ちがう、ちがう、そういうんじゃなくて」
 べっこう色の眼鏡の奥さんが、眼鏡のレンズをブラウスの袖で拭きながら、
「何かちょっとでもヒントになりそうなことがあれば、遠慮なく言ってくださいね」
 その顔には焦りばかりではなく、疲れの表情もみえてきていた。
 と、そこへ、カン、カン、カンカン、と、まるで狐の嫁入りか、狸の葬列のように、赤い提灯をぶら下げた火の用心の行列が、たいへんゆっくりとした足取りで駐車場の入口をよこぎっていった、カン、カン、カンカン。みな、ぞろぞろと連れ立って行脚する人影に魅入っていた。そして、誰ともなく消防を呼んでみようという声があがり、そうしましょう、そうしましょう、と、やはり、べっこう色の眼鏡の奥さんが一一九番に電話をかけた。
 じつに呆気のない、ふしぎな決定だった。昼間からああでもない、こうでもない、あれはしてはいけない、これはするべきではない、と、散々っぱら議論をかさねてきたのに、さらには色白の若い警察官に痛い目をみたのに、よりにもよって火事に特化した消防を頼ることにするなんて、ずいぶんといいかげんな話にちがいなかった。どうしてそんな決定がおのずと下されたのかといえば、とにかく時間が迫ってきていることと、たまたま火の用心の行列が通ったこと以外には理由は考えられなかった。それでも消防にいちるの望みを託すしかないのだった。
 数分後、一台丸ごとの消防車が駐車場の入口に面した通りによこづけされた。いつまで経っても来ないうえに、自転車をたらたら漕いでやって来た警察とはえらいちがいだった。エンジン音が止まるまえからヘルメットを被った隊員二名が消防車から駆け出てきて、エンジン音が止んでから運転手の隊員がおくれて出てきた。壮年の隊長一名に、若い隊員二名の編成。若い隊員は丸顔で太っているのと、前歯の出ていて痩せているの。
 隊長はちょっと話を聞くと、
「そうしたら、いちど駐車場を上げてもらってもいいですか」
 そして、その間にも若い隊員たちにあれこれと指示を出して、消防車から色々と道具を持ってこさせている。ヘッドライト、伸縮式の梯子、輪になった太い縄、麻のズタ袋、等々。駐車場を上げるさなか、隊員に指示を出しながら、隊長はさらに駐車場の構造を観察したり、マンションの住民、とりわけ繋ぎの作業服の兄ちゃんから詳しい話をきいている。
「キーを右にまわすと上って、左にまわすと下がるんですね」
「そうです。ただし、半端なところでは止まれないようになっているので」
「わかりました。そしたらキーはいったんお借りします」
 隊長は出っ歯の痩せのほうを呼んで、操作の説明を股伝えすると、彼にキーを託した。そして四列ある立体駐車場をすべて上げてしまうと、隊長はそのうちのひとつに道具一式をのせて下っていった。ちょっとすると、
「思ったより暗いなあ! たしか、繋ぎのお兄さんがライト持ってたでしょう。あれを貸してもらおう! ロープで下ろして! 」
 すると、丸顔の太っちょが手持ちライトを借り受けて、おそらく消防士特有の結び方でロープに括りつけると、あらかじめ電源をつけてから、作動中にできる階と階との隙間からライトをスルスル下ろしていった。おそらく、くるくると回転しながら宙を下降しているらしいライトのひかりのすじが駐車場のわずかな隙間から灯台のひかりのように一定の間隔をおいてみてとれた。ただ突っ立って待っていることができず、みながみな、随所に空いている隙間から地下の様子を窺っていた。ひかりのすじがすっかりみえなくなると、結び目のなくなった軽そうなロープだけがあがってきた。
 隊長をのせた駐車場がいちばん上まで収納されると、梯子を設置するような音が、ガシャン、ガシャンとかなり遠巻きに響いてきた。
「とおうちゃああくう」
 二重にも三重にも反響した声が地下の最地下からあがった。
「どおおうう、きこおええるうう」
「きこえるけど、かなり遠いです! 」
丸顔の太っちょが声を張りあげた。
「むせえんわああ」
 太っちょが痩せの出っ歯のほうに目で合図して促すと、
「ドーゾー、ドーゾー、キコエマスカー」
 無線機のマイクにカチカチと前歯があたっている。
「ドーゾー、ドーゾー、アーアー、アー」
 痩せの出っ歯は太っちょのほうに首をふって合図をした。
「無線も遠いです! 」
「しかあたあなあいい、こええおうだあしてえいこおうう」
 隊長の声は幾重にも反響して木霊するあまり、発せられた本人の肉声を遠く離れて、まるで発声者のいない風や空気のうたのようにきこえられた。意味のある言葉として、その声をきいているというよりは、たんに音楽として耳にはいってくるのにもかかわらず、あらかじめ込められたメッセージを知っているかのように意味がわかってしまうのはすこしふしぎに感じられた。
「あッ、ひかった」
「こっちでも」
「ひかった、ひかった」
 子どもたちが反射のように口走るのは、地下を探索している隊長のライトのひかりらしい。こちらでもピカッとひかった。細長い閃光が壁を垂直に折れ曲がり、かなりの長物なのにいったいどうやってその身を隠したのか、瞬時に消えた。
「ああみい、あああたあよおねええ」
「はい! あります! 」
「ああとおう、ばあけえつうもお」
「すみません、どなたか、バケツをお借りできませんか」
「わたし、一階のすぐそこなので持ってきます」
 料理中に気になって駐車場まで出てきたのか、エプロンを付けたままの肝っ玉かあさんといった風貌の奥さんが部屋へと駆けていった。
 丸顔の太っちょは、少年から網を、肝っ玉かあさんからバケツを受け取ると、まずバケツをロープに括りつけ、器用にも余った先のほうで網を括りつけた。準備が整うと、痩せの出っ歯のほうに目で合図をする。そして、作動中にできる階と階との隙間からロープを垂らしていった。
「なあああわああ、そおのおまあまあでええ」
「もう一回お願いします! 」
「なあああわああ、そおのおまあまああ」
「え、すみません、どなたかわかった方、いらっしゃいますか」
「なわは、じゃないですか。ロープをそのまま垂らしておいてほしいのかと」
「あ、なるほど。でも、そのままにしておいたら挟まれちゃいますよね」
「たしかにこの太さでは」
「挟まれちゃいますよ! 」
「ああげえてええ、すうぐうにい、おおろおせえるうよおうにい、たあいいきいい」
「了解です! 」
 いったん空のロープを引き上げて、駐車場が切りのよいところで静止すると、痩せの出っ歯はすぐにキーを反対方向にまわした。作動にはいちいち時間がかかるため、あらかじめ動かして隙間をつくっておいて、そのあいだに隊長から声がかかれば儲けものと判断したらしい。丸顔の太っちょも、しゃがみ込んで、いつでもロープを下ろせるように構えている。
 一ターンめでは声がかからず、痩せの出っ歯がもういちど反対方向へキーをまわしてから少しすると、声がかかった。丸顔の太っちょがすかさずロープを垂らす。
「ああげええてええ」
 引き上げられたバケツのなかには、一羽のからだをヒクヒク震わしている赤ちゃんガモが。ひどく汚れてぐっしょりと濡れている。
 ついで、隊長が駐車場にのって地上にもどってきた。その手には口の縛られたズタ袋が抱えられている。
「中身を確認しますか」
 誰しもが口をつぐんだ。
「いやあ、すっかり遅くなってしまって。弱っているだろうに、なかなか捕まらなくて。すばしっこい奴です。鳥のことは専門ではないので、あとのことは皆さんにお任せします。ただ、地下は油なんかの汚れがひどかったので、かるく洗ってあげたほうがいいと思います」
 隊長はそう言い残すと、隊員二名をひきつれて消防車へ帰っていった。みな、口々にありがとうございました、ほんとうにありがとうございます、と言いながら、隊員たちを駐車場の外まで見送り、消防車が道角にみえなくなるまで見送った。
 さて、バケツのなかでからだを震わせるこのヒナをどうするかが当面の問題になりかわわった。あまりにも無防備で、ちょっとした何かのまちがいひとつでどうにかなってしまいそうで、誰も迂闊には手を下せないように思われた。が、代わる代わるバケツを上から覗いて見守るだけの人だかりに、肝っ玉かあさんがドッコイショと割って入り、意図も簡単にヒナを鷲掴みにすると、エプロンで抱え込んだ。
「たしかにベタベタしてますね。どなたか、赤ん坊のいる家でベビーソープをお持ちの方、それからあ、植物由来の素肌にやさしい洗剤みたいのをお使いの方、いらっしゃったら貸してもらえませんか」
 心当たりのあるひとびとがただちに散っていった。
「それから、あたしは、お湯と桶と清潔なタオルをもってくるので」
 肝っ玉かあさんは、ヒナを抱えたエプロンを脱いで、たまたま隣り合わせていた時枝に託した。間近で、すぐ目と鼻の先で、ヒナの姿をみた。骨ばって黒々としたものが震えていた。弾力のあるゴムボールのように丸みを帯びたからだはどこへいってしまったのだろう。公園を周遊していた頃のカモの姿を思い出そうする。あ、そういえば。
「しばらく親鳥をみてないよね」
「うん」
「ちょっと公園までひとっ走りしてみてくる」
 行こうとすると、ぼくも、わたしも、と子どもたちがこぞって先に走り出した。
 住宅街よりよっぽど見晴らしのきく公園は、暮れかかりといっても、まだ空がずいぶん明るかった。ところどころ雲のきれつつある合間あいまから、ぽたぽたと淡い水色の空が垣間みえる。
「いたあ、いたよお」
 先に池までたどり着いた子どもから声があがった。
「どこ、どこお」
 池につくと、水面に反射して映っている樹々の幹を一羽の親鳥がすーっと揺らしていた。すーっとしたふたすじの波紋は、次第しだいに、ゆらゆらとおぼろげに池の全体へとひろがってほどけてゆく。そんな伝播のもようをひととおり見送ると、池の対岸に見憶えのあるものが項垂れてよこたわっている。グラブの入ったナップザックだった。
 とりあえず親鳥は顕在ということがわかり、帰りは歩いた。そっくり親子の子どもがおんぶしてくれと言うので、ナップザックのほうは✕○△号室の兄妹に持ってもらった。兄は勝手に中身をあけ、グラブがじぶんの手に合わないとわかると、グラブのほうだけを妹に持たせて、球をポーン、ポーンと宙に投げながら歩いた。妹は向きが反対なのもおかまいなしに身に余るおおきなグラブを右手にはめて、兄に球を投げ入れてもらっていた。
 駐車場にもどると、ちょうど肝っ玉かあさんがお湯を張った桶でヒナを洗いはじめるところだった。ひとまず親鳥はいました、と報告。それから時枝に、ついでにこれも、とぺったんこのナップザックをみせる。かえしてー、と中身を回収。
 ちゃぽん、ちゃぽん、と、ヒナは肝っ玉かあさんの大きな手で撫でるように洗われた。黒い汚れがすこしずつ、すこしずつ、桶の水にとけていって、ヒナの琥珀色の羽毛がみえるようになってきた。その額には白い斑点が。イダテン、と心のなかでつぶやいた。シロちゃん、とつぶやく時枝の声はじっさいに口から漏れていた。
 黒々として鬼っ子のような姿から、ヒナがカモのヒナらしい本来の姿をとりもどしつつあると、みなのあいだで安堵の気持ちがふくらんだのか、さて、このヒナをどうすべきか、という議論に移っていった。すぐに池の親鳥のもとへかえすべきか、それともしばらくこちらで面倒をみてヒナの回復を待つべきかの二択だった。もちろん、親鳥のもとへかえすのがいちばん望ましいとされたが、何しろヒナは衰弱しているので、そんなところをカラスに狙われでもしたらせっかくの救出が台無しになってしまう。が、回復を待っているあいだに、親鳥がどこかへ飛んでいってしまっても仕方がないにちがいなかった。
 ヒナの回復を待つほうの派では、足早にもヒナに名前をつけましょう、つけましょう、と、イダテンでもシロちゃんでもない名前でヒナのことが呼ばれはじめていた。それでもまた、ヒナを名付けた同じひとが、やっぱりいますぐにでも親鳥のもとへかえしたほうがいいのでは、と意見をひっくり返すこともあった。
 どちらの選択もけっして芳しくないことは誰の目にもあきらかだった。それでも、どちらかを選ばなければならない。ただでさえ、いちじるしく低い鴨の雛の生存率を知っているものであれば、自ずと答えは出そうなものだったが、それでも、いますぐ親鳥のもとへかえすべきだとする意見がだんだんと多数派となっていったのには、私たちはいったい何を信じてそうなったのだろう。ただ、かえすのであれば一刻の猶予も許されなかった。マンションの階段や廊下の電灯がぱちぱちといっせいに点った。
 陽のあるうちに、かえすことに決まった。
 マンションの駐車場から、とぼとぼと、ながい参列のようなひとの群れが公園へと伸びていった。列のひとびとの歩みはどこかためらいがちで、角をひとつ曲がるたびに、ちぎれちぎれになり、いくつかの小隊に分断されながら、列はさらに間延びしていった。
 公園には、まだ明るさが残っていた。幾重にも折り重なって微風にゆれる樹々の向こうが銀色にかがやいていた。遠くのほうの空では灰雲がきれているらしかった。
 肝っ玉のかあさんが、タオルで抱えていた額に白い斑点のある子ガモを池の縁のひらたい岩の上にかえした。からだを震わせる子ガモは、やがて、二本の足でしっかりと立ち、ピイ、ピイと鳴きはじめた。親鳥はたしかにその声を察知して、すこし離れたまた別の岩の上から子ガモの方向をじっと凝視している。子ガモはピイ、ピイとますます声を張り上げる。
 こんなにも大勢のひとびとに囲われていては、おたがいに身動きがとれなかろうということで、一線をひいて、遠巻きに親子の動向を眺めることとなった。公園の人通りはもうだいぶ少なく、子ガモのピイ、ピイと鳴く声は離れていてもよく響いてきこえてきた。親鳥はその声に反応して、ガーガーと子を呼ぶように鳴いた。子どもたちが一線を破って近づいていこうとするのを、その都度、親御さんが止めていた。
 そんなやりとりを数十分ほど繰り返しているうちに、やがて、公園のほうにも街灯が点った。カモの親子は向かい合ったまま依然として動こうとはせず、カン、カン、カンカン、と火の用心の打ちがきこえてきた、カン、カン、カンカン。その乾いた音の響きに導かれるようにマンションの住人たちは、あとは自然の摂理にお任せしましょう、と挨拶をして、来た時と同様にぞろぞろと連れ立って自宅へと帰っていった。
 そっくり親子のふたりとバナナのおばさんともお別れの挨拶を交わして、それぞれに散り散りとなった。陽はとうに沈んでいても、ここの空でも灰雲はだいぶきれてきていて、青むらさきがかった濃紺色の空にはまだ明るさが微かに滲んでいた。さいごまで残ったじぶんたちも、夕食をたべに行くために、公園を立ち去ることにした。昼間はたったの一匹しか鳴いていなかった蝉が、夜のはじまる時間になってもいまだ、二、三匹にもなって鳴いていて、いま、この瞬間にも、夏のはじまりが来たように感じられた。
「日、落ちそうでおちないね」
「こんな変な時間に晴れてきたからねえ。それに、いまがいちばん日の長い季節なんだよ。これから夏本番にかけてどんどん短くなるんだよ」
「そっかー。中華たべたいなあ」
「だから、夏ってまぼろしみたいなのかも」
「うん。中華いこうよ」
 冷房直下の席に案内されてしまい、夏がはじまったというのに肌寒いくらいだった。日曜の夜なので、お客は少なく、ほかの席に変えてもらうこともできそうだったが、いちにちじゅう緊張して立ちっぱなしでいたせいで、お尻と椅子がくっついてしまった。
 塩味の野菜スープと、醤油味のワンタンスープを注文した。それから瓶ビールを一本にグラスをふたつ。家族でやっているお店で、いつもこんな調子なのか、それとも今宵はちょっと特別なのか、ちょっとした口喧嘩のような喋り声が厨房のなかからきこえていた。
 テレビのニュースではどこかの都道府県の、甲子園予選の決勝がダイジェストされている。試合は一対0の均衡を保ったまま終盤までもつれこむ白熱の投手戦で、一回から相手打線を0に抑えている水色のユニフォームの左投手は、とてもエースの体格とは思えない小柄な痩せっぽちだった。もちろん球速もそんなにでていない。それでも振りあげた右足を肩にまでぶつける大胆なフォームでほいほいストライクをとっていく。クロスステップから放られる角度のある真っ直ぐで右打者の内角をえぐってから、アウトローに逃げながら落ちるチェンジアップで空振りをとるのが得意のパターンらしい。打者はこのチェンジアップにくるくる踊っている。
「あの左ピッチャー凄いねえ。小柄なのに、からだをいっぱいいっぱいに使って。このままだと完封して甲子園だよ。あッ、完封だって、甲子園だって」
 時枝もテレビの画面をじっと凝視して、わかった、わかったから、とでもいうように手で待ての合図をした。そして、おもむろに電話をかけはじめる。
「もしもーし、うん、おめでとう。うん、うん、いや、みてない、いまニュースで、勝ったのに号泣してるじゃん、え、いまちょうど映ってるよ、そう、そう、お父さんとお母さんは、そっかー、よかったねえ、うん、うん、そっちの民放で生中継したの録画してあるんでしょ、うん、うん、ちゃんと持って帰らせてね、うん、いや、こっちにもみたがってるひとがいるから、ちがうちがう、そんなんじゃないよ、え、いやあ、ただ同じ左利きだからシンパシー感じてるんじゃない、もう、まったく、そうだよ、ああ、行きたいけど、平日だとなあ、うん、行けたらいくよ、そうだよ、勝ち進んだら行けるじゃん、うん、うん、あ、勝ち投手のインタビュー受けてるじゃん、はい、はい、そいじゃあね」
 え、え、と目をぱちくりさせていると、時枝は、
「おとうと」
 と、ひと言。
「時枝って、名字だったの」
「そっち」
「いや、どっちも」
「幼稚園ぐらいの頃かなあ、家族で甲子園みてたら、とつぜん宣言しだしてね。あの水色のユニフォーム着て甲子園に出るんだーって。わざわざ越県入学までしてさあ。今日その夢が叶った」
「じゃあ、下の名前なんていうの」
「ええ、言ってなかったっけ」
「言ってないよ。だって知らないもん」
「そうだっけ。このグローブは弟のだったんだよ」
「それは光栄だけど。うん、ほんとうに光栄。さっきのみて一瞬でファンになった」
「だと思った。球速はでないけど、コントロールとか、球持ちとか、それ以外の能力に長けてるピッチャー好きでしょ。知ってるよ」
「なんで知ってるの」
「なんとなく。試合の録画、持って帰ってきてくれるって。こんど観ようね」
「ていうか、下の名前は。なんで教えてくれなかったの」
「だって、聞かれたことないし」
「それにしたって、まちがえて呼んでたら正すでしょ、ふつう」
「まちがえてないよ。子どもの頃から時枝ちゃん、時枝ちゃんって、ダーを抜かして呼ばれてたんだから」
「なんかいいね。名前がふたつあるみたいで」
「いいでしょう」
「で、ほんとうの下の名前は」
「内緒。なんか、いまさら名乗るのも恥ずかしいし。時枝時枝でいいじゃん」
「隠しごとだ。それこそ隠しごとだ」
「隠しごとじゃないよ。だって、勝手に付けられたんだし。じぶんで付けた名前ならまだしも。そんなことよりも、そっちのほうがいつも隠しごとだよ。隠すどころか、どんどん新しい秘密までつくってさ。しかもさ、油断してるとこうやって立場が逆転してるんだもん。秘密だらけなのはそっちなのに。ああ、なんて性格の悪さなんだ」
「そのセリフ好きだね。本日二回目だよ」
「ちがうよ。喜びそうなことを言ってあげてるだけ。性格悪いって言われるの、好きでしょ。知ってるよ」
「それにしても、ほんとうの名前を隠すのはどうかと思うな」
「隠してないよ。だって名前は隠すよりまえからあるもん」
「それはへりくつだって」
「へりくつじゃない。へりくつじゃないよ。ほんとうの名前、ほんとうの名前って、むしろ隠されてるのはこっちだ。ほんとうの名前で呼んでよ。ほんとうの名前で呼ばれたい。知ってるでしょ、ほんとうの名前。知ってるよ」
「わかった、わかったから、もう聞かないから。さっきまで喧嘩してた厨房のなかのひとがクスクス笑いながら耳すましてるよ。でも、それはそれとして、当たったら正解ぐらいは言ってよね。知ってる、知ってる、わかってる、でも正解を知りたくなるのも人情じゃない」
 声をひそめて言うと、
「うん、わかった。とっておきなの待ってる」
「当たったら、カリー代、驕りね」
「それはずるい、賭けになってないもん」
 お店の奥さんが、ニコニコしながら、醤油味のワンタンスープと、塩味の野菜スープとをひとつずつ両手で抱えて運んできた。湯気を吹く丼ぶり並々のスープの表面には、微量の油がきらきらひかって浮かんでいる。
 あつあつのスープをひとくち口にふくむと、緊張の糸がさらにほどけるようだった。お尻に汗疹ができているのが感じられた。グラスのなかでビールの泡粒が雪の降るみたいにしんしん昇っていた。テレビの音に紛れて、厨房で中華鍋の擦れる音や、冷房の風の音がきこえていた。数少ないお客のひとりが席をたち、レジのガチャーンと鳴る音についで、出入口のドアの鈴がちりん、���りんと鳴った。厨房から流水の音がきこえて、壁に貼ってあるメニュー短冊の端がエアコンの送風にかすかに揺れていた。
 お店を出ると、足はおのずと公園へ向かっていた。大通りには街灯の光のならびが一直線にふたつ連なり、信号機の赤や青やオレンジのひかりがまばらに点在していた。目のまえをひゅんひゅん走り抜ける自動車のヘッドライトのひかりは十字を切ったり、扇形に放射したりしながら目をすり抜けていった。
 池の水面には、いくつかの円いひかりが浮かんでいた。月がでているかもしれないと思い、夜空を探してみた。見当たらなかった。ひかりはすべて街灯の反射だった。そのひかりのひとつの辺境にヒナの姿はあった。夕暮れにかえしたときの岩とはちがう、池の中ほどの岩の上。親鳥の岩にすこしだけ近づいている。が、そこでまたしても立ち往生しているらしかった。
 おたがいに鳴き合う頻度はぐっと少なくなっていた。親鳥はまるで、ここまで来られなければ子とは認めないとでもいうように、ただじっと岩の上に伏していた。子のほうは、水面への一歩を踏み出そう、踏み出そう、とはしながら、いざ、なかなか最後の決心がつかない。その様子は、まさに決心のつきかねる惑いそのものだった。天真爛漫に、いつ何時も鋭敏な本能とともにあって、自らのとるべき行動をすでに知って動いているかのように勝手に思っていた動物像からは、まったく考えられない仕草だった。行くべきか、行かないべきか、額に白い斑点のついた子ガモは懸命に考えているのにちがいなかった。たとえ、どちらの選択もけっして正しくはないとしても。
 ついに、一歩を踏み出した。からだがふしぎと沈んでゆく。まるで、何かに追われている夢のなかでのように、足掻いても、どう足掻いてみても、からだ沈んで、まえへは進まなかった。仕方なく、すぐ近くの岩に退避しようとするものの、その岩の斜面があまりの急勾配で、駆け上ろうにもあたまからひっくり返ってしまう。
 水面に浮かんでいる街灯のひかりが大きくたゆたった。
 それでも駆け上ろうとする。そうしなければ池の底に沈んでしまうから。駆け上ろうとするたびに、あたまからひっくり返った。
 何度めかの挑戦で、駆け上り切らないまでも、岩の斜面の水際にへばりつくことを学んだ。少なくとも、これで、水面をジタバタしながら沈むのを待つことだけは避けられた。
 と、そこへ、細長いライトのひかりを四方八方に散乱させながら肝っ玉のかあさんがやって来た。ここです、ここでーす、と両手を振って合図する。
「ずっといられたんですか」
「いえ、いちど食事をして、さっき戻ってきたんです」
「それで、どこにいます。さっきの岩にはいなかったんですけど」
 そこです、あそこです、と上半身を乗り出して指さすと、四方八方に散っていた細長いライトの光線がヒナめがけて一直線に照射された。
「ここまでは自力で来れたんですね」
 状況を説明すると、
「だろうと思ったんです。それが心配で、ずっと家で悩んでいたんです。ほら、クチバシで羽をついばんでいるでしょう。ああして羽毛に空気を入れようとしてるんですよ。羽毛に隙間がなくてふかふかしていないと沈んでしまうんです。もしかして、洗いが足りなかったんじゃないかと思って、それで」
「詳しいんですね」
「むかし、専門学校で習ったんです。でも、ほんとうに良かった、あなたたちがいてくれて。あたし、目が利かなくて、夜なんかはとくに。ほら、これでもぼやけるんです」
 はずして見せてくれた眼鏡は見事なまでの牛乳瓶の厚底だった。ライトのひかりに羽虫が集まってきていた。足もとでは光沢のある黒いアブラムシが這って動くのがみえた。
「いえいえ、こちらこそ、ほんとうに良かったです。みえるだけで何も知らないし、何もできなかったんですから」
 相談の結果、肝っ玉のかあさんが一晩だけヒナを連れ帰り、もういちど入念に洗い、乾かして、餌とあたたかい場所を用意することに決まった。
 岩を飛んでつたって、足場の悪いなか、岩の斜面にへばりついているヒナを片手で鷲掴みにするしかなかった。そのとき、生まれてはじめて、鴨という生きものをこの手で触った。空気のように重みがなかった。
「餌だけが心配なんですよね。うちにあるものをはたして食べてくれるかどうか」
「昼間はアメンボを追っかけまわして食べてましたけどね」
「そしたら、最悪、捕まえに来ます」
 と、肝っ玉かあさんは冗談めかして言った。そして、おやすみなさい、と、よろしくおねがいしますの挨拶を交わした。
「キャッチボールできなかったね」
「うん。暗いけど、ちょっとやってく」
「うん」
「さっきのみて、投げたくてうずうずしてたんだ」
「だろうと思った。知ってるよ」
 光加減のちょうどよい街灯の近くに移動しようとすると、そっくり親子の父親が自転車の荷台に息子を乗せてやって来た。���ゴにはバケツが入っている。
 状況をひと通り説明してあげると、父親は、
「あの太ったおばさんが連れて帰ったんだって」
 と、息子の顔のちかくまで屈んで教えてあげた。
「ちょうど、いまさっき別れたところなんです。自転車で行けば追いつくと思いますよ。餌の心配をしてたんで、そのバケツでアメンボを掬ってあげれば、助けになるかもしれません」
「はあ、そうですか。とりあえず行ってみます」
 そっくり親子の父親は、カモの赤ちゃんがひとりになっていたらどうしよう、と息子にせがまれて公園にもどって来たらしかった。父親は息子の両脇を抱えると、ひと息に持ち上げて荷台に乗っけた。遠ざかってゆく自転車の荷台から、息子が半身でふり返って、手をふってくれた。ちいさく、顔のよこで手をふり返した。
「今日はあれかな、キャッチボールをさせてもらえない日なのかな」
「ハハ、そうにちがいない」
「痛快な投げならあったけどねえ」
「彼、きっと良いピッチャーになるよ」
 街灯の近くとはいっても、暗くてみえにくいので、近距離からの下手投げでまずは目を慣らしてゆく。
「ちょっと、もう少しふわっと投げて」
「はいよッと」
「あッつ、これじゃあ、ふわっとしすぎて、ボールが街灯のひかりに消えちゃうよ」
「まったく、注文が多いなッと」
 少しずつ、少しずつ、距離を伸ばしてゆく。そのたびに、お腹から声を張って、
「弟さん、からだ柔らかいよねッと」
「子どもの頃、いっしょにダンスもやってたからねッと」
「道理で、ホイッ」
 時枝はキャッチしたボールをそのままにして、いったん流れを止めると、
「セイッ」
 と、片足をまっすぐ百八十度に、ピタッとあたまの上まであげてみせた。
「すごいじゃん! 」
「うーん、ちょっとかたくなったかな。弟はあの調子じゃあ、いまでも楽勝だと思うよッと」
「ピッチャーって踊ってるみたいだよねッと」
「ええッと、どういうこと」
「あいよッと、踊ってるみたいじゃない」
「だからッと、どういうこと」
 目が慣れ、距離もひろがってきたので、そろそろ上から投げることにした。
「ほら、いっくよー、時枝が乗り移った! 」
 時枝弟のフォームを真似して、足をおおきく振りあげる。
「ちょっと、ちょっと、あぶないって! 」
「だいじょうぶ! チェンジアップだから! 」
「そういう問題じゃなーい! 」
 力を込めたわりには、鷲掴みにしたボールがうまい具合に抜けて、スポッと時枝のグローブにおさまった。おおきく振りあげてから着地した足を軸に、からだがクルッと回転して、片足立ちでバランスをとるのに精一杯だった。
「ほら、投げ終えた直後のピッチャーって、バレエか何かのダンサーみたいじゃない」
「もう! びっくりさせないでよ! 」
 意外にも、互いに遠ざかってからのほうがスムーズに投げ合うことができた。球の速さよりも、よりスピンをかけることを意識して、相手の胸にシュッとまっすぐ球のとどくように心がける。変に気をつかって山なりのボールを投げようとすると、とどかなかったり、行き過ぎてしまったり、あるいは街灯のひかりに吸い込まれて球が消えてしまうのだった。よりよい球を投げようとすると、いつしか口数は減って、球の行き来ばかりになった。シュッと投げたと思ったら、もうスパッと受けていた。まるで、投げることと投げられることとが相互に一体となって、向かい合ってキャッチボールをしているというよりは、ふたりそろって前だけを向いて投げているかのようだった。集中して、よりよい球を投げようとすればするほど、こんどは投げられるよりもまえに球が胸のなかにあった。
 カン、カン、カンカン、ラスト十球と定めて、帰路につくことにした、カン、カン、カンカン。
 ふかい濃紺の夜空にはきれぎれに雲が流れていた。雲の流れていないところでは星がまばらに瞬いていた。
「なんだか、今日は、ずいぶん遠くまで来たって感じがする」
「うん」
「きっと、帰ったら、旅行で何日も家をあけたときみたいに、部屋が素知らぬ顔をしてるんだろうなあ」
「うん、そっかあ、今日は誰もいないんだっけ」
「今日はそっちで寝てもいい」
「うん、いいよ。歓迎いたします」
 寝るにはまだ早い時間だったので、部屋の灯りをすべておとして、映画を一本みた。
 暗くなった画面にエンドロールが流れると、その白い文字列の連なりが本棚の背表紙のならびに反射してゆらゆらとひかりをなぞっていた。
 時枝のために中二階のロフトに布団をひいてあげた。ぎしぎし言う梯子をくだって、ベッドによこたわると、
「わーお、知らない天井だ」
 と、時枝の声だけがきこえてくる。
「いいでしょ、天井が高くて」
「ここからだと天井は低いよ、すぐこそだよ」
「そうだった、そうだった」
「あの天窓って開くの」
「開くけど、うえは暑いよ。いまはエアコンつけてるし」
「いいよお、開けて」
 エアコンを切って、ちょうどベッドのところにぶら下がっているチェーンをガラガラまわした。チェーンにつるしてあるマダラエイやメンダコのキーホルダーがのぼってゆき、縦向きに隙間を閉ざしていたルーバー窓が天井と平行になって開かれた。せっかくなので、下の窓も開け放って風を通すことにする。
「ああ。気持ちがいい」
 時枝のいまにも寝入りそうなふにゃふにゃした声だけがきこえてくる。生ぬるい夜の外気がエアコンのひんやりした空気を追いやって、部屋のなかに風の龍脈のかようのがほのかに感じられた。マダラエイもメンダコも、ながいながいチェーンごと、かすかに揺れている。
 いまはまだよくても、さすがにうえは蒸し暑くなるだろうと思い、冷凍庫からアイス枕を持ってきてあげた。おーい、と呼びかけると、柵のあいだから腕だけが下りてきた。ヨッコラセと背伸びをして、アイス枕を手渡した。
 いまいちどベッドによこたわり「映画、途中で寝かけてたでしょ」と天井めがけて声を発してみると、
「うんうん」
 と、ふにゃふにゃした声だけがきこえた。
   以下、この日以降の日記で、カモについて記された箇所を抜粋する。
 七月二十二日。時枝が撮っていた、カモたちが元気だった頃の写真や動画をみる。
 七月二十四日。親鳥もどこかへいってしまった、池は鯉が水面を揺らすばかり。
 七月二十七日。スーパーにて二〇四号室の多田さんと鉢合わせる。たがいに秘密を共有する者同士のように目で挨拶を交わす。
 八月八日。公園で小川さんと息子さんがキャッ���ボールをしているところに鉢合わせ、カモはすっかり姿をみせないですね、などと世間話をする。
 九月十五日。ひと夏のあいだ、まるで姿を現わさなかったカモが五羽もやって来ている。五羽とも泳がずに池の縁にだらんと身をよこたえている。
 九月十六日。カモたちは暢気そうに泳いでいる。
 九月二十一日。鴨が一、二、三、四……、一羽ずつ数えてゆくと、なんと十三羽もいる。こんなにいるのは知っている限り初めてのことである。
 
九月二十二日。今日は鴨が七羽、亀が二匹。
 九月二十三日。一匹だけアブラ蝉の鳴くのをきく、ツクツクホーシは真夏の蝉たちのように壮絶な死にもの狂いの鳴声を発している。今日も鴨が七羽、突風が吹いて周囲の樹々から枝や木の実が映画でみる銃弾のように斜めに降り注いで水面の水が飛沫をあげて飛び散る。
 九月二十八日。近所の小学校では運動会が開催、グラウンドの周囲を色とりどりのシートを敷いた親御さんたち観衆が取り囲い、ふだんはガランとしている校庭が今日はずいぶんと狭く小さく感じられる。公園の池にはなんと鴨が十八羽も、亀は二匹。ちょうど一週間前にはまだ池の頭上に覆い被さっていた樹の緑はすっかりと落葉して、茶色い枝分かれの骨組みが寒々と浮彫になっている。そういえば、校庭には、小川さん親子や、水上さんのところの兄妹もいるんだろうか。
 九月二十九日。鴨十三羽、亀二匹。
 十月十九日。鴨たくさん。
 十一月二日。鴨大勢。
 十一月二十一。鴨たちは朝から素潜りに大忙し、水面にあがってくる鴨のからだには水玉が付着している。やはり、鴨の羽毛というのは水を弾くようにできているらしい。
 十一月二十三。ここしばらく大勢の鴨で賑わって公園の池には、今日は三羽しかいない。三羽とも岩の上で雨に降られてじっとしているか、顔を翼のなかに突っ込んで眠ろうとしている。
 十二月十四日。陽気。公園の池には鴨大勢。とても寒い日は縮こまってじっとしているのに、今日は元気に泳ぎまわっている。
 十二月十五日。鴨大勢。
 十二月二十七日。池にはヒッチコックの『鳥』ぐらい鴨がいてびっくりする。
 十二月二十八。公園には鴨大勢。いつもは水に浸かっているか、岩の上にしゃがんでいるかなのが、今日は岩の上に立っているのが多くてオレンジ色の足が池の緑にカラフルに映えている。
 十二月三十一日。鴨たちは全員が岩や池べりにあがって眠っている、誰もいない池の水面には風のさざめき。大樹木の下では轟音が唸っている、枝同士がガチガチとぶつかり合い、時々落ちてくる枝もある、まるで時化の海のような凄まじさ。
 元旦の手記。初夏のカモの一件いらい、カモのことをよくみるようになった。それ以前にしてもよくみていたのにはちがいないが、みかたが変わった。もう以前のようにはみられないと思う。それが良いことなのか悪いことなのかはまだわからない。あれからひと夏、カモは公園にまるで姿をあらわさなかった。秋口になって二、三羽もどってきたかと思うと、その翌週には両手をつかって数えあげなければならないほどに増えていた。この数年間で、こんなに大勢のカモがいたことはないから、天気でいうならば異常気象のようなものだと思う。ちょうど、あの日のことを小説として書いてみようと思い立った矢先だった。
もともと町へ行くときは公園をとおる週間があった。公園をとおるといっても、池を大周りする道と、小周りする道とがある。根っからのせっかちで、にもかかわらず寝坊で時間を費やしがちな者にしてみれば、池を大周りしている時間はなく、小周りのほうがいつものコースだった。それがカモがもどってきてからは、カモをみるために大周りになった。いつしか大周りの習慣が根づいてしまうと、ふしぎとそのことに関しては時間がもったいないとは感じないようになった。
はじめの頃はカモの数を一羽一羽かぞえていた。とはいっても、カモたちは池の水面をゆらゆら泳いでいるから、とちゅうでどのカモを数えたのかわからなくなってしまい、三回かぞえてみても、三回とも数がちがうこともしばしばだった。それでもう数えるのはやめにした。
台風の日はスリリングだった。カモは風雨を避けてどこかへ行ってしまうにちがいないからだ。いるはずのものがいなくなっていたり、あるはずものがなくなっていたりすると、たいていは動揺する。事実、台風一過の池の水面には折れた樹の枝が大量に浮かんではいても、カモの姿はみられなかった。それでも二、三日すると、また大勢のカモが池の水面に暢気そうに浮かんでいた。
年末は二十七日の午後から休みになった。例年だと、このタイミングで緊張がとけてしまうのか、よく熱をだす。ただ、ことしは歯痛事件でお釣りがくるぐらい痛いめをみたせいか平気だった。で、あれよあれよと生活のリズムが崩れた。
三十日、町まで夕食をたべにでかけたのは夜の十一時ちかくだった。池の暗がりをのぞいてみると、黒い塊の斑点がまばらに浮かんでいる。ほとんどのカモが眠っているらしいなか、一羽だけ泳いでいるカモが水面に落ちている街灯のひかりをゆらしている。それがふしぎなことに0時過ぎにもどってくると、カモは一羽もいなくなっていた。
三十一日、大晦日。この日も十一時ちかくに夕食へでかける。暴風注意報がでているぐらい吹きだから、カモはいないかもしれないと思っていると、カモたちはこの夜も暗い塊の斑点となって浮かんでいる。さすがの吹きの大晦日で歩いているひとはまったくおらず、街灯のひかりに照らされた木の影の、まばらに残った枯葉の影が大きく風に揺れていて、まるでセットで撮られたフィルム・ノワールのような不気味さだった。そしてこの夜も、0時過ぎにもどってくると、カモは一羽もいなくなっていた。
一日、元旦。この日は十一時ぐらいには食事がすんだので、ここはひとつ、いったい何がおこっているのか、公園で待機してやろうと思った。ものすごく寒いだろうから、貰ったっきり一年ちかく放置していたウイスキーをあたためてもっていくことにした。やっぱりカモたちは黒い塊の斑点となって浮かんでいた。公園にはひとっ子ひとりいなかった。目が暗がりに慣れてくると、カモたちの姿がみえるようになった。どのカモも翼にあたまを突っ込んで眠っている。岩の上にいるのは、あたまだけではなく、片足も翼にしまってしまい、器用なことに片足立ちで眠っている。ウイスキーはすぐに冷たくなった。それでもないよりはましに思えた。0時ちかくになり、一羽のカモがビクッと翼からあたまを出した。それにつづいて周囲のカモたちも次々にあたまを出していく。そして、いっせいに羽ばたいた。一羽だけ飛びおくれて、まだ池を泳いでいるカモが水面に落ちる街灯のひかりをすーっとゆらして、羽ばたいていった。
 一月五日。公園には鴨大勢。すれちがうひと、すれちがうひとが、うーさぶい、とか言いながら過ぎ去ってゆく。
 一月八日。時枝から国際便で年賀はがきが届く。この国ではベースボールはマイナーなスポーツだからキャッチボールの相手がいないとか、でも、鴨はどこの池にもたくさんいるとか書いてある。鴨の行方を追ったあの夏が懐かしいです。また、いつか、キャッチボールのできる日が来るといいですね、と結ばれている。
 一月十三日。鴨大勢。
 一月十八日。雪が降るとうれしい。池の大勢の鴨たちは、こんなに寒くても元気いっぱいに泳いだり素潜りしたり、心なしかいつもより元気なようにみえる。
 一月十九日。鴨大勢、この頃よくみる胸の赤い鴨が今日もいる。
 二月十六日。雨。公園の鴨は半数以下まで減っている。
 二月二十三日。鴨大勢、亀がぼけーっとアホ面を晒して水面から首を突き出している、長閑だなあ。
 三月四日。キャッチボールをしている小川さん親子をみかける。
 三月二十一日。桜がよく咲いて、公園は花見客で賑わっている。年に一度の池の水抜きで、鴨はどこかへ避難したらしい。
 四月十三日。鴨二羽、つがいのようで並んで泳いでいる。
 五月一日。鴨三羽。つがいの鴨に、もう一羽がちょっかいをだしている。それをみて微笑んでいると、隣で同じく鴨をみているひとと目が合う。あれ……、と三秒ほど間を置いて、あああっとなる。なんと、太っちょの肝っ玉かあさんである。憶えていてくれて光栄です。
 五月二十四日。十羽のヒナが孵る。池の周囲はお祭り騒ぎ。池べりから鴨たちをみるひとだかりを押しのけて、甲羅から首を突き出す亀のように柵から身を乗り出す。すごい、鴨のヒナだ、元気いっぱい、しかも十羽も。時間が押していたけれど、池の周りを四周ぐらいする。夕方、用事を済ませて公園にもどってくると、鴨のヒナは十羽とも健在。ただ、周囲のひとたちの様子がちょっとおかしくて、よかったあ、ほんとうによかったあ、などと口々に言い合っている。どうやら、散歩の途中に一羽のヒナがはぐれてしまい、紆余屈折あって、どうにか親鳥や兄妹たちと再会することができたらしいのだ。私の知らないところで、私とは関係のないところで、いったいどんな冒険が繰り広げられていたんだろうか。それは私にはとても及び知らないことであるし、せいぜい又聞きすることぐらいしかできないけれど、今日という日にそんな冒険があったということを心から祝福したい気持ちでいっぱいだった。
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akihiko1016 · 4 years
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iCloud, iCloud Driveについて
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iCloud, iCloud Driveについて
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iCloud, iCloud Driveについて
いつも利用はしているものの
他のクラウドサービスをメインに利用しています。
理由はAndroid上で使いづらいからです。
アプリは出ていないし。
今回はちょっとAndroid
Xiaomi Redmi Note 8 Proからウェブサイト経由でアクセスしたら
どうかな? と思ったので試してみました。
普通にGoogle Chromeから
https://www.icloud.com/
にアクセス。
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この場合
Photos, Note, find a device の 3つにアクセス可能でした。(私の環境では)
あれ?これだけ?!?!
とちょっとおどろきました。
その後、確かデスクトップ版の表示が出来たなと
思い出して
Google Chromeの設定を開いて
Desktop siteにチェック。
再び
https://www.icloud.com/
にアクセス。
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すると表示が増えました。笑
何この仕様。ww
写真に関してはGoogle photoを利用しているので
特にアップルのは使っていません。
メインに使いたかったのはNoteです。
少しいじってみましたが
文字入力などはできるのですが、
ドローイング(描く)はできませんでした。
文字入力ができれば基本いいのですが
そこにたどり着くまでが長すぎるので, やっぱりなしかなぁという感じです。
思い出してみてください。
あっ これはメモしておきたいなと思った瞬間に
アプリを開くのにワンタッチ
新しいページを開くのにもうひとタッチ。
で入力が始められます。 作業までに2タップ
(普段はSimplenoteというアプリを利用しています。android, iOS, Mac, Web, winなど跨って利用できるからです。)
この会社はWordpressなんかを作っているのと同じ会社だったと思います。
https://simplenote.com
ですがAndroid端末からiCloudのNoteをひらくまでに
Add to Home Screen でリンクのボタンを作ると リンクを開くのに1タップ noteをタップ 新規ノートをタップ 入力開始
作業までに3タップ (プラス、ウェブにいちいちアクセスなので動作に時間が若干かかり待たされる)
私は待てないですねぇ。。。
ーー 追記 リンクボタンをホームスクリーンに作る際に リンク先を
https://www.icloud.com/ から
https://www.icloud.com/notes/ にすることで
リンクを開くのに1タップ 新規ノートをタップ 入力開始 2タップで始められるようになりました。 が、、 アプリなどと比べると読み込みにかかる時間が長すぎて(実際は数秒) やっぱり嫌ですねぇ。。。
なんとかならないかなぁ。w
iCloud drive については
メモのようにパッと開かなくても
若干待てるので使えますね。
iPadOSの方でもなかなか使い勝手は良くなってきてます。(まぁ、今までがひどかったとも言えますが。。。)
データのアップロード、
ダウンロードともに
Androidからできました。
あとはライトニングの端子がサッサと絶滅していただけると嬉しいです。
iCloud Drive って無料で使える容量が5GBなのかな。
この量だとちょっと使い勝手悪いですよね。10とか20GBくらいあると
つかえるんですけどねぇ〜。 (ちなみに私が初めて買ったMacBookG4 ハードディスク40GBしかなかったな。。。) 容量の追加は50GBで月額130円だったかな? 少し使う人にはいいのかな。
私はまだほかのサービスを使っているので追加予定はないですが。。w 実際にこの間2年弱大切に使っていたMacBook Pro13突然逝きましたからねぇ。。。結構ショックでした。 データのバックアップはしておいた方がいいですよ〜 マジで。w まぁということでiCloud ですがアップル製品使っている場合は特に利用してもいいのかなという感じですね。
—- 今回の確認事項 icloud
iCloud Drive
iPad pro10.5 – Xiaomi Redmi Note 8 Pro Connect with cable Anker USB-C to Lightning cable
Xiaomi Redmi Note 8 Pro Connect with USB drive(USB-A with USB-C adapter )
—- 使用したデバイス、ケーブル等。
Anker PowerLine II USB-C & ライトニング ケーブル【Apple MFi認証取得 / Power Delivery 対応 / 急速充電&データ同期 / 超高耐久】iPhone 11 / 11 Pro / 11 Pro Max / XR / 8 (0.9m ホワイト)
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あなたもきっと欲しくなる!初めてでもわかる「ゴープロ」解説
あなたもきっと欲しくなる!初めてでもわかる「ゴープロ」解説
  最終更新日:2019/07/11
 キャンプ用品
出典:Amazon
従来のハンディカムとゴープロのようなアクションカメラとの違いはわかりますか?身に着け動きながら撮影できる、というポイント以外にも多くのメリットがあります。初心者でもその日から使える簡単な使い方から、過去モデルとの違いなど合わせてチェックしましょう。
インスタでも話題!GoPro(ゴープロ)とは?
GoPro(ゴープロ)はいわゆるデジタルビデオカメラの一種で、アクションカメラともよばれます。従来のビデオカメラと比べると、本体サイズがとても小型軽量ながら耐久性が高く、また防水・防塵性能にも優れているのが特徴です。 特に防水機能は最新モデルであれば本体のみで水深10mまで、専用の防水アタッチメントを使用すれば最大水深60mまで可能となっており、このクラスの防水機能を備え、なおかつ価格も抑えて入手しやすいカメラというのはなかなかありませんでした。
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またその軽量さから頭部や腕部に装着しながらアクティビティを本人目線で撮影しやすく、より臨場感のある映像が撮影できることで話題となったのです。動画だけでなく静止画やタイムラプス撮影も行えるため、インスタグラムでは日常生活のちょっとした場面を撮影した「#goproのある生活」は150万件以上も動画が投稿され、人気のジャンルとなっています。そういった特性からも従来の電子機器の苦手とする水やほこりの多い、アウトドア環境での撮影にも使いやすいカメラといえます。
ハンディカムとの違いは?
ゴープロのようなアクションカメラはこれまでのビデオカメラ、特に使い方の似ているハンディカムとの違いはどのような点か確認しましょう。ハンディカムはアクションカメラと比べ、本格的な編集に耐え��る高画質な映像を撮影でき、望遠機能や手振れ補正、連続撮影時間などが優れています。離れた場所をズームで集中して撮影したり、撮った映像をその場で確認しやすいのもハンディカムでしょう。 一方でアクションカメラの強みはその軽さを活かし手首や頭に装着できる点や、独特な使用方法が可能な点が挙げられます。帽子やヘルメットの上から装着して、撮影者の目線と近い映像を動きながら撮影するのはハンディカムでは厳しく、またハーネスの上から胸部にカメラをつけて、ブレの少ない安定した撮影しながら両腕をフリーにできるのも強みです。「撮影者がカメラを意識せず動く、何かしながら撮影する」というハンディカムでは難しかった撮影が、アクションカメラが得意とするところです。
こんなことができる!ゴープロでできることがわかるおすすめ映像
ゴープロは吸盤状のスタンドアタッチメントを使用すれば激しく動く場所、たとえばサーフボードやカヤックの先端にも簡単に取りつけられます。こうすることで肉眼では体験しづらいアングルや場所から、独特で迫力のある動画撮影・静止画撮影を可能に、これまで編集作業が必要だったタイムラプス撮影もゴープロ単体でできるようになりました。
【動画撮影】臨場感たっぷりな映像が撮影できる
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【静止画撮影】動画だけでなく写真(画像)も撮れる!
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【タイムラプス撮影】
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タイムラプス撮影とは、定点で一定間隔で撮った画像をつなげた動画のことを指します。星空や太陽、雲の動きなどのタイムラプス撮影が有名ですが、作成には撮影した何十~百枚もの画像を合成する必要がありました。しかしゴープロのアクションカメラであれば撮影後に自動合成してくれるため、初心者でもタイムラプス動画の作成が容易です。
初心者でも大丈夫!アプリで簡単に編集できる!
出典:タジマモーター
ゴープロで撮影した画像・動画は専用のアプリで編集しやすくなっています。設定もWifiでペアリングするだけなのでとても簡単。またソーシャルメディアとの連動を重視していて、ゴープロのアプリを入れておけば撮影した場面ですぐにデバイスへのストリーミングが可能です。画像や動画をリアルタイムでSNS投稿したい人にゴープロが人気の理由のひとつとなっています。 またアプリ機能でGPSパフォーマンスステッカー機能というものがあります。これはゴープロ内のGPSでカメラ速度や距離を判断し、撮影時の位置情報を残せるような機能です。これがあれば旅の途中などで「あれ?これはどこで撮影したっけ?」というようなことがなくなり、撮影場所の確認記録としても役立つでしょう。
おすすめモデルのゴープロと値段をチェック
ゴープロはアクションカメラとして画質だけでなく、機能面でも進化が続いています。新機能としても2018年に登場したHERO7シリーズには音声で操作が可能、ハンズフリー状態でも録画や写真の撮影などの操作ができるボイスコントロールコマンドが追加されています。 しかし入手しやすい価格のゴープロとはいえ、当然ですが最新モデルは高価格ですし、1世代前のモデルであれば性能もさほど変わらず価格面で入手しやすくなります。最新モデルで新機能や高画質を楽しみたいのか、価格を抑えてまずは試してみたいのか、自身の使いたい場面に合わせてモデルをチェックしてみましょう。
最新のHERO7 Blackは約5万円
2018年に発売されたGoPro HERO7シリーズの最上位のモデルです。撮影時に手ブレを抑え、これまでのモデルより滑らかな撮影が可能な「HyperSmooth」機能がBlackのみに内蔵されています。水深10mまで保証する防水性能を活かし、海や川での撮影だけなく激しいアクティビティでの撮影をしたい方におすすめです。素数は1200万画素で動画性能も高く、4Kの60fps動画はもちろん最大8倍のスローモーション撮影もできます。タイムラプス撮影も他シリーズより安定してできるため、少し凝った動画撮影をしたい方も満足できるシリーズです。
HERO7は3モデル展開!
2018年に発売されたHERO7シリーズの中でも、4K動画もしっかり撮影できるミドルモデルがsilverです。ミドルといえど水や衝撃に強く防水性は上位モデルと同じく、水深10mまで同様に保証されているため、カヤックやサーフィンなどマリンスポーツの撮影も問題ありません。 撮影画素数は1000万画素、4K動画は30fpsまでとBlackと比べやや抑え気味で、撮影時に自動的に鮮やかな仕上がりにするスーパーフォト機能なども省略されていますが、手ブレ補正機能やタッチズーム機能など、動きながらの撮影にも耐えられるスペックです。動画撮影は広角視野レンズで保存形式も一般的なMP4のため、スマホやSNSですぐアップできます。
HERO7シリーズの中では価格もリーズナブルで購入しやすいエントリーモデルです。とはいえ操作方法は同様のタッチスクリーンで、他のモデルと同様に初心者の方でも手軽に扱えます。エントリーモデルだけあってか4Kには対応していませんが、動画撮影は1440p60のフルHDやタイムラプスは撮影可能。撮影画素数も1000万画素で連写モードもあるため、動き回るシーンでも十分撮影できるでしょう。またタイマー機能などHERO7共通の基本的な機能は搭載されており、Blackの定価の60%ほどの価格面や、本体重量92gとシリーズでも特にでも軽量なところに魅力がありそうです。
旧モデルのHERO6もまだまだ人気
HERO6は最新のHERO7の1世代前のシリーズです。大きさや重量はHERO7 Blackと差がなく、しかも4K動画を60FPSで撮影可能な点も同じです。撮影性能が改良されたというより、フォトタイマーや手ブレ補正の強化、ソーシャルメディアとの連動など複数の新機能が追加されたバージョンがHERO7といえます。そういった部分が気にならないのであれば、まだまだHERO6も十分実用に耐えるモデルです。
ゴープロをレンタルで使ってみよう!
ゴープロやアクションカメラを購入前に試用したいという人にはレンタルが便利です。いくつかの家電レンタルサービスで最新型のゴープロもレンタルを行っています。本体だけでなくカメラ固定用のクリップやカメラアーム、予備バッテリーといったアクセサリーが一式ついてくるプランもあるため初心者でも初日から万全の態勢で撮影できるでしょう。 多くは3日~から1日単位でレンタルを始められ、それ以上の長期利用や気に入った場合の買取など柔軟な対応をしてくれる企業もあります。購入前に試してみたい人だけでなく、既にゴープロを持っている人でも最新型との性能の差を確認したり、複数台利用したい時に気軽に利用できるのも便利です。
Rentry
Rentryは家電のレンタルを行っており、ゴープロ以外にもビデオカメラやミラーレスカメラなど、カメラジャンルだけ見ても幅広いラインナップを誇ります。その中でもゴープロのレンタルでは初心者セットや星空撮影セット、自転車撮影セットなど用途や目的にあわせた、わかりやすく使えるプランが魅力です。アクセサリー一式が付属しているため、届いたその時から使い始められるのが便利です。 詳しくはこちら:Rentry
Rentio
RentioもRentryと同様の家電レンタルサービスを行っていますが、こちらは2世代前のゴープロもレンタル可能で、旧モデルであれば最新型より安価にレンタルすることができます。また3ヶ月以上借りたい場合には割安な長期プランもありますので、長期間利用したい方や、最新型でなくとも価格重視したいという方におすすめです。 詳しくはこちら:Rentio
ゴープロの使い方
ゴープロはボタン操作がシンプル
ゴープロの特徴として、操作のシンプルさも挙げられます。なにせボタンが本体に電源と録画の2つしかありません。基本的な操作はこの2つだけで行なえてしまうほどシンプルで、撮った画像の確認や動画と写真の切り替えはタッチパネルで操作します。とっさの場面にも細かい操作なしで撮影開始できる点もアクションカメラとしての特徴といえるでしょう。
アクセサリを使うためにはケースが必要
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ゴープロは防水性や耐久性を上げるため、通常のカメラのように本体の底に三脚などをつける穴がありません。そのため本体にケースを装着し、その上からアクセサリーを追加変更することで機能を増やすことができます。
アクセサリを使って色々な撮り方ができる!
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GoPro ウェアラブルカメラ用アクセサリ 3-Way AFAEM-001
グリップやアームは本体の持ちやすさを改善し、広角での自撮りをするためには必要ですし、タイムラプス撮影では定点で固定できる三脚などが重要になってきます。そういった場面ではこういったアームが活躍します。
ネックハウジングマウントは、カメラを首から下げるストラップタイプのアクセサリーです。自転車に乗ったりクライミング時だけでなく、単純に両手をフリーにしながら撮影したいときにはかかせないでしょう。またシンプルに置き忘れ防止にも役立ちます。
海や川で万一ゴープロを手放してしまっても、フローティングハンドグリップがあれば水面に浮かせられるため、ダイビングや水辺で遊ぶときには用意しておくと便利です。
ゴープロで「#goproのある生活」に挑戦!
ゴープロも実は初期の2003年頃にはフィルムカメラとして、今の形と大分異なるデザインで登場しました。その後デジタル化や小型化軽量化が進み、今の形に近い2012年のHD HERO3モデルからも、ほぼ毎年のように新型が登場し、画質などの性能も向上されています。 近年アクションカメラやウエアラブルカメラ市場には様々な様々なメーカーが参入しています。その中でもゴープロは知名度の高さやユーザーの多さから、サードパーティ製のアクセサリーも多くが対応しているのも強みです。自撮り、充電、固定、手ブレ防止などの豊富なアイテムを、自由に組み合わせることでより快適に撮影ができます。アクションカメラの入門機としてゴープロは間違いなくおすすめの機種となるでしょう。
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708_ramuki
多摩川流域や三浦半島に出没する、インドア系フィッシャーマンです。
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carguytimes · 5 years
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パナソニックから鮮明な映像が表示できるHDR対応リヤビューカメラが登場
●取り付けのしやすさ、高い汎用性も自慢のリヤビューカメラ ドライバーはクルマに乗り込む際や駐車する際などに、後方などを目視するのが基本。しかし、エクステリアデザインを重視したクルマが増えている中、リヤビューカメラなどの運転者支援装備のニーズが高まっています。 米国ではKT法(通称)で、リヤカメラの標準化が2014年3月に義務化。これは、自宅駐車場などで、自分の子どもをひいてしまうという悲惨な事故から義務化されたものだそう。 ドライバーの安全・安心に対する意識の向上により、バック時の視界確保の手段としてリヤビューカメラの需要が高まっているわけです。パナソニック オートモーティブ社は、逆光で強い光のある場所、夜間暗い場所でも見やすいHDR(ハイダイナミックレンジ)対応のリヤビューカメラを2019年7月上旬より発売すると発表しました。 ケンウッドもHDR対応のリヤビューカメラを発売したばかりで、今後HDR対応が増えていきそうです。今回発売される「CY-RC100KD」は、HDR対応のイメージセンサを採用す��ことにより画像の明るさをリアルタイムで補正。白飛び・黒つぶれを抑制し、視認性を高めることで、さらなる安全、安心の向上を実現。水平146°/垂直114°の広視野角レンズにより優れた視認性も美点です。なお、価格はオープン。 取付もしやすくなっています。ケーブル部の電源回路がカメラ本体に内蔵され、配線の作業性を向上。 本体と電源ケーブルを接続する中継コネクタの位置が変更され、コネクタ接続の作業がしやすくなっています。 カメラ本体側と電源ケーブル側を接続する中継コネクタの位置をカメラ本体近くに変更。カメラ本体と電源ケーブルの配線作業が別々に行え、バックドア付近でコネクタ接続ができるようになることで、効率良い取り付けが可能になっています。 また、IEC(国際電気標準会議)が定めた防塵・防水基準の上位等級に準拠した、厳しい環境下でも安心のカメラボディが開発されています。IP68は、製品への粉塵の侵入がなく、断続的に水没しても内部に水が入らない完全密閉構造。 さらに、一般的なRCA出力のピン端子を採用しているので、映像入力端子が付いているカーナビゲーション(AV一体機タイプ/PNDタイプ)や各種モニターなど幅広い製品との接続が可能になっています。 (塚田勝弘) あわせて読みたい * スマホ時代でも変わらぬ人気のポータブルナビ・パナソニック「ゴリラ」。最新作の注目点は? * トヨタとパナソニックが街づくりの合弁会社「プライム ライフ テクノロジーズ」を設立!! ホーム事業統合でスマートシティづくりを推進 * トヨタ車、ホンダ車に対応するバックカメラの変換アダプターが発売。純正ナビでもガイド線が表示可能に * トヨタ・ヴェルファイア(エアロ仕様)に後付けできる全方位駐車アシスト機能付サイドビューカメラが発売 * トヨタとパナソニックがEV用バッテリー開発で2020年に新会社設立へ http://dlvr.it/R6PLmt
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takachan · 5 years
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軽量&ハイパワーなポータブル風力発電機「Infinite Air」を日本で発売
アウトドア、レジャー、災害時でも活躍! 株式会社Gloture は、「Infinite Air」を自社のECサイト(GLOTURE.JP)にて販売開始いたします。 必要なのは、風だけ アウトドアや災害時に、手軽に電子機器を充電する手段としてソーラー発電があります。 ただソーラー発電だけでは天候不良が続いた際に発電ができるのかという心配や、日中だけではなく夜間も充電したいというニーズには応えにくいのが現状です。 Texenergy社のInfinite Air(インフィニット エアー)は、驚くほど軽量でしっかりと発電できるポータブル風力発電機。風さえ吹いていれば、1日中デバイスに電力を供給することができ、バッテリー残量を気にする必要がありません。 USB充電が可能な全てのデバイスに対応 Infinite Airは、USB充電が可能な全てのデバイスに対応しています。 スマートフォンやカメラ、モバイルバッテリーなど、お使いのあらゆるデバイスを充電できます。 モバイルバッテリーやヘッドライトの充電にも。 プロも愛用する極限世界で耐え抜く設計 災害や緊急事態での医療従事者の使用を想定して設計されているので、キャンプや登山などの大自然の中や災害時など、極限の世界で耐え抜くことができます。 IP65の防塵防滴性能を誇り、マイナス20度でも正常に動作。現在、世界で活躍する登山家、冒険家、研究者、医療現場のスタッフなどに愛用されています。 ※ 渡航前に製品の動作確認をお願い致します 軽量でコンパクト トルクとパワーを最大化する設計によって、ブレードのサイズを可能な限りコンパクトに。持ち運びしやすく、簡単に保管できます。 付属の三脚は、ユニバーサルカメラマウントを採用 折りたたみが可能な付属の三脚は、ユニバーサルカメラマウントを採用。 発電時以外は、カメラの三脚としてもお使いいただけます。 また、三脚にはペグやロープに固定するための固定穴も付いているので安心です。 簡単に組み立て・解体できます 刻々と状況が変化していくアウトドア環境では、設営は素早く行いたいもの。Infinite Airは登山家達の意見を取り入れた、組み立てと解体が素早く行える設計の高性能風力発電機です。 あらゆる場面で使える Infinite Air Clamp(別売) より様々な状況でInfinite Airをお使いいただけるよう、Infinite Air Clampをご用意しております。 Infinite Air Clampは、滑りにくい素材を使用し、軽量ながらも3箇所でしっかりと固定できる信頼性の高い設計です。ヨットやカヤック、岩、木など、あらゆる場所に安全に取り付けられます。 また、360度回転するユニバーサルカメラマウントを採用しているので、GoProやカメラを固定するのにも最適です。 取り付けの自由度が大幅に向上するInfinite Air Clamp。Infinite Air本体とのセットでのお買上げをお勧めします! Texenergyの使命は、非常に優れたポータブル発電機、電力貯蔵製品を設計、開発、製造して、オフグリッドでもテクノロジーを機能させ続けることです。 Texenergyのビジョンは、日常生活で機能するだけでなく、開発途上国やポストグローバルな緊急事態でも大きな変革をもたらす製品を設計することです。 医療従事者、援助労働者、緊急支援チーム、ジャーナリストといったスペシャリストにライフラインを提供します。 私たちのチームは、電気および機械工学と工業デザインを専門とする経験豊富なエンジニアで構成されています。私たちは、ポータブル電源に非常に情熱を傾けており、今後も より革新的な製品をお届けできることを楽しみにしています。 Glotureについて 株式会社Gloture(グローチャー)はIT業界を中心とした近年のワークスタイルの変化に着目し、仕事の能率向上や、オフィス環境、リラグゼーションなどの分野で理想的なワークライフバランスの好循環を実現するための各種製品を取り揃えております。 販売ECサイト 株式会社GlotureのECサイト「GLOTURE.JP」にて本製品「Infinite Air」を本日より販売しております。下記のURLよりお求めください。 https://gloture.jp/products/infinite-air 販売価格 INFINITE AIR ¥15,100 INFINITE AIR CLAMP ¥5,300 ※ 価格は全て税別表記 企業プレスリリース詳細へ PRTIMESトップへ http://j.mp/2O3b7Jd Engadget Japanese
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thefunkychicken · 5 years
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 ソニーは7月17日、新型フルサイズミラーレス「α7R IV」を国内発表した。価格は、税別で約40万円前後を予定。発売日は9月6日、予約販売受付は7月23日10時より開始する。
 α7R IVは、同社が7月16日に米ニューヨークで開催したイベント内で披露された、フルサイズミラーレスカメラの高画素シリーズである「α7R」の最新モデル。ソニー独自の裏面照射技術「Exmor R」を採用した約6100万画素のCMOSイメージセンサーを新開発。従来モデル「α7R III」の約4240万画素から大幅に引き上げた。APS-Cにクロップしても2620万画素で利用可能。ダイナミックレンジはα7R IIIより一段向上した15段を実現。ISOは100〜3万2000、拡張感度で10万2400まで設定でき、こちらは画素数が増えながらもα7R IIIと同等を維持した。
 マグネシウム合金を採用したボディは、デザインなどはα7R IIIから大きく変更点はないものの、露出補正ダイヤルにロック機構が設けられたほか、操作性を考慮してグリップを大きく改善。深みが増し、ガッシリとホールドできるようになった。さらに、シーリングを強化したほか、ボタンの各種配置の見直しや押し込み具合の調整なども施されており、オプションで用意されるバッテリーグリップ「VG-C4EM」でも、同等の操作性、防塵防滴性能を有しているという。映像エンジンは、BIONZ Xを搭載。α9から搭載されているものと変更はないとしているが、6100万画素と15段のダイナミックレンジに適用できるようチューニングを施した。
 EVFは、前モデルの368万ドットから576万ドット(倍率0.78倍)に高解像度化。タッチ対応の液晶パネルは、3インチ144万画素で上下のチルトをサポートする。また、前モデルと同様デュアルスロットを採用するが、α7R IVからは両スロットとも高速伝送が可能なUHS-IIに対応した。コネクティビティは、Wi-Fiが802.11acに対応。5GHz帯が利用できるようになったことで、ワイヤレスでのデータ転送速度が大幅に向上した。さらに、USB TypeCの伝送速度を2倍に高速化したほか、シンクロ端子やワイヤレスリモートコマンダーにも対応。スタジオなどテザー撮影でも使いやすくなっている。
 そのほか、約5.5段分のボディ内5軸手ブレ補正を実現。シャッター部分のダンパーを強化したほか、ボディの前面パネル内にクッションを配置することで、シャッターの停止精度を向上。6100万画素という高解像度でも約5.5段分の補正を確保している。この機構により、シャッター音はα7R IIIよりも静音化している。連写性能は、AF/AE追随で秒間10コマを達成し、バッファを従来比1.5倍に増強したことでフル解像度で68コマまで連写可能となった。また、像面位相差用のAFポイントをα7R IIIの399点から567点に増加し、AF性能が大幅に向上。リアルタイムAFやリアルタイム瞳AFを搭載。人物・動物を逃さずフォーカスし続けることができ、写真だけでなく動画でも利用可能となった。さらに、ピクセルシフトにより16枚の写真から2億4080万画素の画像を生成することができるという。
 動画性能は、4K/30fps、1080p/120fpsでの撮影に対応。Super35mmモードでは、6K解像度での全画素読み出しが可能となり、より鮮明な動画撮影を実現する4Kのオーバーサンプリング撮影に対応。そのほか、S-Log2や14段のダイナミックレンジを確保するS-Log3、HLGでの撮影もサポートする。さらに、マルチインターフェースシューのインターフェースをデジタル化し、音声のデジタル転送に対応。クリアな音質での動画収録が可能となった。なお、4K/60fpsに対応しない理由について、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズの大島正昭氏(デジタルイメージング本部 第一ビジネスユニット担当部長)は、「4K30pが最適な仕様と判断した」と述べている。
 オプションとして、デジタルオーディオインターフェースに対応した新型ショットガンマイク「ECM-B1M」を発表。8個のマイクユニットとデジタル処理信号の組み合わせにより、正面方向の感度を高めつつそれ以外の方向の音を打ち消すことで、長さ99.3mmのサイズながら鋭い指向性を実現したという。全方位、中指向性、高指向性の3段階から選べる。また、ノイズキャンセル機能も搭載し、話者以外の環境音を消すことでスムーズな収録が可能。また、アナログ入力にはなるものの、α7R IVよりも前のモデルでも使用することができる。価格は税別3万5000円。そのほか、デジタルオーディオインターフェースに対応したXLRアダプターキット「XLR-K3M」も発表。こちらは、XLR/TRSコンボ端子に、3.5mmステレオミニ端子によるマイク収録も可能。楽器などを接続しての収録が可能という。
待望のα7S IIの後継機については「開発中」
 同社では、APSからフルサイズ、プロユースからコンシューマーまでを一つのマウントでカバーする「Eマウント」を、クリエイター向けのプラットフォームとして提唱。キヤノンやニコン、パナソニック、最近ではシグマも参入したフルサイズミラーレスカメラ市場だが、2013年からフルサイズミラーレスを投入してきたソニーは、フルサイズ一眼カメラでの国内市場シェア(金額ベース)で36%と1位を獲得しており、販売金額も前年比でも158%の成長を遂げているという。さらに、全世界でのレンズ交換式カメラ市場は、2018年には約6割がミラーレスに移行しており、世界シェアでも販売数量・販売金額ともに、ミラーレス市場、フルサイズミラーレス市場で1位を達成したという。
 躍進を続けるソニーだが、他社との差別化について大島氏は、「お客様に(フルサイズミラーレスという言葉の)認知が高まるなか、先行して数多くのラインアップを揃え、革新的な技術、新しい撮影性能の提供など、他社に先駆けてやってきた。われわれのαでなければ実現できない体験を提供したい」としたほか、エントリーモデルでも「フルサイズで投入した技術をエントリー層のお客様にも手軽に扱っていただきたい。スマートフォンが伸びてきているが、ステップアップとしてカメラ全体の市場がこれ以上縮小しないように取り組んでいきたい」と述べた。
 また、α7R IVの位置づけについて「もっと高解像度がほしい、もっとダイナミックレンジがほしいという、今まで取れていなかったユーザーに向けたもの」と述べる。「中判カメラに迫る高画質をフルサイズで実現した」ことで、富士フイルムやハッセルブラッドが新機種を繰り広げる中判ミラーレスカメラを検討するユーザーにアプローチしたい考えだ。さらに、Aマウントについても「われわれの大事な資産。今後もシステムの強化を訴求していきたい」としたほか、2世代目のまま後継機が発表されていないα7Sシリーズについても「お客様の声も十分に受けている。具体的な内容は今言えないが、きちんと開発している。期待を超えることができたら自信を持って発表したい」と、後継機の開発について言及した。
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