『寄宿学校のジュリエット : To LOVE,or not to LOVE』は、金田陽介による日本の漫画。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』を翻案した作品であり、東和国とウェスト公国という2つの国家が対立する架空世界で、東和国の少年・犬塚露壬雄とウェスト公国の少女・ジュリエット・ペルシアが織り成す恋模様を描く。
本作は『別冊少年マガジン』(講談社)で連載が始まり、2015年8月号から2017年7月号まで連載された。その後、『週刊少年マガジン』(講談社)に移籍し、2017年43号から2019年40号まで連載された。全119話で、コミックスは講談社コミックスから計16巻刊行されている。メディアミックスも行われており、2018年には本作を原作としたテレビアニメが放送されている。2020年6月時点で累計発行部数は370万部を突破している
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ロミオ・フェイリー(1)
遠い祖先が妖精と結婚していた、妖精の血が流れている特殊な家系の出身。
妖精の血はすっかり薄れているのでほとんど普通の人間と変わらない家系だが、ロミオは先祖返りで寿命が非常に長い人間として生まれてしまった。
家族や友人たちに置いて逝かれる環境で心が折れ、長らく人里離れた森の奥で隠者のような生活を送っていた。実年齢は約150歳。
自分と同じく寿命の長いレオに出会ったことで誰かと共に生きる勇気を取り戻し、故郷のSan Myshunoに戻ってきた。
Glimmerbrookに引っ越してからは、魔法使い達から当然のように妖精として認識されるようになり、少しずつ自分のアイデンティティとして受け入れられるようになりつつある。
真面目で責任感が強い性格で、いつも堂々としているレオには出逢った頃から憧れを含む恋心を抱いている。
成長速度や寿命以外には妖精らしい特徴はない(と本人は思っている)ものの、祖先が自然を司る妖精だったためかロミオも自然の生き物が大好き。彼が育てた花や果実は「妖精に愛された植物」として魔法使いから大絶賛されている。
…というのが、ブログに載せている彼のご紹介なのですが、彼の背景をもうちょっと語ってみようと思います(*'ω'*)゛
SSもない自己満うちの子設定語りです。うちの子を好きでいてくれる方がいらっしゃいましたら、よろしければお付き合い下さい(*´ワ`*)
まぁロミオくんの過去話なので割としんどめなんですけどね…!(震)
***
ロミオは、150年ほど前、San Myshuno在住のフェイリー家に長男として生まれました。
フェイリー家は、特別裕福という訳でも貧困層という訳でもない、いわば「普通」の家。
妖精の血が流れているといっても特筆すべき能力を持った子が生まれる訳でもなく、彼の両親は多くのカップルと同じように、出逢い、恋をして、結ばれた夫婦でした。
彼の名付け親は、母親のジュリエット。
自分の名前の由来でもあり、彼女自身も好きだった悲劇にあやかって、最初に生まれた男の子に与えた名前です。
その悲劇において、生きては結ばれなかった恋人たちのように、ロミオと母親ジュリエットの仲は、息子の成長に伴って、雲行きが怪しくなっていったのでした。
生まれた当初はただの元気な男の子と思われたロミオでしたが、彼の成長が著しく遅いことに両親が気付くまで、さほどの時間はかかりませんでした。
元気だし、健康ではあるものの、身体がなかなか大きくならない。彼が小学校に上がる頃には、周囲との差は歴然としたものになっていました。
傍で見守っていても、本人にやる気はあるのです。真面目にいろいろなことに取り組みます。興味の範囲も広いようです。
でも身体があまりに小さくて、成長が遅くて、本人も思うようにならない身体を不自由に感じているようでした。
そんな彼の様子を見ていた父親は、遠い祖先の話を思い出していました。
古き祖先の言い伝え。自然界を去り、人間と血を交わらせたヒトリの妖精によって、妖精の女王から呪われたという我が血筋。
『いずれ汝の子孫に、ヒトの時を生きられぬ仔が産まれるであろう。その仔を自然に還すが良い。その妖精の仔に汝の罪を背負わせよう。
汝の死と、妖精の仔の誕生を以て、我らを裏切りし汝の罪を雪ぐとしよう』
ああ、哀れなロミオ。遠い祖先が自らの想いのまま人と血を交わらせたがために、その罪を肩代わりさせられてしまうとは。
彼は内心嘆き、密かに祖先を罵倒したものの、理不尽に罰を背負わされた我が子にはただ寄り添うことを決めました。
妻にも自分の血筋について説明し、きっとロミオは祖先の「罪」とやらを背負わされてしまった妖精の子なのだ、と説明しました。
けれどジュリエットは、夫の言うことを認めませんでした。
私は元気な子を産んだのよ。そんなおかしな話があってたまるものですか。
ロミオは他の子より少し成長が遅いだけ、すぐに他の子たちと同じようになるんだから。
彼女は頑なにそう言い続け、必死に我が子を教育するようになりました。
まるで、「私は普通の子を生んだんだ」と、自らに言い聞かせるように。
彼女はその教育を愛だと言い張っていましたが、果たして、それは本当に愛と言えるのでしょうか。
ロミオは聡い子どもでした。
母が何やら必死になって自分に教育を施していることを、彼は幼いながらに理解していました。
身体の成長は他の子より遅かったけれど、彼の知性は人並みに成長していました。
だから、自分が周りの子より随分と身体が小さいことも、できないことが多いことも、彼は理解していたのです。
ロミオは頑張りました。勉強も運動も頑張りました。
頭のいい子でしたから、勉強は周りの子より良くできるようになりました。
でも身体はなかなか大きくならないので、運動は得意にはなれません。どうしても他の子たちに劣ります。
ジュリエットは何度も繰り返しました。「一緒に頑張ろう、ロミオ。きっとできるようになれるから」。
ロミオはずっと頑張っていました。でも、どうしても他の子より劣るのです。
やがてロミオも、どうして僕はみんなみたいに大きくなれないのだろうと、不安を抱えるようになりました。
ロミオは、父方の祖母によく懐いていました。
ジュリエットの様子に強く口出しできない父親は、しばしばロミオをおばあちゃんのもとに連れて行ってくれました。
おばあちゃんは祖先の昔話のことをよく知っていて、ロミオがきっと「妖精の子」なのだと思い、いつまでも小さいままの孫を可愛がってくれました。
ある時、ロミオはおばあちゃんに聞きました。
「おばあちゃん、ぼく、どうしてみんなみたいに大きくなれないんだろう」
おばあちゃんは言いました。
「昔々のご先祖さまに、ロミオみたいな人がいたんだよ。そのご先祖さまは妖精だったの。ロミオは、そのご先祖さまに似たんだね」
おばあちゃんは優しく、愛情をこめてそう言ってくれました。
でもロミオは納得できません。だって、僕は人間だよ? 僕は妖精じゃないよ。お父さんとお母さんの子どもだよ。
おばあちゃんは、もちろんそうだよ、と言ってくれました。彼女は、孫が他の子と違っても、変わらずロミオを可愛がってくれました。それでも、ロミオの不安を拭い切ることはできませんでした。
ある時、ジュリエットがふたり目の子を宿しました。
彼女は不安になりました。この子もロミオみたいだったらどうしよう? 他の子と「違う」子だったら、どうしよう。
本当はジュリエットも理解していたのです。ロミオは他の子たちと違うのだということを。
そのロミオと同じく、夫との間に宿った子ども。
この子もロミオみたいだったら、どうしよう。
不安になって泣く母親の姿を、ロミオもよく見ていました。
もっと頑張らなきゃ。お母さんが僕のせいで悲しんでる。
お兄ちゃんになるんだから、僕ももっと頑張ろう。
やがてジュリエットは、ふたり目の男の子を生みました。
そしてその子は、ロミオとは違って「妖精の子」ではありませんでした。
当然です。遠い祖先の罪は、ロミオという妖精の子に、既に背負わされていたのですから。
やがてそれに気付いた彼女は、ロミオへの関心を、すっかり手放してしまったのです。
だってそうでしょう。あんなに手をかけて育てたのに、ロミオは一向に「他の子」みたいにはなれなかった。
でも次の子は、特別な努力をしなくても、「他の子」と同じように成長していってくれたのですから。
けれど、じゃあ、望んでそんな風に生まれた訳じゃないロミオは、一体どうしたら良かったのでしょうか?
***
弟が他の子たちと同じようにすくすくと成長するのを他人事のように眺めながら、ロミオは引き続き頑張っていました。
テストはいつも高得点。苦手な科目も一生懸命に頑張って、常にオールAを取っていました。
ただ身体はやはり他の子より小さいままだったから、体育だけはあまり良い成績が取れなかったのだけれど。
弟が生まれたばかりの頃、お母さんがあまり構ってくれなくなったのは、赤ちゃんのお世話が大変だからなのだと思っていました。
弟も僕みたいに小さいままなのかな。ロミオも最初はそう思っていましたから、彼なりに弟のお世話を手伝いました。
でもお母さんは、弟が大きくなっていっても、あまりロミオに構ってくれません。昔みたいに隣で応援してくれることも、身体測定の結果を見て「もっと大きくなれるように頑張ろう」と言ってくれることもなくなりました。
ロミオに構ってくれない代わりに、お母さんは、弟ばっかり可愛がっているような気がします。
どうしてだろう。僕が大きくなれないから?
ロミオはもっと頑張るようになりました。
一生懸命勉強して、ご飯もいっぱい食べて、運動する時間を増やしました。筋トレも頑張るようになりました。
その甲斐あってか、少しずつ、少しずつ身体は大きくなっていきました。体重も増えて、手も足も大きくなっていきました。
でもやっぱり、みんなと比べたら小さいままです。周りの子は成長期に入って、どんどん大きくなっていきます。
ロミオが、やっと幼稚園児と間違われずに済むようになった頃のことでした。
そしてその頃には、弟も年相応に大きくなっていて、ロミオと並ぶとどちらが兄か分からない程になっていたのです。
ロミオは時々、ひとりでおばあちゃんの家に泊まっていました。
普通に大きくなって、お母さんに可愛がられている弟を見たくなくて。どうしても寂しくなってしまって。
おばあちゃんはいつも優しくロミオを迎えてくれました。他の子と比べなくたっていい、ロミオはいつも頑張ってて凄い子だよ。いつもそう言ってロミオを慰めてくれました。
ロミオが知らなかったことがあります。おばあちゃんは、子ども達に対するジュリエットの態度を、何度も叱っていたのです。
けれどジュリエットは聞く耳を持ちませんでした。私はもう十分頑張ったんだから放っておいて。そんな気持ちがあったのでした。
彼女の様子を傍で見続けていたお父さんは、妻に何か言うのを諦めてしまいました。その代わり、妻に放っておかれる可哀想なロミオを、ただ見守ることを選びました。
やがておばあちゃんが亡くなりました。
ロミオは、心安らぐ逃げ場所を失くしてしまいました。
ロミオは黙々と頑張り続けていました。テストの成績はずっといい。見た目が子どもみたいなので、何も知らない人から見れば天才児です。
でも彼はもう10代半ばになっていました。見た目通りの、小さな子どもではないのです。
お父さんは、成績表を見せれば褒めてくれました。でもお母さんは、もう見向きもしてくれません。
彼にとってお母さんは、安心して甘えられる存在ではありませんでした。だからロミオは、反抗期を逃してしまいました。
弟とは、ほとんど関わることはありません。
兄は母に可愛がられる弟に素っ気なく、弟もまた母に放置されている兄に関わろうとはしませんでした。
ロミオからすれば、弟は大して努力することもなく母に可愛がられている存在です。
弟が生まれたばかりの頃みたいに、弟の世話をすることはなくなりました。
一方、学校でのロミオの評価は、「いつも成績優秀、いい子で真面目な優等生」。
学校の先生たちは、彼の発育の遅さを不思議に思っているくらいで、彼を誇りに思っていました。
先生は大学への進学を薦めてくれました。ロミオの能力を認めてくれていたのです。
けれどロミオには伝わりません。誰よりも認めてほしい人はロミオを見てくれないままです。
満たされない彼の心は、学校の先生や、普通に成長していく���級生たちに対して、開かれることはありませんでした。
お母さん、僕を見てよ。ただ一言、そう叫べたら良かったのかもしれません。
でも、ロミオはそうはできませんでした。けれど心は乾いていきます。報われない度、心に傷がついていきます。
高校生活、最後のテストの時でした。ロミオはもう、なんのために頑張ってきたのか、分からなくなってしまっていました。
彼は全てのテストを白紙のまま提出しました。
先生たちは驚きました。どうした、何かあったのか。心配してそう声をかけてくれた先生は何人もいたけれど、ロミオは答えませんでした。
やむなく先生たちは、その結果を成績表に残しました。
ロミオはまっしろな答案用紙を机の上に投げ出しました。
父親は驚いて、けれど蒼白になった息子の硬い表情を見たら、何も言えなくなってしまいました。
母親は、何も言ってくれませんでした。
白い答案用紙も、有り得ないような成績表も、その目に映してはくれませんでした。
弟が、迷惑そうな顔をしてロミオを一瞥しました。ロミオの手は震えていました。
一体どうしたら良かったのでしょう。
一生懸命、ずっと頑張ってきたけれど、駄目だった。
悪い子になってみても駄目だった。
どうすればお母さんは、ロミオを見てくれたのでしょう。
ロミオは何か叫んだけれど、何を言ったのか自分でもよく分かりませんでした。
お父さんがうろたえて、弟はやはり迷惑そうな顔をしていました。お母さんは振り向いてくれませんでした。
ロミオは自分の部屋に閉じこもって、少し泣きました。それから荷物をまとめました。
そのまま彼は、夜のうちに家を飛び出しました。
未だ小さな子どものような大きさのロミオは、高校の卒業式を待たずして、当所なく知らない街を彷徨うようになったのです。
つづく
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〈あらすじ〉
著者 / 金田陽介
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