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The reading of all good books is like a conversation with the finest minds of past centuries.
-René Descartes
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Biblio~K.マルクス『資本論』を読んで~
カールマルクス著F.エンゲルス編集の大著『資本論』を読みきりました。まともに読むと約3000頁あり、読了に2ヶ月弱かかるこの本は20世紀最も人々に影響を与え、そして最も勘違いされ利用されてきた書物でもあります。
今回はこの本がどのような時代背景をもち描かれ、そして何を目指していたのかを簡単に解説します。この本は一言で言うと「資本家による搾取メカニズムを解明するもの」であります。
時代は遡ること150年前の産業革命直後に資本論は書かれました。産業資本主義誕生したてのイギリスロンドンでは児童労働、超長時間労働、職場衛生環境の腐敗が激化していましたから、労働者の権利が守られることは極めて困難でした。18世紀初頭にアダムスミスが「国富論」を書き、リカードらによって固められた市場原理主義経済学の基盤は当時の封建制度の元ではリベラルな思想でした。後にイギリスでは産業革命を迎え国民が権利を手に入れ、その中でも覇権を得て行ったのはブルジョワ階級(資本家階層)でした。資本家は紡績工場や製造業を営みながら、低賃金で労働者を雇っていきます。人類は前代未聞の市場原理主義の波に飲まれ、資本家は利潤(剰余価値)の追求に追われ労働者を搾取していきます。労働者は生活するために必死に働き生活費(生活手段)を稼ぐために、現代では想像できないほどの長時間労働に身を投じていきます。市場原理主義的経済学はブルジョワ階級を擁護するための学問として転化され、プロレタリアート(労働者階級)の権利などありませんでした。そこで階級格差はいかにして生まれるのか、プロレタリアートのために現在自分たちが身を投じているその搾取構造を解明し、疑問を突きつけたのがマルクス『資本論』だったのです。
資本論は大きく分け3部構成になっています。
第1部では物とは何か、貨幣とは何かを解明しつつ、生産プロセスにおいて資本家がどこで利潤(剰余価値)を生んでいるのかを解説しています(正直ここの部分だけでも読んでいただきたい)。
第2部では生産工程をどのように回せば最大限利益が生まれるのか、その考察を実施します。拡大再生産(生まれた剰余価値を消費ではなく設備投資に当てる)をいかにして行うかを解説します。
第3部では土地所有する資本家が小作人に土地を貸し出す上でどのような搾取構造が生まれるのかを解明していきます。
この非常に簡素なレビューですか、現代のミクロ・マクロ経済がフォローできていないメカニズムに言及していることがご理解いただけると思います。この本は21世紀に生きる私たちが読むべきなのでしょうか?その意義は私は大いにあると考えます。マルクスが資本論を通じて語りかけてくることはミクロ経済、マクロ経済では決して描かれることのない視点だからだけでなく、労働者が生んだ利潤を資本家に吸収されているそのメカニズムが現代の搾取構造に実に酷似しているからです。全巻とは言いません、ぜひ第1部だけでも読んでみてください。市場が自然と存在し、資本家と労働者側が暗黙のうちに作り上げられている現代の主流経済学の生みの親アダムスミスが現代の資本主義を見て「こんなはずではなかった」と言うはずです。きっと第1部を読みきったあなたはこれまでになかった斬新なプロレタリアートとしての視点を持っているでしょう。
マルクスは資本論の第1部を結ぶにあたって「資本制的私的所有の弔いを告げる鐘がなる」と告げています。資本家と労働者の間の格差が大きくなれば、いずれ労働者たちは蜂起すると言うことです。マルクスが予言した通り市場メカニズムは膨張を続け、何度も恐慌を迎えその市場をグローバル化してきました。しかし、市場メカニズムが完全に動く状態を前提とする新古典派経済学は、マルクスのように制度としての資本主義を語ることができません。これからの私たちは貧富格差を是正し、社会主義という形ではない新たなる価値体系を生み出していかなければいけません。現代の過剰なほどの市場主義経済にストップをかけましょう、これまでの経済の常識を疑いましょう。『資本論』はマルクスの描けなかった現代に生きる私たちにそう訴えかけているのではないでしょうか?
搾取構造に抗う術、恐慌の波に抗う術は労働者が学問を身につけていくしか方法はないのです。
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