supernegative - Tumblr blog

supernegative · 3 years

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2021-5月号

毎月8日発行　アンビグラム作家の皆さまに同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin（アンビグラム研究室室長）です。

『アンビグラム』とは「複数の異なる見方を一つの図形にしたもの」であり、逆さまにしたり裏返したりしても読めてしまう楽しいカラクリ文字です。詳しくはコチラをご参照ください⇒アンビグラムの作り方/@2r96

◆今月のテーマは「対語」です◆

今月は参加者の皆様に「対語」からイメージする語句でアンビグラムを制作していただきました。アクロバットタイポが今月も集結しました。

それでは赤川氏の作品からご覧ください。

『ドラゴンクエスト ⇄ ファイナルファンタジー』　　　 @赤川広幸氏　

回転共存型。　「ドラゴンクエスト」を90°回転させると「ファイナルファンタジー」と読めるレタリングです。双璧の組み合わせですね。この文字数のアンビグラムは圧巻です。めちゃめちゃ最高ですね。

『破壊 ⇄ 創造』　@YOSTEBITS™氏

回転共存型。　「破壊」を90°回転させると「創造」と読めるレタリングです。　「造」と「破」の「口」部分を対応付けたのが素晴らしいです。文字を魔改造するアンビグラムの面白さがたっぷり伝わってくる傑作だと思います。遥か昔、漢字を発明した蒼頡が密かに文字デザインに籠めた秘密を解き明かされたような作品です。

『促成 ⇄ 抑制』 @douse氏　

回転共存型。　「促成」を180°回転させると「抑制」と読めるアンビグラムです。語句の組み合わせとしてはアンビグラム化は難しい字形同士ですが髭文字の特性を極めて上手く利用して髭の伸びを使った書法で可読性を上げてますね。髭は全て3本髭ですがこれは縁起の良い書き方です。昔から髭の数は奇数にすると良いとされています。

『硬軟』　　　 @ヨウヘイ氏

鏡像型。　｜軸の鏡面対称。「硬」を鏡に映すと「軟」と読めるアンビグラムです。

『背 ⇄ 腹』 @douse氏　

回転共存型。　「背」を165°回転させると「腹」と読めるアンビグラムです。douse氏のレタリングには天性のものを感じます。抜群の安定感、文字列によってギミックや書体を使い分けるオールラウンダーですね。

『しろ ⇄ くろ』　　 @伊藤文人氏

回転共存型。「しろ」を180°回転させると「くろ」になるアンビグラムです。　とてもスマートで無駄のない対応解釈です。見せ方も非常に分かりやすくて面白いです。

『あお ⇄ あか』　　 @伊藤文人氏

回転共存型。　「あか」を180°回転させると「あお」になるアンビグラムです。暖色／寒色、火／水のイメージですね。他にもリトマス試験紙赤鬼青鬼などいろいろと対になった色の組み合わせです。アンビグラム化が難しい字形ですが巧みに対応付けていて凄いです。

『的矢』　 @kawahar氏

交換型。　左右のパーツを入れ替えると「的」が「矢」になる珍しいアンビグラムです。　横に繋げれば連綿と続くパターンになります。発想力が素晴らしいです。

『天使 ⇄ あくま』　 @海氏

回転共存型。「天使」を180°ひっくり返すと「あくま」になるアンビグラムです。見事な対応解釈だと思います。「使／あく」「天／ま」で対応してるのですが計算された配色、字の形状の巧みさに驚きました。　この「天使⇄あくま」の回転型はいとうさとし氏による先行作品もあります※link。

『天国と地獄』　　 @lszk氏

回転型。　180°回転させても字面は不変で同じように読めます。大正時代の映画題字のような大胆に略された字形が凄くカッコいいです。　

『極楽 ⇄ 地獄』　　 @意瞑字査印氏

鏡像共存型。　／軸の鏡面対称。「極楽」を鏡に映すと「地獄」になる鏡文字。意瞑字査印氏とoyadge01氏は以前、「極楽⇄地獄」の180°回転型を制作していましたが鏡像でも試したようです。

『送迎』　　@増池誠史氏

鏡像型。　／軸の鏡面対称。「送」を鏡に映すと「迎」と読めるアンビグラムです。　　　以前月刊アンビグラムに「送／迎」の90°回転は登場したことがありますがなるほど鏡像のほうが正解かもしれません。増池氏の漢字アンビグラムを毎回美しいです。

『断続』　　　 @黒目氏

回転型。　「断」を180°回転させると「続」になるギミックです。字形を見ると常人にはアンビグラム化不可能なタイプですが黒目氏の手にかかればこのとおりです。実はよめるアンビグラムとは最初から字形のほうが味方してくれていてそれを見つけることができれば誰にでも作れます。アンビグラム作家はある文字を組み合わせるとき一番読みやすい対応を探します。文字によってはそれが鏡像の場合もあるし180°回転にしたほうが読みやすい場合も、また図地反転にした方が良い場合もあります。　黒目氏は字形を選り好みせず何でも作ってしまう真の意味でのアンビグラム作家だと思います。

『雷神／風神』　　@いとうさとし氏

図地反転型。「雷／風」の図地だけでも上手く成立していますね。遠目で見るとより図地反転作用が起こります。　「神／神」のほうも面白いですよね。何でも図地化できると言われてるようです。

『今昔』　　 @peanuts氏

回転型。　　180°ひっくり返しても同じ形状のアンビグラムロゴです。落ち着いた配色がとてもクールな一作です。

『古今』

回転型。　「古」を180°回転させると「今」と読める美しい仕上がりのアンビグラムです。筆致に未来感がありSF映画に登場する架空企業ロゴを彷彿します。

『柔能制剛 ⇄ 剛能断柔』　 @兼吉共心堂氏

回転共存型。「柔能制剛」を180°ひっくり返すと「剛能断柔」になるアンビグラムです。　対応解釈を見ると文字の混じり方がとても面白いです。氏の作品はアンビグラムの醍醐味を味わえます。

『片道／往復』　　 @lszk氏

振動型。　そのままで「片道」にも「往復」にも見える空目を利用した錯視アンビグラムです。騙し絵の要領と同じです。　遠目で見ると「片道」、近くで見ると「往復」に見えてくる不思議なレタリングです。

『鍵／錠・key／lock』　　　　 @TALAF氏

振動型。　　そのままで「鍵」とも「錠」とも読めます。この振動型アンビグラムは回転の必要はなく不動のまま2通りの読みを与えた錯視文字で騙し絵と同じ原理の文字遊びです。　アルファベットの方も「key」「lock」両方に空目するように作字されています。振動型は作るのが難しいので作例が少ないアンビグラムジャンルです。ブラックレター調の装飾文字が良い雰囲気を出していますね。この書体は小説「天使と悪魔」でもお馴染みでアンビグラム作字に適しています。

ちなみアルファベットの180°回転アンビグラムはほぼ解析済みでアンビグラムジェネレータが存在します。　

『戦争 ⇄ 幸福』　　 @あらたかな氏

回転共存型。　「戦争」を180°ひっくり返すと「幸福」になるアンビグラムです。　戦争が幸福に影を落としているクールなレイアウトです。毎回見事なレタリングです。

最後は私の作品を

『彼我』　　　　@igatoxin

鏡像型。＼軸の鏡面対称　「彼」を鏡に映すと「我」になるアンビグラムです。

「対語」をテーマにしたアンビグラム祭いかがでしたでしょう。対義語アンビグラムは、アンビグラム作字の花形王道と言っていいでしょう。

御参加いただいた作家の皆様には深く感謝申し上げます。　

さて次回のお題は『医学』です。　ドラッグ、薬草、オペ、サイバネティック、ナノ、看護士、ブラックジャック、など、参加者が自由に「医学」というワードから発想連想してアンビグラムを作ります。

締切は5月31日、発行は6月8日です。それでは皆様来月またお会いしましょう。

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2017年 4月{ミステリー} 5月{音楽}　 6月{童話} 7月{食} 　　　 8月{宇宙} 9月{回文} 10月{GAME} 　 11月{TOY} 　 12月{駅}

2018年 1月{書初め} 　 2月{蟲} 　 3月{映画} 4月{色彩} 5月{対語} 　 6月{アイドル} 　 7月{数学} 8月{恐怖} 9月{メカ} 10月{神} 11月{スポーツ} 12月{どうぶつ}

2019年 1月{書初め} 　 2月{地図} 3月{漫画} 4月{職} 5月{都市伝説}　 6月{速度}　　 7月{道具}　　　 8月{文學} 9月{デパ地下}　 10月{漢字４文字}　 11月{学校} 　　 12月{怪物}

2020年 1月{書初め}　 2月{ART} 　　 3月{気象} 4月{ギャンブル} 5月{カワイイ} 6月{建築}　　　　 7月{まつり}　　 8月{音楽} 9月{植物} 10月{ファンタジー} 11月{お笑い} 12月{時事}

2021年 1月{書初め} 　　2月{夜}　　 3月{わびさび} 　　 4月{日常}

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supernegative · 5 years

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2019-7月号

毎月8日発行　アンビグラム作家の皆さんに同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin（アンビグラム研究室室長）です。

◆今月��テーマは「道具」です◆

7月号の参加者は　 [赤川広幸氏、ロボット氏、意瞑字査印氏、あらたかな氏、 lszk氏、ヨウヘイ氏、 kawahar氏、かねこあみ氏、YФU氏、ottwo氏、兼吉共心堂氏、いとうさとし氏、フロクロ氏、サボンテ氏、葛飾出身氏、Leje氏、ぴにょん❦氏、黒目氏、伊藤文人氏、 igatoxin ] の20名。

参加者の皆様に「道具」から連想する語句でアンビグラムを作っていただきました。

まずは赤川氏の作品からご覧ください。

『どこでもドア』　 @赤川広幸氏

回転型。180°ひっくり返しても同じ字面。ドラえもんのひみつ道具からのチョイス。　ちなみに作者の赤川氏は西荻「喫茶凸」のマスターでもあります。

『石』　　@ロボット氏

内包型。「STONE」の中に「石」が内包されています。石は正に道具の中の道具。ラッコも石で貝を割りますね。

『ノートパソコン』　　@意瞑字査印氏

回転型。　ひっくり返しても同じ字面のアンビグラム。シンプルな設計。

『目的と手段』　　 @あらたかな氏

回転型。　180°回転させても同じ文言です。道具は目的を達成する手段ということですね。本作は目的と手段の転倒も示唆していてとても知的な作品です。

『ナイフ／フォーク』　　 @lszk氏

振動型。無回転で「ナイフ」にも「フォーク」にも読める不思議文字です。この文字なら左右どちらに置いても間違いはありません。

『CHOPSTICKS』　　 @ヨウヘイ氏

回転型。　チョップスティックス(箸)の180°回転アンビグラムです。

『御手茂登(おてもと)』　 @kawahar氏

回転型。180°回転させても同じ字面。読み仮名こみでアンビグラム化されているところがミラクルです。

『どうぐ』　　@かねこあみ氏

旋回型(回転+振動)。複数対応でもありパターンを繋げれば連綿の続く文字組みも可能なアンビグラムです。１パーツの組み合わせで「どうぐ」を形成しているところがとても面白い作字です。

『印判 ⇄ 朱肉』　　 @YФU氏

回転共存型。　高校生アンビグラム作家YФU氏の作品。「印判」をひっくり返すと「朱肉」になるアンビグラム。とても魅力的な作品です。

『利器』　　 @ヨウヘイ氏

重畳+内包型。連綿と続くパターンの中に「利器」を見つけることができます。

『toolbox』 @ottwo氏

回転型。 toolbox(道具箱)。180°回転させても同じ字面です。対応解釈の無駄の無さは氏の特徴です。

『墨壺』　　 @兼吉共心堂氏

回転型。「墨」をひっくり返すと「壺」になるアンビグラムです。古来から人類が使用している大工道具の一つです。

『鋸／槌』　　@いとうさとし氏

図地反転型。「鋸(のこぎり)」と「槌(つち)」が図地反転関係になっているアンビグラム。「居／追」部分の関係性が自然にデザインされていて驚きます。

『鋸』　　@フロクロ氏

回転型。鋸(のこぎり)。引っくり返しても同じ字面です。シンプルで美しい作字です。

『鋸』　　 @サボンテ氏

回転型。今月2挺目の回転型のこぎりです。グリップがついているようなガジェット感のある字形が素晴らしいです。

『鉋／錐』　　@いとうさとし氏

図地反転型。　「鉋(かんな)」と「錐(きり)」が図地反転関係になっています。「金／金」の図地が美しくこれはもう職人ワザです。

『鶴嘴』　　　@葛飾出身氏

「鶴」を90°回転させると「嘴」になる対応解釈です。ツルハシの絵が文字の一部を隠している実験的レイアウトです。

『鬼に金棒』　 @Leje氏

回転型。「鬼に金棒」を180°引っくり返しても同じ字面のデザインです。かなり上手く字画を捌いています。作者のLeje氏は中学生アンビグラム作家です。

『金の斧』　　@いとうさとし氏

図地反転型。「金」と「斧」が図地反転関係になっています。

『はえたたき』　　 @ヨウヘイ氏

鏡像型。　左右の鏡像型です。はえたたきの網感を感じる作字です。

『六分儀』　　@ぴにょん❦氏

回転型。天測航法の測定をする道具の180°回転アンビグラム。回して使う道具のアンビグラム化です。

『嫁入り道具』　 @黒目氏

回転型。黒目氏の独特の袋文字がカッコいい180°回転アンビグラム。袋文字が水引にもなっています。

『これはペンです ⇄ this is a pen』　 @lszk氏

旋回共存型。　縦書きの「これはペンです」を90°回転させると横書きの「 this is a pen」になるバイリンガルアンビグラム。

『防災用品』　 @ottwo氏

回転型。「防災」を引っくり返すと「用品」になるギミックです。天地が引っくり返っても使用可能です。

『おけたる ⇄ かまかさ』　　@伊藤文人氏　　

回転共存型。桶屋の看板（おけたる)を 180°ひっくり返すと金物屋の看板（かまかさ）になるリバーシブルなアンビグラム看板です。

180°回転→

最後は私の作品を

『雨／傘』

交換型。　上部と下部の交換により違う読みをさせるアンビグラム。「雨」と「傘」の2文字を繋げ「合字」にすると連綿と続くパターンになります。

「道具」をテーマにしたアンビグラム祭いかがでしたでしょうか。月刊アンビグラムは文字の面白みの一つである多義的な見せ方を今後も探求できればと思います。参加者の皆様、そして当ページを見ていただいた皆様に感謝申し上げます。

さて次回のお題は『文学』とします。小説、ライトノベル、作者名、登場人物名など。文学というワードから自由に連想して参加者がアンビグラムを作ります。締切は7月31日、発行は8月8日となります。皆様次回もよろしくお願いいたします！

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2017年 4月{ミステリー} 5月{音楽}　 6月{童話} 7月{食} 　　　 8月{宇宙} 9月{回文} 10月{GAME} 　 11月{TOY} 　 12月{駅}

2018年 1月{書初め} 　 2月{蟲} 　 3月{映画} 4月{色彩} 5月{対語} 　 6月{アイドル} 　 7月{数学} 8月{恐怖} 9月{メカ} 10月{神} 11月{スポーツ} 12月{どうぶつ}

2019年 1月{書初め} 　 2月{地図} 3月{漫画} 4月{職} 5月{都市伝説}　　6月{速度}

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