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#会長はメイド様
aishiteru-kenshin · 1 year
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Kaichou wa Maid-sama! | 会長はメイド様! | Takumi & Misaki
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highresshojosei · 2 months
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Maid Sama! On the cover of Lala DX - 2017
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majokkoradio · 2 years
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“My Secret” - Kaichou wa Maid-sama! - April 1, 2010
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lauraagrace · 1 year
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Talking about more restocks, I am SOOOOO excited that Maid-Sama! is coming back in stock!
I kept hearing great things about this shoujo, and as a result, ended up backordering the whole manga late last year!
Would love to know if you have read Maid-Sama! and/or would recommend it!
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animepopheart · 10 months
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★ 【萨摩ssssssamo】 「 会長はメイド様! 」 ☆ ✔ republished w/permission ⊳ ⊳ follow me on twitter
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is2power · 2 years
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会長はメイド様.. ♥︎
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harawata44 · 21 days
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100kgまでOK。大人も乗せて運べるトヨタのeカーゴバイク | ギズモード・ジャパン
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以下引用
メイド・イン・フランスのトヨタの自転車。 持続可能なモビリティーを促進するべく、2021年12月に大量の近未来バッテリーEVを発表したトヨタ。 世界的な自動車メーカーのトヨタですが、フランスではeバイクのDOUZE Cyclesと手を組み、脱炭素化社会を目指す電動カーゴバイク「DOUZE Cycles x Toyota Mobility」を発売します。
まるで走る風呂桶
荷台の部分には風呂桶のような300L容量のカゴを合体させられ、ここに荷物や大人ならひとり、子供なら3人を乗せて運ぶことができます。個人で使っても良いですし、企業が配達用に採用してもOKです。
荷台が850mmあるから長ーい
DOUZE Cyclesは、この分野で10年の経験があるとのこと。だからなのか、長いカーゴバイクがジャマにならないよう、中心でふたつに分解できて収納しやすくなります。 再利用したアルミを鋳造したフレームは耐荷重100kg。ポリマー製の部品も再利用されたもので、全ての部品が交換可能など、サスティナブルは構造面にも及びます。部品がひとつ壊れたくらいでは、丸ごと廃棄することがないのでエコですね。もし捨てる時も分別できますし。
これは自転車界のプリウス
500Whの充電池は取り外すことができ、4時間でフル充電に。最長で100kmの距離を走るので、50km先まで出かけて帰って来たらピッタリです。 センタースタンドはワイドで積み下ろしが安定し、低重心なので走行中も安定感があります。ディスクブレーキの制動力で安全性もバッチリです。
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ディレイラーはシマノの10速ですが、外見などから察するにモーターはヤマハが作るヨーロッパ仕様の250W「PW-X3」であると思われます。これだと最高時速が25kmなので、日本だとバイク扱いになってしまいます。とはいえヤマハもトヨタも日本の会社なので、日本版が期待できるかもしれませんね。
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rainfallsonme · 1 month
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Shoujo/Josei anime on my watchlist! Can not wait to check these and write a review. I will be making posts on my favorite Shoujo anime at all times.
▪ゴールデンタイム Golden Time 2013
▪ラブ★コン Lovely Complex 2007
▪会長はメイド様! Maid Sama! 2010
▪クラナドアフターストーリー Clannad ~After Story ~ 2008
▪アオハライド Blue Spring Ride 2014
▪蛍火の杜へ Hotarubi no Mori e 2011
▪トニカクカワイイ TOKINAWA: Over the Moon for You 2020
▪ハチミツとクローバー Honey and Clover 2005
▪海月姫 Princess Jellyfish 2010
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elle-p · 6 months
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What the Persona 3 Portable Official Fanbook says about the drama cds/novels.
商品No.001 ●フロンティアワークス ●2007年3月21日発売 ●定価2940円[税込]
ドラマCD「ペルソナ3」Vol.1 -Daylight-
ゲーム開発スタッフがプロットに開わった公式サイドストーリーで、前後編ドラマの前編。明るい雰囲気のなか、月光祭を間近に控えた特別課外活動部メンバーと、周囲の人々の暮らしぶりが描かれている。
日常生活ももちろん楽しいサれど、本編ではあまり語られていなかった"アイギスちゃんの目覚めからお休みまで"がわかる貴重なシーンを聞き逃さないで!
商品No.002 ●フロンティアワークス ●2007年5月25日発売 ●定価2940円[税込]
ドラマCD「ペルソナ3」Vol.2 -Moonlight-
"Daylight"に続く、公式サイドストーリー後編。最後の日まで残り1週間。とある事件に見舞われたメンバーの心の葛藤が語られる。『P3F』の後日談で起きた事件の原因が示唆されるエピソードでもある。
ここでは、アイギスちゃんの起動した原因に関係する秘密が明らかになるわ。真田くんが語る荒垣くんの思い出も、ファンなら聞き逃せないところね。
商品No.003 ●ランティス ●2007年4月25日発売 ●定価3000円[税込]
PERSONA3 ORIGINAL DRAMA : A CERTAIN OF SUMMER
オムニバス形式で、長さの異なる4つのストーリーが収められている。本編の物語を別の視点から眺めたり、あるいはifの世界として紹介。ゲーム開発スタッフが監修担当として制作に参加している。
それぞれの物語も興味深いけど、案内役として登場するべルべットルームのイゴールとエリザベス、ふたりのやり取りを聞かなかったら大損するわよ!
商品No.004 ●フロンティアワークス ●2008年2月27日発売 ●定価2940円[税込]
キャラクタードラマCD「ペルソナ3」Vol.1
主人公と綾時、順平の3人がゲームセンターで取った土偶をつぎつぎと交換していく物語。交換相手であるコミュキャラクターたちの新たな魅力が描写されている。ひとりニ役を演じる石田 彰氏の演技にも注目。
これにはアタシも登場しているの。ファンなら、当然!聞くわよね!?空腹のアタシにお寿司をくれるやさしいリョージ君も出てるから、聞かない手はないわね。
商品No.005 ●フロンティアワークス ●2008年3月26日発売 ●定価2940円[税込]
キャラクタードラマCD「ペルソナ3」Vol.2
順平とチドリをクローズアップした物語で、チドリをデートに誘うなら⋯⋯とアレコレ考える順平の姿が描かれる。順平が見る夢の内容が笑いを誘いつつ、チドリのぺルソナ能力の一端についても触れられる。
これでもかっていうくらい、順平くんの夢物語が詰まっているわ。彼のファンはもちろん聞き逃せないけとど、思いきり笑いたいときにもオススメのお話よ。
商品No.006 ●フロンティアワークス ●2008年4月23日発売 ●定価2940円[税込]
キャラクタードラマCD「ペルソナ3」Vol.3
月光祭が台風で中止になったとき、寮内のメンバーが天井裏を徘徊する正体不明の生命体に対して立ち向かう。病気で寝ていた主人公に対し、それぞれのメンバーがどう接したかもフォローされた物語。
主人公くんの視点だとあっさり過ぎちゃう部分だから、このエピソードは押さえておくべきね。それに荒垣くんとアイギスちゃんのやり取りは爆もノよ!
商品No.007 ●フロンティアワークス ●2008年5月21日発売 ●定価2940円[税込]
キャラクタードラマCD「ペルソナ3」Vol.4
夏休みの学園で行なわれようとしている肝試し。それを止めようとする生徒会のエピソードが、美鶴とゆかりの関係を主軸に語られる。ふたりが将来的に心を開き合う、ある意味過渡期となる物語である。
ふたりはこのあとしばらくして仲良しになるんだけどね。それでもギクシャクとした中に、確かなつながりが見え始めるこのお話は見過ごせないわ。
商品No.008 ●フロンティアワークス ●2008年6月25日発売 ●定価2940円[税込]
キャラクタードラマCD「ペルソナ3」Vol.5
タルタロス探索中のトラブルをきっかけに、荒垣と真田が険悪に⋯⋯。そんな彼らの友情を越えた絆が描かれるエピソード。本編では語り切れなかった、ふたりだけのやり取りを存分に堪能できる。
注目ポイントはタルタロスでの探索!どうやってアイテムを持ち歩いてるのだとか、荒垣くんはバス停装備を不思議に思わないのかとか、知りたければ聞くこと!
商品No.009 ●フロンティアワークス ●2009年1月23日発売 ●定価2940円[税込]
ドラマCD「ペルソナ3」New Moon
2作目となる前後編公式サイドストーリーの前編。父親を失った直後の美鶴ち中心に、遺産を巡る桐条グループ内の確執が語られる。本作はいわば問題提起編で、物語の決着はつぎの後編で示されている。
美鶴ちゃんのお母様やメイドの菊乃ちゃんのほか、新登場キャラがたくさん出てくるわ。総師を朱った桐条グループの顛末を知りたいのならば、絶対にオススメ!
商品No.010 ●フロンティアワークス ●2009年2月25日発売 ●定価2940円[税込]
ドラマCD「ペルソナ3」Full Moon
公式サイドストーリー2作目の後編。前編で幽閉の身だった美鶴をゆかりが救出、その後はメンバー全員で桐条の陰謀とシャドウを打砕く。美鶴の覚醒とファル口スの変化につながる物語と言える。
前編でやきもきさせられたぶん、クライマックスのアクョンシーンは必聴よ!お話と同様、ジャケットの絵もつながるからそれだけでも十分オススメね。
商品No.011 ●エンターブレイン ファミ通文庫 ●2006年10月30日発売 ●定価627円[税込]
小説「ペルソ��3 オワリノカケラ」
本編開始約の1カ月まえ、主人公参加以前の特別課外活動部の物語を綴った小説。ボクシング部の元マネージャー時任亜夜にまつわる事件が語られる。本編の鍵となるシャドウの出自にもつながるエピソード。
真田くんたち上級生3人もだけど、戦いを恐れながらも活躍するゆかりちゃんも見逃せないわ。それと主人公くんぽい人が最後にちょっと出演しているわよ。
商品No.012 ●エンターブレイン ファミ通文庫 ●2006年10月30日発売 ●定価627円[税込]
小説「ペルソナ3 シャドウクライ」
ストレガの3人にターゲットを絞った小説2作目。復讐代行を生業とする彼らに、かつての仲間イブミが依頼者として現われる。浮世離れしたタカヤとチドリをまとめる、苦労人ジンの姿も描かれている。
"敵側の視点から物語を眺める"。それだけでこれまで見えなかったものが見えてくるものよ。ストレガの3人が協力して戦う様子もあまり見られないだけに貴重ね。
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aishiteru-kenshin · 1 year
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Kaichou wa Maid-sama! | 会長はメイド様! | Takumi Usui
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highresshojosei · 2 months
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Maid Sama! On the cover of Lala - November 2013
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mkmkobk · 1 year
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メイド諸君!を読んで
「なんで処女じゃないんですか!?」のシーンが有名なマンガ
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その言葉は処女信仰をこじらせた厄介オタクの発言かと思ったが、そう単純ではなかった。もっと現代的な悩み…貞操観念の男性と女性の認識の違いを感じた。
どの時代においても処女信仰はあり、またその逆があった。しかし、現代において性の認識というのはもっと複雑に絡み合っている。このマンガが連載されていたのは2006年から2008年だが、そこから現在においても性への認識や状況は大きく変わっている。それほど現代は性への苦悩が多いことを示している。
そしてこの右の彼は鳥取大介といい、童貞。左の彼女はメイド喫茶に勤める藤堂千代子(チョコ)といい、非処女。
ただ、厄介オタクとは違い彼彼女らは相思相愛なのである。
つまり、オタクとそのオタクの対象というよりは、リアルな人間関係の恋愛と捉えた方が適当だと思う。
非処女とのセックスに童貞が他の男と比べられてしまうのでは…という、かなりリアルなシーン。
それを踏まえてこのコマを見ると見え方が変わるのではないだろうか。
この一連の流れも良かったが、個人的にはこのマンガの見どころは他にあると思う。
冒頭は主人公の藤堂千代子がメイド喫茶に務める成長日記かと思ったが、読み進めるとメイド喫茶を舞台とした愛憎劇であった。
メイドとご主人様という”主従関係”を題目に現代のリアルな恋愛関係にも展開していく。
登場人物は上記の2人だけではない。メイド喫茶を中心として関わる様々な人物が関わり合い作用し合う。
視点は移ろいゆき、最終的な主従関係の変化を自分は楽しんでいた。
そして個人的に刺さったシーン
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「俺をお前の鏡にしようだなんて百年早いって話だよ」と言い放たれる、メイン人物のひとり、野口歩美(あるみ)。
この女性は上の鳥取大介と同じような一面を持ち、言われてもないことを想像し自分の中で展開し悪い方へと捉えてしまうクセがある。耳の痛い話だ。
そして自分以外の人間を自分を判断するためのモノとしか扱っていない。
オタクの人間によく見る、隙あらば自分語りしてしまうというクセ。
これは相手のことを考えて発言しているのではなく、自分自身について語り相手を自分の良いように動かしたいという欲から来ている。昨今Vtuberの配信でもよく見るが、話しの流れを考えずに自分のことを話し、反応してもらおうとする人がいる。これは相手の話を聞きたいのではなく、自分自身の出来事に興味を持って欲しい、そして相手が自分の好みのように動いて欲しいと言う従属的な考えからきている。自分自身を相手にミラーリングしようとしている。このことだろう。
どっかでこのことについて名称がついているのを聞いた気がするが…忘れた。
相手を鏡としてしか見ていない人間は2パターンあると思う。
1つ目は聞いてもないのに自分のことをよく喋る人。
こういう人はコミュ強だと勘違いしている人が多いが、単に1人で喋って間を持たせているだけで会話をしている訳では無い。そういう人がグループに1人いると、ほっといても喋ってくれるので聞いてる側としては楽でいいが、本当のところのコミュニケーションはできていないだろう。現に会話を試みようとしても、あまり良い反応をしない。
まぁでもこういう人の扱いは難しくない。適当にハイハイと頷くだけで対処できる。
しかし、2つ目は自我が内側に向いている人。上記の2人はこちらだと思う。
こちらの扱いは非常に難しい。被害妄想が過多気味だったり相手の行動を全部先読みしようとする。かく言う自分がそういった傾向にあるので心に刺さる。
変に行動を先読みしようとしたりせず、軽い気持ちで話せれば良いのだが、そう簡単にできるものではない。できるならば既にしている。
相手のことを見ようとせず、心を閉じ、自我の中でグルグルとするだけ。
見ているのは自分自身でしかないのだろう、というのは本当にその通りだと思った。
一筋縄では展開しない人間と人間の交流
幸せを感じてもなお不安が裾を引っ張っている
恋愛=セックスという短絡的な思考に陥るつもりはないが、そういう一面もあるのは確かだろう。
三島由紀夫曰く、処女膜があるのはヒトとモグラだけらしい。
なんとも皮肉な話だ
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nemosynth · 1 year
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Season 2, episode 3 - ensoniq
「エンソニックは、良きライバルとして共に大きくなる会社や。」  〜伝・梯郁太郎氏
♬     ♬     ♬
「幻のジャイアント・インパクト」
1980 年代初頭アメリカ合衆国。当時世界で最も進んでいた黎明期のパソコン業界。
そこにSound Interface Device、略してSID(シド)なる音源チップが誕生。そのSIDは最初パソコン用音源ICとして開発。なるも、ちょっと歪んだその音が凶悪な個性を帯びているという評判から、やがて後世にてチップチューンの名ICとしてレトロフューチャー的に再発見。2000 年前後にはスウェーデンはelektron社きってのイカれた卓上シンセSID Stationの音源コアとなり、その希少な在庫が枯渇して入手不可能となった後はその音をモデリングしたエミュすら登場、今や伝説のチップとして名を轟かせる。
そこまでして時空を超えてひっぱる人気の名石SID。デビュー当時「ぴー」とか「ぶー」とかしか言わんブザーみたいなPC用の音源回路ばかりの中、すでにSIDは1台のシンセサイザーをまるっと内蔵、すなわち:
・3基のデジタルオシレーター:鋸歯状波、矩形波、三角波、擬似乱数ノイズ、この3基のオシレーターを円環状にカスケードさせたハードシンクすら可能 ・1基のステートバリアブルVCF ・3基のアンプ ・3基のEG ・3基のリングモジュレーター:3基のオシレーターを円環状にカスケードさせたリング変調も可能
...をすべて内包して3音ポリを実現。リングモジュレーター3基とかハードシンク3系統とかどっちも円環状に変調できるとか何気に凄いですね。さしずめ「リング状リング変調」「リング・リングモジュレーション」「リンリンモジュ♬」てとこでしょうかね。SID Stationではウェーヴシーケンスすらできたよね!すぐバグってメモリーがぱぁぷりんに吹っ飛んだけどね!
それもそのはず、SIDを設計した開発エンジニア・チームはパソコン業界を超えて、ゆくゆくはプロ仕様シンセサイザーに採用されることすら夢見てこれを作った。彼らに言わせれば当時のパソコン向け音源ICなんて、音楽のことなどまるで分かってないやつらがでっちあげた代物。そこにミュージシャンマインドでもって音楽的新風を巻き起こさんと取り組んだ意欲作 SID。唯一彼らが心残りなのは、イラチなクライアントのせいで開発期間が短すぎて音質を充分によくできなかったこと。
いや、もうひとつ。さらにもうちょっとだけ時間があれば3音ポリどころか空前絶後の32音ポリにすらできたこと。ただでさえ当時ありえない32音ポリしかも前代未聞3オシでリンリンモジュ。 聴こえますか、このぎゅるぎゅる言うエンドレスなリンリンモジュの音が。まさにタキオン粒子加速器、エネルギー充填120%!反物質砲ファイア!!!
いやぁ、もし当時そんな怪物チップが出来上がっていたら6音ポリしかなかったJUNOはおろかPolysixやJX-3Pはひとたまりもなく吹っ飛び、最大でも8音ポリだったJupiterやTRIDENTはもちろん名機prophetもOBもSynthexも大打撃、挙句DX7をもってしても16音ポリとあっては戦略やり直しとなったのであろうか。
大陸を一撃で殲滅しえた恐るべきオーパーツの如き破局、そのコアたりえた一個の種、秘石SID。
このICを誕生せしめた若きエンジニア・チームは、彼らの偉業にちゃんちゃら無理解なパソコン業界に嫌気がさして見切りをつけ、いっそ電子楽器メーカーにならんと進路変更。 その社名を新規に考えるべく、まずは出発点として「音に関するもの」を意味するsonic(ソニック)、おふらんせ〜ふうに洒落てみるべく最後1文字「c」を「q」に変更してsoniq、さらに「包み込む」というような意味の接頭語 in- をくっつけて insoniq としたいところを敢えてそうせず、その接頭語 in- を古語 en- へとひねることで洒落てみて ensoniq。英語で「エンソニック」と発音するときは「ソ」にアクセント。なんならついでに「エンソニック」と「インサニック」の中間みたいな発音で。その名のとおり理想の音でくるむように、包み込むようなイメージでどうぞ。
やがて目からウロコの次世代シンセメーカーとしてめきめきと頭角を現すばかりか、海外シンセメーカーたちが安価で高性能なメイド・イン・ジャパン・シンセたちとの競争に敗北し軒並みばたばたと倒産する中、唯一、並みいる日本企業たちを相手にその好敵手として大立ち回り、デジタル・エイジにて大活躍、創造性の国アメリカならではのとらわれない発想と国産機の痛いところを突いた名機の数々でもって全地球のシンセヲタどもをぐぬぬと唸らせることになるこの会社。 これまでこの連載で紹介した電子楽器メーカーはすべて 70 年代前半までに設立され、ヴィンテアナログシンセ時代から続いてきた古参企業ばかり。YAMAHA や KAWAI に至っては戦前から存在する老舗。だが、ここについに新しい生粋のデジタル世代が登場。黄金の80sにふさわしくちゃきちゃきのとんがったデジタル野郎たちが大暴れするそんな彼らが旗揚げしたのは、時に1983年、MIDIが公式に誕生しDX7が電子楽器の金字塔として堰を切ったように怒涛の快進撃で世界へあふれだしていたころであった。
♬     ♬     ♬
「ファーストインパクト:Mirage」
ensoniq社が最初に出したのは実はパーカッションパッドであったが、ほとんど無名。いい音がするらしい。そして創業2年後の1985年、急速に成熟しつつある電子楽器マーケットにおいて全くの無名だった彼らはMirage(ミラージュ)という名の価格破壊サンプリングキーボードをだしぬけに投入。 お歴々はご存じであろう、当時サンプラーといえば最高1億円したシンクラヴィアか、1,200 万円もしたフェアライトCMI、はたまたイーミュレーターやカーツウェルK250 といった300万円はくだらない電子楽器のロールスロイスみたいなやつばかり。そんなところへやにわに1,599米ドルというアゴ外れんばかりにありえない破格でガチ道場破りしてきたのがMirageであった。
SIDチップをベースに自社開発した音源IC「DOC(ドック: Digital Oscillator Chip)」、コードネーム「Q-Chip」。これはSIDで開発期間が短すぎて具現化できず無念の涙を飲んだ32ボイス仕様を実現した夢のチップ。だがすでにDX7が出てきた今、Mirageではこれをあえて戦略的に8ボイスに制限し、その代わり1ボイスあたり2オシレーター最大4波形を重ねてトリガーできる仕様とした。8ボイス✕4波形で32音、うまいっ! しかも強力な自社開発デジタルオシレーターチップに加えてカーティス社のVCFでもってデジアナハイブリッドな音の加工も可能という、自力でIC設計できるensoniq面目躍如。
その一方で7セグ2桁LEDが唯一の表示、しかもテンキーだけでパラメーターを打ち込むという、しかもそれは16進数という、無慈悲なカスタマーエクスペリエンス。そもそもあまりの音質のひどさにMirageはサンプラーではなく原音をとどめないシンセであるとまでジョークにされて叩かれるも、そんな噂どこ吹く風。フェアライトが登場して6年、みんなアート・オヴ・ノイズの真似したくてしたくて「んもぉぅ辛抱たまらん」うずうずしてたところへ欧米ではDX7よりも安いサンプラーが放り込まれたのだから猛獣の檻に生肉を放り込むようなもの。
しかもシンセまるっと入った音源チップを自社開発できることがensoniqのコア・コンピタンスだったわけだが、彼らの強みはそれだけではない。 記憶メディアだって業界初の3.5インチ・フロッピーディスク。当時、他のサンプラーが採用していたストレージはほんとうに「フロッピィ」だったぺらっぺらの5インチ。耐久性ヤワすぎて折れ曲がる上に薄いプラが劣化するやつ。なので硬質な樹脂カートリッジに守られていた3.5インチはハンドリングも楽でガシガシとスタジオでもライヴでも現場でミュージシャンがタフに使える頼もしい相棒。一層お安い価格破壊MIDI音源モジュール版までちゃんと用意。上級者にはオプションでMASOS(メイゾス:Mirage Advanced Sampler Operation System)という黎明期のエディターソフトすら完備する全方位っぷり。PC業界からスピンナウトしただけあって、なおかつミュージシャン・マインドなだけあって「分かってらっしゃる!」
一方、Mirageには妙なところもあった。ビット深度が8bitだったのは時代だとしても、量子化の目が粗すぎてループ時に波形ゼロクロス・ポイント同士が出会わないことがあり、そのときはサンプルをディチューンさせることで波長を無理くり変えてゼロクロス・ポイント同士をつなげてループさせたのだという!!! 野蛮!!!
Mirageの雄叫びを純正ライブラリーサウンドで聴いていただきたい:
Ensoniq Mirage Sound Demo
youtube
いいねぇ、粗さがインダストリアル♬ っていうか粗いくせに不思議にリアルというか、音楽的ですらある、圧倒的じゃないか...!
これですよこれ! 音楽的であればそれでいい。だってみんなこれがしたかったんでしょ? それにPC業界出身だからチップ設計はもちろん、ストレージメディア選択とかも時流を読んでばっちし的確。 デジタルに熟知した彼らはサンプラー市場にぽっかり空いたブルーオーシャンな窓を目ざとく見つけ、そこにピンポイントでMirageをぶちこんだのであった。そこまで狙い済ませたモデルが人気炸裂しないはずがない。それまでやれ音のクォリティだトータルな楽曲制作環境だとくそまじめに気にしていたやつらを尻目にMirageはパンクなまでに軽快な���ペックでもってバカ売れ。この痛快さは、だがむしろ歴史の必��ですらあった。まさしく製造業界のパンク野郎ensoniqは、だがミュージシャンにとって大切なものが何かをよく分かっており、しかもそれをパソコンという外様の発想で具現化するヒーロー、旧弊であり様式美であった楽器業界を打破する新進気鋭の疾風怒濤であった。かっこいい!
同じ1985年、AKAI初代サンプラーしかもすでに12bitのS612やSequential Prophet-2000といったサンプラーが続出、CASIOからは庶民の味方SK-1 Sampletoneを見た。翌1986年には業界標準機となるAKAI S900、KORG DSS-1、Roland S-50/S-10などと個性派サンプラーが続々登場、世界はアナログとFMとサンプラーというサウンドが支配。それはまだPCMシンセが台頭する前のことであり、よってKORGもRolandもシンセメーカーでありながらフラッグシップはサンプラーというちょっとだけ不思議な時代でもあった。
え? 当時PCMシンセってまだだっけか? 当時のPCMシンセって400万円したKurzweil K250だけ?
じつはMirageローンチの翌年、PCMワークステーションシンセの草分けensoniq ESQ-1リリース。Roland D-50の前年、KORG M1に先立つこと2年、ensoniqはすでに次の一手を打っていた。
♬     ♬     ♬
「セカンドインパクト:ESQ-1」
ESQ-1は実はMirageのアーキテクチャーを概ね引き継いでいる。同じ音源チップをあえて8音ポリに制限するところまで同じ。ただそれを3オシレーターとして見せており、
・3基のPCMオシレーター ・1基のVCF ・1基のVCA ・ハードシンクならびにリングモジュレーション可能
って、ちょっとSIDみたいな先祖返り的な構成。
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とはいえ32の音源波形はPCMではあったがサンプルまるごとではなく1波のみ切り出してループさせたもの。それでも流石ミュージシャン・マインドを持った彼らだけのことあり、サンプル1波ループとはいえ切り出し方が天才的にうまくてリアルに聴こえ、それをフィルターやEGで加工すれば表情ゆたかなPCMシンセサウンドになった。すなわちKORG DW-8000やKAWAI K3にも近いがサイン波倍音加算合成でもなく一応はPCMだったのであり、音のリアルさや音色バリエーションの豊富さにおいてもこれらを凌駕するものであった。なによりも音が音楽的。これまたスペックや数値ばっか気にする当時の真面目人間からは出てこない「使えるサウンド」であった。
加えて最大2万4千ノートの8トラックシーケンサーも搭載。これは2年後のKORG M1が最大でも7千ノートでベースライン2〜3曲分でしかなかったことを思えばその3倍以上、楽曲制作に充分であった。電源をオフってもバックアップ・バッテリーでシーケンスデータは保持。8ボイス8パートマルチティンバー音源はそのまま8トラックに対応し、じつはKORG M1よりも前に史上初の本格的こんにち的ワークステーションシンセとしてデビューしていたのであった。この質実剛健なつくりを見るといかにM1がマーケティングの勝利だったかって分かるよね。
パソコン業界ゆずりは音源やシーケンサーだけではない。初めてファンクションキーを導入した操作性も流石PC。アバウトだがLCDよりも視野角が広いFL管を採用、今ならそのエモい表示がレトロフューチャー・コンピューター感。そしてensoniqはファンクションキーのことを「ソフト・キー」と呼び、画面によって機能が変わるから、すなわちソフトウェアに依存して規定されるからだと説明。このクールなネーミングセンスもPCならでは。なのだが、どういうわけかその説明が欠落したまま日本に伝わり「押した感じが柔らかい」と紹介されてしまう。 この操作性を活用し、1画面内に10音色を一気にならべて表示、ファンクションキーでよりどりみどり思いつきで音色選択できるすぐれた操作性もお初。40年くらいたってからKORG KRONOSにてSetlistという名前でふたたび採用。
そしてトドメのプライス1,395米ドル。日本価格はDX7や後のD-50、M1を上回る29万8千円であり事実上無名であったが、海外ではぐっと親しみやすい価格設定。おかげで5万台も売れたらしく、特に北米ではESQ-1と一緒にATARI STやCommodore AMIGA など黎明期のパソコンが綺羅星の如くならび、ESQ-1は海外コンピューターミュージック用キーボードとしても市民権を得た。そして日本のミュージ郎よりも先にゆくその普及率に、じつはその航跡を追うかの如くもうひとつの知られざるビジネスが勃興していたのであった。サードパーティ音色ライブラリーである。
ESQ-1が売れるところ、雨後のたけのこの如くあまたの音色ライブラリーメーカーが登場。中には不幸にして自宅を失って友人の土地に長さ6mのトレーラーハウスを停めて暮らし、膝の上にESQ-1のっけてそのローンに苦しみながら夜な夜な午前3時まで一心不乱に音創りするあぶね〜野郎まで登場。その彼が作ったESQ-1音色カートリッジは半透明のエポキシ樹脂にくるまれて生産され、それゆえにVoice Crystalシリーズと名付けられた。そう、Eye & I社Voice Crystalシリーズ。のちに大ヒットし、特にRoland D-50用のライプラリーはK社エンドースを受けていたキースさんまでを虜にしてクリスマス・アルバムまるまる一枚を制作せしめロゴをバミって隠したD-50とともににやけて雑誌宣伝広告写真にまで映ってしまったあのシリーズである。
同じ1986年、Apple社から初期のパソコンApple II GSが発売。GS とは Graphic and Soundの略であり当時盛んに言われていたマルチメディアへの対応を謳ったモデル。そしてここにも搭載されたのがまさにensoniqのDOC音源チップであった。Apple II GSは、これをそのまんま32ボイスのシンセ音源チップとしてフル活用、さらに15ボイスに達するステレオ波形再生も実現、Macintoshが登場するまで古典的時代の牽引役として輝ける看板機種となった。
一方、本業においてシンセとサンプラー、すなわちESQ-1とMirageというペアでもって時代を先取りしたensoniq。だが北米では絶好調でも日本では販売価格がむやみに高かったせいかあんまし認知されていない。そうこうしているうちにDX、CZ、FZ、S900、D-50、そして最後の大物KORG M1が「ワークステーションシンセ」というキャッチーなタームを繰り出してESQ-1のお株をさらってしまった。 そんなデジタル群雄割拠の中、ensoniqは音源チップDOCを進化させた DOC IIを開発。これをコアとしてESQ-1の後継機種SQ-80 と、Mirageの後継機種EPSことEnsoniq Performance Sanplerとを開発。中でもEPSはのちの電子楽器業界を大きく変えるコンセプトをはらんだ胎動となったのである。
♬     ♬     ♬
「サードインパクト:EPS, SQ-80」
EPSは、パンキッシュだったMirageから一転、ただまじめに音が良いサンプラーになっただけではない。
確かにシンセと違ってサンプラーには写実主義という出自があった。勝手気ままに理想の音を追究してもゆるされる自由奔放天真爛漫なシンセとは違い、当時のサンプラーに几帳面でくそまじめなイメージがつきまとうのは、その命題が写実主義だったからに他ならない。原音忠実、ハイファイ再生、だからビット数もサンプリング周波数も内蔵メモリー容量もどんどん数値はうなぎのぼり。高音質それだけのために恐竜のように肥大化してゆく一途。 でもなんかそれって袋小路。
だからこそ、そこに異を唱えたのがEPSであった。不毛な量的拡大ではなく質的転換、鍵はアーティキュレーションにあった。
生楽器にはアーティキュレーションがある。具体的に言うとさまざまな奏法がある。例えばヴァイオリンであれば、 ・弓を押し引きするアルコ ・弦をはじくピッツィカート ・短く跳ねるように弓で弦をこするスタッカート ...などなどあるわけで、既存の日本製サンプラーでは各奏法を別々のプログラムに収録してライブラリーが作成されていた。つまりプログラムごとに高度に専門化された内容でライブラリーが制作されており、現場では奏法ごとに異なるプログラムを逐一サンプラーにロードして演奏する。すなわち...
・アルコ用プログラム ・ピッツィカート用プログラム ・スタッカート用プログラム ...などなどなど。
だがEPSでは必要な奏法をすべて収録したプログラムを1つ作成し、それをロードしさえすれば主要なアーティキュレーションすべてが自在に演奏できるようにした。プログラムの中にレイヤーを設け、そこに各奏法を収録したのである。
・ヴァイオリン用プログラム  - アルコ用レイヤー  - ピッツィカート用レイヤー  - スタッカート用レイヤー ...などなどなど。
各レイヤーは単一奏法をサンプリングしたマルチサンプルで構成され、最大8レイヤーで1プログラムを構成する。 しかも奏法=レイヤーの切替は鍵盤左横の2連パッチセレクトボタンで行う。このパッチセレクトボタンがじつはensoniqならではの秀逸な発明であり、鈍重なプログラムチェンジを行うことなく、すばやく音色を切替えられる。プログラムを構成するレイヤーのみを切替えているからだ。だからタイミングよく反射神経で、それこそ演奏中その場の思いつきだけでぱっぱとアーティキュレーションを切替えられる。
なんならアーティキュレーションにとらわれず、まったく異なる音色を各レイヤーにもたせて切替えてもいいね。 なおこのパッチセレクトボタンは基本アンラッチ(モーメンタリー)だがラッチ設定にもできる上に、フットスイッチでも可能。
アーティキュレーションごとに個別プログラムを用意するのではなく、必要なアーティキュレーションをすべて網羅したプログラムをつくる。つまり楽器まるっと1つ、あるいは楽曲まるっと1つ収録したプログラムを制作する。そしてそれを最大限にぶん回せる構造にサンプラーを設計する。
ひょっとしたらライブラリーを先に規定し、あとからそれに合わせ込むようにしてハードを設計したのかもしれないサンプラー。それがEPSであった。 これは実に理にかなっていて、つまりコンテンツを最重要視した設計ということである。サンプラーたるものコンテンツありきなわけで、それが見抜けなかった当時の日本メーカーはやっぱハードしか念頭にない古典的ものづくり企業だったのであり、そもそもハードをなんのために使うのかがイマイチ分かっていなかったと言わざるを得ない。いや、それはE-muやKurzweil、Fairlightといった海外企業でも同じか。いかにensoniqがうがったものの見方をしていたかが分かろうというもの。
サンプリングはもう当たり前。次につくるべきは肥大化するあまりただのレコーダーへ堕ちようとしていたサンプリングマシンではなく、役立つ楽器としてのサンプラーであった。
もっと正せば、なぜサンプラーを使うのか?シンセがあるのになぜサンプラーなのか?サンプラーにしかできない事はなにか?と考えたとき、写実、というテ���マがあるのであり、それを単に原音忠実としか捉えなかった既存メーカーと、アーティキュレーションという次元まで踏み込んで「写実」というテーマを考え抜いたensoniqとの違いであった。
そういやEPSではプログラムチェンジで切替えられる音色単位を「プログラム」とか「パッチ」とかって言わずに「インストゥルメント(楽器)」って呼んでたね。 歴史の浅いサンプラーがゆえに名称が固定化していない、そんな時代ならではの自由度の高さとはいえ、やっぱ示唆に富んでます。
もちろん当時これは目からウロコであった。今どきの大容量ソフトウェア音源には奏法の違いを切り替えるべく、最下1オクターヴをスイッチ代わりに打鍵させる機種があるよね。言わばその発想をすでに1988年に先取りしていたのがエンソ、偉い! 史上初めてアーティキュレーションに着目しアーティキュレーションを切り替えながらリアルタイム演奏できたサンプラーだからEnsoniq PERFORMANCE SamplerイコールEPSだったわけ。
13bitといういささか中途半端な解像度だったEPSは、12bitの2倍も音が良いというだけでなく、サンプラーのパラダイムシフトを宣言するものであった。
他にもEPSには自動ループ作成機能があり、いろんなアルゴリズムが選べたばかりかSynthesized Loopという究極アルゴリズムに至っては波形そのものを書き換えてしまうことで若干音が変わろうがおかまいなし、無理くりでもループをとる。え、サンプラーって原音忠実が至上命題と違ごたっけ? でも結果が音楽的でありさえすればそれでいいでしょ? 持続音がほしかったんじゃないの? やろうと思えばオケヒからでもループとってじゃ〜〜〜〜〜ってサスティン効かせて流せるのよ。おかげでensoniqはループがとれない音はない!と断言しきっていた。もはや蛮勇。
演奏中に別の音色フロッピーを読み込ませることができるLoad while playもまた目からウロコ。ロード中は他になにもできないのが当たり前と思っていた私たちは、マルチタスクというものを知らん原始人だったわけだ。 おまけにポリフォニック・アフタータッチも装備。世が世ならばMPEとともに大注目されていたはず! オプションでFlash Memory Bank、今で言うSSDも先駆的に搭載され、特にディスクベースだったOSをストアしておくと起動が早くて便利。なんて80年代には早すぎて誰も知らなかったよ。
最初は、単に安くておもしろいサンプラーでありさえすれば良かったMirage。 その次に、すぐれたサンプリング「楽器」たらんとしたEPS。
この成長は、E-muですら成し得なかったものであった。E-mu社がEmulator IIの開発に難儀したのは「単なるサンプラーを超えてサンプリング楽器とはなんぞや?」という問いに対し有効解を見つけるのに苦心したからにほかならない。それをensoniqはやってのけたのであり、無から有を、ゼロから1を、理想解を具現化しえた唯一のメーカーであった。ぐぬぬと唸らされたのは全世界。
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他メーカーにはない自由な発想の数々、そしてそれを惜しみなくつぎ込んだ豊かな果実EPS。当時メイド・イン・ジャパンを始めとする安価で高性能で高音質の機種が台頭していたときに、まったく違う発想のサンプラーが登場。それはそもそも何故サンプラーなのよ?サンプラーって何よ?という本質から考え直してゼロから起こした自由の国アメリカならではの機種のはずだった。
はずだった?
SQ-80とEPSはユニークな発想が光り他社の弱点を突いた問題作でありプロからの評判も上々だったが、銀行屋がもっと売上をと言い出した。欧米の銀行は日本以上に短期的成果を要求してくる。それゆえensoniqはすみやかに次世代機種を出す必要があった。そんなアクロバットを実現するためには今までと同じことを繰り返すわけにいかない。 果たしてensoniqはSQ-80にとってかわる次世代シンセを開発。そのために下した英断とは:
・音源チップDOC、DOC IIを廃番とし、さらなる新音源チップDOC IIIコードネームOTISを開発、かつ、これを初めて投入 ・ESQ-1、SQ-80と続けてきたシンセのアーキテクチャーも敢えて棄てる ・サンプラーEPSをベースに、なおかつそれにひねりを加えた次世代シンセ音源をつくる ・次世代シンセは初めてCDと同じくサンプリング深度16bitを実現 ・更にエフェクト用に優秀なDSPを新規開発。これによる新型24bitマルチエフェクトを内蔵させる ・すべてをかつてなく短期間で商品化する
時に西暦1989年、名機VFXが誕生する。
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「フォースインパクト:VFX」
世の中ワークステーションシンセだらけ、もうすっかりワーステ・ブーム。かつてESQ-1がその草分け的存在だったのに、マーケティングの勝利M1にお株を奪われたわけで。 しかしその流行に乗って百花繚乱に咲き乱れるワークステーションシンセたちの真っ只中にあって、VFXは真逆にワーステを捨て、ただただ音のキャラと表現力のみにこだわった素のシンセとしてまさかの逆張りデビュー。内蔵シーケンサーはおろか、フロッピーディスクドライヴがあったはずのところには意味不明の穴ぼこがぼこっと口を開けている始末。こんな後始末もろくにしないとは、よっぽど開発を急いでいたのであ��うか。とにかく、ただただ個性的な���音源と強力エフェクトあるのみ。 その一方でCPUには名門モトローラM68000! これ当時Macやフェアライトに採用されていたガチなやつですよ。ちなみにAKAI S900のCPUはNEC PC-98と同じV30。prophet-5はZ80だったよね。そしてVFXの音源ICには前述のとおり第三世代チップensoniq謹製OTISを、内蔵エフェクトには最新DSPを投入。音源チップのほうは90年代に入ると通信カラオケやアーケードゲームの数々にも搭載されることになる。
驚愕したのは音、音、音、壮大な音。映画館のような重低音が出る出る満ちる、エピックなサントラなど朝飯前。低域にコンプかかってんじゃね〜か?って思うくらい。しかもとにかく太い、押しが強い、いやそんなもんじゃない、もう我が強い、腕っぷしが強い、サウンドの力こぶ筋骨隆々、そこのけそこのけ強強すぎてミックスの中でいくら音量を下げても俺が俺がと出てくる出てくる。ごりごりのシンベ。のしあがるオーケストラ。つんざくリード。自己主張はげしすぎてそこんじょらのシンセはもちろんメタルのディストーションギターの音の壁ですらもろともせず抜けて聴こえるシンセブラス。どやかましいロックなアンサンブル全体をたった1音で深々とせき止め、がっぷり四つに組んでガッツリ支える、ヘラクレス級に腕力を誇るストリングス。重低音重低音。もはやVFXは音世界を支える巨人アトラス。あんなランボーなやつ、ちょっといない。他機種の音色は皆さん荷物まとめて帰って行きよりましたわ。
プリセット音色がまた秀逸、単体で聴くと「え?」と思う音色でもアンサンブルに混ぜると絶妙に良い音色になる。なんというミュージシャンだましいな耳でもって開発されたのか。 単に推しが強いメリケン・サウンドだけではなく、自分で音をつくるとそれはそれはもう深い深い幽玄なるたましいの深淵をのぞきこむ底なし沼にディープな音もつくれる。なんだか日本ではコムテツが多用したSYMPHONYというプリセット音色でばっか知られているようだが、なんともったいない! あんなもんオケヒ・ループにペットのサンプルをレイヤーしただけで自作できる。さらに工夫して作り込めばほんとうに深い味わいある音が、プリセットとはまるで違う音のパノラマが展開する名機。
・なんせPCM波形が実物以上に壮大な音がする ・その上に、PPGウェーヴテーブル音源の発想を取り入れた新開発TransWave波形もいろいろ搭載。楽しい! ・Oberheimにしかなかったモジュレーション・マトリクスも初めて採用 ・6系統の減算方式レイヤーによる重層的音創り ・強力エフェクトのおかげで何をやってもバルビエリ御用達どよよんサウンド ・そしてEPSゆずりのパッチセレクトボタンのおかげで、どぎまぎしながら音色選択ボタンを押すタイミングを狙いすます苦行さいなら
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VFXはすぐれて他社の弱点や欠点をうまく突いた名機であり、ensoniqが他社シンセをよく研究していることの現れであった。というよりそれ以前に、そもそもシンセとは何か?どうあるべきか?と鋭く問うシンセ史上たぐいまれな名作であった。ひとことで言えば思いつきに即答えてくれる、難しい仕込み不要、そんな直感的デジタルシンセであった。
そしてこの広大かつフレキシブルに音が変化するアーキテクチャーを、ensoniq はDynamic Component Synthesis(各ブロックが動的に他ブロックに働きかける音源)と呼んだが、さすが英語が母語だけあってうまくその売りとなる特徴をとらえている。
にもかか���らずVFXは不運なシンセとなった。 銀行屋が圧力をかけるゆえensoniqはVFXを手っ取り早くつくるはめに陥ってしまい、いい加減なつくりのまま量産してしまい基板や機構に不備が続出、バグも多くてクレーム続出。ついにアメリカにて「No more Ensoniq!」と言い出す楽器店まで現れた。それも最大手チェーンGuitar Center。 それでもなお音がいいのはなんでか?というと、これもやはりいい加減なつくりだったから! すなわちデジタルに強すぎてアナログ回路にむとんちゃくだった彼らがテキトーな最終段アンプをでっちあげてしまい、それが逆に奏功して良い音になったのだという!!!
度重なる蛮勇にクレーム殺到、それでもなおその音にこの上もなく恋い焦がれたユーザーたちアーティストたち。まさに「蛮勇引力の法則」ここに極まれりensoniq。
これゆえ不良撲滅すべく改良を重ねたあげく、半年後にワークステーションシンセVFX-SD投入。VFX「-SD」は機能追加されたSequencer + Disk driveの略。それでもまだ故障が多々あり、VFX-SDのFL管ディスプレイの直下をぐいっと押すとてきめんにエラーが出る笑 のちにアコピ波形に重点を置いたVFX-SD II、さらにはSD1、そしてついにSD1 32 Voiceと世代交代を重ねるにいたりようやく不具合沈静化。VFX-SDをSD1仕様にまでアップグレードしてもらえる基板交換サーヴィスもあったが、ただでさえ十万円もした上にエンソニック・ジャパン社まで送り返さねばならず諦めてしまったは一生の不覚。いやそもそも最初からVFX-SDをじっくり開発して出すつもりが焦って先にVFXというカタチで半年くらい先にフライイングで出しちまったんじゃねーの?とすら勘ぐってしまうね笑
そのVFX-SDというワークステーションシンセが誇るは音源だけではない。
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こちらもすぐれた最大24トラック内蔵シーケンサー。いにしえのOpcode 社 VISIONと同じく長大なパターンシーケンサーで構造的に作品が作れる。思いつきで断片的なシーケンスを12トラックでたくさん作り上げ、それがたまってきたら適当につないでソングにしてみたり順列組合せを変えてみたりと試し放題、思いつくままに発散しまくるアイディアを作品へと収斂させ昇華させてくれるクリエイティヴ・ツールとして最高! しかも12トラックのシーケンスをつなげてソングをつくると、ソング全体にわたりさらに12トラックのリニアトラックが追加。個々のシーケンスをまたぐオブリとか録音できる。
Undo / Redoも「オーディション機能」と変名された上で初搭載、シーケンストラックを再生しながらこれまた思いつきでbefore / afterを切り替えつつ比較試聴できるミュージシャンマインドな便利機能。当たり前ですがイベントエディットも充実しているばかりか、最後にオーディション機能で締めくくられるからホンマにエディットして良かったのかどうかbefore / afterで比較検証させてくれて気に入らなければもとに戻れるって、いかれぽんちな思いつきだけのクリエイターにとって至れり尽くせりじゃないですか。
デモ演奏も音楽的でセンスあふれる、もう立派な「いい曲」。 日本のワークステーションシンセのデモ曲といえば、マルチティンバー能力の限界に挑戦すべくアクロバティックなまでに各パートをぶん回した非現実的な曲芸「こんなことまでできます!ドヤ顔」みたいなもんばっかで聴いてるだけで目ぇ回ったが、ensoniqのデモ曲はちゃんと楽曲として成立しうるばかりか、落ち着きあってセンス良くてまとめ方もうまくて大人でかっこよくてデモだけでアルバム出来そう♬
ついでに機種名もロゴもアーティステイックでかっこいいね!
ミュージシャンマインドで設計された機械がミュージシャンを支援してくれる、理想のensoniqシンセ。 EPS 16 Plusという16bit化された新型サンプラーも発売、これにはVFXゆずりのグレイトなマルチエフェクトも搭載され、楽器としてだけでなくサンプル加工にも抜群に使えるようになった。EPS 16 PlusはVFX-SDとともに双璧をなし、その下にSQ-1(61鍵)、SQ-2(76鍵)、という廉価版ワークステーションシンセを配し、SQ-Rという1Uのコンパクトながらに実力派の音源モジュールも誕生、2Uの強力エフェクトアウトボードDP/4もスピンオフ、ensoniqは黄金時代を迎える。そればかりか音楽のたのしみを広げようと、補聴器まで試作していたというSDGsアクセシビリティ先取り!
その音は世界中で玄人ウケし、安いコモディティと化しつつあった日本製の機種とは一線を画す。そしてその高いプロファイルでもってensoniqは並みいる既存メーカーに対する異議申し立てとなり、それらの好敵手となった。
そしてついにensoniqは、EPS系の最終進化形ASRことAdvanced Sampling Recorderシリーズを経て、VFX以来5年かけて開発を重ねてきた夢のシンセを世に送り出すことになる。 同社最後の大輪、音源コアDOC IVコードネームOTTO、それを心臓として建造された双頭のフラッグシップシンセTS10とTS12。1994年のことである。
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「ファイナルインパクト:TS12」
Ensoniq TSシリーズ、それはそれは空前絶後に壮大な音がするシンセであった。構造はSD1をさらに発展させた完成形であり、音源波形も新規であるために既存機種との互換性は無い。比較して聴けばSD1もまだまだ粗削りだったのだと分かる。ド太い重低音はもちろん、澄みきった濁りのない深い音色もする。映画館「みたいな」ではなく今度こそまんま映画館そのものな音がした。
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TS10は61鍵シンセタッチ鍵盤、お家芸ポリフォニックアフタータッチ完備。TS12は76鍵ハンマーアクション鍵盤搭載。このタッチはかなり独特なものでアコピとは似て非なるもの。Flying Action Weighted Mechanismという大仰な名前がついた。88鍵ではなく76鍵でハンマーアクションを採用したのはステージピアノとしてクルマに載せられるサイズを考えてのこと、つまり車社会アメリカならではの機動力を考えてのことであろう。
16波形を数珠つなぎにしてウェーヴシーケンスをつくれたので、KORGよりも波形ステップ数は少ないものの音色ごとに個別設定できる点では実はKORGを凌駕する長所があった。デイヴ・スミス対ensoniq、ここでもアメリカ人同士の対決! KORGも気にしたのか最近のwavestateではウェーヴシーケンスを1,000もメモリーできるという、とてつもない上限値でもって事実上問題ないレベルにまで回避している。
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ASRシリーズのサンプルライブラリを読み込めたのもポイント、読み込むデータによって自動的にTSになったりASRになったりと二つの顔をもつ双頭シンセとなった。両者はアーキテクチャーが違うため、つまりこれはソフト���自動的に入替えることで機能が変わるパソコンのようなキャラをシンセでも具現化したことになる。
なによりも、とかく日本のデジタルシンセが冷たく痩せた音がするのに対し、あたたかく骨太で豊かでスケールの大きな音がする。これは4年後の1998年にあたかも打倒ProToolsと言わんばかりに出てきた同社DAWシステムPARISことProfessional Audio Recording Integrated Systemにも言えた。事実PARISは「あたたかい音がするDAW」としてハリウッド映画音楽業界でも話題であった。お得意の高性能DSPを6基も搭載したPCIカードを開発、これにより非力なパソコンでも高度な処理が可能となって文字通りレコーディング業界への福音のごときシステムだったPARIS。 そして巨大な体躯というか威容を誇る重厚長大なフラッグシップTSシリーズは、説得力あふれるビッグな音はもちろん、広大な仕様・性能を満載しているがゆえにensoniq最高傑作との呼び声も未だに高い。
だが、ensoniqは自分たちの理想郷を追い求めすぎた。
TSシリーズは業界最強な独自アーキテクチャーを貫きすぎたのか、SMFやGM、wavファイルといった互換性に欠ける孤高の存在であった。90年代ともなるとDTMが進展しユーザーが増大して市場の裾野が広がり、さほどパワーユーザーではないライトユーザーも参加した結果、今まで以上に簡単に音色やシーケンスデータをシェアできるよう互換性が求められるようになった。だからこそMIDI規格にもSMFやGMといったより細かいルールが制定されたのであり、MIDIと対をなすオーディオにおいてもwav/AIFF互換が必須となった。すべてはデータの再現性を担保するため。流通しやすく、誰でも同じような結果になるよう再現できるため。個性よりも普遍。普遍による流通とシェア文化。シェアラブルであること。
かつてPCからスピンナウトして誕生したensoniq、だが今ふたたびPCの軍門に下るときがきた。
このあとTSシリーズの中核を成していたVLSI音源チップDOC IVことOTTOはensoniq社製オーディオボードSoundscapeにも搭載され、そのままensoniqはPC系へと軸足をシフト。そして巨艦TSシリーズ亡き後、ensoniqから出てきたシンセは音はわるくないものの限定的なフィーチャーを帯びたモデルばかりとなった。
薄暮の迷路にさまよいこんだかにも見えたensoniq。 その中、唯一例外的に輝いていた変態シンセは第二世代TransWave音源を搭載したシンセFIZMO(フィズモ)。これはensoniqが物理モデリング音源を開発するも実現できず、「物理モデリング=physical modeling」略して「phys mo」そのつづりをストリート文化っぽく変えて「FIZMO」という機種名だけが残ってしまった機種である。今ならヴィジュアル系な外観はもちろん、ウェーヴテーブル音源として光る個性が注目されたやも。 さらには北米でいち早く台頭してきたhiphopサンプラー文化に着目、AKAI MPC対抗機種としてASR X を投入、卓越したサンプラーに強力無比なエフェクトを組合せた力作。音も太くてよかったよね、でもちょっとむずかしかったか。
やがてensoniqはSoundBlasterをつくっていたシンガポールのメーカー Creative 社の傘下に入り、そこでE-muと合併してEmu-Ensoniqとなり、そのままフェードアウト。
ちなみにKORG 01/Wは相当にVFX/SD1を参考にしたようで、VFXのモジュレーションマトリクスはKORGのAMS(Alternative Modulation Source)機能となり、アコピの音に重点的にPCM容量をあてがう戦術、内蔵マルチエフェクトのつくりや効き具合などなど、エンジニアをヘッドハントしたフシもある。ワーステ本舗のプライドとしては、ensoniqを無視できなかったのであろう。
そもそもなにがミュージシャンにとって一番うれしいのか、アーティストがやりたいことは何なのか?その本質「why?」をなによりも第一に見抜いてソリューションを提供していたensoniqの自由な着想と回答、それらはソフトウェアとコンテンツの天国アメリカならではのパラダイムに基づくものであったことを、お歴々はもうお気づきのことであろう。彼らが世に送り出した名機たちは、つねに物事の本質はどこかを探し、本質を問うところからはじまる斜め上をゆく自由さがあり、その外様ならではのすぐれた問題意識にはじまる思考と思索の旅路、その帰結であり果実であったに過ぎない。そして冒頭にかかげた都市伝説に語られるとおり彼らは日本メーカーと共に成長すべき良きライバルであったのだが、それだけに歴史の波に消えてしまったのはつくづく惜しいと言わざるを得ない。天才E-muですら思いつかなかった自由な発想、斬新な解、そして楽器業界の多様性、ロスト。
楽器進化論、その樹形図におけるミッシングリンクとなったensoniq。楽器というビジネスは、PCの前に消え去るしかないのであろうか? 当時SteinbergがVST規格を提唱し、初のプラグインシンセneonがぽよよんと出るに至り、さとい先取の精神の持ち主たちは異口同音にハードウェア退場論を盛んにぶちあげていたものである。そのあとも度々、特にpropellerheads社Reasonの宣伝などは「いつまでハードウェアを使ってるんだ? さっさと棄てて僕たちソフトの世界で完結しちまいなよ」という主旨の、ややもすると苛立ちすらこもったものであった。
だが、苛立つということはそれだけ彼らの足元がヤワであることの証左でもある。
次はPC時代になろうがネット時代になろうが、それどころかなんべん倒産しようが不死鳥の如く奇跡の復活を繰り返してきた未来志向メーカー、その輪廻転生を見ていきたい。舞台はアメリカから大西洋を渡ってドイツへと移る。
(2022年8月13日同人誌にて初出)
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tokyomariegold · 2 years
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2022/9/23〜
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9月23日 今日はとにかくいろんなものを見過ぎて、 いろんな表情をつくり過ぎて、 いろんなことを喋り過ぎて、相槌を打ち過ぎて、 目と顔の筋肉と喉が痛い。
初めての逗子の町の、観光地と絶えないほどの、リゾートまで華やかではないけれど、海の町特有の小さいお店がある感じの町のつくりを中途半端に体験して、浜辺で波を見ても全然怖くなくて、気がついたら鎌倉で八幡宮のお参りをしれっとしてしていて、ばちが当たりそう。 人とお話して時間を過ごすことと、自分が街やその空間を楽しむことを両立できる日はくるのかしら。
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アレック・ソスの展示は、思っていたのと違ったけれど楽しめた。 フライヤーの写真とデザインが、あまり今回の作品展と合っていない気がして、予告編だけ好きな映画ってあるかも、と思った。 山間部にハンガーかけやミラーボールをセットして生活している人のインタビュー記事の写真シリーズが好きだった。
とにかく長い時間だった気がする。 我に帰ったのは、行きも帰りも、日暮里駅の2階のサイゼリアの窓際のボックス席を車窓から見た時で「こんな時間(と、いうほどおかしな時間ではない)にサイゼリア…」と、思った時だった。 昔、雷雨で中断した花火大会の帰りに、びしょ濡れで入ったファミレスは、このサイゼリアな気がする!
一緒に展示を見た友人は、子供の話と動物の話をいつもしていて、今日も友達が子供を産んだ話をしたので、彼女自身がそろそろ子供を持つのかな〜、と思っていた。それと、動物が可愛いうんぬん、と言っていて、犬でも飼うんだろうか〜、とも思った(今日は子豚の話をしていたけれど)。
私は出産がどんなものなのか経験してみたいけれど、子育てはしたくないので、他人の子を産めば良いのかな、と考えて、でも倫理的にアウト?
帰り、旦那さんと合流して帰る友人と横浜駅で別れる。いつも私と遊ぶ時、私たちが遊んでいる場所の近くまで旦那さんが来ていたり、待ち合わせのラインを仕切りにしていたり、常に影が見え隠れする感じで、彼女との時間を過ごしている。私はいつか、彼女と2人で遊ぶ待ち合わせの場に、しれっと旦那さんもいて、今日は3人で……みたいなことになったりしないかドキドキしている。
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9月24日 人付き合いがだめなターンなので、1時間くらいキュッとおしゃべりするだけでよかった。 今日は、クラシカルなメイド喫茶で本格紅茶を飲んで、人の物件探しに付き添った。
メイド喫茶は、電子ケトルで沸かしたお湯を、高い位置からティーポットへ注いでいて、やかんでなくてケトルで可愛い。
物件探しは、楽しそうなので付き添っちゃお!と思っていたのに、結果、不動産屋ってこの世の嫌い空間わりと上位に入るのでは!と気が付いたのと、人の生活に関わっている暇はない!と、自分の生活のタスクをいろいろ思い出して、先に帰ってきてしまった。
駅の広場でちいかわとサンリオのコラボグッズが売られていた。たくさんの女の子達が本当にちいかわを愛でている!と驚き、友人に報告のメッセージを送る。
メイド喫茶から不動産屋までの移動中、マンスーンさんとすれ違ったのかもしれない…でも人違いかもしれない…ちいかわグッズを見にきていたのかもしれない…テンションが上がっている、と久しぶりに実感した。
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9月25日 このところの人間関係の悪態を反省して一日を過ごした。 昨日の雨で、川の水が増大していて、いつも野球やサッカーをしているところまで川が拡幅していた。ボートで何かを捜索している様子もあり、土手からたくさんの人が見ていた。
昨日投稿した日記を読み返すと、毎度のことながら誤字だらけ!最近はiPhoneで文字起こしをしているのだけれど、変換の精度が高すぎる(?)。 「うそみたい」→「朝みたい」、「かるいんで」→「辛いんで」、「ぶしょ」→「場所」、「きえないと」→「変えないと」。 読みと異なる変換を一番上に持ってくるのをやめてほしい。でもこれがiPhone的正解ワード。 30歳で変えないと!
9月26日 「落とし物が届いています」と、朝一で内線に電話が届く。ありがとうございます。まるっと落としたパスケース全部が手元に戻ってきた。
文化庁メディア芸術祭の展覧会が今日までだった!毎年、情報収集のために会場へ行っていたけれど、今年はネットで眺めよう、と、マンガ部門の大賞を確認する。北極百貨店?という素敵なタイトルの漫画をKindleでダウンロードしてみた。
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9月27日 2日分の洗濯物を溜めて洗濯機を回してみた…!ドキドキ。確かにこちらの方が回し甲斐がありそう。
隣の席の上司から、アメリカのチョコレートをもらう。お姉さんが、アメリカ在住とのこ���で、日本に一時帰国されているらしい。最近のアメリカは、グルテンフリー 、パレオ、ケト、と健康志向の食事がブーム。マックにはあまり行かない(そもそもマックの値段が高い。ハッピーセットで1000円弱するとか。)とのこと。コーラもみんな飲んでないんだって! プレッツェルのお菓子のパッケージには“BIG TIME FLAVOR”とあり、大きい時間風味…? 大味ってこと?となった。
日本で言う、ハワイアンとかミラノ風とか清涼感とか、味覚以外で食べ物を感じる感覚の表現なのかな。
明日は出張(研修)で、乗ったことのない電車に乗って、行ったことのないところへ行くのでへとへとになってしまうと思う。
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9月28日 研修のため、いつもより2時間遅い出勤。 朝にいろいろお掃除ができて精神衛生も良くなる。 空港へつながる路線、違う駅名だけど乗り換えできる駅間の30秒くらい歩く町、目印のデイリーヤマザキ、4匹の猫の親子、多分もう全部見ることはないんだと思うものばかりを通過して研修先へ行く。 (帰りに、オンライン研修でしか顔を合わせたことのなかった同期にこのことを話したら、めっちゃわかる、と言ってた。)
幼稚園や小学校の施設のにおいが苦手なので、気持ち悪くなりながら2時間歩き回った。 黒板に、前の授業の板書が残されていて“ゆでる→ものをやわらかくする。ゆで汁は捨てる。 煮る→味をしみこませる”とあり、思わずメモに書き写す。研修の報告レポートには使えない。
“BIG TIME”とは“すげーまじうまい!”的な意味らしい。
乗車駅でメロンくらいの巨大梨が売られていた。下車駅では行方不明の女の子を探すチラシを配っている人がいた。
9月29日 エドワード・レルフの場所性の本を冒頭から読み直し中。目次を見て、興味のある章から読んでいたけれど、ばかみたいに頭から読むと、ちゃんと点と点が繋がるように理解できるところが増えた。 ①物理的なもの②人々の動き③感覚 が、場所を構成していた、①と②は定量的なもので捉えやすいが、③は一概に言えるものがなく捉えにくい。そもそも①②③の相関関係を探ることが重要。 自分を中心とした同心円を描きながら人は移動をし、その円の内にいれるものに人は愛着を持つ。愛着の持てる場所には配慮があり“つつましさ”が、ある。……などなど。
研修のレポートを3枚提出した。 1から自分で文章を作り上げるのは、始めるまで気力がかかるけれど、始まってしまえば添削までずっと楽しいし、良い疲れかたができる。
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9月30日 研修のレポートを上司に褒めてもらう。 内容というより、レポートの構成や読みやすさ、伝わりやすさ、独自の視点の効果的な入れどころなど。こういう場の書き物には正解がある気がしていて、それを叩き出してしまった複雑な気持ち。でも褒められるのは嬉しい。
一期下の方とロッカールーム前でおしゃべりした花金の終業後。やっぱり私はこの方がすごく好きなのだと思う。写真を撮りたい!とも思えて、その発見に嬉しくなり帰り道はなんだか明るい気分。
社会の人をみんな嫌いなわけではなくて、その人個人をみてしまって、それでもっと関わりたい!と思ってしまうこともある。
そして、昔からの友人達を撮りたいと思わなくなったのは、新鮮さがなくなってしまったこともあると思う。 たぶん、今日ラインを交換して、「一緒に遊びましょう!」と言い合った時が、一番楽しい時だったかもしれない。 人と関わるときの新鮮さが好きなので、なるべく頻度や距離を、高めず詰め過ぎずにしたい。
やっと粗大ゴミセンターに電話を繋げ予約をした!えらい!
帰り道の遠くの茂みと、私が立っている道の間で、猫が何かを捕食していた。
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2022/11/12 今週まで見たやつの感想
南鎌倉高校女子自転車部
タイトルの通り自転車がテーマの作品
以前に「ろんぐらいだぁず!」という自転車作品を見ていたせいで、この作品に出てくる専門用語がすらすら理解できるという謎の成長を感じた
展開はかなり平坦な部類だけど、その分自転車の爽快感とかの魅力はかなり意識してるっぽくてそこは面白かった
ただCパートで声優が生身で出てくるコーナーは本当にいらない 声優オタクを満足させるのは本編の外でやってくれ...
ひなこのーと
演劇をテーマにヒロインたちがキャッキャする作品、ちなみにジェネリックきらら
内容はわりと一般的な(ジェネリック)きららだけど、疲れ気味のときに見ていたので結構効いた
OPが結構すきで飛ばさず見ていた
youtube
OP終盤のダンスに妙に既視感があったけど「日常」のOPにダンスにかなり似てるんだそう
色づく世界の明日から
P.A.WORKS作品から適当に選んだけどそこそこに面白かった
白髪、クーデレ、色盲、タイムスリップ、魔法使いとかいう属性モリモリヒロインを眺めるお話
この時期特有の淡い雰囲気でゴリ押ししている部分もあるけど、ヒロインの成長というテーマが丁寧に描写されているのは好感持てた
P.A原作特有の終盤駆け足感はそこまで無かったけど、ファンタジーもの書くときにとりあえず伏線貼り散らかす感じはこの作品でもちょっとあったなという印象
久々にこう雰囲気ゴリ押し青春モノを見てひねくれオタク的には体力がゴリッともってかれたけど、たまに見てみると結構面白いもんなんだなあと思ったり
ダンベル何キロ持てる?
流行ってた当時に1話切りしていたが改めて見てみたら結構面白かった
「南鎌倉高校女子自転車部」含め、最近になってこういう一貫するテーマがある(この場合筋トレ)作品の面白さがわかってきた気がする
単純にヒロインたちの露出が多くて目の保養になる... あとひびきちゃんかわいい
最近雇ったメイドが怪しい
あまりにワンパターン過ぎてつまらなかった
メイドさんの見た目が最高にかわいいので惰性で見ていたが
メイドが坊っちゃんを誘惑する → 坊っちゃんが全く動じず口説き文句を返す → メイド赤面
というテンプレートを何も変えずを1クール延々と繰り返してるだけだった
SILVER LINK作品はそもそも向けてる層が俺ではないってのはわかってはいるけど... 「ジャヒー様はくじけない!」といいこの褐色メイドといい、この原作者の描く褐色がすきなのでちょっと残念
ヤマノススメ サードシーズン
ヤマノススメすき
3期でも期待通りの登山の静かな感じと達成感が表現されていて満足
これ見るとオタクのくせにちょっと登山やってみたくなるからほんとにダメ
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softmofuwata · 2 years
Text
TCU日本語訳 その2
TCU Japanese translation part 2.
I will post less than the last translation.
Hang in there Jade! He needs to be saved...😭
前回の翻訳と比べると少ないですが、投稿します。頑張れJade君!救われて〜!😭
—————————
その言葉通り、Jadeは長くは留まらなかった。
数日後、彼は再びObsidianの城を抜け出し、Darkのところに戻って、彼の城の正門に到着することができた。
不思議なことに、今日はフランネルのボタンを留め、袖を下ろしている。それとも、顔に黒いアザがあるのが原因だろうか。いずれにせよ、彼は今そこにいる。彼はドアをノックし、誰かが出てくるのを待った。
すると、ドアが開いた。驚いたことに、ドアの向こうにはメイドが立っていた。
Jadeは、この城で実際に人が働いていることを忘れていたのだろう。彼女の様子をうかがえば、どちらかというと臆病でためらいがちな様子だった。
「ここで…何をなさっているのですか?」と彼女は尋ねた。
Jadeはまばたきをして、少し驚いたが、それでもまだ元気だった。
「Darkに会いに来たんだ」Jadeはそう言って、かかとから足の甲まで、前後に揺り動かした。
「Dark様?ええと、私は知らない、です…。彼はこうして会うことを認められています、が…」彼女は下を向き、かなり自信なさげだった。
「Jet様がとても…真剣にお考えになっていますので。」
Darkが突然彼女の背後から現れ、肩に手をかけて驚かせた。
「いや、いいんだ、彼を中に入れて。」と彼は言った。使用人は困惑して彼を見た。
Darkは唇をすぼめた。「Jetが大丈夫だって言っていたよ。」
Jadeは眉をひそめ、すぐにDarkが嘘をついていることを突き止めた。(JetはJadeを嫌っていた、認めるはずがない、と。)
彼は半傷の顔で、使用人にできる限り友好的な笑顔を見せた。_自分の顔が怪我で酷く見えないことを祈りつつも。それは恥ずかしいことだった。
とにかく、彼は使用人の横をすり抜けて中に入り、彼女とすれ違うときに小さく手を振った。
Darkは玄関ホールをちらちらと見やった。彼はJadeの手を取って、もう少し奥まった場所に引っ張った。そして、Jadeの顔をよく見るために立ち止まり、少し息をのんだ。
「何があったの?」
JadeはDarkに指摘されると、本能的に手を伸ばして自身のあざのある目に触れ、わずかに身震いした。
「事故だよ。家に帰ったとき、ちょっと調子に乗っちゃったんだ。もう大丈夫。」彼はそう言って、少し手を振ってごまかした。
「とにかく、ちょっとだけ会いたかったんだ。もう帰らないといけないから、長くはいられないけど、少しなら時間はあるから。」
「手当はしてもらった?医者や病院には行った?」Darkは彼に尋ねた。
「随分酷い怪我だよ。」
「あー、まあね。…Mercury_彼については話したよね?さっき手当てしてくれたんだ。一日前に腕が折れちゃってさ。」
彼はそう言ってから、苦笑いを浮かべた。Darkに話すべきことじゃなかったのかもしれない。
「あ、医療に魔法を使うとかなりいい効果があるんだよ!」
Darkは瞬きをして、この話を理解しようとした。
「待って、それで…腕を折ったのは昨日でも、他の傷は新しく見えたよ。違法な格闘会か何かに入ってるの?」
Jadeは怪訝な顔をした。「違う!…ッ、ええと、その、違うんだ…。骨折とこの怪我は同時に起きて、一晩で傷がついたんだ。」
Jadeはいつものように淡々と話していたが、Darkはそれ以上に何かがおかしいと感じずにはいられなかった。
「あのさ…本当に大丈夫なの?」と彼は尋ねた。
「その怪我はちょっと…誰かがつけたものみたいな気がするんだ、何かから落ちたとかじゃなくて。」
Jadeは下唇を噛み、不安げに足から足へ動かしながら、何を言うべきか考えていた。
「その…事故だったんだけど、違うんだ。つまり…目をやられた、っていうのはわかると思うんだけど…」
彼は顔の大きな痣を指差した。「でも大丈夫。約束するよ」
「分かった、じゃあ誰を殴ればいい?」
「誰でもないんだよ!」Jadeはすぐに叫んだ。
「本当に、誰でもないんだ。言ったように、事故だよ。…昨日、ある人を怒らせてしまって、馬鹿げたことを言って殴られただけだから。」
Darkはしばらく黙っていたが、明らかに心配そうに頭を掻いた。
「僕は…半分冗談で、誰かが誤って君に肘鉄を食らわせたりしたと思っていたんだ。…けど、事故のようには聞こえなかったな。」
Jadeは歯を食いしばった。
「いや、その……僕の方で起きた事故だから。僕のせいなんだ、わかる?僕の、事故だよ」
Darkは数学者のように見えた。「だからといって、さ…?最初に暴力を振るったのは君じゃないでしょ?」と尋ねた。
「腕の骨折は同時に起こったと言ってたのに。ああもう…、大丈夫とはとても思えないよ」
「違う、聞いてよ。僕が相手を挑発したんだよ、Dark。いずれにせよ今は大丈夫だって誓うから」
彼の言葉は緊張して少し虚ろに聞こえ、いつもより少し痙攣しているように見えた。
「君は、それじゃ駄目って事?」Darkは不安げに言い、ゆっくりと首を横に振った。「君はいい人だよ、Jade」
「君が知っている限りはね。」Jadeはそう呟き、視線はDarkを避けるように横を向いていた。その顔には、罪悪感が刻み込まれていた。
「初めてじゃないんだ、こんな馬鹿な事をしたのは。」
「こんな暴力は許せない。許しちゃ駄目だよ、Jade」Darkが続けた。彼はなぜこれを追求するのかよくわからなかったが、胸の中で沸騰するような怒りを感じた。
「誰だって、時には喧嘩をするけど…、これはとてもやりすぎで、心配なんだ。特にこれが初めてじゃないなら、尚更に。」
Jadeは困惑した表情でDarkを見返した。「やりすぎ?どういう事?至って普通でしょ?」
Darkの口は開いたままで、両手をこめかみに持っていった。
「何…」彼は指を立てて、言葉を探した。
「普通?それが?」彼は何度か頭を振った。「んん……」
「え?」Jadeは繰り返した。
「そうだよ、これが普通なんだ。何…どうしたの、Dark?大丈夫だと言ったでしょ?本当だよ?」
「せめて、相手の方が悪いんだって言ってよ。」
「それがどうかした?」Jadeが言った。
「ね、彼は大丈夫だから。言ったとおりだよ。馬鹿なことをしたから叩かれた、それだけの簡単なことだよ?Dark、本当にどうしたの?」
Darkは心配そうに呻いた。
「ああ、どうしちゃったの…?」彼は呟いた。
「これは喧嘩じゃない。それは…それは、君が僕の知らないところで言ったことが原因で、君が殴られたんだ。心配するのは当然でしょ?
君の所の医者はすごく早く治せるって言ってたよね?それを悪用した奴がいるから、こんなことが続くんじゃないの?」Darkは心配になり、つい口走った。
「いいんだ、Dark、大丈夫。心配なのは分かるし、聞いて?感謝してるよ。本当にありがとう。ただ……この件に関しては、心配してもらう必要はないんだ。個人的な問題なんだから。」
「ああ、でももし死んだら?」Darkが思わず口を挟んだ。
Jadeは立ち止まった。「僕は……僕はしないと言うよ……」彼は非常に不快そうに言葉を切った。「でも……そういうことも全くないわけじゃないんだ」彼は呟くように言い終えた。「つまり、もし僕が馬鹿げたことをし続けたら……」
彼は彼の頭の後ろを擦った。「ごめん。無茶はしないようにする。」
Darkは立ち止まり、拳を開いたり閉じたりして、自分のペースを落とそうとした。
「僕は純粋に、これが君ではなく、たまたまルームメイトになったイカれた暴力的な奴のせいだと疑っているんだ」
「普通の人は怒った時、単に…怒鳴るか、何かするものだよ。でも骨を折ったりはしない」
「Obsidianは狂人じゃない!」Jadeはその考え方に非常に腹を立て、怒った。
「彼は僕の友達だよ、Dark。」
「……じゃあ、そのObsidianが。」とDarkは答えた。
「Jade。友達なら自分の意志で何度も骨を折ったりしないと思うんだ。」
「だから、骨を折ったのは彼じゃないとはっきり言ったつもりなんだけど、勘違いしてるみたいだね、Dark?」
Jadeは腕を組んで睨んだ。「そんなことじゃないんだ。僕の話、聞いてた?」
「Jade、君はまだ”そんな事じゃない”という事を明確にする材料を一つも出していないんだよ。」Darkは、緊張が今以上に高まるのを感じながら、彼に言った。
「君が大丈夫と言ったところで、それを信じることはできないよ。君が言った事、明らかに矛盾している。明らかに違うんだよ。
それは、”誰かが自宅に泥棒に入った”と言って、ドアを開けたままにしておいたから大丈夫だって言うようなものなんだ。君が言ったのは何かを言ったということだけで、それが何であったかはまだ言っていないんだから。」
Jadeは再び視線をそらした。「僕は……言いたくないんだ、いいかい?ごめんね。それは本当に個人的なものだし、本当に恥ずかしいし、僕はたくさん失敗したんだ、だから、さ?」
彼は腕を自分の周りに巻きつけ、袖を強く握った。…今にも泣き出しそうな顔をして。
Darkは気を張り、緊張してJadeに向かって手を差し伸べた。
「ごめん」と彼は言った。
「僕はただ…こんなことは二度と起きて欲しくない。そして自分を責めて欲しくないんだよ」と言った。
Jadeはうめきながら両手で顔を押さえた。
「それがね」と彼はくぐもった声で言った。
「また起きるのを止められるかどうかわからないけど、それでもやっぱり、僕のせいなんだ……。コントロールできないし、情けないよ…」
「君は…君にとって、そこから抜け出すのは良いことだと思う?」
Jadeは顔を上げ、手から目をのぞかせた。目は赤く、涙を浮かべていた。
「無理だ」と彼は言い、両手を横に倒した。
「それに、僕は……誰も傷つかないなんて約束できない。僕のせいで……。」
Darkは目をそらし、しばらく時間をおいてから、はっきりと言った。
「Obsidianは、全てが君のせいってと言っているの?」彼は尋ねた。
「僕は__彼のせいじゃないよ。」とJadeは言った。
「それは……複雑なんだ、Dark」彼は立ち止まった。
「僕が言ったこと、誰にも言わないよね?信じても、いい?」
「…そうだね。」とDarkは言ったが、自分の答えに自信がないようだ。
「確かに複雑なのかもしれない。でも、君はObsidianのことを友人だと思っているけど、彼はとても恐ろしい人のように思えるよ。」
「彼は僕を助けてくれたんだ。」Jadeは呟いた。
「彼は昨日、僕の治療を助けてくれたんだ。僕の、病状を……なのに僕は本当に酷いことをしたんだ、Dark。僕は…僕は…僕は、彼を、無理矢理…」
彼は震えながら、その場に立ち尽くし、言葉を切った。
「と、とにかく、これは自業自得なんだよ。」
「あのさ、そんなに君がひどい事をしたんだったら、目の辺りに痣をつけたくらいは説明できるかもしれないけど…、腕が折れたり、しかもそれが何度もあったり、って。」
Darkが聞いた。「文字通り、そして…精神的にも。本当に悪い場所にいるように聞こえるよ。」
「君はまだ理解していないんだ!」Jadeは苛立ちが破裂し、彼を睨みつけた。
「僕は…ああ、だからこの話をしたくなかったんだ。したくなかったのに!
君には理解できないと思っていたよ!僕は家に帰らないと、Dark、この話は忘れて。」
「きっと何かが間違ってるから…!」Darkがぼそっと言った。でも、もう取り返しがつかない。
「間違ってる?」とJadeは怒った。
「君は僕以外の誰かを責める口実を探しているんじゃないの、Dark!?君を信じちゃいけなかったんだ…!僕、家に帰る……!」
Darkの目がピクリと動いた。「ああそう、分かったよ。」
「もういいよ!」Jadeは彼に大声で言い返すと、振り返って来た道を戻り、出て行く途中で哀れな使用人を睨みつけた。
大きな玄関のドアがバタンと大きな音を立てると、Jadeは消えてしまった。
—————————
Jadeは奇跡的に、物事を元通りにできると考えていた。Darkと出会う以前の、明確に何も知らなかった状��に。
彼のことを完全に忘れた方がいい__しかし、少しもうまくいかなかった。
Jadeはどんなに頑張ってもDarkと彼の言葉が忘れられず、またObsidianも不機嫌そうだった。
実際、事態は悪化していた。彼はJadeがこっそりDarkと会っていたことが気に食わなかったようで、Jadeにも直接そう告げていた。とても、とても強く。
Jadeはこの1週間で、Obsidianを説得するために、自分の生涯で一番謝ったことになる。
彼は、DarkがObsidianから謝るのが当然だと言った時のことを思い出していた。このままでは、Jadeはすぐにでも謝罪が得られるとは思っていなかった。
彼はその考えを払いのけようとした。彼は物事が普通に戻ることを望んでいた。そして今、彼はただ自分の部屋に座り、そのことに価値があるのかどうか考えていた。
勿論、その価値はあるだろう。
Darkはさておき、もはや彼さえもいないのだ。ただ、自分自身と、Obsidianが持つ慈悲があればそれでよかった。
Jadeは立ち上がり、寝室のドアを開け放った。
Obsidianはここで大人しくしていろと命令していたが、危険性と利点を考慮した結果、彼はちょっと散歩するくらいなら大丈夫だろうと判断した。
正面の中庭が最も穏やかで良いと思い、そこへ向かった。
中庭の小さな生け垣の後ろにDarkだけでなくJetも隠れているのを見つけたときは、さすがに驚いたが、それでもまだ控えめな表現だと言えるだろう。
Jadeが何かを言う前に、Darkは勢いよく自分の口に指を当てて、首を振った。Jetは目を丸くして、なぜ自分がここにいることに同意したのかわからないというような、不信感を持ってDarkを見ていた。
Jadeは目を見開き、金魚のように口を開け閉めして固まってしまった。
周りを見渡し、中庭に誰もいないことを確認すると、DarkとJetと一緒に生け垣の後ろに隠れてしまった。
「ここで何をしているの!?」と彼は叫んだ。
Jadeは最後の言葉をDarkに向け、怒りを込めてDarkの胸を人差し指で突いた。Darkは大きく息を吸い込み、不安げに周囲を見回した。
「君が心配で仕方がなかったんだ、いい?」と答えた。Jetの顔がゆがんだ。
Jadeは瞬きをして、腕を下げた。「でも…なら、なぜ彼までここに?」
Jetはふっと息を吐いた。「俺はDarkを守るために来たんだ」
彼は目の輝きを隠してJadeに言った。
「彼を説得しようとしたが、なぜか此奴はお前のことを本当に大切に思っているようでな。」Darkは感心しないように彼を見返した。Jetはそんな彼を呆れたように振り払った。
「俺が言いたいのは。Jadeは”お前とは関わりたくない”だとかと、はっきり言ったそうだな?」
「そうだよ。」Jadeは歯を食いしばって言い、今度はDarkを睨みつけた。
「助けは要らないって言ったのに来たんだよ。君の言う通りに。」
「ほら、言っただろう?Dark」Jetは嘲笑した。「なぜ急に仲直りだのをしようと思ったんだ?」
Darkは緊張した。「Jet、お願いだからやめて。」彼は拳を握り締め尋ねた。「怒っていて、強く言い過ぎただけなんだよ。」
Jetは彼の腕に手を置いた。「そんなことをしても無駄だ。醜いことになる前に帰ろう」
「今回ばかりはJetの言うとおりだ」とJadeは頷いた。
「ここにいるのをObsidianが見つけたら、二人とも大変なことになるよ」
「俺が何を見つけるって?」
Jadeは固まってしまった。振り向きもしなかったが、その声は今まで聞いたどの声よりもよく知っていたものだったのだ。
「その、Obsidian…!違うんだよ、ちょっと隠れてるように見えるだけで」
「本当か?2人の不法侵入者とともに茂みの後ろにしゃがんで、其奴らを俺から隠そうとしてるように見えるが。またか。」
胸騒ぎを覚えつつも、Darkは血が沸騰するような感覚に襲われた。彼がObsidianだったのだ。
Obsidianの話し方や声の抑揚が、Darkの感情を逆撫でした。
彼は非難と侮蔑の感情を爆発させそうになったが、Jetが立ち上がる直前に彼の腕を掴み、警告のメッセージを送るように彼を睨みつけた。
Jetは深呼吸をして立ち上がり、Darkは戸惑いながら彼を見つめた。
「お会いできて光栄です」Jetは完璧な態度で立ち上がり、見栄張りの気取り屋のような姿勢だった。Darkは目を丸くした。
「あなたがこの荘園の領主ですね?」
彼は確信を持った声で専門的に聞こえたが、その声には軽蔑が込められていることがDarkにはわかった。
Obsidianはまったく動じなかった。
「ああ。こちらこそ、はじめまして。Jadeはあまり友達のことを教えてくれないんでね」JadeはObsidianの鋭い視線に身じろぎした。
「名前を教えてもらっても?」
Obsidianは冷静に尋ね、他の2人に目を戻した。
「勿論」Jetが目を細めながら言った。
Darkはゆっくりと立ち上がり、草の上に座っている事に居心地の悪さを感じていた。彼は、Jetが何をしようとしているのかわからず、その狡猾な眼差しに戸惑っていた。
「俺の名前はJet。こっちはDark、俺の連れだ。」
Darkはまばたきをして、この新しい情報を処理しようとしたが、混乱しかなかった。
彼はそわそわしながら、Jadeを見やり、何か言うべきかどうか迷った。Jadeは唇を噛み締め、立ち上がり、Darkに厳しい視線を送った。
Darkは歯を食いしばり、緊張のあまり視線をそらした。
「光栄だよ、本当にな」Obsidianはそうつぶやいた。
「Jadeが遠方に友人を持っていることは知っていたが、まさか他の精霊と一緒に過ごしているとは。」
彼は一瞬Jadeを見たが、その目には何とも言えない怒りが宿っており、それからJetに話を戻した。
「どうやって知り合った?」
Jetがハッ、と息を吐いた。「ああ…言いたくはないんだが、俺たちは友達とは言えないな。」と、彼は首を振って答えた。
「正直言って、最近知り合ったばかりだ。
Darkがどうやって出会ったかは知らないが…俺が見つけた時には、こいつらは何か荒唐無稽な理由があったのか、ちょうど逮捕されるところだったからな。
俺がいなかったら、Jadeは今頃ここにはいなかっただろう」
ObsidianはJadeの方に顔を向けた。「何をやらかした。」
Jadeは立ち上がり、激しく頭を振った。
「僕は…君には解ってもらえないだろうけど、今回は僕のせいじゃないんだ。約束するよ、翼のある男がいて、彼は…」
「黙れ」
Obsidianはため息をつき、Jadeに手を振った。
「もう十分だ」彼はゆっくりと手を横に降ろし、Darkに視線を絞った。
「それで、お前の…相方とやらはお前達二人を助けたが、最初はどうやってこいつと出会った?」
Darkは指を弄りつつ「そうだね」と言った。Jadeを見やると、彼はまだ失望しているようだった。
「彼は、ええと…少し前に現れたんだ。僕が自分の仕事をしてたら、彼が…僕とJetの家に現れて…テレポートみたいに。
それで僕らはどうやって彼を帰すか、しばらく考えていたんだ」
ObsidianはJadeを睨み、「つまり、お前のせいってわけだ」と言い、Jadeは身を引いた。彼の目は恐怖で大きく見開かれていた。
「そんなつもりじゃ……」
Obsidianはため息をついた。「中に入れ、今すぐ」と彼は怒った。「すぐに始末をつけるが、今は…」
「やめろ!」Darkは拳を握りしめて言った。
「彼のせいじゃない!彼は…彼はどうやってそこに行ったのか分からなかったんだ。きっと偶然の事故なんだ。後でまた同じことが起こったように……!」
「俺がいつお前の意見を聞いた?」Obsidianはそう言って、ゆっくりとDarkに向き直った。
「お前には関係ない。寧ろお前たち2人には去ってもらいたいくらいだ。すぐにでも。」
Jetの笑顔が一段と冷ややかになった。
鋭く息を吸えば、一歩前に出て、DarkとObsidianの間に立ち、Obsidianを見据えた。
「勿論そうするつもりだが、俺の相方にそのような言い方をしないでもらいたい。」
彼はほとんど唸り声だったが、その顔は不気味なほど冷静さを保っていた。
Obsidianは立ち止まり、Jetを一瞥した。そして唇をすぼめて無理やり笑顔を作れば、「当然だ」と彼は言った。
「見苦しい所を見せて申し訳なかった。俺は今から用事があるので失礼する。」
Jadeは、Obsidianが何度目かの睨みを利かせた時にたじろいだ。今回は本当に困っているようだった。
Jetは肩越しにDarkに向き直り、うなずいた。
「彼の話を聞いただろう?もう帰ろう」と言った。
彼は寄り添い、少し声を低くした。「最悪の事態になる前に」
Darkは顔をしかめた。「でも…」と言いかける。
だが、Jetはもう笑ってはいなかった。
Jetが彼の手を取り、中庭の出口に向かって彼を引っ張り始めると、彼は静かに降参したようだった。
彼らが去るのを見て、ObsidianがJadeの方を向き、同じように彼の手首を掴み、より乱暴に屋敷の方へ引きずって行くのが遠くに見えた。
Jadeは何か言っていたが、その言葉は遠く、園内の音に消されていた。ただ、その目には確かな恐怖が浮かんでいた。
Darkは正門をくぐったところで肩越しにJadeと視線を合わせた。Jadeは大丈夫だと言っていたが、Darkには彼が恐怖で傷ついているのがわかった。
「まさか…本当に彼をここに置いていくつもり?」Darkが聞いた。
Jetはため息をつきながら、彼を先導し続けた。
「Dark、どうやらお前はこの状況を分かっていないらしい。」彼はそう言った。
「あの男…Obsidian、あいつは強い。俺から見てもな。奴に手を出すのは危険だ、それに…」
荘園の壁を一周して見えなくなったところで、Jetが足を止めた。
「もしお前がObsidianと戦ったとして、それがJadeの望むことではないと説得しなければならないのなら、そんな価値はないだろうに。」
Darkの視線が落ちた。「…Jet、彼に必要なのは、ただ…そこから出ることだと思うんだ」彼は静かに言った。
「彼がどれくらいそこにいたのか、誰が知っているの?洗脳されているようなものだよ、あんなの」
Darkは眉をひそめ、ゆっくりとJetから手を離し、自分の腕を握った。
「彼を置いてはいけない。Obsidianは彼を殺すかもしれない」
Jetが目をそらした。彼は小さく笑った。「まだまだ、そんなところが残っているんだな。」と呟いた。
Darkは大きく息を吸い込み、一歩彼に近づいた。「Jet、彼をそこから出すのを手伝ってほしいんだ」と彼はやさしく言った。
「君の力が必要なんだ。Jadeには僕らの助けが必要なんだよ。彼が傷つくのを放っておくことはできないし、あのままじゃ誰も彼を助けようとしないのは明らかでしょ…?」
「Dark、」Jetが再びDarkの手を取った。
「俺は極力お前の味方になりたい、本当にそう思っているんだ。だがお前の命を危険にさらすことになるかもしれないのなら、そんなことはさせられない。」
Darkは弱々しく微笑んだ。そして、「じゃあ、僕と一緒に来れば、2倍強くなれるよ」と言うと、また笑顔がこぼれた。
「Jadeが嫌いだって理由で、僕を説得しようとしてるだけだなんて言わないでよ」
Jetはしばらく黙っていた。「…もっと早く彼のことを教えてほしかったんだ。」
Darkの左腕への握力が強まった。「Jet、黙っていてごめんって前に言ったよ」彼はつぶやいた。
「僕はただ…怖かったんだ、すべてが起き始めたときに。君が彼を追い出して、一人にしてしまうんじゃないかと思ったんだ。」Darkはやや気まずそうに笑った。
「なら、どうしてお前が付き合っていることを教えてくれなかったんだ?」Jetが尋ねると、Darkは息を飲み損ねた。
「な…何?」Darkは口ごもった。「何を言って…!?」
Jetは首を振って嘲笑した。「Dark、俺は知ってるぞ。」彼はそう告げた。
「お前ら…」彼は人差し指を立てて、それを使って奇妙な回し方の手振りをしてみせた。
「こんな事をしているだなんて。なかなか難儀なものだな」
Darkは瞬きした。
「その、えっと…」彼は、「多分?」と言い始め、一瞬止まった。
「それで思い出した。さっきのは何だったの?」
「何、とは?」Jetが眉をひそめて聞いた。
「さっき、僕らのことをパートナーって言ったよね」Darkが恥ずかしそうに答えた。
Jetは唇をとがらせた。「まあ、他にどう説明するんだ?」と、彼は当たり前のように答えた。
「僕は…」Darkは言いかけて、言葉を濁し、頭を掻いた。
「いや、今はそれどころじゃ��いよね。Jadeは困っているんだ、とにかく彼を助けないと。
思うに…彼はすごく傷ついているんだ。それに時々馬鹿な事をやったりもするけど…、でも、この酷い場所にも何かしら彼にとって良い所があるかもしれないんだ。
彼を好きになれとは言わない、ただ…お願い、手伝ってくれないかな…」
Jetは嘆息した。「…わかった。でも、俺のそばから離れないでくれ」
そして彼に言った。「今より事態が悪化したら、すぐにここを離れるぞ。」
—————————
Obsidianは長い間、こんなに激怒したことはなかった。もちろん、彼はいつも苛立ったり怒ったりしていたが、これほどではなかったのだ。
Jadeは普段の怒りには対処できるようになったが、激怒している彼に対しては、どうすればいいか全く分からなかった。
荘園の玄関が閉まると同時に、Jadeは自分が震え始めるのを感じた。
「Obsidian、ごめん、埋め合わせはするから、お願い、僕…」
「静粛に」
Obsidianは言い、Jadeは口を閉ざした。
彼はそのまま腕を組んで振り向く。
「俺がどれだけ怒っているかわかるか?」
Jadeは首を縦に振った。Obsidianは軽蔑のまなざしで彼を見下ろし、2本の触手を取って彼の腰に巻きつけ、空中に高く持ち上げた。
「用が済んだら、この屋敷から二度と出るな。分かったか?」Jadeは強く頷き始めたが、Obsidianは笑った。
「いや、お前はわかっていないだろうよ」
その瞬間、Jadeの息は切れ、右側の壁に激突した。嫌な音がして、その2秒後に痛みが走り、Jadeは悲鳴を上げた。
Obsidianに叩きつけられたとき、彼の腕は体と壁の間にあり、不自然な角度で折れ曲がってしまっていた。
Jadeは泣いている暇もなく、すぐに反対側の壁に顔から叩きつけられた。彼は息を呑み、鼻腔に血液が溢れ、そしてまた床に思いっきりぶつけられる。
Obsidianは冷たい怒りの表情を浮かべながら、彼を宙に浮かせ、傷の状態を確認すると、そのまま床へと落とした。
床に叩きつけられたJadeの足首は腕同様に歪み、彼はただ痛みに喘ぐだけだった。
Obsidianは触手を引いて、前に出た。彼はしゃがみ込み、Jadeの頬を掴んだ。
「こっちを向け」
Jadeがゆっくりと視線を上に移すと、彼はいったん止めた。Obsidianはため息をつきながら頭を振った。
「くそが…。なぜ、どのようにして、お前が自分のしたことを正しいと思えるのかが分からない。」
「ご…ごめん」Jadeは泣きじゃくった。
「謝ったところで何も変わらない。」とObsidianは言った。
「なぜ俺がこれをし続けるのか分かるか?お前が勝手に逃げ出したせいでお前を見つけられなくなるからだよ。
もしお前の"お友達"とやらの話が本当なら、お前は死にかけたそうじゃないか」
彼はため息をついた後言った。
「後でMercuryを呼んでやる。その間に、何でこんなことが続くのか考えておけ。」
Jadeは床から頭を持ち上げてObsidianを見上げようとしながら呟いた。
「O...Obsidian、お願、い」
「もういい。もう沢山だ。俺が治療が必要だと判断するまで、ここで苦痛に悶えていろ。」
Obsidianはそう言い放ち、踵を返して歩き出した。
—————————
Darkが、こっそりというよりは図々しく、近くの窓から顔をのぞかせた。
彼は一瞬ひっくり返りそうになり、滑稽にもJetの肩の上に座り、バランスをとろうと必死だった。
「何が見える?」
Jetがうめき、わずかによろめいた。Darkはガラスに手をついて、叫んだ。
Darkは部屋を見渡していて、それから息を呑んだ。そしてその瞬間、彼らは地面に倒れてしまった。
「Jade!Jadeがいたよ……!」Darkが静かに叫んだ。
「彼は…彼は地面に横たわっていた、血が溢れてて…、ああ、なんてこった…もし手遅れだったらどうしよう……!!」
彼は自分の足で立ち上がり、飛び上がり、また窓から中を見ようとした。
Jetは目を丸くした。
「後始末のできない城主は好きだが。」彼は不平を言いながら、草の上にあぐらをかいて座った。Darkは彼の足を蹴った。
「冗談だよ」
「冗談にしては病的すぎるよ、Jet」とDarkは拳を握りしめて告げた。
「中に入って彼を助け出さないと。もし彼がまだ生きているなら、ヤブでも医師が必要だよ。もしくは何人か。…本気で。」
「はいはい、分かった分かった」とJetは答えて、体を起こした。
「少なくとも、すぐに彼奴を見つけられただろう?侵入はかなり簡単なはずだ」
彼は指を組んで手を伸ばし、その指の先は大きく割れた。彼はDarkの手を取り、床の影に後退し、閉じた窓を右にすり抜けた。
二人は再び床から出てきた。Jetは用心深く周囲を見回し、DarkはそのままJadeの方へ走っていき、膝をついた。彼はJadeの肩を抱き、少し揺さぶった。
「Jade!Jade、大丈夫?」
「脈を測ってみろ。」
Jetが当たり前のように言った。DarkはJadeの手首に手を伸ばすと、わずかに体を震わせた。
案の定、Jadeの脈はまだ続いていた。出血はひどいが、生きている。
手首に触れられたJadeは何か言おうとしたが、小さくゴクンと音を立てるだけだった。唇から血がしたたり落ちている。
Darkは言葉を詰まらせた。
「し…心配しないで、ここから出してあげるから、大丈夫だよ」そう言ってJadeを立たせる。
「Jet、彼をここから出すのを手伝って。今すぐ彼を連れて帰らないと…!」
JetはJadeの様子に少し苦笑いを浮かべながら、Jadeを見た。
彼はふ、と息を吐きつつ、自分の方に向かっていき、膝をついてJadeの折れてなさそうな腕と服の前を持っていった。
「Dark、手を。…離すなよ」と宣言した。
「出て行けと言ったはずだが?」
Obsidianは左側の廊下の入り口に立ち、触手を激しく動かして他の二人の注意を引きつける。
「手を離せ。殺す前に出て行け!」
「Dark、戻るぞ!」
Jetが囁き、その口調は激しさを増した。
しかし、DarkがJetの言うとおりにする前に、Obsidianの触手が部屋を横切って彼らを遮り、Jetのシャツの前をつかんで空中に引き上げ、部屋の向こう側へ引っ張った。
「自分のした事を分かっていないようだな。」Obsidianはそう呟いた。
「あー…やあ。」
Jetが咳払いをした。彼のシャツを掴んでいる触手が、彼の声をわずかに遮った。
「…予想外の展開だな。」
「Jet…!」
Darkが恐る恐る叫んだ。彼はJetとJadeの間を上下に見渡し、何をすべきか決めかねていた。突然のことで脳が混乱している。
「Jetを下ろしてよッ!!誰を相手にしていると思ってるの!?」
「いやいや、Dark…俺がやる」
Jetはそう言って、片手でシャツを掴んでいる触手を握り、もう片方の手をDarkの方に振ろうとした。
「俺がやるから、大丈夫だ。」彼の声はまだかすれ気味だった。
「そんな早まるなよ。」
「早まる?俺のものを好き勝手に使えると思ってるのが早とちりなんだろうが。」
Obsidianは怒鳴り、その瞬間、Jetを壁に叩きつけた。
「Jetッ!!」
Darkは衝突の瞬間、悲鳴を上げた。Jetはうめき声をあげ、壁を背にしたまま勢いよく頭を振った。
「このゲーム、あまりやりたくないんだが。」とJetは言い、瞳孔を小さくして、視線をObsidianに集中させた。
「一緒にやらせないでくれ」
額に血がにじんでいるにもかかわらず、くすくすと笑い始める。
「そうか、残念だ。」
Obsidianは簡単にそう言うと、Jetをもう一度反対側の壁に叩きつけた。Darkは恐怖のあまり声をあげた。
「…今のは意地悪だったな。」
Jetが呻き、彼は舌打ちをした。
「…成程、もういい。Dark、俺の側から離れるなと言ったが、これは例外だ。」
彼は少しの間下を向いていたが、髪が顔にかからないように頭をもたげ直した。
「逃げろ」
彼は触手ごと床へと後退して行った。Darkは反論する暇もなく、よろめきながらJadeを抱き起こす。
JadeはできるだけDarkを楽にしようとしたが、ぐったりした体では、情けなくもガクガクと痙攣する以外にできることはなかった。
Obsidianは眉をひそめ、Jetを物陰から引き戻そうと触手を引っ張った。
Jetは床から飛び降り、目を輝かせ、背中の輪から触手を出す。
彼の顔には笑みが広がり、その触手はObsidianの触手に絡みつき、力いっぱい引っ張った。ObsidianはJetの方に引っ張られ、Jetとぶつかり、二人とも床に倒れこんだ。
Obsidianは体を起こしたが、さほどでもなかった。Jetを腰と腕で床に固定するのに最適な位置に着地したのだ。Obsidianは”してやったり”といった顔で、にやにや笑っていた。
Jetがうなりながら、わずかに体を動かした。
「外れると思っていたんだが。」と彼は不平を言った。
Darkがすでに去っていて、今起こったことを見ていないことを望んでいたことを反映していない。
彼は知っている。Darkがいたなら、おそらくこれに直接身を投げるだろうし、それはこれがすでにあったよりも苦境のはるかに多くを作り出すことになるだろうと。
「賢い判断とは言えねぇな?」
Obsidianは、Jetの上で少し移動しながらコメントした。彼は自分の手を使う代わりに、触手を操ってJetの腕を押さえ、その代わりに前方に伸ばし、Jetの顎を掴んで左右に動かした。
「お前、ちょっと可愛いな。殺すのは惜しい。」
「ああどうも、分かっているさ。」とJetは答えた。
「俺がまだここにいるのは、少しだけ楽しいからだ。…本当に残念だよ。」
Jetが両手を拘束している触手を掴み、Obsidianを一緒に影の中に引きずり込む。
再び現れたとき、Jetは彼の後ろに立ち、Obsidianの肩に手をかけ、おどけたように手を振った。その瞬間、Obsidianは自分の腰に触手があることに気づき、近くの壁に投げ飛ばされた。
Obsidianは床に倒れ、軽い痛みに呻きながら、再び立ち上がった。
「楽しいだと?お前がどこから来たのか、俺にはわかるぞ」
彼はそう言って、文の最後に愉快そうに笑った。
彼は再びJetに近づき、自分が直面していることを知った今、その足取りはより慎重になっていた。触手の動きは止まり、鋭く突き刺すように構えている。
「おやおや、機転が利くな。」
片足に体重を預けながら、Jetが冷ややかに評した。
「いつ現れるかと思っていたよ」
彼の触手は瞬時に旋回し、突然停止し、円状の刃物へと形を変えた。
「今度は俺の名前を聞いてもらえるように、自己紹介をし直すべきかもな。」
「時間を無駄にするな。結局のところ、お前は俺が覚えておく程の重要な存在でもない。」
Obsidianはそう言って、自分の触手の先を槍のように鋭く尖らせるようにした。
「断言しよう、終わりはない。」とJetが言った。
「Darkをここに置いていくわけにはいかないからな。」
Obsidianは目を丸くした。
「彼奴を此処に置き去りにしても俺は構わない。Jadeは彼に執着しているし、彼奴も俺のコレクションに加えるのも面白いかもしれないな?
まあ、そのためにはまずお前を始末しなければいけないが。」
と言いながら、Jetに突っかかった。
「これで終わりだ。」とJetは言い放ち、Obsidianが手を伸ばした瞬間に、物陰に消えた。
ObsidianはJetが消えた地点の後ろで足を止め、視線を動かして彼が再び現れる場所を探した。Jetは触手を何本��近くに出し、残りの2本を直接Obsidianに飛ばす。
Obsidianは辛うじてそれを避け、空中でJetの放った触手に自分の触手をぶつけた。Jetはその触手で自分を押し上げ、空いた片方の触手でシャンデリアにつかまり、部屋の向こう側へ振り落とされた。
Obsidianは軽い不快感で息を呑んだ。「それは俺のシャンデリアだ、この野郎。設置したばかりなんだぞ!」と言いながら、Jetを追撃するように触手を飛ばした。
Jetは舌を出し、床に着地してObsidianの触手を自分の触手で止めた。Jetは後方へと移動し、Obsidianは思い切りJetを押し倒し、Jetを転倒させようとした。
Jetは笑いながら、突然身をひるがえして彼を放した。Obsidianはほんの少し前によろめき、再びバランスを取ると、もう一度Jetに向かって突撃し、地面に倒そうとした。
Jetは避けようとしたが、Obsidianの突然の攻撃にたじろぎ、再び押し倒された。
「本気か?お前には独創性がないんだな。」Jetが首を横に振って聞いた。
「初めてでうまくいっただけだ」とObsidianは言い、触手を引き上げ、下向きに突き刺そうとした。
Jetは目を丸くして再び影に隠れようとしたが、予期せぬ光が屋敷の巨大な正面扉を破って飛び込んできた。
Obsidianも凍りつき、触手の動きを止め、代わりに触手を反動で動かし、何が起こっているのか見ようと振り返った。
Jetは、もはやObsidianに押さえつけられていることにすら集中できず、思わず彼の肩を掴み、侵入してくる光から身を守る盾にしようとした。
「ふむ、どうしたものか」という声がドアから聞こえた。
ObsidianはJetから離れ、壁に反り返った。Jetは自分を遮るものがなくなると、ヒュッと息を飲んだ。彼はその場から離れたい衝動にかられたが、そうはいかなかった。
「ああ、まだ他に仲間がいたのか。」
Obsidianは痛みに声を上げ、新たに現れた人物から放たれる光から逃れようと、さらに体を丸めた。光は彼の皮膚に食い込み、内側から焼かれるような感じがした。
「”仲間”ってどういう意味だ!?」と言った、その自分の声の弱さに驚いた。
「誰であろうと関係ない!俺の屋敷から出て行け!」
乱入者であるDreamの背後から、軍隊の分隊のような大集団が現れた。皆、同じ制服を着て、武器を持った者もいた。
「残念だが、お前らはこの後投獄される。」とDreamは言った。
「お前らは負の寄生体の宿主だからだ。」
「寄生虫だと?」Obsidianは吐き捨てるように言った。何人かの制服組が近づいてきて、彼を捕まえようとしたとき、身じろぎした。
「放せ!お前らにそんな権限があるとでも!?」
さらに兵士たちがJetに近づいたが、彼はにらみつけた。
「悪いが、そうはいかない」と彼はいい、物陰に消えようとした。だが、翼の男が一歩近づき、Jetが再び苦痛の声を上げた。
「クソ、何なんだこれは…お前、一体何なんだ…?」
「純然たるポジティブだ。」Dreamは彼に冷たく言い放った。
「私の経験上では、お前達はこれに良い反応を示さない筈だからな。」Jetは歯を食いしばりながら、奇妙な高技術の電気手錠で拘束された。
「こんな事をしたら、俺の…」Jetは言いかけたが、口をつぐんだ。
Darkがここにいることを彼らに伝えるわけにはいかないのだ。
「お前の、何だ?」Dreamは彼に尋ねた。
Jetはフッと息を吐き出した。
「…何も?気にしなくていいぞ。」兵士たちが彼を無理やり立たせると、彼は不平を言った。
一方Obsidianはもがき続けていたが、彼の力はかなり弱まっていた。
そして彼もまた電気手錠をかけられ、自分より冷静なJetと一緒に引きずられるように立ち上がらされた。
ドアの方へ促されながら、JetがObsidianに身を寄せ、囁いた。
「ほら見ろ。俺とDarkを解放してくれれば、こんな事にはならなかったのにな。」
「今はそんな事を言ってる場合じゃないだろ。」Obsidianは息を切らしながら彼に言い返した。
「早く逃げるべきだ。」
「おやおや、俺が賢いと思っているのか?」とJetが聞いた。
「前言撤回、あいつはお前を逮捕して殺すことが出来るんだ、俺はお前の脱出を手伝う気はない。」
Jetはさも感激したような表情で偽った。
「その言い方、もしかして俺を助けるつもりだったのか?」
「絶対に助けない。連行される先の独房で勝手に朽ち果ててろ。」
Jetはくすくす笑いながら、彼に目配せした。
「静かにする事を知れ。」Dreamが睨みを利かせながら言った。
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