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ドラゴンボール超ブロリー
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2018年12月14日、キャナルシティ13 IMAXにて鑑賞
本作の最大の見どころは、劇場版オリジナルキャラクターとして絶大な人気を誇るブロリーと、悟空たちの超サイヤ人の超絶ハイスピードバトルです。常人にははるかに及ばない、瞬間移動と破壊力。アニメーションの描写としても、芸術的なアニメーションは頭一つ抜けた感さえあります。この戦闘シーンでの没入感は、決してテレビ画面では再現しえないでしょう。映画館の醍醐味と言えます。
あらすじ
まず、40年前の惑星ベジータから物語が始まります。悟空の父バーダックや悟空の母ギネ、ベジータ王とベジータ王子、パラガスとその息子ブロリー。例えるならば、努力家・孫悟空。エリート・ベジータ。そして天才児(ギフテッド)・ブロリーである。惑星ベジータのシーンは、丁寧にサイヤ人の文化や社会を描き切ったと思います。悟空の母ギネの声優が渡辺 菜生子さんなので、悟空とチチのキャストをそのまま踏襲していおり、非戦闘型のサイヤ人幹部や、サイヤ人の整備員やパイロットなど、社会を描けているなと思いました。
本作のブロリーは、その才能をベジータ王に恐れられた点は同じですが、今回のブロリーは荒野の星に放逐され、惑星ベジータ崩壊の難を逃れています。そして本作最大の特徴ですが、「燃え尽きろ!!熱戦・烈戦・超激戦」では悟空と同じ誕生日の設定でしたが、今作ではベジータと同い年の設定に変更され、したがって、悟空の泣き声によるトラウマも無く、性格は穏やかに変更されており、この性格変更が本脚本にも大きな影響を与えています。
ただし、戦闘シーンや後述するラストシーンなど、映画として爽快感があり高評価したいですが、ブロリー自身のデザインは「熱戦・烈戦・超激戦」の白と赤と金色のヒロイックなカラーリングかつ、伝説の男を演出する「もう一人の孫悟空」としてのデザインが最高に秀逸だっただけに、今回のブロリーのデザインは、ちょっと物足りなかった。ハッキリ言うとグレードダウンだと思ったが、たぶん、続編には「熱戦・烈戦・超激戦」の頃と同じデザインで戦ってくれると思います。期待しておきます!(笑)
フリーザ軍のチライとレモが、40年間遭難していたブロリーとパラガスを救助したが、パラガスの言動にチライとレモが反発。チライがパラガスからブロリーの制御装置(犬のしつけに付ける電気ショックみたいなモノ)のコントローラを盗んで破壊。ブロリーは自由になる。ただ、ブロリーはチライとレモが批判する父パラガスに対し「お父さんの悪口はいけない」と言っており、性格変更が強調される。
悟空たちとフリーザ軍はドラゴンボールを探し、南極の地で悟空とベジータ、フリーザとブロリーが対峙する。超サイヤ人のベジータに、ノーマルのブロリーが付いていくと言う演出が、ブロリーが天才児サイヤ人の説得力を増す。本作のブロリーは、「熱戦・烈戦・超激戦」の頃の様な圧倒的パワーで悟空らを翻弄する伝説の超サイヤ人の姿は無かった。ブロリーはブランクを物ともせずに、超サイヤ人や超サイヤ人ゴッド超サイヤ人(もっと良いネーミングはなかったのか?笑)にも「付いていく」圧倒的な成長スピードも「天才児」たるブロリーの所以か。一向に超サイヤ人化しないブロリーに痺れを切らせたフリーザが、悟空が超サイヤ人になった時のシチュエーションを思い出し、パラガスを殺害する。ブロリーが人生の中で経験してきた唯一の人間が殺され、超サイヤ人化を果たす。怒り狂ったブロリーが、悟空・ベジータからフリーザに攻撃の矛先を向ける。その隙をついて悟空とベジータは瞬間移動で脱出。ついに、フュージョンを果たす事となった!!!
元々悟空とベジータのフュージョンは、1990年代のブロリー戦の為の設定だったので、漸く原点回帰を果たせる訳です。
『おめぇはビルス様よりも強くなるかもしれない。』
悟空のセリフが、次回作への期待を増します。
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機動戦士ガンダムNT(ナラティブ) 感想 Tジョイ博多 8番スクリーン
始めに、本作品は1970~80年代生まれのオッサンの!オッサンによる!オッサンの��のアニメです!!!(爆笑)
観客がほぼオッサンでした。そうです、私を含めてwwwほぼ全て。
昨今ガンダム40周年と言う事で本当に長い歴史があります。ガンダムの映画は私が小学生低学年であった1991年の『機動戦士ガンダムF91』を見に行ってから、早27年の月日が経っての完全新作映画。その上映時間は90分と、普通の映画と比べると短めです。
今回の評論は、本作を褒めるべきか、突っ込むべきか困りますが、ありのまま感じた事を書こうと思います。
本作はU.C.0097、ガンダムUCの一年後の世界が舞台です。ガンダムユニコーンの兄弟機である3号機フェネックスを捕獲するために、地球連邦軍と「袖付き」と呼ばれるジオン残党軍、ルオ商会が暗躍する・・・。
私が成長してしまったためか、いつまで青年が戦場でイジケてんだろうな…というのが正直な話です。私の成長が、ガンダムの定番を受け付けなくなったのかもしれません。更にお話のプロットとしても、人の意志が肉体を離れ永遠に存在し、かつ、霊界とも交信できるって、もはやSFではないです。ガンダムファンが間違ってもドラゴンボールの孫悟空をバカにしちゃいけません。MSだろうとサイヤ人だろうと、同じことをやっていますからね。言いたい事は大体「攻殻機動隊」の草薙素子が情報の海に進出したラストの様な解釈で宜しいかと思いますが、ガンダムの定番としては、少年が厳しい戦場という環境で成長してゆく、と言うパターンがあるのですが本作の主人公ヨナ・バシュタは、果たして「救われた」のか「成長した」のか分かりません。というか、正直後味は、あまり宜しくないと思います。
さらに、本編終了後「閃光のハサウェイ」の宣伝映像が流れましたが、だからこそ、ヨナ・バシュタも救われないのでしょうか?
「気になったら小説を買って補完してね!」とか「劇場パンフが2200円だよ!」とか、同じサンライズの「ゼーガペインADP」という私が好きなアニメの映画パンフレットも2000円代しましたが、「これは人気が出なかった知る人ぞ知る名作アニメだから仕方が無い」と思っていたんです。それがまさか、天下のガンダムでも2000円代ってちょっとどうかな?と思いました。こういった所謂メディアミックス戦略が悪いと言っている訳ではないんです。買う価値があれば買います。
「小説で補完しろ」とかは製作者サイドのエゴなので、映画なら映画で勝負して欲しいと言うのが感想です。
フェネックスを捕獲したら、なぜ不老不死の研究になるのかなど、もうちょっと深く踏み込んでほしかったです。
元ネタは「ホモデウス」かな?と思った設定でした。
後、ガンダムのコンテンツとしての劣化、私を含めて福岡市の一劇場に過ぎませんが、観客が30~40代男性がほぼすべて。これでいつまでガンダムは少年を主役に据えているんでしょうか?ファンに訴求するならば、サウス・バニング辺りのビターな中年が人生の酸いも甘いも知り尽くしたキャラでアムロみたいな新兵を叱咤激励する方が、感情移入できるのではないか?と思った次第です。ソリッド・スネークの様なカッコイイ中年に、喝を入れてもらいたいです。
つまり何が言いたいかと言えばだな。
「それって自己の存在への無条件の全肯定と、成長の否定だよね?それはガンダムのテーマじゃないよ、エヴァンゲリオンのテーマだよ。」
「何を甘えてやがる!!!」
河野祐一郎 感想終わり。
2018.12.03追記
ガンダムUC(ユニコーン)では、アルベルト・ビストの高木渉さん。ガンダムNT(ナラティブ)では、イアゴ・ハーカナの中井和哉さんがご出演されているので、次回の「閃光のハサウェイ」には、山崎たくみさんがご出演されるのかな?(平成3部作で唯一ニュータイプを取り上げた「機動新世紀ガンダムX」のガンダムパイロット、ガロード・ラン、ウイッツ・スー、ロアビィ・ロイの役がそれぞれ高木渉さん、中井和哉さん、山崎たくみさん。)
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『ペンギン・ハイウェイ』Tジョイ博多 2018年8月17日 初日公開アンケート
このアンケートに、以下のように回答しました。
まず、私の鑑賞目的がスタジオジブリ以降の次世代国民アニメーション映画の担い手が気になっていたので、本作も鑑賞させていただいた次第です。
プロットなどは、『未来のミライ』も鑑賞したのですが、本作『ペンギン・ハイウェイ』はシッカリと論理的破綻なく、また、説明臭くもなく、アオヤマ少年がかなり天才児設定なので、主人公兼狂言回しの役割が自然だと思いました。
次に、論理的思考に基づく架空の世界と言う設定に「不思議の国のアリス」を参考にしているのではないか?と思ったのですが、最後のスタッフロールで膝を打つ思いでした。
アオヤマくんのお父さんが、結構IQの高い事を言っていてビックリしました。この作品は、夏休みの小中学生をターゲットにしたジュブナイル作品だと思いますが、この作品は何年後か見返しても十分鑑賞に堪える構成をしていると思います。
次に、国民的猫型ロボットアニメのキャラクター配置を踏襲しつつ、ジャ〇アンがスズキくんで、の〇太くんがウチダくん、主人公のアオヤマくんは出〇杉くん、サブヒロインのハマモトさんが静〇ちゃんと言う非常にファンタジーSF作品に入っていきやすいキャラクター配置だと思います。その上で、魅力的なお姉さんを配置して、主人公と絡ませていくやり方も良かったです。お姉さんも魅力的ですし。
ただ、作品の序破急で行けば、「海」を見つけるまで冗長だったかな?と言うのが感想です。もうちょっと作品にスピートがあった方が良かったかもしれません。
しかし、「未来のミライ」や「君の名は。」のように、設定の後出しが無く、また論理破綻していない世界設定なので、ストレスなく鑑賞できました。脚本のプロットは高評価です。
私は映画「この世界の片隅に」も大好きな作品なのですが、本作「ペンギン・ハイウェイ」も原作があるということで、原作がシッカリしている作品は、映画のプロットもシッカリしているのかな?と感じました。
また面白い映画を楽しみにしています。制作スタッフの方々に感謝申し上げますとともに、今後のご活躍も楽しみにさせて頂きます。
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ポノック短編劇場『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間』感想
夏休みのファミリー向け、いわゆる「ポストジブリ」映画その3に当たる本作(「未来のミライ」「ペンギン・ハイウェイ」に続く)。本作は1時間程度と短時間の上映時間になっており、私は日ごろ使っている映画館で、ポイントを使用し1000円で鑑賞しましたが、通常価格が1800円でこの内容はどうなのか疑問に思いました。
ポノック短編劇場は三部作になっており、各々が独立したストーリーになっており、感想も三部作分かれて書いていきたいと思います。導入部分の「ポノックポノック♪」と言う歌に若干気勢を殺がれつつw
『カニーニとカニーノ』
良かった点は水の表現が実写と見まごうばかりで美しく、カニの家族を擬人化した物語でした。とにかく米林監督の「キャラにセリフで説明させない」と言う意志は見えた作品です。セリフじゃなくてアニメーションの根幹である動く絵で見せてやろう…そういう気概は感じました。ストーリーとかプロットとかを語るものではなく、水の中の冒険譚になっています。最後は「良かったね」で終わるんですが、私が気になる点が一つあって、カニーニとカニーノはカニの擬人化である訳ですが、この家族以外のカニが擬人化したり、そのままリアルなカニとして描かれたり、ちょっとチグハグな点が気になりました。それ以外は、サラっと水とか自然環境とか、生態ピラミッドを体感すれば良い作品でした。
『サムライエッグ』
私自身はこの作品が一番良かったと思います。というのも、アレルギーで大変な子どもやご家族の大変さと言うのが、アニメーションで描かれており、自由にご飯が食べられない。私たちが自然とお菓子やパン、食事、レストランで何も考えず食べる事を楽しむ事が如何に尊い事か、本作が教えてくれました。この作品がベストではないかと思うし、ストーリーとして時間の関係上、起承転結の起承しか描かれておらず、『もっと見たい』と思えたのは本作です。
『透明人間』
作風としてジブリではなく押井守風のそれで異質な作品であり注目しました。実存をテーマとして描かれており、何やら無視され抑圧された透明人間の葛藤が描かれています。重量物が無いと、すぐに飛んでしまう透明人間。何か考えさせられます。透明人間とは監督自身の投射なのか、はたまた別の意図があるのか分かりませんが。これも楽しめました。
良いと思った作品序列
『サムライエッグ』
『透明人間』
『カニーニとカニーノ』
まとめ
ほとんどの作品が15分で*3作品で1時間程度となっており、このような上映方針はコンペティションか何かだと思います。この三作品の中では「サムライエッグ」が見たいと感じた一作でしたので、よろしくお願いします(笑)ただ…どうなんですかね。本作も「感謝 高畑勲」と書いており、ポノック自身もジブリの後継団体を自認してはいるのでしょうが、良い加減「親離れしないのかな?」と思っています。
正直に言うと第一作目『メアリと魔法の花』でポノックには失望していて、本作の鑑賞を迷いましたが、批判はするが食わず嫌いはしない事をポリシーとしているので、一応は鑑賞と相成りました…まぁ、万が一にでも改善されているかも知れませんし(笑)。少なくとも私は、宮崎・高畑という第一人者のブランドを傘に着て、作品のクオリティを下げてしまうような連中は宮崎駿や高畑勲の弟子でも何でもないと考えており、私の中で彼ら(スタジオポノック)の印象は宜しくない。そんな中で本作も拝見させて頂きましたが、15分縛りと言うのは、作品の中で絶対に起承転結を織込むことが出来ない訳ですよね。未完成と言って良い作品を観客からお金を貰って上映して、何を探っているのかな?と思いました。そういった社会実験はタダでするものでしょう。本作においても前記の失望は拭えませんでした。しかしながら本作がコンペティション形式ならば、次回もやはり1回は鑑賞してしまうのでしょうけれど。
何よりも「宮崎駿や高畑勲の近くにいたにも関わらず、この程度の作品しか作れないの?」という救いがたい失望があるので10~20年後は存在していない会社だと思いますけど、やはり、ジブリを追い出された私の生涯一の映画「この世界の片隅に」の片渕須直監督や、作風は同意しないけど「未来のミライ」の細田守監督とか、彼らの努力とスタジオポノックの作品クオリティの熱量を比較して、どうですか?少なくともボクは、前者にこそ報われて欲しいと思っています。
「ポストジブリ」とはジブリ作品の亜種である必要は無いんですよ。
宮崎駿や高畑勲が死んだあとは、DVDなりで故人の偉大な業績を偲べば良いのです。ジブリが死んだあと墓を掘り返してゾンビの如き作品を有難がる人が居るでしょうか?もう時代はすでに、宮崎駿・高畑勲に十二分の名誉と権威を与えたではありませんか。
そろそろ、若き英雄が欲しいところです。
我々はジブリ亡きあとの、日本アニメーション戦国時代を直接体感している豊かな時代に生きている事を自覚すべきでしょう。その中から、次世代のニューヒーローが頭角を現してきます。その英雄の成長譚を直接味わえる世代なのです。
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『ペンギン・ハイウェイ』評論
2018年8月24日(金)公開開始されたアニメーション映画、ペンギン・ハイウェイを評論しようと思います。
本作は、 「四畳半神話大系」などの作家である 森見登美彦さんの小説「ペンギン・ハイウェイ」を原作に、新進気鋭のアニメーションスタジオ、スタジオコロリドと30才の若き監督、石田祐康の長編デビュー作品になっています。主題歌は宇多田ヒカルさん、主演声優に北 香那さんや、蒼井優さん、そして竹中直人さんなど出演されています。
鑑賞理由
私が本作を鑑賞した理由は次世代の「ポストジブリ」はどこだろうと思い、有望なアニメーション映画は極力鑑賞するようにしています。「未来のミライ」も鑑賞しましたが、この評論はやる必要が無いと思います。後に述べますが、私の言う「ポストジブリ」と言う単語は「ジブリ作品の亜種を量産する」と言う意味ではなく「人口に膾炙した青少年アニメーション映画」としておきます。私のスタンスを表明しておいた方が、評論も公正であると考えるからです。
石田祐康に今は亡き日本の才能、今敏を見た
本作は日本公開前にモントリオール映画祭で、「今敏賞」を受賞されたのだそうです。今敏…日本を代表するアニメーションクリエイターであり、ご存命ならば、確実に押井守を超えたであろう逸材です。彼の作品は決してファミリー向けではなく、初監督作品「パーフェクトブルー」も15才以上推奨であり、しかも猟奇的殺人を描く作品なので、アニメ素人にとっては取っ付きにくい作品である事は認めます。しかし、日本のアニメ史における名作であり、脚本が秀逸なので是非鑑賞をオススメします。
プロット
本作「ペンギン・ハイウェイ」の螺旋的プロットは秀逸で、私の中で懐かしい作品を思い起こします。主人公のアオヤマ少年が天才児設定であり、論理的思考が小学生なのに行き届いており、さらにアオヤマ少年の父親の言葉で物語が進行するので、何気にアオヤマ少年のパパのセリフにも注目しましょう。思考する上で良い事を言っています。お姉さんの謎、「海」の謎、アオヤマ少年は追いかけます。本作では謎に対しての明確な答えを用意はしておらず、アオヤマ少年の謎解きと成長を堪能するものです。最後のシーンは余韻があって良かったと思います。やはり私としては『千年女優』を思い出します。主人公藤原千代子がアオヤマ少年で、鍵の君がお姉さんや謎そのものであるならば、本作の理解は早いでしょう。その上、青少年ティーンエイジャーに訴求する内容になっているのは良かったです。
声の演技
作品内容で「ポストジブリ」を標榜するならば、聞き触りの悪い俳優でも集めれば良いのですよ(毒を吐くw)本作の声優陣は本当にベスト・オブ・ベストです。全くジブリ映画のような不快感や違和感がありません。アニメ声優経験の豊富な蒼井優さんや竹中直人さんを始め、主演の北香那さん、本当に素晴らしい。人間の感覚として視覚9割なので見落とされがちですが、アニメとは本来音の無い世界です。その中でBGMは言うまでもなく、SEや声優の演技がどれだけ影のウエイトを占めているのかを理解してくれる監督だと思いました。雑な仕事はしない人ですね。
オススメポイント
本作は、参考「鏡の国のアリス」を引くように、出来る限り論理的に解釈しうるファンタジー作品と言う体裁をとっています。なので、私が嫌う「後出し演出」が無いのが特徴です。アオヤマくんやハマモトさんの謎解きや夏休みの自由研究を観客も一緒になって楽しむという、「ドラえもん映画」的な、作品の入り口は感情移入しやすいキャラクター配置になっています。のび太ポジションのウチダくん、ジャイアンポジションの��ズキくん、しずかちゃんポジションのハマモトさん、主人公のアオヤマくんは出木杉君ポジション、ではお姉さんとペンギンは?と言えば、ドラえもんポジションに他ならない訳です。こう見ると、積層化された作品の設定が秀逸です。文系監督に見られがちな、論理的思考を無視したご都合主義的なストーリー展開がストレスになる人にとって、本作はオススメです。少なくとも私は楽しく鑑賞しました。
おわりに
新進気鋭の石田祐康監督…30歳、初の長編作品でこのクオリティと言うのは、今後に期待せざるを得ません。思えば、今敏監督も一発目の「パーフェクトブルー」が、「ブラックスワン」の ダーレン・アロノフスキー監督の目に留まり、今敏とインタビューに応じたり版権を得ようと動いたり、ブラックスワンにも「パーフェクトブルー」のオマージュシーンが存在しますが、一作目で大体、分かるじゃないですか。マンガで言えば、鳥山明の一発目「ドクタースランプアラレちゃん」、北条司の一発目「CAT’S EYE」なんですよ。そういった処で、注目はしていますし、しなければ石田監督に失礼だと思っています。
「ポストジブリ」論に関しても、私自身はジブリ的な作風を継承する必要は全く無いと思っていて、プロの評論家の人が「ペンギン・ハイウェイを制作するスタジオコロリドはジブリ的作風だ」のような評論をしていたのですが、それはクリエイターに対して無礼と言うかちょっと失礼で雑な感想だと思っています。
今後、石田祐康監督がどのように成長していくのか?どのような物語を作ってくれるのか?楽しみでなりません。成長株、テンバガー間違いなしでしょう。微力ながら応援しております。
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