Tumgik
anyaqiu-blog · 3 years
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木の実さん(3) 気候危機あと4年 (文字起こし)
ポッドキャスト093 木の実さん(2) ろう者から見るアメリカ社会   を文字起こししました。 ——————– MC:ゲストは引き続き私の手話の先生でもある木の実さんです。 このポッドキャストは音声のみの番組なんですが、木の実さんはろう者、耳が聞こえない方なので、ゲストとしては異例かもしれません。でもこの ポッドキャストを聞いてくださっている聞こえる方々に、聞こえない社会について知っていただきたくてお招きしました。 前々回は、ろう者の方が日本で受ける教育について伺いました。で、前回は木の実さんのアメリカ留学についてと、あとアメリカのデフカルチャーについて伺ったんですが、今回はろうから離れて、木の実さんが今取り組んでいる市民活動、環境問題について伺います。よろしくお願いします。
木の実:よろしくお願いします。
MC:木の実さんは、アメリカ留学がきっかけで環境問題に関心を持ったと伺っています。木の実さんは、サンフランシスコにいらっしゃって、私も同じカリフォルニアの南の方にいたんですけども、私がカリフォルニアにいたのは2000年代なんですね。アル・ゴアの不都合な真実が公開された頃、環境問題の入り口の前に立ったっていう感じだったんです。木の実さんがカリフォルニアにいた時、環境問題っていうのは、どんなふうに盛り上がっていましたかね
木の実:私がカリフォルニアにいたのは、2012年から2015年だったんですけど、そのとき、日本ではまだまだオーガニックも全く売ってなくて、売っていたとしてもすごく高かったんですね。けどカリフォルニアに来て、すごいいろんなところで、オーガニックが普通に買えて、なおかつ、環境意識の高い友人があちこちにいるんですね。日本では滅多に出会えない人たちが、留学中に出会うことができて。 例えば、友人はみんなマイボトルを持ち歩いているんですね。ペットボトルを買ったりしなくて。私はびっくりして、なんでマイボトルなの、と聞くと、水は大学の食堂で、無料で飲めるんですね。水は汲めるし、買う必要性が逆にわからない、と言われて。あと、ペットボトルはリサイクルできるから、勝手にペットボトルでいいんじゃないのって思ってたんですけど、リサイクルできる割合が実は本当に少ないってことを向こうで知ったんですね。 そして、キャンプとかハイキングに、たくさん行くようになったんですけど、自然が身近にあるので、キャンプとかに行くにつれて、友人がプラスチックフリーとか、ゴミを出さない生活とか、いろいろ教えてもらえて、今まで自分がどれだけ日本でたくさんゴミを出してたかとか、何も考えずにいろんなものを買ってたなとか、すごい反省するようになりました。 また、友人の誘いで、何ですかね、フード、フードノットボム(Food Not Bombs)っていうグループがあるんですけど、そこでホームレスへの配給をしたんですね。日本にいる時は、ホームレスに関する興味があったんですけど、ボランティアってなかなか、耳が聞こえないから、どう助けていいんだろうってなるんですけど、向こうでは耳が聞こえなくてもウェルカムって感じで、受け入れてくれて、こう、ジェスチャー、手話が出来なくてもジェスチャーだったりとか、スマホでタイプしてくれて、ボランティアで何をしたらいいかを説明してくれたんですね。おかげで私にも参加できて。みなさんが、そこではみなさんがスーパーとか、まだ賞味期限過ぎたばかりで、ぜんぜん新鮮な果物とかあるんですけど、お店に出せないものを集めたりして、集めて、フードノットボムに待ってきて、自分たちでカットするんですね。カットして、作ったものをホームレスの方に配給してって感じでしたね。その時は、月に1回ですかね、月に1回か月に2回、配給してました。 また WWOOFっていうのがあって、World Wide Opportunity Organic Farmの略なんですけど、それはアメリカ全体、アメリカだけじゃなくて日本でもやってるらしいんですけど、世界中のオーガニックファームで、ボランティアをするっていう団体なんですね。そのウェブサイトがあって、オーガニック農園で働きたいボランティアと、農家の方をこう結びつける、なんかマッチング、マッチングみたいなウェブサイトがあって。私が働いたのは2週間だけなんですけど。春休みがすごく、春休みじゃなかった、夏休みがすごく長いので、その間どうしようかなって思った時に、そのウェブサイトを通して、使える言語、選べるんですね。使える言語の中にアメリカ手話もあるんです。なので、アメリカ手話って選んだら、全米でたったの二つだけだったんですね。あぁ少ないなぁって思いつつ、二つもあった、けど、どっちかっていうと近い方がアリゾナだったので、アリゾナのツーソン、ツーソンの南の方にある農園に2週間泊まり込んで、オーガニックで、オーガニック農家で働いてました。そこにいる農家の方が、何でしょう、自給自足とか、食が、食欲、食欲じゃない、食用、食育とかに熱心な方で、あなたは食べ、食べた物でできているって言うことをすごく教えてもらったんです。
MC:ありがとうございます。あの、木の実さんサンフランシスコにいらっしゃって、サンフランシスコの近くにバークレーっていう町があるじゃないですか。そこにシェパニーズっていうすごく有名なレストランがあって、そこのレストランのアリス・ウォーターズがオーガニックの、オーガニック食材を使った料理をっていう、もうスローフードの母と言われていますよね。私も、アメリカにいる間に一度行っとけばよかったなーって思ってるんですけれども。 えと、それであのサンフランシスコからハワイに移られたっていう話を前回、お聞きしたんですけども、ハワイで運命の出会いがあったんですよね 。
木の実:(笑)えっと、そうですね。カリフォルニアの大学、卒業した後に、ハワイのろう学校に就職して、それで、ろう学校ではないんですけど、ハワイで今の彼と出会いました。今の彼は、以前、出会う前ですけど、出会う前に動物園とか、さきほど言ったホノルルの動物園とか、イルカショーで働いてたんですね。そこで起きていたことを、なんだろう、教えたもらった時はすごく衝撃で。 っていうのも、イルカがプールの中に囚われている状態だったりとか、大きな動物が檻の中に閉じ込められて、ストレスで元気をなくしている状態とか、教えてもらいました。和歌山太地町、太地のイルカ漁のドキュメンタリーっていうのも、彼が見せてくれて、あっこんな、動物たちに酷い事を自分たちがしているんだって、衝撃を受けました。自然や動物が大好きなので、人間が三角の頂点に立ってるのではなくて、あらゆる生き物が、丸の中で混在して、共生する世界になっていったらいいなと思っています。
MC:それで、ハワイから彼と一緒に、日本に帰ってきたんですよね。で、日本に帰ってからもその環境保護に関する活動とかも続けていらっしゃるんですか。
木の実:あのですね。今まではSNSでシェアしたりとか、発信とかするだけだったんですけど、思い切ってアクションを起こしたいなぁと思って、今は環境保護コミュニティの、グリーンティーがやっているスラックに参加させていただきました。グリーンティーは何かと言いますと、Green、T、E、A。チーム、TeamがTで、Environmental、環境がE、で、AはActivistのA、活動家のA、の略でGreenTEAなんですね。地球環境や、私たちの生活環境に関わることを全般に、情報をシェアしたり繋がったりっていうコミュニティで、実際に社会へのアクションを起こしていくためのチームです。 そして、勤務先が私は学校、学校なんですけど、学校の電力を再生可能エネルギーに転換してもらうにはどうしたらいいんだろうって考えてたんですね。あ、ちなみに自宅では再生可能エネルギーにしました。もしご興味がある方は、パワーシフトのウェブサイトがあるので、是非ご参考にされてみてください。 学校の電力を再生可能エネルギーにするために、具体的にどう動いたらいいかな��て迷っていたら、GrennTEA、先ほど言ったGreenTEAで、GrennTEAで知ったゼロエミ東京というグループがあるんですね。それは何かと言いますと、ゼロエミッション東京を実現する会、略してゼロエミ東京って言うんですね。東京都が掲げる2050年までにゼロエミッションつまり二酸化炭素排出実質ゼロを実現するための情報共有だったり同じ自治体の仲間見つけたり、一緒に活動するための場所なんですね。勤務先がある区のグループでは、先週の金曜日にゼロカーボンに自分の区もなってほしいという陳情を提出しました。これからは都市環境委員会に行って陳情内容を説明したり、そしてこれから都議選がありますけど、都議選に出る自分の区の候補者に、気候危機に関する意識調査のアンケートを送って、今返事を待っているところです。
MC:あの、最初の回で、木の実さん、本がお友だちっておっしゃってたんですけれども、この環境問題に興味を持ち始めた人たちにおすすめの本とかがあったら教えてもらえますか。
木の実:おすすめの本、すごいたくさんあるんですけど、その中でも読みやすいなーって思ったのが「初めてのエシカル」「プラスチックフリー生活」あとはですね、ちょっと分厚い本でちょっと難しいんですけど「ドローダウン:地球温暖化を逆転させる100の方法」っていう本と、最近では「人新世の「資本論」」すっごいおすすめです。
MC:「人新世の「資本論」」出ました。私も「人新世の「資本論」」読んで、もぉ色々考えることがいっぱい、もぅいろんな、なんつーの、考える種が充満している本なんですけども、その本の中で著者の斎藤先生が、社会の3.5%の人たちが非暴力的な方法で本気で立ち上がると社会が大きく変わる、というハーバード大学の研究を紹介しています。木の実さんは、もうその3.5%の一人になったわけですね。 で、もう一つ質問させてほしいんですけれども、木の実さんはろう者でもあるんですけれども、このような市民活動をする時にですね、他のメンバーとのコミュニケーションはどのようにされてるんですか。
木の実:はい。先ほど言いましたスラック、GreenTEAのスラックでは文字で情報が得られてるんですけど、zoomミーティングやったりする時もあるんですね。そういう時は自分で、今日みたいにUDトークを自分で準備したり、または、zoomミーティングの主催者が準備してくださったりして、うまく出して理解できています。 ただ、これから都市、都市環境委員会に行って、陳情内容を説明する時はどうしようかなぁっていうふうに迷っています。UDトークを使うか、または手話通訳者を呼ぶか、どうしようかなぁって感じです。オンラインじゃない時は手話通訳で、オンラインはUDトークの方がいいかなっていうふうに、使い分けています。
MC:そうなんですね。前回、アメリカ社会はバリアフリーって言いますか、その、ろうに、ろうの人たちに対する支援っていうのが万全だっていうことを聞いて、日本はまだまだなんですけれども、ろうの人が努力するだけじゃなくて、聴者、私たち聞こえる方の側の社会も、ろうの人たちが活動しやすい環境を整えていくっていうことについても考えていかなきゃいけないなっていうふうに思います。 で、その環境問題のことなんですけれども、気候危機は地球上のすべての生き物にかかわることで、人類、特に私たち先進国と言われている地域に住む人たちは、この帝国的生活様式の責任を取るために環境問題に取り組まなければならないと思うんですけれども、バリアフリーを整えて、聞こえない人たちも積極的に参加できるようになると、斎藤先生が言ってた3.5%が4%、10%ともっと大きな集団になって、変化が加速していきますよね。木の実さんには、これからもこういった市民活動を続けてってもらいたいなぁと思うんですけれども、木の実さんの他にもろうの方とか、また障害を持っているけれどもそういう市民活動に参加している方っていうのはいらっしゃいますか。
木の実:そうですね。GreenTEAには他にも、四肢欠損、右、右手か左手かは忘れちゃったんですけど、手が生まれつきなくて、肘くらいまでという障害の方もいらっしゃいますね。直にお話ししたことはないんですけど、聞こえない人で活動している人が一人います。
MC:はい。今回は木の実さんの環境問題への取り組みについて伺いました。長時間にわたる収録にお付き合い下さいまして本当にありがとうございました。私の手話の先生でもいらっしゃるんですけども、私も手話の勉強、頑張ります。これからもどうぞよろしくお願いします。
木の実:今日は本当にありがとうございました。これからも手話、手話ランチで一緒に手話を勉強できるとうれしいです。ありがとうございました。
MC:ありがとうございました。
2021-04-01
ポッドキャストのリンクはこちら Anchor:https://anchor.fm/girltalk-9/episodes/094-3-4-etclf6 Apple Podcasts: https://podcasts.apple.com/us/podcast/094-%E6%9C%A8%E3%81%AE%E5%AE%9F%E3%81%95%E3%82%93-3-%E6%B0%97%E5%80%99%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%82%E3%81%A84%E5%B9%B4/id1465506160?i=1000514239998
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anyaqiu-blog · 3 years
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木の実さん(2) ろう者から見るアメリカ社会 (文字起こし)
ポッドキャスト093 木の実さん(2) ろう者から見るアメリカ社会   を文字起こししました。
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MC:ゲストは引き続き私の手話の先生でもある木の実さんです。
このポッドキャストは音声のみの番組なんですが、木の実さんはろう者、耳が聞こえない方なので、ゲストとしては異例かもしれません。でもこの ポッドキャストを聞いてくださっている聞こえる方々に、聞こえない社会について知っていただきたくてお招きしました。
前回はろうの方が日本で受ける教育について伺いました。前回最後の方に、あの、木の実さんがアメリカの方に留学されたっていう話が出たんですけれども、木の実さんは2012年から3年間、カリフォルニアの大学に留学されました。で、今回はですね、留学についてとアメリカのろう社会について伺おうと思います。よろしくお願いします
木の実:はい、よろしくお願いします。
MC:えと、すみません、まずの留学の手続きについて教えていただきたいんです。普通、ですね。普通っていうか、ま、聞こえる私たちが留学する時には、TOEFL受けて、あとSATっていう大学入学資格の試験があるんですけども。ろうの方は、例えばリスニングの問題とかもあるじゃないですか。ろうの方の場合は、どんな試験を受けることになるんでしょうか。教えてください。
木の実:はい。聴者の皆さんの留学がこんなに大変だって事知りませんでした。本当にびっくりです。私の場合はですけど、申し込みだけでしたね。べつにTOEFLを提出はしてないですね。申し込みがもちろんすべて英語だったので、申し込みのプロセスそのものが試験だった気がします。もちろんですね、入るのが簡単だったんですけど、卒業が大変でしたね。みなさん言うじゃないですか、入るのが簡単で卒業が大変って。本当にその通りでした。
日本からアメリカに留学するろう者が多くて、私が入った年は日本からは自分含めて3人でした。そして大学へのろう者の留学者は、留学生は他には、ドバイ、ドバイから一人、香港から一人、中国から一人、あとは、アフリカのジンバブエ、ジンバブエから一人、で、合計7人いました。
MC:今おっしゃったろうの留学生は、木の実さんが留学した学校に入られた方々だと思うんですけれども。えっと、カリフォルニアといっても日本ぐらいの広さがあって、カリフォルニアのどちらの学校に留学されたんですか。
木の実:留学した大学なんですけど、サンフランシスコ近くのカリフォルニア州立、州立オーロン大学。たぶん発音がオーロン。カレッジなんですけど、そこにいました。小さな大学なんですけど、生徒さんが3000人のうち150人位が、ろう・難聴の学生、学生です。ちなみにフルタイムの手話通訳者がいて、近くにフリーモントろう学校っていうところもありました。
MC:サンフランシスコだったんですね。サンフランシスコのその学校は、ろうの方を積極的に受け入れている学校だったんですか。
木の実:そう、そうですね。サンフランシスコの大学、そこの大学は近くにろう学校があることもあって、積極的に昔からろう・難聴の学生を受け入れている大学だったようです。そして、そこにはろうの先生もたくさんいらして、ろうの先生に直接、なんでしょう、ろう者学とか、ろう文化とか、ろう教育っていう、いろんなろう者に特化したクラス、授業を受けれられたので、すごく楽しかったです。
MC:専攻は何だったんですか。
木の実:はい。専攻はですね、リベラレルアーツ。リベラルアーツ専攻でした。リベラルアーツなんですけど、その中に、ろう教育資格を取るコースがあって、ろう者学のうち、ろう教育、ろう、ろう児童の成長発達、ろう者のカウンセリング、とかいろいろなクラスがあるんですね。そのろう教育資格を取りながら、リベラルアーツで卒業しました。
講義は大学専属の手話通訳さんがいらっしゃるので、アメリカ手話を見て理解して、そして情報保障はほかに、ノートテイカーさんがいたので、おかげで私は手話に集中して見て、後できれいに取っていただいたノートを見ながら復習するということができたので、なんとか成績を維持することができました。
MC:アメリカ手話はどこで習ったんですか。
木の実:アメリカ手話は、留学する前の5ヶ月間、日本でマンツーマンで受けました。週に2回2時間ずつ。なので、1週間に4時間ぐらい、みっちり、みっちり勉強して、そのおかげでオーロン大学に着いた時に、本当はアメリカ手話のレベル1、ワンゼロワンを受ける予定だっ���んですけど、その時にはだいたい基本的な会話ができたんで、ワンゼロツーから入りました。
MC:すごいですね。えっと、講義に手話通訳とノートテイカーがついて、バリアフリーが万全ですね。アメリカでは、そうすると手話が中心なんでしょうか。日本では口話が主になっているという話でしたけれども。
木の実:えーと、アメリカはやっぱり広い、すごい広いので、やっぱり場所にもよるらしいです。私が通っていたオーロン大学の近くのフリーモントろう学校は、ばっちり100%手話。手話で授業を行っていたんですね。カリフォルニアフリーモントろう学校でボランティアに行ってたので、その時に授業を見ると、完全に手話。手話という理想的な教育だったんですけど、別に全ての全米で全てのろう学校がそうというわけではないらしいです。
またアメリカの高校からは、聴者、聞こえる人が学校、聞こえる人の学校でもアメリカ手話の授業を受けられるようになっているので、けっこう手話が身近ですね。なので、日本でもそういうふうに、高校で選択科目として、例えば英語が必須、必須ですけど、フランス、フランス語とかスペイン語、日本手話っていうふうに言語の選択科目で、日本手話が日本でも取れるようになってほしいなって。すっごい思っています。
MC:そうですね。あの、私が映画で見たすごい印象的な手話のシーンっていうのがあって、映画の「スノーデン」で、スノーデンっていうのは CIAの職員だったんだけれども、政府が国民を盗聴しているっていうことを告発した人なんですね、で、その「スノーデン」の映画の中で、盗聴器を仕掛けられてる部屋で同僚と秘密の会話をするのに、手話を使ってやってたんですよね。だからその、アメリカでは手話を学ぶということがすごくポピュラーなのかなぁっていうふうにその時思いました。それとかあと、ロックコンサートで、ものすごいかっこいい手話通訳の動画をインターネットで見たことがあるんですけれども、アメリカでは、もう、手話が結構さかんだなっていうふうな気がしています。
それでその、サンフランシスコでろう教育の資格を取得されて、もう、すぐ日本に戻ってこられたんでしょうか。
木の実:はい。大学卒業した後、コミュニティカレッジなので、日本でいう短大なんですけど、本当は4年制大学に編入したかったんですね。けど本当にお金がなくなっちゃったので。自分でお金を貯めて行ったんですけど、もう4年制大学に入る前に、お金がすっからかんになってしまったので、あぁどうしようと思った時に、先ほど言ったろう教育資格を使えるのが、多分短大だからだと思うんですけど、カリフォルニアとハワイでしか使えないんです。そうなんです。なので、カリフォルニアはもう十分楽しんだから、まぁいいやってなってハワイに引越しました。
ハワイでのろう学校で、教員補佐といって、なんか、メインの先生がいらっしゃるんですけど、メインの先生のなんというか使いっ走りというか。子どもたちが、耳が聞こえない、聞こえない分見る力が強いんですね。なので、なんか、見てないなぁと思ったらハイってやって、注意。手を振って注意を引いてメインの先生を見るように促す役だったりとか、授業に必要なものを準備したり、そういう仕事をハワイのろう学校でしていました。ちなみにハワイのろう学校は、みなさんご存じかな。ホノルル動物園があるんですけど、ホノルル動物園から歩いて行けます。
MC:すごくいい立地の所にある学校なんですね。
今までのお話を伺って、アメリカのろう文化が思ってたよりずっと豊かだっていう印象を受けました。私が子どもの時に黒柳徹子さんがデフシアターを紹介してらして、すごく表現豊かな演技に、もう圧倒されちゃったんですけれども、最近あのセサミストリートでも耳が聞こえない子どもが出てきたりとかして。
それで、木の実さん、あの、サンフランシスコとハワイでだいぶ長くアメリカにいらっしゃって、アメリカのデフソサエティ、デフカルチャーについてのお話を伺いたいと思います。アメリカのろう文化ってどんな感じなんでしょうか。
木の実:アメリカのろう文化。例えばですね。自分は耳が聞こえなくてもいいっていうふうに、すごくポジティブに捉えているんですね。何でしょう。自分、私の場合は、日本にいる間はできないことばっかり考えて落ち込んでいたんですね。でも向こうでは聞こえなくても、聞こえなくてもいいっていう。例えばポジティブなジョークがあるんですけど。地球のことを英語で、アース、earthって言うじゃないですか。EARTH。でも、私たちろう者は、耳ではなくて目で見て理解してるので、自分たちが住んでいるのはアイス、EYETH。eyethって言うんですね。そういうふうに自分たちに合わせて言葉を変えたり。あとは、聞こえないから大変だって聞こえる人から言われるけど、逆にこっちは聴者って大変だなって思うこといっぱいあるねっていうふうに。例えば、水中で、水中とかガラス越しとか、電車のホーム越しに会話ができないから聴者って大変だね、っていうふうに。 逆にこう、からかったりしたり。そういうふうに。
あとはですね。デフ、デフゲインっていう英語があるんですね。ろう者がさらに、なんだろ、ろう者の方がゲイン、何かをもっと得ているっていう意味の言葉なんですけど、回りがうるさければ補聴器の電源を切っちゃえばいいので、騒音問題とはもう全く関係がない、ていう、っていうふうにデフゲインっていうふうにポジティブに、ポジティブに捉えたりするので、すごくいいなぁ、と思います。
耳が聞こえないイコール何か能力欠け、能力が欠けているのではなくて、聴者、自分たちは聴者とは全く違う、言語を持ったマイノリティっていうふうに定義されているっていう考え方があって、ものすごく衝撃だったんですね。障害者じゃなくて言語少数者って思えばいいよって、アメリカで学んで、すごく衝撃ではあるとともに自分に対してポジティブになれた気がします。
MC:ありがとうございます。あの、こう言っては失礼かもしれないんですけれども、あの、お話を伺って、私たちが今まで聞こえていた社会に対する考えや見方が広がったような気がします。あの、木の実さんにはあともう1回お話を伺います。今回は一旦ここで締めさせていただきます。ありがとうございました
木の実:ありがとうございました。
2021-03-22
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anyaqiu-blog · 3 years
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木の実さん(1) ろう者から見る日本社会
ポッドキャスト092 木の実さん(1) ろう者から見る日本社会   を文字起こししました。
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MC:今回のゲストは、私の手話の先生でもある木の実さんです。このポッドキャストは音声のみの番組なんですが、木の実さんは、ろう者、耳が聞こえない方なので、ゲストとしては異例かもしれません。でも、このポッドキャストを聞いてくださっている聞こえる方々に、聞こえない社会について知っていただきたくてお招きしました。それでは木の実さん、自己紹介をお願いします。
木の実:みなさまはじめまして、木の実です。安さんの手話の先生をさせていただいております。よろしくお願いします。
MC:よろしくお願いします。木の実さんの発声は、はっきり聞こえるんですけど、木の実さんは耳が聞こえなくなったのは成長してからなんですか?
木の実:はい。わたしは生まれつき耳が聴こえません。重度の感音性難聴のため、生後6ヶ月で補聴器装用を開始しました。両耳とも100dB以上ぐらいです。それは、補聴器をしていない状態で、頭上を通過するジェット機の音が聴こえるぐらいと言われています。聴者、つまり聴こえるみなさんは、どれくらいかといいますと、20dBぐらいだそうです。
わたしは手話と口話。あ、口話は何かと言いますと、口で話すことです。今みたいに口で話していることを、私たち聴覚障害者は、口話と呼びます。手話と口話を両方使います。
私の母によると、わたしが手話を使い始めたのは1歳ぐらいだったそうです。小さい頃から絵本を読むことが好きだったらしく、日本手話と目から入る日本語をどんどん吸収していったように思います。ろうの母とは手話、難聴の兄とは口話と身振り。そして近くに住んでいた聴者のおじいちゃんおばあちゃんとは口話で会話していました。毎日あいうえお五十音表を見て、おじいちゃんおばあちゃんが発音のスパルタ特訓をしてくれたことを今でも覚えています。補聴器はしていないと眠くなります。補聴器のスイッチイコールわたしのスイッチです。
MC:じゃぁ、そうすると補聴器を付けていると聞こえるんですか?
木の実:補聴器を付ければ、音は聴こえるんですけど、何の音かわからないことが多いです。例えて言うならばラジオのチューニングが合っていない状態ですね。音を大きくしても、音が歪んで聴こえる状態なんですね。でも聞き慣れている音はわかります。たとえばドアがバタンとしまった音とか、救急車のサイレンとか、ドアのピンポンとかはわかります。
そして、聴覚障害者コミュニティにはろう者、難聴者、最初は聴こえていたけど後ほど聴こえなくなった中途失聴者、そして片耳難聴の人がいたり、また、ろう学校育ちだったり、インテグレーション、つまり普通の学校に通ってた人だったり、さらに手話で育った人、あるいは口話で育った人などほんと~に多種多様です。
さきほども少しふれましたが、わたしの��族もなかなか多種多様なのではと思います。まず母についてですが、母は生まれたときは聴こえていて、3歳のときに高熱で聴力を失いました。ろう学校育ちで、口話、補聴器はしません。そして兄は生まれつき難聴で、補聴器をしていれば電話ができます。発音がきれいなのと電話ができるので、聴者、つまり聴こえる人とよく誤解されていました。兄はやはり聴こえているぶん、手話の習得が遅かったようで、指文字が完全にできるようになったのは、兄がたぶん小学校5年生ぐらいのときだったって、母が言っていました。
MC:あのぉ、耳が聞こえないと言っても色々なタイプの方がいらっしゃるんですね。途中から聞こえなくなった方もいらっしゃるっていうのは、分かってたんですけれども。そんなに色々なレベルがあるって言うのは初めて知りました。そうすると、あの、子供の時は近所の子と遊ぶ時はどんな工夫してたんでしょうか。幼稚園はろうの子どもたちが通う幼稚園に通ってたんですか。
木の実:近所の子どもたちと遊ぶ時。遊んだ記憶はあるんですけど、どうコミュニケーションをとっていたのか、全く覚えてないんです。たぶん兄が通訳してくれてたのかなってと思います。
小さい頃はですね、1歳から埼玉県さいたま市のわかば園という、ろう難聴の子どもたちが集って、一緒に勉強したり、遊んだり、発声練習をするところへ通っていました。4歳からは地元の幼稚園にも通いました。週の半分はわかば園で過ごして、残りの半分は幼稚園へ通ってました。
MC:えーとじゃぁ、子ども時代のことあんまり覚えてらっしゃらないっていうことで、でもあのぉ、難聴の子たちが通う幼稚園っていうのがあるんですね。
それで、小学校に入学するわけですけど、日本の教育は633制で、小学校6年、中学3年、高校3年とあります。ろうの人たちは、ろう学校で学ぶのかなって思うんですけど、木の実さんが日本で受けた義務教育についてお話ししてもらえますでしょうか。
木の実:はい。まず小学校ですけど、小学校は「言葉の教室」という、難聴学級がある大宮南小学校というところまで、家からバス、バスで1時間かけて通学しておりました。実は先天性の腎臓病があって、小学校生活の半分以上は通院と入院だったんですね。なので学校で友達を作るのが難しかったです。勉強と本が友達でした。
週の3分の1ぐらいは難聴学級で受け持ちの先生と発音の練習をしたり、普通学級の授業でわからないことなどを教えてもらいました。クラスでは発音をからかわれたり、なんか聞き取れなくて会話についていけなかったり、すっごいコミュニケーションに困りました。
今でもやっぱりイントネーションはよくわからないままですけど、なんとか発音が通じるので、周囲の友達には耳が軽いって、いつも誤解されていました。でも、1対1ならなんとかわかるんですけど、大勢でわーって話すと、もう全くわかんないです。その頃、小学校5年生くらいの時に、ろう学校に転校したいって母にお願いしたんですけど、だめだって言われてしまいました。
MC:それで中学なんですけど、中学は、ろう学校に進学したんですか?
木の実:中学校はですね。小学校の近くの、これまた難聴学級がある大宮南中学校に進学しました。なんか、部活はバスケ部に入りたかったんですけど、なぜかテニス部に入りました。ず~っと球拾いでした。
MC:あ、そうだったんですね。でも体を動かして、スポーツして。
えーと、中学って思春期で、聞こえる人にとっても難しい時期なんですけれども、木の実さん、中学時代はいかがでしたか。部活でやっぱりお友達とかできたんですか?
木の実:中学校は、かなり情緒不安定。すごい上がったり下がったり。なんでしょう。今思えばうつ病だったんじゃないかなって思います。小学校に続いて、自分の障害をわかってもらうために、どうすればいいか全くわからなかったので。でも、小さい頃からずっと本が好きだったので、休み時間は本に没頭してました。当時は本が一番の友達でしたね。いまでもすごい活字中毒です。
MC:そして、高校に進むんですけれども、高校はろう学校に、入ることができたんでしょうか 。
木の実:高校はろう学校に進みたかったんですけど、また母に反対されて、普通の学校に進みました。何で反対したかっていうとですね、当時は、ろう学校は勉強が遅れているっていうイメージがすごい強かったです。母が自分がろう学校を卒業して社会に出たんですけど、うまく意思疎通ができなくて、悔しい思いをしたんですね。なので、わたしには普通の学校に行ってほしいって思ったみたいです。
いまでも多くのろう学校がそうらしいんですけど、ろう学校なのに手話を使えないんですね。母も、自分が行っていたろう学校の授業では聴こえる先生の唇を読んで、かなり頑張ってたみたい。学校で手話を使わせてくれなかったから、当時勉強が遅れていたのは当たり前だと思います。
そして、かなり時間は遡ってしまうんですけど、世界的なろう教育のホロコーストって言われている、1880年に行われたミラノ会議っていう出来事があります。このミラノ会議は何かといいますと、ろう教育は口話で、口で話して行うべきだと、そして手話を一切使うべきではないと、聴覚障害のある当事者の声を完全に無視してろう教育の方針を決定してしまった会議です。全世界がこの影響を受けました。日本も影響を受けまして、鳩山前首相が、1933年に、ろう教育の方針を間違った方に、つまり口話主義に決めてしまったんですね。それで全てのろう学校からろうの先生が追い出されて、手話が禁止になったっていう経緯があります。鳩山前首相はろうコミュニティではかなり嫌われてます。
そして、自分の話に戻りますけど、中学校3年生の頃から、兄に連れられて、東京のろう難聴の友達と遊ぶようになりました。この東京のろう難聴の友達のおかげで、同じ悩みを共有できて、高校生活はあまり、相変わらずつまらなかったけれど、週末になると友達に会えるので、週末を楽しみに頑張ろう、と思えるようになりました。
小学校中学校高校と、あ、中学までか、ほんとうにネガティブだったんですけど、自分に自信をもてなくて、何もかも後ろ向きに考えてたんですけど、高校で出会った友達の、ポジティブな友達のおかげで前向きになりはじめたんですね。なので、東京で出会った友達には、感謝してもしきれないなぁって思っています。
MC:そうなんですね。それは本当に良かったですね。でもその、東京の方に、埼玉から東京の方に遊びに行くって、高校生にとってはすごい冒険だったんじゃないのかなって思います。
そういえばなんですけれども、私も地下鉄で高校生が手話ですごい賑やかにおしゃべりしてるのを見かけたことがあって、だから、今その話聞いてね、仲間に会えて喋りできるっていうの、本当に、特に女の子にとっては何よりのストレス解消になりますよね。
あの、地下鉄といえばなんですけども、最近駅などに筆談できますって、筆談板みたいなのが置かれていたり、あと記者会見に手話通訳がついたり、以前に比べると聞こえない人に対する配慮がされている感じがするんですけれども、ろうの人たちから見て日本社会はどんな社会でしょうか。
木の実:えーと、サポートが手厚いアメリカに住んでいたので、日本に帰ってくると、逆カルチャーショック受けます。確かに以前と比べると、配慮をしてもらえるようになりました。それでもアメリカより30年ぐらい遅れてるんですね。
例えば手話通訳者を介して電話をかけることができるサービスのことを、電話リレーサービスって言うんですけど、電話リレーサービスの導入が、G7ランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、そして日本の間では日本が一番遅かったです。2013年ぐらいからやっと導入されました。��して、今年夏からやっと24時間体制になりますし、110番や119番に通報できますし、双方向になるんですね。今はまだ、朝9時から夜の9時までで、警察とか救急に通報できなくて、連絡はこちらからかけるのみなんですね。むこうからかかってきたらどうするかというと、かかってきても手話通訳者を介することができないので、ワンギリっていうか着信を残してもらって、折返し電話リレーサービスを通じてかけるっていう方法なんですね、今は。
私から日本社会を見ると、手話とか聴こえないことに対して偏見がまだまだあるような気がしますね。みなさんにご協力いただきながら、もっと当事者として声を上げていきたいなと思っています。
MC:今、電話リレーサービスのことお話し下さったんですけども、ちょっとここで、情報保障の話をしたいって思います。情報保障っていうのは、主に耳が聞こえない人を対象とした支援サービスのことなんですね。今、この収録なんですけれど、木の実さんは音がよく聞こえないのに、どうやって私たちがコミュニケーションを取っているのか、この ポッドキャストを聞いている人は不思議に思うかもしれないので、今どういう状態で収録しているかを説明してもらえますか。あ、私たちこれzoomでやってるんですけどね。お願いします。
木の実:はい。お見せできないのがもどかしいのですが、音声認識アプリUDトークをスマホに入れてるんですね。スマホをパソコンにアダプターでつないでいます。パソコンから安さんの声を拾って、スマホで文章に変換してお話しを理解しています。
たとえば講演会などでは、手話通訳者に来ていただいたり、さきほどの音声認識アプリを使ってスクリーンに字幕を出したりしています。ただ、誤変換が発生してしまうので、誤変換の部分をリアルタイムで修正していただくUDトーク修正者にもお越しいただいたりしています。わたしが今通っているオンラインスクールでは、UDトーク修正者を配置していただいていて、すごい助かっています。
MC:あの UD トーク、私も使ったことあるんですけれども、誤変換ですね。同じ音で違う文字が出てきちゃうんですけれど。でも話の流れで、この事を言っているんだろうなーっていうことはだいたい分かるんですけれども。そういう講演会とかセミナーなんかの時には、スクリーンに映し出すので、映し出す前に修正者がパソコン上でばーって文字を変えて映し出してるんですよね。
私たち、実際に対面でお話しする時にも、木の実さんが色々なスマホのアプリを使ってコミュニケーションをとる時があるんですけども。すいません、その他にも、私たち聞こえる人が使えるようなアプリがあったら教えてもらえませんか。
木の実:他にはですね。さきほど紹介したUDトーク、UDトークは Android と iPhone Apple 両方使えるんですけど、それよりも精度がいいアプリがありまして、それは Google トランスクライブ。でもAndroid だけなんですね。そちらのほうが、一対一でお話する時は精度が、あんまり誤変換、誤字脱字とかもなくてすごい便利です。あとは、もしそのアプリがなくても、メモとかに打っていただいて、文章を見せていただくとコミュニケーションができますし、手話を知らなくても筆写とか話しかけていただけるとうれしいな、と思います。
MC:ありがとうございました。
それで、さっきちょっとお話があったんですけれども、木の実さんはアメリカに留学されてました。聞こえる人にとっても留学はかなりハードルが高いんですけれども、ろう者の留学はもっとハードルが高いんではないかなーって思います。次回はアメリカ留学についてお話を伺います。今回はここで一旦とめますね。ありがとうございました。
木の実:ありがとうございました。
2021-03-14
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anyaqiu-blog · 3 years
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ChooseLifeProjectの「変わる男たち」
「女性がいると会議が長くなる」という森発言を受けて、SNS上で #わきまえない女 タグが溢れた。その流れに乗って、Choose Life Projectという、 テレビの報道番組や映画、ドキュメンタリーを制作している有志で始めた映像プロジェクト が、2月6日に「 #わきまえない女たち」と題する討論番組を配信した。25名の女性が出演しリレートークを繰り広げた。女性だったら、出演者のひとことひとことに首の骨が折れるほどうなずいて、そーだーっと声を上げたはず。
そのアンサーソング(?)として、Chooseは9日に #変わる男たちと題する男性20人が出演する同じような番組を企画した。が、企画自体や、番組出演の抱負や思いについての出演者のツイートなどに、女性側から猛批判が起こった。
それでChooseは番組を取り止めることにして、 今回の企画に込めた思いや経緯をまとめた文章を noteに掲載した。その"思いや経緯"を読んでの私の感想。
#変わる男たち の反省文(?)に、企画は女性スタッフが、との一文があり、それを免罪符にしようとしている印象。でも12月にMeDiとの共同企画「ジェンダーギャップの解消に向けて」に感じた違和感があったので、ちょっと納得した。
「ジェンダーギャップ解消」には女性ジャーナリストたちが出演して報道現場での"男女共同参画"が以前よりは進んでいるということを話していたけれど、それを聞いていて、アメリカのフェミニズムにおいて黒人女性、アジア系女性が白人女性に対して「あなたたちは本当に女性を代表していると考えているのか」という問いを突きつけてきたことを思い出した。
Chooseの「ジェンダーギャップ解消」回を見て(いやになって途中で見るのやめたけど)、アメリカフェミニズムにおける非白人女性の違和感がわかってきた。あなたたちは本当にジェンダーギャップ解消を実現していると考えているのか、と。"ジャーナリズム"界の女性たちは、男性価値観を内化するこの社会ではエリートであり、#わきまえない女 の氷山の水面上の一角でしかないってこと。そんなジャーナリズム界の女性たちが企画した #変わる男たち が、氷山の水面下でずっと冷たい水に沈められ続けている女性たちを十分に考慮できるのか。
noteの反省文(?)はいいわけ終始の小学生の反省文のよう。文章が"~ました" ”~でした" "~ました" "~ました" の連続。 Chooseはジャーナリズムではなく、映像プロジェクトだから、企画の甘さはしょうがないのか。でもこれを転機に、テーマに深く向き合って企画してほしい。機動性ならテレビがやるでしょう。 私(たち)は、既存のメディアがおろそかにしている、社会変革への一歩になる内容をChooseに求めている。求めすぎですか。
2021-02-11
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anyaqiu-blog · 3 years
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女性は議論に参加できるのだろうか
2021年2月3日に、日本オリンピック委員会評議員会で森組織委員会会長が 「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないで困る」「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」 などと発言したニュースが流れ、海外メディアも女性蔑視と報道した。
この森発言に男性陣も怒ってくれてるし、今日の国会では立民の枝野氏が「国益を損ねる」と質疑で言ってたけれど、私は内心、そう言ってる男性陣だって実際議論の場になったら女性の意見は聞くのかな、と思う。
地球環境を壊滅状態に追い込んでいる資本主義を終わらせるための脱成長コミュニズムを提唱している斎藤先生の「人新世の「資本論」」では、マルクスが資本主義克服の手段として考えていたアソシエーションを紹介している。アソシエーションは、日本でいう協同組合とかワーカーズコープみたいなものらしい。市民(構成員)が意見を出し合って事業を運営していく、というもの。
でもね。この箇所を読んだ時真っ先に思ったのは、意見を出し合う市民に女性は想定されているのだろうか、ということ。「人新世の「資本論」」の著者、斎藤先生は男性。議論の場に男女が半々参加している図を想像して書いたのかな、と思う。
議論の場で女性が意見を言えるとしても、その意見が取り入れられることがあるのだろうか。
今回の森の「女性の発言を規制しないといけない」発言は、やっぱり社会の根底に女性の意見は聞かない大前提があることをあらためて確認したように思う。
2021-02-04
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anyaqiu-blog · 3 years
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チャコさん(2) 絶対負けられない闘い
ポッドキャスト085 チャコさん(2) 絶対負けられない闘い   を文字起こししました。
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MC:ゲストは、前回に続いてチャコさんです。今回は、チャコさんが今闘っていらっしゃる、絶対負けられない闘いについて伺います。その前にちょっとお話ししてもらいたいことがあるんですけれども、肉球新党のスタンディングでチャコさんと何度かご一緒したんですけれども、その時にチャコさんがバッグにヘルプマークをつけていらっしゃるのに気がついたんです。すいません。チャコさんはヘルプマークは何でつけていらっしゃったんですか?
チャコ:実は、3年ほど前に卵巣に腫瘍が見つかりまして、お陰様でそれは良性だったので取って終わりだったんですけれども、外科手術の前の検査が全部値が悪くて、悪性じゃないかっていう疑いが大きかったんですけれども、そうするとその腹腔鏡で卵巣だけ取ってっていう手術、傷が小さい手術ができなくて、全部開腹、お腹のところ、まぁ帝王切開みたいに切らなければいけない手術を受けることになりまして、帝王切開された方分かると思うんですけど、おへその下から鼠径部の近くまでまっすぐ真ん中を切って手術をして、取ってみたら良性だったので良かったんですけれども。 その後やっぱり術後、結構回復までに時間がかかりまして、公共交通機関使っている時に、外見からは全然何にもどこも障害も、しかも老人でもないしっていうことなんですけれども、お腹切ってつらかった時期が長かったので、ヘルプマークをつけて、シルバーシートというか優先席に座らせてもらったりしたいので、付けておりました。
MC:ヘルプマーク、やっぱり病院でもらうんですか。
チャコ:ヘルプマークというのは、今は多分各自治体の行政の窓口で、福祉課で配っているみたいで、そこに私も行きました。ただ町田市の市役所の福祉課に行った時にもらったヘルプマークが、いわゆる今割と認知されてる赤いヘルプマークがちょっと小さくしか付いてないカード式のもので、目立たないものだったので、うちの実家の、横浜市に実家がありますので、そちらの自治体ではいわゆる、皆さんがたまに目にするヘルプマーク、赤い、真っ赤なやつだったので、それを母に受け取ってもらって、それを私がつけるような形にしてます。あとは、地下鉄の駅事務所でもなんか配ってるところがあるみたいなんで、それは調べるとどこでもらえるか分かると思います。
MC:診断書とかを付けて出すんですか。
チャコ:町田市で自分が申請した時も、母に聞いた時も、名前と住所は書いてくださいっていうふうに言われたんですけど、別にそれがなんか設問があって Q & A があって答えなきゃいけないとかっていうのはなくて、ください、と言うともらえる感じです。
MC:わかりました。病気であっても体調がいい時は外出して用を足さないといけないこともありますし、やっぱり外出っていう気晴らしが何より必要だと思うんですよね。だからヘルプマーク付けてる人はそれなりに事情があるので、思いやりをもって見守るっていうことが必要だなっていうふうに思います。 で、そのような大病をされたにもかかわらず、今また、絶対負けられない闘いをされていらっしゃるんですよね。
チャコ:はい。実は、ちょうどほんとにコロナで自粛してた時期に、気になった症状があったんですけれども、まあその期間は病院にかかるのも悪いなと思って。 もともと卵巣腫瘍でお世話になった婦人科の先生に相談したんですけれども、大きい病院なので、もっと詳しく専門の科を受けてくださいって言って、専門の科で受けることになりました。実はちょっと乳がん見つかってしまいまして。 結婚出産が遅かったので、子ども小さいんですけど。乳腺が老化してちょっとそれで痛むのかなっていう、インターネットで調べた耳学問っていうか、自分なりに調べたりで。乳腺が老化して固くなってくると痛みが出る症状が更年期にあるっていうのを調べまして。そうだろうなぁなんて軽い気持ちで乳腺外科を受診したんですけれども。 精密検査をしたら画像診断では全部なんかあまり良くなくて、あれ、また、みたいな感じだったんですけれども。それで画像診断では診断がつかないので、針生検って、針を刺しましょうって言われて、ちょっと、えーびっくりと思ったんですけれども、針を刺して、組織を取って。1回目はクリアだったんです。良性ですねって言ったんですけれども。なんかその固くなって老化してる部分に悪い、良性で悪い部分が範囲が広くて、そういうのに悪性が隠れてる可能性が多いので、ちょっともう一回針生検しましょう、と主治医の先生に言われまして。えーやだな、と思いながらも、大丈夫だろうと思って2回目を受けて、結果を待って、聞きに行ったら、2回目で悪性ですっていうのが出てしまって、乳がんが確定して、今、目下治療中です。
MC:絶対負けられないですね。
チャコ:そうですね。あの、子供がまだ小さいので、やはりもうちょっと良くなって元気にならないと、親の務めが果たせなくなると困るので。直すぞということで。 今、やはり医療もだいぶ進歩してまして、今回悪性って出ちゃったんですけれども、本当に早い段階で見つけられたので、自分も家族も治るって思って、頑張ってます。
MC:治療のために通院しなきゃいけないんですけども、どれくらいの頻度で通院されてるんですか。
チャコ:私の場合、今、乳癌の治療いろいろあるようなんですけれども、割となんか化学療法、いわゆる抗がん剤を先にっていうケースもだいぶ多いらしくて。私も主治医から、まず抗がん剤、化学療法からって言われまして、診断がついてからちょっと進行が早目だから早く治療を始めましょう、ということで、すぐに、10月の中旬過ぎに抗がん剤始めまして。 2サイクルで、1サイクルが3週間ごとの点滴、ということで、最初の、要は、抗がん剤って強い薬なので、体調が急変するとよろしくないので、最初に入れる時だけ、点滴する時だけは入院で、二泊三日なんですけれども、入院点滴で。その後は3週間ごとに通院で点滴して、それが4回1サイクルで、ひとつ目の薬が終わりまして、その次にまた新しい違う抗がん剤を2サイクル目、3週間ごとに4回。で、最初の1回目はやはり入院でっていうことで、予定されてます。
MC:この収録、今2020年12月なんですけれども、そうすると今1サイクル目が終わろうとしてるところですね。
チャコ:そうです。
MC:その、抗がん治療ってすごく高額になると思うんです。それで、そんな3週間ごとに行かなければいけないし、入院もしなければいけないしで、治療費に対する助成とか補助とかみたいなのは、申請されてるんですか。
チャコ:私が今、健康保険の加入がパートナーの勤務先の扶養に入っておりまして、そちらの健康組合のほうに、高額医療制度っていうのがありまして。窓口で払う、支払う医療費を年収に応じて、この年収帯の人でしたらここまでっていう、それ以上は限度額超える分は払わなくていい、保険組合の方から出るということの、高額医療制度っていうのがあるんですけれども、それをパートナー通じて申請してもらって、今それで治療を受けております。
MC:だいぶ助かりますよね、そういう制度があると。
チャコ:でも、それであっても、やっぱり、窓口で一回払うお金がかなり高額なので、公的なものは今それだけ利用してるんですけれども。 たまたま家族で民間の生命保険に入っておりまして、そちらの方で悪性新生物、いわゆるガンって診断がついたら、一定の額がおりるというのを、私自身も入ってたので、そちらの方で支給されたものでまた補填をするかたちで。抗がん剤も高額なんですけれども、抗がん剤で白血球がすごく減るんですね。好中球っていう白血球が減ると、特に免疫がガクッと下がって、今コロナも流行っているし、それ以外の感染症にもかかりやすくなるので、その副作用、白血球が減るという副作用を止めるために、ジーラスタという注射で、皮下注射なんですけども、注射を、抗がん剤の2日後に、注射だけまた打ちに行くんですけど、それがまたすごく高額で。高額医療申請して、しかも保険適用なんですけれども、窓口で、ちょっと金額言っていいのかな、3万くらいかかるんです、 1回。だから抗がん剤4回打つと、抗がん剤のお金もそうですし、その副作用止めのお金も���単純計算で12万。1サイクルで12万かかるんです。本当にまあ、今癌になる方が多いので、民間の保険に入られるのもいいかなと思います。
MC:コロナでお寿司屋さんの方も減収だったのに、治療費でかなり、痛いですね。
チャコ:かなり、痛いです。
MC:でも、社会保障がある程度日本は充実してるんで、その面はいいかなって思うんですけど。 アメリカの女性議員がツイートで、医療と教育は人権だって言ってるんですよね。 コロナ感染拡大、第三波っていうことで、医療行政にすごく注目が集まってるんですけども、通院されていて、病院、コロナ感染拡大の影響を受けてるなって感じることありますか。
チャコ:はい、あります。今、実は抗がん剤治療始まったと同時ぐらいに、10月ぐらいに、私がかかりつけで通ってる総合病院も、発熱外来を始めまして。エントランスの前に車寄せみたいな、ロータリーみたいな広いスペースがあるんですけど、その真ん中にやっぱりテントが張られて、そこで多分、発熱外来を受け付けるようになったみたいで。それと同時に、検温は通院するにあたって義務づけ、義務づけっていうか、基本してから通院してください、来院して下さいっていうアナウンスがあったんですけれども、それ以外にその発熱外来が始まると同時に、いわゆるモニターで、発熱者を感知するモニターが入口の所に設置されて、ますます厳しくなってるんじゃないかなって、肌で感じますね。
MC:今、白血球が減ってるから感染症にかかりやすいっていうので、やっぱ通院するのもすごく気を遣いますよね。
チャコ:そうですね。ですから、抗がん剤始める前は普通に公共交通機関を使って通院してたんですけれども、やはり自家用車で行き帰り、家族に手伝ってもらって。だから家族への負担もすごく増えてしまっていて。二重に心苦しいというか。ガンになってしまって、しかもコロナのこのさ中でっていうのはありますね。
MC:明日、通院日なんですよね。
チャコ:はい。
MC:本当に、医療費削減とか、社会保障削減とかっていうふうな話が時々流れてくるんですけれども、やっぱり医療と教育は人権なわけですから、更に充実させていく方向に政治を持って行かなきゃいけないなーっていうふうに思います。どうでしょうか。
チャコ:本当におっしゃる通りで。医療と教育は人権だと思います。まさにそれを軽んじてきたからこそ、今この日本の体たらくだと私は強く思っておりまして。ちょっと今、ツイッターでも何回か、ちょっとツイートしてるんですけども。考え方によっては、ちょっとその刺激的すぎる言葉を使うのは、あまりタグにつけるのはよくないんじゃないかっていう意見。最初は私もそれを指摘された時に、そうだよなって。もともと言葉を選ぶようにしてたので、ほんとは使いたくないんですけれども、まさに今本当に、正直な話、2サイクル目の抗がん剤治療ちゃんと続けていけるのかっていうのと、その後に、実は外科手術もしなければいけないことは決まっていまして。もし医療崩壊してまったら、その外科手術も、来年の2月頃なので、受けられるのかなっていう不安があって、まさに本当に、自公政権に殺されるっていう。もうぴったりなんです。今自分すごくひしひし感じていて。 ちょっと殺されるって言葉が、ちょっと、それを目にする人に、いろんな状況の方がいらっしゃるのでよろしくないっていうふうに、親切に指摘てくださって。私も一回は、そりゃそうだな、と思って、なるべく使わないようにって避けていたんですけれども。もうどんどんどんどん悪くなる一方なので、最近は、すいません、それを使ってツイートすることが多くなりまして。 本当に、実際、自分の気持ちとしては、なんか本当に治療を受けられなくなるんじゃないかっていう恐怖が、あります。
MC:本当に、いつも、私チャコさんのことを、心の中だけなんですけど、応援することしかできないんですけれども、いつもチャコさんのこと応援してます。今日は貴重なお時間いただきまして、ありがとうございました。明日からのまた治療、頑張ってくださいって言うのがほんと軽いんですけれども、がんばってください。
チャコ:ありがとうございます。すいませんとりとめもない話になってしまいましたけれども。本当に政治、大事だと思うので。あと、頑張ります。応援してくださるの、すごくうれしい、力になります。どうもありがとうございました
MC:またスタンディング一緒にやりましょう。
チャコ:はい、ぜひ。
MC;ありがとうございました。
チャコ:ありがとうございます 。
Anchor:https://anchor.fm/girltalk-9/episodes/072-1-elak40 Apple Podcasts: https://podcasts.apple.com/us/podcast/072-%E6%A8%8B%E6%B5%A6%E3%81%95%E3%82%93-1-%E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%84%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%8B%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84/id1465506160?i=1000495536161
2021-02-03
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anyaqiu-blog · 3 years
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樋浦さん(1) あたらしい歴史教科書なんかいらない
ポッドキャスト072 樋浦さん(1)あたらしい歴史教科書なんかいらない を文字起こししました。
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MC:今回のゲストは藤沢市の樋浦さんです。いわゆる教科書問題に取り組んでいらっしゃいました。2011年、藤沢市は育鵬社の中学生向け教科書「新しい日本の歴史」と「新しいみんなの公民」を採択しました。育鵬社の教科書は総合的俯瞰的な観点に立って歴史や公民を捉えていない面があり、次世代を担う若い人たちが歴史を学ぶのにふさわしい教科書かどうか大いに疑問があるところです。 2020年7月31日の教育委員会臨時会で藤沢市は育鵬社版の不採択を決定しました。今回は樋浦さんに採択から不採択までの活動についてお話を伺います。よろしくお願いします。
樋浦:よろしくお願いします。
MC:樋浦さん簡単に自己紹介をお願いします。
樋浦:わかりました。私は1949年生まれ、で、東京で育ちました。現在藤沢市在住です。大学で歴史を勉強しました。その頃は全共闘運動の終わり頃でしたが、様々なことを考えて、教育、教員、悩みながら結局は大学院で歴史を勉強して、29歳の時に神奈川県の教員になりました。79年です。 それから2010年まで県立高校で社会科、最後の頃は総合学科というとこでしたので、人権入門とか自分たちで作った授業なども担当しながら、2010年、定年で退職しました。 家族は夫と息子が一人です。息子は結婚して独り立ちをして別世帯で、今夫と二人暮らしです。2011年の採択時は退職後1年で、再任用という学校勤めはせずに、女性と子供たちのために、もっとちょっと違うことで何か役に立てないかなと思って、一年間いろいろ試みていた後に起こったことです。
MC:この教科書問題に当初から取り組んでいらっしゃって、2020年7月31日に不採択が決まり、藤沢市不採択のニュースが8月に出たんですけれども、SNS なんかでも、もう本当に藤沢市不採択っていうので、結構歓迎ムードな感じでいろんなニュースが出て、で、そこでいろんなメディアから樋浦さんインタビュー受けてらして、いろんな記事に樋浦さんの名前があったんですけども、この教科書問題に取り組むのに、何かその団体とかがあったんですか。
樋浦:そうですね。2011年の夏の教育委員会で育鵬社採択が決まり、それまでも私は自分が社会科の教員でしたし、それから高校の日本史の教科書の執筆者として結構長く教科書業界に関わっていたこともあって、教科書についてはすごく関心が深かった、と自分では思っているんですね。80年代から「今教科書問題は」みたいな文章を書いていたということを、最近もう1回確認をして、あ関心が深かったと。でも、自分の足元、子どもが育ったこの藤沢市でよもや育鵬社が採択されるとは思っていませんでしたので、とにかく衝撃、を受けました。 でどうしたらいいか。その前に採択をしていた杉並区などでは採択した後、区の教育委員会が社会科の先生の定期テストを回収して教科書を使ってるか点検してるとか、校長先生が社会科の教員だけ授業観察に入るとか色々聞いていましたので、藤沢市でもしそんなことがあったらば、まずは市民がそれは不当だと声を上げなきゃと思って、現場の先生方の自由な教育活動をとにかく守りたい。それからもう次4年後来る時には、どうしても違う教科書にしなくちゃという思いで、組織を作りました。それが「藤沢の教科書採択問題にとりくむ会」です。 既に藤沢には市民の教育のグループが、熱心に活動してらっしゃるグループがあったんですね。「みんなの教育藤沢ネット」という。そこの方たちは2011年の採択でも、しっかり傍聴もしていたし、それからずっと問題提起もしていました。私はもう本当にそのことについて自分ごとでなかった、ということも含めて衝撃を受けまして、ではどうしたらいいか。その、自分が懸念していることとか、運動はやっぱり市民が入ってやらなきゃ、という思いがある中で考えた時に、現場の先生方が声を上げる、あるいはそれをサポートする、そういうことがないと、市民だけが声をあげてもこの問題は絶対解決しないと思ったんですね。 それで、本当にこれはよくないと思うんですけど、市民運動も既存の政党の関係で、例えば藤沢市議会で直接パイプ役になっていただく議員さんが今で言えば共産党系の議員さんなのか、立民系の議員さんなのかとかいうようなこととか、労働運動が全労連と連合系としっかり分かれてしまっているなかで、なかなか現場の教員の声、しかも教職員組合などの活動してらっしゃる方も含めてどう向き合って、その先生方の意向も聞きながら、子供を第一に、とにかく不利益にならないためにって考えた時には、ちょっとこれは別な組織を作らなければということで、2011年に作って活動を、以来9年間やってきました。 続きでしゃべっちゃっていいですか。 2011年の秋で、県の方でちょうど夏に、横浜市が育鵬社を採択しました。全市一区にしたということで、横浜市全域で採択をした。それから平塚にある県立平塚中等学校っていうところが、同じく育鵬社の歴史を採択したってことで、これは神奈川県全体の問題だよねっていうことで「神奈川の教科書採択問題にとりくむ会」っていうのができましたので、そことも連携しながらやろうということで、「藤沢の教科書採択問題にとりくむ会」の活動を秋、一番最初に呼びかけたのは9月ぐらいでしたが、やって、現場の先生方にも入っていただきながら、何ができるか、本当に手探りで活動を始めて、次の年の4月に大きな講演会を開きました。世界が100人の村だったらの彼女、をお呼びして。杉並の方なんですね。だから杉並のことを聞きたいということもあって。 で、杉並区がどういう関係があるかっていうと、藤沢市の海老根さんという市長が、当時ですが、彼は松下政経塾の二期生なんですね。その二期生の同級生に杉並区長の山田宏さん、当時ね。今は自民党の国会議員さんですが、がいて、とっても仲良しだったと松下政経塾のことを書いた本の中に縷々書いてあるんですが、とにかく海老根さんは市長になった時に、多分その"つくる会"系の教科書を採択するということを思って、その任期の中で教育委員を一人ずつ変えていく、自分のイエスマンを入れていった。で採択の時、フタを開けてみたら教育長を含めて4人がイエスマン。その前の市長が任命した保護者枠で出ていた女性の方だけが反対をする、という構図がもう出来上がっていたんですね。 そういうことを市民として私も知らなかったということが、本当にやっぱり足元で何が起こってるかっていうことを、知った人は発信していくし、それを受け止めていくアンテナがなければなっていう風に思った次第ですね。 ちょっと戻りますが、その場でその一人だけ保護者枠で出ている女性の方が発言されたことなどを議事録で読むと「本当に藤沢の子どもたち、特に女子が元気が出ない教科書です」っていうようなこともおっしゃってるし、的確な批判をされているんですけれども、本当に多数決で育鵬社が採択されてしまったっていうこととかを、後追い後追いで調べたり読んだりしながら、この問題に取り組んできました。
MC:藤沢の教科書問題にとりくむ会のメンバーは何人ぐらいいらっしゃったんですか。
樋浦:流動的で、メンバーというか、事務局会議に出ていただく方ということで、いつもだいたい10人前後で、議員さんから教員の方、議員を退職して市民運動をやってらっしゃる方、本当に知り合いに声をかけてやってきています。で、それは本当に事務局的な感じで、だから会としてどんな組織ですかって聞かれるとちょっと曖昧なところがあるんですが、今でも12名位かな。メーリングリストを回しながら色々相談しながらやってる。あとサポーターっていう、年会費千円を払ってくださる方が、お便り出すのはだいたい250位出してますから、100名ぐらいの方がいるという組織です。
MC:それで、署名を集められたんですね。
樋浦:そうですね。署名はこの9年間では2回。2015年の採択の時と今年の2020年の採択の時です。でも色々な署名があって、育鵬社を採択しないでくださいっていうのが市民として分かりやすいのですが、私はこの運動というのは先生方と一緒にやるしかないと思っていましたので、教員に対しては今とても厳しいバッシングがあって、具体的に言うと、教科書使用義務が法律上あるのに教科書を使ってないんじゃないかっていうふうな批判、あるいは検定を通った教科書を特定のものを批判するのはおかしいというような形で、現場の教員の方が声を上げにくい時代なんですね。 だから藤沢の署名は2015年も2020年も、現場の教員ポツ保護者の意向を尊重して採択をやってください、という回りくどい、ただし多くの方が賛同できるって言う署名にしました。 2020年はさらに、藤沢市は色々改善もされてきてもう一歩のとこです、みたいなのまで書き込んで、非常に穏やかだけど何の署名で何に反対するのかわからないという批判も受けましたけれども、それでやりました。まあ二つの市民組織はそれぞれのネットワークも違いますし、色々広げていくためにお付き合いしてる組織なんかも違うということもあって、
MC:その二つの組織っていうのは、
樋浦:「みんなの教育藤沢ネット」と「藤沢とりくむ会」です。で、同じ書式でちょっとやりきれなくて、集約のところを変えるということもしました。だけど、必ず最後は一緒に出しましょうねって言って、2015年は54,000筆集めました。 今回はコロナでもう全然ダメかと思ったんですが、38,072筆を「みんなの教育藤沢ネット」さんと私たち「藤沢とりくむ会」と「神奈川のとりくむ会」と3団体で、市の教育長宛ですので、市役所の教育総務課長が受け取ってくれたんですけども、手交をするというので、その写真なんかも東京新聞さんとかは掲載して報道してくれています。
MC:3つのグループが一緒になって活動するっていうのは、何というか、かなり政治的な配慮みたいなのも必要だったんじゃないですか。
樋浦:そうです��。やはりこの問題は広く繋がって、数である意味でやっぱり意志を示していくという事が一つと、それから困っている人たちって言った時に、藤沢の教員もそうだし、横浜の教員もそうだしってことになった時に、そういうところが普段からいつも一緒にはできませんけれども、大きな学習会はあって一緒に問題点を学んだり、知恵を出し合ったりというような会議をして、それで本当に9年間来ましたので、その中で署名というのは自然に最後の集約としてやりましょう、と。 で、2015年の時は、駅頭に、これは藤沢とりくむ会と県とりくむ会ですが、マイク持ってお願いもできて、今年もやる予定でしたけれども、全くそういうことはできずに。コロナの影響で。そういう風に広がりを持つっていうのは、政治的っていうか様々な団体がどういう構成でっていうようなことを、ある意味で知って、できるところを探って、一つの形にすることだったんだ、と思っています。
MC:2011年に初めて採択されて、2015年でまた採択されてしまったんですけれども、ある意味活動の成果を上げられなかったと思うんですけど。
樋浦:そうですね。2015年は署名は54,000筆集めました。2011年の採択のすぐ後に市長選挙がありました。海老根さん二期目だから絶対盤石だと言われてたんですけれども、今の市長の鈴木さんが立候補されていて、それでその時だけは共産党さんが対立候補をお立てにならなかったんです。つまりそこで対立候補を立てたらば、海老根さんの再選ということになるというふうに読んで、そういう行動を取ってくれたんだと思ってるんですが、それで鈴木さんが勝って、だから私たちとして市長も変えた、それからの先生方の意向を表す資料があるんですね、教科用図書調査書っていう資料。それの中でも最低の評価しかない。だから現場の先生方がこれは4年使って駄目ですよ、それから審議委員会の答申も育鵬社を評価するのはほとんどいない、という状況でしたから、私は鈴木さんというのはバランス感覚で来てるような市長だから、悪くてもどちらかが残る、両方ともいけるんじゃないかくらい、実は思っていた。 でも、当時の教育委員会ってのは今の制度の前の旧の制度で、教育委員長っていうのがいて、教育委員長っていうのは一般の教育委員が4名で、一年ずつ交代で教育委員長(を務める)。で教育長っていうのと別。だから教育委員長が採択の審議の教育委員会の議長として牛耳るわけですね。2011年の時も、商工会議所青年会議所系の方が委員長でした。その方が任期が終わった後、4年毎だからちょうどまた2015年も、商工会議所青年部という方が議長でした。そうすると本当に、二つ上げたところはみんな賛成票に数え、最終的には育鵬社の支持が多いです、というふうに言って、やってしまった。かなり強引だったと思います。
MC:海老根さんが作っておいた教育委員会の仕組みがまだ残ってしまってた、ということですね。
樋浦:そうですね。それと、日大の先生がいらしたんですね、委員に。生物資源科学部の。でその方が本当に苦しそうに、私は東京書籍がいいと思います、と縷々説明して、最後にほんの一言二言、というわけで育鵬社が継続でもやむを得ない、というような発言を、本当に見ててももう苦しそうに、されたんですね。だからよっぽど大きな圧力が委員の個々の方にかかってるという風に、傍聴していて思いましたね。だから、彼は自分の学者としての、なんだろう、公平性公正性を出したのかな、というふうに思いますけれども。 それで教育長が、現場出身の指導もされた女性だったんですけど、教育長はただ独り反対をされました。はっきりと。普通は、教育委員会っていうのはレーマンコントロールと言って、素人が専門である教育の行政をコントロールするって仕組みだから、皆さん素人で、その中に1人教育の専門家がいたら、昔だとおっしゃることを尊重してっていう流れもあったと言うけれども、2011年は教育長さんは、私は審議に加わりません、と言ってだんまりを決め、2015年(教育経験のある教育長)おひとり反対したことを誰も尊重しないで、本当にひどかったです。 すぐに、初めて怒り街宣というのを次の週かな、北口でやりました、私たち。手製のプラカード作って。あの、公開質問書、審議の進め方もおかしいし、それからあとは医師会から出られた女性の方が、私3冊読んで育鵬社がいいと思いました、っておっしゃったんですね。7冊あるのに。だからそれだっておかしいでしょっていうのがいくつも(あって)、公開質問書出したけど返事が来ない。 その時に、市議さんなんだけど、議会でやったらどう?って背中押してくれたんです。9月議会が迫ってましたけど、9月の教育委員会に請願として、私たちは納得してませんのできちんとした説明をしてください、という請願を出し、議会には子ども文教常任委員会に、請願を出している市民が納得してない、議会としてもきちんと教育委員会は説明し��さい、と言うことを決議してください、という非常に難しい仕組みなんだけど、要するに議会が何か言うのは教育への介入になるというようなこともあるので、その仕組みはやっぱ知恵を出してくだすったんだと思うんですね。急いで書き上げて、それで陳情をし、請願をしました。 陳情は、何対何だったかな、同数だったんですね。最終的に公明党の委員長さんが不了承という風におっしゃって不了承になりました。もともと、なんかあんまり、変な言い方ですけど、期待してなかったんで、そこまで皆さんどっちかわかんないっていう方も賛成してくださったことに、むしろよかったし、3分だったかな、きちんと自分たちでお話ができるし、常任委員会ってビデオ中継されますし、議事録も残るし、やっぱりそこで教育委員会という密室の中のことが議会で少しオープンになったっていう感じがしましたね。 で、教育委員会の請願は委員長さんが、全く言ってることは当たりませんって、どっかの誰かさんと同じで、当たりません、という感じで請願は不了承になりましたけれども、すごい大きなきっかけで、次の年の2月議会で、私に背中を押してくれた方が代表質問で、去年の採択を市民全然納得してないし、仕組みがわかりにくい、というようなことを質問してくれて、それに対して、今後様々な資料を提供して参ります、と教育部長さんがお答えになった。それがね、きっかけなんですよね。で、2016年から出てくる資料が少し変わった。 2017年の2月議会の決算委員会で質問してくれて、答弁調整してあったんだと思うんですけど、資料課の方が、文科省の指示に従ってきちんと対応して参ります、っていうふうおっしゃった。どういう指示かって言ったら、保護者市民ががわかるようにちゃんと透明性を持った採択をしろ、というようなことを文科省はもちろん言ってるわけで、それに沿ってやってくってのは、もう誰も批判されないし。 それで、2017年の小学校の道徳の採択で、同じ資料なんですけれども、ガラッと変わった。例えば、市民意見は全部入力して冊子にしてくれたし、学校から来る意見書は丸がどこにあるのかっていうのを一覧表にして、それまでこんな簿冊でボンと置いてあるだけだったのが、一覧表とコメントの入力っていう形で、誰もが、つまり教育委員がもう絶対無視しようがない。 審議委員会の答申というのは議事録だったんですね。議事録ってのはつまり議長がこう言ってって(書いてある)。その中で誰が何本発言してるって、私たち拾ってって、育鵬社の支持は審議委員会ではないですよっていう風に言ったんですけれども、今回は、2017年からは、会社別にまとめていく。つまり、東京書籍について発言してる人を全部まとめる、で次にっていうと、育鵬社が一人しか言わないっていうのがもう歴然とするように、まとめ直しの資料が付録として出る。最終的にはそれが答申に、今年なんかは完全に変わって。だから同じ資料ですが、市の行政マンたちが知恵を集めて、可視化見える化してくれた。これはもう本当に大きなことで、素晴らしいです。 かつ、2017年18年19年と仕切った教育長さん、平山さんという女性なんですけど、子ども青少年部長さんで、学校経験ない方で実はすごく心配したの。でも、彼女は最初の年から、子どもたちの視点に立った時に現場の先生方が使いやすい教科書っていうのは大切な視点だ、それだけで決めませんよってことも上手におっしゃった。大切な視点だってことも繰り返しおっしゃってきた。 だから2020年の今年は、資料の可視化で採択の過程が透明化してますし、それから教育長は繰り返し、現場の意見も尊重する、と言ってきたし、最後仕上げは、だから現場の意見が育鵬社がいいって言われたら困るということと、市民意見が実際に育鵬社がいいという人が多かったら困るから、みんなで言って、変えてね、っていう運動と、いくつかに絞り込めると思いました。 さらにもうひとつ。前の年の、19年の小学校が採択をしたんですけど、その時に、残り1年、つまり教育課程が10年スパンなので、4年、4年、2年。最後の2年は変えなくていいですよ、教科書。それが仕組みなんですね。さらに今回は1年前倒しになったので、残り1年だったので変えなくていいですよ、っていう文科省。ただ、その場合には使用実績をちゃんと踏まえて、っていう文科省の通知が来ていて。それは藤沢市は毎年ちゃんと言っていて、小学校の時は使用実績についてどうですか、って言って、何も問題ありません。あっ、これ来年やられたら、もう育鵬社問題ないってお墨付きが出ちゃうと思って、すごく慌ててっていうか、大変だと。 その年の秋に、現場教員アンケートというのを、教科研っていう先生方中心の組織にお手伝いいただきながら、藤沢とりくむ会の名前で現場アンケートっていうのを取ったんですね。市内19校のうち17校の先生方が回答を寄せてくれて、そこの中にはずらーっと、9年も使ってる、ま8年ですね。みんなこれはだめだ、これはだめ、子供にとって利益にならないっていうようなことを、縷々専門家の立場で書いてくださったのがあったので、それを4月、すぐに、現場はこんなに困ってるんです、本当は教育委員会が調べるべきことですよねって。だけどやってくれないのでこれですよ。だから、6月の時に問題ないのでもう1年っていうことはないですよねっていう要望書を4月に出して、それで6月のその審議委員会でなんと、中学校の代表の校長先生に委員長が、現場実績を職場帰って調べて次回報告してくださいって手続きをし、そしたら校長会も議論しました。 なんと、「使いにくい教科書もありますが残り一年を考えると子どもたちに不利益にならないようにちゃんとやってますのでこのまま全部を継続」っていうふうに、「使いにくい教科書もありますが」って言うの公式の場で発言された。それが7月の本番でも、事務方が繰り返し言って議事録にも残ってる。だからこれで来年、誰が見ても使いにくい教科書があるということがお墨付きになり、かつ、誰が見ても明らかな資料が出れば行ける、と思ってたから、今年は逆に、何か違う形でメディアがなんか変な方向で出てきて、反対の人たちのバッシングを受けたら困る、ということがすごくありました。 なので、6月ぐらいから、信頼がおける記者さんにはかなり詳しくご説明をして、私たちとしては今年はこういう気持ちでこういう準備をして望んでいるので、例えば先生方の調査書も、文科省が禁止していると向こうの方は言うんですが、学校評っていうような書き方にされてしまうと、たちまちそれだけでバッシングされてしまうので、とにかくこういう資料、こういう風に取扱注意でお願いします、というようなことを細かく説明をさせてもらいました。
MC:市議会とか市役所、メディア対応って、本当に綱渡り的な感じでずっと活動されてきてたんですね。
樋浦:そうですね。だから特に、メディアについては結構考えましたね。出してもらえばいいとは本当にない。地元の神奈川新聞の記者さんが、かなりいろいろ読み込んで、教育ご専門の方ではなかったんですけれども、的確な記事を必要なタイミングで出してくだすったことが、私たちの背中押してくれたというふうに思っていますね。 だから彼が(不採択が決まった翌日の)8月1日の新聞の中で、子ども、生徒本位をみんなが訴求、求めてきた結果だ、って書いてくれたのが一番嬉しいです。生徒本位を教育行政も現場の先生方も市民も保護者も求めてきたのが藤沢不採択で、恣意的なことが入る余地を残さない採択でしょうっていうふうに記事を書いてくれたんですけれども、本当にそれはありがたいと言うか、そういうふうに読み込んでくださった方たちも不採択という結果になったな、というふうに思っているところです。
MC:教育委員会は、そうすると鈴木市政になってから構成は変わってきたんですか。
樋浦:鈴木市政になっても、青年会議所商工会議所の代わりが入りました。それから医師会の方も、育鵬社素晴らしいというような方が入ってこられました。医師会というのはね、枠はないんだけれども、学校事故とか色々あるので教育委員にお一人お医者さんがいるって言うのは良くって、医師会歯科医師会薬剤師会���どから一人っていうのはもう、しょうがないって言うか、言われてましたが、商工会議所は枠があるわけじゃなかったんですね。 で、たまたま委員長さんが9月にお子さんを茅ヶ崎の中学校に通わせてる事が発覚をしました。教育委員会のトップでありながら、理由なく越境入学させてるって事が問題なって、即10月に辞任されたんですね。数にしたら、たぶんまたは後任をこの人ってなったと思うんですが、1年間空席で、で結局全く違う分野、福祉の分野からお入りになった方がまたとてもいい方で、だから、それは全部鈴木さんの(任期の)中なんだけれども、商工会議所的の枠がなくなるためにはいろんな方がご尽力されたんだと私は思ってるんですが、それが大きいですね。だから構成として福祉分野の方が入られて、医師会は医師会なのでちょっと心配をしてたんですけど、最後まで。とてもいい方でした。
MC:わかりました。大分長くお話いただきまして本当ありがとうございます。とてもじゃないですけど、これカットできませんので、このまま流したいと思います。
樋浦:いやいや、でも本当にね、だから市民運動、あ、これもう切れてる?
MC:切れてないです。
樋浦:市民運動ということではお手本にならないかもしれないけれども
MC:いや、とんでもないです。ほんとにいろいろな色々な方面で、気を配って調整してっていう、この政治、まさに政治だと思うんですけども、議員にならなくても市民の立場でこれだけのことはできるって言うのは、樋浦さんの...
樋浦:いやいやいや、たまたま2010年まで学校という場にいたので、現場の小中の先生方が、これは困るとか、これだったら一緒にやれる、というのは他の方よりは多分わかるということがあるのと、やっぱり私組合運動をやってきましたから、組織はこれはできないということも、何もそういうこととは関係ない方には、とても何をこだわってるんだろうと思うようなところに、実はくだらないことも含めてこだわることがあるけど、でもそこも含めて一緒にやっていかなきゃいけない。 だから、私たちは市民の集いという、教科書学習会を20回、数えてみたら、2011年から、21回もやる予定が駄目だったんですけど、やってきたんですね。その時に必ず湘南地区の先生方が毎回100名近く、それも若い人が。で、毎回、今回何回目ですかってアンケートに書いてもらうと、初めてです、が多くて。だからそういうこと、土曜日にわざわざ来てくれるという。その代わりいろんなテーマで、道徳教育やったり、平和の問題やったり、憲法やったり、誰呼ぶかっていうのが大変だったんだけど、現場の先生も市民も行って良かったと思えるテーマをっていうことを探って探って、名古屋とか兵庫県からも先生をお呼びして、やりました。それを支えてくれたんですね、先生方がね。運動としてっていうかな。それともう一つ、現場の教員が批判できないっていうけど、この湘南地区の先生方は、9月に、もう、すぐ、教科書研究の組織立ち上げたんです。それで...
MC:2011年の9月に入ってすぐに
樋浦:教科研って言うんですけど、そこには私とかもう一人高校の社会科だった者も加わるぐらいちょっと開かれた組織で、そこで、この教科書のここはこういう注意をして使ってください、差し替える時はこういう資料がありますっていうような、毎月、本当に、教科書研究をずっとやってきて。長期休みとかは大きな学習会を開いたり。だけど中学校の先生方はお忙しくてなかなか来れなくて、小学校の先生がほとんどだったんですけど。でもそれをやっぱり発信し続けたことが、育鵬社の教科書はダメだっていう先生方の意思表示、どっかつながったのかなって思っているんですよね。
MC:非常に参考になるお話でした。本当にありがとうございます。今回は教科書問題について、ここで切らせていただきます。ありがとうございました。
樋浦:いいえ。市民運動かなって言われそうですけど、でもやっぱりそれも市民運動ですね。
Anchor:https://anchor.fm/girltalk-9/episodes/072-1-elak40 Apple Podcasts: https://podcasts.apple.com/us/podcast/072-%E6%A8%8B%E6%B5%A6%E3%81%95%E3%82%93-1-%E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%84%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%8B%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84/id1465506160?i=1000495536161
2021-02-02
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anyaqiu-blog · 4 years
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再開します
今年7月初旬に母が亡くなり、Tumblrの更新を中断していました。ポッドキャストの更新は途切れることなく続けられたのですが、Tumblrまで力及ばず。3カ月経って何とか元気が戻ってきたので、そろそろ再開しようと思います。よろしくお願いします。
2020-10-01
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anyaqiu-blog · 4 years
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2020年東京都知事選
ここまで「みんなが生きやすい社会にしたい」っていう思いが否定されると、「みんなが生きやすい社会」のみんなに自分は入っていないのか、という気持ちになる。TLには私と同じような違和感を持ってる人が多いので、私と同じように"みんな"から外れてる人はかなりの数いるんだな、と思うけど。
ご近所や職場にウソつきがいても、その人の声がよく通って、みなりがよくて、淀みなくしゃべる人がいたら、みんななんとなくその人の言うことを聞くな、と思う。その場で「あなたの言ってることとやってることは矛盾してますよね」と指摘しても、誰も、そうだそうだ、とは言わない。
詐欺にひっかかるってそういうことだよね。声がよく通って、みなりがよくて、淀みなくしゃべる人が「これ体にいいんですから」と言えば健康食品を買う。健康にならないけど病気にもならない無害な食べものだから、払ったお金が無断になるだけ。お金がある人は無駄遣いしても生活に困らない。
中には悪質なものがあって、その"健康食品"を食べたことで病気になる人がいる。でもそんな人は詐欺にひっかかった人の数%なので、みんな自己責任でしょ、ってあしらう。
とりあえず生活していける人は声を上げない。とりあえず生活していける人が大多数なので、特に「みんなが生きやすい社会」にする必要性が感じられないのか。
とはいえ、とりあえず生活していけない人が少しずつ増えていて、詐欺だと気付きだしている。特にアーティスト。その発信力で「みんなが生きやすい社会にしたい」と発言してほしい。
反ナチ運動のニーメラー牧師の言葉をもじれば、  最初に低所得者を見捨てた時、私は声をあげなかった。私は低所得者ではなかったから。  飲食店、小売店を見捨てた時、私は声をあげなかった。私は月給取りだったから。  彼らがアーティストを見捨てた時、私は声をあげなかった。私は堅気の勤め人だったから。  そして、彼らが私を見捨てた時、私のために声をあげる者は、誰もいなかった。
2020-07-06
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anyaqiu-blog · 4 years
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実は2003年からポッドキャストファンで、特にNPRの番組を聴いている。
NPRはNational Public Radioの略称。アメリカの公共放送だ。といってもNHKのように一つの放送局が全国放送しているわけではなくて、各州、各都市の公共放送局がNPRのネットワークに所属している感じ。
リンクのFresh Airはテリー・グロスというメインキャスターがインタビュアーを務める番組。ゲストが多彩で、社会活動家、俳優、アーティスト、映画監督、作家、ジャーナリスト、学者などその時々の社会のトピックに関連する人たちにインタビューしている。
彼女の事前準備は入念で、ゲストの作品や関連記事を読み漁ったり鑑賞してインタビューに臨んでいる。ゲストの本を読んだ後は、その本に折り目が無数に付いて倍の厚さになっているくらい。鋭く深い質問を繰り出して、ゲストが今まで公に話したことがないことを掘り出す。その話がまた聞く人に感動と思索を与えるのだ。話しているゲスト自身も感極まる時がある。
驚くことに、彼女はゲストとは別のスタジオにいてヘッドフォンとマイクを通して会話しているとのこと。ある意味、場の空気を読まないから容赦なく質問を繰り出せるのかもしれない。
自分のポッドキャストを始めて、テリー・グロスのすごさに圧倒される。彼女のようにゲストの内面奥深くにあるものを引き出すようなポッドキャストにできたらと思っている。道のりは遠い.....。
2020-07-04
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anyaqiu-blog · 4 years
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SEALDsの奥田君のお父様の奥田知志さんが立ち上げているクラウドファンディング。7月27日までに1億円を目標にしている。今日時点で目標額の36%達成。
クラウドファンディングで集めるお金の使い道は大きく分けて3つ。
①全国の支援団体へ感染予防資材を提供 【済】 ②フェイス・トゥ・フェイスの相談事業を諦めないための機材購入 ③大家さんも安心できる相談員の支援付き住宅の持続的提供
コロナ禍にならなければ、ぎりぎりだけど社会の中で生きていくことができた人たちが大勢ドロップアウトしている。私自身も将来が不安。というのは、今の勤め先の契約期限が来年3月末で、恐らく更新の申し入れはないだろうし、私も更新するつもりがないから。あと9カ月で失業する予定。コロナ禍になる前なら、仕事はすぐにみつかるだろうと楽観していたけれど、こうやって世の中の動きが鈍化していくと悲観的になってくる。
奥田さんのことはあちこちで聞いていて、立派な方だなと思っている。応援したい。でも...。
一つには、クラウドファンディングのサイトに個人情報を登録しないと寄付できない、ということ。なるべく個人情報をばらまきたくない。
もう一つは、これは税金でやるべき事業ではないか、と思うから。
小学生の頃、共同募金の赤い羽根が欲しくて募金したい、と言ったら私の母は「税金払っているんだからしなくていい」と言った。たった10円ぽっちのことなのになんて冷たい女だ、と思った。今、特に第二次安倍政権になってから税金で実施するべき社会保障がどんどん縮小している。政府は個人の善意によるこども食堂にタダ乗りするし、コロナ自粛のための持続化給付金すらまだ配布し終えていない。
月給取りの人は毎月何万円税金を引かれていると思いますか?年間にしたらいくら税金を払っていると思いますか?
これだけ払っているのに、困っている人に行き渡らないのはおかしい。私だって困っているのに、自分より困っている人を個人的に助けなければならないのはおかしい、と思う。 "税金払っているんだからしなくていい" んじゃないかと思う。
奥田さんのクラウドファンディングの締切まで考えたい。たぶんいくらか寄付すると思うけど、ぎりぎりまで考えたい。
2020-07-03
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anyaqiu-blog · 4 years
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ポッドキャスト056 むぎっちょさん(1)を配信。(この記事のタイトルをクリックすると配信サイトに行きます)
ゲストは神奈川県県西部で有機農業を営むむぎっちょさんです。むぎっちょさんが有機農業に目覚めたきっかけと、農業修業時代のこと、夫と二人で新規就農するまでのお話を伺いました。
世界的なコロナ禍で農産物の輸出入が減少するだろうと言われています。食糧を輸入に頼る日本にとっては一大食糧危機です。また、このコロナ禍は人間の環境破壊によってウィルスが本来の棲息地から人間界に移動していることによって引き起こされていると言われています。
もしかしたらコロナ禍をきっかけに、会社勤めを辞めて農業を始めたいと考える人が増えるかもしれません。今回の配信でのお話を参考にしてもらえたらと思います。
実は収録はコロナ禍が始まる直前の3月中旬。3カ月も寝かせていました。むぎっちょさんごめんなさい。
収録日の前の週、私はずっと具合が悪く、不勉強で事前質問などを送らなかった上に、当日も気分がすぐれず、突っ込んだ質問ができませんでした。
それで、再度収録させていただきたいと思っていたのですが、有機農家は本当に忙しく、やりとりできないまま数ヶ月。でも6月に聞き直したら、私のダメダメな進行にも関わらず、むぎっちょさんがちゃんとお話ししてくださってることがわかり、ようやく配信することにしました。
この収録で、私はいろいろ失敗し、いろいろ学びました。
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anyaqiu-blog · 4 years
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二つの投票行動
今東京都知事選のまっただ中。
小池氏はほとんど選挙活動をしていないが、優勢との報道。しかし、この選挙の予想報道って何でやるんでしょうね。ギャンブル感覚?
選挙で不思議な点が二つ。明らかに公約を殆ど達成していない、または公約達成ゼロなのに自民党系の現職を当選させる投票行動。それと、投票に行かない投票行動。
ウソをついていることはあきらかなのに、ウソつきを信じるのはなぜ?だからオレオレ詐欺はなくならないのかも。オレオレ詐欺の被害者の投票行動を調査してみたらいい。きっと自民党系候補に投票しているはず。
投票しても変わらない、と言って投票しない人。いや、今まで選挙で何度も変わったでしょう。自社さ政権が誕生した1994年、民主党が勝利した2009年。
投票しても変わらないなら、投票しないと変わるのか。たしかに変わってしまった。投票しない人が多いから、民主主義を蔑ろにするシロアリ候補ばかりが当選して、日本社会はすっかり内部を食い尽くされてしまった。表向きはまだちゃんと立っているけれど、もう内部はぼろぼろで、すぐにでも崩壊するかもわからない。これがあなたが望んでいる変化ですか。
ポッドキャストのゲストでお話ししてくれるみなさんは、社会や政治に全く関心なかったけれど、ある日、なんでこんなに無関心でいられたんだーー!と目覚めた方が多い。すこしずつ目覚める人が増えていることはたしかで、目覚めた人が過半数になるまで、地道に活動していくしかないのか。それまで日本は持ちこたえられるのか。
2020-07-01
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anyaqiu-blog · 4 years
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2014年6月30日首相官邸前
2014年6月30日。第二次安倍政権が集団的自衛権を認める閣議決定をする前日。官邸前で閣議決定反対のデモをやるというので出かけた。
あの時何人参加してたのだろうか。
2011年3月11日以後、原発事故に触発されて、官邸前で 反原発デモが行われていたけれど、私は出かけなかった。反原発の気持ちはあったけど、私の周囲にはデモに行く人がいなかったので、一人で行くのは気が引けて行かなかった。
でも、2014年6月30日のデモには一人でも行った。
平和ニッポン消滅の危機を感じたから。安倍晋三が自民党総裁に返り咲いた時に感じた不吉な予感が現実のものになりつつあるのを感じたから。
行ってみたら大勢の人たちがいた。官邸前は人で一杯で、議院会館前に立った。そこにも人が大勢いた。台湾のメディアの人が来ていて、インタビューしていた。小さなトラメガを持った若い女性がずっとコールしてくれて、それに合わせてみんなが声を上げた。
あの時のコールの文句は何だったろうか。
家のことがあるので8時頃に現場を離れて帰宅した。
あの時から私は声を上げることを始めた。
2015年6月、戦争法案こと安保法制の国会審議が始まる。SEALDsが結成されて毎週金曜日にデモをすることを知った。第1回には行かなかったけれど、Youtubeに上がったデモの動画を見て、翌週の第2回から9月19日まで毎週国会前に行って声を上げた。
2014年から6年。あの年に生まれた子どもは小学生になった。あの年に中学生だった子どもは成人した。それなのに、日本社会はどんどん民主主義を失っていっている。今の十代二十代の人たちは、日本が今よりもっと自由で民主主義を尊んでいた社会の空気を知らない。
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anyaqiu-blog · 4 years
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選挙の時の声がけ
今、東京都知事選の選挙活動期間中。
前回の都知事選挙の時にも知り合いの東京都民に選挙について情報提供したのだけど、今回もまたラインなどで情報提供した。今回は #ChooseLifeProject が 6月27日に #都知事選候補討論会 をYoutubeで配信するということを。 https://youtu.be/8SiD2nenVs
10人位にメールを送ったのだけど、4人が返信をくれた。あとの6人は音沙汰なし。政治のことを話したりする面倒くさいお節介な人、と思われてるのかな。政治のことを話すのをなぜそんなにみんな忌み嫌うのか。政治のことを話す人は品性下劣と思っている節がある。
もしかして都民って首都に住んでるから自分たちは社会の上層階級って思ってるのかな。政治によって自分の生活が壊されたことはないし、これからも壊されることはない、と思っているんじゃないだろうか。だから弱者への配慮がない候補を選ぶのかもしれない。
でなければ、成人してから東京に移って来たからデラシネ気分で、東京の政治は自分に関係ないって思って投票に行かないのかな。
私は宇都宮さんと山本さんの一騎打ちになってほしいのだけれど、新聞は小池さん優勢を伝えている。知らない人より 何となく 現職の方がいいような気がしてるらしい。ChooseLifeProjectの都知事選候補討論会を見たら、小池さんが弱者の側に立っていないことがよくわかるのだけれど。そして、人はある日突然前触れもなく弱者になってしまうことがある、のだけれど。
2020-06-29
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anyaqiu-blog · 4 years
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社会運動の継続と成果
LGBTQの活動家クリーブ・ジョーンズのインタビューを聞いた。彼はハーヴェイ・ミルクの弟子(?)であり、ミルクが暗殺された時に近くにいて、ミルク暗殺が彼をLGBTの活動家として生きることを決意させたとのこと。ミルクのことは映画にもなった。
https://www.npr.org/2020/06/26/883917874/lgbtq-activist-cleve-jones-novelist-marijane-meaker
クリーブ・ジョーンズは1954年生まれ。自分が同性愛者だと気付いた思春期の頃は1970年代で、社会には同性愛に対する嫌悪感が溢れていた。1970年代からサンフランシスコではゲイが市民権を得るための活動が表立つようになり、1977年にミルクが同性愛者として初めてサンフランシスコ市議会議員に選出される。同性愛者である自分は違法であり異常だと思い、死を思っていたジョーンズは、ゲイコミュニティの活動に接することで踏みとどまれた、と言っている。
今東京都知事選の選挙活動期間で、候補者は同性パートナーシップ制度のことを公約に掲げている。渋谷区、世田谷区は同性パートナーシップ制度を導入しているし、他にも導入している地方自治体はいくつもある。今や同性愛カップルを奇異の目で見る人は確実に減ってきている。
1970年代には本人も周囲もキワモノと思っていた同性愛者は、2020年代には自分とパートナーの法的正当性を主張できるまでになった。もちろん今でも同性愛であることに悩み、命を絶つ若者もいるから全面的に社会に受け入れられているわけではないけれど。80年代から90年代のエイズの時代を経て、1970年代には考えられなかったほど社会は同性愛を受け入れている。
これは、同性愛者たちの社会運動の成果ではないか。1970年代から2020年代まで半世紀。半世紀かけてここまで来た。
たぶん、運動の担い手に白人で高学歴で専門職に就いている、社会の上層に位置している人たちが多かったからではないかと思うが、半世紀にわたって活動を続けるのは並大抵のことじゃない。
継続することのすごさを思い知らされた。奇しくも今日はアメリカ、ヨーロッパではプライドパレードの日でした。
2020-06-28
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anyaqiu-blog · 4 years
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小田嶋さんの日経ビジネスのコラム。今欧米で盛んに主張されている Black Lives Matter #BLM に関連したコラム。ところでBlack Lives Matterを日本語になかなかうまく訳せない。黒人の命のことだ、はどうだろうか。
小田嶋さんは、 黒人差別 というか黒人虐待の種を仕込んだ米国憲法に関する Netflixのドキュメンタリーを見て
私は、白人の目で見た歴史を要領良く暗記しているだけの、通りすがりの外国人だった。
と感想を述べている。これを読んで思い出したのが、
イスラームから見た「世界史」 という本。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314010863
イスラム文化を共有する地域はかなり広い。漢字文化を共有する地域よりも広いのではないか。当然、それらの地域はイスラムから見た歴史を共有している。東アジア文化圏が中国文化を共有していて、孔子、老子、漢詩、 三国志を通して歴史を共有しているように。
小田嶋さんはコラムで日本にある差別意識について書いているのだけど、私は歴史には別の角度からの視点があるのだ、ということをあらためて思い出させられた。
2020-06-27
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