Tumgik
#殉教者の首
ari0921 · 2 months
Text
西岡力先生の論考です。
<正論>織田元空将の正論に申し訳ない 
麗澤大学特任教授・西岡力
1月16日付「正論」で元空将の織田邦男氏が書いた「憲法に自衛隊明記が必要な理由」を読んで私は恥ずかしくてならなかった。織田氏は結論でこう書いた。
<国防という崇高な使命を果たす自衛隊を憲法に明確に位置付ける。自衛官に名誉を与えるだけでなく、国民に国防の当事者意識を持たせることになる。「13・2%」という異質性は、大いに改善されるだろう。ひいては抑止力強化に繫(つな)がり、結果として平和が守られることになる>(13・2%は「もし戦争が起こったら国のために戦うか」の問いに「はい」と答えた日本人の比率)
民間人が率先すべき論陣
自衛隊員に名誉を与えるべきというこのような論説を、命がけで国防に従事してきた元自衛官自身に書かせてはならないと私は考えてきた。われわれ民間人が率先してその論陣をはるべきだからだ。
私は平成28年8月16日付本欄(「自衛隊を憲法に明記する発議を」)でこう書いた。<自衛隊員は現在、南スーダンや尖閣諸島付近などで命がけで任務を遂行している。隊員は「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います」という宣誓をしている。彼らに報いる道は名誉を付与することだ。
最初の憲法改正発議において、自衛隊を憲法に明記することを避けながら、今後も命をかけて国のために働けと命令するのであれば、政治家はあまりに自衛隊員に失礼である。隊員に名誉を与えるため、自衛隊の存在を憲法に明記するための闘いから逃げてはならないと強く思っている>
自衛隊明記も実現していない
直前の参院選の結果、改憲に賛成する勢力が衆参両院で3分の2を超えたことを受けて書いたものだった。その約9カ月後、当時の安倍晋三首相が自衛隊を憲法に明記する改憲を提案し、自民党はそれを受け改憲案をつくった。
そもそも自衛隊の憲法明記は現行憲法の9条2項の戦力不保持条文をそのままにするという前提だ。2項がある以上、自衛隊は通常の軍隊には課せられていない様々な制約を受け続ける。そのことも自衛隊員に申し訳ないと心から思うが、戦後日本の平和ぼけの厚い壁を前にして、まず自衛隊を明記することから始めるべきだと私は8年前に本欄に書いたときに考えた。しかし、まだ憲法への自衛隊明記は実現していない。そこでしびれを切らした元空将が本欄で声を挙げられた。恥ずかしく、申し訳なくてならない。
織田氏は現在、ある大学で安全保障の講義を担当しており、その講義を受けた学生の、国のために戦うと答える比率が顕著にアップしている。その素晴らしい講義を紹介したSNSに対し、若者に命を粗末にしろと教えているなどと見当外れの批判が起きていると聞き驚いている。今現在わが国の安全が守られているのは自衛隊員が命をかけ神聖な任務を果たしているからだ。そのことを知ったら元空将の講義を批判することなど恥ずかしくてできないはずだ。
繰り返すが、自衛隊員は今この時も命をかけ、わが国を守る崇高な任務にあたっている。本当に命がけだから毎年、殉職者が出ている。私は数年前まで防衛省オピニオンリーダーを拝命し、自衛隊殉職隊員追悼式に参席していた。幼い子を残して殉職した隊員はじめ、任務で殉職された英雄が毎年いることをよく知っている。
今年前半に改憲発議を
岸田文雄首相は、自身の任期内に憲法改正を実現すると公言している。自民党は①自衛隊の明記②緊急事態対応③合区解消・地方公共団体④教育充実―の4項目の改正案を提示しているが、最初の憲法改正発議に何を盛り込むのかまだ結論を出していない。
私はここで声を大にして①を絶対に外してはならないと言いたい。国連安保理常任理事国ロシアがウクライナへの侵略戦争を起こし、残虐なテロ攻撃に対してイスラエルが自衛権を行使している。中国共産党政権は台湾への武力行使の準備を進めている。台湾有事が日本の有事ならば、現行憲法下で最初の防衛出動、自衛隊による武力行使があり得る。戦死者が出ることは避けられない。
そのことを承知の上で自衛隊員は日夜、訓練を重ねている。それなのにわが国憲法ではいまだに「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という否定文だけが書かれ、自衛隊について一言も触れていない。憲法学者の多数は自衛隊違憲論を主張し、一部の教師らが教室でそのような内容を教えてさえいる。
命がけの仕事をする彼らに報いる道は名誉を付与することだ。最初の憲法改正発議で自衛隊を憲法に明記することを避け、今後も命をかけて国のために働けと命令するのであれば、あまりに自衛隊員に失礼ではないか。まず声を挙げるべきは元自衛官ではなく、われわれ民間人だ。政治家は自衛隊明記の憲法改正発議を今年前半にぜひ実現させてほしい。国民は国民投票で通す戦いに臨む覚悟はできている。(にしおか つとむ)
Tumblr media
19 notes · View notes
reportsofawartime · 2 months
Text
Tumblr media
速報:ハマスの公式声明 ラファでのスーパーボウル虐殺について 「今夜のナチス占領軍によるラファ市への攻撃と、これまでに100人以上の殉教者の命を奪った無防備な民間人や避難民の子供、女性、高齢者に対する恐ろしい虐殺は、虐殺の継続であると考えられている。戦争と、それがパレスチナ人民に対して行っている強制移住の試み。 ラファ市に対する敵のテロリスト軍の攻撃は複合犯罪であり、大量虐殺戦争の継続であり、この都市が暴動により経験している悲劇的な状況を考慮すると、我々の人民に対して行っている虐殺の範囲の拡大である。 140万人近くの市民がそこに集まり、生活の基本的必需品が欠如した結果、非常に困難で残酷な状況で暮らす避難民のための街路がキャンプに変わりました。 ネタニヤフ首相のテロ政権とナチス軍は2週間前に下された国際司法裁判所の判決を無視し、大量虐殺行為とみなされるあらゆる措置を停止することを含む緊急措置を承認した。 アメリカ政府とバイデン大統領は、昨日ネタニヤフ首相にゴーサインを出し、殲滅戦争を続けるために資金、武器、政治的隠れ蓑を彼に提供した公然とした支援のおかげで、この虐殺について占領政府に対して個人的に全責任を負っている。そして虐殺。 私たちはアラブ連盟、イスラム協力機構、国連安全保障理事会に対し、シオニストの侵略と、ガザ地区で無防備な民間人に対する進行中の大量虐殺犯罪を阻止するために、緊急かつ真剣な行動を取るよう求めます。」 #SuperBowl2024
3 notes · View notes
misasmemorandum · 2 years
Text
『ケルト人の夢』 マリオ・バルガス=リョサ 野谷文昭 訳
1864年にダブリンの郊外で生まれ、後にイギリスの領事としてコンゴとペルーに行ったロジャー・ケイスメント(Roger Casement)の伝記的小説。ちょっとアラビアのロレンスを思い起こしたりもした。けど、全然違ったけどね。
コンゴとペルーで、ヨーロッパの文明と文化と経済を広めるために、一部のヨーロッパ人達が行った虐待と拷問の数々が描かれている。それは人間の仕業と思えないくらいひどいもので、読むのがとても辛かった。主人公のロジャーはこれらを見続けて、同じく非占領国家である己の母国アイルランドの独立を考えたとある。ここらへんのくだりを(あまりに辛い内容なのでどうにかこうにか)読みながら、ロジャーがアイルランドの独立について熱心に考えていたのは、ある種の現実逃避だったのかもしれないなと思った。
いったいどんな権利があって、よそ者たちは彼らの土地を侵略し、搾取し、彼らを虐待してきたのだろう。よそ者たちは目先のことしか考えていなかった。すなわち割り当てである。それは度が過ぎた。人間の力では、それほど多くのゴムや食材を集め労働力を差し出すことはできなかった。村人たちは鞭打ちのことも、人質のことも文句を言わなかった。ただ、自分たちの割り当てをいくらか軽くしてほしいと訴えただけだ。そうしてくれれば、当局の人々がワラの人々に対して不満を抱かずにいられる。(p100)
主人公はゲイで、でもこの時代社会的にも文化的にも宗教的にも同性愛は御法度だったから、自分の欲望を抑えつけて、それでも時々、コンゴやペルーで現地の青年をお金で買ったりして凌いでいたが、落ち着いた愛情のある生活を渇望して、結局はならず者に引っかかってしまったんだよな。気の毒な人だ。
愛と、そして正しい宗教心かな。
 「アイルランドは、ご存じのように、キリスト教に深く根づいた国です。おそらく占領された国という特殊な状況ゆえに、キリストのメッセージを、他の国よりも受け入れやすいのです。あるいは並外れた説得力を持っていた聖パトリックのような宣教師や使徒が私たちの信仰はとりわけ苦しむ者のためのものです。辱めを受けた者、飢えた者、敗北した者、その信仰は私たちを押しつぶす力をものともせず、私たちが国として崩壊するのを食い止めてきました。私たちの宗教では、殉教というものが中心にあります。我が身を捧げること、自分を犠牲にすること。キリストはそうしたのではありませんか?受肉し、最もひどい残虐さに身を委ねたのです。裏切り、拷問、十字架にかかっての死。...」(p489)
でもやっぱ、同性愛やらを認めない宗教は問題だ。
エピローグに、ロジャーの絞首刑のロープを準備し、最後に執行したジョン・エリスが、自らの人生を自殺で終わらせたとあった。どうにも悲しかった。
読むのが辛くて何度も挫折しそうになったが、読了してよかった。
2 notes · View notes
mustachekiwi · 1 year
Text
水色のランドセルでヒョードルの夢を見る
言ってみろ、お前のお空は何色だ!
通っていた保育園の卒園アルバムの表紙には、園児がそれぞれ自分で描いたイラストが使われた。一人一冊、オリジナルのアルバム、なかなかオサレである。
1990年代当時、跳躍力といえばシカゴ・ブルズのデニス・ロッドマンか私か、という時代であった。私は自分が跳び箱を勢いよく飛び越える絵を描き、空を黄緑に、雲を水色に塗っていた。
すると先生が来て「ねえ、青空っていうくらいだから、お空は黄緑じゃなくて青じゃない?」と言った。
その頃、画家である父親が開いていたお絵かき教室に通っていた私は、その言葉に眉をひそめた。父はいつも「手を抜くな、てきとうに描くな、丁寧に描け」と口を酸っぱくして言っていたが、「○○は××色で塗れ」などと言ったことはなかった。だいたい、どうして先生に見えている空の色が、私にも同じように見えていると思っているんだ。空はいつでも青いわけではない。私は黄緑の空を見た。確かに見た。見たんだもん。トトロいたもん。先生がそういう空を見たことがないだけだろ。
当時”悪童”といえば、ロッドマンか私かという時代であった。ロッドマンは「さすがにレインボーの髪はおかしいんじゃない?」と誰かに言われてもそのクレイジーなスタイルを決して崩さなかっただろう。私も己の信念に従い、空を黄緑色に塗った。6歳の私、グッジョブである。自分で自分の色を選ぶということは、小さな人(子ども)にもできる、数少ない自己表現だ。幸い、家の中では、父も母も、青や水色のような「男の子の色」が大好きだった私に「女の子の色」を押し付けてくることはなかった。
だからこそ、家の外へ一歩出た時、周りの人間が私の選ぶ色について「女のくせに」と言ってくることは、耐え難い屈辱だった。
まともな奴ほどFEEL SO BAD!
卒園後、私は自ら選んだ水色のランドセルで小学校へ通った。
今でこそランドセルのカラーバリエーションは豊富だが、私が小学生の時は、男児は黒か紺、女児は赤かピンクで、それ以外の色はほとんど見なかった。当然、水色のランドセルは目立った。
「お前、女のくせになんで水色のランドセルなんだ」
同じ登校班の子供たちや、同級生、知らない上級生にまで色々言われてからかわれた。
言われたらとりあえず暴力で応えた。殴る蹴る首を絞める。「力こそが正義!私はこの水色ランドセルに全てを懸ける運命の『殉星(※1)』!」とまではいかなかったが、とにかく、私はまことに暴力的な女児だった。
この腐敗と自由と暴力の真っただ中の小学生時代、自分の好きな色を選ぶ権利を認めさせるために私は”たっぽい”になる必要があった。
”たっぽい”とは、TOM★CATが���うアニメ『北斗の拳2』の主題歌『TOUGH BOY』に由来する言葉で、「たふぼーい」の「ふ」と「ぼ」が重なって「たっぽい」と空耳することから、この楽曲自体をそう呼ぶ。
つまり、小学生の私は誇り高き水色のランドセルの持ち主として、北斗の拳の世紀末の世界のような小学校時代を生き抜くべく、たっぽい(=タフなボーイ)となることを選んだ。私は誰かにからかわれて泣くような軟弱な人間じゃない、その辺の女子と違って水色のランドセルを選ぶ、たっぽいなのだ、と。もちろん、小学生当時の私は「たっぽい」という言葉は知らなかったが。
思い返せば、この経験が私の「女」としての自意識を歪ませ、「女」として扱われることに対する嫌悪感を抱かせるきっかけとなったのかもしれない。
60億分の1の男ッッ!!
思春期ど真ん中、中学生の私は父の影響で格闘技を見るようになった。 当時はPRIDEやK-1が大人気で、強い選手がばんばん日本に来て試合をしていた。ゴールデンタイムにもしょっちゅう試合があって、なぜ人が殴り合って血を流しているところを見ながら食事をするんだと、母にはけっこう嫌がられていた。
学校で仲のいい女友達にPRIDEやK-1を見ている子はいなかった。代わりに、別に友達でもない隣の席の男の子と時折、格闘技の話をしていた。
中でも私が夢中になったのが、ロシアの格闘家、エメリヤーヤンコ・ヒョードルである。格闘家には二つ名というかキャッチコピーみたいなものがついている。たいてい、出身地や生い立ち、外見、ファイトスタイルから名付けられ、ヒョードルもその氷のように冷たい瞳や、表情一つ変えぬクールなファイトスタイルと圧倒的な強さから「氷の皇帝」とか「ロシアン・ラストエンペラー」などと呼ばれていた。
しかし、彼の最も象徴的な呼び名といえば間違いなく「60億分の1の男」だろう。当時の世界人口およそ60億、その全員が武器を持たずステゴロでやり合った時、誰が一番強いか、その答えがこの男だッ!というニックネームである。
めちゃくちゃかっこよくない?
格闘家は試合前に睨み合ったり、言葉や態度で相手を罵ったりする、リング外でのパフォーマンスを見せることもあるが、ヒョードルはそういう”味付け”なしで、ただリング上での強さのみで観客を虜にする。シンプルな黒のパンツ、うすく脂肪の乗った理想的な体型、無表情な顔に冷たく光る氷の瞳。いざ試合が始まれば、そのクールな表情はそのままに、圧倒的な強さを見せつける。ヒョードルこそ、私のなりたい”たっぽい”の究極形。地球上で最もタフで強い人間。それが、60億分の1の男。
ある時、こんな調子で私がヒョードルについて熱く語っていると、いつも話し相手になっていた隣の席の男の子に「なんで女のくせにそこまでして男みたいになりたいん?」と言われた。
最初は意味が理解できなかった。しかし、どうやら彼の目には私が「必死に男についていきたくて、格闘技の話をしている女」と映っていたらしい。なんてこったい。恥ずかしい、悲しい、悔しい、むかつく……負の感情の詰め合わせが出来上がった。「お心遣いありがとよ。これは私からのほんのお返しだッ!!!」と重い一発を熨斗つけて食らわせてやれればよかったのだが、中坊の私は深く傷つき、そのまま黙り込んでしまった。
心の中では「ほらね、女のせいで、また私が馬鹿にされた」という声が響いた。そうか、「男の趣味」に興味を示すと、こんな風に扱われるのだな。私はまた一つ女が嫌いになった。
女には「本物」がわからない?
隣の席の彼は、まるで格闘技を好きでいることは男の特権のように言う。これは、格闘技だけの話ではない。スポーツ、車、プラモデル、歴史、こういうものは「男の趣味」と見なされて、つい女ごときが興味を持とうものならめちゃくちゃにマウンティングをかまされる。頼んでもないのにレクチャーをされる。挙句、「彼氏の影響?」などという屈辱的な言葉を浴びせられる。
何より、コンテンツを作る側も一緒になって、女はファンとしては二流だというメッセージを発信してくる。
『PSYCHO-PASS』というアニメ作品が結構好きだった。大変な人気作で、映画化もされている。周りにもファンが多い。
2014年にこの映画の舞台挨拶が行われた際、総監督を務めた本広克行は、会場にたくさんの女性鑑賞者が来ているのを見て次のようなコメントをしている。
「こんなはずじゃなかったんです。男が観る物語としてどれだけ骨太の物語のSFを作れるかというのでやってたつもりだったんです。ほとんど女性じゃないですか。『萌え禁止!』とか言いながら作っていたんですけど、残念です(笑)」 出典:https://news.nicovideo.jp/watch/nw1374107
はて。
【骨太】 [名・形動] 1 骨が太いこと。骨格のがっしりしていること。また、そのさま。「骨太な(の)からだ」⇔骨細。 2 基本や根幹がしっかりしていること。構成などが荒削りだが、がっしりとしていること。また、そのさま。「骨太の改革案」「骨太のドラマ」 出典:https://kotobank.jp/word/%E9%AA%A8%E5%A4%AA-631150
【骨太】という語には「ぽこちんが付いた人向けの」とか「社会的に男性として生きる人向けの」とかそういう定義でもあるのかと思わず辞書を引いたが、どこにもジェンダーやセックスに触れる記述はない。「私の辞書には『ぽこちんが付いた人向けの』とありました!」という人がいればぜひ知らせてほしい。
しかし、どうやら本広克行の辞書ではそう定義されているらしい。彼の辞書で【女】を引けば「骨太の作品が理解できない生き物」と書かれているのかもしれない。
これは本広に限ったことではない。女性が「男の趣味」に���を踏み入れると、よくこういう言葉を向けられる。
他にも、大好きなプロ野球OBのYoutubeチャンネルを見ていると、「このチャンネルの視聴者は9割男性だそうです。もう、女性ファンはあきらめましょう。男性のための◯◯チャンネルを今後もよろしく!」みたいなことをなぜか嬉しそうに言っていた。女性ファンが少ないことを自虐っぽく言いつつも、内心は「骨太」のファンに愛されていることを誇りに思っているのが透けて見える。吐き気がするぜ。心底女性ファンなんてどうでもいいと思っているんだな。
「男の趣味」に興味を示すと、女の「好き」は浅いと思われる。イケメンが好きなんでしょ、BLが好きなんでしょ、流行ってればなんでもいいんでしょ、そういう扱いを受け続ける。
女性に人気がある俳優が一生懸命下ネタ言って男性視聴者に”アピール”したり、女性ファンが多い芸人は「ワーキャー人気」と呼ばれて見下されたりするのも、根っこはみんな同じだ。男性から支持されないものは二流だと信じてる人は、みんな必死で自分が誰かのぽこちんを刺激する「骨太」な「ホンモノ」なんだと主張する。そうして、女性ファンをいつだって二流扱いする。
女嫌いの女を育てる社会
中学を卒業するころには、私はもうすでに「女」という性が、二流で、ダサくて、「ホンモノ」にはなれない性だと信じ込んでいた。女らしくなれば、見下される、強く賢く本物であることを示すには、もっと男に認められなければならないと本気で思っていた。
自分が「その辺の女の子」だと思われたくなくて必死だった。私はあの子たちとは違う。きゃぴきゃぴはしゃぐ、普通の女子じゃない。私は特別なんです、女だけど普通の女の子とは違って、ちゃんと個性を持って生きています。ピンク色なんて女の色、選びません。格闘技だって、本当に好きなんです。男の人が見るような目線で、スポーツを見ているんです。だから、私は、「その辺の女の子」じゃないんです。
こういう感覚をどんどん内面化させていくと、自分の好きなものを言うことが怖くなってくる。それが好きかどうかではなく、男に認められる行動かどうかが基準になってくるのだ。
私は当時のK-1MAXに好きなファイターが3人いた。初代王者のブアカーオ、無冠の帝王と呼ばれた武田幸三、そしてウクライナのアルトゥール・キシェンコである。私はK-1の話をするとき、男友達にはキシェンコのファンであることはなかなか言えなかった。キシェンコは”美しき死神”というキャッチコピーで、いわゆるイケメンファイター的扱いをされていた選手だったからだ。もし、キシェンコファンだと言えば、ミーハー扱いされる、顔ファン扱いされる、という恐怖があった。今考えるとクソしょうもないことだが、当時の私には大きな問題だった。
「男の色」である水色を選んだり、「男の趣味」である格闘技を好きになったりすると、「女のくせに」が目の前に立ちはだかる。男と同じように好きなんだと証明したくて、好きであることではなく男に認められることを求めて、私と私以外の女に線を引く。私以外の女は、弱くて、かっこわるくて、表面的で、「ホンモノ」じゃないと憎む。私は、そうじゃない。
女なんか大嫌いだ。女なんかに生まれたくなかった。女のせいで、私まで馬鹿にされる。15歳の私の心の中で、女性嫌悪はますます大きく膨らみ続けた。
女嫌いの女は、こういう環境に揉まれてすくすく育っていくのである。
「女」は「人間」
私は市外の高校を受験した。「国際○○科」みたいな名前の学科だが、ベースは商業科、簿記や情報系の資格をたくさん取るコースで、普通科に比べて女子の割合が多かった。(ちなみに同じ高校に音楽科もあり、そこは私の在籍した学科以上の女子率だった。)
自分の希望通りの学校に合格できて大喜びしていた反面、女子生徒の割合が高いクラスに入ることにかなり抵抗を感じていた。なんたって、この時の私は徹底的に「女」を見下していたからだ。
しかし、しばらくしてその意識が変わっていくのを感じた。40人中33人が女子というクラスの中で、私は「女子」としての自分より、一人の「人間」として生きている感覚を得られた。女だらけの環境にいると、なぜだか女が強調されることが少ない。クラスメートも私を「女子のクラスメート」ではなく「ただのクラスメート」と扱っている感じがした。
むしろ男子生徒のほうが、男性性を強調される場面が多く(それはそれとして問題なのだけど)、小中学校時代とちがって「女のくせに」と言われることもほとんどなくなった。それがとにかく生きやすかった。
クラスを一歩出て、普通科の仲間たちとごちゃまぜになる部活では、幾度となく「女」が強調される場面があったが、クラスに一度戻ると、自然と「女」という色が消えて、一人のただの高校生として生活の中に溶け込んでいく自分を感じられた。
資格試験や勉強にも熱心な学科だったので、がんばった分だけ先生に認められたし、将来を期待されるような言葉をかけてもらえ、私は家庭以外の場所で、初めて「女」から解放された気がした。
それと同時に、「女」に対する自身の偏見からも少しずつ解放されていった。私が一括りに「その辺の女子」と思っていた同い年の女の子たちは、誰も彼も個性的で、変わっていて、カラフルで、ちょっと可笑しなところがあった。誰一人として、小さな「女」という枠に収まっている人はいなかった。「女の子らしさ」という箱の内側にも外側にも自由に行き来して、楽しそうに、悩みながら、全力で生きていた。私と同じだった。
3年間担任をしてくれたS先生も自立的な女性で、強い言葉でみんなを励ましてくれるタイプの先生だった。「私、『女の腐ったような』って表現大嫌い。女を馬鹿にしすぎだよね。」と言っていたのをよく覚えている。学科長のK先生も女性で、簿記などの専門科目を担当している学科の他の男性3人の先生よりもいつも偉そうで、怖くて、陰で女王と呼ばれるくらいインパクトの強い人だった。「単語帳のページ覚えるでしょ?残ってたら、また見たくなる。だから、どうする?覚えたら食べるねん」などと、とにかくすごいことを言っていた記憶がある。そういう身近な強い大人の女性も、高校生の私にはすごく嬉しい存在だった。
「ヒョードル、かっこいいな!」
2007年の年末、私のアイドル、”60億分の1の男”ヒョ��ドルが”テクノ・ゴリアテ”ことチェ・ホンマンという巨人と対決することになった。チェ・ホンマンの身長218センチに対しヒョードルは183センチと体格差の大きい対戦だった。が、しかし、私はヒョードルの勝ちを確信していた。そして、2学期の終業式の下校中、仲良しの女友達にヒョードルが大好きであることと、その試合が大晦日にあるのでぜひ見てほしいということを伝えた。彼女は「わかった。見てみるね。」と爽やかに答えた。
そして、大晦日の夜、私の期待通り、ヒョードルは大男の腕をあっさりとキメて、華麗な勝利を収めた。やっぱりね、ヒョードルかっこいいね。満足げにテレビを眺めていた私の元に一通のメールが届いた。例の友達からだった。
「試合見てた!ヒョードル、めっちゃかっこいいな!あんな風に強かったら気持ちいいやろうな!」
その時、今まで感じたことのない喜びで胸がいっぱいになった。ああ、「女にヒョードルの良さがわかるまい」と決めつけていたのは、他でもない、自分自身だったんだな。友達からの素直な言葉で、呪いが解けてゆく。
高校時代の女だらけの環境が、私の中のミソジニー(女性嫌悪)を少しずつ溶かしてくれた。自分が「女」ではなく「人間」として扱われたかったように、自分以外の女性も、「人間」として扱われたいと願っている。私が「女」を見下すことで、自分にも自分以外の女性にも、傷を与え、呪いをかけていたのである。もちろん、高校生の私は自分の女性嫌悪に気づくことすらなかった。「あれはミソジニーだったんだ」と認識できるようになったのは、二十歳を過ぎてからのことである。
同じく高校時代、私が周りの友達を「女」ではなく「人間」だと理解し始めたころ、私自身も一人の人間であることを教えてくれた友人がいた。
この友人は私に「君の生き方を見ていると、男や女ではなく、君という性別がこの世にあるって感じがする」と言ってくれた。
「ボーイッシュ」「男っぽい趣味」「意外と乙女チックなんだね」他人が息をするように突き刺す言葉で、私の心は穴だらけだった。その無数の穴を塞いでくれるような大切な言葉だった。
ずっと、自分のことを中途半端な人間だと思っていた。枠の中にある「女」というものにはまりきれず、かと言って心身ともに男ではない。では、私の性別は一体?他の人が言うように、女を捨てた状態なのか?まだ女になれない半人前の状態なのか。いつになったら、私は誰かに認められる性になれるのか。もがきながら生きてきた人間にとって、その生き方そのものを私の性だと捉え、受け入れてくれた友人の言葉は、心からの救いだった。
ミソジニーとの戦いは続く
私は怒りを向ける矛先が、女性ではなく、女性を「ホンモノ」として認めようとしない社会の在り方だと思うようになった。「普通の女子」とか「その辺の女の子」「量産型女子」、そんなもんはいない。私たち女性には、当たり前だが一人ひとり好きな色があって、好きなものがある。自分の意志も意見もある。そして、個性がないと言って女性を馬鹿にするような誰かの無神経な言葉に傷つけられていい存在ではない。
私が水色のランドセルをからかわれて傷ついたのと同じころ、ピンクのランドセルを選んで「やっぱり女の子だね」と誰かに言われ、自分の選択ではなく、女の子としての選択として、個性を踏みにじられた女の子がそこにはいたはずだ。
ピンクのランドセルを否定しても、私の水色のランドセルは決して報われない。セクハラを笑って受け流して耐える同僚を憎んでも、女性を軽視する奴らは蔓延ったままである。
私たちを苦しめる根っこは、いつも同じだ。女という物差しでしか私たちを計れない人々で、女の限界はいつも男よりも手前にあると信じ込ませる連中で、女は男に愛されないと価値がないという呪いをかけてきたクソったれ共だ。
THE BLUE HEARTSの「青空」には、聞く者の心を撃ち抜く一節がある。
生まれたところや皮膚や目の色で 一体この僕の何がわかると言うのだろう
生まれた身体で、性別で、一体この私の何がわかるというんだ。
私は自分が救われたい一心で、自分以外の女の子を傷つけてきた。たくさん見下してきた。でも、自分という存在が特別だと思いたいからと言って、自分以外の女を馬鹿にする必要などない。だから、もう誰の性も否定したくないし、誰の好きな色も馬鹿にしたくない。心無い言動に傷つきながらも、笑って受け流そうとする人の痛みを過小評価せず、その痛みに寄り添って、一緒に抗っていきたい。
女を苦しめる連中は、自分たちが勝手に作り上げた「女」という枠からはみ出した人間を見ると、「女を捨てたのか」と言って嘲笑う。私も大げさではなく、100回以上言われてきた。セクシスト(性差別主義者)たちは、息をするように他人の性を踏みにじる。ぐちゃぐちゃに傷つけて、自信を奪う。
だけどな、捨てられねえよ、クソッたれ。そんな簡単に。捨てられるものなら、ずっと昔にとっとと捨てたかったわ。そんなに簡単に捨てられるものじゃねえんだよ、バカヤロウ。人の性を軽んじるお前にはわかるまい。「女」という性と共に、自分を生きる苦しさが。
そういう苦しさを抱えきれなくなって、私は自分の中にある「女」を、周りのクソッたれ連中と一緒になって見捨てた。生まれた時から私と共にあった、私の大切な一部だったのに、自分を傷つけてくる人間の価値観に囚われて、自分も、自分の周りの女性のことも馬鹿にした。
だが、もうそれはやめた。私は自分の中にある、他の誰かの中にある、「女」を否定することはやめた。こいつと共に生きていくことを受け入れる。周りからさんざんボコボコに殴られて、好き放題刺されまくって、満身創痍の、私の中にある「女」を、これ以上傷つけさせてたまるか。
女性であることを恥じることも誇ることもせず、ただ受け入れる。それだけのことがこんなに苦しくて難しい。それでも、私はずっとこの性を生きることにした。見捨てずに、大切にすることにした。
そして、他の誰かの女性性と男性性を、その二つの枠組みの外にある性の在り方を、踏みつけていないか、大事にできているか、できるだけ慎重に歩くことにした。
どれだけ心に強く誓っても、私の中のミソジニーは、なべ底の焦げみたいに私の心にこびりついている。重曹でもお酢でも、簡単には落ちないほど、頑固にこびりついている。
それを取り除いて、鍋の底に映った自分の性と素直に向き合いたいと思う。そのためには、まず、このこびりついたミソジニーと向き合わなくてはならない。
私の水色を守る人
大学時代からの友人でかれこれ10年以上の付き合いになるMは、普段は温厚で、滅多に怒りを他人に向けたりしない人である。Mの喋り方は漫画『聖☆おにいさん』のブッダとほとんど同じだ。同漫画を読んだことがない人は、最寄りの仏をイメージしてもらえばいいと思う。
私が結婚の報告をしたときに、素晴らしいプレゼントをくれたのが、このMだった。
結婚式はしなかったのだが、Mは私への結婚祝いを包む祝儀袋を買いに某百貨店へ行った。そこで店員に女友達の結婚祝いのために探していると言うと、ピンク色の祝儀袋を勧められたらしい。
Mは私が青や水色が大好きなのを知っているので、その旨を伝えたうえで水色のものを選ぼうとしたらしい。ところが、店員はなぜか食い下がる。女性なんですよね、ご友人は、ならば普通はこちらの色ですよ。Mは、いや、他の人からどう見られるかは関係ないし、そもそも本人の好きな色を選びたいだけなので……と説明したが、なぜか店員は折れなかったらしい。
あまりにも頭の固い店員に腹を立てたMは「結構です」と言って祝儀袋を買うのをやめて、結局私を連れて買い物に行き「予算内なら好きなものを買ってあげる」と言ってお祝いしてくれた。その節はかわいいパジャマをありがとう。
「水色は女の色にあらず」というクソジェンダーステレオタイプが19年経っても変わってない事実にがっかりした。しかし、それ以上に、Mが水色の祝儀袋のことで店員にこだわりを見せてくれたという話が嬉しかった。水色のランドセルをからかわれ続けた私は、心が救われた気がした。
Mにとっては、店員との些細な小競り合いだったかもしれないが、私にとっては大きな意味がある。Mは私の好きな色を守った。ジェンダーステレオタイプから守り抜いてくれた。「女のくせに水色」を真っ向から否定してくれた。
子どもにとって自分の好きな色を選ぶことが数少ない存在証明の場なら、大人はその選択肢を決して奪ってはならない。大人が自分の声でジェンダーステレオタイプを否定する時、誰かの中の女や男やその枠組みを超えた性を救うことができると思う。
本広克行がしこしこ『PSYCHO-PASS』の映画を作っていた頃、アメリカでは『マッドマックス 怒りのデスロード』という「骨太」な作品が登場した。
同作品はシリーズとして知られているが、2作目の『マッドマックス2』は北斗の拳に影響を与えた(※2)、まさにたっぽいな作品の一つである。そのたっぽいな作品の主人公の一人を演じた俳優トム・ハーディは映画の記者会見で男性ジャーナリストと次のようなやりとりをしている。
カナダのジャーナリストからの「『マッドマックス』は男の世界の物語だと思っていたのだが、女性キャラクターが登場することについて違和感があったか」という質問に対し、ハーディは一言「ノー!」と答え、記者会見場から拍手が起きていた。 出典:https://www.google.com/amp/s/amp.natalie.mu/eiga/news/147372(日本語記事) https://metro.co.uk/2015/05/29/mad-max-fury-road-star-tom-hardy-has-the-best-reaction-when-asked-if-women-are-taking-over-a-mans-movie-5220250/(英語記事) https://youtu.be/tI6k_8tomRE (映像、10:00ごろ)
「これは男のためのものじゃないのか?」という問いに、私たちはハーディのように「ノー」と答えることができる。自信を持ってそう言える。
水色のランドセルを選ぶ少女が誰にもからかわれない社会がいい。格闘技好きの女子中学生が、誰にも笑われずに、ヒョードルに憧れていると言える世界がいい。
自分の好きな物を守るためにたっぽいにならねばと思ってきた私は、30歳を過ぎてからその必要がないことを悟った。弱いまま、臆病なままでも、誰にも好きなものを馬鹿されずに生きていく権利がある。女の私が、「60億分の1」に憧れる自由がある。私たちは、自分が唯一無二のスペシャルな女の子であることを、他人に認めてもらう必要もないし、誰かに証明する必要もないのである。
涙を拭け、6歳の私。拳を握りしめろ、15歳の私。”悲しみは絶望じゃなくて明日のマニフェスト”だぜ。(意味不明だと思った?私もこの歌詞の意味は未だによくわかっていないけど、かっこいいから引用した。)
家族や友人が私の水色を守ってくれたように、私も周りの人が自分の好きなものを誰かの言葉に傷つけられることなく愛せる世界を作りたい。誰かが「男の子だから青がいいよね」と言えば「そんなことはない。色に性別は関係ない」と言い、「女にこの良さはわかんないだろうな」と言えば「わかってねえのは貴様だ。もっと世の中のことよく見ろ。しばきまわすぞ」と言って黙らせたい。
それは偏見だ、あんたの思い込みだ、幻想だ、嘘だ、そう言って、ジェンダーステレオタイプを否定していこう。みんなでつまらないステレオタイプに「ノー」と言おう。
みんな、聞いてくれ。
この世にあるくそしょうもないジェンダーステレオタイプは一つ残らず、必ずぶっこわせる。たっぽいでなくても、普通の、ひとりの、よわっちい人間にも、それに抗う力はちゃんとある。
私は誰かの好きな色と自分の好きな水色を守るために、これからも一人の女として抗い続ける。そういう旅をしている。そして、あなたが一緒にその旅に来てくれるなら、ヒョードルよりも心強いよ。
※1……漫画『北斗の拳』の中で、一子相伝の拳法の使い手(拳士)たちが持つ星の宿命(宿���)の一つ。愛に殉ずる宿星。
※2……「北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー」内での原哲夫(北斗の拳の作画担当)の発言より。http://www.hokuto-no-ken.jp/hokutogatari/interview10-03
0 notes
terrahumanity · 19 days
Text
テラヒューマニティ・星海殉葬
0.
「なんて、エキゾチックなの」と母は言った。
異国風という言葉選びは、果たして正鵠を射たものなのか。判断しかねた俺は、沈黙を保つ。
部屋には、三人がいる。自分、母、そして一人の少女だ。
少女は、その外見に人類にはない色彩を持っていた。それは、彼女が異星種……つまり宇宙人の血を引いているということを示していた。
地球以外の星に知的生命は存在するか、という宇宙に関する問いは、新天地よりも、ゴールド以上の価値がある物質よりも、強く人を惹きつける命題の一つだった。その一方で、決して実在が確認されることもなく、専ら、フィクションの中だけの存在だと目されてきた過去がある。未解決問題、だったのだ。
今、その結論が目の前にあるという事実に、母は目を輝かせていた。
ひょっとすると、人は無意識レベルで宇宙人と出会うことを渇望していたのかもしれない。何せ、そうすることでしか、宇宙の知的生命のスタンダードを知ることなどできないのだ。
人は古来より、異人との接触によって、自身の性質や、自身の所属する集団の特徴を俯瞰してきた。他所の人と話をしている時、ふと「これは、うちだけのローカル・ルールらしい」と気づくみたいに、だ。これが何を意味しているかと言えば、人は宇宙人を見ることで、地球人らしさというものを、初めて自覚するだろうということだ。
いずれにせよ、宇宙開拓時代を迎えてから百年以上の月日が経った太陽系圏でも、地球人らしさというものは未だ存在しているらしい。
母の言葉は、その実在を証明するものだと言えた。
彼女を見て「自分とは異なる存在だ」と、確かにそう評したのだから。
1.
 小さなモニタを光点が滑る。世間では空間投影だの、網膜投影だのとモニタの流行は移り変わっているが、目の前にあるのは溜息が出るほど古いタイプの板だ。コクピットのシート右側からアームで支えられた、それは、機体が向きを微調整する度に慣性で軋んで揺れていた。
左舷スラスタの反応もやや鈍い。きっちり整備しているはずだが、これはもう、こいつが年寄りだからとしか言えないだろう。
両手のコントロール・スロットルを微細に動かして、今後こそ、光点をモニタの中心に。三次元レーダーで、飛来する目標物を正面に捉えた。
「FL1からFL2、及びFR1からFR2マニピュレータ展開」
 呟きながら、指差し、ワンテンポ置いてからトグルスイッチを上げる。搭載された四対八本のマニピュレータのうち前面側四本で、捕棺網を展開した。ここまで異常無し。長めに息を漏らし、中ほどまで注意力を落とす。
手元のモニタから目を離し、前を見る。そう広くないコクピットの前面を、星空を映すメインモニタが占めている。
漆黒の宙に、星々が瞬いていた。目標物は、まだ視認可能範囲外にあるが、三次元レーダーで正面に捉えている限り、待っていれば、向こうからやって来るだろう。
俺は、棺を待っていた。チタニウムの棺だ。何の比喩でもない。
宇宙を漂う棺を、中型の作業ロボット……汎用船外作業用重機コバンザメに乗って、待っている。
 平らな面を上とした正三角錐に、楕円柱状の胴がくっついたようなロボットだ。コバンザメという俗称に反して、マニピュレータ四本で網を張る様子は、深海に漂うクラゲのように見えるかもしれない。
 こうして指定ポイントで網を展開し、彼方から飛んでくる棺をキャッチする。
それが、俺の仕事だった。人類が地球から宇宙に進出したばかりの頃、このような仕事が生まれることを、誰が想像しただろう。
「ダズン、聞こえていますか?」
 無線から、名を呼ぶ声がした。少女の声だ。
母船シーラカンスで留守番をしている同居人の声だった。
「どうした、シャル」と名前を呼ぶ。発音としてはシヤロに近い。
「どうしたということはありませんけど」
通信の向こうで、逡巡するような間が空く。別に騒がしくしている覚えもないが、静かな艦に残されて、やはり落ち着かなさを感じているのだろう。脳裏に、少女が、話題を選んでいる様が思い浮かんだ。輝くような金髪が目を引くハイティーンである。
「これってやっぱり、地球方向に飛んでいるんでしょうか」
 数瞬して、いつもの話題に行き着いた。これというのが、レーダーに映る光点……チタニウムの棺を指すことは明らかだ。
「多分な」
 第一に肉眼で地球が判別できる距離ではないし、シーラカンスにしろ、コバンザメにしろ、ヘリオスフィア規模の分解能を持つ絶対座標系の航路計なんて高級品は積まれていないので、確かめようもない。
だが、星海葬という性質上、恐らくそうなのだろうと思う。
星海葬。それは、人は地球に属し、地球に還るべきだという思想から生まれた、人が地球へ還るための儀式だ。
彼女はこれに、少しばかり疑問を持っているのだろう。
「何故、人は星海葬の魅力に囚われるのでしょう」
「……地球をルーツとする知的生命だからだろう」俺は答えた。
宇宙で死期を迎えた人間は、その魂が地球へ帰還することを望むという。
人類がまだ地球を主な生活圏としていた頃、地球上で死んだ人間が地球の生命に転生するという考え方は普通だった。実際、物質的に見ても、人が死んだ時、人体を構成する元素は別の地球上の物体へと姿を変えていくのだから、魂の循環という考え方は感覚的にイメージしやすかったはずだ。
しかし、地球を遠く離れた場所で人体が処分されれば、地球に還ることはない。その事実は、魂もまた、還れなくなるという自然な連想を生んだ。人類が地球を離れて活動するようになった時、転生という宗教概念は破綻したのだ。
実際、宇宙開拓初期における、地球の神々の凋落はシリアスな問題だったらしい。地球が宇宙に浮かぶ光点の一つに過ぎないと分かった時、たかだか半径六千三百キロの岩石塊の表面で謳われていた神々に何ができようか……と思うのも、無理からぬ話ではある。宇宙開発黎明期、ソ連の宇宙飛行士チトフもこう言ったという。「私はまわりを見渡したが、神は見当たらなかった」と。
あるいは、いやだからこそというべきか──そう認めるからこそ、神の恩寵の届く星に還りたいという欲求は強まるばかりだったのだろう。
「そうまでして地球に還りたいのでしょうか」
「宇宙で死んだ人間の灰を、地球に持ち帰ることが禁止される程度には」
 それが一般的だった頃、いずれ地球は灰まみれになるのではと揶揄されていた。
地球行の宇宙貨物艦の荷に占める灰の割合は加速的な増加傾向にあった。宇宙規模で繁殖し始めた人類が、帰属意識と伝統と宗教心のままに灰を地球に送るようでは、当然そうなる。そして、今後も増えていくことを危惧した連邦により禁止された。当時は反発もあったというが、長期的に見て公益性は高く、今では妥当視されている。
 星海葬なるものが市民権を得たのは、その頃からと聞いていた。
 物質的な帰還が叶わぬ以上、魂だけは帰還できるように。人々はそう願いを込めて、地球へ向けて棺を打ち出すようになった。
「そうしたら、今度は金属資源の散逸だ、なんだという話になった」
広大な宇宙空間に棺という形で無作為に金属資源が散らばる傾向は、嬉しい事象ではない。単に資源の有無だけで言うなら、適当な地球型惑星から採掘し続ければいいわけだが、それを無駄にしていいかは別だ。
保安上の都合から見ても、意図的にデブリを増やす行為が推奨されるわけはなく、星海葬もまた、連邦によって禁じられる瀬戸際にあった。
「しかし、それは今でも行われています」
「そうだな」誰が見ているというわけでもないが、俺は頷いていた。「スペース・セクストンと呼ばれる団体が生まれ、星海葬をシステム化した」
 スペース・セクストンは、宇宙教なる宗教機関として星海葬を斡旋し、宇宙に流された棺を適切に回収する役目を公然と担うこととなった。
今では、星海葬は宇宙で最もポピュラーな葬儀だ。純粋な地球生まれの地球人がほとんどいなくなった現在でも、セクストンはしっかりと存続しており、多くのエージェントが所属している。
俺もその一人だ。改装した古い小型貨物艦船で、棺を回収している。
連絡艦、旅客艦、貨物艦、遺棄船漁りのスカベンジャー、宇宙海賊、軍艦。宙を往く船にもいろいろあるが、セクストン認可艦の辛気臭さは最高峰だろう。他人を乗せることもなく、華やかな客室もなく、積荷は棺で、一攫千金の夢もなく、争いもなく、地位も名誉もない。
「私がいるではないですか」
どこからか、口に出していたらしい。
不意に、そう言われた。何故だか慰めるような言葉を投げ込まれ、俺は笑う。
2.
 コバンザメの狭いコクピットから這い上がり、シーラカンス艦内に戻ってきた。艦内の人工重力に気怠さを感じながら、ヘルメットを外し、後部右舷通路を歩く。流れで首元に手をやりかけて、直ぐに下ろした。
「やれやれ」と口の中で呟き、そのまま、棺を運び入れた格納庫へ向かう。
棺の回収が終わったら仕事が終わるかと言われれば、そうでもない。
 回収した棺自体は最終的にはセクストンの溶鉱炉で生まれ変わるわけだが、受け渡す前には、中身のチェックをする必要がある。
セクストンの仕事は総じて気乗りしないが、個人的に一番気乗りしない作業だ。人によっては、一番ワクワクするらしい。死者が生前愛した何某を棺に入れる……という風習は根強くあり、炉に入れると不純物になるからというような大義名分の下、懐に入れることが認められているからだ。
以前、少しばかり同業の集まりに参加する機会があったが、それで美味しい思いをしただとか、そういう話は聞く。俺はその説について賛同できないが、昨今の情勢は安定しているので、腐乱しているだの、欠損しているだの、そういう死体を目にすることは、あまりない。それだけが唯一の救いだ。
梯子を下りると、格納庫の前には黒いボディスーツに身を包む少女が待っていた。
彼女……シャルは、しなやかなボディスタイルを露わにする、いつも通りのスーツ姿である。宇宙での活動は今なお、決して安全ではないが、古典映画で見るようなモコモコとした着ぐるみは廃止されて久しい。今の主流は、生命維持デバイスと防護外骨格の展開機構が備わった汎用スペーススーツである。俺や、彼女が着ているそれだ。
彼女は手にしていた情報端末からこちらに視線を動かすと、壁から背中を離した。
「お帰りなさい、ダズン」
「ああ。どうも、異物反応があるらしいな」俺が言うと、彼女は頷いた。
棺をシーラカンスの搬入口に運び入れた時にアラートが鳴ったかと思うと、すぐにシャルから通信が来たのだ。棺の中に、何かがいる、と。
気が重くなる。
異物反応センサーは棺内をスキャンした結果、動体と熱源が確認された場合にアラートを出す。そういう意味では、しょうもない悪戯(例えば、熱を出して動くおもちゃが入っていたとか)の場合もある。
しかし、棺の中に、もしも生きている人間が入っていたら? 放っておけば、そのまま焼却されることになる。寝覚めは最悪だ。
「じゃあ、始めましょうか」
彼女は首元にあるパネルをトンと叩いた。そこには防護外骨格を着脱するためのパネルがあって、青く点灯する。シャクシャクと小気味のよい金属質の擦過音が響き、彼女の体表を、���中から包むようにアーマーが広がっていた。
防護外骨格は、背骨に沿って等間隔に配された六つの小さな突起パーツ内に圧縮格納されているため、展開する際には背面から広がるようなプロセスを踏む。
俺は、自身のアーマーを確認しながら、シャルの展開を待つと、格納庫のシャッターにアクセスした。
ブザーの音。大仰な開閉音。一瞬遅れて、照明が点灯する。
「また家族が増えるかもしれないですね」シャルはそう言いながら、格納庫に入った。
「それは、ゴメンだな」
そう返すと、彼女は苦笑した。
 俺たちは、いくらか積まれている棺たちを見ながら、最後に格納した棺の方……つまり、搬入口に近い方へと足を向けた。
棺は、基本的に幅二メートル、縦三メートルのサイズだ。その大きさの大部分は装甲/気密機構/保冷材/副葬品というように、遺体以外の要素に由来する。遺体を入れるスペースは必要以上に広くする理由もなく、人が最後の旅に出る船としては、適度なサイズとも言えるだろう。
見栄っ張りな富豪が、とてつもない大きさの棺で星海を往くこともあるが、そういう手合いはVIPなので、俺みたいな末端のエージェントが担当することはない。
これらの棺は、この後、金属製の外装部と内部の有機物フレームに分別される。外装は溶鉱炉へ、内容物は焼却炉へ投入されることになる。しかし、回収してすぐに炉に行くというような感傷的なスケジューリングは基本的に認められないため、回収された棺はこうして庫内で並べられて、その時を待っているのだ。
「これですね」「ああ」
 棺を挟んで、立ち止まる。
俺は腰の自衛用のハンド・レーザーウェポンを抜いた。マニュアルによれば、棺の中に異物反応がある時、それはセクストン・エージェントの脅威となる可能性もある。本人が死んでない場合。遺体が別のものにすり替わっている場合。遺体もあるが、別の生物が紛れ込んでいる場合。それぞれ事情は異なるが、どの場合でもレーザーウェポンによる対象の殺傷がベストプラクティスとなるケースは多い。結局のところ、棺の中にいるのは死んでいるはずの存在なのだから。死人に口なしだ。
向かい側に立ったシャルに目を向けた。
金色の髪に、金色の瞳。色白の肌。整った美貌は作り物めいている。彼女は、俺の視線に気づいて、こくりと頷いて見せた。
「……では開けよう」
 棺にアクセスし、アンロックコードを送信する。セクストンの関係者だけが取得できるコードだ。このロックの施錠もセクストン��司っているため、セクストンが開けられる棺は、セクストンが斡旋した正規の棺である、という証明ともなる。
 ピッという簡素な認証音。
何かの手続きを無視した葬儀ではないようだった。少なくとも今回は。
 スライド式のドアが開き始めて、冷気が漏れる。
「顔を近づけすぎないように」
腐敗を防ぐためにドライアイスが入っているのが通例だ。濃い二酸化炭素は一瞬で好気性生物の意識を刈る。別れを告げる遺族が棺に溜まった二酸化炭素を吸引して意識不明となり、そのまま死亡するケースは多い。
「……異物反応があるんですよね?」
「一応だ」確かに、棺内の空気成分自体に問題はない可能性は高い。紛れ込んでいる異物が生きているということは、逆説的に空気に問題ないとも取れる。
 いよいよ、ドアは完全に開いた。
初老の男性だ。体格はいい。髪は白髪交じり。確かに、生命反応が無いとしても、今にも動き出しそうではある。新鮮な死体だ。
「今のところ、異変は無い」
「そうですね」
 と言った舌の根も乾かないうちの話だった。視界の隅で、黒い何かが蠢く。
 瞬間的に、レーザーウェポンを向けて、スイッチする。青いエネルギー弾が瞬き、遺体の腕を焼いた。黒い何かは、素早く這い回っている。大きさは三、四十センチに達する。大型の齧歯類ないし、比較的小型の猫科。そう思い、いや、と否定する。
黒毛のずんぐりとした胴。手足には毛がなく、灰色で、不気味なほどに細長い。脳内の何にも該当しない生物だ。
そいつがガサゴソと棺の中を這う音は、耳障りで、嫌悪感を抱かせた。
「閉じろ!」俺は怒鳴っていた。
 シャルが頷くと、ガコンと力任せにドアが閉じた。だが、棺が閉じきる前に、そいつはもう、飛び出していた。
「ちっ……!」
目の端に映った影に、エネルギー弾を叩きこむ。
棺が積まれた庫内に火花が散った。だが、それだけだ。
当たろうはずがなかった。この倉庫には、棺があり、死角が多すぎる。
 俺は、そのクリーチャーを捕捉できていなかった。
 事実、そいつの鳴き声は背後から聞こえた。
「ダズン!」
 その声に振り向いた時、目の前にそいつが迫っていた。
黒い毛の中に、醜悪なまでに開いた口が見えた。口蓋が見えるほどだ。汚れのこびりついた不清潔な牙が、ずらりと二重に並んでいる。明瞭に見えた。それは紛れもなく、死の前にある体感時間の伸長体験のように思えた。
だが、幸い死ぬことはなかった。怪我をすることも。
透明な何かに弾かれたように、そのクリーチャーが吹き飛び、強かに、床に叩きつけられたからだ。
「捕えます」少女の声。そして、手のひらを、下から上に。握る仕草をする。
不可視の尾の如き力場が、クリーチャーを巻き上げた。
黒い毛が不自然に押さえられ、手足があらぬ方向に曲がっている。その様が、よく見えた。目の高さに浮かんでいる状態だからだ。その様はまるで、見えない蛇に巻き付かれて、全ての動きを封じられた哀れな被捕食者だった。いや、全てではない。活路を探しギョロつく眼球、手足の指はもがき、そしてその心臓は動いている。
 そいつは、潰されまいと懸命に爪を立てるが、抵抗は無駄だった。
彼女の力場には、痛覚も実体もない。それは彼女の尾骶骨の延長上から伸び、自由自在に動く第三のカイナだった。出し入れ自在かつ、最長で十メートルに及ぶ、純粋なる力の尾である。
「ふー」
 それが、彼女の……血統(ジーン・)加速者(アクセラレイテッド)、シャル・ラストテイルの異能だった。
彼女は、地球人と異星種との交配種だった。
異星種のサイキック遺伝子を継承し、研究施設で生まれた実験体である。それだけでも驚いたが、彼女はただの交配実験体ではない。血統加速……時空歪曲を利用した人為的な世代交代の加速による特定能力の選択的先鋭化実験……によって現代に生まれた、約五千年後の世代と推定される超能力者だった。
本来ならば、交配種に連なる者たちが五千年の月日の中で獲得する超強度サイコキネシスを、現代に持ち込む技術。それは、彼女に超越的な力と、絶対的な孤独を与えている。
「ありがとう。助かったよ、シャル」
 少女は前に出していた手を下ろした。クリーチャーは宙に捕えたままだ。力の尾は、彼女の手の動きに同期するものではないので、手を動かすのは、近くにいる俺に注意を促す意味が強い。
「これ、どうしますか?」彼女は言った。
「始末しよう」
 特に、他の選択肢はない。明確な対人凶暴性を発揮した危険生物だ。特に、生きたまま保護して提出するような義務もない。
 俺がレーザーウェポンを構える前に、彼女はこくりと頷いた。
「グギィ……ッ」
 なんとも耳に残る断末魔だった。尾が締まり、クリーチャーが弾けた。付近の棺に、床に、赤い血肉が飛び散る。
「……ああ、うん。ありがとう」
「ううん」彼女は顔色一つ変えず、軽く頭を振るう。
既に尾は消えていた。それ自体は間違いなく不可視だが、斥力の集合体なので、周囲の空気を押しのける。発生や消滅は空気の流れで何となく分かる。避けられるかと言われれば、俺には不可能だが、有無の変化くらいは分かるものだ。
「シャルは先に戻っていいぞ」
「ダズンは?」
「掃除だ。シャルも、興味あるか?」
 彼女が微妙な顔をするので、俺は笑った。
 彼女を見送り、改めて惨状を確認する。どんな寄生虫を持っているかも分からないクリーチャーだ。消毒も必要だろう。肉塊にくっついたままの眼球が、こちらを恨めしそうに見ていた。無論それは主観的な感想に過ぎず、それは既に絶命している。
3.
 片付けを終えて通路に出ると、そこは既に暗くになっていた。足元にはぼんやりと光る非常灯が、点々と続いている。夜になったらしい。
宇宙において昼夜という概念は希薄だが、人間の営みには、昼夜という概念が必要である。それは宇宙開発が進み、宇宙が一時的にいる場所ではなく、生活圏へと次第に変わっていくなかで、明確にルール化する必要が出た事柄だった。人は一時的に昼夜のない場所で過ごすことはできるが、それがずっととなれば話は異なる。
地球人は、地球上の環境に適応した地球生物種の一つであり、地球で生きていたからこそ、今の形になった。となれば、地球環境の一要素である昼夜が消滅した時、人はその異常にストレスを感じるし、その環境で世代を重ねるごとに、地球人ではない別の何かへと変貌していくことになるだろう。
人が人として種の形を保つための法。それは連邦により規定された照明制御規則として、宇宙船やコロニーで運用されている。ライフライン設備、防災上の事情により特別に規定された区画を除き、約十三時間の連続した活動タームにつき、十一時間の休息タームを設け、当該施設内共用部分の照明を規定光量まで落とさなくてはならない。
 このルールは制定以来、その制定理由の尤もさから重要視されており、少なくとも、民間モデルの宇宙船にはデフォルトで採用されている。当艦……シーラカンスも、もちろんそうだ。
 目が慣れて来たので、俺は非常灯の明かりを頼りに歩きだす。
別に、手動で点灯させることはできるが、最近は、そういうことはしない。同居人がいるからだろうか。自問しながら歩く。
しかし、そういう気遣いは、とりあえず今回は無駄だったらしい。
居住区画に入ると、明るい光が俺を出迎えた。
「お帰りなさい。シャワーにしますか? サンドにしますか? それとも練・り・餌?」
 目の前にシャルが立っていた。逆光のためか、不思議な圧がある。
 その右手には、トレーに乗ったサンドイッチが。左手には、銀の包装に包まれた手のひら大のパックが乗っていた。
「……なんの真似だ、それは」
 俺がトレーを受け取りながら横を抜けると、彼女は「同棲する地球人の男女は、古来より、このようなやりとりをしていたそうですよ」等と言った。
「そうか」と流した。俺も別に、地球生まれではない。だから、絶対に嘘とも言いきれないが、無論、本当とも思えない。あと、同棲ではなく同居が正しい。
「練り餌は違うんじゃないか」
 その名の通り、ペースト状であることが特徴の宇宙糧食だ。銀色の密閉されたパッケージに入っており、保存性に富む。もちろん、それは俗称であり、非常に長く厳とした公式名称も、公式略称もある。だが、その風情なさとネットリとした食感から、専ら溜息混じりに練り餌と呼ばれるのが常だ。
 談話スペースにある背の高いスツールに腰かけると、向かいにシャルが座る。
「確かに、これでは食の選択肢が被っていますしね」
 そう言いながら、彼女はその話題には大した興味も無いようだった。
「というより……起きてたんだな」
「先に消灯するのも申し訳ないなと思いまして」そう言いながら、手伝おうという方向にはいかないのが、彼女の意外と強かなところか。
 サンドイッチを口に入れる。
パサパサした合成パン。風味のない合成バター。ひたすら特徴のない辛味を放つ合成マスタード。コクがなく、平面的な合成マヨネーズ。脂っこいだけのベーコン。しんなりした食感の合成レタス。青臭さがオミットされ、味が単純化した合成トマト。フードプリンターが有機フィラメントから生み出す食材は、全てがオリジナルに劣る胡乱な複製物だが、それでも練り餌よりかはマシだった。
「美味しいですか?」彼女は言った。
「ああ」と俺は返す。
 それは、彼女を料理係として雇った時から、繰り返しているやり取りだった。
「……客観的に見て、美味しそうに食べているようには見えませんけど」
 確かに不味い。それは、シャルの料理の腕とは別の部分にある問題だ。すなわち、食材の限界である。
だが、スペースを取り、保存コストも嵩む天然食材の貯蔵には限度がある。仕入れても、一、二週間もすれば、また合成食材の生活になるだろう。中途半端に積むより、オフや寄港の楽しみにしておく方がメリハリになろうというものだ。
それに、彼女には、複雑な味わいの食材を上手く扱うことはできないだろう。
「手料理なのが重要らしいぞ」
目の前に料理があるなら、いつもの二倍幸せだ。それが手料理なら、さらに二倍。自分以外の手によるものなら、そのさらに二倍。つまり八倍の幸せだ。それは、父親の言葉だった。とても古い記憶の一つだ。父が、まだ明朗だった頃の。
尤も、その言葉の続きには「だが不味ければ零倍」というオチもあったが、言わぬが花という言葉の意味は知っているつもりだ。
「私も、少し、喉が渇きました」
 彼女は言った。どうでもよさそうな声色だ。
そのくせ、金の瞳は輝いていた。
「そうか」
 予想外ではなかった。力の尾は、彼女の体力を消耗させるからだ。
折よくサンドイッチを食べ終えた。
俺が立ち上がると、シャルも椅子を降りた。
 特に言葉は必要ない。それはすでにルーティーンとなっていたのだから。
「じゃあ、シャルも食事にするか」
 彼女は頷いた。シーラカンスには、それぞれに個室を用意してあるが、今日は二人で俺の部屋に入ることになった。
そこはこぢんまりとした部屋であり、備え付けのベッド、棚、情報端末だけが置かれており、古の単位で言えば、六畳ほどだ。これは、シャルの部屋でも同様だった。宇宙船の設計というものは、有限のスペースを活動空間/装置/リソースで取り合う陣取りゲームである。精神健康上の観点から、登録乗員に対する最小の居住区画容積と、人数分の個室の設計が遵守されているが、削減されやすいのは個室のサイズだった。
そんな狭い室内で、俺は汎用スペーススーツを脱ぎ始めた。といっても、大袈裟な話でもない。肩を抜いて、上半身を開けるだけだ。
 隣で、シャルもスーツに手をかける。
彼女の、白い肢体が露わになった。
金の髪、金の瞳、いっそ不自然なまでに整った美貌。華奢な首元には鎖骨がくぼみを作っており、乳房がふっくらと佇んでいた。薄い胴はしなやかに伸びており、まるで無意識下にある理想を彫像にしたようだ。
その途中、鳩尾辺りから、肌がすっと透け始めている。幾重もの白い半透明の表皮が覆うようになっており、その下にある、青い筋肉が見えていた。彼女の下半分は、シルエットこそ人間のようだが、異星種の特性を確実に受け継いでいる。
背中側はお尻のすぐ上までは人肌で、前後で変貌の境界は異なっていた。ただ、頭から肋骨の辺りまでが人間で、腹から下が異星種であるという意味では、一定のルールの下で明瞭に分かれている。
白いショーツだけになった彼女が、じっと、俺を見ていた。
ベッドサイドのパネルを操作して、光量を落とす。仰向けに寝転ぶと、シャルがゆっくりと俺の上に覆い被さって来た。まるで恋人同士がそうするみたいだったが、彼女の瞳に宿るのは愛だの肉欲だのではないようだった。
ゆっくりと俺に体重を預けてくる。青い筋肉が透ける下半身も、見た目の印象からは想像もできないほど熱い。彼女はそのまま、俺の首元へと唇を寄せてきた。俄かに、甘い香りが鼻腔を擽った。
そう思うのも束の間、じくりとした痛みが首に広がった。我慢できないほどではないが、気にせず無視しようというのも難しい、痛痒にも近い、鋭い感覚。しかしその感覚も、熱で曖昧なものへと変わっていく。牙で穴が開いているのか、血に濡れているのかも、はっきりとは分からなかった。
 ただ、こくんと、嚥下する音が響いた。その音は小さかったが、血が飲まれていることを自覚するのには十分だった。音は静かな部屋の中にあって、強く耳に残る。
彼女は血を飲んでいた。
彼女が引き継ぐ異星種の遺伝子がそうさせた。シャル・ラストテイルは、地球人と同じ方法で栄養補給をすることができない。内臓の作りが異なるからだ。彼女にとって食糧とは哺乳類の血であり、そのことが判明した時から、俺はこうして、彼女に血を飲ませていた。
俺は上半身を開けて。彼女は下着姿になって。
しかしそれは、儀式めいた行為だった。
やがて彼女が口を離すと、身体を起こした。
ぽたりぽたりと、赤い雫が落ちた。彼女の口元から滑り落ちた血がしずくになって俺の胸元に落ちた。
 首元に手を伸ばすが、そこに傷はない。傷が塞がった後みたいな滑らかな膨らみの感触が、指先に小さく残るだけだ。
 不思議なものだ。これは彼女が引き継ぐ吸血種の性質なのだろう。彼女たちは、ある種の麻酔成分と、血液の凝固を防ぐ成分を送り込む。多くの吸血生物と同様に、だ。それと同時に、牙を引き抜く時には傷跡の再生を促す。
尤も、彼女も最初からそれができていたわけではなかった。
彼女には、それを伝える親がいなかったからだ。
食事には、痛みと、今くらいでは済まない多くの出血を伴った。
彼女が自分の性質に気づき、慣れるまでは。
4.
 ぼたぼたと血が滴った。シーツに赤い染みが広がっていく。
 先ほどまで彼女が噛みついていた場所から、急速に痛みが広がっていた。
 俺は用意していたタオルで押さえて、開けていたスーツを着込んだ。その手首にあるコンソールで、ナノマシン統制プロトコルを小外傷整形モードにする。普段は待機状態で循環/代謝されている医療用ナノマシンが、傷を察知して人体の働きを補助することで、通常の何十倍もの自然治癒力を発揮できる。
「……ごめんなさい」と彼女は言った。
 その少女はシャル・ラストテイルと名乗った。美しい少女だ。正直なところ、彼女の口から謝罪の言葉が出ることにすら、俺は驚きを感じていた。
 彼女は殉葬者だった。
かつては別の意味もあったが、我々の業界では、捨て子という意味になる。
彼女は、俺が回収したチタニウムの棺の中で、深い眠りについていた。
 セクストンのライブラリによれば、そういった事案は稀にあるという。政治的な事情から、食糧事情……いわゆる口減らしまで。
宇宙開拓時代にもなって、望まれない境遇に生まれるケースというものは変わらずあるらしい。いずれにせよ、殉葬者らにとって、それは死んで元々の旅ではあるが、立ち会ったセクストンの匙加減次第では、生きる道が開かれることもある。
 彼女は、棺で、俺の船にやってきた。
そして、その前は「ヒト殺しだった」という。
 シーラカンスで目覚めた彼女の一言目は、それだった。
『二人の部屋は、ガラス張りの部屋。そこは白くて清潔で、狭くて、周囲にはいつも誰かがこちらを見ていた。食べる姿、寝る姿、彼らは何にでも興味があるようだった。時には血を奪われた。痛めつけられた。尾の力を見たがった。妹は、籠から出るには籠を壊すしかないと言った。だから、私はみんな殺して自由になった』
それは、彼女の観測する現実の話で、事実とは異なるかもしれない。
しかし、実際に超越的な力は彼女に宿っている。
それ故、彼女の事情も、また真なるものだと明らかだった。
俺は、その境遇から考えて、他人の痛みに対する常識レベルの配慮が欠けている可能性は決して低くないだろうと思っていたのだ。
「いや」と俺は少女に返していた。
何が「いや」なのだろう。俺は誤魔化すように続けた。
「だいぶん、体重は戻ったか?」
「……そうですね」と、シャルはスーツに包まれた自分の身体を、緩く抱く。
 そんな彼女の肢体は、俺の目にも、最初に見た時より幾分か健康そうに見えていた。
 シーラカンスで目覚めたばかりの彼女は、酷く痩せていた。生きていたのは、その身体に流れる異星種の血がもたらした強靭性の賜物だろう。
 俺はシャルを引き取ってから、違法な情報屋を少しばかり頼った。
 彼女は研究施設で生まれた実験体であり、地球人と異星種の交配実験体で、血統加速実験の被験者だった。試験管から生まれ、妹とされる存在とペアで生きてきた。そして妹と共に研究所を破壊し、外の世界へと飛び出した。一方は当局により身柄を確保されたが、もう一方は現在も行方不明である……。
それは推測だらけで、不確かで、そして馬鹿げたレポートだった。
だが、疑う必要があるだろうか。
彼女を棺から出して、ベッドに寝かせる前に、俺は外傷の有無を確認するために、その肢体を診る必要があった。その時から、彼女に人並み外れた事情があるだろうことは、明白だった。
 上半身は地球人で、下半身は異星種。
彼女の身体には、それがハッキリと形として表れていたのだから。
 シャル・ラストテイルは人ではない。
 不意に目の前に現れた異形様の少女に、驚きがなかったわけではなかった。
彼女が持つ力に恐れがなかったわけでもない。
宇宙開拓時代でも、人殺しは罪である。それでも、殺すことでしか救いが得られないこともある。実験のために生み出された彼女が、実験のない日々へと至る道を、殺し以外で掴む方法があったかは分からなかった。
そうして外の世界に出ても、彼女たちには行く当てというものが無かった。
だから、棺の中にいたのかもしれない。
星海を漂い、殉葬者としてセクストンを頼る。その切符は一枚しかなかった。死者を納める棺に、内側の取っ手は不要なのだから。
彼女は多くを殺め、最後には、妹の献身によって、ここに至った。
それが、彼女の生だった。
人には人の生があり、実験体には実験体の生があるとも言えるだろう。そして、それを逸脱するには、罪を犯し、死に、そして生まれ変わる必要があったのだとも、解釈できた。彼女と人の差は何かと問えば、生まれとしか言いようがないのだから。
 それは上手くいくだろう。
このまま地球人らしく振る舞うことを覚えれば、彼女は人の隣人になれる。
彼女は明らかに異星種の特徴を有しているが、人前で服を脱がなければ露見することはない特徴だ。人としての振る舞いを覚えれば、秘密は秘密のまま、人の輪に溶け込める可能性が残されている。
ただ、彼女の方は、そう思ってはいないようだった。
彼女の瞳には絶望があり、声は暗く、その立ち姿は、人間らしさからいっそ遠く空虚だった。
俺一人では、彼女をどうこうするのは難しいのかもしれなかった。
そう思ったのを、覚えている。
……。
「ありがとう、ダズン」
「ん、ああ……」
少しばかり、ぼうっとしていたらしい。
 すでに彼女はベッドを降り、床に落ちたスペーススーツに手を伸ばしていた。
 スーツと一体型となったショートブーツを揃えて、足を入れた。さらりと流れた金髪を少し押さえてから、彼女は足元でひと塊になっていたスーツに取り掛かる。脱ぎっぱなしにしていたそれを整えて、袖の位置を確かめると、ゆっくりと引き上げていく。丸まった背中に肩甲骨が浮かびあがり、揃えた脚を、ぴったりとした黒い布地が徐々に、包んでいった。
青い筋繊維が透ける白いヒップは、見た目の印象とは裏腹に、確かな女体の柔らかさを持っていた。スーツへと収まっていきながら、少し窮屈そうに形を変える。その肉感は、色彩を無視できうるほど艶めかしいものとして、目に映っていた。
実際、そこまでスーツを着ると、彼女は普通の……というには語弊のある美貌ではあるが……地球人の女性に見えた。
 だが、そのスーツの下の秘密は、無かったことにはならない。
その事実を忘れさせないために、彼女はその美しい裸身を晒し、俺の血を飲むのかもしれない。
5.
 汎用スペーススーツの上に羽織ったジャケットが、歩くのに合わせて揺れる。俺は腰までの黒い上着で、シャルはクロップド丈の白い上着。
 セクストンのオフィスに、俺たちは連れ立って入った。
 ホールには、数人のエージェントの姿がある。目は合うが、顔見知りはいない。そこで、シャルが視線を集めていることに気付く。
「あまり離れるなよ」耳打ちすると、彼女は心得たように頷いた。
同じエージェントとは思いたくない素行の人間は多い。
 スペース・セクストンは、宗教団体と考える人もいるし、極めて物理的な、死体処理機関であるとも言える。いずれにせよ、地球人の勢力圏であるヘリオスフィア全域で星海葬を管理しており、単一の組織が影響する範囲としては、連邦に次ぐ。人類の宇宙開拓の総指揮を執り、渉外にあっては人類の意思決定機関として働く連邦という機関に次ぐと聞けば、高尚な感はあるが、実際に所属する人間はぴんからきりまでだ。
 セクストンの人事は来るもの拒まず。それは、いい面もあり、悪い面もある。悪い面の一つが、末端ほど、何某崩れしかいないという点。良い面は、社会信用度ゼロの人間でも、エージェントとして生きていける点。つまりは、セーフネットとしての面。俺もその面には少しばかりの恩恵を得た身だった。
 シーラカンスは、荼毘炉に寄港していた。
ここしばらくの回収にひと段落がつき、一度、荷を下ろす必要があったからだ。
荼毘炉は、セクストンが経営する小さなコロニーの総称だ。ヘリオスフィア全域に点在しており、どこでも同じ機能を備えている。宇宙港、簡単な整備ドッグ、精錬プラント、遺体焼却炉、一時滞在用のホテル、エージェントを管理するオフィス、オフィスワーカーたちの居住区、マーケット、食糧生産プラント、小規模な歓楽街等があり、収容人数は場所によって異なるが、最小では数万ほど。
オフィスの窓口に近づくと、カウンターの向こうにいる男性は肘をついてこちらを見た。妙に若く、気怠そうな表情だが、小規模な荼毘炉オフィスの窓口係としては、やはり珍しくない。隣のシャルは何か言いたげにして、黙った。
「……納入ですかね?」
「ああ。艦名は、シーラカンス」
 情報端末を差し出す前に、食い気味にピピッという認証音がした。本当に確認しているのか怪しい速度だが、手続きは済んだ。
しばらく待っていれば、セクストンの分柩課が勝手にシーラカンスの体内に貯め込んだ棺を運び出し、代わりに連邦クレジットが口座に入る。
分柩課は、文字通り棺を分別する役目を担っている連中だ。金属として溶かして再利用する部分と、遺体を焼くための部分を分別し、炉に投じる準備をする。
「他に何か?」
「報告があるんだが」
 俺が言うと、彼は「はあ」と気の乗らない声。
「棺から、このくらいの獣が現れて、襲われたんだ」
 言いながら、両手でサイズを示していると、その係員はやっと俺の顔を見た。彼の瞳が初めて俺を映す。面倒くさそうに、鼻を鳴らした。
「防疫課は向こうだよ」
「怪我はしてない。そうじゃなくて、例えば、似たような報告は? ああいうのを棺に仕込むのは流行りだったりするのか? 何か情報は?」
「さあね」
 シャルがほとんど溜息のような、長い息をついた。
 やれやれ。        
オフィスを出て、メインストリート・ブロックに入る。通常のコロニーは、いくつかのモジュールの集合体である。いわゆる隔室型宇宙都市だ。屋内/屋外という概念は無いため、隔室型宇宙都市の全ては屋内だが、どの施設でもない接続用モジュールも存在しており、それらはストリート・ブロックと呼ばれている。
「やる気がなさすぎると思いませんか?」
「セクストンとは、結局、そういうものだ」
「それにしてもです」
「まあな……」と俺は空を見上げた。
空と言っても、天井の映し出された空だ。閉塞感を緩和しようとしているもので、その努力を考慮しないとすれば、モジュール単体のサイズは、さほどでもない。上方向だけで言うなら、三階建て以上のビルは入らない程度だ。
二人でメインストリート・ブロックを歩く。
宇宙都市内には当然のように空気があり、疑似重力によって、地球人にとって都合のいい環境が整えられている。宇宙都市というのは何型であれ、どこもそうだ。空気がなかったり、無重力だったりする環境は、人間種の正常な生育にとって都合が悪いのでコロニーとして認められない。
通りは晴天状態で、通行人はぼちぼちと行き交っていた。荼毘炉にはセクストンやその関係者しか近づかないが、閑散としているわけではない。エージェントにはそれなりの人数がおり、そしてそれぞれに家族がおり、空腹になれば、食欲を満たす必要があるからだ。昼時になって、人々の動きは活発だった。
「……仮想レストランですね」と彼女が言う。
「だな」
軒先から見える限り、どの店もそれなりに盛況なようだ。客がスツールに座り、虚空に向かって見えないフォークを繰っている様子が見えた。一見すると、少し滑稽なようにも見えるが、彼らには美味しそうな料理が視えていることだろう。
ミクスト・リアリティによる食事提供は、現代では一般化した光景だ。彼らは、網膜に投影されたホログラムを現実に重ね、レストランのネットワークとナノマシン統制プロトコルを連携することで、任意の味覚/食感データを脳内に再生している。
「入ります?」
「いや」
「私の作る料理より、あっちの方が美味しいのでは」
「そうかもな」
味覚/食感はデータで楽しみ、栄養補給は練り餌で済ませるというのは、コストパフォーマンスに優れた食の形式だ。データは買えばコピーペーストできるし、練り餌も完全栄養食として流通している。本来論で言えば、こうして店先にいる必要性もないのだが、友人と食事している、とか、外食している、といった事象自体にバリューがあるのだろう。会計時に渡される練り餌をそっちのけで、味覚の摂取と世間話に集中しているようだった。そして、店側としても、調理によってハイクラスな味と栄養を両立できる形に加工するのは、よりコストが必要となってしまう。
総じて、料理というものに、こだわりがある人というのは少ない。
 俺がそこに拘泥しているのは、親の教育の成果だろう。
 ふと、シャルを見ると、彼女は少しばかり面白くなさそうな顔をしていた。
「どうした」
「美味しくないけど、作れと言っています?」
「まあ、そうだ」
「あまりに悪びれもなく言いますね」
「不味いとは言ってない。プロの域には達してないというだけだ」
 自分からそう言うよう誘導したくせに、とは口にはしない。
 そもそも彼女は料理に関してはハンディキャップがある。
 彼女は地球人とは栄養補給方法が根本的に異なり、従って、人と同じ体系の味覚器官も持っていない。それでも、食べられるラインのものを作ることができるのは、分量の計算で味の着地地点をコントロールできうるからだ。
とはいっても、言うは易く行うは難しというもので、実際にそれをハズレなく遂行できるのは彼女自身の努力の結果であり、師が良かったという面も多分にあるだろう。
 それから、有機フィラメント食材の味が単純化されているという面も。辛いものは辛く、甘いものは甘く、酸っぱいものは酸っぱく、各食材の個体差や複雑な要素は、詳細には再現されていない。よって、甘いものと甘いものを合わせれば、もっと甘い……くらいの解像度でも、想定と大きくずれる味になりにくいらしい。
「でも、言うなれば、私もプロですよ」
「……」と黙る。彼女の良い分も尤もだった。
俺と彼女の間にあるのは、まさにそのサービスを供給する契約だ。
シャル・��ストテイルは料理係として雇った。
「別にいいだろう。雇い主がいいと言っているのだから」
 そういうと、彼女は「まあ……」と煮えきらない返答。
 噛みついてはみたものの、料理を今以上の仕上がりにすることが困難であることは分かっているだろう。そして、それが原因でクビにされても困るということも。
そもそも、何か仕事を……と言い出したのはシャルの方からだった。シーラカンスに乗っていたい。そして、乗るからにはクルーとしての仕事を熟さなければならないのだと、そう思ったのだろう。
 別に、捨てられて生きていけないということもないだろうに。彼女の容姿と能力を以てすれば、それなりの待遇を得られる可能性は高い。単に荷運びとして考えても、彼女の力は非常に有用だ。服の下がどうなっていようと運送に支障などない。
確かに血を飲むが、別に輸血パックでもいいとも言っていたし、実際、施設にいた頃はそうだったと本人も言っていた。
「あの……ダズン?」
 どこかに行こうとしていた思考が、その声で帰って来た。
 シャルは路地の方を指さしていた。そこにはフードを被った男がいて、こちらを見ていた。人通りの中から、自分たちを見ているのだと、何故か理解できる。彼は、そのまま、お辞儀をするような仕草をして、踵を返した。
「追おう」
「う、うん」
 路地に入る。どこの路地裏もそうであるように、表に入りきらずに溢れた猥雑さが溜まっている。勝手口に、室外機に、ゴミ箱に、非常階段。少し歩くと、フードの男が俺たちを待っていた。彼はフードを被っているばかりか、サングラスと、マスクを着けていた。これでは黒い肌を持つことしか分からない。この手の、身元グレーなメッセンジャーの正体を暴くことに何の意味もないが。
「誰かが、お前たちを狙っている」と男は告げた。
その誰かとは、恐らく、シャルの行方を捜す者たちだ。
しかも、多分、思っていたのとは違うタイプの。
脳裏に二つの声が響く。これまでバレなかったのに、という声と、それから、ずっとバレなければよかったのにという声だった。
6.
「どこに向かっているのか、教えてくれてもいいんじゃないですか?」
 艦橋に響くシャルの声は、少し非難の色を帯びていた。シーラカンスくらい小型の宇宙船でも艦橋というものはあり、コクピットとは異なるものとして定義される。立派ではないが、そこには艦長の席があり、オペレーターの席がある。前方には、シアターのようなサイズのスクリーンがあって、最低限ながら、宇宙船の艦橋というものの体を成していた。
そして、スクリーンには航路図が表示されているが、今は、コンソールの向こうに立ったシャルが視界を塞いでいた。
「そうだな。別に、教えたくないということもなかった」
「なら、もっと早く言ってくれて、よかったじゃないですか」
 そう言われてから、どうにも気が急いていたのだなと、ついに初歩的な自己分析に達する。しかし、それを正直に言うのも憚られた。憚る理由の方は分からない。自己分析が足りないのかもしれないが、もはや手遅れだろう。思考を放棄する。
 荼毘炉を去ってから、すでに三日経っていた。そのことから、彼女の忍耐力は非常に高いといって差し支えないと言えた。
「ワイズマンズ・シーサイドスクエアだ」
「月ですか」
「正確には月の裏側だが」
「……それ、どこから見た時の話ですか?」
「地球だ」
 シャルが「ふーん」と俺を見た。言いたいことは分かる。別に地球生まれというわけでもないくせに、というような顔だ。
「生まれがどうとかではない」
「じゃあ、なんです?」
「連邦の定義だ」
この連邦の定義というのが、重要なのだ。何しろ、ヒトが人類史の中で学習したものは、その大半が地球環境を前提に語られる。代表的なのは、暦や時間だ。地球から遠く離れた場所でも、太陽暦や地球時間は基準として大きな意味を持っている。宇宙開拓による混乱を避けるため、連邦が基準として定めたためだ。
そう言いながら、航路計をチェックする。ヘリオスフィア連邦相対航路計だ。
艦の進路と、進行中の航路との誤差を割り出し、必要があれば軌道修正する。航路線と呼ばれる、宇宙空間に便宜的に引かれた線との退屈な比較/修正作業だ。
それをしなければ、シーラカンスが宇宙を飛びまわることはできない。連邦の定義する航路線が一定範囲に無い場所では、航行できないとも言う。
 これは特にシーラカンスが旧式だからというわけでもなく、ほとんどの宇宙船は同じだ。相対座標系の航路計しか積んでいない。ヘリオスフィア内の艦は、どのみち、星々を最短経路で結んだ航路網に基づいて運航するものだ。航路線に関わらず自身の座標を知ることができるという絶対座標系の優位性を、航路網が充実しているヘリオスフィア内で感じることはない。道具は、それを役立てる機会のある船にこそ意味がある。例えば、ヘリオスフィア外を往く、連邦開拓局の艦とか。
「里帰りですか」と彼女は言った。
「そうだ」
 ワイズマンズ・シーサイドスクエアは、月の裏に作られた都市だった。
 そして、俺の両親が住んでいる。
「半年ぶりくらいですね」
 言われてから、そうなるかと、表情には出さないままに自問した。
シャルと出会って、すぐ後に、一緒に訪れたことがあった。助言をもらいに、あるいは、そのまま実家に置いて行こうかと考えて。
その頃の俺は、シャルの扱いに迷っていた。どうにも、年頃の女の扱いが分からなかったというのもある。幼少から、周囲には女ばっかりだったはずなのに。長いセクストン生活が祟ったとでも言うのだろうか。
もちろん今も、分かってはいないが、仕事仲間だと思えば、何とかはなった。
俺がそう扱えば、こいつもそう応えてくれた。
「真顔で、えっと、日数でもカウントしているんですか?」
 もちろん違う。
「……月に行く理由は、あれが父からのメッセージだと思うからだ」
 心裡にある感慨のようなものについて、あえて彼女に告げる必要はなく、俺は話の流れを元に戻した。少女は思案顔。
「そうだとして、どうして、その……怪しいメッセンジャーを?」
 丁寧にオブラートに包んだ表現だ。コロニー内という安定環境下で目深にフードをしており、さらにサングラスとマスクで人相を隠している様を、不審ではなく、怪しいという範疇に留めておくのは理性的である以上に、少し面白くはあった。俺は一目で違法メッセンジャーの可能性を考えたが、彼女の目に、オブラートに包むことに足る何かが映っている可能性も皆無ではない。
「まず、普通に艦載通信システムが疎通できる距離ではないからだろう」
 あの荼毘炉と月は距離が離れていた。航路線上で、七単位以上だ。航路線単位は、航路上の中継となりうる惑星間の距離である……という規定であるから、実際の距離としては、かなりタイミングによる揺らぎが大きい。普通の艦載通信であれば、航路線上で一・五単位も疎通できればいい方だった。
「では、連邦公共通信を使うとか」
「それが普通だな」と俺も思う。時空歪曲を利用した超長距離通信だ。
地球人が実効支配できる宇宙規模は一日以内に通信が届く距離に依存し、宇宙開拓の速さは通信技術の発展速度と相関するだろう……という宇宙進出前の未来予測は尤もなものだった。そして、それを乗り越えたからこそ、人類に宇宙開拓時代が訪れたとも言う。現代では、お金さえ払えば、民間でも利用できる類のサービスだ。
それならば、七単位も一瞬ではある。
含みのある俺の返答に、彼女は議論を諦めたようだった。
「それは、会えば分かるという判断ですか?」
「そうだ」
 本当は、シャルの身柄を追う者には心当たりがある。父以外のイリーガルな存在が俺たちに警告を行った可能性もゼロ��はないが、あえてその可能性ではなく、父がグレーなメッセンジャー���用いた可能性を追求することについて、十分な説明ができる。
だが、それを口にするには時期尚早のようにも思えた。推測に過ぎず、何ら確信もない。父を訪ねようと決めたのは、確信を得るためとも言える。
「跳躍潜航に入る」
 会話を断ち切るように俺が告げると、彼女も黙って定位置に着いた。
7.
 到着には、それからさらに数日を要した。
ともあれ、延べ七単位分の超長距離移動が数日レベルの旅行で済むのは、跳躍潜航の恩恵と言えるだろう。これも、時空歪曲技術の進歩が地球人に齎したものだ。
そうして俺たちは、月の裏側最大の都市に降り立った。
 直径百キロ余りもある冷えた溶岩による湖。その岸に、巨大ドームに覆われた月面都市がある。月の都、ワイズマンズ・シーサイドスクエアだ。宇宙開拓が始まって間もない頃、そこは新しいもの好きが集まる最先端の宇宙都市だった。地球から最も近く、遠い都市として人気となり、栄華を極めていたらしい。今となっては、偏屈の巣窟だ。
「相変わらず、継ぎ接ぎだらけですね」
「旧い宇宙都市の特徴だからな」
都市内部には、どこもかしこも、その施行年の新旧が年輪のように表れている。それが、時代遅れの天蓋型宇宙都市の特徴だった。
宇宙都市の寿命は決して長くない。外に空気が無いからだ。大気がない環境というのは、温度にも課題が生じる。月面では、昼夜で摂氏三百度近い温度差がある。そのような酷環境では、人工の殻の綻びが、そのまま人の死を意味する。安全基準は厳しく、経年劣化で問題が起こる前に改修することになる。ワイズマンズ・シーサイドスクエアだけでない。現存する天蓋型都市というものは、常に改修を続けている。全体のドームとしての機能を維持しながら、内装も外装も、だ。
 港からキャリヤーを乗り継ぎ、俺たちは、一際寂れた区画に降り立った。
 すん、と隣を歩く少女が小さく鼻を鳴らす。
「慣れないか」
「ええ、まあ」
人の生活の匂い以上に、都市工事用の重機による排気や、建材の加工時に生まれる粉塵、真新しい金属部品が放つ独特な臭いが、この都市の空気というものを構成している。俺にとっては慣れたものだが、彼女にとっては違うのだろう。
「この町は、やはり人の気配というものがありませんね」
「それなりに多く住んでいるはずだが」
「荼毘炉などよりも、むしろ陰気なほどです」
エアクリーナーも働いているが、健康への影響を軽微なレベルに抑える以上の効果を期待するのは難しい。この都市の空気で病にはならないが、別に快くもない。
だから、この都市には往来の人間というものがない。
人々はフィルターを通した無味無臭な空気を堪能するため、室内に籠っている。家同士を直接繋ぐ回廊文化ができるほどだ。高い天蓋に建ち並ぶビル群。その間を繋ぐチューブのシルエット。改修工事ですぐに書き換わる交通標識。道を往くのは、無人重機たちばかりだった。ビルは人々の生活の明かりを漏らすこともなく、暗いモノリスのように沈黙している。
かつて、このいかにも先鋭的な天蓋型宇宙都市を設計した天才たちも、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの人々がドームの強みを捨て、このようなゴースト・タウンを作り上げるとは考えていなかっただろう。
「俺の故郷なんだ。手加減してくれ」
 そう言うと、彼女はフームと頷いた。
ともあれ、ワイズマンズ・シーサイドスクエアが初期の宇宙開拓の失敗であったという点は明らかだった。この反省を活かして、以降の宇宙都市開発では、モジュール毎に安全な付け外しが可能な隔室型へと立ち戻っている。ここのように、ドームを維持するためにドームの改修を続けるような、財的にも住環境的にも高い負荷の生じる都市の在り方は、早々に否定されていた。
この都市の最大の悲劇は、宇宙開拓ペースが、多くの地球人の想定を遥かに上回っていた点にあるのだろう。ワイズマンズ・シーサイドスクエアが出来上がった後、連邦はその版図を爆発的に拡大し、すぐに多数の宇宙都市が出来上がった。かつてワイズマンズ・シーサイドスクエアに集まっていた人も、財も、果てなき宇宙に拡散したのだ。
流行に見放され、商業的な意義を失った田舎は、顧みられることなく廃れゆくはずだった。それでも未だワイズマンズ・シーサイドスクエアが存続しているのは、この都市を維持せんとする、血よりも濃い連帯があるからだ。
「皆は、元気にしているでしょうか」
「恐らくな」
 角を曲がると、下品なネオンに彩られた店が姿を見せた。
 店の外観など、回廊が整備されたワイズマンズ・シーサイドスクエアにあっては、どうでもいいだろうに。いや、どうでもいいからこそ趣味に走れるのだと、父は言っていた気もする。看板には、裏月酒店の文字。
ホテル・リーユェンと呼んでもいい。食と性を満たすための店。それが、俺の実家とも言える場所だった。
 裏手に回って、勝手口のドアを開くと、ちょうど一人の女性と目が合った。彼女の手から、空の小型コンテナが落ちるのを、力の尾が掴んで、床に軟着陸させる。
「ダズン」とその女性は俺を呼んだ。恰幅のいい立ち姿。白髪交じりの、ざっくばらんなショートカット。目尻に小皺を作り、笑んだ。母だ。
「……父は?」
「上よ」
 彼女は頷いて、俺に近づいてきた。
「前より健康そうに見える」そう言って、両側から腕をパンパンと叩く。
「……だとしたら、シャルのお陰だ」
「ふうん」と母は薄く笑んだ。「それは、師である私のお陰とも言えるね」
そうかもしれないなと、俺は苦笑した。彼女が、シャルの料理の師だった。それと同時に、シャルをヒトとして教育したのも母だった。ヒト殺しであり、殉葬者であり、地球人ではなかったシャルを、今の彼女にしたのは母の功績だと言える。
 俺は、シャルを母に押し付けて、一人でエレベーターに乗った。
8.
 父の私室は、ビルの上階にある。月面都市の街並みを眺望するのにうってつけの場所だが、肝心の景色がよいというわけでもない。それだけが残念だった。ドームが気密性を失ってしまった時に備えて、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの建物には隔壁を閉じる機能が備わっている。裏月酒店のそれは開いているが、ここから見える建物のほとんどは完全に閉じていた。開いているとしても、中に火は灯っていない。この数年で多くの仲間を失ったと、父は言っていた。最後にこの景色を見た時のことだ。その時も、こうして向かい合って、俺はシャルをここに残して、去ろうとしていた。
 俺が部屋に入ると、父は応接用のソファに座って、俺を迎えた。
「来ると思っていた」
 父の声は、深い溜息混じりだった。まだ背筋はしゃんと伸びており、耄碌しているという雰囲気ではない。そのことに俺は、少しばかりの安堵を感じている。
 テーブルを挟んで向かいのソファに座り、父と相対する。
「訊きたいことも分かっているつもりだ。メッセージのことだろう」
 全くその通りだ、と頷く。
「私が送った」
「俺たちを狙う誰か、とは?」
 俺が聞くと、父は眉を顰めて逡巡するように顔を俯かせた。それから、一度は床まで落とした視線を、じっくりと俺の顔に戻す。
「あの娘の言っていたことは、嘘偽りではない」
「最初から、そこを疑ってなどいない」俺はそう断って左膝に肘をつく。「何を濁す必要がある?」
「分かるだろう。うちを継がず、家の力も借りずに、独力で生きる道を選んだお前になら。お前は、結局、聡明で正しい」
「……」
「確かに、この月の裏に未来はない」
 かつて俺がこの家を飛び出した時には、ついぞ認めなかった言葉だった。
 俺がセクストンとして生きることになった切欠となる口論、その結論だ。家業を継げと言う父と、このワイズマンズ・シーサイドスクエアに未来はないと言う俺。あの頃は一致しなかった意見が、ついに合意に至ったらしい。
十余年という月日は、父の考えが変わるのに十分な歳月だというのだろうか。
それとも、父が納得するまでに十年以上もかかったというべきか。
「だが、今は、あのままお前と縁を切っておけばよかったのにと思う。そのくらい、あの娘は危険だ」父は吐き捨てるように言った。
シャルと一緒にいることを選ぶのなら、裏月酒店に迷惑をかけないよう、縁を切れと言っているようにも聞こえた。
「危険? あの尾が?」
「馬鹿なことを言うな。あの娘には、理性がある」
その言葉に俺は頷いた。否定の余地もなかった。危険な力を持つだけで制御の利かない少女であるなら、俺はすでに死んでいてもおかしくはないだろう。
「だが、やはり、関わるべきではなかった」
「母は、そうは思ってないみたいだが」
「あいつもあいつだ」父は自身の胸元を指先で小突いた。「情が深すぎる」
ワイズマンズ・シーサイドスクエアは、その維持を連邦から第三セクターの管理下に移譲されて久しい。現在その維持を担っているのは、まさにここに住む市民たちだ。この天蓋型宇宙都市の莫大な維持費を賄うため、市民は掟を作り、団結する必要があったはずだ。外貨を稼ぎ、都市に富を齎す。その一点で、都市はまとまっていた。幼い頃、父もその情とやらを大事にしていた。それは今や、呪いと化して、目の前の壮年の男を苛んでいるのだろうか。
「誰がお前たちを狙っているか、答えは明白だろう」
「……」
「お前が、今、考えていることを言ってみろ。ダズン」
「それは」と逡巡する。それに何の意味がある?
推論がお互いに一致していようと、それが事実であろうと、なかろうと、もう話は決裂しているように思えた。
 しかし、その推論を披露する前に、扉は開いていた。
 お盆にドリンクを載せ、女性が入って来た。彼女は、その女体のほとんどを見せつけるような、シースルーの挑発的なドレス姿だった。裏月酒店の女だろう。
「レイシィ」父が咎めるような声音で、その名前を呼んだ。レイシィと呼ばれた女性は肩を竦める。「奥様に頼まれたんです」
彼女はドリンクを二つ、ゆったりとした動きで差し出す。
一つは父の前に、一つは俺の前に。
 それから、俺に妖艶な笑みを向けて、囁く。
「お姫様をお連れしましたよ」
 彼女は再び扉が開いた。
 そこにはシャルが立っていた。薄藍のドレスを着こなしている。いわゆる、チャイナ・ドレスだ。薄い布地の下に、美しい曲線が浮かび上がっており、スリットから覗く脚は、白いタイツに覆われている。彼女の特徴的な下半身の彩りさえ、それを薄っすらと透けさせたタイツによって、艶めかしく活かされていた。
 幸い、シャルが俺に感想を求めるような言葉を告げることはなく、ただ彼女の視線がゆらゆらと俺の右耳と左耳の辺りを掠めるだけだった。
 二人はそのまま俺の両隣を挟むように座った。
今、俺たちは重要な話をしている。とは、言えなかった。邪魔をするな、とも。レイシィは兎も角としても、拳四つほど離れて控えめに座るシャルに対して無関係だから離席するよう告げるには無理があった。他ならぬ彼女の話だからだ。
母は、俺と父の話し合いが険悪なものになることを予見して、二人を送り込んだのだろうか。そうだとしたら、その効果は覿面だと言える。
父が立ち上がった。
「話は終わりだな」
「待ってくれ」
 腰を浮かせて、後を追おうとする。父が扉に手をかける前に。
 何かを告げようとして、その前に変化が起きた。
そこで再び、扉が開いたのだ。
 男が、父を押し退けて部屋に入って来た。
その大男ぶりと言ったら、そう低くもない扉を、上半身を傾げて通るほどだ。縦に大きいだけでなく、横幅もあり、筋骨隆々という言葉で評するのに相応しい。彼が入って来ただけで、部屋は狭くなり、その厳めしい顔を見るだけで、息が詰まるような錯覚を覚えた。
それからもう一人、その後について、女性が入って来る。先に入った男の後では小柄にも見えるが、その実、しっかりと身体を鍛えているようだった。ヒールを履いているが、その足運びには安定感があり、タイトスカートの稼働範囲をいっぱいに使った大きな歩幅で、ほとんど部屋の中ほどまで進入する。
二人は汎用スペーススーツの上から、黒いスーツを着ていた。
そして、腕には連邦捜査局の腕章を着けていた。
「貴様らは……」
 父の誰何に、その女性は小首を傾げた。結い上げた金髪が、肩を撫でて滑った。
「私は連邦捜査官、エスリ・シアンサス。彼は、部下のア・スモゥ」
 連邦捜査官。
 そうだ。
「連邦宇宙開拓秩序に基づいて、シャル・ラストテイルの身柄を拘束する」
 彼女たちこそが、シャル・ラストテイルを追っていた。
それは、全く意外ではない。
言うまでもなく、時間と空間は、世界の最重要ファクターである。時空歪曲は、宇宙開発においてブレイクスルーを引き起こす技術であり、超長距離通信や、跳躍潜航が生まれる端緒であった。そして、それにまつわる全ての研究は、連邦が主管している。全ては宇宙開拓秩序の為だ。
そして、宇宙開拓の先に、地球人と異星種の交流という大きなマイルストーンが想定されていたことは想像に難くない。地球上での開拓史ですら、開拓者と原住民の出会いというものは、あったのだから。
同時に、地球人と異星種が交わることが可能なのかという命題も存在している。
血統加速という技術には、それを測る意図があったのだろう。少なくとも、研究が始まって、間もない頃は。それがいつから能力開発の側面を持つようになったのか、あるいは、最初からそれを期待した交配実験だったのか……その委細にそれほどの興味はないが……いずれにせよ、その成果物であるシャルを追うのは、連邦だったのだ。
「よろしいですね?」
エスリ・シアンサスが、無造作にハンド・レーザーウェポンを抜いた。
9.
「お二人とも、逃げてください!」
 鋭い、レイシィの声。彼女の手には、どこからか取り出したハンド・レーザーウェポンが握られていた。
「あああ、馬鹿者が」頭をガシガシと掻き乱し、父も懐から銃を抜いていた。
 無論、俺も。
逃げる? それはいかにも考えられない選択肢だった。
「ナノマシン統制プロトコル、戦術モード!」
 俺と父の声が響く。汎用スペーススーツを着ていないシャルとレイシィを、背に隠した。ナノマシンがアドレナリンを合成して、身体を戦闘モードへと切り替えていく。そのまま銃を構えながら、肩で首元のコンソールを圧迫した。
防護外骨格が、全身をアーマーのように包んでいく。その装甲展開の隙間を縫うかのような眼光の鋭さで、エスリ・シアンサスはトリガーを引いていた。
そして、それに応じる形で、室内に多数のレーザーバレットが飛び交う。
 エスリは、ア・スモゥの巨躯を盾にしていた。
 光弾を生身で受けたように見えた大男だが、恐るべきことに、些かも痛みを感じたようになかったし、その活動に支障が生じたようにも見えなかった。
「かぁああああああああ!」
 それどころか、エスリを守るために広げた腕をそのまま振り回し、こちらに飛びかかって来た。大男の体重の乗���た振り下ろしを受けても、外骨格を破壊せしめることはないだろう。だが、そのまま拘束される愚は犯したくない。
 逃げるしかない。だが、後ろにはシャルもいる。
 迷いで、身体が硬直する。それは命取りになるような隙だった。
「……ダズン!」
 少女の声。
 ア・スモゥの巨躯が、何かにぶつかった。まるで室内でトラック同士が正面衝突を起こしたように、爆ぜるような空気の振動が巻き起こった。
力の尾だ。
不可視の尾の如き力場が、巨漢を受け止めた。
彼女の力場は、疾く奔り、破壊される心配もない。それは彼女の心のままに動く、自由自在の第三のカイナだった。
自分が把握する限り、その上限を感じさせないほど力強いものだ。
「う、ん!?」
だが、シャルは疑問と、そして苦しそうな声を漏らした。
「ん・ん・ん!!!」
拮抗し、しかしそれでも、尾を振りぬく。
 ア・スモゥは弾き飛ばされて、壁に背中から激突した。
 この一瞬、形勢は逆転した。
 エスリはそれを理解していた。タタタンと素早く部屋を走り、父とレイシィに狙われながら、レーザーバレットをやり過ごす。これで、位置関係が逆転した。今、俺たちの方が出入口に近くなっている。尤も、それは相手も承知している。
「ア・スモゥ、起きなさい!」
 エスリの声で、大男が起き上がった。まるで効いていないとでも言うのか。
そう思うが、彼は頭から流血していた。血が滴り、床を汚す。それでも、その歩みは止まらなかった。傷つかないわけではない。だが、歩みを止めるには至っていない。
「……もう一度……」シャルが言った。
俺は彼女の肩を掴んだ。
「ダズン、邪魔しないで!」いつになく悲痛な声に聞こえた。
いや、と俺は逡巡していた。レーザーウェポンが効かない相手に対して、結局、戦力として期待できるのは彼女の超常の力だ。だが、彼女に「ア・スモゥをぶちのめしてくれ」と願うのが本当に正しいことなのだろうか。
「このデカブツめが!」
 父がレーザーウェポンを乱射した。
その言葉に反し、エスリの方に向かって、だ。それは有効な目論見だった。大男はエスリを守るために歩みを止めざるを得なかった。
「お二人とも、逃げて!」
 レイシィが叫んだ。彼女の妖艶なドレスは何かに引っ掛けてボロ布のようになっており、父もすっかり埃で汚れている。ソファは破れ、テーブルは盾の如く立てられたままだ。ひび割れた床のタイル。へこんだ壁。部屋は、何もかもが滅茶苦茶だった。
 それらは全て、連邦捜査官の来訪により引き起こされた。
「いや……」
 俺がシャルを保護しようと考えたことが、この状況を招いたのだ。
そうであるのだとしたら。ヒトならざる存在であるシャルの扱いに困り、この都市に連れて帰ったことが間違いだったのだろうか。
あるいは、棺の中で深く眠っていたシャル・ラストテイルを、そのまま殺していればよかったというのだろうか。
 俺はシャルの腕を取って、走り出していた。
 表は、さすがに見張られているだろう。裏口から出た。ワイズマンズ・シーサイドスクエアの暗い路地裏が、今は有難い。
「とはいえ、どうする」
「逃げましょう」シャルが言った。「宇宙に」
「……まあ、そうなるか」
 だが、ここから港までは遠い。
 シャルが不意に俺の手を振り払った。
「どうした」
「では、急ぎましょうか」
「あ、ああ? そうだな」
 何だ、このやり取りは、と首を傾げた瞬間、俺はシャルに足払いされていた。
 視界がほぼ半回転する。
「は?」
そして気付くと、俺は、横抱きに抱え上げられていた。シャルに。
力の尾を使っているのだろう。不思議と、落とされそうだという不安感は無い。
「舌を噛まないでくださいね」
「何をするつもりだ、お前は」
 少女の金の瞳が、俺を見下ろしていた。その後ろに、星海を背景に黒いビルが浮かび上がっている。その壁面からガシャンと音がして、何かが弾けた。
「……来たぞ、シャル!」
 その言葉で、すっと滑るように横に避ける。
 先ほどまで俺たちがいた場所に、黒い塊が落ちて来た。タイルが砕ける。
 ア・スモゥだ。そしてその肩には、エスリが座っていた。
 俺たちは、そのまま見合っていた。
「……滑稽ですね」ぼそりと、エスリは呟いた。明らかに俺を見ていた。
「何だと、お前」
「貴方も、我々と同じですよ」
 彼女の目には、犯罪者を捕まえよう、みたいな色は無かった。
 哀れだとか、そういう心情がありありと浮かんでいるようだった。
 その手にあるハンド・レーザーウェポンが、ゆっくりとこちらを向いた。
「跳びます!」
 シャルが叫んだ。その瞬間、俺は、俺たちはワイズマンズ・シーサイドスクエアの空に投げ出されていた。飛んでいると言ってもいい。いや、跳躍と言うべきか。
ともかく、大気がうるさいくらいに耳元で荒んでいた。
「……追っては、来ないみたいですね」
「真似できるものなのか」
俺たちは、ゴースト・タウンを俯瞰する身にあった。
これを生身の人間に?
「分からないですけど」と彼女が呟いた。「彼も、血統加速者かもしれません。彼の拳は明らかに重かったですし」
 確かに、そのような節はあった。謎の頑強さは、レーザーバレットを受け止めることから、裏月酒店の最上階からの着地まで、ハッキリと示されていた。それを血統加速者の何らかの特質によるものだと仮定した場合、俺たちを追って跳躍できる可能性は何パーセントあったのだろう。
「……」
「全く的外れなのかもしれませんけど」
 俺は流れていく景色を見ながら、そうなんだろう、と思った。彼女が思うなら。
 次に、そうだとして、と考えた。血統加速者の連邦捜査官がいる。
 それは、血統加速者の力を連邦が利用しているということだ。
 そんな話は聞いたことがない。
 脳裏の誰かが警告する。一介のセクストンに過ぎない俺が、連邦の何を知っているのだと。俺は描きかけた邪推を掻き消して、あとはされるがままになった。
 一度の跳躍で港までは辿り着けないので、俺たちはもう既に何度か弾んでいた。
 全く苦に感じないのは、シャルが慎重に力場を操っているからだろう。
 途端に手持ち無沙汰となり、その顔を眺めてみた。
 以前に聞いたことがあるが、力の尾という念動は、野放図的にパワーを引き出すことよりも、精密に制御する方が大変なのだと言っていた。星海の下の彼女の顔は、眉を顰めて凛々しく歪んでいる。
彼女はもう、棺で目覚めた頃のままではないのかもしれない。
「……あの、そう見られると、集中力が乱れます」
「すまん」
10.
都市の出入口たる宇宙港は、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの中で最も活発な施設だった。ゴースト・タウンじみた都市の様子とは裏腹に、多数の宇宙船が普段からそこを利用している形跡がある。それは、この天蓋型宇宙都市の維持資金を稼ぐための選択肢に出稼ぎというものがあるからだろう。あるいは、資材の搬入である。
 シャルを連れて、運送業者側の通用口から港に入る。シーラカンスは輸送船の一種と言えるので、正当な入り方と言えるだろう。まあ、俺が運ぶのは棺だが。
いずれにせよ宇宙港の宇宙港の構造と、俺たちの進路は単純だ。このままターミナルビルを抜けて発着場に進入し、そこにあるシーラカンスに乗り込む必要がある。
 だが、シーラカンスの前には、連邦捜査官たちが詰めていた。
 それはそうだ。
「……見張ってますね」
「そうだな」
「艦まで着いたとして……かもしれませんけど」
彼女がそう言った理由は、よく分かった。物陰に隠れながらでも、はっきりとその理由は見えた。連邦の艦が、その巨体で離着陸用ゲートをブロックしている。これでは、宙に逃げることはできないだろう。
 俺はハンド・レーザーウェポンを抜いて、残弾を見た。
「……それでも行きますか?」
「それでも、だ」
 連邦捜査官は三人いた。ア・スモゥのように無茶をしてくることはなさそうだ。油断ならない雰囲気もない。有り体に言えば弛緩しており、エスリ・シアンサスのような真剣さがなかった。少なくとも彼女の部下には見えない。一人を撃って無効化する。もう一人は、力の尾が吹き飛ばしていた。
 異変に気付いた三人目が武器を構える。ライフル型だ。
 銃口がこちらに向く。シャルの方じゃなくて幸いというべきか。
 力の尾でレーザーバレットが防げるかというと、そうもいかない。
 力の尾は力場であって、物質的な特性はない。実弾ならば防げるが、レーザーバレットは防げないのだ。できるとしたら、マイクロブラックホールレベルの力場を生成し、空間ごと光弾の軌道を歪曲する方法だけだ。
だが、血統加速者であっても、できる事とできないことがある。つまるところ、彼女の出力では、レーザーウェポンを防ぐことはできない。
 身を盾にする。不運にも、光弾は装甲の間を抜けて、左肘を僅かに焼く。
 だが、二発目は来なかった。
 シャルが打ち倒したからだ。
「大丈夫ですか?」
「…………俺のセリフだが」
「私は後ろにいただけですから」
「違う。力を使いすぎじゃないのかってことだ」
 彼女は言われてから、ニコリと笑んだ。
「それこそ大丈夫です。普段から余分に飲んでいますし」
「お前……、……まあいい」
 とりあえず、平気ならいい。だが、溜息はついた。
「とはいえ、さすがに宇宙船サイズのものは」
「だろうな」俺は頷いた。「コバンザメを使おう」
今もシーラカンスの船底にくっついているソレに、シャルはなるほどと頷いた。
コバンザメの逆正三角錐の頭には、船底のポートに接続するためのジョイントと乗降用のハッチが備わっている。これにより、艦の外部に連結した状態で運搬・必要に応じて稼働できる仕組みだ。船内に格納スペースを設けなくても配備可能な汎用船外作業用重機だとして、小型輸送艦の類では定番なのである。
 コバンザメのサイズは全高五メートルほど。シーラカンス自体のサイズとは比べるべくもない。ブロックを抜けることができるだろう。
 シーラカンスに乗り込み、コバンザメの搭乗ポートに向かう。
 その途中で、防護外骨格を格納した。
「ヘルメット、どうします?」
「要らん」コバンザメの気密性は十分安全とは言えないが、二人で乗り込もうという時には、邪魔にしかならないだろうからだ。
「言っておくが、狭いからな」
「まあ……そう……ですよね」
 床のハッチを開く。
コバンザメは船底にくっつくようになっているので、梯子を降りる格好だ。
今はワイズマンズ・シーサイドスクエアの重力下だから関係はないが、艦の装甲内には、艦載重力機関による疑似重力域の境界がある。宇宙空間では、そこを行き来する際に重力を感じることができた。例えて言えば、プールで水面に出たり入ったりするような感覚だ。だから梯子を降りる……つまりコバンザメに乗る……のは楽だが、梯子を上がる……つまりコバンザメを降りる……のは、しんどくなる。
「……よし、いいぞ」
 まず俺が座り、そこへシャルが降りて来る。脚の間に座らせる形で考えていたが、すぐにその計画は修正することになった。膝の上に座ってもらうしかない。二人乗りが想定されていない、狭いコクピットの中だ。スペースはギリギリだった。
「どこかに掴まってくれ」
「どこかって、どこにですか?」
「とりあえず、変なところを押したり引いたりはしないでくれ」
「それは、難しい注文ですね」シャルはそう言いながら、狭い機内で器用に身体を反転させた。そうしてそのまま、ぎゅっと俺に抱きついてきた。柔らかい肢体が、先ほどまでよりも克明に感じられる。
「……、……何をしているんだ……お前は」
「論理的に考えて、これが一番安全ではないですか?」
 そう、かもしれない。
 コバンザメの内部には様々なコンソールが並んでいて、どこを触れても何かを操作してしまいそうだった。論理的に考えて、触れる場所の選択肢はそう多くない。
「……このまま出発するからな?」
 どうぞ、と彼女は言った。
「システム起動」
 コンソールを小突く。
機体コンディションチェック、エネルギー残量チェック、ハッチ閉鎖、気密確認、分離準備。一つ一つ確認していると、不思議と落ち着いてきた。
 いつもと何ら変わらない。
 腕の中のシャルも、口を挟まず、邪魔をすることもなかった。
狭いコクピットの前面は、メインモニタになっている。
船底は床面より下に位置するから、ここからは港の下部構造が見えた。
「メインモニタよし」
それから、両手をコントロール・スロットルに置いてみた。
操縦には問題なさそうだ。
問題は、三次元レーダーモニタが使えないことだ。さすがにシャルを抱える形になっている現状では、アームを動かして見える位置に固定しておくというのも難しい。目視で何とかするしかないだろう。
「分離するぞ」
 呟きながら、指差し、ワンテンポ置いてからトグルスイッチを上げる。
 ガクンと、重力に引かれてコバンザメが落ち始めた。耳元で、シャルが息を吸う音が聞こえた。
 スラスタを噴かす。
 重力と推力が均衡する。
「さっさと出よう」
 目論見通り、コバンザメの小さい機体ならば、連邦艦の進路妨害は何の障害にもならなかった。だが、何かしようとしていることはバレたらしい。
 メインモニタの左隅で、同系の汎用船外作業用重機のシルエットが動き出した。
連邦捜査局のそれだから、対重機用戦闘機と言うべきかもしれない。その腕には大口径のレーザー・キャノンが装着されている。
もっと言えば、その腕の大口径のレーザー・カノンはこちらに向いており、その銃口は既に瞬いていた。
「う、おお!?」
 メインモニタが青く輝く。即座に輝度補正が掛かるが、何も見えない。それから、強烈な横Gが掛かっている。どうやら、左に大きく移動しているらしい。被弾したわけではない。その証拠に、俺はまだ生きているし、シャルの熱も感じている。
 一瞬して、揺さぶられるような衝撃が全身を貫いた。衝撃アラート。機体コンディションの左半分が赤い。何が起こった?
考える前に、脳裏に閃きが起こった。左舷スラスタだ。
どうも調子が悪いと思っていたところだった。このタイミングで、ダメになったらしい。それで、バランスが崩れて左に滑ったのだ。いや、ダメになったお陰で、銃撃には当たらなかったと捉えるべきかもしれない。悪運だ。
 だが、左舷スラスタが使えない状態で、キャノンを装備した戦闘機から逃げおおせることができるかと聞かれると、それは疑問だった。
「……大丈夫ですか?」
「どうも、駄目そうだ」
 メインモニタが復活した。目の前に、戦闘機が近づいていた。
「貴方には、私がいるではないですか」
 お前は、勝利の女神か何かなのか?
 俺が問うと、彼女は笑った。
「私は、シーラカンスのクルーです」
 力の尾が、取りつこうと近づいてきた戦闘機を薙ぎ払う。
 そいつは、反射的にスラスタの出力を上げるが、それはわずかな抵抗だった。
彼女の力場には、物理的な隔たりも意味をなさない。それは彼女の尾骶骨の延長上から伸び、自由自在に動く第三のカイナだった。出し入れ自在かつ、最長で十メートルに及ぶ、純粋なる力の尾である。
 それが、シャル・ラストテイルの異能だった。大型の宇宙船をどうこうはできなくとも、コバンザメと同程度のサイズならば、排除できうる。
「クルーとして迎えて、良かったでしょう」
「そう……らしいな」
 俺は苦笑して、コントロール・スロットルを握り直した。
「このまま港を出よう。手伝ってくれるか」
「ええ、もちろん」
11.
港を脱出した勢いで、月面を行く当てもなく、進む。
だが、それに限界があることは明らかだった。汎用船外作業用重機であるコバンザメには、宇宙空間を長距離航行できる能力はない。空気も燃料も数日は持つが、それだけだ。
「これから……どうするかな」
「もし行けるなら、月の表に行ってみたいです」
 彼女は言った。
 幸い、追手はない。今の時点では、と悲観的な補足をしておくべきだろうか。
「分かった」
 左舷スラスタは沈黙したままだ。
だが、急がないなら、それを補って進むことはできる。
 シャルの尾を借りる必要もない。
「行くか」
「はい」
 逃亡の終わりは、すぐそこに迫っているはずだった。
 その終着が、地球を臨む丘なら、それもいいのかもしれない。
 月の裏で生まれた俺には、地球への帰属意識なんて無いし、シャルにだって、そんなものはないのだろうけど。それでも。
 やがて、白い大地と黒い星海だけの世界に、青い星が現れた。
「……」
 随分と久しぶりに、しっかりと地球を見た気がした。
「なんで、こちら側に都市を作らなかったんでしょう」
もし、そうしていたら、いつでもこの美しい星を眺めることができる都市になったのに、と彼女は言った。
 そうかもしれない。もし月の都が、地球側にあったら。
 ワイズマンズ・シーサイドスクエアの空には、青い星が浮かんでいただろう。
「地球人の月への興味は、美的なものに留まっていたんだろう」
「美的、ですか」
「夜空に浮かぶ月が綺麗なままであることは、地球人にとって一番重要だったんだ」
「地球人っていうのは、ロマンチシストなんですか?」
「俺は、現実的だったんだろうと思っている。綺麗な景色に意味を見出すというのは、一見、ロマンに見えるかもしれない。だが、綺麗な海を守ろう、綺麗な川を守ろう、綺麗な町にしましょう……宇宙開拓前時代の地球では、そういったスローガンの下、環境問題に取り組んでいたという。これは、ロマンだと思うか?」
「……いえ」
「対象への美意識を意識させるというのは、最も基本的な環境保護施策だ」
だから、ワイズマンズ・シーサイドスクエアは月の裏にある。
月の表では大規模開発をしない。それが、宇宙開拓時代に入るに先立って連邦が決めたルールだった。地球の総意だったのだ。
実際には、月は巨大だ。仮にワイズマンズ・シーサイドスクエアが表にあったとしても、地球から見れば、ひとかけらの黒い点にも見えないことだろう。しかし、一を許せば、それはいずれ千になり、億にもなるかもしれない。地球人には、地球でそれを証明してきた歴史があった。空き缶一つで直ちには環境が破壊されないからこそ、そこを意識することには意味がある。
「……詳しいですね」
 シャルが俺を見ていた。その表情には見覚えがある。別に、地球生まれというわけでもないくせに、という顔だ。
「生まれがどうとかではない」
「じゃあ、なんです?」
「父の影響だ」
父のする、地球の話が好きだった。
もっと言えば、海の話だ。地球の生命は海から生まれ、やがて生命は陸上を支配し、宙を目指し、ついには月に根差した。そんな、壮大な生命と人類の物語を聞くのが好きだった。
「そういう、気の利いたお話しをするタイプの方だったんですね」とシャルは言った。
「はは」
 彼女にとって、父は気難しい人間に見えたかもしれない。そもそも父は、あまり彼女と顔を合わせないようにしていたみたいだった。
シャルを可愛がっていたのは、母の方だった。
まるで娘が出来たみたいだと喜んでいたのを覚えている。そうして短い期間で、人形のようだったシャルを随分と表情豊かなヒトにしてみせたのだから感心する。そして、そんな母の様子を見ながら、父は深すぎる情を案じていたのだろうか。
父が、彼女は危険な存在だと言い、縁を切れと言ったことを思い出した。そうしないのなら、俺との縁を切るとすら言ってみせた。
 それでも、仲が悪かったというわけではない。良かったはずだ。
「……ただ、意見が合わないだけだ」俺は言った。「昔からそうだ。俺がセクストンになる前、ワイズマンズ・シーサイドスクエアの���来について二人で話していた時もそうだった。でも議論での対立は、決して仲の良し悪しとは関係ないだろう?」
「……それは、希望ですか?」
「そうかもしれない」
 だが的外れとも思わなかった。土壇場で銃を抜いたからだ。
 父は、俺を連邦に突き出すことも、静観することもしなかった。そうすることもできたはずだ。事実、そうすると思っていた。
でも、抵抗を選んだのだ。
議論の上では、俺たちは対立していた。父はシャルのことを危険視していた。俺と同じように、違法な情報収集手段を活用したかもしれない。父からすれば、自分や母を守るのに支障がない限りで、俺を守り、俺を守るのに支障がない範疇ならば、他人に手を貸してもいいとするのは当然の順位付けだ。
意固地になっているのは俺の方なのだろうか、と、ふと思った。
 じゃあ、シャルを見捨てれば良かったのか?
それも甚だ馬鹿らしい話だ。
 最初から確固とした理由があって彼女を助けたわけではない。敢えて言うなら、放り出すことを選ぶのには不快感があったからだ。そこには意外と同情も憐憫もなく、俺の考えの芯には、いつも俺自身がどう思うかが根差している。
 それは、そんなにダメなことなのだろうか。大したワケもなく人助けしてはならないという理由で、見捨てることを選ぶべきだと言うのなら。
これからがあれば、の話だが……俺は、これからも偽善だと言われるような行為をするだろう。コバンザメの狭い筒状のコクピットの中で、そう思った。
「暑くないか?」俺は言った。
「そ……うですね。空調、強くできないんですか?」
「やろうと思えばできるが、それだけバッテリーを食う」
 端的に返すと、沈黙があってから、彼女は小さく言った。
「それは、よくないですね」
 シャルも、終わりを理解しているのだろう。それが近づいていることも、それを早めることをしても、しんどいだけだとも。
空気も燃料も有限だし、コバンザメは故障しており、ワイズマンズ・シーサイドスクエア���残していった父や母や、裏月酒店の皆だって連邦に拘束されただろうし、俺たちが月の表に来ていることも、もう明らかになっているだろう。
 だから、俺たちの時間は、あと僅かしかないだろうと思う。
「次は、どうする?」と俺は聞いていた。
「次……ですか?」
「やりたいことはないのか?」
 しばし、沈黙に包まれた。それから、遠慮がちに声がした。
「最後に……貴方の、ダズンの血が飲みたいです」
「そんなことか」
 思えば、彼女はここまで何度も力の尾を行使していた。
 スーツの首元を開けてやる。
 シャルも、いつも通り、するりとスーツを脱ぐ。狭い機内の中、メインモニタいっぱいに広がる青い星を背景にして、彼女は白い肌を晒していた。
 窮屈そうに腰の辺りまでスーツを下ろして、綺麗な裸体を晒す。
「ダズン」
 唇が近づいてくる。首元にしっとりとした感触が触れた。
そのまま抱き合うようにして、俺たちは密着していた。隔てるものはなく、肢体の柔らかさがダイレクトに伝わってくる。
じくりとした痛みが首に広がった。牙が首元を小さく穿つ感触だ。
それから、こくんと、嚥下する音がコクピットに響いた気がした。
「いっそ、全部飲んだっていいんだ」
 彼女が弾かれたように顔を離した。
 唇の端からつうと血が垂れて、酷く苦しそうな顔で、俺を睨んでいた。
「そんなこと、私は望んでいません」
「……そうだな」
「本当に分かってますか?」彼女が詰め寄ってきた。「私が何を望んでいるか」
「多分、分かっていないんだろう」
 俺が白状すると、彼女はそれほど気を悪くした様子もなく、しかし、あっさりと頷いた。気を悪くした様子もないというのは、希望的観測かもしれないが。
「私が、なんで、こうして脱ぐのかも?」
「分かっていない」
 分かっていないのだ。
以前からずっと、俺はただシャルの裸身を眺めていたわけではない。
予想してきた。そして、自分で、その予想が嘘くさいとも気づいていた。
 普段から一緒にいたら半人半異星種であることを忘れられそうだから、肌を見せているのだなんて、酷い、こじつけだ。
 それと伝える為だけなら、もっと相応しい手段があり、脱ぐ必要はない。
そもそも俺は、常から彼女がそうだと感じているのだ。外見や、力の尾は、その認識に直接的に関係ない。そもそも食べるものが違う。それに付随する、生活様式が異なる。彼女の振る舞いは、やはり純粋な地球人とは異なる。
 然るに、その問題をクリアできずして、彼女は人の輪の中に混ざることができない。
 俺は常にそう思っていて──彼女も理解しているだろう。だから、わざわざ肌を見せる必要などなく、お互いが違うことは、お互いが一番分かっている。
「私は別に、ヒトの輪の中で隣人として生きたいなんて、思ってないんです」彼女は自分に言い聞かせるようだった。それから、俺に伝えるよう、声を大きくした。「ただ、貴方と一緒が良いんです」
彼女はそう言った。
言われながら、俺は今、彼女にとても人間を感じている。
そのことに気付いた。
「……そうか」と、動揺から声が揺れないように努める。
「俺のことが好きだって言いたいのか?」
「そう……なのかもしれませんね」
そのような煮えきらない返事にさえ、生々しさがあり、つまり、血統加速者だとか、半分は宇宙人なのだとか、問題はそういうことではないのだった。
そういう思想に傾倒して、彼女の感情から逃げていたのは俺自身だ。
目の前にいる女性が、ずっと俺の情欲を引き出そうとしていたのだと気付いた。
今になって。
「ダズンは、どう思ってますか? 私のこと」
 どうだろう。
俺は、ついに戸惑いを隠そうとも思えず、逡巡していた。
 口を半端に開いて言葉を見失った俺を、シャルは真っ直ぐに見つめてくる。彼女は意外にも微笑を浮かべており、その身は青い地球を背負っていた。
指先に、何かが触れる。彼女の手だ。指先が絡み合い、その美しすぎる貌は間近に迫って来た。
「……どう、なんですか?」
彼女の掠れるような声が脳に染み、痺れるような錯覚を覚えた。
そうだな。
結局のところ、俺は彼女に情を持っていると思う。だが、それが友情なのか、愛情なのか、あるいは色情なのかというところを断ずるには、至れなかった。
単純な話ではなく、それは、渦巻いている。
混ざり合った青なのだ。
だが、あえて遠くからそれを眺めるとするならば。
絡み合った指先に力を入れると、彼女はそっと瞼を閉じていた。
テラヒューマニティ・星海殉葬(了)
2024.1.16 - 3.31 first draft(35k) 2024.4.8 update
0 notes
yotchan-blog · 25 days
Text
2024/3/25 19:00:33現在のニュース
紅こうじサプリ回収、機能性表示食品のリスク露わに 専門家の見方は:朝日新聞デジタル([B!]朝日新聞, 2024/3/25 18:57:22) 「今頃、頭に輪っかを…」 少年ジャンプで20人が鳥山明さん追悼(毎日新聞, 2024/3/25 18:56:52) かつての「三高」、今は賃下げ世代 脱デフレの忘れ物 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/3/25 18:54:37) 公務に殉じた人の追悼、議論を 元防衛次官がみる自衛隊の靖国参拝:朝日新聞デジタル([B!]朝日新聞, 2024/3/25 18:51:33) 沖縄での米軍関係者検挙件数 23年は72件、20年間で最悪(毎日新聞, 2024/3/25 18:49:52) レース中に落馬し、25歳の騎手が死亡 馬つまずきバランス崩す:朝日新聞デジタル([B!]朝日新聞, 2024/3/25 18:45:23) 交通安全願い黄色ワッペン104万枚を小1に みずほなどが60年目(朝日新聞, 2024/3/25 18:43:51) スマホの振動で自販機探し コカ・コーラがアプリ拡充 障害者に配慮(朝日新聞, 2024/3/25 18:43:51) 「セクシー田中さん」問題 日テレ、調査内容公表は「GW明け目安」(朝日新聞, 2024/3/25 18:43:51) コレクテストのトレーディングカードAI鑑定、対象を8種類に - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/3/25 18:43:13) ドイツ、4月から大麻合法化 賛否両論で25年に影響調査 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/3/25 18:43:13) ドダイ、4億5000万円調達 エチオピアで電動二輪を拡販 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/3/25 18:43:13) 少子化対策の目玉「こども誰でも通園制度」、保育現場から不安の声 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/3/25 18:43:13) 診療看護師、養成を 医師の働き方改革で注目も、認知度低く | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/3/25 18:43:10) 宮内庁がインスタグラム開設 4月から皇室の情報発信スタート(毎日新聞, 2024/3/25 18:42:39) 「柏崎刈羽原発、早期再稼働を」 地元の市村議長がエネ庁に要望(毎日新聞, 2024/3/25 18:42:39) 東京・日野市の明星大に爆破予告、入学式を中止 脅迫容疑視野に捜査:朝日新聞デジタル([B!]朝日新聞, 2024/3/25 18:39:40) 奈良のシカ、駆除可能エリア拡大へ 生け捕り後の飼育状況の問題受け:朝日新聞デジタル([B!]朝日新聞, 2024/3/25 18:39:40) 盛山文科相 接点報道は「旧統一教会のプロパガンダ」 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/3/25 18:36:06) ハルに輝く阿南光・吉岡 2試合連続の2桁奪三振で完封 センバツ(毎日新聞, 2024/3/25 18:35:27) 消費者庁 「紅こうじ」8件の安全性再検証を要求 小林製薬に(毎日新聞, 2024/3/25 18:35:27) 首相、自身の処分に慎重姿勢 「岸田派は問題ない」 裏金事件(毎日新聞, 2024/3/25 18:35:27) セコマや北海道中央バス…賃上げ続々  本社調べ - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/3/25 18:30:46) 政府、能登半島地震で復旧・復興総括官を新設 国交省の長橋総合政策局長が就任([B!]産経新聞, 2024/3/25 18:30:42) 中学給食無償化、先送り 予算削除の修正案可決 舞鶴市議会委 /京都 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/3/25 18:30:36) 「新しい戦前」への警鐘 演習場の真ん中で生きる人々の記録 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/3/25 18:30:36)
0 notes
nullak · 8 months
Text
俺を、《先生や大人に媚びることを人生の目標にしている人物》とみなしていたらしいのを弟のツイッターを見て知ったことがある(相互ではないけど存在は了解し合っていたアカウントで言ってた)(俺をTwitterに誘ったのも弟だった)
好だった人が、彼とは正反対の属性の女性と結婚してほしいなどよくわからないことを明に暗に連射したのだが、「てめぇに女の趣味があるのなら自分で口説けや」というのは後から思った(男女の差異はないほど良いと思うので、男女の区別なく三人称単数として彼を使うようにしている)
常温常圧超伝導体、一体何者なんだ
精通した瞬間に初音ミクのアンチになって初音ミクアンチ心の十字架を背負い続けてきたという気負いがあって…(もう和解したんだからいいだろ…)(嫉妬はあったけど羨ましいと思っているわけでもなくて…)
本当に好きだったり趣味だったりすることほど人と話したくないし、食物の味の話とか親ともしたくない(家庭菜園のトマトと店のトマトのどちらがうまいのかしきりに聞いてくるし、味が違うのはわかるけどどちらが美味しいのかはわからないと答えるとお前が好きな方が美味しいと答えてくるけど好き嫌いす...
アニメキャラに揃えた髪色とかにしたことを報告する女性には ははは という気持ちになってしまうね 色々な人が行き交うのが人生というものだから
「恋とは結局は一種の混乱でありつまらないものなのですが…」から人間を口説き始めるのってありなやつですか?
恋が続かないとしても 成就させたのであれば 愛は責任として続ける必要があるんじゃないですかね ただの勘ですけれど 愛は素晴らしく神に祝福されるべき感情だとは思いますよ、愛は当然、素晴らしいでしょうね
愛と恋(恋は走性というか傾向というか、情緒活動のない下等生物が生殖のために誘引される情動の影響下にある欲望や活動で、愛はまあ、他に言いようがないから諦めてそういうけど、高尚な感じがするよね、ただの感じだけれど)
恋は逆張り(ジョジョ読んでわからん…って言ってる人に『最近運命と三位一体のことがわかってきて日本人として産まれたからにはキリスト者でも天皇は敬わないと〜』みたいなことを行っていたら、ブロックされていた回)
具体的なビジョンなんざ自分も持たないくせにことばに酔ってわかってるポーズだけ取ってるやつに比べたら、若い子は革命なんか目指さずのほうが少しはマシだろ(現実生活では体制維持に寄与してんだろに)(ポリアモリーの実践に賭けるツイッタラーも、そういう芸人枠の気はするけど…)
食事に関するツイートをしないという掟を勝手に作り、これを施行していたため人から不信を買ったこともあった そんなに気にすることのあるなら直接言ってほしい 空リプとかじゃなくて そういう気恥ずかしさがあるのだ
ネットで革命の言葉が粗雑に扱われる様子になんかプリプリしながら救世主待望願望を準備もしないで念じているくらいがヘサヨの実情のくせになんか言葉を使うときの威勢だけはいいから混乱させてるんじゃないの…?
「メリトクラシーによる経済的圧死で弱者が滅びるのも滅びの美学です…」くらいの虚無思想に殉じている無党派層がまあまあいるってだけの気がする?
だいたいフランスで一人死んだからこうなってるわけじゃなくて色々積もったからこうなってんのに、その歴史性を無視して「人一人の命の重みをフランス人だけがわかっている」とか抜かして義人ぶってたら、誠意と理解のどちらかが欠けているようにしか思えない
『同等に扱う』でも満足しなくて『同じものとして呼ぶ』を要求するので国語辞典の編纂権でも求めているのか…?という段階ではある
エロコンテンツのレイプものに快楽落ちが多い傾向にある理由を推測できない人間、推理小説とか読めるのか?(気持ちよく終われるからだしポルノを気持ちよく読むことの何が悪いんだよだし反証なんて男狩りぐらいでいいじゃん)
浪漫て語源ローマじゃんwwとか擦ってくるダビデ父さん、割と嫌(fgoくんの話)(アイツなら悪堕ちすることもまあ得るかもしれんと思っていたダビデと、気が付かれないようにアーチャーをシカトしていたロマン、湿度)
俺がⅠコリント13:4~13に拘る理由は同じだけど。それで何か満足したか?ボンクラどもが
プラトニックぶっているだけでいいのかしらという気になってきたと言うか、実際プラトニックぶったりすることは堕落であってお前はプラトニックなど何も求めてないのだから別人に突っ込めばいいだろ、という気もするのだけれど、何重にも卑怯な気もするしな
会いたいと言ったら好きな人に会ってもらえる程度の人間関係強者がツイッターについてわかったようなことを語らないでほしいというインターネット・魂がある
オルフェンズ見た後に身体不全セックスが母胎姦見たいな話をしていたら好きな人との距離感がおかしくなって全部破滅したんだよなという八つ当たりの気持ちになっている(別に俺だけが悪いわけでもよそだけが悪いわけでもないから仕方ないけど)
別にいくらでも友達でもなんでも外にいるやつがTwitterのことで深刻ぶってんのが一番ムカつくんだよな、健やかに生きている人が健やかにツイッターから離れることは祝福するけどもよ
友達の多い人間が「友達は当然いくらでもいるけどTwitterのモブ共にも風情があってさー」みたいなことを申し上げられているのが一番ムカつくよ
私にも好きな人に好かれたいというただそれだけの純粋な想いで、Twitterのすべての一挙一動に気を遣っていた頃があったが、そのようにしても好かれ好いた人に嫌われることがあるのだということを受け入れながら人は成長する物語だぜなのだ 遠い昔のことのようだ
俺の事が好きらしい人が二人いて、どういう意味で好きなのかよくわからないし別々だから別々にコミュニケーションしていればいいだろうと思っていたら複雑な理由で好きだったらしく、端的にまとめるとぶつかり合って対消滅して俺が傷ついた愛と感動の物語もツイッターのおかげで体験できたことだし…
エースの本読んでて思ったこと:アメリカの感覚だと多分にゃるら大先生もインセルかエースか論でエースに分類されてしまうし、にゃるら大先生クラスの本物の男でインセルならもう終わりだよ
思想的領土で考えればアメリカもイギリスも共産系も嫌だといえば、そしたらもうイスラムかインドくらいしかなくない?
ムカついたときの語彙が「死刑」だの「殺してやる」だの「絶対に許さない」だの「社会的に許されない」だのみたいな、非常に限定された極端なものしか持ってない上にその偏りにも気が付けない貧弱な知性の持ち主、そういうのがよくも一丁前に人様を憎んだりできるものだね
暇な人間がやることが性と政治しか残らないのなら、まあその2つが繋がってしまうのは仕方ないんだなぁ(宗教とか物語弄りとかは、まあ派生物にしか過ぎないか…)って感じ
ある意味では、彼に何ら新しさはない。男たちは女たちを支配するのに長らく恥の感覚を用いてきた。…その賢さは、彼が戦術をアップデートし、ローレンのアセクシュアリティを…政治とアイデンティティ意識に…彼女が人生について理解したいと願うものに、直接接続…
恋、トータルで見れば(あ〜俺を振るなんてセンスねーなーケッ!)くらいで死に覚えで強くなっているような気がしないでもない(恥ずかしさの蓄積で恥ずか死したくなる感情も日に日に積もりゆくけど…)(恥ずか死の感情、完全になんもしてなくても積もるので最悪)
だし、その向きでの発言をするだろうな…
プリコジン氏がプーチンに美味しい食べ物を提供する技術で成り上がったの、『やはり人類、いや穢れたこの地上世界の諸悪の根源は味覚格差…!』、みたいな気分になってきませんか?(ご都合陰謀論は辞めなさい!)
黄金時代とか言う単語を用いるに際して歴史用語の話とかまでしたがる変なやつだったからジャンプ黄金時代にやたらこだわっていた人に振られた気がしてきたけどどうせ気のせいだろ(人生は色々あるわね)
新本格、ニコニコ大百科眺めてたら笠井潔はわかるな〜って思った、あとは容疑者Xとか京極先生…
多目的トイレがばんばん増えるせいで女性用トイレが減らされているの、それ自体は端的に事実なのにこれに対する《政治的に正しい》価値観はこれみたいのをやたら押し付けようとするのも変だしプライベートスペースが確保されないのが嫌というのは最低限保証されるべき生理的感情の範疇に入れてないの?
トランスジェンダー関連でまず主張があるという時点で、【何らかの(全般の?)価値観や決定について男らしい/女らしいという規準と比較して、評価する】という、結構奇妙なこだわりに一家言ある特殊な価値観の人だという感じがする
俗流世代論くらいだとゆとり世代とさとり世代の間の時期に若者だった(今のZ世代だと完全に他人事)けど、やんちゃしてる同世代の若はバイトテロしてたのに精神性だけで常人ぶるには悟りに近い精神性を必要とされる世代、世界歴史基準だとヌルゲー寄りなの、キツイ
オタク最前線がエロゲから全年齢ラノベになってさらにはジャンプ〜ボカロ辺りに移行しオタク大衆化が始まり始めた時代生まれって感じが、次世代に対して普通にある
鵺、ありがちな展開をとにかく音速で突破し続けるので一体何を見せてくれるんだ…という期待感が存在し続ける
他人がいちいち首尾一貫していないことが気にかかって仕方がないという場合、人類愛がその興味の根源なんだろうか それとも優越心を持って嘲笑しているだけなのだろうか
医学部の勉強をするまで『世の中には極端に性格の悪い人がいること』に気がついてなかったのなら勘所が悪いし医学部の勉強でそう言われたらへー今知った!のテンションになってたらそれはそれでなんかおかしいだろ(けど俺もちゃんとそういうの知ったの犯罪心理学の本読んでからな気もするかも)
俺はコールしたらレスポンスしてくれる相手しか好きになれないけどね(お前本当にそういうのやめろよ)
お気持ち(感情論でも何でもいいが)といったら揶揄になってなんか優位に立てる風潮、あるのならよくわからないと思っている(感情以外に重要なものってあるの?よりにもよってネットバトルで)
鵺、気分がよかったらたまに読んでたマッシュルとテンポ似てる気はするからマッシュルがいい感じに円満終了してそこの需要を吸えるといい感じにサクセスできるかもしれない…!(全部無駄なただの軍師ツイート)
インターネットで好きになった人(①)、性別誤認するくらい俺のことがどうでもいいなら執着するのやめるか…で関心を止めたのでアレが一種の煽りだったのであれば悲しいすれ違いだとそれはそれで未練がましい思い込みに一点掛けしている
もうそれはそれでいいよくらいにオーバーキルでボコボコになってんだからせめて反維新系くらいに軸足を考え直した上で政治思想の足場固め直しなさいよ
今最も速そうな女性配信者(実写)でアングラでもなさそうな人って結局たぬかな先生だと思うけど、瀬戸内寂聴のスピリッツ
共産党とカメラで埼玉県がぐちゃぐちゃの話題 と 一夫多妻制の問題点を危惧するおじさんの提言 が流れてくることを 面白いと評する か 気が狂うと懸念する どちらを取るかだろうね
物語を読み返すとかいう行為、意外とそんなにやることなくない?くらいだったが失恋してうじうじしながら気がついたら駈込み訴え開いて読んでて猛烈感動して俺は正しいと思ってたことあった笑
道路や公園の規制が厳しいのは警察が頑張っとるねえってことだし警察にお守りやってもらいながらやる左翼運動があるか?っていう
手間を掛けないでちょっと手間ををかけてそうな一枚絵がぽこじゃか召喚できるAIとかダイトウしちゃったのがあまりにもすごくて前とおんなじようにインターネットで騒げないよ、というのは全体の雰囲気として漂うところなのかもしれない
0 notes
bailonglee · 9 months
Text
大田区のリサイクルで働かせて頂いていた。
最初は、良い環境、良き人たちかと思っていた。
しかし、最近、一変した。
従事させるビンの処理、2分以内、処理するペットボトル、2人で作業、2トン以上を、3時間少しでやらせる…
死にかけた。大田区が考えたの?過労死させる気?🤣
怪我をした状態で、スタートした。
だから、他の人より多くこなした。
結果、事務から言われたのは、
怪我してるのに使ってやったんだ!
ふーん。。。
それは、まあ良い。
1時間に、最大48ケース処理する。
つまり、一つの箱を、48秒で作業する。
パレット処理、行き先の違うビンの移動、全てやっての話だ。
かなり重労働…
そして、以前ペットボトルは、3台分を3人で作業して、1600kgでも、4時半くらいまでかかっていた。
しかし、急に6台分とかを、2人で、2200kgを、4時20分で終わらせる…
これは仕事だろうか?
拷問に、かなり近くないか?
大田区リサイクル事業共同組合、西商店様、私は最初素晴らしいと思い仕事に従事したが、こんなきつい作業させられたら、殺される…
死ぬ前に、書いてみた。
そういう仕事って、大田区が関わってますよね?
国民の税金も関わってますよね?
そんな拷問みたいなやらせ方で、人募集するって、大田区はどういう神経してるんですかね?
まだ戦時中の気分で、
貴様らはただ言われた事やれ!家畜なんだから!
そういうつもり?
僕は心の底から、リサイクルは素晴らしいと思っていたが、これは一体なんなんだ?
文句言わない人間には、死ぬほどきつい作業をやらせる…
それが大田区の方針、大田区リサイクル事業協同組合、西商店の考え方???
私の相方は、ひざまで汗かいてやってた。。
それは仕事?拷問?
昔なら、いじめや拷問は、人知れず行なわれた。
沢山、死んだ。
だから、色んな話し合いがあり、労働組合が出来て、法律が出来て、今日がある。
誰かのプライドのため、或いは「こんなに奴隷を使うのが、旨い!」自慢のため、誰かを犠牲にするのは、
今の時代許されない
と思う。
選民だか、神になったんだか知らんが、
驕り高ぶるにも程がある
と思いますが、どうなんでしょうかね。
そもそも、自治体とは何だ?、区とは何だ?、政治家とは何だ?
母体は大本教や金光教や天理教であり、元来、そういう愛のある団体から始まったはず。
それが、優秀な教祖やら幹部やらの慢心が、結果、破壊され尽くした、白痴日本を作ったんじゃないか?
にも関わらず、てめえら幹部だけ幸せならと、もはや宗教ではなく、世界最大のマフィアにまで落ちた、フリーメイソン、大本教、生長の家、イルミナティ、中国共産党。
だがしかし、世界はこいつら馬鹿の私物では、ない。
世界は愛で出来ている。
綺麗事でも幼稚でもない、単なる事実だ。
色んな力を持った幹部たち、優秀かも知らん、強いかも知らん。
知ったこっちゃ無いんだわw🤣✨🐧
そんな糞幹部だかも、生まれた時は糞小便垂れ流し、母や父に世話になった、一人残らずね。
イーロン豚も、然り。
それを、労働者を家畜扱いし、上から目線、やりたい放題など、世界が許すと考えるんか、このくるくるパーどもはw🤣
我々1人1人が主人公なのが、この世界。
こいつらの良いようにしていい世界など、存在しないんだよ!
或いは、こうも考えられる。
大田区京浜島の、リサイクル協同組合第二センターで、誰か死んだところで、過労死ではなく、本人の不摂生だと、大田区は処理して、善人面ぶら下げるのかね?
或いは、そこの大田区リサイクル協同組合第二センターの所属長が、菊地 竜太という人間を直接殺して、「いや、本人の不注意で、残念ながら死亡しました。」、という計画なんかねw
知らないがw
何でもいいが、あまり人を馬鹿にするのは、いい加減にした方がいい。
なぜここまで書くか?
それは、本当に死にかけたから。
元来4人分の作業を2人でやる事が、続いた。
最初気を使って頂いてるように発言されていたが、人数が減り、物量を増やした…
意味がわからなかった。
誠心誠意やったが、作業後、喋れないほどの疲労…
帰宅してうどん食い、すぐ寝た。
10時間近く寝たが、疲労が全く取れない。。
膝ががくがくし、まともに歩けない。
疲労が首にたまりまくり、頭がガンガン痛い…
立っているのがやっと…
人間は、無理をさせればいくらだってコキ使えるが、肉体には限界があり、それでも強いれば、死ぬ。
なぜいきなり、私は死に直面するほど働かされたのか、理解出来なかった。
悪いが、事実は、事実。
消えない。
やった事は、消えない。
それがとてつもなくおかしな事なら、世間に問う。
さもなきゃ、そんな流れは闇に伏されたまま、ただ泣き寝入りする。
命の危機にさらされ、書いた。
私は仕事で殉職する気ない。
それが美学だったのは、大日本帝国の戦時中だけだ。
一生懸命やるが、歩けなくなるほど働かせ、出来ないと、俺が出来るからお前らもやれ!、という論理は、帝国軍人までじゃないかな。
私はそれをやらされるなら、辞める。
勤務先に、そこまでは忠誠しない。
仕事って、愛と善意、戦いや競争ではなく、働く、傍が楽になる愛のためやる、忠誠ではない。
良いように使う、文句言わないから、無限にやらせろ、或いは、短時間少人数で大量に処理し、評価を上げるため?、そのために、私は歩く事すらまともに出来なくなる、それは仕事と言わない。
競争に来てない、ただまともに働きたいだけ。
誰かの評価アップの駒にせよ、やり過ぎだと思う。
生きてなきゃ、俺は意味がない。
死ぬつもりは、無い。
いつまで亡霊に引きずられるのか?
バッタよろしく、同じ間違いを繰り返し、絶滅し、同じ間違いを繰り返し、絶滅…
それを、ただの馬鹿と言う。
バッタじゃなく、せめて人間の思考で生きてほしい。
0 notes
nccwa · 1 year
Text
春蠶
藝文
世界副刊
夏烈 2022-12-20 02:02
雪豹終年在冰雪高山裸岩活動,全球僅存數千隻,瀕臨滅種。它保持自身血統的純正與優越,不與其他動物雜交,被視為神祕及高貴的動物,從不下山進入森林之中。
Tumblr media
海邊有一隻公豹,孤獨地立在沙灘上,皮毛已由灰白轉變為淺褐。沒有人知道牠來自何方,為何落步下山。我曾是一隻豹,所以知道牠是在尋找一隻母豹。牠已搜遍雪線之上的禿瘠及之下的森林,不獲。海邊是唯一的機會了。
動物為延續後代而存在,人們從未體會,牠們也有愛情。
長篇小說有二大主題:戰爭與愛情。戰爭遺下千千萬萬人的死亡,整個城市的毀滅,一個文化的存歿。戰爭實在太大了,超越了人世間的一切,沒有什麼可與它相比。然而愛情只是兩個人的事,竟也與戰爭在文學及影劇的領域並駕齊驅,可見它的影響多麼驚人。十九世紀被列為最重要的長篇小說是托爾斯泰的《戰爭與和平》,究其情節內容,改名為《戰爭與愛情》也不為過。
我在國外做了幾十年工程師,回國在文學院任教。有一天系主任搭我便車,隨口要我給甄試入學考試出個作文題,我出的題目是「春蠶」。以此入學的大一新生現在已有一位即將升為正教授,一位升了副教授,歲月飛馳而過!
蠶轉成蛾只壽十天左右,不取食,也少飛行。但雌雄交配繁殖下一代,這是牠們唯一生存的原因。然而,成蛾前的春蠶吐絲不盡,所以李商隱才有至今傳誦的名句。蠶成蛾之前是蛹,不少人將蛹與踊混淆,可能都是浪漫的字彙。川端康成的《伊豆之舞孃》,日文是《伊豆之踊子》(いずのおどりこ)。我在學校教授近代日本文學,所以多年前特別獨自去江戶西南的伊豆半島旅行。川端的小說記載一個東京第一高等學校的學生,獨自在伊豆半島旅行,邂逅賣藝團的少女舞孃。彼時跑江湖的藝人身分低下,所以這段情愫只能隱於心中,注定不能結局。而就是這種匿瞞祕密的愛情,醞成了文學的美。讀者在閱讀過程中,似乎也愛上了這個純潔天真十四歲的舞孃(踊子)。
愛情的終局常醞成婚姻。然而,成功的婚姻卻是條件的配合,不見得是愛情的結果。因為愛情會被時間沖淡,會走掉。但是婚姻涉及夫妻之外的子女、親家、財產、聲譽、權勢地位、價值觀念……相當複雜的一張天網或地網。這張網剛開張時就需要雙方的條件來支撐,所以門當戶對這種話不是空話。然而,當初的男才女貌幾十年後也會變質,條件走掉了,變成怨偶,離異,或不情願地拖下去。你問我:那該怎麼辦?回答:變化是命運,命運能克服嗎?
然而愛情是一種感覺,也就是愛情是感性的,婚姻卻常是理性及知性的。如是感性,就無法以理性及知性的「條件」來做衡量。除了愛情之外,宗教信仰及文學也是感性為主。換言之,如果以理性及知識來分析宗教,那可能會迷失。而文學最重要的是藝術及綺麗,當然是感性,不是文以載道。
西方文學源於古希臘文學及《聖經》,希臘神話中愛神是厄洛斯(Eros),羅馬人征服了希臘,但是在文化上卻被希臘人征服,羅馬人改愛神名為邱比特(Cupid)。然而不論厄洛斯或邱比特,都沒有什麼感人的神話故事。中國的神話中,女媧是婚姻制度及媒神,月下老人也是媒神,不是愛神。「迢迢牽牛星,皎皎河漢女」中牽牛星及織女星是傳說,不是神祇;大概只有泗洲大聖是唯一的戀愛之神。至於台灣神話或高山神話中,並沒有愛神的痕跡。聖經新約及舊約共六十六篇,一千一百八十九章,九十三萬字,內中有許多親情、友情、夫妻之情,但愛情只在〈雅歌〉一篇中出現,即使那愛情也是新婚夫婦之愛。因為彼時基督教的愛情是以婚姻為標竿,也就是舊式的愛。
在戰爭中,愛情與戰爭孰大孰小?要看個人的感覺與價值觀。起碼,英雄也難過美人關。但是生死攸關,軍人多是看重生命及國家榮譽,把情長擱置身後,顧不得那麼多了。記得越戰方殷時,我乘灰狗巴士北上密西根州訪女友,回程某鎮上來一位小姐坐我旁邊,交談不久她拿出一張照片說此行是去看她女兒。大概四歲左右的小女孩,條凳上還坐著父親,魁武高大的軍人,穿著士官軍服,閉著眼斜低過頭,與小女孩的頭相碰,多麼愉悅動人的父女之照。她告訴我這是他歸國度假臨行,她為他們拍的,一周後他戰死越南雨林中。目前,她在酒吧跳上空的鋼管舞維生。因為是冬天,穿得厚,我看不到她性感的身材。她說深愛丈夫,但是會再婚,我沒說什麼。那場沒有前方與後方的戰爭死了不少人,我只是在灰狗巴士上遇到一個。
大概戰爭中最有名的愛情電影是費雯麗主演的《魂斷藍橋》(Waterloo Bridge)。此片原已有中文名,但片商出點子全國徵片名,入選是一位上海小姐命名的《魂斷藍橋》。英文原名的滑鐵盧橋位於倫敦泰晤士河上,是片中男女主角戰亂中相約及斷魂之處。藍橋則是中國文學作品中用以作為情人相遇的代名詞。若一方失約,另一方殉情則為「魂斷藍橋」。典故出自「尾生抱柱」的淒婉愛情守信傳說。藍橋位於陝西藍田縣藍溪上,現已不存。藍田出玉,所以李商隱的〈錦瑟〉詩中有「藍田日暖玉生煙」之句。電影的主題曲〈Auld Lang Syne〉(友誼萬歲)是流傳世界、動聽的蘇格蘭民謠,在跨年夜、迎接陽曆新年倒數完畢後播放。片名、主題曲及愛情悲劇令此片至今享名。而滑鐵盧城在比利時,是當年拿破崙戰敗瓦崩之地。拿破崙被俘放逐後,竟日思念與他廢掉的皇后約瑟芬生前的愛情,悲劇傳誦至今。有這麼多典故及淒美,足夠震懾人心了,美中不足的是香港將滑鐵盧名為「窩打老」,有些倒胃。
西方文學中最強烈的愛情應是愛蜜莉.勃朗特的《咆哮山莊》。在那個超越時空、超越死亡、永恆的悲劇裡,男女主角已各有婚嫁,卻更瘋狂地相愛。而他對不能娶得凱薩琳深深仇恨在心,開始對兩家的兩代展開無盡的報復,溫情、人性盡失──這些被他夾殺的男女都是他的親戚。懷有身孕的凱薩琳身體日衰,死前赫斯克里夫擁她入懷說道:「凱瑟琳,為什麼妳要背叛自己的感情呢?」凱瑟琳此刻才意識到生命中最可貴的,就是她和赫斯克里夫之間的愛情。她掙扎到死,當天半夜生下一個小女孩。凱薩琳死後,愛恨交織的赫斯克里夫,竟在雪夜掘開凱薩琳的墳墓,只為再看一次情人的面容。他不吃不喝,故意折磨自己,激動地等待死神的召喚,就是為了和死去的凱薩琳相會。而凱薩琳死後變成鬼魂,在咆哮山莊和畫眉山莊的曠野裡遊蕩達二十年之久,等待著赫斯克里夫。這些驚心動魄的愛恨情節,竟是由只活了三十歲,從未戀愛過,羞怯沉默的愛蜜莉寫出。她的姊姊也是以寫《簡愛》出名的女作家夏綠蒂.勃朗特。
有些名人殘缺的愛情在世間傳誦不已,比如徐志摩或徐悲鴻的軼事;張愛玲與胡蘭成也不時見聞,但她與賴雅卻常被忽略。二十年前某一天,我和伊到舊金山的北灘進餐,餐館名Tony's,典型的義大利餐點。那一年美國股票市場因高科技股泡沫化而狂跌,我們喝咖啡及吃糕點,平靜地討論我們工程師許多賠掉一百多萬美金。忽然,我想到不久前才看到《張愛玲與賴雅》那本書,書中說到他們結婚三周年那天,一起買了些廣東點心及小吃回家品嘗,出去看了場電影,散場後又到近處的這家Tony's餐館,以咖啡和熱蛋糕來結束這愉快的紀念日。賴雅又老又病又窮,長她二十九歲。但是她知道賴雅是此生中唯一真正愛她的人,那是理解、包容、相濡以沫,卻又淒美。他們一直是那麼窮困無助,四處碰壁。一百多萬美金的股票!夠張愛玲與賴雅活多少年?而他們品嘗些蛋糕點心,看場電影就很快樂,其中的情愛關懷能以物質忖度嗎?由麥道偉文藝營森林中的小屋,到舊金山布希街寧靜的窗口,那些沒有光亮、微雨的陰日,他們是如何熬過的?想到這兒,不禁吁嘆:她的《半生緣》也是半生無緣!
來旁聽近代日本文學課程的三十多歲女子告訴我,她有個男友在美國就職,每年某個季節被派來台灣工作數月,就像我每年返台只教書一學期,都是候鳥。我問她有多久?她說好幾年了,但不會結婚,因為他不想離婚。拖下去?我不能瞭解。她說我們是生活在不同時代的人,觀念不一樣了,我無言。她最喜歡聽我講述川端康成的《雪鄉》,島村每年坐火車穿過縣境長長的隧道,在大地一片銀白的雪鄉與藝妓駒子相會過冬。島村是候鳥,在東京有妻室,對駒子並不積極,置身於人生的糾葛之外。然而,為什麼有些鳥是候鳥?為何每年要做季節性的遷移?也曾有過一個女孩對我說:遇到已婚的他,只要每年有幾個月的廝守,即是無憾,她此生不一定要有婚姻,但是要有愛情。那種情願能想像嗎?還是我已老去?
有一首著名的法國歌曲〈Plaisir d'amour〉(愛情的喜悅):「愛情的快樂是短暫的,瞬時消失無蹤;但它的痛苦卻縈繞終生……」有人估計,百分之五十以上的流行歌曲都是以失戀為題材。失去愛情折磨著你,吞噬著你的心,長夜漫漫路迢迢,斗室臨壁的日子,孤寂無聲,竟幻覺聽到夜鶯的淒鳴。沒有愛情,會像花一樣枯萎嗎?還是,那只是在世界某個角落,不斷發生的,十分平常的一件事?人生是一齣戲,一場夢,還是一囊不盡的遺憾?分離前,一定在寒風中佇立了很久。妳唱著唱著,忽然轉向他,眼裡充滿了淚水。
最近,有一位金馬獎的名導演要將我以前的小說〈白門再見〉拍成電影。小說發表在停刊有年的《中央日報》副刊,孫如陵主編,年代太久,我已忘了。李導演表示:小說中一群建中��生由高一開始傾心一個相似年齡的女孩,多少年與她一起成長,卻不知她到底是誰,什麼名字?這中間只有傾慕,沒有愛情發生,要如何吸引觀眾?暗示編劇應稍改變。有一位當年大專聯考全國文組狀元郭女士,認為我的小說中愛情不多。我的回答是:有,只是隱約不顯,似有若無,那是寫作的風格,而且許多愛情不須寫出結果。聯合文學的發行人說有些作家不願寫,因為怕人看出他的內心。那是我嗎?這篇〈春蠶〉寫出,是否仍然?
小小的世界裡只有她和我,還記得,初次見面那年的聖誕夜,最後一支舞,她半仰頭側望著我,愛情就在這時發生。天上有千萬顆星星,星也會老去,卻不會碎裂,消失於天際。
1 note · View note
ari0921 · 1 year
Text
織田邦男先生の論稿です
現代が見習うべき大正人の精神 麗澤大学特別教授元空将・織田邦男
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、ドラマのような優勝劇に日本国中が沸いた。顔に日の丸を描く人、球場内外で日の丸が振られ、国と選手と国民が一体化したような光景に、思い出したことがある。
国家と個人が一体となり
102歳で天寿を全うした父が90歳の時である。筆者に「もうそろそろ、ええじゃろう」と語り出し「実は、わしは戦艦大和を造ってたんじゃ」と。どうやら父は広島の呉工廠(こうしょう)で戦艦大和の建造に携わっていたらしい。「大和については、家族にも一切話してはならぬと命ぜられていたんじゃよ」と述べ、最後に「わしももう長くないからな」と終わった。大変驚いた。国家(海軍)の命令を、帝国海軍が消滅した戦後60年間も律義に守る。しかも戦後生まれの筆者に対して箝口(かんこう)令を守り通すとは。
父が亡くなる2年前、同じ大正生まれの小野田寛郎氏が亡くなっている。小野田氏は旧陸軍の軍人で、情報将校としてフィリピンのルバング島に赴任した。師団長の横山静雄中将から「玉砕は一切まかりならぬ。3年でも5年でも頑張れ。必ず迎えに行く」と訓示を受けたという。戦後も29年間、孤立無援でゲリラ戦を戦った。
手に入れたラジオで戦争が終結したことは気づいていたらしい。冒険家の鈴木紀夫氏によって発見され、帰還を促された。だが任務解除命令がない以上、任務は放棄できない。結局、元上官である谷口義美氏(元陸軍少佐)による任務解除命令を受けて帰国した。
両者に共通しているのは、国家と個人が一体となった「大正人」ということだ。父は大正3年生まれ、小野田氏は大正11年生まれである。先の大戦では大正人の7人に1人が戦没している。戦後復興の原動力も大正人が主力だった。
父には9歳年下の弟がいた。海軍パイロットとして昭和18年、太平洋のギルバート諸島上空で散華した。父は弟を思い、靖国神社にしばしば参拝した。最後の参拝は90代後半だったと思う。杖(つえ)を突きながら気丈に昇殿参拝を果たした。その時、父はポツリと呟(つぶや)いた。「何で靖国参拝に反対するんじゃろうのお」。現役時代、ある懇親会で小野田氏と同席させていただいたことがあるが、その時、小野田氏から同じ言葉を聞いたのを思い出した。
国家意識溶解の懸念
大正人にとって国家と個人は一体で、国家に尽くすことは、自分に尽くすことである。国家に命を捧(ささ)げた場合、国は永遠に死後の面倒をみる。なのになんだと、憤懣(ふんまん)やるかたない思いが感じ取れた。
国に殉じた先人に対し、国民が尊崇と感謝の念を表すのは世界の常識である。米国ではアーリントン国立墓地に、韓国では国立顕忠院に、フランスでは凱旋(がいせん)門の無名戦士の墓に国家のリーダーは参拝する。外国の要人来訪時も、必ず参拝する。これが国際共通の儀礼である。岸田文雄首相は1月の訪米の際、アーリントン墓地に参拝した。だが岸田首相は就任後、靖国神社には参拝したことがない。
いかなる事情があるにせよ、一国のリーダーが自国の為に命を捧げた先人に追悼の誠を捧げないのは異常である。異常を異常と感じなくなる時、国家と個人の一体感は失われ、国家意識は溶解していく。国家は国民一人一人の「義務と責任」から成り立っている。国家意識が希薄化すれば当然「犠牲」「勇気」「名誉」という普遍的価値は喪失し、我欲は限りなく肥大化する。国家あっての人権、人道、社会福祉であり、祖国あっての個人であるという当たり前のことが理解できなくなる。
公に尽くす生き様を忘れず
令和5年度予算が成立したが、国会での議論は見る影もなかった。昨年12月、安全保障関連3文書と共に、防衛費のGDP比2%、反撃能力の保有が閣議決定された。この時、「満足な議論もせず、民主主義の破壊だ」と野党は批判した。だが国会では十分な時間がありながら、「満足な議論」もせず、表層的で枝葉末節な質疑に終始した。参院ではウクライナ戦争や台湾有事もそっちのけで、行政文書をめぐっての「コップの嵐」に終始する体たらくである。
これを見る時、選良たちも国家意識が溶解し、安全保障や天下国家を「議論しない」のではなく、もはや「議論できなくなった」のではと思ってしまう。2021年の国際世論調査では「国のために戦うか」に対し、「はい」と答えた日本人は13・2%で最下位だった。この現実と通底するように思えてならない。
国家という「人」はどこにもいない。国家とは同胞、友人、知人、そして自分自身のことである。自分自身が国家そのものだという事実に戦後日本社会は目を伏せてきた。その結果「国家」の希薄化は深刻なまでに進んでいるようだ。
WBCで日の丸が乱舞する光景と国会の惨状が同じ日本だとはどうも思えない。数年もすれば大正人はいなくなる。国家と自分自身を同一視し、我欲を捨て、公に尽くす大正人の生き様を今こそ見直すことが求められているのではないか。(おりた くにお)
#産経新聞 #正論 
33 notes · View notes
reportsofawartime · 1 month
Text
Tumblr media
パレスチナの大義のために単独でデモを行うもう一人の日本人抗議者。彼の投稿(
@fumifumtakafumi ) )によると、パレスチナの国旗を身に着けた木村隆文さんは、殉教者を追悼するためにほぼ毎日何時間も一人で首都東京の中やその周辺を歩いているという。
2 notes · View notes
yusayusayusa · 1 year
Text
そう言えば、Tが言っていた。廟の話。地図にも赤い印が貼ってあった。
行きつけの廟があるとか。送ってもらった廟の写真からgoogle mapで位置をわりだす。
全臺首邑縣城隍廟。
有名的廟だ。何度か通った。方向音痴すぎて、地図上で場所を見ても思い出せなかった。まったく。
Tumblr media
Tumblr media
でっかいガジュマルに隠れるように、ある。全臺首邑縣城隍廟はもともと蔵であった建物を廟にしている。おもしろい。廟は形式にとらわれないことは知っていたけど、柔軟ですよね。廟の前は通り道になっていて、四方向から人がやってくる。廟に用がない人も通りすがり、廟にいる人に挨拶したり世間話したりしてる。私が好きなのは、この廟がやたら暗いこと。室内にネオンライトがあるのにほとんど点いてるのみたことない。17時半になると、屋外のランタンが点灯してること。ガジュマルにも線香を上げることができる。Tが好きなのがわかる。人が少ないし、なんだか強そう。線香で脈を取る。灰が落ちたら厄が落ちるんだって。ここは陽廟だけど、陽があれば陰もある。陰廟は人を祀っているらしい。陰廟は気をつけてね。願といを叶えてくれても見返りを求めてくるからちゃんとしないと良くないこと起こるよ。
全臺首邑縣城隍廟のことはこのニュースで知った。
以下ニュースを翻訳にかけたやつ。
9月5日午前、台南市葬儀管理局の景行館で盛大な送別式が行われ、表彰、警視への昇格、国旗・警察旗の被布が行われる。 さらに、2人の役員の不満を解消し、「正義を貫く」ことを約束したのである。台南民権警察署員の段明誠と曹瑞傑は、盗難車を追跡中に林信吾容疑者に殺害され、数回刺され、喉まで切り裂かれたといいます。 しかし、昨夜、北区の城隍廟で夜間行進中、民権派出所に直行し、門の前にテーブルを設置したのです。殉職した二人の警察官に対して、第二分団長を通じて、「任務は完了した、市神に従って城隍廟に帰れ、市神が二人のために仕事をする!」と叫びました。 二人が外に招かれたのは三度目で、姜燕春は線香を持って寺に戻った。寺の権威者が夜間巡視中に寺に戻り、緊急の用件に対処するのは初めてのことであった。寺の関係者によると、警察署への訪問は本来のルートではなく、殺された2人の警察官の不満解消のために、市の神からの指令であったとのことだ。 また、寺では「人間界に留まることになるので、警察署に花を供えに帰らないように」と呼びかけた。
8月に脱獄犯に殺された2人の警官凃明誠と曹瑞傑は、9月3日の夜在民權派出所の前に突如現れた縣城隍大駕と其四將護衛によって、全臺首邑縣城隍廟に安置されたというわけだ。
👈その様子が動画になってるから見てみてくれよな。
ちなみに、全臺首邑縣城隍廟は城隍爺を祀っている。城隍爺は元々城壁が神聖視された存在であったが、後に裏社会の奉行・司法官の任務を持つ「人格神」へと進化したとされる。殷の初期、前15世紀頃、「洛陽盆地のあちこちに、城壁をめぐらし、高い基壇の上に建ちならぶ殿堂群を備えた大邑や王城が現れた。その規模は殷代にますます壮麗になっていったらしく、城壁は濠・門とともに都市の霊の宿るところとして神聖視され(城隍という)やがて都市そのものが城・垣と呼ばれてゆく。」(p.6,中国都市史,2002,斯波義信)
Tumblr media
台湾、特に台南では廟はただの宗教建築にとどまらない、生活の一部だ。ただのっていうと良くないね。日本の地方都市で育ち、特別な信仰がない(としている)私の感覚だと、宗教と生活は密接な関わりがない。なんていうか、私にとっては宗教はひと昔流行ったやつくらいの感覚で、なんなら日本人は宗教を冷笑する傾向にある。でも台南で暮らしていると、都市の成り立ちにも人々の生活にも廟は欠かせないものであることがわかる。ルームメイトは台湾人はsuperstitionめいてると言ってたが、本当にそう。私は迷信とは思わないけど。廟は推されると課金されてどんどん豪華になる。霊験灼然の噂が広まると、陰廟でも陽廟になれるらしい。今でも廟の文化があることがふわふわ現実味がなかった。不思議だったけど通ってるうちに慣れたな。
Tumblr media Tumblr media
『財中漸漸見分明花開花謝結子成寬心且看月中桂郎君即便見太平』
お金に咲く澄んだ花が徐々に見える、と直訳では書いてあった。何?
1 note · View note
toshiki-bojo · 2 years
Text
俊樹五百句
虚子の「五百句」と対峙したい。虚子はそれを五十年ほども掛けたが、この作句期間は一週間に過ぎない。出来不出来以前にこの名著なる存在と対峙したかった。俳句の存在意義だけがこの試行錯誤の源である。短い人生である、我が愚行を是非批評して頂きたい。
坊城俊樹 令和4年8月
Tumblr media
弔ひの夜に横たはる暑き襤褸 浮浪者の襤褸に星降る夜となりぬ 弔ひの夜の白服なる異形 弔ひの杖に樹海の町暑し 浮浪者の眠る窓とて朧なる 夏の灯のまたたき琴座鳴るといふ 幽霊や露台に支那の戦没者 幽霊の招く小路の風死せり 夏の路地女幽霊絢爛に 星の降る夜へ英雄の霊かぎろふ
Tumblr media
国士無双あがる男へ星流れ 夏の夕遺族は骨を探索す 夏夕べ黒き連��の遺族たち 遺族らは夜より黒し星流れ 哀しさは真夏の盆へ地震きたる 地震の町に吠える家守の夜でありし 恋人も濡れる家守の夜となりし 母死して星も死すてふ家守の夜 家守らの目の爛々と星見上ぐ 家守らに昭和の記憶ありにけり
Tumblr media
金色の家守は母の野望とも 父がつけし渾名の犬へ星流れ 大蛇の我が天井を護りたる 姫蛇の碑へと真夏の夜の夢 蛍火に意思といふものありにけり 山泣くも山笑へるも蛍へと 犬死して総理も死して蛍へと 一億の蛍の一つ死してをり ほうたるの火に照らされて万華鏡 ほうたるの乱舞を待てる半旗かな
Tumblr media
火蛾ひとつ火焔の中を舞うてをり 蛍来る夜は両親へ星降る夜 死ぬ匂ひして晩年の蛍籠 怪しげな教会へ入る蜥蜴かな 万華鏡の色の蜥蜴や月を追ひ 猊下そは百歳に死し蜥蜴また 猊下死す百一の星流る夜を 猊下逝く蜥蜴は天の星仰ぐ 猊下逝く十の契りを夏の夜に 総理逝きしばらく夜の火蛾として
Tumblr media
猊下逝く祇園の夏の夜の契り 星流る方へ杖つき神楽坂 夏の夜の三味の灯しは籠もらざる 懇ろに幽霊を待つ簾上げ いつも見てゐて見てゐない裸かな 貪りて夜の怨霊の裸とも 風通す裸の窓をすべて開け 恩讐もある傷跡の裸体とも カンバスに幾何模様なる裸体 日当たるとやはらかくなる裸体かな
Tumblr media
陰翳の裸の体囁ける 因果なる裸体を褒めてゐて死せり 裸体なる女カオスの縮図とも 茅舎忌の我を白痴と思ふかな ヌードデッサンせんと孤高の茅舎の忌 茅舎忌といふ忌まはしき忌なりけり 俳壇に生けるも死ぬも茅舎の忌 茅舎忌の猿股を日に干してあり 金剛の露現今の茅舎ゐて 口唇に薬挿し入れる茅舎の忌
Tumblr media
河童忌の屋根に墜ちたる龍之介 河童忌といふ祝祭のやうなもの 蚕豆に天使の翼ありにけり 蚕豆の妻の故郷はカタルーナ 蚕豆といふ処女作のやうなもの 蚕豆を剥き深緑やや遺憾 蚕豆の筋のあたりを背骨とも 蚕豆のやうな赤子を授かりし 蚕豆とは一卵性双生児 バンクシーの絵は白黒に夜の秋
Tumblr media
我が瞳孔まもなく朽ちて夜の秋 丑三つのマンゴーゆつくり熟すなり 丑三つの蜘蛛透明な糸を吐く 斬られる待つ丑三つの熟柿かな 愚かなる夢の中なる熱帯夜 しづかなる女の舐める熱帯夜 黒蛇が白蛇を呑む熱帯夜 括れざる腰振る真夜の熱帯を 母さんが父さんを呑む熱帯夜 口唇を襞と思へる熱帯夜
Tumblr media
熱帯夜朱き口唇とて腐臭 熱帯夜とはずぶ濡れの吾子の夢 峠路に幽霊を待つ月見草 裏切りの美人薄命月見草 月光やちやん付けで呼ぶ影法師 月見草火星より木星が好き 月見草路地の子やがてゐなくなる 星の降る夜はひとつきり月見草 月見草恐らく祖母は浮気した 新婚の路地の匂へる月見草
Tumblr media
日覆を立てる穴とて深淵に 日覆のおほひて赤子腐敗せり ビルよりも高き日除けを立てにけり 男一人日除けを出でず老いにけり 裸族らし我が家の下の夫婦かな 裸にて人に逢ひたく皮を脱ぐ しづかなる蛇しづかなる自死をせり 蟻と蟻獄を出でたる如出逢ふ 灯の蟻といふ見当たらず羽蟻とす あの蛇を保育園へと見失ふ
Tumblr media
青条揚羽より高き蝶のなき 金輪際黒筋揚羽見失ふ 黒揚羽より正装の男かな 瑠璃揚羽祖父の遺墨を飛び立てり 暑き電線暑き電線と出逢ふ とぐろ巻く蛇地境を管理せり 大いなる物の崩れががんぼの死 青き星流れて白き星流れず 蟷螂と格闘をして日記とす 暁に麦飯を食ふ祖父の髭
Tumblr media
亡霊が炊いた麦飯吾れのため 麦飯の茶碗に描くただの柄 麦飯に卵二つの豪華さよ 麦飯を母は嫌がり父も嫌がり おばQを見て麦飯を食ふ至福 箸は茶で洗ふ麦飯たひらげて 麦飯を父は食はずにバタを食ふ 麦飯といふ軍縮のやうなもの 麦飯にのりたまかけて邪気かけて 仏教にあらず神道麦飯を食ふ
Tumblr media
麦飯を御霊に捧ぐことならず 麦飯で鉄腕アトム見てをりぬ 昭和三十六年の麦飯豪華なり 麦飯といふ神道のやうなもの 瑠璃鳴くや御霊のやうな声溢れ 神域を歌へる瑠璃のすきとほる 殉職の御霊へ瑠璃の鳴きにけり 銃弾に斃るるときに瑠璃鳴けり 天照大神きて瑠璃鳴かせ 天辺の虹の上より瑠璃鳴けり
Tumblr media
虚子とのみ彫られし墓へ瑠璃鳴けり 坊城家六代目へと瑠璃鳴けり 勾玉の青のひとつは瑠璃の声 瑠璃何か喩へてみれば金剛に 夏燕折り返し来る消防署 三次元を四次元に斬る夏燕 生れ替るなら岳麓の夏燕 青空を巻き込んでゆく夏燕 夏燕鏡を斬りてさかしまに 天辺に仏来給ふ朴の花
Tumblr media
朴の花白く翳りて懇ろに 朴の花の中に釈迦尊をらざりき 虎尾草に毛並のありて逆立ちて 虎尾草の揺れて待ちたる未通女かな 金輪際虎尾草と縁切ると言ふ 虎尾草の先くねくねと蠅を追ふ 梧桐に影といふもの濃かりけり 樹海めく梧桐たちに迷ひたる 梧桐を仰ぐ超高層仰ぐ 梧桐の葉とは天狗の団扇かな
Tumblr media
梧桐やブランコは立ち漕ぎ続け 梧桐の翳に不良の煙草吸ふ 梧桐に青春である疵を彫り 梧桐の伐られ虚空の天となる 山笠の波動花鳥子より届く 山笠の句の勇壮な波動来る 山笠に恋といふものありにけり 博多つ子純情の夏なりしかな 山笠の日と生誕の日と隣る 純情の山笠に夢馳せてをり
Tumblr media
山笠に天神颪とは来たり 金亀虫裏返りたる真夜の褥 黄金虫夜を引き摺りて灯へ入りぬ 灯に入手夜の帝国の黄金虫 羽蟻の夜玻璃にべたりと都市の闇 羽蟻翔ちお日様に溶けなくなりぬ 子を捨てし母は戻らぬ羽蟻の夜 羽蟻の夜金輪際の父は帰らぬ 羽蟻の夜弔問はなほつづきをり 茅舎忌の卍となりて日章旗
Tumblr media
露の世へ消ゆる人あり茅舎の忌 茅舎忌の夜が流れてしまひたる 隻眼が見えなくなりぬ茅舎の忌 龍子の絵どこか稚拙な茅舎の忌 茅舎忌の流れ流れて星ゐない 吾妹子の胸やはらかき虎が雨 吾妹子の海へ尿する虎が雨 煙草屋もとうに死に絶え虎が雨 土用波恋愛はもう星屑に 岬越え来る土用波白々と
Tumblr media
土用波いよよ怒濤となり崩れ 子が一人攫はれてゆく土用濤 土用濤灯台を越え来たりけり 元総理死にて土用の波濤へと 波怒濤土用の夜の人攫ひ 伝説の出水川とはこの小川 子を攫ひ妹を攫ひて出水川 出水川と記憶流れて悪夢とも 出水川恋の破綻も流しゆく 虚子塔に人来ぬ日なる最澄忌
Tumblr media
最澄忌千日回峰終るころ 叡山は星の降る夜の最澄忌 叡山をさ迷ふ夜の最澄忌 最澄の忌の極楽の湯舟かな 最澄忌灯す頃の先斗町 祇園にて猊下と酌みし最澄忌 萍の隠沼として河童棲む 萍を髪に見立てて河童立つ 萍の茂り月光留めたる 妖精が腰掛けてゐる蛭蓆
Tumblr media
丑三つの月光にある蛭蓆 優曇華へ星やさしくて月やさし 優曇華のいのち揺らぎて月を待つ 儚きは優曇華の茎なりしかな 優曇華にいのちあかりの灯せり 優曇華に神降臨すひとつづつ 母死して優曇華の情なしとせず 優曇華へ言葉少なき真夜の人 ケルン積む星降る夜となりしかな ケルン積む大岩壁と対峙して
Tumblr media
ケルン積むひとつひとつに女の名 行李から恐らく祖父の登山帽 恋をして山登りして死に逝けり ロッククライミングの刹那あの夏を しづかなる人しづかな死夜の秋 夜の秋幽霊ももう寝静まり 恋をして失恋をして夜の秋 瞳の奥の闇へと星の流れゆく 星の降る中に月降る夜の秋 蟻ひとつ彷徨うてゐる夜の秋
Tumblr media
死顔の威厳なるかな夜の秋 曾祖父も祖父も今宵は夜の秋 星ひとつ艶然とある夜の秋 夜の秋網膜剥離みたいな灯 羅を着て恋などに惑はされず 浴衣着て金魚の柄を泳がせて 羅を着て老いらくの恋をせむ 羅に序破急といふ恋のあり 妙齢は達磨柄なる浴衣着て 浴衣着て恋に窶れてしまひけり
Tumblr media
祖父と祖母らし残像の藍浴衣 羅の包んでをりぬ裸体かな 羅の包み適はぬ恋をして 浴衣着て恋の乳房となりしかな 浴衣着て恋人と逢ふ浜の路地 羅を着て蝮酒召し上がる 浴衣の子星とおしやべりしてをりぬ 後ろ手に団扇はさんで恋浴衣 白兎波間に跳ねて卯波くる 人死して星の卯波となりしかな
Tumblr media
卯波寄す森田愛子の臥所へと 九頭竜の卯波漣ほどのもの 夏の波真砂女の卯波とぞなりぬ 月光が卯波流してをりにけり 滴りの金銀の粒金剛に 滴りに輪廻転生ありにけり 滴りて岩壁となる日本海 東京スカイツリーの天辺滴りて 滴りて浅草線の三ノ輪駅 ゆつくりとしづかに歩む蛇ひとつ
Tumblr media
蛇の夢見てその蛇を見てをらず 蛇酒といふ極楽の中に死す 滴りの岩壁を行く数学教師 滴りの後ろ姿の女体山 蛇女邪心となりて星流れ 蛇ふたつ絡んでをりぬ月光に 蛇絡みつつ愛欲の中にあり 権現の無数の蛇の降る社 炎帝の統べるままなる総理の死 炎帝へ斬首の鴉羽ばたけり
Tumblr media
炎帝いま月の裏側焼きにけり 炎帝といふ今生の大宇宙 勲一等正一位なる墓灼けて 勲一等の軍馬の墓は緑蔭に 暗夜行路書きし墓とて茂り中 暑き固き墓石の如き絵画館 イザベラの墓に彫られし薔薇香る 銀杏並木の緑蔭もとんがりて 茂りてはいつも探せぬ乃木の墓 坊城は俊ばかり付く墓涼し
Tumblr media
殉教の墓へマリアの南風吹く 寝棺そのものを横たへ夏の墓 緑なる線対称の銀杏かな 八月の面対称の絵画館 サンドレスとは青山のあつぱつぱ 青山の墓みな灼けて無言なる 夏日燦超高層といふ墓標 無機質の超高層を旱とも ソファーめく茂吉の墓へ夏蝶来 茂吉いま夏蝶となり利通へ
Tumblr media
墓に挿す供華も明日より秋薔薇 秋の蝶クルスの墓を懇ろに 夏果てて石より重き絵画館 緑蔭のハチ公の墓何処なり ハチ公の供華はおそらく水羊羹 異国なる地下に眠りて薔薇の墓 夏の蝶マリアの指に触れてより 喪主だけが半袖で乗る霊柩車 蟬の音は聞かず真昼の野辺送り 蟬死して蝙蝠ばかり飛んでをり
Tumblr media
蝙蝠は帰る逆さになるために 蝙蝠の裏切る音を聴いてゐる 蝙蝠も消え失せグリム童話の夜 めまとひはめまとひとして囁けり めまとひは無責任なる大家族 婆の眼の脂にめまとひ親しめり めまとひを払ふ多情の口を閉ぢ めまとひの中を葬列続くなり 朱烏夏の夜の夢覚めし頃 茅舎忌の月光ことに夢を食ふ
Tumblr media
茅舎忌の虫の音といふ哀しけれ 茅舎忌のシュミーズは幽霊の自慰 そこはかとなく隠微なる茅舎の忌 キリストと生きる男へ茅舎の忌 茅舎忌に金子みすずを読んでをり 白鼻心白夜の夢を見てをりぬ おぼこ今白夜の夢を見てをりぬ 白夜とは神の数だけありにけり 熊に似る男涙の炉辺話 雪女帰らず解けてしまひたき
Tumblr media
金輪際なき眼光の鯖を食ふ 鯖を食ふ恋愛をした夢を見て 銀色に無限のありし鯖を食ふ 恩讐の臭みの鯖を食ふ女 鹿島灘あたり怒濤や鯖を食ふ 鯖を食ふ女臀部を揺らしつつ 鯖を食ふ潮の香りを煮てをりぬ 黒潮を炊いて鯖煮となりしかな 鯖食ひ男鯖食ひ女淫靡なる 鯖食うて惜別の情無しとせず
Tumblr media
我が生の金輪際の虹に逢ふ 虹死して首都凡庸の空となる 奈落より虚子の墓へと虹の橋 蚊柱となりて青山墓地を舞ふ 吾妹子の子宮男の子を生みにけり 我が家より大いなる虹架かりけり 苔の花とは妖精の小さき眼 苔の花喋るぺちやくちやぺちやくちやと 苔の花海に流れてしまひさう 我が生も淋しからずや苔の花
Tumblr media
大漁の夜の纜に苔の花 苔の花阿呆の黄色楽しくて 苔の花金輪際の生にあり 苔の花哀しくなれば咲いてをり 苔の花苔を大地として咲けり 苔の花の夜は近づく大宇宙 未熟児に産まれる人へ苔の花 そよぐことなき苔の花小さすぎ 流星と同じ色して苔の花 苔の花咲きて天動説となる
Tumblr media
苔の花影といふものありにけり 囁きの夜に閉ぢたる苔の花 河童忌を星の吹雪と思ふなり 河童忌の蛇口ひねれば湧いてをり 河童忌に砂糖を舐める女あり 河童忌のしんがりの児は引き込まれ 河童忌にベートーベンを聴いてをり 河童忌を皇后陛下畏くも 河童忌の童は杓子定規かな 怒濤とし童押し寄せ河童の忌
Tumblr media
滴りて山又山を濡らしをり 絵画館の壁の隙より滴れり 夏の水汲み元勲の墓域へと 滴りに栄枯盛衰ありにけり 滴りて富嶽をすこし潤せり 滴りに奈落といふは先のこと 滴りてゆつくり濡れてをりにけり 滴りて巌の命を疑はず 幻か滴る先に河童の子 滴りて四国三郎ありしかな
Tumblr media
蟻ひとり穴ひとつあり佇みぬ 増上寺国葬にあり蟻ひとつ 群衆の蟻群衆の蟻に逢ふ 山蟻の威厳の黒に死してをり 黒蟻と赤蟻言葉交さざる 蟻ひとつ地下迷宮を出で来たる 蟻塚に蟻の声のみ充満す 蟻塚の掘りたての土匂ふなり 蟻地獄静謐といふ美しき あとづさりして身を隠す臆病に
Tumblr media
岳麓へ行者道めく蟻の道 蛾の破片ゆらゆら運ぶ蟻の道 ビール飲む眉間に皺を寄せながら 麦酒飲むますます法螺を吹きながら 白魚のやうな指もて麦酒注ぐ 我が世とぞ思ふ望月の麦酒かな 麦酒のむいつか焼かれし喉仏 女ひとり化粧濃くして黒麦酒 蛇苺姉の我が儘永遠に 蛇苺庭に埋めし金魚へも
Tumblr media
侯爵の墓の片隅蛇苺 蛇苺男鰥の庭の恋 山笠の西の便りを句に乗せて 博多つ子純情いまも山笠に 山笠の男だらけの怒濤なる 傀儡の関節錆びて夏の雨 白雨きて蛍光灯の切れかかり 関節はぎしぎし老ゆる夏の雨 飴玉が降る音のして夏の雨 連続の数珠の音して夏の雨
Tumblr media
夏の雨身の内の獅子唸るなり 旋律はボブマーリーに似て夏の雨 戦後すぐ膣より産まれ夏の雨 白雨きてボサノバの雨合体す 白雨きてコーラの壜の女体めく おそらくは黄泉の国とて夏出水 夏出水遺品の遺書の何処へと 高貴なる神に押し寄せ夏出水 最果ての鵺の夜へも夏出水 土用波七里ヶ浜で祖父に抱かれ
Tumblr media
土用波みたいな嬶の乳房かな 柏翠の療養所へと土用波 土用波森田愛子の身の内へ 土用波虚子と愛子の物語 髪洗ふ乳房の先を湿らせて 髪洗ふ妬み嫉妬を流すとか 女百態懇ろに髪洗ふ 髪洗ふ幼き頃の金盥 あんな女に嫉妬して髪洗ふ 犬洗ふ即ち犬の髪洗ふ
Tumblr media
昼寝して夢の合戦破れたり 元首相撃たれし頃の大昼寝 夜よりも昼寝彼の世に近かりし 貪るは蛸か女体か昼寝覚 昼寝して夜には死んでをられたる 昼寝覚女百態消失す 昼寝覚地獄の釜を押し上げて 昼寝覚一年損をした気分 昼寝して虚子と話をして戻る 昼寝覚范文雀と別れ来て
Tumblr media
蝙蝠の彼の世此の世と飛翔せり 蚊食鳥煙のやうなる蚊を追へり 蚊食鳥夕焼け小焼けの唄に乗り かはほりの逆さに夢を見る昼間 かはほりに迷子探してもらふ夕 蚊食鳥夜の女は出勤す かはほりは街の電波と交錯す 蚊食鳥幼稚園児はもう家へ 友人の納骨を終へ蚊食鳥 学習院初等科の上蚊食鳥
Tumblr media
あぢさゐの萎れし夕べ蚊食鳥 かはほりと月と金星置きどころ 青林檎みたいな乳房持つ少女 青林檎囓る気もなく接吻す 青林檎真夏の夜の夢の中 昭和とはヌード写真と青林檎 麗人の口怖ろしく青林檎 漆黒の夜は青ざめて青林檎 青林檎堅しと思ふ瑪瑙より パテイーデュークショーを観ながら青林檎
Tumblr media
青林檎がさつな漢の手に堕ちる 夏の夜の夢とはならず老いゆけり 夏の夜の罪ある墓標御影石 唇は濡れて真夏の夜の夢 夏の夜のネオンサインはジジと切れ 漆黒の真夏の夜の夢となり 入れ墨の夏の女を持て余し 金魚玉夜に入る頃の小宇宙 絢爛の金魚は恋をしてをりぬ 絶縁の夜に浮きたる金魚玉
Tumblr media
和服着て振り袖を振る金魚かな 勲一等正二位の飼ふ金魚かな 飛魚の飛んで越え行く隠岐の島 隠れキリシタン飛魚となり戻りけり 飛魚の流刑の島を飛び越えて 炎帝に見つからぬやう昼に寝る 日輪が炎帝をまた拐かす 炎帝に翳といふものありにけり 白日夢とは炎帝が司る 炎帝が紛れ込んだり夢の中
Tumblr media
盆栽といふ炎帝の置き土産 炎帝も銀河の裾の一部分 我が霊も炎帝となり銀河へと 観音の笑みて溽暑を遠ざけて 観音の炎暑の唇を赤しとも 陽炎へる陽子の墓や禁色に 墓の苔とて万緑の一部分 観音の胸乳あたりへ夏の蝶 五輪塔とは緑蔭のただの石 乾きたる稲毛氏の墓とて旱
Tumblr media
一山の万緑なだれ年尾句碑 薔薇咲かせ流行り遅れの服を売る 昔から麦酒が好きな人の墓 蛍光灯切れかかりゆく夏の果 夏行くや皆んな貧しき灯して 人を待つ心にも似て夜の秋 涼しさの雨の粒とは淋しくて 街の灯の蒼く点りて夏の夜 灯して何読むでなき夜の秋 夜の秋義兄は生れ替りしや
Tumblr media
涼しさの夜の灯の鈍色に 堕胎の子いつも走りて汗哀し 夏逝くや雨の音符の翳色に 夜の秋眼の衰への文字歪む 夜の秋炎集めて住む川原 夜の秋己れ空しく酒を飲む 涼しさの夜雨の音の蓄積す 涼しさは恨みに似たり灯を消せば 幽霊坂うすむらさきの夜の秋 幼稚園死んだ子が居る夜の秋
Tumblr media
夜の秋やがて孤独の誕生日 蛍光灯切れかかりゆく死者の秋 老いてなほ秋めく恋の行方かな 新涼の飴の色とは濃紫 秋めきて失恋をする七回目 新涼の鏡に映す吾の死顔 頭痛して秋めく我の髑髏 新涼の驚き顔となりし天 新涼の犬に哀しき堕胎過去 八月の女ものものしく太り
0 notes
nyantria · 3 years
Text
それと以前も書いたことだけど『携挙』という概念は正統派キリスト教には存在しない一部のカルト教派による異端信仰ですので、賢明な方々は相手になさいませんように。聖書を通読せず祈りもせずに飛び交う情報だけでキリスト教を把握しようとしても絶対に出来ません。神学者が一生掛かっても探求しきれないものをなぜ通りすがりの知識で判断したり、把握したつもりになったり、時に裁いたり出来るのか。新たな疑心暗鬼と分断を生むだけです。それは罪に定められることでしょう。一部のカルト信者が言っているにすぎない、本来は聖書にない言説に振り回されて、本質を見失わないようにお願いします。キリストが直接関わった最初の弟子達からこれまで、一体どれほど多くの使徒達が殉教されたか、その多くが時の権力者に殺されています。本当の信仰は(宗教とは元々そういうものですが)“ハードコア”なものです。最終的には血を流すことになるでしょう。携挙というのはキリスト教のコアな部分を壊すため、信者を日和らせキリスト教信仰を弱体化させる為に作り出されたイルミ側のあやかしです。そんなもの起きませんし、ありません。携挙なんて絶対に「起こりません」。艱難時に艱難辛苦を経ずに信者であれば無条件に救われるなんて、黙示録にも書いてありません。私は寧ろ選ばれた信者達はその信仰の故に人一倍の艱難辛苦を味わうだろうと覚悟しています。「携挙」を期待して待っている信者に問いたい。あなた方はなぜ聖書にない言説に振り回されて真理から遠ざかり、惑わし惑わされているのか。キリストは楽して昇天されたのか。死に際には苦しまれたではないか。我々が正しく天に挙げられるとすれば、艱難の嵐の後この世の終わりと同時に来たるべき主の再臨の時であって、その時まで生き残っていればの話だが、それは殆ど(聖書でいうところの)「来世」でのことです。それまでは人一倍の艱難を覚悟するべきです。しかし正直なところ私はこの時まで自分が耐えうる自信がないので、この時を待たずに死にたいと考えているのです。これも、信者としては “失格” なのでしょう���。私個人は自分の「永遠��命」に拘りはなく、消滅して構わない。ただ、たとえ滅びゆくこの世界だとしても、普通に人としてその前に「正義」は実現されてほしいと切実に願っているし、首謀者達が現実に裁かれることを望んでいます。しかしそれは特定の「政治家」ではなく「神」のみが実現し得るのだろうと信じています。
☦️ Christ is risen‼︎
Tumblr media
『ハリストス復活!実に復活!』 🕊
3 notes · View notes
sendaihiscafe · 3 years
Text
第106回放送「大型連休? 何それおいしいの? 歴史のなかの祝日・祭日」の参考文献
第106回をご視聴いただた方、ありがとうございました!
放送時のtogetterまとめはこちら⇒ https://togetter.com/li/1706227
「皇帝さまの誕生日、それは祝日~皇帝誕生日に見る属州民と帝国のかけひき」
・フラウィウス・ヨセフス 著 , 秦 剛平 翻訳『ユダヤ戦記3』筑摩書房、2002年 ・T. D.Barnes, Tertullian :A Historical and Literary Study, (Oxford: Clarendon Press, 1971 ・土岐正策・土岐健治『キリスト教教父著作集22 殉教者行伝』教文館、1990年 ・山本晴樹「元首政期ガリア社会におけるアウグスタ-レ-ス (1997年度〔西洋史研究会〕大会共通論題報告--古代ロ-マにおける宗教と社会)」『西洋史研究』新輯27号、1998年、192-204頁
「日曜日は祝日です(断言)。古代末期ローマの法令にみる祝日」
・テオドシウス法典研究会訳「テオドシウス法典」『専修法学論集』59、1993年ほか ・保坂高殿『ローマ史のなかのクリスマス』教文館、2005年。 ・B. Frier et al. (eds.), The Codex of Justinian: A new annotated translation, with parallel Latin and Greek text, Cambridge 2016. ・M. I. Salzman, “Structuring Time: Festivals, Holidays and the Calendar”, in: P. Erdkamp, The Cambridge Companion to Ancient Rome, Cambridge 2013, pp. 478-496.
「聖霊をお迎えする キリスト教と民衆にとっての祝祭」
・K.-H. ビーリッツ著、松山與志雄訳『教会暦 祝祭日の歴史と現在』教文館、2003年 ・植田重雄『ヨーロッパの祭りと伝承』講談社学術文庫、1999年 ・遠藤紀勝『仮面 ヨーロッパの祭りと年中行事』現代教養文庫、1990年
よろしければご参照ください!
1 note · View note
onegaishimasu-u · 4 years
Text
人物像の考察(みちる)
趣味でまとめたのを記録しています。(基本的にモバエム版のみ) 随時アップデート予定 感謝→ https://wikiwiki.jp/sidem/
◼︎ 基本性格
性格1:兄貴分
対、ほかのメンバー
性格2:弟子
対、プロデューサー(師匠)
大まかにこのふたつに分けられるような気がする。 性格1と2は明らかに正反対であり、考察するうえで面白い部分のひとつ。 ファンに対しては「ファン」または「お客さん」
◼︎ ぱっと見の印象
カードを見た人が初見でどんな印象を抱くか
笑顔
恒常N, N+, R, R+は笑顔。他も笑顔のカードが多い
兄貴分
THE虎牙道でのポジション
がっしりしている、筋肉
頼りがいがありそう
◼︎ 他人から見た印象
行動・履歴書情報・みんなに向けて話す内容といった、表面からわかること
面倒見がいい
喧嘩ばかりの虎牙の間に立つクッション、まとめ役
おおらかで、めったな事では動じない
上記まとめ役を苦とせず、楽しんでいる
覇気があり、ジムリーダーのよう
「リベンジならいつでも受けて立つぞ!」
真面目で勤勉
趣味が資格取得。しかも「たくさんありすぎて書けない」
サービス精神旺盛
miniの台詞まで「味玉サービス!」
人あたりが良い
海外でもすぐ人と打ち解けられる
タケルと漣という二人に信頼されているあたり、打ち解けにくいオーラは基本的にないと思われる
接客業ゆえのもの?
あみぐるみなど、かわいいに寄った特技を持っている
わかりやすい意外性のひとつ
◼︎ 内面(自己認識)
関わっていてわかってくることのうち、本人が自覚しているっぽいことなど
>大切なもの、嬉しいこと
「守りたい」気持ちが強い
「ビルの仲間を救うため頑張るッス!」
「(略)みんなの居場所を守りたいって気持ちは、痛いほどわかります。」
これは基本の要素のように思える。
みんながいると思うと心強い。一人よりも楽しい
「自分、揃いのユニフォーム、好きなんス!辛いときでも、一人で戦ってるわけじゃないって思い出せるッスから!!」
「お客さんが一緒に歌ってくれたんで、いつもよりイイ声が出たッスよ!」
お客さんの反応を見るのが好き
「やっぱお客さんの顔が見える仕事はアドレナリン、バンバン出るッスね。」
「やっぱ自分、お客さんの反応が直に見られる仕事が好きみたいッス!」
「やっぱり、お客さんの顔が見えるとめちゃくちゃ気合いはいるッスよね!」
他者を喜ばせたい気持ちが強い
「アイドルもラ-メン屋も、お客さんに喜んでもらえるのが1番ッス!」
「うちの店にドリンクバーを置いたら、お客さん喜ぶッスかね?」
「見に来てくれたお客さんが、喜んでくれたらサイコーの気分ッスね!!」
「今、あみぐるみを作ってたッス。店にあると、小さなお客さんが喜んでくれるんで…」
他者の存在への感謝
「これ着て映画に出られるなんて、自分、ホント沢山の人に感謝ッス。」
「今のスタッフさん、親切だったッスね。おかげでいい仕事ができたッス!」
「ラーメンやどんぶりなら自分ひとりでも作れるが、最高のステージにするのにはファンの声が必要だ!」
「今の自分には、タケルや漣、それに師匠と力を合わせてやるほうが、ひとりで黙々と励むよりも楽しいッス!!」
「頼もしい味方と手強いライバルの存在が、きっと信玄の強さを作ったんッスね!」
「仕事の質をあげるには チームワークが重要ッスよね。だったらばっちりッス!」
「(略)アイドルとして頂点に立つには多くの人の力とファンの応援が必要だって。師匠がくれたこの縁を、ずっと大事にしたいッス!」
…など、自分ひとりでは成し遂げられないことも皆となら実現できると感じている。
タケルと漣が大好きで、とても支えられている
「タケルと漣がいないと、静かすぎてなんだか物足りないんスよね。」
「最近はタケルと漣に教わることも多くて… 持ちつ持たれつうまくやってるッスよ!!」
笑顔は大事
「ラーメン屋でもアイドルでも、やっぱり笑顔は大事だと思うッス。」
仕事への気持ち
「らーめん屋の仕事も楽しいッスけど、今は師匠と仕事できるのが、1番嬉しくてたまんないッス!!」
「自分、今は帳簿が黒字になった時と、師匠に仕事をほめてもらえた時が、なによりうれしい瞬間ッスよ!!」
「信頼できる仲間たちと、やりがいのある仕事で金を稼ぐってのが1番の幸せッスねー。自分、毎日楽しいッス!」
過去への感謝
「これまで色々あったからこそ、師匠に出会って、今の自分がいる。それって、最高に幸せなことッスよ!!」
>性質的なこと
世話焼き
「師匠、元気足りてないぽいッスね?ちゃんとメシ食ってきたんスか!」
「世話焼きは自分の性分ッス。師匠、何かあったら遠慮なく言ってください!」
「…ああ、師匠。寝てても平気ッスよ。タケルと漣の面倒は自分が見ておくんで。」
困っている人には手を貸したいほう
「機材運んでるスタッフさん見ると、つい手伝っちゃうんスよね…」
「近くでうちのおやっさんが海の家やってるんスよ!リハ終わったらちょっと手伝ってくるッス!!」
…など、誰かを助けることを呼吸するようにやっている。
負けず嫌い
戦国映画村のあと、「負けられない」というワードが格段に増えた。
「男・円城寺道流、負けは嫌いぜよ!」
「同じ年長者としてドラマの中の登場人物には負けられないッス!」
「盛り上がってるな!自分も、簡単には負けないぞ。正々堂々と勝負だ!」
「おー、格好いいなあ、3人とも!これは自分たちも負けていられないぞ!」
「いよいよ自分たちのステージだ。FRAMEにも、タケルや漣にも負けられない。」
やるからには全力を出したい
「師匠、ありがとうございます!自分、どんな仕事でも、全力で頑張るッスよ!」
「今の自分の全力を出し切りました!悔いはないッス!!」
「よし、やったぞ!全力で挑んだかいがあった!はっはっはっは!」
「だって師匠、参加するからには全力でやんなきゃ楽しくないッス!絶対、勝つッスよ~!?」
「どうせなら、この手形で入れる温泉全制覇したいッス!あ、ちゃんと調べてきてるんで、自分に任せてください!!」
正々堂々、真剣勝負
「手加減はいらん、全力でかかってこい!」
「お互い全力で頑張ってるのは知ってるが、今日は譲れない!」
「試合前の緊張感と高揚感は、何ものにも代えがたいッスね。さあ、真剣勝負!」
にぎやかなのが好き
「やっぱクリスマスの夜はにぎやかなのが一番ッスよね!!盛り上げていくんで、師匠にも楽しんで欲しいッス!!」
「自分、玉入れはけっこう好きッス!にぎやかで、個人の頑張りも団体の協力も必要不可欠ってカンジが…」
ある程度の負荷があるほうが燃える
「テレビ番組の企画に雑誌のグラビア…やることがたくさんで嬉しいッスよ!忙しい方が気合い入りますから!」
「緊張してないか…ッスか?その緊張ごと楽しんでるんで大丈夫ッスよ!」
見かけと中身とのギャップを感じている
「自分、こんなガタイで恥ずかしいんッスけど、家事はわりと得意なんです。」
ピンクは自分には似合わないと思っている
「ピンクのスーツ…ちょっと気取ってるみたいで恥ずかしいッスね、あはは…(略)」
「ソファにかけるカバーを編んできたんッスけど…やっぱピンクは微妙ッスかねー?」
(ピンク自体はけっこう好きなのかな?)
>得意なこと
家事、メシ作り
「(略)家事はわりと得意なんです。一家に一台いると、便利だと思うッスよ?」
「(略)自分のメシ、食ってってください!ハラペコじゃリキ出ねえッスから!」
「師匠、腹減ってないスか?言ってくれれば何か作りますよ!」
恒常雑誌4話でもひとりぶんの朝食を自分で作り、「我ながらうまい…」
暗記、記憶力
「実は自分、暗記もわりと得意なんで、どんどん仕事回してイイッスよ!」
「セリフッスか?問題ないッスよ、自分記憶力には自信があるんで!」
体力勝負や、身体を使う仕事
「身体を使う仕事だったら、ドドーンと任せてくれて構わないッスよ!!」
「ふっふっふ~。体力勝負なら相手が誰でも、負ける気がしないッスよ!!」
体調管理
「体調管理は昔っから得意ッス。もちろん、今日もバッチリッスよ!!」
面倒見
「師匠、リーダーなら任せてほしいッス!自分、面倒見は良い方なんで、お役に立てると思うッスよ!」
子供の相手
「小さなお客さんッスか?自分、子どもの相手は慣れてるんで、大丈夫ッスよ!」
英会話
ハワイでネイティブに会話していた。現役時代の賜物か
サバイバル力にも自信がある
「ガチの無人島サバイバルになったッスけど、大丈夫ッスよ!自分たち5人と1匹を頼ってほしいッス!!」
手を動かして何かを制作すること
「こうやって手を動かしてモノづくりするのは案外性に合ってるッス。頑張るッスよ!」
>苦手なこと、もっと頑張りたいこと
芝居
「セリフは暗記できても、芝居はカンタンにはいかないッスね…精進するッス!」
人に見られること
「人に見られる仕事は、何回やっても緊張するなあ…試合前の気分だ。」
威厳を出すこと
「自分には王の威厳ってヤツは難しいッスけど…」
師匠に頼ってもらうこと
支えたいけど、支えられてばかり…という気持ちがある
「師匠には支えられてばかりッスね。けど、それじゃ不公平ッスから、自分にも師匠を支えさせてください!」
「自分、師匠に頼りすぎッスね…でも、いつか師匠に頼ってもらえるような最高の漢になってみせるッスよ!!」
人に相談すること
「恥ずかしながら、タケルと漣がいないと、相談する相手がいなくて…」(GoSのイベ���トストーリー)
人の相談にはよく乗っているほうに見えるけど、自分が相談するのは苦手?一歩踏み込んだ相談をできる相手がいないのかもしれない。
恋愛ものや甘いイベントの魅せ方
「…えっ、ダメッスか。元気ありあまりすぎ?…うおぉ、思った以上に難しいッスねぇ…」(2018VD)
「はは、男世帯だからッスかね。こうしたロマンチックな言葉は言い慣れないッス。」(2018VD)
「自分もアクションなら自信があるが、恋愛が絡むとなると未知数だな。」(2020WD)
>その他
筋トレが日課(恒常雑誌4話)
アイドルは別世界の話だと思っていた
「アイドルなんて別世界の話だと思ってたッスけど…今ッスか?今は毎日、退屈する暇もなくて楽しいッス!!」
動物ではとくにラクダが好き
気合いを込めてダイスを投げると、いい目が出るような気がする
自分なりの集中法を持っている
「精神を研ぎ澄まし成功をイメージする…気持ちを落ち着かせる方法ッス。このステージ、必ず成功させてみせるッスよ!」
「編み物は集中力を使うので精神統一にも向いているッスね。黙々とできるのも魅力の1つッス。」
演技の仕事の面白さは、別の自分になることにあると感じている
「芝居の仕事、面白いッスね!別の自分になるのは、いつもワクワクするッス!!」
◼︎ 内面(他者から)
道流を関わっていてわかってくることのうち、自覚しているかどうかは不明なことや、読み手の想像にすぎないことなど
>性格的なこと
働き者
多くの台詞で、店のことを常に気にかけていることがわかる。
とても気がきく
「師匠、事務所の掃除、終わったッス。ちょっと早いけど出ます?」
「大根のハチミツ漬けがのどにイイって聞いて作ってみたッス…どうッスかね?」
など、周囲の力になれるようなことを率先して行なっている
めちゃくちゃ謙虚
「住職さんは毎日毎日修行してるんスよね…自分ももっともっと修行して最高のアイドルになってみせるッスよ!」
「師匠あっての自分ッスから!」
「師匠~!この前の試験、通ったッスよ!!これも師匠のおかげッスね!!」
…など、本人の努力のたまものなのだが、成し遂げられた事は決して自分ひとりの力ではないと感じている
ものごとを俯瞰して、一歩下がって考えられる
英雄「道流の助言のおかげだよ。ああして一歩引いた考え方ができて、すごいな。」
道流「そうだな…普段一緒にいるタケルや漣が、個性の塊みたいな存在だからか…自然と、一歩引いた目線で物事を見て考える癖がついているのかもな。」
※上記のセリフだけでは、前から自覚していたのかどうか怪しいためここに記述する(漣とタケルに出会ってから一歩引いた目線で物事を考える癖がついたのではなく、本来の性格がそうなのでは…?)
パフォーマンスにおいては、盛り上がることを心がけている
「羽織袴でアクションしたら、盛り上がるかもしれないなあ…」
怒らせると怖い
「らーめん屋を怒らせると怖いぜェ?オレ様のほうが、もっと怖いけどなァ!」
ときどき世話焼きすぎる?
「自分も何か力になれればいいんスけど…そうだ、マッサージしましょうか?首肩腰、なんなら全身コースでも。腕のいいマッサージ店も紹介できるッスよ。腹が減ってるなら、メシも作るッス。師匠の好物をたっぷり入れて!あ、よければ明日から弁当を持ってきましょうか?味には自信あるッス!」
「…う~ん、漣の好き嫌いを治すには、どんな資格が役に立つんスかね?野菜ソムリエ…それともパティシエ…?」
「タケルと漣と会わない日もあるッスけど…ちゃんとメシ食ってるかなぁ。」
しかし聞かれたくないであろうこと、踏み込まれたくないであろうことは深くつっこまない
各イベントストーリー
ここらへんはかなり大人な部分。自分も容易く聞かれたくない部分を持っているのかもしれない
自分の行動や自分自身を、あまり面白いと評価してない。自己評価が低い面がある(あった)
「ははっ、選挙かぁ~。自分には縁がないッス。それでも応援してくれる師匠の為に、全力で頑張るッスよ!」
「自分の休日ッスか?う~ん、特に面白いことはしてないんスけどね。」
一歩踏み出せなかったり、押そうとして押すのをやめたりすることがある。どこか遠慮がちな面がある
「おはようございます、師匠!初日の出を見に、海まで行ってきたッス。キレーだったなぁ…来年は師匠と一緒に行きたいッス!!」
「…師匠はプレゼントにDIYでログハウスを贈られたりしたら…なんでもないッス、忘れてください。」
どこか奥ゆかしい面がある
「自分も、師匠に時間をかけて丁寧にみがいてもらえてるって、少しくらい自惚れてみてもいいッスかね…?」
形式や伝統を重んじる
「いやいや、結婚するということは新しい家族を作るということなんだ。」
「それなりの覚悟を見せるのは必要なことだと思うぞ。」
男女関係や恋愛についてある程度の興味があり、本人に言ったり、冗談を言うときがある
「あやしいな 女でもできたか?」(タケル恒常雑誌 3話)
「タケルの嫁さんはきっと…(略)」(ハッピーブライダルパーク雑誌 タケル)
「で?タケルはどんな人がタイプなんだ?」(ハッピーブライダルパーク雑誌 タケル)
「師匠が結婚するときは、うちの店で盛大に祝福するッス!!ウェディング餃子とウェディングタンメンで…あれ?NGッスか?」
「はは、ホワイトデーも近い。もしかしてデートか?」(ホワイトデーデート2019 イベスト)
わりとゲンかつぎをするタイプ
「師匠!この祈願しゃもじ、自分たちにぴったりじゃないッスか?よし、タケルと漣のお土産にしよう!4本買うんで、師匠にももらって欲しいッス!」
わりと雰囲気が大事なタイプ?
「おぉ、やっぱり衣装を着ると気持ちも入ってくるッスね!!!獣人の王ジョウエン、演じ切ってみせるッス!!」
→ 道流のメンタル管理のために、雰囲気づくりも大事な気がしてくる
実は照れ屋さん?
2019年ごろから、主に師匠に対して「照れる」と口にすることが多くなった。
「デートっていうとちょっと照れくさいッスけど、大事な人と過ごすならやっぱり温泉でのんびり癒されたいッスね。」
「みんなずぶ濡れッスね。今タオルを…はは、自分を拭いてくれるんスか?少し照れるッスけど、ありがとうございます!」
「師匠、どうしたんスか?自分の顔になんかついて…歯が白くて綺麗?はは、そんなに見られると照れるッスよ。」
「気迫が伝わってくるいい写真だ…って自分で言うのはおかしいか。誰かに見せるのは、ちょっと照れ臭いな。」
>性質的なこと
発想が天然
「師匠!このサンタ衣装、ヒゲ入ってないんスけど…ヒゲいらないんスか!?へぇ~!いまどきのサンタはオシャレッスねぇ!」
「途中で新人かばって殉職しそうな役ッスね!死ぬ気でやらせてもらうッス!!」
「ハワイで正月って芸能人みたいッスね!いや、アイドルなんスけど。芸能人なんスけど…うおぉ、ワクワクしてきたッス!」
「(略)ウェディング餃子とウェディングタンメンで…あれ?NGッスか?」
ネーミングセンスが天然
バイト神フレセム道
THE虎牙ホワ道!
想像力が豊か
戦国の道流の雑誌
うかつにしゃべりすぎるときがある
「高価なもんじゃないッスけど、自分の贔屓にしてるバンダナがあって…っと中身は開けてのお楽しみで!」
「…師匠はプレゼントにDIYでログハウスを贈られたりしたら…なんでもないッス、忘れてください。」
少年のようにベタなものにわくわくしたり、はしゃいだりする
「やあ、怖いなー!廃墟探検なんて、ホラー物の定番じゃないッスか!タケル、漣、番組のために自分たちも気合入れて怖がっていこうな!!」
「うおおおおおっ!!憧れの二挺拳銃、めちゃくちゃテンションあがってるッスよ!魅せるガンアクション、心がけるッス!!」
「ははは、この水鉄砲はさすがによけきれないだろう?もう1回いくぞ、それ!」
これに関しては虎牙のほうが冷めていることもある。
好奇心旺盛で、気になることは確認したい
「師匠!向こうの路地に八百屋発見!ちょっとだけのぞいていいッスか?」
用意周到、事前準備は入念にしておくタイプ
「…本気で海外進出を考えたら、何語を勉強するのが1番いいッスかね?」
「メンバーが腹を空かせたときのために、オヤツの準備は欠かせないッスね!」
トレーナーのような一面を持っている
機械仕掛けの反逆者イベントストーリーにて、漣の肉体言語を解説してみせた。
「適度な運動と水分補給は、負けない体を作るための基本ッスよ!無理して本番で実力が出せないってんじゃ、勝負にならないッスもんね!!」
…など、自分の知る知識は存分に教えてくれる。
結構な完璧主義かもしれない
「今回の仕事は大役だからな、本番前に殺陣を完璧にしておかないと…」
バレンタインライブ2017のときの、自分が生成した失敗作に対する扱い
※かといって何でも完璧なように見せてるわけじゃないので注意
「うおおぉ…緊張したッス。試合とはまた違った熱気を感じるッスね!」
「師匠、自分、ちょっとアイドルの仕事が楽しくなってきたッス。歌もダンスもまだまだッスけど、頑張るんで!」
「師匠のために鍼灸師の資格取ろうと思ったんスけど、時間かかりそうで。」
「新しい振り付けの稽古中なんスけど、ちょっと見てもらえないッスか?」
◼︎ 道流がやりたいこと
大前提として、金のため=みんなを救うためにアイドルをやっている
>願望・夢
「ラーメンスープみたいに、じっくりゆっくりコクのある人間になりたいッス。」
「自分、全国のラーメンを食べ比べたいと思ってたんスけど、ここでかなうとは予想外だったッス!感動ッス!」
「いつか電車に乗って日本列島一周、してみたいッスね~」
「自分がトップアイドルになれたら、ぜひとも師匠の手料理をごちそうになりたいッス!」
「自分の出身地もここから近いッスよ!いつか仕事で、凱旋できたらうれしいッスね!」
「THE 虎牙道がトップアイドルになれたら、自分たちと師匠と4人で世界旅行もいいッスね!どこでも連れてくッスよ!!」
「歴史に名を残すアイドルになる…なんて、大袈裟ッスかね?でも、師匠と一緒なら本当にできる気がしてくるんス!」
>プロデュース方針のヒント
安心できる場所を届けたい
「自分にとっておやっさんの店がそうだったように、安心できる場所をファンのみんなに届けたいッス!!」
これはラーメン屋を志したときのスタンスと同じなのではないか。
お客さんを喜ばせたい
「自分のパフォーマンスを見て笑顔になってくれたら、すっごく嬉しいッス!!」
フィジカル系は得意分野なので、自信があるし、究めたい
「魅せるアクションってヤツは奥が深いッスね。自分、いつか究めてみせるッスよ!!」
「フィジカル系はTHE 虎牙道の得意分野ッスからね、師匠、期待して待っててほしいッス!!」
FRAMEはライバルで、負けたくない(系統が似てるからか?)
「話も合うし好きなんスけど、やっぱFRAMEはライバルなんス…師匠。自分、アイドルとして負けたくないッス!」
特技を活かしたい
「そうだ師匠、資格取得を目指す企画の仕事なんてないッスかね!?」
>対師匠
「師匠」という呼び名から想起できるように、師匠-弟子 の関係を強調することがある。また、普段の発言からも一番弟子のような印象を受けるものが多い
とにかく恩返しをしたい
「師匠に覚えていてもらえたなんて…感激ッス!!ますますアイドルにもリキ入れて、師匠に受けたご恩は、いつか仕事で返します!」
「師匠にはたくさんのものをもらってるんで、必ずトップアイドルになって10倍…いや100倍のお返しをしたいッス!!」
…など、節目節目で恩を返したいという気持ちを強く伝えてくれる。
頼ってほしい/仕事を手伝いたい/支えたい/任せてほしい/力になりたい
2015WDのプレゼントが「使用回数無制限のお手伝い券(24時間いつでも対応可能)」。
「困ったら自分を頼ってください!自分、師匠が隣にいればいつだって無敵の百人力なんスから!!」
「自分、もっともっと頑張るッス!だから師匠も自分を頼ってください!」
「自分、簿記の資格持ってるんで、事務仕事なら手伝えるッスよ?」
「自分、両利きでよかったッス。師匠を左右どっちの腕でも支えられるッス!」
「歩き疲れたら言ってください。肩なら貸せますし、なんなら担ぎますから!」
「自分はどこまでも師匠についていく覚悟なんで、どんな仕事でも、自分を信じてどーんと任せてほしいッス!」
見守ってほしい/隣にいてほしい
「師匠、見ててください!!」
「師匠、最後まで見届けてください!!」
「いつものように見守ってください!」
「自分、絶対に師匠にとって自慢のアイドルになってみせるッスよ!だから、これからも目を離さないでください!」
「困ったら自分を頼ってください!自分、師匠が隣にいればいつだって無敵の百人力なんスから!!」
夢を一緒に実現したい/全力でぶつかりあいたい
「師匠の目指すアイドル業界のてっぺん、いつか必ず自分が連れていくッス!」
「師匠の投げた玉は何があっても受け取めるッス!もちろん、自分も本気でいくッスよ!」
「まず自分が目指すのは…師匠からのベストチョコの称号ッス!」
「師匠、また個人練習に付き合ってください!!厳しくしごいてほしいッス!!」
店に来てほしい/メシを食わせたい
「押忍。師匠、顔色よくないッスね。自分のメシ、食ってってください!ハラペコじゃリキ出ねえッスから!」
「師匠、元気足りてないぽいッスね?ちゃんとメシ食ってきたんスか!」
「あ、あとでラーメンも差し入れします?全然いいッスよ!」
「また店に来てください。新作ラーメンと餃子セット、ごちそうするッスよ!」(2016WDお手紙)
2017ホワイトデーのプレゼントが、とにかく店に来させるレパートリー
一緒に何かしたい/一緒に考えたい
「師匠、今度ラーメン激戦区に一緒に行きませんか!?」
「初日の出を見に、海まで行ってきたッス。キレーだったなぁ…来年は師匠と一緒に行きたいッス!!」
「師匠、自分は準備万全ッスよ!!メシでも営業でも、喜んでお供するッス!!」
「あっ、そうだ!師匠も一緒に雑巾がけやらないッスか?」
「店で出せる新しい餃子を研究中ッス!師匠、いいアイデアないッスかね?」
「魚介と南国フルーツをたっぷり使った、無人島ラーメンなんてどうッスか?完成したら試食お願いするッス!!」
「最近、晴れるとみんなで屋上でサッカーしてるんス。師匠も参戦どうッスか?」
「今日これからみんなでゲームするッス。よかったら師匠も一緒にどうッスか?」
「仕事も遊びも、師匠が一緒だと倍楽しいッス!!またお願いします!!」
手作りのものをあげたい
師匠へのプレゼントはほとんど手作りのもの。
「手袋とマフラーとセーター、どれがいいッスか?師匠が欲しい物を編んでくるッスよ。」
◼︎ 過去について
SideM・Mステに共通して【柔道家→怪我で引退】という情報はあるものの、本人の口から語られることは少ない。また他のキャラクターと比べると、家族に関しての情報もゼロという極端さがある
柔道家時代は一人で黙々とやっていた?
「今の自分には、タケルや漣、それに師匠と力を合わせてやるほうが、ひとりで黙々と励むよりも楽しいッス!!」
ただし編み物イベントのセリフから分かるように、黙々とやること自体は得意なほうである
家族構成についてはある程度の推理が���能
「タケルも漣も、ケンカばっかで、たまに店のものを壊したりしてるのは、困りものッスけど…やんちゃなところも含めて、弟ができたみたいでうれしいッス!」
…恐らく弟はおらず、一人っ子か、上にきょうだいがいた可能性が高い
リメンバーショットでの情報
写真は中学時代のもの
男らしくなりたいという思いから始めた
決勝まで進めるのは自分でも意外だった(「なにがなんでも優勝したい」という貪欲な気持ちは大会が始まる前は持っていなかった?)
幼い頃から自分の現状を変えたいと感じ、己を高め続けるというストイックな心を持っているということがわかる。それは趣味の資格取得にも通じている…。
「これまで色々あったからこそ、師匠に出会って、今の自分がいる。それって、最高に幸せなことッスよ!!」
「色々あった」ことはまだ深く語られていない。 ゲーム中のPがどこまで知っているかも不明だが、こう言ってくれるだけで十分だろう。
◼︎ 台詞の裏を読む
想像が強い部分なので注意!
>悩みが解決してから、今の楽しさを報告することが多い
「この衣装、初めはちょっと恥ずかしかったッスけど、今はエプロンと同じぐらい、ピッタリきてるッスよ!師匠にはホントに感謝ッス!」
「正直最初は一歩引いてたところがあったんですけど、今は仲間と一緒に本気でぶつかり合ってます!」(2018VD)
→当時悩んでいるそぶりは一切感じられなかったが…。 例)「衣装チェーンジ! どうッスか?どうッスか自分のアイドル姿! これは一攫千金、イケるぞね!」
>悩みはするが、必要を感じなければ他人に言うことはない?
以下のセリフ等も、前は悩んでいたのか?と想像できる余地がある気がする。
「アイドルの仕事は日々鍛錬、新しいことが目白押しで、悩んでるヒマもないッス!」
「自分、今はなにをやっても楽しいッス。コツがわかって来たからッスかねー?」
つまり、ネガティブなことは言わないが、 ポジティブというわけではなく、ただ人に言わないだけなのかもしれない。 ただ、ごく明るいムードでなにかを言うときにぽろっとこぼれることがある。
「敵」の存在を感じている言葉
「自分、師匠が隣にいてくれたら、敵がなんだろうと負ける気がしないッス!」
この「敵」という表現は、道流にしてはけっこうめずらしい。トップアイドルを目指すうえで立ちはだかるものなのか、自分自身の弱さの可能性もある。
退屈の時間を勉強にあてていたのかも?の言葉
「アイドルなんて別世界の話だと思ってたッスけど…今ッスか?今は毎日、退屈する暇もなくて楽しいッス!!」
柔道時代の辛さ・乗り越え方を感じる言葉
「自分、揃いのユニフォーム、好きなんス!辛いときでも、一人で戦ってるわけじゃないって思い出せるッスから!!」
道流が弱さを抱えながら乗り越えてきた強い人間だということを気づかされる言葉たちだ。
◼︎ おまけ
>師匠の人物像
用意がいい
「ライブのチラシ…さすが師匠、商売についでに宣伝もできて一石二鳥ッスね!」
デザインセンスがある
「やっと、この衣装にも慣れてきた。アンタが俺用にデザインしてくれたって聞いたんだが、本当か?やっぱりそうなのか…ありがとよ。」   - ※タケルの台詞だが、同ユニットのため
あまり頻繁にみちるのラーメンは食べにいっていない様子(昔だけ?)
「師匠、たまにはうちのラ-メン、食いに来てください! 自分、おごるッス!」
行動がダブることがあり、以心伝心している
「師匠!リーダー役を探してるって本当ッスか?だったら自分に…え、お願いしようとしてた?はは…うれしいッス!!」
ドン底から救った
「師匠のアドバイスで、自分、どん底から浮上したッス!2度と諦めないんでこれからもご指導お願いします!!」
アイドル道の師であり、人生の師(らしい)
「自分、いつか師匠みたいに人の力になれる人間になりたいッス。今後ともそばで勉強させてくださいっ!!」
師匠との仕事は、いつも絶対に激アツ(らしい)
基本的にTHE虎牙道にかなりマッチングした仕事を持ってきている。
基本見守るスタンスである
「師匠、自分、全力で楽しんでくるんでいつものように見守ってください!」
ヘンなところで抜けている
「師匠ってヘンなところでヌケてるから、放っとけないんスよねえ…」
アドバイスがいつもわかりやすい。柔道にからめた事を言う時もある。(2017~)
「…負けられない大会の決勝戦に挑むつもりで演じる…師匠のアドバイスは、いつもわかりやすくて助かるッス!!」
机は綺麗らしい
「師匠の机、綺麗ッスよね…あみぐるみを置いてみてもいいッスか?」
冗談のような天然のような事を言うこともある
「…いやいや、食べ歩きの旅じゃなくて全国ツアーッスよ!!」
音楽や映画の趣味が道流とは少し異なっている。※これは師匠じゃなくて仕事の影響かも
「師匠と出会ってから、映画や音楽の好みが広がった気がするッス!こういうの、嬉しい変化ッスね!!」
落ち着ける存在
「師匠の声は耳になじんで落ち着いて…ついつい眠くなるッス…」
「事務所にいると気持ちが落ち着くッス。師匠がいるからッスかね?」
10 notes · View notes