Tumgik
#花束を片手に迎える人
elle-p · 6 months
Text
Persona 3 Club Book teacher's pages scan and transcription.
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
月光館学園の先生
Teacher in Gekkoukan educational institution
高等部2年生の授業を受け持つ先生たちは、生徒のほとんどが勝手知ったる内部進学生だからか、かなり趣味に走った奔放な授業で有名。個性と独立心を獲得した、港区に誇れる立派な月高生の育成に勤しんでいる。
鳥海先生 Toriumi かに座/AB型 2-F担任、現代文担当、生徒会顧問
2年F組の担任で、現代文の担当。非常にさばけた性格で、真面目に話を聞かない生徒に謝罪を要求したり、サボりの生徒の席を勝手に再分配するなど、裏表のない性格そのままの授業をやっている。はっきりとした目鼻立ちと茶色がかった髪のため、実家のある島根ではお人形さんのようだと近所のオバちゃんたちに評判で、小中高の子供時代もそこそこモテ期をすごしていた。当時から文学少女だったために大学は国文科に進み、「日本文学に精通した可憐な新入生降臨!」くらいのウワサは辞さないとさえ期待していたが、いざ上京してみると、 自分の程度が世間でいかに平凡かに気付かされ、以降はこれといった華やかな出来事にめぐり合うことのないまま、29歳の現在に至る。
趣味で同人作家としての活動も行なっているが、これといった手応えはない。職場である月光館学園でも浮いた話に恵まれず、日本語の在りかたという点で話が合わないため、古文の江古田先生とは犬猿の仲だったり、倫理担当の叶先生からは女として負け犬確定の扱いを受けるなど、くさくさした日常を送っている。
心は可憐な
三十路前
「私が怒られるから静かにして」発言など、よくも悪くも生徒とのあ
知的な顔とやる気のない中身とに非常にギャップがある29歳独身。世間一般の女性の例にもれずケーキ好きで生徒に要求している。
「私が怒られるから静かにして」発言など、よくも悪くも生徒とのあいだに垣根を感じさせない。
鳥海先生のボヤキ
• じゃあ今日は明治の文学ね。教科書の12ページ。···あ、先生、この作家あんまり好きじゃないな。やめ ましょう。(4月21日・授業)
• イジメに関する小論を読んで、感想ってやつね。こんなのサービス問題じやないの。なーんか書きゃ点あげたわよー。“この学校におけるイジメを告発” とかねー?···って、ウソよお。イジメ、無いわよねえ。無い無い。面倒。(5月25日・授業)
• アイギス・・・さん?珍しいお名前ね、生まれは外国なのかしら。他に特記事項は···ん?···人 型···戦術兵器?···なんかの間違いね、この書類。見たもの、聞いたもの全てが、正しいなんて思っちゃ駄目よね。 (9月2日・ホームルーム)
• 世の中は椅子取りゲームなの。みんなも気をつけてね。(11月9日・ホームルーム)
• みんなー、修学旅行はどうだった〜?先生、寺なんか興味ないから参ったわ。火曜からは体験学習ね。面倒な社会科見学だと思えばいいわよ。社会に出るって大変なの。これをキッカケに皆にも分かってもらえそうで嬉しいわー。その間、先生遊べるしね。(11月21日・授業)
確かに、この社会に希望なんて、そうそう転がってないよね。逆に、そこらに転がってるもんで満足すんな!甘えんじゃねーよ!···って、思ったワケよー。···先生、いま良いこと言ったから、期 末にこのまま出すよ?(1月 28日・授業)
江戸川先生 養護教諭 総合学習担当
見るからに健康、清潔とは縁のない養護教諭。カリキュラムが自由なのをいいことに、趣味に走った授業を行なっている。
怪奇!
保健室に巣食う悪魔
無精ひげとよれよれの白衣、脂に汚れた黒ブチ眼鏡、およそ健康的とは言い難い頬と土色をした顔色で、「優しい保健の先生」のイメージとは似ても似つかないうさんくさい風貌の保健室の主。月高赴任前のことを知る人間はおらず、名前すら本名ではないとさえ言われている。元気なときに訪れても追い返されるだけだが、体調が悪いときに保健室の戸を叩くと、先生自ら調合した極めて怪しいクスリを盛られる。運よく効けば具合がよくなることもあるが、当然トドメの一撃になることもなきにしもあらず。
養護教諭として生徒の手当てや保健業務を受け持つほか、「個々の知識を結び付け、総合的にはたらかせる」 総合学習の授業を受け持っている。しかしその実態は、「魔術を利用した人間心理治癒」と称し、前代未聞の魔術理論を紐解く、生粋のオカルトマニア。オタク特有の傾向である、自分の得意分野に関して話が長い特徴がある。夏休みの補習では、ここぞとばかりにさらにディープな講義を展開し、計5日間の日程のうち丸2日を魔術講義に付き合わされることになる。
体調の悪い生徒をじつに嬉しそうに迎える彼。保健室での行ないが本当に手当てなのかも怪しい。
江戸川先生のオカルト講座
• 保健室に何か用かね、ヒヒヒ。でも困るなぁ⋯これから秘密のサ⋯おっと。⋯講習会なんですよ。⋯なんだ、おまえ全くの健康体じゃん。私の目はごまかせませんでございますよ。サボリはお断り。ハイ、出て行った、出て行った。(保健室・体調普通以上)
• ···おやまぁ一、傷かウイルスか呪いか恋か。ずいぶんと調子悪そうですねえ。これは···出番ですね、イヒヒヒヒヒヒヒヒ。さて、取り出しましたるこの秘薬··· ニガヨモギにドクニンジン、ヒヨスにナツメにエトセトラ、エトセトラ··· オロしてコネてウサギの手。白山の杜氏もビックリの大吟醸。たちどころにアナ夕の病気を治してみせますよ。さあ、飲みなさい···飲むんだ!(保健室・体調疲労以下)
• まあ魔術と聞いて、何でもできるようになるイメージを持ってるヤツもいるでしょう。誰かにイタズラしてやろうとか、苦しめてやろうとか··· そんなロクでもないことを真っ先に思いつく人間に魔術の習得はできません。これは、洋の東西を問わずに共通することですね。邪な者は、無力であるか、途中で破滅するか。そのどちらかになるのです。(5月28日・授業)
江古田先生 2-E担任古文担当
今年50歳を迎えたの古文の先生で、風花の在籍する2年E組の担任。古きよき日本を愛する感覚は、現代の若年層とかけ離れているため、教師たちの間でも煙たがられている。「エアコンは体に毒」のスローガンの下、冷房や暖房をしょっちゅう止めてしまうので、「エコだ」と揶揄されている。面白いを「ホワイトテイル」、白ける話を「ホワイト キック」と一生懸命使っているが、90年代に若者文化として知識を仕入れてから時間が止まっているらしく、なんだか哀れ。
江古田先生のエコ文化論
• えー···明日からは修学旅行だなぁ。京都、我が心の故郷だ。他の先生はあろうことか海外を推すからなぁ···毎年反対するのが大変なんだぞ、んん?(11月16日・授業)
●当時の発音には “F” が入るんだぞ。“ひさかたの光のどけき春の日に” は··· “ふいさかたの、ふいかりのどけき···” う〜ん、美しいですねぇ··· (11月16日・授業)
小野先生 歷史担当
熱狂的な戦国マニアの先生であだ名は小野ムネ。政宗がらみにヤマをはればテストで高得点が狙えるが、受験を考えると参考書や塾に頼らざるを得ないため、3年生からは「歴史のハズレのほうの先生」と思われている。金色の細い三日月の前立てが印象的な愛用の兜は言うまでもなく政宗公の戦装束。オーダーして作らせた一品物で、新入生はその格好で行なわれる授業に驚愕するが、ひと月もすると立派になじんで気にも留めなくなり、そうなって初めて月高生としての肝が据わる。42歳。
僕は政宗公に会いに行く!
• えーと今日は貝塚の話か。うーん、貝塚なんて、ただの貝だよね。もういいかなこれは。先生、早く戦国とかに行きたいね。ワクワクしたいね。(4月30日・授業)
• じゃ、今日は政宗公だね!もう先生ワクワクして全然寝てないんだ!じゃ、政宗公の生い立ちから丁寧に紐解いていくからね!時は1567年、米沢城··· (10月1日・授業)
• うっ···ううっ···��うして、9月24日、西南戦争は幕を閉じたのであった··· まつ···ぐすっ まさ、まさに··· 武士の、武士の時代の終わりであったぁ···!!···ここから現代までは飛ばして、また戦国やろうね···ああ、政宗公··· (1月15日・授業)
宮原先生 数学担当
三角定規を片手に数字のかわいらしさを語る数学の先生。ふさふさアフロでおねえ言葉という風采は、変り種の多い月高高等部の教師たちの中でも異彩を放っている。数字や数式への思い入れはかなりのものだが、「解法」を愛するけれど「解答」には興味がないため、最後の繰り上がり計算をいつも忘れてしまうという、「使えない」 先生ナンバーワン。
数字LOVEの心
• ···で、ここが繰り上がるので···答えはX=1ですね。···え、違う?あ、ここが11だから··· すいませんね、X=2か。え、まだ違う??··各自、計算してくださいね。そういうわけで、すごいでしょ。数学って面白いよね。こんなに難しい問題も、解いてみるとX=1··· あれ、2だっけ?まあそんな感じで、簡単になっちゃうでしょ。ブラボーでしょ。(4月27日・授業)
この8、なんかすごく可愛いでしょ。9なんか尻尾がぷりぷりだし。マニアックだけど、2!!2もいいよね〜、ほんと、イイ!数字って可愛いよね。もうたまんない!(9月28日・授業)
竹ノ塚先生 物理担当
長身で渋めの男前、スーツは華美ではないが上質で、どことなくセンスを感じさせる45歳。見た目はいたってまともだが、せっかちで授業の進度が異常に早く、実験は結果のみの紹介、問題の解法を教えないままテストになだれ込むなどのせいで一部の生徒から不満が上がっている。板書の文字は大きく見やすいが汚く、折ったチョークの数は校内一。
かっこいい言葉集
• 言ってみれば、夏休みはもう··· 摩擦係数ゼロの坂道の上ってとこか。おっ、先生、今カッコよかったな。黒板に書こうか?(9月1日・授業)
• まずは基本中の基本、重力な。重くて大きなものが、小さいものを吸い寄せる。これが重力。女子高生に、中年男性が吸い寄せられる··· これも重力··· ···て、何を言わすんだ!(12月9日・授業)
叶先生 倫理担当
おもに3年生の倫理の授業を担当する先生。とくに男子生徒に人気が高く、「エミリ先生」と慕われている。授業熱心で進学指導に力を入れているのが評価されている一方で、若い男の子を手の平で転がして楽しむという、教師としてちょっと問題アリな性格。教師にしておくのは惜しい抜群のスタイルと評価が高いが、胸は詰め物とのウワサ。一部上場企業のサラリーマンと婚約中。
禁断の恋のゆくえ
自分にほれ込んでいる友近を、勉強を見るためと称して自宅に招いている叶先生。絶対に秘密のハズがどこからかバレて、九州の学校に転任することになって しまう。
大西先生 科学担当
細面ですらりとした、32歳の先生。婚約者と別れた過去があり、当分恋はいいと思ってるうちに、本格的にどうでもよくなり現在に至る。メガネを取ると美人なのだが、武器を隠し持っている感覚がいいという理由で、人前では外さないようにしているらしい。東洋医学批判者で、江戸川先生と新しい薬の開発を競っている最中。
やっぱり化学反応が好き
• 昨日ね、テレビ見てたらダイエット特集やってたんだ。“水を飲むほど痩せる!” とか言ってね··· んなワケないじゃない!浸透圧とかオール無視でしょ?なのに、だまされるのが多いんだから··· (5月6日・授業)
• 来週の火曜から試験かー。実験バリバリやりたいんだけどね。薬品を混ぜ合わせる瞬間って、最高に興奮するよね。(10月7日・授業)
寺内先生 英語担当
学生時代、留学先のインドで知り合ったイギリス人宣教師と、帰国後に感動的な再会を果たし、結婚に至る。そのシーンを「クリスマスの思い出」として毎年生徒に披露、英訳させる先生。会話中にかなりの頻度で英単語が混ざるが、本人曰く「関西なまり」みたいなもの。黄色いスーツにカチューシャという、どことなく海の向こうのセンスが香る28歳。
グレートイングリッシュスタディ
• はい、ここではAさんが死にそうなんですね。で、Bさんが言う “ステイ ウィズ ミー!” “しっかりして!” と叫ぶから、このあとAさんの魂が戻ってくるワケですね。これ、テストに出しますからね。面倒なんでこのまま出しますからね。と、もうすぐチャイムですね。それまで私のインド留学話でもしましょうか。(5月15日・授業)
今日はクリスマスの思い出をスピーチします。聞きながらイングリッシュに直してください。“もみの木の下で出会った私達は燃えるような恋に落ちたのです···” “イルミネーションはお互いの顔をビュー ティフルに照らし···” (12月24日・授業)
校長先生 校長
長年の政治的活動と少なくない資金とで、ついに私立高校の校長職を射止めた人。教師としての才覚には残念ながら恵まれているとは言い難く、部下である先生たちだけでなく、生徒からもデキない男と見抜かれている。美鶴の高校生離れした生徒会長就任演説に対抗意識を燃やし、つぎの週の集会でありがたいお言葉を用意するが、順平に同情される始末。
沽券に関わる大演説
えー、諸君らに今日は特別に、大切な話をしようと思います。あー、世間では、不可解な事件や、理不尽な事件が多いようですが··· うー、この学園の生徒である諸君らには、関係ないことだろうと思います。えー、しかし高校生という若い時期には、様々な悩みもあるでしょう··· まー、だからといって、あまり、思い悩むことはないのです。えー、“過ぎたるは及ばざるが如し” という言葉を、紹介します。あー、これの意味はといいますと··· (4月27日・朝礼)
14 notes · View notes
chisasarasa · 2 months
Text
Tumblr media
240108
熱がある。 耳の先端が真っ赤だ。
-
240109
昨日のまま、熱がある。 1か月前も熱が出ていて、発熱が月1ペースになっている。 身体の中のなにかがうまくいっていない。
これまでずっと、先のことばかり気にしていた。 いつかこうありたいから、今、こうする、そう行動してきた。 いつも不安だった。 でも、そろそろ平気だって。流されて、きもちのいいところまで行けるって、そんな気がしてきた。
熱はあるけど、動けるし、野菜を食べておいたほうがいいだろう、とスーパーへ行く。 ねぎと白菜と、みかん。冬だ。 お米が重く感じて、ささみとねぎだけ焼いて食べた。
-
240110
目覚まし時計はかけなかった。 8時間くらいねた。 おかげで熱が下がった。 勢いにのって、作業をし続けていたらへろへろになってしまった。 つくった本を宅急便に出して、帰り道、コンビニで紅茶花伝のミルクティーを買う。糖分が染み込む。 疲れたときには紅茶花伝のミルクティー。 いつでも思い出せるようにいたい。 がんばった甲斐があったようで、山を越えたらしい。 わたしの容量が少し空いた。 友人からの連絡に返事をする。たのしみな日々の約束。
御飯茶碗にもなるような小鉢を割ってしまった。 形あるものはいつか壊れる。そうなぐさめる。 割れた欠片を手にとってみると、軽かった。 なんとなく、卵の殻を思った。
-
240111
朝、気怠い。 いつもよりは軽い心地だけれど、ぼんやりとゆううつで、どうしたら気持ちよく朝を迎えられるのだろう。 DMを作っていたら、1日が終わってしまった。 近所のスーパーの2階に、休憩所をみつけた。 100円の、カップに飲み物をいれてくれる自動販売機と机と、椅子。 部屋での作業に飽きたら、ここに来よう、と思った。 店内のあかるいばかりの放送がしみつきそう。
6 notes · View notes
senpenbanka0426 · 13 hours
Text
アサガオの約束 - ChatGPTと書いた小説
前回ChatGPTを使って書いた短編小説を全体的に加筆修正して一通り繋げたものになりやす。だいたい6200文字くらいの小説になったわ。
幼馴染の男の子と女の子がいました。二人は喧嘩をすることもありましたが、互いの家へ遊びに行くほどの仲でした。しかし、男の子の家庭はかなりのお金持ち、方や女の子の家庭は貧乏でした。 女の子は男の子の家に行くといつも美味しいお菓子をご馳走になっていました。男の子はある日、高級クッキーを餌に女の子へ自分の宿題を差し出しました。「宿題やってくれたらクッキーあげる」「本当?」女の子は疑いながらも宿題をさらさらと終わらせました。男の子は約束通りクッキーをあげました。女の子は喜んでパクパク食べました。
 
二人は夏休みを迎えました。自由研究をどうしようか、と男の子は考えていました。先生は友達と共同でやっても良い、と言っていました。そんな時、女の子が遊びにやってきました。クーラーの効いた涼しい環境で女の子は宿題をやろうと思って来たそうです。男の子の母親は彼女の家庭が共働きで留守だった事も知っていたので笑顔で彼女を家に通しました。男の子はラッキーだと思いました。部屋にやってきた女の子にまたお菓子をチラつかせて自分の分の宿題を差し出しました。「自分でやらないと怒られるよ?」女の子にそう言われた男の子は「じゃあ、答えを見せて」と言いました。女の子は、しょうがないなぁ、と言いながら自分が終えた宿題を彼へ渡しました。
 
そうして男の子は続けて自由研究について話し始めました。「植物の観察でもしようかなって思ってたんだけど」女の子の提案に男の子は乗りました。アパート暮らしの女の子へ男の子は自分の家の庭でやることを勧めて自分も自由研究をやろうと思いました。 しかし、いざアサガオの種を植えて自由研究を開始すると、男の子は面倒になって女の子に全て任せてしまいました。女の子は毎日水やりをし、丁寧に観察記録をつけていました。男の子は、また女の子に「自分の分も書いて」とノートを差し出しました。「もー、本当に怒られるよ?字も全然違うのに私が書いて良いの?」と女の子は言います。男の子は仕方なく女の子の記録を見ながら自分のノートへ書き写しました。男の子は一応、記録を見せて貰ったお礼に自分のプリンを女の子にあげました。女の子は笑顔でそれを食べました。
 
夏休みはあっという間に過ぎていきました。女の子は相変わらずしっかりと宿題をやり、既に全てを終わらせていました。男の子はダラダラと女の子の宿題を隣に置いて丸写しをしていました。女の子は「ちゃんとやりなよ」と言いますが、お菓子を出されると断れず、男の子に宿題を貸してしまいます。男の子��女の子が単純で助かったと思いつつ、お菓子を食べる女の子をチラリと見ました。ポッキーをポリポリ食べる彼女はまるでペットとして飼える小動物みたいでした。試しに男の子は自分のポッキーを一本、女の子の口元へ差し出すと女の子は嬉しそうにそれをポリポリと食べました。
「……」その時、男の子は心臓がドキッとしたのが分かりました。慌てて宿題の方へ向き直りましたが、男の子は心臓の高鳴りが何なのか今はまだ分かりませんでした。
 
夏休みは終わりました。結局、自由研究は女の子が殆どやったような物でしたが、先生は気づかず、二人の自由研究のノートに花マルをつけてくれました。男の子は女の子が怒って先生に密告するんじゃないかと思いましたが、そんな事はありませんでした。
男の子はあの日の胸の高鳴りについて考えていました。あの日、男の子は初めて女の子を可愛いと思いました。今まで女の子と一緒に遊んでいてもそんな事を考えて見たこともありませんでした。しかし、今は他のクラスメイトの女子と見比べると女の子が何か特別に見えるような気がしました。これが何なのか男の子は理解できそうで理解できません。ただ、彼はこの事を誰かに話す事は絶対にしませんでした。
 
ある日の放課後、男の子はランドセルを家に置いてから宿題とお菓子を片手に女の子の家へ向かいました。古いアパートの呼び鈴を押すと女の子が出ました。「もー、また宿題を見にきたの?」そう言われるのが分かっていた男の子はお菓子を見せびらかしました。「むー、しょうがないなぁ」女の子はそう言うと、家へ男の子を招きました。
女の子の両親はまだ仕事から帰っていませんでした。暗くならないと親は帰ってこない、と前に聞いたことがありました。男の子はアパートのちゃぶ台で宿題を広げながら女の子の答えを丸写しし、さっさと宿題を終わらせました。そしてそのままゴロリと横になりました。「お行儀がわるいなぁ」と女の子に言われましたが、男の子はこの古いアパートの居心地が好きでした。テレビもない、スマートフォンもない環境ですが、女の子がいます。自分が持ってきたお菓子を女の子と食べながらダラダラする放課後が一番楽しいと思っていました。
 
二人の学年が一つ上に上がりました。幸い二人共同じクラスにはなれました。しかし、周りのクラスメイトの雰囲気に合わせて男子グループと女子グループに自然と分かれていきました。男の子は他の女子生徒と談笑する女の子をチラリと見ました。段々と距離が出始めている事に焦りを感じていましたが、クラスメイトの中には女子と絡む男子を笑う者もいました。男の子は学校で女の子に話しかける機会をすっかり無くしてしまいました。
そんな時に学校行事のバス遠足がありました。皆で自然と触れ合い、お弁当を食べます。男の子は女の子と一緒に過ごしたいと思っていましたが、男子のグループから外れることもできず、諦めていました。しかし、弁当を広げる時に、たまたま女子のグループと近くで食べる事になりました。他の女子生徒とお弁当を食べる女の子を見ると、地味な弁当を食べていました。そうして、おやつの時間になると、女の子は弁当を仕舞ってお菓子を食べる友達を見ていました。女の子はお菓子を買って来なかったようでした。去年の遠足も彼女はお菓子を買ってきていませんでした。 男の子は男子のグループを少し離れる事になりますが、去年と同様に自分のお菓子を彼女へ上げました。「……今年も良いの?」「良いよ。その代わり、また宿題見せて」女の子は照れながらお菓子を受け取りました。男子のグループに戻ると、からかってくる者もいましたが、男の子は気にしない事にしました。
 
ある日、クラスメイトの噂話が男の子の耳に入ってきました。何組の誰々が誰に告白した、といった感じの話でした。男の子は、噂話に女の子の名前が出てこなかった事に安心しました。女の子は相も変わらず学校生活は真面目で、他の女子と談笑していました。 男の子は、段々と自分のこの気持ちを理解し始めていました。しかし、この気持ちを女の子へ伝えるにはまだ勇気がありません。周りから今の噂話のようにからかわれる恐れも感じていました。男の子は、いつまでもお菓子を使って女の子の気を引くことしかできませんでした。まぁ、それでもお菓子で宿題と女の子が釣れるので、ある意味、一石二鳥ではありました。
 
そうこうしていると、バレンタインの季節がやってきました。男子生徒は皆、浮足立ったり、ショックを受けたり、悔しがったり、様々な様相を浮かべていました。しかし、男の子は何も変わらない一日だと思っていました。女の子の家はチョコレートを買って誰かにプレゼントするような余裕のある家庭ではありませんでした。男の子は女の子からチョコレートを貰えない事は分かっていたので何も期待していませんでした。
しかし、自分の下駄箱を開けて驚きました。小さな箱が三つも入っていました。彼は頭の中が真っ白になりました。女の子以外の女子生徒からチョコレートを貰ってもどうしたら良いのかわかりません。手にとって悩んでいると友人の男子生徒がラッピングされた箱を指指して「三つも貰ってる!」と叫びました。男の子は慌ててカバンへ仕舞いましたが手遅れでした。噂は広まりチョコレートを貰えなかったその他の男子から恨みや羨望の眼差しを浴びることになりました。
 
放課後になって男の子は自分で選んで買ったチョコレートと宿題を持って女の子のアパートへ行きました。女の子は驚きましたが、笑顔で受け取ってくれました。女の子は貰ったチョコレートを食べながら男の子へ聞きました。「三つもチョコレートを貰ったんでしょう?お返事はちゃんとしたの?」男の子は言葉に詰まりました。貰ったチョコレートにはそれぞれラブレターが入っていました。しかし、男の子はそのラブレターに応えるつもりはありませんでした。 「……」黙っていると女の子は「ちゃんとお返事しないと可哀想だよ」と言いました。女の子の言葉を聞いた男の子は宿題を写し終えてから家に帰り、便箋を取り出しました。三枚も手紙を書かなければならない状況でしたが、男の子は何とか書き終えました。宿題より疲れた……。男の子は来年のバレンタインがどうなるのか怖くなってきました。
 
学年がまた一つ上がりました。そして、とうとう中学校受験がスタートします。男の子は両親の期待を背負っていました。しかし、女の子は受験の必要がない中学校へ行くことになりました。男の子は薄々分かってはいましたが、やはり同じ学校へ通えないことがショックでした。
男の子は自分より女の子の方が頭が良いことは分かっていました。はっきりと言えば自分が行く中学校に相応しいのは彼女の方だと思っていました。経済の理由が進学の選択になる事にモヤモヤした気持ちにさせられましたが、彼にはどうする事も出来ませんでした。それに、これから宿題を見せて貰う事もできません。彼女に会う理由をどうやって見つけようか彼は悩みました。
 
悩みながらも男の子は無事、受験を合格しました。卒業が近づいた頃、アパートへ行って男の子は女の子に聞きました。「またお菓子を持ってくるからさ、違う学校へ行っても遊びに来ても良い?」女の子は笑顔で「もちろん良いよ!」と答えてくれました。男の子は安心しました。
 
中学校生活が始まりました。男の子は教科書の進む速さに驚きました。宿題を丸写ししてきたツケが回ってきたのかもしれません。男の子は何とか成績を落とさないように勉強時間を増やしました。しかし、結果的に女の子と会う機会を全くと言っていい程、なくしてしまいました。
そして、そんなある日、塾へ向かう道すがら、女の子が他の男子と談笑しながら帰宅している所を見てしまいました。男の子は、やはり同じ学校へ行けなかった事を深く後悔しました。
次の日、男の子は、塾の合間に女の子のアパートへ行きました。久々すぎて女の子は凄く驚きましたが、変わらない笑顔で出迎えてくれました。「全然、来れなくてごめん」「ううん、大丈夫だよ。久々に会えて嬉しい」彼女の言葉に男の子は心底安心しました。「今度はちゃんとお菓子を持ってくるから」塾の時間が迫ってきていたので男の子はそう言ってアパートを後にしようとしました。しかし、女の子は「ううん、何も持って来なくて良いよ!」そう言って手を振ってくれました。
 
中学生になって初めての夏休みがやってきました。男の子は中学校の課題や宿題の量に驚きました。それでも夏休み前に女の子と会う約束が出来ていました。 夏休み二日目、女の子が家にやってきました。男の子の母親は久々に会う女の子を笑顔で迎えてくれました。 男の子はいくつかの課題を女の子へ差し出してみました。「もー、宿題を手伝わせる為に私を呼んだの?」「そうじゃないけど、今はそれもアリだなって思ってる」と笑って答えると女の子も笑ってペラペラと男の子の宿題を見てみました。「凄いね、全然教科書の進み方が違う」「やりたかったらやっても良いよ」「遠離しておく」彼女は笑って宿題を返しました。
男の子は夏休みの間だけでも女の子と何かしたいと思いました。「……またアサガオを植えてみない?」「えー、また私だけ水をあげることにならない?」笑う女の子に男の子は「今年はちゃんとやるよ。約束するから」女の子は少し考えているようでしたが、笑顔で「それじゃ庭に行こう」と言ってくれました。
今度こそ二人で育てて花を咲かせるつもりで植えました。夏休みの間だけでも、彼女と何か共通のものを持てる事が彼は嬉しいと思っていました。そうしてアサガオは見事に咲きました。「今年はちゃんと出来て良かったね」女の子がそう言って笑うので男の子もつられて笑いました。
 
その後、季節はどんどん巡っていきました。そうしてまたバレンタインの季節がやってきました。男の子は恐る恐る下駄箱を開けました。今年は四つのチョコレートが入っていました。男の子は、どうしたものかと思いつつ、急いでカバンへしまいました……が、またも友人に見られてしまいました。「毎年毎年、お前ばっかり貰いやがってー!」友人の恨みと羨望の眼差しと叫びに彼は苦笑いで逃げました。 男の子は四通のラブレターの返事を書き終えてから自分で選んで買ったチョコレートを持って女の子の家へ行きました。女の子はチョコレートを見て喜びましたが、「でも、私は何もお返しできないよ?」と言います。男の子は、「何もいらない」と言いました。本当は自分もチョコレートに手紙を入れようかと思いましたが、まだ自分の気持ちを言葉や文字にする勇気がありませんでした。
 
更に月日は流れ、高校受験が始まりました。男の子はまた両親の期待を背負って名門の高校を受験することにしました。しかし、やはり女の子と同じ学校へは行けそうにはありませんでした。彼女は就職に力を入れている高校へ行くと言っていました。大学へは行かず、そのまま働くのだと言います。彼は彼女こそ大学へ行き、能力に似合った仕事へ就くべきだと思っていましたが、彼女の選んだ選択を応援するしかありませんでした。 
 
高校へは無事に二人とも合格しました。新しい環境に慣れるのに苦労はしましたが、勉強についていこうと思えば、あっという間に馴染んでいきました。
高校生になってから初の夏休みが始まりました。彼は夏祭りへ彼女を誘いました。高校生になった彼女は女の子ではなく女性になっていました。彼は彼女へポッキーを差し出した時の事を思い出しました。それと同時にまた心臓がドキッと脈打ちました。彼は、夏祭りでようやく彼女の手を取り、繋ぎました。彼女は驚きましたが、同時に微笑んでくれました。祭りの帰り際に二人は昔植えたアサガオの近くで昔話をしました。そして、彼はやっと言葉にして彼女へ気持ちを伝えました。
彼女は、彼の気持ちを受け入れました。通う学校も目指す将来も全く違う二人でしたが、絆は本物でした。
 
その後、二人は高校を卒業しました。彼は大学へ、彼女は就職しました。彼女は仕事先で男性からお付き合いを申し込まれる事もありましたが、全て断っていました。彼もお金持ち故か、女性からのアプローチもたくさんありましたが、早く彼女の為に自分も働くことを考えていました。
二人は長い長い付き合いになりました。彼は働く彼女を迎えに行って、二人は無事に結ばれました。その後、彼女は彼の勧めで大学へ入り、新たな挑戦を始めることにしました。彼はやっと彼女を支えることがで��るようになり、自分が男の子から一人の男になれた気がしました。
二人の家の庭には毎年アサガオが咲き続けました。
おわり
0 notes
karasuya-hompo · 10 days
Text
手放さなかった円盤の話2・単品
 引っ越しでいろんなものを処分したけれど、それでも手元に残したDVD・BDの話、パート2。  パート1と連続ドラマ系だった。  パート2は、単発の映画や、シリーズものだけど単品で好きなものの話。
【ゴースト・エージェント R.I.P.D.】  トップに持ってくるのがマイナーな作品であれだが、世間的な評価は低くても、実は好きなのがこれ。ライアン・レイノルズ主演の、ゴースト・バスターズ+メン・イン・ブラックな映画だ。大作2つを合わせて、ただし、0.3を掛けた、というか……。  主人公ニックは有能な刑事だったが、冒頭の事件で死亡し、あの世の刑事として働くことになる。組まされた相棒は西��時代に死んだ破天荒なカウボーイのロイ(ジェフ・ブリッジス)。  バディものとして新鮮味はないし、人間に擬態している化け物の正体を見破るためにはスパイスが効くとかいうよー分からん設定になっているし、しょーもないギャグは大して笑えないし、……まあ、減点方式だと確かに駄作なんだろうなとは思う。  でも、イケメンなニックに"この世での仮の姿"として与えられたのはさえないチャイニーズ系のおっさんの外見なのに、ジジイのロイはグラマラスな美女。だからなんだと言われるとなんでもないんだけど、「本来の姿ではない」から、ニックが妻に会いに行っても、「やだなんか変なおじさんに話しかけられてる気持ち悪い」という扱いになってしまうし、クソジジイなロイを見る男どもの目はセクシー美女を見る眼差しなのである。  で、新米だけど真っ当な若い幽霊刑事と、ベテランだけど破天荒なクソジジイが、事件を通して相棒になっていく、というド定番の話。  しかし、ライアン・レイノルズにジェフ・ブリッジス、更にはメアリー・ルイーズ・パーカーにケヴィン・ベーコンという謎に豪華なメインキャスト。たぶんこの映画に出たことを黒歴史だと思っている人もいそうだけど、しょーもなwwwくらいで笑いながら気楽に見て、ベタな友情や共闘にワクワクするくらいの映画が見たいときも、あるのである。
【RED】  無駄にと言っていいほど豪華なキャストが揃った、ご老人版エクスペンダブルズ?  タイトルにもなっている「RED」は、「引退した超危険人物(Retired Extremely Dangerous)」という意味。つまり、元はエージェント(MI6とかCIAね)、しかも超がつく一流だったのだが、いいお年になったので引退して余生を過ごしているじーさんばーさんのことである。  主人公は、年金事務所の電話オペレーターの女性と他愛もない話をすることを楽しみにしているじいさま、フランク。演じるはブルース・ウィリスである。ほらもうこれだけで強いw 今は老いらくの恋を電話越しに楽しむ年金生活者だが、元はCIAエージェント。だもんだから、クリスマス間近の夜中に突然襲ってくる集団を、手際よくスマートにささっと片付けてしまうのは当たり前なのだ。  でも、何故突然に命を狙われたのかは分からない。ただ、電話を盗聴されていたとしたら、愛するサラ(これまたメアリー・ルイーズ・パーカー)にも危険が及ぶ。そんなわけでフランクは、これまで電話でしか話したことのなかったサラのもとへと駆けつけることにする。  そんな感じで始まった逃走劇は、迎撃からやがて襲撃になるのは、お約束。  さてこのフランクには、同じく凄腕じじばばの知人がいる。演じるのは、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンといった大御所。そして、かつては敵としてやり合ったこともある相手でも、今回は仲間として頼った彼等は皆、RED、なのだ。  頭おかしい系もいれば、美しい老婦人がいて、温和そうなおじいちゃんもいるし、恰幅のいいダンディ(KGB。ブライアン・コックス演)もいる。  こういう強いじじばばが好きなら、見て後悔はしない。それに、思いがけず美しい恋の物語があったりもする。  なお、現役CIAエージェントとしてフランクを追跡するウィリアム役にはカール・アーバンで、彼もまたいい味を出している。  ちなみに2(リターンズ)もあるのだが、そちらは"元電話オペレーターの一般人"でしかないサラが、超絶凄腕であるREDたちに混じってしゃしゃり出てくるせいで、あまり好きではない。敵役はイ・ビョンホンでかっこいいんだけど、これもあまり必然性のない存在というか、ウィリアムほどしっかりとドラマに絡まないというか。だからそっちは、残していないのだ。
【フィフス・エレメント】  ブルース・ウィリス再び。  カルト的な人気を誇る、というほどでもないし、あの超有名な大作、というにはマイナー感があるし……。  しかしこれも、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ゲイリー・オールドマンという大物に、クリス・タッカーもあの頃は喋りの面白い黒人俳優としてけっこう知名度あったような? それに監督がリュック・ベッソンである。  あらすじや冒頭をしれっと解説するには妙に独自要素が多くて困る。  大筋は、「邪悪な存在が地球にやってくる。それを退け滅亡を免れるためには、火・風・水・土と、そして、"五番目のエレメント"が必要だ」という予言と、それが現実になりつつある今、地球を救うために活躍するヒーローの話だ。  が、細部がけっこう独自色に彩られている。  細胞から培養し、人間の姿に置き換えてみたら美しい女性になったエイリアン。彼女を連れて地球の危機に立ち向かう元優秀な軍人、ただし今はしがないタクシー運転手。個性的すぎる髪型の武器商人に、青い肌をした異性のディーヴァ。  まあとにかく個性があって、ストーリーが面白くて、キャラが立ってて、要素はいろいろと奇妙でも、物語の大筋は分かりやすく、でもそのくせ、これこれこういう話だよ、と説明するのは難しい……。  なんにせよ好きな映画の一つなのである。
【リベリオン】  気楽に見れてかっちょいいSFが好き、と言えば、ここまでのラインナップでさもあらんと言われそうではある。  クリスチャン・ベールがやたらスタイリッシュなエージェント、というか始末人(ビショップと呼ばれる役職)を演じる本作は、典型的なディストピア映画。争いや犯罪をなくすため、人間は皆、感情を抑制する薬を服用することが義務付けられた世界である。強い感情がないから、大いに楽しんだり笑ったりもしないけれど、怒りも憎しみも乏しく、確かに平和なのだ。けれどその世界では、強い感情、感動を引き起こす"悪"として、あらゆる芸術も禁じられている。絵画も、音楽も、小説もだ。  ビショップとは、隠れて絵や音楽を楽しむような違反者を取り締まる秘密警察みたいなものである。そして彼等が身につけているのが"ガン=カタ"と呼ばれる格闘&銃撃技術。これをさっそく冒頭で見せてくれる。  同時期(少し前)に公開されたマトリックスと同じ黒いロングコートの男は、たった1人で真っ暗な室内に躍り込むと、銃撃の際に出た火花の一瞬の明かりで"敵=違反者"全員の位置を把握し、その場に仁王立ちしたまま二丁拳銃で瞬く間に片付けてしまう。その際の独特の手の動きは少し滑稽に見えるかもしれないが、ツカミはOKだ。ありえねーけど、とにかくそういう技術なのである。それに、中盤、終盤にあるガン=カタはもっとかっこいいから安心してほしい。  ともあれ、ディストピアの体制側に所属していた主人公が、とある女性違反者への尋問を契機に、"感情"を取り戻し反逆者となる様子を描くという、よくある物語だ。それだけに、ガン=カタを「かっけぇwww」と草生やしつつも楽しめるかは、けっこう大きなポイントかもしれない。  なんにせよ、話の筋は分かりやすく、ガン=カタはかっこよく、そしてクリスチャン・ベールはイケメンだ。(主人公が変わるきっかけは彼女に"惹かれる"ことなのだが、自分的には好みの女優さんでないのでヒロイン(?)を魅力的だとは紹介しない)悪役は憎らしく、だからこそ、それを真正面からねじ伏せる結末はスカッとする。  好き嫌いは分かれるだろうが、好きな人は大好きなカルト系の映画だと思う。
【ターミネーター2】  少なくとも一作目は良い娯楽作だったし、三作目も悪くはなかった。が、繰り返し見たくなり、そのたびに楽しめる、だから手元に確保しておきたいのはT2だけ。  あれこれ言う必要もない超メジャー作品。  一作目では敵だったT-800が、今度は味方。けど新たな敵は、T-800よりも高性能な後継機であるT-1000。これが液体金属みたいな体で、なんにでも化けるし、体の一部を刃物にしたりもできるし、銃で撃ったって意味はない。  液体窒素で凍結して粉砕し、「やった倒した!」と思ったところから、熱で溶けてまた一つに融合するシーンは、初めて見たとき、「こいつどうやって倒せばいいんだ!?」と愕然としたものだ。物語経験値が、個人的にもこの世界的にも上がった今となっては、案外あっさりと「あ、ここ鉄工所? あ、溶かすっていうか、焼くわけね」と分かってしまうかもしれない。でもあの当時は、本当にハラハラしながら見ていた。  T-800の無骨で重厚なかっこよさと、下手くそな笑顔、過去のトラウマであるT-800を少しずつ信用するようになるサラ、そして、少しずつ人間味のようなものを覚えるT-800。そして個人的には、どこか蛇のような印象のT-1000(ロバート・パトリック演)のビジュアルがたまらなく好きなのだ。そもそもウィレム・デフォーあたりの、ちょっと爬虫類系っぽい役者さん好きだしなー。
【ラスト・スタンド】  T2ではわざわざ名前も出さなかったけど、シュワちゃん。世代ど真ん中と言ってもいいくらい、自分にとっては大きな存在である。T2はもちろん、ツインズとか���スト・アクションヒーローとか、キンダーガートン・コップとか、まあとにかく見た。シュワちゃんってだけでとりあえず見ることにしていた。大好きなのだ。  そしてこの作品は、政治家になり映画界から離れていたシュワちゃんの、復帰作ではなかっただろうか。  なにがいいって、シュワちゃんは相変わらずヒーローなんだけど、ここでは"年相応の"おじちゃんなところだ。俺が俺がと無双するばかりでなく、若い部下を窘めたり導いたりもする。その若造には反動が強すぎて撃てない大型銃を、軽々とぶっぱする無双っぷりも健在だが、やはり年には勝てない、という描写もある。  それでいて、タイトルどおり彼が"最後の砦"なのだ。悪党がスーパーカーで通過しようとする小さな町の老保安官。別に元CIAとかスーパー軍人とかいう過去はないようだけど、そこはまあシュワちゃんなので。「手を出すな、ほっとけ、黙って見過ごせ」と言われても、自分が守る町で悪党に好き勝手なんかやらせないのである。  おじいちゃんになったシュワちゃんの魅力が詰まった、小粒だけど味わいのある佳作だと思う。
【パシフィック・リム】  巨大怪獣!! vs 巨大ロボット!!  別に取り立てて怪獣好きとか特撮好きというわけではないけど、いろんな要素全部合わせたらものすごく好みの映画。  個性的なパイロットたちに個性的なロボットたち。怪獣オタクに胡散臭い闇商人(ロン・パールマンはこういう役やらせたら最高)。  それに熱い!! 暑苦しい!! 出撃や進撃とともにかかるテーマ曲にテンションぶち上がりーの、金属の重厚感に溢れた一挙手一投足とその迫力。どんなにベタだろうと、命がけの突撃からの自己犠牲には胸が震えるのである。  イドリス・エルバという俳優に惹かれたのはこの映画からだった。どこかで見たことあるよなこの人、と思って調べ、マイテイ・ソーのヘイムダル(あれは兜のせいで人相がちょっと分かりづらかった)、そして、ゴーストライダー2のモローの人だと知って一気に好きになった。彼のかっこいい姿が見たくてダークタワーを見に行ったクチである。  映画の話に戻ると、けっこう各所で言われていた覚えがあるけれど、ローリーとマコが恋愛関係にならないのも良かった。共にジプシー・デンジャーに乗る相棒であり、そして兄妹のような絆。最後に海の上でおでここつんには可愛くて可愛すぎて萌えた。
【ブレードランナー】  ファイナルカット版としてのBDを一枚。そしてそれとは別に、「現存する本編5バージョン」すべてが収録された豪華BOXセットも持っているくらい、愛する映画。  公開当時は少数の劇場でひっそりと、ごく短い期間だけ上映され、つまりは全然ヒットしなかったのだが、見に行った人たちの中には熱狂的なファン、支持者が多数生まれ、まさにカルト作品として後日脚光を浴びた。  そうなった理由の一つとして、最初に公開されたバージョンは「説明が少なく分かりづらかった」とか「ヒーローとヒロインに明確な結末がないまま終わる」とかいうものがあったそうだ。そしてそのせいで、自分に言わせれば蛇足でしかない冒頭のナレーション、エンディングのハッピードライブが追加されたアリキタリver.が作られ、日の目を見た。  時代を先取りしすぎた系だと思う。今ならこの程度の説明不足はかえって考察厨の大好物、解説・考察動画がバンバン上がって賑わっただろう。  物語は近未来。様々な国の文化が入り混じり、独自の言語も生まれたサイバーパンクの世界観だ。レプリカントと呼ばれる人造人間たちが作られていて、彼等は人間の代わりに苛酷な環境での労働に従事している。人間には耐えられないような環境下での採掘だとか、娼婦(慰安婦)だとか、あるいは、生産性のない単純な清掃なんかも含まれるのかもしれない。  彼等レプリカントには五年程度の寿命が設定されている。それ以上活動すると、自我が芽生え、反抗したり、指示に従わなくなったりするからだ。そして、そういう"暴走した"レプリカントを狩るのがブレードランナーという賞金稼ぎみたいな奴である。  主人公デッカードは優れたブレードランナーとして、ロイというリーダーに率いられたレプリカント集団を始末する仕事を受ける。彼等とデッカードとの死闘が、映画の大部分を占めている。  しかしこの映画、主役デッカードを演じるハリソン・フォードは、好きではないとか? 何故なら、ぶっちゃけ真の主人公で、最後に美味しいところを持っていくのはロイ(ルトガー・ハウアー)だから。  ロイがかっこいいのだ。ちょっと太めのレスラータイプのボディなんだけど、こいつは戦闘用。賢くて、強い。そんな奴が反逆した。でも……ロイの目的は……。悲しい。切ない。そして美しい。  そしてこれはかなりマニアックな余談なのだが、そのロイの最期に、映画を通してずっと酸の雨が降っていた曇り空が、ほんのひととき、一部だけが青く晴れる。そこへと、ロイが掴まえ抱えていた鳩が飛び立っていくのだが、なんとも言えず美しいシーンだと思う。  けれどこの青空、実は監督が意図したものではなかったそうで、「最終ver.」にして「最新ver.」とも言えるリマスターで、曇り空にされてしまった。  でも自分は青空が好きだった。  知力も体力もなにもかも人間より優れていて、仲間が倒されれば怒り嘆く心だってあり、生きたいと願いながらそれが叶わなかったロイが、殺さずに捕らえていた白い鳩。彼が事切れて力を失うとともに青空へと飛び立つその鳥は、見ている我々の願いのようだ。ご都合主義でいいから、せめてその魂は救われてほしい、美しい空へと還ってほしい、という、願いの象徴のようだった。  それにディレクターズカット版のユニコーン云々もいらない。デッカードが人間だろうとレプリカントだろうとどうでもいい。  だから自分は、いっちばん最初の公開版をこそ、最愛としている。
【パイレーツ・オブ・カリビアン】  正直に言ってしまえば、1だけが別格に好きすぎて、2・3も決して嫌いじゃないし楽しめるけど、あえてここに入れた。それくらい1は完璧だった。  2と3が今ひとつなのは、ジャック・スパロウのしたたかさ、かっこよさが全然出なくなってしまったからだ。  1は最高だった。マストの上に威厳を持って立っている……と思ったら小舟の上。しかし、港で停泊料金を要求されたとき、「え?こんなボロ船なのに??」みたいな顔をして自分の船を振り返り、しかし案外あっさりと支払ってしまう。が、その後で杭の上に置き忘れられていた小袋をさっと手に入れる。つまり、ここに財布が忘れられていることを目ざとく見つけていたから、素直に料金を払ったわけだ。  特別腕っぷしが強いわけではないけれど、とにかく知恵が回る。それが最も明確に打ち出されたのは、インターセプター号の強奪だろう。到底二人では動かせない大型船を奪って出航するのだが、本当の狙いは、それを追ってくる中型の快速船。戦うこともなく鮮やかに奪い取る。その手際には、敵である官憲側さえ脱帽し、感服し、つい称賛するほどだった。そして敵将であるノリントン提督ですら、部下のその言葉を否定できない、という、とてつもなくかっこいいシーンだ。  なにより、手下も立派な船もなくてもキャプテン・スパロウであるという自負……なけなしの見栄なのかもしれないが、そういう誇り高さがあった。  が、2以降��とにかく情けないしだらしない。デイビー・ジョーンズにおびえて逃げ回るだけだし、3ではエリザベス(キーラ・ナイトレイ)とターナー(オーランド・ブルーム)が主人公だと言ってもいいくらい、ジャックは大したことをしない。それ以後も、かつてブラック・パール号をなくしたときには、小舟のマストにであれ卑屈になることなく佇んでいたのに、今はもうただ飲んだくれるだけ?  なにもかもがつまらないとは言わないが、1に溢れていたジャック・スパロウの魅力は、もうどこにもない。それが残念すぎて、1以外は手元に残したいと思わなかったのだ。
【ドラゴンボールZ 19・20巻】  ピンポイントで、原作に追いついてしまうアニメの引き伸ばし用オリジナルストーリー部分に当たる。ナメック星での戦闘を終えて、悟空とベジータはそのまま宇宙で武者修行しているタイミングだ。  あのタイミングでは最強と言える二人が不在の地球で、これまたアニメ(映画)オリジナルの悪役であるガーリックJr.が蘇る。  不老不死になりながら、魔空間みたいなところに閉じ込められた奴が、何千年に一度だか地球に近づく魔凶星とやらの影響で解放されてしまうのだ。  それに立ち向かえるのは悟飯とピッコロくらいしかいない地球。え? クリリン? 修行サボってじょしの尻に敷かれてたので……。  ピッコロが好きな自分としては、彼が大活躍するこのシナリオが大好きなのである。まあとにかくかっこいい。強いし、それでいて(まだ神様と一つに戻ってはいないのに)頭もいい。クリリンもやっぱりここぞというところでは男を見せてくれる。クリリンがピッコロを気遣い庇うところとか、いやもう、ねえw 美味い以外のなんでもないのだ。
0 notes
niyuuhdf · 13 days
Text
【眼と精神】 直人パートでの抽出部分
<手記本直人パートは、こうだった。 イキヤと今の私、となると、焦点を当てて注目・拡大解釈するポイントがまるで異なる、すでにイキヤへのヒントもこの中にもある、 パートイキヤへの、再読、再考が面白そう、必要そう。>
もしもこの種の考え方で人間と歴史を捉えようとするのならば、そしてもし、私たちが直接的な接触や立場によって人間と歴史について知っていることを知らないふりをし、退廃的な精神分析や文化主義がアメリカで行ってきたように、人間と歴史を抽象的ないくつかの指標から出発して構築しようとするならば、人間はまさにそう見なされたとおりの捜査対象(m"nipul"ndum)となってしまい、私たちは、人間と歴史に関してはもはや真も偽もない文化体制のなかに、(すなわち)目覚めさせてくれるものの何一つない眠りか悪夢のなかに入り���んでいくことになるだろう。 ーーーー手記if
私の身体とともに、共同的身体、「他者」が目覚めてこなければならないが、それは動物学が語るような私の同種個体ではなく、私に憑依する他者、私が憑依する他者であり、私はその他者たちとともにいま現に目の前にある唯一の<存在>に憑依しているのであって、これに対して、動物たちがそんなふうに同類や縄張りや環境に憑依したためしはついぞなかった。 ーーーー手記if
無垢のままにその源泉を汲みとってくるのは芸術と絵画だけでさえある。 (ーーートキさん?
ただ画家だけが、いかなる評価の義務もなく、一切の物に対する眼差しの権利を持つ。 よく言われるように、画家の前では認識や行為を命ずる言葉は力を失う。
それにまた、人々が現実逃避という非難を画家に浴びせかけることもめったにない。 一八七〇年の戦争のときセザンヌはエスタックに隠棲したが、そのことでセザンヌを非難する人はいないし、世間は尊敬を込めて「恐ろしいものだ、生きるということは。」という彼の言葉を挙げている。
画家の仕事のなかには他のどんな緊急事をも凌ぐ緊急事があるかのようである。 実生活に長けていようが疎かろうが、世界を反芻することにかけては並ぶ者なき至高の存在として、画家は「そこ(点、ルビ)」にいる。彼はひたすら見、ひたすら描くことで自らの眼と手が勝ち得た「技術」以外のいかなる技術にもよらず、歴史の醜聞と栄光が鳴り響くこの世界から、人々の怒りを募らせることも希望を膨らませることもほとんどない「カンヴァス(点、ルビ)」を引き出してくることに取り憑かれているのだが、誰もそのことに文句など言わない。
実際どうやったら<精神>が絵を描きうるというのか、そんなことは理解のしようもない。 画家が世界を絵画に変えるのは、世界に自らの体を貸し与えることによってである。 こうした実体変化を理解するためには、活動しているさなかの現実的身体を、すなわち、空間の一片や諸機能の束としての身体ではなく、視覚と運動とで編み合わされた身体を再発見しなければならない。
物に近づきそれを掴み取るすべを知るためには、たとえそれがどんなふうに神経機構のなかで行われるのか知らなくても、見るだけで十分である。 私の動きうる身体は見える世界を当てにし、見える世界の一部をなしており、だからこそ、私は自分の身体を見えるもののなかでうまく操ることができる。 しかし他方、視覚が運動に依拠しているというのも本当である。 「人に見えるのは、その人が眼差しを向けている物だけである。」
私が見ているものは全て原理上私の届くところに、少なくとも、私の眼差しの届くところにあり、「私が~できる」という地図のうえに書き留められている。 ーーー手記if
見える世界と、私が動くことで関わっていく世界とは、同じ<存在>の全体的部分なのである。 見る者の身体はそれ自身見えるものなのだから、その身体によって、見る者は見えるもののうちに埋め込まれているのであり、見る者は、自分が見ているものを我が物にするのではなく、ただ眼差しによって見ているものに近づくだけであって、見る者は世界に面し、世界に向かって開かれているのである。
私の運動は視覚から自然に生じてきた結果であり、視覚の成熟なのである。
見る者と見ているもの、感じる者と感じているもの、その両者の混?、ナルシシズム、内属によって自分であるのでありーーーそれゆえ、物たちのあいだに挟まれた自分、前と後ろ<顔と背中>、過去と未来をもつ自分なのである……… ーーー手記if
世界は身体と同じ生地で仕立てられているのである。 こうした逆転し矛盾した言い方は、視覚が物に取り巻かれ、そのただなかで生起するということを言い表すためのものであり、まさにそうした物のただなかに置いてこそ、ある見えるものが見ることをはじめ、あらゆるものを見ることによって自分にとって見えるものとなるのであって、そこでは、まるで結晶における母液のように、感じる者と感じられるものはずっと不可分のままなのである。
こうした偶発事やそれに類した他の事態がなければたしかに人間は存在しないだろうが、かと言って、それらをたんに足し合わせても一個の人間が存在するようになるわけではない。 身体の諸部分を一つ一つ寄せ集めたからといって身体が生きて動くようになるわけではないしーーーそれにまた、自動人形のなかにどこか他から精神が降りてくることによって、身体が生きて動くようになるというわけでもない。 というのも、そのように精神が降りてくるという考え方もまた、身体それ自身には内部も「自分」もないということを前提としてしまっているからである。 人間の身体がそこにあるのは、見る者と見えるもの、触れる者と触れられるもの、片方の眼と他方の眼、手と手のあいだである種の交叉が起こり、<感じー感じられうるもの>に火花が散り火が灯ったときであって、その火は、偶発的出来事だけでは十分に作りえなかったものを、身体に起こる偶発的出来事が壊してしまうまで燃え続けるのである。 ーーーー手記if
私たちの前の「そこ」にある性質、光、色、奥行きがまさしく「そこ」にあるのは、それらが私たちの身体のうちに谺を呼び覚ますからであり、身体がそれらを迎え入れるからにほかならない。 この内的な等価物、物が私のうちに呼び起こすそれら目の前にある性質や色の肉的応答様式が、今度は逆に何らかの描線を呼び起こし、それ自身また目に見えるその描線のうちに、今度はまったく別の眼差しが自ら世界を視察していくための動機を見出していくということがあるのではなかろうか。
想像的なものは、はるかに現実的なものに近く、またはるかに遠いところにある。 はるかに遠いと言うのは、想像的なものとは、現実的なものが私の身体のうちでどのように生きられているかを表す図解であり、はじめて眼差しの前にさらけ出された現実的なものの果肉、裏側の肉だからであり、 眼は世界を見、そして世界が絵となるためにその世界に欠けているものを見、絵がまさに絵となるためにその絵に欠けているものを見、絵が待ち受けている色をパレットの上に見、そしていったんできあがると、今度はこれらの欠如すべてに答えてくれている絵を見、さらには他の人たちの絵を見、そこに彼らなりの欠如に対する彼らなりの応答を見る。 ーーーー手記ifにも
眼という自分で自分を動かす道具、自分で自分の目的を発明する手段、それは世界がもたらすある種の衝撃によって突き動かされてきた「もの」であり、その衝撃を手の痕跡によってふたたび見えるものへと復元するのである。 眼という自分で自分を動かす道具、自分で自分の目的を発明する手段、それは世界がもたらすある種の衝撃によって突き動かされてきた「もの」であり、その衝撃を手の痕跡によってふたたび見えるものへと復元するのである。
(中略)絵画が祝福しているのは、可視性の謎以外の何ものでもないのである。 私たちがここで言っていることは分かりきったことでしかない。 すなわち、絵画の世界は眼に見える世界であり、見えるもの以上の何ものでもなく、部分的でしかないのに完全なものなのだから、ほとんど狂った世界である、ということである。 絵画は、視覚そのものである一つの錯乱を目覚めさせ、それを極限にまで高めるのだが、それというのも、見るとは「離れてもつ」ことだからであり、 そして<存在>のどんな様相も絵画のなかに入りうるためには何らかの仕方で自らを見えるものにしなくてはならない以上、絵画はこの奇妙な所有を<存在>の全様相にまで押し広げるからである。 ーーーー手記と手記ifネタバレ?
すなわち、絵画は世俗的な視覚が見えないと信じているものを見える存在にし、「筋肉感覚」抜きに世界の量感性を私たちに感じとらせてくれるのである。 ーーーー手記if
画家は、物が彼のうちに移り込んでくるということ、(中略)精神は絶えずその千里眼の焦点を物に合わせているのだから、精神は眼から出て物のなかへ散歩に出かけるということを嫌でも認めなくてはならない。 ————手記if
各自の世界()が視覚によって共通世界()につながるということ、 要するに、同一の物が世界のただなかの「そこ」にあると同時に、視覚の只中の「ここ」にあるということをどうしても認めざるをえない。 ここで「同一の」と言うのは、あるいはそう言いたければ、「類似した」と言ってもいいが、その類似とは実効的類似性という意味での類似であって、 それは視覚のうちにその存在を生み出す実の親であり、視覚のうちへのその存在の生成、変身なのである。 ーーーーー直人香澄では
光、照明、影、反射、色、 これら画家が探し求めている対象はすべて、完全な現実的存在ではなく、亡霊のように視覚的にしか実在していない。 しかもそれらは、世俗的な視覚のうちに入るか入らないかのところにしかなく、普通は見られることがない。 画家の眼差しはこれらの対象に、そうした対象がいったいどのように振る舞えば、突如そこに何かがあるようにしうるのか、 そしてまた、そうして出現した物が、いったいどのようにして世界を護持するこの魔除け札を作り上げ、私たちに見えるものを見させるのかを尋ねる。 ーーーーーー手記ifネタバレ?
けれども、その戯れは見る人たちがいなくても、それらの物や空間のうちで働いていたのであり、物を示すために自らの姿を隠していたのだ。 物を見るためには、その戯れを見てはならなかったのである。 世俗的な意味での見えるものは己れの前提を忘れているのであり、それは、再創造され、そうすることで見えるもののうちに捕われていた亡霊を解き放つ、一つの全体的可視性に支えられているのである。 ーーーーーーー手記ifネタバレ?
画家は幻惑のうちに生きている。 彼にもっとも固有な行為ーーーそれは彼だけにできる所作や描線であり、他の人たちは彼と同じ欠如を抱いていないのだから、 他の人たちにとってその所作や描線は啓示となるだろうーーーが、 まるで星座の図柄がそうであるように、物そのものから出てくるように彼には思われる。画家と見えるもののあいだで、その役割は不可避的に逆転するのだ。
私が思うに、画家は宇宙に貫かれるべきであり、宇宙を貫こうと願うべきではありません。(アンドレ・マルシャン)
(中略)ここでは能動と受動はほとんど見分け難く、もはや誰が見、誰が見られているのか、誰が描き、誰が描かれているのか分からないほどである。 母の身体の奥深くで潜在的にしか見えなかったものが、私たちにとっても自分自身にとっても同時に見えるものになった瞬間に、一人の人間が生まれたと人々は言う。 とすれば、画家の視覚とは、いまなお継続中の誕生なのだ。 ーーーーーー手記if?
(略)人間は人間にとって鏡なのだ。
絵画は私たちに像を与えてくれるがその原物には触れさせてくれない (デカルトから)
0 notes
kozuemori · 5 months
Text
Tumblr media
キリストの生誕の地として知られるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のベツレヘムでは、今年のクリスマス行事が中止になったそうです。パレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエル軍の侵攻で民間人の犠牲が増え続けているためで、観光客や巡礼者がベツレヘムへの旅行を控え、この時期に最もにぎわうこの地が、今年は12月に入って閉鎖状態になっています。
ベツレヘムの教会では生まれたばかりのキリストが爆撃による瓦礫の中に置かれ、聖母マリアが彷徨いながら幼子を捜している様子が『キリストの降誕』として再現されています。
以下、現在のガザの状況をまとめてみました。
・・・・・
10月7日以来、ガザでは20,000人以上の市民がイスラエル占領軍によって殺されている。この数には8,000人以上の子どもたち、少なくとも97人のジャーナリストやメディア関係者、少なくとも310人の医療スタッフ、136人の国連職員が含まれている。約1,700世帯から複数の人々が殺され、15,000人以上の子どもを含む52,000人以上が負傷している。ガザでは少なくとも1,000人の子どもが片足または両足を失った。人道支援団体によると、瓦礫の下で行方不明になっている人がまだ何千人もいるため、実際の死者数は20,000人をさらに上回ると報告されている。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、イスラエルがガザでの戦術として民間人の飢餓を利用していると報告した。イスラエル政府高官は、ガザの市民から食料、水、燃料を奪うことを目的とした公の声明を発表しており、この声明はイスラエル軍の軍事作戦に反映されている。
国連は12月21日、ガザの4人に1人以上が飢餓状態にあり、ガザ地区の全人口が飢饉の差し迫ったリスクに直面していることを明らかにする報告書を発表した。
ガザに避難している190万人の間で、病気が急速に広がっている。 世界保健機関の職員によれば、髄膜炎、黄疸、水ぼうそう、伝染性膿痂疹、疥癬、上気道感染症などがそれにあたる。
+972の報道によると、避難所の混雑した状況、清潔な水と衛生的なトイレの不足が、包囲された飛び地全体に病気を急速に蔓延させていると専門家は指摘している。
ユニセフはガザでは清潔な水が不足しているため、病気により死亡する子供が増えると警告している。また、ガザの子どもたちは一滴の水も飲むことができず、彼らやその家族は、安全でない水源からの塩分濃度の高い水や汚染された水を使わざるを得ないとし、安全な水がなければ今後数日のうちに、より多くの子どもたちが困窮や病気で命を落とすだろうと付け加えた。
ガザでは6万戸以上の住宅が完全に破壊され、さらに25万4000戸以上がイスラエル軍の空爆によって損壊した。
ガザ全域で部分的に機能している医療施設は36カ所のうち8カ所のみで、北部には機能している病院はない。
南部にある機能的な病院は、収容能力の3倍で運営されている。
ガザの学校の69%以上が被害を受けた。
およそ625,000人(100%)の生徒が、現在教育を受けることができない。
12月19日、ユニセフは声明を発表し、ガザ地区は子どもにとって世界で最も危険な場所であると述べた。また、ガザの子どもたちが栄養失調、病気、食料、水、医薬品、衛生設備、保護の欠如という危機に直面していると指摘した。病気による子どもの死亡は、砲撃による死亡を上回る可能性があるという。
国連人権高等弁務官事務所は、イスラエル軍がガザ地区で少なくとも11人の非武装のパレスチナ人男性を家族の目の前で殺害したという情報を入手したと発表した。イスラエル軍はその後、女性や子どもたちを部屋に入れるよう命じ、発砲したり手榴弾を投げ込んだりしたとされ、幼児や子どもを含む何人かが負傷したと伝えられている。
12月20日、イスラエル軍は2日間の包囲の後、ガザ北部のジャバリヤにあるパレスチナ赤新月社の救急車センターを襲撃した。職員と救急隊員は逮捕され、確認できない場所に連行された。
12月19日、ガザ市のアル・レマル地区で5階建てのビルが襲撃された。100人以上が死亡し、16人が負傷した。さらに50人が瓦礫の下で行方不明となっている。
国連人権事務所は12月16日、ガザ北部からの報道を引用し、『イスラエル軍による子どもや女性を含む数千人のパレスチナ人の大量拘留、虐待、強制失踪』に関する報道声明を発表した。
ワシントン・ポスト紙の分析によると、イスラエル政府が提示した証拠は、ハマスがアル・シファ病院を指揮統制センターとして利用していたことを示すものではなかった。 同紙ではオープンソースであるビジュアル、衛星画像、および公表されたすべてのイスラエル軍が公開した資料が使用された。 同紙の分析は以下の事実を示している。
イスラエル軍によって発見されたトンネル網に接続された部屋には、ハマスによる軍事利用の即時痕跡は見られなかった。
イスラエル軍のハガリ報道官が特定した 5 つの病院の建物はいずれもトンネル網に接続されていないようだった。
病棟内からトンネルにアクセスできたという証拠はない。
イスラエル軍が施設に入る数時間前に、バイデン政権はイスラエルの主張を裏付けるものであるとして米国情報機関の評価を機密解除した。 襲撃の余波を受けて、イスラエルと米国の当局者は当初の声明を堅持している。
アメリカ政府はアル・シファ病院に関する機密解除された資料を一切公開していない。
ハガリ氏は22日、定例会見で戦況について説明し、「ガザ地区北部の作戦は最終段階にある。制圧に近づいている」と述べた。
・・・・・
ストリートアーティストのバンクシーが22日、ロンドン南部の交差点にある標識に描かれた新作をインスタグラムで発表しました。この作品は一時停止を求める「STOP」の標識の表面に軍事用ドローンが3機連なったもので、反戦を訴えたとみられています。
2003年、バンクシーは初めてベツレヘムの分離壁に『Love is in the Air』というタイトルの作品を描きました。顔をバンダナで隠した暴徒のように見える1人の男性が、今にも火炎瓶を投げつけるような姿で描かれていますが、手に持っているのは武器ではなく、花束です。バンクシーは2005年にもベツレヘムを訪れ、分離壁に幾つかの作品を残しています。その1つが『Girl with Balloon』で、風船を持った少女が宙に浮く姿は、分断壁の撤去と人間の自由に移動する権利を現しています。分断壁に設置された監視塔にいるイスラエル兵に狙撃されるかもしれないという危険を冒しながら���いたという、バンクシー自身のコメントも話題になりました。
youtube
バンクシーは分離壁の真正面にある『ザ・ウォールド・オフ・ホテル』(THE WALLED OFF HOTEL:壁で遮断されたホテル)のオーナーでもあります。2017年にオープンしたこのホテルは『世界一眺めの悪いホテル』と呼ばれ、客室の窓からは目の前にはばかる無骨な分離壁しか見えません。
私も自分なりの反戦アートを作ってみました。(写真上)
…………………………………………………………………………
今後のイベント・ワークショップ 
ドロップイン・ナイト 木曜日 19:00〜20:00
3月7日(木)指導霊(スピリット・ガイド)のサイキックアート
詳細とお申し込みはこちらからどうぞ。
2024年春学期クラスへのお申し込みを受け付けています
Tumblr media
2024年春学期クラスへのお申し込みを受付中です。新たに単独でのアウェアネスベーシック前期クラス(全5回)を含むラインナップが揃っています。
新規の方はこちらからお申し込みください。
継続受講の方は直接ショップからお申込みください。
私のサイトでお申込みいただけるクラス以外にも、私の担当日があるクラスがあります。詳しくはサイトにてご確認ください。
新たな年を迎え、共に霊性開花の光を灯し続けましょう。皆さまのご参加をお待ちしています!
0 notes
lienguistics · 7 months
Text
裏表
2023.09.30
章1
撮らせてもらった僅かな彼の写真の中には、一緒に過ごせた日々が色褪せないまま残っていた。特に懐かしく思いを馳せさせるのが、信号待ちをしていたときだった。目が合ったとき、噛み殺そうとしたのにクスッと笑わずにはいられなかった私に「何だ?」と彼は眉をつり上げながら聞いた。
「別に何でもないよ」とあどけなく言い返したが、納得させることができなかったのは目つきで察した。 「 俺の影で涼しむために寄ってきたんだろ?」 「まあ、確かにそんなメリットもあるけど、なんでそう思うの?」 「お前の顔にできた影が不自然だったから」
ふふっと笑い返しながら携帯を取り出して構えたら、写真を撮れないように彼に手でカメラを塞がれた。
「なんでぇ〜」と口を尖らせる私に彼は「汗かいてるし、疲れた顔してるし」とぼやいて拒んだ。 「それでも、私にとってはどうしたって可愛いと思うのよ」と私はそっと呟いたら、彼が徐々に気を許してくるのに気づいた。
照れ笑いと優しい眼差しでこちらを眺めてくる。 夕方の日差しに包まれる輪郭が柔らかく輝いている。 茶色くふわふわの巻き毛がボサボサになってしまい、日光で背後から照らされ、薄茶色やきつね色に毛先を彩り、ポカポカと暖かい焚き火のイメージが蘇る。
通りを横断しながら、私は一瞬肩越しに振り返って彼の表情をまた一目見ようとして「楽しんでるの?」と聞いてみた。
「君のそばにいるだけで幸せだよ」
如何にも素敵な写真なんだ。
. . .
章2
立ち去ってからもう2週間以上経ったのに、彼の名残りがまだ私のアパートに撒き散らされている。自分の所持品に限ってはいつも通りに整えているが、彼との過ごした日々によって増えたものは、どこに収めたらいいのか考えて決める気になれなく、そのまま残る。時間が経つにつれて、自分の常識や判断力も変わってきたことを悟った。
スキンケア用品のサンプルセットは、すでに様々な言語の著書をいっぱい抱えている本棚の端に乗せられるのがおかしいどころか、あっさりと拾い上げられるので便利のよくて相応しいじゃない。
ある美容化粧品店の表札を見かけた瞬間に、私は「あっ」としか発せず出し抜けにその店に向けて雑踏の潮をすり抜け出した。
「おススメしてもらった銘柄だから実際にどんな魅力があるのか気になったんだ」と説明しても、彼は別にこんなところに興味がないと推定してしまい、とりあえず好奇心を満足させるためにさっさと見回してすぐ出ようと自分に言い聞かせた。
だが、知らないうちに彼はビアードオイルやクリームを手にして「いい匂いするし、肌触りも気に入ったし、後で買おうかな」とぶつぶつ独り言したのが聞こえた。
彼から少し離れて、エッセンスやセラムの棚に近づいて、諸々な商品にゆるりと目を通して、シャンプーやコンディショナーまで視線を向けたとき、店員さんに「よかったら、サンプルを差し上げましょうか」と提供された。
「あっ、ほ、本当いいんですか」とどもったが、店員さんが頷いてから、「じゃあ、お願いします」と私は返して、受け入れるしかなかった。
えっ?当時の彼にすぐ一つ渡すのを忘れてしまったからといって、この二つを果てしなく保たなければならないわけではない上に、同居人の一人と一緒に暮らしているので、せめて一つをあげてもいいって?なんて非常識な提案。
ガラステーブルの片端を飾っているのが花輪のレイ。天命ゆえに冬を春に向き合わせたと言わんばかりに、ピンクと水色が僅かに交流する花壇は殺風景な凍った湖の縁に降臨して根付き出した。当該の性格が絡み合っていると仄めかすように。
ダウンタウンでぶらぶらしていたとき、ハワイをテーマにした居酒屋に行こうと気まぐれに決断をして、入店する前に歓迎の一環としてスタッフにレイをかけてもらった。
献立を見据えながら、「何を注文するの?」と彼に聞かれたら「うーん、パイナップルのスムージーとかなんとか…かな。そっちは?」と答えた。 「マイタイ飲んでみようと思うけど…とにかく、空席を見つけてくれない?」 「おおっ、いいよ」
一回りしてから「そこのテーブルで大丈夫だと思うよ」と提案するために合流したとき、私がお酒に弱いと知っている彼はさっき言った通りの飲み物をすでに手にしていて、テーブルまで案内してもらうのを待っていたようだ。
「えっ?!いいの??」と慌てて聞いたが、「普通はかわりばんこに払うんだろうし」という正論で立ち止まって屈した。 「とりあえず、飲んでみない?酒の味が思ったより弱いから君も耐えられるかも」と彼は言いながらガラスを渡してくれたが、私が一口飲んでみたなり、「弱いどころか…結構味わえるじゃん!」という愚痴を溢して舌をすばやく出した。 「あ、そう?」 「ほら、私のを飲んでみぃ〜」 「俺のよりもうまいね」 「飲み干すな!」
レイをかけるとかゆいし、どこかに置いて自分にかけない方がいいんじゃない。それに萎まない花束と見做すのが妥当なの。
食卓の上で同居人の植物に付き合っているのがペロペロキャンディの一本。元々は二本だったが、好奇心と口寂しさに負けてしまったんだ。こんなお菓子をどこの店でも買えるのは一目瞭然だが、不憫な褒美として、ゲームセンターで楽しく過ごせた時間の象徴で、ダンスダンスレボリューションで心ゆくまで精一杯勢いよく踊った証明だった。
歌の知識で私の方が有利だったはずなのに、動きがぎこちないせいで何回も彼に負けた。むしろ、まるでそもそも負けなかったかように感じるほどゲームにすっかりと夢中になってしまったのは、さも10年以上ぶりに遊ぶのがさすがだね。
ロリポップはどうだったって?まあ、案の定、結構平凡で、食べたことを微塵も後悔していないよ。ちょっとでも片付けたと見做させられるかな。
こちらを未練がましいと決めつけるとしたら、どうせなら両成敗ということにしようか。
. . .
章3
積み重ねたレシートをより分けたら、まるで束の間だけでも過去に遡ることができるかような感じがして、懐かしい雰囲気がひとしきり漂ってきて、余韻に浸れずにはいられない。
と、君へのメッセージをうっかりと送ってしまった。そんな恥ずかしいことを自分の胸にしまっておいたらよかったかな。
ちなみに、今回の方が俺たちに関心を向けてる人って多かったんだね?君は本当に何も気づかなかったって?
だってさ、あるときなんか、商店街で見て回りながら、店員さんに「何かお探しですか?」と質問されて、俺は「丈91センチのズボンが店内にありますか?ウェブサイトで見かけたんですが、自分で履いてみたかったので…」と説明したのに、戻ってきた店員さんが「誠に申し訳ございませんが、そのサイズが店内にございません。ひょっとしたら、オンライン限りに在庫があるかも知れませんが」と君に正面切って相談したんだ。俺より頭一つ以上背が低い君の方がさすがにそんな長さに合ってると言わんばかりに。
笑いながら、次の店に俺の袖を掴んで引きずって行った。ハワイ風の服ばかりに囲まれて、漆黒でガバガバなパーカーや濃紺のコンバーススニーカーちをからだじゅう身につけた君とため色のシャーツをしわくちゃなジーンズと合わせた俺は、一目瞭然でわかる場違いな雰囲気を受け入れきれないうちに、君があれよあれよという間に近付いてきた店員さんと喋り始めた。
えっ?俺たちはオアフ島に行く予定があるって?確かに夜のイベントとかなんとか行ったら、こんなふうに厚手の生地の方がいいし、お洒落な色も選んだなぁ… あっ、おい!調子乗りすぎじゃない?カクテルのガラスの模様も?何、その生意気な目つき…
旅行が数日だけと言ってしまった君は、「もったいないわ〜」と疑問を抱く店員さんに直面したらどうする?
少しでも休みを取らせてもらうように許可を得る過程が大変だっただけではなく、二人とも働いていて一緒に同時に休めるため、両方のスケジュールを調整することに取り組んだが、結局なんとかできたと真剣に言い逃れるお前、えらいじゃないか!
すでにアロハシャツを4枚持っている俺を試着室まで店員さんは案内してくれたが、君が辿るのを躊躇ったのに気づいたので、「廊下の突き当たりが二人で入ることができるほど広いですよ」と声かけた。君は俺に面食らった眼差しでちらっと見たが、やっと向かってきた。背後にドアを閉めた後に「お前、本当に信じられない」と俺が苦笑いして、自分でまったく抜き出さなかったシャツを羽織ってみた。
この経験でどんなスタイルや模様や色と似合うのかてっきりとわかってきたに違いない。
「晩ご飯は何を作ろうか」と悩んでいた君に「パスタだったらどう?」と提案したら、咄嗟に「じゃあ、頼むよ!うわぁ〜、料理してくれる人がいるのって最高!めっちゃラッキーだわ」と大はしゃぎで歓声を上げられて「えっ、ちょっと!料理してあげるって言ったわけではないよ」と拒むに拒めなかった。 おせっかい焼きの君がニンニクと野菜を切るのを許したが、食後に皿洗いにも手をつける前に俺はすぐ自分で洗い始めたのに、食卓を雑巾で拭く姿が横目で見えたきっかけで「疲れた?」と声かけた。 君は首を横に振った。「ううん、別に」 「そう?」 「晩ご飯の献立を考えて決めた上に、準備とか料理をきちんと果たしたのはあんただから、私の方が本当に楽なの」 一瞬の間を置いてから「いつかこんな風に一緒に暮したらどうだろう」と思いつきをぽつんと漏らした。 「本当に一緒に暮らすことを検討してる?」 「君ならいけると思うけど」 「お前は野菜が嫌いだから、八百屋に行ったらどうする?別々に買ったり払ったりするの?だって、私はね、野菜をそんなにあっさりと手放さないよ」 「食べれる野菜もあるけど!理想的には二人でお金を少しずつ出し合って、欲しいものを揃えて買おうと思ってたんだ」と言ったら、納得させることができた。「まあ、確かに、そんなことは恋人とか家族との生活みたいだけど、お前なら…」 「もうずーっと付き合ってる感じじゃない?私たちってさ、幼馴染から恋人に実際になれたら、都合のよくない?」とそっと笑った。 「30歳になっても未だ独身だったら、とにかく結婚しよう…とかなんとか?」 「おおっ、ロマンティックじゃん〜 じゃあ、あと6年だね」 「5年じゃない?6年間待つしかなかったらしょうがないけどぉ」 「 私は29歳に、お前は31歳になる年に決めるとしても、条件が特に一つあって、即ち、夫婦別姓にしたいって。私は博士を取得できたら、お前が博士で私は単純にお前と結婚してるという誤解のないようにね」 「いいよ。ハイフンが付いた名字もいけるかな?」 「んー、それはもうちょっと考えないと〜」 「まあ、5年間あって余裕だね」
最後の夜に「死んで永遠に会えなくなるわけではないから、泣く理由なんて何もないよ」と慰めようとしたのに、君の目に涙が湧き溢れていたのを見てから、涙を親指でスイスイと拭って、頰をひとしきりそっと撫でていた。
「遠く離れた場所に引っ越しても、お願いだから訪問してくれると約束してね。必ず空港に迎えに行くよ」
本当に、一ヶ月間も滞在しても、構うどころか、嬉しい。 君がすすり泣きながら体を震わせるのを鎮めるためにぎゅっと抱き締めようとしたが、俺もべそかいてきたんだ。
「泣くなって言ってたんだろう、アホ」とぶつぶつ言いながら、自分の頰からも涙をぬぐった。
. . .
章4
オフィスに迎えに来てもらってアパートに帰ってからすぐにお互いに抱きしめ合おうとした。最初は両腕を彼の腰に巻きつけると、自分の顔が直接に胸に埋まったので、代わりに肩越しに回すためにつま先で立とうとしたが、私は長い時間そのままバランスを保つことができなかった。彼もずっと身を屈めるのは無理だったので、結局腰に私の脚を巻きつけて、私を一気に優しく持ち上げた。
「よっしょ!これでいいかな?」と彼はそっと笑った。 「重くない?」と私は眉を顰めながら聞いた。 「かなり軽いよ」 「ふーん」と勘繰るような表現で口を尖らせた。
目を逸らさず、鼻先をくっつけて、すりすりしてきた。
「ここまで来てくれて本当に嬉しいの」と私は囁いた。 「めっちゃ会いたかったよ」
「君に最も幸せになって欲しいし、いつも応援してるけど、そんなに幸せにしてあげることができる人って俺じゃない」と彼に言われたときに最初は面食らったが、一瞬の間を置いて我に返ってから「うん、自分自身の気持ちを抑え込むよりちゃんと伝えたり、相手の感情もよく理解したり、相当に対応したり、またはせめて誤解があったら前向きに積極的に話し合ったりすることができる人の方と気が合うよね」と頷いた。「だって、ここ一ヶ月間お前に言うに言えなかったことあるの。会話が静まった咄嗟に、お前は他の他愛のないことで気が紛れるから、こっちはゆっくりと切り出せる余裕がなかったし」 「ん?」 「ね、お前にいきなり電話した夜、覚えてる?結構遅かったから、そろそろ寝ないと、ってお前に言われたもん」 「ああ、覚えてるよ。めっちゃ眠かったんだ」と彼はそっと笑った。 「当時は、まあ、今でも、すごく言いづらくて喋り方が毎回ぎこちなくなってしまうけど、なんだろう、お前に電話かける数時間前に父にも電話してひとしきり最近の出来事についてやり取りして、母が父と絶交したのは二ヶ月前だと初めて聞いた。原因は散々愚かだったが、…母は私が大学院の代わりに就職活動に目を向けると聞いたとき、ひどく落胆してきて、私にまた大学院に申し込むように言い聞かせてくれとすぐに父に訴えようとしたが、『うちの娘にもうそんなことを言い付けられない 』と父に反対された。再話でこの部分でおそらく父に庇ってもらえていいねって思ってるんだろう?当時の私もそう思ったが、父はその舌の根も乾かないうちに、ろくでもないと見做す生物学の学士号で私が就職活できないと最初に諭そうとしたのに、結局父の主観を理解できるようになるまで何目の面接にも落ち続ける私を傍観するしかないとも吐き捨てた。その警告に従わなかったゆえの自業自得だと言わんばかりに。両親の落胆に圧倒されたから、気が紛れるために、お前に話してみようと思ってたのに…その瞬間にどれほど死にたかったのか口にすることができなかった」 「君がそんな気持ちを抱いてたって言ったらよかったのに。俺はたまに上手く慰めることができないのが他のことに気を取られているからだけど」 「大抵自分自身で処理した方がマシだというタイプにしては、さすがだよ」
困るときに友達に相談する私と、縁のない人からの視点や意見は無益だと思っている彼が、ずっとこのままにしては言った通りに幸せにしてくれない。一人は過酷に厳しい監視で絶え間なく見据えてくれる両親、もう一人はよそよそしい断続的に不在の両親から産まれ育たれたのが、あがり症のかまってちゃんと孤高の気取り屋の二人となってきた。
いきなりに「天然ボケ」と言い放たれた瞬間に、「で?」と私が言い返すところだったが、彼は私の首に顔を埋め込んできて「で、可憐」ともごもご打ち明けた。
「俺のタイプは… クール系女子かな?」と言われたとき、ああ、確かにその「クール系」というのは「可愛いだけ���の私に当てはまらないのが、なぜそもそも腑に落ちなかったんだろう?両方のアピールができると私は自慢に思ってしまったから。
幼い頃から完璧ではないと愛に値しないと教え込まれた私は、サイコホラーの深刻で不気味な執筆で自殺などの話題を読むことにより、自分の自殺念慮を理解してもらえて安堵感を感じさせる。仕事で手術を焦点にするのは、頭が良くないとしても、せめて手際よくなるまで練習できると自分に思い込んでいる。即ち、自尊心を誰でも否めないほどまで徐々につけるということ。
その一方、なぜ彼がラブコメやテイラー・スイフトにすごく目がないのか決して理解できない。首を傾げて「魅力ってどこだったっけ?」と素直に聞くと「素敵なところはどこでもあるから、美術を見る目がなくてもったいない」と窘められてしまう。少なくとも「救い難いロマンチスト」と彼が自称することによりの自覚で少し許せる。
彼は若いときから自立しなければならなかったのが、自分だけではなく妹たちのお世話する責任も負うようにさせられ、自分のことを考える余裕がなかった。交際ではやっと気を許して自分らしくしてくるたびに、すぐにガラッと当時の恋人に振られたのは追い討ちをかけるじゃないか。 両方とも無条件に愛されたいという皮肉なんて。
背後から急にぎゅっとされたとき、私は肩越しに「ん?」と振り返った。 「今まで本当にありがとう」 「なぁに〜、その真剣な口調?」 「いつもお世話になりました」 「おお、丁寧語を使ってまでか」 「本気で言ってるよ!俺のために君がする些細なこと、俺が毛布を充分に持つかどうか見定めるために角からこっそりと覗いたり、外食に行くときに紹介してくれた食事がほとんど俺の口に合ったりするって、全部認めてるよ」 「友達だから当然でしょ」とにっこりと笑いかけた。 「それもあるけど、お前が特に優しくて俺にとって本当に大切なんだ」
彼に抱いてもらったままに「正直にいうと、ここ一年間半ぐらい私たちは少しずつ絶交してくる感じがするの。私をだしにしてお前はひっきりなしに容赦なく冗談を作って大笑いしてるから、まるで時間が経つにつれて私のことがどんどん嫌いになっていくのかように、本当に訪れてきてくれたくなかったではないかと勘ぐらずにはいられなかった」と私はおどおどと打ち明けた。 「俺はただ普通の友達に会うためにも、自分の心地良い家を出るわけではないよ、ましてや六時間運転することなんて。現在にお前と一緒にいるのは、心底から会いたかったんだ」 「と私に言い聞かせようとしてるけど、理解と納得できないのは私を酷く馬鹿にする所謂冗談を連発するところなの!」 「打ち解ければ打ち解けるほど本音を自由に引き出して冗談がますます激しくなってくるけど、俺が言ってた間抜けな事を、お前は真面目に受け取ると思わなかった」
というわけで、建前はほとんど無関心だと見做すほど内向的で冷静沈着だが、本音はふざけてばかりいるというのは、両方とも主観を露にしないじゃない。
「何回も同じいわゆる冗談を繰り返したら、本気で言ってると考えてくるのは不合理ではないの」 「じゃあ、これから君と話したら、そんな冗談はちょっとでも控えるように心がかけていけるけど、本当の自分はいつもふざけたりからかったりしがちだし、誰のためにも自分を変えないよ」 「では、心ゆくまでたっぷりとふざけることができないと、完膚なきまで自分らしく生きることもできないのは、厳密にいうと、お互いに相性が合わないじゃない」 「そうとも言えるけど…議論すると、相互理解まで徹底的に話し合ったら大丈夫なはずだと思うよ」
彼は正面切って認めないが、ごく稀に気が緩むと、心の裏を見透かせるようにその少ない規範に基づくことができる。真夜中に空気が澄んできたときに、カップが半分しか入ってなくなって、私たちを囲まった虚空を懺悔室にした。 「怖いよ、付き合う相手を選び間違うのって」 「… 誰かを愛したことあるの?」 「ある」と彼は頷いて「永遠に一緒に暮らすのを仮にも考えてきたほど恋してた」ともぽつんと呟いた。 「何が起こったの?」 「手遅れになるまで心を開かなくて話さなかったのはすごく後悔しているんだ」 …が、矛盾的には心を開くと、自分自身を完膚なきまで拒否される機会も与えるので、そもそも自分のことを表さない方がいい、と暗黙的にわかってきた。 「だから、今度こそ、疑問を微塵も抱きたくない」 「そんなに紛れもなく納得させるまでかなり時間かかりそうじゃない?」 「また間違えたくない、むしろ、また間違えるわけにはいかない」
なのに「ね、一緒に暮らしたら、ウサギを飼える?子供の頃から俺はずーっとウサギが欲しかったよ!」と彼は軽々に提案したときもあった。 「私はジャンガリアンハムスターが欲しいの」 「うわっ、それもなんて可愛い!」 「だろー!」 「じゃあ、二匹とも飼おう!」 「オッケ〜、猫も二匹しよう。一匹だけだったら寂しいから」 「まったく同感」 「じゃあ、アパートを借りたら部屋はいくつ?」 「1部屋でいいかな」 「ほほう、やんわりと断りたいと思います。お前は他の友達とビデオゲームをすると、夜遅いだけではなく、みんなめっちゃくちゃうるせぇ!私が大切な睡眠を妨げられるなんてまっぴらだよ」ときっぱりと拒否した。 「おおっ、確かに…ちなみに、お前の台所の現状はダメだよ」 「何だって!」 「鉄製フライパンはおろか果物ナイフ以外は持ってない!」 「三徳包丁を一本持ってるし、今までずっとなんとかできたし、それ以外には必要ではないという証明になるじゃないか。それより、逆にお前は超便利な泡立て器とかゴムベラも持ってるわけではないし」と私は生意気にあかんべをした。 「そう。だからお前は俺の厨房に入ったらまったく場違いな気がするけど、俺たちの別々の調理道具を一つの台所で組み合わせたら、徹底的に完璧な台所になるよ」 「もう高齢の夫婦のように間抜けなことについて口論してるなんて」と私はため息して首を左右に振りながら、彼は肩をすくめてニコニコした。
「で、私のこと本当にどう思ってるの?」私はひたすら問いかけてみたとき、彼の唇から流した答えを頑張って把握しようとしたのに、まるで私の体が透明なのかようにすんなりと通り抜け、何も聞き取れなくて済んだ。
. . .
二人とも未練がましいというのは間違いないんだが、相互的だというわけではないね。
0 notes
yuupsychedelic · 7 months
Text
小詩集『ELECTROCITY JAPAN 2046 -Prologue-』
Tumblr media
小詩集『ELECTROCITY JAPAN 2046 -Prologue-』
1.「3Love」 2.「Monster/A」 3.「We Are The Night Generation 2017/2023」
1.「3Love」
君だけを好きになり このまま愛して 大人になれたらと あの頃は想ってた
だけど現実は 遠距離恋愛で すべてに疲れ果て あいつに手を出した
ネット通販で見つけた 仮想彼女にときめいた 当時の僕は周りが なんにも見えていなかった
ある日家に帰ると 君が立ち尽くしていた その視線の先には 隠せてたはずの虚飾
色のない都市(まち)で ひとり暮らしてきた 君と出逢って変われたはずと 信じていたのに
君だけを好きになり このまま愛して 大人になれたらと あの頃は想ってた
すべてが壊れた今 何も反論できない 微笑む君は壊れたままの 関係を示すよう
Broken Love…… 僕のせいで 平穏は崩れた
荷物のすべてを運び出し 仮想彼女も棄てられた カメラロールが語るのは 投げ棄てた未来図
ある日家に帰ると 君が立ち尽くしていた その光景が今も 脳裏にこびりついたまま
光のある都市(まち)で ふたり暮らせたはず 君と出逢って色づいた日々 再び影になる
君だけを好きになり このまま愛して 大人になれたらと あの頃は想ってた
ずっと続くはずの倖せ 僕が壊してしまった 微笑む君は壊れたままの 心情(こころ)を示すよう
Broken Life…… 僕のせいで 未来が壊れた
ある日街で君を見つけた 隣には親友が手を繋いでいる ふと僕は気づいてしまったのさ まるでパズルのような恋愛 巻き込まれ���いたんだと
君だけを好きになり このまま愛して 大人になれたらと あの頃は信じてた
時が流れた今なら 僕でもわかるよ 君は別れたい理由を ずっと探していただけ
すべてが終わった今 ようやく歩き出せる ふたりの裏切りの果てに 未だ癒えぬ傷痕
Broken Heart…… 君と僕の 恋愛が終わった
Broken Love…… 見つめる度 すべてを思い出す
2.「Monster/A」
TOKYO MACHI ARAWARETA MONSTER TOKYO MACHI KOWASHITEKU MONSTER
DAREKA NO SAKEBI GA KIMI WO KAETE IKU NAMIDA GA KAETE IKU SEKAI WO KAETE IKU
海も空も大地も 君があなたが私が 変えていく
地球に生まれた たったひとりの私が 変えていく
TOKYO MACHI ARAWARETA MONSTER TOKYO MACHI KAZE NO FUKUMAMA NI
DAREKA NO SAKEBI GA KIMI WO KAETE IKU NAMIDA GA KAETE IKU SEKAI WO KAETE IKU
山も川も街も 君があなたが私が 変えていく
宇宙に生まれた たったひとつの命が 変えていく
TOKYO MACHI ARAWARETA MONSTER SUBETE WO KAETE IKU WATASHI WA KAWATTEKU
君があなたが私が 街が社会が地球が 変わっていく
3.「We Are The Night Generation 2017/2023」
We‘re The Night Generation…… We’re The Night Generation……
あれから何年時が流れても 私はこのクラブで踊る 朝から晩まで時を忘れて 現実すらも消し去っていく
私たちは夜の世代に 生まれ死んでいく 憂鬱の中に生まれ 衰退の中で死んでいく
We‘re The Night Generation…… We’re The Night Generation……
都会の片隅に佇むふたり きっと高校生だろう 誰も声すらかけることなく 明日なき迎えを待つ
私たちは夜の時代に 憧れ溶けていく 光の中に生まれ 影の中で死んでいく
We‘re The Night Generation…… We’re The Night Generation……
政治家たちは理想を語るけど 若者もそんなにウブじゃない 萎んでいくばかりの社会の中じゃ 踊り明かすことしかできない
私たちは夜の季節に 花束を持って生まれてきた そして真夜中になる頃に 子孫に見捨てられるんだろう
We‘re The Night Generation…… We’re The Night Generation…… We‘re The Night Generation…… We’re The Night Generation……
未来なき世代 夜の世代 私たちの世代
私たち いくつになっても 20世紀生まれ 若者たちの憎しみを背負い 生きなきゃいけない そんな宿命捨ててしまえるなら 少しは楽なのに
We‘re The Night Generation…… We’re The Night Generation……
【Bonus】「夜の世代 Featuring lilil」(2017)
人が集まる場所 それが「都」 夢が集まる場所 それは「都」
誰もが背伸びして 身の丈の自分を忘れて 無謀なことばかり 呆れちゃうよね 人のエゴと 君の欲望が まるでナイフのように鋭くて
十代が終わるからって この街に来たけど カッコつけてばかりで 心は不幸になっていく 正解は街じゅうに転がっているのに 気付かせてくれないのは この街に住むアクマ
ただ 誰かのせいにするだけで 変化を拒んでるのはわたしでした ただ 自分の責任を押し付けるだけで 変わろうとすらしないのはわたしでした
見上げてもビルばかり 月なんて何処にもない 通りかかった人々は誰も気付かない 今 この瞬間も街は変わっていること
すべての要素は繋がっているんだって 気付いているのは たぶん あの月だけです すべての出逢いは必然だって 気付けているのは たぶん あの月だけです
もうすぐ 十代が終わろうとしてる ベリーショートの��髪が 風に揺れている 変わるために この街へ来たはずなのに 誰かの作り笑いにウンザリしてるだけ…「想定外」
どんな美しさも 汚さが消してしまうよ 当たり前の日常が 証明してる いつか わたしもあの月のように気付けるのかな? この街で生きることの「美しさ」に
眠らない都は 答えを知ってる だから わたしは この街に染まっていく
小詩集『ELECTROCITY JAPAN 2046 -Prologue-』Credits
Produced by 坂岡 優 Co-Produced by Koharu Takamoto
All the words were written by 坂岡 優 Drafted by Sakura Ogawa & Rin Seiun(No.2)/ Yuu Sakaoka with lilil「夜の世代」(No.3) Written at Yuu Sakaoka Studio
Demo Track Music by 坂岡 優 Rhythm & Basic Programming by 坂岡 優 Arranged / Programming by Koharu Takamoto Recorded at Yuu Sakaoka Studio & Studio P.K.T
Dedicated to Godzilla -1.0(No.2)
Special Thanks to TORIMOMO, Yurine and my best friends!!
Very very very thanks to my friend, my family, and all my fan!!
2023.11.8 坂岡 優
0 notes
shukiiflog · 7 months
Text
ある画家の手記if.125  告白
夏場だからそんなにいくつも着込めなくて、悩んだ末に結局昨日と変わり映えしないシャツ姿になった。
まことくんを送ってから家に帰って、一人じゃ何しても味気なかったからクッキーを焼いた。かいじゅうくんとノエルと絢ちゃんとかすみ、それから香澄と絢と光くんと雪村さんも。全員造形だけなら把握してるからクッキーに似合うようにデフォルメした。少し凝ってたらひとつずつがクッキーにしてはちょっと厚くて大きめになった。
焼きあがったクッキーを包んで車に乗せて、香澄の部屋からノエルを連れてきて助手席に乗せてシートベルトをつけさせて、ノエルと二人で出発する。 香澄から迎えの連絡がきたから、雪村さんの家まで。僕は行くのは初めてだ。 香澄が自慢できるようなかっこいい格好していきたかったけど、ちょっと迎えに行くだけなのにキメすぎてても変だから、かわりにノエルにタキシードを着てもらった。 運転してて昨日の通話を思い出してちょっと顔が熱くなる。そういうこと今考えてたら運転ミスしそうだからよそう…。
香澄から聞いた住所はうちからそんなに遠くなかった。電車で何駅かってくらいで、行きがけには僕がずっと前にいた療養施設の近くの道も通った。 着いたらパーキングエリアに車を停めてノエルとクッキーと一緒に車を降りる。 荷物がたくさんあるみたいだったから僕も荷物持ちに部屋まで行く。その僕がノエル抱えてるのってちょっと変かな。 誰かの家に自分から訪ねていくことがなかなかなくて少し緊張してるかもしれない。 部屋の前まで通されて、玄関のドアを開けてくれたのが香澄だったから、笑顔で持ってたノエルの両手を広げて香澄の頭を正面からノエルでもふっと包みこむ。 「ノエルだ!」 「一日ぶり、香澄。楽しく過ごせたかな。体調崩したりはしなかった?」 「うん、げんき。楽しかった」 「……」 ノエルの手を動かして香澄の髪の毛をぽふぽふ撫でる。そのままノエルの手と一緒に腕をまわして抱き締めてにっこり笑ったらノエルに埋もれた香澄も眉を下げてほわほわ笑った。 「ひとんちの玄関先でイチャつくのやめてくんない?」 部屋の奥から絢が出てきて横の壁にもたれながらちょっと皮肉げに半目で笑ってつっこんでくる。 その後ろに隠れるようにしてぴょこっと顔だけのぞかせた光くんが三つ編みを重力に従って傾けた頭から垂らしながら僕に言う。 「ラプンツェルヘアーだよ」 「ラプンツェル…グリム童話の?」 「うーん、ちょっとちがうけどそう。わたしが編んだの」 香澄の髪の毛はたしかにかわいく編み込まれててところどころに小さな花が挿してある。似合っててかわいいな。 「なおとくんもお茶する? コーヒーいれたとこだよ。オーストラリアの豆の。」 僕が少し迷ってたら絢と光くんに強引に腕ひっぱられて部屋の中にあがらさせられた。後ろからノエルを抱いた香澄もついてくる。 この家の絢と光くんがいいって言ってるんなら僕も上がっていいのかな…
雪村さんの座ってたソファに全員座って、絢と光くんがみんなのぶんのコーヒーを運んできてくれた。 コーヒーの入ったマグカップを見る。質素でシンプルなものが多いけど雪村さんのだけシャチのマグカップだ。絢のプレゼントかな? 今日はクッキーだけど今度はマグカップを作ろうかな。既製品の中から自分のイメージにぴったりのものを探すよりずっと早いし。 片手に下げてきた袋からクッキーの包みを取りだしてテーブルの絢の前に置く。 「おみやげ。昨日焼いたんだけど一個ずつが大きいぶん数が少なくなっちゃったから、譲りあって食べてね」 ちょうどコーヒーに合いそうなものでよかった、って笑ったら、絢がさっそく開けて秒速で持ち去ってレンジであっためてまた持ってきた。ひとつずつを改めて見てる。 「モチーフ俺らじゃん、直にぃこういうの凝るよね〜食べたらなんも残んないのに」 ひとつずつ絢が取りだして香澄が受けとってテーブルのお皿の上にクッキーを並べていく。 どれが誰かはだいたいみんな一発でわかったみたいだった。 香澄のぴょこっと跳ねた髪の毛と光くんの三つ編み、細いこの二つを割れないように焼きたくてぜんぶ揃えてたら厚くて大きめのクッキーになった。一種類につき一個。 かすみのクッキーに絢が「これが通話で言ってた金魚?」って香澄に訊いたりしてる。 サイズ感からか香澄が僕の横で「おせんべい?」って言う。光くんが「クッキーだよ~」って笑ってる。 「直人のはないの…」 香澄にちょっとしょんぼりした顔で言われてようやく気づく。そういえば自分のは作らなかったな…。 「俺香澄のやつ欲しい」 真っ先に絢が手を伸ばして香澄クッキーをとっていった。…僕も香澄のがほしかったな。 「俺は絢のにしよー」ってご機嫌で絢クッキーに手を伸ばした香澄がなぜか雪村さんからテーブルの下で足を蹴られた。 蹴…? と思ってたら香澄が負けじと蹴り返した。…僕が香澄を庇わなくていいようなこと…か…な? これは香澄が攻撃されてるというよりは… 「…香澄、喧嘩しないの。帰ったら香澄用に絢クッキー作ってあげるから」 横から香澄の頭を撫でながら言ったら、香澄はテーブルの下の攻防をやめてちょっとむす��と唇引きむすんで、絢クッキーを雪村さんにゆずった。撫でるごとに逆立ってる毛がおさまっていく猫みたい。かわいい。不服そうにして膝の上に抱いてるノエルの頭の上に顎を乗っけてる。 「いいこ」コーヒーをいただきながら香澄の頭を撫でてたら正面から乾いた派手な破砕音が響いた。 コーヒーから視線を上げたら光くんが絢クッキーを真っ二つにした音だった。 「絢クッキーかくほ!真澄はんぶんこね」 「うん」 真っ二つになった絢クッキーと僕を交互に見ながら香澄がまんまるにした目で僕に何か訴えてる…  困惑…?悲しい…?わからなかったけど深刻じゃなさそうだったし、かわいいからよしよししておいた。 「豪快だね光くん」 初対面のときから小さな体のわりにやることが思い切ってたね。小さいから動きのほうが大きく派手になるってことかな。 「まあ食えばカタチはなくなるからね」 他のノエルやかすみのクッキーも絢が次々平らげていく。絢のほっぺたがリスの頬袋みたいに膨らんでる。 「かたちには模した原型のたましいがやどったりするね」 光くんがしれっと言った。…。絢クッキー真っ二つになったけど大丈夫? 「そらやるよ」 雪村さんから香澄に真澄クッキーが皿ごとぞんざいに渡される。香澄がクッキーを遠慮なく両手で掴んで、なんなら膝も使いそうな勢いで真っ二つに折った。 …何かその香澄の行動の潔さと躊躇いのなさに私怨みたいなものすら感じる気がするんだけど…雪村さんと香澄はお互いに大事な存在なんじゃ…? 喧嘩するほど仲がいいとか…? 「絢あーん」香澄が絢の口に向ける。「あー」絢もくるみ割り人形みたいにぱかーって口開けてる。 「絢これも〜」香澄が光クッキーも続けて絢の口に入れてる。 どんどん食べ物がもらえる絢は機嫌よさそうにしてた。 クッキーがきれいに食べ尽くされて、作った僕はなんとなく満足。絢がいるから何持ってってもこうなる気もしてたけど。 のんびりコーヒーの残りを飲みながら雑談する。 絢はもう通話で香澄と話したかもしれないけど、絢がいない間に僕らは夏祭りに行ったり、香澄はイキヤと仲良くなったりしたこと。 「空港でまことくんと二人になったから一緒にご飯を食べて帰ったよ」 そう言ったら絢は目を丸くしてた。 「…直にぃとまこ… 磁場が狂いそうな組み合わせ」 あはは、実際そうだったのかもしれないなぁ。 それと気になってたことをとなりの香澄に、少し声色を変えてしっかりした声で訊いてみる。 「香澄。目がちょっと充血してるね。薄いけど少し隈もできてる。うまく寝付けなかったか、なにかあったかな?」 場が深刻な雰囲気にならないように穏やかに笑って訊く。 肌も少し荒れてるし髪の艶も少し落ちた。髪はここのシャンプーが合わなかったのかもしれないけど、目の充血は、泣いたんじゃないかな。目にゴミが入ったとか、嬉し泣き…とかだといいんだけど。 訊いたら香澄はノエルから顔を上げてぱっと笑った。 「なにもないよ、大丈夫、目は今朝こすってて赤くなったのかも」 この場では正直に話すってわけにもいかなかったかな…と思って少し反省する。 自分の中に溜めていっていずれ非常事態を招くようなストレスは、香澄はもう放置しないでくれると思うし、話し相手もたくさんいる。今ここで追及することじゃないか。 香澄の顔にかかった前髪を輪郭に沿ってきれいに避けながら優しく微笑みかける。 「そう? なら良かった」 そう言っても香澄が少しだけしゅんとしたから、紙袋に潜ませてた鍋つかみかいじゅうくんを手にはめて香澄の鼻をはむはむさせる。香澄がくすぐったそうにして笑顔が戻った。 いつのまに香澄から取り上げてたのか、絢が唐突にノエルを僕の顔面にボスッと投げつけてきた。
「それじゃあ今日はこのあたりで失礼します。これから香澄と約束がありますので」 お互いにひとしきり話し終えたあたりで、長居せずに席を立つ。 僕のとなりでノエルの頭に口元埋めてきょとんとした目をしてる香澄に、玄関先にあった荷物を指さして「荷物はこれで全部?」って確認する。香澄はこくこく頷いた。 僕が持ってきたノエルは香澄が抱いて、香澄の荷物は僕が持って、雪村さんの部屋を後にする。 外の道まで送ってくれた絢に「いつでも遊びにおいで」って言ったら、「直にぃの留守中とかね」って返された。 パーキングエリアに停めた車の後部座席に荷物を乗せて、ノエルも帰りは後部座席。香澄と二人で車に乗り込む。 助手席に座った香澄が僕のほうを見て無邪気ににこにこしながら訊いてくる。 「今日これからどっかいくの?」 なんにも答えずに運転席から体を伸ばして香澄の顔の横に腕をついて唇を奪った。顔を傾けて舌で歯を舐めて、その隙に薄く開いた唇の隙間から舌を入れて貪る。 まだ外は暗くもないし人が通れば見られておかしくないからか香澄の反応は控えめで、何度か息継ぎしてもお互いに息が上がりだした頃に僕から唇を離した。 繋がって垂れ落ちそうな唾液を舐めとって、至近距離で眉を下げてちょっとだけ笑って訊く。 「…約束、思い出した?」 香澄はぐ、と堪えるみたいに口元に力を入れて、膝にきちんと両手をまっすぐに乗せて、真剣な顔で何度もかくかく頷きながら「うん」て小さな声で返事した。ちょっと照れてる?かわいい。
帰り着いてから荷物は香澄の部屋に置いて、リビングのソファに座った香澄の体を押し倒すようにして覆いかぶさる。 香澄の頭の横に両手をついて顔や髪に雨みたいにたくさんキスしてたら香澄に頭を撫でられた。 「犬みたいでかわいい」 キスにちょっとくすぐったそうに照れながら僕の頭をよしよし撫でてくれる。 犬みたい…か 舌で香澄の頬を顎から目元まで舐め上げてみる。こめかみあたりの髪の毛を鼻先でかき分けていくみたいにして香澄の頭に顔を突っ込んで額を擦り付ける。 香澄が僕の髪の毛をほどいてわしわし乱すみたいに撫でてくる。僕の髪はもうすぐ腰に届きそうなくらいの長さだから上に乗ってると背中から溢れて香澄の体にもかかる。 犬の真似してじゃれてたら体が熱くなってきた。 唇を合わせて何度も繰り返しキスしてるうちに表情が蕩けて目が潤んでくる。 股がられた香澄が片脚を曲げて刺激してきた。思わず声が漏れてまっすぐついてた腕ががくっと崩れる。 倒れかけた姿勢を香澄が抱きとめてソファから二人で起き上がった。 「ソファ汚すからここはだめ」って言われて、お風呂に行く香澄の背中から両腕をまわして僕もひっついて一緒に歩く。 肩に額を擦りつけて甘える。童話のお姫様みたいにかわいく結われた髪の毛にはむはむ噛みついて飾りつけられた生花を一本ずつ口にくわえて髪からはずしてお風呂場までの床に口から落としていく。 「散らかさないの」って言ってくる香澄の口調はなんとなくちょっと楽しそう。本気で怒ってるというより犬に叱ってるみたいな。 僕の頬を撫でてくる白い手にパクッと食いついて甘噛みする。 脱衣所で服を脱ぎながらも香澄の服の裾を口でくわえてひっぱったりして「服が伸びる」って香澄に怒られながら二人でじゃれる。 この家のお風呂も前のマンションと同じで全体的に広め。旅館に行ったときの檜風呂みたいにしたいって希望を出したんだけど、素人には木造のお風呂は維持管理が難しいからって建築士に却下された。それで仕方なく普通のバスルームになった。 簡単に体にお湯をかけてから香澄と小さな椅子に向かいあって座ってお互いの体を洗う。 僕はもこもこたくさん泡を作って香澄の体に乗せていく。香澄はボディソープをそのまま僕の体にかけて体を摩って泡立たせる。 香澄の洗い方が僕は好き。全身くまなく触ってくれるし気持ちいいから。 香澄の手のひらが僕の体をこすってお湯で泡を洗い落としながら撫でていく。このタイミングじゃどうしても触られたら体が反応する。 隠しようもなくて、横のバスタブの縁を掴んで支えにして体を伸ばして香澄の口に食いついた。 深くしないでわざと唇の上から戯れに軽く食むみたいなことしてたら香澄にシャワーで体を流されながら「もうちょっとで泡落ちるから」って言われて「待て。」って鼻先を指でおさえられた。 やだ。って言葉では口に出さないで香澄の腕を引き寄せる、椅子から下の柔らかいマットの上に座って香澄の体を抱き寄せてちょうど口元にきた首筋に吸いつく。 「…っ」香澄が小さな声をあげた。僕の体にはまだ痕があるけど、香澄の体にはつけてなくて寂しかったから、見えやすい位置につける。 お互いの体が近くて固くなった僕のが香澄のお腹のあたりに触れる。 首筋に痕がしっかり残ってもまだ食いついたまま、赤くなった痕を労るみたいにペロペロ舌で舐めながら口を離さないでいたら香澄に少し体をおされて、後ろの壁に背中がついた。 僕の口が離れた隙に香澄が壁に両腕をついて、僕の頭を壁で挟んで囲いこむようにしてキスしてきた。両脚の膝裏に香澄の膝があたって 脚の間から体が割り込んでくる 「……、壁痛くない?」 唇が触れてる距離でキスだけやめて香澄が訊いてきた。大丈夫。っていう代わりに香澄の唇を追って啄む。 頭を傾けて舌を絡ませてキス���深くして 香澄の体の表面にあたってるだけで体勢を少し変えるたびに擦れて出そう 僕のが香澄の体に触れてる… 手を伸ばして香澄のを軽く扱いたらしっかり固くなった 数え切れないくらい何度も見てるのにもろに目に映るといつも顔が熱くなる はやく挿れてほしくて泣きそうになる 腕を香澄の背中に回したら香澄が僕の片脚を持ちあげてそっと後ろに触れてきた 指先で入口をくすぐられて、緩んだそこにすぐ指が増やされる 浅く指が入って 僕の好きなところを弄られる …あ  「ーーあ、ぁ…っ」 これだけの刺激で思わずイって出した体液が香澄の下腹と膝の上あたりにかかって流れ落ちる いつもよりあまりに早かったからか香澄が指を抜いて少しびっくりしたような目をした 「直人…「やめないで」 僕がイったからここでやめようって言われそうで先に言う 離れていかないように両脚を香澄の背中で絡める 「…香澄に、僕の中でイってほしい ちゃんと繋がりたい …して」 香澄がいなくて寂しかった って、いっぱい涙が溜まった目で香澄に言ったらキスと一緒にぎゅって抱きしめられた。僕も抱きしめ返す。 入口にそっとあてられた感触がして、抱きついたまま香澄の肩口に顔をすり寄せてねだる。少しずつ挿れられて埋め込まれていくのが僕の心も体も溢れるくらい満たしてくれる ほとんど絶え間なく喘ぎながら反った体を後ろの壁につけて身悶える 体が痺れて くらくらする…目の焦点が合わなくてぼんやりしてたら、ふいに少し遠い場所で焦点があった バスルームの僕の向かいの壁に、鏡 が ちょうど香澄の背と 香澄にされてる僕が正面から映り込んで 合っちゃった焦点が角度によって僕らの接合部まで詳細に見せる 同時に香澄がゆっくり体を揺さぶり始めて どうしようもなく口から嬌声が漏れる、香澄の体に縋りついてなんとか正気を保ちながらこれ以上ないほど情けない顔した自分と目が合う 香澄に言ったら場所変えてくれるかも でも知られたくない 恥ずかしい … どうにもならない状況になぜか僕の体は反応して、香澄に揺さぶられながら前からもう一度だらだら吐き出す 僕は 香澄と お互いに同時に繋がりたい 背中に縋ってた手を片方ずらして動いてる香澄の後ろを探った なかを弄って香澄の好きなところをくすぐったら香澄がビクッと体を痙攣させて少し顔を顰めた 気持ちいいと香澄は体が強張ったり眉根を寄せたりするよね 鏡に僕が香澄の後ろを弄ってるところもしっかり映って 恥ずかしさでどうかなりそうだけど、香澄の体は見てたい気もして でもこんなのは盗み見してるような気もする 香澄は写ってるのをきっと知らない 背反する気持ちに鏡から視線をそらして香澄の瞳を見つめた 鏡に写ったのは香澄の後ろ姿で そこには大きな刺青がある …僕の知らない誰かの痕跡
お風呂から上がる前に二人とももう一度体を流して綺麗にした。 香澄の体をバスタオルで包んで拭きながら細い鼻筋にパクッと噛みつく。 「直人 犬になっちゃったの?」 僕が拭いてるバスタオルで顔まわりもこもこさせた香澄が言う。 「香澄はいつからお姫さまになったの」 香澄の濡れた髪を丁寧にバスタオルで握って水気を落としていきながら言ったら、香澄が「おひめさま。」て何のことか分からないみたいに目を丸くして復唱した。 「髪の毛。もう解いちゃったけど、光くんが編んでくれてたのかわいかったね。よく似合ってた」 髪型いじらなくても香澄はお姫さまみたいに綺麗だけどね。って言って柔らかく微笑んで額にキスしたら香澄が照れたみたいにちょっと頬を染めて俯いた。 その拍子に二人同時に床に落ちた花を見つけた。僕がくわえて落としていったやつ。 廊下に点々と続く小さな花を二人で拾い集めていって、最後の一本をリビングで拾った。 まだどれも綺麗だったから、花たちは小さなグラスに水を注いで生けておいた。
.
0 notes
myeverythinglyric · 8 months
Text
念の為の折り畳み傘、変えられなかった一部の雨予報にそわそわしつつ迎えた今日の約3ヶ月ぶりの逢瀬。直前の日までピリつく瞬間もあれど5分足らずで解決してきた、1年と約2ヶ月の期間の賜物。流石に2度目の待ち合わせ場所となるとどこから現れるかも分かってきて探す間もなく見つけられた。久しぶりの北斗に電車を待ちながらちょっかいをかけつつ、顔を見て話せる幸せをじわじわと感じていた。
一日目の午後、ホテルに荷物を置いて早速集合場所へ向かう。初めて逢うメンツばかり、俺の知り合いばかりで申し訳なさも感じつつそれでも付き合ってくれる北斗と恋人を受け入れてくれるダチに感謝しつつ。微笑ましく見守られながら会話に花を咲かせてたね。
2人きりになって歩けば道に迷い、予定通りに物事を進められずとも北斗は不機嫌になることもなくただただ見つからない予約車に焦って泣きそうになっているところを見て少し笑えたことは内緒、には出来てないな。困ってるところもちょっと可愛いけど可哀想だからすぐ助けてあげようね、俺。ずっと行きたかった好みのカフェ、全力で席を予約してくれた分全力でその雰囲気を楽しんだ。2人でオシャレなドリンクと食事に感動しながら、店内の作品を高いねなんて笑いあって筆談でも遊んだね。何でも楽しみに変わる、俺たちの得意技。夜遅くまで会話も盛り上がって、駅前でみんなで笑いあって、ピースで星作って写真撮るとか学生以来だなって懐かしみつつも青春の続きみたいなその瞬間が最高に楽しかった。大人になってもそういうくだらない話とか好きなことの話を永遠と語る時間は大事だなってしみじみ感じてたよね。
軽食続きで小腹を満たすために買ったコンビニ飯にヤキモチを妬くその膨れた顔も、先にキスしてにっこり笑ってご機嫌そうに風呂に行く顔も愛らしくて、愛おしくて。久しぶりの体温と柔らかさに少し触れただけで、気付けば夜も耽ってた。
予定よりも早く起きる癖、早く起きて御前との時間を少しでも多く過ごしたくてまだ眠たそうな北斗の頬をつついて起こす。寝起きでもほわほわ笑っておはようと返す瞬間も、何もかも自分のものなんだと優越感に浸る朝。早起きするほどのんびり準備するところも俺ららしくて、滑り込みで朝マックするところも俺ららしい。
北斗が通るところから雲が避けて晴れてゆく、曇り空のお台場も2時間も経てば快晴だった。今回もまったく出番のなかった折り畳み傘、本当に流石だな。
初めてのジョイポリス、そもそもどんなとこだろうと思いつつ入場して1時間後には楽しくてはしゃいでた。かっこつけたがりの俺が北斗の前でだけは羽目を外してきゃっきゃと騒げる、それを微笑ましく許してくれる北斗にだから出来ること。1位をとって喜んだり絶叫して楽しんだり、晴れた景色を見てランチをしてまったり過ごしたり。若い頃の穴を埋めるようにプリクラを撮っていくつだよなんて笑いあって、俺の好きなアイスを食べてすっかり夕暮れのお台場を歩いた。
久しぶりに逢えるねと2人でわくわくしながらダチとの合流を待ち望み、さっと買ったスタバを片手に2人でふざけながら夜の秋風を浴びてた。3人でゆっくり話す時間は初めてで、今度は遊びに行きたいねなんて話しながら酒とパスタと会話で腹を満たした。2軒目に迷った挙げ句に帰る選択をした俺らは眠気と闘いながらもホテルに帰った、配信をした記憶すらも曖昧で気付けば2人とも沈むように眠ってたね。
再び早めの起床、今日は渋谷に行くと張り切りながら支度をして連日小麦のものばかり食ってた俺らは米系の朝ご飯を確保しに行った。方向音痴を極めた2人、待ち合わせ場所に辿り着けずダチに迷惑をかける始末。洒落たカフェで甘いケーキを食って、何を買うわけでもなく渋谷と原宿を練り歩いたね。
2人になって向かったのはずっと狙ってた隣町の不純喫茶。レトロな雰囲気を味わいたくて乾いた喉を潤しながら、他愛ない話を2人で交わして時間を過ごした。この後に予約しているディナーは内緒にして、アメ横をくぐりながら今度はここにも行こうかなんていつかの話をした。次にお揃いにしたいものの話でも盛り上がって、どんなデザインのものを買おうか考えるのも楽しいね。お揃いの思い出、お揃いのアクセ、お揃いの服。たくさん2人で共有して何気ない日常でも御前の存在を感じられるように。
目を閉じさせ、案内したレストランはアクアリウムを用いた幻想的な空間。丸い目を何度もくりくりさせて大興奮で写真を撮ってる姿を見て俺まで嬉しくなったんだ、こんなにもリアクションをしてくれるから、色んなことをしてあげたくなる。して良かったと思える。上品な料理に舌鼓を打ち、辛さのあるスパークリングワインに身を震わせて笑いながら食事を終える。運ばれた最後のデザートに描かれたラテアートに感動して、1年記念のケーキを添えられた際に北斗は初めてこのディナーの意味を知る。
何度もありがとうと言葉にするその心が綺麗過ぎて、1年と2ヶ月も隣に居るのが北斗で良かったと改めて感じさせられた一日。そんな日の締めにやってきたのは映画館だった。眠い目を擦りながらレイトショーを観て、いそいそと終電に乗って帰ったね。北斗と居たらレストランでも映画館でもデパートでもコンビニでも、どこでも楽しい話ばかりで笑いあえる。時間はあっという間で、明日のことを考えないようにとばかりに2人で身を寄せあって夜を過ごした。
最後の朝、寝起きで目が合うと御前は無言で抱き着いてまるで磁石かのようにぎゅうっとくっついていた。静かに北斗の目から滲む涙が俺の顔にじわりと濡らしても、何も言わずに微笑みあって少しだけ無言でお互い支度を始めた。
初めて逢う北斗のダチ、長年の付き合いとは知らされていた存在に逢うのは少しドキドキはしたけど友達として恋人として、北斗と関わっている以上は価値観が合わないことなんて無いだろうと確信していたのもあり100%のコミュ力を発揮して挨拶を交わした。そんな緊張も要らないほどに北斗のダチは面白くて、濃厚な1時間半を過ごしたと思う。8割は俺の話ばかりだよと何となく分かっていたけど8割って相当だなと思いつつ、北斗がどれだけ俺に夢中なのかを人を通して実感した瞬間だった。大切なダチの前での北斗は2人きりの時と変わらないくらいリラックスしていて、こういう一面もあるんだなと安心したくらい。素敵なダチがいて良かったね。いつも幸せそうに笑ってくれる北斗は、優しい人たちが見守っていてくれたからこそ居るんだろうなと再確認出来た。
電車の中までは今回はまだ平気そうだったのに、空港に着くとやっぱり御前は無言になって、静かにカフェのドリンクを飲んでいたね。やっぱり泣いちゃう北斗が愛おしくて、茶化すように笑ったら困ったように笑い返す。今はまだ寂しい時間もあるけれど、いつかはまた明日も逢えるからねって笑顔で見送ってくれる日が来ることを目指してる。いつか来る、いや、絶対来るって信じてる。
違う土地で、違う部屋で、違うベッドで寝る夜。眠る間際まで北斗は今回の旅行でも楽しませてくれてありがとうとお礼を語る、たくさんありがとうの言える優しい人。嬉しいと素直に喜べる、寂しいと涙して惜しめる、純粋な人。次の旅行の前は喧嘩しないようにしようねと約束をして、笑い合う。
1年前の秋頃は初めて逢って、少しぎこちない距離感で歩いたり部屋で過ごしたりしていたけど今じゃすっかりホテルでは過ごしたいように過ごして、じゃれ合うようになったね。どんな樹でも良いといつでも何度でも伝えてくれるその広い心と大きな愛情にすっかり甘えてる俺がいる。いつも俺を許してくれてありがとう、どんな俺でも受け入れてくれてありがとう。そんな漠然とした感謝が旅行を重ねる度に大きくなってゆく。少しずつ環境が変わっていったとしても、変わらぬ気持ちでまた逢瀬を繰り返していけたら良いなと思う。
2年目も3年目も、俺らなら余裕で迎えられる。互いが隣に居ることは当然になったとしても同じ気持ちでいられる事は当然ではない、それを忘れずにこれからも過ごしていたい。好みも価値観も育った環境も住んでる場所も全然違うけど、違うところを認めて受け入れようと出来る俺らなら大丈夫だよね。
改めて、1年も一緒に居てくれてありがとう。
そしてこれからも末永くよろしく、北斗。
Tumblr media
0 notes
satoshiimamura · 10 months
Text
普遍性なき真実
龍と誠葉の契
4月馬鹿企画テーマ「立場逆転」
Tumblr media
「ひとつ願いが叶うのなら」
僧侶姿の彼はハボダの眼前に近づき、にこやかに問いかける
「貴殿が求めるそれは、例え魔法使いだとしても強欲が過ぎる願いではござらんか?」
人懐こい笑みで、それでいてハボダが立つのもやっとな殺意を振り撒く僧が、人間ではなく龍であるのは自明の理であった
(一)
 発端は、前線に近い集落まるごとが消え失せた報告が人龍連合に届けられたところからだった。確かに集落があった場所に、何の痕跡もなく全てが消え失せているとなれば、例え誠葉を用いたとしても異常である。
 そして、なぜだかトラブル収束名人として名高い(不本意)ハボダが、その調査員として派遣されたのだ。何だって自分が、とハボダは文句を言おうとした。が、しばらく1人行動だから静かだぞ、と上の人間が爆発音を背後に告げたら、もう頷くしかなかった。先日、胃薬を受け取りに行って、あまりの顔色の悪さに睡眠薬を盛られた彼に必要なのは、静寂と平穏だったのだ。
 そんな経緯で集落跡地にやってきたハボダを出迎えたのは、1人の僧侶であった。彼は人懐こい笑みで、ここに尋ね人がいたのだと説明する。こんな前線で、と怪訝な顔をしたハボダだったが、僧侶の手に握られていたのは、誰かの遺品であった。
「弔いを頼まれましたので」
 僧侶の言葉に嘘は無いようだった。
「拙僧、名を玲瓏と申します。天の星を知るために、旅をしている僧侶です。貴殿は、その身なりからして遠い西の方と見えますが」
「西方の民を知っているのか」
「以前に彼の地へ近づいたことが。とは言え、乾期であったため商人に止められました。せめて雨季に向かうべきだと」
「賢明な助言だ」
 西方の乾燥地帯を嫌というほど知っているハボダは、確かにこの僧侶が故郷間際まで来ていたのだと信じた。
「玲瓏殿、確かに俺は西方出身だ。名をハボダと言うのだが、今は人龍連合の一員として晦冥とも名乗っている。どちらでも好きなように呼んでくれ」
 この地域ではあまり馴染みのない握手をハボダが求めれば、すんなりと玲瓏はそれに対応する。
「では、ハボダ殿とお呼びしましょう」
 それで互いに挨拶は終わった。
(二)
「しかし、人龍連合のハボダ殿がここにいるということは、何かしら龍がこに集落を消したということでしょうか」
 玲瓏からの問いかけ。ハボダはその問いにわからないと言って、首を横に振る。
「その調査員として俺が派遣されたのだ。……例え龍がその力を振るったとしても、こうも跡を消していくのは珍しい。そもそも、前線に近いとは言えここを襲う理由がわからない」
「ここは戦線においての物資補給所、ではなかったと?」
「ああ」
 そこでハボダは玲瓏に、この集落が実は舞を奉納するための舞台があり、その舞台を維持する人々しか住んでいなかったのだと説明した。
「このような戦禍の最中、それでも舞を途絶えさせないと抗っていたのですか」
「それなりに名のある神事でもあったからな。宣言前は、祭りの日は人だらけだった」
 舞い散る春の花、霞のように桃色が視界を覆い、風の姿を写しとる。その中心で一糸乱れぬ舞を踊る女人たちの姿は、荘厳の一言で表せられないものであった。
 ハボダはかつて見た一幕を思い出し、その記憶の一片たりとも重ならない光景に、悲しみ覚えた。一体、この場で何が起きたのだろうか。
「ふむ、なるほど……ハボダ殿。その調査、拙僧も手伝わせていただけませんか?」
 玲瓏の提案に、ハボダはタダビトを巻き込むわけにはいかないと断ろうとした。が、続く彼の言葉に躊躇いが生まれる。
「この遺品は羽衣です。きっと舞に奉仕する女人の物だったのでしょう」
 彼は、と玲瓏が一区切りつける
「最後まで、この衣を手放しませんでした。そして、この地にて供養を頼むとも言われました。拙僧は、何もないこの地を見て困り果てておりましたが、これも何かの縁。ハボダ殿の調査に同行すれば、供養の道も開けます」
 玲瓏の言葉は至極真っ当に思えた。
「……そこまで言うのなら、許可しましょう。ですが、危険なので俺の指示には従って貰います」
「構いませぬ。拙僧は弔いさえできれば何も望みません」
 その純粋な言葉に、他の魔法使いもこうならいいのにと、ハボダは泣きそうになったし、胃痛は和らいだ。
(三)
 何から調査をするのか、と玲瓏から問われた時、ハボダは土を調べると答えた。というよりも、初めてこの地にやってきた時に、彼は奇妙だと思ったのだ。
「痕跡がなくなった、集落がなくなった。この情報に含まれているのは、建物があって人がいなくなったと状態かと思ったのだが」
「実際は建物全てが消え失せていますなぁ」
「ああ、しかも倒壊とかの形跡もなし。ただただ、地面の上の物全てが消え失せている」
「だから地面を調べるのですか」
「そういう事だ」
 ざり、とハボダが足元を撫でれば、変わり映えのない土が指先に着く。数度撫でて砂を退かせば、堅い大地が顕になった。が、やはりおかしいと彼は思う。
「玲瓏殿、できる限り砂を退けてください。なるべく広範囲でお願いします」
「目的は分かりませぬが、砂を退かすのですな?」
 大きめの枝葉を幾つか探して来ましょう、と集落より離れたところに向かい、暫くすると枝葉の束を2つ、玲瓏は手にしていた。
「簡易の箒です。作業はこちらの方が捗るかと」
 ハボダにも手渡された道具が、あっという間に砂を動かしていく。そして、結論が出た。
「ありえないことだが、建物の土台や支柱の跡すら遺されていないようだ」
 顕になった大地には僅かな窪みはあれど、そこに人工物があった跡はない。全て、一様に、変化することなく、全く同じ状態の地面が広がっていた。
「足跡一つ、生活の痕跡一つ、そして火や水の跡すら残していない。異常だ」
「異常というよりも、化かされている気になってきましたな」
 ハボダの出した結論に、玲瓏もまた同意する。が少しばかりユーモアも混ざった言い回しになっていた。
「周囲から見れば奇妙な空白地ですから、場所を間違えた訳ではありますまい。が、その空白に何の痕跡もないとはいやはやこれは」
 一体、どのような魔法なのでしょうか、と玲瓏がハボダに尋ねた。が、ハボダは答えられない。正確には、己の持つ属性や魔法の規模が大きければ可能かもしれないが、それを可能とする龍は滅多にいないという事だ。
 ハボダの契約龍からの情報なので嘘ではない。そして、契約龍はこの件には関わっていない。なぜなら、契約龍はこの規模の誠葉をウタえば、間違いなくもっと甚大な被害を出すし、制御をする概念を持たない。人がいた集落だけが消え失せさせた器用さが、あの龍にはないのだ。
 だからこそ、ハボダは頭を悩ませる。間違いなく龍だ。だが、龍がなぜそんな面倒なことをしたのだ?
「ハボダ殿?ハボダどのー?」
 何回か耳元で玲瓏がハボダの名を呼ぶ。1人考え事をしていたハボダはハッとなって、玲瓏に謝罪した。が、僧侶はケラケラと笑って「ハボダ殿は真面目でございますなぁ」と気にした風でもなく次の話題を出す。
「ハボダ殿は龍の仕業と疑っておりますか」
「ああ」
「では、龍がこれを行う理由があったのですな」
 その玲瓏の言葉に頷こうとしたが、ハボダは思いとどまる。龍と人間は違う価値観で動いている。���吸と同義で、天災を振り撒く龍もいるにはいるのだ。全てを人間基準で考える訳にはいかないのを、彼は伝えることにした
「龍の価値観……でございますか」
「人には人の、龍には龍の道理がある。確かに龍にとって必要なことだったのかもしれないが、それを俺たち人間が理解できるとは」
 思えない、と続くはずの言葉を玲瓏が止めた。
「ハボダ殿は思い切りが良すぎるようですな」
 人も龍も、生きているという点は変わりませぬ。感情があるのは否定できませぬ。そう、訥々と語る僧侶の言葉をハボダは黙って聞く。
「ですから、龍がここに何を求めたのかから考えませんか?」
 それこそ分からん代表だと、なぜかハボダは言い返せなかった。
「まずハボダ殿にお尋ねしたいのは、なぜ舞が奉納されるようになったのでしょうか。奉納ということは、納める相手がいたはずです」
 その指摘にハボダは、かつて見た神事の発祥を記憶から引き摺り出す
「桃源郷に住む貴人……への奉納だと聞く」
「桃源郷?」
「天上人が暮らす極楽、らしい」
その答えに玲瓏は「異界ですな」と呟いた。
「異界?」
「そうでございまする。こことは違う場所、こことは異なる場所。天国、地獄、あるいは川の向こう、山の向こう、海の向こうにある隔絶された場所。もしくは龍が住む人から離れた地」
「……まさか」
 舞は隔絶した場所に住む龍に奉納する儀式であったのか、とハボダは驚愕した。
「龍が御伽話の存在となっても、龍にまつわる伝承は各地に多く残っております。また、ハボダ殿も承知でしょうが、龍は人の形になれましょう?ならば」
「龍が自らの身を隠して、人と交流してたのか」
「神事として残されたのならば、きっと何か契約をされたのかもしれません。その代価として、舞の奉納が続けられていた。……契約内容を推察できる何かを、ハボダ殿は知っておりますか?」
 質問を受け取る前から、ハボダの脳内はずっと回り続けていた。何だ、何だ、契約内容は一体何だったのだ。
「祭の名は」
 唐突に玲瓏が言った。その言葉にハボダの脳内に閃くものがある
「桜姫懐古祭……懐古!?」
 舞踊る女人たちの姿、朗々と紡がれる祝詞、そして極め付けは
「桜姫という役は、まさか……」
 舞を踊る女性たちの中でも、一際着飾った女性がいる。それを神事では桜姫役と呼び、舞台の中央で1人特別な舞を踊るのだ。それは栄誉なことであり、桜姫役はその年に結婚できるという伝説まであった。
 桜の精だの、春の精だの、散々憶測混じりの蘊蓄を酔っ払いたちが口にしていたが、真実は違う。これは人間の女性と龍の恋愛譚なのだ。
 幾年も幾年も、繰り返し繰り返し、龍に見せるための舞であり、龍に魅せるための奉納であったのだ。そして懐古祭の名の通り、結ばれた契約は龍の慰撫。愛した女性を忘れさせないための契約。そういう時に龍が与える寵愛は、愛した存在が住まう土地の守護が多いのをハボダは知っていた。
「……舞を奉納しなかったから、なのか?」
「……」
「この情勢下で舞を踊れなかっただけで、許せなかったのか!?」
 ハボダの口調が荒くなる。声が張り、わなわなと腕を震わし、視線が険しくなる。怒りが彼を支配した。
「彼らは忘れてはいなかった。彼らは舞を大切に思っていた。今は舞えないかもしれないが、それでも消していい理由ではなかった!」
「ハボダ殿、落ち着いてくださいませ。何も、その舞の奉納相手がここを消したとは限りませぬ」
「だが、龍以外に誰ができると言うのだ!?」
「龍には龍の道理があるとおっしゃったのは、ハボダ殿でございましょう? それに今は戦時中です。龍も十分にそれを分かっておりますよ」
「なぜ言い切れる」
 今度は逆にハボダが玲瓏を問い詰めた。
 龍の動機が分かった。神事の意味も理解した。そこから導き出される答えは、散々を繰り返された悲劇でしかない。だが、
「ここを守護する龍は、龍王には従わなかった。ハボダ殿の契約龍や人龍連合におりまする龍たちと同様、人に寄り添う立場でありました」
 玲瓏の言葉に、ハボダは頭に上っていた血が下がるのを自覚した。
 そして、今目の前にいる僧侶の言葉に、違和感をようやく抱く。
「玲瓏殿は……なぜそれを」
 口にしたのは悪手であったはずだ。何の防御策も打たずに、問いかけるなど普段のハボダならしない。にも関わらず、ハボダはまだ信じられないでいた。人懐こそうなこの少年顔の僧侶が、龍であることを信じられなかった。
 いや、今の今まで気づかないほどに、彼は人の気配しかせず、言動に悪意もなく、人とそうずれたわけでもない感性で持ってハボダと会話を成り立たせていたのだ。それを龍が可能とするには、長く人と共にいなければならない。
「……彼は、人の寿命というものをちゃんと理解しておりました。いずれ消えゆ命、龍とは違う時間の歩み。それでも、僅かな時間を共にいられるだけで良かったと言っておりました」
 ハボダの質問の意図とは異なる答えを玲瓏は紡ぎ始める。そこにあるのは、人と変わらぬ愛しいものへの慈愛であった。
「むしろ足掻こうとしたのは、人である彼女であった思います。あの日、彼が一目惚れした舞をずっとずっと見ていられるように、彼女の舞を受け継がせようと晩年まで躍起になって指導していたそうですから」
 とは言え桜舞い散る中で踊る彼女は、老いてなお美しかったそうですよ、と玲瓏は茶化す。
「かの龍の名が忘れられ、桃源郷の貴人となっても。あの一途な女人の存在が忘れられ、桜や春の精となっても。人々の生活溶け込み、神事となり、祭りとして賑わう中で、あの日の舞が延々と続くその光景は、拙僧からしても美しいものです」
 ですから、龍王の宣言を龍は受け入れず、人を守ろうとしました。
「玲瓏殿は……ここを守護する龍と」
「人にとっては長い付き合いなのでしょうな。あんなにも空を飛び回り、大地が狭いと言っていた彼が、こんな小さな土地の、こんなにも小さな命に全てを捧げる姿は」
「姿は」
「あはれ、でございました」
 その言葉にハボダは絶望的なまでの差を実感する。
(四)
 玲瓏の言葉に、説明に、始まりを知ったハボダは、ふとした違和感を覚えた。
 集落の守護をしていた龍、そして消えた集落、跡形もなく広がる場所とその場に来たおそらく龍の玲瓏。長い話と歴史に逸らされそうになったが『根本的な部分が何一つ解明されていない』点が気になった。
 今度は警戒心を持って、ハボダは尋ねる
「玲瓏殿」
「何ですかな」
「貴殿は弔いたいと言っていた。そして、この地を無くしたのは守護する龍とは限らないとも言った。では、ここは一体どこの龍によって全てを消されたと考えるべきか」
 その瞬間、玲瓏の気配が変わる。
「うむむ、ハボダ殿は流されてはくれませんでしたか。人というよりも魔法使いとしては、大層な人情家をお見受けしたので、これで流されてくれるかと思ったのですが」
 意外と論理的なお方だ、と言って玲瓏はそれまでの柔和な雰囲気をかなぐり捨てた。そこにいるのは、間違えようもなく龍だ。
「改めまして、ハボダ殿。拙僧は玲瓏。時に金緑とも称される龍でござます。これでも龍王軍の一員なれば、この地を守護する龍の説得要員でございました」
編笠を被り、袈裟を纏う少年は、尋常ではない生命力の気配を纏い、ハボダの前に対峙する
「その説得が功を為さず、結果貴殿がこの地を滅ぼしたのか!」
震える声を精神力で正し、ハボダは玲瓏を問い詰める。いつでも誠葉を放てるように距離を取ろうとしたが、それでも身体は恐怖で鈍くしか動かなかった
「拙僧はこの地を消してなどおりませぬ」
「では誰が」
「そも、ここは消えてはおらぬのです」
 何をふざけたことを、と思ったハボダだが、玲瓏は何かしらの誠葉を口にする。ハボダはその瞬間、自らも誠葉を唱え、かの僧侶へと攻撃をした。が、そこで奇妙なことに、誠葉が共に事象を成す前に消えたのだ。
「これはッ」
「先に告げた通り、桃源郷という異界と化した場所に彼は長らくおりました。それが彼の力、彼の誠葉。拙僧相手では、それしか道が残されていない悟ったのでしょう」
 つまりは神隠しですな、の説明にハボダは「馬鹿な」と言いたくなった。
「いやはや、実はちょっと拙僧も困っておりました。龍王軍としてはここの龍には退いて貰わねばならぬのですが、拙僧とは相性が悪く、こうして閉じ籠もってしまうと手出しができぬのです」
 ですが、と嫌な笑いを浮かべて玲瓏はハボダを見る。
「ハボダ殿の力は、ここの龍にとっては最悪な属性でして」
「そんなことを言って、俺が貴殿に協力するとでも思っているのか!?龍王軍に味方するほど落ちぶれてはいないぞ」
 啖呵を切ってハボダが言い返しても、玲瓏は特に応えた様子は見せない。
「ですが、異界に囚われた人は助けられましょう」
 玲瓏の一言にハボダは息を呑む。
「龍の作り出す異界は、龍のためのもの。そこに人間への配慮はあまり為されませぬ。まぁ珍しく人への配慮がある龍なのですが、そもそも拙僧らとは根本的な体の違いがあります故、不具合はありましょう。長くいればいるほど、常人には耐えられないものかと」
「だが、」
「ここの地にいた人々は既に守護の龍の存在を忘れていたのでしょう?いくら彼らを守るためとは言え、龍王の宣言の後に出会う龍となれば、恐怖で精神を摩耗するものも出ておかしくはない」
「それでも、お前たち龍王軍がタダビトを逃すとは」
「では約束をしましょう」
 この地に住まう人々は見逃そう、と玲瓏は告げる。
「守護した龍は」
「龍王に楯突いた時点で、末路は決まっておりまする。流石に彼は見逃せませぬ」
「見捨てろと?」
「全てを見捨てるか、龍見捨てるかの2択でござろう」
 全てを失うよりかは、よほど良いのではないか?の提案のハボダは揺れる。
「それとも、今のこの場でハボダ殿が拙僧を倒して大団円を目指しますかな?まぁ、貴殿の力は少々厄介ですが、それでも器は人間ですからなぁ」
 玲瓏の指摘通りであった。ハボダの属性は陰陽五行の中でも珍しい、陰属性だ。稀有であるし、その中でも攻撃力は高い。が、玲瓏の存在そのものが次元が違う。
「ハボダ殿の意見を拙僧は尊重しましょう。ここの集落の人々を助けて龍を見殺しにするか、龍の願いを聞き遂げて集落の人々を見捨てるか、その命を捨てて美談ぽく終わらせるか」
どう致しましょうか?の言葉に、ハボダは苦悩する。
「俺は」
「ハボダ殿は?さぁさぁ、どうしましょうか」
『そこまでにしてもらおうか、金緑』
 唐突に第三者の声が割って入った。ハボダは周囲を見回すも、声の主は見えない。だが、玲瓏は驚くこともなく「遅かったでございますな、東風殿」と曰う。
 その呼びかけに応えたのか、ハボダの背に龍が現れた。
『相変わらずの悪趣味さに反吐が出る』
「東風殿に言われたくないでございます。かつての戦いにおいて貴殿との策謀談議、どれだけ拙僧らが苦い思いをしたか」
『そのまま返すぞ』
 ぽんぽんと気兼ねなく交わされる会話に、ハボダは目を白黒させる。
 東風と呼ばれた龍は彼に『すまなかった』と言った。
『玲瓏は始めから、貴殿を利用しようとしていた。いずれ私が玲瓏の前に出なければならないように、貴殿に無茶な要求を突きつけたのだ』
「東風殿は人間に大層な情がおありですからね。例え見知らぬ魔法使いと言えども、あの選択を迷う時点でハボダ殿はこの龍の守護対象になりえましょう」
 2頭の龍からの説明で、無意味な選択肢を突きつけられていたのをハボダは実感する。始めから一人相撲だったのかと、ハボダは玲瓏を睨んだ。が玲瓏は特に気にした様子はない。
「さて、東風殿。覚悟がお決まりかと思いますが、拙僧と共に」
「ちょっと待て」
「龍王軍まで」
「だから待てと」
「ご同行を」
「聞け、この陰険龍!」
「酷いでございます、ハボダ殿!拙僧、これでも龍の中では陽気な部類でございますよ!!」
『嘘つけ腹黒龍』
 散々と玲瓏と東風の会話を邪魔し続けたハボダは、ようやっとこちらを見てくれたことに安堵する。対し、玲瓏は頬を膨らませ、いかにも怒っていますと顔に出していた。
 それを呆れた表情で眺めるのは龍なので、いまいち締まりがない。
「もう、ハボダ殿はまだ何か言いたいことがあるのですか!?ちゃんと拙僧、約束は守りますぞ。東風殿も、そこは拙僧を信じているからこそ出てきてくれたのでしょう!?」
『いや、余計なことをこれ以上出さないようにだが?お前との約束はハボダ殿を人質に取るつもりだった』
「信頼ゼロでしたか」
「いや待て、俺を人質に取るとはどういうことだ?」
『うむ、貴殿の命を奪わない代わりに、こちらの民の命を人龍連合に保護させようと』
「俺はあなたを庇ったのだが?」
『違う。金緑は初めから人流連合の一員である貴殿の命を奪おうとはしていなかった。その力の価値を認めていたからだ』
「東風殿」
 そこで初めて玲瓏が焦った表情を浮かべる。対し東風は余裕そうで、ハボダに説明した。
『金緑の口約束など端から信用などしておらん。だが、こいつはわざわざ貴殿に選択肢を与えた。人龍連合の魔法使いにそれを提示した意味を考えれば、簡単だ。金緑は貴殿に負い目を負わせたかったのだろう』
 そして、と続く言葉は意外なものだった。
『問答を聞いている限り、貴殿はかなりの人情家。貴殿ならば見殺しにした龍の願いを叶えようと足掻くかもしれないし、結果金緑が求めるものを差し出すかもしれない。それは業腹だったので、私が貴殿に無理難題を押し付ける形にしたかったのだ』
(五)
 ハボダは混乱していた。
 消えた集落、おそらく龍に捧げられた舞の奉納、龍王軍と敵対した龍、その龍を排除しに来た龍、玲瓏にとって有益な力を持つハボダの価値。それぞれが、それぞれの立場で話を引っ掻き回し、筋道を見えなくしている。
 何が正しいのか、何を目的としているのか、それが見えない。ならば、とハボダは深呼吸を一つ吐く。深く長く吐き続け、緊張を解き、思考をクリアにし、そして自身の目的を思い出す。
名はハボダ
人龍連合の魔法使い
消えた集落の謎を解き明かし、可能な限り人々を助ける
 それだけだ。それが彼の芯であったのだ
 ハボダの前では、玲瓏が東風に余計なことをと悪態をついている。だが、先程のよう焦りは見受けられない。ならば、まだかの龍の狙いからは離れていないのだ。だからハボダは確認しなければならなかった。確認のために、彼は自分自身へ向けて誠葉を解き放った。
(六)
 ハボダの誠葉を止めたのは、玲瓏だけだった。東風は止めず、玲瓏だけが焦ったようにハボダが紡いだ誠葉の被害を食い止めたのだった。それが三者共に理解した時、次にハボダの命を狙ったのは東風であった。またもや玲瓏が止める。確かに、玲瓏にとってハボダが人質として効くようだった。
「ああもう、厄介なことをしてくれましたな!」
 苛立ち混じりにハボダを抱えて玲瓏は飛び回る。飛び回りながらも東風からの攻撃を全て変化し、無力化させていた。
「それもこれも、ハボダ殿がせっかくまとまりかけてた話に横槍を入れたからですぞ!ああ、あの時無視しておけば」
「そう、それだ」
「どれですか!」
「あの時、俺に与えられた選択肢は龍を見捨てるか、人間を見捨てるかだった。だが結局は龍を見殺しにする道に誘導された」
 抱えられながらも、ハボダは1つ1つを丁寧に考え始める。
「ハボダ殿は割とピンチかと思うのですが、それでも考えるのですか!?」
 ああ、と頷いたハボダは舌を噛まないよう注意しながらも喋り始めた。
「玲瓏殿の目的は、この地を守る龍の排除。ただ、これまでの様子からして、貴殿は攻撃されなければ相手を攻撃できない縛りがある。あの東風と呼ばれる龍は、それに気づいて篭城戦へと切り替えた」
「対し東風と呼ばれる龍の目的は、この地の守備。集落の人間は発狂するかもしれないが、籠城戦をすればこの大地は守れる。つまり、両者とも狙いは土地であり、人間ではなかった」
「…………」
 ハボダの説明に、玲瓏は何も言わない。
「そこにやって来たのが、俺だ。当初玲瓏殿は俺の力を使って、籠城戦の要である異界を壊そうとした。だが、ここで奇妙なことに土地の守護を放棄して東風は集落の人間の保護のために姿を現した。彼の説明だと、俺を使えば集落の人間が助かると思ったからだ」
 しかしこれはおかしい、とハボダは思う。始めから龍たちは人間の命は度外視していた。ハボダの登場で、なぜ人間の命を天秤に乗せたのかが分からない。
 しかし、玲瓏が何らかの狙いでハボダの命を守る動きをしている点を加味すれば、何となくこうではないかと仮説が浮かぶ。
「ただ一つの目的ではなく、優先順位があったはずだ。俺という異端がやって来たことで、当初の目的の優先順位が両者の中で入れ替わったのかもしれない。そこで俺を使うために、双方が人間の命を駆け引きに利用し始めた」
「たかがッ魔法使い1人の価値は重くないですよッ」
 ハボダの言葉を否定する玲瓏だが、その顔の余裕はどんどんと剥がれていく。
「では、二頭の龍の狙いは何か。この土地に何があり、何故ここに両者共固執するのか。俺の力を使うと守護が壊れるのは確か。そして、この土地を欲しがる玲瓏殿にも不具合が生まれる」
 さらにハボダは己の考えを述べていく。
「ここまで考えたとき、そもそも本当に舞の神事は龍の為に行われたのだろうか?という疑問が生まれた。確かに人と龍の交流があったのは事実だろうが、玲瓏殿は舞を踊る女人に一目惚れした龍が彼だった、と。龍のための奉納ではない、龍以外への奉納だ」
 ならば始めから玲瓏はハボダを騙していたのだ。いや、事実の一部だけを教えて、誤解するように誘導していた。そのために、東風は業腹と言い放ったのだ。
「だが、両者ともに俺に真実を教える訳にはいかない事情もあった。俺が人龍連合に所属しているからだ」
「ハボダ殿、まだ話は続きますかな」
「ああ」
「拙僧、そろそろハボダ殿を庇いきれなくなりそうなのですが」
「嘘だな、何が何でも俺を生かしたいはずだ。陰属性……というよりも、俺が使う重力の誠葉は天の星に関わる」
 その瞬間、玲瓏から表情が消える。
「玲瓏殿はその身を隠しながらも、天の星を求めると言った。東風殿は空を飛んでいたにも関わらず、大地に降りた。そして、春の訪れ、桜の開花に合わせる舞から考えれば、ここで行われていた神事は豊穣祈願。田畑のない土地に固執するとなれば」
 ハボダは誠葉を紡いだが、玲瓏や東風に向けていない。
 真っ黒な球体が地面を抉った。
 誠葉は今度は転移もせずに発動し、大地を抉り、巨大な穴が開くとその下に隠れていたものを顕にする。
 玲瓏は無表情に、東風は焦りを滲ませて、ハボダを睨んだ。
 だが、ハボダの視線は巨大な穴に注がれている。そこにあったのは広々とした空間。
「人には見せたくないもの、龍が奪い合うもの、正確な暦に関係するもの、重力の誠葉で価値が変わるもの」
 もう一度ハボダが誠葉を紡ぐが、東風が止めようとし、玲瓏の誠葉が予想外の現象を引き起こす。結果、その穴の中に記されたものが照らされた
「俺は正確に理解できないが、価値は知っている」
「これは星々の動きを記録し、計算し、予測された結果生み出された『数式』と『公理』だ」
(七)
 ハボダが魔法使いとなったとき、契約龍から聞かされたのは重力というものの可能性だった。
 重さ、質量、体積くらいまでなら分かるのだが、引力や力の釣り合い、果ては光の歪みに時間の伸び縮みなど、到底ハボダには理解できるものではなかった。
 だが、契約龍自身もよく理解できていないらしい。本能でかの龍は身体に刻み込まれているため、特に苦も無く誠葉を紡げるようだった。だからこそ、人間であるハボダには無理だろうという前提で与太話として教えていた。「やろうと思えば星を降らせることも可能だ」と。
 そんな馬鹿なとハボダは否定したが、契約龍は時代が時代ならやれたと豪語する。かの龍は人と龍が別れた頃に誕生した龍だ。存分にその力を振る舞うことはできなかったが、それでも独りで宙を目指したこともあったらしい。
「月に行きたかったが、生憎と誠葉が紡げなくなった。上は音のない場所だったんだ」
 ハボダにとって契約龍の話は、そんな場所があるのかと好奇心が育つよりも、奇怪な御伽噺を聞かされた感覚が強い。
「なら、誠葉が届かない場所に浮かぶ星を落とすことなどできないだろう?」
「星は自らの力で位置を決めるのではなく、蜘蛛の巣のように互いを引っ張るらしい。だから綱引きのように」
 引き込む力を強くすれば、星を落とせるのだ。と酔っ払いの戯言みたいなノリで教えられたのだ。
「だが、それにはどれだけの力が必要なのか確認せねばならない。人間は星を観察して、数で力を表しているとの噂だ」
「数式というやつだな」
「そうだ。誠葉は音として消えてしまうが、数式があれば」
 星が落とせる日も来るかもな、と契約龍は上機嫌に教えたのだ。
 もっとも、ハボダという魔法使いには到底できない力の使い方であったし、契約龍も龍王の宣言に反発していたからこそ今は人龍連合に身を寄せている。両者ともに本気で星を落とすつもりはなかった。
が、まさかである。
(八)
「秘匿されるべき数式と、俺の扱う誠葉への関与。あの契約龍の与太話かと思っていたが、まさか本気で星を落とす式があるかもしれない、などと誰が思うか」
 玲瓏に抱えられたままのハボダの呟きに、今度こそ二頭の龍は沈黙した。
「龍王軍はこの式が欲しく、ここの守護者なら秘匿したい」
 まさにハボダの存在がイレギュラーだったのだ。龍同士の膠着が、龍に対抗できるかもしれない方法を血眼になって探している連合の魔法使いに見つかった。しかも、鍵となる属性持ちだ。
 玲瓏はこの場とハボダが欲しい。東風は例えこの場は放棄してもハボダだけは玲瓏に渡してはならない。
 その思惑が今に至る。これで、ハボダはようやく龍に一矢報いる手段がわかった。
「なるほど、貴殿たちが生み出す策略に泣いたものが多いのも納得だ」
 ハボダの腹の底から沸々と湧き上がる感情は怒り。せっかくの静かで平穏な調査任務。なのに!なのにである!!
「は、ハボダ殿?何を考えているのですか?」
 玲瓏が恐る恐るハボダの顔を窺う。東風もまた、怪訝な顔で魔法使いを見つめた。
「やっっっっっっっってられるかああああああああああ��!!!!!」
 それはハボダ渾身の叫びだった。
 そのまま勢いで誠葉を唱えるが、あまりにも考えなしだったので結果、
「え?ええ?ちょ、ハボダ殿!?うわっ、重力の展開が早い」
『金緑ッ、その魔法使いを離すな!』
「無茶言うなでございます!!こんなネズミ花火みたいな状態で」
『こんな無茶苦茶な使い方があるか!私の誠葉の領域まで歪み始めた』
 ハボダは玲瓏の腕から逃れ、そのまま東風の領域を穴だらけにする。
 予想外の動きにそれまで散々ハボダを振り回していた龍たちは、片方は生け取りにしようと、もう片方は始末しようとした結果、慌てすぎて互いを邪魔し始めていた。
 そしてその隙を逃すほどハボダも阿呆ではない。
「お前たちも目的なんか知るもんか」
 地面に開けた穴から中覗き見る。
 壁に床に彫られた文字、数、図形、記録の数々。その叡智が敷き詰められた空間で多くの人々が倒れ、苦しそうな顔を浮かべて絶命していた。とっくに彼らは発狂していたし、ハボダは遅すぎたのだ。
 尚更彼の怒りが増大する。怒りのあまり、魔法の出力を誤った。
 やめろと叫んだのは玲瓏か東風かは分からない。ハボダにとってはどうでもいいことだ。
 彼は契約して得た力でもって、ありとあらゆる数式を記した壁を、床を、書物を、人を、まとめて押しつぶしたのだ。
 ハボダ自身の身すら危険に晒すほどの重力の塊は、あらゆるものを飲み込む球体となる。
 周囲を飲み込み続けている中、逃れる術が見当たらないことに、ハボダはとっくに気付いていた。そしてそれをくだらない最期だなと思う感性も持っていた。
 とは言え、あの人間の命などどうでもいいと言わんばかりの龍たちが死守したかったものは壊せたのだ。
 ならば良しとしよう、とハボダが思った矢先に別の誠葉が展開される。
「人情家ではなく激情家なお方とは思いませんでした」
 やれやれと言った顔で、玲瓏が再びハボダを抱えて崩れかかった空間からあっさりと脱出したのであった。
(九)
「古代の叡智ぶち壊しは想定外でしたなぁ」
『何千年もの努力を壊すその度胸、逆に敬意を抱くぞ』
 先程まで殺し合いをしていたはずの龍たちは、息のあった煽り文句をハボダにぶつけていた。
 ピキピキとこめかみの血管が浮かぶほどに、それはハボダをイラつかせる。
「うるさい、黙れ、いい加減にしろ、俺は人龍連合の魔法使いだ。龍王軍とは敵対するし、人の命を奪う龍は憎む。それが俺の道理であり、このくだらない争いを止める手段だった訳だ」
 龍には龍の、人には人の道理がある、と再度口にすれば、玲瓏は仕方がないと座り込んだ。
「ちょろいと思っておりましたが、案外頭が回るお方で驚きでございます。今後のために反省会を開きたいのですが、ハボダ殿の都合の良い日を教えてくださらぬか?」
『私も参加しよう。あとハボダ殿も盤上遊戯会は如何だろうか?貴殿ならきっと他の龍たちにも気に入られると』
「茶番はや め ろ」
 ちぇー、つまんなーい、と文句を言う龍たちに本気でハボダは呆れる。
「で、」
「で?」
『うん?』
「何故、俺を助けたんだ?」
「それは弔いのためですよ」
 最初の玲瓏の目的だったはずの言葉に、これまでほぼ全てが嘘だったのを知ったハボダは思わず「嘘だろ」と呟く。
「嘘ではございません。まぁ、確かにハボダ殿を騙す目的��ありましたが、この地の慰めは拙僧らの役目ではなかったので」
 何故だとハボダが首を傾げるよりも先に、玲瓏が東風殿と呼ぶ。東風は無言で玲瓏を見つめ返す。
「土地も人も憂いもなくなりました」
『ああ』
「その命を拙僧にお渡しください」
『仕方ない、あがけよ金緑』
 ハボダが止める間もなく、東風は己で自身の命を終わらせる。はらはらと崩れ落ちる身体を目の当たりににした玲瓏は深々と礼をした
「さらばです、東風殿。貴殿との策略遊戯は楽しかったですよ」
 震える声で送った言葉、お辞儀をしたことで見えぬ玲瓏の表情
「なぜ、何故だ!」
「龍王軍に楯突いたのです。当然の帰結でございましょう」
「だが、土地も人もなく、憂いもなくなったのなら共に」
「共に生きれませぬ。拙僧は龍王軍として抗うと決めました。そのためならば、かつての友であっても命を奪うのです」
 しかし自殺だったではないか、のハボダの反論に、玲瓏は初めて敵意を露にする。
「もし仮にひとつ願いが叶うのなら、ハボダ殿は何を願いますか?」
「何を突然」
「それは犠牲なく叶えられると思いですか?そんな、都合のよい、誠葉よりも万能の何かがあると思いですか?」
「だが」
「ひとつ願いが叶うのなら」
 玲瓏はハボダの眼前に近づき、にこやかに問いかける
「貴殿が求めるそれは、例え魔法使いだとしても強欲が過ぎる願いではござらんか?」
 人懐こい笑みで、それでいてハボダが立つのもやっとな殺意を振り撒く僧が、人間ではなく龍であるのは自明の理であった。
「無理なのですよ、最初から。拙僧と東風殿が対立した時から、どちらかしか生きられない程度には追い詰められていました。少しでも時間稼ぎをするために、篭城戦までした。貴殿の登場で僅かな希望が生まれましたが、それも潰えた。ならば、決まりきった決着をつけるしかないでしょう」
 つらつらと続く言葉。
「拙僧には役目があります。それを東風殿は慮り、自ら幕を引いたのです。彼には守護する土地も人も物もございませんから」
 だから、と玲瓏はハボダに告げる。
「ハボダ殿が覚えてくださいませ。この地で、この美しい花があった場所で、誰が舞を送り、誰がそれを受け取り、どうして龍が守護したのか」
「それは嘘なのだろう」
「そうでしたね」
「貴殿が俺を騙すために誘導したもので」
「ええ、もう少し騙されてくれればと思いました」
「そもそも俺は人龍連合の一員で」
「存じております」
「なのに……」
俺に弔えと言うのか、とハボダは玲瓏に尋ねる。
「ハボダ殿は人情家で激情家なお人ですから、きっと流されてくれると思ったのですよ」
 先程までの龍としての圧もなく。出会ったばかりの頃の、どこか人懐こい少年顔の僧侶として、彼は微笑んだ。それでハボダはこれが断れない策略だと気付く。気付いたが、もう疲れていたのでどうでも良かった。
「玲瓏殿」
「はい」
「貴殿ともう二度と会いたくない」
「拙僧としては、また巡り合う日を楽しみにしております」
「勘弁してくれ。……だが、嘘つきで意地っ張りの馬鹿な龍の願いくらいは叶えてやるさ」
「ひどいことを仰る。春だからこそ、愚かな振る舞いをするのですよ」
 お互いにね、と悪戯っぽく玲瓏は笑い、そして誠葉を紡ぐ。その身は空へ、空へと登っていった。ハボダはしばらく空を飛ぶ龍の姿を眺める。が、眩しい光に嫌気がさして、すぐに視線を集落の跡地に向けた。
 やることは山積みだが、まず彼は
「静かだな」
 しばしの平穏を享受したかった。
(十)
 玲瓏の帰還に合わせ、彼の部下たちが出迎える。口々にこれまでの戦果や被害が報告される中、一頭の龍が玲瓏に尋ねた。
「そういえば、あの数式は手に入れられたのですか?」
 玲瓏の古馴染みが守護する土地に、星に関する数式があるのは龍王軍には周知の事実だった。
「いいえ。予想外なことに全部壊されてしまいましたからね」
「おや、それは残念でしたね。あれさえあれば、玲瓏様の研究が大分進むようでしたが」
 ふ、と部下の視線が壁一面に描かれた天体図に注がれる。そこには幾つもの数式もあった。
「ないものはないので、また一から研究し直しですなぁ」
 ああ面倒だ、と言わんばかりに彼は記された文字の幾つかを消す。
「東風殿が拙僧の味方だったら話は早かったのですが……あの方は、拙僧と同じく龍王の存在は嫌いですが、龍王そのものは気に入っていますし」
 残念でしたなぁ、と呟く玲瓏に悲壮感はない。龍王への不敬とも取れる言葉さえ軽い。
「玲瓏様。いくらあなた様が龍王様の腹心、右腕としての地位があったとしても、先程のような発言は慎まれた方がよろしいかと」
「良いんですよ、これで」
「ですが、」
「どうせ龍王は東風殿との一件すら拙僧の悪あがきにしか思っておりませんから」
 慢心して貰わないと、の言葉さえ玲瓏は隠さない。
「拙僧、龍王の思惑を知っております。龍王軍の行末も察しております。だからこそ、龍王軍の右腕として策を練りましょう。龍の未来のために、人の未来のために、何故なら天の星に恋した身なので」
 正気も理性もなくすほどに恋は偉大なのですよ、と恍惚な笑みを浮かべて玲瓏は星の名前を呼んだ。
END
キャラ紹介:ハボダif
人龍連合所属の晦冥の魔法使い
重力を操る誠葉を扱うが、人間のため使用には制限が掛かる
苦労人のツッコミ気質
連合の火消し担当だけど先に爆発物という名の同僚の撤去から始めるべきだと思ってる
頭はたぶん良いはず
キャラ紹介:玲瓏if
龍王軍所属、龍王の右腕であり腹心
変化変容の誠葉を操る古の龍
戦闘能力自体はあまりない。ので戦略特化で軍を従わせている
明るい性格だが腹黒いので、上の年代の龍ほど警戒度が高くなる
龍王概念嫌いと公言しているが、龍王自体は好き。龍王の狙いに便乗して、星の研究をしてる
東風(ゲストキャラ)
固定の誠葉を扱う玲瓏とは同年代の古の龍
空が好きで、星も好きで、玲瓏と飛び回っていたけど、舞を踊っていた女性に一目惚れしてから地上住まいをしてた
龍王の正体にも気付いているし、玲瓏の狙いも薄々察している
数式渡したら破滅一直線なので絶対渡すものかで対立した
立場逆転だと
・ハボダ本来の気性の荒さが全面に出る
・肉体による制限がないので、玲瓏のやっちゃいけない誠葉倫理が吹っ飛ぶ
・正史ハボダは色んな情で右腕として身動き取れなくなってるけど、if玲瓏は1つの情のために他全部切り捨てて暗躍含めて動いてる
な感じかなぁと思いました
たぶんifの方が気質的に本人たちのストレス少ないと思うけど、それはそれとして龍王軍の暗躍と暴走がより酷いことになるので、正史の方がまだ安全ぽそう
 あと玲瓏ifが恋しちゃった天の星は、数多ある星々の中でも一等情のある『彼らが生きる』星です。これ以上告げてしまうのもあれだけど、お題に則したセリフ回しにすると分かりにくいので補足しました
0 notes
senpenbanka0426 · 13 hours
Text
ChatGPTで短編小説を書いてみた話
前にCopilotを使ってみて、やっぱりChatGPTも気になったから登録しちゃったZOY。 とりあえずで、物凄くオーソドックスなストーリー(幼馴染の2人ががなんやかんやあって一緒になる感じ)を作る事を前提に考えつつ以下の文章を入力して小説作成をスタート。(ちなみに今回の記事も無駄にクッソ長いのでガチで暇な方だけどうぞ)
<自分> 幼馴染の男の子と女の子がいました。二人は喧嘩もしていましたが、互いの家へ遊びに行くほどの仲でした。しかし、男の子の家庭はかなりのお金持ち、方や女の子の家庭は貧乏でした。 女の子は男の子の家に行くといつも美味しいお菓子をご馳走になっていました。男の子はある日、高級クッキーを餌に女の子へ自分の宿題を差し出しました。「宿題やってくれたらクッキーあげる」「本当?」女の子は疑いながらも宿題をさらさらと終わらせました。男の子は約束通りクッキーをあげました。女の子は喜んでパクパク食べました。
<ChatGPT> 幼馴染の男の子と女の子がいました。二人はしょっちゅう喧嘩をしながらも、互いの家を行き来するほど仲が良かった。しかし、男の子の家庭は裕福で、女の子の家庭は貧乏でした。女の子は男の子の家に行くと、いつも美味しいお菓子にありつけるのを楽しみにしていました。
ある日、男の子は高級クッキーを餌に、女の子に自分の宿題をやらせることを思いつきました。「宿題をやってくれたら、このクッキーをあげるよ」と男の子が言うと、女の子は少し疑いながらも引き受けました。宿題をさらさらと終わらせた女の子に、男の子は約束通りクッキーを渡しました。女の子はそのクッキーを嬉しそうにパクパク食べました。
<自分> 二人は夏休みを迎えました。自由研究をどうしようか、と男の子は考えていました。先生は友達と共同でやっても良い、と言っていました。そんな時、女の子が遊びにやってきました。クーラーの効いた涼しい環境で女の子は宿題をやろうと思って来たそうです。男の子の母親は彼女の家庭が共働きで留守だった事も知っていたので微笑んで彼女を家に通しました。男の子はラッキーだと思いました。部屋にやってきた女の子にまたお菓子をチラつかせて自分の分の宿題を差し出しました。「自分でやらないと怒られるよ?」女の子にそう言われた男の子は「じゃあ、答えを見せて」と言いました。女の子は、しょうがないなぁ、と言いながら自分が終えた宿題を彼へ渡しました。
<ChatGPT> 二人は夏休みを迎えました。男の子は自由研究のテーマに悩んでいました。先生からは、友達と共同で行っても良いと言われていました。そんなある日、女の子が遊びにやってきました。クーラーの効いた涼しい部屋で宿題をやるつもりだと言います。男の子の母親は、女の子の家が共働きで留守になることを知っていたので、微笑みながら彼女を家に通しました。男の子はラッキーだと思いました。
女の子が部屋に入ると、男の子はまたお菓子をちらつかせて、自分の分の宿題を差し出しました。「自分でやらないと先生に怒られるよ?」と女の子が言うと、男の子は「じゃあ、答えを見せて」と頼みました。女の子は「しょうがないなぁ」と言いながら、自分が終えた宿題を男の子に渡しました。
その後、二人は自由研究のテーマを一緒に考え始めました。女の子は植物観察を提案し、男の子は科学実験をやりたいと言いました。話し合いの末、二人は植物観察をベースにした科学実験をすることに決めました。彼らは男の子の家の庭で実験を始め、その夏を通じて一緒に研究を進めることになりました。
<自分> しかし、いざ花の種を植えて自由研究を開始すると、男の子は面倒になって女の子に全て任せてしまいました。女の子は毎日水やりをし、丁寧に観察記録をつけていました。男の子は、また女の子に「自分の分も書いて」とノートを差し出しました。「もー、本当に怒られるよ?」字も全然違うのに私が書いて良いの?と女の子は言います。男の子は仕方なく女の子の記録を見ながら自分のノートへ書き写しました。男の子は一応、記録を見せて貰ったお礼に自分のプリンを女の子にあげました。女の子は笑顔でそれを食べました。
<ChatGPT> しかし、いざ花の種を植えて自由研究を開始すると、男の子はすぐに面倒になり、女の子に全てを任せてしまいました。女の子は毎日水やりをし、丁寧に観察記録をつけていました。そんなある日、男の子はまた女の子に「自分の分も書いて」とノートを差し出しました。
「もー、本当に怒られるよ?」と女の子は言い、「字も全然違うのに、私が書いて良いの?」と続けました。男の子は仕方なく、女の子の記録を見ながら自分のノートに書き写しました。
男の子は一応、記録を見せてもらったお礼に、自分のプリンを女の子にあげました。女の子は笑顔でそれを食べ、男の子の行動に少し呆れながらも、一緒に過ごす時間を楽しんでいました。
<自分> 夏休みはあっという間に過ぎていきました。女の子は相変わらずしっかりと宿題をやり、既に全てを終わらせていました。男の子はダラダラと女の子の宿題を隣に置いて丸写しをしていました。女の子は「ちゃんとやりなよ」と言いますが、お菓子を出されると断れず、男の子に宿題を貸してしまいます。男の子は女の子が単純で助かったと思いつつ、お菓子を食べる女の子をチラリと見ました。ポッキーをポリポリ食べる彼女はまるでペットとして飼える小動物みたいでした。試しに男の子は自分のポッキーを一本、女の子の口元へ差し出すと女の子は嬉しそうにそれをポリポリと食べました。「……」その時、男の子は心臓がドキッとしたのが分かりました。慌てて宿題の方へ向き直りましたが、男の子は心臓の高鳴りが何なのか今はまだ分かりませんでした。
<ChatGPT> 夏休みはあっという間に過ぎていきました。女の子は相変わらずしっかりと宿題をやり、既に全てを終わらせていました。一方、男の子はダラダラと過ごし、女の子の宿題を隣に置いて丸写しをしていました。
「ちゃんとやりなよ」と女の子が言いますが、男の子が菓子を差し出すと、女の子は断れずに宿題を貸してしまいます。男の子は女の子が単純で助かると思いつつ、ポッキーをポリポリ食べる彼女をちらりと見ました。彼女がまるでペットとして飼える小動物みたいに見え、試しに自分のポッキーを一本、彼女の口元へ差し出してみました。女の子は嬉しそうにそれをポリポリと食べました。
その時、男の子は心臓がドキッとしたのを感じました。慌てて宿題の方に向き直しましたが、心臓の高鳴りが何なのか、今はまだ分かりませんでした。女の子はそんな男の子の様子に気づかず、楽しそうにポッキーを食べ続けていました。
<自分> 夏休みは終わりました。結局、自由研究は女の子が殆どやったような物でしたが、先生は気づかず、二人の自由研究のノートに花マルをつけてくれました。男の子は女の子がちょっと怒って先生に密告するんじゃないかと思いましたが、そんな事はありませんでした。 男の子はあの日の胸の高鳴りについて考えていました。あの日、男の子は初めて女の子を可愛いと思いました。今まで女の子と一緒に遊んでいてもそんな事を考えて見たこともありませんでした。しかし、今は他のクラスメイトの女子と見比べると女の子が何か特別に見えるような気がしました。これが何なのか男の子は理解できそうで理解できません。ただ、彼はこの事を誰かに話す事は絶対にしませんでした。
<ChatGPT> 夏休みが終わり、二人は学校に戻りました。結局、自由研究は女の子がほとんどやったようなものでしたが、先生はそれに気づかず、二人の自由研究のノートに花マルをつけてくれました。男の子は女の子が怒って先生に密告するのではないかと心配しましたが、そんなことはありませんでした。
男の子はあの日の胸の高鳴りについて考え続けていました。あの日、初めて女の子を可愛いと思ったことに気づきました。今まで女の子と一緒に遊んでいてもそんなことを考えたことはありませんでした。しかし、今は他のクラスメイトの女子と比べると、女の子が特別に見えるような気がしました。これが何なのか、男の子は理解できそうで理解できませんでした。ただ、この気持ちについて誰かに話すことは絶対にしませんでした。
男の子は、これからも女の子と一緒にいる時間が楽しみになり、次第にその気持ちが大きくなっていくのを感じながら、日々を過ごしていました。
<自分> ある日の放課後、男の子はランドセルを家に置いてから宿題とお菓子を片手に女の子の家へ向かいました。古いアパートの呼び鈴を押すと女の子が出ました。「もー、また宿題を見にきたの?」そう言われるのが分かっていた男の子はお菓子を見せびらかしました。「むー、しょうがないなぁ」女の子はそう言うと、家へ男の子を招きました。女の子の両親はまだ仕事から帰っていませんでした。暗くならないと親は帰ってこない、と前に聞いたことがありました。男の子はアパートのちゃぶ台で宿題を広げながら女の子の答えを丸写しし、さっさと宿題を終わらせました。そしてそのままゴロリと横になりました。「お行儀がわるいなぁ」と女の子に言われましたが、男の子はこの古いアパートの居心地が好きでした。テレビもない、スマートフォンもない環境ですが、女の子がいます。自分が持ってきたお菓子を女の子と食べながらダラダラする放課後が一番楽しいと思っていました。
<ChatGPT> ある日の放課後、男の子はランドセルを家に置いてから宿題とお菓子を片手に女の子の家へ向かいました。古いアパートの呼び鈴を押すと、女の子が出てきました。「もー、また宿題を見にきたの?」と女の子が言いましたが、男の子はお菓子を見せびらかしました。「むー、しょうがないなぁ」と女の子は笑いながら男の子を家に招きました。
女の子の両親はまだ仕事から帰っていませんでした。暗くならないと親は帰ってこない、と前に聞いたことがありました。男の子はアパートのちゃぶ台で宿題を広げながら、女の子の答えを丸写ししてさっさと宿題を終わらせました。そのままゴロリと横になると、「お行儀が悪いなぁ」と女の子に言われましたが、男の子はこの古いアパートの居心地が好きでした。
テレビもなく、スマートフォンもない環境ですが、女の子がいるだけで十分でした。自分が持ってきたお菓子を女の子と食べながらダラダラと過ごす放課後が、男の子にとって一番楽しい時間でした。そんな中で、男の子は次第に女の子の存在が自分にとって特別なものであることに気づき始めていました。それが何なのか、まだはっきりとは理解できませんでしたが、彼の心の中で少しずつ大きくなっていくその感情に戸惑いながらも、同時にそれを大切に思うようになっていきました。
<自分> 2人の学年が一つ上に上がりました。幸い2人共同じクラスにはなれました。しかし、周りのクラスメイトの雰囲気に合わせて男子グループと女子グループに自然と分かれていきました。男の子は他の女子生徒と談笑する女の子をチラリと見ました。段々と距離が出始めている事に焦りを感じていましたが、クラスメイトの中には女子と絡む男子を笑う者もいました。男の子は学校で女の子に話しかける機会をすっかり無くしてしまいました。 そんな時に学校行事のバス遠足がありました。皆で自然と触れ合い、お弁当を食べます。男の子は女の子と一緒に過ごしたいと思っていましたが、男子のグループから外れることもできず、諦めていました。しかし、弁当を広げる時に、たまたま女子のグループと近くで食べる事になりました。他の女子生徒とお弁当を食べる女の子を見ると、少し地味な弁当を食べていました。そうして、おやつの時間になると、女の子は弁当を仕舞ってお菓子を食べる友達を見ていました。女の子はお菓子を買って来なかったようでした。去年の遠足も彼女はお菓子を買ってきていませんでした。男の子は男子のグループを少し離れる事になりますが、去年と同様に自分のお菓子を彼女へ上げました。「…今年も良いの?」「良いよ。その代わり、また宿題見せて」女の子は照れながらお菓子を受け取りました。男子のグループに戻ると、イジってくる者もいましたが、男の子は気にしない事にしました。
<ChatGPT> 2人の学年が一つ上がり、幸いにも同じクラスになりました。しかし、クラスメイトの影響で男子グループと女子グループに自然と分かれていきました。男の子は他の女子生徒と談笑する女の子を見て、少しずつ距離ができ始めていることに焦りを感じましたが、女子と絡む男子を笑うクラスメイトもいたため、学校で女の子に話しかける機会をすっかり失ってしまいました。
そんな中、学校行事のバス遠足がありました。自然と触れ合い、お弁当を食べる時間が設けられていました。男の子は女の子と一緒に過ごしたいと思っていましたが、男子グループから外れることができず、諦めていました。しかし、弁当を広げる時に偶然、女子グループの近くで食べることになりました。男の子は他の女子生徒とお弁当を食べる女の子を見て、少し地味なお弁当を食べていることに気づきました。
おやつの時間になると、女の子は弁当を仕舞い、お菓子を食べる友達を見ていました。女の子はお菓子を買ってきていなかったようでした。去年の遠足でも彼女はお菓子を持ってきていませんでした。男の子は男子グループを少し離れ、去年と同じように自分のお菓子を彼女に差し出しました。
「…今年も良いの?」と女の子が照れながら聞きました。「良いよ。その代わり、また宿題見せて」と男の子は笑って答えました。女の子は照れながらお菓子を受け取りました。男子グループに戻ると、いじってくる者もいましたが、男の子は気にしないことにしました。
その日、男の子は初めて、自分の気持ちに少しだけ気づいたような気がしました。女の子との関係が変わりつつあることを感じながらも、彼女との大切な絆を守りたいと思うようになりました。
<自分> ある日、クラスメイトの噂話が男の子の耳に入ってきました。何組の〇〇が誰々に告白した、といった感じの話でした。男の子は、噂話に女の子の名前が出てこなかった事に安心しました。女の子はあいも変わらず真面目で、他の女子と談笑していました。男の子は、段々と自分のこの気持ちを理解し始めていました。しかし、この気持ちを女の子へ伝えるにはまだ勇気がありません。周りから今の噂話のようにからかわれる恐れも感じていました。男の子は、あいも変わらずお菓子を使って女の子の気を引くことしかできませんでした。まぁ、それでもお菓子で宿題と女の子が釣れるので、ある意味、一石二鳥ではありました。
<ChatGPT> ある日、クラスメイトの噂話が男の子の耳に入ってきました。誰々が誰に告白した、といった内容の話でした。男の子は、噂話に女の子の名前が出てこなかったことに安心しました。女の子は相変わらず真面目で、他の女子と談笑していました。
男の子は、徐々に自分の気持ちを理解し始めていました。しかし、この気持ちを女の子に伝えるにはまだ勇気がありませんでした。周りから今の噂話のようにからかわれる恐れも感じていました。男の子は、相変わらずお菓子を使って女の子の気を引くことしかできませんでした。
お菓子で女の子の気を引き、宿題を見せてもらうというやり方は、ある意味で一石二鳥でした。男の子はこの関係を楽しみながらも、いつかもっと素直に自分の気持ちを伝えられる日が来ることを願っていました。そんな日々が続く中で、彼の心の中には少しずつ成長する想いが育まれていきました。
<自分> バレンタインの季節がやってきました。男子生徒は皆、浮足立ったり、ショックを受けたり、悔しがったり、様々な様相を浮かべていました。しかし、男の子は何も変わらない1日だと思っていました。女の子の家はチョコレートを買って誰かにプレゼントするような余裕のある家庭ではありませんでした。男の子は女の子からチョコレートを貰えない事は分かっていたので何も考えていませんでした。……しかし、自分の下駄箱を開けて驚きました。小さな箱が3つも入っていました。彼は頭の中が真っ白になりました。女の子以外からチョコレートを貰ってもどうしたら良いのかわかりません。手にとって悩んでいると友人の男子生徒がラッピングされた箱を指指して「3つも貰ってる!」と叫びました。男の子は慌てて鞄へ仕舞いましたが手遅れでした。噂は広まりチョコレートを貰えなかったその他の男子から恨みや羨望の眼差しを浴びることになりました。
<ChatGPT> バレンタインの季節がやってきました。男子生徒たちは皆、浮足立ったり、ショックを受けたり、悔しがったり、様々な反応を見せていました。しかし、男の子は何も変わらない一日だと思っていました。女の子の家はチョコレートを買って誰かにプレゼントする余裕のある家庭ではありませんでした。男の子は、女の子からチョコレートをもらえないことは分かっていたので、特に期待もせずに過ごしていました。
しかし、学校で自分の下駄箱を開けて驚きました。小さな箱が三つも入っていたのです。男の子は頭の中が真っ白になりました。女の子以外からチョコレートをもらったとしても、どう対処すればいいのか分かりませんでした。手に取って悩んでいると、友人の男子生徒がラッピングされた箱を指差して「三つももらってる!」と叫びました。
男の子は慌てて鞄に仕舞いましたが、すでに手遅れでした。噂は広まり、チョコレートをもらえなかった他の男子生徒から恨みや羨望の眼差しを浴びることになりました。彼はその日、周りの視線に耐えながら、心の中で女の子のことを考えていました。
放課後、男の子はいつものように女の子の家へ向かいました。お菓子と宿題を持っていくのが恒例のようになっていましたが、その日は特にドキドキしていました。女の子の家に到着し、呼び鈴を押すと女の子が出てきました。
「���た宿題を見にきたの?」と女の子が言いましたが、男の子は少し違う気持ちを抱いていました。「うん、そうなんだけど…今日はこれも持ってきた」と言って、チョコレートの箱を差し出しました。
女の子は驚いて目を見開きました。「え、これ私に?」と戸惑いながら聞きました。男の子は照れながら「うん、バレンタインだから」と答えました。
女の子は嬉しそうに微笑み、「ありがとう」と言いました。その瞬間、男の子は自分の気持ちが少しだけ伝わったような気がしました。バレンタインの特別な一日が、二人の関係をさらに深めるきっかけになったのでした。
<自分> 女の子は貰ったチョコレートを食べながら男の子へ聞きました。「3つもチョコレートを貰ったんでしょう?お返事はちゃんとしたの?」男の子は言葉に詰まりました。貰ったチョコレートにはそれぞれラブレターが入っていました。しかし、男の子はそのラブレターに応えるつもりはありませんでした。「……」黙っていると女の子は「ちゃんとお返事しないと可哀想だよ」と言いました。女の子のコトバを聞いた男の子は宿題を写し終えてから家に帰り、便箋を取り出しました。3枚も手紙を書かなければならない状況でしたが、男の子は何とか書き終えました。宿題より疲れた……。男の子は来年のバレンタインがどうなるのか怖くなってきました。
<ChatGPT> 女の子はチョコレートを食べながら男の子に聞きました。「3つもチョコレートを貰ったんでしょう?お返事はちゃんとしたの?」男の子は言葉に詰まりました。貰ったチョコレートにはそれぞれラブレターが入っていました。しかし、男の子はそのラブレターに応えるつもりはありませんでした。
「……」黙っていると、女の子は「ちゃんとお返事しないと可哀想だよ」と言いました。彼女の言葉に心が動かされた男の子は、宿題を写し終えた後、家に帰って便箋を取り出しました。3枚の手紙を書かなければならない状況にありましたが、男の子はなんとか書き終えました。
「宿題より疲れた……」とつぶやきながら、男の子は手紙を見つめました。それぞれの手紙に丁寧にお礼を述べ、しかし、自分の気持ちを正直に伝えました。その夜、彼は自分のベッドで来年のバレンタインがどうなるのかを考えながら、不安と期待が入り混じる気持ちで眠りにつきました。
翌日、学校で手紙を渡すと、女子たちは驚きながらも受け取ってくれました。一部の男子生徒からの冷やかしもありましたが、男の子はそれを乗り越え、女の子に誠実に向き合うことの大切さを学びました。
その後、男の子と女の子は変わらず一緒に過ごし、お菓子と宿題の交換が続きましたが、心の中には新たな感情が芽生えていました。二人の関係は少しずつ変化し、成長していくことを予感させるものでした。
<自分> 学年がまた一つ上がりました。そして、とうとう中学校受験がスタートします。男の子は親の期待を背負っていました。しかし、女の子は受験の必要がない中学校へ行くことになりました。男の子は薄々分かってはいましたが、やはり同じ学校へ通えないことがショックでした。
<ChatGPT> 学年がまた一つ上がりました。そして、とうとう中学校受験がスタートしました。男の子は親の期待を背負って勉強に励んでいましたが、プレッシャーも感じていました。一方、女の子は受験の必要がない中学校へ進学することになっていました。彼女の家庭の事情や経済的な理由から、私立の受験は考えられませんでした。
男の子は薄々分かっていましたが、やはり同じ学校に通えないことがショックでした。これまでずっと一緒に過ごしてきた女の子との距離ができることに、不安と寂しさを感じていました。
ある日、受験勉強の合間に女の子の家を訪れると、彼女はいつもと変わらずに迎えてくれました。お菓子と宿題を交換しながら、男の子はつい本音を漏らしました。「君と同じ学校に行けないのが、なんだか寂しいんだ。」
女の子は優しく微笑み、「そうだね。でも、これからも友達だよ。いつでも遊びにおいで。」と言いました。その言葉に少しだけ安心した男の子は、もう一度頑張ろうと決意しました。
受験の日が近づくにつれて、男の子はますます勉強に集中しなければなりませんでした。女の子との時間も減りましたが、彼女の励ましの言葉や笑顔を思い出しながら、最後まで頑張ることができました。
そして、受験結果が出る日が来ました。男の子は緊張しながら結果を確認し、見事に合格していました。喜びと同時に、女の子に報告するために急いで彼女の家に向かいました。
「受かったよ!」と伝えると、女の子は「おめでとう!」と心から祝福してくれました。これからは別々の学校に通うことになりますが、二人の友情は変わらないと感じた男の子は、新しい環境でも頑張ろうと強く思いました。
<自分> 男の子は自分より女の子の方が頭が良いことは分かっていました。はっきりと言えば自分が行く中学校に相応しいのは彼女の方だと思っていました。経済の理由が進学の選択になる事がモヤモヤした気持ちにさせましたが、彼にはどうする事も出来ませんでした。それに、これから宿題を見せて貰う事もできません。彼女に会う理由をどうやって見つけようか彼は悩み始めました。
<ChatGPT> 男の子は自分よりも女の子の方が頭が良いことを知っていました。実際、自分が行く中学校に相応しいのは彼女の方だと感じていました。経済的な理由が彼女の進学の選択を制限していることに、男の子はやりきれない気持ちを抱えていました。しかし、彼にはその状況を変える術がありませんでした。
さらに、これからは宿題を見せてもらうこともできません。彼女と会う理由をどうやって見つけようか、男の子は悩み始めました。宿題という口実がなくなると、二人の距離が離れてしまうのではないかと心配でした。
ある日、男の子は女の子の家を訪れました。いつものようにお菓子を持ってきたものの、今日はいつもと少し違う話をしたいと思っていました。彼女の家の古いアパートの呼び鈴を押すと、女の子が出てきました。
「もー、またお菓子持ってきたの?」女の子は笑いながら男の子を迎え入れました。二人はちゃぶ台を囲んでお菓子を食べながら話をしました。
「ねえ、これからは宿題を見せてもらう理由がなくなるんだよね。」男の子はつぶやきました。
女の子は少し驚いた顔をしましたが、すぐに微笑んで言いました。「そうだね。でも、友達でいる理由は宿題だけじゃないよ。これからも遊びにおいで。」
その言葉に、男の子は少し安心しました。彼は考えを巡らせ、新しい理由を見つけることを決意しました。「じゃあさ、これからは一緒に遊んだり、本を読んだり、色々なことをしようよ。君と一緒にいるのが楽しいから。」
女の子は笑顔で頷きました。「うん、それがいいね。」
男の子は新しい形の友情を見つけることができました。これからも彼女と一緒に過ごすための理由を探し続けることで、二人の絆はさらに深まっていきました。
<自分> 中学校生活が始まりました。男の子は教科書の進む速さに驚きました。宿題を丸写ししてきたツケが回ってきたのかもしれません。男の子は何とか成績を落とさないように勉強時間を増やしました。結果的に女の子と会う機会を全くと言っていい程、なくしてしまいました。 そして、そんなある日、塾へ向かう道すがら、女の子が他の男子と談笑しながら帰宅している所を見てしまいました。男の子は、やはり同じ学校へ行けなかった事を深く後悔しました。
<ChatGPT> 中学校生活が始まり、男の子は教科書の進む速さに驚きました。宿題を丸写ししてきたツケが回ってきたのかもしれません。成績を落とさないようにと勉強時間を増やし、毎日宿題やテスト勉強に追われる日々が続きました。結果的に、女の子と会う機会を全くと言っていいほど失ってしまいました。
ある日、男の子が塾へ向かう道すがら、偶然にも女の子が他の男子と談笑しながら帰宅しているところを見かけました。その男子は同じ中学校の生徒で、女の子と楽しそうに話している姿に、男の子は心が痛むのを感じました。
彼はやはり同じ学校へ行けなかったことを深く後悔しました。女の子が自分以外の誰かと楽しそうにしている姿を見ると、自分の無力さや経済的な理由で彼女と同じ環境にいられなかったことが、一層胸を締めつけました。
その夜、男の子は自分の部屋で勉強しながらも、心は落ち着きませんでした。教科書の文字が頭に入ってこず、女の子の笑顔とその横にいる男子の姿が何度も頭に浮かびました。
「どうしたらいいんだろう…」男の子はつぶやきました。
彼は改めて、女の子との絆を取り戻すために何ができるかを考え始めました。お菓子を使った簡単な方法ではなく、もっと真剣に、彼女と向き合うための方法を見つけなければならないと感じました。
次の日、男の子は勇気を出して女の子に会いに行く決心をしました。塾が終わった後、彼は女の子の家に向かい、呼び鈴を押しました。しばらくして女の子が出てきました。
「どうしたの?」女の子は少し驚いた様子で尋ねました。
男の子は深呼吸をして、正直に気持ちを伝えました。「最近、会う機会が少なくなってしまって寂しかったんだ。君と一緒に過ごす時間が大切だから、また昔みたいに話したり遊んだりしたいんだ。」
女の子はしばらく考えてから微笑みました。「そうだね、私も寂しかった。これからも友達でいようよ。」
その言葉に、男の子は少し救われました。中学校生活の忙しさや新しい環境に振り回されながらも、彼は女の子との大切な友情を守るために努力し続けることを決意しました。
<自分> 中学生になって初めての夏休みがやってきました。男の子は中学校の課題や宿題の量に驚きました。それでも夏休み前に女の子と会う約束が出来ていました。そうこうしていると女の子が家にやってきました。男の子の母親は久々に会う女の子を笑顔で迎えてくれました。 男の子はいくつかの課題を女の子へ差し出してみました。「もー、宿題を手伝わせる為に私を呼んだの?」「そうじゃないけど、今はそれもアリだなって思ってる」と笑って答えると女の子も笑ってペラペラと男の子の宿題を見てみました。「凄いね、全然教科書の進み方が違う」「やりたかったらやっても良いよ」「遠離しておく」彼女は笑って宿題を返しました。
<ChatGPT> 中学生になって初めての夏休みがやってきました。男の子は中学校の課題や宿題の量に驚きましたが、夏休み前に女の子と会う約束ができていました。そんなある日、女の子が男の子の家にやってきました。久々に会う女の子を、男の子の母親は笑顔で迎えてくれました。
男の子はいくつかの課題を女の子へ差し出してみました。「もー、宿題を手伝わせるために私を呼んだの?」と女の子が呆れたように尋ねました。男の子は笑いながら「そうじゃないけど、今はそれもアリだなって思ってる」と答えました。女の子も笑ってペラペラと男の子の宿題を見てみました。「すごいね、全然教科書の進み方が違う」と彼女は驚いた様子で言いました。「やりたかったらやっても良いよ」と男の子が冗談混じりに言うと、「遠慮しておく」と女の子は笑って宿題を返しました。
二人は久しぶりに一緒に過ごす時間を楽しみました。お菓子を食べながら、お互いの近況を話し、思い出話に花を咲かせました。男の子は、女の子と過ごす時間がやはり大切だと再確認しました。
「ねぇ、今年の夏休みも一緒に自由研究しない?」男の子が提案しました。「また私が全部やることにならない?」と女の子は笑いながら答えました。「今度はちゃんと一緒にやるから」と男の子は真剣な表情で言いました。
「うん、分かった。じゃあ、何か面白いテーマを探そうか」と女の子は頷きました。二人はまた一緒に過ごす時間を楽しむために、新しい自由研究のテーマを考え始めました。
<自分> 男の子はリベンジとして花、アサガオを植える事にしました。今度こそ2人で育てて花を咲かせるつもりで植えました。夏休みの間だけでも、彼女と何か共通のものを持てる事が彼は嬉しいと思っていました。
<ChatGPT> 男の子はリベンジとして花、アサガオを植えることにしました。前回の経験を活かし、今度こそ二人で育てて花を咲かせるつもりでした。夏休みの間だけでも、彼女と何か共通のものを持てることが、男の子にとって大きな喜びでした。
二人は一緒に土を掘り、アサガオの種を丁寧に植えました。「今回はちゃんと手伝うから」と男の子は宣言し、毎日の水やりや観察記録を分担することにしました。女の子も笑顔で「期待してるよ」と応えました。
日が経つごとに、アサガオの芽が顔を出し、少しずつ成長していく様子を二人で見守りました。彼は、植物を育てる楽しさと、それを通じて女の子と一緒に過ごす時間の貴重さを感じていました。
「見て、つぼみができてる!」ある日、女の子が嬉しそうに言いました。二人は顔を近づけてつぼみを観察し、その成長を喜び合いました。アサガオの成長が二人の絆を再び強くするきっかけとなりました。
夏休みが終わる頃には、アサガオは見事に花を咲かせました。二人はその花を見ながら、これからもずっと友達でいようと誓いました。男の子は、女の子との時間がどれだけ大切か、改めて感じる夏休みとなりました。
<自分> 季節はどんどん巡っていきました。そうしてまたバレンタインの季節がやってきました。男の子は恐る恐る下駄箱を開けました。今年は4つのチョコレートが入っていました。男の子は、どうしたものかと思いつつ、急いで鞄へしまいました……が、またも友人に見られてしまいました。「毎年毎年、お前ばっかり貰いやがってー!」友人の恨みと羨望の眼差しと叫びに彼は苦笑いで逃げました。 男の子はラブレターの返事を書き終えてから自分で選んで買ったチョコレートを持って女の子の家へ行きました。女の子はチョコレートを見て喜びましたが、「でも、私は何もお返しできないよ?」といいます。男の子は、何も要らないから、と言いました。本当は自分もチョコレートに手紙を入れようかと思いましたが、まだなかなか言葉にする勇気がありませんでした。
<ChatGPT>:メモリを更新しました バレンタインの後、二人はまたそれぞれの学校生活に戻りましたが、季節が過ぎるごとに少しずつ変わっていく自分たちの関係に気づいていました。
春が訪れると、二人の育てたアサガオが芽を出し始めました。男の子は学校の課題や部活で忙しくなりがちでしたが、彼女とのアサガオの成長を楽しみにしていました。放課後や週末に彼女の家を訪れることが、彼の心の支えとなっていました。
ある日、男の子はアサガオの成長を見ながら、ふと口を開きました。「このアサガオ、きれいに咲いたら、どこかで一緒に写真を撮ろうよ」。女の子は少し驚いた顔をしましたが、微笑んでうなずきました。
季節が変わり、夏が近づくにつれ、アサガオは立派に成長し、美しい花を咲かせました。彼らの友情とともに、花も一緒に成長してきたように感じました。男の子は心の中で、いつか彼女に自分の気持ちを伝える勇気を持てる日が来ることを願っていました。
<自分> 更に月日は流れ、高校受験が始まりました。男の子はまた両親の期待を背負って名門の高校を受験することにしました。しかし、やはり女の子と同じ学校へは行けそうにはありませんでした。彼女は就職に力を入れている高校へ行くと言っていました。大学へは行かず、そのまま働くのだと言います。彼は彼女こそ大学へ行き、能力に似合った仕事へ就くべきだと思っていましたが、彼女の選んだ選択を応援するしかありませんでした。
<ChatGPT> 男の子は自分の思いとは裏腹に、彼女の選んだ道を理解しつつも、彼女の将来に対する期待と不安が入り混じった気持ちを抱えていました。高校受験の準備が進む中で、彼は自分の将来についても真剣に考えるようになりました。彼女と同じ学校に通えないことが寂しく感じられつつも、それぞれが進む道を支え合いながら、彼らの物語は新たな章を迎えようとしていました。
<自分> 高校へは無事に2人共合格しました。新しい環境に慣れるのに苦労はしましたが、勉強についていこうと思えばあっという間に馴染んでいきました。高校生になってから初の夏休みが始まりました。彼は彼女を遊びへ誘いました。高校生になった彼女は女の子ではなく女性になっていました。彼は彼女へポッキーを差し出した時を思い出しました。それと同時にまた心臓がドキリと脈打ちました。
<ChatGPT> 彼は高校生になった彼女の変化に驚きつつも、一緒に過ごす夏休みを楽しみました。過去の思い出が甦り、彼にとっては感情が複雑なものになっていましたが、彼らの関係が新しい段階に進んでいくことに喜びを感じていました。
<自分> 彼は夏祭りへ彼女を誘いました。そこでようやく彼女の手を繋ぎました。彼女は驚きましたが、同時に微笑んでくれました。祭りの帰り際に2人は昔植えたアサガオの近くで昔話をしました。そして、彼はやっと彼女へ気持ちを伝えました。
<ChatGPT> 彼は長い時間をかけて、夏祭りの特別な夜に彼女に自分の気持ちを打ち明けました。彼らは昔植えたアサガオのそばで昔話をしながら、過去から現在までの思い出を振り返りました。その時、彼は勇気を出して彼女に対して自分の気持ちを伝えたのですね。
<自分> 彼女は、彼の気持ちを受け入れました。通う学校も目指す将来も全く違う2人でしたが、絆は本物でした。
<ChatGPT> 彼女が彼の気持ちを受け入れたことで、彼らの間には特別な絆が生まれました。異なる学校を通うことや将来の目標が異なっていても、その絆は本物であり、二人の関係を強固なものにしましたね。
<自分> その後、2人は高校を卒業しました。彼は大学へ彼女は就職しました。彼女は仕事先で男性からお付き合いを申し込まれる事もありましたが、全て断っていました。彼もお金持ち故か、女性からのアプローチもたくさんありましたが、早く彼女の為に自分も働くことを考えていました。 長い長い付き合いが2人には続きました。そうして、2人は無事に結ばれました。彼女は彼の勧めで大学へ入り新たな挑戦を始めました。彼はやっと彼女を支えることができるようになった事を喜びました。2人の家の庭には毎年アサガオが咲き続けました。 おわり
<ChatGPT> 素晴らしいストーリーですね。彼と彼女の長い付き合いが最終的に結ばれる形となり、お互いの成長と支え合いが描かれています。彼女が彼の勧めで大学に進み、彼も彼女を支える準備が整ったときに結ばれたというのは、感動的で素晴らしいエンディングですね。そして、二人の家の庭で毎年アサガオが咲き続けるというシンボルも、物語に深みを与えています。
<自分> このストーリーにタイトルをつけるとしたら?
<ChatGPT> このストーリーにタイトルをつけるとしたら、次のようなものが考えられます:
「アサガオの約束」
このタイトルは、二人の関係の成長や絆を象徴するアサガオに焦点を当て、幼少期から大人になるまでの長い時間を経ても変わらない二人の絆を示唆しています。
-----------------
と、言う事で完結まで行けたZOY。
ChatGPTはCopilotと違って打ち込んだ文章にどんどん加筆修正していく感じだった。ただ、ChatGPTは使って行くと使用者の使い方を学習していくらしいから、私の癖みたいなもんが影響してる可能性はある。(この物語書く前にも色々やって遊んでたからね、しょうがないね)
ただ、最後辺りから加筆修正せずに、こっちが書いた内容を単純に繰り返すだけであんま意味の無い文章ばっかりになるのは何で?ww ChatGPTも文章を書いてて飽きちゃう、とかあるんか?ww(私は書いてて途中から飽きてたけどもww)
あと思ったのはChatGPTもCopilotも修正加筆が若干くどい感じがする。そこまで文章にしなくても良くない?とか思うが、まぁ私が描写書くのを面倒だと思ってるせいかもしれないけど。
ChatGPTとCopilotの違いとしては回数制限が一番デカい気がする。ChatGPTは無料でもダラダラ会話を続けることができるっぽい。ただ、イラスト生成するには課金しないと無理。Copilotは1つのトピックに対して会話30回までって制限はあるが、イラストの生成も一緒にやってくれる。
この辺で利用者はかなり割れそうだなぁ、とは思ったが、個人的にはどっちでも良いやって感じ。あと通しでこの小説が読めるように一つの記事にまとめてみた→「アサガオの約束 - ChatGPTと書いた小説」
そんな感じで終り。
0 notes
ichinichi-okure · 1 year
Photo
Tumblr media
2023.6.23Fri_kanagawa
10時ごろ起床。今日は17歳でメジャーデビューをしてからちょうど30年目の日。それを記念したライブを東京・吉祥寺 Star Pine's Cafeで行う。満杯で150人くらいのキャパのライブハウスだ。嬉しいことにほぼソールドアウトに近く、ライブ配信でも全国からたくさん観てくれる予定。身が引き締まる。
ここ3ヶ月くらい、不安神経症の一歩手前というか、とにかく心がしんどくて、通院と投薬を繰り返してきた。これまでの人生で一度も無かったことだ。いわゆる「ミドルエイジ・クライシス」じゃないかと、まわりからはたくさん励ましてもらった。でも今はほぼ全快したのではというくらい元気に。たくさん泣いたから、今日がある。男でもね。
そんな今日は、何があっても泣かないぞと決めている。危なくなったら「今、自分は歌いながら💩を漏らしている」と考えることにしている。なんじゃそりゃ。本当に漏らしてもいいから、とにかく最後まで歌い切ろう。
機材と物販を車に積んで出発し、14時過ぎに会場に到着。すぐにピアノ調律の立ち合い。メンバーやスタッフがぞくぞく集まってくる。おのおのセッティングやサウンドチェック。自分はとにかく大忙しでずっと動き回っていたが、細かく書き出すとキリがない。
馴染みのバンドメンバーがお笑いの「阿佐ヶ谷姉妹」のツアーとかぶってしまったので、今日のメンバーはなんと全員が「初演」、つまり僕の曲を初めて演奏するために集まってくれた。ギターは僕と同い年の47歳。ベースはぐっと若くて25歳。それ以外のメンバー3人は30代。平均年齢的にいうとフレッシュだが、我ながらなかなかの実力派を集めることが出来たと自負。
19時半。そんな彼らとの本番が始まった。17歳でデビューしたときは、自分はドラマーだった(ちなみに全ての作曲と、約半分の曲の作詞も担当していた)。そんな曲たちを中心に始めていく。そのバンドの解散以来っぽい、約25年ぶりに来たお客さんのうちの数人はすでに泣き始めている。こっちは、、、意地でも泣かないぞ。
ピアノやアナログシンセを弾きながら、サンプラーをいじりながら、さらに昔のようにドラムを叩きながら、ひたすら歌う。3日後くらいにCMのナレーションと歌の仕事を控えているのと、久々のフルバンド編成ワンマンで喉が持たなくなってきたので、終盤あたりに「すまぬ」と思いながら、ほんの少しだけ声量を抑えにかかる。
序盤は勢いよく、中盤はあえてややグダグダに、終盤は5〜7曲くらい一気に畳み掛ける、というのが自分のお決まりのパターン。MCの7〜8割はとにかくふざける。ライブに来てそのギャップに驚く人は多い。今日はラッキーな場面やメンバーの機転も多くて助けられた。ありがたいことに終始、会場が笑いに包まれる。涙にも。
この30年間の後半は、テレビ・コマーシャルの世界でもたくさん仕事をしてきた。歌唱、ナレーション、作編曲、演奏。アンコールはそのなかでも、CMソングをきっかけにしていちばんお茶の間に広まった曲だ。2ヶ月前のライブではその歌で自ら号泣してしまって、半分までしか歌えなかった。そのくらい心が疲弊していた。しかし今日は最後まで歌い切った!
それは「💩を漏らしている」ことを想像していたからだ。最低な男だ。あとで配信の映像を観たら、その曲だけ自分の笑い声がときおり入っていた。どこまでも最低な男だ。会場は涙に包まれている。それで���いのだ。エンタメの裏側はいつだってハリボテなのだ。
大団円を迎え、終わった、と思ったら、自分が運営しているレーベルのアーティストたちやスタッフから、サプライズのケーキと、6月らしい色の大きな花束。こういうことはあるだろうと思っていたけど、すっかり頭から抜けていて不意を食らった形になり、ちょっとだけ泣いた。
バンドメンバーが立ち去り、最後にステージ上でひとりになって、長い長いお辞儀を。結局そこで、うつむきながら大号泣。途中からそれに気付き始めた会場が、わぁ!っと盛り上がる。台本に無く、アドリブでもない瞬間、これもエンタメなり。
あともうひとつのライブで、バンドの解散寸前から25年間ほど続けてきた「シンガーソングライター」を休止する宣言をしている。これで一生やめてもいいと思っているくらい。これからは今までも携わってきたCM・映画・演劇・ミュージアムなどの音楽、レーベル運営、さらに海外のアーティストとも積極的につながっていくことを念頭に活動するつもりだ。だけど今日のライブでカバーしたのは、Talking Headsの「This Must Be The Place」=「ここが自分の戻る場所」。帰ってくる気マンマンやないかい!  
お客さんたちとの触れ合いを終え、片付けや会場の方との精算などを済まし、機材、物販、いただいたたくさんのお花などを車に積んで、深夜1時くらいにライブハウスを出る。さらにメンバーやスタッフを送り届けて帰宅。車の中のものを家に運んでいると、朝刊を配って回る青年とすれ違う。新聞配達をしていたデビュー寸前の自分を思い出す。ライブやツアーのあとのいつものシーン。酒は飲まず、シャワーを浴び、朝焼けを浴び、明日のタスクを整え、豪快に寝る。
-プロフィール- 青木慶則 47 神奈川県川崎市 ミュージシャン https://www.yoshinoriaoki.com https://twitter.com/ysnraok https://www.instagram.com/yoshinori.aoki.official
Tumblr media
1 note · View note
50sinjar · 1 year
Text
2022→2023
(誓い/違い)などここにはないと飛び込んだ忘れる椅子に腰掛ける旅
秘密忘れて忘れないで
もういらない命なんて
真の伝言もルージュで
戸は一つ、行方は二つ
意志の椅子にキスで岸
額縁に収まる光だけでいい目覚めを知らない愚かな私
装丁した結に向かう本
セオリーを守る演出家
伸びる声そうじゃない
守って守れよ護るから
夜鷹にだってなるわ私
束の間の安堵 曇らせ硝子 反射する点滅 切��かけ電球
有事も無言な待合室で
淋しいとでも言えば?
幾らでも煙は吐くけど
瑞雨降らせと身勝手な
盲信するしかない僕ら
やさしさが透ける神じゃなくても愛される花になりたかった
波打ち際で待ちぼうけ
迷子放送の無い世界で
手を引いて迎えに来て
雪解けばかり恋しがる
破ればすべて叶うのに
正しさに殺されまいと抗って、結局君の正義と死んだ
蜜柑のかけ合わせとか
ボノボの愛情表現とか
宗教学的観点等からの
正しいって何だったの
無神論者運命的大心中
門出だと言われて確か呼び出されあなたの最後の簡単な問
貴方のためと出した鳩
ルビー等価エメラルド
幸せとか死合わせとか
昔愛とか言ったような
はあそんなの知らない
君はただ愛され愚かで美しく、幸せに笑えばよかったのだ
愚かな特別でよかった
思い出せない無かった
僕神になるんだでもね
本当の望みなんだっけ
特別って孤独の事なの
バツばかりの答案用紙に安堵するとか自分のケーキは端だけでいいとか
駄目な自分の証明答案
逃げ出したい幸せから
自身に嘘を突きとおす
焦げたパンだけでいい
水の冷たさが独り痛い
手段からおそらく違う傍らの彼の歌声を知る術がなく
とつとつと牙剥く神獣
軽やかな足取り只管に
明けの明星、翼見えて
雷で告げる明日の産声
永遠に重ならない鼻歌
『はじまり』はやさしさだけで出来ていた果てなき『めでたし』までの歪よ
終われない冗句セット
脚の欠片を装う悪趣味
表記を絡まり合わせて
誰か正誤確認してくれ
正視製紙静止正史生死
欠片毎手の内で愛せる煩わしさ月並みの安心感物足りない
反りが合わない満欠け
一番がよわい重ねても
殺して失う勇気がない
美学とやらに雁字搦め
額がないから飾らない
好き勝手叫んでたって好きだって君からしたら野花の一種
不愉快でないってだけ
お前の知る形で騙るな
花すら言葉の奴隷たち
暴きたくない哀れドキ
満点の君の答え見せて
君を想う花が降る君が僕を見る花が降る(果てしなく)ほら笑って
慎ましい願いたちまち
天と地の間でも歩こう
大人の顔だ。そうです
死んだ後にも夏は来る
やり尽くせない幸せを
一度だけでいい、一緒に抜け出して夜を歩いて。来ない(知ってる)
返してよ、半生、私の
貴方が見ない私の夜は
私専属本音キラーくん
見え透いて中身がない
死んだって終れないよ
暗礁が私を守る、あたたかい、大きな船はここまで来ない
誰の型で抜かれた歌詞
大丈夫だ大丈夫ぐちゃ
過干渉好奇の目消えて
一番普通になりたい私
騙されたって信じたい
遠く未来、生存可能区域にて独りで生きていけたら、逃避
夜に一人で死ぬならば
ダーツ板に突き立つ刃
測れない他人の心など
瞳に映るものだけじゃ
恵まれた宇宙逃避旅行
結晶が囁く愛にEyeに哀に相対している優等なIに
あの輝石にも言えるか
ごめんねもういっかい
導いて母なる瞬きまで
百万光年かけてみせて
月でも何でも終らせる
窓越しに君が取り残す言葉たちどこまで行っても報われないで
可哀想可愛い恋する私
叶わない敵いっこない
君と私以外は終わって
あいしてる引き摺って
きみが悪いよ悪いけど
箱の穴間抜けた指の発砲音殺されたのは誰だったのか
小銭に金貨を混ぜるな
見たなら無にしないで
愛じゃないなら何だよ
お前の世界でしかねえ
墓石に刻む流星の軌跡
歪にしか繋がり得ないピースでも自分が欠けても欲しいと思う
狭い世界の余り者たち
量産品押し付けないで
君の傷の絆創膏が良い
弁当箱の隅を突く痛み
スプーンだけない食卓
0 notes
Text
0874 名無しさん@占い修業中 2022/11/05(土) 17:27:33.44
中居君、>>3の生年月日と時間が正しいならヤバくない?
1
ID:PrQX5/iQ
0875 名無しさん@占い修業中 2022/11/05(土) 22:49:01.55
キンプリ平野くん
水瓶座太陽を含む典型的台形ホロで強運。
太陽と冥王星セクスタイルで
平野くん自体は何があっても人生で復活する人。
山羊座金星、水星がノーアスペクトが純粋さに関係か。
1
ID:lzs+32ct
0876 名無しさん@占い修業中 2022/11/05(土) 23:33:36.08
台形ならなんでもいいというのは違う
前にも書いたけど天秤火星デトリメントと牡羊土星フォールのオポは凶星同士なうえに品位が悪いまずい組み合わせ
火星の良さが発揮されにくく土星の悪いところが強調されながら対立する
それでいてサインを交換するとルーラーとエグザルテーションで品位が良い
松村潔はこの組み合わせを狭量な人間になりやすいと書いていた
たぶん他者を羨んで卑屈になりやすいめんどくさい星回り
調停しているのがトランスサタニアンなので自覚的に制御するのも難しい
人と比べてストレスになるタイプなので芸能界に向く星とは思えないんだよな
ストレス克服するより環境変えたほうが楽に生きられる
誕生日近い目黒も同じ
ID:c0qHa7zs(1/2)
0877 名無しさん@占い修業中 2022/11/05(土) 23:44:20.25
>>875はゴミ付き長文さんでしょ
いつもアスペクトだけのデタラメ占いでage投稿
↑閲覧注意レスの特徴
ID:f7U8dpm7
0878 名無しさん@占い修業中 2022/11/05(土) 23:56:11.06
あーなるほど
ただ日本の芸能界特にジャニーズにいるとどうしても競争原理に巻き込まれるけどアメリカで数字も何も気にせず割り切って好きなことやるならありかも?
平野のリロケーションチャート見てみたい気もするがめんどくさいので誰か気が向いたら教えてw
ID:c0qHa7zs(2/2)
0879 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 00:16:25.37
キンプリに興味なくて今日初めて5人のホロ見たけど適当だから叩かないでね
まず平野
意思決定において平野自身のなかに自己矛盾はなさそう
やりきった上で出した答えだと思う
ただ完全に個人の考えで出��結果とも思えないくらい外惑星に影響を受けてる
この人は運の力というか周囲の力を自分の意思を勘違いしそうな配置
永瀬
5人のなかでたぶん一番現実的な挫折を経験していて、それはこの先も続く
同時に外惑星からの保護もあるので環境に恵まれたり恵まれなかったりの落差は激しい
成長してTスクエアをうまくコントロールできるようになれば何らかの芽は出ると思う
高橋
太陽水星金星が恵まれていて金星は特にインパクトがある
表現することが好きだと思う
月と火星が合に近く土星のオポを受けていることで周囲の助けが必要なときがくる
続きます
ID:QUXL628q(1/3)
0880 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 00:26:27.82
この人は第一印象としては器用
物事の受け入れが早く表現力もある
でもそれが仕事や評価に繋がるかというと少し運勢的に弱い
心の中は平穏で争いは好まないタイプ
海外にこだわる気持ちはたぶん本音
グループ全体に牡羊座に土星を持ってる人が多いなか、天秤に個人天体が集中してる彼はまさに調整役だったりストレス処理の役割が多かったかもしれない
神宮寺
太陽に対するスクエアが外惑星なのでいければいけるしいけなければいけない
芸事に関しては射手で合してる金火頼りであまりバックアップは期待できない
牡羊座土星ありだが月がゆるくオポなので自分事として現状を理解できているかは不明
不動に天体が集中しているのでここ数年は辛い状況だったと思う
金火合はいかにもアイドルらしいけどホロのなかで若干孤立気味なのが残念
ID:QUXL628q(2/3)
0881 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 00:37:09.94
岩橋については脱��後に存在を知ったので割愛します
とにかく牡羊座土星と天秤火星のオポ持ちが3人もいて、滝沢が牡羊座太陽、ジュリーがたしか蟹座太陽でt山羊に木星土星冥王星が順に通過していたことを考えれば当然の結果かと
冥王星の山羊から水瓶への移動でしんどくなるのが平野、高橋、神宮寺
ID:QUXL628q(3/3)
0882 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 01:42:54.12
スノストなにわどうですか
ID:Rr8DqdPL
0883 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 02:10:58.37
クレクレホイホイ
ID:439vhM9a
0884 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 20:57:58.56
>>874
8日の満月天王星の食がACDCライン、
MCにT冥王星って…
松ちゃんとの忘年会の約束果たされるといいなと本気で祈るよ。
5
ID:TAD1xdlM
0885 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 21:36:51.63
>>884
その組み合わせで思い出すは貴乃花の相撲協会退職&部屋の消滅…
しかも中居くんの場合、そのどちらもがノード絡み…
n6室カスプ冥王星(スクエア8室木星)のオポ位置をt木星がウロウロ…
他にも気になる点が盛りだくさんで心配になる
1ヶ月と言わず完治するまで休んで生活習慣を見直してほしい
ちゃんとキロンリターンを迎えてほしいです
ID:mXnjkv9K
0886 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 21:48:06.00
>>884
菊池風磨が3年後になるって
言われてた奴じゃん
中居くんは病気だけど
風磨が心配になってきたな
1
ID:RU80AQiC
0887 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 22:08:50.05
>>884
菊池風磨が3年後になるって
言われてた奴じゃん
中居くんは病気だけど
風磨が心配になってきたな
ID:ASf22rGO(1/2)
0888 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 22:57:31.08
>>884
ああそれは…。゚(/□\*)゚。
ID:iZm5GNdn(1/2)
0889 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 23:18:56.38
>>884
今度の8日が峠なの?
心配だな
頑張れ中居くん
1
ID:ASf22rGO(2/2)
0890 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 23:38:47.37
占えない雑談だけの連投キモ
1
ID:SFdXQkyG
0891 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 23:53:02.07
>>890
じゃあ君こそ占ってくれたまえ
ID:iZm5GNdn(2/2)
0892 名無しさん@占い修業中 2022/11/06(日) 23:56:34.33
占ってるから言ってんのw
ID:k9cay4d8
0893 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 00:22:04.96
mcにトラサタがトランジットで来るのは本当に怖い
安倍元首相はt天王星がネイタルmc合で尚且つascにスクエアのタイミングでお亡くなりになった
中居クンは幸いにもアセンにはスクエアにはならない
でも生き甲斐であろうmcがやられてしまうのは辛いな
ID:FgoWRXRv(1/2)
0894 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 00:34:18.88
あんな国賊は本来獄死レベル
1
ID:XB5I8JUg
0895 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 00:37:22.65
>>894
ジュリー工作員氏ね
ID:FgoWRXRv(2/2)
0896 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 00:57:05.37
中居くんじゃなくて阿片商人壺三のことでしょ
ID:42ipCYv+
0897 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 01:42:11.32
>>889
食の影響は半年続く、って言うね。
N太陽月が巻き込まれてないから最悪の事態にはならないと思いたいけど。
MCにNドラゴンヘッド合でそこにT冥王星だったのか、そうなのか…
ID:1LD7ZYnz(1/2)
0898 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 01:56:58.19
8日が峠とか何気に不謹慎なレスだなおい
ID:Hljiue7K
0899 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 02:09:49.50
>>886
風磨くんの2024年かな、
ACにT天王星→N金星合のMCにT冥王星の流れ。
働き方変えそうだと思った。
ID:1LD7ZYnz(2/2)
0900 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 08:22:15.31
8日ほ安倍の月命日
ID:7ylxFxDH
0901 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 11:37:22.69
犯罪者と被るのはちょっと
ID:k3Yjv2kO
0902 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 16:37:28.29
コメント順
東山紀之、退所決めたキンプリ3人に「夢に向かって羽ばたいて」 〝ジャニーズ激震ウイーク〟語った
https://news.yahoo.c...c0bb75988db2cb49569d
関ジャニ・丸山隆平「受け入れていくのに年単位で時間かかる」 経験元にキンプリへ“エール”
https://news.yahoo.c...3c5c45b3280bc560d522
中丸雄一、3人脱退&退所発表のキンプリにエール「みんな本当にいいやつ」【ほぼ全文掲載】
https://news.yahoo.c...ca55d1a71e43ca7c0056
TOKIO国分太一「寂しいし残念だけど…全力で応援」 番組共演の岸、キンプリへの言葉に…ファン感謝
https://news.yahoo.c...1fe10bddfeaead764bb6
風間俊介 3人脱退発表のキンプリに「寂しいし、ショック」も「5人がすごく好き。全員平等に応援したい」
https://news.yahoo.c...a4e5fc604468c2626319
ID:XWS+CBV5
0903 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 20:30:26.76
森本慎太郎が大殺界でデビューしてるんだけど退所しないか大丈夫か見てもらいたいです!
<SixTONES> 2015年結成/デビュー2020/01/22
髙地優吾 1994/3/8 神奈川県
京本大我 1994/12/3 東京都
田中樹 1995/6/15 千葉県
松村北斗 1995/6/18 静岡県
ジェシー 1996/6/11 東京都
森本慎太郎 1997/7/15 神奈川県
2
ID:MGoY8xFc
0904 名無しさん@占い修業中 2022/11/07(月) 20:39:00.75
ネイタルでどのくらい外惑星に慣れてるかもあるよね
ネイタル合とかオポとかスクエアの外惑星持ってる人はトランジットできても扱い慣れてる
ID:d+UIrYrq
0905 名無しさん@占い修業中 2022/11/08(火) 04:05:47.00
>>903
大殺界も鑑定依頼も板違い
ID:fgCpc1zR
0906 名無しさん@占い修業中 2022/11/09(水) 15:14:20.51
れんれんとジュリーさんの相性がやばい
悪いこと言わないから離れた方がいい
超悪縁だし身も心もボロボロにされるよ
もう既にされてるんだろうけど
ID:6BTKQiSN
0907 名無しさん@占い修業中 2022/11/09(水) 17:04:33.39
え?どういうこと?
ID:vcD7y00Z
0908 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 01:41:40.94
キンプリ存続を選んだ2人
2026年頃のライツが意味ありげ
高橋n太陽t土星合にn月t冥王星スクエア
永瀬もn太陽t冥王星合にn月t土星合
何か一新させるような事があるんじゃないかな
責任ある大仕事ととれなくもないけど、月の様子をみると辛い時期になりそう
プログレスを見ると高橋が2026年にp土星星座移動、永瀬も2026年にp太陽星座移動
やはり2人同時期に転機がくる
2
ID:xtYyxvUr
0909 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 18:55:15.99
>>908
永瀬、年明けにp太陽とp月が合
案外早く決断をひるがえすことになるかもしれん
ID:v2+P36x1(1/2)
0910 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 19:30:11.31
プログレスの新月か
それだけで覆すとも思わないけど30年に一度のリセット心機一転ゼロスタートの気分かな
プログレスの月って具体的に何というより気持ちの持ち方なのでハウスが重要じゃない?
1
ID:z50BFl+9(1/5)
0911 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 19:32:15.58
いずれにしても2人ともすごいタイミングの星回りだね
ID:z50BFl+9(2/5)
0912 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 19:52:03.48
>>903
占いじゃないけど漏洩から京本森本の名前出てるらしいね
1
ID:68A7H8q2(1/2)
0913 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:00:29.36
自分の答え合わせになるけど
>>826
>>848
神宮寺の未来で棒3はタッキーの方にも書いたけど新しい冒険の旅立ちってこと(正逆でほぼ同じ意味)だったのかと
>>825
の友達というのは岸くんなのかな
ちなみに内情とかは全く知らないです
ID:68A7H8q2(2/2)
0914 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:06:41.27
>>910
これが起こるのが11ハウス
やはり海外なのか
1
ID:v2+P36x1(2/2)
0915 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:23:52.57
海外は9ハウスでしょ?
11ハウスは人間関係やコミュニティを表す場所だから、メンバー脱退として出たんじゃないの?
ID:07pTBcSy
0916 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:34:12.51
11ハウスってもう仕事への欲は無くなって仲の良い人に囲まれて余生でも送りそうよ
ID:z50BFl+9(3/5)
0917 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:35:42.16
ジャニ辞めるって意味じゃなくて仲良しクラブ的なジャニのぬるま湯で一生安泰モードでは
ID:z50BFl+9(4/5)
0918 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 20:39:09.51
気持ち的にはぬるま湯で楽しく穏やかに生きたいのに>>908がやってくるかと思うと可哀想
ID:z50BFl+9(5/5)
0919 名無しさん@占い修業中 2022/11/10(木) 22:22:28.33
海外は9室だよね
ID:5eeIg3AZ
0920 名無しさん@占い修業中 2022/11/11(金) 00:39:01.04
タッキー面白いね
裏に置いといたのもったいない逸材
ID:1JL/8s8M
0921 名無しさん@占い修業中 2022/11/11(金) 01:37:38.26
先週King&Princeのことで発表させて頂いた。2023/5/22をもって5人での活動を終了します。
驚かせてしまって申し訳ありません。
僕たちはデビューしてから、僕の肌感覚としては全員がこれだけ集まってよく話し合ってるグループは他になかったと思っている。
歌の衣装から何から、細かいことまで本当によく話した。
5周年に向かってより深く話をする機会が増えた。その中で海外を含め活動に対する個々の思いが少し違うなと全員が感じていた。
初めて3人の想いを聞いたのはグループ仕事の終わりで「実は辞めたいと思ってる」と言われた。
理由は発表したコメントの通り。
ここまでやってきて、でもこれからだし、個人仕事もあって、やりたい事もやらせてもらっていた部分もあった。
俺はそう思ってた、3人がどう思ってたかはわからない。
3人がそう思ってたことに気付きもしなかった。辞めたいという言葉もショックだし気付かなかったこともショックだった。
何してたんやろう俺と思った。もちろん止めたけど、3人の意志は硬かった。
語気が強かったわけじゃないが意思が伝わってきた。
俺らに言う前から各々いっぱい考えて、考えた結果だからこそ伝えてきたと思う。
そうは言われても納得はできないから「やろうよ」と言った。
せめて2~3年一緒にやろうよとか、いろいろ言ったけど気持ちは変わらず、5人で事務所に伝えに行った。
事務所の人も止めたが気持ちは変わらず3人は辞める形になった。
これがいきさつ。退所日についても、5/22それくらいに辞めたいと3人は言っていた。
ID:Kpjrt0RS(1/4)
0922 名無しさん@占い修業中 2022/11/11(金) 01:38:00.59
俺と海人はどういう風に折り合いをつけるか悩んで、3人は悩んで俺らに伝えてきてくれたのだからと、3人の気持ちを尊重した。
もう飲み込むしかなかった、それが当時の正直な体感。
各々の人生だから、縛られる必要もないし、好きなタイミングで好きなことをやるべき。そう思う反面、辛い。
今回の件を通じて、特に紫耀とはずっと一緒だけど人間関係は難しい、
長く一緒にいてもわからないことがある、その人の心の深いところには触れられないんだと思った。
3人が退所したいと言ってきてから発表するまでは早かった。
(うーん言葉が難しいなと言いながら)俺らも2人になる。
2人で活動していくのは怖い、不安。年少組だったのに俺が最年長になる。
年上のメンバーにいつも助けてもらってたから、悲しいし想像ができない。
0 notes
shukiiflog · 7 months
Text
ある画家の手記if.124+  告白
今日は絢が帰ってくる日だから、空港まで香澄と一緒に車で出迎えにいく約束をしてる。
絢の留学期間、長かったような短かったような。 かすみの金魚鉢の上にかけたカレンダーを香澄と二人で今日まで一日ずつめくって破っていって、今朝で最後の一枚を破った。 カレンダーは絢が帰ってくる日にきっかり全部なくなるように僕が全ページ分を描いて作った。 日付と一緒に毎日違う絵が入ってて、かいじゅうくんだったり絢だったりかすみだったりノエルだったり香澄だったりする。 作ったのは絢が留学に行って少しした頃。香澄はひどく沈んではないけど、きっと寂しいし心配だろうなと思って。 心待ちにしてる日までカレンダーに毎日バツ印をつけていって気を紛らすって話を講師をやってた頃の生徒に聞いたから、それの応用。 作ったら、現在から絢が帰ってくる日までが紙の量として可視化されるし、絢のことを思い出さずにはいられない仕様だから、吉と出るか凶と出るかわからなかったけど、無事今日まで毎日めくられて終わった。最後の日、今日の絵は絢が香澄のところに帰ってきた絵だ。 一枚で完結してる絵が多いけど、途中で唐突に次の日に展開がつづくパラパラ漫画みたいなのが始まったりするようにもした。今日より先のぶんの絵をめくってフライングで見ちゃおうとする香澄を僕が「それは禁止」って笑って止めに入って香澄の体を担ぎあげてってカレンダーから遠ざけたり。そんなふうに楽しく過ごしてるうちに今日になった。 絢がいない間、少しは香澄に毎日楽しみなことを増やせたかな。
夏の間、僕は家ではろくに服を着てなかったけど、今日はそんなわけにもいかないから買ったばかりの麻のシャツを着た。 なんとなく、住まいに自分の着る服の傾向や雰囲気を合わせる癖があるかもしれない。合ってないと場違いな存在みたいで住居にいてもちょっともぞもぞする。 前のマンションでは家で一人でくつろいでてもちゃんとした��ャツとかを着てたし、それより前のアトリエでは古着の伸びきったカーディガンとかを愛用してた。今住み始めたばかりのこの家は、麻とか木綿とか天然素材みたいなのが合う気がする。 でも夏の服をあんまり持ってないのは僕が夏っぽい格好が似合わないから。 昔、情香ちゃんちでメンズの半袖ティーシャツを借りて着たら情香ちゃんに深刻な顔で「似合ってない」って呟かれてティーシャツ脱がされたりもした。学生時代に慧の部屋で着替えがなくて慧のタンクトップを借りて着てたら帰ってきた慧が問答無用で僕の着てるタンクトップの端からハサミを差し込んで器用に一瞬で真っ二つに服だけ切り裂かれたこととかもある。 …とにかく僕と夏はなにかちぐはぐらしい。
昼前には家を出るから、あと少しの時間をリビングのソファに寝転がって過ごす。 みのむしくんの包装は終わってる。家を出るまでにもう少し時間があれば絢にあげるお菓子とかプレゼントとかなにか作れたかもしれないけど… みのむしくんの包装紙とかリボン用にインクを刷る道具はうちのアトリエには備えてなかったから、そのために版画工房のある山雪の家に久々に訪ねていった。山雪から「香澄ちゃんにプレゼントなの?」って訊かれたから「いや、殺したい相手へのプレゼント」って答えたら溜め息つかれた。殺したい、っていう言葉と僕の中の感情にも、なんだかズレがあるなと思う。 部屋から出てきた香澄が僕の寝てるソファの横の床にちょこんと座って、一緒に抱いてきたノエルを自分のとなりにきちんと座らせてる。 「ノエルは座布団に座らせるのに香澄は床の上なの?」 僕が背後から香澄の頭に手を乗せて訊いたら、香澄は僕のいるソファに背中を凭れさせて僕の体の上に頭と首をのけぞらせてこっちを見る。 「ノエルはいいこだから座布団に座るの。直人が珍しく服着てる」 僕のシャツの裾を白い指先がつまんでみてる。 「髪が伸びたね」 「直人もね」 香澄の髪の毛はつやつやしてて癖にもまとまりがあるからただ下ろしてても綺麗。僕の髪も癖があるけど癖に力がなくて、つやが少なくて色も質感も鈍くて、伸びた麺類とか言われたことがある。ちゃんと洗って乾かすようにしてもそこは変わらないらしい。 「おいで」 ソファから少しだけ上半身を浮かせて香澄の方へ両手を伸ばす。香澄が条件反射みたいに僕の方に体の向きを変えて抱きやすくしてくれる。 香澄の脇に手を差し込んで体を持ちあげる。よくやってることなのに普段よりえらく軽くてそのまま全身の体重をほぼ手先だけで抱えてしまった、とりあえず僕の体の上におろして座らせる。 「俺乗ってて重くない?」お腹の上に乗っかってる香澄が訊いてくる。 「重くないよ。…香澄ちょっと痩せた?」体重の増減は目視でけっこう分かってるつもりだった… 「俺はそんなに変わってないよ、直人に筋肉ついたから軽かったのかも」 香澄が上から体を手でなぞってくる。 もともと筋肉がつきやすいし絵を描いてると勝手に体が鍛えられるけど、最近特に集中的に鍛えられたかもしれない、みのむしくんの木彫で。 香澄の手がシャツの下に入ってきた。 「腹筋割れて盛り上がってる、俺こんなふうになったことないかも」 「指先の感触だけだと大げさに感じるんだって、ちょ、香澄、」 じゃあ見てみるって言いながらシャツのボタンを外されて、なぞってた部分に唇を押し当てられる くすぐったい シャツの下の肌のあちこちにキスされてるうちに体が熱くなってきた、ソファの上で香澄に上に乗られて押さえられてるから動かせる範囲で体を捩ってもぞもぞさせる ソファから浮いて少し反った背中に香澄の片腕が通る、背中を抱え込まれて今度は唇にキスされる 「……ふ、…ぅ」 あんまりしてると止まらなくなっちゃうなって思うけどもう遅いような気がする、キスしてる唇を開けて香澄の口内を舌で舐め上げた 応えてくる舌を絡み合わせながら香澄の背中に手を回す、顔あつい… ソファの上で香澄の体をぎゅっと抱きしめて引き寄せて、浮かせた腰を香澄の腰に擦り付ける 「直人、したくなっちゃった…?」 意外そうな顔して訊いてくるから抗議のつもりで香澄の肩口にはむはむ噛みつく 今からベッドに行ってたらさすがに時間ないか遅刻するな… それでも何もしないでいられなくて、香澄にぴったり抱きついたまま腰を動かして服の上からの刺激だけでどうにか満足しようとする 反った首筋に香澄の舌が這う  耳まで舐め上げられてから唇と唇があう   午前の清々しい空気と明るい光に妙にそぐわない、ソファの軋む音、淫らな衣擦れの音、求めあう唇のたてる水音、乱れてうわずった湿った喘ぎ声
その時ケータイのアラーム音が鳴って 一瞬で二人とも我にかえった。
…僕のじゃなくて香澄のケータイだ。 横のテーブルの上のケータイのアラームを止めてから、香澄と僕で顔を見合わせる。 「…そろそろ空港に向かわなくちゃね」そのために設定してたアラームだったみたいだ。 僕は笑ってソファから立ち上がって、ちょっとやらかしたみたいな顔してる香澄の頭を髪を梳くように撫でて宥めてから脱衣所に向かった。 髪の毛結び直さないと。あと下だけちょっと汚したかもしれないから履き替えに。
そのあと二人で駐車場に行って車に乗ろうとするけど、花壇の段差で足滑らせそうになったりポストの中身を回収しようとしてぼたぼた郵便物を落っことしたり、注意力散漫になった僕がミスだらけなのを心配して香澄が運転してくれることになった。 運転中に、香澄の運転で乗せてもらうの初めてだねって口にして、直後に僕が覚えてないだけで初めてじゃなかったかもしれないことを思い出す。 病院で目が覚めたとき、僕は救急車で来たんじゃなくて香澄の運転する車で運ばれてきたんだっていうようなことをたしかあのとき看護師さんが言ってたから。 あの頃、香澄は突然現れた絢に会って、絢が香澄に話したことをきっかけに僕が香澄に話をして、それで僕が気絶して… 結局僕には分からないまま、今日になってしまってる 香澄の自傷の原因や理由 治してくれたのは絢だ 僕じゃない 絢が永遠に香澄を守ることはできないから僕がなんとかできなきゃいけなかったのに 自傷が始まった最初のときのことを鮮明に覚えてる あれはきっと僕のせいだった 半端に零した僕の過去が 僕が香澄を大事にしようとすればするほど、癒したいと思ってなにかするほどに、事態は拗れて この先もずっと、僕は愛し方に重大な欠陥を抱えたまま 香澄を傷つけるのかと 思って それを許し合えって そう言ってくれたのは慧だった 救われたのに、その慧も、それまでの自分を丸ごと捨てていってしまった 僕のことも、香澄のことも 言ってくれたことも、捨ててしまった? あのとき僕を救ってくれた言葉も 余計なことを考えようとした頭を振って気持ちを切り替える。 あのとき絢が僕たちに会いに来てくれた。 今僕らは少しでも早く絢に会いたくて、二人で一緒に出かけてる。
.
1 note · View note