Tumgik
matecha-blog1 · 7 years
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見殺し姫いろいろ #1006
 今日、見殺し姫を観に行きました。
 あらすじはモデルプレス(https://t.co/WnQqsIr6wT)記載のとおりなのでそのまま引用させてもらいます。
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平安末期。平家の世。
都の外れ、竹林の中、塀に囲まれた屋敷には十二人の姫達(乃木坂46 )が暮らしている。
塀の外は武士が厳重に警護し、外からの侵入者を防いでいる一方、彼女達にも外へ出る自由はない。
屋敷には彼女たち以外に老いた法師(藤木孝)が一人だけいて姫達の最低限の世話をする。
一つ屋根の下、襖を隔てて共に暮らす他の姫達の事情を互いに知らない。
姫達はそれぞれに都に集められた各地の富豪の人質である。
だが、まだ幼い子どもの頃からそんな境遇に置かれているため事情はよく分かっていない。
この屋敷にはおとど(かとうかず子)と呼ばれる女主人が訪ねてくる。
優しいおとどに姫達は実の母のように懐き、その時だけは、十二人の間に互いへの嫉妬が兆す。
だがおとどは時に最高権力者であり、人質として彼女達を都に幽閉している張本人であった。
おとどは病に倒れ、徐々にその死が近いと感じている。
それにつれて栄華を誇った大臣の権力も急速に傾きつつあり、各地に反乱の兆しがある。
おとどは焦り始め、それを察する姫達は初めて互いに結束し、おとどを元気づけようと考え、おとどのための親衛隊「赤兎」(せきと)を結成する。
姫達は屋敷を抜け出し、都の至る所に神出鬼没の密偵となる。
おとどの世に不満を持つ者、反乱を画策するものをあぶりだし、見せしめとして残酷なやり方で制裁する。
純真無垢で一途な姫達の仕事ぶりに迷いはない。
しかし、おとどはとうとう病に倒れ、反対勢力の勢いが増す。
「赤兎」の姫達もそれぞれに色々な状況に巻き込まれていく…。
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 パンフ読むと脚本の松村さんがみんな一斉に面接して物語を当て書きしてったって書いてあるけどまさに全員ハマり役で、とくに狂言回しの汐寝(くぼくん)とか、自分が置かれてる状況を最初っからわかっててなおも受け入れる朱雀(うめざわくん)とか、はつらつとしてなにかあったらいつでも戦えるように!っていつも弓の練習してる多岐都(はづきちゃん)とか、あ~なんかわかるわ~という具合でした。
 物語は藤木孝が語るプロローグから始まって、そこから覗き癖のある沙霧(やましたくん)が汐寝を誘ってほかの姫たちの部屋を覗く、てとこで本編が幕を開けます。笑い上戸の讃良(いわもとくん)の櫛が盗癖のある柊(でんちゃん)の部屋から出てきたってことでしっかり者で委員長気質な浮洲(りりあちゃん)があんたが盗んだんでしょ!って柊を問い詰めてたり、多岐都があまりに元気いっぱい弓の練習するから近所迷惑だし病弱な雅(綾スティー)をちゃんと寝かせてやりたい!弓やめて!って朱雀が叱ったり、このまま閉じ込められてばかりは嫌だ!屋敷から出たい!って人一倍自由を望んでる久遠(よだちゃん)が泣くとポルターガイストみたいなことを起こせる蒼馬(れのちゃん)を説得したうえで泣かせて門開かせて外に出ようとしてたり、それぞれのキャラクター像がわかるように焦点をあてに行ってるイメージ。
 なんといっても、ここのよだちゃんの演技がほんとうにすごかった。もともと発音というか声がしっかりしてて大声出したらよくとおるんだろうな~と思ってたんだけどその通りというかそれ以上というか、久遠の切羽詰まった渇望っぷりを全身使って表現してて、あの瞬間に会場がこりゃすごいものを見てるぞ、みたいなかんじで息をのんだのがわかりました。もともと才能があったのか練習のたまものなのかはわからないけど、18thヒット祈願のスキューバといい、なんにもできない風をよそおって、この子めちゃくちゃ器用なんだな~とおもった。
 閑話休題。この12人の姫たちはあらすじのとおりおとどっていう育ての母親のような女がいて、ふだんは離れたとこで暮らしてるんだけどその日はおとどが顔を見せにやってきた。で、ひさびさに会えてめちゃめちゃ喜んでる。血が繋がってないのは全員理解してるけど、それでもそれぞれがうんと大事に育ててもらったことをわかってるからみんなおとどスキ!みたいなかんじ。
 上までが起承転結の起・承なのかな。で、汐寝がいつもしたためてる日記を柊がいつもの手癖で盗んで好奇心で中身読んでみたら、あんなによくしてくれたおとどが実は12人をここに閉じ込めた張本人で、みんなそれぞれの都からおとどを諫めるための交換条件として寄越された人質だ、っていう記述があって、朱雀もそれを知ってた、てことが発覚した(朱雀いわく「大人になったら気づく」らしいけど、作中のキャラクターの年齢とか詳細は出てないし、汐寝がそれを知った経緯は語られないまま終わるので汐寝は朱雀の言う「大人」に該当するのかはたまた勘のいいこどもなのかは謎)。そのことにみんなエーーッてなって、蒼馬も泣いちゃって、そしたらポルターガイスト起きて門開いた隙に久遠が屋敷の外にひとりで出て行った(正直このあたりとか他にも記述がふわっとしてるところはだいたいうめざわくんをぼーっと見てたせいで記憶が抜け落ちてる)。
 単身でおとどが住んでる屋敷に乗り込んだ久遠はその屋敷内で反対勢力が病で弱ってるおとどの寝首をかこうと狙ってることを知って、こりゃいかん!ってまたもともと幽閉されてた忘れ谷の屋敷に戻って、姫たちにおとどがあぶないって話をし、じゃあみんなでおとど屋敷行って守ろう!ってことになり、なんやかんやあり結束して反対勢力を残酷な方法でぶっ潰す「赤兎(せきと)」っていう集団を築きました。
 なんかもう、この赤兎の反対勢力の潰し方が普通にエグかった。那由他(おおぞのくん)は虫をはじめ生きとし生けるものを愛でていて、常に青虫を肩に乗せて行動してるんだけど、那由他が呼び寄せた大量の蜂ごとその反対勢力をどこかの倉?屋敷?に閉じ込めたり、はたまた扇子でおちょくるように躱したあと初代プリキュア並みに普通にパンチキックでボコボコにしたり容赦なかった。
 わたしはうめざわくんが大好きなのでここで満を持してうめざわくんのはなしをさせてもらうんだけど、扇子戦闘シーンのうめざわくんがやばかった。どうやばいかというと、腕組んで扇子ぱたぱた仰ぎながら舞台のてっぺんから敵を超見下してた。おまけに高笑いしながら。  あ~~~もう最高~~~~~~~という気持ちにしかならなかったし、なんならもしかするとあれを見るためにチケット一般戦争勝ち取ったのかな、と思うレベルで梅澤推しになってからかねてより望んでた光景がそこにあってびっくりした。円盤になったら(というか内臓とかならぜんぜん売るから絶対になってほしい)あそこだけめちゃくちゃ見返すんだろうなと思った。  あと、赤兎前はみんなお着物なんだけど赤兎後はキービジュ(?)の赤い衣装にチェンジしてて、その赤い衣装のままちょっぴりバレエっぽい振りのあるダンスを踊るとこがあるんだけど、そこのうめざわくんのダンスが神がかってた。スカダイサビのおててひらひら~っとさせる振りがやたら上手だったのでもしやと思ってたけど、あのひと、パキパキした動きよりああいうふわ~っとした振りの上手さが尋常じゃない。手足が長いからたいへんだろうにそれを逆に活かして、結果ハチャメチャしなやかな踊りができるの、もうひかえめに言って天才だし妖精さんでしかなかった。舞台が始まってうめざわくんが上手側から出てきた瞬間感極まったのか無意識に涙がキラリしたんだけど、そのダンスのときもそうで、己の感情も気持ち悪さもなにもかもが限界だった。
 閑話休題。反対勢力をボコボコぶっ倒しながら赤兎は屋敷に辿り着いておとどに会うんだけど、病はどうしたって食い止められず、みんなに看取られて最期を迎えることになった。みんな呆然としながら元の忘れ谷の屋敷に戻って、鬱屈した空気が流れるなかこれからどうするよ、ってはなしになるんだけど、ここでさらに雅がおとどの後を追うように病で帰らぬ人になって、これまでなにかと雅を気にかけてた朱雀がついに泣き崩れた。  朱雀はリリウムでいう紫蘭、ラブライブでいう1期の絢瀬絵里ちゃんみたいなポジションで、常に張り詰めた空気を纏っている子��んだけど雅に対してはほんとうにずっと優しくしてて、世が世なら朱雀×雅の本が8億冊くらい出てたと思う。関係性に漂う空気感がなんかちょっとCCさくらのお兄ちゃんと雪兎さんのアレに似てるな~って今書いててはたと気付きました。
 おとどが死んだあとも反対勢力は潰えるどころか勢いを増してて、憎いおとどが育てた→悪魔の子だ!魔女だ!っていう超理論で12人の姫たちも勢力に目をつけられとうとう忘れ谷の屋敷にまで乗り込まれた。みんな蒼馬に泣いてポルターガイスト起こしてやっつけようよ!って提案するんだけど蒼馬はおとどや雅がいない消失感からか冷めちゃったって理由で泣けなくなってそのまま屋敷の外へ行くんだけど、赤兎時代に蒼馬がぶっ倒した一味の残された奴らに捕まって殺されます。首と手足それぞれぶっちぎってばらばらにするっていうエグみのある方法でちょっとキツかったし、デビルマンかよと思った。  その後なおも乗り込もうとする勢力を前に、今度は朱雀が身代わりになって外に出た。どう身代わりになったかというと、その勢力の大将に女として取り入って、この先ずっと男たちを相手にする代わりに撤退するように、というやつで、これがまあ梅澤推し的にほんとうにしんどかった。あまりにもうめざわくんの解釈と一致してて。  朱雀は潔癖というか曲がったことが大嫌いで、いつもぴしっとしてて、正しいことをちゃんと貫き通そうとする反面、先述のおとどは自分らを人質にとってたっていうのを知ってたって言ってたくだりで自分らをずっと幽閉してる相手を愛して受け入れる覚悟が必要みたいな話もしてたし、なんかこう、ずっと背負いっぱなしの人生を歩み続けるキャラクターなんだなっていうのがハチャメチャつらかった。冒頭でうめざわくんに朱雀はハマり役って話をしたけど、ひとりで抱えて生きていきそうなところが解釈一致ポイント8兆点だった。途中あまりにもつらくてぼろぼろ泣いたし、こんなキモい理由で泣くのほんとにキモいな~と思ってさらに泣いた。
 その後やってきた別勢力の筆頭はかつて讃良を差し出した一家の兄で、讃良を連れ戻そうと屋敷の外から呼びかけるんだけど讃良も蒼馬とおなじく冷めちゃったって理由でずーーっと笑ってたのに屋敷を一歩出たそのときからもう一生笑わない子になって、さらに浮洲も讃良の後を追って屋敷を出て、讃良の兄軍の男たちに取り入りましたとさ、みたいなかんじだった。このあたりのキャラの顛末の順番はちょっとあやふやだけどそのあとはワイ、戦うやで!って外に出た多岐都とその後を握砂(さかぐちくん)が追ったり、那由他はあるときからずっと部屋に籠りきりで、心配になった柊が様子を見に行ったら那由他は青虫になってて柊はその餌になったっていうここだけ謎に江戸川乱歩ワールドだった。
 で、残された汐寝・久遠・沙霧は3人で屋敷の外に行くんだけど三叉路でそれぞれ別れて、沙霧は好奇心の赴くままの方向へ、久遠は鍛錬だか努力が必要な方向へ、ときていちばん最後汐寝の語りのシーンになったときに握砂(予知した未来を絵に描ける)が多岐都と外に出る前にもらった絵巻をみたらそこには12人の姫たちとおとどと藤木孝が幸せそうに笑っていました、というラストだった。
 ストーリー展開が途中ちょっと早くないかな?って思うところとかはちょこっとあったけど、人質・幽閉・ストックホルム・見せしめの制裁・生と死などなどあまりにも扱う題材が重過ぎたし、これを演じきった3期生全員、ほんとうにかっこよすぎた。アイアの座席硬すぎて尻が開幕早々助けを求めてたけど、それがなかったらたぶんずーっと席から立てなかったくらい余韻がすごかった。わたしはプリンシパルを知らないからその時からどう成長したかとかはわからないけど、こんだけ堂々と難しいお芝居を初日からやれるってとんでもないことだな~と思うし、3期推しのひともそうじゃないひともみんなにこれを見てほしいなと思うし、そうなると円盤出すしか方法がないと思うので、ソ神ニーミ神ュージ神ック神にはぜひともご検討のほど頂きたく存じますね…。
追記:座席、3列目上手側いちばん端だったけど一切見切れなかったので、これから参加される方はご参考までに。
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