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#ロヒンギャ弾圧
ari0921 · 3 months
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和六年(2024)1月27日(土曜日)
   通巻第8107号  <前日発行>
 ミャンマー国軍のクーデターは「西郷なき西郷軍」?
  軍と仏教高僧との融合統治が機能不全に陥ったのではないか
*************************
ミャンマーで「本当は」何が起きているのか?
 大手メディアは投票箱民主主義至上史観だから、本質的なことが見えてこない。
 2021年2月、ミャンマー国軍はクーデターに打って出た。ところが、ミャンマーの民衆が想定外に強く反発し、「民主主義を蹂躙した」として大規模な抗議集会が開かれた。抗議デモに軍が出動、多くの死傷者がでたため国際社会から批判に晒された。
 欧米の傀儡といわれたアウン・サン・スー・チーを支持する人たちは外国のメディアが同情的に報道したので、鮮明に反政府の旗を掲げた。こうなると正義はどちらにあるのか、よく分からない政権運営が続いた。因みに2021年のミャンマー経済はGDPがマイナス18%、通貨は暴落し、庶民は生活苦に喘ぐ。
 クーデターから三年が経った。欧米のメディアの複写機である日本は「国軍=悪」vs「民主主義団体=善」のスタンスを依然として維持している。スーチー政権のときにロヒンギャ70万をバングラデシュへ追い出すと、欧米メディアは一斉にスーチーを「人種差別主義」「ノーベル賞を返還せよ」と猛烈な批判に転じたが、日本はそのまま、ミャンマー国軍批判である。
 この価値基準は「イスラエル=悪」vs「ハマス=善」、「ゼレンスキー=善」vs「プーチン=悪」と、リベラルな西側政治家やメディアが作り上げたフェイク図式に酷似している。ミャンマー国軍ははたして悪魔なのか?
ミャンマーの社会構造は宗教を抜きに語れない。
仏教徒が90%をしめ、しかも上座部(小乗仏教)である。僧侶が800万人もいる。
軍隊は徴兵制で43万人(実態は15万に激減)。
つまりこの国は軍と仏教世界との融合で成り立つ。軍は元来、エリート集団とされ、国民からの信頼は篤かったのだ。それが次第にモラルを低下させ、徴兵ゆえに軍事訓練は十分ではなく、そもそも戦意が希薄である。愛国心に乏しい。
 軍クーデターは伝統破壊の西欧化に反対した政治的動機に基づく。単なる権力奪取ではない。つまり「西郷軍が勝って、近代化をストップした」ような政治図式となるのだが、現在のミャンマー軍(ミン・アウン・フライン司令官)はと言えば、「西郷隆盛なき西郷軍」である。権力は握ったものの何をして良いのか分からないような錯乱状態にあると言える。
 軍人は経済政策が不得手。コロナ対策で致命的な遅れをとり、猛烈インフレに襲われても、適切な対応が出来ず、外資が去り、自国通貨は紙くずに近く、闇ドルが跋扈している。
国民は外国で反政府活動を活発に展開する。国内各地には武装組織が蠢動を始めた。
 ▼まるで「西郷のいない西南戦争」でクーデターが成功した
 西南戦争は『道義国家』をめざし、挫折した。戦略を間違えた。というより勝利を計算に入れずに憤然と立ち上がったのだ。
佐賀の乱、神風連、秋月の乱、萩の乱から思案橋事件が前哨戦だった。城山で西郷は戦死、直前に木戸が病没、大久保暗殺がおこり、明治新政府は「斬新」な政策を実行に移した。しかし行き過ぎた西洋化、近代化。その象徴となった「鹿鳴館」に反対して国学派が復興した。
 ミャンマーの仏教鎮護国家の復活が国軍指導者の目的だった。
しかし彼らは広報という宣伝戦で負けた。都会は西洋民主主義、グローバリズムに汚染され、若者は民族衣装を捨てていた。西洋化は、あの敬虔なる仏教との国ミャンマーにおいてすら進んでいた。
 となりのインドでは巨大なモスクを破壊し、その跡地に大きなヒンズー寺院建立した。竣工式にはモディ首相自らが出席した。
 ミャンマー国軍に思想的指導者は不在のようだ。だからこそ、国軍は仏教の高僧を味方にしようとしてきた。しかし国内的に厄介な問題は同胞意識の欠如である。そのうえ山岳地帯から国境付近には少数民族各派の武装組織(その背後には中国)が盤踞している。中国はミャンマー国軍政府と「友好関係」を維持しているが、背後では武装勢力に武器を供給している。
 主体のビルマ族は70%だが、嘗て国をまとめた君主はいない。カチン、カレン、モン、シャン、カヤ族と、それぞれ少数の武装組織が国軍と銃撃戦を展開しているものの、反政府で連立は稀である。カチン、カレン、モン族は博くラオス、カンボジアにも分散しており、ラオスでのモン族は米軍について共産主義と闘った。敗戦後、17万人のモン族は米国へ亡命した。
 2023年10月27日、ミャンマーの反政府武装組織が初めて三派共闘し、シャン州北部で「国軍」と戦闘、驚くべし国軍が敗走した。国軍兵士数百が投稿した。
 中国の秘密裏の仲介で停戦状態となったが(24年1月26日現在)、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)、タアン民族解放軍(TNLA)、西部ラカインのアラカン軍(AA)の「三派」の共闘はこれから「連立」となるか、どうか。
この三派以外にも不明の武装組織(なかにはギャング団、麻薬シンジケートも武装している)。なにしろミャンマーは五つの国と国境を接し、130の少数民族がいるとされる。 
 
国境問題の複雑さが問題をさらに複雑にする。ミャンマーが国境を接する国々とは、インド、中国、ラオス、タイ、バングラである。地域によっては少数民族が多数派となる。
西海岸の古都シットウエイはインドとの海路の拠点であり古代遺跡があるため外国人観光客が多い。
チャウピューは中国へのパイプラインがミャンマーを斜めに横切り雲南省へと繋がっている拠点、ここには中国企業が進出し、工業団地を建設中で、ロヒンギャとの暴動になった場所、行ってみる、と放火されたモスクの無残な残骸があった。やや東側の中部、マンダレーは雲南華僑の街である。
旧首都のヤンゴンと新首都ネピドーはアクセスが悪い。マンダレーは国際空港こそ立派だが、翡翠やルビーの商いはほぼ華僑が握る。そうした三都三様の物語が付帯する。
 ▼麻薬王
ラオス、タイ国境に拡がるのが統治の及ばない「黄金の三角地帯」である。
アフガニスタンにつぐ麻薬産出地域で、ギャング団と武装組織と博打場である。治安の安定はあり得ないだろう。
黄金の三角地帯の形成と発展、その後の衰退は国民党残党という闇とCIAの奇妙な援助があり、やがて彼らへの弾圧、そしてミャンマーとタイとの絶妙な駆け引きをぬきにしては語らない深い闇である。
国共内戦に蒋介石は敗れて台湾に逃れたが、南アジアで戦闘を継続したのが国民党の第27集団隷下の93軍団だった。およそ一万もの兵隊が残留し、シャン州をなかば独立国然とした。モン・タイ軍(MTA)は『シャン州独立』を目指した軍事組織で、ビルマ共産党軍が主要敵だった。
国民党残党の軍人とシャン族の女性のあいだに産まれたのがクンサ(昆沙)。
のちに『麻薬王』と呼ばれる。中国名は張奇天で、一時はモン・タイ軍の2万5000名を率いた。軍資金は麻薬だった。
CIAが背後で支援した。アルカィーダを育て、やがて裏切られたように、ムジャヒデン(タリバンの前身)を育てたのもCIAだったように、やがて米国はクンサに200万ドルの懸賞金をかけた。
『麻薬王』と言われたクンサは紆余曲折の後、麻薬で得た巨費で財閥に転じ、晩年はヤンゴンにくらした。2007年に74歳で死亡した。米国の身柄引き渡し要求にミャンマー政府は最後まで応じなかった。
もうひとつの有力部族=ワ族はモン・クメール語を喋る少数民族で、いまワ族の武装組織は中国の軍事支援がある。
 ▼ミャンマー進出の日本企業は、いま
さて安倍首相が二度に亘って訪問し、日本が投じたティワナ工業団地はどうなったか。
ヤンゴンの南郊外に位置し、コンテナターミナルを日本が援助した。しかし国軍クーデター以後、西側が制裁を課し、日本政府が同調したため、日本企業の10%がミャンマーから撤退した。住友商事、KDDIなどが残留しているとは言え、投資のトップはシンガポール、中国、そして台湾、韓国が続く。
日米印の企業投資は実質的にぼゼロ状態だ。
拍車をかけているのが外交的孤立である。ミャンマー軍事政権を支持するのは中国である。背後では、ロシアが接近している。
 仏教界は分裂している。将軍たちと協力し、仏教とビルマ文化の両方を外部の影響から守る必要があるという軍の理念に共鳴した高僧もおれば、「ラカイン州で地元の仏教徒とイスラム教徒のロヒンギャ族の間で暴力的な衝突が起きると、『過激派僧侶』といわれるウィラトゥ師は、「ビルマ仏教はイスラム教徒によって一掃される危険にさらされている」とし、「イスラム教徒経営の企業のボイコット」を奨励した。
 軍事クーデターに反対するデモに参加した僧侶たちも目立った。シャン州北部の主要都市ラショーでは国軍の統治が崩壊した。
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kennak · 5 months
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ここで湾岸諸国を非難するのは、日本人はウイグルやロヒンギャの弾圧を非難するなら自国で難民として受け入れろって返されて終わりですよ。
[B! イスラエル] なぜハマスは今、イスラエルに攻撃をしかけたのか…透けて見える「アラブの大義」を脅かす近隣国の和平交渉、ネタニヤフ政権の弱体化 | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい
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moko1590m · 15 days
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ミャンマーでは過激派の仏教徒の問題が最近、大きくなっています。彼らはどんな思想を持っているのか、ヤンゴンで寺院の代表を務めるパーマウカ師(54)に話を聴きにいきました。  パーマウカ師は以前、「マバタ」という過激派仏教徒団体に所属していました。  「イスラム教徒が入ってきた場所は『イスラム化』される。インドネシアを見てみなさい。以前は仏教国だったはずだ。今はイスラム教国と呼ばれている。そういう国が世界でどんどん増えている」と話します。  この団体、マバタは週刊紙を発行したりネットに頻繁に投稿したりして、イスラム教を攻撃してきました。  中心になったのは、ウィラトゥ師という人物です。「野生のゾウとは一緒に住めない」などとイスラム教徒を非難し続けました。2003年、軍事政権下で暴動を扇動したとして逮捕されています。しかし、民政移管を進めたテインセイン大統領の下で2013年、恩赦により釈放されました。  活動は広がりを見せ、仏教徒の女性が異教徒の男性と結婚するのを規制する法律、改宗を許可制にする法律など、イスラム教徒を狙い撃ちにしたとみられる法律が次々と成立しました。  2016年、アウンサンスーチー氏らが政権を奪取し、過激派仏教徒に対する対策も打たれ始めました。マバタは仏教の高僧らでつくる団体に「正式な団体ではない」と宣告され、解散。しかし、直後に名前を変え、「市民」を幹部に置いて同じような団体がつくられました。  週刊紙の発行はいまだに続け、「湖で1本のヒヤシンスが瞬く間に他の植物を駆逐して水面を覆う。ベンガリ(ロヒンギャのこと)はこれと同じようなものだ」などと主張しています。  逆に、ロヒンギャを擁護したり、イスラム教徒に理解を示したりした人は徹底的に批判します。先頃ミャンマーを訪れたローマ法王でさえ、今年8月にミャンマー国内でのロヒンギャ迫害を指摘すると、「ロヒンギャ側につき、ミャンマー人に被害を与える人物だ」と糾弾されました。 進む民主化「逆手にとられた」  彼らの主張の背後にあるのは、民主化で進められている「言論の自由」です。過激派の週刊紙の記者で僧侶の男性は、「我々は事実に基づいた主張をしている。政府がこれを取り締まれば、言論弾圧だ」と言葉を強めます。  ミャンマーでメディアを取り仕切る情報省は、「法律にのっとって、必要な措置をとる。個別のメディアについては答えられない」と紋切り型の答え。ただ、匿名を条件に同省の幹部は「言論の自由を逆手にとられ、なかなか身動きがとれない」と打ち明けてくれました。  さらに過激な思想を広めているのが、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。数年前には考えられないくらい携帯電話が普及し、ミャンマー国内では9割の人が携帯を持っているとされます。  過激な仏教僧たちも、ツイッターやユーチューブを盛んに使い、自分たちの考えを広めようとしています。  チャウパダウンの事件も、フェイスブックの動画であっという間に5千人以上に拡散されました。動画を投稿した31歳の男性は、「今、ミャンマーで何が起きているのか伝えるのに、フェイスブックは最適。ライブで配信した」と言います。
ミャンマーに現れた「過激派仏教徒」 反イスラムの背景に何が?
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pudknocker · 3 years
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多神教がノンポリ傾向があるなら戦前戦中の大本教弾圧、キリスト教弾圧、敗戦後の神道行事強制参加やら靖国神社、護国神社で玉串料だの無断合祀で問題起きてないって。ミャンマーのロヒンギャ、スリランカのタミル人が弾圧されもしないだろうし、ヒンドゥー至上主義が問題になったりもしないだろう。
土田偶氏さんはTwitterを使っています
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xf-2 · 4 years
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<中国政府によるウイグル人弾圧の実態を示す内部文書が明らかになった。100万人を強制収容して思想改造を行っても各国政府からの反応はなし。世界で民族浄化が横行するわけだ>
11月16日付の米ニューヨーク・タイムズ電子版は、中国の新疆ウイグル自治区で大勢のイスラム教徒(主にウイグル人)が中国共産党の「再教育」キャンプに強制収容されている問題について、弾圧の実態が記された共産党の内部文書を入手したと報じた。それによれば、習近平国家主席はイスラム過激主義について、「ウイルス」と同じようなもので「痛みを伴う積極的な治療」でしか治せないと考えているということだ。
問題の内部文書は、新疆ウイグル自治区に帰省した人々に、当局が家族の身柄を拘束していることについてどう説明するかを指示している。彼らの家族は過激主義の危険性についての「教育」を受けており、法を犯した訳ではないがまだ解放できないと説明しろ、という内容だ。また収容者たちは「誤った思想を捨て、中国語と仕事の技能を無料で学ぶことができるこのチャンスを大切にするべきだ」と説明するようにも指示。さらに、収容者の身柄解放はポイント制で決定され、家族の言動も点数に影響し得ると警告するよう指導している。
この世のディストピア、ウイグル自治区に女性記者が潜入
100万人の文化的ジェノサイド
恐ろしい内容だが、こうなることは分かっていたはずだ。国際社会はしばらく前から、ウイグル人に対する虐待や弾圧があることを知っていた。生存者の証言や衛星写真から、新彊ウイグル自治区のイスラム教徒に対する身柄の拘束や監視、宗教の自由の抑圧についての詳しい情報も得ていた。国連をはじめ、マイク・ペンス副大統領やマイク・ポンペオ国務長官などアメリカの政府高官も、この問題について中国を非難し、アメリカはウイグル人の弾圧に関与しているとみられる中国の政府高官にビザの発給を制限するなどの制裁を発動した。
それでも、最大100万人もの人々が宗教を理由に強制収容されているという文化的ジェノサイド(大量殺戮)に等しい事態を前にしても、国際社会の反応は薄いように思える。中国製品をボイコットしている企業や組織はほとんどない。2022年に北京で開催される冬季オリンピックにも、何ら影響が及ぶことはなさそうだ。アメリカの複数の政府高官は強制収容を非難しているが、その中にドナルド・トランプ大統領は入っていない。トランプが人権問題で中国を批判することはほとんどなく、9月に国連で宗教の自由について演説した際も、ウイグル人の問題には言及しなかった。今は香港当局が、北京政府の意向を受けて民主化デモを粉砕しようとしているが、実効ある介入はどこからもない。
<参考記事>ウイグル民族の文化が地上から消される <参考記事>香港の完全支配を目指す中国を、破滅的な展開が待っている
中国政府は、宗教と過激主義がテロの脅威に結び付くことが実際にあることを利用して、大勢の無関係の人々の身柄拘束を巧妙に正当化している。テロ対策の専門家であるコリン・クラークは8月にスレート誌への寄稿の中で、中国がアメリカの「対テロ戦争」という言葉を都合よく取り入れて、独裁体制を正当化しているようだと指摘していた。今回のニューヨーク・タイムズ紙の報道からも、そのことが伺える。同紙によれば習は中国の当局者たちに対して、アメリカの9・11同時テロへの対応を手本にするよう促し、別の政府高官は、イギリスでの最近の複数のテロ事件は、政府が「安全保障よりも人権を優先させた」ことが原因だと主張した。
中国が世界経済に大きな影響力を持つようになったことで、誰も強く批判できなくなっているのかもしれない。10月には米プロバスケットボールNBAに所属するヒューストン・ロケッツのゼネラルマネージャーが、ツイッター上で香港の民主化デモに支持を表明したときは、反発した中国側が試合の放映中止やスポンサー契約の解消などの措置を取ると表明。同マネージャーが謝罪に追い込まれた。
同じイスラム教徒のウイグル人の苦境に対し、多くのイスラム諸国も沈黙を貫いて��る。おそらく中国との経済的なつながりや、中国からの投資を失いたくないからだろう。
アメリカも見て見ぬふり
これは中国に限った問題ではなく、民族浄化は世界各地で横行している。独裁国家がますます強硬になるなか、民主主義諸国は断固たる態度を取れず、国際的な法制度は崩壊寸前の状態にある。
ウイグル人の弾圧のような大規模な犯罪が処罰されることもなく公然と行われているのは、こうした背景があるからだ。反体制派を弾圧し拷問や殺戮を重ねたシリアのバシャル・アサド大統領は内戦による失地を回復し、大国から政権維持も保障されたような有り様だ。インドはカシミール地方の取り締まりについて、諸外国からほとんど圧力を受けていないし、バングラデシュの各当局はロヒンギャ難民たちに、彼らをさんざん迫害したミャンマーに帰れと言っている。
アメリカが民族浄化を見て見ぬふりをしたことは他にもある。11月中旬に漏洩した米国務省のウィリアム・ローバック副特使の内部文書は、「シリア北部におけるトルコの軍事作戦には民族浄化の意図がある」と指摘し、それでもアメリカはトルコを止めようともしなかった、と批判した。
スリランカでは、11月16日に投開票された大統領選挙でゴタバヤ・ラジャパクサが勝利。兄であるマヒンダ・ラジャパクサ前大統領の下で国防次官を務めたゴタバヤは、2009年に分離独立主義を掲げたタミル系の反政府勢力、タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)に対する軍事攻勢を主導し、この際に大勢の一般市民を巻き添えにしている。戦争犯罪の疑いを指摘する声があったにもかかわらず、ゴタバヤは最近の複数のテロ攻撃を受けて、国の安全保障を争点に多数派であるシンハラ人が多い地域で支持を集めた。彼は親中派としても知られている。
今回のニューヨークタイムズの報道は、新彊ウイグル自治区で起こっていることに対する懸念を改めて掻き立てるものとなるかもしれない。だがそれが中国に「再教育」をやめさせるほどの圧力になることはないだろう。
(翻訳:森美歩)
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isshinotasuke · 2 years
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mitokenasia · 2 years
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限りなく薄っぺらい連帯
ミャンマーのクーデターから1か月半。 この1か月半、Facebookでは武器を持たないミャンマー人たちを軍が弾圧している光景が毎日のようにアップされていて心苦しい��� だけど、ちょっと違和感を感じていたのは、どうして2016年から2017年にかけてロヒンギャがあれだけ非人道的な迫害を受け、バングラで難民化している事実について見て見ぬふりをしていたミャンマー人たちが、いざ自分たちが軍と対峙するとなったら、民主主義だの人権だの、軍の弾圧を受けているんだから国際社会は助けろと言いだすのか、ということ。 国際社会はこのままミャンマー人を助けたら、「ビルマ族はロヒンギャの人権をないがしろにしたことについて、お墨付きを与えてしまう」ということになるので、それはちょっとどうかな、と。 カレンに住むミャンマーの友人に最近のことを尋ねると「軍にしろNLDにしろ、どっちに転んでも結局バーマナイゼーション(ビル…
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alpaca1 · 3 years
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Appleのティム・クックCEO、ミャンマーでの動乱についてコメント
  ミャンマーで国軍によるクーデターが発生してから2週間が経過しており、全国で抗議デモが起こっています。Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、現在のミャンマー情勢に関してコメントするツイートを投稿しました。 人種差別と闘うため一丸とならねばならない 2月1日、ミャンマー国軍がアウン・サン・スー・チー国家顧問とウィン・ミン大統領を拘束し、クーデターを実行しました。当初、両氏の拘束は15日までとされていましたが、17日まで延長され、ミャンマー全土で抗議のデモが起こっていると伝えられています。   ミャンマー国軍は2017年、西部の国境近くに住むイスラム教徒の少数民族であるロヒンギャの人々を弾圧するなど、暴挙を行ってきましたが、今回のクーデターにも地方統治の問題が関係しているとされています。   AppleのクックCEOは、ミャンマーでの動乱について以下のようにコメントしました…
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dempameat · 3 years
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ミャンマー国軍が1日、現政権の事実上のトップであるアウン・サン・スー・チー国家顧問やウィン・ミン大統領らの身柄を拘束し、ミン・アウン・フライン国軍総司令官が「立法、行政、司法」の全権を掌握した。数か月後に定年を迎える予定の総司令官は、民政移管の実現を手柄にしていたが、昨年11月の総選挙でスー・チー氏率いる与党・国民民主連盟に国軍系政党が大敗すると、態度を一変させた。
 ミン・アウン・フライン氏は、2017年にミャンマーに無国籍の状態で住むイスラム系少数民族ロヒンギャへの残虐な弾圧を指揮したとして国際的に非難を浴び、国連の調査団からは、軍の高官らと共に「ジェノサイド(大量虐殺)」の罪で訴追勧告の対象とされている。
 だが同氏は、人権侵害に関するほぼすべての申し立てを真っ向から否定し続け、約75万人のロヒンギャ難民が隣国バングラデシュに避難する事態に至らしめた軍事行動は、反政府勢力を一掃するには��むを得ない措置だったと述べている。
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jaguarmen99 · 3 years
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3年前の激しい軍事弾圧で隣国バングラデシュへ逃れたミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)は1日、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問が国軍に拘束されたことを喜んだ。  国連(UN)がジェノサイド(大量虐殺)の可能性を指摘している2017年8月の軍事弾圧の後、約74万人のロヒンギャがミャンマーのラカイン(Rakhine)州からバングラデシュへ向かった。  当時、ミャンマーの事実上の政権トップだったスー・チー氏は、2019年に行われたロヒンギャに対する強姦や殺人などの残虐行為に関する国際刑事裁判所(ICC)の公聴会で、国軍を擁護した。  スーチー氏拘束の知らせは、現在約100万人のロヒンギャが密集して暮らすバングラデシュの難民キャンプで瞬く間に広まった。 「私たちのすべての苦しみの原因は彼女だ。祝わない理由がない」。世界最大規模の難民キャンプ「クトゥパロン(Kutupalong)」の難民リーダー、ファリド・ウラー(Farid Ullah)さんはAFPに語った。  近隣のバルカリ(Balukhali)難民キャンプのリーダー、モハマド・ユスフ(Mohammad Yusuf)さんは、「彼女が最後の希望だったのに、私たちの窮状を無視し、ロヒンギャに対するジェノサイドを支持した」と語った。
スー・チー氏拘束に歓喜、ロヒンギャ難民キャンプ 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News
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fukunono22 · 6 years
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欧米諸国での仏教に対するイメージは、本質的に平和的な哲学として成り立っているというものだが、近年アジアの一部で小さいながらも影響力を増している強硬派の仏教徒集団らが掲げる暴力的な理念が、この寛容的なイメージを覆している。  例えばスリランカでは先ごろ、仏教徒による反イスラムの暴動が発生し、少なくとも3人が死亡、200か所以上のモスクや住宅が破壊されたばかり。  ミャンマーでは扇動的な仏教指導者、ウィラトゥ(Wirathu)師に率いられた超国家主義の仏僧たちが、少数派のイスラム教徒に対する圧力を強めながら、イスラム系民族ロヒンギャ(Rohingya)70万人近くが隣国バングラデシュに逃れざるを得なくなった政府軍による弾圧に歓喜している。  さらにその隣のタイでは著名な仏僧が、イスラム教の寺院モスクを焼き払えと信徒たちに呼び掛け、物議を醸している。
強硬派仏教徒集団の台頭、覆される「平和的哲学」のイメージ 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News
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benediktine · 4 years
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【ロヒンギャを迫害する仏教徒側の論理 The Oppressor's Logic】 - ニューズウィーク日本版 : https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/11/post-11318.php 2018年11月20日(火)14時45分 今泉千尋(ジャーナリスト)
 {{ 図版 1 : ウィラトゥは「ミャンマーのビンラディン」と呼ばれている JONAS GRATZER- LIGHTROCKET/GETTY IMAGES }}
<ミャンマーの少数民族迫害はなぜ止まらないのか――憎しみが連鎖する本当の理由と強硬派仏教僧の素顔>
ミャンマーの治安部隊はロヒンギャを虐殺してなんかいない。昨年の8月25日に起きたことは、奴らの自作自演だ。この紛争のマスタープランを描いているのは、ロヒンギャのほうだ」
ミャンマー西部ラカイン州の州都シットウェ。地元のジャーナリストでラカイン州ミャンマー記者協会の議長を務めるウーコンサンリーは今年6月、筆者の取材に語気を荒らげ、さらに耳を疑うような話を続けた。
「事件が起きる少し前から一部のロヒンギャは家や家財道具を売り払い、農作物を育てるのをやめた。同胞の武装勢力が襲撃するのを知っていて、隣国バングラデシュに逃げる準備をしていたんだろう。あの事件はロヒンギャが国際社会の関心を引き、自分たちに有利なロビー活動をするために起こしたんだ」
情報源について尋ねると、ウーコンサンリーは、フェイスブックの写真付きの投稿を見せてきた。イスラム教徒が罪のない仏教徒を攻撃し、ミャンマーを乗っ取ろうとしていることを伝えるもので、反イスラムを扇動するグループが投稿したものだった。「奴らはラカインを乗っ取ろうとしているんだ」と彼は怒気を含んだ声で言った。
国連がミャンマー政府の人道的な責任を追及するなか、にわかには信じ難い話だが、筆者が取材した多くのラカイン人が情報源もはっきりしないこうした「陰謀論」を妄信していた。
11年に軍事政権から民政移管し、急速な発展を遂げるミャンマー。敬虔な仏教徒が多いことでも知られるこの国が、17年8月25日に起きたイスラム系少数民族ロヒンギャに対する大規模な迫害で揺れている。その背景には深刻な民族対立と宗教紛争、そして「ミャンマーのウサマ・ビンラディン」と呼ばれる強硬派の仏教僧の存在がある。
ラカイン州はミャンマー南西部を南北に走るアラカン山脈によって、最大都市ヤンゴンから地理的に分断されている。1785年にビルマ人に侵略されるまでアラカン王国という独立国家が栄えていたこともあり、ラカインの文化はミャンマーの多数派であるビルマ人のものとは大きく異なる。
ラカイン州はロヒンギャのホームランドだが、6割以上は仏教徒のラカイン人だ。ラカイン人もまたミャンマーの少数民族で、中央政府からの差別や搾取に長年苦しんできた。それ故、ラカイン州の貧困率は78%と全国平均37.5%(世界銀行2014)を大きく上回っており、国内で最も高い。シットウェは州都とは名ばかりの寂れた田舎町で、ヤンゴンの華やかな急成長ぶりからは完全に取り残されている印象を受ける。
≫――――――≪
 {{ 図版 2 : 112002myanma.jpg : 「ロヒンギャの蛮行」を告発するパネル(マンダレー) LAUREN DECICCA/GETTY IMAGES }}
■《イスラム教徒への嫌悪感》
そんなラカイン人が不満のはけ口にしているのが、イスラム系少数民族ロヒンギャに対する差別だ。ロヒンギャの祖先は英国植民地時代にベンガル地方からミャンマーにやって来たと言われているが、70年代後半から不法移民として扱われるようになった。現在は無国籍の状態にあるため、教育や医療、福祉といった基本的な公共サービスにアクセスできず、多くの人が貧困と差別、そして断続的な武力弾圧に苦しんでいる。
ラカイン人は普段は礼儀正しく親切だが、ロヒンギャの話題になると急に嫌悪感をむき出しにする。談笑していたある男性にこの問題についての見解を尋ねると、「不法移民であるベンガル人の話はしたくない」と会話を中断された。英語教師だという女性は「イスラム教徒に暴行されるのが怖くて、娘も私も夜は外出できない」と憤った。
ミャンマー市民にロヒンギャに対する憎悪を植え付けるのに一役買っているのが、13年に発足した強硬派の仏教徒集団「国家と宗教保護のための委員会(通称マバタ)」だ。マバタの前身は「969運動」と呼ばれた反イスラム団体で、それを扇動してきたのが「ミャンマーのウサマ・ビンラディン」の異名を持つ怪僧アシン・ウィラトゥ(50)である。
11年にミャンマーで民政移管が起きると、ウィラトゥは民主化で解禁されたばかりのSNSを駆使して、イスラム教徒に対するヘイトスピーチをまき散らした。その多くは、国内外で起きたイスラム教徒による(とされる)テロや殺人、性暴力の事件を伝えるもので、過剰に誇張されたものやフェイクニュースも少なくなかった。内容は残酷の一言につき、目を覆いたくなるような血まみれの被害者の写真に、次のような過激なコメントが寄せられていた。
「ベンガル人(ロヒンギャのこと)は不法移民のくせに、他人の土地で狼藉を働いている!」「奴らは狂犬だ! 仏教徒の女性を犯して野放図に子供を産ませ、われわれの国を乗っ取ろうとしている」「ミャンマーをイスラム化から守れ!」
ウィラトゥはこうした過激な言動で、貧困層を中心に熱狂的な支持を集めるようになった。地元紙のイラワジによれば、ウィラトゥのフェイスブックは17年6月の時点で40万人ものフォロワーがいた(現在は削除)。
16年にアウンサンスーチー率いる国民民主連盟(NLD)が総選挙で圧勝すると、宗教対立の先鋭化を懸念した新政府はマバタの活動を規制しようとする。仏教僧の最高管理組織「サンガ・マハ・ナヤカ委員会(通称マハナ)」もこれに同調し、17年3月にはウィラトゥに1年間の説法中止を、5月にはマバタの名称を使った活動を禁ずる勧告を発令した。
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 {{ 図版 3 : 112003myanma.jpg : ラカイン州はミャンマー国内で最も貧しい地域だ(州都シットウェ) Chihiro Imaizumi }}
だが、実際にラカイン州を訪れてみると、仏教徒とイスラム教徒の緊張は緩和しているどころかますます高まっているように感じられる。マバタを信奉する人は依然として多い。18年10月14日にヤンゴンで開かれた集会では、ウィラトゥがロヒンギャを擁護する国際社会を勢いよく批判した。
ミャンマー中部の都市マンダレーにウィラトゥが講師を務める大教学僧院「新マソーイェイン」がある。ウィラトゥの秘書によれば、最近はメディアの露出を控えており遊説で海外を回るか、この僧院にいることが多いという。取材のためにマンダレーを訪れると、これからウィラトゥは成績優秀な��行僧の表彰式に出席するとのことで、筆者もその式典会場に向かった。
■《「ビンラディン」のスマホ》
会場に到着すると、既に大勢の参加者が集まっていた。ミャンマーの仏教を取材するために日本から来たと話すと、在家信者の一グループが「わざわざそんな遠いところから来てくれたなんて、感激だ!」と昼食に誘ってくれた。会場に隣接する大広間の食卓に着くと、白米、野菜炒め、濃厚な牛肉の煮込みなどが次々と運ばれてくる。
昼食に招いてくれた在家信者の面々は、皆とても礼儀正しく陽気だ。「どんどん食べてくださいね、お代わりはいかがですか?」と筆者の箸の進み具合を気にしながら、日本に住んでいる友人の笑い話を披露して場を盛り上げてくれる。
だが、隣の席の初老の男性に「ベンガル系イスラム教徒」についてどう思うかと尋ねると、害虫の話でもするかのように彼はこう吐き捨てた。
「ベンガル人はミャンマー人じゃない。それどころか、彼らはわれわれに危害を加える。この国で悪事ばかりを働く奴らを野放しにしてはおけない」
式典には約200人が出席しており、マバタのほかの僧に交じってウィラトゥの姿も見えた。幹部の中では比較的若く、役職も講師レベルのウィラトゥは右はじのほうに座り、式典中も長老たちの説教をおとなしく聞いている。だが1時間を過ぎた頃から、隣の席の僧とヒソヒソ話をしたり、スマホをいじりだしたりして(ケースの色はピンク)、揚げ句の果てに居眠りを始めた。
式典も終わりに近づき、成績優秀者たちに賞状を手渡す段でやっと出番が来たウィラトゥは型どおりの短い説法を始めた。中背だが、僧衣からのぞく腕は筋骨隆々でたくましく、二の腕の内側に小さな魚のタトゥーが見えた。まなざしは鋭く、声には他者を威圧する攻撃性があり、僧侶らしい雰囲気は皆無だ。
式典が終了すると、多くの在家信者や修行僧たちが一斉にウィラトゥの下に殺到した。筆者もその輪に近づき、日本から来た記者で、ロヒンギャ問題についてどう思うか聞きたいと声を掛けた。すると突然、目つきが険しくなりウィラトゥは静かにこう言った。
「気を付けたほうがいい。日本もイスラム化が進んでいる。どこかの小都市に既にベンガル人のコミュニティーがあるはずだ」。そして、彼は窓がスモークになっている黒いバンに素早く乗り込み、会場を後にした。
■《利権に群がる軍と中国》
式典に出席していたマバタの幹部僧ウピニャタマミ(57)に、ウィラトゥをどう思うかと尋ねると誇らしげにこう答えた。「彼は仏教の守護者で、ミャンマー仏教界の真のリーダーだ」
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 {{ 図版 4 : 112004myanma.jpg : 式典終了後、多くの信者がウィラトゥ(中央)の下に集まった(マンダレー) Chihiro Imaizumi }}
なぜ、ウィラトゥやマバタはこれほどまでにミャンマーの人々を魅了するのだろうか。シットウェにマバタの僧院を構える仏教僧ウーナンダバータ(51)は、「マバタが地域のセーフティーネットの役目を負っているからだ」と話す。彼は969運動に初期から携わり、マバタ発足時には幹部を務めた。
マバタは貧困者、少数民族、被災者、女性に対する支援を積極的に行っている。食糧を施すだけでなく、学校建設に無償教育の提供、女性の積極的な雇用など、その内容は多岐にわたる。
ミャンマーで広く信仰されている上座部仏教は、修行の妨げになるという理由から、世俗的な活動を禁止している。ある仏教研究者によれば、戒律の厳守を重んじるミャンマーの仏教界において、僧侶たちが「俗世間の人々」のために奉仕活動をするのは珍しいという。
ウーナンダバータも「マハナのような団体は高尚なことにしか興味がなく、貧しい人々にブッダの教えを伝える気がない。だがわれわれは違う。だから多くの信者が集まる」と主張する。
ラカイン人には、ビルマ人に対する根強い不信感もある。ラカイン州は、天然ガスや石油などの天然資源が豊富な地域だ。ところが、地理的な遠さやロヒンギャ問題のせいで、民主化前から軍部と深く結び付く中国以外に外資の進出は進んでいない。
ラカイン州の与党であるアラカン国民党(ANP)の書記長フタンアウンチョーによれば、天然資源から生じる利益は中国と中央政府が独占しており、地元ラカイン人にはほとんど還元されていない。ミャンマー政府とスーチーに対するラカイン人の評価は辛辣だ。フタンアウンチョーもこう不満を吐露した。「われわれは独立以来、ずっと差別に苦しんできた。アウンサンスーチーが返り咲いたときにやっと状況がよくなると思ったが、全く期待外れだった。政府はラカインの開発から得た利益を地元住民に還元すべきだ」
その一方で、マバタは信者に貧困の原因と解決方法を明示してくれる。原因とはイスラム教徒であり、彼らを排斥することが貧困から抜け出す道なのだと。
そして、こうしたマバタの活動を支える潤沢な資金の源は、大勢の在家者によるお布施以外に軍部にもある。
ロイター通信によれば、ウィラトゥは軍部出身の元宗教相サンシンに重用されてマバタの勢力を拡大した。また、ミャンマー紙イラワジは、ウィラトゥと国軍司令官ミンアウンフラインとの間に太いパイプがあると報じている。ミンアウンフラインは、17年8月25日にラカイン州で起きたロヒンギャ掃討作戦の首謀者として、国連に告発されている人物だ。
さらに、掃討作戦が起きたロヒンギャの居住地の近くには、中国の投資金融グループ「中国中信集団(CITIC)」が港や経済特区を建設しようとしている。ミャンマー政府は17年9月、掃討作戦で空いたロヒンギャたちの居住地を「再開発」する目的で管理すると発表した。
ミャンマーの宗教対立の原因を「民衆を扇動する過激な仏教僧」と「少数民族を弾圧する無慈悲な多数派」のせいにすることは簡単だ。だが、マバタやウィラトゥもこの搾取構造の駒の1つにすぎないのではないか。
無垢な市民の妄信によって反イスラム運動は拡大し、ロヒンギャ危機は臨界点に達した。解決には、マバタやラカイン人といった表舞台の人間だけでなく、水面下で暗躍する「悪」を追及する必要がある。そしてマバタの僧侶や市民もまた、自らに問いただすべきではないだろうか。自分の頭で考えることを放棄し、悪の甘言を信じ続けた罪はどれほどの重さなのかと。
<本誌2018年11月20日号掲載>
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ground696 · 4 years
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忍野メメの教え 人道支援へのアホ美容師的寝言 https://youtu.be/4y9iHkaaZ5o #動画 #YouTube #緒方貞子 #米川正子 #並木麻衣 #人道支援 #ストリートチルドレン #少年兵 #ウイグル族弾圧 #ウガンダLRA #パレスチナガザ地区 #ロヒンギャ #アフリカ内戦 #負の連鎖 #コンゴのターミネーター #韓国アイドル自殺 #物語シリーズ #virtue #talk #philosophy #町 #海 #空 #島 #雲 #island #clouds #sea #sky #town (GROUND hair cut) https://www.instagram.com/p/B4oDtzFDz5M/?igshid=qet6kqk3y9r7
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anifunk · 7 years
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94 名前:名無しさん@1周年[sage] 投稿日:2017/09/22(金) 03:59:05.40 ID:2NcdKIZc0ミャンマー在住の日本人のブログを見るとロヒンギャは一夫多妻で人口増やしすぎでしかもビルマ語を話さない奴ら多過ぎってさ。113 名前:名無しさん@1周年[sage] 投稿日:2017/09/22(金) 06:55:17.76 ID:rDYl8oG/0女子供の哀れな写真前にだして国に弾圧されてかわいそうって人権屋とゴミの印象操作ばっかりね実態は不法入国朝鮮人にイスラムのオマケがついたくらい酷い奴ららしいが。。
丁寧語とか、礼儀正しく書いてみる日記2:170922 【ミャンマー】 ロヒンギャ/因縁と落とし前の付け方
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xf-2 · 6 years
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ロヒンギャ弾圧のミャンマー政府にEUが鉄槌――経済制裁の成否を左右する日本はどう動く
イスラム系少数民族ロヒンギャに対する弾圧について、ミャンマー政府は国際社会から厳しい批判を受けても意に介さない姿勢を見せてきた。ミャンマー軍のトップは「国連に干渉する権利はない」とも発言した。しかし、今後はそうはいかなくなるかもしれない。EUが貿易制裁を検討し始めたからだ。 人権の女神スーチーは、悪魔になり果てたのか 欧州委員会は10月3日、ミャンマーが無関税でEUに輸出できる関税優遇措置の停止を検討していることを明らかにした。今後6カ月の間にミャンマーが改善措置を取らない場合は、制裁を発動する。 ロヒンギャ弾圧をめぐる国際社会の対応はこれまで、国連人権理事会による非難決議や、国家顧問で事実上の国家元首のアウンサンスーチーの名誉市民称号のはく奪など「メンツ」に関わるものが中心だった。 一方、ミャンマーからEUへの無関税輸出額は年間約18億ドルに達する。EUによる貿易制裁はミャンマーにとって背に腹は代えられない圧力となる可能性がある。 実際、経済制裁は過去にも人権問題の解決で効果を上げてきた。アパルトヘイト(人種隔離政策)を行っていた南アフリカは、国連による経済制裁の呼び掛けに呼応した加盟国の圧力を受けて制度撤廃に追い込まれた。 <ミャンマーの日本依存> EUの新方針は、ミャンマー政府と軍から迫害を受け続けるロヒンギャにとっては朗報のはずだ。しかし、迫害を逃れたロヒンギャ難民たちは手放しで喜んでいるわけでもない。 日本に暮らすロヒンギャ難民のアブールカラムは、EUによる制裁報道を「歓迎するが、心配もある」と語る。「日本がどう行動するか見えないからだ」 EUの経済制裁の成否を握るのは実は日本だ。これまで日本政府は、ロヒンギャ弾圧の実態を調べる国連事実調査団の設置に反対するなど、ミャンマー政府寄りの立場を取ってきた。人口5100万人以上のミャンマー市場が魅力的だからだ。 EUとミャンマーの貿易が停滞すれば、日本企業のビジネスチャンスが増える。そのためミャンマー政府を刺激したくないというのが日本の本音だ──と、日本にいるロヒンギャ難民支援者の1人は語る。「EUに日本が同調してくれればいいが、これまでの対応を見ると難しい。それどころか、制裁が発動されればミャンマーはますます対日依存を強めるだろう」
日本からアジア各国への圧力に期待
ロヒンギャの人々が日本政府に懸念を示すのは、期待の裏返しでもある。ロヒンギャ難民として日本に暮らし、アジアのロヒンギャ同胞とつながりのあるゾーミントゥットによれば、弾圧を非難する東南アジア諸国はマレーシアとインドネシアのみ。だが日本がこの問題でミャンマー政府を非難すれば、シンガポール、タイ、カンボジアなどが同調するはずだと、彼は考える。 「日本からの非難はアジアに対する最大の圧力となる。ミャンマー政府は日本からの援助や投資がある限り、EUの制裁など痛くないと思っている」 東京で開催される「日本・メコン地域諸国首脳会議」に参加するため、スーチーは10月5日に来日した。その直前、ゾーミントゥットらは外務省の担当者にロヒンギャ弾圧を主導した人物を国際司法裁判所に提訴することなどを陳情したが、反応は皆無に等しかったという。 「スーチーは巨額援助の約束を手に帰国するだろう。その一部が、ミャンマー国内に残る30万人のロヒンギャに対する弾圧に使われるかもしれない」 [2018年10月16日号掲載]
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kurano · 7 years
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ロヒンギャなんだが、あいにくとおいらのテリトリーではないので良く知らないんだが、昔、イギリスがビルマを植民地にしていた頃、ロヒンギャとかカチン族などの、非ビルマ族の少数系を軍人や警察官として起用して、徹底的にビルマ族を弾圧したわけです。なので、おいらの知人のカチン族ゲリラ隊長さんは、イギリスの陸軍幼年学校を卒業している。元はビルマ政府の軍人だったw そうした下地があって、しかも今でもロヒンギャ族は武装している。ミャンマーの警察官をいっぺんに70人殺したりしている。ミャンマー政府にしてみりゃ、テロリスト以外の何者でもない。ちなみに、他の少数民族ゲリラは、そんなに凶暴ではないし、今では政府と和平に向けて交渉中です。 ちなみに第二次世界大戦では、アラカン地方の仏教徒は日本軍、ロヒンギャ族はイギリス軍に参加して、激しい代理戦争をやってますw その結果、ロヒンギャ族は国籍を剥奪され、なので今でもロヒンギャ族は無国籍です。責任の一端が、日本にもないわけじゃないw 筋からしたらバングラデシュが引き取るべき難民なんだが、バングラデシュもこんなの受け入れたら治安が悪化して、テロリストの巣窟になってしまうので嫌がっているw
部外者は口を突っ込まないのが吉 - ネットゲリラ
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