2019
(「除夜の鐘」)
岐阜県関市、日龍峯寺です。
長い柱で支えられた姿から美濃清水とも呼ばれています。
平成最後の大みそか 特別な思いでお参りする人たちがいます。
山のふもと平成(へなり)地区の人たちです。
30年前、元号が平成になったことで同じ字の「へなり」は一躍、脚光を浴びました。
本尊の千手観音菩薩(ぼさつ)。
観光客でにぎわい活気づく地域を見守ってきました。
(「除夜の鐘」)
長年、地元の人たちによってつかれてきた年越しの鐘。
平成最後の大みそか。
時代に感謝を込めた鐘の音です。
(「除夜の鐘」)
やわらかな光に照らされる湯煙。
群馬県、草津温泉です。歴史は、およそ1300年。
「恋の病以外、すべて治す」といわれ毎年300万人ほどが訪れます。
温泉街を見守るように建つ草津山光泉寺です。
(「除夜の鐘」)
硫黄分を含んだ湯気にさらされてさびつきまだら模様になった鐘。この地域の自然の厳しさを物語っています。
ことしの年越しを地域の人たちは切実な思いで迎えました。
1月に草津白根山が噴火。客足が遠のきました。
(「除夜の鐘」)
温泉街に並ぶおよそ600のキャンドルには新しい年への決意が
記されています。これからも温泉とともに。
変わらぬ草津の願いです。
(「除夜の鐘」)
高瀬≫こちらは東京スカイツリーです。
和久田≫今、日の丸があがってきて、新年を迎える
特別なライトアップに変わりました。
2人≫こんばんは。
和久田≫ことしも残すところ10分を切りました。
まもなく平成最後の年越しを迎えます。
高瀬≫私たちが今、いるのは地上350mの展望デッキです。
営業は先ほど10時に終わりましたが
特別に開けていただきました。
和久田≫この東京の夜景。平成の30年の間に変わり続けてきました。
こちらは葛西臨海公園です。平成元年にできて以来多くの家族連れでにぎわっています。
高瀬≫そして、こちらは六本木ヒルズをはじめとした
高層ビル群です。平成に入り次々に建てられました。
和久田≫この夜景の中に年越しを前に大いに盛り上がっている場所があります。
大槻さん。
大槻≫見渡す限りの人、人、人!
ここがどこだか分かるでしょうか?東京・渋谷のスクランブル交差点です。
年越しの瞬間を待ちわびる人たちでごった返しています。
私のすぐ横にまで人が来ています。
手を振ってくれる人がいました。ありがとうございます、皆さん。
集まった皆さん、見てみますと若い人、それから外国人の方が目立ちます。年越しが近づきまして先ほどから歓声が上がったり拍手も聞こえるようになってきました。
ただ、この渋谷10月のハロウィーンで一部の人たちが軽トラックを横転させるなど大きな混乱がありました。スクランブル交差点では警察官が出てマナーを守るよう呼びかけています。
新年まであと10分を切りました。
熱気も高まってきています。にぎやかに楽しくでも、トラブルのない年越しになってほしいです。東京・渋谷でした。
高瀬≫ちょっと心配なんですけどね。和久田≫ひときわ
にぎやかでしたがどうぞ、安全に気をつけて
お過ごしいただきたいですね。
高瀬≫平成の30年 生活は便利になって豊かになった半面 私たちはこれまでにない自然災害に次々と見舞われました。
(「除夜の鐘」)
岡山県倉敷市真備町にある源福寺です。
7月の西日本豪雨で本堂が水につかり大きな被害を受けました。
寺の周りの住宅に明かりはほとんどともっていません。
豪雨で檀家の3人が亡くなり多くの人が今も自宅に帰れないままです。壁土や床板が剥がされたままの本堂。
復旧のめどは立っていません。
(「除夜の鐘」)
境内の高台に建つこのお堂は
かろうじて被害を免れました。
地域の人たちに親しまれてきた本尊の聖観音です。
本堂で水に流さればらばらになりましたが住職の手で修復されここに安置されました。くる年の平穏を祈り読経が続きます。
(「除夜の鐘」)
毎年、行列ができる鐘楼ですが
ことしは自宅に戻れた人避難先から足を運んだ人などで鐘をつきます。
一日も早く町に明かりが戻ってほしい。願いを込めた鐘の音が響きます。
北海道厚真町です。
ことし9月震度7の地震に見舞われました。気温は氷点下7度。
厳しい寒さの中での年越しとなりました。120年前に建てられた厚真神社です。北陸などから移り住み一から米作りを始めた開拓農民の心のよりどころに
なってきました。
地震で大きな被害を受けことしは臨時の祭壇が設けられました。五穀豊じょうに感謝する秋の祭りで100年にわたり使われてきたみこしです。
ことしは祭りの直前に地震が起きたため出番がありませんでした。参拝客にふるまわれているのは地元・厚真の温かい牛乳です。
酪農の復興を後押ししようと甘酒の代わりに用意されました。
(「祝詞」)
厚真町で失われた36人の尊い命。
そして、大きく傷ついた基幹産業の農業。
来年こそは豊かな実りをみんなで祝いたい。
復興への祈りです。
(「除夜の鐘」)
国宝・五重の塔がそびえる奈良・興福寺です。
創建された奈良時代には平和と繁栄を願った国づくりが進められました。ことし、1300年前と同じ姿でよみがえった、お堂があります。
本堂にあたる中金堂。高さは、およそ20m。
国内でも最大級の木造建築です。
66本ある巨大なけやきの柱はアフリカから運ばれたものです。
再建は平成3年から始まり次の時代を前にようやく果たされました。
屋根瓦は、およそ8万枚。
その裏には寄進した人々の平和を願うことばが刻まれています。
(「除夜の鐘」)
本尊の釈迦如来像です。その周りを国宝の四天王像などが囲んでいます。
そして色鮮やかに復元された法相柱。
興福寺の教義法相宗の発展に尽くした14人の僧侶が描かれています。
現代によみがえった安寧を願うまなざしです。次の時代が安らかで平和な世の中でありますように。
平成最後の除夜の鐘です。
(「除夜の鐘」)
高瀬≫新しい年が始まりました。
和久田≫東京スカイツリーからは東京ディズニーランドの
新年を祝う花火が見えます。今夜はカウントダウンイベントで
多くの人が来場しているということです。
2人≫あけましておめでとうございます。
和久田≫2019年平成31年の幕開けです。
高瀬≫いよいよ平成最後の年が始まりましたね。
和久田≫皆さんどんなことを願って年を越したでしょうか。
高瀬≫新年を迎えてあの場所はどうなっているでしょうか。東京・渋谷です。
大槻≫あけましておめでとうございます。こちらは、大変な盛り上がりです。
年越しの瞬間にはカウントダウンの大合唱が起こりました。
そして、まさに年越しの瞬間。
道路を埋め尽くした人からは大歓声が起こりました。
今も周りの人と抱き合ったりあるいは写真を撮ったりする人たちの姿が見られます。
にぎわいはこのあとも続きそうです。
和久田≫大変な熱気でしたね。
高瀬≫当然といえば当然なんですけど
いつの時代も若い人たちは元気です。
和久田≫それでは新たな年新たな時代に希望を込めた
各地の様子です。
みかんの産地で知られる愛媛県宇和島市吉田町です。
(「除夜の鐘」)
みかん畑に囲まれた大乗寺です。
300年以上にわたって地域の信仰を集めてきました。
あけましておめでとうございます。
新年を迎えて、こちらにも次々とお参りの方がいらっしゃっています。その多くは、みかん農家です。
皆さんが大切にしてきたものがあります。
この20cmほどの小さな観音様。抱えているのは、みかんなんです。
「みかんの観音様」と呼ばれ親しまれてきました。
(「除夜の鐘」)
農家にとって平成は厳しい時代でした。
オレンジの輸入自由化 高齢化も深刻な問題となっています。
そして去年は西日本豪雨もありました。
崩れた畑や山は、この地域だけで2000か所以上に上ります。
しかし愛媛の農家はへこたれません。皆さんが手にしているのは豪雨を乗り越えて収穫したみかんです。
傷がついたものもありますがこの冬もおいしいみかんができました。
若手農家の皆さんです。
皆さんご苦労されたと思いますがしっかり実りましたね。
小ぶりなものができたりはしてますが味は例年どおり、おいしいものが出来上がってます。
ことしは復興元年なんでみんなで頑張ります。
ことしは実りの多い年になりますようにと
皆��ん、願っています。(頑張るぞ!)
沖縄本島最南端
糸満市にある摩文仁の丘。
74年前の沖縄戦最後の激戦地です。
ここで40年以上前から変わらず行われている年越しの祭りがあります。
集まった人たちが手にするのは戦没者を慰霊するともしびです。
およそ400人がたいまつを掲げ新しい年の平和を願います。平成の間も沖縄は変わることなく平和を訴え続けてきました。
これまで天皇陛下が9回訪問された沖縄平和祈念堂です。
沖縄戦では20万人以上が犠牲となりました。
その名簿が納められた平和祈念像の前で祈りが続いています。
次の時代こそ争いがなくなりますように。
思いを込めた、たいまつの火が沖縄の空を照らします。
(「お囃子」)
岩手県釜石市、鵜住神社です。境内のすぐ下まで東日本大震災の津波が
押し寄せました。
鵜住居虎舞の新年初奉納が行われています。
新たな年が災いのない一年になることを願う虎舞。
津波で頭や笛などが流され存続が危ぶまれましたが全国各地から道具が寄せられ震災以来初めて年越しに合わせて奉納できるようになったのです。
あの日、1000人以上が犠牲になった釜石市。
母親と高校生の一人娘を亡くした岩鼻金男さんです。
娘が好きだったお囃子を奏でます。
震災から8年となる、ことしは釜石の人たちにとって希望の年です。神社のある、この地域の土地は1.7mほど、かさ上げされ3月にはすべての整備が完了します。
町には明かりがともり始めています。
そして「ラグビーのまち」釜石に新たにスタジアムが造られました。
秋には、ここでラグビーワールドカップの試合が行われます。
市民がともす希望の光。
それでは、3、2、1…。
ハッピーニューイヤー!
大会を成功させ復興へつなげたい。
新たな町で前へと進みます。
高瀬≫今の中継でもあったようにことしはラグビーワールドカップ
そして、来年には東京オリンピック・パラリンピックが開かれ世界中から多くの人たちが日本にやってきます。
和久田≫画面の奥にあるのがその玄関口の一つ、羽田空港です。
平成22年に国際化し24時間、海外からの観光客を受け入れています。
高瀬≫その羽田空港に林田アナウンサーがいます。林田さん。
ハッピーニューイヤー!
林田≫あけましておめでとうございます。
羽田空港国際線ターミナル大勢の外国人観光客の皆さんでにぎわっています。フィリピン。マレーシア。
林田≫こうした外国人観光客の数実は平成の30年間でおよそ10倍にも増えたんです。空港も工夫を凝らしてもてなしていますよ。それが、こちらです。
和久田≫これは橋ですか?
林田≫そうなんです。
こちらかつて江戸の中心にあった日本橋です。
出発ロビーの一角にかかるその名も、はねだ日本橋。
江戸時代は旅の起点となっていました。
羽田から世界へ。
今もその役割を担いたいと当時の半分のサイズで再現しました。
さらに江戸の町並みのにぎわいにふれてもらおうという工夫もあります。こちらは祭りの山車をイメージしたものです。この広場でひときわ目にひくのが
壁一面をびっしりと木札が埋め尽くしています。こちら、訪れた皆さんがそれぞれの願い事を書いているものなんです。
どんな願いがあるんでしょうか。
こちら中国語で家族で新しい年も一家順調に
過ごせますようにと書かれています。
お隣、ラブ アンド ピース。世界平和を祈るメッセージです。新しい一年が幸せであってほしい。
その願いは世界共通です。
群馬県、草津温泉です。
年が明けてにぎわいを増しています。あけましておめでとうございます。こちらでは地域の人たちが総出で温かい甘酒を観光客の方にふるまっているんですね。
去年は草津白根山の噴火がありましたがそうした中でも温泉を支えてくれたお客さんに感謝の気持ちを伝えたいと今回、初めて企画をしたんです。
それではにぎやかな一年になりますように願いを込めて!
草津よいとこ、一度はおいで!
平成地区がある岐阜県関市の日龍峯寺です。
ここは本堂から少し離れた場所です。
地元の参拝者の皆さんが集まっています。
皆さんあけましておめでとうございます。
皆さん、今年越しそばを召し上がっていますが平成最後ということで
今回限定の特別な年越しそばということなんですね。中を拝見しますと
そばの具に「平成」と書かれています。
この文字を見てピンときた方いらっしゃるかもしれません。
30年前、平成の元号が発表されたときのこの文字をかたどりました。お話、伺ってみます。
お食事中に失礼します。いよいよ平成最後の年が
始まりましたけども今、どんなお気持ちですか?
平成時代はもうじき終わりますがこの村の人たちにとって平成は永久に不滅です。
では、皆さん最後に、せーの…。≫ありがとう、平成!
高瀬≫4か月後の5月1日
平成は終わりを告げ新たな時代を迎えます。
この30年間どんな時代だったでしょうか。
和久田≫つらかったこと楽しかったこと一生忘れられない思い出。
一人一人、かけがえのない日々が積み重なった30年だったと思います。
高瀬≫2019年そして新しい時代が…。
2人≫皆さんにとってすばらしい未来となりますように。
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