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#香澄真昼
luckyloverkidbagel · 1 year
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#香澄真昼 #香澄真晝 #偶像學園stars #星夢學園stars #아이카츠 #kasumimahiru #mahirukasumi #aikatsustars #familyfarmadventure https://www.instagram.com/p/CqI0HP5pMY8/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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st8610 · 2 years
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自転車で礼文島を走ってきました(後編)
2泊3日の行程の後半。 2泊目の設営を終えて島の北側を散策します。
この界隈は丘陵地帯が多く、アップダウンもかなりのものでした。
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波風が穏やかな西岸で休憩したり写真を撮っているうちに青空が見え始めます。
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丘を登った先に見えるのは礼文島最北端のスコトン岬と、沖に見えるはトド島。 この日は昼食を食べ損ねていたので、お土産屋さんで補給。
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生地に熊笹が練りこまれているらしい熊笹まん(左)と、トド肉の煮込みが入っているらしいトドまん(右)。どちらもクセがないので普通の中華まんと違いがわからない。
往路とは違う道を探��つつキャンプ場へ戻ります。
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この道は途中で林道になっており、先が長そうだったので引き返しました。 高台に上がると道北らしい景色。
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道北らしいといっても利尻島には無い景色。 日が傾いてきたので再度西岸へ出ます。
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澄海(すかい)岬。夕方なので全然観光客がいなかった。 このまま日の入りを見たかったのですが、雲行きが怪しいので諦めて帰りました。
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そしたら晴れました。 明るいうちに夕食を食べます。
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まともな買い出しができなかったので、非常用に持ち込んだインスタントパスタで腹を満たしたのち、軽く晩酌。
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明日帰るのに今更になって観光案内を読むなど。
朝の便に乗って帰るため、余裕をもって3時起き。
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朝食は北海道最北のキャンプ場で沖縄そば。 近所のスーパーで手に入る南国。
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6時前に出発。かなり時間に余裕があるため久種湖畔を軽く散策しながら南下。
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島の発電所。結構小さく見えますが、これくらいで島の電力をカバーできるもんなんですね。
出向の1時間半前に香深港へ到着。徘徊するほどの余裕はないので、ゆっくりお土産屋さんを見たりしていました。
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遠洋の雲が切れていたので、この後晴れるようなら昼便で帰るという選択もありましたが、素直に帰ることとします。
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ファットバイクだと輪留めの違和感がない。
稚内港到着後は防波堤ドームで記念��影ののち大人しく自宅へ直帰(5時間)しました。
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ほとんど晴れなかったうえに潮風をたくさん浴びたので念入りにお片付け。
以上が初めてのファットバイクキャンプツーリングの顛末となります。
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MTBでのキャンプツーリングは以前持っていたバイクで経験がありますが、ファットバイクだとまた一味違います。どこでも入っていける安心感とエアボリュームによる衝撃吸収は良いものの、やはり重たいと言わざるを得ませんでした。平地ではそれほど気になりませんが、登りはかなりの鈍足です。 あと、見た目のインパクトは圧倒的です。各所で「これは自転車?バイク?」とか「重くない?」と声をかけられました。
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kachoushi · 1 year
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各地句会報
花鳥誌 令和5年5月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年2月2日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
厨女も慣れたる手付き雪掻す 由季子 闇夜中裏声しきり猫の恋 喜代子 節分や内なる鬼にひそむ角 さとみ 如月の雨に煙りし寺の塔 都 風花やこの晴天の何処より 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月4日 零の会 坊城俊樹選 特選句
暗闇坂のチャペルの春は明日あたり きみよ 長すぎるエスカレーター早春へ 久 立春の市の算盤振つてみる 要 冬帝と暗闇坂にすれ違ふ きみよ 伊達者のくさめ名残りや南部坂 眞理子 慶應の先生眠る山笑ふ いづみ 豆源の窓より立春の煙 和子 供華白く女優へ二月礼者かな 小鳥 古雛の見てゐる骨董市の空 順子 古雛のあの子の部屋へ貰はれし 久
岡田順子選 特選句
暗闇坂のチャペルの春は明日あたり きみよ 冬帝と暗闇坂にすれ違ふ 同 大銀杏八百回の立春へ 俊樹 豆源の春の売子が忽と消え 同 コート脱ぐ八咫鏡に参る美女 きみよ おはん来よ暗闇坂の春を舞ひ 俊樹 雲逝くや芽ばり柳を繰りながら 光子 立春の蓬髪となる大銀杏 俊樹 立春の皺の手に売るくわりんたう 同 公孫樹寒まだ去らずとのたまへり 軽象
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月4日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
敬􄼲な信徒にあらず寒椿 美穂 梅ふふむ野面積む端に摩天楼 睦子 黄泉比良坂毬唄とほく谺して 同 下萌や大志ふくらむ黒鞄 朝子 觔斗雲睦月の空に呼ばれたる 美穂 鼻歌に二つ目を割り寒卵 かおり 三􄼹路のマネキン春を手招きて 同 黄金の国ジパングの寒卵 愛 潮流の狂ひや鯨吼ゆる夜は 睦子 お多福の上目づかひや春の空 成子 心底の鬼知りつつの追儺かな 勝利
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月6日・7日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
潮騒を春呼ぶ音と聞いてをり かづを 水仙の香り背負うて海女帰る 同 海荒るるとも水仙の香の高し 同 坪庭の十尺灯篭日脚伸ぶ 清女 春光の中神島も丹の橋も 同 待春の心深雪に埋もりて 和子 扁額の文字読めずして春の宿 同 砂浜に貝を拾ふや雪のひま 千加江 村の春小舟ふはりと揺れてをり 同 白息に朝の公園横切れり 匠 風花や何を告げんと頰に触る 笑子 枝川やさざ波に陽の冴返る 啓子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月8日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
雪を踏む音を友とし道一人 あけみ 蠟梅の咲き鈍色の雲去りぬ みえこ 除雪車を見守る警備真夜の笛 同 雪掻きの我にエールや鳥の声 紀子 握り飯ぱりりと海苔の香を立て 裕子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月10日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
東風に振る竿は灯台より高く 美智子 月冴ゆる其処此処軋む母の家 都 幽やかな烏鷺の石音冴ゆる夜 宇太郎 老いの手に音立て笑ふ浅蜊かな 悦子 鎧着る母のコートを着る度に 佐代子 老いし身や明日なき如く雪を掻く すみ子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月11日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
朝光や寺苑に生るる蕗の薹 幸風 大屋根の雪解雫のリズム良き 秋尚 春菊の箱で積まれて旬となる 恭子 今朝晴れて丹沢颪の雪解風 亜栄子 眩しさを散らし公魚宙を舞ふ 幸子 流れゆくおもひで重く雪解川 ゆう子 年尾句碑句帳に挟む雪解音 三無 クロッカス影を短く咲き揃ふ 秋尚 あちらにも野焼く漢の影法師 白陶 公魚や釣り糸細く夜蒼し ゆう子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月13日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
犬ふぐり大地に笑みをこぼしけり 三無 春浅しワンマン列車軋む音 のりこ 蝋梅の香りに溺れ車椅子 三無 寒の海夕赤々漁終る ことこ 陽が風を連れ耀ける春の宮 貴薫 青空へ枝混み合へる濃紅梅 秋尚 土塊に春日からめて庭手入 三無 夕東風や友の消息届きけり 迪子 ひと雨のひと粒ごとに余寒あり 貴薫
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月13日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
浅春の眠りのうつつ出湯泊り 時江 老いたれば屈託もあり毛糸編む 昭子 落としたる画鋲を探す寒灯下 ミチ子 春の雪相聞歌碑の黙続く 時江 顔剃りて少し別嬪初詣 さよ子 日脚伸ぶ下校チャイムののんびりと みす枝 雪解急竹はね返る音響く 同 寒さにも噂にも耐へこれ衆生 さよ子 蕗の薹刻めば厨野の香り みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月14日 萩花鳥会
水甕の薄氷やぶり野草の芽 祐子 わが身共老いたる鬼をなほ追儺 健雄 嗚呼自由冬晴れ青く空広く 俊文 春の園散り散り走る孫四人 ゆかり 集まりて薄氷つつき子ら遊ぶ 恒雄 山々の眠り起こせし野焼きかな 明子 鬼やらひじやんけんで勝つ福の面 美惠子
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令和5年2月15日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
吹雪く日の杣道隠す道標 世詩明 恋猫の闇もろともに戦かな 千加江 鷺一羽曲線残し飛び立てり 同 はたと止む今日の吹雪の潔し 昭子 アルバムに中子師の笑み冬の蝶 淳子 寒鯉の橋下にゆらり緋を流す 笑子 雪景色途切れて暗し三国線 和子 はよしねまがつこにおくれる冬の朝 隆司 耳目塗り潰せし如く冬籠 雪 卍字ケ辻に迷ひはせぬか雪女 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
指先に一つ剥ぎたる蜜柑の香 雪 大寒に入りたる水を諾ひぬ 同 金色の南無観世音大冬木 同 産土に響くかしは手春寒し かづを 春の雷森羅万象𠮟咤して 同 玻璃越しに九頭竜よりの隙間風 同 気まぐれな風花降つてすぐ止みて やす香 寒紅や見目安らかに不帰の人 嘉和 波音が好きで飛沫好き崖水仙 みす枝 音待てるポストに寒の戻りかな 清女 女正月昔藪入り嫁の里 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月17日 さきたま花鳥会 坊城俊樹選 特選句
奥つ城に冬の遺書めく斑雪 月惑 顔隠す一夜限りの雪女郎 八草 民衆の叫びに似たる辛夷の芽 ふじほ 猫の恋昼は静かに睨み合ひ みのり 薄氷に餓鬼大将の指の穴 月惑 無人駅青女の俘虜とされしまま 良江 怒号上げ村に討ち入る雪解川 とし江 凍土を突く走り根の筋張りて 紀花 焼藷屋鎮守の森の定位置に 八草 爺の膝捨てて疾駆の恋の猫 良江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月19日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
古玻璃の奥に設ふ古雛 久 笏も扇も失せし雛の澄まし顔 眞理子 日矢さして金縷梅の縒りほどけさう 芙佐子 梅東風やあやつり人形眠る箱 千種 春風に槻は空へ細くほそく ます江 山茱萸の花透く雲の疾さかな 要 貝殻の雛の片目閉ぢてをり 久 古雛髪のほつれも雅なる 三無 ぽつねんと裸電球雛調度 要
栗林圭魚選 特選句
紅梅の枝垂れ白髪乱さるる 炳子 梅園の幹玄々と下萌ゆる 要 濃紅梅妖しきばかりかの子の忌 眞理子 貝殻の雛の片目閉ぢてをり 久 古雛髪のほつれも雅なる 三無 老梅忌枝ぶり確と臥龍梅 眞理子 山茱萸の空の広さにほどけゆく 月惑 八橋に水恋うてをり猫柳 芙佐子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
師を背負ひ走りし人も雪籠 雪 裏庭開く枝折戸冬桜 同 天帝の性こもごもの二月かな 同 適当に返事してゐる日向ぼこ 一涓 継体の慈愛の御ん目雪の果 同 風花のはげ���く風に遊ぶ日よ 洋子 薄氷を踏めば大空割れにけり みす枝 春一番古色の帽子飛ばしけり 昭上嶋子 鉤穴の古墳の型の凍てゆるむ 世詩明 人の来て障子の内に隠しけり 同 春炬燵素足の人に触れざりし 同 女正月集ふ妻らを嫁と呼ぶ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月26日 月例会 坊城俊樹選 特選句
能舞台昏きに満ちて花を待つ 光子 バス停にシスターとゐてあたたかし 要 空に雲なくて白梅すきとほる 和子 忘れられさうな径の梅紅し 順子 靖国の残る寒さを踏む長靴 和子 孕み猫ゆつくり進む憲兵碑 幸風 石鹸玉ゆく靖国の青き空 緋路 蒼天へ春のぼりゆく大鳥居 はるか
岡田順子選 特選句
能舞台昏きに満ちて春を待つ 光子 直立の衛士へ梅が香及びけり 同 さへづりや鉄のひかりの十字架へ 同 春の日を溜め人を待つベンチかな 秋尚 春風や鳥居の中の鳥居へと 月惑 料峭や薄刃も入らぬ城の門 昌文 梅香る昼三日月のあえかなり 眞理子 春陽とは街の色して乙女らへ 俊樹
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年2月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
ポケットの余寒に指を揉んでをり 勝利 黒真珠肌にふれたる余寒かな 美穂 角のなき石にかくれて猫の恋 朝子 恋仲を知らん顔して猫柳 勝利 杖の手に地球の鼓動下萌ゆる 朝子 シャラシャラとタンバリン佐保姫の衣ずれ ひとみ 蛇穴を出て今生の闇を知る 喜和 鷗外のラテン語冴ゆる自伝かな 睦古賀子 砲二門転がる砦凍返る 勝利 小突かれて鳥と屋や に採りし日寒卵 志津子 春一番歳時記の序を捲らしむ 愛
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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shimizuyaofsake · 3 months
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2024/3/20
おはようございます!念のためにこんにちはとこんばんはも。
スポーツの春。
相撲、甲子園、メジャーリーグ。
まだまだ寒いですが、希望は温かな昼下がり、ラジオ聴きながら花見酒、最高です。
# 真澄 辛口生一本 純米吟醸 生 (宮坂醸造・長野)
穏やかな酒の香り。
「辛口生一本」という強ワードに反して口あたりは柔らかです。
スルリとした旨み、苦み渋みもスマートに、そのまま喉越しもきれいに。
奥の方に漂う酒らしさと、しっかりとしたアルコールボディ。
なめらかな流れの中で煌めく程よい旨辛と、すっきりした飲み口、ぐびぐび飲めちゃいます。
ドライカレー、トマトモッツァレラ鶏シウマイ、ポテサラ、いちご。
久しぶりの四合瓶も入荷しています。
真澄の大定番、ぜひご賞味ください;-)
それでは本日もはりきっていきましょう。
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natumark · 5 months
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今現在いる自作キャラクター何人居るのかなという個人的興味による名前を並べ立てるだけの場所
なお、名前は登場時のもので表記するが婚姻などの理由で作中で姓が変わっていることが判明している人物は、基本的に「旧姓(新姓)名前」と表記する。
また、同一作品あるいは別作品で別名を使用(偽名や名字違い、表記揺れなど)している場合は、名前ごとに「/」で区切る。
竜ヶ崎菖蒲(『Dreamerシリーズ』『暁』)
唐鞠人(『Dreamerシリーズ』)
唐清成(『Dreamerシリーズ』)
唐夾乎(『Dreamerシリーズ』)
葛原慎/葛城慎(『Dreamerシリーズ』『暁』『愛と誠』)
徳蘭咲莉/葛城咲莉(『Dreamerシリーズ』『暁』)
野々宮累/Y(『Dreamerシリーズ』『暁』『キメラの箱庭』)
野々宮恵/X(『Dreamerシリーズ』『暁』『キメラの箱庭』)
羽生媛乃(『Dreamerシリーズ』)
芹沢雪緒(『Dreamerシリーズ』)
神冥鳳(『Dreamerシリーズ』『暁』)
村上道嘉(『Dreamerシリーズ』『暁』)
桃川匠(『Dreamerシリーズ』『暁』)
菊加乱離(『Dreamerシリーズ』)
小野宮斗真/小野宮トニー(『Dreamerシリーズ』『暁』)
黒沢蓮雨/黒澤蓮雨(『Dreamerシリーズ』『暁』)
白川鈴花/白河鈴花(『Dreamerシリーズ』『暁』『砂漠の薔薇』)
藤堂果梨(『Dreamerシリーズ』『暁』)
安東陵哉(『Dreamerシリーズ』『暁』)
椿薫/烏夜月長/椿和久(『Dreamerシリーズ』『暁』)
浅倉香/水葱/烏夜水葱(『Dreamerシリーズ』『暁』)
日仁/姫宮日仁(『Dreamerシリーズ』『暁』『天国に結ぶ愛』)
浦上更長(『Dreamerシリーズ』)
ロイス=クロノス(『Dreamerシリーズ』)
於季(『Dreamerシリーズ』)
葛城眞明(『Dreamerシリーズ』『暁』)
咲/葛城咲子(『Dreamerシリーズ』)
信(『Dreamerシリーズ』)
尊(『Dreamerシリーズ』)
すずめ(『Dreamerシリーズ』)
光一/烏夜光長/沙羅光長(『Dreamerシリーズ』)
海二/烏夜海長/海(『Dreamerシリーズ』)
空三/葛城空明(『Dreamerシリーズ』)
四葉(『Dreamerシリーズ』)
山五/烏夜頼長(『Dreamerシリーズ』)
六花(『Dreamerシリーズ』)
七火(『Dreamerシリーズ』)
風八/烏夜風頼(『Dreamerシリーズ』)
九華(『Dreamerシリーズ』)
菊加康朝(『Dreamerシリーズ』)
富永朝頼(『Dreamerシリーズ』『暁』)
夕/富永夕姫(『Dreamerシリーズ』『暁』)
舞/吉条舞(『Dreamerシリーズ』『暁』『愛と誠』)
杉尾景平(『Dreamerシリーズ』『暁』『愛と誠』)
高泉明道(『Dreamerシリーズ』『暁』)
藤子/高泉藤子(『Dreamerシリーズ』『暁』)
宗浦静信(『Dreamerシリーズ』『暁』)
宗浦佐予/黒沢紗綾(『Dreamerシリーズ』『暁』)
竜ヶ崎紫陽花(『Dreamerシリーズ』)
竜ヶ崎紫苑(『Dreamerシリーズ』)
葛城新名(『Dreamerシリーズ』『愛と誠』)
沙羅亰一郎(『Dreamerシリーズ』)
菊加理汰郎(『Dreamerシリーズ』)
岡崎煌大(『Dreamerシリーズ』)
長谷川謙輔(『Dreamerシリーズ』)
丹羽勇磨(『Dreamerシリーズ』)
井崎保(『Dreamerシリーズ』)
藤堂俊也(『Dreamerシリーズ』)
安東明仁(『Dreamerシリーズ』)
桜井晋右衛門(『Dreamerシリーズ』)
古賀翔平(『Dreamerシリーズ』)
池田綾之助(『Dreamerシリーズ』)
若宮千歳丸(『Dreamerシリーズ』)
加納梨子(『Dreamerシリーズ』)
若宮江与(『Dreamerシリーズ』)
上原千夏(『Dreamerシリーズ』)
神冥奈々子(『Dreamerシリーズ』)
板額常葉(『Dreamerシリーズ』)
巴静(『Dreamerシリーズ』)
桂木歩実(『Dreamerシリーズ』)
乱崎望(『Dreamerシリーズ』)
村井潤(『Dreamerシリーズ』)
橋元文佳(『Dreamerシリーズ』)
竜ヶ崎葵(『Dreamerシリーズ』『愛と誠』)
唐六連(『Dreamerシリーズ』)
菊加玖蘭(『Dreamerシリーズ』)
村上章広(『Dreamerシリーズ』)
高村澪子(『Dreamerシリーズ』)
村上実保(『Dreamerシリーズ』)
徳蘭晴名(『Dreamerシリーズ』『愛と誠』)
葛原(徳蘭)稔(『Dreamerシリーズ』『愛と誠』)
葛原睦(『Dreamerシリーズ』)
野々宮佳澄(『Dreamerシリーズ』)
野々宮露佳(『Dreamerシリーズ』)
村上音羽(『Dreamerシリーズ』)
桔梗(『Dreamerシリーズ』)
飛済彩瀬(『Dreamerシリーズ』)
華前朔耶(『Dreamerシリーズ』)
魚谷麗美子(『Dreamerシリーズ』『私だけのあなた』)
柳沢璋司/リッソ(『Dreamerシリーズ』)
仲村真理命/アルク(『Dreamerシリーズ』)
佐崎のの/シルウァーティ(『Dreamerシリーズ』)
篠原花代子/ヴェッタ(『Dreamerシリーズ』)
三輪凛/ラージャ(『Dreamerシリーズ』)
沙羅京/オルカ(『Dreamerシリーズ』)
梶神流/イースイ(『Dreamerシリーズ』)
亜苙恭一/ピテーコ(『Dreamerシリーズ』)
纓田大輝/ウル(『Dreamerシリーズ』)
風雅萌華/トゥナ(『Dreamerシリーズ』)
古森貴雄/フーリー(『Dreamerシリーズ』)
瑠璃満/ローリ(『Dreamerシリーズ』)
工藤明人/リュープ(『Dreamerシリーズ』)
村宇治龍星/レオンテ(『Dreamerシリーズ』)
橘田奏/チィーガル(『Dreamerシリーズ』)
八百津李央/レニェ(『Dreamerシリーズ』)
舞園博美/シュラン(『Dreamerシリーズ』)
高梨宗治/ロントラ(『Dreamerシリーズ』)
高梨愛美/ムルシェ(『Dreamerシリーズ』)
橋爪実果/プフェー(『Dreamerシリーズ』)
戸ノ塚義洋/レーエ(『Dreamerシリーズ』)
沙羅保光(『Dreamerシリーズ』『暁』)
沙羅都(『Dreamerシリーズ』)
沙羅(芹沢)茜(『Dreamerシリーズ』『天国に結ぶ愛』)
黒沢ラウル(『Dreamerシリーズ』)
黒沢琳芳(『Dreamerシリーズ』)
鹿苑要(『Dreamerシリーズ』)
飛鳥千広(『Dreamerシリーズ』)
藤宮美春(『Dreamerシリーズ』)
春宮寺鷹美(『Dreamerシリーズ』)
倉本菊(『暁』)
倉本楓(『暁』)
戸蔵百合(『暁』)
透(『暁』)
美奈子/竺川茗/姫宮美奈子(『暁』『天国に結ぶ愛』)
江宮礼仁/江宮礼史(『暁』『天国に結ぶ愛』)
馬場園彰/竺川彬良(『暁』『天国に結ぶ愛』)
藤宮倫子/藤宮(姫宮)倫子(『暁』『天国に結ぶ愛』)
竺川葵子/竺川(渡邊)葵子(『暁』『天国に結ぶ愛』)
竺川彬彦(『暁』『天国に結ぶ愛』)
千鶴/姫宮(江宮)千鶴(『Dreamerシリーズ』『暁』『天国に結ぶ愛』)
江宮礼護(『暁』『天国に結ぶ愛』)
衆樹綴(『キメラの箱庭』)
徳富延寿/徳富槐(『キメラの箱庭』)
群千在(『キメラの箱庭』)
上久世揚羽(『キメラの箱庭』)
百千拓人(『キメラの箱庭』)
濱野桜海(『キメラの箱庭』)
穂末涼(『キメラの箱庭』)
上久世浅黄(『キメラの箱庭』)
鈴鹿真昼(『キメラの箱庭』)
藤波杏七(『キメラの箱庭』『私だけのあなた』『春の墓標』)
陣内柚斎(『キメラの箱庭』『私だけのあなた』『春の墓標』)
黒森真那(『キメラの箱庭』)
柳泉文目(『キメラの箱庭』)
葛木眞/葛木䰠(『キメラの箱庭』)
夜長葵(『キメラの箱庭』)
代永蒼/ソーマ(『キメラの箱庭』)
衆樹享(『キメラの箱庭』)
衆樹聖(『キメラの箱庭』)
紀野蘭花(『キメラの箱庭』)
紀野國香(『キメラの箱庭』)
衆樹すばる(『キメラの箱庭』)
出水隆明(『キメラの箱庭』)
四倉真夜(『キメラの箱庭』)
小野田トム(『キメラの箱庭』)
葛木魁(『キメラの箱庭』)
群千秋成(『キメラの箱庭』)
荻谷純(『キメラの箱庭』『私だけのあなた』『春の墓標』)
穂末純(『キメラの箱庭』)
マヤン=リュナー・ヴァルト(『キメラの箱庭』)
杉崎和義(『私だけのあなた』)
杉崎惟義(『私だけのあなた』)
峯岸心愛(『私だけのあなた』)
御影優(『春の墓標』)
御影秀(『春の墓標』)
和泉賢路(『春の墓標』)
鴻池麻理(『砂漠の薔薇』)
朝霧浪漫(『砂漠の薔薇』)
鴻池理人(『砂漠の薔薇』)
臼井史也(『砂漠の薔薇』)
戸来(『荒れ野の茨』)
惣間(『荒れ野の茨』)
井貫(『荒れ野の茨』)
半田冬葵(『物言わぬ花』)
フリードリヒ(『物言わぬ花』)
鈴木司狼(『物言わぬ花』)
鈴木虎徹(『物言わぬ花』)
鈴木未沙(『物言わぬ花』)
鈴木宗馬(『物言わぬ花』)
アリア/Arianne Luisa Calberry(『Links of Destiny』)
ジーク/Siegward Selecis Schwarza(『Link of Destiny』)
ベル/Bernardo Emanuel Thiers(『Link of Destiny』)
リディアン/Lydian La René Ostinato(『Link of Destiny』)
エリー/Ellie Gillian Simons(『Link of Destiny』)
ジャック/Jack Law Herschel(『Link of Destiny』)
ケイト/Kate Lyl Rainer(『Link of Destiny』)
フィル/Philipp O'Carolan(『Link of Destiny』)
シェイラ/Sheila McMahon(『Link of Destiny』)
ラウロ/Lauro Carnevale(『Link of Destiny』)
尹依琳(『Link of Destiny』)
レイ/日向零鬼(『Link of Destiny』)
日向優鬼(『Link of Destiny』)
日向瑞鬼(『Link of Destiny』)
フローリァ/近衛桐鬼(『Link of Destiny』)
ジュリア/Julia Crache Schwarza(『Link of Destiny』)
リディ/Lydios Alks Rilvale(『Link of Destiny』)
辰水龍眞(『Link of Destiny』)
睦溜藍岬(『Link of Destiny』)
フューラー/Frank Feurer(『Link of Destiny』)
マリア/Maria Muriel Lowell(『Link of Destiny』)
ルーネリア/Runelia Michelle Iris-Queen(『Link of Destiny』)
サミュエル/Samuel Stefan Iris-Queen(『Link of Destiny』)
姫百合/宇都宮鬼百合(『Link of Destiny』)
播磨鬼菊(『Link of Destiny』)
日向蘭鬼(『Link of Destiny』)
エレーヌ/Helene(『Link of Destiny』)
カムイ/Kamui(『Link of Destiny』)
マヤ/Maya(『Link of Destiny』)
風銀流睡(『Link of Destiny』)
レイヴン/Raven(『Link of Destiny』)
カナリー/Canary(『Link of Destiny』)
ピーコック/Peacock(『Link of Destiny』)
パロット/Parrot(『Link of Destiny』)
ティール/Teal(『Link of Destiny』)
カイト/Kite(『Link of Destiny』)
ロビン/Robin(『Link of Destiny』)
ピジョン/Pigeon(『Link of Destiny』)
ジル/Silfried Wishel Schwarza(『Link of Destiny』)
アリオス=アレイオス/Arios Areios(『Link of Destiny』)
ジェイド=オリアーナ/Jade Oriana(『Link of Destiny』)
幽鬼(『Link of Destiny』)
カイル/海/Kyle Schwarza(『Link of Destiny』)
ソラリス/天/Solaris Schwarza(『Link of Destiny』)
アイリス/Iris Athala Wessux(『Link of Destiny』)
ルエィス/LEis(『lost story』)
ハリェン/XaRien(『lost story』)
ジ(ク)セロ/XixCero(『lost story』)
リュスヴェ/LuCвe(『lost story』)
ノーデュンレ/HoDunle(『lost story』)
オムスミェト/OmCмed(『lost story』)
ファミンシェ/FaMinXià(『lost story』)
エルフィ/HelFi(『lost story』)
エィラ/AίRra(『lost story』)
ネフォーラト/NefŌraD(『lost story』)
レオム/ReUm(『lost story』)
レオミン/ReUmin(『lost story』)
フレィディス/FlaDis(『lost story』)
ウィーノヴ/ViNov(『lost story』)
リルリュスヴェン/Lir'LuCвen(『lost story』)
フリューゥル/FlüWl(『lost story』)
ジャスティン/Justine(『無題』)
エレナ/Elena(『無題』)
クリスティー/Christy(『無題』)
ジュリエッタ/Giulietta(『無題』)
アーテー/Ate(『無題』)
シャルロッテ/Charlotte(『無題』)
双葉=沙羅(『名のない長編』)
双葉=檀(『名のない長編』)
双葉=芹子(『名のない長編』)
榊=竜胆(『名のない長編』)
榊=桔梗(『名のない長編』)
榊=藤浪(『名のない長編』)
山吹(『名のない長編』)
柾(『名のない長編』)
芙蓉(『名のない長編』)
撫子(『名のない長編』)
柘榴(『名のない長編』)
リリー/Liliana-Lilynette Eminy(『天使な悪魔!!』)
セバス/Sebas-Severo Eugenie(『天使な悪魔!!』)
ジム/James-Robert Caria(『天使な悪魔!!』)
シリウス/Sirius-Procyon Laxness(『天使な悪魔!!』)
リアム=リーガン/Liam-Regan Lupin(『天使な悪魔!!』)
ピーター/Peter-Petillant Oscar(『天使な悪魔!!』)
ルシファー/Lucifer-Narcissus Arrowfone(『天使な悪魔!!』)
レグルス/Regulus-Arcturus Laxness(『天使な悪魔!!』)
アーサー/Arthur-Eric Williams(『天使な悪魔!!』)
メアリー/Mary-Reserva Lisse(『天使な悪魔!!』)
スピカ/Spica-Perle Laxness(『天使な悪魔!!』)
アリス=ティー/Alice-Ttie Caria(『天使な悪魔!!』)
フィアナ=フィー/Fiana-Fee(『天使な悪魔!!』)
ミッシェル/Michelle-Louise Stuart(『天使な悪魔!!』)
カタリーナ/Katharina Herrstein(『天使な悪魔!!』)
ドロシー/Dorothy-Daisy Hades(『天使な悪魔!!』)
ローズ/Roselia-Rosetta Eminy(『天使な悪魔!!』)
ハロルド=ハウリー/Harold-Hawley(『融解温度黙示録』)
スーザン=ホウ/Susan-Ho/Susan-Flay Ros Marlunica(『融解温度黙示録』)
ディア=クラレンス/Dia-Clarence-Melgart Arnold Onestry(『融解温度黙示録』)
アメリア/Amelia Emu(『融解温度黙示録』)
ティエリオ/Tierio Emu(『融解温度黙示録』)
ゴードン=ラックズベリー/Gordon-Racksberry/Gordon-Racksnes Berylrield Ros(『融解温度黙示録』)
クロード神父/Claude-Melvin(『融解温度黙示録』)
オンディーナ=バルバッラ/カルラ=マリカ/Ondina−Barbarra/Karla-Marika(『融解温度黙示録』)
ギュンター/Erich Günther(『融解温度黙示録』)
マックス/Maximilian Günther(『融解温度黙示録』)
ジェラルド=ステロ/Gerardo-Stello(『融解温度黙示録』)
メイリン/Meilin(『融解温度黙示録』)
ソロモン/Salomon Keller(『融解温度黙示録』)
メリエル/Meriel Knott(『融解温度黙示録』)
ヴィオラ=エレイン/Violet-Sara-Elaine Iris-Queen(『融解温度黙示録』)
ジャック=アンドリュー/Jack-Andrew/Jean-Baptiste−André(『融解温度黙示録』)
コルネリウス/Cornelius Keller(『融解温度黙示録』)
カスパル/Kaspar Keller(『融解温度黙示録』)
ヨハンナ/Johanna Keller(『融解温度黙示録』)
ザシャ/Alexander Keller(『融解温度黙示録』)
リカルダ/Ricarda Keller(『融解温度黙示録』)
ナディヤ/Nadja Keller(『融解温度黙示録』)
フリードリヒ/Friedrich Keller(『融解温度黙示録』)
クラウディア/Claudia Keller(『融解温度黙示録』)
オーウェン=ホウ/Owen-Ho Ros Marlunica(『融解温度黙示録』)
エル=ペルリック/El-Perlick(『融解温度黙示録』)
メリー=アン/Marry-Ann(『融解温度黙示録』)
第一使徒シミオン/Simeon(『融解温度黙示録』)
ダイナ/Dinah(『融解温度黙示録』)
第二使徒ハイメ/Jaime(『融解温度黙示録』)
第三使徒フアン/Juan(『融解温度黙示録』)
第四使徒アンドレイ/Andrei(『融解温度黙示録』)
第五使徒フィリパ/Filipa(『融解温度黙示録』)
第六使徒ナータン/Nathan(『融解温度黙示録』)
第七使徒マタエウス/Matthaeus(『融解温度黙示録』)
第八使徒トマ/Thomas(『融解温度黙示録』)
第九使徒ジャコバ/Jacoba(『融解温度黙示録』)
第十使徒アダイ/Aday(『融解温度黙示録』)
第十一使徒ジュード/Jude(『融解温度黙示録』)
第十二使徒マッテーオ/Matteo(『融解温度黙示録』)
第十三使徒ヨゼフ/Yôsēp̄‎(『融解温度黙示録』)
第十四使徒パヴレ/Pavle(『融解温度黙示録』)
アリス/Samuel-Florence Allison(『PP.アンダーランド』)
白うさぎ/スノゥ/Bearice-Phyllis Gloster(『PP.アンダーランド』)
チェシャ猫/キャット/Victoria Raymond Torrington(『PP.アンダーランド』)
キティ/William Raymond Torrington(『PP.アンダーランド』)
帽子屋/ブラック/Patricia-Louis Fox(『PP.アンダーランド』)
帽子屋/ホワイト/Patrick-Kate Fox(『PP.アンダーランド』)
ハートの女王/Justine-Le-Mary Heartfilia(『PP.アンダーランド』)
紅茶屋/ティー/Raphael-Edwin Keith(『PP.アンダーランド』)
香水屋/ティア/Gabriel-Edward Keith(『PP.アンダーランド』)
時計屋/ティム/Mickael-Edmond Keith(『PP.アンダーランド』)
ヤマネ(眠りねずみ)/ドール/Emanuel-Irene Fitch(『PP.アンダーランド』)
ハートのジャック/Silfried-La-Alexandra Heartfilia(『PP.アンダーランド』)
伯爵/ドードー/Sin-Clara-Clarence Arnold(『PP.アンダーランド』)
占い師/芋虫/Kristine-Noelle Walsingham(『PP.アンダーランド』)
伯爵夫人/カナリア/Cecilia-Emily Arnold(『PP.アンダーランド』)
トカゲのリズ/Kimberley-Hector Lipscomb(『PP.アンダーランド』)
三月うさぎ/Thomas-Malcolm Olsen(『PP.アンダーランド』)
ウミガメモドキ/Ramona-Thelma Monroe(『PP.アンダーランド』)
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124770353 · 7 months
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20231106
ルナゴ @sanjirose0930 2023/11/06 (月) 16:27:05 Replying to @ojro_men おはようございます😃 夕方になってしまいました(=_=) みーにゃん @minyan_3939 2023/11/06 (月) 15:38:16 Replying to @ojro_men 朝から頭痛が…と思ったら気圧がヤベェです💦夜は雨が降るもよう☂️ おはこんにちは〜😃 megmeg🐰🐥🌸 @megmeg_fblc07 2023/11/06 (月) 15:22:22 Replying to @ojro_men おはよおさん🐥🐰✨⛅️ 今日オフィスに行ったらXmas🎄のキャストが張り出されていました❣️ 昨年トナカイ🦌→今年サンタ🎅🏼✨ 引き続き被りモノから抜け出せず…(; ᐛ )💦 ちぃ(葵空) @chiivremio 2023/11/06 (月) 13:49:44 Replying to @ojro_men こんにちは~!ちょっと雨が降ったりしていますが、今日も1日張り切って行きましょうね🎵 remiofan @remiofan 2023/11/06 (月) 13:39:36 Replying to @ojro_men おはニキ🙋 midorichan0522 @midorichan05221 2023/11/06 (月) 13:22:01 Replying to @ojro_men おはようございます😃 気圧病みなのか😆なかなかスッキリ👀が覚めませんが…取り急ぎ、気合い入れてお仕事頑張って来まぁす😂✊🚙💨良い一日を~😀✋ sayaka @saya103 2023/11/06 (月) 13:20:50 Replying to @ojro_men こんにちは。 週末に得た情報量が多くて、混乱してました🌀😱 キャンプの癒しはどこへやら... 落ち着いてきたので、お昼食べて気持ちを取り戻しまーす☺️ ちはるん♪ @chiharu509 2023/11/06 (月) 13:03:18 Replying to @ojro_men おはようございます🐹 HONEYQUEで髪がサラッサラです🥹🩷 そして…香る✨ ニヤついちゃいます🤭 くう間もん @kasu3iro 2023/11/06 (月) 12:49:43 Replying to @ojro_men お🌼ようございます☁ どんよりです!! 空雲 日晴 @soRaguMO_hisei 2023/11/06 (月) 12:42:03 Replying to @ojro_men 神様、おはようございます😊 昨晩は久々に配信に立ち合えて、 声のトーンが1音あがるくらいに ご機嫌ちゃんです🥰
今日もいい日となりますように🍀 Alice @Alice6499530073 2023/11/06 (月) 12:39:53 Replying to @ojro_men おはようございます😃
カボチャ🎃のチーズケーキを焼きました♪ ハロウィン👻には、遅れたけど まっちゃ @mattyasweets 2023/11/06 (月) 12:33:28 Replying to @ojro_men おはようございます🌪️ くもうさぎ姫 @kumousagihime 2023/11/06 (月) 12:33:18 Replying to @ojro_men おはようございます🙋 momo @momochi039 2023/11/06 (月) 12:32:54 Replying to @ojro_men おはようございます😃☔🍃 gash @a_kie_1123 2023/11/06 (月) 12:32:44 Replying to @ojro_men おはよーございます😊 生のおおまさりネオが売っていたので、即購入、茹でていただきました🥜大きくて甘くて美味でした😃 yoshino @yoshino3996 2023/11/06 (月) 12:30:42 Replying to @ojro_men おはようございます。 寒いです…🍃 治さんのお魚料理✨🐟✨🦑✨ いいですね~。さすがです! 🍎りんごも食べてね♡ あずみ @azm221 2023/11/06 (月) 12:27:01 Replying to @ojro_men おはようございます😃 きしめんRI-nem @rijooki 2023/11/06 (月) 12:22:59 Replying to @ojro_men おはようございます🌞 本日モ晴天ナリ
イクラのおにぎり食べむぁす🍙イカ良いなーー🦑 琥珀🎸✨🔥🎵 @c90fd72c0f0341f 2023/11/06 (月) 12:19:02 Replying to @ojro_men おはようございます😊 今日は蒸し暑い~💦 風つよーで煽られます🚙➰🌀 hiroちゃん (ひろiro) @iro_one_iro 2023/11/06 (月) 12:16:36 Replying to @ojro_men おはようございます😊😀 いま雨が振ってきそうな空模様になっております😳 真澄 @MASU0481 2023/11/06 (月) 12:12:00 Replying to @ojro_men おはようございます✨ さとみ @remisato 2023/11/06 (月) 12:05:29 Replying to @ojro_men こんにちは(*´∀`*)ノノ
蒸し暑いです(゚A゚;)アツー あんみつ彦 @anmitsuhico 2023/11/06 (月) 12:04:04 Replying to @ojro_men おささん、おはようございます😃 曇り空☁️☁️ですが気温は高めで、Tシャツで仕事をしております🙇‍♂️ れいか @12AtoZ5 2023/11/06 (月) 12:02:05 Replying to @ojro_men おはようございます☁ 早起きでだる重〜です🙃お昼ごはんに🍣でも食べて午後は髪切ってきます✂ ももくるひめ @momokurumihime 2023/11/06 (月) 11:59:54 Replying to @ojro_men おはようございます! 今日は曇りです☁️この後雨が降りそうです。 まるなぁす @NBcTNApWbaGQJPm 2023/11/06 (月) 11:55:00 Replying to @ojro_men おはようございます😃 昨日は日帰りで遠くの法事に行っていたので今日はクタクタ(早朝から最終電車まで)😓 ゴロゴロして過ごす😺 お天気も曇天だし☁️ しろ @shiro_kuro46 2023/11/06 (月) 11:54:45 Replying to @ojro_men おはよーございます! むーちょ(むーちゃむーちょ) @ringonoDANGO 2023/11/06 (月) 11:54:07 Replying to @ojro_men おはよぉございます(о´∀`о) 友だちの赤ちゃんに会ってるなう♡👶 でーす٩( ᐖ )۶ かわゆい〜🫶 ayu @ayu_rf112 2023/11/06 (月) 11:53:05 Replying to @ojro_men おはようございます\( ᜊﬞﬞ )/Zzz‥ᐝ くみくみ @kumikotakuro 2023/11/06 (月) 11:52:40 Replying to @ojro_men おはようございます😀 あられ @0416_haha 2023/11/06 (月) 11:52:04 Replying to @ojro_men おはようございます😊
お天気が、下り坂のようで 傘を持ってのお出かけです 気持ちは晴れるといいな💕 スマイルりん @FT_lovelysmile 2023/11/06 (月) 11:51:55 Replying to @ojro_men こんにちは〜 お仕事後半やってきまーす🙋‍♀️ sora* @monokuro_sora 2023/11/06 (月) 11:51:35 Replying to @ojro_men おはようございますෆ˚* ☆じゅんじゅん☆ @junjun56o1 2023/11/06 (月) 11:51:23 Replying to @ojro_men おはようございます😃 とんこつラーメン1/2 @IcNsdh2nuvnQeOT 2023/11/06 (月) 11:50:36 Replying to @ojro_men おはよう😃 akko @akkoro_men 2023/11/06 (月) 11:50:30 Replying to @ojro_men おはようございます☀️☀️☀️ megmeg🐰🐥🌸 @megmeg_fblc07 2023/11/06 (月) 02:09:21 Replying to @ringonoDANGO
@ojro_men and @YouTube 今日はあっさりしたエンディングだったからね😂 むーちょ(むーちゃむーちょ) @ringonoDANGO 2023/11/06 (月) 02:08:18 Replying to @megmeg_fblc07
@ojro_men and @YouTube おりゃ〜最後歯磨きしてたら終わってた(笑) おやすみなさーーー😪😴💤 megmeg🐰🐥🌸 @megmeg_fblc07 2023/11/06 (月) 02:06:35 Replying to @ojro_men and @YouTube お風呂入って🛀髪ドライして寝支度したらギリギリになっちゃいました🙏💦オープニングとかは追いかけて観てましたょ〜😊💕
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shukiiflog · 7 months
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ある画家の手記if.124+  告白
今日は絢が帰ってくる日だから、空港まで香澄と一緒に車で出迎えにいく約束をしてる。
絢の留学期間、長かったような短かったような。 かすみの金魚鉢の上にかけたカレンダーを香澄と二人で今日まで一日ずつめくって破っていって、今朝で最後の一枚を破った。 カレンダーは絢が帰ってくる日にきっかり全部なくなるように僕が全ページ分を描いて作った。 日付と一緒に毎日違う絵が入ってて、かいじゅうくんだったり絢だったりかすみだったりノエルだったり香澄だったりする。 作ったのは絢が留学に行って少しした頃。香澄はひどく沈んではないけど、きっと寂しいし心配だろうなと思って。 心待ちにしてる日までカレンダーに毎日バツ印をつけていって気を紛らすって話を講師をやってた頃の生徒に聞いたから、それの応用。 作ったら、現在から絢が帰ってくる日までが紙の量として可視化されるし、絢のことを思い出さずにはいられない仕様だから、吉と出るか凶と出るかわからなかったけど、無事今日まで毎日めくられて終わった。最後の日、今日の絵は絢が香澄のところに帰ってきた絵だ。 一枚で完結してる絵が多いけど、途中で唐突に次の日に展開がつづくパラパラ漫画みたいなのが始まったりするようにもした。今日より先のぶんの絵をめくってフライングで見ちゃおうとする香澄を僕が「それは禁止」って笑って止めに入って香澄の体を担ぎあげてってカレンダーから遠ざけたり。そんなふうに楽しく過ごしてるうちに今日になった。 絢がいない間、少しは香澄に毎日楽しみなことを増やせたかな。
夏の間、僕は家ではろくに服を着てなかったけど、今日はそんなわけにもいかないから買ったばかりの麻のシャツを着た。 なんとなく、住まいに自分の着る服の傾向や雰囲気を合わせる癖があるかもしれない。合ってないと場違いな存在みたいで住居にいてもちょっともぞもぞする。 前のマンションでは家で一人でくつろいでてもちゃんとしたシャツとかを着てたし、それより前のアトリエでは古着の伸びきったカーディガンとかを愛用してた。今住み始めたばかりのこの家は、麻とか木綿とか天然素材みたいなのが合う気がする。 でも夏の服をあんまり持ってないのは僕が夏っぽい格好が似合わないから。 昔、情香ちゃんちでメンズの半袖ティーシャツを借りて着たら情香ちゃんに深刻な顔で「似合ってない」って呟かれてティーシャツ脱がされたりもした。学生時代に慧の部屋で着替えがなくて慧のタンクトップを借りて着てたら帰ってきた慧が問答無用で僕の着てるタンクトップの端からハサミを差し込んで器用に一瞬で真っ二つに服だけ切り裂かれたこととかもある。 …とにかく僕と夏はなにかちぐはぐらしい。
昼前には家を出るから、あと少しの時間をリビングのソファに寝転がって過ごす。 みのむしくんの包装は終わってる。家を出るまでにもう少し時間があれば絢にあげるお菓子とかプレゼントとかなにか作れたかもしれないけど… みのむしくんの包装紙とかリボン用にインクを刷る道具はうちのアトリエには備えてなかったから、そのために版画工房のある山雪の家に久々に訪ねていった。山雪から「香澄ちゃんにプレゼントなの?」って訊かれたから「いや、殺したい相手へのプレゼント」って答えたら溜め息つかれた。殺したい、っていう言葉と僕の中の感情にも、なんだかズレがあるなと思う。 部屋から出てきた香澄が僕の寝てるソファの横の床にちょこんと座って、一緒に抱いてきたノエルを自分のとなりにきちんと座らせてる。 「ノエルは座布団に座らせるのに香澄は床の上なの?」 僕が背後から香澄の頭に手を乗せて訊いたら、香澄は僕のいるソファに背中を凭れさせて僕の体の上に頭と首をのけぞらせてこっちを見る。 「ノエルはいいこだから座布団に座るの。直人が珍しく服着てる」 僕のシャツの裾を白い指先がつまんでみてる。 「髪が伸びたね」 「直人もね」 香澄の髪の毛はつやつやしてて癖にもまとまりがあるからただ下ろしてても綺麗。僕の髪も癖があるけど癖に力がなくて、つやが少なくて色も質感も鈍くて、伸びた麺類とか言われたことがある。ちゃんと洗って乾かすようにしてもそこは変わらないらしい。 「おいで」 ソファから少しだけ上半身を浮かせて香澄の方へ両手を伸ばす。香澄が条件反射みたいに僕の方に体の向きを変えて抱きやすくしてくれる。 香澄の脇に手を差し込んで体を持ちあげる。よくやってることなのに普段よりえらく軽くてそのまま全身の体重をほぼ手先だけで抱えてしまった、とりあえず僕の体の上におろして座らせる。 「俺乗ってて重くない?」お腹の上に乗っかってる香澄が訊いてくる。 「重くないよ。…香澄ちょっと痩せた?」体重の増減は目視でけっこう分かってるつもりだった… 「俺はそんなに変わってないよ、直人に筋肉ついたから軽かったのかも」 香澄が上から体を手でなぞってくる。 もともと筋肉がつきやすいし絵を描いてると勝手に体が鍛えられるけど、最近特に集中的に鍛えられたかもしれない、みのむしくんの木彫で。 香澄の手がシャツの下に入ってきた。 「腹筋割れて盛り上がってる、俺こんなふうになったことないかも」 「指先の感触だけだと大げさに感じるんだって、ちょ、香澄、」 じゃあ見てみるって言いながらシャツのボタンを外されて、なぞってた部分に唇を押し当てられる くすぐったい シャツの下の肌のあちこちにキスされてるうちに体が熱くなってきた、ソファの上で香澄に上に乗られて押さえられてるから動かせる範囲で体を捩ってもぞもぞさせる ソファから浮いて少し反った背中に香澄の片腕が通る、背中を抱え込まれて今度は唇にキスされる 「……ふ、…ぅ」 あんまりしてると止まらなくなっちゃうなって思うけどもう遅いような気がする、キスしてる唇を開けて香澄の口内を舌で舐め上げた 応えてくる舌を絡み合わせながら香澄の背中に手を回す、顔あつい… ソファの上で香澄の体をぎゅっと抱きしめて引き寄せて、浮かせた腰を香澄の腰に擦り付ける 「直人、したくなっちゃった…?」 意外そうな顔して訊いてくるから抗議のつもりで香澄の肩口にはむはむ噛みつく 今からベッドに行ってたらさすがに時間ないか遅刻するな… それでも何もしないでいられなくて、香澄にぴったり抱きついたまま腰を動かして服の上からの刺激だけでどうにか満足しようとする 反った首筋に香澄の舌が這う  耳まで舐め上げられてから唇と唇があう   午前の清々しい空気と明るい光に妙にそぐわない、ソファの軋む音、淫らな衣擦れの音、求めあう唇のたてる水音、乱れてうわずった湿った喘ぎ声
その時ケータイのアラーム音が鳴って 一瞬で二人とも我にかえった。
…僕のじゃなくて香澄のケータイだ。 横のテーブルの上のケータイのアラームを止めてから、香澄と僕で顔を見合わせる。 「…そろそろ空港に向かわなくちゃね」そのために設定してたアラームだったみたいだ。 僕は笑ってソファから立ち上がって、ちょっとやらかしたみたいな顔してる香澄の頭を髪を梳くように撫でて宥めてから脱衣所に向かった。 髪の毛結び直さないと。あと下だけちょっと汚したかもしれないから履き替えに。
そのあと二人で駐車場に行って車に乗ろうとするけど、花壇の段差で足滑らせそうになったりポストの中身を回収しようとしてぼたぼた郵便物を落っことしたり、注意力散漫になった僕がミスだらけなのを心配して香澄が運転してくれることになった。 運転中に、香澄の運転で乗せてもらうの初めてだねって口にして、直後に僕が覚えてないだけで初めてじゃなかったかもしれないことを思い出す。 病院で目が覚めたとき、僕は救急車で来たんじゃなくて香澄の運転する車で運ばれてきたんだっていうようなことをたしかあのとき看護師さんが言ってたから。 あの頃、香澄は突然現れた絢に会って、絢が香澄に話したことをきっかけに僕が香澄に話をして、それで僕が気絶して… 結局僕には分からないまま、今日になってしまってる 香澄の自傷の原因や理由 治してくれたのは絢だ 僕じゃない 絢が永遠に香澄を守ることはできないから僕がなんとかできなきゃいけなかったのに 自傷が始まった最初のときのことを鮮明に覚えてる あれはきっと僕のせいだった 半端に零した僕の過去が 僕が香澄を大事にしようとすればするほど、癒したいと思ってなにかするほどに、事態は拗れて この先もずっと、僕は愛し方に重大な欠陥を抱えたまま 香澄を傷つけるのかと 思って それを許し合えって そう言ってくれたのは慧だった 救われたのに、その慧も、それまでの自分を丸ごと捨てていってしまった 僕のことも、香澄のことも 言ってくれたことも、捨ててしまった? あのとき僕を救ってくれた言葉も 余計なことを考えようとした頭を振って気持ちを切り替える。 あのとき絢が僕たちに会いに来てくれた。 今僕らは少しでも早く絢に会いたくて、二人で一緒に出かけてる。
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soranisasuhana · 10 months
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   1  「これ捨てなかったんだ?」 『玄関』と書かれた段ボールから靴や折り畳み傘などを取り出していた時、早音はそれを見つけた。彼女はそれを、今までに何度も見たことがあったが、手に取ったのは初めてだった。四角形のアルミの枠に、潜水艦のような形をした白い陶器がぶら下がっている。上部に一円玉ほどの大きさの穴を開けており、中は空洞のようだった。風貌どおり、持ってみると重みがあった。 「ねえ、これ」 早音は持ち主のところにそれを持って行った。用途も名称も見当がつかないので、直接見せるしかなかった。 「ああ、それ」持ち主は汗をぬぐいながら、ほほ笑んで言った。「それ、なんだと思う」 「え、なんだろう」 まず思い浮かんだのは、ビートルズのイエローサブマリンであった。さっきまでレコードの荷解きをしていたからかもしれない。しかしそれにしては、どうにも風格があった。ポップスバンドのファングッズには到底見えなかったし、もちろんイエローでもない。つまりそれくらい潜水艦のような形をしていた。 「それはね、人生だよ」 「なにそれ」  持ち主は来月、私の旦那になる予定の男だ。彼は得意げに「人の一生」と言ってまた笑った。こういう極端なことを言ってのけるユーモアが、彼にはあった。理屈っぽいところがたまにキズだが、それでもそんな彼が早音は好きだった。 「それは、捨てられないね」 早音もあえて、意地の悪い返答をした。 「実を言うと、俺もよく分からないんだ」 「何かの、記念品?」 「二十歳の誕生日に父親にもらったんだよ」 「これを?」 しかし納得はできた。なるほど、この引っ越しの前に彼が住んでいたワンルームにも、ずっと飾ってあったのはそういうわけか。 「親父そのとき、酔っぱらってそれを人生だって言ったのよ」 意味分からないよなと、彼は呆れた様子で荷解きを再開した。 「ふうん」  早音は先月、彼からプロポーズを受けた。そして二人はおよそ三年の交際期間を経て、結婚することになった。ところで早音の両親はというと、少し古風なところがあった。結婚するまでは同棲など認めてなるものかと、父親の方はいつも背中で二人を睨みつけた。しかし早音の婚約者は、そのような思想をまったく純粋に尊重した。とはいえ実際には、早音は彼のワンルームに入り浸っていたのだから、結局は同じことだったのだが。とにかく婚約を機に、早音たちは新居に引っ越してきたのである。  早音はその『人生』とやらを丁寧に持ち直して玄関に戻ると、まだ綺麗な靴棚の上に、そっと置いた。    2  「いいのよ早ちゃん、ゆっくりして」 早音が夕食の後片付けを手伝おうとすると、彼の母親に柔らかく遮られた。 「じゃあこれだけ」早音はテーブルの中央に置かれた丸い大皿を持って台所に運んだ。その大皿は立派な作りをしていた。描かれた花木は、先ほどまで盛られてあったご馳走に引けを取らないほど、鮮やかに彩っていた。「これ、すごいですね」 「重いでしょう。このお皿も昔は、スタメンだったのだけれど」 彼女はありがとうと言って受け取ると、手際よくシンクの中に重ねていく。 「今は違うんですか」 「だって私たち二人で、どうするのよ」 居間でくつろぐ自分の旦那を振り返りながら、彼女は笑った。 「確かに」 しかし、二人でどうすると言ってしまえば、この家にある全てがそうである気もした。二人で住むには広すぎるこの家での暮らしを、早音は想像する。昨日まで、そして明日からの彼女たちの暮らしは、どのようなものなのだろうか。 「でもその絵柄、すごくきれいです」 「いる?あげようか」 「やめとけやめとけ」割って入ってきたのは彼の父親だ。呑んでいた瓶ビールが空になったらしい。「古臭いよ」 「そんなこと、ないわよねえ」  早音はこの二人を見ていると、気持ちが穏やかになるのだった。こんな夫婦になれたらいいなと、いつも憧れた。そして同時に、この家で育った婚約者のことを羨ましく思った。花柄の大皿を古臭いと一蹴する心の余裕が、自分の父親にも備わっていてほしかった。  その時ガタンと物音がして、三人がそれぞれ、合わない目を見合わせた。それは二階から聞こえてきた。 「ほらお父さん、手伝ってあげなさいよ」 洗い物で手がふさがっていた彼の母親は、顎で音の鳴った方向を示した。  二階では、彼が雨戸の修繕をしていた。先の台風の影響で、その立て付けが悪くなったという。被害はそれくらいで済んだと彼の母親は言ったが、近隣の土砂崩れが夕方のニュー��で取り上げられるほど、雨風は強力なものだった。それの過ぎた朝方に、両親を心配した彼が電話をかけたところ、雨戸の一部が歪んでしまい開かなくなったと報告を受けたのだ。結婚の挨拶からいくつも経っていなかったが、二人はまた足を運ぶことにした。早音たちは彼の実家に来ていたのだった。  「そしたら、りんごを剥いてくれる?」 手伝いを制され逡巡する早音を見かねてか、彼の母親は提案した。かえって気を遣わせたかとも思ったが、その優しさを早音は素直に受け入れた。 「剥きます」 「でも良かった。新しい住まいの写真も見られたし」 「お義母さんたちも、無事で良かったです」 「来てくれて、ありがとうね」 早音はこの台所で初めて手伝いをしたときの、その情けなさを思い出していた。今ではりんごの皮はなめらかな一本の帯となって、静かにたたまれていく。早音はそれがこの家族との繋がりのように思えて、なんだか嬉しかった。 「古臭いなんて言ってたけどね、あの人。これ大事にしてたのよ」彼女は洗いものを一通り終えると、例の大皿についた水滴を丁寧に拭きながら言った。「子供たちが小さかったときまでは、和室に飾ってあったの」 「そうだったんですか」 「男って意味が分からないわよねえ」 早音は手元の作業をいったん中断して、彼女を見つめた。 「どうして?」 「だってそうでしょ、食べ物を乗せなきゃ。お皿なんだから」 それはどうにも拍子の抜けた台詞だったが、早音は妙に納得してしまった。ここは大げさに彼女の味方をすることにした。 「言われてみれば、意味が分からないですね」 二人は女学生のように、顔を寄せ合って、そして笑った。 彼の母親は大皿を食器棚の奥の方にしまい込みながら、こうも続けた。 「何のためにあるか分からなくても、なんとなく置いておくのもいいじゃないかって、変なことを言ってたわ」 「なんか深いですね」 「しまいには『これは人生だ』なんて、大げさよ」 早音は驚いた。つい最近、全く同じ言葉の並びを聞いたばかりだった。  ここまで順調に一本の帯を成していたりんごの皮は、あっけなく途切れてしまった。    3  玄関のベルが来客を知らせたのは、よく晴れた土曜日の昼下がりのことだ。新居に越して来てからというもの、訪ねてくるのは業者ばかりであったため、次はなんだろうと、早音たちは顔を見合わせた。そして今回の来客も予想通り、一箱の段ボールであった。ところがその送り主は意外にも、早音の母親であった。 「なんだろう」 大きさの割に軽いその段ボールをテーブルの上に置くと、二人は並んで座った。そしてかしこまったように、姿勢を正した。ゆっくりと中を開くと、そこに入っていたのは���んとも豪勢な花の束であった。 「すごいね」 「すごい」 早音はその美しい造形を崩さぬよう、丁寧に持ち上げた。優しい香りが、部屋の空気に溶けていく。花々は凛とし、それぞれが自分の役目を知っているかのように、朗らかに咲いていた。 「挨拶に行ったときに話した今日のこと、お義母さんたち覚えてたんだね」 「そうみたい」 その今日が、まさしく今日であった。とうとうこの日が来てしまった。『しまった』という言葉が、相応しくないことは分かっていたが、早音はやはり、この日について『来てしまった』と表現する自分を認めるしかなかった。  「この真ん中の赤い花、きれいだね」 そう言われて早音は、その中央にひと際目立つ花があることに気付いた。彼女はこの花のことをよく知っていた。そしてそれは父親の思い出と共に、早音の心の中にあった。まだ小さい頃、実家の庭にそれは咲いた。早音はなぜかその赤い色に惹かれて、来る日もただ眺めていた。その姿を不憫に思ったのか、父親がそれを鉢に植え替えてくれた。無言で土を掘り起こす父の背中が、やけに小さく見えたことを早音はよく覚えていた。 「帰りに花瓶を買おうね」 「うん」 「それじゃあ、行こうか」  今日は役所に婚姻届けを出しに行く日だ。しかし早音は、自分がなぜこんな気持ちになるのか分からなかった。彼の両親たちのような、あるいは自分の親でも、あんなふうに、二人で生きていけるのだろうか。不安の原因が彼にあるわけではないことも、それ以外の全てもまた無関係であることも、分かっていた。早音のこのような気持ちは、決して彼に悟られてはいけなかった。きっと彼の優しさは、何か気の利いた冗談で早音を慰めるに違いない。でもそれでは駄目だった。玄関を開けると、澄んだ風が部屋の中へ流れ込んだ。その眩しさに目が慣れると、空は澄んで輝いていた。 「そうだ」 彼がそう言ったのはその時だった。そして靴棚の上に飾られた白い陶器を手に取ると、ちょっと待って、と言いながら部屋の方へ戻っていく。 「忘れ物?」 早音は、差し込んだ光に照らされたその床や壁を見つめた。ここが帰る場所なのだ。外の方に向き直ると、秋の空を深く吸い込んだ。 「ほら見て」彼が戻ってきた。その手には、白い陶器に挿された一輪の赤い花があった。彼は笑って言った。「なんのためにあるか分からなかったけど、やっと意味が生まれたよ」  早音に先ほどまでの不安はもう無かった。涙が出ただろうか。しかしこれもまた、決して彼に悟られるわけにはいかなかった。 ...
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luckyloverkidbagel · 1 year
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saginoya · 10 months
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   1  「これ捨てなかったんだ?」 『玄関』と書かれた段ボールから靴や折り畳み傘などを取り出していた時、早音はそれを見つけた。彼女はそれを、今までに何度も見たことがあったが、手に取ったのは初めてだった。四角形のアルミの枠に、潜水艦のような形をした白い陶器がぶら下がっている。上部に一円玉ほどの大きさの穴を開けており、中は空洞のようだった。風貌どおり、持ってみると重みがあった。 「ねえ、これ」 早音は持ち主のところにそれを持って行った。用途も名称も見当がつかないので、直接見せるしかなかった。 「ああ、それ」持ち主は汗をぬぐいながら、ほほ笑んで言った。「それ、なんだと思う」 「え、なんだろう」 まず思い浮かんだのは、ビートルズのイエローサブマリンであった。さっきまでレコードの荷解きをしていたからかもしれない。しかしそれにしては、どうにも風格があった。ポップスバンドのファングッズには到底見えなかったし、もちろんイエローでもない。つまりそれくらい潜水艦のような形をしていた。 「それはね、人生だよ」 「なにそれ」  持ち主は来月、私の旦那になる予定の男だ。彼は得意げに「人の一生」と言ってまた笑った。こういう極端なことを言ってのけるユーモアが、彼にはあった。理屈っぽいところがたまにキズだが、それでもそんな彼が早音は好きだった。 「それは、捨てられないね」 早音もあえて、意地の悪い返答をした。 「実を言うと、俺もよく分からないんだ」 「何かの、記念品?」 「二十歳の誕生日に父親にもらったんだよ」 「これを?」 しかし納得はできた。なるほど、この引っ越しの前に彼が住んでいたワンルームにも、ずっと飾ってあったのはそういうわけか。 「親父そのとき、酔っぱらってそれを人生だって言ったのよ」 意味分からないよなと、彼は呆れた様子で荷解きを再開した。 「ふうん」  早音は先月、彼からプロポーズを受けた。そして二人はおよそ三年の交際期間を経て、結婚することになった。ところで早音の両親はというと、少し古風なところがあった。結婚するまでは同棲など認めてなるものかと、父親の方はいつも背中で二人を睨みつけた。しかし早音の婚約者は、そのような思想をまったく純粋に尊重した。とはいえ実際には、早音は彼のワンルームに入り浸っていたのだから、結局は同じことだったのだが。とにかく婚約を機に、早音たちは新居に引っ越してきたのである。  早音はその『人生』とやらを丁寧に持ち直して玄関に戻ると、まだ綺麗な靴棚の上に、そっと置いた。    2  「いいのよ早ちゃん、ゆっくりして」 早音が夕食の後片付けを手伝おうとすると、彼の母親に柔らかく遮られた。 「じゃあこれだけ」早音はテーブルの中央に置かれた丸い大皿を持って台所に運んだ。その大皿は立派な作りをしていた。描かれた花木は、先ほどまで盛られてあったご馳走に引けを取らないほど、鮮やかに彩っていた。「これ、すごいですね」 「重いでしょう。このお皿も昔は、スタメンだったのだけれど」 彼女はありがとうと言って受け取ると、手際よくシンクの中に重ねていく。 「今は違うんですか」 「だって私たち二人で、どうするのよ」 居間でくつろぐ自分の旦那を振り返りながら、彼女は笑った。 「確かに」 しかし、二人でどうすると言ってしまえば、この家にある全てがそうである気もした。二人で住むには広すぎるこの家での暮らしを、早音は想像する。昨日まで、そして明日からの彼女たちの暮らしは、どのようなものなのだろうか。 「でもその絵柄、すごくきれいです」 「いる?あげようか」 「やめとけやめとけ」割って入ってきたのは彼の父親だ。呑んでいた瓶ビールが空になったらしい。「古臭いよ」 「そんなこと、ないわよねえ」  早音はこの二人を見ていると、気持ちが穏やかになるのだった。こんな夫婦になれたらいいなと、いつも憧れた。そして同時に、この家で育った婚約者のことを羨ましく思った。花柄の大皿を古臭いと一蹴する心の余裕が、自分の父親にも備わっていてほしかった。  その時ガタンと物音がして、三人がそれぞれ、合わない目を見合わせた。それは二階から聞こえてきた。 「ほらお父さん、手伝ってあげなさいよ」 洗い物で手がふさがっていた彼の母親は、顎で音の鳴った方向を示した。  二階では、彼が雨戸の修繕をしていた。先の台風の影響で、その立て付けが悪くなったという。被害はそれくらいで済んだと彼の母親は言ったが、近隣の土砂崩れが夕方のニュースで取り上げられるほど、雨風は強力なものだった。それの過ぎた朝方に、両親を心配した彼が電話をかけたところ、雨戸の一部が歪んでしまい開かなくなったと報告を受けたのだ。結婚の挨拶からいくつも経っていなかったが、二人はまた足を運ぶことにした。早音たちは彼の実家に来ていたのだった。  「そしたら、りんごを剥いてくれる?」 手伝いを制され逡巡する早音を見かねてか、彼の母親は提案した。かえって気を遣わせたかとも思ったが、その優しさを早音は素直に受け入れた。 「剥きます」 「でも良かった。新しい住まいの写真も見られたし」 「お義母さんたちも、無事で良かったです」 「来てくれて、ありがとうね」 早音はこの台所で初めて手伝いをしたときの、その情けなさを思い出していた。今ではりんごの皮はなめらかな一本の帯となって、静かにたたまれていく。早音はそれがこの家族との繋がりのように思えて、なんだか嬉しかった。 「古臭いなんて言ってたけどね、あの人。これ大事にしてたのよ」彼女は洗いものを一通り終えると、例の大皿についた水滴を丁寧に拭きながら言った。「子供たちが小さかったときまでは、和室に飾ってあったの」 「そうだったんですか」 「男って意味が分からないわよねえ」 早音は手元の作業をいったん中断して、彼女を見つめた。 「どうして?」 「だってそうでしょ、食べ物を乗せなきゃ。お皿なんだから」 それはどうにも拍子の抜けた台詞だったが、早音は妙に納得してしまった。ここは大げさに彼女の味方をすることにした。 「言われてみれば、意味が分からないですね」 二人は女学生のように、顔を寄せ合って、そして笑った。 彼の母親は大皿を食器棚の奥の方にしまい込みながら、こうも続けた。 「何のためにあるか分からなくても、なんとなく置いておくのもいいじゃないかって、変なことを言ってたわ」 「なんか深いですね」 「しまいには『これは人生だ』なんて、大げさよ」 早音は驚いた。つい最近、全く同じ言葉の並びを聞いたばかりだった。  ここまで順調に一本の帯を成していたりんごの皮は、あっけなく途切れてしまった。    3  玄関のベルが来客を知らせたのは、よく晴れた土曜日の昼下がりのことだ。新居に越して来てからというもの、訪ねてくるのは業者ばかりであったため、次はなんだろうと、早音たちは顔を見合わせた。そして今回の来客も予想通り、一箱の段ボールであった。ところがその送り主は意外にも、早音の母親であった。 「なんだろう」 大きさの割に軽いその段ボールをテーブルの上に置くと、二人は並んで座った。そしてかしこまったように、姿勢を正した。ゆっくりと中を開くと、そこに入っていたのはなんとも豪勢な花の束であった。 「すごいね」 「すごい」 早音はその美しい造形を崩さぬよう、丁寧に持ち上げた。優しい香りが、部屋の空気に溶けていく。花々は凛とし、それぞれが自分の役目を知っているかのように、朗らかに咲いていた。 「挨拶に行ったときに話した今日のこと、お義母さんたち覚えてたんだね」 「そうみたい」 その今日が、まさしく今日であった。とうとうこの日が来てしまった。『しまった』という言葉が、相応しくないことは分かっていたが、早音はやはり、この日について『来てしまった』と表現する自分を認めるしかなかった。  「この真ん中の赤い花、きれいだね」 そう言われて早音は、その中央にひと際目立つ花があることに気付いた。彼女はこの花のことをよく知っていた。そしてそれは父親の思い出と共に、早音の心の中にあった。まだ小さい頃、実家の庭にそれは咲いた。早音はなぜかその赤い色に惹かれて、来る日もただ眺めていた。その姿を不憫に思ったのか、父親がそれを鉢に植え替えてくれた。無言で土を掘り起こす父の背中が、やけに小さく見えたことを早音はよく覚えていた。 「帰りに花瓶を買おうね」 「うん」 「それじゃあ、行こうか」  今日は役所に婚姻届けを出しに行く日だ。しかし早音は、自分がなぜこんな気持ちになるのか分からなかった。彼の両親たちのような、あるいは自分の親でも、あんなふうに、二人で生きていけるのだろうか。不安の原因が彼にあるわけではないことも、それ以外の全てもまた無関係であることも、分かっていた。早音のこのような気持ちは、決して彼に悟られてはいけなかった。きっと彼の優しさは、何か気の利いた冗談で早音を慰めるに違いない。でもそれでは駄目だった。玄関を開けると、澄んだ風が部屋の中へ流れ込んだ。その眩しさに目が慣れると、空は澄んで輝いていた。 「そうだ」 彼がそう言ったのはその時だった。そして靴棚の上に飾られた白い陶器を手に取ると、ちょっと待って、と言いながら部屋の方へ戻っていく。 「忘れ物?」 早音は、差し込んだ光に照らされたその床や壁を見つめた。ここが帰る場所なのだ。外の方に向き直ると、秋の空を深く吸い込んだ。 「ほら見て」彼が戻ってきた。その手には、白い陶器に挿された一輪の赤い花があった。彼は笑って言った。「なんのためにあるか分からなかったけど、やっと意味が生まれたよ」  早音に先ほどまでの不安はもう無かった。涙が出ただろうか。しかしこれもまた、決して彼に悟られるわけにはいかなかった。 ...
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thedevilsteardrop · 11 months
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夜明け
願いを叶えてあげましょう。代わりにあなたはひと月のうちに、私の名前をあててごらん。
寝室から一歩出る。空気が流れたのを肌に感じて玄関に向かった。そうでなければあと三日は自堕落にゴロゴロと寝そべったまま過ごしたところだ。 特にマットも敷いていない木目を晒した玄関先の床。 「よう」 振り向いた表情は上機嫌をわかりやすく描いたような笑み。ドアが閉まるより大きな風圧を立てて上着を脱ぎ捨てる。そっけなかった冷たい床に随分上等な玄関マットが敷かれた。 この部屋に勝手に鍵を開けて入ってくるなんざこの人しかいない。 「何か食べます?」 「くれ。お前が食おうとしてたやつでいい」 「そう?」 まぁ何を食す予定だったわけでもないが。自堕落の気が変わったことにして一度買い物に出掛けることにした。 先に風呂桶を洗って湯を張っておく。玄関マットを踏まないよう床の端を歩いてリビングへ戻るとさっさと服を脱ぎ始めていたその人を抱きかかえて風呂場に放り込んだ。 「いってらっしゃい」 「…。いってくるね」 硝煙のような匂いがする。 それでもこの人はなかなか死なない。
黎。夜。世界の外側へすり抜けてくる。 渡り鳥か蝶に例えやすかろうと思う、やたらと大きな羽織の上着、あれは翅だ。けれど実際どういう人なのか全く知らない。今回初めてというわけでもなく、どういう法則性かもわからん連絡無しの突撃を僕のかましてきてはまた知らん間に去っている。知らん間じゃない時もある。僕の居ない部屋にも実は入り込んでいるのか、そこまでは調べていない。 仮の宿のようなもの、道路の凹凸のようなもの あの人はそこに不意にさし込む夜の闇みたいなもんで けど僕にとってはむしろあちらが、…。 買い物を済ませて帰ると玄関マット上着は玄関先から無くなっていた。出て行ったのかと思ったがリビングにそいつが移動していて、裸に僕の服を羽織っただけの黎さんもそこに居た。 「おかえり」 頷いて抱き上げて膝にのせる 風呂上がりのまま歩き回られちゃ水滴で跡がつく。 手を伸ばしてドライヤーを取ると温風を髪にあてた。 「ひっひ」「大人しくして」 笑って跳ねる身体を片足で囲って支えると余計に笑われた。胸元に頭が当たって服に髪が刺さってくる 乾いても濡れたように光る、くせのつきようも無さそうなほど真っ直ぐな黒髪。 ずっと艶艶していてやめ時がわからん。 ある程度あててから手でわしゃわしゃとかき混ぜたら全体温かかった。まぁいいだろう。 食事を作り始めようと廊下に置いたままにした食材を取りに立ち上がろうとした。 「なぁ」 それを止められた。 「先に」 膝の間に座った黎さんが振り向いて目を合わせてくる すぐさま唇も合わさった。 「……、」僕の前髪を両手で避けられる じっと目を合わせてくる、キスの間も目を閉じたりはしないらしい 艶艶と 煌煌と 髪よりも一層輝く両の目 眩しいな。 誘いに応えるようにして舌を絡めて 身体を隙間無く沿わせるように 両腕と手の平を使って撫でる 胸と胸が重なる、呼吸するたびにほどよく息苦しくて息が上がる 細い脚が僕の腰にがっちり纏わり付いてきた 「……    」 体温も匂いも どちらのものかわからなくなる。
一通り終わって黎さんに彼の吐いたゲロを片付けてもらいつつ、傍らで食事の準備を始めた。 「お前もなかなか据わってる」だの言いながら上機嫌を崩さない彼は案外きちんと清掃作業を済ませてくれる。 僕ののんびりしたヤり方でどういう理屈でああなるのかわからないが、あの人は絶頂するとなると酷く痙攣に任せたような激しい呼吸と哄笑で狂ったように暴れてはその衝撃で胃液を吐き散らかす。珍しいことではなかった。都度ぶん殴られるか引っかかれるか、すわ食いちぎられそうになるのをどうにかやり過ごしてことを終えている。別パターンもある。そんなバリエーションいらねえんだがな。 「服の替え、選んで着てください」 「はいよ」 これも毎度ながら、片付ける間は全裸だ。まぁ汚れたら面倒って合理的な話。 あの反応でも悦いのは事実らしい。ちょっと楽しくなってくるほどに派手な反応で、やることなすこと。あんなけ見事に返してくれたら、嬉しみもあろうってものだ。 「できましたよ」 簡単に作ったサラダやソテーをテーブルに置いた。寝室から出てこない黎さんを呼びに行く。 こっからまた抱き合うことになるかどうかはその時の気分次第だろう。今回は、どうだかな。
黎さんと知り合ったのは 某所のオープニングセレモニーだったか。 知り合ったと言うほど正攻法でも無かった。 会場から抜け出すあの人の誘いに乗った。口実は随分と堂に入った彼の仮病、もしかしたら本当のことだったのかもしれない。車に乗せてそのままその日使っていた部屋の一つに連れ帰った。 まるきり穏やかな日常を数日間かそこら、共にした気がする 今でこそ会う度にやることヤってはゲロったりグロったりしてくあの人だけどそん時はまだそうでもなかった。至って真っ当に初対面で、それなりに円満だった。一般的には初対面で自宅まで車に同乗しすぐさま口付けて抱きしめあって寝るなんざ実現を疑われる行為らしい、と 僕の方は一応知っている、けれど数えるほどの例外も知っていた。初対面で刺されて拘束されて恋人になってくださいと言われても僕は了承しただろう。色んなことに対して、断るほどの理由を思いつかないから。 黎さんと過ごしたその期間は 随分久しぶりの感じだった、アホみてえに体調がよくなるほど、休息と補給を繰り返したのが その間 自分の呼吸を教えるみたいな巧みなキスを何度もされた いい匂いに、抱きすくめるには丁度いい体格 一人で住んでたら得られない快適な空間があの人のせいで出来上がって心底うんざりした それが嫌なのか、自分でもよくわからないけど 穏やかさってのは不穏を感じる 大抵の他人も物も安定したらぐらつき出すんだから。
最初の夜 ソファで寝そべって背に腕を回してやわくくっついたまま寝物語を聞かせた、Tom Tit Tot 悪魔の名当て
おやおや美しいお妃様。どうして泣いているのでしょう?
……話し始めたのは 名前を聞かれた時だった、「別に本名を言えってわけじゃない、呼ぶ言葉がほしかっただけだ」と彼に言われて 被せて僕が訊いて 彼も聞き返したので、寓話と違いそこには悪魔ばかり二人居た
悪魔は言う なんだそんなことですか、アサで金を紡ぐくらい 私が力になりましょう。 毎朝アサを渡してくれれば、夜には金の糸にして きっかり五かせ、さしあげましょう
「その代わり ひと月のうちに、私の名前をあててごらん」
お妃は、それを聞いてこう思いました 「ひと月もあれば、当てられるだろう」と
妃が頷いて応えると、 悪魔はアサを受け取って うれしそうに微笑みました
「もしも名前がわからなかったら、私がお前の命をもらうぞ」
……
さてひと月後、いやそんなにも経って居なかったあたりでまた現れたその人はあっさり僕の名前を呼んだ。 あろうことか連れて行ったのとは別の家にだ、どうやってだか押しかけて、鍵を勝手に開けて窓から入ってきた。面白すぎて笑いながら抱き上げて汚ったねえ服を剥いで風呂場に放り込んだのを覚えている。 以来名前で呼ばれるかと思いきや、他の呼び方をされることも多い。その中で悪意を感じたことはない。 悪意、か どうだろう、呪いかもしれない 名で縛るというのは。 悪魔も名前を当てられれば人に良いように使われて仕舞い、名当ての寓話は古今東西いくつも散らばっている どれも名付けの持つ一側面を如実に描き出している ならそうして 僕を捉える彼が、ひょっとして拠り所にでもなるだろうか 他にどんなでも縛られること、捕らえて置いて固められるあてが、あったためしもないのに、 いつまた来るかわからない 二度と来ないかもわからない 彼に、縛られるだって? それをしないために いくつも別の名を呼びかけてくれる? よほど拠り所の無さそうなのは彼の方だと、思う、のだろう。きっと誰もが。知り得もしないが
それからも黎さんは僕に会いに来た。
「普段と違った香りを纏わせておられる」 指摘された方を視線を上げて見る ここに居ない人のことで考え込みすぎた ボックス型に置かれたソファの隣席に座る相手へ笑顔で応える 「お嫌ですか?」 「いや。香水かな」 「何の香りだと思います」 相手が何事か答えるのを聞くとも無しに聞いて曖昧に濁す 吹き抜けの天井に螺旋した大階段 透明なエレベータ 大窓から降り注ぐ外光 ホテルの設計を頼まれた時にはよくよく使い倒すモチーフだ。そこかしこに植物を配置する隙を作って彩りを足す、実際にはほとんど色など無い空間なのに陽の光が全ての色を射し込んでくる 香りと称される体臭は黎さんが来た時の残り香かなにかだろう もう一週間ほどは風呂に入っていない、けどここらじゃそのくらいよくある話だ。毎日のようにふんだんな水を使って身を清めるなぞよほど条件を満たした河川のある地域に限られる 流れが速く、澱みを留めおかない 澄んだ河川。水辺に清めの機屋などたてる無臭の国 日本はそこまで水が豊富でもないのに、土建で工夫をしている。建築技術は生命活動から苦痛を遠ざける 次はどの家で住むのだったか、鍵を無くしてしまった スリに盗られたわけでもなく予定の飛行機から変更になって行き先が変わったからだ すぐに使えない物を持ち歩くのが苦手だった。鍵を捨てたくらいでどうなるわけでもない。 「今夜はどちらへ?」 「夜には日本へ。ここからすぐ飛行場に移動します」 「おや、残念 早いお帰りだ」 なにやら親交を深める目的の誘いを夜から昼に変更してあつらえようと提案されている、それを受けて場所を変える 断るほどのものでもない 「では車を手配しましたので、行きましょう」 はいはい。
荷物の中に紛れ込んだ知らない物も 空港まで付いてきた知らない者も マスターキーの管理がなってないホテルも 土地の境目が 全て取り払う口実をくれる、境界というのはありがたい そうでなきゃ余計なものがどこまでもくっついて いつしかこの身から抉らねば切り離せなくなったりして 癒着 痛えのも重てえのも抱えきらんよ あがいてはしんと静まった何も無い空間に逃げ出す、それが牢獄であろうと
だから偶然だった、そこに居たのは。 疲れて帰国して適当に決めた部屋。さすがに誰にも予測され得ない偶然のはずが、あの人は当然のようにふらりと入ってきた シャワーの水音も湿った浴室も カーテンのさざめきも床の軋む音も全て 一段落付いて過ぎ去った後の室内で、また一通りそれが騒いで シャツ一枚羽織った黎さんは寝室まで来ると髪が少し乾ききらずにいる僕の頭を両手で撫でた 「出迎えは無しか。寂しいね」 ちゃんと構って良い子だ、と 全く違う音を拾う 僕が居ない部屋にもあたら闖入しているのかと、けど。起き上がってこちらからも触れようと手を伸ばしたら黎さんはその手を取って身体に巻き付かせた。誘導されるがまま腰を抱く 膝に座り込んだ彼が振り返って性急に深く口付けられる、別個の存在が居るという安堵が刺激に上塗りされて 「……――、」唾液の音が響く 腹の底で灯がともるように芯が熱くなる、ここまで急に急き立てられたのは初めてのことかもしれない 荒くなった呼吸で鼻腔に吸い込んだ息 くらりと酩酊するような錯覚がする 彼の匂いが、洗い流しても確かに残っていた。それにまた安らいで また刺激がくる 股ぐらに居座った彼の腰を抱く手が、上から押さえられたまま動かせずに、服を捲り上げてむき出しになった下半身が卑猥にくねって僕の下肢を撫でてくる 僕が手を離さずに居たら彼は上から押さえるのをやめて、後ろ手に僕のズボンをくつろげてきた 「そのまましてみろ」 「……、そのまま?」 口付けを離してそれだけ言うと黎さんはベッドに両手をついた すり、と尻でそれを撫でられて抱えた腰を見下ろす 先端がもう当たって今にも入りそうな、このまま、後ろから? 慎重に手で抱えて腰を進めてみる 伏せたままの彼の背が一瞬跳ねた。両手がシーツを握り込んで皺を作る 指先で皮膚がうっすら汗ばんだ気がした 「…――は、」息を どうにか吐いて、肉を割入っていく ならしもせずに入れることなんざ無い、この時ばかりしか きついな どれだけしつこく焦らして解かしてきたかを少し思い出した これじゃ口付けることもままならないし 表情も うかがいづらい 「――――、」 このまま、というのが 体勢も全部なら、一方的に揺さぶって出して終われってことだろうか、全部お前の好きにされたいだとか擬似的な支配を好むやり方も要求されたことはある、誰しも知り得ない、愉しいのは大事なことだけど 喘ぐ声も身を捩る動作も、吐き散らかすことも無い 「……黎さん」 名前 を 思わず、呼んだ。 僕はまだ呼びかけたことが無かったかもしれない 無かったかも しれない、 全部入れてから腕を腰に回して背中から抱きしめる じっと まだ、中で馴染むまではさすがに、きつい 顔を伏せた顔に近づけて息を訊いた、 固く丸められた背と両手 食い込みそうな指を解すように片手ずつ、温めて握って
「………… やめろ」
僕が何か言う前に、黎さんがそう言った。すぐに手を離して上体を起こす 「……」 蹴り飛ばされることも考えたけど引き抜いて距離を取るまで黎さんは大人しかった。傷めるような何も覚えはないけれど一通り見て聞いて確かめておく。触れることはしなかった。特にこの後すべき処置も無さそうで、それならまぁ、ここはこの人に預けて外にでも出ようか。さっさと自分で扱いて出して ティッシュで手を拭う 咽のつかえが取れたようにほっとしてしまった 用が済んだような 「真澄」 もう離れていた意識を引き戻される 立ち上がりかけていた脚が折れてもう一度ベッドに沈む 頬を両手で包んで、口付けられた 甘やかすように 「……悪かった」 暗い寝室にその影も捉えられないまま布団を被せられて、止まる ふと片手でそれをずらした時には黎さんは居なかった 布団だと思ったそれはあの人がいつも羽織っている上着だった。
まだあの人は僕を捨ててはくれないらしい。
#ss
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idealhowl · 1 year
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するから、しあわせに
 人にはとびきり愚かな年頃があって、それは十三歳の頃だと私は信じつづけていた。そして、その中でも最も愚かだった瞬間として記憶されつづけているある水曜日の午後があった。具体的な日付は覚えていない。夏ではなかったと思うけれども。  その頃、同じく最も愚かな年頃を過ごしていた幼馴染の浅倉透は、幼い時分に遊んだぜんまい仕掛けで動く船のおもちゃに執心していて(彼女には散発的な流行があった)、記憶によるとそれは両手で持てるくらいの大きさで、真っ赤な船底をしていて、喫水線には透の名前が書いてあるのだという。きっと円香も知っているはずだと透は言い張ったが、あいにくそんな記憶は無かった。現在にしろ当時にしろ、一般に私の方が利発な子供だという評判だったために、そうでなくとも透はあまりにもぼんやりとした子供だったために、このことについてまともに議論が交わされたことはなかった。  しかし、船はあった。愚かな水曜日の朝に、私は学習机の傍らにある引き出しの奥にそれを見つけた。昼にはさらに愚かさを重ねて、私はそのことを透に打ち明けてしまった。透はわずかに身震いして訊いた。「ある? 今」  私が頷くと、透はすぐに私(と私の鞄)を引っ張って、中庭へと連れ出した。 「動かそ、船」と透は隅の方にある池を指して言った。「パス」と私はすかさず返す。 「えー。パスパス」 「いや、本気でパスなんだけど……」  中学校の池は小学校のものとは違っていくらかこぢんまりとしていた。中学生にもなって池に鯉やオタマジャクシがいるかどうかなどといったことに興味を抱く生徒は稀なせいだろう。それどころかむしろそうした生き物たちは忌避の対象になっていくのが普通だった。私もそうだ。透はそうじゃなかった。 「こっちこっち」と透は私の手を引く。言い出したら透は聞かない、と愚かな私は(たぶん)考えてついていって、池のそばに腰を下ろした。予想に反して池の水はひっそりとしていて、生き物の気配はあまりしなかった。もしかすると、教員も全然この池には興味が無いのかもしれない。  私は観念して鞄から船を取り出した。透はそれをじっくり観察して「え、おんなじやつ? これ」と言い放った。 「これのことでしょ」 「こんなんだっけ」  透が船を持ち上げる。船は両手のひらに収まるくらい小さく、底は褪せた赤色をしていて、喫水線にはもはや何が書かれていたのかは判然としないが、霞んだインクの痕跡が認められた。「昔の感じで思ってるからじゃないの」と私は言い聞かせるように透の顔を覗き込んだ。  そっか、と透は少し考えて「ありがと、円香」と笑った。そしてぜんまいを抓んだ。しかし、それはうまく回らなかった。 「逆なんじゃない」と私は投げかける。「それか、もう錆びてるのかも。古いし」  透は聞いているのか聞いていないのかわからない様子でひたすらぜんまいと格闘していた。しつづけていた。私はしびれを切らして言った。 「貸して」 「もうちょい、だから」 「見つけたの私だから」  強引に私は船に手を掛ける。透は逃れようと身をよじって、そして池に転げ落ちた。 「透!」  私は反射的に叫んだが、透はあっさり上がってくると隣にあぐらをかいて座りなおした。濡れた袖を絞ってみたり靴を脱いで逆さにしてみたりしながら「うわー、びしゃびしゃじゃん」「ねー、どうしよ、円香」などとまったく深刻さの感じられない口調で透はつぶやいている。しかし私はいっさい答えられなかった。  ただ私はじっと見ていた。透の、ちょうど開かれた両膝のあいだで持ち上げられたスカートの布に、池の水がちょっとしたうみを作っているのを。少し姿勢を崩せば、たちまち無に帰してしまうだろうちっぽけなうみを。ふと「止まって」という言葉が口をついた。辺りには中途半端に日が差していて、なにか奇妙にぬるい匂いが立ちこめていた。それで、魔が差した。 「透、動かないで」と私は重ねる。 「え、なんで」と透は首を傾げようとする。 「動くな」  私は身を乗り出して、船を捕まえた。乱暴にぜんまいを掴んでみると、それはさっきまでの格闘が嘘のようにたやすく回転した。だからそのまま手を伸ばして、うみに船をそっと近づけた。  船の底がうみに触れる。  静まりかえった中庭の一角に、ぜんまいの音のみがわずかに波を立てた。途端に振動がすばやく指先を伝った。私は驚いて、いきおい船を離してしまった。船はあっさりと転んだ。  透は膝を下ろした。うみは流れ出た。私は黙って立ち上がって、その場を去った。  中庭と校舎を結ぶドアを開けると、どこかの教室から昼の放送が漏れ聞こえてきていた。それがきっと穏やかな合唱曲だとわかって、私はその場でほんの少しの間うずくまった。  ひどくまちがった気分になったのだ。
   *
 真夏の港なんて来るものじゃない、と私は思う。それから、呼び出したやつが遅れてくるなよ、とも。  スマートフォンを取り出して、「十二時」「ここ」とだけ記された、透からのメッセージを再びにらむ。透は二十歳になった。しかし、なったからといってなんだということはなかった。十九のときに成人年齢が引き下げられたせいで、その数字がかつて私たちに与えてくれたはずの意味の多くは、以来ずっと宙づりになってしまっていた。だから透がこれから何をしようとしているのか、私には完璧に予想がついていた。  私は七年前にそれをやめた。透は今からそれをする。正確には、透はそれに失敗したから代わりに私を相手にしようとしているのだ。そういうわけなので、するべき返事も自ずと浮かんでいた。  要するに、あいつはフラれた。私もあいつをフる。もちろん、シンプルな比喩だが、比喩が真実と一致することは必ず無いと証明できる者など、果たしてこの世に存在するだろうか?  帽子を深めに被りなおして顔を上げる。酷暑のせいか、辺りに人はほとんどいなかった。おそらくろくに釣れないのだろう。海からはやはり厭な匂いがしていた。いくらかくたびれてきたシャツブラウスを着てきたのは正解だったなと思いながら、自分が贅沢な人間になったことを自嘲する。ここのところ衣装を買い取ったり頂いたりすることが増えていたから、そろそろクローゼットの全容を把握できなくなりつつあった。 「整理する必要がある」  整理する必要がある、と私は心のうちで繰り返す。多すぎるのだ、何もかも、積み重なってきたものが。  振り返ると、遠くに自転車の群れが見えた。おそらく中学生かそこらの集団だろう。大声で歌でも歌っているのか、離れた港にまで彼らの声が残響のように聞こえてくる。自分にもそういう時期があったっけ、と考えてみたが、うまく思い出せなかった。どちらにせよ、どうでもいいことだが。あったとしても、再びああいう風に歌いたいとはとても思えなかったし、なかったとしても、ああいう歌をあえて聞きたいとは思えないだろうから。  だから私はそれを聞くともなしに聞いていた。自転車はゆっくりと走っていた。早々に海へ向きなおってしまったので実際のところは知らないけれども、音を聞く限りはそうだ。曖昧な音程に合わせて、私は頭のなかで適当なポップ・ソングをあてはめようとしてみる。これも違う。それも違う。あれも違う。そうしているうちに、曖昧だった音の輪郭が、次第にはっきりしてくるのがわかる。彼らがきっと声を張り上げたのだ。歌詞は一向に聞き取れないが、私はこの歌を知っているという予感がした。まもなく、それは確信に変わった。  私はこの歌を知っている。  ああ、これは、あの合唱曲だ――
 少し離れたところに、なにかが光って見えた。  船だろうか、と私は目を凝らす。  ざざざざざざざざ。  そいつはものすごい速さで近づいているみたいに見える。  ざざざざざざざざざざざざ。  そいつはぎらぎらと太陽を身体にまとわせてしぶきを上げる。  ざざざざざざざざざざざざざざざざ。  そいつが光る。ぱあっと光る。そいつの投げた光が一直線に網膜を焼く。私は眩んだ目を閉じて、そのまま耳を澄ませた。獰猛な獣の唸り声が徐々に収まって、それから軽やかに連なる朝の雨を私は聞いた。雨は私の鼻先で止んだ。「あれ。失敗? サプライズ」 「ばれてないと思ったの」 「何も言わなかったし、樋口も」 「ばれてるってばらさなかっただけ」  そっか、と雨は答える。そうして、わかるんだ、とも小さく漏らした。「じゃあ、行こ」  風が止んだ。太陽はまだ辛抱強く照り付けていた。私はいっそう強く眉根を寄せてくらやみを作りながら問うた。 「なんで。ていうかどこに」 「えー。わかってるんでしょー」 「知らない」 「ショーシン、してるの」ショーシン、とそいつは確かめるように発音する。「だから、行かなきゃ、旅行」  くらやみのなかで、目の前の空気が微妙に熱を持つのがわかった。私は顔を上げたまま口を開いた。 「私はべつに、傷心してないし」  えー、とそいつは不満そうに笑って、「じゃあ傷ついてよ」と短く投げつけた。 「は?」と聞き返す間もなく、そいつは重ねる。 「なろ、ふしあわせに」  ふ、と私は笑ってしまう。笑ってしまったから、計画はそこで台無しになった。私は手を伸ばした。そこにはちゃんと透の手のひらがあった。 「ていうか、なんで閉じてるの、目」 「……ライト、つけっぱなし」 「あれ。ほんとだ。まぶし」
   *
 それからはエンジンの轟音がすべての声をかき消した。  円香は目を開けた。たちまち潮の匂いをはらんだ風が乾いた瞳に飛び込んできたが、彼女はもう瞬きひとつしなかった。ただ透きとおる風を吸い込んで、自らの瞳の奥に海と同質の水脈が眠っていることを彼女は知ったのだった。
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shimizuyaofsake · 9 months
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2023/9/19
おはようございます!念のためにこんにちはとこんばんはも。
妻と娘が実家に帰っているので久しぶりの一人暮らしです。
土曜の夜に飲みいったり、昼に好きなラーメン食べに行ったり、見たかった映画を見に映画館へ出かけたり。
控えめに言ってスーパー最高でした。
ここぞとばかりに酒の勉強もしてこようと思います!
# 真澄 山廃純米吟醸 ひやおろし (宮坂醸造 長野)
山廃らしい野生味ある酒の香りと酸味。
甘旨とまとまりあって、舌を密に流れていきます。
濃醇な味わいながら、喉越しまでつっかかり無く、その間にお米のふくよかさ、ビター、コク、酒らしさも感じられました。
キレはよく、余韻はじんわりとゆっくりと。
まだ暑いですが、秋の深まりと共に楽しみたい一本に仕上がっています。
すでに一夏寝かせていますが、開栓してからも面白い山廃仕込み、少し飲んだら涼しくなるまで待って、が酒屋の本音です。
おすすめの飲み方は、冷や(常温)か温めて(60度くらい)。
冷たくすると酸味が硬く感じると思うので、冷たく飲みたいという方は、一度温めてから急冷という一手間、秋は夜長なのでお試しください;-)
それでは本日もはりきっていきましょう。
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usickyou · 1 year
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ノクチルと、絶対に割れるガラスキュー
「これは、絶対に割れるガラス球なんだ」  彼はそう言って、ガラスでできたらしい透明な球体を突き出した。その腕まくりに日焼けのあとが目立つのは、いかにも盛りの夏を感じさせるようだった。  一方で、ガラス球を突き出された彼女たちは困惑した。意図を探るようでも、呆れるようでもあった。溜息をつく者もあった。彼女たちは、大切な用事があるからと四人揃って、このために集められたのだった。それからしばらくの間をおいて、返事があった。 「そ、それってふつうのことじゃ……」  彼はその当然といえる疑問に、笑顔を投げ返す。絶対正義のその笑顔は、ガラス球を反射してなおまっすぐに彼女たちを見つめる。 「そうかもしれない」  彼は含みを隠そうともせず答えて、ガラス球を差し出した。相手は福丸小糸だった。小糸はほとんど怖がるくらいの調子でガラス球を受け取ると、慎重にそれをたしかめた。ガラス球は、小糸の片方の手のひらにおさまらないくらいの大きさで、両手にずっしり重かった。しばらくして、何もわからなかったらしい曖昧な表情のまま、小糸はガラス球を差し出した。相手は浅倉透だった。透は手のひらで受け取り損ねて、無言でガラス球を下に落とした。 「ぴゃっ」  と言うのは小糸だった。 「あぶなっ」  ガラス球の割れるのを望んでいたわけではないけれど、割れたならば割れたで別に構わない。そういう鷹揚な身振りで透はしゃがみこみ、カーペットの球体を拾い上げる。手で転がすと、 「終わるとこだった」  とガラス球を差し出した。  相手は市川雛菜だった。雛菜はガラス球を光に透かした。それから、ガラス球越しに隣り合う少女たちを眺めて、いかにも愉快らしく笑うと、ガラス球を差し出した。相手は樋口円香だった。円香はそれを受け取るのさえ拒む様子だったが、手に取ると、工場機械じみてなめらかに彼へ返却した。 「用がなければ帰りますが」  円香が言うと、彼はほほえんだ。 「これを、みんなで管理してほしいんだ」  彼が言うのは、こういうことだった。  ガラス球を、全員で持ち回りする。それぞれ手もとに置く日数は任せるけれど、なるべく持ち歩く。そうして、全員のところを回ったら返却して、そのときに感想を聞かせてほしい。 「なにもなければなにもないでいいよ」  彼は続けた。 「話したくないと思ったら、話さなくてもいい」  彼の授けるほほえみを分かち合うように、彼女たちは顔を見合わせた。誰もその意図を、把握しかねるようだった。 「断ってもいいんですか」  円香がたずねると、予想していたふうに彼はこたえた。 「問題ないよ。仕事じゃなくて、俺個人からのお願いだからな」  それはどうにも、円香を苛立たせるのだった。  ガラス球は、彼の手のひらのうえ返事を待って佇んだ。やがて沈黙が、それを砕こうかというほど押し迫った頃、声をあげるのは透だった。 「いいよ」  透はガラス球を彼からくすねるように持ち去って、両方の手で遊ばせた。それは自由だった。ガラス球がそれ自身まるで生きているかのように跳び回るのは、透の天稟の賜なのかもしれないし、ガラス球の必ず割れるという性質のもたらすはかない閃きなのかもしれなかった。 「よろしく。ガラスキュー」  透は言った。そうしてまた、ガラス球を取り落とした。
 呼び出されてプロダクションを離れるまでに数十分かからなかったから、日はまだ天頂近くにいた。乾いたばかりの汗がまたどっと出て気分はすぐれなかったが、ガラス球が青っぽく涼しげな様子で光るので、往来をわざわざ手に持って歩いていた。 「樋口は?」 「知らない」 「なんとか」 「……どうせ割ったら日々もこんなに脆いんだとか言う」 「あはは。似てる似てる」 「ほんとはすごい高級品だったりして~」 「な、なにか伝えたいことがあるんだと思うよ……!」 「浅倉は」 「わからん」  彼女たちはそういうふうに話した。ガラス球を持つのは透が最初になり、あとは会うときに渡すと決めた。そのときガラス球は、ただの透明な球にも無意味の球にも、きらきらした球にも、なんらか秘密の命を帯びた大切な球にも見えた。
 真夏の太陽にガラス球はきらめいた。プールサイドに、無造作に放り置かれたそれは、揺れる水面を吸い込んでその光の波の四方八方から押し寄せるのにさんざめくようだった。  ガラスキュー。元気してるか。  透はたずねた。ガラス球はこたえなかった。あるいはその光の反射でこたえるのかもしれなかったが、透はそれを無視してガラス球を拾い上げると、手でもてあそんだ。ガラス球は回転した。右手と左手を行き来して、バスタオルのなだらかな坂を下った。時おり声をかける者もいたが、誰ひとりとしてわからないのは、それがふたりのダンスなのだということだった。  やがて撮影の再開が告げられ、透は立ち上がる。バスタオルを剥がすと、明るい色の水着や、あるいはガラス球より澄んだその体をかがやかせる。ガラス球の光るのを省みる者はいなくなり、するとそれは適当に置かれていたせいかプールサイドを転がりはじめると、誰も気の付かないうちにプールへ落ちる。撮影は続く。  ガラス球は、水底より見る。時間というものはガラス球にないのだが、長い間じっとしずかに揺らめく水面を見ている。すると突然、降りそそぐ光が隠されるのは、透が飛び込んだからだった。透は探した。ガラス球は透明で、水の中でいっこう見えないので泳ぎながら手さぐり手さぐりそれを求めた。ガラス球はそのとき、水底から、透を見上げた。透は美しかった。泳ぎはいっこううまくないのに、水の中にいるのが本当という印象を与えた。億千の星々のよう千々に分割された日の降るのを一身に集わせ、波と光を衣装にするのが透なのだった。  ところでガラス球は美しいという観念を持ち合わせていないから、それはもしかして、真実であるのかもしれなかった。  危ないぞ、ガラスキュー。  透はそれを拾って言った。プ��ルを上がると、今度は転がらないようにとタオルで上等な柵をつくった。それだから、ガラス球はもう水へ行かなかった。
 雛菜は悩む様子だった。四畳間くらいの手狭な控え室で、照明のぴかぴか散るメイク台に置いたガラス球を見つめて今にも呻らんばかりなのは、できたての占い師だとか、いっとう見込みのない手習いの職人みたいなふうだった。  雛菜はガラス球にさわった。爪の先で輪郭をなぞり、手のひらを押し当てた。子どもをあやすみたいにその面を覗き込むと、突然バッグをがさごそやって、ぱっと笑った。その手に誇らしげに、メイクポーチを持った。  まず入れるのはつやだった。絵画に光沢を加えるように、はじかれる光を描き入れた。頂点に葉っぱや、茎を描き加えて、なにかつまらなそうにリムーバーできれいに洗った。そうしてふたたび、ん~っと首を傾けて、赤茶けて波打つ線をひきはじめた。それがぴんときたらしく、雛菜は俄然あかるい表情になって、そこからは早かった。ガラス球は、やわらかくウェーブする髪を得て、まるい目と、にっこりほほえむ口もとを授かると、できあがりの合図にヘアピンをぱちんっと留めた。雛菜は喜んだ。ガラス球はその喜びを反射することができなかったが、口もとはどうにも楽しげだった。  それから、雛菜はガラス球と自撮りをした。それは納得できず何度もくり返されるが、ついには完璧な一枚がおさめられたらしく、すぐにツイスタにあげられた折にはこういうコメントがつけられた。 「円香先輩と」  そうしてすぐ、メイクは落とされた。すっぴんのガラス球は、しかし次には小糸のかたちになってふたたびツーショがツイスタにあげられた。みたびメイクを落とされてくたびれたガラス球に朗報だったのは、雛菜の待ち時間が終わったことだった。呼ばれてひとり、雛菜は控え室をあとにした。ガラス球は置き去りにされた。持ち歩くのはできるだけという約束だったから、それはガラス球になんらおかしな振る舞いではなかった。  しばらくして雛菜は戻って、続きをするでもなくガラス球をかばんにしまい込んだ。スタジオを離れて帰り道の途中には、予定の近かった円香へガラス球を渡した。それだから、雛菜とガラス球の時間はちょうどまる一日くらいだった。
 ガラス球は棚に置かれた。蓋のない、お菓子の空き缶におさめられ、ほとんど身動きの取れないようにされて、文句も言えずその身を縮こめおさまっていた。ガラス球の肩上あたりから、円香は見えた。円香は机に向かい、ノートに向き合っていた。その姿には明けの静寂の泉のたたえる威厳があり、円香が時にペンをじっととどまらせては時にわずかに走らせるのを、ガラス球はおし黙ってじっと見つめるのだった。  円香はガラス球を省みなかった。ノートに向かい、ベッドに寝ころぶとうとうとするのに首を振って、またノートに向かった。そのうちに昼食をとって、ノートに向かい、気分転換にベランダへ出たり音楽を聞いたりして、ノートに向かった。そのうちに、日の色が変わってくると、円香は母親の言いつけで買い物へ出かけて、そのまま部屋へ戻ることなく夕食の時間となった。ガラス球は何も思わなかったが、円香の戻らない部屋はしんと静かだった。  しばらくして、地震が起きる。東京都西部を震源とするマグニチュード5.1の地震に家はすこし慌てる。けれど震度4くらいの、ささいな揺れのもたらす動揺はさほど続かず、平静を取り戻した家族を離れると円香は部屋を覗く。ほんの数秒。部屋を離れる。  次に部屋へ戻ってきたとき、円香は眠る支度をすっかり済ませていた。そうしてまた、ノートに向かって、今度ペンは昼間よりなめらかに進む。一ページの半分くらいを書いて、円香はノートを閉じた。満足するのも満ち足りないのもガラス球には少しもわからないが、閉じたノートを見つめる横顔を反射するのはできた。  やがて円香は電気を消した。そのとき円香が、ガラス球を一瞬でも見たのかはわからない。
 それほどガラス球を丁重に扱ったのは、人類史上にないだろう。ガラス球は手持ちのクッション素材の保冷バッグに入れられ、さらにタオルでぎゅうぎゅうにまるめられ、それはかえって宝物とか爆発物とかに見えて危なく感じられるようだった。小糸はいつものリュックサックと保冷バッグを抱えて、いってきますと家をあとにした。偶然に会った透からは、家出するみたいだと言われた。  久しぶり、ガラスキュー。  透はおつかいに出ているところだったので、道ばたで別れた。小糸は暑さに立ち向かうみたいに早足で歩いて、図書館へ入ると、ガラス球を机に置いた。見れば祈るような光景だっただろう。けれども小糸は別段ガラス球を拝むでもなく、リュックからあれこれ取り出して勉強を始めた。勉強は長く、厳しく続いた。急ぎの電話であったり、席を離れる折に小糸はガラス球を連れ添った。ひとが怪訝に見つめるのも、小糸には大切な約束だったし、ガラス球はそれらの視線をはじくので、問題ではなかった。  勉強は、図書館の閉まるまで続いた。  小糸は夕ご飯の少しだけ前に家へ帰った。食洗機をまわして、つかの間の休息をしているところに、雛菜から連絡が入った。返事をすると雛菜はすぐにやってきて、ガラス球に、透のメイクを施して小糸とのツーショをおさめると満足して帰った。小糸はそれからしばらく迷って、雛菜へ連絡をすると、メイクを落として平気というのでガラス球を拭いた。磨いてきれいにぴかぴかにされて、ガラス球はふたたび小糸の部屋で勉強するのを見守った。そのとき、それから部屋が暗くなっても、どこかから音階の高く低く波うつ心地のよい音楽の聞こえるのは、小糸の歌ではなかったし、ガラス球は歌わないのだからもちろんガラス球の歌でもない。  音楽はやがて消えた。
 彼女たちの手もとをまわり終えてガラス球が返される日になった。ガラス球は道すがら小糸から雛菜、円香から透の手をたどって、プロダクションへ入った。夏の盛りだった。油蝉の道に落ちているのを、円香は心底嫌がるような日だった。 「お疲れさま。ちゃんと返してくれてありがとう」  透からガラス球を受け取ると、彼は言った。よければ感想を聞かせてくれないかというので、彼女たちはこたえた。 「え。なんだろ、べつに」 「なにもありません」 「たのしかった~」 「みんなのぶん重たくて……緊張しました……!」  彼は納得する様子でうなずき、ガラス球をデスクの台座に置いた。それで今日の用事は終了、というわけではなく彼女たちには打ち合わせがあった。とはいえそれも一時間ほどで終わり、いよいよプロダクションをあとにする、というところだった。 「じゃあね、ガラスキュー」  透が言った。声に感応するように、突然ガラス球に一本のいかずちみたいなひびが入った。「あっ」とこぼしたのは、彼女たちの誰かかもしれないし彼かもしれない。彼女たちはそれで揃ってガラス球を見て、ひびの次々刻まれていくのを見つめた。それはまたたく間だった。ガラス球はほとんどまっ白になり、球形を保っているのが不思議なくらいだった。  静かだった。  あたりはまったく無音だった。  誰ともなく彼女たちは踏み出した。ガラス球のそばに寄ると、それぞれ顔を見合わせた。差し出すのは透だった。透はひとさし指の、爪の先をゆっくりと近づけていく。指とガラス球の、近づくほどに時間は引き延ばされ、しかしそれらは悲劇を知って避け得ない愛のように、結局は結びついてしまうのだった。  ガラス球は、絶対に割れる。  透の指が、ガラス球にふれる……。
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hummingintherain · 1 year
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9月22日(木)|plan75
 昨日は悩んだけれども水曜でもあるのでまた映画館へ行くことに。本格的に働きだしたら水曜日に映画は観られない。だから観にいけるうちに観にいく。昼の部を狙いに外出。何故だか強くラーメンかつけ麺を食べたい気分に駆られたので、映画館からほど近く、いつも行列ができていてなかなか入れないラーメン屋へ向かう。到着した頃はまだ開店したばかりだったのでほとんど人はいなかった。店内に入った瞬間濃厚なしじみの香りがした。しじみを含めた魚介系のスープを推しており、一番スタンダードなラーメンと鶏餃子をセットで頼む。自慢のスープは澄んでいてあっさりとした味わい。麺は太めで、私はどちらかといえば細麺をつるつるするすると食べていくのが好みではある。ただ思いのほかびっくりしたのがチャーシューで、ラーメン鉢をほぼ覆い尽くすような巨大な三枚が鎮座しており、味はといえばハムに近い食感ながら噛み締めるほど脂も感じられてなんだかめちゃくちゃ美味しかった。鶏餃子は塩で食す形式。一つ目を一気に丸々口に放りいれたら激熱の肉汁が飛びだしてきたうえに塩をつけすぎてやたらしょっぱくしてしまい、口内で盛んなファイヤーダンスでも踊ってるようだった。猫舌なのに警戒心があまりにも脆弱だった。二つ目からは慎重になる。中身に充分味がついているので、なんなら塩をつけなくても充分な味つけだったけれども、塩も塩でおそらくは岩塩で濃厚なからさが癖にもなってついついつけてしまった。
 ラーメン屋から出たら少しだけ近所の本屋に立ち寄ってぶらぶらして時間を過ごし、映画館へ。観たのは『plan75』。相模原連続殺人事件を題材にしたと思われるのだけれども、老人ホームでライフル銃を使い連続殺傷が行われるシーンから始まり、老人たちが日本の若者を圧迫している・この事件をきっかけに皆が本音で話し合いよりよい世界になることを願う、というような旨の発言をして自決する。そしてこの事件をきっかけとして、plan75という、75歳以上の老人を対象として、安楽死の選択を認める制度が開始される。plan75に関わっていく主要な三名を中心としつつ、ストーリーは展開していく。題材が題材なだけに終始重たい気持ちで観ていた。人の死を推奨することで明るい未来をつくる、という構図の残酷さと、そこに真正面から対峙していく人たち、老人・若者どちらも心身苛まれながら、制度や安楽死の意志のもとで漫然と流れていき、なにか心情が置き去りにされてしまっている閉鎖感。明るい未来とはなんだろう。今、若者とされている人たちも、いつかは老いて、制度のもと選択を迫られる立場となる。映画では、ホームレスになり貧困する人たちの姿も描かれるし、炊き出しをする公園でもplan75の登録窓口が設置され、説明なしにその意図を伝えてくる。「本人の意志」によって死を選択した、という大義名分に、社会が追い込もうとしていく図。そこに倫理観が欠けているようにしか受け取れないから、苦しいのだった。
 私は、どちらかといえば安楽死という選択に共感しているし、映画を観てもなお、その意志はあるのだけれども、とりわけこのコロナ禍で変容している。少なくとも、今、未熟としか思えない倫理観が蔓延り、年々社会の歪みが強まっていると感じる中で、死に関する議論が成熟するとは考えられない。不必要に崖に追いやり、利権や金銭のために権力が暴力的にふりかざされている現状では。
 自分が安楽死という選択をどこかで願うのも、いつか他者に甚大な迷惑を��けながら生きていくくらいならば死も考慮したい、という将来の展望が由来だけれども、裏を返すと、他者に対してもそういった思いを抱いているのではないか、ということにも繋がる。極端にいえば、邪魔な人間は排除すればいい、という攻撃的な思考。戦争の思考だけれど、日常にも存在する思考。正直なところ、自分にまったくそういったところがないとは言えない。恐らくはけっこういろんな人の中に、大なり小なり存在するのではないかと思う。だから怖い。大抵の場合、そうしたあまりにも我欲の強すぎる排他的な考えは、それぞれの倫理観によって制御されるのだけれども、社会の構造だとか家族関係だとかの環境的な要因や、生い立ちや、金銭や、絶望によって、誰もが歪む可能性があって、いつなんらかの事故や事件によって転落していくかは誰にもわからないし、私はたまたま今ここにいる。
 先日の安倍元首相の銃撃事件、山上容疑者の選択が究極の犯罪であることは間違いないけれども、彼をそこまで追いやり救えなかった道筋が存在する。誤解が生じるかもしれないけれども、そんな山上容疑者を、人間的に嫌いではないな、と思う自分もいる。
 排除ではなく、誰もが基本的人権を守られて、みずから死を望まずとも最期まで安心して生き抜けるような世界が、いい。問題があまりにも多すぎて目眩がする。
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shukiiflog · 7 months
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ある画家の手記if.121  告白 夏祭り
新居の近くには綺麗な池のある広々した公園があって、気が向いたら僕はその公園の池の前のベンチで絵を描いてる。
池の水は溜まりっぱなしじゃなくて公園の外堀の浅い川を巡らせてあって、いつも透明度が高くて綺麗。魚もいる。魚を狙う鳥もくる。 いつも隣のベンチにいてスズメにパン屑をあげてるおじいさんとか、池のまわりをランニングしにくる学生とか、公園に日課で訪れる人たちがいて、僕も通ってるうちに友達が増えた。 静物画を描いてた頃は絵を描くために外に出る必要はなかったから知る由もなかったけど、衆目のある外で堂々と絵を描いてるとちょっと目立つし周囲の興味をひくものらしい。スズメのおじいさんにそう言われた。 そんな公園の友達から、近々この公園で夏祭りが開かれるっていう情報を得た。毎年の恒例行事なんだそうだ。 「直人くんも来てみたらどう?お家は歩いてこれる距離なんでしょう」 「…そうですね。息子と一緒に来ようかな、あの子も夏のお祭りは初めてかもしれないし」 「そういえば息子さんいらっしゃるんですよね、今何歳なんでしたっけ」 なぜか僕が親しくなった相手に香澄のことを話すといつの間にか相手の中で香澄が幼稚園児くらいになってる。 もう成人してますよって言って証拠の写メを見せるときはだいたい絢と香澄のツーショット写真を見せる。 最初に香澄単体の写真を見せて一目惚れとかされたら困るから、となりに香澄とはまた趣の違う華やかで派手な絢もいたら見せられた相手も何がなんだかよくわからなくならないかなとか。実際まあまあそんな感じの効果は上がってる。絢ごめん。 顔立ちだけなら僕と香澄より僕と絢のほうが似てることになるのかもしれないけど、写真を見せても絢のほうを僕の息子だって思う人は意外と少ない。僕も絢もそれぞれ新しい家や家族に馴染んできたのかな。 僕は夏祭りに行ったことは多分ないけど、香澄と行った旅館の初詣でみんな着物着ててお店がたくさん出てた、あんなかんじかな。
前のマンションは立地は住宅街の中だったけど、マンションの方針としてその地域での町内づきあいは一切絶ってあった。今はそういうのが何もない普通の一軒家だから町内の報せとかもご近所から回ってくる。 かいじゅうくんの形のポストに入ってた夏祭りのチラシを取りだして見ながら、簡単に添えられたお祭りのイラストでなんとなくの雰囲気を知る。描かれてる人、みんな着物…浴衣?だ。僕がポストの頭を撫でながらチラシを見てたらちょうど出かけてた香澄が道の向こうから帰ってきた。 最近香澄はよくイキヤのマンションに通ってる。 最初は部屋を貸した身として僕が通って様子を見るべきかなとも思ったけど、結局僕がいつまでも仕事してて行けないでいたら香澄が行ってくれてた。香澄はときどき車出したりもしてた。 二人はけっこう仲良しみたいだ。それは少し、わからないでもない。 イキヤの人間関係はこれまでほとんど画家やそういうことに携わる現場の人間で埋め尽くされてきてる。家庭内にも今は別の画家がいるだけだし。性格や気性を問わず画家同士で穏やかに優しくしあうだけってことにはならない。…その分、誰かに優しくしたい気持ちがずっと行き場をなくしてたりする。 帰ってきた香澄にお祭りのチラシを見せて笑う。 「これ、すぐ近所だし、一緒に行ってみようか」
そんなわけで当日の夕方、まずは自宅まで知り合いの着付け師の子に来てもらった。 浴衣もそこで前もって僕と香澄のぶんを買っておいた、お正月の旅館で知り合った貸衣装をしてたおばあちゃんの呉服屋さん。 あれから何度か仕事でおばあちゃんのお子さんたちにうちに来て手伝ってもらって、ちょっとだけ顔なじみになった。じゅんちゃんとゆなさん。 肖像画の内容にもよるけど、モデルがよく映える服や小道具が欲しいってときもあるから、そういうときに。うちのクローゼットにある服は僕と香澄のを合わせても、お互いに系統が揃ってる上にサイズが大きくてあんまり使えない。 買った浴衣は香澄が白で僕が濃い紫。旅館のときと違って香澄も今回は男性ものの浴衣で、二人とも柄はそんなに派手じゃない。旅先と違って行くのは近所の夏祭りだから、目立つ格好して歩いて妙な虫がついたら払うのに苦労しそうで。 今日は和服だから呼んで来てくれたのはじゅんちゃんだった。浴衣を綺麗に着付けてもらったお礼を昼間に焼いたクッキーと一緒に渡して、二人でお祭りに出かける。布を買って僕が作った簡単な浴衣を出がけに留守番するノエルに適当に着せたらじゅんちゃんに一度脱がされて着付けしなおされてた。
ちょうど陽が沈んだくらいのタイミング。外は昼間に比べたら少し気温も下がってきてる。 となりを歩く香澄の髪にはかいじゅうくんの簪が刺さってる。クリスマスに僕が慧にもらったものだったけど、僕より香澄が使う方が似合っててかわいいからそうしてる。…この方が慧もきっと喜ぶ。 香澄はバレンタイン…本人曰く「誕生日プレゼント」に、まことくんから髪留めをもらって、仕事の日とかによく使ってる。香澄は自分でそういう物はあんまり買わないし僕があげた覚えもなかったから訊いてみた。香澄が友達同士で物を贈りあったりすることにまで口は挟めないけどね。僕が無言でじーっと髪留めを見てたら視線に気づいた香澄は不思議そうに首傾げてた。
公園に入る前から外の道にも普段よりたくさんの人がいて、すでにかなり賑わってた。浴衣姿の人も多い。 はぐれないように手を繋いでたいけどご近所さんも来てそうだから無理かなぁ。 池のまわりをぐるっと夜店が囲むようにどこまでも連なってる。夜店は簡易テントみたいな作りで、高い鉄パイプみたいな骨組みを通してぼんやり光る提灯が頭上に並んで浮かんでる。 香澄と一緒に風を受けてとりあえず見て歩いてるうちにあっという間に空が暗くなって夕方から夜になった。提灯と夜店とところどころの街灯の灯りだけになる。 「あ」 思わず声が出た。飾りみたいにたくさんズラッと並べてあるのの中に、かいじゅうくんがいた。他にもいろんなキャラクター…?色々並んでる。顔だけ… 周りの人たちが買っていく様子を見てると、あれは顔につけるお面らしい。 迷わず買って香澄の頭に装着する。 「…?これって顔につけるんじゃないの?」かいじゅうくんのお面を香澄の頭の斜め上あたりにつける僕に香澄がほわほわ顔緩ませながら訊いてきた。 「香澄の顔が見えなくなったら僕が寂しいからね」 綺麗に装着し終えて満足してたら香澄がさらにほわほわ笑ってた。にっこりしてかいじゅうくんのいないところの髪の毛を梳いて撫でる。 僕はかいじゅうくんと比べたらやけにリアルな描写の般若面を買った。リアルで怖いからあんまり売れてないらしい。僕は首から下げた。背中側に面がくる。般若って女性じゃなかったっけ、とか思うけど、威嚇になる表情ではある。背後の警戒を般若面にお願いする。 二人でかき氷を買って食べ歩く。香澄がオレンジ、僕がブルーのやつ。二人でスプーンですくってお互いの口に運んで食べ比べてみる。どっちも冷たくておいしい。 射的のお店があったから香澄と二人でやってみる。ゴムを飛ばす鉄砲みたいなライフルみたいなやつを使って景品を撃ち落としたらそれをもらえる。 まずやってみた香澄が何発か撃ってお菓子箱を一個撃ち落とした。香澄はこういう体験は初めてだって言うから「コツを掴むのが上手だね」ってにこにこ上機嫌で褒めた。 そのあとに、香澄がちょっとだけ欲しそうに見てたウサギのぬいぐるみを僕が狙う。ルールに則って決められたラインから踏み出さないで鉄砲を構える。着物の袖が邪魔で肩までまくし上げる。たすきがけとかできればよかった。 僕は腕が長いから普通に構えただけでちょっとズルしてる感じになってるのかな。ゴムをつけ直してウサギを何度か撃ったら置かれた位置からずれてバランスを崩してウサギが落ちた。 店の人から受け取ったウサギを香澄に渡したら嬉しそうにしてた。垂れた耳。まだ留学から帰ってきてない絢のことを連想したのかな。 絢は今、まことくんとオーストラリアに留学に行ってる。日本国内ではなんの気兼ねもなく自由に好きなように活動するのが難しいのかもしれないからよかったとも思う、同時に、僕も香澄も心配な気持ちもあった。 だから僕が庭の樹から少し削りだして、二人でお守りを作った。木彫りかいじゅうくんのキーホルダー。 半分くらいのところまで香澄に作ってもらって、僕は最後の仕上げと少し整える程度のほうが絢は喜ぶかな、と、思ったんだけど、あまりに面妖な初期段階が香澄から提出されて僕は思わず難しい顔になった。なにかの形象をあらわしているとおぼしき木片の突起部分を落としていったらネット検索で閲覧に���齢制限がかかるような姿になったのでさらに削って削って磨いていったら最後にかろうじて残ったのはころんと丸っこい鈴みたいな形のかいじゅうくんだった。雛かもしれない。 お祭りはまだ見てまわるけど僕が撃ち落��したウサギは手荷物になるから一旦僕が香澄から預かる。 ヨーヨーがたくさん水に浮かべてあるのを二人で発見。香澄がすくってとった。歩きながら楽しそうに手で弾かせて遊んでるから、預からないで香澄に持たせたままにする。 頭にかいじゅうくん、手に水色のヨーヨー。着物を白にしてよかった。香澄の髪の色がよく映えて綺麗。 夜店の焼き鳥とかクレープとかホットドッグの匂いが漂ってくる。僕らは家で早めの夕食を済ませたから匂いだけ。公園のみんな曰く、お祭りの夜店で売ってる食べ物全般は内臓や消化器系によほど自信がないと食べるのは分の悪い賭けなんだそうだ。たとえよく火が通されたものでも油が怪しかったりするらしい。 みんなに団扇を配ってる人がいたから僕もひとつもらって、首筋をあおいで風を通す。じゅんちゃんに片側に流すみたいな幅の広めの紐を一本絡ませた編み方にされたから、いつもみたいに後ろで縛ってるより暑い。 となりで香澄の歩くスピードが少しだけ落ちた、様子からして下駄で少し足が痛むみたいだった。 僕も下駄は履き慣れないけどいまだに全然痛くならないから油断してたな… 少し人混みから逸れた場所に入って、香澄の前に片膝をつく。 「ここに足乗せてごらん」自分の立てたほうの膝をトントンと示して香澄の片足からそっと下駄を脱がせた。そのまま僕の膝の上に乗った白い足を診てみて、すぐに病院に行く必要があるような怪我はまだないことを確認する。 それでも鼻緒があたる箇所は少し赤くなっちゃってるから今日はこの辺でもう帰ったほうがよさそうだ。片足ずつ僕の膝に乗せさせて、その間に僕は自分のハンカチを歯でいくつかに裂いて破って、香澄の下駄の緒の部分を外して抜いて、そこにひとまずの代替にハンカチを通していく。ハンカチが柔らかいガーゼ生地だからもとの頑丈な緒に比べれば痛くないかもしれない。 一度香澄に履いてもらってから、すぐ脱げないけど締めつけない程度に長さを調節した。 家までならなんとかなりそうだったからそのまま二人で帰ろうとして、帰る途中で二人して見つけてしまった。 すぐそこの、ビニールプールみたいなのの中にたくさん金魚が泳いでる…。 香澄と顔を見合わせる。 「足は痛くない?」 「うん。すごく楽。」 「…じゃあ、あれだけ最後に見て帰ろうか」 足を痛めないように、ゆっくり水槽の前に二人でかがんで元気に泳ぎ回る金魚をじっと見る。 …体が白くて…頭だけ朱いのがいる。小さい… 「あの子香澄に似てる」 指差して香澄に言いながら、お店の人にすすめられるまま金魚をすくう小さな道具をもらった。指先で触って確かめる。薄い紙が貼ってあるのを水につけて金魚をすくうみたいだけど、紙の目がどの向きなのかとか裏表とか、踏まえておいたら少しはたくさんすくえないかな…。 「…ん  香澄どこ行った?」 「あそこ!」 僕が道具を見てて見失った香澄に似てる金魚を香澄がずっと目で追跡しててくれた。香澄が指差す先に腕を伸ばしてひとまず一匹目を無事にすくう。香澄確保。 そのあとも僕は香澄に「どの子がいい?」って訊いて、香澄が選んだ子をすくって、五匹すくったところでとうとう紙が破れた。 金魚をもらっていくかここに放して帰るか訊かれて、もらって帰ることにした。
荷物が増えたし夜も更けてきたから、今度こそ本当に今日はこのあたりで帰ることにする。 特に金魚の入った袋を持ってからは僕も香澄も少しおたおたした。生き物が入ってるし、一緒に入れてもらった水は少ないし、袋は歩いてたらどうしても揺れるしで、このままじゃ帰り道の間に弱って死んじゃうんじゃないかと思って。 楽になったとは言ってたけどやっぱりいつもの香澄の歩くペースよりは遅いから、公園を出てうちまでの道の真ん中あたりにきてからは、香澄に金魚を持ってもらって僕が香澄をおんぶして帰った。 香澄をおんぶしたり抱っこして運ぶのが好き。僕も昔小さな頃によくそうしてもらってた。どこへ連れてかれるのか分からない状態でも安心していられるその人との関係が大事だった。今僕の背中で疲れたのか少しうとうとしてる香澄に、嬉しくてにこにこする。あんな安心感を、香澄にあげられたら。 お祭りはあと二日、今日みたいな感じで続くらしい。時間があれば、次は普通の動きやすい格好で寄ってみようかな。
お祭りの夜は家に帰ったら浴衣を脱いで、香澄とうさぎと一緒にお風呂に入った。 香澄を洗ったあとでうさぎも洗って清潔にした。さっぱりしてから普段着に着替えて急いで一人で車を出して金魚を飼うために必要なものを買いそろえてきた。あんな少ない水と袋に入れたままだと一晩で死んじゃうかもしれない。 ひとまず金魚たちを無事広い水の中にうつしてから眠った。
次の日、元気に泳ぐ金魚たちを見ながら、香澄と相談して何人かに金魚を譲る相談を持ちかけてみることにした。 香澄がイキヤに連絡してみたらイキヤは今のマンションの部屋で飼う形でもらってくれるらしい。僕が情香ちゃんに連絡してみたら、長期間部屋を留守にすることもままあるから少し難しいって言ってた。 五匹。白い体に赤い髪のかすみはうちで飼いたい。けど、かすみは一番体が小さくて餌を食べる順番争いでも弱いみたいだから、ほかの子と一緒に飼ったら競り負けて弱っちゃうかもしれない。誰かもらってくれる人…
まだ陽の落ちきってない夕方に今度は浴衣じゃなくて動きやすいいつもの服で、香澄とまたお祭りに行ってみる。 一度来てるから二人ともあんまり気構えがなくて、お祭りを満喫するというより散歩の延長みたいな感覚で。僕は今年の夏祭りの見納めのつもりであちこちを見回す。 僕の横で香澄は今日もかき氷を買って食べてる。僕もたまにスプーンでもらって食べる。 特に目新しいお店が増えてるわけでもなかったから、香澄にそろそろ帰ろうか、って 声をかけようとした瞬間だった 場にそぐわないすごい勢いで僕らの脇を走り過ぎていった男にぶつかられた香澄が 跳ね飛ばされるみたいに 池に落ちた 「ーーーー 香澄!!」 大きな水飛沫と人が落ちた音に周囲からいくつか悲鳴があがって周辺が騒然とする ここの池は綺麗なほうだけど深くなってるところは深い 香澄が一人で岸までたどり着くのは難しそうで僕も泳げるわけじゃないけど迷わず飛び込もうとしたとき、 カンカンカンと乾いた音がした 鉄パイプの屋台骨を踏みつけて走る音? 考える暇もなく夜店の屋根の上から細い人影が舞うように池に飛び込んだ ーーーいつもの特徴的な裾の長い上着は着てなかったけど見間違いようのないシルエットに 僕は香澄とは逆方向に走り出す 信用なんてしたくもないし信用したからこうするわけでもないけど、泳げない僕がたどたどしく救命ベストとか持って自分も池に飛び込むよりあれのほうが確実に香澄を助けられる ああもう 言いたくないけどあれは死生観とか倫理観とか常識とかそういうのが一切通用しないわりにどういう理屈だかこういう場面では迷いなく人命や人権を最優先したりする、あれの倫理観がとくに意味不明になるのは七ちゃんやイキヤや少数の大事な人間相手なのか 知るかそんなこと、ただおそらくこの場ではあれは香澄を助ける 学生時代からいがみ合ってきたから逆にソリの合わないフィーリングは嫌ってほど把握してる 僕の方が歩幅が広いし絵を描いててかなり体が鍛えられてたから、走ったらすぐに追いついた 香澄を突き飛ばして池に落として逃走しようとしてた男  腕を後ろからガシっと掴んだ、暴れて抵抗してきたから前方の空間に誰もいないのを確認して男の腕を掴んだまま前に回り込んで男の体を一度僕の肩と背に軽く引っかけるように乗せて空中で相手の体を大きくひっくり返すみたいに投げて前方の地面に叩きつけた 本気でやると全身あちこちに骨折や打撲を負わせる悲惨なことになるから、あくまで逃走防止の範疇を超えない程度に抑えた 倒れた男の両手を背中でねじりあげて背に乗っかるみたいに膝を当てて体重をかけて地面に這いつくばらせる 「あのね。こんなくだらないことしてないで僕は池に落ちた息子についてたかったんだ、心配だし、僕があの子を直接的に助けられなくても君にこんな風に構ってるよりは幾分かマシだよ僕の気分がね、でもこの祭りに来てるってことは君も近隣住人の可能性がある、そんな人間を正体不明のまま逃して野放しにするのも気持ちが悪いからね…」 取りおさえたまま今思ってる恨みつらみを男にずらずらストレス発散みたいに言い募ってたら、全身びしょ濡れになった香澄と行屋が池から無事に上がって僕のところまでやってきた。行屋が連れてきたというより香澄が僕のところまで来てくれたみたいだ。 「香澄!怖かったね…息ができなくて苦しい思いはしなかった?」 香澄をぎゅっと抱きしめたら、濡れてるせいかもしれないけど元々低めの体温がいつもよりさらに低い。真冬だったらショック死してたかもしれない… 僕の体温であっためるように抱きしめたままきゅっと閉じた目尻に薄く涙が浮かぶ …こわかった 「…池の水は清潔じゃないし、もう夜だけど今から一緒に病院に行こうね」 香澄から少し体を離して安心させるように微笑みかける。本当は救急車を呼びたかったけどここに呼んだらたくさんのいい好奇の目の的にされそうで、悩んだ末に呼ばなかった。 香澄は行屋のいつものマントみたいなカーディガンみたいなエスニック調の上着をバスタオルがわりにして頭からかぶってる。こっちを見てくる他人の視線から髪や顔や特徴的な部分をすっぽり隠せてる。そのために飛び込んでったときいつものこれは濡れないように着てなかったのか…? 行屋は僕がおさえてた男の背中を容赦なく踏みつけて、いつもジャラジャラ首から下げてるネックレスだかペンダントだか天然石がたくさん連なった長い首飾りの中から日本の仏教の行事で使う仰々しい数珠みたいなやつを一本首から外すと、僕が背中で束ねてた男の両腕を寝違えそうなほど引っぱってそれで縛り上げた 「…そんな繊細な装飾品、僕なら簡単に引きちぎるぞ。こんなものが手錠がわりの拘束になるのか」 あんまり行屋を見たくないので見ないようにしながら言ったら、行屋はとくに気取ったふうでも得意げなふうでもなくあっさり答えた。 「数珠を通してんのはピアノ線だ」 そう簡単には千切れないって言いたいのか ていうかそんな仕掛けあったのかそれ… 本人は歌うような口調で、数珠はいいぜ、海外でも宗教上の理由とか言や結構やべえときでも没収されずに見逃される、とかなんとか嘘か本当かわからないことを言いながら、さらにきつく縛り上げてる …に、しても、こいつが人命救助に加害者の捕獲… 行動に一貫性がある…とうとう気が狂ったのか? 「お前いつから善行に目覚めたんだ」 行屋は造形的にはそれほど大きくない口元を三日月みたいに大きくにんまりさせながら言う。 「飛び込みと捕り物は祭りの華だろうが」 「…」 やっぱりまともな理由じゃなかった。香澄が池に落ちたのも僕が突き飛ばした男を捕まえたのも、祭りにそえる花というか一等祭りを盛り上げる余興というか…そんな感覚なのか…?   いや、理解したくない。ここまで。 行屋もそこでくるっと向きを変えて、薄着一枚でずぶ濡れのまま、まるで寒そうな気配もなく一言の挨拶もなしにまた身軽に夜店の屋根に登って身を翻してテントを飛びこえて、あっという間に姿は見えなくなって、祭りの中から去っていった。
その日はすぐに香澄を病院に連れていって診てもらった。 そんなにたくさん水を飲んでなかったおかげなのか、特に体に異常はなし、外傷もなし。医師は多分大丈夫だろうって言ってたけど、細菌とか諸々の検査をしてもらって、後日検査結果を聞きに来ることになった。 香澄を池に突き飛ばしていった男は僕が警察に引き渡した。お祭りの中で起きた事故だっていうんでお祭りの運営にも事の一部始終の説明を求められた。本人曰く、道を急いでいて不注意で偶然香澄に体がぶつかってしまい、そんなつもりはなかったのに香澄が池に落ちてしまって、深い池だったからそのまま溺死させてしまったらと思って怖くなって逃げた、僕に捕まったとき抵抗して暴れたのもそういうことで、香澄個人を狙った意図的な行動ではない、と。 僕はそれを鵜呑みにはしないし、まるで香澄が落ちたせいみたいな言い草がすごく不快だけど、それ以上個人的に関わるのも嫌だったからあとは警察に任せた。
香澄視点 続き
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