詩集「Poetry Essential Vol.02 -Two Side-」
「光」
もし 君を光と呼ぶなら
僕が影でも全然構わない
たとえ 宇宙の対岸に君がいても
この輝きを見逃さないから
愛という言葉を
信じなかった少年時代
誰の声も聞こえなくて
ただ 理想だけ 追い求め
自分勝手な奴だと思われてた
思い出すだけで 辛くなって
何も言えなくなっちゃうけど
君だけは 傍にいてくれた
あの時 僕は僕らになった
どんなに時間が過ぎたとしても
この光は消えない
信じることで もっと強くなる
「瞳」
僕らが出逢ったのは 初めてのクラス替え
充実してた スクールデイズ 変わってしまうのかと 不安ばかり
ふと教室を 見渡してみると 長い黒髪の君がいた
偶然 僕らは同じ授業を取ってることに気付いた
その中で 僕は初めて君と喋った
君が意外と綺麗なことに気付けた
新しい発見ばかり
気が付くと 僕らは一緒に帰るようになっていた
ずっと前から
僕らは一緒にいたような気すらした
「スキかも。」
これまで考えたことのないような感情が
知らないうちに 君に対して芽生えていた
バレンタインも貰った
ホワイトデーも贈った
かけがえのない 親友同士
だけど 恋人にはどうしてもなれない
焦りと 想いを形に出来ない自分へのもどかしさ
もう 君は気付いてた
それでも 知らないフリして傍にいてくれる
僕は こんなに頼りないのに
僕は こんなに地味なのに
僕は こんなに情けないのに
呪文のように 心の中で 呟く
今日も君は隣にいる
少しでいいから 喜ばせてあげたい
もう少しだけ 僕に勇気をください!
君はイヤホンを外して こっちを見ていた
見たこともないくらい 無垢な瞳で
「街」
故里の街並が
遥か彼方へ 消えていく
だけど 桜蕾だけは
温かく 送り出してくれた
わたしが決めたことだから
後悔はないけど
もう何処にも 頼れる場所はないんだって
自分に言い聞かせた
いつもの電車も もう乗ることはないんだね
そう思うと 涙溢れて
これでいいのかな 自問自答 繰り返し
これで良いんだよ 良いんだよ 答え 絞り出す
リクルートスーツに付いたシワは 都会への招待状
少しだけ 寂しくなった
友達のLINEも全部消してきた
無通知の 静寂は もう耐えきれない
でも 変わるためには これくらいしないと
「わたしは何処かで元気にしているからね。」
心の中で 田舎の友達に言った
車窓から街が見えてきた
幼い頃 テレビで観た場所は 想像より大きい
見上げても ビルばかり
ちょっとだけ息苦しかった
少し後ろめたい気もしたけど
わたしはここで夢を追うんだって
自分を奮い立たせてみたら そんな憂いも飛んで行く
街は魔法のように わたしを迎えてくれた
ここに相応しい人になるんだと 心に誓ってみる
口に絡んだ 髪を拭って 再び歩き出した
【果てしない闇が 街を包んでいくことに わたしはまだ気付かない】
「翼」
翼があれば 何処へでも行ける
当たり前のことだけど
今の僕には 折れた翼だけ
世界の広さを知る由もない
かつての友や恋人が懐かしい
僕もきっと大人たちのように
自分を捨ててしまうのだろうか
怒りと不満だけが募っていく
折れた翼を片手に どんな夢を叫んでも
誰も振り向いてくれないけど
僕は僕でいたい 大きな意志だけは持ってる
「何も変わらないかもしれない」
世界を変えるような力を持っていたとしても
見えない何かが押さえつけてしまう
「人生」はそんなものだからって
悟ってしまう 自分が嫌いだ
大人になったら 夢に生きるんだと
子供の頃は信じてた
世界中の 困っている人を 救ってみせるんだ
折れた翼は すべてを知ってる
「君には無理なんだ」
幼い頃の僕を 悲しみの雨が諭した
いつのまにか 僕は現実に生きるタダの人間になってた
仮面を被って 無表情で 会社のために汗を流し続ける
「虚しくないか?」
自分自身に心の中で問いかけた
翼はないのに 翼は知ってるのに 翼に頼ってきたのに
僕はその翼を置いて 現実世界で生きようとしてる
どんなに可能性があったとしても 確実性に駒を進めようとしてる
プライドが邪魔をする そんな自分が世界で一番嫌いだ
プライドを持つのは五十を過ぎてからでいい
曇空に向かって叫んだ
「誰も聞いていないよ。」と風は返してくる
自分の無力さに呆れ 折れた翼とともに
僕はただ立ち尽くすことしか出来なかった
「夢」
ふたりだけの教室で
わたしたち 夢を語り合ったよね
ギターのこと 部活のこと
誰よりもまっすぐな瞳で
眩しい陽射しが 白い肌を焼いた
あの素晴らしい夏は 二度と戻らない
だけど ずっと二人は一緒だから
ふたりでいたから どんな困難も
乗り越えることが出来たのだから
これからも 共に生きていきたい
ひとりでいたなら 孤独に負けてしまう
そんな わたしの友になってくれた
あなたと 夢を追いかけるんだ
黄昏の公園で
わたしたち ギターを練習したよね
響けこの音色 響くアルペジオ
誰よりも まっすぐ夢を信じていた
ふたりでいるから どんな苦しさも
諦めないで 頑張れたのだから
これからも 共に歩んでいきたい
ひとりが寂しくて もう耐えられなかった
そんな わたしと共に 夢 追いかけてくれる
あなたと あの場所を目指すんだ
ふたりでいたから どんな困難も
乗り越えることが出来たのだから
これからも 共に生きていきたい
ひとりでいたなら 今の自分はないと思うから
ずっと あなたと歌い続けたい
あなたと 夢を追いかけるんだ
「愛」
ずっと五人は一緒だった
そんな時間も 今は過ぎていった過去
どんなときも 苦楽を共にした
僕たちは いつしか別々の道を歩き始めたんだ
幼馴染みが離れ離れになって
失ったもの 気付いてしまった
愛されるもの 愛される人 全力の愛が集まる場所
気付かぬうちに 消えてしまった すべての繋がりが愛しい
いつかまた ランチしようね
桜の樹の下で 別れた日 思い出しながら…
きっと出逢いは運命だった
そんな想いも 今は木洩れ陽に消えてしまい
孤独の海を 歩き続ける
その切なさを 僕は噛みしめるしかないんだ
幼馴染みが一人一人に変わり
過ごした時を 思い出してしまうと
僕は泣いてしまいそうになる
たぶん みんな同じだよね
空箱が ポツリと過去を映している
泣かないよと誓ったのに 大粒の涙が溢れそうになる
失ってしまった愛のすべては この手で取り戻すしかない
そんなの無理だよね 愛すべき人なんて そうはいないんだから
見渡してみると リア充ばかり でも 僕が求めるのはそんなものじゃない
札幌 東京 大阪 名古屋 福岡
それぞれの場所で それぞれの夢を追いかけてる
僕はこの場所で 愛を探してた
だけど 立ち止まっても 何も見つからない
虚しさと悲しさを乗り越えて 今を生きるんだ
五人はずっと幼馴染み
恋じゃない だけど I Love You…
「双繋星」
出逢ったときから 感じていた
運命を繋ぎ合わせて
僕らの愛は 永遠になる
誓ったのは 星空の降る夜
愛想笑いが 嫌になって
あの日の僕は 苛立っていた
あんなに好きだった 君のことさえも
つい 邪気にしてしまったんだ
人に当たるなんて最低なヤツだよね
僕には周りが見えてなかった 目の前にいる君の涙も
夜空の星を見上げる度に 君を思い出してしまう
そして 溢れてきた涙の意味は 戻れない時の切なさ
同じ場所で輝いている 双子の星に愛を叫ぶ
別れたときには わからなかった
キミの涙の意味が
どんなに時が 過ぎていっても
あの日を 僕は忘れない
もしもやり直せるなら 君とやり直したい
そして 僕は全力で君を愛したい 力尽きてしまうほど
この場所で煌めいている 双子の星に想いを映す
「君と出逢えた」
それだけで 僕は幸せを感じてる
そして 溢れてきた涙の意味は 戻れない時への後悔
同じ場所でときめいていた あの日にもう一度戻りたい
夜空の星を見上げる度に 君への愛を思い出してしまう
そして 溢れてきた涙の意味を ずっと感じていくことだろう
同じ場所で輝いている 双子の星に愛を叫ぶ
ずっと 君を好きでありたい それだけは許してほしい
出逢ったときに 感じていた想いは
あの双子の星が 今は映し出してる
いつか また僕らが 繋がれることを信じて
「セカイ」
もしも この世界に嘘がなければ
どれだけ 幸せな世界になるだろう
だけど 綺麗事ばかり つまらない
アル=カポネによく似た男は言う
もしも この世界に涙がなければ
どれだけ 非常な世界になるだろう
だけど 独裁者ばかり 恐ろしい
ソビエトに生まれた かつての少女は言う
もしも この世界の人間が全員アインシュタインならば
どれだけ 技術は進歩するだろう
だけど 天才と奇才は紙一重なんだ
マッドサイエンティストの子孫は言う
もしも この世界の時が止まったなら
どれだけ 同じことを繰り返すのだろう
だけど これからの出逢いもなくなってしまうんだ
アダムとイヴに似た まだ見ぬ恋人達は言う
もしも この世界が陸続きなら
どれだけ 旅をしやすい世界になるのだろう
だけど これまでにないくらいの混沌が待っている
ノストラダムスの遺志を受け継ぐ 預言者は言う
ひとつのセカイ ひとりのニンゲン
ジユウになるという権利
困難な状況が 更なるイカリを呼んでいる
46億年前 このウチュウを産んだ神々は
果たして 罵声が飛び交う
今のセカイを想定していたのだろうか?
流れた血と 流した涙が 問いかける
愛する人を亡くしたイカリが 新たなニクシミを煽っている
This is my world…
僕らが誇れるセカイにしよう
もっと「地球孝行」していこう
こうして 十三歳の少年の演説は終わった【国連にて】
「削除」
あの発言が 取り消せるなら
たぶん 今も僕は君と暮らしているだろう
だけど 取り消せない決断が
僕の後悔を増幅させてしまう
都会のバーで 酒に溺れて
見知らぬ女に 惚れてしまい
汗水垂らして 稼いだ金は
グラマラスな香りとともに 消えていく
この日々も やり直せるなら
どんな風に この札束を使うのだろう
浴びるように飲み続けた マルティニの瓶が
スーツ姿の僕を 現実へ呼び覚ます
世間体ばかりを気にする大企業で
僕は企業戦士として働いてきた
大きな責任ばかり負うのは もう懲り懲りなんだと
僕はさっき 辞表を上司に叩きつけてきた
こうすれば良かったのに その瞬間から後悔ばかり
あの時間だけ データを消すみたいに 削除出来れば楽なのに
冬のヨコハマに 独り歩く 元中年サラリーマン
春の予感 漂う街で 僕は背広姿で孤独を愉しんでいる
今日も 朝陽が見えてきた
「夏のともしび」
消えかけた ロウソク
夏を偲んでる
強い風 吹き抜けて
髪を揺らせば
旅へ出た 恋人の笑顔
脳裏によみがえる
黄昏の街で 別れたあの日
引き止めていればと
後悔が止まらない
雲隠れ 見えぬ星空
もし 君がそこにいるなら
僕の声 聞いてほしい
思い出す度 流れる汗は
何時も君想う
永遠 恋のかたち
左手首の傷 目を背け
顔上げるため 記憶改竄
そんなこと出来ない
出来るはずない
流るる血 呼び止める
ずっと 忘れたくない
叫ぶ鼓動 涙のよう
学制服 炎に包まれ
紅の記録 抹消されたし
何が何でも
変わろうとした
今年の夏
ラジオから流れる
フォークソングが残酷で
崩れゆく ロウソク
消えた炎 愛 消えるように
辺りは 闇の中へ
サヨナラ…
君の声がきこえる
「Ms.」
夢を追いかけて
やっと ここまで来れた
わたしの夢は
崩れそうになったこともあった
それでも 諦めなかったからこそ
今 ここにいるんだ
暗いスポットライトと 疎らな観客が懐かしい
あの頃のように 一人一人へ
視線を合わせることは出来ないけど
この歌で想いを届けたい すべての「キミ」へ届けたい
あなたのことが大好きなんだ 夢を共に追いかけてくれた「キミ」へ
オトノハが混じり合い 心に響く何かに変わる時
わたしの唄は ただの唄じゃなくなるんだ
バンドメンバーと最後の打ち合わせ
「ここをこうしてほしい」とか真剣な会話
だけど これまで見たことないくらい
その瞳は輝いていた
夢を共に追いかけてくれた「キミ」を愛したい
愛なんて 大袈裟かもしれないけど
わたしの夢は「キミ」がいなくちゃ
絶対 叶えられないモノだから
心からの「ありがとう」をこの唄で届けたい
立ち止まった時 振り返ってみれば
きっと 今日のこと 思い出すんだから
後悔だけはしたくない
すべての「キミ」のために 舞台に立つよ
わたしのこの唄を 聞いてほしい
夢 叶うとき すぐ其処に
「影」
影が見えます
今にも消えそうなくらい
薄い影です
どんな言葉さえも 透き通ってるように
俺を通り過ぎてゆく
君が好きだった
消えかけの幻想は
オリオン座が去っていく
あの夜空に消してしまおう
すれ違う君の笑顔は あまりに眩しくて
巡り会えた それだけで十分に思えてきた
揺れ動く意志は
脆く 弱いもの
俺はコイツと旅をしようか
【Bonus】「Ms. -Another Version-」
仕事終わり
シャンドン片手に Rendez-vous
都会のBARで Funny Time
稼いだMoney 消えていく
そんな毎日 繰り返す
今日もBARに 入り浸り
酒に溺れた Funny Boy
その時 見えた Cute Girl
翻弄されるオトコたち
クールな仮面が眩しい
夜の街 痺れる 一時
「妻が待ってる」
僕が言っても 君は笑顔で
「まだいいでしょ?」
心の中を ブチ抜かれ
一夜を共に過ごした
禁断の愛と知っていても
君は聞こえないフリ
日常が崩れても 終わらない非日常
赤い薔薇が 額を流れる
夜が明けて いつもの場所で
いつもと同じ 仕事ばかりで
飽き飽きしちゃう Everyday!!
今日もあの店を 覗いてみたけれど
流れてきたのは
カインド・オブ・ブルー
心に空いた穴は あまりにも大きくて
君の顔 思い出すたび
過ぎ去りし日々 後悔の渦の中
しばらくして 君とすれ違った
あの日と同じ顔で
君はまた笑ってた
制服の魔法…トケナイ
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