Tumgik
#デオキシヘモグロビンA
wishikawa · 4 months
Text
世界で初めてのヘモグロビン・サーモダイナミックス (5)
書き換えた"世界で初めてのヘモグロビン・サーモダイナミックス(5)"
(2)オキシヘモグロビンAから(3)デオキシヘモグロビンFへの酸素分子の移動 Aはお母さんを含む大人(Adult)を意味し、Fは胎児(Fetus)を意味します。
お母さんから胎児への酸素分子の移動が自発過程であることについて説明します。
人の血液のpHは6.8~7.8、 (4)デオキシヘモグロビンAのpKaは8.2、 (2)オキシヘモグロビンAのpKaは6.96、 (1)logP₀と(2)logP₀または(3)logP₀と(4)logP₀は近似するものと想定します。
お母さんから胎児に酸素分子が移動する際、 (2)オキシヘモグロビンAと(3)デオキシヘモグロビンFとから (4)デオキシヘモグロビンAと(1)オキシヘモグロビンFとを生じます。
そして、その酸素分子が移動する際に生ずるギブスエネルギー変化(⊿G)の総和(ΔrG₀total )が負の値になることを説明します。 ⊿G=ーRTlnP=ー2.3RTlogPであるからlogPについて論じることで⊿Gについての判断が可能となります。
ΔrG₀total = ー2.3RT[{(3) logPー(1)logP }+{(2) logPー(4)logP }] = 2.3RT[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]< 0
ΔrG₀total = 2.3RT[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]< 0 (1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域を除く、全てのpH領域でΔrG₀total 値変化の総和 が負の値です。
ΔrG₀total = ー2.3RT[{(3) logPー(1)logP }+{(2) logPー(4)logP }] =2.3RT[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]= 0 (1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域でΔrG₀total 値変化の総和 が零(0)です。
pH値変化と(1)~(4)logP値変化との関係はfig-2から読み取ることが出来ます。 pH値変化と[logP値変化の総和 X (ー1)]=[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]との関係はfig-3から読み取ることが出来ます。
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域を除く全てのpH領域
(2)オキシヘモグロビンAから(3)デオキシヘモグロビンFへ酸素分子が移動する際、 (1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域を除く全てのpH領域内で[logP値変化の総和 X (ー1)]=[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]が負であるから、 ΔrG₀変化の総和 は負となります。
ΔrG₀total = ー2.3RT[{(3) logPー(1)logP }+{(2) logPー(4)logP }] =2.3RT[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]< 0
このことは当該水溶液中の酸素分子が移動する際における、 溶質のギブスエネルギー値変化の総和が負の値となる事を類推出来ることを意味します。
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域を除く、全てのpH領域でΔrG₀total 値変化の総和 が負なので、 水溶液中における溶質のギブスエネルギー値変化の総和(ΔrG₀aqtotal<0)も負になります。
(1)pKa~(2)pKaにおいてΔΔrG₀total <0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも異なる絶対値において負の値になります。 (2)pKa~(3)pKaにおいてΔΔrG₀total =0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも零(0)になります。 (3)pKa~(4)pKaにおいてΔΔrG₀total >0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも異なる絶対値において正の値になります。
ここで水層のpH値が変動する際の溶質のギブスエネルギー値の変動についてもう少し検討します。 溶質とイオン化した溶質とでは水層中で示す性質と、有機層中で示す性質には大きな違いがあります。 イオン化した溶質は水層中で強く良溶媒和を受けてギブスエネルギー値の低下に貢献します。 イオン化した溶質は有機層中で強く貧溶媒和を受けてギブスエネルギー値の上昇に貢献します。 イオン化した溶質の両層に於けるギブスエネルギー値の差は、溶媒和の相違により非常に大きくなります。
ボルツマン分布から有機層に移動するイオン化した溶質の量(分子の数)は非常に小さくなり、実質的には零になります。 そのことはイオン化した溶質は有機層でのギブスエネルギー値の上昇に貢献できない事を意味します。 即ち、水層でpH値が変動しても実質的に有機層での溶質のギブスエネルギー値に変動を齎(もたら)すことがないことを意味します。 有機層中での溶媒和に変動がないからです。 ΔrG₀orgtotal=0 ΔΔrG₀orgtotal=0 結果として、水層のpH値が変動する際の水層と有機層とに於ける溶質のギブスエネルギー値の差の変動は、 全てが水層に於ける溶質のギブスエネルギー値の変動に起因することになります。 水層中での良溶媒和には大きな変動が生じているからだす。
そうするとΔrG₀total = ΔrG₀orgtotal + ΔrG₀aqtotal = ΔrG₀aqtotal ΔrG₀total = ΔrG₀aqtotal となります。 fig-3中に於いて 黒色の実線で表したΔrG₀total を見て下さい。 ΔΔrG₀total はpH値の上昇に伴うΔrG₀total の傾きになります。 (1)pKa~(2)pKaにおいてΔΔrG₀total <0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも同じ絶対値において負の値になります。 (2)pKa~(3)pKaにおいてΔΔrG₀total =0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも零(0)になります。 (3)pKa~(4)pKaにおいてΔΔrG₀total >0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも同じ絶対値において正の値になります。
logP値は水層と有機層との存在を前提に示される数値であるにも拘らず、 水層のpH値が変動する際のギブスエネルギー値の差の変動は実質的に全て、 水層でのギブスエネルギー値の変動に帰することになります。 そのことは血液中でのヘモグロビンの熱力学的考察には好都合となりました。
(2)オキシヘモグロビンAと(3)デオキシヘモグロビンFとから(4)デオキシヘモグロビンAと(1)オキシヘモグロビンFとを生じる際の化学反応に基づくギブスエネルギー値の変化の総和
(2)オキシヘモグロビンAと(3)デオキシヘモグロビンFとから (4)デオキシヘモグロビンAと(1)オキシヘモグロビンFとを生じる際の、
酸素分子の移動を伴う化学反応に基づくギブスエネルギー値の変化の総和は、事実上相殺関係にあることから考慮しないものとしました。
(2)オキシヘモグロビンAから(3)デオキシヘモグロビンFへの酸素分子の移動
pH値の変動に基づく、当該酸素分子が移動する際の出発物質と生成物のギブスエネルギー値の変化を考慮の対象としました。
(2)オキシヘモグロビンAから(3)デオキシヘモグロビンFへの酸素分子の移動は、 (1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域を除く、
全てのpH領域で自発的に進行する過程(自発過程)であります。 即ち人の血液のpH領域内では常に自発過程となることを説明しました。
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域では化学平衡が成立します。
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域では[logP値変化の総和 X (ー1)]=[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]が零(0)であるから、 ΔrG₀total 値変化の総和 も零(0)になります。 ΔrG₀total 値変化の総和 が零(0)なので、水溶液中における溶質のギブスエネルギー値変化の総和(ΔrG₀aqtotal)も零(0)になります。
ΔrG₀total = ー2.3RT[{(3) logPー(1)logP }+{(2) logPー(4)logP }] =2.3RT[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]= 0 (1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域でΔrG₀aqtotal 値変化の総和 も零(0)です。
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域でも、 (2)オキシヘモグロビンAと(1)オキシヘモグロビンFとの濃度が等しくなるまでは、 (2)オキシヘモグロビンAから(3)デオキシヘモグロビンFへ酸素分子が移動する可能性があります。
しかし、(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域は、 人の血液のpH領域以外のpH領域なのでこれ以上の議論をする必要はありません。
Tumblr media Tumblr media
0 notes
wishikawa · 8 months
Text
世界で初めてのヘモグロビン・サーモダイナミックス (5)
(2)オキシヘモグロビンAから(3)デオキシヘモグロビンFへの酸素分子の移動 Aはお母さんを含む大人(Adult)を意味し、Fは胎児(Fetus)を意味します。
お母さんから胎児への酸素分子の移動が自発過程であることについて説明します。
人の血液のpHは6.8~7.8、 (4)デオキシヘモグロビンAのpKaは8.2、 (2)オキシヘモグロビンAのpKaは6.96、 (1)logP₀と(2)logP₀または(3)logP₀と(4)logP₀は近似するものと想定します。
お母さんから胎児に酸素分子が移動する際、 (2)オキシヘモグロビンAと(3)デオキシヘモグロビンFとから (4)デオキシヘモグロビンAと(1)オキシヘモグロビンFとを生じます。
そして、その酸素分子が移動する際に生ずるギブスエネルギー変化(⊿G)の総和(ΔrG₀total )が負の値になることを説明します。 ⊿G=ーRTlnP=ー2.3RTlogPであるからlogPについて論じることで⊿Gについての判断が可能となります。
ΔrG₀total = ー2.3RT[{(3) logPー(1)logP }+{(2) logPー(4)logP }] = 2.3RT[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]< 0
ΔrG₀total = 2.3RT[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]< 0 (1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域を除く、全てのpH領域でΔrG₀total 値変化の総和 が負の値です。
ΔrG₀total = ー2.3RT[{(3) logPー(1)logP }+{(2) logPー(4)logP }] =2.3RT[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]= 0 (1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域でΔrG₀total 値変化の総和 が零(0)です。
pH値変化と(1)~(4)logP値変化との関係はfig-2から読み取ることが出来ます。 pH値変化と[logP値変化の総和 X (ー1)]=[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]との関係はfig-3から読み取ることが出来ます。
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域を除く全てのpH領域
(2)オキシヘモグロビンAから(3)デオキシヘモグロビンFへ酸素分子が移動する際、 (1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域を除く全てのpH領域内で[logP値変化の総和 X (ー1)]=[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]が負であるから、 ΔrG₀変化の総和 は負となります。
ΔrG₀total = ー2.3RT[{(3) logPー(1)logP }+{(2) logPー(4)logP }] =2.3RT[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]< 0
このことは当該水溶液中の酸素分子が移動する際における、 溶質のギブスエネルギー値変化の総和が負の値となる事を類推出来ることを意味します。
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域を除く、全てのpH領域でΔrG₀total 値変化の総和 が負なので、 水溶液中における溶質のギブスエネルギー値変化の総和(ΔrG₀aqtotal<0)も負になります。
(1)pKa~(2)pKaにおいてΔΔrG₀total <0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも異なる絶対値において負の値になります。 (2)pKa~(3)pKaにおいてΔΔrG₀total =0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも零(0)になります。 (3)pKa~(4)pKaにおいてΔΔrG₀total >0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも異なる絶対値において正の値になります。
ここで水層のpH値が変動する際の溶質のギブスエネルギー値の変動についてもう少し検討します。 溶質とイオン化した溶質とでは水層中で示す性質と、有機層中で示す性質には大きな違いがあります。 イオン化した溶質は水層中で強く良溶媒和を受けてギブスエネルギー値の低下に貢献します。 イオン化した溶質は有機層中で強く貧溶媒和を受けてギブスエネルギー値の上昇に貢献します。 イオン化した溶質の両層に於けるギブスエネルギー値の差は、溶媒和の相違により非常に大きくなります。
ボルツマン分布から有機層に移動するイオン化した溶質の量(分子の数)は非常に小さくなり、実質的には零になります。 そのことはイオン化した溶質は有機層でのギブスエネルギー値の上昇に貢献できない事を意味します。 即ち、水層でpH値が変動しても実質的に有機層での溶質のギブスエネルギー値に変動を齎(もたら)すことがないことを意味します。 有機層中での溶媒和に変動がないからです。 ΔrG₀orgtotal=0 ΔΔrG₀orgtotal=0 結果として、水層のpH値が変動する際の水層と有機層とに於ける溶質のギブスエネルギー値の差の変動は、 全てが水層に於ける溶質のギブスエネルギー値の変動に起因することになります。 水層中での良溶媒和には大きな変動が生じているからだす。
そうするとΔrG₀total = ΔrG₀orgtotal + ΔrG₀aqtotal = ΔrG₀aqtotal ΔrG₀total = ΔrG₀aqtotal となります。 fig-3中に於いて 黒色の実線で表したΔrG₀total を見て下さい。 ΔΔrG₀total はpH値の上昇に伴うΔrG₀total の傾きになります。 (1)pKa~(2)pKaにおいてΔΔrG₀total <0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも同じ絶対値において負の値になります。 (2)pKa~(3)pKaにおいてΔΔrG₀total =0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも零(0)になります。 (3)pKa~(4)pKaにおいてΔΔrG₀total >0 です。 この時のΔΔrG₀aqtotalも同じ絶対値において正の値になります。
logP値は水層と有機層との存在を前提に示される数値であるにも拘らず、 水層のpH値が変動する際のギブスエネルギー値の差の変動は実質的に全て、 水層でのギブスエネルギー値の変動に帰することになります。 そのことは血液中でのヘモグロビンの熱力学的考察には好都合となりました。
(2)オキシヘモグロビンAと(3)デオキシヘモグロビンFとから(4)デオキシヘモグロビンAと(1)オキシヘモグロビンFとを生じる際の化学反応に基づくギブスエネルギー値の変化の総和
(2)オキシヘモグロビンAと(3)デオキシヘモグロビンFとから (4)デオキシヘモグロビンAと(1)オキシヘモグロビンFとを生じる際の、
酸素分子の移動を伴う化学反応に基づくギブスエネルギー値の変化の総和は、事実上相殺関係にあることから考慮しないものとしました。
(2)オキシヘモグロビンAから(3)デオキシヘモグロビンFへの酸素分子の移動
pH値の変動に基づく、当該酸素分子が移動する際の出発物質と生成物のギブスエネルギー値の変化を考慮の対象としました。
(2)オキシヘモグロビンAから(3)デオキシヘモグロビンFへの酸素分子の移動は、 (1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域を除く、
全てのpH領域で自発的に進行する過程(自発過程)であります。 即ち人の血液のpH領域内では常に自発過程となることを説明しました。
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域では化学平衡が成立します。
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域では[logP値変化の総和 X (ー1)]=[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]が零(0)であるから、 ΔrG₀total 値変化の総和 も零(0)になります。 ΔrG₀total 値変化の総和 が零(0)なので、水溶液中における溶質のギブスエネルギー値変化の総和(ΔrG₀aqtotal)も零(0)になります。
ΔrG₀total = ー2.3RT[{(3) logPー(1)logP }+{(2) logPー(4)logP }] =2.3RT[{(1) logPー(3)logP }+{(4) logPー(2)logP }]= 0 (1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域でΔrG₀aqtotal 値変化の総和 も零(0)です。
(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域でも、 (2)オキシヘモグロビンAと(1)オキシヘモグロビンFとの濃度が等しくなるまでは、 (2)オキシヘモグロビンAから(3)デオキシヘモグロビンFへ酸素分子が移動する可能性があります。
しかし、(1)pKa以下のpH領域及び(4)pKa以上のpH領域は、 人の血液のpH領域以外のpH領域なのでこれ以上の議論をする必要はありません。
Tumblr media Tumblr media
0 notes
wishikawa · 9 months
Text
世界で初めてのヘモグロビン・サーモダイナミックス (2)
負のヘテロピックエフェクター
負のヘテロピックエフェクターである2,3-BPGが、 (3)デオキシヘモグロビンFよりも(4)デオキシヘモグロビンAに作用するから、 (3)デオキシヘモグロビンFの方が(4)デオキシヘモグロビンAよりも酸素分子との親和力が大きくなります。
そしてその事実は歴史的に重要な意義があります。
その一方で、簡単に説明するに際して、 歴史的な意義についてまで触れることなく、 論理的誤りがないようにする事を心掛けています。
その結果、既述の論理は実に簡潔な表現になりました。 主観的には世界で初めての論理構成となっています。
一見何ともない表現をしていますが、 そのことを理解することは必ずしも容易ではないのです。
ただこの事を書こうか書くまいか悩んだ末に、 書くことにしました。
0 notes
wishikawa · 9 months
Text
世界で初めてのヘモグロビン・サーモダイナミックス (1)
胎児のへモグロビン
胎児はお母ちゃんのお腹の中で上手に酸素分子の供給を受けています。
胎児は胎児のへモグロビンを持っています。 胎児のヘモグラビンのことをヘモグロビンF{以下、(3)デオキシヘモグロビンFと言う。また、(3)デオキシヘモグロビンFに酸素分子が配位結合したものを(1)オキシヘモグロビンFと言う。}と呼んでいます。
お母ちゃんの持っているヘモグロビンのことをヘモグロビンA{以下、(4)デオキシヘモグロビンAと言う。また、(4)デオキシヘモグロビンAに酸素分子が配位結合したものを(2)オキシヘモグロビンAと言う。}と呼んでいます。
お母ちゃんの胎盤の中で(3)デオキシヘモグろビンFが (1)オキシヘモグロビンFとなる際のエネルギーの低下は、
(2)オキシヘモグロビンAが(4)デオキシヘモグロビンAとなる際のエネルギーの上昇を凌駕します。 総じてエネルギーが低い安定な状態になります。
普通の生理条件下で(3)デオキシヘモグロビンFの方が、 (4)デオキシヘモグラビンAよりも酸素分子との親和力が大きいから、 お母ちゃんから胎児に酸素分子が上手に供給されます。
その他、プロトンや二酸化炭素の授受等を含めて、 エネルギ―の高い不安定な状態からエネルギーの低い安定な状態になっています。
第六番目の配位子として酸素分子が第一鉄イオンに配位すると、 酸素分子は電子吸引基となります。
結果として(1)オキシヘモグロビンFは(3)デオキシヘモグロビンFよりも強い酸になり、 (2)オキシヘモグロビンAは(4)デオキシヘモグロビンAよりも強い酸になります。
そして、いずれも弱酸ではあるけれど、酸としての強さは強い順に次の様です。
(1)オキシヘモグロビンF、
(2)オキシヘモグロビンA、
(3)デオキシヘモグロビンF、
(4)デオキシヘモグロビンA
この酸の強さの順番と血液のペーハー値の変動とが相俟って、 酸素分子は上手に胎児に届けられます。
0 notes
wishikawa · 3 months
Text
世界で初めてのヘモグロビン・サーモダイナミックス(11)
ヘモグロビンの協同性
ヘモグロビンの協同性とは、 4個のヘム機構を持つデオキシヘモグロビン1分子に、 1分子の酸素分子が配位すると次の酸素分子の配位する反応速度が加速され、 4分子の酸素分子が配位するまで反応速度の加速が連鎖すること、 及び、オキシヘモグロビン1分子から、 1分子の酸素分子が解離すると次の酸素分子の解離する反応速度が加速され、 4分子の酸素分子が解離するまで反応速度の加速が連鎖することです。
興味深いヘモグロビンの協同性については、 多大な経費と時間とをかけて様々な研究がなされた。 ポリフィリン環の平面性と非平面性との間で生ずるコンフォメーション変化が、 情報伝達機構になるとする説があります。 また、協奏的全て又は無の対称性保存モデル等が提唱されています。
ギブスエネルギー値は状態量であるから、始めの状態と終わりの状態とを定めると経路によらず一定になります。
それでもヘモグロビンの協同性は中間体を含む概念であるから、 反応経���上にある中間体を含めて論じる必要があります。
化学反応についての熱力学的支配と反応速度支配とは必ずしも一致しませんが、 へモグロビンの酸化還元反応はその中間体を含めて極めて類似する反応であるから、 それらの関係は強い相関を持っていると推定されます。 即ち、熱力学的支配関係から反応速度支配関係を予測することが可能であると解します。 反応速度支配の結果現れるヘモグロビンの協同性について、 熱力学的支配の見地から推定します。
fig-7を見て下さい。
色塗りした部分を上から下に向かって読み取ります。 縦方向に長い程ギブスエネルギーの低下が大きくなります。 中間体である色塗りした下方部分のほうがギブスエネルギーの低下に大きく貢献しています。 肺胞の毛細血管内と体の組織の末端との双方に於いて、
1分子の酸素分子が反応を開始すると、 直ちに4分子の酸素分子が反応する様子が理解できます。
尚、全ての図は相対的な関係を示したものであり、 絶対値としての意味はないことに留意して下さい。
Tumblr media
未完
参考文献: 生命科学系のための物理化学 Raymond Chang著 岩澤 康裕・北川 禎三・濱口 宏夫 訳  東京化学同人
エントロピーの正体 アリー・ベン=ナイム著 小野喜之 訳  丸善出版株式会社
ヘモグロビンへの配位子結合過程を直接観測 理化学研究所
足立 伸一  森本 宣嗣 https://www.riken.jp/medialibrary/riken/pr/press/2003/20030609_1/20030609_1.pdf
https://core.ac.uk/download/pdf/56655512.pdf ヘム電子論によるヘモグロビンの協同的酸素結合機能の解明 山本 泰彦
ヘモグロビンのヘム間相互作用のメカニズム 森本 英樹(阪大基礎工) 今井 清博(阪大医)
蛋白質工学によるヘモグロビンの協同効果発現機序の研究 4次構造転移における特定水素結合の寄与 石森 浩一郎、森島 續、 今 井 清 博、 伏 谷 建 造、 宮 崎 源 太 郎、 森 本 英 樹、 北 川 禎 三、 和 田 芳 直、ShinD、Tame J、Pegnier J、 Nagai K 京都大学、大阪大学、大阪府母子医療センター、MRC. Lab. of Mol. Biol.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys1961/29/supplement/29_supplement_S45/_pdf
0 notes
wishikawa · 8 months
Text
世界で初めてのヘモグロビン・サーモダイナミックス (3)
大人のヘモグロビン{(4)デオキシヘモグロビンA}
(4)デオキシヘモグロビンAは四つのヘム機構(以下、ヘムと言う。)からなる分子です。
各ヘムは充分に離れているんだけれど相互に情報を交換することによって、 協同性を発揮する為の伝達機構を持っていることが知られています。
ヘモグロビンの協同性については、 世界で初めてのヘモグロビン・サーモダイナミックス (11)をご覧いただき、私の意見を知っていただければと思います。
ポルフィリン環
(2)オキシヘモグロビンA中の第一鉄イオンはヘムのポルフィリン環面に程よく納まり、 ポルフィリン環面は平面になります。
(4)デオキシヘモグロビンA中の第一鉄イオンはポルフィリン環面に程よく納まらないので、 ポルフィリン環面は平面になれません。
酸素分子が配位結合した第一鉄イオンは低スピン型となって小さくなり、 酸素分子が配位していない第一鉄イオンは高スピン型となって大きくなっています。
一つのヘムにおける平面性についての情報は同一の(4)デオキシヘモグロビンA分子内の他のヘムに伝達され、 酸素分子の脱着を同一方向へと促進することによって協同性を発揮します。
(2)オキシへモグロビンA中の第一鉄イオンは八面体の中心に位置します。
(4)デオキシヘモグロビンA中の第一鉄イオンはポルフィリン環面 の内 (酸素分子が配位結合する側の反対) 側に位置します。
ペーハー値の変動
人体において肺の肺胞の毛細血管内は相対的に塩基性で、 体の末端組織の毛細血管内は相対的に酸性です。
人の血液は中性の値を含む領域でおよそペーハー値の幅が一点零位の範囲内にあります。
その範囲内のペーハー値の変動では、 (2)オキシヘモグロビンAのエネルギーのは 酸性では高く、塩基性では低くなります。
(4)デオキシヘモグロビンAのエネルギーは酸性では低く、塩基性では高くなります。
(2)オキシヘモグロビンAは塩基性となっている肺胞においてエネルギーが 低い安定な状態となります。
だから相対的にエネルギーが高い状態にある、 (4)デオキシヘモグロビンAが肺胞において(2)オキシヘモグロビンAになります。
そして酸性となっている末端組織において(2)オキシヘモグロビンAは エネルギーが高い不安定な状態となります。
(4)デオキシヘモグロビンAはエネルギーが低い状態にあるから、 (2)オキシヘモグロビンAは酸素分子を放出して安定な(4)デオキシヘモグロビンAになります。
ミオグロビン
更にそこにはミオグロビン(以下、デオキシミオグロビンと言う。 また、それに酸素が配位したものをオキシミオグロビンと言う。)
が待っていて放出される酸素を配位子として取り込み、 エネルギーの低い安定なオキシミオグロビンになります。
一連の協奏的酸素分子の移動によってエネルギーが低い安定な状態が実現されます。
オキシミオグロビン中の酸素分子は代謝過程に使われます。
この様に自発過程においては、 エネルギーが高い不安定な状態からエネルギーが低い安定な状態になります。
やっとの思いで酸素分子が体の末端組織に届きました。
世界で初めてのヘモグロビン・サーモダイナミックス (11) 
ヘモグロビンの協同性 https://wishikawa.hatenablog.com/entry/2023/12/14/000000?_gl=11n41pdg_gcl_au*MTIyNjE1NjM1LjE3MDY5NTAyMjE.
0 notes