ジャニーが同性愛者(真性の少年性愛者、児童性愛者)であり、事務所に所属する男性タレントに対して性的児童虐待(同性愛行為の強要)を行っているとの話は、1960年代から散発的に繰り返し報道されてきた。
まず、駐留米軍の「在日軍事援助顧問団 (MAAGJ)」に勤務していた頃(1958年~1966年)から、外交官ナンバーの車(クライスラー)で新宿・花園神社の界隈に繰り出し、「ケニー」、「L」、「牛若丸」といったゲイバーで遊んでいたこと、更に新宿駅南口で網を張り、田舎から出てきた少年たちに声をかけては、常宿の「相模屋」(1泊600円のベッドハウス)に連れ込んでいたことを、当時のゲイ仲間・原吾一が、著書『二丁目のジャニーズ』シリーズで明かしている。
ジャニー喜多川が最初に手がけたタレントは「ジャニーズ」の4名(真家ひろみ、飯野おさみ、あおい輝彦、中谷良)で、当初は池袋の芸能学校「新芸能学院」に所属させていたが、学院内にてジャニーが15名の男子生徒たちに性的児童虐待行為をしていたことが発覚。
オーナーの名和太郎学院長(本名:高橋幸吉。2000年6月7日に急性心不全で逝去。81歳没)はジャニーを1964年6月28日付で解雇した。
しかしジャニーが、ジャニーズの4名も一緒に引き連れて出て行ってしまったためにトラブルとなり、ジャニーらが所属中の授業料やスタジオ使用料、食費など270万円を求めて学院長がジャニーを提訴し、裁判へと発展した (通称:ホモセクハラ裁判)。
なお、当時のジャニーは在日軍事援助顧問団(MAAGJ)に在籍する下士官事務職員として、米国軍人および外交官の立場にあったが、新芸能学院との騒動は「MAAGJの公務の範囲外の職業活動」で起こった問題であるため、「外交関係に関するウィーン条約」(日本では1964年6月8日に発行)の第31条1項による外交特権「外交官は接受国の刑事・民事・行政裁判権からの免除を享有する」の対象から漏れ、訴えられた。
この裁判は長期化し、1964年から実に4年に渡って行われた。
ジャニーズの4名も実際に証言台に立っており、その証言記録は『女性自身』(1967年9月25日号)、『ジャニーズの逆襲』(データハウス刊)、『ジャニーズスキャンダル調書』(鹿砦社刊)にて再現されている。
『週刊サンケイ』(1965年3月29日号)でも「ジャニーズ騒動 “ジャニーズ”売り出しのかげに」として5ページの記事が組まれた他、ルポライターの竹中労も、著書『タレント帝国 芸能プロの内幕』(1968年7月、現代書房)の中で「ジャニーズ解散・始末記」と題してジャニーの性加害について言及した (当書はその後、初代ジャニーズを管理していた渡辺プロダクションの渡邊美佐の圧力で販売停止)。
なお、『ジャニーズスキャンダル調書』では「同性愛」という表現自体を否定しており、ホモセクハラである以上、「性的虐待」、善意に表現しても「少年愛」であるとしている。
『週刊現代』(1981年4月30日号、講談社)にて、「『たのきんトリオ』で大当たり アイドル育成で評判の喜多川姉弟の異能」と題し、ジャーナリストの元木昌彦がジャニーの性趣向問題について言及。
(直後、ジャニーの姉のメリー喜多川から編集部に「今後、講談社には一切うちのタレントを出さない」と猛クレームが入り、元木は処分として『週刊現代』から『婦人倶楽部』の部署へと異動させられた。
この件については、『週刊文春』(1981年5月28日号、文藝春秋)でも、「大講談社を震え上がらせたメリー喜多川の“たのきん”操縦術」と題して報じられた。
なお、ジャニーの性的児童虐待についてメリーは、「弟は病気なんだからしょうがないでしょ!」と言ってずっと放任していた)
雑誌『噂の眞相』(1983年11月号)が、「ホモの館」と題してジャニーズ事務所の合宿所の写真を公開。
元所属タレントの告発も相次いだ。
元フォーリーブスの北公次は『光GENJIへ』(1988年12月)、
元ジューク・ボックスの小谷純とやなせかおるは『さらば ! ! 光GENJIへ』(1989年9月)、
元ジャニーズの中谷良は『ジャニーズの逆襲』(1989年10月)、
元ジャニーズJr.の平本淳也は『ジャニーズのすべて ~ 少年愛の館』(1996年4月)、
豊川誕は『ひとりぼっちの旅立ち ~ 元ジャニーズ・アイドル 豊川誕半生記』(1997年3月)、
山崎正人は『SMAPへ』(2005年3月)をそれぞれ上梓。
タレントの生殺与奪の全権を握るジャニーの性的要求を受け入れなければ、仕事を与えられずに干されてしまうという実態が明るみに出た。
中でも『SMAPへ』は、ジャニーが行っていた性行為の内容について最も細かく具体的に描写しており、少年に肛門性交を強要していたことも明かしている。
同じく元Jr.の蓬田利久も、漫画『Jr.メモリーズ ~もしも記憶が確かなら~』(竹書房の漫画雑誌『本当にあった愉快な話』シリーズに掲載。著:柏屋コッコ、2014年1月~2015年4月)に取材協力する形で暴露している。
ジャニーは肛門性交時にノグゼマスキンクリーム、メンソレータム、ベビーローションなどを愛用しており、少年隊もラジオ番組で、錦織一清が「ジャニーさんと言えばメンソレータム思い出すなぁ・・・」、東山紀之は「合宿所はいつもメンソレータムの匂いがしてた」など、分かる人には分かるギリギリの発言をしている。
元Jr.の星英徳も、ジャニー喜多川の死後になってネット配信で、「ただのJr.だった自分ですら、何十回もやられた。
ジャニーさんが特に好んだのは、小中学生の段階のJr.。
時には平日の朝から学校を休んで合宿所に来いと呼び出され、マンツーマンで性行為を受けた。
その最中は、当時付き合ってた彼女のことを毎回必死に頭で思い描きながら耐えてた。
メジャーデビューしたメンバーは必ず全員やられている。
必ずです! 全員やられてる!
そもそも断ったらデビュー出来ない」と幾度も打ち明け、ジャニーによる性被害や当時の事務所内での異常な状況を説明した。
ジャニーズの出身者以外からも、浜村淳が関西ローカルのラジオ番組『ありがとう浜村淳です』(MBSラジオ)の中でジャニーのことを「あのホモのおっさん」と発言したり、ミュージシャンのジーザス花園が、2009年発表の自作曲『ジャニー&メリー』で、AV監督の村西とおるもブログやTwitterで糾弾している。
ジャニーに対する感謝、愛情が誰よりも強いことで知られるKinKi Kidsの堂本剛(児童劇団の子役出身)は、小学5年生の段階で子役活動を辞め、一旦芸能界を引退していたが、姉による他薦でジャニーズのエンターテインメントの世界に触れ、自分もスターになって成功したいという感情が芽生える。
しかし成功するためには、まだ幼い小学6年生の段階からジャニーの性的な行為を耐え忍ぶしかなく、剛が中学2年生の14歳の時に奈良県から東京の合宿所に正式に転居してからは、ジャニーの性行為は更に過熱していった。
当時剛と非常に親しい関係にあった元Jr.の星英徳も、「剛は普通のJr.たちとは違うレベルの性行為をジャニーさんから受けていて、そのことにいつも悩んでた。剛が病んじゃったのはジャニーさんが原因」と、2021年6月25日の深夜にツイキャス配信で証言した。
剛にしてみれば、確かにジャニーには芸能界で大成功させて貰って感謝はしているものの、幼い頃から異常すぎる性体験を強いられ、自分の心と体を捨て去るという代償を払わされてきた訳であり、更に人一倍繊細な性格がゆえ、15歳からは芸能活動へのストレスも相まってパニック障害を抱えるようになり、長年に渡って自殺を考えるほどに苦しんだ時期が続いた。
自分で選んだ道ではあるし、ストックホルム症候群、トラウマボンド(トラウマティック・ボンディング)、グルーミングなどの効果によって、ジャニーに対して大きな感謝はしつつも、もしジャニーと出会わなければ、こんなにも苦しい思いをすることは無かった、という愛憎が入り混じった複雑な感情から、剛の自作曲『美しく在る為に』は、ジャニーへの思いや、芸能活動への葛藤が描かれた曲だと、一部のファンの間では解釈されている。
その歌詞の一部には、
「あたしが悪いなんて 云わせないの あなたが悪いなんて 云う筈がないの 人は勝手だったもの 何時も勝手だったもの 美しく在る為に 勝手だったもの」とある。
[1]
元光GENJIの諸星和己も、2016年11月6日放送のバラエティ番組『にけつッ ! !』(日本テレビ)に出演した際、千原ジュニアとの会話でジャニーについて、
千原 「数年後に大スターになると見抜くその力よ」
諸星 「違う違う、たまたま、たまたま」
千原 「先見の明がすごいんでしょ?」
諸星 「僕の考えだと、“結果論”だね。 あの人(ジャニー喜多川)の目がいいとか、見抜く力がすごいとか、“全く”無い!」
と断じ、ジャニーに対する世間の過大評価に異を唱えた。 そして番組の最後では、「ジャニーの感性はね、あれホ〇だから!」と締めくくった。
ジャニーについてはよく、「少年の10年後の成長した顔が見えていた」などと評されてしまうことがあるが、それは間違い。
確かに子供の頃は冴えない平凡な顔をした者が、美容整形なども踏まえて将来二枚目に化けたパターンもあるが、その一方、小さい頃は可愛かったのに、成長と共にどんどん劣化してしまったパターンも少なくない。
そもそも、テレビなどで頻繁に同じタレントの顔を目にしていれば、視聴者の目はその顔に慣れていく訳だから、マイナス面はどんどん軽減されていく。
ジャニーが持っていたのは権力と財力であって、人の10年後の顔はおろか、人の本質や将来を見抜けるような特殊能力、神通力は存在しない。
ジャニーは将来を予見して採用していたのではなく、ただ単に、今その瞬間の“自分の好み”の少年、個人的に性欲を感じる“ヤりたい相手”を選んでいただけであり、その少年がたまたまスターになるかならないかは、諸星が述べた通り、後からついてきた“結果論”に過ぎない。
ジャニーに個人的に嫌われれば、いくらスター性や才能がある者であっても捨てられるし、ジャニーに個人的に好かれれば、スター性の無い者であっても権力と財力でメディアにゴリ推しされ、結果、誰でも人気者になれた。
こうした、ジャニーの個人的な好み、機嫌だけで全てが操作・決定される、非常に特殊で独裁的な事務所だったため、多くのスターを製造した一方、本当に将来有望だったはずの多くの才能も死んでいった。
なお諸星はこの放送の一ヶ月後の2016年12月2日に大沢樹生と共に開催したトークライブでも、ステージ上で「俺が何で結婚しないか? ホモだから。 ジャニーみたいなものだから」と発言し、ジャニーを茶化している (諸星自身がゲイであるという部分は自虐による冗談であり、諸星はゲイではない)。
1988年~1989年にかけ、月刊誌『噂の眞相』もこの問題を数回取り上げた。
しかしジャニーズ側は、「『噂の眞相』という雑誌はこの世に存在しないもの」という姿勢を貫いていたため、全く相手にされることは無かった。
週刊誌『FOCUS』(1989年8月11日号、 新潮社)に、ジャニー喜多川が合宿所で撮影した田原俊彦の全裸のポラロイド写真が流出掲載される。
1999年10月28日号から2000年2月17日号にかけ、『週刊文春』がジャニーズ事務所に対する糾弾を14回に渡ってキャンペーンとしてシリーズ掲載。
ジャニーが所属タレントに対してセクハラ・児童虐待を行い、事務所内では未成年所属タレントの喫煙や飲酒が日常的に黙認されていると報道し、約15名もの元ジャニーズJr.が取材に協力した。
出版元である文藝春秋は、他の大手出版社と違ってジャニーズ事務所との癒着や影響力が皆無に等しかったために出来たことだった。
【キャンペーン開始の引き金的な記事】
江木俊夫 公判で元アイドルが「ジャニーズ」批判 (1999年10月7日号)
【14回のキャンペーン】
青山孝 元フォーリーブス衝撃の告発 芸能界のモンスター「ジャニーズ事務所」の非道 TVも新聞も絶対報じない (1999年10月28日号・p252~255)
ジャニーズの少年たちが耐える「おぞましい」環境 元メンバーが告発 「芸能界のモンスター」追及第2弾 (1999年11月4日号・p190~193)
ジャニーズの少年たちが「悪魔の館」合宿所で 「芸能界のモンスター」追及第3弾 強いられる“行為” スクーブグラビア ジャニーズ「喫煙常習」の証拠写真 (1999年11月11日号・p26~29)[1]
テレビ局が封印したジャニーズの少年たち集団万引き事件 追及キャンペーン4 マスコミはなぜ恐れるのか (1999年11月18日号・p188~191)
ジャニー喜多川は関西の少年たちを「ホテル」に���び出す 追及第5弾 芸能界のモンスター (1999年11月25日号・p188~191)[1]
ジャニーズOBが決起! ホモセクハラの犠牲者たち 芸能界のモンスター追及第6弾 (1999年12月2日号・p195~197)
小誌だけが知っているジャニー喜多川「絶体絶命」 追及第7弾 (1999年12月9日号・p179~181)[1]
ジャニーズ人気スターの「恋人」が脅された! 追及第8弾 (1999年12月16日号・p185~187)
ジャニー喜多川殿 ユー、法廷に立てますか? 「噴飯告訴に答える 追及第9弾」 (1999年12月23日号・p179~181)
外国人記者が「ジャニー喜多川ホモ・セクハラは日本の恥」 追及第10弾 (1999年12月30日号・p38~40)
ジャニーズ裁判 元タレントはなぜ「偽証」した キャンペーン再開! (2000年1月27日号・p180~181)
ジャニー喜多川よ、ファンもこんなに怒っている 徹底追及(第12弾) (2000年2月3日号・p165~167)
NYタイムスも報じたジャ二ー喜多川「性的児童虐待」 (2000年2月10日号・p172~173)
ジャニー喜多川「性的虐待」 日本のメディアは腰くだけ ピュリツァー記者が激白 (2000年2月17日号・p34~35)
【追加報道】
スクープ撮! ジャニー喜多川の素顔 (2000年3月16日号)
ジャニー喜多川の性的虐待! 母親が決意の告白 「息子は私に訴えた」 (2000年3月23日号・p184~186)
新展開 ついに国会で質問されたジャニーズ性的虐待 なぜNYタイムスしか報じないのか (2000年4月27日号・p176~179)
ジャニーズ疑惑 梨元勝国会で証言へ! (2000年5月4日・11日合併号・p180~181)
大手メディアがこの性的児童虐待問題をこれほどまでに取り上げたのは1960年代以来初めてのことで、その波紋は大きく、自民党衆議院議員・阪上善秀(後の宝塚市長)も、2000年4月13日にこの問題を衆議院で取り上げた [注 6]。
1999年11月、ジャニー側は名誉毀損であるとして文藝春秋を訴え、1億700万円(ジャニーズ事務所に対し5350万円、ジャニー喜多川に対し5350万円)の損害賠償と謝罪広告1回を求める民事訴訟を起こした。
2002年3月27日、東京地裁の一審判決では、「高度の信用性を認めがたい。
証人の証言はたやすく信用できない点を残している」としてジャニー側が勝訴し、東京地裁は文藝春秋に対し、ジャニーへ440万円、ジャニーズ事務所へ440万円の、計880万円の損害賠償を命じた (井上哲男裁判長)。
文春側はこれを不服として東京高裁に控訴。 これに対抗するかのようにジャニー側も控訴。
2003年7月15日の二審判決では、ジャニーの性的児童虐待に関する記述について、
「喜多川が少年らに対しセクハラ行為をしたとの各証言はこれを信用することができ、喜多川が、少年達が逆らえばステージの立ち位置が悪くなったり、デビューできなくなるという抗拒不能な状態にあるのに乗じ、セクハラ行為をしているとの記述については、いわゆる真実性の抗弁が認められ、かつ、公共の利害に関する事実に係るものである」
と結論づけられ、ジャニー側の性的児童虐待行為を認定 (矢崎秀一裁判長)。
このため、性的児童虐待部分のジャニー側の勝訴は取り消され、損害賠償額はジャニーへ60万円、ジャニーズ事務所へ60万円の、計120万円に減額された。
ジャニー側は損害賠償額を不服として最高裁に上告したが、2004年2月24日に棄却され (藤田宙靖裁判長)、120万円の損害賠償と性的児童虐待行為認定が確定した。[1]、[2]
しかし各芸能マスコミは、一審の880万円から120万円に減額された事実だけをベタ記事で書いて済ませ、「性的児童虐待が認められた」という肝心の部分は書かなかった。
この問題について、懐疑主義団体「JAPAN SKEPTICS」の機関誌『NEWSLETTER 53号』にて、当時同会の副会長だった草野直樹が批判。
「マスコミの誤りというのは、『間違ったことを報じる』だけでなく、『必要なことを報じない』ことも含まれる。 そして後者の多くは、いくつかの『タブー』に縛られていることが原因になっている。
報道におけるタブーのベールを抜いた報道には、オカルト・疑似科学の類と同様に騙されないようにしよう」と訴えた。
芸能評論家の肥留間正明も、「芸能界でホモセクハラが裁判になったのは異例。
真実と認められたのも初めてで、これは社会的な事件」と語っている。
また、ニューヨーク・タイムズや、イギリスの新聞・オブザーバーなどの海外メディアも大々的に取り上げ、この問題をタブー視するなどして真実を報道しない卑怯で腰抜けな日本のマスメディアの姿勢、体質を批判した。
以後もジャニーズ事務所と文藝春秋は対立。 2006年に『武士の一分』が映画化された際、ジャニーズは文春文庫で発売されている藤沢周平の原作本の帯に、主演の木村拓哉の写真の使用を一切許可しない、という対抗措置を取っている。 また、木村が工藤静香と結婚した際にも、会見への週刊文春の参加を禁じた。
そのため、文春側は巻頭グラビアで白紙ページに木村とインタビュアーの輪郭のみを描き、ジャニーズによるメディア統制であると非難した。
2010年3月14日、サイゾーウーマンにてシリーズ連載「新約・ジャニーズ暴露本」開始。
2018年6月6日、サイゾーウーマンにてシリーズ連載「いま振り返るジャニーズの“少年愛”報道」開始。
2019年7月9日にジャニーが逝去。
その際、テレビや雑誌など、日本の主要メディアではジャニーを賛美する歯の浮くような美辞麗句のみが並べられ、まるでジャニーを聖人君子かのように崇め奉った。
ジャニー喜多川 - ジャニーズ百科事典
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『Culture⊂サブカルチャー #身体 #場所 #メディア』
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Minetaro Mortal Plastic Vandals & Hove Albion Hobby Club
『Culture⊂サブカルチャー #身体 #場所 #メディア』
□ Art Exhibition
会期 / 3月23日(土)24日(日)両日とも13:00-20:00
生島国宜 / ixima kuniyosi
上戸マリー / Marie Ueto
うんこみねたろう / unkominetaro
藥伊 美雨 / Miu Kusui
Tomop
長野光宏 / Nagano MItsuhiroMaiton
西川諒 / Ryo Nishikawa
西園尚志 / Takashi Nishizono
安武聡太 / Sota Yasutake
福地英臣 / Hideomi fukuchi
□ Artist talk side1
会期 / 3月23日(土)17:00-19:00
司会 / 坂口将史
パネラー / 生島国宜 うんこみねたろう 福地英臣
□ Artist talk side2
会期 / 3月24日(日) 17:00-19:00
司会 / 坂口将史
パネラー / 長野光宏 Maiton 西川諒 安武聡太
料金:入場無料
場所:IAF SHOP*
福岡市中央区薬院3-7-19 2F
TEL:090-5475-5326(佐藤)
http://iafshop.tumblr.com/
「洗練された」知的、精神的、芸術的活動を表すものとして、またナショナル・アイデンティティを裏打ちするものとして我々の中に身体化されているCulture。その主流文化の双生児として生まれ、中心に対する周縁として対置されてきたのがサブカルチャーである。そしてサブカルチャーもまた、主流に対する対抗的、あるいはオルタナティブな価値観の下で成長し、特有のアイデンティティ、あるいはレッテルを我々にもたらしてきた。ただしCultureは、人々の生活、経験、実践の中で常に再構成され続けるプロセスなのであり、決して静的なものではない。「Culture/subculture」の対置構造と、それを内面化したアイデンティティの在り方についても、時代や土地などの諸要素がそこにさらに折りたたまれるため、個々人で微妙に異なる。それは、Cultureの発信者であるアーティストにおいても、例外ではない。また現代に目を向ければ、価値観の多様化と通信・デジタル技術の発展、主流文化の権威性の弱体化により、「Culture/subculture」の対置構造が薄れている様子が見て取れる。だがその一方で、「何をアートとするか」というCulture概念を由来とする境界線の問題は、今なお議論の的であり続けている。東京とそれ以外の都市という地政学的な中心ー周縁モデルも、我々が物理的な身体を持つ限り、完全に消し去ることは不可能だ。「Culture/subculture」の境界は、曖昧になりながらも依然として存在しているのである。本イベントでは、アーティスト達の(無)意識下における(sub-)Cultureのありようを、作品展示とトークショーを通して浮彫にしていく。そして福岡という、東京に対する「周縁」に位置する土地の力場の中で生まれた動態としてのCultureを、アーティストたちの(sub-)Cultureの目線から改めて見つめ直していく。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)12月8日(金曜日)弐
通巻第8040号
SBU(ウクライナ保安庁)はKGB仕込みの破壊活動、暗殺、謀略機関
ウクライナから6500キロも離れた東シベリアまで遠征し列車爆破。
*************************
ウクライナのSBU(保安庁)はKGB仕込み、破壊活動、暗殺、謀略なら任せろとばかり、モスクワへ逃れた親ロシア派の元ウクライナ国会議員やロシア系住民区の親露派政治家らを暗殺した。
これはウクライナ軍の劣勢をカバーするため武威を示す軍事行動だが、ロシアの影響下の地区でも反ウクライナ政治家が暗殺されるとはロシア側の治安の失態、つまりプーチンの顔に泥を塗ったことになる。
そして今度はウクライナから遠く6500キロも離れた東シベリアまで遠征した。
SBUの特殊部隊がシベリア東部で線���を爆破したのだ。場所はモンゴルとの国境に位置する露ブリヤート共和国のトンネル内。バイカル湖北東部セベロムイスキー付近で、11月29日夜から30日にかけて、貨物列車の通過に合わせて四つの爆発物を爆破させた。
この鉄道はロシアと中国を結ぶ主要な輸送ルートで、北朝鮮がロシアに提供した兵器の輸送にも使われた。バイカル・アムール鉄道とシベリア横断鉄道は主要物流網であり、2022年の実績物流量は1億4900万トン。軍事作戦としては「上出来」である。
ロシア調査委員会は声明を出し、「モンゴル隣接地域のブリヤートで燃料を積んでいた列車の火災が発生したが、人命被害はなく、原因を調査中だ」とした。
張作霖爆殺事件を連想した人が多いだろう。
1928年(昭和3年)6月4日、中華民国奉天市(現・中華人民共和国遼寧省瀋陽市)近郊の橋梁付近で、張作霖が爆殺された。 関東軍は通過予定の橋梁に爆薬をしかけ、張作霖の特別列車通過時に爆発させたのは事実、ながらく陸軍大佐だった河本大作が主犯とされてきた。
しかしソ連が列車内に爆弾を仕掛けていた事実は長い間伏せられた。張作霖の死因は列車内の爆発だった。詳しくは加藤康男『謎解き「張作霖爆殺事件」』(PHP新書)に書かれており、「ソ連特務機関犯行説」とともに「張学良犯行説」に言及している。
▼ゼレンスキー政権も路線対立が鮮明に
ウクライナの首都キエフ(キーウ)市長で「ゼレンスキーの朋友」ともいわれたクリチコは元ボクシングヘビー級チャンピオンである。プロボクサーとしてWBC、WBOで世界ヘビー級王座を獲得し、実弟のウラジミール・クリチコも、WBA、IBF、WBOの世界ヘビー級王座を獲得している。
クリチコは「反ロシア」の旗を掲げ、キエフ市長はすでに九年。「ゼレンスキー氏は自らの犯した過ちの代償を払っている」とキリチコ市長は驚くべきことを発言しはじめた。
「ウクライナ大統領は軍の準備が不十分だったという警告に耳を傾けず、戦争が起こるという警告を土壇場まで否定していた」。
次期大統領候補とも言われるクリチコ市長は、「戦争が終わるまで彼を支持しなければならないだろう」としながらも、直近のウクライナ国民の心理的変化を感知している。
支持率は世論調査が行われないので不明だが、敗戦ムードと政府高官等の汚職の蔓延で、おそらくゼレンスキー支持は25%程度だろうとも観測されている。
ゼレンスキー側近までが、『タイム』とのインタビューで匿名を条件に「彼は自分自身を欺いている。もう選択肢はありません。私たちは勝っていません。」
12月3日、クリチコ市長はドイツ週刊誌「シュピーゲル」並びにスイス紙のインタビューに応じて次のような発言をした。
「ゼレンスキー大統領は徐々に独裁的に変化している。市長と州知事の独立性だけがウクライナの独裁国化を食い止めている。ゼレンスキー大統領は失敗に対する代償を支払うことになる。結局、失脚するだろう」と続けた。ただし賢明なコメントを付け加えた。
「戦争状況では大統領を交代しないのが重要だ」。
12月1日、プーチン大統領が露軍兵士の定員を最大132万人に増やす大統領令に署名した。
約15%の増員となる。ウクライナ戦争の長期化を見据え、前線に補充する軍事力の基盤拡大を図る。やっぱり長期戦になりそう。。。。。。。
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ゴジラー1.0観ましたよ!
ゴジラー1.0を公開当日、ゴジラの日の朝一番にドルビーアトモス上映で見てきた。
チケットも高いし、迷ったけど、迫力もあって、選んで良かった。
最初、ドルビーアトモスの紹介動画が流れたのだけど、特徴を際立たせたその没入感と音の迫力に思わず少し泣いてしまった。
自分のツボが謎すぎる。
予告編だけみて、内容の予想を勝手に立て、Twitterに投稿していた。
7月12日の事だ。
「ゴジラ-1.0勝手予想。運良く特攻を避けていた非戦派の主人公が、葛藤の末、
国産核兵器(京大制作)を積んで、唯一残っていたゼロ戦で、戦災を免れていた京都に現れたゴジラ相手に特攻。
日本人が日本人の手で0の日本を-1.0とする。クレーターと化した京都市内。煙の中から咆哮が…。劇終。」
「ゴジラ-1.0勝手予想2。昭和二十年九月二日。
東京湾で戦艦ミズーリが轟沈。連合国は日本の仕業と判断し、十一月、ダウンフォール作戦が発動される。
九州南部を強襲する連合国、迎え撃つ旧軍、そこへゴジラが現れ戦場は大混乱に陥る。
一方国内は物資欠乏、食料危機も迫るのだった…。」
という風でで、さて以下ではネタバレ込みで予想の適否とその他諸々の感想を書き殴っていく。
本投稿は予約投稿を指定しておき、3か月程度経過した後にポストされるようにする。
予想1、「特攻を避けていた主人公がゴジラを倒す為に特攻を決意、とどめを刺したかに見えたが咆哮が響く」
というのは、大枠で正解してしまったと言えるのではないだろうか。
何となく思っていた通りになってしまったことは、却って寂しい感じもする。
しかし、だからといって単調な駄作という事では決してなかった。
さて私も普通に生きてきたので、日本の大衆的な創作物の文脈にあるものを摂取しながら育った。
ある程度色々と見ると、その文脈の中でも頻出の「お約束」があり、それをを感じると却って醒めてしまうというのはよくある。
そうして私は所謂「所謂アンチ邦画派」になってしまった。世の中にも一定数そういう人がいるようで、
私もそうした人と同じように洋画と比べた時になんだか脚本が観客を舐めてないかとか、カメラワークが稚拙でないかとかをついつい考えてしまう。
今回のゴジラでも同じように、主人公とヒロインの心が通う…と思ったら…からのどっこいやっぱり…という展開にはやはり感じ入るものがある。
加えて、戦闘機の追加装備の件、私なら爆弾の安全装置が二重なんだと筑波の整備兵氏に嘘をつかせる。
ああやって言葉で説明しないと観客は理解できなかろうと思われている所が割に許せないのである。
座席の後ろに箱があり、大写しにしている時点でそれ位は察せるし、きちんとそういう演出をしているじゃないかと思う。
それと、全体的に生きろとか死ぬなとかセリフにあり過ぎてこれにも難を感じる。
私の感覚では、意外とそういう事は口にしないもので、人間危急の時であってももっと目の前の事を語るのではないかと思う。
生きろ、じゃなく逃げろならまだわ��るかな。
比較してもしょうながいけど、シン・ゴジラの「幹事長は任せろ」みたいな物言いが「本物」なのではないか?とか思ってしまう。
一方で、昔は、「戦場から逃げてしまった負い目」とか「戦争のトラウマをひきずっている」とか、「それらを吐露して涙を流す」とかの描写も好きではなかった。
しかし、今、私も三十半ばとなり、自分自身も私を取り巻く現実にも大小様々な嫌な事、辛い事が満ちていて、
そうしたものに囚われながら生を重ねており、それがストーリーの軸になること自体についてはおかしく思わないようになってしまった。
むしろそうした描写に居心地の悪さを感じていたこと自体が、自分の怯えをそれと理解できなかったからだという風に考えるようになってきた。
さて、映画とかを見てちょっと醒める瞬間の話に戻して、
じゃあやっぱり「あ~三丁目の夕日かね、もっとシン・ゴジラみたいなら良かったね」と思うかというと全然そんなことはなかった。
ゴジラ自体が恐ろしすぎて、その「お約束」で逆にバランスを取れているんじゃないかと思わされる位だった。
人間がくちゃくちゃにされてしまうシーンは割と直截的であって、ゴジラの剝き出しの敵意と合わさってそれが恐ろしい。
逆にこの雰囲気だけで全編終わってしまったら、ただ後味が悪いだけになったろうと思う。
自分でも先に触れてしまった事だけど、直近の実写ゴジラといえば「シン・ゴジラ」で、あれは、ある種の「正解」になってしまっていると思う。
シンを鑑賞後にゴジラシリーズを振り返ってみると、要所要所にこれまでのゴジラシリーズのモチーフがあり、
例えば胸躍る音楽である所の「宇宙大戦争マーチ」にしたって、実はシン・ゴジラが初めてではないのであった。
にも拘わらず、初めて/久し振りに「ゴジラ」を見た人をああまで虜にするその新規性と作りこみという点が凄いと思う。
庵野作品だから。庵野作品が好きな人の感想ばっかり私が見ているから、とかもあるかも知れないけど。
でもユリイカのシン・ゴジラ特集の寄稿者の真剣味とかもそれはそれはすごい熱量だった。
とまあ、そこと比べられる事が前提でありつつ、
他方「山崎貴のエンタメ」を見に来る人を考慮に入れながら東宝の看板作品を撮るというのはどれ程難しいだろう。
私は、その両方を満足させられるだけのものを感じた。
一方で分かりやす過ぎるほどの分かりやすさを、一方で突き抜けた恐怖を…という感じに。
あれだけ人間を蹂躙できるのだから、浜辺美波ちゃんのところがどっこいも、なしにしようとすればできたと思う。
それを、そうせずに、ハッピーエンドを重ねつつ最後にひと押し崖から突き落とす示唆があるという所で、
私は印象を攪乱され、良いとも悪いとも断言できない深みを覚えたのであった。
正に、「恐れ入り谷の鬼子母神」。
以下、観ながら頭に浮かんでいた事の羅列。順不同。
第二復員省の関西弁のおじさん最高。
東洋バルーンの技術者さん達最高。
浜辺美波ちゃん。
佐々木蔵之介様~。
鐘がなりますきんこんかん♪
ジュラシックパークやん!
インデペンデンスデイやん!
電車パクーはファーストゴジラオマージュとしては誰もが喜ぶやつだよねー。
大人の男はタバコを吸うという描写から逃げないのいいね。朝ドラとは違う。
幼い子が出てきちゃうのははずるい。
浜辺美波は、シン・仮面ライダーでも成り行きで一緒に住むことになってしまった魅力的な女の子役だったけど、
まさかゴジラでも同じような役柄になるとは…。彼女の何がおじさん達にそうさせてしまうのだろうか。
にしても「できないよ!」からの「乗せて下さい!」は、あまりに碇シンジ君。
というか逆に、神木隆之介君は既にエヴァで本物の碇シンジ君になっていたか…。
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Besuto essei. 202
New item:
日々の雑感、考察、失敗談から、亡くなられたあの方への追悼文まで… さまざまな書き手たちが、「エッセイ」という枠組みのなかで書き記した2021年の記録。 この年に新聞・雑誌等の媒体に発表された中から選りすぐった、珠玉のアンソロジーです。
Shelf: 914.68 BES 2022
Besuto essei. 2022 = The best essay.
edited by Nihon Bungeika Kyōkai.
Tōkyō : Mitsumura Tosho Shuppan, 2022.
ISBN: 9784813804147
337 pages ; 20cm.
Editorial board members: Kakuta Mitsuyo, Hayashi Mariko, Fujisawa Shū, Horie Toshiyuki, Machida Kō, Miura Shion.
Text in Japanese.
Table of contets:
部屋にいる感じ / 武田砂鉄
ロクな恋 / 李琴峰
特に秘密、ありません / 二宮敦人
親父の枕元 / 原田宗典
犬の建前 / 宇佐見りん
いつか「コロナ福」だったと言える日 / 鷲田清一
紙 / 内田洋子
学び始める春、失敗を楽しむ / 山本貴光
瀬尾夏美 / おじいさんの空き地
落合博満への緊張感 / 鈴木忠平
月の砂漠 / 小池水音
冷水を浴びせる : 坂上弘の文体 / 三浦雅士
陰のある光 / 小泉凡
脳内・ドイツ / マライ・メントライン
父と兄の書棚が招いた変な読書 / 志茂田景樹
心の扉を開く音楽 / 寮美千子
立花隆さんを悼む / 柳田邦男
失われゆく昭和探して / 川本三郎
大人への扉を開けたのは / 加納愛子
関係性の結晶 / 齋藤陽道
ガラスのこころ / 岸田奈美
"諦められない"心でアイヌ語研究に夢中 / 金田一秀穂
アイヌとして生きる / 川上容子
佃煮に想う / 小泉武夫
最高の食事 / 田中卓志
珠玉の世界 / ブレイディみかこ
神様、世間様 / 尾崎世界観
さいとう・たかをさんの思い出 / 辻真先
コロナ禍社会と密になった / 本谷有希子
最後の飛翔 / 椹木野依 -- 我が町の「宝」 / 井上理津子
ネガティブな皆さんへ / 尾上松緑
「あいつなりに筋は通ってるんだ」 / 岩松了
翻訳とは / 村井理子
「覚えられない」 / 茂山千之丞
白土三平さんを悼む / 田中優子
そんな時代 / 海猫沢めろん
ともに歩けば / 小川さやか
(笑)わない作家 / 万城目学
雪原 / 岸本佐知子
河合雅雄さんを悼む / 佐倉統
学園の平和、取り戻せ! / みうらじゅん
料理 / 小山田浩子
田中邦衛さんを悼む / 倉本聰
「声」分かち合う喜び / 温又柔
エリック・カールさんを悼む / 松本猛
月みる月は / 彬子女王
トーストと産業革命 / 青山文平
祖父母のすずらん守る / 星野博美
考えることに失敗する / 神林長平
悪態俳句のススメ / 夏井いつき
死も遊びだと思いましょ / 横尾忠則
UFO / 柴田一成
「やめた」後の達成感 / ほしよりこ
息子よ安心しなさい、あなたの親指は天国で花となり咲いている / 青木耕平
那須正幹さんを悼む / 高樹のぶ子
愚かさが導いてくれた道 / 沢木耕太郎
クールでお茶目なかっこよさ / 谷慶子
機械はしない終業挨拶 / 黒井千次
閉、じ、こ、も、り / 村田喜代子
ナマケモノ / 奥本大三郎
夢を彷徨う / 髙村薫
愛しの小松政夫さん / 鈴木聡
胃袋の飛地 / 湯澤規子
『老人と海』をめぐる恋 / 高見浩
「すごい」と「やばい」 / 酒井順子
写真を撮られるということ / 松浦寿輝
安野光雅さんを悼む / 大矢鞆音
この世の通路 / 佐々涼子
◆編纂委員作品◆
瀬戸内寂聴さんを悼む / 林真理子
多分、両方だと思いますよ / 町田康
忘れがたきご亭主 / 三浦しをん
あそこの棚に置いてある。 / 堀江敏幸
それは私の夢だった / 角田光代
遠き花 / 藤沢周.
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731部隊石井四郎隊長がA級戦犯を免れるまでの足跡を追ったドキュメンタリーですが、丸っきり今のmRNAワクチンからレプリコンワクチンの人体実験および医療産業複合体のネットワークとシンクロしています。勿論、内藤良一の名前も出てきますし、北野政次、朝枝繁春、服部卓四郎なんかの名前も出てきます。厚生労働省正門前に、薬害エイズ事件などを二度と起こさないとの誓いの碑はあっても、731部隊の人体実験を二度と起こさないとの誓い碑は無いどころか、その存在すら日本政府は認めておらず、故に現在の日本人がマルタにされています。岸信介や児玉誉士夫、笹川良一、正力松太郎、緒方竹虎、塚本素山らおよび彼らが作った似非保守と日本医師会が、日本国民の健康・生命と財産を外国勢力に差し出し、自身の罪を被せたと言っても過言ではありません。日本国民は、本当の歴史を知らなければ、いつまでも見えない戦争で、自身のDNAまで侵され続けるでしょう。目を覚まして下さい。
暗殺覚悟で真実を投稿する、731部隊と日本の製薬会社とレプリコンワクチンの関係!Self-amplifying mRNA vaccines、通称レプリコンワクチン。人間の体内で自己増殖するmRNAワクチンだ。これがMeiji Seikaファルマが製造販売し、臨床治験が承認されてしまった。これが731部隊と関連するのだ!一般財団法人化学及血清療法研究所、通称『化血研』の事業をKMバイオロジクス(株)が2018年7月2日に引き継いだ。さらに、2018年10月17日にMeiji Seika ファルマとKMバイオロジクス(株)コ・プロモーション契約を締結し、事実上Meiji SeikaファルマがKMバイオロジテクスを飲み込んだ形だ。 このなかにワクチン事業を戦後すぐから行っている化血研が存在している。 この化血研は、なんと戦後すぐの1945年12月26日に設立されている。 しかも、化血研は不正事件を長く起こしていた。各種ヒト用ワクチンで遅くとも1974年ごろから、製造時に添加剤の量の変更や国の承認書にないヘパリンの添加を行ったり、加熱方法を変更するなど、本来の製造方法の一部変更の承認手続きを踏むことなく、血漿製剤を承認書と異なる方法で違法に製造し始めていたのだ!! この事件は、最終的に理事長などが責任をとって辞職して終わったことにされた。 しかし、どうみても「会社ぐるみ」「時の政府との癒着」があったのは事実だ 化血研は、日本のインフルエンザワクチンの3割前後を供給していたので、生産ラインを止めるわけにはいかない、というのが厚労省、検察の基本になっているからだ。 この化血研は、あの「731部隊」との系譜があるのだ 731部隊といえば、石井四郎中将を中心とした、関東軍の防疫「研究」を担い、細菌を使った殺戮方法の研究をしていた、当時でも国際法違反の部隊だ。 731部隊の研究者は、多くの者が現在の武田製薬の人間である。 この石井とともに中心的メンバーであった幹部に「内藤良一大佐」という人物がいた。戦後、石井隊長らとともに研究資料の一切をGHQに提供したので、東京裁判にかけられることもなく、戦犯容疑は免責され、数えきれないほどの「生体実験」の罪はなんら問われることはなかった。その内藤らが作ったのが「化血研」なのだ。
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東京滞在日記。
◆Day1
12:45 新横浜到着。寒いと思ってヒートテックやらネックウォーマー、起毛したパジャマを持っていったにも関わらず、気温25度で照り返しがきつく汗ばむ気候。東京に住んでいた頃、関東は体感温度が関西よりも5度くらい低い気がしていたのに。レイジアゲインストザマシーンのウィズアウトアフェイス。かっこええー。96年発売の曲の中で一番好きかもしれないな。いや分かんないけど。終わるのが悲しくてリピートしてしまう。
12:57 京急に乗って雑色へ。「ぞうしき」と読むらしい。聞いたことも見たこともない地名。最近友人が引っ越したというので、おじゃまさせてもらうことになった。ありがとう。大田区。飛行機に乗らない私にとってはあまり縁のない地区。東京タワーからは程遠く、都会とは縁のなさそうな樹々が生えていて、なんだか良さそうな街。昔ながらの商店街もある。バックナンバーからaiko、いきものがかりと平成J-popが次々と流れてくる。結構長そうな商店街。天六ほどではないだろうけど、先が見えないので抜けられるのかドキドキする。突然見覚えのある走り方をする人影が見えてきた。
13:55 友人宅到着。ちょっと駅からは離れているけど、立地は最高。大きな窓からは多摩川が見えていて、開放感でいっぱい。空港が近くにあって、すぐにここを飛び出してアメリカへでもいけそう。
14:30 友人は1日在宅ワーク。ずっとパソコンに向かってタイピング&会議私は後ろでひたすらゴロゴロ。ヒモみたいになってた。
16:00 夕方、仕事終わりの友人と茶をしばくため虎ノ門へ。むっちゃ薄暗い照明のお店。店内はマスターのオキニが詰まった宝庫みたいになっていて、グレングールドがかかっている。ライトな雰囲気のカフェと聞いていたけど、かなり荘厳な感じ。バカ話できるかな?友人登場。私が今ちょうどほしかったcasetifyのiPhoneケースを使っていてテンションが上がる。「ちょうど昨日藤原ヒロシが『便利』って言ってたよ」という話から佐川急便男子の話まで途切れることなく2時間強話しまくる。酸味の効いたコーヒーと濃厚なチョコレートケーキ、淡白なチーズケーキの相性がそれぞれ完璧だった。友人の背後からフライヤーの三島由紀夫が鋭い眼光でこちらを睨んでいた。ずっと怖かった。
19:10 『ざっくりYouTube』で見ていた池尻大橋の「喜楽亭」へ。ジュニアさんが座った席と同じところに座れてテンションが上がった。料理はもちろん極上。こう言っちゃなんだけどまずいハンバーグカレーとかあるのかなぁ。ルーとライスを綺麗に分けずに「親父ガケ」して「親父グイ」(ルーを皿一面にかけぐちゃぐちゃにして食べること)してしまう癖、治したい。というか治す。いやだわー。無意識って怖い、気をつけよう。
22:00 帰宅。友人と話す。思い出話2割、今後の話8割。昔は覚えてもないようなどうでもいい話しかしなかったのに、キャリアとか結婚とか出産とか、切ないね。けど仕方ないね。そうそう、何で雑色に引っ越したのか聞いてみた。いい場所だけど都心からはだいぶ離れているし…。友人曰く、最近の日本にますますいやけが差してきたので、すぐ海外に飛べるように空港付近にしたとのこと。かっこえ。昔から彼女の意思&意志が強くてすぐ行動に移せるところ、尊敬してる。
◆Day2
12:00 13時からの打ち合わせに向けて横浜へ。ほどよい都会感。建物の感じもどこかオシャレに見える。今日は風が強い。ふわっと香るくさいにおい。もう銀杏の季節か。『トークサバイバー2』で(シソンヌ)じろうさんが叫んでた「銀杏〜!くせえからうめえのか、うめえからくせえのか?」っていう素朴な疑問、私も思う。いつか教えてくれ。
15:30 一旦帰宅。友人会議中。多摩川を少し散歩する。『セトウツミ』の舞台ってここかなぁ?とかあらゆる平成ジャパニーズ映画のロケ地に思いを馳せながら歩いてみる。
16:50 半年ぶりに代田橋へ。行く場所は決まっているのに常に緊張する。Fat Boysを聴いて喝を入れる。
17:01 ジャスミンティー購入。手鏡にてデコに大きなおできと小さなニキビを確認。
17:10 緊張で首が左上右下に動いてる感じ。つまり吐きそう。
18:01 代田橋到着。とりあえずトイレに行く。
18:03 緊急事態。一旦酒を入れなければと彷徨う。
18:09 「納戸」は閉まっていた。がっくし。
18:18 「ジュークボックス」へ入る。マスターに挨拶するも覚えていない様子。半年ぶりだし2回目だから仕方ないかと思ったが、zineの話をしたら思い出してくれた。髪型とファッションで人は変わるということが分かる。コーヒー焼酎のロックを2,3杯入れる。美味い。
19:40 マスターに教えてもらった「大天狗」というお店に入る。焼き鳥がぶりぶりで美味しかった。この書き方だと不味そう。身が大きくて味付けも辛すぎず無すぎず、つまりちょうど良くて美味しかった。特にレバー塩。
23:39 終電に乗れた。代田橋に来る時はいつも終電と共にお別れだ。はー。終電といいながら蒲田までしか行かない。代田橋のお兄さんにもらったハイボールを片手に電車に揺られる。
0:16 蒲田駅から多摩川沿いを歩いている。徒歩22分。結構近い。友人に連絡する。川沿いで合流することに。
...
↑記憶なし
◆Day3
12:47 起床。若干頭痛。友人は会議中。
17:18 山手線に乗っている。今日学んだこと。二日酔いでも酒は飲め。但し、酒がないと話せない場合に限る。つまり緊張状態に縛られる状況の場合。
17:46 綺麗な夕焼けを写。肝心な時にカメラを持ってきていない。そして非常に落ち込んでいる。
↑夕焼け
19:15 友人とご飯に行く。カジュアルなフレンチビストロ。ここで「人生の目標」とか「働くこと」とか「死ぬこと」などシリアスな話を熱く語り合う。
20:39 多摩川散歩。酔っ払っていたので写真がすべてぶれている。
↑彗星到来。ネオ東京
◆Day4
8:45 朝から餃子を作る。大学時代から彼女とはずっと餃子パーティーをしていた。餃子で繋がる友情と言っても過言ではない。彼女の家族たちと餃子パーティーをしたこともある。今後誰と会ってもそうマウントをとっていく。味噌ダレで乾杯。パートナーの話で盛り上がる。いくつになっても色恋の話は楽しいな。しかし外食が多くて、胃が悲鳴を上げ始めてる。
10:45 多摩川の写真を撮る。毎日多摩川を見ながら生活できる幸せ。噛み締めた。川のある生活っていいなぁと実感。天気も良くて雲の形もポテトフライみたいでよかった。
↑ マンションの広告にありそうなくらい完璧な景色。うまく言えないけれど。
↑パノラマで撮った
11:00 友人と別れの時。でも12月にまた会える。でも帰り道少しツンときた。それくらい居心地が良くて、一緒にいて落ち着ける存在だったのだと改めて思う。会うのは半年ぶりだったけど、しっかり話すのは2年半ぶりくらい。彼女はすごく…さらにいい方に変われていて、刺激をもらうと同時にすこし、自分に対して不安になったりもした。同じ歩幅で歩いてると思っていたから。全然違ってたんだ!今、小さい頃に遠方の祖父母の家に何泊かして帰らなければならない時の悲しさで涙が止まらなくなるあの感じが襲ってきてる。嬉しいのに少し寂しいな。
12:02 有楽町駅到着。映画館の前を通り、スコセッシの新作今日公開だと思い出す。でも今日は無理。ノーマネーソーリー。
12:06 ある人と待ち合わせ。その後ランチ。
15:33 新幹線到着。いよいよ帰る。おセンチな気持ちなのでブレッドのプレイリストを聴いている。ただ、ウォークマンのプレイリストは厄介。
16:03 『Dumb and Dumber』(ジムキャリーはMr.ダマー)をみる。百面相最高。we love jim carrey!!!
18:40 帰宅
.
おしまい。
東京ってやっぱり刺激のある街。ずっといたら飲み込まれそうで怖いけど。昔からそう思っている。昔東京に数年住んでみたけど、まぁ仕事とか色々なことがあって、いい思い出は全くなかった。でもきっと、その頃の自分は視野が狭くて未熟で卑屈ですごく保守的だったのだと思う。その頃の自分のことを…ようやく客観的にみれるようになった気がした。離れてみるとやっぱ東京って面白い街だと思うし、会いたい人がいれば誰にだって会いに行けるし、刺激の宝庫だなと思う。
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三輪秀次の小説(二次創作)
三輪がみんなに誕生日を祝われる話
三輪秀次はよくラウンジで寝ている。
彼にとって、十代に入ってから多くの時間を過ごしているボーダー本部はもはやホームと言ってよく、しばしば気を抜いて、ぐうぐう寝ている姿が見られる。
とは言っても、真面目な彼のこと、迷惑にはならないようには気をつけているため、片隅でひっそりと寝ているのだが。
「…太刀川さんさぁ」
三輪は彼が苦手とする人物の名前に反応して、はっと覚醒した。
「あ、起きたな。三輪」
すぐ目の前に太刀川慶の顔がある。
ヒュッと息を吸い込んで、
目をパチパチとさせる。
「よく寝てたな」
ニヤニヤ笑う顔から、さり気なく身を引きながら、ヨダレが出ていないか不安に思いながら口元をぬぐう。いつの間にか寝顔を晒していたようだ。
「よ、三輪」
視線をあげると出水公平だ。後ろに唯我尊もいる。太刀川隊戦闘員勢ぞろいだ。
「今日、誕生日だってな。米屋が言ってた。おめでとな」
出水は何故か目をそらしながら言った。
「あ、ああ、ありがとう」
今日で、十七才だ。早く大人になりたい三輪にとっては、ようやくという気持ちだ。
同時に、トリオン器官の成長限界がじわじわと迫ってきているという焦りもある。もっと鍛えなければ。優れた才能や能力のない者は常に追い立てられている。
なにはともあれ、世間一般的にはめでたい日だ。
三輪隊で祝ってくれると申し出があり、準備のために作戦室から追い出されている。
ラウンジで時間を潰しつつ、本日出席する会議の資料を読み込みながらいつの間にか眠ってしまったらしい。
「え、これから会議?」
出水が三輪の手元の資料に気がついて、妙に焦ったような声をだす。
「なんだ? 出水?」
「行くぞ。出水」
太刀川はくるりと踵を返して去っていく。慌てて後をついていく出水、ちらりとこちらを見た唯我の視線が気になったが、端末に入れてあった会議の時間を知らせるリマインダーが鳴り出し、三輪の思考は別の方向に向かった。
「…三輪は今日、誕生日だったか?」
「はい」
風間蒼也はじっと三輪の顔を見つめた。会議室である。
「めでたいな」
「ありがとうございます」
既に、メンバーはそろっている。上層部では鬼怒田以外、A級部隊からは風間と三輪が出席していた。
風間には右も左も分からなかったボーダー入隊時から大変世話になっている。しかし、風間に世話になっている者はたくさんいる。わざわざ誕生日を覚えてもらっているとは思えなかった。こちらから言ったこともない。
「どうして」
知っているんですかと言い終わる前に、風間は疑問に答えてくれた。
「…米屋から聞いた」
あいつ、俺の個人情報をなんだと思ってんだと思いつつ、出水はともかく風間さんにならいいかとも思う。祝われて嬉しい気持ちもある。米屋はよく喋るが、おしゃべりではない。
「会議が始まるぞ」
どういう文脈で米屋とそんな話になったのか聞きたかったが、さすがに黙った。
「はい」
「慶に会ったのか」
会議の後、忍田真史本部長は退出しようとする三輪を捕まえて聞いた。
今日の会議はちょっとおかしかった。
誰も顔をあげずに、資料を見ながらボソボソと意見を交わす。言葉選びはきついが真っ当な意見を言う根付栄蔵メディア対策室長、必ず混ぜっ返す唐沢克己外務営業部長、城戸政宗司令とやり合うためだけに出席しているのではないかと(三輪には)思える林藤匠玉狛支部長。いつもはそこにド正論優先で嘘はつけない鬼怒田本吉開発室長が加わり、さらにカオスの様相を見せるが、本日は遠方の学術会議に出張中だ。
やっていることはいつもと同じなのだが、何故か皆、覇気がない。
目が合うとニヤリとかニコリと笑ってまた下を向く。城戸だけがいつもどおりだった。
会議前のランチミーティングにおいて、上層部だけで食べる高級弁当がビックリするくらいのハズレだったのかと推理してみる。一度、そういうときがあった。
それを思い出しながら、三輪は忍田の問いに答えた。
「はい、先程、太刀川さんにはラウンジで会いました」
「慶に何かされなかったか?」
「いえ、特に」
ガチめに寝ていたところを起こされたことは黙っておく。
「その…字は…いや、その、慶は…」
「太刀川隊の戦闘員と一緒にいたのでチームで模擬戦ではないでしょうか?」
「ああ、そうか? その」
歯切れが悪い。
そのとき、横から声をかけてくるものがいた。
沢村響子本部長補佐だ。
「三輪くん、今日、トイレに行った?」
いきなりトイレといわれてぎょっとするが、沢村とも長い付き合いだ。冷静な仕事ぶりとは別に、プライベートでは気さくな姐さんで、時々突拍子もないことを言い出すところがある。慣れている。
「行きましたけど」
「んん? そう。それはそうと、お誕生日おめでとう!」
「え、は、はい、ありがとうございます」
「あ、蓮ちゃんから聞いたのよ」
太陽のように笑って、忍田を促し、去っていく。
「あれ、三輪先輩、お誕生日おめでとーございます」
草壁隊攻撃手である緑川駿は三輪と目が合うなりそう言った。ラウンジに戻ってきている。三輪が端の方に隠れていたのに目ざとい。三輪は、内心舌打ちした。
「…ありがとう。米屋から聞いたのか」
今日は、行く先々で何故かおめでとう、おめでとうと言われてだんだん薄気味悪くなってきている。既に気分は個人情報漏洩案件だ。緑川は頭の後ろに両手を回して、ニヤリとした。
「ブー。違います」
「出水からだろう」
「ブブー。違います」
「…誰から聞いた?」
「ふふ、どうしようかな」
緑川は玉狛支部所属S級隊員の迅悠一の信奉者だ。単に懐いているだけならいいが、最近、迅に似てきた気がする。主に人を喰ったような言動が。
「緑川、おまえ」
お説教が始まりそうな気配を察知し、A級きっての機動力を誇る中学生アタッカーは慌てて反応した。
「あれですよ」
「あれってなんだ?」
「えーと、三輪先輩を見たらわかっちゃうんです」
「何が?」
「誕生日が」
三輪の不可解そうな視線を感じ、オレってばヤッサスィーと思いながら、補足する。
「みんなに俺は今日が誕生日だよってお知らせするシールみたいなのがついてるんですよ」
「何?」
三輪はバッと体を見る。そんな恥ずかしいものつけて歩いていたのか。シールを探すがどこにもない。顔を触るが何かついているわけでもない。背中か?
まさか会議中も貼ってあったのか? 今日の会議の妙な雰囲気を思い出す。俺は会議に何をつけて出席していたのか。
「どこに貼ってある?」
「ふふふ、どこでしょう?」
顔をあげれば、緑川はもう近くにいない。それだけ言って逃げ出している。
三輪隊作戦室である。
「あれ? 秀次、メールするまで帰ってくんなって…」
米屋陽介は振り返ってこちらを見たあと、彼にしては珍しい表情をして口を閉じた。
「その字は太刀川くんね」
月見蓮はこれもまた珍しく爆笑しながら、ウェットティッシュのケースと小さな丸い鏡を渡してくる。
それはシールですらなかった。
果たして、三輪の両頬をキャンバスにして下手くそな字が踊っている。
『はっぴーばーすでー みわ』
#三輪秀次隊員お誕生日おめでとう
終わり
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クィアたちのZINE交換【後編】
前回の記事に書いたが、ZINE交換会で、私は7冊のZINEをいただいた。
今回の後編では、それぞれを読んだ感想をまとめてみる。
※作者がセクシュアリティをどの程度オープンにしているか分からないため、ZINEの作者名は伏せています。
※オンラインで公開・販売されているものについては、末尾にリンクを貼っています。
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■「ノンバイナリーがわからない」というテーマ詩またはエッセイ
シンプルな紙面から、生きているだけで「男/女」と申告させる社会への失望が伝わってくる。これまで深く知る機会のなかった生きづらさに気付かされる。
「お兄さん」「お姉さん」という呼びかけも、時として相手のメンタルを削ることを学んだ。会話の端々で、知らず知らずのうちに相手を「男/女」のカテゴリーに当てはめていたかもしれない……と怖くなる。
「男/女」のあわいにいる人と同じ社会に生きているのだと、もっと意識して生活しなければと思う。
そして、無意味な性別の振り分けをなくす方向に社会を変えることも必要だ。当事者を死に追いやるレベルの苛烈なトランスヘイトが実際に起きている今、一層強く感じる。
シスジェンダーの自分には、まだまだ見えていないことがあると気付かせてもらえた一冊。
■YOGA HAMSTER STAMP
ヨガのポーズを、素朴なハムスターのイラストと共に解説するZINE。
モフモフしたハムスターが、1ページごとに「チャイルドポーズ」「猫のポーズ」などを決めている。手足が短いなりに頑張っていて可愛い。
様々な研究で、クィアが精神を病む率は、そうでない人よりも高いことが分かっている。
体をほぐし、リラックスする時間を意識的に取ることも、クィアとして豊かに生きる上では大事だなと認識した。いや……いっそハムスター飼う?
■LIFE LIFE LIFE vol.3 そうだ、京都行こう
写真が趣味の6人(Gender Identityは男性寄りと思われる)が、京都で撮った作品をまとめたZINE。
作品と共に、撮影エピソードも載っている。歴史ある町並みや自然の佇まい、旅の興奮が伝わってくる。
ZINE作りに参加した6人のうち、3人は一緒に撮影旅行をしたそう。
1人では挑戦しづらい着付け体験に連れ立って行き、着物姿で街を散策しながらお互いを撮り合う。スーパーで食材を買い、airbnbの宿で一緒に料理をする。朝は古い喫茶店でモーニングを楽しみ、香り高いコーヒーを優雅に味わう。
エッセイパートで若者たちの予測不能な旅の面白さを追体験しながら、友達が家庭を持ってしまった今はこんな旅行もしづらくなった……と少し切なさもよぎる。
なお、この3人のうちの1人が、旅先で気分が落ち込んでしまったときに2人がそっとしておいてくれて嬉しかったと書いており、印象に残った。
自分が相手より優位に立っていることをアピールしたり、キャバクラなどの空間で女性にケアしてもらいながら親睦を深めたりする「ホモソーシャル」なノリではなく、お互いに褒め合ったりケアし合ったりする友情の育み方が、読んでいて気持ちよかった。
作者のクィアネスについては特に触れられていなかったが、シスへテロ男性らしさを要求されないコミュニティが、作者の精神を支えているのかもしれない。
■Q&Q スモールトークが苦手なわたしのための質問カンペZINE
A6版の手に収まるサイズ感と、ポップなイラスト、ドミノピザの箱のような色使いが可愛い。
イベントで初対面の人と実のある対話ができるようにという心遣いから、各ページに「今日はどうしてこちらへ?」「今の社会に足りないものはなんだと思いますか?」などの質問が並び、読者(ユーザー?)はページを指差したりめくったりして会話を進めるという仕組み。便利!
趣味や好きなカルチャーに関する比較的軽い質問もあれば、「どんなジェンダーの相手とでも、友情は成り立つと思いますか?」「自分の力で社会は変えられると思いますか?これまでに何か変えられた経験はありますか?」など、ぱっと答えられないような深い質問もある。
後ろの方には、作者が推している海外ドラマや本などの紹介も付いていて、世界が広がる。
最近はセクシュアリティの問題を扱った作品の数が増えて嬉しい反面、作り手側に深い理解や考察のない作品は観ても傷つくだけなのでうかつに手を出せないという現実もある。
セクシュアリティについて日々真剣に考えている人から、口コミで良作を教えてもらえるのは有難い。
読んだのがイベントから帰った後だったので、作者の方と会場でこれを使って喋れたら更によかったかも。次回に期待。
★おまけ★
「どんなジェンダーの相手とでも友情は成り立つか」について:
友達になれないと感じるジェンダーの人は思い浮かばないが、テレビに出ているゲイやトランスジェンダー(ドラァグクイーン)に時折見受けられる「自由=性的に奔放」という考え方は苦手だなと思う。
タレントの恋愛相��に「積極的にどんどん行っちゃいなさいよ!そうやって経験を積んで人は大人になるんだから~」と答えるオネエ言葉の人たちは、恋愛やセックスをしない自由という発想がなさそうなので、友達になれる気がしない。知り合い止まりにしたい。
でも、あの人たちも、テレビが作り上げたステレオタイプを演じさせられているのかもしれない……どうなんだろう。
ドラァグクイーンでも文化人寄りのヴィヴィアン佐藤さんあたりは、恋愛相談に対してもっと深みのある言葉を返すのではないかと思う。
■アセクシュアルである私がどのようにしてサトシに救われ、今回の件でどのようなことを考えたか
2022年の冬、25年もの期間にわたって放送されてきたアニメ版ポケットモンスター(以下「アニポケ」)の主人公が、次のシーズンからサトシではなくなることが発表された。
このニュースは、アニポケのオタクであり、アセクシュアルでアロマンティック傾向のある作者にとって、人生を揺るがす出来事だった。
作者は、小学校時代から自身のセクシュアリティを自覚し、友人の恋バナについてゆけず疎外感を味わってきたという。
恋愛に無頓着でありつつポケモンバトルに魂を燃やし、そのまっすぐな生き方で人々に愛されるサトシの姿は、作者にとって救いだった。
脚本を書いた人は意図していなかったかもしれないが、テレビの前でアニポケを観ていた一人の小学生は、恋愛がなくても充実した人生を送ることができるというメッセージを受け取ったのだ。
主人公の少年が戦いを通じて成長するストーリーの少年向けアニメでは、多くの場合、サイドストーリーとして恋愛が描かれる。
「るろうに剣心」「NARUTO」「鬼滅の刃」など、主人公と女性キャラクターのカップルをぱっと思い浮かべられる作品は多い。
これらの恋愛は基本的に異性愛であり、同性カップルは登場しない。ほとんどの少年向けアニメの世界観は、シスへテロ恋愛規範に基づいていると言えるだろう。
こういった状況にあって、物語に恋愛を持ち込まないアニポケは、作者にとって抵抗なく楽しめる希有な作品だった。
サトシに好意を持つ女性キャラクターが登場しても、サトシにはぴんと来ず、「そんなことよりバトルしようぜ!」という態度を取る。そして、周囲はそんなサトシを責めたり馬鹿にしたりせず、「まあサトシだからね」と受け入れる。
こういった物語に触れることで、恋愛感情の湧かない作者は、自分自身も肯定されたと感じていた。
しかし、サトシが主人公のアニポケは、もう制作されない。作者の心の支えが、一つ失われてしまうのだ。
そして作者が危惧しているのは、「NARUTO」→「BORUTO」のような続編への移行だ。
「NARUTO」の続編である「BORUTO」は、「NARUTO」の主人公うずまきナルトとヒナタの息子が主人公。
この展開によって、主人公が異性と結婚して家庭を持つ=ハッピーエンド、という原作者と制作者の世界観が鮮明になった。
もし、同じように次期アニポケの主人公がサトシの子供になってしまったら――それはつまり、制作者の中に、「バトルに熱中していた少年も、大きくなれば異性を好きになって恋愛→結婚・セックスするのが当たり前」という考え方があることを意味する。
これまでアロマンティックやアセクシュアルを肯定する存在だったサトシが、シスへテロ恋愛の模範として再定義されてしまうことを想像し、作者は何度も泣いたという。
やり場のない不安を整理すべく、このZINEが作られた。
このZINEが突きつけてくるのは、恋愛や性愛のない人生を肯定してくれる物語の少なさだ。
純文学などの中には探せばあると思うが(谷崎潤一郎「細雪」とか)、沢山の人が楽しむアニメや漫画などのポップカルチャーの中に、主人公が恋愛なしで満たされている作品を見つけるのは難しい。
2022年、主人公がアロマンティック・アセクシュアルのドラマ「恋せぬふたり」がNHKで放送され、話題を呼んだ。
このような、恋愛に縛られない幸せの形を提示できる物語が、もっと作られてほしい。
そして、私も何か書けるかな……。
https://note.com/ichijosayaka_59/n/n93046e8a589f
■2306 最悪のプライド月間を、なんとかやり過ごすZINE
1968年にアメリカで起こったクィアによる反差別運動(通称「ストーンウォールの蜂起」「ストーンウォール事件」)にちなみ、6月は「プライド月間」とされている。
今年の6月も、世界各地でセクシュアルマイノリティへの理解を深めるキャンペーンやイベントが行われた。
日本でもこうした取り組みは盛り上がりを見せたが、一方でLGBT理解増進法案が保守勢力によって骨抜きにされるなど、国や社会によるクィアへの抑圧が鮮明になるような出来事もあり、国内のクィアにとっては希望を感じづらい1ヶ月となってしまった。
このZINEには、ゲイであり鬱療養中の作者がこの6月をどう過ごし、何を考えたかが記録されている。文章の合間にゆるい漫画や犬の写真が配置されているので、深刻な内容があってもそこまで肩肘張らずに読めて有難い。
鬱によって思い通りに動かない身体。過去に受けた性被害のトラウマ。
反差別というメッセージが限りなく薄められたLGBT理解増進法案や、SNSでのトランスバッシング。
彼氏が両親の留守中に犬の世話をするため実家に帰ることになり、こっそり同行させてもらうという楽しいイベント。
彼氏が両親にカミングアウトしていないため、表向きは友人を装わなければならない現実。
彼氏と犬のユズちゃんと共に過ごした穏やかな時間。
無職である後ろめたさ。梅雨時の湿気。
その時々の作者の感情が、グラデーションになって迫ってくる。
二人と一匹の間に流れる温かい空気を感じながら、二人が堂々と一緒に暮らせないことを悔しく思う。
また、病気などの理由で一日八時間労働が難しい人が社会から零れ落ちてゆくような現状も、もっと改善できないものかと感じた。
(「Marriage for All」に署名し、選挙の時も人権意識のありそうな人に投票するようにはしているが、まだ足りないんだろうな……。)
一応、作者が欲しいものリストを公開した時に、応援を込めて1品ポチッとした。まだ足りないだろうけど。
※「はじめに」のみ公開
https://nigenige2020108.hatenadiary.jp/entry/2023/06/30/090000
■恋愛も結婚もセックスもしたくない人がいるんです
アロマンティック・アセクシュアルである作者が、自身のこれまでの人生と現状、将来のビジョンをエッセイ漫画にしたZINE。
作者は30代で、性自認は女性。アロマンティック・アセクシュアルでありつつ、BLが好きで百合も読む「腐女子」。
自分が恋愛や性愛の当事者になりたくはないが、フィクションの恋愛や性愛は読者として楽しめる、ということになる。
恋愛を経ての結婚をする気はないが、何かあったときに助け合える人がいてほしい気持ちもあり、いわゆる「友情結婚」にも興味がある。
助け合うことと恋愛・血縁が分かちがたく結びついている現代社会では、恋愛感情や性欲がなかったり少なかったりすると孤立しがちだな……と改めて認識する。
「恋愛経験がない/少ない=人間的���未熟」というバイアスに苦しめられるくだりは、共感しかなかった。
平日は金融機関で働き、週末にオタ活を楽しむ作者の人生は、ちゃんと充実している。
変わるべきは、「人生には恋愛と性愛があるべき」という価値観を振りかざし、無駄なコンプレックスを味わわせる世間の側だろう。
恋愛・性愛のない豊かな人生はあり得るという希望を見せてくれる、爽やかな読後感のZINEだった。
※8/11時点でこのZINEは完売、続編は購入可能
https://hinotoya-akari.booth.pm/
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こうして感想を並べてみると、作者7人のセクシュアリティと抱えている事情が千差万別であることに、改めて驚く。
本やウェブで「LGBTQ+とは?」みたいな解説を読んだだけでは絶対に見えてこない現実と実感が、それぞれのZINEから生々しく伝わってくる。
社会がカテゴライズした性別や恋愛・性愛規範に自分を無理矢理当てはめて解釈しようとすると、どこかで無理が生じる。
クィアはそうでない人より無理をしなければならないが、自分がクィアだと明確に認識していない人も、実は無理をしていることがあるのではないかと思う。
(「性自認が男なのにメイクしたいと思うのは変かな?」「恋人との時間より友達との時間が楽しいと思う私は間違ってるのかな?」といったように。)
既存の枠組みに囚われずに自分のセクシュアリティを語ることは、社会や権力の都合によって奪われた自分の一部を取り戻し、自分の生を自分に合う形にカスタマイズする第一歩なのかもしれない。
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概要
震災時には、主に地震直後に発生する製品事故と、復旧時に発生する製品事故があります。 また、地震によってインフラが停止した際に使用する製品として、停電時でも電気製品の利用を可能とする携帯発電機や、ガスの供給が止まっても調理を可能とするカセットこんろ等があります。しかし、これらの製品も誤った使い方をすると重大な事故につながります。
地震時に可燃物が飛散し、近くにあった電気ストーブに接触して発火
※ 本資料中のすべての写真は、実際の事故とは関係ありません。
※ 本資料中の製品事故情報は、消費生活用製品安全法(昭和48年法律第31号)に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度によりNITE((独)製品評価技術基盤機構)において収集された非重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含みます。
地震発生時及び日頃から気を付けるポイント
揺れが収まったら、電気製品の電源を切り、電源プラグをコンセントから抜く。ブレーカーを切る(OFFにする)。
揺れが収まったら、ガス機器の火を消す。自宅から避難する際に余裕があればガスの元栓を閉める。
家具を固定する、暖房器具の周囲に可燃物を置かない、感震ブレーカー※1を取り付けるなど、地震発生時に製品事故が発生しないよう備える。
※1 本資料中では、感震機能付きの分電盤タイプのほか、コンセントタイプや簡易タイプも含めて「感震ブレーカー」と呼びます。
災害時に使用する製品で気を付けるポイント
携帯発電機
携帯発電機は屋内では絶対に使用せず、屋外の風通しの良い場所で使用する。
カセットこんろ/カセットボンベ
カセットボンベは機器に正しく装着する。
カセットこんろ/カセットボンベの経年劣化に注意する。
カセットこんろを覆うような大きな鍋や鉄板などは使用しない、カセットこんろを2台以上並べて使用しない。
周囲に可燃物がある場所や狭い場所ではカセットこんろ/カセットボンベを使用しない。
復旧時に気を付けるポイント
ブレーカーが切れていることを確認する。
製品が損傷したり水没したりしていないか、動作に異常がないかを慎重に確認する。
関連資料
事故事例と気を付けるポイント(PDF形式:723KB)
担当
産業保安グループ 製品安全課 製品事故対策室長 望月 担当者:伊藤、佐々木 電話:03-3501-1511(内線 4311~3) メール: bzl-seihin-anzen★meti.go.jp ※[★]を[@]に置き換えてください。
消費者庁 消費者安全課長 阪口 担当者:尾崎、丁畑 電話:03-3507-9200
独立行政法人 製品評価技術基盤機構 製品安全センター所長 大下 担当者:製品安全広報課 宮川、山﨑、岡田(大) 電話:06-6612-2066 メール:ps★nite.go.jp ※[★]を[@]に置き換えてください。
地震に伴う製品事故に注意! (METI/経済産業省)
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https://greta.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1669968515/451
中居正広さん年内休養を発表 [256556981]
451 番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイ ff89-RPwI) 2022/12/02(金) 19:15:36.88 ID:/F3mNkTW0
>>271
01/09 海部俊樹 (第76・77代、内閣総理大臣)
01/10 水島新司 (漫画家・ドカベン、大甲子園等)
02/01 石原慎太郎 (第14-17代、東京都知事)
02/17 松鶴家千とせ (漫談家)
02/20 西郷輝彦 (俳優・辺見えみり実父)
03/03 西村京太郎 (推理作家・十津川警部シリーズ等)
03/14 宝田明 (俳優・映画ゴジラシリーズ等)
03/27 野田知佑 (作家・カヌーイスト)
03/30 宮崎学 (ノンフィクション作家・評論家)
03/31 山本圭 (俳優・ひとつ屋根の下シリーズ等)
04/07 藤子不二雄A (漫画家・忍者ハットリくん等)
04/16 柳生博 (司会者・俳優)
04/24 結城貢 (料理研究家・夕食ばんざい等)
05/01 イビチャ・オシム (元日本代表サッカー監督)
05/03 渡辺裕之 (俳優・リポビタンDのCM等)
05/11 上島竜兵 (お笑い芸人・ダチョウ倶楽部)
05/14 河村亮 (日本テレビアナウンサー)
05/29 ターザン後藤 (元全日本、FMWプロレスラー)
06/02 出井伸之 (ソニー株式会社最高経営責任者)
06/27 葛城ユキ (歌手・ボヘミアンのヒット)
06/28 佐野浅夫 (俳優・3代目水戸黄門役)
07/04 山本コウタロー (歌手・走れコウタローのヒット)
07/04 高橋和希 (漫画家・遊☆戯☆王作者)
07/06 青柳政司 (空手家・誠心会館館長)
07/08 安倍晋三 (第90・96-98代、内閣総理大臣)
07/16 若乃花幹士 (第56代横綱、2代目若乃花)
07/25 島田陽子 (女優)
08/01 市田ひろみ (服飾評論家・京番茶CM)
08/05 三宅一生 (ファッションデザイナー)
08/08 オリビア・ニュートン・ジョン (歌手)
08/11 森英恵 (ファッションデザイナー)
08/23 古谷一行 (俳優・金田一耕助シリーズ)
08/24 稲盛和夫 (京セラ・KDDI創業者)
08/30 ミハイル・ゴルバチョフ (ソビエト連邦大統領)
09/08 エリザベス女王 (エリザベス2世)
09/28 武村正義 (新党さきがけ代表)
09/30 三遊亭円楽 (落語家・元三遊亭楽太郎)
10/01 アントニオ猪木 (新日本プロレス創業者)
10/19 仲本工事 (ザ・ドリフターズメンバー)
10/21 工藤壮人 (サッカー選手・元日本代表)
11/11 村田兆治 (プロ野球選手・名球会投手)
11/12 大森一樹 (映画監督・ゴジラシリーズ等)
11/24 佐川一政 (作家・パリ人肉事件犯人)
11/27 崔洋一 (映画監督・「月はどっちに出ている」等)
11/30 江沢民 (中華人民共和国第5代国家主席)
12/02 渡辺徹 (俳優・司会者)
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いのち、ばんざい。
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いのち、ばんざい。
作家名:和田聡文
会期:2023年7月27日(木)~8月20日(日)
時間:16:00-22:00
休廊日:7月31日(月)、8月7日(月)、12日(土)~16日(水)
料金:入場無料
場所:IAF SHOP*
福岡市中央区薬院3-7-19 2F
TEL:090-5475-5326(佐藤)
http://iafshop.tumblr.com/
===================
本展に関する4つの動画がyoutubeにて公開されています。
いのち、ばんざい。
https://www.youtube.com/watch?v=A6Nv8syTENs
プランクトンダンス
https://www.youtube.com/watch?v=ZyDdtBkHNnk
よるのかんだた
うっすらと排除される「おっさん」という属性について
https://www.youtube.com/watch?v=V5GnpN0LLtU
louper digger looper
https://www.youtube.com/watch?v=lFFif7LwFtw
===================
色々、五月蠅いね。
だけど、あたしは、
ポリネシアの血族。海に浮かぶ島々の者。
8人産んでも2子しか生きて残せなかった祖霊の末の子。
だけど、あたしは、
一度は魔法使いになり、
高校卒業13年目にして、
やっとこさ同級生の妻と再会し、
今は青年の一人の息子の親になった、
「うっすら嫌われる中高年のおっさん」。
だからこそ、あたしはブリジット・バルドーの側に立つよ。
あたしは、どうせ「色々分かっていないおっさん」だから、
おっさん臭いことしか思い付かないし。
ならば、いっそ、「おっさん臭さ」を引き受けて、
すごくベタに「天」と「人」と「地」のお話しをする。
「いのち、ばんざい。」
■ 天(伴天連さんの話):
「挑戦」って言葉を知ってるかい?
この島国と伴天連(バテレン)の話だよ。
最初の「挑戦」は戦国時代。「第一次挑戦」ってやつさ。
大海原を渡ってやって来たんだ。揉み手、摺り足、赤ら顔で。
でも、銃器の販売やら、人身売買やら、
伴天連同士のもめ事やら、色々あって、
お前ら、帰れって、叩き返しちゃった。
次の「挑戦」は幕末から維新。「第二次挑戦」ってやつさ。
真っ黒い船に乗って、煙モクモク、やって来たんだ。
漢字やめれ、アップデートしろ、神社、仏像打ち壊せとか、
色々やり過ぎて、嫌われて。案外、不人気。
パァとはしなかったね。
「俺らも案外とすげえ」とか逆に調子に乗られちゃうし。
近々の「挑戦」は大戦直後。「第三次挑戦」ってやつさ。
美しい、大きな銀色の飛行機でやって来た彼は、
コーンパイプをぷかぷか。
欧米様にはかなわねぇ。マッカーサー格好良いとか。
伴天連さん達、大チャンス。
天皇さんに聖書の講義したり、農業国に変えちゃうぞ、とか、
亜米利加さん、大盛り上がり。
でも、まあ、隣の半島やら、東の側やら、
ゴタゴタ、ピカピカ、どかんどかんで、
余裕無くなって、締め付け中途半端。
で、この島国のアップデート人口は1%程度。
しょぼいかぎり。
で、今。
「次にファシズムがやってくるとき、
彼らは、「反ファシズム」を掲げてやってくるだろう。」
と、「ディミトロフなんとか」が言ったとか何とか言うけど、
四回目の「挑戦」は、どんな顔をして来るのかな?
もう来てるのかしらん?
「ソドムの街を火と硫黄で焼き払う」の、逆で来るのかな?
「産めよ、増えよ、地に満ちよ。」の、逆で来るのかな?
「天父神」、「長兄たる救世主」の、逆で来るのかな?
虹の橋を渡って来るのかな?「第四次挑戦」ってやつが。
ブロガー納言と、レディコミ式部と、
元祖バ美肉おじさん紀貫之と、古典BL信玄公と、
カルーセルと、明宏と、ピーターと、
おすぎとピーコと、デラックスと、マングローブと、
天宇受賣命と、阿国と、弥次喜多と、
全裸監督、村西とおると、
エロ屋/小説家/ニュースアンカー、紗倉まなと、
オスカルと、ジルベールと、
バンコランとひばりくんのこの島に。
また、来るのかな?
生まれて、まぐわって、子らにつなげる
我らの原罪を問うために。
でも、また来ても言い返すよ。あたしは。
あたしは、人間だし、生きてるし、おっさんだから。
「いのち、ばんざい。」
■ 人(カンダタさんの話):
「カンダタ」のお話って、知ってる?
お馬ぱかぱか、愛馬の「カンタカ」君じゃないよ。
芥川龍之介くん初めての児童文学
「蜘蛛の糸」のあいつだよ。
地獄と極楽の間で宙ぶらりんのお友達。
でもさあ、この話、なんか変。
違和感マシマシ。
この話の「釈迦さん」、なんか上から目線。
切羽詰まって、焦って、失敗しちゃったカンダタさんに対し、
「浅ましい」とか「ヤレヤレ愚民は。。。」感、丸出し。
しょうがないじゃん。カンダタさんは。
生まれからして元々余裕なんかないんだし。
「糸切れちゃう!登ってこないでー!」とか、
そりゃー、言いたくなるよ。安全問題だし。
なのに、何、その、ちょっと一本釣りうまく行かなかったら、
飽きちゃって、テキトーに放り出しちゃう、投げやり感。
お腹空かせた虎さんに、我が身ぽーんと投げ出す、
釈迦牟尼本来のキャラじゃないよね。。。
大体、自分は涼しい顔して、快適な場所に居て、
面白そうな奴だけ、一本釣りとか、
衆生を救おうって気概が無いよね。
福祉事業をなめてんの?
現場に飛び込んで行って、問題解決せんのかーい!
我が身ポーンと行かんかーい!!
大体、カンダタ以外の奴らはみんな、
亡者、すなわち、アウトオブ眼中。
目覚めて、アップデートした奴にだけ、
極楽から「救済」の手を差しのべるとか、
キリスト教終末論の「携挙(けいきょ)」かよ。
救ってやるのは伴天連だけで、
ハルマゲドンで亡者/異教徒は一掃かよ。
「選民思想」臭え。
手に似合わない「水掻き」なんかを付けてでも、
なんとかして、なんとかして、漏らさず衆生を救おうってな、
大乗レスキュー「阿弥陀如来」の気概はどこ行った?
で、さあ。
このへんちくりんな違和感の話を妻にしたら、
理系にして日本文学オタクの我が妻も、
「あたしもヘンだと思ってた」とのこと。
でね。。。調べてみたの。ちょっとググって、wikiにて。
そしたらさぁー。パクリだって。
ドイツ生まれアメリカ籍の作家ポール・ケーラスの著作
『カルマ』収録の「The Spider-Web」が元ネタだって。
タイトルまんまじゃん。。。。しかも、この『カルマ』、
「本場モンの仏教説話を紹介」ってな本なんだけど、
「The Spider-Web」については「創作」だって。
本物に創作混ぜ混ぜ、仏教説話の捏造じゃん。
パクリとか知らんかったわー。龍之介やらかすなー。
バチモンの仏教説話とか知らんかったわー。
ポール、やらかしおったなー。
そりゃー。「ヘン」だわな。釈迦のキャラじゃないわなー。
仏じゃないじゃん。偽仏じゃん。仏罰モンだわー。
「自分ばかり地獄からぬけ出そうとするとか、
無慈悲だわー。浅間しいわー。」とか、
「蓮の華の何とも云えない好い匂い」の
爽やかな極楽の風に吹かれて、のほほんしてる
偽仏のてめぇこそ、文句言える立場??
「どうでも良いわー。平等に地獄に落ちればー。」
とか、なにその「タワマン文学」。
「瞑想」じゃなくて、「マインドフルネス」、
「ヨガ」じゃなくて、「ピラティス」とか、
言い出すんじゃないの?
あらまー!「カッコイイ消費者」ですことっ!!
「丁寧な暮らし」ねっっ!!!
美しい、大きな銀色の摩天楼から見下ろしてる
虚業の小金持ちみたい。
カンダタ君もさあ、
タワマン野郎に「いいね!」とか声かけられて、
「一歩抜け出すチャンス!!」とか
調子に乗るの止めようよ。。
良いことないって。。
あいつらさあ、ペットか番犬探しているだけだから。
カワイソウな順か、カワイイ順に声掛けてるだけだから。
カワイソウな奴に餌やると「徳」を積めるし。
「徳」=「信用」=「クレジット」=「通貨」だから、
儲かんのよ。「カワイソウなペット」を飼うと。
大体、地獄って、年季を勤め上げると、
生前よりちょっとは良いステージに行けるし、
学校みたいなもんじゃん。
周りにいる奴らもカンダタ君と似たようなもんで、
みんな生前、色々苦労してるし、
タワマン野郎よりずっと共感できるじゃん。
鬼だって学校の先生みたいなもんで、
死なないように注意して、君を鍛えてくれてるだけで、
ちゃんと良く見てくれてんじゃん、君のこと。
ウエメセのタワマン野郎よりずっと。
ヘンな上昇志向に捕らわれて、痛い目見るより、
実直に自分の手で、地に足付いたコトをしようよ。
そうだ。友達を作りなよ。愛する人を作りな。
出来たら家族になって、子供を育てなよ。
老いて子供がもう無理なら、若い者を応援しなよ。
虚業で浮いてるタワマンの偽仏よりずっと良いよ。
地に足を付けて生きるってことだよ。
だから、「ぢごく」で結構。大「地」の「極」み。
だから、おっちゃんは叫ぶよ。
「いのち、ばんざい。」
■ 地(生き物の話):
やあ、こんにちわ。僕らの名前は「オピストコンタ」。
「尻尾が後ろ」って意味だよ。
人間の精子みたいな形なんだ。
キノコとか、ツボカビとかの菌類と、
人間とか、魚やミミズ、トンボなんかの多細胞の動物を
ザックリ含んだフレンズさ。
襟鞭毛虫なんかのちっこい奴らも僕らの仲間さ。
世の中、僕ら「オピストコンタ」だけじゃなくって、
色んなフレンズがいるよ。
土の中にも、蓮のお池の中にも、地べたの上にも。
「真核生物」に限っても色々いるよ。
「オピストコンタ」の兄弟分「アメーバ動物」
草花や樹木とかを含むフレンズの「アーケプラスチダ」
昆布とか珪藻とかのフレンズの「ストラメノパイル」
ゾウリムシとかのお友達「アルベオラータ」
有孔虫、放散虫のフレンズ「リザリア」
ミドリムシとか光合成する奴もいる「エクスカバータ」
「クリプト植物」とか「ハプト植物」とか「太陽虫」
「真核」じゃなくて、「原核」だけど、細菌も色々。
シアノバクテリア(藍藻)とかを含むフレンズ。
美しい、大きな銀色の鏡胴を持つ顕微鏡で、
小さな水滴に閉じ込められた彼らを、上から覗き込むと、
色んなフレンズが、わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、してて、
本当に、本当に、面白いよ。例えば、
放置しちゃった植木鉢の雑草の中。
劣化したプランターの壁面。
ジメジメ湿った苔の上。
蓮のお池の水の中。
只の水溜まり。
蟻の行列。
蝸牛。
藻。
蝶や蛾。
ダンゴ虫。
マルトビムシ���
苔の子実体の森の中。
くるくる回るミズヒラタムシ。
慌てて席取りをするクラミドモナス。
巨大なミジンコの屍骸を喰らう原生動物。
ほとんどが単細胞で、小さくて、単純なはずの生き物が、
くるくる踊ったり、パクパク食べたり、
ぶつかってビックリしたり、キョロキョロあちこち覗き込んだり、
居場所を見つけたり、喧嘩したり、慌てて逃げまどったり。
多細胞生物ではなく、ただの「群体」に過ぎないのに、
喧嘩せずにお互いしっかり体をつないで、
くるくるくるくる泳ぐ、ヒゲマワリ(ボルボックス)やシヌラ。
動物じゃないと思っていたら、
意外とクネクネ、クルクル、活発に動く、シアノバクテリア。
小舟みたいに、スイスイ走り回る、小さな小さな珪藻たち。
独立した多細胞生物のはずなのに、
まるで一個の生き物のように合体してしまうイトヒメウズムシ。
それに、なにより面白いのは、
ご先祖の「古細菌」から、ずっと昔に枝分かれして、
お互い全然違う見た目や、違う生き方をしている
遠く離れたフレンズたちのはずなのに、
みんな、みんな、わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、
ぶつかり合ったり、喧嘩したり、身を寄せ合ったり、協力したり、
まぐわり、接合して、次世代を作ったりすること。
知ってる?生物の世界において、
「成体(アダルト)」とは、「生殖可能となった個体」という意味。
子供を作るのが「おとな」なのさ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちょっと違う話をするよ。「シン・ウルトラマン」って映画の話。
その映画の中で、ウルトラマンは、頭の先からつま先まで、
均質な物体で出来た、微細構造を持たない完全体とされる。
「一にして全、全にして一」な完全な個体。ほぼ神。
当然、マンガ「はたらく細胞」みたいに
わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、協力し合う、
たくさんの細胞を持つ「多細胞生物」ではない。
理念、思想の固まり、孤高で単一の「思念体」。
外宇宙から来た、美しい、大きな銀色の飛行体。
よって、本質的に「個と個の(細胞)間の協力」は、
その身体自身に内在せず、
「バディー(仲間)」の意味がまったく分からない。
(映画では、故郷は「光の星」。国家は無い。)
(彼は人類と同種のものから進化した存在。)
彼は弥勒菩薩の様に完全な美(統一感)の化身だが、
無関係の子供を助けて死んだ男のことが分からない。
進化の最果てに居る彼には、「仲間」の意味が思い出せない。
遠い未来に来迎する弥勒菩薩の様なポーズをとって、
死んだ男の姿を掌に、森の中で悩み続ける。
覚えていたが、今は忘却した何かを思い出そうとして。
強くて、全知で、大きくて、けれど孤高のウルトラマンには、
起動してしまったゼットンを止める術が分からない。
なのに、弱くて、無知で、小さくて、愚かな人間たちは、
ぶつかり合ったり、協力したり、怒ったり、信じあったり、
ドキドキしたり、お尻パンパン気合を入れたり、
わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、
ゼットンを止める解決策を見つけ出す。
上から目線の外星人たちには出来なかったことを、
小さな「はたらく細胞」みたいな人間たちが成し遂げる。
VRゴーグルを付けての独り言、虚空に手をブンブン、
滑稽で、とっても格好悪いけれど。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ずっとずっと昔に進化の枝分かれをする前から、その後も、
地べたに這いつくばって生きる「いのち」の本質は、
わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、わちゃわちゃ、
ぶつかり合ったり、喧嘩したり、食べ合ったり、
身を寄せ合ったり、協力したり、
まぐわって、子供を作ったり、育てたりしながら、
「なんとか必死に次につなげ続けること」なんだろう。
人間も明確に動物だし、生き物だし、「いのち」。
だから、おっさんは、勇気を出して、ベタなこと言うよ。
わたしは、一人の息子の父親だから。
ショーペンハウアーとか、シオランとか、ベネターとか、
そんな馬鹿どもの言うこと知るか。五月蠅い。
「いのち、ばんざい。」
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我が国の未来を見通す(68)
『強靭な国家』を造る(5)
「世界で最初に飢えるのは日本」なのか(その3)
宗像久男(元陸将)
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□はじめに
やはりG7サミットについて私の感想を述べてお
きたいと思います。まず、G7のメンバー以外に、
グローバルサウスの代表や韓国大統領、それに戦時
下のウクライナのゼレンスキー大統領まで遠路はる
ばる飛来して参加したにもかかわらず、何事もなく
無事閉幕した今回のサミットが「これまでにない成
果」と評価されていることにケチをつける気は毛頭
ありません。
一方、被爆地・広島で開催したことから、「核兵器
のない世界」という“人類の理想の世界”実現に向
けた「広島ビジョン」を自画自賛するのは時期尚早
と考えます。と言いますのは、本サミットに対して、
中国は「西側の少数の先進国が他国の内政に理不尽
に干渉し、世界を操る時代は過去のものとなった」
とのいらだちを強めれば、ロシアは、G7を「世界
の安定を揺るがす破壊的な決定のふ卵器だ」と厳し
く批判しつつ、「世界の多極化を受け入れられない
G7は、反露・反中のヒステリーを起こしている」
と主張しました。つまり、中国やロシアに加え、北
朝鮮などが素直に「広島ビジョン」に賛同して受諾
するとは到底思えないからです。
元外交官の佐藤優氏は、先の「対独戦勝記念78周
年」で明らかにしたプーチンの「戦争論理」につい
て、「これまで“戦争”という言葉の使用を避けて
きたをプーチンが、初めて“戦争”言葉を使用し、
『米国を中心とする西側連合がウクライナを使って
“戦争”を仕掛けてきた』、つまり『ロシアがウク
ライナに“戦争”を仕掛けた』とは考えてない」と
解説しています。
また、「第2次世界大戦において、『ロシア人が多
大な犠牲を払ってナチズムから人類を救った』とい
う事実を西側諸国は忘れた」として、「文明は再び
決定的な転換点を迎えた」とも語っています。
中国もほぼ同様の歴史観を有しているでしょうから、
G7サミットは、「世界が再び『分裂の世界』に突
入した」ことを決定づけたともいえるのではないで
しょうか。つまり、考えようによっては、「核廃絶」
という“人類の理想の世界”の実現がますます遠の
いてしまったとの見方も出来るのです。
歴史的にみても、一方の「正義」や「美談」が相対
する側にとっての「憎悪」や「拒否」となって「対
立の原点」となってきましたし、「独自の論理を振
りかざして自らの利益拡大を広げてきたのは西側世
界の方である」という見方は、人類の歴史を子細に
見れば、あながち間違っておらず、実際に、欧米諸
��は反対する勢力を力づくで次々に排除してきまし
た。
ところが、今は互いに核兵器を保有していることか
ら、一方的に排除するのは簡単でないことから、
「排除も共存も遠のく」という結果に陥っているの
ではないでしょうか。
当然ながら、ウクライナを支援する必要性にはつい
ては理解しますが、G7がもたらす未来を冷静にイ
メージアップすると、広島サミットを手放しで称賛
する気にはなれない自分がいることに気がつきます。
私のような見方をする有識者は少ないのかも知れま
せん。立場上、声を上げられないのだと想像してい
ます。もちろん、私だけの“独りよがり”なら、そ
れはそれでよいのですが。
振り返ってみますと、実現は無理だったかもしれま
せんが、習近平をオンラインでも拡大会議に参加さ
せ、「何を発言するか」を聞くべきだったと思いま
す。千載一遇のチャンスを逃しました。
▼日本の農業は過保護か?
さて、ここまで農業を追い込んだ、その原因はどこ
にあるのでしょうか。我が国は戦後のドン底から、
「貿易立国」として発展し、GDPが世界第2位に
まで発展してきました。そのため、自動車などの輸
出を伸ばすために貿易自由化、そして規制緩和政策
を幾度となく繰り返してきました。また、時には
「聖域なき構造改革」などの勇ましいキャッチコピ
ーに対して誰も面と向かって反論をしないまま時が
過ぎてしまいました。
一方、そのような政策を推進するために、「農業は
過保護だ」という“刷り込み”を、メディアを総動
員して続けてきた結果、私たちの頭の中には、いつ
の間にか「農業は様々な規制に守られた『既得権益』
を有し、『過保護』な業界だ。その結果、農業の競
争力が低下してしまった」、つまり「日本の農業が
『過保護』だから自給率が下がったり、耕作放棄が
進んだ」とイメージが出来上がってしまいました。
しかし、本当にそうなのでしょうか。また諸外国の
実情はどうなっているのでしょうか。少し解き明か
してみたいと思います。
これまで何度も紹介しました『世界で最初に飢える
のは日本』の中で、著者の鈴木氏は、日本の農業に
は「3つの虚構」があると指摘します。
「虚構」の1つは、「日本の農業は高関税に守られ
た閉鎖的世界だ」というものです。OECDのデー
タによれば、日本の農産物関税率は11.7%です
が、この数字は、主要列国と比較しますと、インド
の124.3%、ノルウエーの123.7%を双璧
に、韓国(83.8%)、スイス(62.2%)、
インドネシア(47.2%)などが続き、ブラジル
(35.3%)。タイ(34.6%)、EU(19.
5%)といずれも日本より高い関税率をかけていま
す。食料輸出国の米国のみが、食糧輸入から自国の
農業を保護する必要がないのか、5%に留まってい
ます。
そして、我が国の場合、実際には、こんにゃくのよ
うに1700%の高い関税率もあるにはありますが、
大半の農産物の関税率は3%程度になっています。
そもそも、食料自給率38%の国の農産物関税が高
いわけがなく、「日本の農業は高関税に守られた閉
鎖的世界だ」というイメージとは、全く正反対の
“現実”があるのです。
「虚構」の第2は、「日本は世界から遅れた農業
保護国であり、政府が農産物の価格を決めて買い取
っている」です。
これも間違いです。政府が農産物の価格を決めて買
い取ることを「価格支持政策」といい、かつて米に
ついては、「生産者価格」と「消費者価格」の2種
類の価格がありました。政府が「生産者からは高く
買い取って消費者には安く提供する」というもので
した。しかし、米の生産や流通を厳しく規制した
「食糧管理法」は1995年に廃止され、それ以降
は、政府を介さずに流通する「自主流通米」が増加
し、価格も競争原理で決められることから「生産者
米価」と「消費者米価」という制度は廃止されまし
た。
実は、日本は、WTO加盟国の中では唯一、農業の
「価格支持政策」をほぼ廃止した国で、自由貿易を
推進する「優等生」にほかならないのです。他国は、
自由貿易の看板をあげても、農業など自国にとって
必要な産業については、“したたかなまでに死守し
ている”のが現実です。
「価格支持政策」とは異なり、生産者に補助金を支
払うことを「直接払い」と言いますが、「価格支持
から直接払いに転換した」といわれる欧米諸国は、
実際には「価格支持+直接払い」と表現する方が正
確なようです。つまり、価格支持の水準を下げた分
についてはしっかりと「直接払い」によって置き換
えているのです。
「虚構」の第3は、「農家は補助金漬け」というも
のです。これが最大の「虚構」ともいえるでしょう。
鈴木氏が様々なデータを取りまとめて分析したとこ
ろ、日本の農家の「所得」のうち、補助金が占める
割合は3割程度ですが、スイスはほぼ100%、イ
ギリス・フランスは90%以上、ドイツは約70%
です。アメリカは、日本とほぼ同じで約35%と先
進国では低く抑えられています。
ちなみにここでいう、農家にとっての「所得」とは、
「農業粗収益-支払経費+補助金」ことを示します。
フランスやイギリスの小麦経営は200~300ヘ
クタール規模が一般的ですが、そのような大規模穀
物経営であっても、市場の販売収入では肥料や農薬
代も払えないので補助金で経費をまかないつつ、残
りを「所得」にしているとのことで、「所得」に占
める補助金の割合の100%超えが常態化している
のだそうです。
日本は、野菜や果実の補助金率も5~7%と極めて
低く、酪農は約30%、肉牛は約48%ですが、��
ランスは、野菜や果実は30~50%、酪農は76
%、肉牛は何と179%にも及んでいます。
一方、農業生産額に対する農業予算比率は、日本は
38%程度ですが、米国が75%と最も高く、英国
(66%)、ドイツ(61%)、フランス(44%)
と続きます。また、上記の価格差には、「国内価格」
と「輸出価格」のようなものもありますが、米国は、
食料を輸出する際の差額補填など、実質的輸出補助
金などへの支出も含まれているようです。つまり、
米国のような食料輸出国であっても農家を保護して
いるのです。
先進国は、農業が“命を守り、環境を守り、地域コ
ミュニティを守り、国土を守っている”ことを知っ
ており、そのような農業を「何よりも優先して国家
を挙げて支える」ことを“当たり前だ”と思ってい
るのです。
農家が離農して農業が崩壊し、食料自給率がますま
す低下してきたことに目をつぶり、農業の保護を
“当たり前ではない”と考えているのは日本だけで、
だから自動車などの輸出を増大させる代償として農
業を“差し出す”こと、そして米の生産に待ったを
かけて自給率の低い小麦を原料とする洋食の拡大に
も躊躇しなかったのであり、長い間、そのような政
策の是非を顧みないままここまで来てしまったので
す。今こそ、“我が国が例外である”ことを思い知
る必要があるのです。
最後に、農業支援がどれほどのお金がかかるかを概
算しておきましょう。米1俵つくるのにかかるコス
トは頑張っても1.2万円ほどですが、実際に買い
取り額は、ブランド米など高額なものもありますが、
約9000円ほどです。その差額を国が全額を補填
した場合、約700万トン全量でも3500億円程
度にしかなりません。
また全酪農家に生乳キログラム当たり10円を補填
した場合の費用は750億円程度と言われます。こ
れらの額は多少の幅はあるとは思いますが、国の予
算の規模からしてさほど大きな額ではないことは間
違いないでしょう。
『世界で最初に飢えるのは日本』と題して、我が国
の食料事情に危機意識を持った鈴木氏の“警鐘”に
納得するのは私だけではないと考えます。正直申し
上げ、日本は、「食料安全保障」に関して、戦後大
きな“戦略的過ち”を犯したと考えざるを得ないの
ですが、いつの時点で、だれの責任でそうなったか
を追及してもこれから未来の対策は案出できないこ
とも間違いないでしょう。「食料安全保障」の必要
性を訴え、根本から農業政策を見直せば、今からで
も農業の救済は可能であると私は考えます。他国を
見習うべきでしょう。
▼総括
最近、日経新聞社がかなり時間をかけて分析したと
いわれる『国費解剖』という書籍に目を通す機会が
ありました。そこには、財政赤字の一方で、膨張を
続ける国家予算を紐解けば、莫大な“ムダ使い”が
あることが随所に指摘されています。読むと本当に
呆れます。
つまり、国防もエネルギーも食料も、やがて人口減
から来る労働力の確保なども、将来を見越した“戦
略眼”を持たないまま、政治家、官僚、専門家とい
われる一部の人たちなどによって、その場しのぎの
政策が案出され、時には国会対策上各党の言い分を
刹那的に取り入れ、その時々の勇ましいキャッチフ
レーズのもと、マスコミなどもこぞってそれを指示
し、「国の舵取り」を行なってきた“ツケ”がいよ
いよ白日の下にさらされたということなのではない
でしょうか。
このような「国の舵取り」は今に始まったことでは
ありません。余談ですが、東京裁判の起訴状で「共
同謀議」が読み上げられた時、「共同謀議をもっと
う��く実施していたら戦争にはならなかった」とA
級戦犯の被告たちが呆れるシーンが記録されていま
す。戦前においても、国家戦略など無きに等しいま
ま、その場その場で「よかれ」と思って実行してき
た延長で大東亜戦争に突入してしまったのでした。
ようやく少子化対策に本腰を入れるようですが、そ
の対策も“異次元”というにはほど遠い内容からか、
国民が“しらけている”ように見えるのが残念です。
もはや一国でもって、国防のエネルギーも食料も、
そして労働力でさえ確保できない時代が到来してい
ることは時代の流れとしても、これらのうち、一つ
として自力ではまかなうことができない国家、つま
り、あらゆるものが“他力本願”の国家が「独立国」
と言えるのでしょうか。ことの重大性に気づかず、
いや、気がついても知らないふりをして、ノウテン
キを装っているのが、現代を生きる私たち日本人な
のではないでしょうか。
冒頭に述べたように、「分裂の時代」を間近にした
今日、このままで「我が国の未来が安泰である」と
はとても考えられません。現在の日本は、戦前の日
本人を批判する資格など微塵にもないし、将来の日
本人に“合わせる顔”があるだろうか、と考えてし
まいます。
なぜこうなってしまったのでしょうか。根本的原因
はどこにあるのでしょうか。これから先、我が国の
現状や風潮を覆す“特効薬”はあるのでしょうか。
当然ながら、そのための対策は、私などが考え及ぶ
べき領域をはるかに超えていると思いながらも、い
よいよ「『強靭な国家』を造る」と題した第4編の
主テーマについて、皆様と一緒に試行錯誤してみよ
うと思います。
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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サラリーマン新藤剛
1.
男は立ち止まり、目の前にそびえるオフィスビルを見上げた。周囲には真新しいガラス張りの高層ビルがいくつも建っている。それらと比べると背も低く古びたこのビルが、しかし男にとっては一番恐ろしく、雨だれで汚れた外壁に威厳すら感じていた。
新藤剛は墨田商事営業部の部長である。二十五年前に入社して以来営業一筋で、数年前に部署をまとめる立場になってからも、時折こうして自ら取引先に出向くことがあった。
ミネラルウォーターを一口飲み、中身が半分ほどに減ったペットボトルを鞄にしまう。呼吸を整えるように深く息を吐いたタイミングで、後ろから部下が声をかけた。
「部長、大丈夫ですか?体調でも悪いんじゃ……」
いつも闊達で堂々としている新藤の緊張したような様子は、若い部下には見慣れないものだった。急に暑くなり始めたここ数日を思うと、体調を崩したのではないかと想像するのも無理はない。
だが振り向いた新藤は、意外にも普段通りの声色でそれを否定し、にやりと笑って見せた。
「いや、問題ない。……まあ、武者震いというやつかな」
「はあ……」
新藤はそれだけ返すとビルに向き直る。部下もそれ以上何も聞かず、二人は連れ立って自動ドアをくぐった。
2.
受付を済ませるとすぐに応接室へ案内された。新藤にとっては何度も訪れたことのある部屋だが、この場所はいつも新鮮な緊張感を彼に与える。
年季の入った黒い革張りのソファに腰掛けると、わずかに軋む音がした。新藤は案内係が出ていった扉を目の端に入れる。
ここ丸岡社は、墨田商事と付き合いの深い取引先のひとつである。今日は契約の更新と内容確認のため商談の場が設けられていた。新規の契約をとるという訳ではない。しかし新藤は、この商談を重要なものと捉えていた。ある意味では、会社の今後を左右するほどの。こんなとき、新藤はいつも心にある人物の姿を思い浮かべていた。
それは人気ドラマの主人公、高橋真太郎。平凡なサラリーマンでありながら、不正をはたらき私腹を肥やす上司や、理不尽な要求をする取引先と臆せず闘う、熱い男だ。新藤はシリーズを通してこのドラマのファンであることを日頃から公言しており、高橋真太郎は彼の憧れだった。その姿を胸に、新藤は大事な局面を幾度となく乗り切っている。
まるで自分が主人公になったような気分で、この後現れるであろう丸岡社の担当者・戸坂の顔を思い浮かべた。あの食わせ者にしてやられないようにしなければ、と気合いを入れる。
「失礼します」
ノックの音に身を固くしたが、続いて聞こえたのは来客担当であろう事務員の若い声だったので少し肩の力を緩めた。事務員が手に持っている盆から、コーヒーの香りが漂ってくる。
「お待たせして申し訳ありません。戸坂はすぐ参りますので……」
「……いえ、こちらが早めに着きましたので」
実際、約束の時間まではまだ少しあった。新藤は元来せっかちな質で、さらに今日の商談への気合いからかなりゆとりを持って到着していた。待ち時間が生まれるのは想定内だが、こちらがじりじりと時間まで待ってから向こうが現れるとなると、どうも「余裕」を見せつけられているように感じる。しかしそこで動揺しては戸坂の思うつぼだ。新藤はそう思い直し、心を落ち着けて待つべくコーヒーをありがたく頂戴した。
結局、約束の数分前に戸坂が応接室の扉を開くまでに、新藤はコーヒーをほとんど飲み干してしまった。待たせた謝罪を口にしながら戸坂が歩み寄ってくる。彼の後ろに付いて、また事務員も入室した。先ほどとは別の盆を持っている。テーブル上を一瞥して空になったコーヒーカップを引き上げ、代わりに冷水の入ったグラスを置くと、一礼して部屋を出ていった。
「今日は暑い中、ご足労いただきまして」
「いえ、こちらこそ、貴重なお時間をいただいて……」
戸坂が近づくのに合わせて新藤と部下は立ち上がり、三人は互いに挨拶の言葉を口にした。しかし形式ばったやり取りもそこまでで、戸坂は新藤の向かいのソファに腰掛けると、始めましょうか、とやや気軽な調子で新藤を見た。
対して新藤は、目力を緩めぬまま戸坂を見返し頷く。ここで気を抜いて油断を見せてはならない。戸坂は穏やかだが切れ者だ。巧みな話術でそれと気づかぬうちに主導権を握られてしまう。新藤はそう考えていた。
だが逆に、緊張を悟られるのもよくない。冷静に臨むため、新藤はグラスの水を一口飲んだ。
3.
それぞれ手元の資料に目を落としながら、契約内容を確認していく。はじめの二、三ページについて説明している間、新藤は資料をめくる毎にグラスに口をつけた。外の暑さのせいか自身の気持ちの問題か、やたらと喉が渇いたのだ。
途中、増税の影響や原料費の高騰など周辺の話題に寄り道しながらも、話は順調に進んだ。金額が絡む内容になると新藤は身構えたが、戸坂から何か指摘が入ることもない。自身が普段の落ち着きを取り戻しているのがわかる。ひと息つくように口にした水は、先ほどより少しうまく感じた。
「……ところで、前に来てくれた彼、佐々木くんでしたかね?」
「あ、ええ。佐々木がどうかしましたか?」
「いえ、実はこの間、こちらの都合で少し迷惑をかけてしまいまして。しかし彼に対応してもらって非常に助かったんです」
改めて一言お礼をと思っていて、と戸坂は手元のグラスを手に取る。そして休憩の合図とばかりに、脇に寄せられていた菓子盆を引き新藤たちに勧めた。
一見何気ない話題だが、新藤は戸坂の口元に浮かぶ意味ありげな笑みを見逃さなかった。戸坂が特定の部下について発言するのは珍しい。そもそもいつもきっちり仕事をこなす戸坂が、迷惑をかけたなどという状況にほとんど覚えがなかった。
この話題には何らかの意味があるのではないか。戸坂にとってメリットのある、何かが。
落ち着いていた心臓の音がまた煩くなってくる。新藤はそれを隠すようにグラスの水をゴクリと飲み、平静を装って勧められた菓子に手を伸ばした。
取引相手である戸坂から佐々木の名前を出され、礼を伝えたいと言われたことで、新藤としては佐々木にそれを伝言せねばならないだろう。それが戸坂の目的だとしたら。実は佐々木はスパイで、彼のほうから戸坂へ連絡しても不自然でない状況を作るとか、もしくはこの伝言自体が合図で、佐々木は戸坂と共に何か画策しているとか。
いや、佐々木は墨田商社に長く勤めている真面目な男だ。よく気がつく彼に、新藤も助けられてきた。あの佐々木がこんな裏切るような真似をするはずがない。しかし、そういう人物だからこそ疑われにくいとも考えられる……。
気取られずに戸坂の意図を探るには何と返せばよいか。グラスを持つ新藤の手に無意識に力が入る。中身が少なくなったグラスの内で、解けかけの氷がカランと音を立てた。
「そうそう、先ほどのコーヒーはいかがでしたか?」
新藤が探りを入れるより早く、戸坂は話題を変えてしまった。思考を巡らしていたせいで一瞬何のことかと思ったが、待ち時間に出されたコーヒーを思い出す。
「コーヒー、ですか。美味しくいただきましたが……」
「ああ、それならよかった」
満足気に頷いた戸坂と対称的に、新藤は内心の動揺を悟られないよう必死だった。コーヒーが一体何だというのだ。普通、あえて感想を求めるようなことはしないだろう。何の変哲もない美味いコーヒーだったと思うが。
「あれは実は社員が海外で買ってきたものでして。ぜひ味わっていただきたかったんです」
「はあ……」
そう説明されても、新藤は疑いを拭えない。言葉の裏の意味を汲み取る、自分の経験と実力を信じるがゆえだった。まさかとは思うが、薬の類を盛られた可能性はないか。変わった風味には気がつかなかったが、薬の味が分かってしまった場合に備え、ごまかすために海外土産という言い訳を準備していたのではないか。その考えに至ると、緊張感のせいと思っていた動悸も、薬のせいだったのではと思えてくる。
自覚すると、心音はより大きく新藤の身体に響いた。部下はなんともないのだろうか。ちらりと隣に視線を向けると、部下は平気そうな表情で座り戸坂の話に相槌を打っている。手元の水は、新藤ほどではないが減っていた。
それを見て、新藤にある考えがひらめく。そうだ、水だ。薬を飲んでしまったのなら、水で薄めるのは効果的なはずだ。二人ともそこそこ水を飲んでいるから、まだあまり変化がないのではないか。だからこそ焦った戸坂は、コーヒーをちゃんと飲んだか確認してきたのだ。
思うが早いか、新藤はグラスを口元へ運ぶ。しかし冷たい氷が口元へ触れただけで、喉を通る水分はわずかだ。しまった、水はもうほとんど残っていない。こうしている間にさらに薬が回ってしまうのではないかと新藤は焦る。どうする。いや落ち着け、こんなとき高橋真太郎なら……。
「失礼します」
見計らったかのようなタイミングで事務員が扉をノックする。静かに三人の元へ寄ると、グラスへ減った分の水を追加した。まだたっぷり水と氷の入ったデキャンタを机に残し、一礼してまた静かに退室した。
ありがたい。新藤は早速、補充された水を飲み下す。ちょうどいいときに来てくれて助かった。
いや、だがタイミングが良過ぎはしないだろうか。新藤の脳内に新たな疑惑が浮かんでくる。もしかして、この部屋は外から監視されていたのか。もしくは、戸坂が外へ何らかの合図を送ったのではないか。
新藤ははっとして、持ったままのグラスに目をやった。むしろ水のほうに仕掛けがあったらどうする。コーヒーに意識を向けることで、安全なものと思い込ませた水を大量に摂らせる策であったとしたら。戸坂ならば、それくらいの誘導は難なくやってのけるかもしれない。
だがそのとき戸坂自身がグラスから水を飲んだのを見て、新藤は冷静さを取り戻した。そうだ、この水は目の前で同じデキャンタから全員のグラスに注がれていたのだ。そしてそれを戸坂も口にしている。つまり水に薬は入っていない。あるとしたらやはりコーヒーだ。
思い通りになるものかと、新藤はさらに水を飲む。まさかばれているとは思っていないのだろう、怪訝さを隠せていない戸坂の苦笑が可笑しかった。
やがて残っていた書類の確認が済み、商談は終了した。話を終えるまでに新藤は二杯目の水を飲み干し、デキャンタから再度注いでそれも飲んでしまった。
「それでは、本日はありがとうございました」
「こちらこそ。今後ともよろしくお願いいたします」
新藤は部下とともに、丸岡社をあとにした。体調も変化なく、勝ち誇った表情を浮かべ歩く。戸坂は薬でこちらの判断力を鈍らせ、商談を有利に進めようとでも思っていたのだろうか。その企てに勘付き逃れることができたのだ。巨悪に立ち向かう、あの主人公高橋真太郎みたいじゃないか。大仕事をやり遂げた達成感を胸に、来たときよりも堂々とした足取りで新藤は帰っていった。
4.
「失礼します。墨田商社様、お帰りになりました」
「ああ、君もありがとう。すまないがグラスの片付けも頼むよ」
新藤たちを会社の入口まで見送り、来客対応の事務員が応接室に戻った。戸坂は疲れを滲ませた顔で書類を揃えている。
「お疲れさまでした。ところで新藤様、随分険しい表情をされていましたが……商談中に何かありました?」
事務員に尋ねられ、戸坂はため息を吐いて肩をすくめた。
「……何も。なんてことない、ただの定例の商談だ。まったくあの人は、ドラマの見すぎなんだよ」
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各地句会報
花鳥誌 令和5年5月号
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年2月2日
うづら三日の月花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
厨女も慣れたる手付き雪掻す 由季子
闇夜中裏声しきり猫の恋 喜代子
節分や内なる鬼にひそむ角 さとみ
如月の雨に煙りし寺の塔 都
風花やこの晴天の何処より 同
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月4日
零の会
坊城俊樹選 特選句
暗闇坂のチャペルの春は明日あたり きみよ
長すぎるエスカレーター早春へ 久
立春の市の算盤振つてみる 要
冬帝と暗闇坂にすれ違ふ きみよ
伊達者のくさめ名残りや南部坂 眞理子
慶應の先生眠る山笑ふ いづみ
豆源の窓より立春の煙 和子
供華白く女優へ二月礼者かな 小鳥
古雛の見てゐる骨董市の空 順子
古雛のあの子の部屋へ貰はれし 久
岡田順子選 特選句
暗闇坂のチャペルの春は明日あたり きみよ
冬帝と暗闇坂にすれ違ふ 同
大銀杏八百回の立春へ 俊樹
豆源の春の売子が忽と消え 同
コート脱ぐ八咫鏡に参る美女 きみよ
おはん来よ暗闇坂の春を舞ひ 俊樹
雲逝くや芽ばり柳を繰りながら 光子
立春の蓬髪となる大銀杏 俊樹
立春の皺の手に売るくわりんたう 同
公孫樹寒まだ去らずとのたまへり 軽象
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月4日
色鳥句会
坊城俊樹選 特選句
敬な信徒にあらず寒椿 美穂
梅ふふむ野面積む端に摩天楼 睦子
黄泉比良坂毬唄とほく谺して 同
下萌や大志ふくらむ黒鞄 朝子
觔斗雲睦月の空に呼ばれたる 美穂
鼻歌に二つ目を割り寒卵 かおり
三路のマネキン春を手招きて 同
黄金の国ジパングの寒卵 愛
潮流の狂ひや鯨吼ゆる夜は 睦子
お多福の上目づかひや春の空 成子
心底の鬼知りつつの追儺かな 勝利
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月6日・7日
花鳥さざれ会
坊城俊樹選 特選句
潮騒を春呼ぶ音と聞いてをり かづを
水仙の香り背負うて海女帰る 同
海荒るるとも水仙の香の高し 同
坪庭の十尺灯篭日脚伸ぶ 清女
春光の中神島も丹の橋も 同
待春の心深雪に埋もりて 和子
扁額の文字読めずして春の宿 同
砂浜に貝を拾ふや雪のひま 千加江
村の春小舟ふはりと揺れてをり 同
白息に朝の公園横切れり 匠
風花や何を告げんと頰に触る 笑子
枝川やさざ波に陽の冴返る 啓子
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月8日
さくら花鳥会
岡田順子選 特選句
雪を踏む音を友とし道一人 あけみ
蠟梅の咲き鈍色の雲去りぬ みえこ
除雪車を見守る警備真夜の笛 同
雪掻きの我にエールや鳥の声 紀子
握り飯ぱりりと海苔の香を立て 裕子
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月10日
鳥取花鳥会
岡田順子選 特選句
東風に振る竿は灯台より高く 美智子
月冴ゆる其処此処軋む母の家 都
幽やかな烏鷺の石音冴ゆる夜 宇太郎
老いの手に音立て笑ふ浅蜊かな 悦子
鎧着る母のコートを着る度に 佐代子
老いし身や明日なき如く雪を掻く すみ子
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月11日
枡形句会
栗林圭魚選 特選句
朝光や寺苑に生るる蕗の薹 幸風
大屋根の雪解雫のリズム良き 秋尚
春菊の箱で積まれて旬となる 恭子
今朝晴れて丹沢颪の雪解風 亜栄子
眩しさを散らし公魚宙を舞ふ 幸子
流れゆくおもひで重く雪解川 ゆう子
年尾句碑句帳に挟む雪解音 三無
クロッカス影を短く咲き揃ふ 秋尚
あちらにも野焼く漢の影法師 白陶
公魚や釣り糸細く夜蒼し ゆう子
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月13日
枡形句会
栗林圭魚選 特選句
犬ふぐり大地に笑みをこぼしけり 三無
春浅しワンマン列車軋む音 のりこ
蝋梅の香りに溺れ車椅子 三無
寒の海夕赤々漁終る ことこ
陽が風を連れ耀ける春の宮 貴薫
青空へ枝混み合へる濃紅梅 秋尚
土塊に春日からめて庭手入 三無
夕東風や友の消息届きけり 迪子
ひと雨のひと粒ごとに余寒あり 貴薫
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月13日
武生花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
浅春の眠りのうつつ出湯泊り 時江
老いたれば屈託もあり毛糸編む 昭子
落としたる画鋲を探す寒灯下 ミチ子
春の雪相聞歌碑の黙続く 時江
顔剃りて少し別嬪初詣 さよ子
日脚伸ぶ下校チャイムののんびりと みす枝
雪解急竹はね返る音響く 同
寒さにも噂にも耐へこれ衆生 さよ子
蕗の薹刻めば厨野の香り みす枝
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月14日
萩花鳥会
水甕の薄氷やぶり野草の芽 祐子
わが身共老いたる鬼をなほ追儺 健雄
嗚呼自由冬晴れ青く空広く 俊文
春の園散り散り走る孫四人 ゆかり
集まりて薄氷つつき子ら遊ぶ 恒雄
山々の眠り起こせし野焼きかな 明子
鬼やらひじやんけんで勝つ福の面 美惠子
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令和5年2月15日
福井花鳥会
坊城俊樹選 特選句
吹雪く日の杣道隠す道標 世詩明
恋猫の闇もろともに戦かな 千加江
鷺一羽曲線残し飛び立てり 同
はたと止む今日の吹雪の潔し 昭子
アルバムに中子師の笑み冬の蝶 淳子
寒鯉の橋下にゆらり緋を流す 笑子
雪景色途切れて暗し三国線 和子
はよしねまがつこにおくれる冬の朝 隆司
耳目塗り潰せし如く冬籠 雪
卍字ケ辻に迷ひはせぬか雪女 同
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月16日
伊藤柏翠記念館句会
坊城俊樹選 特選句
指先に一つ剥ぎたる蜜柑の香 雪
大寒に入りたる水を諾ひぬ 同
金色の南無観世音大冬木 同
産土に響くかしは手春寒し かづを
春の雷森羅万象𠮟咤して 同
玻璃越しに九頭竜よりの隙間風 同
気まぐれな風花降つてすぐ止みて やす香
寒紅や見目安らかに不帰の人 嘉和
波音が好きで飛沫好き崖水仙 みす枝
音待てるポストに寒の戻りかな 清女
女正月昔藪入り嫁の里 世詩明
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月17日
さきたま花鳥会
坊城俊樹選 特選句
奥つ城に冬の遺書めく斑雪 月惑
顔隠す一夜限りの雪女郎 八草
民衆の叫びに似たる辛夷の芽 ふじほ
猫の恋昼は静かに睨み合ひ みのり
薄氷に餓鬼大将の指の穴 月惑
無人駅青女の俘虜とされしまま 良江
怒号上げ村に討ち入る雪解川 とし江
凍土を突く走り根の筋張りて 紀花
焼藷屋鎮守の森の定位置に 八草
爺の膝捨てて疾駆の恋の猫 良江
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月19日
風月句会
坊城俊樹選 特選句
古玻璃の奥に設ふ古雛 久
笏も扇も失せし雛の澄まし顔 眞理子
日矢さして金縷梅の縒りほどけさう 芙佐子
梅東風やあやつり人形眠る箱 千種
春風に槻は空へ細くほそく ます江
山茱萸の花透く雲の疾さかな 要
貝殻の雛の片目閉ぢてをり 久
古雛髪のほつれも雅なる 三無
ぽつねんと裸電球雛調度 要
栗林圭魚選 特選句
紅梅の枝垂れ白髪乱さるる 炳子
梅園の幹玄々と下萌ゆる 要
濃紅梅妖しきばかりかの子の忌 眞理子
貝殻の雛の片目閉ぢてをり 久
古雛髪のほつれも雅なる 三無
老梅忌枝ぶり確と臥龍梅 眞理子
山茱萸の空の広さにほどけゆく 月惑
八橋に水恋うてをり猫柳 芙佐子
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月21日
鯖江花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
師を背負ひ走りし人も雪籠 雪
裏庭開く枝折戸冬桜 同
天帝の性こもごもの二月かな 同
適当に返事してゐる日向ぼこ 一涓
継体の慈愛の御ん目雪の果 同
風花のはげしく風に遊ぶ日よ 洋子
薄氷を踏めば大空割れにけり みす枝
春一番古色の帽子飛ばしけり 昭上嶋子
鉤穴の古墳の型の凍てゆるむ 世詩明
人の来て障子の内に隠しけり 同
春炬燵素足の人に触れざりし 同
女正月集ふ妻らを嫁と呼ぶ 同
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月26日
月例会
坊城俊樹選 特選句
能舞台昏きに満ちて花を待つ 光子
バス停にシスターとゐてあたたかし 要
空に雲なくて白梅すきとほる 和子
忘れられさうな径の梅紅し 順子
靖国の残る寒さを踏む長靴 和子
孕み猫ゆつくり進む憲兵碑 幸風
石鹸玉ゆく靖国の青き空 緋路
蒼天へ春のぼりゆく大鳥居 はるか
岡田順子選 特選句
能舞台昏きに満ちて春を待つ 光子
直立の衛士へ梅が香及びけり 同
さへづりや鉄のひかりの十字架へ 同
春の日を溜め人を待つベンチかな 秋尚
春風や鳥居の中の鳥居へと 月惑
料峭や薄刃も入らぬ城の門 昌文
梅香る昼三日月のあえかなり 眞理子
春陽とは街の色して乙女らへ 俊樹
(順不同特選句のみ掲載)
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令和5年2月
九州花鳥会
坊城俊樹選 特選句
ポケットの余寒に指を揉んでをり 勝利
黒真珠肌にふれたる余寒かな 美穂
角のなき石にかくれて猫の恋 朝子
恋仲を知らん顔して猫柳 勝利
杖の手に地球の鼓動下萌ゆる 朝子
シャラシャラとタンバリン佐保姫の衣ずれ ひとみ
蛇穴を出て今生の闇を知る 喜和
鷗外のラテン語冴ゆる自伝かな 睦古賀子
砲二門転がる砦凍返る 勝利
小突かれて鳥と屋や に採りし日寒卵 志津子
春一番歳時記の序を捲らしむ 愛
(順不同特選句のみ掲載)
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