Tumgik
#自分磨きは自分の心を正しくして魂の輝きを解き放つことなのだ
zehimonashi8 · 10 months
Text
源氏供養のすすめ①
6/24から7/1まで配信しているネットプリント「禺伝 矛盾源氏物語供養」の奥付に「源氏供養のすすめ」なるプリントを作ろうとしていた形跡があるのですが、自分が力尽きてしまい配信できませんでした
混乱させてしまい申し訳ありませんでした
久しぶりの二連休を得て時間ができたので、僭越ながらこちらにて「源氏供養のすすめ」で書こうとしていたことを少し書かせて頂こうと思います
なお拙作短歌の解説にはなっておりませんのでご了承ください
内容は以下の通りです
①源氏物語のこの帖が好きだぞ
②源氏物語の能とか拙作短歌に出てきた能とかの話がしたいぞ
③左右社刊『ウェイリー版源氏物語』はいいぞ
長いので、①と②③で記事を分けております
ーーーーーーーーーーーーーー
①源氏物語の好きな帖のはなし
禺伝を観て、源氏物語を一から読み直しました
読んだのは左右社『ウェイリー版源氏物語』1-4 巻 大昔に「あさきゆめみし」と円地文子版を読んだきりだったのですが、このウェイリー版があまりに素晴らしかったのでみなさまにも是非ご紹介したく思います
手始めにまず源氏物語のなかで自分なりの好きポイントや読みどころをよりぬきで紹介しながら、ウェイリー版の魅力を少しだけ見て頂こうと思います
どうでも良いですが禺伝の54帖を只管言い続ける歌を聴いていたら54帖言えるようになりました
あと自分の推しは六条御息所と柏木です
以降「」で括った引用はすべて左右社『ウェイリー版源氏物語』より
・第2帖 帚木
「帚木」をテーマに光源氏と空蝉が歌を詠み交わすところが好きです 帚木とは「遠くからは豊かな木陰を作るように見えるが、近づくと貧相な灌木にすぎない」という伝説の木のことで、「近づくと見えなくなると言い、逢えそうで逢えない恋人の喩えに使われた」のですが、これをそれぞれの意味で2人が詠むのですね このシチュエーションに「帚木」の意味がバチッとハマっていてカッコいいです
・第4帖 夕顔
夕顔の初登場シーンは印象深いですよね
六条御息所のところへ行こうとして通った裏町で、夕顔の花がいっぱいに咲き乱れている家を見つけた光源氏はその夕顔を家来に摘ませます そのとき少女がその家から出てきて、「なにか花を載せるものがご入り用ではございませんか」と花を載せるために扇を差しだすのですが、その扇によく見てみると夕顔の歌が書いてある、というところです 素敵
・第9帖 葵
がばっととばして六条御息所 禺伝にもあった「なげきわび」のシーンですが、この歌は別にホラー調では全くなくて、ただただ必死で切実な御息所の心が胸を打つのです その前から見ていくと、「この祈祷をしばらくやめて」までは葵が話しているのですが、光源氏がそばに来ると突然態度が「優しく、もの思わしげ」になるのですね ここからおそらく葵の体を借りて御息所が話しています 「あなたが来てくれるなんて。恋焦がれ、魂が燃え尽きるほど、待ち続けていました」 そして和歌の訳をウェイリー版で見てみますと「スカートの縫い目を縫い合わせるように、どうかあなた、絶望と孤独に千切れたわたしの魂の端切れを、継ぎ合わせて」 人を呪って取り憑いて、さあ言う言葉は恨み言ではなく魂からの切実な願い、めいっぱいのSOSなのですよね 素晴らしい、和歌の訳もなんと叙情的、大好きなシーンです 六条御息所については②の葵上でも書きますので一旦割愛 賢木帖の野宮の別れのシーンも大変素敵ですね
・第15帖 蓬生
ここは末摘花のお話です 右大臣の目論みで光源氏が都を追われ須磨・明石に滞在していた間、多くの女が光源氏への愛を捨てて右大臣へ媚びていました ではその頃末摘花は、というお話ですが、ここは本当にウェイリー版が素晴らしく正直54帖の中で一番感動したところかもしれません(今まで何の感情もなかったことにもよりますが)
末摘花は、大事なものや大切な侍女を手放してもずっとずっと光源氏を待っているのですね 末摘花の頑なな強さと気高さ、彼女の心の美しさがありのまま描かれる素晴らしい帖です
「これほど内気で不器用で、変わったひとには会ったことがありません。それでも彼女の物腰、身のこなしには、誰にもまねできない気品が溢れているのでした。妙に彼女に惹かれます。いえ、実はずっとそうだったのです。だからこそ、彼女を見失いたくなかったのです」
この帖でウェイリー版ではある仕掛けが発動する仕組みになっているのですがそれは一旦後におき③でご紹介したいと思います
・玉鬘十帖より 乙女・胡蝶・蛍・野分
玉鬘十帖は特に源氏が最悪なのですが、その中でも女たちはまばゆく輝いています
乙女帖・胡蝶帖では源氏のお家に一緒に住んでいる紫の上と源氏が預かっている六条御息所の娘秋好中宮の交流が描かれます 彼女たちはそれぞれ春の庭、秋の庭を部屋に持っているのですが、そのお裾分けをしあうのですね 少女らしさのあるふたりが心を通わせるシーンは見どころの一つです 春、紫の上から秋好への歌「〈秋を好む方〉、枯れ草に鳴く松虫を好まれる方、わたしの花園から迷い込んだ蝶の罪を、どうぞお許しくださいませね」
蛍帖は玉鬘のお婿さん選びの話です 布を隔てて玉鬘と蛍兵部卿宮が夜に会うのですが、そこで源氏が悪戯をして蛍兵部卿宮に玉鬘の顔を一瞬見せてしまう 紙の袋に蛍を入れてランタンを作り、それで彼女の顔が照らし出されるようにしたのですね やっていることは最悪なのですが、蛍をランタンにするという発想は美しくて良いなあと思います 蛍帖には有名な紫式部の物語論の場面もありますね
野分帖は嵐の混乱のさなかで夕霧が紫の上を垣間見てしまうシーンが印象的です 嵐が来たという情景と夕霧が紫の上を見てしまって彼女に夢中になる展開が上手に組み合わされ読んでいて楽しいです
・第33帖 藤裏葉
頭中将と光源氏の息子夕霧の交流が藤の花を通して描かれる場面が印象的です 頭中将は娘の雲居の雁と夕霧が愛し合っていることを知っていながら長年仲を割いてきたのですが、とうとうここで雲居の雁を夕霧にやる気になります 途絶えていた交流が藤の花をもって徐々に回復していく姿は見事に美しく思われます
「もし日の光を透かすあの藤の葉のごとく、わたしに心を寄せてくれるなら、もうあなたを疑ったりしないのに」
・第34帖 若菜
若菜帖は確かに上下に分けたほうがいいと思うほど色んなことが起こりますが、何と言っても光源氏の妻となった女三の宮と頭中将の息子柏木の不義の密通があります つまりここでは藤壺の女御と光源氏の密通がリフレインされ、光源氏は自分で冒した罪の罰をここで受けるのですね そして光源氏は藤壺との密通をずっと桐壺帝が知っていたのではないかと閃くのです
今まで大人しい好青年だった柏木が突然転がり落ちるように恋に夢中になっていくさまはある種非常なる美しさを感じさせます 一瞬で恋は燃え、やがて破滅へと一気に加速する それに対して女三の宮が柏木への愛云々よりも光源氏に怒られることを恐れているのがなんともアンバランスで、物語として魅力的なのですね
「驚いたことに、彼女はとても華奢で、威張ったり高慢な様子もありません。ひたすら愛らしく、はにかんだ問い掛けるような、頼りきった目で彼を見上げているのです。彼の良き決意はもろくも崩れ去りました。世のなかも、世の人も、どうでもいい。今誰か危機に瀕しているひとがいても、手を差し伸べようとも思わない」
一人で破滅していく柏木は、光源氏に密通がばれて蔑まれていることを悟りその苦しさから床に臥せってしまいます
「どうしても、このたった一つの行いのせいで、生きる権利をすっかり失ったのだ、という思いが頭にこびりついて離れないのでした」
女三の宮・柏木の間にずっと猫の暗喩があるのも面白いですね
・第35帖 柏木
柏木の病は良くならず、女三の宮のお産も難航するうえ、紫の上が原因不明の病で一時危篤状態になってしまいます 紫の上と女三の宮の苦しみの原因は、またしても六条御息所の霊でした
ここで身がちぎれるほどの柏木の想いは、六条御息所の切実さに重ねられています だからこその御息所の霊再登場でもあるのです 柏木にも何某かの女の霊がついているということでお祓いをしてもらうのですが、その時の言葉を引いてみます
「ある意味、彼(引用者注 光源氏のこと)の魅力、彼の眩しい輝きのせいで、あんなことがあって以来、ぼくはもう生きてはいけないと思ったんだよ。音楽のリハーサルの晩、あの方に睨まれた瞬間にぼくの魂が裂け、光ある部分はぼくを離れ、はるか遠く彼女のもとへと漂っていき、残ったのは暗い残りかすだけ。だからコジジュウ、ニューパレスでさ迷う魂を見つけたら、あなたの帯にしっかりくくりつけてぼくのもとへ届けておくれ」
ここでは葵帖の六条御息所の歌「なげきわび空に乱るゝわが魂をむすびとゞめよしたがへのつま」が完璧に踏襲されています 柏木の女三の宮への激情は御息所の切実なSOSに繋がる ここで動けなくなるほど自分は感動してしまったのですが皆さんはいかがでしょうか
そしてここで六条御息所が出てくるのは、やはり若菜帖から光源氏の罪が罰として返ってきているからだと思うのです 六条御息所は光源氏の業に振り回され、光源氏に今までも多くの罰を与えてきました ここでもう一度彼女が出てくるということ自体に、この源氏物語に通底する仏教の観念を感じます
そして柏木はそのまま亡くなってしまい、女三の宮も子を産んだ後出家してしまいます 亡くなった柏木の奥さん落葉の宮を柏木の親友であった夕霧が訪ねる場面も叙情的で魅力的です
「オチバが応対してくれるかどうか待つあいだ、ユウギリは庭の木立ちを見つめ、木々だけはこの邸の人びとを襲った悲しみも知らず、なんの躊躇いもなく夏の陽気な色を誇らしげに見せているものだ、と思います」
・第37帖 横笛
柏木の形見である横笛が夕霧から光源氏に渡る(そして柏木の遺児薫へと渡される)お話ですが、そこと関係なく印象的なシーンがあるのでご紹介します
月の綺麗な晩、落葉の宮の家から自宅へ帰ってきた夕霧が、雲居の雁と自分の沢山の子どもたちが床で雑魚寝しているのを見るシーンです
「部屋は子どもたちでごたごたといっぱいでした。ぐっすりと寝入ったあどせない幼な子の顔と、侍女やら乳母やらの一団がどちらを向いても縺れ合って寝ています。またしても彼は、今後にして来たばかりの死んだように静かな御殿と、この混み合った光景とを比べずにはいられません」
夕霧は雲居の雁と落葉の宮も比べ、雲居の雁はなんとわ���ままで怒りっぽくなってしまったことか、と嘆きます 月を見ながら横笛を吹きうとうとしていると、突然子供の一人が泣き出してしまい、雲居の雁は起きてお世話をします
「お乳を飲もうとしないので乳母たちはひどく心配し、慌てふためいていました。やがてクモイがその子を腕に抱き上げ、ランプのそばに一緒に腰掛けると、髪を耳の後ろにかきあげて、ドレスの前を開きます。彼女の胸の美しい膨らみが照らし出されました。お乳を飲ませようとはせずに、ただ口に乳房をふくませてやります。そしてどうあやしたのか、すぐにその子は泣き止んだのでした」
この場面が私は個人的にとても好きです 夕霧と雲居の雁はこの後言葉を交わし、夕霧は雲居の雁のチャーミングさに感動するのですが、落葉の宮の陰の感と雲居の雁と子どもたちの陽の感の対比がとても美しいと思います
・第40帖 幻
幻帖は紫の上の死後光源氏が出家のために一年を通してさまざまな準備をするお話です 大切な人々へ挨拶にゆき、紫の上との思い出の手紙を泣きながら破り捨てる 執着を消すため、今までの業を清算するため、いわば地獄めぐりといったところでしょうか この幻帖の様相はさながら能「源氏供養」のクセにも似ていて、幻帖自体が光源氏の一生に対するセルフ供養であるような気もするのです 紫の上の手紙を焼く場面は涙なしには読めない場面となっています
このあと空白の物語雲隠帖があり、9年のブランクを経て匂宮帖が始まります 宇治十帖もとても面白いのですがここでは割愛します
ここでは自分なりの読みポイントをご紹介してみましたが、源氏物語(現代語訳)を通読されたことがない方はぜひ一度チャレンジしてみてください 現代に生きる我々でも十分に楽しむことができます
次の記事では②③をまとめてサクッと書きます
長い記事を読んでいただきありがとうございました
1 note · View note
tecchaso1988 · 3 years
Photo
Tumblr media
#読書 #論語と算盤 #守屋淳  Amazonの誕生日欲しいものリストから @1213takumi はまちゃんが選んでくれた本が届きました🙏 良本をチョイスしてくれて感謝✨   道徳と経済的利益追求 両立の可能性を追求する日本人としての志を 後世の僕らに示してくれた方 #渋沢栄一   僕もその遺志 を担う一人の日本人で在れるように頑張ります🙏   #読書メモ #実業とは多くの人にモノが行き渡るようにするなりわいなのだこれが完全でないと国の富は形にならない #国の富をなす根源は何かといえば社会の基本的な道徳を基盤とした正しい素性の富なのだ #一個人の利益になる仕事よりも多くの人や社会全体の利益になる仕事をすべきだ #徳川家康という人ほどうまく適材を適所に配置して自分の権勢を上手に広げた謀事の達人は他にいない #人が世の中を渡っていくためには成り行きを広く眺めつつ気長にチャンスが来るのを待つということも決して忘れてはならない心がけである #世間には随分と自分の力を過信して身の丈を超えた望みを持つ人もいるが進む事ばかり知って身の丈を守ることを知らないととんだ間違いを引き起こすことがある #名声とは常に困難でいきづまった日々の苦闘のなかから生まれ失敗とは得意になっている時期にその原因があるこれは真理である #一生涯を通じて大きな志からはみ出さない範囲のなかで小さな志を立ては移り変わり工夫をする #志を立てる要はよく己を知り身の程を考えそれに応じてふさわしい方針を決定する以外にないのである #本当の経済活動は社会のためになる道徳に基づかないと決して長く続くものではない #高い道徳を持った人間は自分が立ちたいと思ったらまず他人を立たせてやり自分が手に入れたいと思ったらまず人に得させてやる #お金の本質を本当に知っている心ある人は良く集めて良く使い社会を活発にして経済活の成長を促すことを是非とも心がけてほしい #世間はお金を大切にするという意味を間違って解釈しているお金に対して無駄に遣うことは戒めなければならないが同時にケチになることも注意しなければならない #人が何か自分の務めを果たすというときにはワクワクするような面白みを強く持ってほしい #理解することは愛好することの深さに及ばない愛好することは楽しむ境地の深さに及ばない #一日を新たな気持ちで日々を新たな気持ちでまた一日を新たな気持ちで #勝つことばかり知ってうまく負けることを知らなければそのマイナス面はやがて自分の身に及ぶ #自分磨きは自分の心を正しくして魂の輝きを解き放つことなのだ #個人の豊かさとはすなわち国家の豊かさだ個人が豊かになりたいと思わないでどうして国が豊かになっていくだろう #信用こそすべてのもととなるわずか一つの信用もその力はすべてに匹敵する #自分ができることをすべてしたうえで運命を待て #人は人としてなすべきことを基準として自分の責任を果たし自分の人生の道筋を決めていかなければならない #現代人の多くはただ成功とか失敗とかいうことがけを眼中に置いてそれよりももっと大切な天地の道理を見ていない #普通の人は往々にして巡り合った運命に乗っていくだけの智力が欠けている #正しい行為の道筋は天にある日や月のようにいつでも輝いて少しも陰ることがない #成功や失敗といった価値観から抜け出して超然と自立し正しい行為の道筋にそって行動し続けるなら成功や失敗などとはレベルの違う価値のある生涯を送ることができる https://www.instagram.com/p/COadXnQL1Mv/?igshid=1fyqnna6bgrtb
#読書#論語と算盤#守屋淳#渋沢栄一#読書メモ#実業とは多くの人にモノが行き渡るようにするなりわいなのだこれが完全でないと国の富は形にならない#国の富をなす根源は何かといえば社会の基本的な道徳を基盤とした正しい素性の富なのだ#徳川家康という人ほどうまく適材を適所に配置して自分の権勢を上手に広げた謀事の達人は他にいない#人が世の中を渡っていくためには成り行きを広く眺めつつ気長にチャンスが来るのを待つということも決して忘れてはならない心がけである#世間には随分と自分の力を過信して身の丈を超えた望みを持つ人もいるが進む事ばかり知って身の丈を守ることを知らないととんだ間違いを引き起こすことがある#名声とは常に困難でいきづまった日々の苦闘のなかから生まれ失敗とは得意になっている時期にその原因があるこれは真理である#一生涯を通じて大きな志からはみ出さない範囲のなかで小さな志を立ては移り変わり工夫をする#志を立てる要はよく己を知り身の程を考えそれに応じてふさわしい方針を決定する以外にないのである#本当の経済活動は社会のためになる道徳に基づかないと決して長く続くものではない#高い道徳を持った人間は自分が立ちたいと思ったらまず他人を立たせてやり自分が手に入れたいと思ったらまず人に得させてやる#お金の本質を本当に知っている心ある人は良く集めて良く使い社会を活発にして経済活の成長を促すことを是非とも心がけてほしい#世間はお金を大切にするという意味を間違って解釈しているお金に対して無駄に遣うことは戒めなければならないが同時にケチになることも注意しなければならない#人が何か自分の務めを果たすというときにはワクワクするような面白みを強く持ってほしい#理解することは愛好することの深さに及ばない愛好することは楽しむ境地の深さに及ばない#一日を新たな気持ちで日々を新たな気持ちでまた一日を新たな気持ちで#勝つことばかり知ってうまく負けることを知らなければそのマイナス面はやがて自分の身に及ぶ#自分磨きは自分の心を正しくして魂の輝きを解き放つことなのだ#個人の豊かさとはすなわち国家の豊かさだ個人が豊かになりたいと思わないでどうして国が豊かになっていくだろう#信用こそすべてのもととなるわずか一つの信用もその力はすべてに匹敵する#自分ができることをすべてしたうえで運命を待て#人は人としてなすべきことを基準として自分の責任を果たし自分の人生の道筋を決めていかなければならない#現代人の多くはただ成功とか失敗とかいうことがけを眼中に置いてそれよりももっと大切な天地の道理を見ていない#普通の人は往々にして巡り合った運命に乗っていくだけの智力が欠けている#正しい行為の道筋は天にある日や月のようにいつでも輝いて少しも陰ることがない#成功や失敗といった価値観から抜け出して超然と自立し正しい行為の道筋にそって行動し続けるなら成功や失敗などとはレベルの違う価値のある生涯を送ることができる
11 notes · View notes
2ttf · 12 years
Text
iFontMaker - Supported Glyphs
Latin//Alphabet// ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcdefghijklmnopqrstuvwxyz0123456789 !"“”#$%&'‘’()*+,-./:;<=>?@[\]^_`{|}~ Latin//Accent// ¡¢£€¤¥¦§¨©ª«¬®¯°±²³´µ¶·¸¹º»¼½¾¿ÀÁÂÃÄÅÆÇÈÉÊËÌÍÎÏÐÑÒÓÔÕÖ×ØÙÚÛÜÝÞßàáâãäåæçèéêëìíîïðñòóôõö÷øùúûüýþÿ Latin//Extension 1// ĀāĂ㥹ĆćĈĉĊċČčĎďĐđĒēĔĕĖėĘęĚěĜĝĞğĠġĢģĤĥĦħĨĩĪīĬĭĮįİıIJijĴĵĶķĸĹĺĻļĽľĿŀŁłŃńŅņŇňʼnŊŋŌōŎŏŐőŒœŔŕŖŗŘřŚśŜŝŞşŠšŢţŤťŦŧŨũŪūŬŭŮůŰűŲųŴŵŶŷŸŹźŻżŽžſfffiflffifflſtst Latin//Extension 2// ƀƁƂƃƄƅƆƇƈƉƊƋƌƍƎƏƐƑƒƓƔƕƖƗƘƙƚƛƜƝƞƟƠơƢƣƤƥƦƧƨƩƪƫƬƭƮƯưƱƲƳƴƵƶƷƸƹƺƻƼƽƾƿǀǁǂǃDŽDždžLJLjljNJNjnjǍǎǏǐǑǒǓǔǕǖǗǘǙǚǛǜǝǞǟǠǡǢǣǤǥǦǧǨǩǪǫǬǭǮǯǰDZDzdzǴǵǶǷǸǹǺǻǼǽǾǿ Symbols//Web// –—‚„†‡‰‹›•…′″‾⁄℘ℑℜ™ℵ←↑→↓↔↵⇐⇑⇒⇓⇔∀∂∃∅∇∈∉∋∏∑−∗√∝∞∠∧∨∩∪∫∴∼≅≈≠≡≤≥⊂⊃⊄⊆⊇⊕⊗⊥⋅⌈⌉⌊⌋〈〉◊♠♣♥♦ Symbols//Dingbat// ✁✂✃✄✆✇✈✉✌✍✎✏✐✑✒✓✔✕✖✗✘✙✚✛✜✝✞✟✠✡✢✣✤✥✦✧✩✪✫✬✭✮✯✰✱✲✳✴✵✶✷✸✹✺✻✼✽✾✿❀❁❂❃❄❅❆❇❈❉❊❋❍❏❐❑❒❖❘❙❚❛❜❝❞❡❢❣❤❥❦❧❨❩❪❫❬❭❮❯❰❱❲❳❴❵❶❷❸❹❺❻❼❽❾❿➀➁➂➃➄➅➆➇➈➉➊➋➌➍➎➏➐➑➒➓➔➘➙➚➛➜➝➞➟➠➡➢➣➤➥➦➧➨➩➪➫➬➭➮➯➱➲➳➴➵➶➷➸➹➺➻➼➽➾ Japanese//かな// あいうえおかがきぎくぐけげこごさざしじすずせぜそぞただちぢつづてでとどなにぬねのはばぱひびぴふぶぷへべぺほぼぽまみむめもやゆよらりるれろわゐゑをんぁぃぅぇぉっゃゅょゎゔ゛゜ゝゞアイウエオカガキギクグケゲコゴサザシジスズセゼソゾタダチヂツヅテデトドナニヌネノハバパヒビピフブプヘベペホボポマミムメモヤユヨラリルレロワヰヱヲンァィゥェォッャュョヮヴヵヶヷヸヹヺヽヾ Japanese//小学一年// 一右雨円��音下火花貝学気九休玉金空月犬見五口校左三山子四糸字耳七車手十出女小上森人水正生青夕石赤千川先早草足村大男竹中虫町天田土二日入年白八百文木本名目立力林六 Japanese//小学二年// 引羽雲園遠何科夏家歌画回会海絵外角楽活間丸岩顔汽記帰弓牛魚京強教近兄形計元言原戸古午後語工公広交光考行高黄合谷国黒今才細作算止市矢姉思紙寺自時室社弱首秋週春���少場色食心新親図数西声星晴切雪船線前組走多太体台地池知茶昼長鳥朝直通弟店点電刀冬当東答頭同道読内南肉馬売買麦半番父風分聞米歩母方北毎妹万明鳴毛門夜野友用曜来里理話 Japanese//小学三年// 悪安暗医委意育員院飲運泳駅央横屋温化荷開界階寒感漢館岸起期客究急級宮球去橋業曲局銀区苦具君係軽血決研県庫湖向幸港号根祭皿仕死使始指歯詩次事持式実写者主守取酒受州拾終習集住重宿所暑助昭消商章勝乗植申身神真深進世整昔全相送想息速族他打対待代第題炭短談着注柱丁帳調追定庭笛鉄転都度投豆島湯登等動童農波配倍箱畑発反坂板皮悲美鼻筆氷表秒病品負部服福物平返勉放味命面問役薬由油有遊予羊洋葉陽様落流旅両緑礼列練路和 Japanese//小学四年// 愛案以衣位囲胃印英栄塩億加果貨課芽改械害街各覚完官管関観願希季紀喜旗器機議求泣救給挙漁共協鏡競極訓軍郡径型景芸欠結建健験固功好候航康告差菜最材昨札刷殺察参産散残士氏史司試児治辞失借種周祝順初松笑唱焼象照賞臣信成省清静席積折節説浅戦選然争倉巣束側続卒孫帯隊達単置仲貯兆腸低底停的典伝徒努灯堂働特得毒熱念敗梅博飯飛費必票標不夫付府副粉兵別辺変便包法望牧末満未脈民無約勇要養浴利陸良料量輪類令冷例歴連老労録 Japanese//小学五〜六年// 圧移因永営衛易益液演応往桜恩可仮価河過賀快解格確額刊幹慣眼基寄規技義逆久旧居許境均禁句群経潔件券険検限現減故個護効厚耕鉱構興講混査再災妻採際在財罪雑酸賛支志枝師資飼示似識質舎謝授修述術準序招承証条状常情織職制性政勢精製税責績接設舌絶銭祖素総造像増則測属率損退貸態団断築張提程適敵統銅導徳独任燃能破犯判版比肥非備俵評貧布婦富武復複仏編弁保墓報豊防貿暴務夢迷綿輸余預容略留領異遺域宇映延沿我灰拡革閣割株干巻看簡危机貴揮疑吸供胸郷勤筋系敬警劇激穴絹権憲源厳己呼誤后孝皇紅降鋼刻穀骨困砂座済裁策冊蚕至私姿視詞誌磁射捨尺若樹収宗就衆従縦縮熟純処署諸除将傷障城蒸針仁垂推寸盛聖誠宣専泉洗染善奏窓創装層操蔵臓存尊宅担探誕段暖値宙忠著庁頂潮賃痛展討党糖届難乳認納脳派拝背肺俳班晩否批秘腹奮並陛閉片補暮宝訪亡忘棒枚幕密盟模訳郵優幼欲翌乱卵覧裏律臨朗論 Japanese//中学// 亜哀挨曖扱宛嵐依威為畏尉萎偉椅彙違維慰緯壱逸芋咽姻淫陰隠韻唄鬱畝浦詠影鋭疫悦越謁閲炎怨宴援煙猿鉛縁艶汚凹押旺欧殴翁奥憶臆虞乙俺卸穏佳苛架華菓渦嫁暇禍靴寡箇稼蚊牙瓦雅餓介戒怪拐悔皆塊楷潰壊懐諧劾崖涯慨蓋該概骸垣柿核殻郭較隔獲嚇穫岳顎掛括喝渇葛滑褐轄且釜鎌刈甘汗缶肝冠陥乾勘患貫喚堪換敢棺款閑勧寛歓監緩憾還環韓艦鑑含玩頑企伎忌奇祈軌既飢鬼亀幾棋棄毀畿輝騎宜偽欺儀戯擬犠菊吉喫詰却脚虐及丘朽臼糾嗅窮巨拒拠虚距御凶叫狂享況峡挟狭恐恭脅矯響驚仰暁凝巾斤菌琴僅緊錦謹襟吟駆惧愚偶遇隅串屈掘窟繰勲薫刑茎契恵啓掲渓蛍傾携継詣慶憬稽憩鶏迎鯨隙撃桁傑肩倹兼剣拳軒圏堅嫌献遣賢謙鍵繭顕懸幻玄弦舷股虎孤弧枯雇誇鼓錮顧互呉娯悟碁勾孔巧甲江坑抗攻更拘肯侯恒洪荒郊貢控梗喉慌硬絞項溝綱酵稿衡購乞拷剛傲豪克酷獄駒込頃昆恨婚痕紺魂墾懇沙唆詐鎖挫采砕宰栽彩斎債催塞歳載剤削柵索酢搾錯咲刹拶撮擦桟惨傘斬暫旨伺刺祉肢施恣脂紫嗣雌摯賜諮侍慈餌璽軸叱疾執湿嫉漆芝赦斜煮遮邪蛇酌釈爵寂朱狩殊珠腫趣寿呪需儒囚舟秀臭袖羞愁酬醜蹴襲汁充柔渋銃獣叔淑粛塾俊瞬旬巡盾准殉循潤遵庶緒如叙徐升召匠床抄肖尚昇沼宵症祥称渉紹訟掌晶焦硝粧詔奨詳彰憧衝償礁鐘丈冗浄剰畳壌嬢錠譲醸拭殖飾触嘱辱尻伸芯辛侵津唇娠振浸紳診寝慎審震薪刃尽迅甚陣尋腎須吹炊帥粋衰酔遂睡穂随髄枢崇据杉裾瀬是姓征斉牲凄逝婿誓請醒斥析脊隻惜戚跡籍拙窃摂仙占扇栓旋煎羨腺詮践箋潜遷薦繊鮮禅漸膳繕狙阻租措粗疎訴塑遡礎双壮荘捜挿桑掃曹曽爽喪痩葬僧遭槽踪燥霜騒藻憎贈即促捉俗賊遜汰妥唾堕惰駄耐怠胎泰堆袋逮替滞戴滝択沢卓拓託濯諾濁但脱奪棚誰丹旦胆淡嘆端綻鍛弾壇恥致遅痴稚緻畜逐蓄秩窒嫡抽衷酎鋳駐弔挑彫眺釣貼超跳徴嘲澄聴懲勅捗沈珍朕陳鎮椎墜塚漬坪爪鶴呈廷抵邸亭貞帝訂逓偵堤艇締諦泥摘滴溺迭哲徹撤添塡殿斗吐妬途渡塗賭奴怒到逃倒凍唐桃透悼盗陶塔搭棟痘筒稲踏謄藤闘騰洞胴瞳峠匿督篤凸突屯豚頓貪鈍曇丼那謎鍋軟尼弐匂虹尿妊忍寧捻粘悩濃把覇婆罵杯排廃輩培陪媒賠伯拍泊迫剝舶薄漠縛爆箸肌鉢髪伐抜罰閥氾帆汎伴畔般販斑搬煩頒範繁藩蛮盤妃彼披卑疲被扉碑罷避尾眉微膝肘匹泌姫漂苗描猫浜賓頻敏瓶扶怖附訃赴浮符普腐敷膚賦譜侮舞封伏幅覆払沸紛雰噴墳憤丙併柄塀幣弊蔽餅壁璧癖蔑偏遍哺捕舗募慕簿芳邦奉抱泡胞俸倣峰砲崩蜂飽褒縫乏忙坊妨房肪某冒剖紡傍帽貌膨謀頰朴睦僕墨撲没勃堀奔翻凡盆麻摩磨魔昧埋膜枕又抹慢漫魅岬蜜妙眠矛霧娘冥銘滅免麺茂妄盲耗猛網黙紋冶弥厄躍闇喩愉諭癒唯幽悠湧猶裕雄誘憂融与誉妖庸揚揺溶腰瘍踊窯擁謡抑沃翼拉裸羅雷頼絡酪辣濫藍欄吏痢履璃離慄柳竜粒隆硫侶虜慮了涼猟陵僚寮療瞭糧厘倫隣瑠涙累塁励戻鈴零霊隷齢麗暦劣烈裂恋廉錬呂炉賂露弄郎浪廊楼漏籠麓賄脇惑枠湾腕 Japanese//記号//  ・ー~、。〃〄々〆〇〈〉《》「」『』【��〒〓〔〕〖〗〘〙〜〝〞〟〠〡〢〣〤〥〦〧〨〩〰〳〴〵〶 Greek & Coptic//Standard// ʹ͵ͺͻͼͽ;΄΅Ά·ΈΉΊΌΎΏΐΑΒΓΔΕΖΗΘΙΚΛΜΝΞΟΠΡΣΤΥΦΧΨΩΪΫάέήίΰαβγδεζηθικλμνξοπρςστυφχψωϊϋόύώϐϑϒϓϔϕϖϚϜϞϠϢϣϤϥϦϧϨϩϪϫϬϭϮϯϰϱϲϳϴϵ϶ϷϸϹϺϻϼϽϾϿ Cyrillic//Standard// ЀЁЂЃЄЅІЇЈЉЊЋЌЍЎЏАБВГДЕЖЗИЙКЛМНОПРСТУФХЦЧШЩЪЫЬЭЮЯабвгдежзийклмнопрстуфхцчшщъыьэюяѐёђѓєѕіїјљњћќѝўџѢѣѤѥѦѧѨѩѪѫѬѭѰѱѲѳѴѵѶѷѸѹҌҍҐґҒғҖҗҘҙҚқҜҝҠҡҢңҤҥҪҫҬҭҮүҰұҲҳҴҵҶҷҸҹҺһҼҽҾҿӀӁӂӇӈӏӐӑӒӓӔӕӖӗӘәӚӛӜӝӞӟӠӡӢӣӤӥӦӧӨөӪӫӬӭӮӯӰӱӲӳӴӵӶӷӸӹӾӿ Thai//Standard// กขฃคฅฆงจฉชซฌญฎฏฐฑฒณดตถทธนบปผฝพฟภมยรฤลฦวศษสหฬอฮฯะัาำิีึืฺุู฿เแโใไๅๆ็่้๊๋์ํ๎๏๐๑๒๓๔๕๖๗๘๙๚๛
see also How to Edit a Glyph that is not listed on iFontMaker
4 notes · View notes
tanshi-hdmi · 5 years
Text
ネオテニー
長々と書き散らしてきた世界選手権の感想?印象?文も今回をもって最後となります。現地にいた日数と文章量が比例してないよママ-ッ!
本記事ではエキシビション…主に羽生さん…さらに言えば『春よ、来い』にフィーチャーして書いていこうかと思います。多分またどこかから脇道に逸れそうではあるんですが許して下さい。彼を見ていると文学やら哲学やら生物学やらありとあらゆる学問や分野が手招きしてきて「わしらの力を借りるとええで」って囁いてくるんや…でも折角お声がけ頂いても知識と理解が追いつかずとっ散らかり&上辺なぞりな感じの文が出来上がってしまう…!悔しいッ!だが記したい衝動のが勝るから俺は書くぞジョジョォ——ッ!
やぁでも正直に言えば私の頭がもっと良くて財力もあったら彼や彼の演技をより深く理解、表現できるようになるべく全国の大学サーフィンをしたい。(※大学サーフィンとは:大学を卒業すると同時に同大学の異なる学科、あるいは他大学への入学を決め、またそれを納得いくまで繰り返すこと。筆者による造語。)
✄ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✄
今回披露した『春よ、来い』(以下 春 と記述)はFaOI神戸でも現地で観た経験があり、その当時も受け取った印象を文字に残したい、残さねば…!と使命感に燃えておりました。しかし結局断念してしまったのです。なぜかというと「ひとつの記事に出来るくらいの組み立った文にならない」からなんですね。ショーで観てきた当時、断片的なツイートはしていましたがそれらがひとまとまりの文になるかと言うと…ならない!そのくらい受け取るイメージが多種多様でそのうえ演技の輪郭もぼやけていました。(勿論めちゃくちゃいい意味で使ってますよ!)あとこれは個人的な感覚の問題なんですが、春に対して"演技"とか"プログラム"という人工的?人為的?な言葉を使うことに抵抗があったのも一因ですね。代替語として今でも自分的にいちばんしっくり来ているのがこのツイート↓
https://twitter.com/tanshi_hdmi/status/1008917747244265473?s=21
有機でありながら無機。静でありながら動。喜でありながら哀。そんな一見対極に位置するような要素を矛盾や破綻なく内包し、かつ見るものにより受け取る印象が異なる様をあらわす言葉…となったらこれかなと。あと春を舞っている彼の様子がおよそひとではない、もっと言えば生物ですらないというのも大きい。人型ではあるんだけども。高価な機材も特殊な撮影技術も要らない、肉眼で知覚できる自然現象。
時間が経つにつれ、そんな春に対する内的葛藤と苦悩が解けたので今回はのびのび綴っていく所存です。でも記事内では読みづらさ回避(多分すでに出来てないよ)のために普通に演技とかプログラムって言いますです。ウヒ
そろそろ24日の話を。これは完全に偶然なんですが、FaOI神戸で見た時も今回のEXもショートサイドでした。席の細かい指定までは出来ないのに不思議!しかも方角も一緒。なんか運命を感じる(?)座席は200レベルの8列目、23日同様視界も良好。選手がリンク内のどこへ移動しても満遍なく見渡せる絶好のポジションでございました。
前の演技者がはけ、入れ替わるようにリンクにあがる羽生さん。いつも通りそっと、しかし大きな慈しみを込めて両手で氷に触れながら。それだけで会場からは万雷の拍手、歓声。試合の時のそれとは異なり、どこか優しく、甘さを含んで聞こえます。
セットのなされていないさらさらの黒髪は完璧なまでの丸みをもって艶めき、その身を奥ゆかしい薄紅色と海月の触腕のように波打つ豊かな羽衣とで包んでいる様は、昨日までの荒ぶる闘神のような姿がまるでゆめまぼろしだったのかと疑ってしまうほどに、無垢でたおやかでした。
薄明りに融けるように佇めば、どこからともなく(本当にそんな感じだった)きれいに磨かれたガラス玉を転がすみたいなピアノの音が響いてきて、その音色が雫となって彼という水面に波紋をつくります。魂が灯ったようにふわりと両腕を浮かす仕草、あれはまさにミルククラウンが出来る瞬間のようです。音(雫)の落ちる速度や比重などの条件がぴたりと噛み合わなければ生まれない自然現象。
どんなに微細な空気の揺らぎにもかならず呼応するうす衣は、やはりそれそのものが意思を持ついち生き物のようで。よろこんでいるようにもかなしんでいるようにも、角度によってきらきらと偏光するプリズムみたいで実態がつかめない。でも色々な表情をしているのは分かる。それだけで十分だなぁと思いました。
淡いつむじ風のような3Loを降りた後、右手で氷を軽く撫ぜ、それをじっと見つめながら自らの頭より少し高く掲げる動作があります。TVでは背面からのみしか撮影がされていませんでしたが、私が座っていたのは西側ショートサイドで、この時の彼の真正面に位置する場所であったために表情を伺うことが出来ました。
正直に言うと、かなりぞっとした瞬間でした。"畏怖"とも"虚無"ともつかない感情に埋め尽くされて息をすることが出来ませんでした。実際はせいぜい2〜3秒の動作だったのでしょうが、その場では永劫続くのかと思うほど長い時間に感じられて、茫洋とした海原のど真ん中にいきなり投げ込まれたような、幼い頃にホームセンターの壁に掛けられていた巨大なゴブラン織りの絨毯を前にした時のような、"なす術なく竦み気が遠のく"体験をしたのです。表情は果てしなく純真であるのに、その目は客席や建物どころではないはるか遠く、もっと言えば"いま"ではない異なる時間軸を見据えているような。あぁ、あれは悠久の時を過ごしてきた新生児です。そんな彼を通してあらゆる時代のあらゆる出来事に一挙に目を向けられたような、そんな風に感じられた瞬間でした。
マジで軽く「ヒッ」て言ってしまった。アリーナの、本当の本当に真正面になった方を今でも真剣に心配している。
私は彼のスピンがとても好きです。キャメルスピンではいつも慎ましやかに雄弁な手の表情を堪能することが出来るし、ぶれのない完璧なポジションが描くかたちはまさに真円で、その見事さに空間がよろこび、どんどん質量を増加させていく様を肌で感じることが出来ます。その後に続くスピンの素晴らしさたるや、シット姿勢から次第にアップライトに変化、かと思えばぱっ、と弾ける一連の流れはもはや彼が音を生み出しているとしか思えないほど。それか身体が譜面で出来ていて、いち回転する度にするするとほどけていっているのかもしれない。
途中『天と地のレクイエム』を彷彿とさせる、頭を抱えたり何かを振りほどいたりする仕草があります。なんとなくですが、レクイエム以降ずっとプログラムの中のどこかにそのような動作がかならずある気がして、彼の中でひとつ核になっている表現なのかなと感じました。でも同じように見えても印象はまるで違う。春は「振り返ればそんなこともあった」と回顧しているイメージです。苦闘の最中ではなく、愛すべき想い出となった過去の出来事、みたいな。ハイドロにしても同じで、レクイエムの時は海面からわずかに差し込む光を海底からどうにかして掴もうと腕を伸ばしているようでしたが、春では逆に、水面や水中を見下ろし、そこに映っていたものを愛おしんでいるような。今回のハイドロでは特に強くそういった印象を受けました。やはりプログラムは生き物だと、その時々の立場や年齢でもっとも輝くように出来ているのだと改めて思ったワンシーンでした。
氷の欠片を集め、空中に放つ動作はFaOI神戸ではなかったため初めて現地で目にしました。途方もなく儚い。分かってはいたが儚い。やっぱり悠久の時を生きた新生児なのかと思ってしまうほど、絵に描いたような無垢な仕草にぎりぎりと胸が締め付けられる。実際のこどもが戯れにそうするのではなく、もう成長しきったものがこどもの頃の楽しかった体験を再現しているような寂寥感がある。きれい、すてき、とひと言では済ませられないほど、あの瞬間にはたくさんの想いや感情が去来します。
そしてその後の、歌詞で言えば「瞼閉じればそこに」の「に」の部分、そこで彼がどんな表情をするか、私は注目していました。TV越しに観たものではありますが、FaOI静岡では屈託のない笑顔、GPヘルシンキでは苦悩するような表情だったのが心に引っかかっていたからです。
この目で今回観られたのは、静岡の時、もしくはそれ以上の弾けるような笑顔でした。もうこの辺りまで来ると演技は終わってしまうことを否が応でも認めなければならないというのもあり、笑顔って本来喜ばしいものなのに、なぜだか虚しさばかりがどんどん募ってゆきます。
そう感じ入っているのも束の間、近年の彼のEXのハイライトとなっているディレイドアクセルが、多大な幸福感と未来への展望を伴って大きく花開きます。回転数や点数だけがすべてではない、脈々と受け継がれ時代を生き抜いてきた技巧には、人々の情緒につねに訴えかける研ぎ澄まされた美と語りすぎない"引き算の妙"がたしかに息づいていると実感しました。
畳みかけるように、花雨のように降り注ぐピアノの音を全身に浴びながら空間を満たしていくレイバックイナバウアー、ここは何度観ても聴いても心の奥深く、琴線に触れて、叫びながら走り出したくなる衝動に駆られます。行かないでくれ、無意味だと分かっていてもそう口走りたくなるのを必死に堪えるのでした。
怒涛のグリッサンドを具現化させたような、全身から花弁をはらはらと舞い散らすかの如き豪奢なスピン。そして余韻を、音が消え入ってしまうのを心の底から惜しむように最後の最後までを味わい尽くすフィニッシュは、"なにか"を大切に両腕で抱え上げ天に還すような所作をしたのち、自らを愛おしむように抱き締める。
それを見届けた瞬間、「お別れだな」と思いました。これまで人型を保っていた春はひとではなく、桜の花弁の集まった姿で、フィニッシュを迎えるとともに魔法的な何かが解けて、ひとの形から一瞬でぱっ、とただの花弁のかたまりに戻り、先ほどまで立っていた場所には薄紅色のちいさな山があるのみ…そんなイメージが脳裏にこびり付いて、遣る瀬のなさが爆発して、喪失感でいっぱいになりました。頑張って花弁をかき集めてまたひとの形にしても、動き出すことはないのだろうなぁと。スタンディングオベーションをしながら、そんな頭のおかしいことをぼんやりと考えていたのでした。
本当にこの時期の日本で春を滑ってくれてありがとう、と思います。夏のアイスショーに始まり、秋、冬を耐え、やっと還るべき季節に還ったんだろうなと、良かったね、と心から思います。なんというか、まさに桜の一年の生命活動を見た気持ちです。FaOIの時は葉桜や新緑でまだ若く、将来に対する期待や希望に満ちていて、GPヘルシンキでは来たる冬に対する覚悟が見えたような。そして今回、あらゆる生命が蠢動し浮き足立つ季節に鮮やかな色彩とおもむきを与え、人々がそれらに心奪われているあいだに気付けば散ってしまっている。なんという無常!
春に対し侘しさ、寂しさが募るのは桜の姿が重なるのは勿論のこと、何度か文中にも書いていますが"老成と幼稚の同居"があるからだとも思います。これは春が、というか羽生さんご本人にも当てはまることだと感じますし、春は羽生さんそのものだとも。
羽生さんはインタビューや会見を見ていても分かる通り自我がしっかりしていて達観しているなぁ、と感じると同時に、生命のあるもの・ないものに関わらず等しく愛情を注ぐような感受性の豊かさ…言い換えればある種の幼さを失くさない人でもあると思います。また幼い自らを非常に大切にしてもいますね。それって凄いことで、幼い自分の要求につねに真摯にあり続けることは時に心身ともに傷を負ってしまう生き方でもあると思うのです。でもその"幼さ"の希少性、無二性を理解し意図的に守っているようにも感じる。
そんな人が演技中に満開の笑顔を見せたり、無邪気に氷を花吹雪よろしく放ったりする様を見たら、もうなんか心のダムが決壊するしかないんですよね…するしかない…。少なくとも私は大決壊しました。どぱどぱ。
あ、フィナーレでビールマンスパイラルをやった時、こちらもちょうど真正面になりそのウッキウキフェイスを全力で受ける形になって「えがったな…えがったな…」とおばあちゃんみたいな気持ちになりました。しかし相変わらず身体柔らかいね…ビールマンスピンまた見たいなぁ…
たまーりん氏や刑事くん、昌磨ともわちゃわちゃ出来て本当に楽しそうでした。ああいう年相応の青年(限りなく少年っぽい見た目だけど)らしいところを見ると(◜◡◝)⇦こういう顔になりますね。えがったえがった…。
✄ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✄
本文中にもちょこちょこ書いてますが、羽生さんって一本(一枚)の糸や布、または植物をこよったり編み込んだりして形づくられているイメージがあります。ジョジョでいえば徐倫のストーンフリーみたいな。いや勿論しっかり人間であると分かってますです、あくまで印象の話ですよ!笑
なんの話をしてるんでしょう。EXというか春についての感想どころか羽生さんご本人についての謎の理論を展開するという…どうしてこうなった…
いやしかし、彼のファンになってから人生観というか、ものの考え方が本当に変わったなと思います。例えば23日も24日も、もっと遡れば平昌五輪も、ヘルシンキワールドも、もはや全部だと思うんですがなにか試合やショーが終わった後、「寝てしまったら明日が来てしまうから寝たくない、今日という日が終わるのが辛い」という心の動き。こんなこと以前は人生で一度も考えたことも感じたこともなかったことです。他にも自然や生き物のことをより深く考え、その良さに気がつくようになったり。感情の幅や生活そのものがぐっと豊かになったのです。また、勝手にですが背中を押してもらい自信がついた考え方もたくさんあります。
彼には数え切れないほどのものを貰ってばかりなので、どうか今後彼にはそれ以上の幸せが、春が訪れて欲しいと願ってやみません。願うことしかできないもどかしさよ…。
長々とお付き合い下さり本当にありがとうございました。人いるか分からないけど!笑 たった2日しか現地にいなかったのにこんなに書けるなんて自分でもびっくりです。それだけたくさんの感情や感性の枝葉を揺らすお方なのですよね。幸せだなァ…ぼかぁ君のいきいきしているところを見ることがいちばん幸せなんだ!
追記:記事タイトルになってるネオテニー、動物が幼生形のまま成熟する現象らしくなんだか浪漫あるというか心惹かれる言葉だなと思ってつけました。必ずしもプラスな意味合いばかりを含んではいないようですがここではプラスの部分だけを掬って濾過して培養したい(?)
その代表的な生き物のウーパールーパー、よく見たら春にカラーリングとか諸々が似てる?気がする?そんなことないねすみません…
(画像:写真AC様)
Tumblr media
1 note · View note
therapistmisato · 5 years
Text
2019年の日本の変容のビックウェーブを逃さない!
最近のわたしのコラージュ作品や、お客様や生徒さんのコラージュの傾向で、
地球に対してのメッセージが分かるのですが、
みなさん、日本地図を貼られています。
わたしも、やたらと日本地図が目に入って、貼らずにはいられない!
何枚も見つけては貼っています。
来年は5月、天皇即位で年号も代わります。
日本がまた大きい変化の時を迎える。
国が変わる前に、日本人の意識の変容と進化もさらに加速しています。
コラージュやタロットを通して、自分らしさに目醒める自己解放へと
導くことをやらせていただいていますが、
最終的には、セラピストもカウンセラーもいらなくなる
自己治癒力、自己解決力、自己実現力をスイッチオンして、
人類が、それぞれ自分らしく生きることが目標です。
やはり、習慣というのは変えても一時的に改善されても、
また慣れ親しんだ生き方の方へ戻ってしまうもの。
戻ってもまた自ら軌道修正できる生き方を伝えることが使命と思っています。
夏に、大人の夏期講習と題して、女神・男神の21日間のメール講座&2回の
セッション付き夏期講習をやりました。
みなさん個人差はあるかと思いますが、
波動が上がりオーラも輝いていらっしゃいます✨
セッションでもそうですが、変容ぷりの差は
素直かどうかに顕われます。
素直に自分に向き合い、素直に吸収することができる柔軟な姿勢で挑むと
結果に大きく反映されます。
お仕事や生活にも変化が顕れてらっしゃる方が多く、
数日をかけて意識を上げて、波動を上げる講座の効果を感じています。
2019年を目前にし、今年に変容の一歩踏み出したい方へ、
冬期講習も開催します!
冬期講習よりさらに奥深く変容を体験していただけるのが、
最低6ヶ月みっちりマンツーマンの講座です。
本気で生き方を変えたい、使命に目覚めたい!
過去やかつての自分から、本当の自分へ、
自己解放のための本気道場です。
がっつり変容をコーチさせていただきます。
コラージュで、使命が明確になってきた方にもおすすめしたい内容です。
個人的には���この最低6ヶ月が人生を大きく変える大事な期間になるので、
みっちりマンツーマンで関わらせていただく講座でお伝えしている
変容のプロセスを広げてゆきたいと思っています。
こんな方におすすめしたい講座です。
・視力は良いのに未来が見えない方👁 ・生き方や、性格を変えたい方 ・自信や勇気がなくて挑戦ができずにいる方 ・恋愛に後ろ向きな方 ・ネガテイブな方 ・ここ10年、環境や生き方が変わらない方 ・そろそろ現状に飽きている方 ・性に対して嫌悪感や、意識が閉ざされていると感じる方 ・使命に目醒めたい方 ・セラピストやカウンセラーを目指している、やっているけれど、ネクストステージに上がりたい方 ・恋愛、仕事、育児、パートナーシップを改善したい、良くしたい方 ・トラウマを解放したい方 ・もっと直感的な生き方にシフトしたい方 ・長年改善されない病状、体調を改善したい方 ・そろそろ自分らしく自分の人生を歩みたいと決断された方
魂を再起動します!!!
◉大人の冬期講習◉ 
女神と男神の生き方へシフト!
3ヶ月の前後2回は、LINE電話を使って講座&セッション。 初回講座から21日間、LINEに実践いただくワークをお送りします。 本来、女神、男神の魂で生まれた私たちの魂の目醒めのための冬期講習です。
生き方を変えるためには、
気持ち、感情、思考、行動の習慣を変えて質を変えていきます! 毎日の習慣を変えて、古い価値観を新しくリニューアルします。 日本人の意識の変容が急がれています! チャクラを開き、魂に磨きをかけて、本当のあなたが心から望む、理想の幸せを手に入れるための講座です✨
2018年に変容に取り掛かりたい方をサポートさせていただきます。 11月いっぱいでご予約は〆切とさせていただきます。
スタート時にセッション。
そこから21日間のLINEでのワークを行い、
3ヶ月後にまたセッションを行います。
☆夜の時間帯ご希望の方も多いようですので、
夜間ご希望の方ご相談ください。 あなたのクリアしたいテーマに合ったステップもカスタムしながらお送りします。
33,000円(2回払い可)
◉自己解放と変容で、本当の自分をマスターする講座◉
(女神、男神の生き方講座です。セラピスト養成)
周りの人や環境に感情を左右され、
エネルギーを消耗するエネルギー無駄遣い人生から、
自分の感情の波、自分らしい生き方をマスターし注ぎたい所にエネルギーを注ぐ生き方へ。
真我に氣づいた時、本来人間が持って生まれた直感を使って、
さらに人生を豊かに輝かせていくことができます。
社会にある古い決まりや、常識の中で不自由に生きている事に氣づいた人たちから始まる、一人一人の変容と進化が求められてます。
世界の平和は、一人一人の心の平和、家庭、職場、学校、人と人が関わり合う場所の調和と平和からと考えます。
たった一度の人生を、過去からの影響の中で人生を終わらせるなんてもったいない。
人生は自由自在。自分次第で何者にでもなれる。創造できる。
そのために、真我が存在する場所までを掘って行きます。
無自覚だったことを自覚へと促し、感じ方や行動の習慣を変えていくことで、人生は大きく変化していきます。
人生はあなたの代で変えられる。
未来に繋げたい自由に生きるための学びです。
心にある本音を聞きながら、直感的に直観を活かし生きてみませんか。
資格を取得したけれど、自信がない方。セラピストとしての意識を確立したい方におすすめします。
セラピストマインド=地球意識は
家庭、仕事、人間関係に学びは良い波紋を広げます。
全てに繋がり、未来にも広がる学びです。
人生を変えたい、性格を変えたい、自信がない、セラピストになりたい、使命を全うしたい、本気で変容し自分らしく生きたい方を変容へと導きます。
自己解放や、自己啓発などのセミナーや講座、育児書は数多くありますが、
教科書通りに学び、本を読んで知識だけ身につけても、
人生に落とし込み人生に活かせなければ、宝を持ち腐れてしまいます。
一度きりの人生を、過去からくる価値観や社会の価値観の中で生きるのではなく、自分らしい信念を確立し、自分なりの価値観で生きてみませんか。
そのためには、習慣を変えるための変化を起こす力を身につけるために、一緒に変容まで導かせていただきます。
多くの本を読み、セミナーに行き、セラピーや治療を受けてきたけれど、
元に戻ってしまう、なかなか変わらない、人生に活かしきれず自分らしく生きることができずに堂々めぐりをされている方。
そろそろ原点回帰しませんか。
人生の修行をどう楽しみクリアするか、自分らしく生きる 新しい自分としての生き方を学ぶ学校です。
マンツーマンで対面か、ライン電話での受講となります。
ご希望の方には、すべての受講が終了後コラージュかタロット伝授致します。
17万円(分割ご相談下さい)
(最低6ヶ月 毎月1回 3〜4時間 個人差あり。
講座内で、コラージュ3枚作製リーディング)お子様連れでの受講も可能です。
お問い合わせ・ご予約はこちらです。
お気軽にどうぞ♡
misato
Tumblr media
1 note · View note
kozuemori · 2 years
Text
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
今日の東京はポカポカとした陽気に恵まれ、バラの新芽もぐんぐん伸びています。久しぶりに全部の部屋の窓を開け放って掃除をしたので、とても気持ちがいいです。
24日、ロシアのウクライナへの軍事侵攻のニュースが報じられ、現在も進撃が続いています。つい1週間前のオリンピックの閉会式で、ROCの選手が笑顔でウクライナの選手に抱きついていた印象的なシーンが、まだ鮮やかに記憶に残っています。人間が領土や資源、名誉や権利、民族を奪い合うパワーゲームに終止符を打つのは、いつになるのでしょうか。小さな意識の積み重ねが大きな変化を生むと、私は信じています。一人一人が自分の内側にあるエゴ、私欲、杞憂、恐れや罪悪感、自分や他人に対する過度な期待に気づき、それらを手放すこと。ジャッジを止め、ボーダーレスになり、皆同じ大きな光の分身だと知ること。瞑想や祈りを通して自分自身の内側と向き合うこと。自分の理想像に近づこうとして努力し、本来の自分に立ち帰ることが大切です。そんな少しずつの積み重ねが地球上にさらなる愛をもたらし、より明るい光で照らし、より大きな癒しを広げると信じています。
そんな想いを込めて、今週のアウェアネス・オールレベルクラスは『マザー・アース』、母なる地球をテーマとした授業をお届けしました。地球を含む星々のエネルギーに触れ、地球上の豊かな音の響きを感じ取り、世界遺産のリーディングにも挑戦していただきました。また、愛読書『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン著)をご紹介しました。刻々と地球環境が破壊されゆく今、誰もが生まれながらにして持っている未知なるもの、不思議なものに対する好奇心や感性である『センス・オブ・ワンダー』を呼び戻し、さらに磨き続けることが必要だと思います。そして改めて地球の豊かさ、美しさ、神秘さに気づき、人間もそのエネルギーの一部であり、運命共同体であることを忘れないことが大切です。私たちにとって本当に必要な戦いとは、オリンピックのように公正なルールのもとに行われ、お互いを高め合い、讃え合い、感動を呼び起こし、そして共に輝けるものだけなのです。
ウクライナ支援リンク:
https://unitedhelpukraine.org/
https://www.care.org/
https://www.unicef.org/ukraine/en
https://kyivindependent.com/
写真はサイキックアートクラスの4回目の授業から。(アイイス関係者が2人混じっています😄)今回も個性豊かで感性に溢れた素晴らしい作品ばかりでした!あっという間に今学期もほとんどのクラスが残り一回の授業を残すのみとなってしまいました。少し寂しいですが、残された時間を思い切り楽しみたいと思います。
夏学期クラスへのお申し込みは、本日より受付を開始しています。大変申し訳ありませんが、今学期よりトランスクラスとサイキックアートクラスの受講料を500円値上げしています。何卒ご了承くださいますよう、お願いいたします。お申し込みは、こちらからどうぞ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1月23日に開催したサンデーサービスでの、先祖・身内・知人霊の霊界通信のデモンストレーションの様子をお届けします。以下、読みやすいように多少編集しています。
森:今、見えるのが40代位の男の方なんですね…お身内じゃない感じがするんですよ。でも、すごく近い感じがしますね。ちょっとのほほんとした感じの方ですね。顔とかも割と肉付きが良くてクマさんみたいな感じ。テディベアっぽい、一緒にいて安心できるような感じの癒しのエネルギーを持った方。すごく交流があった方なんですよ…お友達かな。結構あっという間に亡くなっている感じがしますね。事故か、ご病気でも脳溢血とか心臓発作とか急に亡くなっている。で、この方、アウトドア派みたいな感じですね。あまりお家にいるところを見せていないです。ここまでで思い当たる方、いらっしゃいます?(手が挙がらないので)◯◯さん、いかがですか?
女性:今、お話ししようかなって、思っていました。
森:あ、そうですか、手を挙げてください、早く。(笑)
女性:(笑)
森:ご友人?
女性:そうですね。去年亡くなった同級生が、突然亡くなりました。とても交友関係の広い方で明るくて、ちょっと丸顔で、というのが当てはまるかな。アウトドアが好きなのかは、ちょっとわからないですけれど。
森:なんか、外にいる感じを見せてくださっているんですよ。
女性:知り合いがいっぱい���て…Facebookの友達も数えきれないくらいいて。
森:癒し系で、のほほんとした感じがする方なんですよ。
女性:すごく根が優しい、繊細な人でした。その晩まで友人と飲んでいて、その数時間後に、心不全で亡くなりました。
森:急に亡くなっても出てきていらっしゃったってことは、何度も生まれ変わっている古い魂で、慣れていらっしゃるのかもしれません。すんなりと光の世界に導かれた感じがしています。人生半ばにして旅立った方なので、悲劇的なストーリーを人は思い浮かべるかもしれませんが、ご本人は憐れみを持たないでくださいとおっしゃっています。若くして亡くなっているからこそ、こうしたメッセージを伝える、光の世界からのメッセンジャーとしての役割を担っているんです。ご自身にも(霊性開花の勉強を)続けて欲しいとおっしゃっています。もう一つメッセージをもらいます。お友達とご自身のお子さん同士は会わせたことはありますか?
女性:あ、会ったことはあります。
森:そのことをおっしゃっているんだと思いますね。ご自身のお子さんは、アウトドアって興味あります?ツーリングとか、キャンピングとか。
女性:はい。
森:それをこの方が守っている感じがします。ご友人には、息子さんはいらっしゃいます?
女性:はい、でも引きこもりで、私の息子とは会ったことがありません。
森:あ、(自分の息子を)外に出して欲しいのかもしれない。アウトドア、って強調しているんです、さっきから。そういうキーワードを伝えていらっしゃっています。あと、この方はとても頭のいい方。ご自身の(霊性開花の)勉強も手伝っていらっしゃいます。
女性:そうですか、わかりました。ありがとうございます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今後のイベント・ワークショプ
3月3日(木)19:00〜20:00 ドロップイン・ナイト:参加者全員の方に指導霊のデモンストレーション(サイキック・アートではありません)をお届けいたします。まだお席をご用意できますので、ご都合がつく方は是非ご参加ください!お申し込みはこちらからどうぞ。
3月4日(金)15:30〜17:30 Circle of Light :遠隔ヒーリング、誘導瞑想、スピリチュアルトーク、霊界通信のデモンストレーションなど、盛りだくさんな内容でお届けします。お申し込みはこちらからどうそ。
3/16(水)19:30〜21:00 Prime 90:『アートで読み解くスピリチュアリズム 〜ギリシャ・ローマ・北欧神話編〜』詳細とお申し込みはアイイスまでどうぞ。
4月2・4・5日 ワークショップ『クロマティック・ミディアムシップ』を開催いたします。詳細とお申し込みはこちらからどうぞ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
0 notes
groyanderson · 3 years
Text
ひとみに映る影シーズン2 第四話「ザトウムシはどこへ行く」
 ☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 最低限の確認作業しかしていないため、  誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。 (シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!! pixiv版 (※内容は一緒です。) ☆キャラソン企画第四弾 牛久舎登「かっぱさん体操」はこちら!☆
དང་པོ་  洗面所で顔を洗い、宴会場に戻る。時計は丁度六時をまわった所だ。ふと、窓の外から懐かしい歌が聞こえてきた。 『かっぱさん体操第一ィィィ!』『プッペケプッぺップー』 「うー。何だよぉこんな朝っぱらからぁー!」 「ふわあぁ~」 「ああ、かっぱさん体操の時間……」  朝っぱらから近所迷惑な体操音楽によって、佳奈さん、万狸ちゃん、玲蘭ちゃんが同時に布団から出てきた。玲蘭ちゃんと私はカーテンを開け、大音量で音楽を流しながら体操する河童の家教団を眺める。 「牛久の河童はかっぱっぱーのパァー」 「お皿を磨いてツーヤツヤーのツャー」 「「みんなで腹からワッハッハーのハァー、笑顔に勝るー力なし」」 「は? 二人なんで歌えるの?」  歌詞を暗記している私達を、佳奈さんが訝しんだ。 「佳奈さんの地元にはいませんでしたか? 河童信者」 「ぜぇんぜん」 「北関東から東北あるあるなんじゃない? 私も会津にいた時はほぼ毎朝だったのに、沖縄(うちなー)では一度も聞いた事なかった」  影電話で万狸ちゃんにも聞いてみる。 <木更津はどう?> 「一度だけ布教に来た事はあったね……あの体操で大狸様を怒らせちゃって、追い出されてた」 <あはははは>  河童の家、案外ローカルネタなのかな。 「じゃあ、どの学年にも一人はいる子河童も知らないですか? 佳奈さん地元は京都でしたっけ」 「ううん、両親両方京都だけど東京生まれ東京育ち……そもそも子河童って何?」 「そこからですか」  茨城県に本拠地を置く新興宗教、河童の家。元お笑い芸人の牛久舎登が発足し、『笑顔に勝る力なし』を教義とする。そのため宗教活動では一発芸や話術を磨く修行をし、信者は男も女も子供も、皆河童のように頭頂部を剃り上げる。この教団が近所にあると毎朝『かっぱさん体操』という体操曲が爆音でかかり、また近隣の学校には通称『子河童』と呼ばれるお調子者な学生が何人か生息する。そして彼らは将来、教団が運営する芸能事務所『かわながれ興業』に所属するんだ。でも人を笑わせる、そして人から笑われる事も最上の幸福であるという教えを拡大解釈した信者が、パワハラやいじめ、体罰を起こして時折問題になっている。 「私が知っている河童の家についての情報は、こんなところですかね」 「へぇ……やけに芸能界に影響力がある宗教だと思ってたけど、そんなだったんだね」 「ああ、東北も多いけど、大阪には芸人養成学校があるから日本一信者が多いんだって」  玲蘭ちゃんがスマホで調べてくれた。  その時、トントン、と襖がノックされる。 「おはよぉございます……。お嬢さん方。河童さんが体操終えて食堂混む前に、朝食行きませんか?」  タナカDだ。 「そうしよっか」  カメラが回るだろうから、私達は各々最低限顔を描く。眉毛面倒だから影で作っちゃった。後で朝風呂に入ってからちゃんと直そう。 གཉིས་པ་  食堂に行くと、奥の席で既にタナカDが朝食を一品ずつ物撮(ぶつど)りしていた。テーブルには全員分のネームプレートと朝食が配膳されている。 「ぅあ~~~~~~~~……」  席につくなり、佳奈さんからアイドルが一番出しちゃいけないような声が漏れた。 「どうしたんですか佳奈さん、まるで深夜バスにでも乗ってたみたいな顔して」 「似たようなもんだよ……ずっとすごい雷鳴ってたじゃん。しかもなんか救急車の音とかしなかった? それで朝はかっぱさん体操。ほぼ一睡もできなかった」 「救急車、ですか」 「はぁ……一美ちゃんは本当にどこでも眠れるよね……昨晩大雨だった事も知らなかったでしょ」 「うーん……」  本当の事を言うと、眠るどころじゃなかったんだけど。それを説明する事もできないからもどかしい。 「雷雨ぐらい気付いてました。私も全然休んだ気がしないです」 「でも寝てただけいいじゃん」 「嫌な夢を見てたんですよ。私は地元のお寺の尼僧になってて、お御堂のバルコニーが浸水して和尚様が馬頭観音になってすっごい怒ってる夢」  この内容は嘘ではない。そういう夢を見たのは事実だ。 「ば、罵倒観音? なにそれカオス……それはうなされるわ」 「おう何だ何だ、お二人共だらしないですなぁ!」  タナカDが物撮りを終えて席につく。彼は朝から声が大きい。 「まあ冷めないうちに食べようじゃありませんか。『じゅんなぎ』もありますよ」 「へえ、じゅんなぎですか」  手元のネームプレートを裏返すと、朝食メニューが書かれていた。 『朝食 おこんだて イシガキダイのちらし寿司 小松菜とかぼちゃのお味噌汁 わかめの辛子味噌和え じゅんなぎ』  おお、朝からなかなか豪華だ。ちらし寿司は大きな鯛のお刺身がどっさり乗っていて海鮮丼のよう。お味噌汁のかぼちゃもほうとうを彷彿とさせる大きなスライスで食べ応えがある。わかめは勿論新鮮な生わかめ。そして、千里が島で一度は食べてみたかったじゅんなぎ! 「皆さん、これはですね。『蓴菜(じゅんさい)で鰻繋ぐ』、つまり『ヌルヌルした野菜でヌルヌルした鰻を捕まえるような行いは無謀である』という諺が由来の、千里が島の郷土料理なんです。蓴菜と冷製の鰻を湯葉で巻いてあるから、『不可能を可能にした縁起物』、すなわち霊力が上がるパワーフードなんですよ!」 「おぉいおいおい、紅さん。台本もないのに詳しいですなあ! ま、僕はじゅんなぎが無くても今日は無敵ですがねぇ……フフン」 「どうしてですか?」 「いやね? お二人が眠れない夜を過ごしていた間に恐縮ですけど。昨夜、狸おじさんのおかげですごぉく縁起の良さそうな夢を見ましてですねぇ!」 「へ?」  何の事ですか? と言いたげな表情で、隣のテーブルの斉一さんがこちらを見る。 「夢に人語を話す化け狸が出てきて、僕にお酌してくれるんですよぉ。なんかご利益ありそうでしょぉ。しかもただの化け狸じゃない、ドレッドヘアのちょいワル狸ですよ!」 「ぶっ!! げほ、げほ!」  斉一さんが辛子味噌和えをむせた。ていうか、その狸、完全に斉二さんの事じゃないか。 「い、いや、わざとじゃないんだよ!? なーんか俺もタナカさんと晩酌する夢を見た気がしてたんだけど、本当わざとじゃないのマジで!!」  当の本人は必死に否定している。要するに寝ぼけてタナカDに取り憑いたまま寝ていたという事らしい。どうりで今朝あんな事があったのに、斉一さんしか迎えに来なかったわけだ……! 「狸おじさん、風水的にはどうなんですか? ラスタな狸って縁起いいんですかね??」 「ん゙っ、ん゙んっ……き、聞いた事ないですね……あれかな! 昨晩私が張った結界が効いている証拠とか! はい、ぽ、ぽんぽこぽーん……ふっくくく……ぽっ、ぽこ……」  斉一さん、完全にツボに入ってしまったようだ。佳奈さんも釣られて肩を揺らしだした。 「ちょっふっふっふ……タナカDが能天気すぎるだけだよそれ! てか狸おじさん困ってるし……なにラスタな狸って!?」 「部屋にラスタな狸がいたら報告した方がいいですか?」 「あっはっはっはっは!!」  何故か玲蘭ちゃんまで佳奈さんに調子を合わせる。じゃあ私も。 「玲蘭ちゃん、ラスタな狸はタナカさんに譲るんで、可愛い女の子狸は私が貰っていい?」 「それなら昨夜ずっと一美の隣で寝てたよ」 「きゃー! アハハハ」  皆で和気あいあいと食事していたら、いつの間にかじゅんなぎを無意識に食べてしまっていた。けどなんか、別にもういいかな……という気分だった。 གསུམ་པ་  食後。手短に朝風呂に入り、軽く荷物をまとめてホテルを発つ。今日はまず主要な観光スポットを幾つか巡って、図書館で資料を見ながら埋蔵金の場所を推理する段取りだ。ロビーを出ると、青木さんが待ってくれていた。 「おはようございます。昨晩は凄い雨けど、ご快眠を?」 「全然だよー。そこの三角眉毛は別だけど」 「おう誰がデブで三角眉毛だとぉ? この極悪ロリータ」 「佳奈さんデブとは言ってないじゃないですか。いいから行きますよ、お二人共。青木さん困ってるでしょ」  手元で地図を見ながら、一行はまず徳川徳松こと御戌神(おいぬのかみ)が祀られる、御戌神社へ。ホテルから海沿いのなだらかな丘を五分ほど登ると、右手に見えたのは『石見沼(いしみぬま)』だ。青木さんが解説をしてくれる。 「中央に大きな岩をご覧で? あれに水切りで石当てるのに成功すると、嫌いな相手が怪我を」 「初っ端から物騒な観光スポットですね!?」  驚く私の背後で、カメラを抱えたタナカDがガハガハと笑った。 「これぐらいで驚いてちゃあ後が持ちませんよぉ紅さん! なにせ千里が島は縁切りのテーマパークですからなぁ。この後はもっともっと物騒な所をお見舞いしていきますよぉ」 「タナカさん、あなた本当にこの島を応援したいんですか? それとも視聴者をドン引きさせたいんですか?」 「ナハハハ、だぶか放送後は調布飛行場に行列が出来ているかもしれませんよ? 『あの紅一美がチビった恐怖の心霊島』と……」 「青木さん、石! 丸い石ください、水切りしやすそうなやつ!!」 「あややや、喧嘩はやめて下さいだぁあ!」  と、こんな所で尺を取っても始末に負えないから、小競り合いを演じたらさっさと移動する事に。暫く進み、御戌神社の鳥居が見えてきた。 「ウゲ……」  それを見た途端、私は絶句。それは鳥居と呼ぶには余りにも不気味な色に見えた。まるで糖尿病で壊疽を起こした脚みたいな……いや、この異常には心当たりがある。 「佳奈さん、この鳥居なんか変じゃないですか?」 「え、普通じゃない?」  思った通り、佳奈さんは平然としている。これは倶利伽羅龍王を討伐した時、地元の神様から聞いた現象だ。倶利伽羅を生み出した邪教、金剛有明団にまつわる物は、信仰心に準じて見た目が変わって見えるらしい。例えば倶利伽羅も金剛信者には美術品のように美しい龍に見え、金剛に恨みがある私には汚物にしか見えない。今回もそれと同じ……つまりこの神社は散減同様、金剛にまつわる領域なんだろう。我慢して入るしかなさそうだ。བཞི་པ་ まずは普通の神社と同様、手を清める。案の定手洗い場も気持ち悪く見えて、正直とてもじゃないけどここの水に触れたくない。ていうか臭い。牛乳を拭いた雑巾みたいな臭いがする。とりあえず口はつけず指先をちょっとだけすすいだけど、後で境外で肌荒れするまで手を洗いたい!  詳しく境内を見る前に、賽銭箱に小銭を入れて手を合わせる。金剛とこれ以上因縁が続いては困るから、小銭がない振りをして五円玉をタナカDからタカった。神様に手を合わせている間は金剛への嫌悪感を読み取られないように、無我を貫いた。  参拝が終わったら、境内を進み御戌神が眠る『御戌塚(おいぬづか)』へ。境内はそこそこ広い割に、随分と殺風景だ。まず社務所がない。青木さんいわく、神社境内に職員が常駐すると現世との縁が切れてしまうからだそうだ。そして狛犬もいない。御戌様が御神体だからだという。  奥へ進んでいる途中、私はふと左手に一際強烈な禍々しさを感じた。見ると竹やぶに覆い隠されるように、傘立てみたいな簡素な祠が建っていた。厳重にしめ縄が巻かれ、星型の中央に一本線を引いたような記号の霊符が貼ってある。 「青木さん、あれは何ですか?」 「大散減(おおちるべり)というオバケを封じた祠ですだ。あまり直視したら良くないかも……ああっタナカさん、撮影など!」 「ダメかい? そんなに恐ろしいオバケなの、そのオオチルベリってやつは」 「モチのロンだから! 体が五十尺もある、八本足にそれぞれ顔がついてて、そのうち本物の顔を見つけて潰さないと死なない怪物で! しかも人間の肋骨食べて、一本足のミニ散減を生み出すとか。だからともかく、大散減は撮っちゃダメですだぁ!」 「一尺って何メートルでしたっけ、なんだか想像つかないですなぁ~」  タナカDは渋々とカメラを逸らした。人間の肋骨から新たな散減を生み出す……昨晩、おばさまの肋骨から散減が生まれた瞬間を私は見た。それに、倶利伽羅龍王も……。  そして私達は御戌塚に到着。平将門公の首塚みたいなお墓っぽい形状の石碑を予想していたら、実際は犬の石像だった。徳松さんご本人は不在のようだ。恐らく既に成仏されたか、どこか別の場所にいるんだろう。 「あれ? 一美ちゃん、これ犬じゃなくない? タテガミがあるよ」 「これはどちらかと言えば狛犬ですね。狛犬は獅子に似ているんです」 「あ。確かに、普通の神社の狛犬も、タテガミ生えてたかも! そういえば、徳川徳松は狛犬の魂を持ってたんだよね。じゃあお犬様の犬種って狛犬なのかな?」 「あはは、そうかもだ。それと、志多田さん。御戌様はわんこの『犬』でなくて、十二支の『戌』という字を」 「へー、どうして?」  青木さんによると、戌という漢字は滅ぶという字が元になっているそうだ。植物が枯れて新たな命に変わる様子を表しているんだ。早逝して祟り神になった徳松さんをよく表していると思う。 「御戌塚から伸びる道は、竹やぶで薄暗いのが『亡目坂(なきめざか)』、奥の見晴らしいい方が『足失坂(あしないざか)』で。いずれも嫌な奴を思い浮かべながら歩くと、それぞれ違ったご利益がとか。ちなみに足失坂を途中で右に下ると『口欠湿地(くちかけしっち)』が……」 「青木さん、今は特に切りたい縁はないんで大丈夫です!」  さすが御戌神社周辺は地名が物騒だ。昨晩斉三さんが言っていた、『気枯地』という言葉がしっくり来る。これ以上ここにいても千里が島のネガティブキャンペーンにしかならなさそうだから、私達は次の場所へ移動する事にした。ལྔ་པ་ 足失坂を下り、ザトウムシ記念碑がある『千里が島国立公園』へ。物騒な地名とは裏腹に本当に見晴らしが良い。閉塞的な御戌神社から出た瞬間、空がばっと広がったような感じだ。麓に見える口欠湿地も空の青を反射して美しく輝き、それをタナカDが嬉々としてカメラに収める。千里が島の縁切りや祟りといった暗い側面だけじゃなくて、こういった絶景も収録出来たのは本当に良かった。  国立公園は坂中腹からふもとまでの広い敷地を有する。地面は芝生とシロツメクサで覆われ、外周は桜並木に囲まれている。ただ、やはり気枯地だからか、桜はどれ一本として真っ直ぐ生えていなかった。  ザトウムシ記念碑は簡素な作りで、歌詞と小さなイラストだけ書かれた石碑だ。歌い継がれてきた民謡のため、作詞作曲者は不明らしい。また隣にはザトウムシの生態を説明するパネルもあった。 「ええと、『ぼくはクモに似てるけど、ダニの仲間なんだよ! 八本足に見えるけど、そのうち一本は杖なんだよ! 一人ぼっちよりも、みんなで集まるのが大好きだよ!』なるほど……ザトウムシがワサワサ密集してたらなんかちょっと嫌ですね」 「僕前に公園のベンチで、黒いタワシみたいな塊落ちてて……触ると大量のザトウムシがブワササーと」 「やだー! 青木君やめてよ~」 「わはははは!! それは最悪ですなぁ!」  公園を抜けて市街地へ降りていくと、月蔵(つきくら)小学校と併設する町民図書館が見えてきた。カメラに群がる小学生達に軽くファンサービスしながら、図書館へと急ぐ。私がお目当ての子はみんな「ドッキリ大成功! したたびでーす!!!」と絶叫しながら全力疾走で追いかけてくる。佳奈さんの影響だ。私も期待に応えて校庭をダッシュしたら、地面から急にスプリンクラーが出てきて水を撒き始めた! 「ぎゃー! また騙されたーっ!!」དྲུག་པ་ 何とか濡れずに済むも、息絶え絶えで図書館に入る。トイレを借り、やっと手を洗えた! と安堵して戻ると、皆は既に資料が並べられたテーブルを囲んでいた。太っているタナカDと大柄な青木さんは、小学生向けの低い椅子で収まりが悪そうにモゾモゾ蠢いている。私も着席するとカメラが回り、タナカDが進行を始める。 「実際に歩かれてみて、お二人何かお気付きになった事はありますか?」  気付いた事か。幾つかあったけど、金剛有明団や霊にまつわる情報は直接共有できない。少しぼやかして話そう。 「斉ぞ……ええと、狸おじさんから伺ったんですが、植物が曲がって生える土地は風水的に不吉らしいんです。それで今日気にして見ていたら、御戌神社がある坂の上に近づくほど木がねじれたりしてて、海沿いの石見地区や市街地である月蔵地区はそうでもないんです」 「御戌様が埋蔵金を守ってるからかな? じゃあ神社の近くが怪しいね!」  佳奈さんが消せる蛍光ペンでコピー地図を囲んだ。 「不吉な場所ですかぁ。だぶか神社から一番遠い南側、竹由……こりゃ『たけよし』で合ってるかい?」 「ですだ」 「竹由地区ね。この辺はまっすぐ生えてるんですかねぇ」  確かに地名に『よし』が入っていて、島の南側は縁起が良さそうではある。私達はまだ行っていない竹由地区の資料を見ると、小さなお寺が一つあるだけで後は住宅街のようだ。 「志多田さんはどうだい?」 「うーん、埋蔵金については何もなかったかなー。ところで青木君、この地図のここ、誤植じゃない?」 「え、誤植で?」  全員で地図を確認する。佳奈さんが指さしている箇所には、『新千里が島トンネル(旧食虫洞)』と書かれていた。昨日、私と青木さんが行ったコンビニの所だ。 「食虫……洞? 確かに変ですね。『虫食い洞』なら虫がトンネルを掘ったような感じで意味が通じるけど、食虫洞じゃ洞窟が虫を食べちゃうみたい」 「でしょでしょ? それともウツボカズラがいっぱい生えてるのかな」 「いえ、『食虫洞(くむしどう)』が正解で。ウツボカズラは生えてねぇけど、暗いから虫を食うコウモリが住んでるかもだ」 「うーん、そういう問題なのかな……? まあ関係ないからいっか……」  佳奈さんは煮え切らない顔のまま、地図を机に置いた。タナカDが仕切り直す。 「じゃじゃじゃあ、まずは今まで埋蔵金探しに失敗した方々の仮説を見てみましょうよ! 青木君」 「はい、こちらを」  タナカDは青木さんが差し出した資料を私達側に向ける。インターネット上で日本各地の徳川埋蔵金に関する情報をまとめたサイト、『トレジャーまとめ』さんの記事コピーだ。これまでザトウムシの歌詞をもとに埋蔵金のありかを探索した人々のレポートらしい。上からざっと目を通す。 ・その一 ザトウムシは座頭、盲目の暗喩だ。歌詞の『ザトウムシ』という言葉の総文字数を歩数として、記念碑から亡目坂を登る。そして到着地点の地面を掘ってみた。  結果 何も出てこなかった。これを試みた探索者の一人が島を出た後(以降は修正液で消されている) ・その二 『水墨画の世界』は白黒、あの世を表している。竹由地区には名前に『虫』がつく虫肖寺(ちゅうしょうじ)があり、そこには墓地が隣接している。その墓地で、黄昏時に太陽が見える西側の井戸内を調べた。  結果 何も出てこなかった。これを試みた探索者全員が数日後、(以降は修正液で消されている) ・その三 ザトウムシが埋蔵金を表しているなら、食虫洞は金を蓄える隠し場所に違いない。歌詞の通り、黄昏時から逢魔が時にかけての時間、トンネルを調査した。  結果 翌々日、(以降は数行にわたり修正液で消されている。塗りこぼしから微かに『トンネルが永遠に続いて外に出られ』とい��一文が垣間見える) ・その四 『口欠』『足失』『亡目』など体の欠損にまつわる地名は心霊現象や祟りが多いという。その三箇所いずれかに宝があるとみて、調査した。  結果 それらの地点には共通して護符の貼られた祠があり、護符を剥がした探索者は肋(次の行以降は紙ごとハサミで裁断されている) 「「いや怖いわ!!」」  全部読み終わる前に佳奈さんと異口同音! 「ちょっと青木君、これ元は何て書いてあったの!?」 「すいません、あんまりにも酷いデマなどが。根も葉もねぇので僕が修正を!」 「本当にデマなんでしょうね!?」 「嘘こいてねぇです、本当に事実無根なので! 大体、コトが事実なら普通新聞に載るなど……」  事実なら新聞に載るほどの事が書いてあったのか。これは下手に島を引っ掻き回すと、またとんでもない事になりそうだ。 「まあまあまあ、お嬢さん方。要はあなた方がね、埋蔵金を見つけちゃえばいいんですよ」 「なに他人事みたいに言ってるんですか、この三角眉毛は。祟られる時は全員祟られるんですよ? わかってんですか?」 「そーだそーだ、デブちん三角眉毛!」 「おう遂にちゃんとデブって言ったな!? 今日の僕にはラスタな狸がついているんだ。一人でもしぶとく生き残ってやるぞぉ」 「一美ちゃん、ちょっと今夜御戌神社で丑の刻参りしよっか」 「了解しました。加賀繍さんのぬか床に五寸釘入ってるから分けてもらって……」  ん? 「佳奈さん、今の言葉もう一回いいですか?」 「え? だから、『御戌神社』で『丑の刻参り』」 「……それだ!」  ラッキー! 今の超下らないやり取りで、歌詞の謎が一つ解けたかもしれない! 「おぉ何だい、そんな聞き返すほど僕を呪いたいのか小心者」 「違いますよ。見て下さい、歌詞の一番と二番の冒頭……」  ザトウムシの一番、二番の歌い出しは、それぞれ『たそがれの空を』『おうまが時の門を』だ。 「いいですか? 昔の日本は十二時辰(じゅうにじしん)、つまり十二支で時間を測る単位を使っていました。その単位では、『逢魔が時』と『黄昏時』……つまり夕方から夜に変わる時間帯は、『酉の刻』と『戌の刻』になるんです」 「じゃあ歌詞に当てはめると、一番は『戌の刻の空を』、二番は『酉の刻の門を』に変換できるって事?」 「はい。ここで思い出しませんか? 御戌塚から伸びる二つの道」 「薄暗い亡目坂と、見晴らしがいい足失坂……あっ、『戌』から『空』が見えるのは足失坂だ!」 「そうです。しかも続きの歌詞が『ふらついた足取りで』、足って言ってるんですよ! 一方二番……酉の門といえば?」 「神社の『鳥居』! 坂からまた神社に戻っちゃってる!?」 「そうなんです!」  つまり、私の説はこうだ。この歌は埋蔵金のありかを一箇所漠然と示しているんじゃなくて、そこに至る道順のヒントが歌詞になっているんだ。御戌塚から始まり、足失坂を通って何らかのルートを経由。やがて神社に戻って、そこからまたどこかへ行く……こうして遠回りをする事自体が、埋蔵金を発見するために必要なのかもしれない! 「なるほど、道順を! それは今まで誰もやらなかったかもだ……それにしても、お若いのによく十二支の時間をご存知で?」 「あはは、青木さんより若くはないですよ~。小さい頃ちょっとだけお寺に住んでた事があって、こういう歴史っぽい雑学にちょっと明るいだけです。ただ……」  残念ながら、歌詞に干支にまつわる描写はそれしかないんだ。そこから先の謎はまだわからない。私が自説をフリップに書き終えると、タナカDが佳奈さんに話を振る。 「志多田さんどうですか? 紅さんがワンアイデア出しましたよぉ」 「急かさないでよー。私まだ食虫洞の謎が頭から離れないんだから。そーいうタナカDこそ何かないの?」 「僕かい? そうですな……このサビの、『月と太陽が同時に出ている』って、日蝕か月蝕って事でしょ? 千里が島で日蝕月蝕が観測された事って歴史的にあるんですかねぇ?」 「え? この歌詞って単純に黄昏時の事じゃないんですか?」 「あ、そうか。そりゃ黄昏時には月と太陽が両方見えますな」  すると今度は佳奈さんが閃いた。 「ちょっと待って、日蝕……?」  佳奈さんは私の手元から地図を取り上げ、食い入るように見つめ始める。 「……しょく、ふき、ぞう、すずり……」 「佳奈さん?」 「あー、そういう事かあ! これ、千里が島の地名ってさ、繋げるとみんな漢字一文字になるんだ!」 「え、そうなんですか?」 「どういう事で?」  青木さんも知らなかったようだ。全員興味津々で佳奈さんの指さす地図に見入った。 「例えばこれ、食虫洞はさ、食と虫を繋げて書くと日蝕の『蝕』になるでしょ。亡目坂は盲目の『盲』、月蔵は臓器の『臓』」 「すごい、本当ですね! 石見は書道の『硯(すずり)』、竹由は『笛』ですか。あれ、でも足失坂は……」 「『跌(つまずく)』。常用漢字じゃないけど」 「つまずく?」  タナカDは自分のスマホで『つまずく』と入力し、跌と変換できるか試みた。 「ああ、跌(つまずく)だ! 確かに跌ですよ跌! いや、よく読めますなあ。ところで佳奈さん、最終学歴は?」 「いちご保育園だってば。何度も聞くなー!」  佳奈さんは国文学分野で大学を卒業しているけど、年齢不詳アイドルである彼女にとってそれは公然の秘密だ。タナカDはそれを承知の上で度々ネタにしているんだ。 「あれ、佳奈さん。それを当てはめたら歌詞解読できるかもしれませんよ!」 「え本当? よーし、やってみよう!」  こうして数十分試行錯誤しながら、私達したたびチームの歌詞解釈はほぼ完成した。それが、こうだ。 たそがれの空を  ザトウムシ ザトウムシ歩いてく   (御戌塚から始まり、空が見える方向へ進む)  ふらついた足取りで  ザトウムシ歩いてく   (そのまま神社境外に出て、つまずきやすい道、つまり足失坂へ進む) 水墨画の世界の中で  一本絵筆を手繰りつつ   (足失坂のふもとから水墨画の世界、硯と水を象徴する石見沼へ進む)  生ぬるい風に急かされて  お前は歩いてゆくんだね   (石見沼から風が吹く方向、口欠湿地方面へ進む) あの月と太陽が同時に出ている今この時  ザトウムシ歩いてく  ザトウムシ ザトウムシ歩いてく   (口欠湿地から月が太陽を蝕む場所、旧食虫洞へ進む) おうまが時の門を  ザトウムシ ザトウムシ歩いてく   (食虫洞を抜けた所から丘を登り、御戌神社の鳥居をくぐる)  長い杖をたよって  ザトウムシ歩いてく   (神社境内から視覚障害者が杖を頼りに歩くような暗い道、亡目坂へ進む) ここまで考察した段階で、地図に道順を引いていた佳奈さんがペンを止めた。 「何これ……星……?」  蛍光ペンで地図に書かれた道筋は、島の中心に魔法陣のような模様を描いていた。五芒星の中心に一本線を引いたような、シンボルを。 「佳奈さん。まだ、解読できてない歌詞は残ってますけど……これはこの形で完成だと思います」 「一美ちゃんもそう思う? これ以降の歌詞って、対応する地名が見当たらないんだよね……」 「青木さん」  私はさっきの埋蔵金探し失敗談を手に取る。 「この消されている箇所、要するに全部『祟りがあった』って事ですよね?」 「はい……あ! いえ、そんな事は……」 「そうなんですね。つまり余所者が千里が島を検めるためには、正しい儀式か何かを踏まないと祟りに遭う。その儀式の方法こそが、この民謡ザトウムシに隠された暗号の正体だった」 「……」 「私、さっきこのシンボルを見たんです。御戌神社の、祠で……」  もう私の中で謎は核心に迫っていた。霊能者達は今それぞれ除霊活動に励んでいるけど、『ザトウムシ』……恐らくは、怪物の親玉であるそれを倒さなければ島の祟りは終わらないのだろう。 「結論が出ました、青木さん。ザトウムシは、徳川埋蔵金のありかを示している歌じゃありません。私はこれを……八本足の怪物、大散減を退治するための手順を示した歌だと思っています」  衝撃的な結論に全員が呆然としていると、窓の外で何かが破裂するような音がした。更に間髪入れず、河童信者が一人血相を変えて図書館に飛びこんでくる。 「たた、た、大変です! 大師が……大師が……紅さん、ともかく来てください!」 「え? どうして私が……うわあ!?」  河童信者は乱暴に私の腕を掴み、外へ連れ出した。他の皆も続く。牛久大師が私を指名したという事は、また散減が現れたのだろう。けど今はカメラが回っている。玲蘭ちゃんや万狸ちゃん達は別行動だし……私、どうすればいいの!?
0 notes
mashiroyami · 5 years
Text
Page 111 : 過去と未来
 家宅と放牧場を繋ぐ扉は僅かに開いており、細い風が部屋を循環していた。浅い眠りから覚めたアランは、その風の音で起きたようだった。秋の朝は冷めている。ほんの少し立った鳥肌を包むように上着を羽織り、風の奥のざわめきを追いかけた。まるで誘われるように、夢の中を浮かんでいる顔で、朝陽が照らす現実に足を踏み入れた。卵屋の傍でザナトアをはじめここに住む生き物たちが何かを囲うように蹲っていた。アランは輪の外から覗き込んで、ザナトアが調べるように手を添えているその先を直視する。その小さな身体に飛び散っている乾いた血と、抉られ露出した肉体を見ただけで、瞬時に息絶えていると彼女は理解しただろう。  それは、数週間前に群れから離れ羽に傷を負ったポッポ。ヒノヤコマ達に連れられて少しずつ自分の道を歩もうとしていたポッポ。喉笛が抉られるように千切れており、か弱い首はあらぬ方向に曲がっている。辺りには抵抗を物語るように汚れた羽根が散乱していた。血で固まった羽毛は逆立ったまま先が風に揺れていた。血だまりは既に土に沁み、朝露が濃度を薄めている。草原で息絶えた残骸が朝の日差しを浴びて強調された。  一体、誰が。  僅かに震わせた声。緊張しながら問うたのはアランだった。 「狼狽えるな。よくあることだ」  凜とザナトアは言い放ち、丁寧に亡骸を抱き上げる。小さなザナトアの、小さな腕の中にすっぽりと収まる小鳥は身動き一つしない。出るだけの血はとうに流れきって死後硬直が進んでいた。驚愕とも苦痛ともとれる丸い瞳も僅かに開いた嘴も、揺すろうともそのまま凍ってしまっている。夜風と朝露に曝され冷えた身体は、永久にぬくもりを取り戻すことはない。 「悲しくならないんですか」  平然としているようにも見える老いた横顔に問いかける。 「悲しいさ」ザナトアは即座に答える。「そして虚しい。でも慣れたさね」  皺だらけの手が、死骸に触れた手が、アランの背を静かに叩く。 「墓を作るよ」
 林に足を運び、奥へ進むとその光景は見えてくる。背の高い木々の隙間から入る早朝の木漏れ日がちかちかと揺れている中で、朽ち果てかけた木製のささやかな十字が整然と、しかし尋常ではない数で一面の土に刺さる情景は、薄い霧がかかったように寂然としていた。  ここ一帯の全ての地面を覆い尽くすような無言の墓の群衆。来たばかりのアランは訪れたことのない寂寞の地である。  息を呑み、立ち尽くすアランにザナトアが声をかけ、彼女は我に返った。  アランは連れてきたアメモースを隣に座らせ、二人がかりで、木の根元近くをスコップで掘る。フカマルも黙って土を掻き出す。地面タイプを併せ持つ彼は、土の扱いが上手で、人間よりも勢い良く掘り進めていった。ヒノヤコマや他の鳥ポケモン達は頭上の枝に止まり見守っている。誰かが指示したわけでもなく、示し合わせたように皆押し黙っている。誰もがこの沈黙を破ることは許されなかった。  柔らかい土ではあったが、ポッポ一匹分が入るだけの穴を作るには少々時間を要し、差し入る陽光が輝きを増す中で、やがて十分な穴が出来上がった。  秋の朝は冴え冴えとしているが、一連の動きでアランの額には豆粒のような汗がいくつも浮かんでいた。手の甲で拭い、深い影を含んだ空洞をしんと見下ろす。  黙すポッポを、ザナトアは丁寧な所作で、そっと、穴に入れて、余分に感慨に浸る間伐を与えず、上から掘り起こした分溜まった土を戻していく。さっと、身体が汚れていく。埋もれていく。嘴が見えなくなり、目が隠れ、傷だらけの身体がみるみるうちに土を被り、遂には完全に遮断され、明らかに掘り返したと解るその場所に、他と同様に即席で作った木製の十字を突き刺した。その瞬間の音こそが、訣別だった。  あのポッポはもう地上には存在しない。  目を閉じ、死を弔う。  数秒の後、アランが先に瞼を開いても、ザナトアは祈り続けていた。横顔は決して険しくはなくむしろ一見穏やかのようだが、皺の一つすら不動であり、正しく清閑の一言に尽きた。  木の葉が重なり揺れる音が、風の来訪を示す。呼び起こされるようにザナトアが手を下ろし新しい墓を視界に捉えた後、入れ替わるようにして、隣でフカマルが大声でさめざめと泣き始めた。人間の赤ん坊が泣くように懸命に声をあげて涙し、茂る木々の音のみの静けさである林を震わせた。  全身で悲しむ感性を宥めるように、ザナトアはその頭を撫でる。彼につられるように、天からは別離の挨拶をするような鳥ポケモン達の声が重なり合い、木々の隙間を縫って林の中をずっと響いていった。それはまるで自然が奏でる鎮魂歌のようであった。  アランは表情を凍り付かせたままで、涙は最後まで出てこなかった。  やがてフカマルが泣き止み、時間をかけて激情が落ち着いてきた頃、ザナトアは広がる墓場のほとんど中心に佇む、朽ちかけた大きな十字の前までアランを案内した。大きな、とはいっても、他と比較して多少枝が太いほどであり、特別な違いは殆ど無い。 「これが、どうかしたんですか」  アランからそう尋ねられることを待っていたように、ザナトアは重い口をゆっくりと開いた。 「チルタリスの墓だよ」  言われてすぐアランは目を丸くする。  昨日の今日だ。彼女がわざわざそう伝える意味、示されたチルタリスが一体どういった存在なのか、理解しているだろう。  足下でぺちぺちとその十字架を叩くフカマルを諫め、老婆は肩を落とす。 「フカマルの父親だよ。この子はガブリアスとチルタリスの間に生まれた子だ」 「それ、エクトルさんは、知っているんですか」 「知っているだろうね。知った上でだ、あいつ、ご丁寧に前金と卵と、一緒に何匹かポケモンをここに置いていった」深い息を落とし、苦々しい口調で続ける。「殆どは相棒と言っていいメインパーティの面子だ。訣別とするにはあまりに身勝手だったね。チルタリスはとりわけ悲惨だった。……滅びの歌という技を知っているかい」  アランは首を横に振る。  気丈に振る舞っているようではあるが、ザナトアも感傷に浸っている様子だった。 「長い旋律を三回繰り返し歌い続けると、自分も含め相手も味方も全員戦闘不能になる荒技さ。トレーナー同士のバトルではなかなかお目にかからないが、野生となると危険なもので、見えないところから歌われて手持ちが全滅、遭難してそのまま行方知らず、なんてホラーに使える話もあるような技さね。……チルタリスは、鍛えれば滅びの歌を自然と身につける。あの子は幼い頃から一緒だった主人との長い別離に寂しさを拗らせ心を病み、三日三晩滅びの歌を歌い続け仲間まで道連れにして逝った。あの歌は、たとえ頭が呆けても忘れられないだろうさ」 「……壮絶」  ぽつりと呟くと、ザナトアは頷いた。  膨大に立ち並ぶ十字架に囲まれた中心で、暫し沈黙を味わう。身代わりのように、無言で地面に立つ父親を示す墓の前、先程は叩いていた掌で今度はゆっくりと撫でる子供の姿があった。  自然を彩る小さな生き物たちの声もまた、歌のよう。滅んだ後に咲く、ささやかな花々のような生者達の声と、静まりかえるほどにどこかから幻のように漂う死者達の気配が混ざりあう。ここはそういう場所だった。 「あの夜、ここに住むポケモンも多く死んだ。中には育て屋として預かっていた子もいた。責任を取ろうにも命に代わるものなんてこの世には無い。どうにか落ち着いたけれど、もうブリーダー稼業は続けられないと確信しちゃったね」  そうですか、とアランは零し、周囲に目配せした。  夥しい数の十字架の理由。いくら育て屋として様々な別れを経験しているとはいえ、通常であれば、預けたポケモンはいずれおや元へ引き取られていく運命にある。数十年という、アランにとっては気が遠くなるであろう年月を経ているにしても、夥しいまでの墓はあまりに過剰な死別を物語っていた。 「それで、育て屋を辞めたんですね」 「まあ、跡継ぎもいないから、引き際をどうすべきか少し考え始めていたところだった。……こっちは、クロバットの墓さ」  小さな墓場の巡覧は続く。懐かしい昔話でも語るような口で、ザナトアはアランを促す。数歩左へ向かったところに、似た十字架が立っていた。 「……姿を見ないから、きっと、いないんだろうなとは、思っていました」 「察していたか。そりゃあ、そうかね。あんたは元々そのために来たんだ。会いたかったんだろう」 「まあ……はい」 「残念だったね」 「いえ」首を振り、躊躇いがちにアランは目を伏せる。「……その、記録、見ました。クロバットが頑張って飛ぼうとしていたこと、ザナトアさんが飛ばせようとしていたこと、ちょっとだけですけど、読みました。だから、会えなくても知ってます」 「いつの間に? いじらしいね。で、どう思った」  アランは迷うように言葉を選ぶ時間を使う。 「……驚いていました。あんなに頑張らなければ、もう一度飛ぶことはできないのかって」  ザナトアは懐古を込めてゆっくりと頷く。 「あのクロバットは、少し特別だった。あんなに踏ん張れる子はそういない。クロバットのことが世に知れてからは、同じようなトレーナーがやってきたし、あたしも出来る限りのことはしたけど、飛べるようにはしてやれなかった。……アラン」  改まって呼ばれ、彼女は、ザナトアの顔を見た。真剣な眼差しに射貫かれて、身動きがとれなくなる。 「必ずまた飛べるようになるとは、限らないんだ。それはきちんと言っておきたい」  だから、とザナトアは緊張を解かずに続ける。 「お互いに納得する答えを出して欲しい。あんたはポケモントレーナーだ。あんたが迷えば、ポケモンも迷う。アメモースと、エーフィ、ブラッキーを大事に育ててあげなさい」  そう言って、ザナトアはアランの胸に抱かれているアメモースの肌を撫でた。アメモースは気持ちの良い甘えた声を出し、その手に擦り寄る。死の衝撃を刹那の間忘れさせるだけの平穏が、指先に生まれた。  安らぎの瞬間を前に、アランは冷えた顔つきのまま深く頷き、ゆるやかに触覚を上下に動かすアメモースに視線を落とした。そして、再びクロバットの墓へと戻す。彼女がたったひとつの希望と縋った生き物、羽を失いながらも再び飛翔したという獣の不在を示す、無言の墓前で静かに一礼した。 「……クロバットも、滅びの歌で?」  ザナトアは頷く。 「頑張っていたんだけどね。チルタリスを励まそうともしていたが。あたしも、クロバットも、誰もね、閉ざしてしまったあの子の心に声を届かせることはできなかった」  冷静でいるようだが、ザナトアから滲んでいる自責の念にアランは唇を僅かに締めた。老婆の身体は、たゆたう感傷を重く背負い込み、平時より幾分縮こまっているかのようだった。 「あたしを求めて来てくれた子を助けることができず、たった一匹のポケモンの心を解してやることもできず、多くを死なせた。最も無責任なのは、あたしさ」 「……エクトルさんの責任でもありますよ」 「なんだ、励ましてくれてるつもりかい?」かすかに自嘲の色を滲ませながら、笑いかける。「そうさね。本当に無責任。でもね、今更あいつを責めたって仕方ないのさ。一度くらい墓参りに来いとは思うがね」 「今度会ったら、伝えておきましょうか」 「伝えたところで、来るかどうか。あいつだってキリの人間なら知っているはずだよ。それでも来ないんだ。これが答えさね」軽く首を振り、口許だけで微笑んだ。「余計なことまで喋っちまったね。帰るよ」  踵を返し、折れた腰でゆっくりと帰路を辿り、アランはその歩幅に合わせる。ザナトアの語り口はあくまでもうとうに清算したように淡々としていたけれど、重みを共有した二人の間に会話はなかなか生まれなかった。  林を抜け、影の落とす場所の無い広大な草原へ出る。  水で薄めたような透明感のある朝だった。空には薄く破って散らばめたような雲がぽつぽつと流れている。地上にはほとんど遮るものがないおかげで、随分と広い。どこかから優しい牧歌が流れてきてもおかしくないような、際限なく長閑な場所だった。美しい空の下、ザナトアは眼を細めた。 「いい秋晴れだね」 「はい」 「きっとポッポも、気持ち良く空に飛べるさね」 「……はい。きっと」  濁りの無い目には、小さな羽ばたきが映っているかのようである。誰よりも大きく翼を広げ、誰よりも高いところへと翔る小鳥の姿を見守る目だった。 「……空を飛ぶって、どんな感覚なんでしょうね」  アランがぼそりと呟くと、そうさね、とザナトアは返す。 「あんたは、一度も鳥ポケモンに乗ったことがないのかい」  軽くアランは首を振る。 「ありますよ。一回だけ。でも、その時のこと、あんまり覚えてないんです」 「勿体無いな。あれはなかなか癖になるよ。ま、あたしももう随分やってないがね」 「落ちたら」アランはほんの僅かに間を置いた。「大変なことになりますもんね」 「まだそこまで愚図じゃないよ」  馬鹿にするな、と抵抗するような口調だが、いたって穏やかな笑みを浮かべていた。  薄い雲が涼やかな風にのんびりと吹かれゆく姿を二人して見つめる。 「空って、あんまりに遠いから」  一度言葉を選ぶように口を閉じてから、アランは続ける。 「自分で飛んでいくことができたら、きっと気持ちがいいでしょうね」 「そうさね」  ぽつんぽつんと、泡沫のような会話が生まれては消えていった。アランは鼻からつんと冷たい秋の空気を吸い込む。深く、内側から身体に馴染ませるような味わいをゆっくりと呑み込んで、強ばった拳を僅かにほどいた。 「飛べたらいいのに」  ぽつりとした独り言を、ザナトアはうまく聞き取ることができなかった。  空を仰ぐ深い栗色に、透いた青色がかかっている。頭一つ分以上も違う高低差では、彼女を見上げるザナトアにその瞳は見えない。  ザナトアは何も言わず、そしてアランも沈黙に浸り、やがて誰も合図を出さないうちにどちらからということもなく再び歩き始めた。柔らかく乾いた草原をゆっくりと踏みしめる。腰を折りながらたっぷりとした時間をかけて歩くザナトアにアランは並行し、家に進むごとに、あのポッポが死んでいた卵屋の傍に近付くほどに身を固くした。  その後、ザナトアとフカマルは卵屋に向かいポケモン達の食事を、アランは自宅に戻り遅くなった朝食を用意することとなった。  裏口の傍で、エーフィとブラッキーが待っている。薄く青い日陰で耳を垂れ、寝そべるブラッキーにエーフィは付き添っていた。エーフィが微風に合わせるように尾を揺らし、しかしふと、アランを前にして、その動きを止める。  ザナトアと別れ、一歩、一歩と踏み出すほどに、アランの影から冷気が沸き上がってくるように、伴う気配は強張っている。  ポケモン達と共に帰宅し、後ろ手に扉を閉め、長い溜息を吐いた後、呟いた。 「誰が」  誰がポッポを――殺した。  アランは右手首のブレスレットを握る。 「黒の団なんてことが有り得るかな?」  エーフィに問いかけたが、彼女は肯定も否定もしなかった。 「違うだろうとは思う。発信器はもう無いはずだし」  いや、と呟き、ブレスレットに視線を落とす。 「そうとは限らない、のだとしたら……」  部屋は窓���ら差し込む、カーテンを通した弱い陽光のみ。手首は深い影の中にあり、囲う小石は淀んでいる。 「……でも、仮に場所が割られていたとしてもこんなまどろっこしい真似をするとは考えられない。……ただ、野生ポケモンが襲ったって話で片付かない予感がする。気味悪いというか……嫌な予感がする。万が一に、黒の団の仕業なのだとしたら、もう、ここには……。……でも……」  返答を期待してはいないように、一人、呟きを止めない。整理をするように、回る思考を口にしてその糸口を導こうとするけれど、最後には、わからない、と締めた。  噛み千切られた首と朝。不吉だった。黒い雨水が硝子窓を這うのを見つめているようだった。この家で新たな日常を過ごす外でも、近付く祭を謳う穏やかな時ばかりが経っているわけではない。現在とは、過去からの地続きの上にある。これから、いつ、何が、誰がその硝子を割り、破片の散らばる闇の中、首を掴みかかってくるか、解らない。  心許ないエーフィの一声に、アランは頷く。 「とにかく、今は用心していよう。何か怪しいことがあったら、すぐに報せて」
 ポッポの死から幕を開けた一日は、始まりこそ劇的だったが、それからは開いた穴を見て見ぬ振りをしているかのように努めて平穏に過ぎていきつつあった。近付くレースを前にヒノヤコマ達は外へ繰り出し、地上のフカマルは草原に棲み着くナゾノクサの群れの傍に立って、友達の堂々たる飛翔を遠景に眺めていた。ザナトアは寝たきりとなっているマメパトに薬を混ぜた餌を、手から啄ませるように与えて、その横でアランは、エーフィのサイコキネシスで下ろした天井の添え木にこびりついた汚れを雑巾で磨いていた。力仕事はすっかりアランが担うようになりつつある。アランは首にかけたタオルで汗を拭い、感嘆の息を吐く。アメモースは邪魔にならぬよう、ザナトアの定位置である椅子に座り、黙々と労働を眺めていた。  じきに夕暮れ時へと進もうという頃合いに休憩を言い渡されたアランは、アメモースを連れてリビングへ戻った。身を入れて励んでいた身体は疲労感を覚え、ソファに勢いよく座りこめばぐったりと目を閉じた。弛緩しゆく身体のほてりに委ねて暫し休んでいたが、数分経った後、ゆっくりと身を起こした。  毎晩眠っているソファにかけられたブランケットの端を揃えて畳み、端に置く。乱雑になった鞄の中を整理しながら、アメモースの薬やガーゼを纏めたポーチを取り出した。  アメモースの、当てられたガーゼを身長に剥いで、隠れていた傷口が露わになる。相変わらずそこにあるべきはずの翅は無いけれど、抜糸された跡は少しずつ埋まっていき、ゼリーのような透明感のある身体には不釣り合いな黒ずみも消えていた。鎮痛剤が奏功しているのか、最近は痛みに表情を歪める様子も少なくなっていた。  フカマルや他のポケモン達が駆け寄ってきて声をかけられれば、嬉しげに返事をして触覚を盛んに動かすようになった。新しい生活に馴染んでいくほど、急速にアメモースは回復しつつある。個体差はあれど、元々ポケモンは人間と比べ自然治癒の速度には目を見張るものがある。彼とて例外ではない。勿論、今の生活がアメモースに良い効果をもたらしていることは間違いなかった。  アランは真新しいガーゼを取り、テープを使って傷口をあてがう。直後、アメモースが穏やかに鳴いた声に、彼女は手を止めた。挨拶のようにたった一言。彼がアランに向けて声を発したのは、久しぶりだった。  フラネで発した悲鳴と、声にならない感情をそのまま表したような銀色の風。あの頃、誰もが混乱の渦中にあった。心も身体も整理がつかないまま旅に飛び出して、模索を続けている。そして、確実に修復されていくものがある。回復と同時に、決断を迫られる時は近付く。  アメモースを抱く時、彼女は背中を自分側に向けさせる事が多い。お互いに顔の見えない位置関係だ。今、ゆっくりとアメモースを回し、互いを正面に見据える。 「迷ってる」  ぽつりとアランが語りかけると、アメモースは不思議そうに表情を覗った。 「もう一度飛ぶことは、そんなに簡単なことじゃないって。時間もかかるし、きっとアメモースにとっては、辛い日々になる。苦しい思いをしてまで、頑張る必要なんてあるのかな。本当に叶うかどうかも分からないのに。傷つくだけかもしれない。ザナトアさんが見てきたポケモン達や、あのポッポのように。それは虚しい」  長い溜息をついた。あのね、と重い口ぶりのままで語りかける。 「アメモースが空を飛べるようになったらいろんなことがうまくいくような気がしていた。心が晴れて、皆が前向きになるような。だけど、違う。願っていただけ。そうなればいいって。ただ、止まってしまったらもう何もできなくなってしまう予感がしたから、その口実にしただけで。……いや、ただ私が、逃げ出したかったから」  一瞬、固く口を噤んだ。 「ひどいことを言ってるな。……ずっと、君のためという建前でいた。勝手にあの人から引き離して連れ回して。……ごめん、アメモース」  アランは静かに頭を垂れた。 「ごめん」  繰り返して、そしてそのまま、暫く動かずにいた。  アメモースが声を発するまで、アランは相手を見ることができなかった。穏やかな声を耳に入れて顔を上げた先で、アメモースの瞳は、笑んでいた。解っているのか、解っていないのか、その判別はつかないけれど、彼はアランに笑いかけていた。  つられるように、アランは口元に微笑みを浮かべた。そして、また彼の名前を呼ぶ。ねえ、アメモース。問いかける時期をずっと探っていたはずなのに、彼女はするりとその言葉を喉から零す。 「君は、飛びたい?」  つぶらに潤う瞳は揺るがずに、現トレーナーの真剣な表情を見つめた。 「痛みが無くなって元気になったら、もう一度飛びたい?」  飛ぶ。  あの空へ。  地を生きる彼女も一瞬だけ夢を見た。大空に向かうことを。  どこまでも蒼く、どこまでも遠く。風を纏い風と共に生きる、あの自由な世界へ。  アメモースは、首を傾げた。戯けたように、あるいはまるきり解らないように傾ける。  まだ決断すべき時では無いのか。彼女自身も迷っている。トレーナーが迷えば、ポケモンも迷う。アランの表情はかすかに曇る。  いつかここを出て行く時がやってくる、それは育て屋に暮らす野生の生き物に限った話ではない。迷い子としてやってきたこの場所、向かうべき道が見つかれば、或いは向かわなければならない道が明らかとなれば、発たなければならない理由があれば、いつかは再び旅立つのだ。
 その晩、深夜の事件の全貌は明らかにならないまま昼行性の生き物たちが眠りにつき、ひっそりと冷たくなった夜にアランはそっとソファから立ち上がった。  今晩は夜空を雲が覆っており、とはいえ湿気は薄く雨は降っていない。差し入る月や星の光が無く、周囲は足下のブラッキーの光の輪のみ、異様に浮き上がっていた。  息を殺し、直接放牧地帯へと繋がる扉に近付き外へと出れば、強い夜風に栗色の髪が吹き上がる。乾いており、やはり雨雲ではないようだ。このあたりは地上からの光も殆ど無い。萎縮するほどの闇に迷い込んだ。  果ての無い暗闇は掴み所が無い。  目が慣れてきて、僅かに見える物の輪郭と耳を頼りに、アランは摺り足で進んでいく。外に置かれた棚や壁を指で伝い、卵屋へと歩みを進める。  緊張を緩めず、開きの悪い扉を開ける。昼間ならポケモン達の声や羽ばたきで充満しているこの小屋も、今は沈黙している。まるで、死に絶えているように。  内壁を辿って一段ずつ大きな螺旋階段を登っていく。  二階まで来れば、生きた気配を嗅ぎ取った。藁に座り込み眠る鳥ポケモン達を一匹一匹確認する。彼女はまだそれぞれを覚えているほどではないが、少なくとも妙な空白は見られない。一晩数えるほどに、一匹居なくなっていく。そんな可能性が無いと言い切れない。  用心深く冷ややかな視線で周囲を見回すアランの視界に、一匹、椅子に隠れて彼女の様子を覗う獣が入った。気付いた直後こそ身構えたが、軟らかな月光に明らかにされれば、すぐに緊張は解かれた。丸い身体は細い椅子に隠れられるほど小さいものではない。  フカマルだ。巨大な口に整然と並ぶ肉食獣の牙は、か弱い小鳥の首ひとつ、容易く噛み砕く力があるだろう。しかし、ポッポは彼の友達だ。ポッポに限らず、ここに住むポケモン達に彼は生まれ持った愛嬌で好かれ、彼自身も仲間に対して溢れんばかりの愛情を向けている。墓前で見せた激しい号泣に嘘の混じりけなどなかった。彼は心優しいドラゴンであり、今もアランに脅える様からは、とても彼が事件の加害者であるとは見えない。  アランは唇の前に人差し指を立て、ドラゴンの隣へと近付く。その間、フカマルは彼女を凝視し、ひとときも目を離さなかった。強い警戒心と恐怖心を抱いているのだ。アランは小さく息を吐き、硬質な肌をゆるやかに撫でた。  大丈夫、と囁く。椅子を挟んで座り込み、壁を辿るように作られた寝床で眠りにつく鳥ポケモン達を仰いだ。  フカマルもまた見張っているのだろうか。新たな被害者が出る予感を払拭できず卵屋に集った同志は、沈黙を頑なに突き通す。  深い藍色の夜に白い光。青い世界に漂う獣の香りと、穏やかな寝息は一晩中続いていった。フカマルは座り込み、うとうとと瞼を閉じては、時折はっと覚める、そんな様子を繰り返した。アランは膝を抱え緊迫し続けたが、ゆるんだ夜の空気に馴染んでいくように、だんだんと肩の力を抜いていった。  その晩は何も無く過ぎていき、卵屋の青は薄らいでいく。有明の優しい眩さが山の向こうから広がり、大きな窓より光が注いだ。意識せぬうちに眠りに落ちたのはアランもフカマルも揃っていて、間近の囀りに瞼を開けばいつも通りの朝に包まれていた。平凡な朝が本当に平凡としてやってきたのだ。  まだ半分も目が開いていないフカマルのとろとろとした足取りに合わせて卵屋を後にしようと階段を降りている途中で、耳に障る扉の音がした。まだ生き物が全て目覚めていない早朝に、その音は強く響いた。ザナトアとアランで目が合った。彼女は一瞬目を丸くしたが、続いて呆れた表情を浮かべた。 「まさか一晩中見張っていたのかい」  階段を最後まで降りたアランはおずおずと頷くと、元気だねえと苦笑した。 「若いってのはいいもんさね。ちゃんと寝なよ」 「大丈夫です。このくらい」 「は。ちょっとは生意気な口も叩けるようになってきたか?」  皮肉交じりな口調で笑う。 「で、夜通し見張った甲斐はあったのかい」 「どうでしょうね。でも、誰も殺されなかったですし」  ね、と足下のフカマルに目配せをする。フカマルは立ちながら微睡んでアランの足に寄りかかっており、意識があるのか無いのかはっきりせぬ様子でぼんやりと返事した。 「物騒なことを言うね」  目を細めたザナトアが怪訝な口ぶりで言う。発言の違和感に気付いていないかのように、アランはどこか平然とした顔つきでいた。  「あのポッポが、明確な意図を持った誰かに殺されたと、そう思っているのかい」  圧力を感じたのか、アランはぐっと息を呑み込んだ。 「……分かりません」  ザナトアは首を左右に振る。 「昨日も言ったかもしれないけれど、良いか悪いかは別としてあたしはこういうことには慣れたんだ。ここは野生との境目があやふやだから、夜に野生ポケモンが忍び込んできて食べられるのは特別な話じゃない。昔は用心棒がいたが、今は止めた。だから、仕方が無いんだよ。あんたがそうも気に病む必要は無い」 「でも」アランの握りしめた拳に力が入る。「野生ポケモンに襲われたとは、限らないじゃないですか」  朝の空気には不釣り合いに、二人の間の空気に小さな火花が散る。 「あの傷は、明らかに自然の傷じゃない。食い千切られた跡ですよね。勿論、野生ポケモンによる可能性もあります。だけど、それ以外の理由だって否定できないでしょう」 「トレーナーが意図的にそうしたと?」  低い声で問われアランは硬直したが、老婆からかかる強い圧力に負けじと深く頷く。 「そうだね。確かに可能性は零じゃない。あんたには衝撃的だったろう。だがね、決めつけて行動するには少々直球すぎる」 「ザナトアさんだって、決めつけていることになっていないですか? よくあること、今回もそうだろうと」 「というより、拘る理由が無いかね。これが客のポケモンだったら死因を確認する必要があるけれど、毎回事件性を考慮していたらきりがない」  冷静に断言するザナトアは揺るがなかった。二人の間で散った火花を察知したのか、寝ぼけ眼のフカマルもはたと気が付き、おろおろと二人の間で視線を往復させる。二の句が継げず、アランは沈黙した。 「ま、冷たい奴だと思うのは勝手だけどね」 「いえ……」 「少し、意外だよ。そこまで動揺しているようには見えなかったから、あんたがそうも入れ込むとは。……考えすぎだよ。ちょっと気分を変えたらいいさね。顔でも洗ってきな」  細い手がアランの腰を叩き、横をすり抜けて老婆は二階へと上がっていく。 「ザナトアさん」  丸まった背中に呼びかける。のっそりと階段を上がっていく歩みを止め、振り返ったなんでもない顔に、アランは唇を噛み締める。 「確かに事故のようなものかもしれないですけど、なんだか嫌な予感がしてならないんです。恐いことが起きてしまわないかって」  数秒間ザナトアは言葉を探し、真顔で口を開いた。 「心当たりでもあるような物言いだね」  芯を捉えるような一言を残して、ザナトアは立ち尽くすアランに背を向けた。 < index >
0 notes
azure358 · 4 years
Text
--深海人形-- うむっ、緊急連絡だ〜The Admiralship.
※…以下、自アカ、Twitterより(※一部改変あり ※Twitterログ)
※今回のは、何気にエグい箇所があるぞ(※忠告)。
…では、どうぞ(※結構エグいぞ)。
[[MORE]]
…吉良は、「静かに暮らしたい(※結果無理でした)。」と言いながら、退屈を性癖の女と適当な有象無象への殺しで紛らわしていたんやな?(※確かに吉良は吉良で吐き気を催す邪悪や)。
…『強い者にとって如何退屈をしのぐかは、精神面での死活問題(※強い者ほど常に退屈)』…って言う事例は度々あるよね(※緋での萃香勝利台詞にもあるけど)。
…ワンピ次元では、度々、鷹の目、シリュウを代表として出て来るよね(※強者過ぎて『退屈しのぎガチ勢』になった人達)。
…コーディーは、『退屈しのぎエンジョイ勢(※何が何でも本気にならない)』なので、退屈しのぎに『ガチって(※…って、言うか、生きるか死ぬかのレベルだが…)』貰う為に、虐狂なる極悪上弩の殺し合いへ……(※公式他)。
…『勝ち目の無い相手から逃げる、勝算の無い戦いをしないのは普通(※其れ等を何故か、日本人は忌み嫌う)』と言う認識が、本能的に欠落して居るのは、当の日本人にとっても、致命的なのである、
…吉良は、退屈しのぎを殺人でしてたから杜王町に誅殺されたので、何だかんだ言って実力があって、強いんだよな(※知能、精神的にも割と雑魚とは言えない)。
…鬼殺隊は、モブ ※善逸除く かまぼこ隊柱に至る迄、自分の力量では、勝て無いであろう相手から、逃げ無さ過ぎる、任務放棄し無さ過ぎるから気になった(※矢張り腐っても鯛は鯛か…)。>『勝ち目の無い相手から逃げる、勝算の無い戦いをしないのは普通(※其れ等を何故か、日本人は忌み嫌う)』…と言う認識が〜
…下弦一家戦で無闇に平隊士が死に過ぎなのは、リーダー・隊長格が初めから居ないか、或いは、賢い下弦一家の誰かに、無双のモブ敵将感覚で討ち取られたか、そんな事すら無くて、元々、無能過ぎて、敵に嗤われるくらい、雑魚過ぎたのかの何れか(※…しかも、素で、鬼は群れない生き物なのに一家は此の統率力…)。
…『鬼は基本的に群れない生き物(頭無惨様設計 』なのに(※かの抜群のコンビネーションを見せたやはすさもそうだけど)、此の統率力とか確かに驚異だよね?(※頭無惨様にとってはもっと)
…鬼殺隊は作戦を考える人が、御館様と輝利哉くん以外には、致命的に居ないんだよね(※厳密に言えば、産屋敷一族以外)? …輝利哉くんはようやってる(※…しかし、同族経営なのは何とかすべきだったのでは?)。
…御館様は、鬼殺隊の統率力と戦力を底上げする為に、在郷軍人でも屋敷に招いて、戦術の指導を受け、戦略的視野の構築(※難しい言葉)をすべきだったのでは……?(※真面目に)
…ソ連兵はすぐ兵隊長がやられると、兵員は、降伏するか、軍統率が乱れて兵として使い物にならなかったとあるが、日本兵の場合は、隊長格が死亡しても、残って居る兵は、誰一人として、降伏も混乱も無く、攻撃と作戦を続行して来て驚愕した、又は苦戦を強いられた、…と言う話がある(※WW2での逸話)。
…日本兵は総じて、高度な教育がされ、其の上、識字率が高く、知能が世界的にも標準以上だったからこそ出来た賜物とも(※士官学校卒のエリート階級なら兎も角、末端の兵士でも此れ程高度な教育が施されて居る例は中々無いらしい…)。>隊長格無しでの統率
…軍隊は、もともと、「…食わせて貰ってるだけで有難いと思え(※多く軍隊は救貧策)!」と言う所です(※同じく士官学校もタダの所)、
…ほぼ日本初!英語で命乞い出来る少年、善逸!(※大正最先端)>…もしも、善逸に英語が出来たなら
語学に堪能な長男「…はい、俺、鼻が効くから、他所の言語についても詳しくなれるんです!(※←分からん)」
…ワイの嫁推しは、女と結婚した方が幸せになれるのばっかりやで()
…コーディーとかテリーとか、(※鬼畜 米英系が、実際、ゲーム中で喋る(※英語版のみ)、…御前等、ネイティブで此う喋っとんのかい……?(※謎の感慨深さ)」……と言う、あの感覚(←※…これ、分かる人おりゅ?)。
…派手柱は興味無いけど、普通に使えると思う(※英語以外も)。
…派手柱は仏蘭西語西班牙語羅甸語好きだろうね、派手だから(※……派手柱故の理由)。
…善逸、都会の異人さんから、ネイティブ発音で沢山喋ってる、其の方々の(※ほぼ実質直伝)、英語を勝手にリスニングして、凄まじい英語の使い手になってたりしてたらそれはそれで……(※頑張った分、モテると良いね……? 白い目 英語で流暢に命乞いする日本人にしかならないと思う)
…何故、多く、日米で声優違う、CV変えるんかなー?と思う。…日本の声優さんは、割と英語出来る人多いだろうにね?(※…今度から、英語出来る人から、声帯一緒にした方が良いと思います! 個人的に)。
…某帰国子女さんに、それ一番して欲しい(※ >英語出来る声優)。
…『無辜の民』は『Innocence people(※直球訳)』て訳すだけなんだよね……(※東��の情緒は犠牲になって居るの�� ※情緒ェ…)。
…ネイティブの英語話者が良い、ネイティブの英語圏民が良い(※選り好み)、
こいつ様「…誰か、詳しく、もっと難しい英語を教えてよ頼むよ〜〜(※迫真)」基地ガイ「…呼んだか?(←※…何故、御前何だよ?)」こいつ様「…御前は要らん。Stay away.(※冷酷)」
…童磨はすぐ英語覚えて使い熟すだろうな(※…しかも、流暢に異人相手に …頭無惨様は、英語より独逸語の方が適性あるかも?(※鬼滅は皆日本に引き篭もって居るようなもんだし、語学等不要とか言うでない!!)
…英語とは何ぞ?西班牙語蘭語とは何が違うのか??と大真面目に訊いて来る黒死牟おじさん(※……だけど、最初から、外国の言語には興味無いだろうな…… ※…夢ぐらい見させてくだち……)。
…頭無惨様は、頭無惨だし、独逸語くらい分かるよね?(※……ほら、英語とか分かって当然だし……)
…良いんだよ、心の貧しい奴は一生貧乏でいろ(※…それに、戦争が始まれば、全て解決するだろう)、
【募集】とかげのおかあさんを乗りこなす人類の男(※クラス・ライダー枠)…潜水艦とは違うんだぞ(※何方かと言うと水上艦)。
…リザードン(とかフライゴン ワイバーン枠 に乗って、FEのドラゴンナイト(※或いはワイバーンナイト)する輩(※槍剣等装備)が、ポケモン次元に現れ無いのは何故だ?(※ポケモンライドはケースとして除外)
?「…ふふっ……?震え慄くが良いぞ?(※フライゴンに乗った彼奴)」
…親友suica(※親友テレカの亜種 ※日常使いにどうぞ)。
…真人にグニィされた人達を『グーニィーズ(※順平他)』…って、表現するのは、耐えられない(※腹筋が)。
…『魂の輪郭(※発案者:一つ目猫先生)』と言う概念は、私には斬新過ぎた(※偶像崇拝に繋がるので)。
…『無為転変』は、『真人が直接触れた対象の魂の輪郭を無理矢理捻じ曲げて形(※物理)を変える』ちう技なので、・魂の輪郭を把握する事 ・必要なだけの霊的な力を持って居る事 ・物資に干渉してその形を変形させる事 が出来れば積尸気の蟹座君も技術次第で出来るようになるかも?(※…是非、小宇宙:コスモを燃やそう)。
…真人、機械グニィ出来るんかな……?(※…呪具系も、そうだけど、自分の魂を侵入させて無理矢理グニィはアリかも…)。
…未だに、中東(※…少し前迄は東欧も)を荒らして、軍需産業で金儲けしてる国があるんですってね?(※欧米 ※特にアメリカ)
…WWIもWWIIも太平洋戦争もベトナム戦争も酷い酷い、…と人は言うが、ナポ公戦争の時代も酷いぞ(※…当たり前だけど、戦争は全部酷いです、一つ残さず……)。
…本気で敵を苦しめようと思ったら、モスクワ焼いたり(2/3が焼失 自国民もだが自国籍の捕虜すら巻き込んで大陸軍を焼殺さす)、…それどころか、村も町も無数に焼いて、現地民が、攻めて来たフラカス諸共、数え切れないくらいに大勢餓死、凍死するような行動力見せないと駄目(※…おそロシア…… ※…不屈の大国帝政ロシア、全力でナポ公を苦しめる)
…諦めた方が良い。戦争についての話に対して(※当アカを見る上で推奨)。
ーーあなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない ーーマタイ6:24
…元彼元カノ感覚で、簡単に、『前ジャンル』、『過去ジャンル』捨てるヤツの(特に腐��系のミーハー 気が知れない(※御前等のようなのは恩知らずで無能者だ)、…自分にとって、用済みなら簡単に相手を裏切る薄情者だから、こんな様なのですか?(※煽りの呼吸!)。
…私にとって、『ジャンル移動(※…と言うか、新ジャンル攻略)』は、『泊地・寄港先(※…鎮守府は既に獲得)』が増えるだけ(※…余程、道徳的・倫理的にもイカれてる、頭に寄生虫湧いてる住人の常駐する界隈・クラスタで無い限り、ずっと)。
…北斗と男塾は『泊地・寄港先(※…界隈・クラスタが余りにも最低、地獄レベル)』としては廃止の方向で(※会議で押し通す ※何の会議だ)、
…私が今迄、楽しませて貰った、楽しんでる、此の人生に於いても大事な、ユーザーの一人として入って、出会ったコンテンツは、そう言うの全部、全部(※但し何事にも例外有り)、『大主宮共栄圏(※誰が何と言おうと大主宮共栄圏!!!!)』だから(※ネトウヨが表現の自由を行使すると此うなると言う例)
…そんなに、『大東亜共栄圏』と言う概念が嫌なら、こちとら、『(こいつ様式 一帯一路(※これでも問題ありな気がするが)』でも良いんだぞオラ?(※……これの方が良いんかワレ?)
…借りた金を返さないのは、人として最低(※人のポケモンを〜)。
…苦無で首を……とにかく苦無で自害するニンジャ基地ガイ(※サムスピ並自決行為)と、それを見た、市長の話がしたくて……(※今時の売れ筋漫画に影響受け過ぎた)。
「親には魔王が見えないの?」
「親には魔王のささやきが聞こえないの?」
「親にはあれが見えないの?」
親には魔王が私をつかんでいるのが分からない
親は、今も魔王が私を苦しめる事を無視する
其の親の子である私は息絶えた
…良いんだよ、落伍者はくたばれば(※満面の笑み)。
限界腐さんの呟きで打線組んだww(※最終調整版)
1左 薄い本下さいww(※なるべくタダで)
2捕 今日も推しが貴過ぎてしんどいww(※語彙力)
3右 推しカプ最高ww(※…で?)
4二 今日の飯ww(※写真付き)
5中地雷垢ミューブロしたったww(※画像付き)
6遊 現パロ最高やでww(※原作無視の代表格)
7三 ワイの素顔やww(※…等と自撮り画像)
8一 それ地雷です><(※←自衛しないの?)
9投 腐女子は辛いよ(※リア充アピール画像付きの呟き多めのアカウントで)
…サマオは親をあっさりと殺した奴だぞ?(※…それより、猿として二匹を殺処分したと書いた方が近い)
…海外で人気ある物と、海外人気出したい物で軽率コラボすると、割と効果あるぞい(※助言)、
…果たして、禰豆子は、自分の『禰』の字を書けるのか?(※此の漢字だけ、矢鱈難しいのは何故か)。
…へぇ?貴方、英語分からない日本人なのってマジ?是空とか言うジジイでも使えるんだぞ?(※煽りの呼吸)
…Tumblrに上げる方は、わりと万人向けに調整してる(※本当だよー)。
…『強さ=魅力』でしかない(※筈)。
…暇と強さを持て余し過ぎると、神話の神じみていく(※Megalomaniac)。
…夏油も五条も余裕と強さを持て余し過ぎて、神話の神じみていく(※Megalomaniac)。
Hey,folks.I hate The War.I have a hatred of The War.
0 notes
tsukubadtmblog · 7 years
Text
「TDL_BEST -2016.09~2017.08-」ライナーノーツ
Tumblr media
SAWです。お待たせしました!今年のTDL.BESTです!
exp.15「夜空と君と」〜 exp.fresh「Fresh Energish Splash」(有償CD含む)の中からTDL会員たちの投票によって選ばれた17曲をどうぞお聴きください!
exp.27「TDL. BEST -2016.09~2017.08-」- 10月EP by Tsukuba DTM Lab.
Tr.01 rejection - Our voices
(from exp.15 夜空と君と/2016.09)
この曲の公開からもう一年経ったんですね…。僕はこの頃まだエレクトロ曲というものをほとんど書いたこと無くて、「Magical Stage」で初めてバンドサウンドを使わない曲を作ったんですけど、そこでエレクトロ楽曲も楽しいなと思い始めて、早くも「エレクトロとバンドサウンドの融合」というイメージで書き始めたのがこのOur voicesです。
その頃Aviciiとかを聴いていて、ああいうメインストリームなEDMのイントロ感で始めたいとは思っていました。あとはドロップですが、トラップなリードとメタルコアのブレイクダウンは絶対に合うと思ったのでぶち込んでみました。
歌詞に関しては、アルバムのタイトル「夜空と君と」というのが先にあったので、そこから膨らませて宇宙と自分自身という対比をイメージして書きました。たぶん今までで一番パパッと早く書いたと思います。
余談ですが、この曲は去年の雙峰祭で石の広場で実際にバンド演奏しました。そういう意味でも色々と思い入れのある曲です。 (rejection)
Tr.02 現代のサムライたち - サムライサンライズ 
(from exp.19 サムライサンライズ/2017.01)
2017年の夜明けを告げた曲。
「押してダメならさらに押せ!!死ぬときは前のめり!!」という哲学をまさに体現しているのではないでしょうか、手前味噌ですが。
一歩踏み出すとき、"夜を明け"るときこの曲を聴いて勇気を貰ってます、手前味噌ですが。(Wsword)
忍忍(ニンニン)! あっ、間違えた。
拙者、作詞作曲侍の喜納華(きなふぁ)と申す。お見知りおき下され。 そも、筑波に名高い二刀流(ダブルソード)、都築陵佑殿の案じられた「侍さんらいず」なる文句に感嘆。拙者の脳裏に閃光、急ぎ筆を走らせ、書き留めたる旋律にて候。 都築殿の世に訴えんとする「現代の武士道」を、共に慧曲留(エクセル)作詞術にて練り上げたる次第。武士の魂を込めた都築殿の歌声、いかにも誇り高き一太刀の如くにて候。 義太亜(ギター)を遊ばされる山羊殿も加わり、心震わす演奏と、百戦錬磨の編曲術により拵えたるは、実に(げに)天晴な一曲。恐悦至極、これぞ作詞作曲侍の本懐にござる。 仕上げに塩を少々。 拙者も得心の一曲。現代の侍たちよ、いざ、聞こし召されよ! (kinaphar)
狐が打ち、山羊が整え、二刀流が詠む (CAPRa)
冒頭のナレーション役の塩です。ナレーションの依頼、お待ちしております。(塩)
Tr.03 corok-Bb - V!vid Lights
(from Happy Pandemix!/2017.04/M3-2017春)
Tr.04 rejection - Sweet Sweet Valentine Day
(from exp.20 百菓繚乱/2017.02)
このEP「百菓繚乱」の企画が持ち上がった時、「2月EPでお菓子がテーマ…バレンタインソング書くしかないやろ!」と思って提出したのですが、僕以外でバレンタインソングは誰もいなかったですね…。
ちょうどその頃めちゃくちゃポップでキャッチーに振り切った曲を作ろうと思っていたので作曲自体はサクサクできました。 でんぱ組のでんでんぱっしょんが大好きなのでそのイメージで書きました。 歌詞ですが、まずサビ頭の「今すぐに抱きしめて!」がメロディと一緒に出てきて、そこから膨らませました。 オタクなのでピュアな乙女の気持ちになるのはめちゃくちゃ難しくて結構作詞は悩みましたね。 当然そんな歌詞を自分で歌えるわけがないので、ボーカルは僕ではなく後輩のぱらしに依頼しました。奇跡的な曲とのハマり具合がすごいので是非聴いてください。 (rejection)
Tr.05 黒染めブラザーズ - The Never Beginning Story feat. yasuhira
(from JOYPARADISE/2017.03)
この曲はにこいちくんとの合作です。この曲も色々と思い入れが強いです…。聴くとジョイポリスで遊んだ思い出とか就活前のあの不安感とかを一気に思い出してエモくなりますね。
曲に関しては、まずにこいちくんがピアノで弾いた音源とボカロのボーカルデータを送ってくれて、そこから僕がバンドサウンドにアレンジしました。 にこいちくんらしい切なさはありつつも全体的に明るく前向きな雰囲気の曲だったので、なるべく原曲の良さを壊さないように頑張りました。 といいつつも曲作りに関しては特に悩むことなくサクサクできていきましたね。送られたメロディがとてもよかったので。 結果、本人には腰が痛くなるほど気に入ってもらえたようなのでとてもほっとしました。
ちなみにボーカルはやすひらくんが歌ってくれています。曲に負けないくらい熱く歌ってくれたので最強の仕上がりになりました。 (rejection)
近所の川で釣った魚を料亭の板前に投げたら立派なお造りになって出てきた、といった感じの曲です。全部rejectionとやすひらくんのおかげです。ありがとう。 各々頭の中でオリジナルのアニメOPを再生しながら聴いてもらえるとしっくり来るかなと思います。 この曲についてつらつら書いてるので読みたい人は↓ (nicoichi)
Tsukuba DTM Lab. 突発ep JOYPARADISE に曲を出したので感想を書く - その① - ありふれた話をするよ
Tr.06 shicom & corok-Bb - Rotary World feat. rejection
(from exp.16 X-over/2016.10)
合作EPということで、ころけー先輩と合作させてもらいました!
曲の形はほとんどころけー先輩に作っていただいて、僕はサビとその他一部メロディを担当しました。サビは特に、ころけー先輩の音作りも相まってTHE・EDMなメロディができたかなと思います。リジェクションパイセンのボーカルも神。
ベスト盤収録嬉しいです、やったぜ。 (shicom)
この曲はころけーとshicomくんとの合作ですね。といっても曲はころけーとshicomくんが作ってくれたので僕はボーカルのみです。
僕が歌うことになった経緯ですが、ころけーとdim.さんと僕で牛角に行った時に、ころけーが今作ってる曲を僕に聴かせてくれて、この曲のボーカルを探していると言われたので僕が引き受けたのがきっかけです。 ころけー自身が歌った仮ボーカル音源のキーが若干低めだったので、勝手に1オクターブ上で歌って送ったところ、ころけーがびっくりしたというエピソードがあります。
この曲のボーカルを録音した時はかなりのびのびと歌えて調子が良かったので楽しかったです。 曲もアンセム感バリバリでかっこいいので是非聴いてください。 (rejection)
Tr.07 corok-Bb - Future Busterz
(from Intersect the Future/2017.08/C92)
Tr.08 tukumo99 & Wsword - Since
(from exp.16 X-over/2016.10)
あの光はもう見えないけれど輝いていたあの日確かに
Wswordとの合作で、先に曲のテーマを決めていたので、ガッツリエモくするつもりで書きました。
ギターやストリングスを入れたりと当時やらないことを曲に盛り込んでかなり新鮮でした。 (tukumo99)
「いくら時が過ぎ去ろうともも、あの日キミにときめいていた事実は消え去ることがない」というコンセプトで書きました。
"あの光はもう 見えないけれど輝いてた あの日確かに"
この歌詞を書いて一年が経ちました。もう二度と同じものは書けないと思います。 (Wsword)
Tr.09 siu & Wsword - Σ of Signal
(from exp.trap TRAPMISSION/2016.12)
人生で初めてトラップ作ったんですけど、普通に楽しかったのでまた作りたいです。ラップ部分はWswordくんに丸投げしたんですけど、なかなかいい感じにキメてくれました。
ちなみにほとんどの音は VPS Avengerで鳴ってるので気になった人は検索してみてください。 (siu)
テーマは「機械論」。 情報学、そして落合先生の「コンテンツ応用論」で受けた講義に影響を受け書きました。 書きながら病みそうになりました。というか病みました。(Wsword)
Tr.10 tukumo99 - Moving in Rapture
(from Happy Pandemix!/2017.04/M3-2017春)
テーマが「ハッピー」ということだったので、
箱で音楽聴きながらキマりながら暴れまくる感じをイメージして書きました
FutureBassが書きたかったんですけどいつも通り4つ打ちになったりワブル突っ込んだりハードコアしたりと結局好き放題な感じになりました。 (tukumo99)
Tr.11 corok-Bb - Innovate The Future feat. Wsword
(from exp.23 サウンドハラスメント/2017.06)
「未来を信じろ」というテーマで書いてほしいという依頼内容と「いまを生きろ」という自分の哲学の中で悩み抜いた曲。
実は『Rotary World feat.rejection』と真逆になるようにRap詞を書き下ろしたので、同じアルバムに収録されるのは感慨深いものがあります。(Wsword)
Tr.12 kinaphar vs dim. - Operation_ALTAIR
(from exp.24 Alternative Current/2017.07)
地球の没落とその後の混乱を乗り越えた人類は2801年をDTM暦1年と改め、テクノ連邦を樹立した。
そのDTM暦も800年を数えようという頃、人類は、テクノ連邦の腐敗を正すと称して議会を解体し、皇帝と門閥貴族による専制体制を確立したミニマル朝テクノ帝国と、その圧制に抵抗する目的で建国された民主共和主義の自由アートコア同盟、国交のない2大国の間に入って交易ルートと利益を独占するEDM自治領という3勢力に別れて長い抗争を続けていた。 (−−中略−−) 時にDTM暦796年、テクノ暦487年。
ディムンハルトとキナ、後に銀河最高の名将と讃えられる両者は、アルタイル星域にて邂逅を果たす。
僕が「こんなアートコア作りたい!」という雑な下書きをdim.さんに投げつけて(ごめんなさい)、あとの編曲・ミックス全部dim.さんにやってもらいました(神)(ごめんなさい)。
dim.さんと「銀河英雄伝説」観たノリ引きずってタイトル決めました(↑の駄文元ネタ)。 音楽ゲーム制作大会「BOFU2017」に、この曲で参戦!
Hassakuさんに神ムービーつけてもらいました(観て!!)↓ (kinaphar)
▼[BOFU2017] Operation_ALTAIR / kinaphar vs dim. (movie : Hassaku) - YouTube
youtube
BOFU2017会場内ページ(ここからDL&プレイできます)
【BOFU2017 - LEGENDA EST A MYTH - 詳細情報】 No.125 "Operation_ALTAIR / kinaphar vs dim. " - TEAM : すごいンゴねぇ~
kinapharに任せました。(dim.)
Tr.13 Crystarhythm - 百菓繚乱
(from exp. 20 百菓繚乱/2017.02)
「♪恋の花は今咲き乱れ――」 うたって たのしい! わふう エレクトロ ポップ だよ! みんなで げんきに うたおうね!
うたのおねえさん:かさねテト きょくのおにいさん:きなふぁ おとのおにいさん:しう                 (kinaphar)
ミックスとエフェクトの一部を担当しました。和風曲のミックスは笛が特に重要だと思ってるので、綺麗に聞こえるように頑張りました。TDLBEST収録用にミックス見直したんですけど、ボーカルのEQ処理が今では思いつかないようなことをしていて見返してなかなか面白かったです。 (siu)
Tr.14 楽団ガーネット - Dropsの主題による幻想曲
(from exp.21 Rebirth/2017.03)
メェメェ (canacel)
Tr.15 Crystarhythm - ゆめかげ
(from exp.i 虚無2/????.??)
しがみついてはいけない影。 浸っていてはいけない幸せ。 裏を知ってはいけない言葉。
曲についての詳細なメモ → http://meimoukinase.blog.fc2.com/blog-entry-177.html
(kinaphar)
ミックスとドラムの一部を担当しました。幻想感と激しさを両立させるのがとても難しく、ミックスにめちゃくちゃ時間かかりました。サビのピアノの美しさとギター, ブレイクビーツの激しさの対比をぜひ聞いてみてください。この曲に関してはまりえるさんに歌ってもらったバージョンがニコ動にあがってるのでそ��らも聞いてみてください。 (siu)
▼[ゆめかげ feat.marielle【オリジナルMV】 by Crystarhythm 音楽/動画 - ニコニコ動画]
【ニコニコ動画】ゆめかげ feat.marielle【オリジナルMV】
Tr.16 tukumo99 - encounter with
(from Intersect the Future/2017.08/C92)
FutureBassコンピだったので今度こそはと思ったんですがこれも完全に手癖が出てますね。
C92新譜ライナーノーツ記事で色々言ってるのでそちらを参照してほしいですが何が言いたいかというと
やっぱ4つ打ちは最高だな。(tukumo99)
Tr.17 shi - Perverse Syndrome!!!
(from oriental breeze/2017.08/C92)
まさかこの曲が……って感じですね、、、作曲の経緯などは前回のライナーノーツを読んでください〜! (C92新譜「Intersect the Future」「oriental breeze」ライナーノーツ - Tsukuba DTM blog)
ベスト盤唯一のアホっぽ曲枠になってしまいましたけど、楽しい曲なので是非聴いてください!!! (shi)
さて、あなたのお気に入りは入っていたでしょうか?
この他にも素敵な曲はまだまだたくさんあります。
ぜひあなたの独断で、自分だけのTDL.BESTを作ってみてください!
https://tsukubadtm.bandcamp.com/
0 notes
kozuemori · 3 years
Photo
Tumblr media
今日の東京は、先ほどまで雨模様でしたが、今は明るい日差しが出てきています。台風がダブルで接近していますので、沖縄と、台風が接近、上陸する予報が出ている地域にお住まいの方は、十分にご注意ください。
昨日、お昼頃に外出したら、環七沿いの歩道や、歩道橋に人だかりが。オリンピック開会を祝うブルーインパルスが飛んでいる時間帯と知っていたので、私も歩道橋に上がってみると、一分もしないうちに西の空から一機、また一機と現れました。編隊を組んでいなく、バラバラに飛んでいたのが不思議だったのですが、丁度五輪のマークを描く場所だったようで、そのうちそれぞれが異なる色の輪を大きく旋回しながら描き始めました。雲もあり、風も強かったので少し見えづらく、あっという間に消えてしまいましたが、周りにいた見知らぬ人たちとおしゃべりしながら、57年ぶりに空に浮かんだオリンピックのシンボルを見届けました。
開会式も家族とオーストラリアの友人と一緒に観ました。緊急事態宣言中のコロナ禍であり、ギリギリまで波乱含みでもあった東京オリンピックの開会を支えてきた人々の、努力と想いが集結した内容でした。開会式のテーマは“心でつながる”で、コロナウイルスの脅威の中、日々を過ごす世界の人々に向けて、希望を感じてもらいたいというメッセージが込められていたそうです。また、大会として、以下の3つのビジョンが挙げられています。
1. 全ての人が自己ベストを目指す
2. 一人一人がお互いを認めあう多様性と調和
3.  未来への継承
この3つは、霊性開花の学びにも共通しています。過去の出来事から学び、未来へ向けてさらなる大きくて明るい光を灯し続けていくことは、今、この一瞬一瞬を、できる限り精一杯生きることで実現します。
26日に開催する一日ワークショップでは、過去世にフォーカスしたレクチャーと実習をメインにしています。資料を作成していたら、いつものように途中でノリノリになってきました。レクチャーでは、スピリチュアリズムにおける過去世の歴史や、過去世の記憶はどのようにして現れるのか、過去世を知る鍵や、過去世を知るための大切な質問などの内容を用意しています。また、誘導瞑想と様々なテクニックを使いながら過去世を紐解いていく、いくつかの実習も用意しています。お申し込み及びお支払いの締め切りは、明日15時までとなります。皆様のご参加をお待ちしています。お申し込みはこちらからどうぞ。
昨日開催したスピリチュアル・フライデーでは、なんとか参加者全員にメッセージをお伝えすることができました。また、参加者の方々から好きな本、おすすめの本を紹介していただいたり、私が最近読んだ本やおすすめの本も紹介したりと、楽しい時間を過ごすことができました。デモンストレーションでは、いつものようにスピリットからの愛や光に触れながら、私も一緒に癒されていました。明日も久しぶりにサンデーサービスを担当いたします。光の世界とともに過ごす時間は、1週間の疲れを癒し、また新たな日々への原動力となります。皆さまのご参加をお待ちしています!
ご参加は以下のURLからどうぞ。約5分前からご入室いただけます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7/25 サンデー・サービス 時間: 2021年7月25日 12:30 PM
https://us02web.zoom.us/j/89261866683
ミーティングID: 892 6186 6683
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Soul Journey 〜インナー・ライトとの出会い〜
7月26日(月) 午前10:00〜17:00(お昼休憩1時間)
8月29日(日) 午前10:00〜17:00(お昼休憩1時間)
同日ともに同じ内容です
料金:会員8,000円・非会員10,000円
講師:森 梢
瞑想経験者ならどなたでもご参加いただけます
この6時間ワークショップの目的は、ミディアムシップを行う時や、人生におけるさまざまな選択肢に向き合う時に妨げとなる、さま���まな思い込みや固定概念、従来の価値観というフィルターから解放され、自分の本来の魂の輝きである『インナー・ライト』を取り戻してゆく事です。
それらのフィルターが、いつ、どこで、なぜ作られたのかを、過去世や今世と向き合うことを通して知ることは、来世へと繋がる魂の旅路『Soul Journey』を理解することでもあります。
ミディアムシップは、他者、相談者に対して行うだけのものではありません。 自分自身にとって必要なアドバイスを得ることにも、その能力は発揮されます。
また、自分自身の魂を磨き、その価値を知ることにも繋がりますし、得意分野を知り、伸ばすことにも役立ちます。
このワークショップでは、主に過去世をテーマとしたレクチャーと、自分の中の光に気づく実習を用意しています。 あなたの『インナー・ライト』が、さらに輝きを放ちますように。
◉ このワークショップは以下のような方に向いています
・ミディアムシップに興味がある
・サイキックとミディアムの違いを知りたい
・ミディアムシップを行うのに必要な条件が知りたい
・自分の思い込みや固定概念に気付きたい
・過去世において作ったフィルターや課題に向き合い、現世での学びにつなげたい
・現世において作ってきたフィルターや課題に向き合い、来世での学びにつなげたい
・自分の得意分野が知りたい、または伸ばしたい
・ミディアムシップにおける無意識なコールドリーディングを避けたい
・グラウンディング、サイキックプロテクションについて知りたい
・スピリットからのメッセージと自分の想像の違いを知りたい
・自分のミディアムシップを向上させたい
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Prime90 マントラ、正しく唱えていますか?
2021年7月28日 19:30〜21:00
参加費:会員2,000円・非会員2,500円
説明:アイイスのオールレベルクラス、マスタークラスやサンデーサービスで唱えているお馴染みの3つのマントラ、「ガーヤトリーマントラ」「平和マントラ」「ガナパティ神への祈り」について、改めてじっくりと学ぶ90分です。正しい発音・意味・効果を理解し、高次元の波動に近づき、その恩恵に触れ、聖なる道具として役立ててゆきましょう。クラス受講者以外の、マントラに興味がある方のご参加も歓迎します。
0 notes
kozuemori · 3 years
Link
東京は昨日梅雨明けしました。例年より短い梅雨だったようです。雨の被害が出ている地域にお住まいの方は、十分に気をつけてお過ごしください。
今週、夏学期の各Zoomクラスの担当日を終えました。実習では素晴らしい成績を残した方が多く、あとは通信クラスを残すのみです。通信クラスも熱心な方ばかりで、レポートを読んだり、質問に答えたりするのが楽しいです。今学期は担当クラスやイベントが増え、アイイスの講師として新たな挑戦に挑んだ3ヶ月となり、たくさんの学びや気づきがありました。アウェアネスクラス最終回で行った誘導瞑想の、質問を変えたバージョンをYouTubeにアップしましたので、よかったら夏休みの間にご活用ください。
この3ヶ月間、今まで以上に誘導瞑想のビデオを製作したり、実習内容を考えたりとアウトプットが多かったので、夏休みの間はインプットに専念したいと思っています。先日、久しぶりにいつもの書店で本を何冊か購入してきました。Kindleやオーディオブックも試しましたが、現物を読む方が性に合うようです。私にとって読書とは、文字の上に視線を走らせながら、紙の質感や香り、ページをめくる所作など、視覚以外への刺激も含めた行為のようです。オーディオブックは誘導瞑想に通じる部分があり、作者自身が朗読している本もありますので、聴覚優先の方にとっては楽しい読書法だと思います。7月23日のスピリチュアル・フライデーでのスピリチュアルトークでは、読書についてお話しする予定です。お勧めの書籍や、最近読んだ本などをご紹介いたします。また、参加者の方々からも、お勧めの本をシェアしていただきたいと思っています。
先日、『乳児には大人の見えないものが見える』という記事を見つけました。コメント欄には経験談が色々と寄せられていて、興味深いです。私もこのブログで、子どもの頃一緒に遊んでいた『バーバパパ』のような見えない友達のことを書きましたが、私の娘にもそんなエピソードがあります。道の端を歩きたがらないので、危ないよ、というと(見えない)人にぶつかると言ったり、廊下とリビングルームを隔てるドアを閉め、見えない人たちが入らないようにお願いするのが常です😂また、家族でたまにサイキックゲームをするのですが(例えば、電車やバスに乗っていて、次の駅で乗車する人の特徴や、一番早く下車する人を当てっこする)娘の正解率が一番高いです。
近代スピリチュアリズムも、ケイトとマーガレットという二人の少女が直接霊と交信したことから始まっています。小さな子どもは常識や慣習、先入観とは無縁です。また、純粋な好奇心から霊と交信するのが特徴で、自分の能力を試したり、ひけらかしたりするような目的はありません。ですから、霊も安心して通信してくるのだと思います。また、霊との直接の交信は人間側からの意思表示から始まります。高次の波動を持つ霊ほど、謙虚で礼儀を重んじます。それは人間関係でも同じです。勝手に目の前に現れたり、体や声を使ったりしませんし、無礼な態度を取ったり、怖がらせることもありません。ミディアムになって約5年経ちますが、怖い思いをした事は全くないと断言できます。こちらからお願いした、必要な時間の間だけ、スピリットは現れます。そういうルールをきちんと守ってくださるのです。もし、怖い思いを一度でもしていたら、もうとっくにミディアムを辞めていたでしょう。また、デモやカウンセリングの中で、いわゆる『除霊』が必要だと感じたこともありません。魂の学びは、自由意志と自己責任の上で開花していくものだからです。ですから、安心してアイイスで学んでいただきたいと思います。
イベントやワークショップはアイイスのサイトからお申し込みください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7月23日(金)15:30〜17:30 スピリチュアル・フライデー
料金:1回 会員 2,000円 非会員 2,500円
当日13時までご参加を受け付けています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Soul Journey 〜インナー・ライトとの出会い〜
7月26日(月) 午前10:00〜17:00(お昼休憩1時間)
8月29日(日) 午前10:00〜17:00(お昼休憩1時間)
同日ともに同じ内容です
料金:会員8,000円・非会員10,000円
講師:森 梢
瞑想経験者ならどなたでもご参加いただけます
この6時間ワークショップの目的は、ミディアムシップを行う時や、人生におけるさまざまな選択肢に向き合う時に妨げとなる、さまざまな思い込みや固定概念、従来の価値観というフィルターから解放され、自分の本来の魂の輝きである『インナー・ライト』を取り戻してゆく事です。
それらのフィルターが、いつ、どこで、なぜ作られたのかを、過去世や今世と向き合うことを通して知ることは、来世へと繋がる魂の旅路『Soul Journey』を理解することでもあります。
ミディアムシップは、他者、相談者に対して行うだけのものではありません。 自分自身にとって必要なアドバイスを得ることにも、その能力は発揮されます。
また、自分自身の魂を磨き、その価値を知ることにも繋がりますし、得意分野を知り、伸ばすことにも役立ちます。
このワークショップでは、主に過去世をテーマとしたレクチャーと、自分の中の光に気づく実習を用意しています。 あなたの『インナー・ライト』が、さらに輝きを放ちますように。
◉ このワークショップは以下のような方に向いています
・ミディアムシップに興味がある
・サイキックとミディアムの違いを知りたい
・ミディアムシップを行うのに必要な条件が知りたい
・自分の思い込みや固定概念に気付きたい
・過去世において作ったフィルターや課題に向き合い、現世での学びにつなげたい
・現世において作ってきたフィルターや課題に向き合い、来世での学びにつなげたい
・自分の得意分野が知りたい、または伸ばしたい
・ミディアムシップにおける無意識なコールドリーディングを避けたい
・グラウンディング、サイキックプロテクションについて知りたい
・スピリットからのメッセージと自分の想像の違いを知りたい
・自分のミディアムシップを向上させたい
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Prime90 マントラ、正しく唱えていますか?
2021年7月28日 19:30〜21:00
参加費:会員2,000円・非会員2,500円
説明:アイイスのオールレベルクラス、マスタークラスやサンデーサービスで唱えているお馴染みの3つのマントラ、「ガーヤトリーマントラ」「平和マントラ」「ガナパティ神への祈り」について、改めてじっくりと学ぶ90分です。正しい発音・意味・効果を理解し、高次元の波動に近づき、その恩恵に触れ、聖なる道具として役立ててゆきましょう。クラス受講者以外の、マントラに興味がある方のご参加も歓迎します。
0 notes
kozuemori · 3 years
Photo
Tumblr media Tumblr media
東京はまだ梅雨入りもしていないのに、今週は30度を越す真夏日もあり、寝具や衣類などの夏支度を整えていました。紫陽花もまだまだ美しい姿を見せてくれていますね。今の季節、香りに誘われながら、近所のクチナシを見つけるのも楽しみのひとつです。
今週もマントラクラスやサイキックアート、カウンセリング(写真は今週行ったサイキックアートのセッションから)をしながら、あっという間に過ぎていきそうです。今日はこれからインナー・ジャーニーのクラスです。マントラクラスでは、生徒さん達が皆熱心に何度も発音を練習したり、一生懸命暗記したりして正確な発音に近づこうと努力しています。日本語にない発音は、最初は少し難しいかもしれませんが、口の中の筋肉が慣れていくと、スムーズに発音できるようになると思います。そして、今学期に習ったマントラのうちの一つでも、気に入ったマントラ、唱え続けたいマントラ、波長の合うマントラに出会っていただけたら嬉しいです。マントラは思考の道具です。ですから、クラスが終わった後も、できればずっと使い続けていただきたいのです。そうすると、さらに使いやすい、使いこなせる道具となり、ご自身を見守ってくれる存在になっていくのです。
今回のサイキックアートクラスでは、キュビズムの手法を使った自画像に挑戦していただきました。キュビズムでは、既存の常識や画法から離れ、概念の世界を自由に表現します。自分自身に向き合い、遊び心を生かしながら大胆に描いていただきました。私もクラスの前に、自画像をキュビズムで描いてみました(写真2枚目)。そして、いつも楽しみにしている宿題は、今回も力作ばかりでびっくり!次回もとても楽しみです。
コロナ禍で家で過ごすことが多くなったため、ペットを飼う人が増えたり、反対に経済事情による飼育放棄が増えているというニュースが目に止まりました。我が家の近所の緑道では犬を散歩させている人をよく見かけますが、どんな犬種が今人気があるのか、どんなペットグッズが流行っているのか等、最新のペット事情がわかり、興味深いです。私も今まで犬や猫、インコなどのペットを飼ってきましたが、野良犬が我が家に居座ったり、野良の親猫が子猫を置いていったり、友人からヒナを譲り受けたりと、自然なご縁で出会ったペット達でした。最後まで責任を持って、家族の一員として可愛がるのであれば、ペットショップで種類や年齢を選んで買うことを否定しません。けれど、ペットブームに乗ったり、寂しいからとか、子どもの遊び相手が欲しいなどの自分本位な動機で飼い始めるなど、動物の命を軽率に扱う人が多いことが問題視されています。他の国では、犬や猫の生体販売を禁止しているところもあり、同じような問題が過去に起きていたことがわかります。ペットの里親募集をしているサイトをみると、里親になるための条件や手続きが厳しいところが多く、お金を払えば連れて帰れるという、ペットショップでの簡単な手続きとは対照的です。デモンストレーションやリーディングでも、お身内や知人のスピリットと同様に、光の世界に旅立った犬や猫が現れることも多く、無条件の愛を注ぎ続け、常に見守っていることを教えてくれます。今後きちんと法が整い、ペット達が家族同様に幸せに暮らせるようになることを願います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Prime90 「シンボリック・メッセージ」
6/23(水)19:30〜21:00 
料金:2,500円(会員2,000円)
講師:森 梢
日常の生活や瞑想・夢の中で霊界からもたらされる、様々なシンボルとそのメッセージについて学びます。
主なシンボルとそのメッセージの紹介や、メッセージ・リーディングにも挑戦していただきます。
レクチャー:
・色や数字のメッセージ
・行動や出来事のメッセージ
・自然のメッセージ
・人物や生き物のメッセージ
・抽象概念のメッセージ
・スピリチュアルなメッセージ
実習:メッセージ・リーディング
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Soul Journey 〜インナー・ライトとの出会い〜
7月26日(月) 午前10:00〜17:00(お昼休憩1時間)
8月29日(日) 午前10:00〜17:00(お昼休憩1時間)
同日ともに同じ内容です
料金:会員8,000円・非会員10,000円
講師:森 梢
瞑想経験者ならどなたでもご参加いただけます
この6時間ワークショップの目的は、ミディアムシップを行う時や、人生におけるさまざまな選択肢に向き合う時に妨げとなる、さまざまな思い込みや固定概念、従来の価値観というフィルターから解放され、自分の本来の魂の輝きである『インナー・ライト』を取り戻してゆく事です。
それらのフィルターが、いつ、どこで、なぜ作られたのかを、過去世や今世と向き合うことを通して知ることは、来世へと繋がる魂の旅路『Soul Journey』を理解することでもあります。
ミディアムシップは、他者、相談者に対して行うだけのものではありません。 自分自身にとって必要なアドバイスを得ることにも、その能力は発揮されます。
また、自分自身の魂を磨き、その価値を知ることにも繋がりますし、得意分野を知り、伸ばすことにも役立ちます。
このワークショップでは、主に過去世をテーマとしたレクチャーと、自分の中の光に気づく実習を用意しています。 あなたの『インナー・ライト』が、さらに輝きを放ちますように。
◉ このワークショップは以下のような方に向いています
・ミディアムシップに興味がある
・サイキックとミディアムの違いを知りたい
・ミディアムシップを行うのに必要な条件が知りたい
・自分の思い込みや固定概念に気付きたい
・過去世において作ったフィルターや課題に向き合い、現世での学びにつなげたい
・現世において作ってきたフィルターや課題に向き合い、来世での学びにつなげたい
・自分の得意分野が知りたい、または伸ばしたい
・ミディアムシップにおける無意識なコールドリーディングを避けたい
・グラウンディング、サイキックプロテクションについて知りたい
・スピリットからのメッセージと自分の想像の違いを知りたい
・自分のミディアムシップを向上させたい
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Prime90 マントラ、正しく唱えていますか?
2021年7月28日 19:30〜21:00
参加費:会員2,000円・非会員2,500円
説明:アイイスのオールレベルクラス、マスタークラスやサンデーサービスで唱えているお馴染みの3つのマントラ、「ガーヤトリーマントラ」「平和マントラ」「ガナパティ神への祈り」について、改めてじっくりと学ぶ90分です。正しい発音・意味・効果を理解し、高次元の波動に近づき、その恩恵に触れ、聖なる道具として役立ててゆきましょう。クラス受講者以外の、マントラに興味がある方のご参加も歓迎します。
0 notes
kozuemori · 3 years
Text
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
今日の東京は日差しが眩しくて、とてもいいお天気でした。最近は、色とりどりの紫陽花を見ながらお散歩するのが楽しいです。今週も5つのクラスにカウンセリングと、あっという間に過ぎ、気がついたら6月がすぐそこまで来ています。
今学期から2回担当する事になったトランスクラスでは、ゆっくりと無理なくトランス状態になっていただけるような効果や表現を意識した、誘導瞑想や実習を体験していただいています。トランスでは自分の声や体温などの肉体の感覚がいつもと違って感じられたり、周りの環境の変化も敏感に感じるようになります。最初はその変化に戸惑ったり、抵抗を感じたりするかもしれませんが、回数を重ね、徐々に慣れていくにつれ集中力が付き、環境の変化にすぐに引っ張られるようなことがなくなってゆきます。そして、トランスの後は心身ともにスッキリすることが多いです。トランスの間は、自分自身の作ったこだわりやしばり、思い込みから自由になり、自分の内なる静けさと幸福感に触れていられるからだと思います。あと一回の夏学期の担当クラスを、共に楽しみたいと思います。
また、2回目となるサイキック・アートクラスでは、宿題作品のレベルの高さにびっくり!初心者の方にも気軽にご参加いただけるようにカリキュラムを組んでいますが、秋学期のサイキックアートクラスのご受講を検討中の方が、この作品を見てプレッシャーに感じないといいのですが…😅次回の宿題作品を見るのが楽しみです!サイキックアートは、描けば描くほど絵が上達するという保証付きのクラスですが、従来の絵画教室と違い、絵が上手になることだけを目的とはしていません。サイキック・アートはスピリットとの共同作業ですので、その絵に触れた人、そして描いた本人にも癒しの効果が生まれます。ですから、サイキック・アートはヒーリング・アート。今学期はそんな目的にも焦点を当てた内容にしたいと思っています。
そして、本日最後のクラスのインナー・ジャーニーでは、他のクラスの誘導瞑想とは少し趣の異なる、ちょっと大胆な瞑想にチャレンジしていただきました。また、このクラスでは瞑想の後に時間が余ったら、追加でミニ実習やミニレクチャーのおまけを付けています。今日のおまけは、瞑想の各段階についてのレクチャーでした。楽しんでいただけたなら嬉しいです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7月28日のPrime90の内容が決定しました!クラスで唱えている3つのマントラ、なんとなくこんな発音かな?という感じで唱えていませんか?今からでも遅くありません、一緒にマントラのブラッシュアップを目指しましょう!
Prime90  マントラ、正しく唱えていますか?
2021年7月28日 19:30〜21:00
参加費:会員2,000円・非会員2,500円
説明:アイイスのオールレベルクラス、マスタークラスやサンデーサービスで唱えているお馴染みの3つのマントラ、「ガーヤトリーマントラ」「平和マントラ」「ガナパティ神への祈り」について、改めてじっくりと学ぶ90分です。正しい発音・意味・効果を理解し、高次元の波動に近づき、その恩恵に触れ、聖なる道具として役立ててゆきましょう。クラス受講者以外の、マントラに興味がある方のご参加も歓迎します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Soul Journey  〜インナー・ライトとの出会い〜  
7月26日(月) 午前10:00〜17:00(お昼休憩1時間) 
8月29日(日) 午前10:00〜17:00(お昼休憩1時間)
同日ともに同じ内容です  
料金:会員8,000円・非会員10,000円  
講師:森 梢  
瞑想経験者ならどなたでもご参加いただけます   
この6時間ワークショップの目的は、ミディアムシップを行う時や、人生におけるさまざまな選択肢に向き合う時に妨げとなる、さまざまな思い込みや固定概念、従来の価値観というフィルターから解放され、自分の本来の魂の輝きである『インナー・ライト』を取り戻してゆく事です。 
それらのフィルターが、いつ、どこで、なぜ作られたのかを、過去世や今世と向き合うことを通して知ることは、来世へと繋がる魂の旅路『Soul Journey』を理解することでもあります。  
ミディアムシップは、他者、相談者に対して行うだけのものではありません。 自分自身にとって必要なアドバイスを得ることにも、その能力は発揮されます。 
また、自分自身の魂を磨き、その価値を知ることにも繋がりますし、得意分野を知り、伸ばすことにも役立ちます。  
このワークショップでは、主に過去世をテーマとしたレクチャーと、自分の中の光に気づく実習を用意しています。 あなたの『インナー・ライト』が、さらに輝きを放ちますように。  
  ◉ このワークショップは以下のような方に向いています   
・ミディアムシップに興味がある 
・サイキックとミディアムの違いを知りたい
・ミディアムシップを行うのに必要な条件が知りたい 
・自分の思い込みや固定概念に気付きたい 
・過去世において作ったフィルターや課題に向き合い、現世での学びにつなげたい 
・現世において作ってきたフィルターや課題に向き合い、来世での学びにつなげたい 
・自分の得意分野が知りたい、または伸ばしたい 
・ミディアムシップにおける無意識なコールドリーディングを避けたい 
・グラウンディング、サイキックプロテクションについて知りたい 
・スピリットからのメッセージと自分の想像の違いを知りたい 
・自分のミディアムシップを向上させたい  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Prime90 「シンボリック・メッセージ」
6/23(水)19:30〜21:00 
料金:2,500円(会員2,000円)
講師:森 梢
日常の生活や瞑想・夢の中で霊界からもたらされる、様々なシンボルとそのメッセージについて学びます。
主なシンボルとそのメッセージの紹介や、メッセージ・リーディングにも挑戦していただきます。
レクチャー:
・色や数字のメッセージ
・行動や出来事のメッセージ
・自然のメッセージ
・人物や生き物のメッセージ
・抽象概念のメッセージ
・スピリチュアルなメッセージ
実習:メッセージ・リーディング
0 notes
groyanderson · 4 years
Text
ひとみに映る影シーズン2 第二話「高身長でわんこ顔な方言男子」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 最低限の確認作業しかしていないため、 誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
☆キャラソン企画第二弾 青木光「ザトウムシ」はこちら!☆
དང་པོ་
 時刻は十四時三十分。MAL五八便が千里が島に到着してから既に五分以上経過した。しかし乗客はなかなか立ち上がれない。体調を崩して客室乗務員に介抱される人や、座席備え付けのエチケット袋に顔を突っ込んでいる人も見受けられる。機内に酸っぱい臭いが充満してきたあたりでようやく、私達したたびチームを含め数人がフラフラと出口に向かった。  機体と空港を繋ぐ仮設通路は『ボーディングブリッジ』というらしい、という雑学を思い出しながらボーディングブリッジを渡る。ある先輩俳優がクイズ番組でこれを『ふいごのトンネル』と珍回答して笑いを取っていたけど、なるほど確かにこれはふいごのトンネルだ。実際に歩きながら、言い得て妙だと感じた。  空港に入って最初に目についたベンチに佳奈さんが横たわった。ドッキリ企画の時から着っぱなしだったゴシックタキシードのボタンを外し、首元のヒラヒラしたスカーフで青い顔を拭う。 「うぅ、吐きそう……もらいゲロかも……」 「おいおい、大丈夫ですかぁ? トイレまで歩けます?」  一方ケロッとしているタナカD。口先では心配しているような言い草だけど、ちゃっかりカメラを回し始めた。 「やめろー撮るなぁー! ここで吐くぞー……うぅるぇっ……」 「ちょっと、冗談じゃなく本当に吐きそうじゃないですか! 大惨事になる前にトイレ連れてってきます」  私は佳奈さんに肩を貸してトイレへ向かう。タナカDの下品な笑い声が遠のいていった。洋式の個室で彼女を降ろし、自分も二つ隣の空いている洋式個室に入る。チャンスだ。まず壁にかかったスイッチを押し、滝音と鳥のさえずりが合わさったエチケット音声を流す。次にトートバッグから小さなクナイ型の物を取り出す。これは『プルパ龍王剣(りゅうおうけん)』という密教宝具だ。私が過去に浄化した悪霊を封じこめてあり、そいつから何時でも力を吸い出す事ができる。 「オム・アムリトドバヴァ・フム・パット」  口を閉じたまま、他人に聞こえるか聞こえないかギリギリの声で真��を唱える。すると、ヴァンッ! プルパは私から黒々とした影を吸い上げ、龍を刺し貫いた刃渡り四十センチ程のグルカナイフ型に変形した。 「う……うぅ……」  プルパに封印された悪霊、金剛倶利伽羅龍王(こんごうくりからりゅうおう)が呻き声を漏らす。昔こいつは人を呪ったり、神様の振りをして神社を乗っ取ったり、死んだ人の魂を監禁して怨霊に育てたりと悪行の限りを尽くしていた。ご立派な名前に似合わず、とんでもない奴だ。 <機内での騒動を聞いていたな。あの毛虫みたいな化け物は何だ?>  影を介したテレパシーで、私は威圧的に倶利伽羅に囁く。ついでに壁のボタンを押し直し、エチケット音を延長。 「ア……? 俺様が知るわけがぼがぼぼごがぼごがガガガ!?」  しらばっくれようとした倶利伽羅の顔を便器に沈めて水を流した。 <どこからどう見てもお前と同類だったろうが! その縮れた灰毛、歯茎じみて汚い皮膚、潰れた目! もう一度問う。あれは何だ?> 「げ、っほ、うぉ゙ほッ……! あ、あれは散減(ちるべり)……『母乳を散り減らせし虫』……」 <母乳?> 「母乳とは……親から子へ引き継がれる、『血縁』のメタファーだ。母乳を奪えば子は親の因果を失い……他人の母乳を飲ませれば、子とその相手は縁で結ばれる」  縁。そういえば千里が島の旧地名は散減島で、縁切りパワースポットだったか。あの怪物、散減は、どうやらその伝承と関係があるようだ。それにしても、 <ならその散減とお前には如何なる縁がある? またお前を生み出した金剛有明団(こんごうありあけだん)とかいう邪教の仕業か> 「知らん! だいたい貴様、そうやって何でもかんでも金剛のせいにがぼろごぼげぼがぼげぼろこゴゴポ!!?」  流水。 <資源の無駄だ。節水に協力しろ> 「ゲッ、ゲエェーーッ! ゲホガホッ! 本当に知らな」 <それとも次は和式の水を飲みたいか> 「知らないっつってんだろぉ!! 確かに散減も母乳信仰も金剛の叡智だ。だがそれをこの田舎島に伝来したのは誰か知らん! 少なくとも俺様は無関係だ!!」  残念だけど、こいつから聞き出せる情報はこの程度のようだ。私は影の炎で倶利伽羅を熱消毒して、洗面台でプルパと自分の手を洗った。 「ぎゃああああ熱い熱い!! ぎゃああああああ石鹸が染みるウゥゥ!!」  霊的な炎にスプリンクラーが反応しなくて良かった。  ベンチに戻ると、佳奈さんは既に身軽なサマードレスに着替えていた。脱水防止に自販機でスポーツドリンクを買い、大荷物を待っていると、空港スタッフの方が私達のスーツケースを運んできてくれる。 「ようこそおいでなすって、したたびの皆さん。快適な空の旅を?」 「いやあ、それがとんでもない乱気流に入っちゃいましてね。だぶか墜落せずにここまで運んでくれた機長さんは凄いですなぁ」 「乱気流が! ははぁ、そいつぁコトだ。どうか島ではごゆっくり」  尻切れトンボな口調でスタッフの方がタナカDと会話する。これは『南地語(なんちご)』と呼ばれる、江戸の都から南方にあるこの島特有の方言だ。『~をしましたか?』が『~を?』、『~なのです』が『~ので』、といった調子で、千里が島の人は語尾を省略して喋るんだ。 「佳奈さん、私南地語を生で聞くの初めてです。なんだか新鮮ですね」 「千里が島スタイルでは南地語(なっちご)って読むんだよ」 「へえ、沖縄弁がうちなーぐちみたいな物なので?」 「そうなので!」 「「アハハハハ!」」  二人でそれらしく喋ってみたけど、なんかちょっと違う気がする。案外難しい。それより、佳奈さんがちょっと元気になったみたいで良かった。今日この後はホテルで企画説明や島の情報を聞くだけだから、今夜はゆっくり休んで、気持ちを切り替えていこう。
གཉིས་པ་
 空港出入口の自動ドアを開いた途端、島のいやに生ぬるい潮風が私達を出迎えた。佳奈さんがまた気分を悪くしそうになり、深呼吸する。私も機内の騒動で平衡感覚がおかしくなっているからか、耳鳴りがする。 「ともかくお宿に行きたいな……」  そう独りごちた矢先、丁度数台の送迎車がバスターミナルに列をなして入ってきた。特に目立つのは、先頭を走るリムジンだ。白く輝く車体はまるでパノラマ写真のように長い。 「わぁすっごい! 東京からテレビが来たってだけあって、私達超VIP待遇されてる!」 「いえ、佳奈さん、あれは……」  ところがリムジンは大はしゃぎする佳奈さんを素通り。入口最奥で待機していた河童の家一団の前に停車する。すかさず助手席からスーツの男性がクネクネしながら現れ、乗降ドア前に赤いカーペットを敷き始めた。 「どうもどうもぉ、河童の家の皆様! 私めはアトムツアー営業部の五間擦(ごますり)と申します。さあさ、どうぞこちらへ……」  アトムツアー社員は乗車する河童信者達の列に跪いて靴を磨いていく。全員が乗りこむと、リムジンはあっという間に去っていった。 「……あーあ。やっぱ東京のキー局番組じゃないってバレてたかぁ~。リムジン乗りたかったなぁ」 「ただの神奈川ローカルですからね、私達」 「こう言っちゃなんですけど、さすがカルト宗教はお金持ってますなあ」 「タナカさん、今の台詞はカットしなきゃダメですよ」 「あっ一美ちゃん! 私達の、あっちじゃない?」  リムジン後方から車間距離を空け、一糸乱れぬ隊列を組んだバイク軍団が走ってくる。機体はどれも洗練されたフォルムの高級車で、それに乗るライダー達も全員眩しくなるほど美少年だ。 「「「千里が島へようこそ、お嬢様方! アトムツアー営業部ライダーズです!」」」  彼らは私達の目の前で停車すると、上品なダマスク柄の相乗り用ヘルメットを取り出し白い歯を見せて微笑んだ。 「えーっ、お兄さん達と二ケツして行くって事!? やーんどうしよ……」  佳奈さんがデレデレと伊達眼鏡を外した瞬間、 「きゃー!」「ライダー王子~!」「いつもありがとぉねぇー!」  加賀繍さんのおばさま軍団が黄色い悲鳴を轟かせ、佳奈さんを突き飛ばしてイケメンに突進! 一方イケメンライダーズは暴れ牛をいなす闘牛士の如く、キャーキャー飛び跳ねるおばさま達にテキパキとヘルメットを装着し、バイクに乗せていく。ところがおばさま軍団の殿を堂々たる態度で歩く加賀繍さんは、彼らを見るや一言。 「ヘン。どれもこれも、モヤシみたいのばかりじゃないか。コールもろくに出来なさそうだねぇ」  イケメンライダーズには目も合わそうとせず、一番大きなバイクにどかっと着席。バイク軍団は颯爽とリムジンを追いかけていくのだった。 「……あーあぁぁ。やっぱ小心者モデルじゃイケメンバイクはダメかぁ~」 「腹黒極悪ロリータアイドルじゃダメって事ですねぇ」 「加賀繍さんも稼いでるもんなあ。コールですって、きっとホスト狂いですよぉあの人」 「タナカD、その発言OA(オンエア)で流したら番組打ち切りになるよ」  三人で管巻いていると、少し間を置いて次の送迎車が現れた。トココココ……と安っぽいエンジン音をたてて走る小型シャトルバスだ。私としては別に河童の家や加賀繍さん方みたいな高級感はいいから、さっさとホテルで休ませて欲しい。ランウェイを歩いていた午前中から色んな事が起こりすぎて、もうヘトヘトなんだ。「あ、あの……」しかしバスは残酷にも、私達の待つ地点とは反対側のロータリーに停車。玲蘭ちゃんと後女津一家を乗せて去っていった。「あの、もし……」小さくなっていく『アトムツアー』のロゴに、佳奈さんが中指を立てた。私もそれに倣って、親指を 「あの! お声かけても!?」 「ふぇ!? あ、は、はい!」  声をかけられた事に気がつき振り返ると、背の高い男性……を通り越して、日本人離れした偉丈夫がいつの間にか私達の背後に立っていた。しかも恐縮そうに腰を屈めているから、まっすぐ立ったら少なくとも身長二メートル以上はありそうだ。 「遅くなっちまって失礼を。僕は千里が村役場観光事業部の、青木光(あおきひかる)です。ええと、したたびさんで?」 「ええ。しかし、君が青木君かい!? 大きいなあ、あっはっは!」  タナカDが青木さんの胸のあたりをバシバシと叩いた。青木さんはオドオドと会釈しながら後込む。身体が大きいから最初は気がつかなかったけど、声や仕草から、彼は私と同い年か少し年下のようだとわかる。 「あ、あのォこれ、紅さんがいつも髪にチョークされてるので、僕も髪色を。ど、どうです……派手すぎで?」 「あ、ヘアチョークご自分でされたんですか? すごくお似合いですよ!」 「い、いえ、床屋のおばちゃんが! でも……お気に召したなら、良かったかもだ」  青木さんは全体をホワイトブリーチした目隠れセミロングボブを、毛先だけブルーにしている。今日は私も下半分ブルーだからおそろいだ。ただ、このヘアメイクに対して彼の服装はイマイチ……素肌に白ニットセーター直着、丈が中途半端なベージュカーゴパンツ、ボロボロに履き古された中学生っぽいスニーカー。確かに、『都会からテレビが来るから村の床屋さんが髪だけ気合い入れすぎちゃった』みたいな情景がありありと目に浮かんでしまう。もうロケそっちのけで青木さんを全身コーデしたくなってきた。 「それより青木君、私達の車は?」  佳奈さんが荷物を持ち上げる。 「え。いえその、言いにくいんですけど……」  青木君は返答の代わりに、腕を左右にスイングしてみせた。まさか…… 「徒歩なんですか!?」 「すす、すみません、荷物は僕が! 役場もコンペに予算とか人員を削がれちまって、したたびさんのお世話は僕一人などと。けど僕、まだ仮免だから……」 「「コンペ?」」  首を傾げる佳奈さんとタナカD。私は飛行機内で聞いた除霊コンペティションの話をかいつまんで説明した。 「困るよぉそれ! 除霊されたらこっちの撮れ高がなくなるじゃんかよ!」 「ゲ、やっぱり! 聞いて下さい青木さん。この人達、宝探し企画とか言っておきながら、本当は私を心霊スポットに連れて行く気だったんですよ!?」 「ええっ肝試しを!? 島のお化けはおっとろしいんだから、それはちょっとまずいかもけど!」  目隠れ前髪越しでもわかるほど冷や汗を流しながら、青木君は赤べこみたいにお辞儀を繰り返す。 「そら見なさい、触らぬ神に祟りなしですよ。私達だけ徒歩になったのだって、きっと罰が当たったんだ」 「そーだそーだ! 青木君に謝れタナカD!」 「なんだと? あなただって紅さんを地上波で失禁させるって息巻いてたじゃないか!」 「佳奈さん!!」 「そこまでは言ってないし!」 「ややや、喧嘩は!」 「あ、気にしないで下さい。私達これで平常運転ですから」  この罵り合いはホテルに到着するまで続く。したたびロケではいつもの事だ。私達は良く言えば忌憚なく話し合える仲だし、悪く言えば顔を合わせる度に言葉の殴り合いをしている気がする。それでも総括的には……仲良しなのかな、どうなんだろう。  空港からホテルへは、石見サンセットロードという遊歩道を行く。海岸沿いの爽やかな道とはいえ、心霊スポットという前情報のせいか海が陰気に見える。船幽霊が見えるとかそういう事はないけど、島の人も霊も全く外を出歩いていなくてだぶか不気味だ。  到着した『ホテル千里アイランドリゾート』はそこそこ広くて立派な建物だった。それもそのはず。青木さんによると、ここは島で唯一の宿泊施設だという。但し数ヶ月後には、アトム社がもっと大規模なリゾートホテルを乱造するんだろう。玄関に到着すると、スタッフの方々が私達の荷物を運びに…… 「って、玲蘭ちゃんに斉一さん!?」 「あっ狸おじさんだ! ……と、誰?」  そうか、普段メディア露出をしない玲蘭ちゃんを佳奈さんは知らないんだった。 「この方は金城玲蘭さん、沖縄の祝女……シャーマンですね。私の幼馴染なんです」 「初めまして志多田さん、タナカさん。金城です。こちらの彼は……」  玲蘭ちゃんが話を振る直前、斉一さんの中にさりげなく、ドレッド狸の斉二さんが乗り移るのが見えた。代わりに斉一さんらしき化け狸が彼の体から飛び出し、 「どうも、ぽんぽこぽーん! 幸せを呼ぶ地相鑑定士、毎度おなじみ後女津斉一です!」  彼はすっかりテレビでお馴染みの風水タレントの顔になっていた。芸能界で活躍していたのはやはり斉二さんだったみたいだ。 「あの、どうしてお二人が?」  客室へ向かいながら私が問いかけると、二人共苦笑する。 「一美、実は……私達、相部屋だったんだ」 「え!?」  すごすごと玲蘭ちゃんが襖を開けると、そこはまさかの宴会場。河童の家や加賀繍さん達で客室が埋まったとかで、したたびチームと玲蘭ちゃん、後女津家が全員大部屋に押しやられてしまったのだという。 「はぁ!? じゃあ私達、川の字で雑魚寝しなきゃいけないワケ!? 男女分けは……まさか、えっこれだけ!?」 「すみません、すみません!!」  佳奈さんが宴会場中央の薄っぺらい仕切り襖を開閉するリズムに合わせ、青木さんはベコベコと頭を下げる。 「やめましょうよ佳奈さん、この島じゃ誰もアトムには逆らえないんですから」 「ぶっちゃけ俺や金城さんも、半ばアトムに脅迫される形でここに連れてこられたんだよねぇ……あ、これオフレコで」 「��やいや狸おじさん、もう全部ぶっちゃけたっていいんですよ。うちのタナカが全責任を負って放送しますから」 「勝手に約束するんじゃないよぉ! スーパー日本最大手の大企業に、テレ湘なんかが勝てるわけないんだから!」 「「「はあぁぁ……」」」  全員から重たい溜め息が漏れた。
གསུམ་པ་
 簡単な荷物整理を終え、したたびチームはロビーに移動。改めて番組の企画説明が始まった。タナカDが三脚でカメラを固定し、語りだす。 「今回は『千里が島宝探し編』。狙うはもちろん、徳川埋蔵金ですからね。お二人には明後日の朝までに、埋蔵金を探し出して頂きます」 「見つからなかったらどうなるんですか?」 「いつも通り、キツい罰ゲームが待っていますよぉ」 「でしょうねぇ」  埋蔵金なんか見つかりっこないのは分かりきっている癖に。完全に出来レースじゃないか。 「もちろん手掛かりはあるよ」 佳奈さんが机に情報フリップを立てかけた。書かれているのは簡略化された千里が島地図だ。 「山の上にあるのが噂の縁切り神社、『御戌神社(おいぬじんじゃ)』。そこから真下に降りたところ、千里が島国立公園のところに書いてあるこのマークが『ザトウムシ記念碑』。一美ちゃんは、民謡の『ザトウムシ』は知ってるよね?」 「もちろん知ってますよ。お店で閉店前によく流れる曲ですよね? あれって千里が島の民謡なんですか」 「そうなの。そしてザトウムシの歌詞は、一説によると徳川埋蔵金のありかを示す暗号だと言われてるんだ!」 「へえ、そうなんですね。じゃあ暗号は解けてるんですか?」 「それはこれから考えるんだよ」 「はぁ……」  なんだか胡散臭い手掛かりだ。 「だいたい、埋蔵金なんて本当にあるんですか? そもそも、千里が島と徳川幕府に関係性が見えないんですが」 「じゃあまずは千里が島の歴史を知るところからだね。青木君ー!」 「はい、ただいまー」  佳奈さんが呼びかけると、大きなホワイトボードを引きずりながら青木さんが画角内に入る。実はさっきから、彼は私達の真横でずっとスタンバイしてくれていたんだ。青木さんはホワイトボードにゴシック体みたいな整った字で『千里が島と徳川家の歴史』と書き、解説を始めた。  千里が島、旧地名散減島。ここは元々江戸時代に都を脅かした怨霊を鎮めるためだけに開拓された地で、その伝説が縁切りや埋蔵金の噂に繋がる起源なのだそうだ。  事の発端は一六七九年。徳川幕府五代将軍、徳川綱吉が男の子を授かった。名を徳松という。しかし徳松は一歳を過ぎても母乳以外なにも飲み食いできず、見るからに虚弱だった。これを訝しんだ綱吉が時の神職者に相談してみると、徳松は江戸幕府征服を目論む物の怪によって、呪われた悪霊の魂を植え付けられていたと判明する。 「物の怪は徳松の体のミルクから、縁を奪ってたんですだ」 「ミルクから……縁?」  既に倶利伽羅から軽く説明を受けていたけど、番組撮影のためにも改めて青木さんから話を聞く。 「昔の伝承じゃ、おっかさんのミルクにゃ親子の縁が宿るなど。ミルクをとられた子は親と縁が切れて、バケモノになっちまうとか。だから徳松は、本能的にいつまでもミルクを」 「へえ、そういう信仰があったんですね」  神職者が提示した儀式は、三歳、五歳、七歳……と二年毎に分けて行われる。魂が完全形成される前の三歳の時に悪霊を摘出し、代わりに神社の聖なる狛犬の魂を素材として魂を作り直す。五歳になったら身を守るための霊能力を与えて修行を積ませ、七歳で悪霊退散の旅に向かわせる。それが幕府と神職者が本来描いていた運びだった。 「ちなみにこれが七五三参りの起源なんだよ……だがしかしィーっ!」  佳奈さんがフリップに貼ってある付箋を勢いよく剥がす! 「デデン! なんと徳松は五歳で死んでしまうのです!」 「えぇ? 七五三参りの起源になった子なのに、七歳まで生きられなかったんですか!?」 「まあ現在の七五三参りは、男の子は五歳しかお参りしませんけどね」  タナカDが画面外から補足した。徳松は修行の途中物の怪に襲われ、命を落としてしまったんだ。それでも彼は物の怪を体内に封印し、二年間耐え抜いた。しかし物の怪は激しく縁に飢え、徳松の精神をじわじわと狂わせる。そして一六八五年、人の縁を完全に失った徳松の魂は大きな狛犬のような怨霊となって江戸中の縁を貪った。徳松に縁を食われた人々は不幸にみまわれ、家族や仕事を失ったり、人間性を欠きケダモノめいて発狂したりと大パニックだ!  ついに諦めた幕府と神職者は、徳松を江戸から追い出してしまう。彼らは江戸中の女性から母乳を酒樽一斗分集め、それを船に乗せて江戸から遥か南の無人島に運んだ。徳松も船を追って海を渡ると、そのまま神職者は島に神社を建て、徳松の魂を神として奉った。以降徳松は悪縁を食べてくれる縁切り神として有名になり、千里が島は今日も縁切りパワースポットとして名を馳せているんだそうだ。 「では一美ちゃん、ここでクイズです! 怨霊事件から更に二年後、一六八七年。怨霊がいなくなった後も徳松の祟りを思い出してノイローゼになっていた綱吉は、ある法律を制定しました。それはなーんだ?」 「え、法律!?」  急に佳奈さんがクイズを振ってきた。歴史は得意でも苦手でもない方だけど…… 「ええぇ、徳川綱吉で法律といえば、生類憐れみの令ぐらいしか……」 「ぴんぽんぴんぽんぴんぽーん!!」 「え、生類憐れみの令でいいんですか!?」 「その通り! 綱吉は犬畜生を見る度に徳松を思い出してしまう! そして祟りを恐れて動物を殺さないように法律を作った。それが生類憐れみの令の真実なのだあ!!」  ババババーン! と、オンエアではここで安っぽい効果音が入るのが想像に難くない。しかし七五三参りだけでなく、あまつさえ生類憐みの令まで徳川徳松が由来だったなんてさすがに眉唾な気がする。 「徳松さんってそんなに歴史的に重要な人だった割には、あまり学校じゃ習わないですね」 「今青木君と佳奈さんが説明した伝承は、あくまで千里が島に伝わる話ですからな。七五三も生類憐れみの令も、由来は諸説あるみたいですよ」  タナカDが蚊に食われた腕を掻きながら再び補足した。すると佳奈さんが反論する。 「でもだよ! もし千里が島の伝説が本当なら、法律にしちゃうほど当時の江戸の人達が徳松を恐れてたって事だよね! だったら幕府は、だぶか大事な物は千里が島に隠すと思うんだ。まさに埋蔵金とか!」 「うーん、百歩譲ってそうだったとしても、それで私達が埋蔵金を見つけて持って行っちゃったら、徳松さんに祟られませんか?」 「もー、一美ちゃんは相変わらずビビりだなあ。お化けが怖くて埋蔵金がゲット出来るかっ!」 「佳奈さん。そんな事言ってると、いつか本当にとんでもない呪いを背負わされますよ」 「その子の言う通りさね」 「え?」  突然、誰かがトークに割り入ってきた。私達が顔を上げると、そこにいたのは加賀繍さんと取り巻きのおばさま軍団。なんてことだ。恐れていた展開、ついにアサッテの霊能者に絡まれてしまった。
བཞི་པ་
 ホテルロビーの椅子と机はフロントより一段低い窓際に位置する。フロント側に立つ加賀繍さんとおばさま方に見下ろされる私達は、さながら熊の群れに追い詰められた小動物のようだ。 「あんた、志多田佳奈だっけか? いい歳して幼稚園児みたいな格好して、みっとみないね。ご先祖様が泣いてるよ」 「ですよねぇ先生、大人なのに二っつ結びで」「嫌ーねー」  初対面で早々佳奈さんを罵る加賀繍さんと、それに同調するおばさま軍団。 「これはゴスロリっていうんですーっ」  佳奈さんがわざとらしく頬を膨らませた。こんな時でもアイドルは愛想を振りまくものだ。 「ゴスロリだかネンネンコロリだか知らないけどね。あんた、ちゃんとご先祖様の墓参りしているのかい? この島は特別な場所なんだから、守護霊に守って貰わなきゃあんた死ぬよ。それこそネンネンコロリだ」  出た、守護霊。日頃お墓参りを怠っていると、ご先祖様が守護霊として仕事をしなくなり不幸になる。正月の占い番組でよく聞く加賀繍さんの常套句だ。更に加賀繍さん直営の占い館では、忙しくてお墓参りに行けない人に高価なスピリチュアルグッズを売りつけているという噂だ。現に今も、おばさま方が怪しい壺やペットボトルを持って、私達をじっとりと見つめている。 「それから、そっちの黄色いの。あんたはちゃんとしてるのかい?」  黄色いの? ……ああ、アイラブ会津パーカーが黄色だから私の事か。佳奈さんは芸名で呼ばれたのに、ちょっと悔しい。 「定期的に帰ってますよ。家のお仏壇にも毎日お線香をあげてますし」  実家では、だけど。ここは彼女を刺激しないようにしたい。 「ふぅんそう。けどそれだけじゃあ、この島じゃ生きて帰れないだろうさ。仕方ないね、今回はあたしが特別にエネルギーを分けてやるよ」  そう言い加賀繍さんは指を鳴らす。するとおばさま方が私達のテーブルからフリップや資料を勝手にどかし、怪しい壺とペットボトル、銀のボウルをどかどかと並べ始めた! 慌ててタナカDが止めにかかる。 「ちょっと、加賀繍さん! 困りますよぉ、撮影中です!」 「はあ? 困るですって!?」 「あなた! 加賀繍先生が直々に御力添えして下さるのを、まさか断るってんじゃないでしょうね?」 「あ、いえ、とんでもございません」 「もー、タナカD~っ!」  しかしおばさま方に気圧されてあっさりと机を譲ってしまった。佳奈さんがタナカDの頭をペチッとはたいた。おばさまの一人がペットボトルを開け、ボウルに中身を注ぎ始める。ボトルには『悪鬼除滅水』という何やら物騒な文字が書かれている。横で加賀繍さんも壺の蓋を開ける。何か酸っぱいにおいが立ちのぼり、佳奈さんが私にしがみついた。 「エッヤダ怖い。あの壺、何が入ってるの!?」  小声で佳奈さんが囁く。加賀繍さんはその壺に……手を突っ込んでかき混ぜ始めた! グシュ、ピチャ、ヌチチチチ。まるで生肉か何かを攪拌しているような不気味な音がロビーに響く。 「やだやだやだ! 絶対生モノ入ってる! まさか、ご、ご、ご先祖様の……ご、ご、」 「ご遺体を!? タナカさん、カメラ止めにゃ!」  気がつくと青木さんまで私にしがみついて震えていた。かく言う私はというと、意外と冷静だ。あの壺や水からは、なんら霊的なものは感じない。強いて言うなら加賀繍さんご本人の中に誰かが宿っている気がするけど、眠っているのか気配は薄い。それより気になるのは、ひょっとしてこの酸っぱいにおいの正体は…… 「ぬか漬け、ですか?」 「そうさ」  やっぱり! 加賀繍さんは壺から人参のぬか漬けを取り出し、ボウルの悪鬼除滅水でぬかを洗い落とした。 「あたしん家でご先祖様から代々受け継がれてきたぬか床さ。これを食えばあんたらも家族と見なされて、いざという時あたしの強力なご先祖様方に守って貰える。ほら、食え」  加賀繍さんが人参を佳奈さんに向ける。でも佳奈さんは受け取るのを躊躇った。 「うわぁ、せ、先祖代々って……なんか、それ大丈夫なんですか?」 「なんだって!?」 「ひい!」 「し、しかしですねぇ加賀繍さん、お気持ちは有難いんで大変申し訳ないんですが、演者に生ものはちょっと……」 「カメラマン、あんたも食うんだよ」 「僕もですか!? いえ、僕はこないだ親戚の十三回忌行ったばっかだから……」 「美味しい!」 「一美ちゃん!?」「紅さん!?」  誰も手をつけないから私が頂いてしまった。これは普通に良い漬物だ。塩気や浸かり具合が丁度よくて、野菜がビチャッとしていない。ぬか床が大切に育てられている事がよくわかる。 「美味しいです加賀繍さん! 福島のおばあちゃんの漬物を思い出しました。佳奈さんも食べてみればいいじゃないですか」 「一美ちゃん案外勇気あるなあ……。じゃ、じゃあ、いただきます……エッ美味しい!」 「でしょ?」 「はははははっ!」  私は初めて、ずっと仏頂面だった加賀繍さんがちゃんと笑う所を見た。 「あんたは本当にちゃんとしているんだね、黄色いの。よく墓参りをする人は、親や祖父母の実家によく帰るだろ。だから家庭の味ってやつをちゃんと知っている。人にはそれぞれ家族やご先祖様がいて、それが良縁であれ悪縁であれ、その人の人生を作るのさ。だから墓参りはしなくちゃいけないんだよ。この島の神様は縁を切るのが仕事のようだけど、あたしゃ自分に都合の悪い縁を切るなんて愚かだと思っているのさ」 「そうなんですね。ちなみに私、紅一美です。覚えて下さい」 「あ? 紅? じゃあ何でそんなに黄色いんだい。今日から黄色ちゃんに改名しな! ハハハハ!」  どうやら私は加賀繍さんに気に入られたようだ。地元を引き合いに出したのが良かったみたいだ。それにしても、彼女の話はなかなか説得力がある。どうする事もできない悪縁を切るために神様を頼るのが間違っているとまでは思わないけど、そうする前に自分のご先祖様や恩人との縁を大切にする方が大事なのは明白だ。彼女がアサッテだからって偏見の目で見ていた、さっきまでの自分が恥ずかしくなった。ところが…… 「じゃあ、これ御力添え代ですわ��ほい」 おばさま方の一人がタナカDに請求書を渡す。するうちタナカDは「フォッ」と声にならない音を発し、冷や汗を流し始めた。あの五百ミリリットルサイズの悪鬼除滅水ボトルに『¥三,〇〇〇』と書かれたシールが貼ってあった気がするけど、人参のぬか漬け一本は果たしていくらなんだろう。それ以外にも色々な手数料が加算されているんだろうな……。 「加賀繍さんにパワーを貰えてラッキー! 果たして埋蔵金は見つかるのか!? CMの後、急展開でーす! はいオッケーだね、じゃ私トイレ!」  佳奈さんは息継ぎもせず早口でまくし立て、脱兎のごとくホテル内へ去っていった。 「あっコラ極悪ロリータ! 勝手に締めて逃げるなぁ!!」 「青木さん、私ぬか漬け食べたらお茶が飲みたくなっちゃったなー!」 「でしたらコンビニなど! ちぃと遠いかもけど、ご案内を!」 「おい青木と黄色! この裏切り者ーーーっ!!」  私と青木さんもさっさと退散する。まあタナカさんには、演者への保険料だと思って何とかして欲しいものだ。でも私は内心、これで番組の予算が減れば今後大掛かりなドッキリ演出が控えられるだろうと少しほくそ笑んでいた。
ལྔ་པ་
 新千里が島トンネルという薄暗いトンネルを抜けた所に、島唯一のコンビニ『クランマート』があった。アトム系列の『プチアトム』ではなくて良かった。私はカフェインが苦手だから紙パックのそば茶を選び、ついでに佳奈さんへペットボトルのピーチサイダーを、タナカDへは『コーヒーゼリー味』と書かれた甘そうな缶コーヒーを購入した。青木さんも私と同じそば茶、『おおきなおおきなエビカツパン』、梅おにぎりを買ったようだ。青木さんが持つエビカツパンは、なんだかすごく小さく見えた。  外は既に夕日も��みかけて、夕焼け空が夜に切り替わる直前になっていた。黄昏時……そういえば、童謡『ザトウムシ』の歌い出しも『たそがれの空を』だったな。私はコンビニ入口の鉄手すりに腰掛け、先程タナカDから渡されたペラペラのロケ台本をめくる。巻末の方に歌詞が書いてあったはずだ。するとタイミング良く、クランマートからも閉店ミュージックとしてザトウムシが流れ始めた……。
【童謡 ザトウムシ】  たそがれの空を  ザトウムシ ザトウムシ歩いてく  ふらついた足取りで  ザトウムシ歩いてく
 水墨画の世界の中で  一本絵筆を手繰りつつ  生ぬるい風に急かされて  お前は歩いてゆくんだね
 あの月と太陽が同時に出ている今この時  ザトウムシ歩いてく  ザトウムシ ザトウムシ歩いてく
 おうまが時の門を  ザトウムシ ザトウムシ歩いてく  長い杖をたよって  ザトウムシ歩いてく
 何でもある世界の中へ  誰かが絵筆を落としたら  何もない灰色を裂いて  お空で見下ろす二つの目
 ああ月と太陽はこんなに出しゃばりだったのか  ザトウムシ歩いてく  ザトウムシ ザトウムシ歩いてく
「改めて読むと、確かに意味深な歌詞だな……」  私が独りごつと、隣の鉄手すりに座ってエビカツパンを咀嚼していた青木さんが口を拭った。 「埋蔵金探しは、したたびさんより前にも何度か。大体皆さんザトウムシ記念碑からスタートされて、『ザトウムシ』という歌詞の数だけ歩くとか、夕焼けの時間にどっちの方角を向くなどと……。けど、それらしい物が見つかったのは一度もだ」 ��そうなんですね」 「そもそもどうしてザトウムシを……徳松さんに縁があるのって、どちらかと言えば犬では? けど何故か、島ではザトウムシを特別な虫だなどと」 「言われてみれば、生類憐みの令といえばお犬様! ってイメージがありますね。……ていうか、なんか、すいません。余所者のテレビ局が島のお宝を荒らすような真似して、島民の青木さんはいい気持ちしないですよね」 「そ、そ、そんな事! だぶか!」  青木さんは慌てた様子で私の方を向き座り直した。 「僕は嬉しいんだから! だって今まで、おっとさんらは島のこと僕に何も教えてくれないし、何もさせてくれなくて。けど今回は、社会人として初めて仕事を任されたので……ので……」  緊張したような様子で青木さんの姿勢が丸まる。コンビニから流れるザトウムシのメロディに一瞬振り返った後、彼はパンの袋を両手で抱えて更に縮こまった。 「……僕だって縁切りやお化けなんか、ただの迷信と。だけどこの島の人は実際、内地に比べてよそよそしいかもだ。何も言わず友達が引っ越してたり、親戚がいつの間にかおっ死んじまってたりなど……。それで内地の人と関われる役場の観光課に入ったのに、アトムさんがリゾート開発おっ始めて公務員は御役御免。僕は島に縁を切られたので?」 「青木さん……」  私も会津の田舎町で育ったから、彼の気持ちはわかる。狭いコミュニティに住む人々は、距離が近いようで時にとても排他的になるものだ。それは多かれ少なかれ互いを監視し、情報共有し合っているから当たり前の事だけど、縁切りで有名なこの島は特にそういう土地柄なのかもしれない。 「したたびさんのおかげで、やっと僕にバトンが回ってきたんだから。僕達で絶対埋蔵金を見つけにゃ。それで島のおっとさん方もアトムも、お化けも霊能者の先生方も……」  青木さんは腰を上げ、猫背をやめて私の前にまっすぐに立った。 「僕達の縁で、みんなを見返してやるんですだ!」  その瞬間、風が彼の重たい前髪をたくし上げた。彼の子犬みたいな笑顔を見た私は初めて、以前雑誌のインタビューで適当に答えた『好きな男性のタイプ』と青木さんが完全に一致している事に気がついたのだった。
0 notes