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sgurumiyaji · 12 hours
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本日のおはジャズ「Tenorlee」Lee Konitz '77
このアルバムの存在は以前から知ってたのですが、あまりソロが無いってので買い渋ってたのです。でも、ジミー・ロウルズがピアノ弾いてると知って買う事にしました。纏め買いやポイント利用でめちゃ安くなったので。
1月と7月の録音ですが、7月のレコーディングの直前にコニッツの盟友であり、このレコーディングメンバーともそれぞれ所縁のある、リッチー・カミューカが亡くなったそうです。彼とは若手の頃にケントン・オーケストラで同じサックス・セクションだった事もあり長い付き合いだった様で、随分後の「Duets」('67)でもゲスト出演してます。なので、全編テナーで演ってカミューカに捧げるアルバムとなったみたいです。
ロウルズのピアノは経過コードが凄くてオシャレを通り越して現代音楽的でもあります。A-2のSkylarkはゲッツとのアルバムでも演ったハーモニーですね。ベースのマイケル・ムーアはかなり控えめです。
コニッツのテナー・プレイはあまり好みではないのですが、「Inside Hi-Fi」('56)の頃より上手くなってると思うし、この時代はアルトでもピッチやリズムはかなりいい加減…というかフリー(笑)になってたのに、一変して、なんか真面目にやってるなって印象です。ただ全編通してもの凄く地味です。
そして、録音が70年代にしては良くありません。デモテープか?ってくらいです。恐らく良い機材の無いスタジオで録ったのでは。まぁ、ロックやフュージョン(クロスオーバー)が流行ってた時代ですから、大手はストレートなジャズからほぼ撤退してたし、名手と言えどもめちゃくちゃ大変だったのでは?と、こういう録音からも読み取る事が出来ます。そういう意味でも悲哀を感じるアルバムです。
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sgurumiyaji · 3 days
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今宵のディナージャズ「Moods Unlimited」'82
ハンク・ジョーンズとレッド・ミッチェルという大ベテランに、当時の新人でエレクトリック・マイルスのバンドに居た若干24歳のサックス、ビル・エバンスが加わるという、日本制作ならではの組み合わせ。…なんだけど、これが大成功してる珍しい例なのです。
エバンスはフュージョンさえやらなければ、せめて、もう少しだけでもストレートアヘッドを演ってくれれば、もっと評価されるべき天才なんだと思ってます。ここでは、超有名なセッション曲をあまりテーマを崩さず(恐らく日本のリスナー向けに指示されたと思う)吹いてますが、もっと自由に吹かせてあげて欲しかったと少し残念。でも、そのアドリブでの自由な発想や過去のテナーレジェンド達へのリスペクトを感じるバランスの良いソロはとても24とは思えない威風堂々たる演奏です。
ミッチェルは、ウォーン・マーシュとのデュオアルバム「Big Two」を彷彿とさせる縦横無尽なラインを聴かせ、ハンクはこれぞ王道というゴージャスなピアノを聴かせてくれます。この二人、この数年後にデュオアルバムも出してるんですね。若い頃の演奏ばかり聴いてますが、その当時は西と東に分かれてましたが、その頃の演奏と特にミッチェルは変わってますけど、なんか音楽性の幅が広がって「何でもかかって来いやー!」って感じがします。そこに自由なエバンスが加わるという…
日本のキングレコード/パドルホイールも良いアルバムを作ってくれたもんです。これをずっと探してて、高知のレコード屋で発見した時は小躍りしました。
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sgurumiyaji · 6 days
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クラークとケリー聴き比べ。
「Sonny Clark Trio」'60、「Wynton Kelly」'61
二人ともコルトレーンと共演歴が有るので、どうしてもサイドメンとして一緒くたにしがちなので、ほぼ同じ時代のトリオの演奏をチョイスしました。
クラークのTime盤の音質はケリーのVeeJay盤と比べるとちょっとチープですが、これはこれで割と好きな音です。この人のアクセントが一々「カーン!」と突き抜ける様に響きわたります。3 on 4のポリリズムも結構弾くんだ…とか普段気付かない事がトリオだとよく分かります。ローチのドラミングもお見事。
一方、ケリーはリラクゼーションって感じ。ドラムがコブってのもありますが、優雅な感じがします。エバンスとはピアニストとしてお互い尊敬し合ってたと聞きます。マイルスのレコーディングではブルージーなパートを任されてたわけですが、それでもエバンスと極端に異なってたらアルバムに統一感が無いよな…と思います。なので白人的な要素も僕は感じます。
オリジナルで攻めるクラークとスタンダード中心のケリー。ひょっとしたらブルーノート盤で比較すべきだったかな。でも、好きなアルバムなので…笑
どうしてもクラークは「Sonny's Crib」とか「Cool Struttin'」、ケリーは「Kelly Great」とか「Kelly Blue」を選びがちだけど、ホーンの入ってないトリオも良いですね。ピアノのソロに集中出来ます。サックスが入ってないと仕事の為ではないリスニングにもなるし(笑)
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sgurumiyaji · 17 days
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本日のおはジャズ「Wherever The Five Winds Blow」Shorty Rogers '57
トランペッターながらアレンジャー要素も強いロジャースと、これまた同様の印象が有るジュフリーの2フロントですが、意外にもハードバップよろしく真っ向勝負のジャズです。1曲目から快調に飛ばして行きます。
内容はブルースや循環など比較的分かりやすい進行のロジャースのオリジナル曲。勿論ヘッドアレンジは施されてます。
「何でも屋」のジュフリーは結構苦手なんですが、ここではテナーとクラのみ。どちらかと言うとクラの方が多いし、そっちの方が得意な様な気がします。サブトーン気味の独特なトーンは各楽器に共通してます。
リーダーのロジャースは最初にソロを取らず、一見控え目な感じですが、確実なテクニックで明快なメロディを魅せつけます。見た目「仕事メッチャ取ってくるヤリ手の下請け電気工事会社の社長」って勝手なイメージなんですが(笑)音楽的にも仕事出来そう!って感じてしまいます。
ゲッツのレギュラーピアニストだったルー・レヴィは絶好調に思えます。ゲッツとのヴァーブ盤での録音は、どれもあまり良い音とは言えないのですが、RCAの良い録音で聴くと彼のピアノが更にもう一段階上に聴こえます。
ペナはジュフリーのバンドのレギュラー・ベーシスト、バンカーはどうもシェリー・マンやスタン・リーヴィの次の3rdコールなイメージですが、後にエバンスに気に入られる天才マルチ奏者だそうです。当時のLAは1stコール以外もメッチャ人材豊富だったのが伺えます。
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sgurumiyaji · 18 days
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今朝のおはジャズ「Stan in Retrospect」Stan Getz '48
自分をコレクターだとは思ってませんがマニアだとは思います。好きになったものは徹底的に…ってとこはあります。(コレクターは集めるだけで使用しない人が多いので、そう呼ばれるのは好みません。)
ゲッツに関してはかなりマニアックに色んな音源を聴いて来ましたが、これは所有する中で最も古い録音です。プレスティッジ盤が50年、ほぼこのアルバムと同じメンバーのストーリービルでのライブ盤が51年。それより2,3年前となります。
収録曲に「Bop」という言葉が沢山使われている事からも分かる様に、ビバップ的曲想とアドリブが展開されます。ヘイグなんてパーカーのフレーズを弾いたりしてます。お目当てのレイニーは、まだ変態になる前のプロトタイプって感じです。ほんの数年であそこまで進化するわけだから若さって凄い。
実は更に古いゲッツの音源も聴いた事有るのですが、その演奏はブリブリ吹いてて、当時の��通のイケイケテナーって感じでした。ベニー・グッドマン時代の写真を見ると、アンブッシュアもファットリップに見えます。しかし、48年のこの演奏はかなりレスター寄りになっており、サウンドは名盤「Getz Plays」に近くなってます。しかし、ここでのフレーズはかなりバップです。
散々ビバップを聴いてきた僕が初めてゲッツを聴いた時の印象は、シンプル過ぎて古臭い…だったのですが、敢えてそちらにこの頃から舵を切り始めたみたいです。彼にとっては、それ程バップよりもレスターの方がクールに思えたのでしょうか。勿論、その後もバップとの融合をバランス良く保って行くのですが、同世代の他のテナーとは一線を画し、逆に影響力を及ぼして行きます。
究極のスタイリストとして、常にライバルのコルトレーンと真逆の路線で戦って来たゲッツの軌跡を知る上で重要な音源だと思います。録音は古いけどレコード自体美品だったのでそこそこ良い音でした。
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sgurumiyaji · 19 days
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今宵の深夜ジャズ「Turning Point」Benny Golson '62
実はこれ、同じのを既に持ってるのですが、そちらはUS盤ではありますが所謂赤盤と言われる再発もので、モノラルなのです。でも中央レーベルにはStereoとの表示が有り、騙されて買っちゃったのですが、ステレオ盤が諦め切れずにずっと探しておりました。
そのステレオ盤が国内盤ではありますが、新宿アルタにあるhmvで売ってるのをネットで発見したので、今日、レッスン前に行ってみました。長い東京生活でもアルタの中に入るのは初めて。横にはネコの立体動画が流れてるビルも有ったりで、すっかり気分はお上りさん(笑)
そして、見事にレコードをゲット出来ました。騙されない様にちゃんと試聴してステレオである事の確認も出来ました。
今聴いてますが、国内盤ですがとても良い音です。やはり各楽器が振り分けられてると、やってる事が明確に伝わるし、解像度もその分高いと思います。リズムセクションのバッキングがよく聴こえる様になったのは何より嬉しい。
僕はオリジナル盤や初期再発よりはチリパチノイズも少ないし、複製技術も進化した新しめの国内盤の方が買いだと考えてます。安いし。良い買い物が出来たと思います。でも、これ当時、新品で1500円だったんだ…中古なのにほぼ同じ値段で買っちゃったけど(涙)
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sgurumiyaji · 19 days
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今宵のディナージャズ「West Coast Conference」Bill Perkins '57
マイルスのリズムセクションがウエストコースト・ジャズを演ってる!またマニアックなのを買ってしまいました。500円ちょいで安かったし。
タイトルで分かる様に、西海岸のビル・パーキンス(ts)版「ミーツ・ザ・リズムセクション」(チェンバースとフィリー・ジョーのみ)。面白いのがジャック・モントローズ(ts)が参加して、思っ切り西海岸のアレンジものをこの二人のリズムセクションが折目正しく演ってるところ。でも、ソロになるとすぐに彼等だと分かります。
ザ・マイルス・バンド!っていう彼等らしさを前面に出したアート・ペッパーとのセッションと違って、ちゃんと西海岸ぽさを演出しながらの演奏で、なんか不思議な感じだけど違和感なく聴けるのが彼等の仕事人としての凄さだと思います。で、ソロで持って行くところも。
モントローズはイマイチ好きになれないテナー。やはりビル・パーキンス狙いで買ったのですが、いい感じでプレイはしてるものの、変態度合いが少ないのでちと残念。やはりリーダーだと真面目になるタイプ。折角の面白セッションだからもっと暴れて欲しかったな。
Affinityレーベルは数枚持ってたと思いますが、これは古い録音ですが音質はまぁまぁってとこです。
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sgurumiyaji · 20 days
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本日のおはジャズ「Intermoduration」Bill Evans & Jim Hall '66
名作「アンダーカレント」の4年後に録音されたデュオアルバムですが、僕は断然こっちの方が好きです。なんかこっちの方が、エバンスらしいし、ホールらしい。それぞれの「いつもの感じ」ってのが聴こえて来て、その二人が共演してる!って感動で素直に受け止められる感じ。
色んなピアニストから、よく「アンダーカレント」の素晴らしさを熱く語られるんだけど、その度にもう一度聴き返すを繰り返してるんだけど、やはり、あんまりスッと入って来ない。これはレコードで買い直すしかないのか?と音質のせいにしたりもするけど、このアルバムはCDだけどスッと身体に入って来たのだから、どうも音質のせいでは無さそう。まぁ、好き嫌いなんでしょう。
1曲目のUnder My Skinからのめり込めるけど、エバンスのTurn Out The Stars、ザビヌルの曲も演ってたり、何と言ってもラストのホールの名曲All Across The Cityは「Two Jims…」でも演ってる美しいバラード。これをこの二人が演ってるんだから文句の付けようが有りません。
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sgurumiyaji · 21 days
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今宵のディナータイム・ジャズ「Live in Hollywood」Warne Marsh-Ted Blown '57
非常に短命に終わったこのユニットの貴重なライブ盤。ピアノのロニー・ボールが自分のテレコでマイク1本で録音した為、音質は激悪です。ある程度覚悟はしてましたが想像以上(笑) ちゃんとしたステレオで聴くとヒスノイズが余りに多くて気持ち悪くなるのでショボいラジカセでかけてみたら、これが丁度良い!(笑)
写真に挙げた3枚のアルバムをライブで演った様な感じ。スタンダードも結局は彼らの替え歌オリジナルになっちゃうし。
マーシュに比べるとブラウンはやはり普通に感じます。それだけマーシュはぶっ飛んでて、特にライブ時の歯切れの良さは凄まじい。結構長い期間マーシュを聴いて来たけど、まだ完全に彼のコンセプトを掴み切れてないです。その独特なラインはビバップでありながら母体であるパーカーからはかけ離れています。一体何を考えているのやら。ボールはやはりトリスターノの影響下に居ます。
ライナーノーツに後年のブラウンのインタビューが載ってます。トリスターノの元で毎週凄いセッションを繰り返したのだけど、そのスタジオが売りに出されて路頭に迷い、ロスに移住する事になり、暫くしてリハーサル・バンドを経てこのユニットでの仕事が始まった事など。
当時は2テナーのユニットは流行りだったのですが、やはりトリスターノ一派は世間一般では難解とされてた様で、かなり苦労したものと推察されます。それでも、結局は70年近くの年月を経て僕の様なマニアの手元に届くのですから、彼等のやった事は大変有意義だったという事です。タイムスリップが出来るならボールに「これで録音しなさいよ」ってiPhone貸してあげるのに(笑)
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sgurumiyaji · 1 month
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本日のおはジャズ「Lester Young & Charlie Christian」'39〜'40
少し前にコレを新宿円盤組合で見かけたんだけど「また今度でいいや」と買わずにいて、先日、新所沢Swanで聴かせて貰って「買わなきゃ!」となったアルバム。ネットで円盤組合に注文して取り置いて貰いました。
A面は殆どベイシー 楽団、両面を跨いで3曲はクリスチャンをフィーチャーしたグッドマン楽団。メインはB面のグッドマン・オクテットで、ここでレスターとクリスチャンが共演しています。
実はクリスチャンはちゃんと聴いたことが無く、ジャズ及びビバップ・ギターの開祖だと言われてるのは知識として有りました。聴いた所、ビバップと言うよりはレスターとアプローチが似てるかなと。確かにチャック・ウエインやジョニー・スミスなど後の白人バップ系ギターリストにも多大な影響を与えたんだなと感じますが、よりシンプルで澱みないフレージングは音色の異なるレスターを聴いてる様でした。
二人ともシンプルだけどアイディアの宝庫であり、僕の興味はコンテンポラリー系の謎のスケールを駆使するより、こういう所からアイディアを拝借する方に向かっています。
レスターはこの後、44年に軍隊に取られ、そこで虐待を受けて精神を病み、演奏もボロボロになってしまいます。なので、まだこの頃の演奏は若く溌剌として、悩みやケレン味も無くストレートな演奏が楽しめます。ただ、もっとスモールコンボでとことん彼のソロが聴きたかったというフラストレーションも有ります。
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sgurumiyaji · 1 month
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本日のおはジャズ「If I Had You」Brew Moore '65
ムーア41歳のカフェ・モンマルトルでのライブ。と来れば当然、スティープル・チェイスです。あまりステレオ感は無いですが、良い録音です。タイトル曲は僕もよく取り上げてますが、ここではバラードで演奏されています。
50年代は葉巻の様に斜めにマウスピースを咥え、サックスも斜めに構えて変な吹き方してましたが、ジャケ写ではすっかり普通の吹き方になってます。演奏は50年代とほぼ変わりませんが、ちょっと粗っぽくなったかな…という印象。
61年からヨーロッパに移住してたみたいですが、その頃、本国はモードやフリーが台頭しつつあり、こういう古いスタイルは完全に廃れて、ヨーロッパでしか受け入れられてなかったと推察します。
41歳と言えば脂が乗り切ったイケイケ世代の筈ですが、めちゃくちゃ枯れてます。49歳で亡くなるのですが、写真を見ても今の自分の10歳以上も下と思えず、お爺ちゃんて感じです。精神的にも肉体的にも色々有ったんだろうな…と思います。
この人を追っかけてアルバムを集めてるのは、恐らくダブルリップという奏法と「トナリン」というマウスピースを使ってるからなんですが、この頃のマッピはオットーリンクの様ですね。多分、トナリンは割れたか壊れたかしたのでしょう。でも、音色は全く変わってません。このスタイルを維持し続けるのも時代性を考えると経済的にも大変だったと思います。
バンドはどうやらデンマークのミュージシャンの様ですが、割といい感じです。刺激的ではないですが良い意味でリラックスしたアットホームな演奏だと思います。
しかし、こんなレコードが富山に有ったなんで驚きです。
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sgurumiyaji · 1 month
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本日のおはジャズ「Brubeck - Desmond」'51〜'54
ファンタジー・レーベル独特��赤いクリア盤がジャケットから出て来た瞬間、「え⁈ これオリジナル盤⁈」と思ったけど、そうではなくそこまで復刻させた国内盤でした(笑)
この二人の共演は48年のオクテットが初録音ですが、あのアルバムはアレンジ中心なので、デスモンドが本領発揮するカルテットとしての録音はこれが最初の様です。
ご存知の様にジャズから「熱さ」を取り除いた、クラシックの室内楽に寄せた様なアレンジと演奏なのですが、この頃のデスモンドって速めのテンポの曲では割と熱く吹いたりフラジオを多用するので、僕の好みです。クールなんだけど、実は密かに熱さを持ってる…ってのがカッコいい。実際のデスモンドのケンカっ早いと言われる性格と全く同じ(笑) 裏ジャケに「サウンドやスタイルはコニッツ・クラスの様だ」と書いてあるけど、コニッツってやはり常に比較対象になるくらいのスターだったんだなと改めて感じます。
ブルーベックはマイルスに「お前はスイングしてるけど、他のメンバーがスイングしていない。」と言われたそうですが、ホントかよ…と思ってしまいます。彼の曲が気に入ってやたら使ってたマイルスのオベンチャラじゃないの?とまで言ったら言い過ぎかな(笑)
ま、とは言え、アレンジ(特にスタンダード)は面白いと思うし、こういう淡々とした演奏の中に熱量を感じるのは、あからさまにイケイケの演奏聴くより僕は好きです。ライブとスタジオ録音の両方を一度に聴けるので、その対比も楽しめるアルバムです。
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sgurumiyaji · 1 month
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今日のおはジャズ「Live at the Village Vanguard」Stan Getz '57
モーズ・アリソン(p)等を従えた、絶頂期のライブ。ラジオ番組のエアチェックをLPにしたブート盤かと。「The Sound」とか「Steamer」と呼ばれ、その音色がトレードマークとして完全に定着した頃の演奏。
やはりそのサウンドは魅力的で少しでも近付きたいとは思うけど、かつてコルトレーンに憧れて彼そのものに同化しようとしてた若い頃とは違って、ゲッツそのものになるのは無理だし、なろうとも思わない。既に自分の中に色んなミュージシャンの要素も入ってるので、上書きではなく、どんどん加算されて行くものだと思っています。それはこういうレジェンド達も同じだったのでは。レスターとゲッツが全く異なる様に。
だから、レジェンド達と自分に余りにも差異が有っても自分を嫌いになり過ぎない様に気を付けてます。演ってる音楽も彼等とは全く異なるし。確かにスタンダードを彼等風に演ると差異がハッキリするけど、楽ではあります。逆にこの世にまだ存在しないモノを演奏する事は遥かに難しく、逆にジャズミュージシャンがやるべき使命だと思います。勿論、伝統に則って。
取り敢えず今は、コルトレーンから遠く離れた、ゲッツ、マーシュ、ズート、コーン、ムーア、カミューカ等を主に聴いて、そのサウンドやそれにフィットするフレージング等を研究しています。でも、コルトレーンが自分から抜け落ちてしまう事は無いし、ブレッカーだって同じ。自分というフィルターを通すとどうなるかが楽しみだし、そのフィルターも日々変化して行ってるのです。そのフィルター交換の主役がこのレコード達です。
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sgurumiyaji · 2 months
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本日のおはジャズ「Whiz Kids」Gary Burton '86
「神童」と日本語タイトルの付いたこのアルバム、バークリーの学生にとっては一種のバイブル的存在でした。有能なバークリーの学生を積極的に登用し、スターダムにのし上げたバートンの功績は大きいと思いますし、タイガーさんや小曽根さんという日本人も才能さえ有れば躊躇なく起用したのも尊敬します。
ここでの神童の一人トミー・スミス(ts)は今聴くと「細いブレッカー」(笑)ってイメージですが、学生の頃は本当にこういう感じのプレイヤーを目指してたので、当時を思い出して涙がちょちょぎれます。以前、YouTubeで彼がバークリーに入学した頃のドキュメンタリーを観ましたが、本当に国(スコットランド)を挙げて…ってくらいの期待を背負ってたみたいです。何年か前に最近の演奏も観ましたが、枯れて良い感じになってました。
バートンのレコードは学生当時、メセニーと演ってるのも含め結構持ってたのですが、どうも好きになれず、帰国の際に仲の良い友達に殆ど譲ってしまいました。今聴くとどうだったんだろう…と思うとちと残念。ゲッツと演ってるのを聴いても既に完成されてるし、彼も神童だったと思います。でも、やはり自分にとってはクリアでクレバー過ぎて相変わらずちょっと入って来づらい感じ。若干のアーシーさがやはり自分は好きなので。
しかし、フュージョン全盛時代に於いて全編アコースティックで、ジャズとラテンがクロスオーバーした音楽は、今聴いても古臭さを感じさせず、現代でも十分楽しめます。各人のソロも計算され尽くされた感じで素晴らしいです。特に小曽根さんのモチーフ・デベロップメントが凄く好きです。
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sgurumiyaji · 2 months
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本日のおはジャズ「Live at Lighthouse」Elvin Jones '72
バークリーの学生時代からNYに居た在米期間、これに熱狂してこればかり聴いてた時期がありました。兎に角、サックス2人のコルトレーン・ライクなアウトフレーズが大好きでして。
しかし、今聴くと「あ、テトラコード」とか「今の3トニックシステムのスーパーインポーズ?」とか、全く熱くなれず、極めて冷静に分析的に聴いてしまいます。特にリーブマンのギミックの連続を聴くとヘビメタのギターの速弾きを聴かされてる気分になってしまいます。こうも聴こえ方が変わるものか…。まぁ、それがロック的エクスタシーを呼び、若い僕は好きだったんでしょう。
当時もどっちかと言うとグロスマンの方が好きだったのですが、今自己分析してみると、ほんの一瞬出て来るオルタードスケールなどバップのフレージングに反応してたのかも。リーブマンもフルートの方がいいと思ってたけど、それもテナーよりもバッピッシュだからなのか…と今なら思います。ビバップへのアンチテーゼを掲げ、新しいものばかり追っかけてたのに、結局はバップが好きだったんだ…と自分のルーツに気付き、愕然とした次第(笑) でも、クロマティックとインターバルをもっと自由に扱う事が出来れば、所謂「アウトフレーズ」を必要としない自由なノーリックのインプロビゼーションが可能だろうな…と改めて感じました。
今回耳に付いたのは、エルビンのドラムです。このアルバムでは暴れ倒してるイメージでしたが、意外と淡々と叩いてるスパンが長かったんだなぁと。そして左チャンネルからベースと共に分離されたバスドラが聞こえるんだけど、そのバスドラがアタックの要で、先行したそれに導かれる様に反応して右チャンネルのスネアやハットが暴れ始めてる様に聴こえたのが面白く感じました。ここぞと言う時にちゃんとソリストのピークポイントをキャッチするコンピングは流石だと思いました。サックスの僕からすると、勝手に変に盛り上げ様としないこういうバッキングは凄く楽なんです。
しかし、この2枚組、Side1の裏がSide4(Side2の裏はSide3)ってのがずっと気になってたのですが、どう言う事?順番に聴こうとしたらめんどくさいです。
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sgurumiyaji · 2 months
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本日のおはジャズ「Miles Smiles」Miles Davis '67
最近、クールジャズと同時にこういうのも頻繁に聴くようになってきました。時代背景を追いながら聴くと色々考えさせられます。
トリスターノが49年に世界初のフリージャズを演ったってのはおいといて、オーネットが50年代後半にフリージャズを提唱し、それがムーブメントとなって様々なミュージシャンに波及して行くのですが、その流れがマイルスにも及び、こうしたアルバムになってます。
曲はフットプリンツやフリーダム・ジャズダンス、ジンジャーブレッド・ボーイ等、キャッチーな曲が多いですが、演奏自体はやはりフリーな感じで決してキャッチーとは言い難いです。これを当時の聴衆はどう捉えていたのでしょう。コレを買った若い頃の僕は「カッコイイ!」としか思ってなかったのですが。「自由に演る」ってのは結構大変で、普通は飽きたり迷いが生じるものですが、この人達にはそれが全く有りません。
一方でクールジャズを演ってた西海岸の一派は、あれだけ東海岸のジャズを追っかけて来たのに、ここまでは追っかけてない様に思います。寧ろ、ボサノバで一発当てた���ッツの方に目が向いてたみたいです。アート・ペッパーなんかはドラッグと療養で70年代半ばまでちゃんと活動もしてなかったし。
停滞し、大衆向けの音楽に西海岸が向かう一方で、ひたすら己の道を突き進む事が出来たマイルスはやはり帝王なのですね。若い頃は、そういうビジネス面には興味無かったのですが、今となっては、寧ろそちらに興味が唆られます。やはり、タイミングと運とリーダーシップが鍵なのかなぁと思います。
フリーダム・ジャズダンスでは、既に「ビッチェス・ブリュー」への道筋が見えるし、着実にその後のマイルスの活動に繋がってると感じます。一枚一枚のアルバムをジャズの歴史として刻む事が出来たのが帝王と言われる所以であり、マイルスだからこそ出来たんだと思います。天から選ばれしごく僅かな人間にしか、そのチャンスは与えられません。
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sgurumiyaji · 2 months
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今日のおはジャズ「Trane's First Ride Vol.1」John Coltrane '51
若き日のコルトレーンが聴けるレアなアルバムですが、実質ディジー・ガレスピーのリーダーバンドの実況録音です。ビブラフォンは恐らくミルト・ジャクソン。トレーンを聴くというよりは、全盛期のビバップを愉しむという感じ。
後に「Soul Trane」というアルバムで録音され、シーツオブ・サウンドと評されたGood Baitがここでも聴かれますが、あの吹きまくりのトレーンとは異なり、ここでは大人しめ。逆に、隣で吹きまくるディジーを羨望の眼差しで見つめるコルトレーン…って情景が浮かびます。それが後のプレイに繋がるのでしょうね。
音数も少なく控えめなコルトレーンですが、その歌い方やエキゾチックなメロディーラインは既に「コルトレーン」そのもので、この後、激しいスタイル・チェンジを繰り返す訳ですが、根本は変わって無いんだな…というのが分かります。
余談ですが、昨夜、訳あって自分のファースト・アルバムを2曲程聴く事になったのですが、その際も「こんだけ色んな音楽に影響受けて来て、スタイルチェンジも繰り返して来たのに、根本的には変わらないんだなぁ…」と我ながら思いました。
それだけ若い頃に影響受けた音楽ってのは、その人の根幹を形成する重要なものであり、その後影響受けるものは枝葉であり、大樹になる為の装飾的なものなんだな…と感じます。若い頃に何を聴いたかが如何に重要かを、このアルバムを通して考えさせられました。
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