Tumgik
lllusioninthehead · 7 hours
Text
2024/4/25
沖縄出張2日目。嘉手納町。
沖縄でレンタカーやタクシーを使わずに移動するのは難しい。バスは本数が多く時間通りに来ない。
ゆいレールが通ってるところは行きやすいし栄えているのだけど。
Tumblr media
アメリカンビレッジから1時間と少しかけて歩いた。
海沿いでは理由もなく海を見ている外国の人がいたり、米軍敷地沿いでは戦闘機をバズーカカメラで撮っている一団がいたり。
嘉手納町には米軍基地があることに憤っている人がいて、米軍基地のお陰で街の経済が成り立っているとわかっている人もいて。
研修とワークショップが終わると不発弾が見つかったので街が閉鎖されます。早く街を出ないと帰れないですよと急かされた。
Tumblr media
帰りはカメラマンを務めた現地の人の車で。やはりあまり好きではないな。車はワープみたいで。
飛行機の中では眠れずに本を読んでいた、
人間以外はすべて秩序の中にいるのに、なぜ人間だけは頭の中に無秩序を抱えているのか?という一文に頭の中を揺さぶられてしまった。
自然現象はもちろんのこと、動物も植物も虫も単細胞生物もそう。
なぜ、人間だけ無秩序なのだろう。
とてもじゃないけど羽田までに答えは見つかりそうもない。無秩序の極みがTumblrだし。でも、ここは良い無秩序なんだよな。
2 notes · View notes
lllusioninthehead · 2 days
Text
2024/4/24
仕事で沖縄に来ている。西側の海沿いにある街。基地が近い。駐日の外国人と現地の人が混在している。海沿いのサーフィンが泊まるような安ホテルで明日の準備をする。潮騒が聞こえる。
雨が降ったりやんだりして落ち着かない。
昼はしらゆりの塔へ行き献花をしてきた。博物館には戦死した人それぞれのパネルと名前と簡単なプロフィール、死んだ理由が書かれていた。
殺した人の末裔と暮らす街。沖縄では珍しくないのだろうけど、観光気分で「こういうのは風化させてはいけないよね」なんて言うのは簡単で、実際に混在した場所にいる人達は風化させないとどうしようもない。何故か、自分にとって沖縄は悲しみを孕んでいる。
Tumblr media
出張に来ると2〜3時間くらいは街を歩くことにしてる。びっくりするくらい東京より人が少ない。いや、東京が多すぎる。歩いていてすれ違う人の量がまるで違う。どこかにみな隠れているように思える。この感覚のほうが異常。
Tumblr media
過去を旅するように街を歩き、少しだけ、本当に少しだけ溶け込めた気持ちを抱えて仕事に行く。
明日出会う人に失礼のないように。
匂いが同調するように。
自分は出張が好きなんだな。きっと。
3 notes · View notes
lllusioninthehead · 3 days
Note
占い?の先生に会って、その後どうですか?
言われた通り自分が飲むついでにお茶をひとつ余計に入れて、どうぞとお供えしています。
あと、とても辛いことがあると言われたのは恐らく母の病気のことだったんだなと納得してみたり。
出張に沖縄に行きましたのでしらゆりの塔(前世が学徒生と言われたので)献花してきました。
そんなところでしょうか。
なにか劇的に変わることはなく、日常は淡々と残酷に続いていきますね。自分が向いてる方向へ背中を押すような内容なのでこんなものでしょうか。これでいきなりガツンと何かを変える人がいたら少しおかしな人だなとさすがに自分でも思ってしまいますし。
そして霊感、つまりスピリチュアルなことにアレルギーがある人が(友人にも)多かったのでこういうことがあって面白かったよ!と人に話すのはやめました。
これで、日々が少しずつ良くなればいいですね。
2 notes · View notes
lllusioninthehead · 6 days
Text
奥さんの友人夫婦と飲んでいる。
9つも下の人たち。4人で飲むこともあれば、先日は旦那に誘われて2人で飲むこともあった。
ちょっと面倒な瞬間はあれど、まぁ普通に話せるやつだし、年相応の抜けきらない若さみたいなのがあって、こういうのあったなぁと自分の若い頃と重ね合わせたりもしていた。
いま、つまりこの瞬間のカルチャーで言えばきっとこの子たちの感覚が近いのだろう。アニメやSNSや配信動画や韓国文化が常態化している。個人戦の時代だなと思う。もう、国は発展しない。地はせり上がらない中で個人の裁量で頑張ってください。となった時代の人たちだ。
Tumblr media
最近した夫婦喧嘩の話になり、うちの夫婦はあまりそういうのをしないので、どちらかと言えば聞き手として頷きながら酒を飲んでいた。
よくあるやつで、片付けをしていないみたいな些細なところから発展して、奥さんが出ていくまでになったとのことだった。結局は追いかけたそうだが。
「向こうに小言いわれて出てけって怒鳴ったんですよ」
そしたら、本当にスーツケースに荷物まとめて出ていってしまって焦りました。
反省も含めた笑い話にしてるような雰囲気はあったものの、「この人はいざとなると怒鳴ったりする人なんだなぁ…」というがっかり感。すっと興味がなくなる感覚があった。
Tumblr media Tumblr media
誰に対してでも、恫喝や暴力に訴える時点で人間性を疑うし、相手へのリスペクトに欠ける。
そんな人と甘噛みし合いながら楽しく会話なんてできないだろう。どこに地雷が埋まっているのかわからないのだから。
まぁ、ちょっと過剰に嫌悪してしまうのは実の父親がそういう人だったからだろうな。母が恫喝され、時には暴力を振るわれて泣いているのをよく見た。子供の時の無力感も思い出される。昭和の男なんてだいたいそうか。
5 notes · View notes
lllusioninthehead · 6 days
Text
結局は自分を説得できるかどうかだよ。と友人は言った。そのための材料をたくさん渡してあげればいいんじゃない?
人生だなと思った。
そして、説得はきっと自分にしかできない。自分に自分がするしかない。説得して納得して死んでいけるかだけだ。それだけ。
2 notes · View notes
lllusioninthehead · 10 days
Text
2024/4/17
結局、MRIで脳への転移が見つかり「何もしなければ次の正月は迎えられない」と男性医師が告げた。
寄り添う演技のない、事実だけを告げる声。後に母は不満だと言ったけど「誰も彼もに寄り添ってたら心が持たないんだと思う」と諌めた。
実の親が歩むことになる突然現れた死への道。肉親だから当然胸が痛い。他人だからと言ってそれは同じだろう。なので、割り切りもわかる。自分の正義を優先してその態度に当たるのも違う。
最新の抗がん剤治療の説明と入院の手配を進める。母は人生の後片付けをするまでは死ねないと言った。家を売却し資産を片付ける。それまでは生きたいそうだ。
「どうしよう?」と振り向く母に震える声で「いつでもやめられるんだから抗がん剤治療受けなよ」と言った。
脳のMRIがめくられるとき「ないであれ」と心から思った。そう、思った。因果関係や損得なしにして思った。
相変わらず、頭がボーっとする。現実感のなさ。
こんなに元気なのに、ほっとけば年内に死ぬなんて信じられないね。と帰りのスーパーで割引の鶏肉を見ながら言い合った。
悲しさも辛さに年がら年中支配されてるわけではない。突然襲ってくるもので、そこから逃れられない。日常をたんたんとやることをたんたんとそれだけをしていくだけだと思う。なので、同情されるのも嫌だ。強いのか弱いのかわからないのも母の特徴。そして、人間の特徴。
はぁ、疲れた。
9 notes · View notes
lllusioninthehead · 10 days
Text
2024/4/16
母を病院に送るために通うようになった。
どうやら癌は転移していないと連絡が来たとき、嬉しいという感情と経済的な負担が増えるなという合理性が半々頭に残り、バチでも当たる思いだった。
感情に素直になれない自分が昔からいて、こんなときでも変わらない。
病院には身体や心が悪い人がたくさんいて、それを治すための専門職の人がいる。当然ながら一方的な権力構造でどうしても老人などを赤子扱いするような口調であやす人もいて気分はあまり良くない。
言葉の意味はわからなくても、態度は伝わるものだと思う。なんだかこちらまで居心地が悪い。
Tumblr media
強烈に通う死の匂いに桜のような艶やかさはない。
消毒液と薬と人の代謝の匂いが色濃い。
いつか、自分もここに来るのだろうと思う。生への執着の象徴へ。ただ、死ぬ時はここ以外が良いなとそんなことを考えていた。選ばせてもらえるならだけど。
母はどうしたいのか?と問うた時はわからないと言われた。以前あったときと打って変わって死にたくないとこぼすところに人の弱さを感じる。
未練もあれば怖さもあるなにしろ死ぬのはみな初めてだから。伴走も。
今週にはまた治療結果を聞きに来ないとならない。まだまだ長い。ゴールがわからない旅路だ。
Tumblr media
5 notes · View notes
lllusioninthehead · 23 days
Text
2024/4/3
あまり嘘吐きたくないので一生付き合っていくと思ってる人には母親がもうすぐ死ぬこと素���に伝えている。
そうするとみな自分のばあちゃんやじいちゃん、母親や父親の病気の苦労話をしてくれる。
そして最後に自分の名前を呼んで〇〇は大丈夫?と心配してくれる。
悲しみは個人的なものなれど、みな似たような経験をしていて。混ざり合わない一本道がいくつも人の数だけ、生き物の数だけ死という同じ場所に繋がっている。その道のりで見る景色はきっとそれぞれあまり変わらないのかもしれない。なので、1人だけど、1人ではないという不思議な気分にさせられる。
俺は大丈夫になれるけど、母親はなれないから、沢山の人に自分がもうすぐ死ぬことを伝えてもらって、それでもあっけらかんと今を楽しむ母を見て一緒に笑ってもらって。
そういう場を作ろうと思う。
12 notes · View notes
lllusioninthehead · 25 days
Text
2024/4/1 Latterhalf
家に帰る途中で夕食に惣菜を買った。
シャワーを浴びて少しだけソファーで寝た。
得体のしれない疲れを感じ、それを和らげるには一度意識を断つ必要があった。
帰ってきた奥さんに事情を話した。当然ながらとても心配してくれたし、どうにかならないのかと考えを巡らせてくれた。ありがたい。
本人はだらだら生きるより、酒と煙草をやりながら死にたいそうだよと笑いながら、なんとか収めようとした。本人の中の決着がいちばん大切なのだ。
それにしても、義理の父といい、母といい、死を受け入れる作法が見事すぎる。人に当たらず、世を恨まず、運命を悲観せず、まぁ上出来と笑う。
自分がそうなれるとは思えなかった。
Tumblr media
開花宣言がされても桜の見所はまだまだ先ね。
と蕎麦屋で窓から見える小さな桜を見ながら話した。来年の桜を見れるかを母は考えていたのかもしれない。
早めにベッドに横たわり、また母の話をした。
奥さんは声を殺して泣いていた。母を思ってか、早くして両親をなくす自分を憐れんでか、それとも死の理不尽さからかわからない。
母のことを考えた。幼少期のこと思い出した。してくれたことを思い出した。
母が崇拝する宗教を憎みこんな親ならいないほうが良いと思ったこともあった。現に母がいないほうが多額の仕送りもなくなり家計は助かる。
それでも母に死んでほしくなかった。いてほしかった。自然と涙が溢れ奥さんに感づかれないように横を向いた。涙はしばらく止まってくれなかった。
「まだ、時間はあるできることやろう」
「残された時間を良いものにしてやろう」
と決めた。全部迎撃する。困難性、厄介事前向きに先回りしてやっつける。そう決めて寝た。
なにより母がそう望むだろうから。打ちのめされる時間は母だけが持てば良い。自分は母がいなくなるときまではすべてを引き受けよう。
17 notes · View notes
lllusioninthehead · 26 days
Text
2024/04/01
どうやら母は長くないらしい。
MRIの画像にははっきりと助骨を呑み込むほどの腫瘍が写っていた。
医者は明言は避けたものの
「抗がん剤治療や放射線で癌を小さくしながら付き合っていくしかない」と言った。手術や切断、はたまた先進治療の言葉は可能性としても出てこなかった。それだけおそらくは絶望的な状況なのだろう。
手元のスマホで肺がん、骨、転移 と検索すると5年生存率10%以下と表示がされ母の背中を見ながら深く息を吐き出した。どんな思いで診断を聞いているのか測りかねる。あるいはすべての感情がいっとき止まってしまっているような。生物の防衛反応。
悲しむ時間もなく、PET検査、病理検査の日取りを決めていくのだが付き添いの自分だって現実に���が追いつかない。
Tumblr media
帰りの蕎麦屋。
麺や海老天をだいぶ残した母は
「酒もタバコも好き勝手やってこの歳まで生きたのだから、まぁ上出来だね」と笑った。
蕎麦には大量の七味が浮いていた。何事もやりすぎる人だ。
こっちは笑えないけど、そんなことを言われたら仕方ない。まだまだ元気な姿と残した蕎麦。
でも、痛いのは嫌だね。と肋骨を抑える姿。
生前にどのように遺産整理をしていくのか方針を決めた。昼過ぎの蕎麦屋に似つかわしくない話題。テレビからは大谷翔平がどうのこうの。
あとは木曜日、そして来週と検査が終われば母の余命が決まる。
最後の一本と医者から止められたタバコを「美味しいわ」と飲む。そこまで往生際が良いのなら駄目だという気にもなれない。余命が決まったらまた吸い始めるわと灰皿に押し付けた。
兄とはほぼ絶縁状態で、親戚とも疎遠。母が死んたらなんだか拠り所のなさが増すなと背中のあたりが薄ら寒い。
とりあえず木曜日にまた来るよと言い残して家を出た。これから母の永遠の孤独を巡る戦いが始まるのだ。どんな結末が待っていようとも。
25 notes · View notes
lllusioninthehead · 27 days
Text
2024/03/29
肋間神経痛だと何をするにも煩わしそうにする母に早く病院にいけと急かし続けること3ヶ月。
ようやく近所のクリニックにしてはやや大きい内科にいった母から連絡があった。レントゲンの胸の奥に影があると言われたと。
肋間神経痛以外は至って元気そうな母なので大したことはないと思いつつも色々な悪い想像が頭巡った。母が死ぬと困ることもあれば助かることもある。60代、平均寿命より早めに亡くなるとして母は果たしてそんな報いを受けるような人だったのかというとそうも思えない。
一生懸命生きた人がそこにいるだけだ。ただ、貧乏で宗教にハマっているだけだ。根が優しくお人好しで話好きで人から好かれ料理がうまい人がいるだけだ。死神の振るう鎌は人を選ばないのはわかっていても理不尽さを感じる。
もう少し生きてもいいんじゃないか。
タバコも酒も好きな人だが、自業自得といえばそれまでだが。もともと実家に帰ろうと思っていたので顔を出すと本人はけろりとしたものだった。
入院やその先のことがあれば犬を頼むとだけ言った。そして、やはりビールを飲みタバコを吹かしていた。こういう豪胆なところがあるのが呆れるし、言葉にしないが尊敬したりもする。
見舞いにと買ってきたケーキをつつき、母の父の話や母の話、そして兄弟の話などを聞いた。
死んたら聞けなくなるし覚えていたいと思った。ルーツのようなものを知りたがるなんて臆病になったもんだと思うけど。
典型的な没落富豪の我が血族。祖父は立派なれど財を食いつぶすには1代で充分という教訓を与えてくれる。旅館や呉服屋や建築士やさぞ肩書は立派なのになと思いながら聞いていた。
結局は体を動かして得たもの以外は身につかないと酒を煽りながらNHKの歴史ドラマを観る母の姿。
人生聖人君主のように生きていても、悪徳三昧で生きていても収まるところにしか収まらないなと思いながら今日も夜が更ける。
7 notes · View notes
lllusioninthehead · 1 month
Text
2024/3/17
寂しさや虚しさに勝とうとしてはいけない。
行動力や決断力のある人ほど、手当をしてしまい間違った方向に帆を進めてしまう。
なので、やり過ごすしかない。
誤魔化すしかない。
Tumblr media
3 notes · View notes
lllusioninthehead · 1 month
Text
もうすぐ、答えではなく、何を問うかが重要になる時代が来るなぁと思ってます。
2 notes · View notes
lllusioninthehead · 1 month
Text
2024/3/12
暗い料亭の廊下を歩く。
幸せの中央値を歩くような生活。
「君ははみ出せる人間なのかい?」とギラギラした眼は語りかけるように挑発するように。
日本酒を注ぎ合うのは何の儀式なのだろう。途中で味なんてわからなくなるのに。
金と権力を手に入れた後は永遠に女を貪るだけだよと薬を飲む手は黄ばんでいて、眼は青い。
そして戸を開けて入ってきた女はどこか気だるげで諦めていて何かに酔っているよう。酒でもなく薬でもなく。言葉にするならば都会の毒気みたいなものに酔っていて、机の下から伸ばされた手からは冷たい。助けを求めているように感じた手を振り払った自分の手も冷たかったろうなとタクシーの帰りに思う。
甲州街道沿いのラーメン屋に並ぶ大学生の若者。資本主義の化け物に育つのにあと何年?と思う。
女性と飲むのにお金を払うのも、その後ホテルに消える人を見るのも。タクシーで帰るのも。すべてお金の循環を感じる。
家の二駅前で降りてコートの襟を重ねながら歩く街。狭い家が並び。12時を過ぎるとろくな店が空いてない街。
なんで帰ったんですか?とメッセージ。なぜ?と思うけど名刺に記載されてたかと携帯の電話番号を。みて。そうかと思う。簡単な答え。
また、いつか。
酔いすぎてて。
こんど、ご飯でも。
いくつか思いながら削除ボタンを押す。
女遊びはもう終わっていて、どれもほとんど同じに見える。たまに違う人もいるけど。
そういう人だけで良い。会えなくても。距離があっても良い。時間や距離に制約がないと信じられる人良い。
シンクに重なる食器を洗い、ソファーに倒れる。
寝る。
綺麗な景色は偶然に。今日は見れなかった。
明日はわからない。だから生きてる。
5 notes · View notes
lllusioninthehead · 1 month
Text
2024/3/5
いま、思えばなぜ紹介してくれた女の子は話してくれたのだろうと思う。人によってはアレルギーのある話だ。その友人の女の子が凄い霊能者と会ったと興奮気味に語ったときも最初はやや眉唾であった。占いは信じない質なのだが、本当に見える人が世にいるのは知っていた。友人の中でも2人いてよく面白半分で体験談を聞いていたし、常識や科学では説明がつかないようなことも自身でも経験したことがある。まぁ、時としてこういうのって全能感に繋がったり、自分は選ばれた人間だ。なんて勘違いした輩を生むし、金持ちがお金を吸い取られる様も見てきた。1時間20分で10000円が高いのかわからない。占いにしては高いし、本当に見えるのならば安い気もする。
紹介者の女の子からは10000円以上の見返りを求められたという話はなく、客を選んでる感じもない。誰でも紹介してくれて大丈夫だと言われてるそうだ。
ならば、早速と紹介を頼むとあっさりとLINEの友達紹介が送られてきた。ここでは仮に“四季さん”としよう。◯◯から紹介されました。お会いしたいのですが可能でしょうか?と送ると数時間後に時間と金額と場所、そして日時の提案があった。
一度、四季さんの仕事の都合でリスケはあったもののすんなり会うことができた。別で仕事をしてるんだと頭に浮かんだが。まぁ、そういう人もいるかとすぐに疑問は打ち消された。
会うまで2週間程度。何を相談しようかと考えていた。当面の課題いくつもあれど、大体は方向性が決まっている。相続問題には弁護士が入った。家を建てる話には土地が決まり地盤調査が無事に終わりそうだ。奥さんの家族とそりが合わない問題も心のなかで決着を見ている。奥さんにも素直に話せているので距離感が遠くなり楽になると思う。新しい仕事を1つ考えていてこれは確かに相談したいかもしれない。あとは何と言っても拠り所のない自分のこと、知りようも無い飼っていた犬の気持ち。そして四季さんへの好奇心もある。ただ、最後のこれはどこまで聞いて良いのかわからなかった。
−−−−−−−−−
当日はひとつMTGをこなし、都心の街に出た。待ち合わせに遅れるのは苦手なので30分前に着いてしまった。まぁ、いいか。と久々に訪れた街をブラブラ歩いた。もし、すべて見れる人ならばこんな光景も見られているのかもしれない。雨がぽつりぽつりと降ってきた。終わる頃にはお昼だなとどこで食べようか検索したりしていると時間になった。
待ち合わせの喫茶店で席番号を伝えると少し年配の優しい感じの女性はすべて心得てるようで「はい、承っております」と答えた。ひとつ階をあがり、上着を脱いで席につく。「着きました、お待ちしております」とLINEでメッセージを送ると今向かっておりますとすぐに返信が来た。
浮ついた気持ちを抱えながら待っていたものの、不思議と猜疑心はなかった。友人からさんざん凄さについては語られていたのもある。
現れた四季さんは普通に少し遅れたことを謝り、特別な服装や髪型ではなく、少しおせっかいそうな雰囲気あれど、神秘性なんて何も無い話し方で、慌ただしくアイスレモンティーを頼んだ。おしぼり使ってくださいね、席は奥側でいいですよ。と気遣いできる人で身構えたこちらとしてはホッと何かひとつ肩の力が抜けた気がした。
事前に聞いた通り録音しても構わないと言われ、スマホの録音ボタンを押して、子供がお絵かきに使うような消せる小さな黒板に聞きたいことの周辺者を書いてくださいと差し出された。
差し出される際は「相続ってのが出てるんだよなぁ」や「複雑な家庭ですよね?」とすでに見透かされているような発言をされていて胸の鼓動が早まる思いだった。自分の名前、奥さんの名前、母の名前、義父の名前、義父の息子の名前、父の名前、兄の名前と書く。そして、そこに年齢を足していく。
まだ、完全に信用していたわけではないのでこちらから情報を出すことはしない。
まずはお母さんからと話す出す。お母さん相手を間違えてしまったね。ただ、そこをいまさら責めておかしいし。この人は責められるの苦手だし溜め込んでしまうんですよね。
母の写真に手をかざす。すると、母がたまに話す愚痴と同じ語り口調でつらつらと母の心境が出てくる。まるで、そこに母がいて自分には見えなくて、その通訳をしてくれてるかのよう。それくらい母が話す言葉と語尾までほぼ同じだった。
「お母さん、良く喋る人ですね?」と笑う。そして、「実の父親」という言葉が出てくるんですけどと言われた時にドキリとした。母は養子縁組を祖父としていて、祖父に育てられた。その情報は四季さんにもちろん伝えていない。
自分は違うんですけど母方は宗教にどっぷりなんです。と伝えるとずばり宗教法人の名前が出てきた。これも伝えていない。
潜在意識と会話をしているんです。と四季さんは言う。その後に話される言葉も核心をつくようなことばかりだった。
奥さんが出会えてよかったと言っている。運命の人だからここは大丈夫ですよ。と言われた時にはすっと胸の澱がいくぶん落ちた気がした。
四季さんが言うには
人は家庭でもらった愛情しか自分の子供に伝えることができない。例えば1%の愛情しか貰ってない人は2%の愛情を子供に渡すことは出来ないと言う。
なので、あなたの場合はお母さんが愛情をもらってない。そして祖母も愛情をもらってないと伝わってきてるものなんです。
少しここで胸が傷んだ。では、自分は?自分も子供が出来たとしてやはり愛情を渡せないのではないか?
疑問をぶつける間もなく話は進んでいく。
「お仕事などんなことをされてますか?」という質問から「事業拡大というのが出ているんですが」
未来を見ることができる仕組みはわからないし確かめようがないがこれから取り組もうとしている仕事について話した。
人は、誰もが使命を持ってこの世を生きていると言う。それは大きい人もいれば、小さい人もいる。その使命に気づいてほしくて自分はこの仕事をしている。と前置きをされて言われたことは自分の周りに散らばったものを集めたようなもので、とにかく困難で緻密でとても到達できないんじゃないかと思えるようなものだった。
その後は前世の話をされ、それもなぜかすっと納得いくようなもので。そして、ずっと見守ってくれる人がいることを伝えてくれた。それは父性というものを経験したことがない自分にとっては嬉しく、自分はずっと一人ではなかったのだと思った。
その見守ってくれる人の風貌を教えてもらい、母に確認すると母方の高祖父ではないかと。母には四季さんに見て���らったことを伝えていないので「なんで急にそんなこと聞くの?」となっていたがややこしいので話さない。四季さんは見守ってくれてる人は背が高く母のようにお喋りでしっかりしていて頼りがいのある感じだとのこと。高祖父は昔の人にしては珍しく身長が高かった(180センチ以上だった)と訊く。
高祖父が昔飼っていた犬と一緒にいる。ボールで遊んだり、散歩をしたりしている。と聞いて少し泣きそうになってしまった。それを知れただけでも来てよかったなと思えた。思春期の頃に飼っていた犬で可愛がっていたけど、充分にしてあげれたとは思えなかったし、ツラく当たってしまうこともあった。
気にしてない。大丈夫。もっと遊んでほしかったけどね。とそう言っていると伝えてくれた。
帰り際に「次に来るとしたら◯◯の件だと思いますよ」と予言めいたことを言われた。その前世があるからあなたは戦ってしまうところがあるのだと。
また来るのかな。まぁ、人生は悩みが尽きないしそうかもしれない。
−−−−−−−−−
当然ながら1時間20分の内容をここにすべて書けるわけもない。終わったあとは驚きと納得と情報処理で頭がグルングルンしていた。
帰り道、Recorderとして使っていたせいで充電が少なくなったスマホを眺めながら、紹介者にお礼を打ち送信した。
四季さんからは誰でも紹介してもらって大丈夫です。LINEを教えてあげてください。と言われていた。悩んでる友人やこういった話にアレルギーがない人の顔が浮かんでくる。とはいえ、実際に行く人は一握りだろう。未来視を受けたくない人だっているはず。そこには凄惨な未来も少なからずあったから。奥さんもそのひとりで、未来を知るのは怖い。人の気持ちを知るのは怖いと言っていた。
なんとなくだけど、四季さんはその人が変えられることだけにフォーカスしてくれてるような気がした。2年先のことが見えない人もいるとぽつりとこぼしたし、何かに固執して柔軟に生きていけないのもそれは仕方ないことだとも言った。
自分には知らなくても良いことは伝えずに、良くなる可能性があることをたくさん話してくれた。基本的には内容はポジティブで誰にとってもこう胸が温かくなったり、何か支えや指針ができたりする話だった。
−−−−−−−−−
さて、不思議な体験談は以上としよう。
あなたもきっと見てもらったらびっくりするはず。恐ろしい程に自分だけが知る自分や、自分の周りにいる人のことを当てられる。疑う余地がない。
ただ、四季さんが話した未来のことや前世のことや守護霊みたいな人のことはわからない。だって確かめようがないから。答え合わせはずっと先。いつだって人生はそうだし不満を言っても仕方ない。
この投稿を見て、これ書いた人はスピに被れたイカれた人だなと思われるのも仕方ない。人の感性はそれぞれだし。もし、あなたが何かに悩んでいたり好奇心旺盛で体験をしたい、四季さんに会いたいという人がいれば連絡をくれると良い。東京近郊、または東京に来る予定があるならば会えるはず。
知るということに臆さない、勇気のようなものがあればたぶんそれを人生の糧にできるだろう。
もちろん、自分に何も見返りはない。でも、前世でもそういうお節介な人だったようだ。そして、なにより好奇心が大きい。あなたが何を四季さんと話したのか教えてくれればそれで嬉しい。
6 notes · View notes
lllusioninthehead · 2 months
Text
その人は上の方でと言っていた。
可愛がっていた犬はいま高祖父と暮らしている。
一緒にいて毎日散歩をしていると。
なら良い。寂しくなければそれで良い。
それが最後に聞いたこと、1番聞きたかったこと。
良かった。ありがとう。
3 notes · View notes
lllusioninthehead · 2 months
Text
2024/2/22
新しいプロジェクト進行中のため仕事仕事仕事。
講師案件の仕事というのは勉強になるのでずっとあるツールについて調べたりやってみたりしている。
その後はコンテンツ作成とコンテンツを他の人も話せるように研修資料の作成と暇がない。
Tumblr media Tumblr media
とはいえ、帰りに下北沢でクラフトビールを飲んだりもして。
友人が霊能者的な占い師?さんを人づてに見つけてきて、とても当たるというか、全部見える人のようなので今度会ってもらえるように日付を決めたのに向こうの都合でリスケになった。
これがどのような意味なのかなと思いながら考えを巡らせている。
自分は何を決めたいのか、話したいのか、つまり相談したいのかをじっくり決めさせるためか、それともリスケされた日付までの間に何か起こるのか。
ちょっとわからない。何の意味もないのかも。
好奇心。相手への好奇心と自分への好奇心。
自分がどんな人間なのか未だにわからないから。
Tumblr media
映画館で「夜明けのすべて」を観た。
Tumblr media
パニック障害の男性と酷いPMSを抱えた女性を主に据えた映画。日々の生活の中で、関係性の中で少しずつ寄り添い良くなっていく。とはいえ、劇的に治るわけではなく不安が軽減されるわけでもなく抱え悩み受け入れる。受け入れるのも違うかな、日々が進んでいく。良い時も悪い時も一定に時間が進むから人は生きていける。
自分は人から不幸だと言われるけど、精神を病んだことはない。酷く身体を悪くしたこともない。
それならば、何かしら病気や怪我を抱えて生きていく人のほうが大変なのではないか。
人との関係性の中で良くなっていくしかないというのは同じなれど。わからなくなる。優劣はないのかもしれない。
いつか死ぬのはそうなのならば美学をいくつか腹に据えて生きていきたい。都合よく生きてる人が多すぎる。理屈で割り切れない何かのために生きていて、それを人は愛だとか呼んだりするのだから。
3 notes · View notes