Tumgik
ndmnemosyne · 7 months
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2023.9.22
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わたしのヒースクリフ、今日は三連休の三日め。しばらく寝かしていたラチョフ『てぶくろ』の手袋サコッシュの最後の仕上げをしていた。手袋本体はミトンの型紙を使ったので、形はミトンなのだけれど、ファーテープで手首の部分を巻いたのでちょっとは「それ」らしくなったのではないかしら。特に何にも使えるわけではないけれど、まあこういうものを作るのは楽しいわね。余白って大事だわって思ったの。
明日は本番がある。組み直したプログラムと台本はしばらくずっと眺めていたので、本当はみるのもうんざりするが、進行のこともあるので、今晩再び読み直してリハーサルをするつもり。久しぶりの本番だから、当日準備するもののことを覚えていられるだろうかと今から心配だ。選んだテーマは野菜。楽しい時間になるかどうかは、その時の雰囲気次第だから、もうこれは生き物のようなものね。わたしはそういう狩りっぽいことは好き。ただ練習不足が多すぎるの。だって飽きない?わたしは飽きる。だから前日に縫い物なんてしちゃうわけ。
『馬と生きる』(月刊たくさんのふしぎ2019年11月号)と『母は死ねない』(河合香織/筑摩書房)を読み終わった。たくさんのふしぎは面陳されず背表紙しかわからないが、タイトルに惹かれて。ペルシュロン種の馬はいまも遠野の山で、人と共に仕事をしているそう。地駄引きといって山から切り出した木を運ぶ方法で、馬はさまざまな装具を付けて木を運ぶ。もちろん誘導は人間。その方は馬に名前をつけないのだそう。仕事のパートナーでもいつかは馬は病気や怪我で働けなくなる。情を移したら馬を送り出せない(まだ馬が自力で歩けるうちに、ほぼ食肉工場に出すのだそう)からだとのこと。
『母は死ねない』は読むか迷ったが──だって母親って、しんどいのだもの。その身分が。やらなきゃいけないことが。中断させられ続けて、隙間時間があったって、ほんとうに何もできないの。わたしはただ携帯電話で日記を送信したり、他人の日記を読んでばかりいた。出来ることはほとんどなくて、自分に戻るために使ってしまうことがほとんどだった。眠れないしね、本当にこどもがまだ呼吸しているのかと、寝顔をずっと見つめていた、眠れるわけがなかった──読まないよりは読んでよかったとは思う。でもしんどい話ばかりなので疲れた。母親であるっていうだけで、なにか、型にはめられているみたいで、わたしはずっといや。母親しかいなかったりすると、またその型が狭まるから苦しくてたまらない。だけどこどもを手放せるかというと、それもまた違う。責任感からなのか、社会的な圧からなのか、わからないけれどとにかく解放されたくてたまらない。だけど、生まれなかったことにはできない。わたしは子供を産んだ瞬間から未来永劫、母になったのだ。そう思うたびに首の後ろがむずむずするし、腹の底は氷のように冷える。それ、わかる?
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.9.14
わたしのヒースクリフ、今日は休日、本当はするべきことが山の様にあったのだけれど、スマートフォンのSIMカードの手続きに行った。四年ほど前から使っていたスマートフォンは確か一度はバッテリー交換していた様に思うが、黄色いスマートフォンを使いたいわたし(カバーをつけるからあんまり意味がないかもしれないけれど、中身も黄色いということが大事なのだ)はもう頭に来て「丸ごと取っ替える!!」になってしまったので、そうした。データの転送が面白くて不安で、じっと見守ってしまったわ。隣に置くだけでいいのね!手続きには一時間強、データ転送には小一時間。午前中を全て使ったらクタクタになってしまった。
昨日は図書館で雑誌を借りて帰った。次の号が発売、図書館にデータが登録されると前月号を借りることができるの。特集が面白そうだったから買おうと思っていたけれど、できれば本屋で買いたくて、通販サイトは使わなかった。そのために四軒(移動距離は百キロ以上よ!隣町まで行ったから)回ったけれど売ってなかったから、拗ねてしまってせっかく借りたのにまだ読んでいない。
仕事先では出来の良い人にあて擦られ、じっとりした悪意を感じつつ、知らん顔をしてもっと苛立たせてやりてーな、と思っている。もっと深く、もっと強く。通じなくてイライラする、それはわたしが世界に対して思っていることよ。わたしはそれが一生続くしずっとそうだった。あなたはそのフンフンした鼻息の荒さでいっそう自分自身を見失って欲しい。だから、はあ〜そうなんですねぇ〜としか言わない。ミスはもちろん直すけれど、もっともっとわたしの粗探しをしてイライラしてほしい。通じなさを知ってほしい。わたしはあなたを問題にしない。だって世界はいつだってそうだったし、わたしはそれを知っている。あなたは知らないでしょう?ぜひ、知るべきよ。わたしが仕事をできるできないに関わらずね。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.9.9
わたしのヒースクリフ、今日は重陽の節句。菊は他の花より遅れて咲くから花の弟と言うの。花の兄は梅、花の王は牡丹。
納品が二つ、でも量がかなりあったので午前中はそれの検収だけで手一杯になり、何度も頭の奥が再起動した。そのため今日の記憶はほとんどない。落ち着いている日は記憶があるかと言うと、そうでもない。今月は準備が多く、昨日は休みだったけどグッズ(と言うことにしておく)作りで一日費やした。休みの日もあまり休んだ気持ちにはならないから、四六時中しっぽを立てて耳をくるくる回しているリスになったような気持ちでいる。だから木の実を隠した場所を忘れるように、やり残したりやってなかったり、そもそもやることを完全に忘れてるんだろうな……。
定時までしか仕事はできないので残して帰るが、すっかり日の入りが早くなった。明日はセントウルステークス。秋ね。ヒースクリフがもし競馬を──一年間でもいい、ちょくちょく観に行けば(もちろん遊ぶ程度に賭けてもいい)、レース名で季節の訪れを感じることができるようになる。競馬に熱中するのが若ければ若いほど、生涯ずっと続く。
「もし、きみが、幸運にも、青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過ごそうとも、それはきみについてまわる。なぜなら、パリは移動祝祭日だからだ」とヘミングウェイが書いたように。これは本当のことだよ。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.9.5
わたしのヒースクリフ、『おそうじをしたがらないリスのゲルランゲ』を読んだことはある?爽快よ!でも『けっこんをしたがらないリスのゲルランゲ』ではお嫁さんにゲルランゲが言い出した結婚の条件を逆手に取られてやり込められちゃうの。契約をする時はきっちりぬかりなく、ね。あばれはっちゃくだったゲルランゲが好きだったけど、本来はもっと気のいいリスだったみたい。
今日はのんびりした一日だったので一度に二つ出来るから好きな作業を主にした。麺類弁当は飽ききってしまったので、米飯に戻したら思っていたより力が出るようになった。
毎日、届かない手紙を待っているような気分。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.9.1
わたしのヒースクリフ、九月というのは素晴らしい月、なんせわたしの生まれた月ですからね!でも九月はいつも、地味な気がしていた。カレンダーの写真もそう、あんまり会心の一枚という感じではなく、その他の月に合わせて選ばれたような、そういうものが多かったように思う。夏は過ぎ、秋そのものはまだ来ない、あわいのような月が九月。ここにいたらどこへでも行ける、でも時間は一方向にしか(今は)流れていないと知る月。
前の仕事先ではそうするようにと教えられたことは、今の仕事先(仕事のほとんどは同じ)ではしない、提案もしない、あるのは他人の自己愛の披露、そんなものに長時間あたっていたら疲労するに決まってる。よく消える消しゴムになった気分だ。
納品が二つ、このくらいの時間にはできるだろうと考えていた通りの時間に出来たが、そんな「作業」なんか誰でもできる。洗練したって作業は作業。この作業はゲームみたいだから好きだ。テトリスみたいに延々とできる。体力だけがついていかない。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.8.28
わたしのヒースクリフ、この頃疲れているみたいでやらかしが多い。心がしわくちゃで、もう元に戻らない。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.8.26
わたしのヒースクリフ、虫が鳴いている。夜中まで蝉が鳴いていたなんて嘘みたい。でも嘘ではないの。台風が次々出来て近づいている。とてもじゃないけれど平気ではいられない。
今日はしばらく前から思いついて作ってみたかった、『エルマー』シリーズの「美しいりゅうの子」を作った。『いっしょにつくろう 絵本の世界をひろげる手づくりおもちゃ』(福音館書店)
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=603
の型紙と作り方で作ったのだけどこれって本当に児童向け?結構難しいと思った。綿をカンカンに詰めてしまったので固くなってしまって縫いにくかったし、綺麗なかがり縫いなんてできないし。かがり縫いなんていつぶりだろう!メリヤス針をとっておいてよかった。手芸ってほんの少ししか使わないけれどどうしてもそれでなければならない、という時が多くて、道具が増えていく。代用出来なくないものもあるけれど、やっぱり推奨されてる物を使うと楽に出来る(こともある)。
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りぼんを使って縞模様をつけるのが地味に面倒で、しかもフェルトに馴染まなくて指はボンドだらけ。でもせいせいした。趣味だから上手に出来なくてもよいということは、いろいろなことに尻込みしているわたしにはすごく楽しい。昔はできなかった。親が代わりにやってしまうし、完成を想像できなくて、セロテープで貼っちゃう。だからいちいちこう、次はこう、そうしたらこうなる、と予測しながらできるようになったのがうれしい。目は本当は刺繍したかったのだけど失敗し続けてフェルトがはげたので、ぼたんで誤魔化すことにした。ものを少し知ってると、こういうこともできるのね。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.8.25
わたしのヒースクリフ、朝、通勤中にいくつもの横断歩道を右折で超えていくのだけれど、今日は黒いアゲハ蝶が横断中だったから、いつもより速度を落として右折した。風にあおられながらアゲハ蝶は横断していったみたい。横断歩道は渡るものが優先ですからね。
納品が二種、どちらも量が多い。発売日が重なっているので仕方がない。ときどき隔月と毎月、月二回のものが被ることがある。重いので配架する時がいや。かといって少なすぎると装備品をいちいち出してるくのが面倒だし。今日はデータの日付を更新し忘れたりで面倒な作業を増やしてしまった。さすがにいらっとする。でも、作業なのでやるだけだ。
もう一種類の納品は箱が三つ。一つずつ開梱して緩衝材を種類別に分けて捨て、箱をたたみ、納品書を見ながら、中に挟まっている(挟まないでほしい、面倒だから)葉書や宣伝を抜いていく。周りを片付けながら、納品書を見ながらチェックして帯とそれらをセットしていくが、どう考えても貼れない帯は捨てる。チェックして帯を貼り指定のシールを貼る。データを落としてデータの一部を変更する。作っておいたチラシをプリントアウトして古いチラシと交換してから、それらを出す。来たらすぐ並べているわけではないのだ。あらゆる準備を全て終えてはじめて並べに行ける。でも、そんなことはどうでもいいことなのかもしれない、消費者は豚がどんなふうに育てられて屠殺されて解体されるかまで、想像しないのと同じ。
すっかり日が落ちてからの帰宅はひと月ぶり。なぜなら遅番だったから。遅番の閉め作業はいつもとはちがって人が半分しかいないから、作業が山積みだ。トイレ掃除だって例外ではない。そういうことも、書面にはなくても、仕事だからやる。仕事だからやっているのであって、気遣いでやっているのではない。
この仕事は、楽しいことは楽しいが、自分で全部考えてしなければならないことが多いのと、仕事は自分で考えて作るので、わたしはいつも手持ち無沙汰になってしまう。なので、とにかく配架へまわるようにしている。他人と自分の仕事を比べても仕方がない。次の展示の準備をしてかなり資料を集めたので、ポップを作った。来月は発表もある。もちろん台本はできている、なぜなら手持ち無沙汰の時に作っておいたからだ。もっと、企画立案できればいいのだけれど、わたしの特質的には無理なんだろうか。淋しいことだな。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.8.24
わたしのヒースクリフ、やろうと思ってたことを何一つしないままで一日が終わった。
必要があって市役所に行った。対応してくれた人はずいぶん丁寧に、わたしがメモをしようとしていたことを冊子で、蛍光ペンで線を引きながら教えてくれた。以前対応された人はかなり奔放な人だったから全体に対する印象があんまりよくなくて、いつも逃げるように帰ってしまうけれど、今日はわかりやすく一つずつ、わかんなかったら全部申請しても大丈夫、そこは調整されますからね!時期と添付の書類だけ気をつけて、と教えてくれた。
時々はいいことも、わたしにもあるのね。夕方はひどい雷雨だった。そのせいか昼寝をずいぶんしてしまった。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.8.23
わたしのヒースクリフ、わたしの車は暗いときに自動でライトがつくのだけれど、今日は帰り道でライトがついた。いつぶりだろう、ブルーに沈んだ空気の中をヘッドライトを灯して車が走るのは?この青の時間を母は運転するのを昔から嫌がる。わたしは好きな方。でも本物の闇の中を一度でも走ると、夜に運転することをためらうわよ。闇は本当に静か。死んだらそうなるんだろうなって思うくらいに。
受入の時間が後ろにずれ込んだので、出来る限りのことはしたけれど、全部は終わらなかった。受入にはものの受入、システムでの受入、帳票の受入、全ての受け入れた資料のチェックとチェック用紙の挟み込み、予約、予約確認、セットまでが一連。今日の受入の時間は午後五時で、定時までの時間でできたのはチェックまで。ある程度コントロールして依頼をしてもらっていたはずだけれど、時間がないし分担の人がわたし一人だったので、まあ悪くはないだろうと思いたい。以前の勤め先では午前中のうちにチェックまでできたから、受入の時間に全てが左右される。そしてそれは仕方のないこと。雨が降ったら傘をさしたり、雨宿り先を探して止まるように、わたしたちも動き方を変えるし、決まった時間内に終わらない時は残す。
一人で作るブックトーク用に、個人でいくつか本を借りてきた。『たからものくらべ』(杉山亮 中にし恵子絵/福音館書店)。ブックリストから見つけたのだけれど、これってすごく便利に使えそう。導入には特にいいんじゃないかなって思って。ここから始めてみようか……。書き出す前は最高に楽しい。書き始めたらわたしじゃきっと地獄だから。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.8.21
わたしのヒースクリフ、体温と変わらない熱気の中を毎日すり抜けるように仕事に行き、家に帰る。もうずいぶん前からずっとずっと、「今年は暑すぎる」と思っていた。子どもを産んだ日も暑くてたまらなかった。病室は窓側で、早期破水した為に十日ほど前から入院になっていたのに、本陣痛が来なくて、助産師さんからは「院内の階段を昇降して陣痛をつけてください」と言われていたのに、絶対に産みたくなくてしなかった。当日もずっとまた前駆陣痛で痛がって、助産師さんに嫌がられるんだろうなと思いながら、それでも痛かったから内診してもらったのをおぼえている。病院食のメニューは産婦用なので、たっぷりの分量、それにプラスして瓶牛乳まで出た。給食なのでぜんぜん食べたくなかったし、産前は胃が圧迫されていて食べるどころではなかった。産後は量が足らなくて、退院までひもじい思いをした。他の産婦さんのベッドにはたくさんお見舞いの品が届けられたり持ち込まれたりしていて華やかだったが、わたしは一人で新生児と向き合っていた。全てが嫌だった。全てが憂鬱の種だった。うたた寝すら許されなかったし、母乳が出たからよかったものの、出なかったら出るまでマッサージ。最低限度のミルクしか出しませんと宣言されていた。あんな思いは二度としたくない、そして二度としなかった。
仕事の合間に仕事のメールを出した。今回の仕事には自信がある。なんせ時間をかけてやり直し続けていたからだ。でも、誰かからそれを「いいね」と言われるわけでもなく、見つけてもらえさえもしない、そういう仕事。つまらなくはない、わたしは楽しいが、そういうのって独りよがりって言うんでしょう。続けたところで見てもらえもしないものを作ることは慣れているし、今はそれも仕事のうちなのだから、もう気にしないことにする。期待もしない、だってみんな他人だもの。他人事だもの。他人事だから、他人の感情なんて、どうにもできないのだから、干渉しようと試みないのが一番だ。
今日は納品が一つだったが量の多い日だった。連勤の最終日は一人で担当する業務もある。なるべく同じ仕事を分担している人の負担が軽くなるようにはしたい。出来る限り引き継いでもらう作業をゼロにしておきたい。それと、少し前からずっとやってみたくて、でもどう始めたらいいかわからなくて迷っていたことに着手した。仕事だけど求められていない仕事なので、時間外にやる。資料を少しずつ集めて書き出そうと思う。わくわくするし、がっかりもするだろう。これを二十年前に始められていたらどんなによかっただろうと思う。わたしには経験がない。知識も覚悟もない。でも今はその職に就いているのだから、一つくらいは作り上げたい。久しぶりに『ジェインのもうふ』(アーサー=ミラー/アル・パーカー絵 厨川圭子訳 偕成社)を借りた。これを中心に据えたい。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.8.20
わたしのヒースクリフ、好天が続いて朝の時点でわたしは汗まみれ。朝はだいたい一番目に仕事先に着くので、当然空調が入っていない。SECOM(ではないがよく似たもの)解除して鍵を開け、ドアを開けるとふわっと涼しいが、それは前日の空調ののこり。仕事用の制服を身につけ、パソコンを立ち上げながらカーテンを開けているうちにじっとり汗をかき始めて、オープンする頃にはもう汗がぽたぽた滴り落ちる。午前の早いうちにわたしは不快感を覚えながら仕事をする。それは幸せな事なのだろうか、働く事ができるということは?
わたしは「無能な働き者」がぴったり。
期限まであとひと月くらいあるのでその分練習や予習が出来るし、その為に備品(備品とは……)を持ち帰ったのに、どれも全然したくない。そのくせ一発で成功すると思っているから始末が悪いのだけれど、ずっと「それ」を抱えているとだんだん抱えていることが負債のようになってきて、それで飽きてしまう。どうしたらいいのだろう。おもちゃの工作もあと残りわずかなのに、もう作ることを考えるだけで苦痛なのに、あとひと月後には数を合わせておかなければならないのに、全部面倒くさくてたまらない。夏の疲れだったらいいのだけれど……多分疲れというより、慣れからくる衝動的なものだと思う。何か新しいことと並行しながらならいいかもしれない、と手を出したことは途方もなく難しくて、心が折れそう。参考書が増えていくばかりだし、参考書はわたしのレベルよりずっと高いので、参考にならない。読んでいるだけなら面白いけれど、作ろうと思うと何も思いつかなくて真っ白になる、小説と同じで。わたしはいつだって書きあぐねている。それを書き上げたら世界が変わるわけではないけれど、違った景色は見たいわ。明日もうんうん唸りながら考えてみるけれど、それも途中で飽きちゃうかもしれないな。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.8.19
わたしのヒースクリフ、今日はずいぶん暑かった。何かをやる気になんて全くなれなくて、でもすぐに始めたい気持ちだけはあって、忙しない。思えばわたしはずっとそういう焦りの中で生きている。子供の頃からずっと、何かしたいのに何もできず黙っているばかりだった。薬を飲むようになってから少しずつ出来ることも増えたけれど、逆に出来なくなったこともあるかもしれない。今のところ、わたしにとってこの薬は利点が多いから続けるけれど。
ガソリンを入れて洗車マシンで車を洗った。洗車マシンが車を洗っているのを車内から見るのが好きだ。停車しているのにマシンが前後に動くから、車が動いているように錯覚する。じゃあじゃあごぼごぼとマシンから水や洗剤が吹き出て、大きなブラシで洗われているのを見ていると、「ここはなんて安全なんだろう」といつも思う。車の外はひどい嵐、でもここにいればやり過ごせる。そんなふうに思う。自分の車を持ってよかったと思うのは、自室の範囲が広がることだ。車は第二の部屋のようなもの。ないものの方が多いが、ある程度必要なものはいつも所定の位置にあるし、シートは自分に合わせてあるから、往復百キロくらいならそう疲れもしない(運転そのものは疲れるけれど、身体は疲れない)。子供の頃は車に乗るのが嫌いだった。車は臭いし、窓を開けないと酔ってしまうし、とにかく苦手だったけれど、自分が運転すると次に何があるか(たとえばカーブや、左折、信号)わかっているから、それほど嫌いではなくなった。運転できると行動の範囲も広がるし、車を出してもらう必要もない。いつまで自分が運転できるかわからないけれど、今の車を乗り潰すくらいまでは運転したい。
『京都SFアンソロジー』(井上彼方編/Kaguya Books)が届いたので気になっていたある一編を読んだ。「京都」がつく作品は大抵市内が舞台になるが、珍しく丹後地方が舞台だから。京都市は魅力のある都市だし、誰もが必ず京都で暮らした頃のことを語らずにいられない土地だけれど、京都は広い。わたしは広い京都の端で育って同じ町で今も暮らしている。人々の想像する「京都」とは全く違う場所で。だから珍しいなと思って予約したものが今日届いた。もちろんわたしも京都市内で暮らしたことはあるけれど、それは学生時代を含めて十年弱で、でも初めて地元を出ることができた、きっかけの町。結局よそ者のまま地元に戻ってしまったから、いっそう愛着がある。愛着というか羨望?ノスタルジーと混じり合っていて、もうはっきりと区別はつかない。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.8.18
わたしのヒースクリフ、今日は鮮やかな、夕焼けにも劣らない美しい彩雲を見た。濃い虹色をしていて、これは残しておきたいと思ったけれどあいにく運転中で身動きがとれない。そのまま横目でちらちら追ったけれど、雑木林に阻まれて見えなくなった。ああいう真珠かオパールがあったらどんなに素敵だろう。身につけるのではなく、時々取り出しては眺めるような、そういう。
納品はなし、受入はあり。隙間なくやるべきことがある中だけれど全てをやり遂げた。忙しいところならそれも完璧にできて当たり前のスーパー職員がいるのかもしれない。わたしはスーパー職員ではないので根気よくやって一つずつでも終わらせていくしかない。たまたま受入の時間が早かったから全部終えることができたのだと思う。忙しいと自分が帯電しているような気持ちになる。ビリビリしていて少し心地よい。
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ndmnemosyne · 8 months
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2023.8.17
わたしのヒースクリフ、不機嫌って本当に嫌ね。わたしも不機嫌な十代を過ごしたからわかるのだけれど、でも程度ってものがあるし、譲れないラインもある。思春期はあらゆる線をオーバーしている。他人との境界線が甘すぎるし、世界に期待をしすぎていて、危なっかしい。見ているのが辛い。わたしのようにボロ布になってほしくはないのに。
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夏休みもいよいよ終わりだから、と言うことでどこにも行けない思春期をコメダ珈琲に誘って外食をする。まだお盆休みの人もい��だろうと思っていたけれど、いつもより道が混んでいて車が連なってなかなか着かず、昼食時を避けたけれど賑わっていて、わたしは少し疲れた。わたしは田舎者でもあり、味の変化を嫌う方なので、どこでも同じものが食べられるチェーン店がすごく好き。そこに行きさえすればメニューに迷うことが減るし、味はだいたいいつも同じだから。思春期もそうかもしれない、わたしから見た感想だけれど。
昨日読んでいた『新しい絵本1000 Part2』を少し読んで、ネットプリントで折本を作りたかったからWordを立ち上げた。Wordのみで作ることはなかなかに面倒で、想定していた最初の設定がうまくいかなかったけれど、まあまあ形にはなった、と思う。でも、ネットプリントの番号は今回は公開しないことにした。別に広くお知らせすることも、わたしには一生ないのだ。昨年一年分の仕事メモから日記本を作ろうとしているけれど、なんとなく先延ばしにしている。誰が読むって、わたしが読むために作るだけだけれど。でも今年中には目処をつけたい。やってみたいことが昔よりずっと簡単に手をつけられる時代になったんだから、どんどんやっておきたい。形にしておけばわたしは思い出せる。他の誰でもないわたしだけの日記本。手書きでは上手く書けないし、キーボードで日記を書くことで、「日記を書く」ことができるようになったからだ。
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ndmnemosyne · 9 months
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2023.8.16
わたしのヒースクリフ、今日の海は桃色に染まっていた。夕方が早く来るようになったから、そんな色の海を見ることができる。海のことは遠目で見るのは好き。近寄ると磯臭いし潮風でベタつくし、危ない。でもわたしは海の町で生きてきた。そこにあるから好きも嫌いもないの。ただ在る。それ以上でもそれ以下でもない。
今日は一つ納品があった。あとはまた繰り返し、根気よく、ないはずのものをあるかもしれない(いつもと違う場所にあるかもしれないからだ)場所を探す。リストを持って一つずつチェックして、「やっぱりない」と確認する。それが終わっても、最終リストを出してやっぱり確認するのだろう。
今日はまた一冊勉強のための本を借りた。『新しい絵本1000 part2』(「この本読んで!」編集部/NPO読書サポート)。わたしは絵本を知らなすぎる。年間通して数回で済むとはいえプログラムを組み披露する機会がまだあと二回は残っている。今さらだとは思うが新しい本を取り入れたプログラムにも惹かれる。その為には知らなくてはついていけない。今の所直近のプログラムはだいたい完成していて、あとはチェックを入れてもらうだけとはいえ、全とっかえの可能性だってないわけではない。うまくやりたいという気持ちはいつも先走ってしまう。でも、出来るだけ多くの人に、ふーん!と思ってほしくもある、このすけべ心が憎い。
「なぜ人は本の形で欲するのだろう、何故読みたい、知りたい、読んであげたい、読ませたいと思うのだろう」と思っている。情報そのものが本の形になっているから本を読むのであって、情報が情報のまま手に入れられるのに、どうして人は本を買ったり借りたりしてまで読むのだろう。図書館や本屋、その仕事に従事する意味って一体なんだろう。全然わからないままだ。
明日は休み。外で少し本を読みたい。
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ndmnemosyne · 9 months
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2023.8.15
わたしのヒースクリフ、今日はずっと雨。ふたつ、警報が解除され注意報が発令された。気圧のせいか体調はあまりよくなく、うとうと寝たり起きたりだった。たまたまとは言え今日が休日だったからだけれど、でも出勤している人はいるわけで、それを思うと少し辛くなる。わたしは自分の幸運に喜ぶことに慣れることができない。小さい時からそうだから。今日もラッキーだというより、こんな時に申し訳ない(なにも、出来ないくせに)と思ってしまう。
昼のうたた寝から起き、『世界とキレル』(佐藤まどか/あすなろ書房)を読んだ。違和感あり。三週間のサマースクールに参加することになった中学生の舞と、そのいとこ鏡花。サマースクールはある企業とのコラボとの事で、そこでの生活は全て録画、素性がわからないように加工されて配信されることになっている。スクールに着いたらスマホ類やおやつ類は没収(後で返してもらえるとのことだが、舞はSNSでなかなかのフォロワー数がいるちょっとしたアカウントの持ち主で、自分の生活をアレンジして投稿しており、ある意味でそれは舞ではないのだが、そのアカウントを維持することが健全ではないとは言えない……)、指導者のマナー指導や全員参加の悩み吐露タイムがあり……ちょっとびっくりしている。かなり個人の尊厳に深入りしている感じだ。あと、結局は境遇(というか、階級)の似た者同士でくっ付くので、あっ、ソウデスカ……感があり、それもまたつらい。思春期の子供達が強制的に自分のことを見つめ直すにはこのスクールでの時間は必要だったのかもしれないのだけど、もう大人で過ごした時間の長いわたしにはちょっとよくわからない(逆に言えば、わたしは思春期の親の立場になってしまったからそうなのかもしれない……)。現実の世界だけで主人公は友達や仲間と言っていい関係を作ることが難しかったと思うので、主人公の救われ方はなんか違う気もしなくはないけれど……。
『エヴリデイ』が俄然面白くなってきた。毎日他人の中で目覚めるAをリアノンが認知したのだ。たまにリアノンと同性の身体で目覚めることもあるにしても、Aはリアノンと何度でも「初めて会う」ために向かっていく。この愛(たやすい一文字だが……)の先にある現実を見ておきたい。
仕事の本を一冊ネット書店で購入した。欲しい情報が載っているかはわからないけれど……。
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