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#黒い親子はマックが大好き
spunking-dummy · 1 year
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今年もチャタくんと見た椿が、咲きました😊 週末には満開になりそう。 昨日は、大荒れの天気になる予報が出てたので、その前に散歩を済ませようと出たものの… 途中で降られてしまいました。 ものすごくスコールのような雨で、瞬く間に側溝は溢れ、路面は冠水しました。 肌着もパンツも靴も全部ズブズブのぐっしょりに💧 そうそう、昨日の深夜ん歩のあと、梅子さん、🐻もんちゃんをお外に繋いで支度をしていると凄い勢いで2匹が吠えまくりました。 余りに吠えるので近所迷惑になると思い、外に出ると梅子さん🐻もんちゃんよりも大きい白い雑種犬が梅子さんに近寄ってて💦 青色だか緑だかの首輪つき。 追い払うと逃げて行くけれど、屋内に引っ込むとまた来るらしく💦 人馴れしてるようだから、放し飼いなのか… 梅子さん怖がってたから、屋内に入れてから出勤しました。 #黒い親子はマックが大好き #保護犬を家族に #保護犬 #里親 #わんこのいる生活 #わんこのいる暮らし #いぬすたぐらむ #似た者同士 #親子 #犬のいる暮らし #保護犬 #保護犬を家族に https://www.instagram.com/p/Cpv3sgzPXIe/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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01-08-m-n · 11 months
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キスをしすぎると、キスの特別な価値みたいなものがなくなるんじゃないかと思った。「好きだった人に言われたずっと忘れてない言葉」みたいな、そういうキラキラした衝撃的な瞬間をこれからも君につくってあげられるのだろうかと思った。いつまでも、君の最高の女の子でいたいと思った。
彼氏が充電してくれたモバイルバッテリーが、それだけで宝物みたいに見えた。彼が入れてくれた電気が尊いものに思えて、一生使わないでおこうと誓いみたいに思った。旅行3日目に日が変わった深夜1時半頃、彼が買わせてくれた大きなぬいぐるみを抱きながら君を見ていた。ふかふかのベッドに横たわりながら、ぬいぐるみと君のパーカーを抱えていた。わたしのスマートフォンの充電がなくならないように、わたしのモバイルバッテリーを君が充電してくれた。君がやさしく充電機を差す姿がスタンドライトの逆光で影になって、描くことのはじまりって、愛する人の影をなぞったことなんだよって言いたくなった。君をなぞってずっと忘れないようにしたいって思った。何回も何回も君を反復して、擦り切れるくらいに思い出したら、生まれ変わっても覚えていられるだろうかって思った。
はじめて日焼け止めを塗り始めた5月1日がもう1か月前になろうとしています。お久しぶりです。青い月はいつだって燦然と眠って光っています。先日、恋人と2泊3日の旅行をしてきました。会えるのは2ヶ月ぶりでした。やっぱり、この人と一緒にいたいと思いました。付き合った日に彼が送ってくれた、俺の余生あげるから君の余生を幸せにさせてよって言葉が永遠に忘れられないでいます。
デートする度にここに書くのは、忘れたくないからです。一瞬一瞬を思い出せたら、永遠に忘れないかもしれないって思えるからです。
通勤で混んでいる新幹線で運良く2人席が空いていて、彼が乗る駅まで隣に誰も座らないように小さな抵抗をしてみた。彼が乗る駅に停りそうになって、ゆっくり流れる景色から君を探してみたけど見つからなくて気持ちいい不安があった。着いて5秒後くらいで会えて、いつもの恋人だと思った。大好きで嬉しくて、よくわからないくらい安心する。新幹線だから手は握らなかったけど、ずっと触れてる肩が嬉しかった。
ホテルに近い改札口をふたりで探した。ホテルまでは少し遠かったけど、冒険しているみたいだった。真っ直ぐな通りの先にはスカイツリーが見えた。その日はたくさん歩いてたくさん見てたくさん考えたけど、彼が一度も疲れたとか嫌だとか言わなかったことがすごくうれしかった。この人となら大変なことでも一緒に歩いていけるんじゃないかって、些細なことだけど。ホテルまでの帰り道からはライトアップされた紫色のスカイツリーが見えた。ライトアップの意味を調べて読み上げたけど、彼氏が眠そうでかわいかった。確か「雅」っていうライトアップだった。ふたりとも22時くらいにはきっと眠っていた。たまに目を覚ますとふとんに埋もれている彼がいて愛おしかった。ふとんをひっぱると、んーと唸りながら私に3分の1くらい渡してくれるのがかわいくて。目が覚めると朝の5時30分で、部屋に射す朝日が綺麗だった。君がくれたステンドグラスみたいな栞がキラキラ輝いて綺麗だった。うとうとしながら横になっている彼を見ながらお湯を沸かしてコーヒーを飲んだ。幸せだって思った。そういえば、フルーツティーを飲んだ後にキスしたら甘いって言ってたね。微睡んだ君の隙間から2つの水滴が垂れているのを見て、指でなぞった。わたしだけの秘密って思って、それを口にいれた。君はここにいるって思った。
ホテルを出てほとんど夏みたいな爽やかな空の下をキャリーケースを引きながら歩いた。街の看板や建物を見ながら君となんでもないことを話すのが楽しかった。駅のロッカーを探し回って、エレベーターを待っている時に君に日焼け止めを塗ってあげる。外でも首や顔に触れて家族みたいだなーって思った。自分がしてもらってたように自分もこうして人にしていくんだなって思った。少しだけ顔が白くなった君がかわいかったな。ケチな私がロッカーにキャリーケースを2台とも無理矢理入れたら取り出せなくなって君の手を煩わせてしょんぼりした。自分っていやな人間だなーと思ったけど君が仕方ないねって笑ってくれて大丈夫になった、やさしくてあったかくてずっと一緒にいたいって思った。メンチカツとかアイスとかふたりでおいしいねって分け合えるのがうれしい。おみくじを引いて当たっててうわーってなったり浅草寺の煙が目に直撃して泣いたりお参りしたりした。彼がちゃんと祈ってる後ろでそれを叶えてくださいってちゃっかり手を合わせた。
最果タヒのグッズを買いに紀伊國屋書店本店に行ったりサンシャイン水族館で毒を持った生き物を見たりして、外に出たらもう空が真っ黒だった。風が強く吹くサンシャインシティの広場で彼と手を繋いでひとりじめしてるみたいに歩いた。ベンチでキスをしてるカップルの近くのベンチに座って、そこから見える光る塔が何なのかふたりで必死に調べた、今思うとなんでそんなこと?と思うけど楽しかったなあ、結局専門学校の偽物スカイツリーだったね。ふたり手を繋いで風に吹かれながら暗い空を見上げてた。星なんて見えなかったけど、灰色と藍色を混ぜたみたいな空に電飾が反射してもやがかかったみたいに見えていた。人混みの中を急いで歩いたけど乗ろうとしていた電車に間に合わなくて2マスもどる。
2時間く��いかかる電車に乗って次の場所へ。ぬいぐるみを掴みながら、イヤホンを片方ずつつけながらお笑いのショーレースを見た。吐いてる人がいたり電車を降りてお水を買ってきてくれる人がいたりなんとなく忙しい時間だった。 ホテルについて夜中までやっているアイス屋さんへ行くと長蛇の列。若者が多くてびっくりした。彼の好きなラーメン屋へ行って深夜1時に中盛りという名の大盛りのまぜそばを食べた。おいしかったね、わたしは眠すぎて食べながら眠りそうでしたけど。お酒を買ってもらったのにホテルに帰るとすぐ就寝。ほんとうにありがたい恋人。翌朝シャワーを浴びて彼にバトンタッチすると時間が足りないことに気付く。ゆっくりしたかったからフロントに電話して1時間延長、支度が大体終わったあとまだ終わらないでしょみたいな感じになってもう1時間延長。この1時間がなかったら帰るのが惜しいくらいだったと思う、会えているときくらい君に触れていたいよ
この日は急遽彼の友人とバーベキュー。正直めちゃくちゃドキドキした。めちゃくちゃかわいい彼女って思われたいじゃん。それが彼を立てることにつながる?みたいな私の筋の通らない理論。駅まで彼の友人が迎えに来てくれてわーってなった(表せない感情)。車がお兄ちゃんがこの前買った車でこの年代の人ってみんなこれ乗るのかな?とか思った。そういえばお母さんがこの車見ると毎回遊んでそうな若い男の人が乗ってて助手席に女がいるって言ってた。うちのお母さん調べ。友達と話してる彼氏を見るのが変な感じだった。嬉しすぎてtwitterにも書いたけど、彼氏の音楽の趣味が良いのは勿論で、彼氏の友達も音楽の趣味が良いのたまらんすぎた。3人で乗ってた車でボーイズ・オン・ザ・ラン流れてたの一生忘れないと思う、ほんとに。酔った彼氏が友達とアジカン歌ってたのも音だけ覚えてる、私も酔ってたから音だけ。それからふたりとも記憶がないままなんか電車に乗っててなんか駅にいてなんかトイレに行ってなんかベンチで介抱してなんか母親を怖がって急いで電車で戻って結局新幹線遅らせて酔いが覚めた彼に飲み物買ってもらってマックで爆泣きした。「君が笑っていられるように頑張らなきゃな」 みたいなことを言われてこの人が救ってくれるんじゃないかって思った。 前ここにも書いたかな?女子高生のわたしのインスタの裏垢に書いたの。 「君の生きる場所はここじゃないと 君が手を引いてくれ」 ずっと忘れてないわたしが書いた言葉。久しぶりに開いたけど綺麗で儚くてさいこうだった。なきそう。非公開から解放したのであなたもあの日のわたしのこと忘れないでいて。
違うことで着地しちゃったけどパラシュートじゃなくて君から借りたパーカーが風でふくらんで運ばれたっていいよね。この人がいいってもっと強く深く思う数日間でした。いつまでも幸せでいて。ここまで読んでくれてありがとう。もう君も目撃者だよ。
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extrance178 · 8 months
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ハンバーガー何味が好き?
中学生の時に席替えで後ろの席になった石川くんに聞かれたことがある。石川くんは「チーズ味のハンバーガー」、「てりやき味のハンバーガー」、「エビ味のハンバーガー」みたいな認識をしてるらしい。うまくおれは回答ができなかったし、結局石川くんとは仲良くなれなかった。
おれが幼い頃、両親は謎にジャンクフードへの抵抗があったらしく、マクドナルドは食べる頻度の少ないレアなご馳走だった。ともだちはハッピーセットのおもちゃをたくさん持っていて羨ましかった。数少ないハッピーセットで手に入れたおもちゃはマックデジのやべー音ゲーと、首と腕と腰が360°回転するナルニア国物語のフィギュア。キャラの目が黒すぎて怖かった。
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実家の近所にはマクドナルドがあった。中学生テスト勉強で入り浸りすぎて出禁になったことがある。今思えばめちゃくちゃ迷惑だったと思う。友達がシャカシャカチキンをシャカシャカしすぎて紙袋が貫通し、床にチキンを叩きつけていた。洗って食べてたし。マックポークがなくなるくらいでおれらは中学生だった。チキンクリスプ5つとか頼んでごめんなさい。
出禁になった後はすぐ近くのロッテリアに集まってた。ロッテリアはポテトが美味しくない。てか別にロッテリアは美味しくない。ロッテリアはエビバーガー発祥のお店らしく、たまに今でもエビバーガー食べるけれど、日々生きていて「アーエビバーガー食べてー」ってなることは無いから、あんまり困らない。ある?そんなこと?ないよ。無料の水だけもらって、ご自由にどうぞのレモン汁とガムシロップを滅茶苦茶入れて、オリジナルレモネードを大量生産し大量消費してた。迷惑である。
休みの日に親が行くジョイフル本田にはウェンディーズがあった。知ってる?ジョイフル本田。デカすぎるホームセンターみたいな、モールみたいな。外装が黒すぎる。マットブラックのデカすぎる建物。駐車場広すぎる。ジョイホンとも略してる人いた。家具やら家電、食材、工具なんでも売ってた。チャリとかタイヤとかもあった。ウェンディーズジョイフル本田店は今調べたら潰れている。
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モスバーガーは今食べるとマジでうまい。てりやきバーガーはモスが始まりらしい。でもモスは食べ方むずかしすぎる。あれ綺麗に食べれるやついるの?ジャンクさとか奇抜さで戦ってるバーガーチェーンよりもオシャレなイメージあるけど口の周りビタビタになるから。でも美味しい何食べてもうまい。接客がすごい。自動ドアとか開けてくれる。お待たせしましたー!って、頼んだ商品全部読み上げられるのは少し恥ずかしい。
ちなみにおれはバーガーキングが1番好き。なんか肉食ってる感じが1番する。あとワッパーのサイズがデカいからテンションあがる。サイドとポテトは微妙。でもバーガーは何食ってもだいたい美味しい。でも新商品がマックに逆張りし過ぎてるみたいなとこある。デカい飯見てておもしろいから好きです。質量にウケるみたいなこと。
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ドムドムバーガーはなんなら働いてた。ダサすぎる制服。19歳の時バイト飛んでごめんなさい。本当に反省している。特別うまいとかじゃないけど、店舗が無さすぎて食べれない。ドムドムバーガー食べたことない友人が、ドムドムのキャラクターの「どむぞうくん」にハマってグッズとか集めてるらしい。好きなハンバーガーチェーンは?って聞くとドムドム!って言ってる。食べたことないのに。怖すぎるだろ。フェイクすぎる。バイト飛んだあと、店の前を通ったらメニューにカレーライスが増えてた本厚木店。現在潰れてる。また食べたいと思う。バイト飛んでごめん。
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ドムドムバーガーのガチャガチャ3回やって全部全部厚焼き玉子バーガーだったときは泣きそうになった。
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大学生になったら近所にマクドナルドがあった。マック食べて朝まで遊んで朝マック食べて隣のなか卯で定食食べて吐いて解散とかしてた。まだレギュラー化する前のサムライマックを友達が1日3個食べてた。1500円あればもっといい飯食えるだろ。ポテトLサイズ150円クーポン懐かしい。物価が上がっているなと思う。
今住んでる近所にはモスとケンタッキーしかないからやっぱり徒歩圏内にマック欲しいな〜って思う。節約のためにUbereatsはあんまり使いたくないけれどマックだけokの協定を結んでいる。
先月まで働いていた下北沢にはマックとバーキンとモスとウェンディーズ・ファーストキッチン、フレッシュネスあったからマジで最高だった。おれ自分が思ってるよりハンバーガーチェーンすごい好きかも。最近気づいたよありがとう石川くん!
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tokyomariegold · 2 years
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2022/9/23〜
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9月23日 今日はとにかくいろんなものを見過ぎて、 いろんな表情をつくり過ぎて、 いろんなことを喋り過ぎて、相��を打ち過ぎて、 目と顔の筋肉と喉が痛い。
初めての逗子の町の、観光地と絶えないほどの、リゾートまで華やかではないけれど、海の町特有の小さいお店がある感じの町のつくりを中途半端に体験して、浜辺で波を見ても全然怖くなくて、気がついたら鎌倉で八幡宮のお参りをしれっとしてしていて、ばちが当たりそう。 人とお話して時間を過ごすことと、自分が街やその空間を楽しむことを両立できる日はくるのかしら。
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アレック・ソスの展示は、思っていたのと違ったけれど楽しめた。 フライヤーの写真とデザインが、あまり今回の作品展と合っていない気がして、予告編だけ好きな映画ってあるかも、と思った。 山間部にハンガーかけやミラーボールをセットして生活している人のインタビュー記事の写真シリーズが好きだった。
とにかく長い時間だった気がする。 我に帰ったのは、行きも帰りも、日暮里駅の2階のサイゼリアの窓際のボックス席を車窓から見た時で「こんな時間(と、いうほどおかしな時間ではない)にサイゼリア…」と、思った時だった。 昔、雷雨で中断した花火大会の帰りに、びしょ濡れで入ったファミレスは、このサイゼリアな気がする!
一緒に展示を見た友人は、子供の話と動物の話をいつもしていて、今日も友達が子供を産んだ話をしたので、彼女自身がそろそろ子供を持つのかな〜、と思っていた。それと、動物が可愛いうんぬん、と言っていて、犬でも飼うんだろうか〜、とも思った(今日は子豚の話をしていたけれど)。
私は出産がどんなものなのか経験してみたいけれど、子育てはしたくないので、他人の子を産めば良いのかな、と考えて、でも倫理的にアウト?
帰り、旦那さんと合流して帰る友人と横浜駅で別れる。いつも私と遊ぶ時、私たちが遊んでいる場所の近くまで旦那さんが来ていたり、待ち合わせのラインを仕切りにしていたり、常に影が見え隠れする感じで、彼女との時間を過ごしている。私はいつか、彼女と2人で遊ぶ待ち合わせの場に、しれっと旦那さんもいて、今日は3人で……みたいなことになったりしないかドキドキしている。
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9月24日 人付き合いがだめなターンなので、1時間くらいキュッとおしゃべりするだけでよかった。 今日は、クラシカルなメイド喫茶で本格紅茶を飲んで、人の物件探しに付き添った。
メイド喫茶は、電子ケトルで沸かしたお湯を、高い位置からティーポットへ注いでいて、やかんでなくてケトルで可愛い。
物件探しは、楽しそうなので付き添っちゃお!と思っていたのに、結果、不動産屋ってこの世の嫌い空間わりと上位に入るのでは!と気が付いたのと、人の生活に関わっている暇はない!と、自分の生活のタスクをいろいろ思い出して、先に帰ってきてしまった。
駅の広場でちいかわとサンリオのコラボグッズが売られていた。たくさんの女の子達が本当にちいかわを愛でている!と驚き、友人に報告のメッセージを送る。
メイド喫茶から不動産屋までの移動中、マンスーンさんとすれ違ったのかもしれない…でも人違いかもしれない…ちいかわグッズを見にきていたのかもしれない…テンションが上がっている、と久しぶりに実感した。
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9月25日 このところの人間関係の悪態を反省して一日を過ごした。 昨日の雨で、川の水が増大していて、いつも野球やサッカーをしているところまで川が拡幅していた。ボートで何かを捜索している様子もあり、土手からたくさんの人が見ていた。
昨日投稿した日記を読み返すと、毎度のことながら誤字だらけ!最近はiPhoneで文字起こしをしているのだけれど、変換の精度が高すぎる(?)。 「うそみたい」→「朝みたい」、「かるいんで」→「辛いんで」、「ぶしょ」→「場所」、「きえないと」→「変えないと」。 読みと異なる変換を一番上に持ってくるのをやめてほしい。でもこれがiPhone的正解ワード。 30歳で変えないと!
9月26日 「落とし物が届いています」と、朝一で内線に電話が届く。ありがとうございます。まるっと落としたパスケース全部が手元に戻ってきた。
文化庁メディア芸術祭の展覧会が今日までだった!毎年、情報収集のために会場へ行っていたけれど、今年はネットで眺めよう、と、マンガ部門の大賞を確認する。北極百貨店?という素敵なタイトルの漫画をKindleでダウンロードしてみた。
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9月27日 2日分の洗濯物を溜めて洗濯機を回してみた…!ドキドキ。確かにこちらの方が回し甲斐がありそう。
隣の席の上司から、アメリカのチョコレートをもらう。お姉さんが、アメリカ在住とのことで、日本に一時帰国されているらしい。最近のアメリカは、グルテンフリー 、パレオ、ケト、と健康志向の食事がブーム。マックにはあまり行かない(そもそもマックの値段が高い。ハッピーセットで1000円弱するとか。)とのこと。コーラもみんな飲んでないんだって! プレッツェルのお菓子のパッケージには“BIG TIME FLAVOR”とあり、大きい時間風味…? 大味ってこと?となった。
日本で言う、ハワイアンとかミラノ風とか清涼感とか、味覚以外で食べ物を感じる感覚の表現なのかな。
明日は出張(研修)で、乗ったことのない電車に乗って、行ったことのないところへ行くのでへとへとになってしまうと思う。
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9月28日 研修のため、いつもより2時間遅い出勤。 朝にいろいろお掃除ができて精神衛生も良くなる。 空港へつながる路線、違う駅名だけど乗り換えできる駅間の30秒くらい歩く町、目印のデイリーヤマザキ、4匹の猫の親子、多分もう全部見ることはないんだと思うものばかりを通過して研修先へ行く。 (帰りに、オンライン研修でしか顔を合わせたことのなかった同期にこのことを話したら、めっちゃわかる、と言ってた。)
幼稚園や小学校の施設のにおいが苦手なので、気持ち悪くなりながら2時間歩き回った。 黒板に、前の授業の板書が残されていて“ゆでる→ものをやわらかくする。ゆで汁は捨てる。 煮る→味をしみこませる”とあり、思わずメモに書き写す。研修の報告レポートには使えない。
“BIG TIME”とは“すげーまじうまい!”的な意味らしい。
乗車駅でメロンくらいの巨大梨が売られていた。下車駅では行方不明の女の子を探すチラシを配っている人がいた。
9月29日 エドワード・レルフの場所性の本を冒頭から読み直し中。目次を見て、興味のある章から読んでいたけれど、ばかみたいに頭から読むと、ちゃんと点と点が繋がるように理解できるところが増えた。 ①物理的なもの②人々の動き③感覚 が、場所を構成していた、①と②は定量的なもので捉えやすいが、③は一概に言えるものがなく捉えにくい。そもそも①②③の相関関係を探ることが重要。 自分を中心とした同心円を描きながら人は移動をし、その円の内にいれるものに人は愛着を持つ。愛着の持てる場所には配慮があり“つつましさ”が、ある。……などなど。
研修のレポートを3枚提出した。 1から自分で文章を作り上げるのは、始めるまで気力がかかるけれど、始まってしまえば添削までずっと楽しいし、良い疲れかたができる。
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9月30日 研修のレポートを上司に褒めてもらう。 内容というより、レポートの構成や読みやすさ、伝わりやすさ、独自の視点の効果的な入れどころなど。こういう場の書き物には正解がある気がしていて、それを叩き出してしまった複雑な気持ち。でも褒められるのは嬉しい。
一期下の方とロッカールーム前でおしゃべりした花金の終業後。やっぱり私はこの方がすごく好きなのだと思う。写真を撮りたい!とも思えて、その発見に嬉しくなり帰り道はなんだか明るい気分。
社会の人をみんな嫌いなわけではなくて、その人個人をみてしまって、それでもっと関わりたい!と思ってしまうこともある。
そして、昔からの友人達を撮りたいと思わなくなったのは、新鮮さがなくなってしまったこともあると思う。 たぶん、今日ラインを交換して、「一緒に遊びましょう!」と言い合った時が、一番楽しい時だったかもしれない。 人と関わるときの新鮮さが好きなので、なるべく頻度や距離を、高めず詰め過ぎずにしたい。
やっと粗大ゴミセンターに電話を繋げ予約をした!えらい!
帰り道の遠くの茂みと、私が立っている道の間で、猫が何かを捕食していた。
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nanaintheblue · 4 years
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春休み
雛が「明日の終業式さぼろうよ」と言い出したので、とりあえずは眉をしかめて「えー」と言ってみた。言っただけだ。 「式じゃん。式休むのはやばくない?」 「でも授業ないし、逆に、どうでもよくない? 『春休みのしおり』とかもらって、それでおしまいじゃん」 でも高二の最後の日だ。クラスメイトが惜しいとか全く思わないんだろうか。雛はふんと鼻を鳴らした。 「女ばっか38人、何が淋しいのよ」 「そうだね」 じゃあわたしも休む、と言った。雛はとても嬉しそうに鼻をくしゃっとさせ、「じゃあ駅に8時ね」 「早いなぁ、せっかくサボるのにどっちにしろ6時半起きしなきゃだ」 「だって、親にバレるじゃん、遅く起きたら。マックで時間つぶそ」 それもそうなのだった。雛は「じゃあ、明日ねえ」と言いながら廊下を走っていった。てらてらと不思議な色に光るリノリウムの床は、春の匂いでほんのりと甘ったるかった。 いつも通り母親がアイロンをかけた制服を着て、駅のマックに入る。「こっちこっち」と場所取りをすでに済ませた雛が、同じ格好でマックシェイクを啜っていた。 「春奈も買ってきなよ」 「うん」 コーラとチーズバーガーを頼む。席に持っていくと、「うわ、飯テロだ」と雛が本気で嫌そうに顔をしかめた。雛はすでにアップルパイとマックシェイクを食べ終えたところだった。 「じゃあ二口あげる。席代ね」 「やった」 両頬のえくぼをくぼませて雛が笑う。真ん中のすきっ歯があられもなく覗けた。ラッキートゥース、と言うらしい。「あたしは治したいんだけど、ママがそんなのいいでしょ、幸運のしるしなんだからって矯正やらしてくれないの。ケチだから」といつも口を尖らせている。 アイラインを引いても潰れない広い二重幅、くるんと丸まった長いまつげ、つんと上向きに尖った小さな鼻、さくらんぼのように可憐なくちびる。雛はお人形のように整った顔をしていて、唯一、歯の隙間だけがコンプレックスだと言う。 「これさえ治せば完璧だと思わない!? 佐々木希だって武井咲だって歯並び治してから売れたんだよぉ」 そんなことを臆面もなくつぶやく。わたしは雛のそういうところが好きだ。 わたしたちは中高一貫の女子校に在籍していて、それぞれ違う意味ではみ出しものだった。雛は容姿が優れすぎて、それ自体は女子校では武器になりうるのに、雛はそれを卑下したり隠そうとはしなかった。異端であるほど美人であることに気づいていないふりをせず、「あたしって可愛いから」と言いまくっていたら雛はいつのまにか学年のなかで浮いていた。もし雛が対して可愛くない、70点くらいの容姿だったら「冗談」とか「面白い女子」としてかえって人気が出たかもしれないのだけれど、  雛はそういった発言が冗談にならないほど、恐ろしく綺麗な顔をしていた。スカートを短くして、髪を綺麗にポニーテールに結った雛がつまらなさそうにスクバを揺らしながら廊下を歩いているところを中学からよく見かけた。美人には孤独がよく似合う、ひそかにそう思った。 一方のわたしは、単純な理由で浮いている。お金持ちの女の子が多いなかで、わたしの両親はごく小さな蕎麦屋を営んでいる。それが知られてわたしは学校で「麺棒」と呼ばれるようになった。わたしがひどく痩せっぽっちだったことも含めての揶揄だった。雛がいう「ママってケチなんだよ」「あーお小遣い足りない」と言う発言とは全くレベルが違う。わたしはみんながコチャコチャいじっているスマホが毎月6千円から1万円近くかかるものだと知った時卒倒しそうになったし、雑誌や本はもっぱら図書館、通学鞄は中学一年生のときから使っている黒い無地のリュック。お小遣いは、月に1万円もらっていると言う雛には「うちは5千円」と言ったけれど、本当は2千円だった。それが恥ずかしいと言うよりも、一か月を2千円で十分まかなえている自分が恥ずかしかった。わたしの生活は、みんなよりずっと彩りに欠けるのだろうか。 雛と仲良くなったのは必然とも言えた。高校一年で初めて同じクラスになったとき、「やっと」と思った。それは彼女も同じらしかった。 「春奈ちゃん、あたしと徒党組もう」 初日に朝礼が始まる前にわたしの席に来て宣言された。間近で見ると、改めて整った顔立ちの女の子だった。中学の頃はもっちりと柔らかそうな頬が彼女を魅力的に見せていたけれど、背が伸びて少し痩せた雛はどこか少年っぽさもあり、頬骨のラインに意味もなくどきどきした。 「徒党て、なにそれ」 「いいから、一年あたしと契約しよう。体育のペアとか、遠足のグループ分けとか、学校の中で生きてる限り面倒くさいことが目白押しじゃん。違う?」 容姿に恵まれている人は頭が悪い、と言う偏見を持っていたわたしはかすかにそんな自分を恥じた。話してみれば雛ほどクールで頭の切れる同世代の女の子はいなかった。 「いいよ」と簡単に答えた。「じゃ、また」とスカートをひるがえして席に戻る雛の、膝の裏の白さが眩しかった。 それ以来、わたしたちはずっと一緒にいる。もし来年高校三年のクラスが別れても、一緒にお昼を食べたりするだろう。 「ねえ、今日何する?」 なんかんだ優等生のわたしは、風邪でも忌引きでもないのに学校を休むのは初めてだった。雛はときどき生理痛で休んでいた。本当に「生理痛」ではない時もあったみたいだけれど、それをいちいち突っ込むほど野暮じゃない。 「鎌倉」 「え? いいけど脈絡なさすぎ」 すると、春奈はひらりとSuicaを振ってみせた。 「定期拾ったの。それが鎌倉行きだから、鎌倉」 わたしは普通にあきれた。 「犯罪じゃん。ばっかじゃないの」 「いいの。こんな大切なもの落とす方が悪いよー」 ふひ、と雛はアニメの悪い子供みたいに笑ってみせた。「はいはい」とわたしは深く追及するのをやめた。 「どうせ混んでいるから」と雛に引き止められるままだらだらマックで時間を潰したあと、ようやく駅に向かった。もう明日から春休みとは言え、何食わぬ顔をして  制服で街にまぎれるのは痛快とほんのりとある恐怖で足取りがふわふわした。 横須賀線はひどく空いていた。「1時間かかるって」と雛が乗り換えのアプリを見ながら言った。 「遠いねえ」 「そりゃあたしたち、船橋から出て来てんだもん」 ふわあ、と雛があくびを漏らす。目の前のサラリーマンが雛にちらりと視線を投げかけているのがわかった。せわしなく目が動いている。気づかれないようにしているのだろうけれど、美人を盗み見ている男ってなんて品がないんだろう。 「明日から何するよ、春休み」 「普通に予備校行くかな。短いし、課題多いし。わたし推薦狙いだから小論文の課題も出てるんだよね」 「楽しみのない春休みね」 「雛はどっか行くの? 去年ドバイ行ったとか行ってなかったっけ」 「あー」 雛は低く呻いた。「行かないんじゃないかな。パパ超絶忙しそうだもん。ママもサロンの友達とどっか行くんじゃないかな」 「へー」 大学教授をしている雛のお父さんの趣味はよく海外でも学会に呼ばれるそうなので、雛や雛のママもよく旅行がてらついて行くのだと言う。「上海行って来た」と冬に雛がくれたのは、お揃いのチャイナドレスだった。とりあえず一緒にプリクラを撮って「あげます」と言う置き手紙を置いてその場に置いて来た。2人には大きすぎて、引きずるような丈だったのだ。 「ねえ、鎌倉って何あるの?」 「えー、あたしもよくわかんないや。大仏とかじゃん?」 「ダッサ」 ケラケラ笑っていたら横のおばさんににらまれた。雛が「この時間、やっぱり年寄りしか電車乗ってないね。あの世行きだったら超やばいんだけど」などと言いだしたので、肘のあたりを叩いた。愉快だった。 「春奈、どうしよう。彼氏が別れたいって言ってる」 弱々しい声で雛が電話をかけてきたのは、先週の土曜日の午後だった。内出血のような重々しい雲が空を覆っていたので、わたしはめずらしく予備校に行かずに家で自習をしていた。 「どうしたの? 電話する?」 「ううんごめん、彼氏から電話かかってくるかもしれないから、メールでお願い。来年受験生になるから雛も勉強したほうが良いよだって。どうしよう、もう最悪だよー」 涙を流した顔文字が3つ並んでいた。女子校であるからして普段話す異性は先生と父親くらい、という子が多く、わりかし恋におくてな女の子が多いなか、雛は中高で四人の男の子と付き合ったという。そういうことを隠さないところを含めて、色恋に事欠かさないような女子高生であることが、雛が学校で浮いている原因の一つだった。 「受験なんか関係ないじゃん、雛は内部受験だし。そう言いなよ」 「ううん、あたし外部の共学に行きたいの。そしたら、『男と遊びたいの?ビッチだな』って」 思わず鼻で笑ってしまった。 「そんな心の狭い男捨てなよ、最低。雛が共学に行って男の子に言い寄られるのがやなだけじゃん」 「でも別れるのはイヤなの。いまの彼氏のことはほんとに好きなの。どうしたら説得できるかな」 結局、メールしているうちに雛の彼氏からラインに不在着信があり、「電話してくる」で音沙汰がなくなった。夜になって、「なんとか持ちこたえたよ」とダブルピースの絵文字が届いた。ダブルピースの絵文字だけを返した。 あれからどうなったのか、学校で訊いたりはしていない。 「今ごろみんな体育館かなあ」 「だねー。ダル〜って思いながら校長の話聞いてるんじゃない?」 「じゃ、行かなくて良かったね」 「ね!」 雛が極上の笑みで笑う。雛が全力で笑うと、比喩ではなく本当に花がほころぶみたいだ。 (あの子よく雛とつるんでるよ、顔面偏差値の高低差ひどすぎ) (雛もわかってて麺棒を選んだんじゃないの。引き立て役) 雛と一緒にいるようになって、女子か、と突っ込みたくなる���どテンプレな陰口ならいやほど叩かれてきた。確かにわたしはちっとも雛とは釣り合っていない。色白顔の瓜実顔に針で引っ掻いたような細い一重、唇はぽってりと分厚い。手足は棒っ切れみたいに細く、可愛らしい女の子ではない。 まだ友達というより「徒党」感が強かった頃、こらえきれずに雛に鬱憤をぶつけてしまったことがある。雛に誘われて、池袋まで出て遊びに行ったのだった。雛より際立って美しい子はいなくても、思わず目を伏せてしまうほど綺麗な子や派手に化粧を施したギャルはわんさかいた。そんななか雛に手を惹かれてゲーセンだのPARCOだのカラオケだのに連れて行かれ、雛が声をかけられることはたびたびあっても、わたしに視線が向けられることはなかった。さすがにいたたまれなくなって、カラオケの個室で言った。 「雛、恥ずかしくないの?」 「何が?」 「わたし、雛みたいに可愛くないからさ」 口にした途端、わっと顔に熱があつまった。勝手に卑屈になってひねくれているのは自分だというのはわかっていても、こんなことを言わせる雛の美しさが憎らしくなった。 雛はきょとんとした。 「え?あたしより可愛い子なんてそうそういなくない?」 「いやあのそういう意味じゃなくて!雛に及ばなくても、わたしがもっと美人だったら、って、そういう」 何も「そんなことない!」とか「春奈も可愛いよ、何言ってるの」だの女子特有の慰めを引き出したかったわけじゃない。断じて。ただ、雛にわたしの屈折をぶつけたかった、ただのエゴだった。けれどあまりに想定外の返事が来て、頭に熱がこもるのがわかった。わーっと早口になってもごもごしていたら、雛は「えー」と困ったように笑った。 「まあ確かにあたしレ ベルと比べちゃうと劣るけどさ、春奈ってちゃんと顔立ち整ってるよ。パーツパーツは地味で目立たないけ���、位置のバランスはいい感じだし。日本画みたいだなって中学のときから思ってた」 女医が患者をチェックするみたいな冷静な口調で言われ、思わず「ぶははっ」と喉を仰け反らして笑ってしまった 「何それ予想外の反応すぎるよ!冷静すぎ!」 「え? 何? なんなの」 雛はきょとんとしていた。自分たちの温度差にまた笑えて、じんわり涙がにじんだ。 雛は多分、最初から、誰のことも容姿で分けたりしていない。そう思った。誰よりも容姿のことで振り分けられたり勝手な期待を持たれたりしただろうに、なんて素敵な子なんだろう。そして、「顔がうんと綺麗な人」としてしか雛のことを見ることができていなかったことを心から恥じた。 この子と友達になれてよかった。そう思えて心から嬉しかった。 電車が駅名をいくつ過ぎた頃だろう。雛が「あのさ」と小さな声で言った。 「あたしって綺麗じゃん」 雛のこういう口ぶりにはなれているのだけれど、静かな口調とそぐわない内容だったので思わず噴き出した。 「何。真面目に聞こうとして損した」 「違くて! なんか、それって、『足が速い』とか『数学が得意』くらいのことだと思うのね、あたしは」 「うん」 騒音のなか、ポソポソと言葉を並べる雛の声は聞き取りにくい。顔を近づけて、耳をそばだてて言葉を待つ。 「足が速い子は陸上部に入ったり、数学好きな人は理系に進んでバリバリ研究とかするじゃん。そんで、綺麗なあたしはそういうふうに、ふるまうわけよ」 「うん」 自分で言うんじゃないよ、といつものように突っ込んでも良かったのだけれど、雛の声はいまにもちぎれてしまうんじゃないかと思うくらい、かぼそかった。 「でも、それをおかしいとか、ナルシストとか自意識過剰ってぐちぐち言う人も、いるじゃん。あたし、女子校なんか受験なんかしなきゃ良かったよ」 「あー、そうかもね」 電車が停車し、たくさんの人が降りていく。視界がひらけて、車窓の向こう側が見えた。すぐにたくさんの人が乗り込んできて、見えなくなってしまう。 「顔が綺麗じゃなきゃよかったなんて絶対それは、思わない。それは違うから。……でも」 怖くて雛の方を向けない。黙って手を握る。赤ちゃんみたいに汗ばんであっつかった。逃げようとするのを掴んで自分の手と強く結ぶ。 「あたしはただのあたしなのになってよく思うよ」 電車が走りだす。雛と仲良くなる前のわたしは、とても綺麗な雛がそんなふうに悩んだり傷ついたりしているなんて少しも信じていなかっただろうな、と思った。 鎌倉に着く頃には、終業式は終わっているだろうか。 ふいに青いものが景色の向こうに見え始めた。「あ、海」と言うと、「まじでっ」と雛が跳ね起きた。よだれがくちびるの端を濡らしている。 「えー……普通に綺麗」 「海見ながらごはん食べたいよね」 「それいい、コンビニでおにぎりと飲み物買って食べよ」 色鉛筆で薄く塗ったような水色が見え隠れしている。一気に非日常感が強くなって、胸が弾んだ。 「お腹すいた。マジ眠い」 「あと15分くらいだと思うよ」 「本当に? 長かったー、尻痛いよぉ」 首をポキポキ鳴らしながら雛が首を回す。 「そういや定期ってどこで拾ったの」  へ、雛が動きを止める。 「どこって……家」 「はあ?」 それ以上は言わず、雛はまた目を閉じ、わたしの肩にすうととても自然に頭を載せた。眠っていないのは肩から伝わる気配でわかっていたけれど、重みと熱が心地良かったから黙って載せていた。柔らかい細い髪が電車の震度に合わせてさらさらと揺れていた。 鎌倉駅を降りると、観光客で賑わっていた。 「ねえ、ノリで降りちゃったけど海までどれくらいかなあ」 「15分くらいだってさ」 派手な旗を立てているしらす丼の店をしり目にコンビニに入っておにぎりとリプトンを買った。 朝はそうでもなかったのに、陽射しが強くて思わず目を細める。ヒートテックなんて着てこなければ良かった。「あちー」と雛が手で庇を作っている。 「海、サーファーばっかだろうねえ」 「だろうね。ナンパされたらうざいなあ」 「制服だしね。人いなさそうなとこ探そう」 陽射しの強さのせいと電車の眠気のせいで口をきくのも億劫だった。ぺったんペったんとローファーを引きずるようにして道路を歩く。サーフボードを担いだ男たちが次々にわたしたちを追い抜いていく。 「海きれー」 「ね。晴れててよかった」 「なんか、海来ると時間の経ち方変わるよね。時計見なくなるからかなぁ」 「ゆっくりになるのに、帰る頃には『えっもうこんな時間!?』ってなるやつね」 「う〜ん、超気持ちい」 会話が間遠になる。空が視界のぶんだけ広くて、水でたっぷりと薄めような透き通った青だ。 「あのさー」 「ん?」 風で髪が煽られ、結んでいない雛の長い髪がほつれながら舞い上がる。 「定期拾ったって言ったじゃん。あれ、彼氏のなの」 「えっ?」 「別れたの。彼氏の家を出るとき、最後に玄関にあったSuica、かっぱらっちゃった」 けろりとした口調を心がけているけれど、雛の目はほんのりと揺れていた。 「最後に、やなことしてやろうと思ってさ」 ばばばばばば、とバイクが後ろから追いかけてきてわたしたちを抜き去る。ぶわん、と前髪が持ち上がったのを手のひらで押さえた。 「でも、鎌倉ってこんな綺麗なところなんだね。なんか、思ってたのと違う」 「そうだね。わたしもちゃんと来たのは初めて」 「あーあ。毎日こーんな綺麗な海見ながら通ってたのか。かっこいいわけだよな。はーあ」 雛が目元をそっとぬぐう。バレエの所作のような、鳥が羽を広げるような、さりげなくて美しいしぐさで、思わず見とれた。 涙の跡でひとすじ、濡れて光っている。 「ちゃんと好きだったんだけどさ。あたしがナルシストっぽいところがなんかずっと嫌だったんだって」 「なにそれ! 雛が美人なのは誰が見たってそうじゃん」 「そうなんだけど、『あざとくて、計算高いのがいやだ』だって。はーあ。こんな綺麗なのに『そんなことないですう』とかってぶりっこする方が性格悪いっつうの。そんなのばかばかしくて絶対できないよー」 「そうだよ。そんな男つまんないよ」 「あ〜。うん、そうなの。そうなんだよ」 でも、と雛がわたしを振り向く。水があふれてこぼれるように、雛の長い髪が肩からさらさらと落ちた。 「好きだったの」 うん、とわたしは雛の手を握る。汗をかいて、しっかりと熱い。 「大丈夫だよ。雛」 「うん」 「おにぎり食べよ。どっかベンチに座って、海見ながら食べよ」 「うん。食べる」 小さな子供のように雛が心細そうな顔をしてわたしに寄り添う。美しい雛に簡単に男が見惚れて近づいてこないよう、わたしは背をピンと正して、彼女の隣を歩く。 2019.5
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cinemastylenews · 5 years
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映画『シャザム!』<第三弾!日本語吹替版キャスト発表!>遠藤綾、櫻井孝宏、小野大輔ら超豪華声優陣が集結!
映画『シャザム!』<第三弾!日本語吹替版キャスト発表!>遠藤綾、櫻井孝宏、小野大輔ら超豪華声優陣が集結! ついに4月5日(金)、全米4,217劇場で公開され、オープニング3日間(4/5〜4/7)で全米興行収入5675万ドルを記録し、全米初登場No.1の堂々の大ヒットスタートを切った!!(※4/8時点、Box Office Mojo調べ)
公開前からすでにUSメディアで大絶賛されており、3月23日に行われた全米限定先行上映では、DC映画史上世界最高収入を記録した『アクアマン』を超え、1日で330万ドルの興行収入を達成!米・映画評論サイトの大本命Rotten Tomatoesでは91%Freshを獲得(4/8時点)!出口調査の評価も最高の“A”をたたき出し、予想を上回る結果に。特に若年層に響いており、45%が25歳以下という客層となった。全米メディアも「間違いなく超傑作!」(ローリング・ストーン誌)、「この楽しさ、予想以上に稲妻級!」(AP通信)、「シャザム!はスーパーヒーロー映画の新しいモデルになる!」(TIME)「遊び心満載!」(トリビューン)と大絶賛!本作で見た目はオトナ、中身はコドモのスーパーヒーロー・シャザムを演じたザッカリー・リーヴァイは自身のInstagram(@zacharylevi)で「この週末に劇場で『シャザム!』を観てくれてありがとう!多くの人たちがこの作品を楽しんでくれて、ソーシャルメディアで感想を送ってくれたり、嬉しくて涙が出るよ!僕の夢をかなえてくれた(本作の撮影が行われた)カナダのクリエイティブチームもありがとう!是非、みんな『シャザム!』を劇場で観てね」と、映画公開を喜び、『シャザム!』を観たファンたちへ感謝のメッセージを発信した。
また、日本語吹替版もアツい!
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アメコミ史上初!映画実写版『銀魂』の福田雄一監督が本作の吹替監修・演出を担当することが決定!シャザム役には、第41回日本アカデミー賞にて史上最年少で最優秀主演男優賞を受賞した演技派の菅田将暉が決定しており、「依頼を受ける前から、予告編で知ってたんです。1ファンとして「うわっ、面白そうだな」と。DCコミックだし、観たい!と思ってる時に、依頼をいただいて「え!これはもうやりたい!」と即お受けしました!」とコメント。福田組でお馴染みの佐藤二朗の参戦も発表!更に子安武人、杉田智和、緒方恵美、阪口大助、平野綾という世界絶賛の本作に日本を代表するトップクリエイター、俳優、声優陣が集結することが明らかに。
そしてこの度、第三弾キャストとして、「妖怪ウォッチ」のコマさん・コマじろう・フミちゃんや映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』のクイニーの吹替を演じる遠藤綾、「コードギアス」シリーズの枢木スザクや「物語」シリーズの忍野メメを演じる櫻井孝宏、「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの空条承太郎や「進撃の巨人」のエルヴィン・スミスを演じる小野大輔の参戦が発表!ただし、役どころは本編のネタバレにも繋がるの���明らかにされていないが、劇場で確かめてほしい! 日本を代表する俳優&声優陣が集結し、超豪華布陣による史上最強の日本語吹替版は必見!『シャザム!』のもとに集ったスーパーヒーロー級キャストたちがGWに爆笑をお届けする!福田監督、出演陣みなが、傑作ヒーロー映画に引き寄せられる形で実現した吹替版の完成が待ち遠しい!
DCユニバースを背景に展開しつつ、独特のユーモアとファミリー向けのトーンをもつキャラクター『シャザム!』。シャザムを演じるザッカリー・リーヴァイは海外ドラマファンの間で大人気のテレビドラマ「CHUCK/チャック」で大ブレイク!家電量販店で働きながら姉と同居し、趣味は親友と夜中までゲームをすることという愛すべきオタクな主人公チャックをコミカルに好演。『マイティ・ソー』シリーズでもファンドラル役で出演し、ヒーロー役を演じるのは本作で2作目。突如スーパーパワーをゲットする子供、ビリー・バットソンを演じるのは、アッシャー・エンジェル。ジャスティン・ティンバーレイクやザック・エフロンなどの人気俳優を輩出しているディズニー・チャンネル出身で、同チャンネルで放送され2017年に全米ティーンとキッズの両世代で"No.1テレビシリーズ"という栄冠を獲得した『アンディ・マック』でブレイクし本作に大抜擢された。悪役のDr.シヴァナを『キングスマン』シリーズの教官兼メカ担当のマーリン役で知られる、マーク・ストロングが。『キック・アス』(10)ではマフィアのボス役を好演、『グリーン・ランタン』(11)でもヴィランのシネストロ役を演じてDC映画への出演は本作で2度目となる。また、ビリーの相棒でヒーローオタクのフレディを、全米のみならず日本でも興行収入22億円超えとなる空前のピエロブームを巻き起こした『IT/イット”それ“が見えたら、終わり。』で、いじめられっ子で構成されているルーザーズクラブの一員エディを好演したジャック・ディラン・グレイザーが演じる。監督は、ホラー映画『ライト/オフ』や『アナベル死霊人形の誕生』で頭角を現し、長編第3作にしてDCコミック原作の『シャザム!』のメガホンを任されたデビッド・F・サンドバーグ。いよいよ話題の『シャザム!』がベールを脱ぐ!!
【ストーリー】 身寄りのない思春期ど真ん中の子供、ビリー。ある日突然、彼は魔術師からスーパーパワーをゲット!「シャザム!」それは、最強でサイコーな魔法の言葉!これを唱えれば、筋肉ムッキムキ!稲妻バッキバッキ!のスーパーヒーローに変身できるのだ!ヒーローオタクのフレディといっしょに、悪ノリ全開!止まらない!そんなスーパーパワー絶賛ムダづかい中のビリーの前に、科学者Dr.シヴァナが現れる。手に入れたスーパーパワーのために、フレディがさらわれてしまう...。ビリーはついにヒーローとして目覚める! 見た目はオトナ!中身はコドモ!アメコミ史上最年少の“ダサかわ”ヒーローが世界を救う?!史上最も笑えるヒーロー映画誕生!
【作品情報】 『シャザム!』 ■監督:デヴィッド・F・サンドバーグ ■製作:ピーター・サフラン ■出演:ザッカリー・リーヴァイ、アッシャー・エンジェル、マーク・ストロング、ジャック・ディラン・グレイザー ■原作:SHAZAM! ■配給:ワーナー・ブラザース映画
情報提供:ガイエ ©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
        4月19日(金) 全国公開
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hyouset · 2 years
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九日目
こんにちは。九日目です。あと一回で二桁です。一桁の日最後の日記、がんばります。
前回の続きを書くのがいいのか、今、思っていることを書けばいいのか、迷っています。多分、別に何を書いてもいいです。昨日書こうと思って結局書けなかったことは、カラオケに行ったことと「恋せぬふたり」というドラマの五話目を見たことです。今日の夜に六話が放送されます。楽しみです。
最終的には昨日続きも書けるかもしれませんが、とりあえず、今思っていることを書こうと思います。前にも書いたような気がしますが、今思っていることが一番ホットだからです。書きやすいからです。じゃあ書き始めます。
突然ですが、机に向かった状態で何かを考え始めることができる人は、いったいどのくらいいるのでしょうか。一度滑り出してしまえば座ったままでも考えられるような気がするのですが、糸口を掴むのは、いつだって歩いていたり、掃除していたり、何か他のことをしているときだと思います。お風呂でいいアイデアを思いつくっていうのは、よく聞きますよね。ちなみにこれは今日書こうと思っていたこととまったく関係がありません。
関係ないついでにもう一つ書きます。自分以外の人のことで悲しむこと、喜ぶことができる人は、広大な自分を持っている人なのではないかと思います。たとえば、肉親が亡くなったときに涙を流すのは、まるで自分の一部を失ったかのような感覚に陥るからじゃないでしょうか。最近「失った悲しみは、出会えた喜びだ」という言葉がずっと頭のなかにあります。尊敬する方、尊敬ってなんか違うな、敬愛かな、とにかくその方の言葉です。本気で愛せているときは、変な話、その対象ももはや自分なのだと思います。いや、あれですよ。自分の一部だから全部自分の言う通り動くべきとか、そういう話ではないですよ。あくまで、自分とその対象は、違う存在です。でも、本気で愛しているときは、その対象も自分の一部であると、錯覚してしまっているのではないかということです。物理的に自分の一部というわけではもちろんありません。使い古された言い方になりますが、自分のなかに、自分にとってのその人だったりものを作ってしまって、それを自分の一部として扱う、ということかもしれません。あ、なんか分かったような気がします。
今、僕が考えている自分というのは、そこに立っている一人の人間のことではなくて、一人の人間が持つ内面世界のことなのだと思います。何かを好きになれば、内面世界の中にうねうねっと、新しく人形みたいなものが生えてきます。こうして「自分」は拡張されていきます。
多分、絶対に揺らがない、確立された自分と、揺らぎまくりのゆらゆらした自分と、二種類あるのだと思います。なんでこんな哲学っぽいことをやっているのでしょうか。とにかく続けます。物理的に自分は一人だし、その人が見ている世界と、今、僕の隣に座っている白のロンTに黒いズボンを履いた人が見えている世界は、間違いなく違うものです。でも、なんていうか、その人の主観の中では世界は果てしなく広がっていっていて、僕が考える横の人も、僕なのだと思います。反対に、横の人が考える僕も、横の人です。僕にとっては、世界の全部が僕です。でもそれは、僕に限った話ではありません。世界中の誰にとっても、世界の全部がその人なのです。ひとりひとりが、とてつもなく広大な自己を保有しているのだと思います。そして勉強すること、外の世界について学ぶことで、その世界は少しずつ装飾されていきます。何かを学ぶということは、外から未確認生命体が去来することではなく、地面から、ニョキニョキなんとなく懐かしさを感じるけど見たことのないものが生えてくることだと思います。
今、書いてて、おれけっこうすごくない? なんかめっちゃそれっぽいこと言ってない? って思ってしまいました。多分、僕が今言ったようなことをもっと的確に唱えている人が過去にいたのだと思います。すぐに調子に乗る癖をやめたいです。いや、でも調子には乗ってもいいのかな。調子に乗っているとき、調子に乗っている自分に気付けたらそれでいいのかもしれません。
全然書くつもりのなかったことを書いてしまいました。でも頭の中が整理されたので良かったのです。この日記は、頭の中を整理するために書いているところがあります。ここに書くから整理されるのです。ノートに書くとか、スマホのメ機能に残すとかではだめです。誰かが見てくれるかもと思うから、ちょっと緊張感を持って書くことができます。ちょっと第三者目線を持って書くことができます。え、これで第三者目線持ってるつもりなん? と思われたかもしれません。そうです。これでも見られることを意識しています。実際、僕がここに書いていることは、どのくらい伝わることなんだろう。ハローハロー。そういえば、川上未映子の「ヘヴン」という小説の「コジマ」は「僕」への手紙の冒頭に「ハロハロ」と書いていました。なんか素敵です。あと、コジマと「僕」が美術館に電車で向かっていて、あと何駅かで目的の駅に着くとなったとき、コジマが「ねえ、もう少しで着いてしまうよ」と言うところがとても好きです。「着いてしまうよ」ってなんかいいです。〜してしまう、と言うと、良くないことをしているみたいな感じがしますが、このセリフはなんというか、ワクワクしすぎて着くのが怖いみたいな趣があって好きです。
書きたいなー、というか一回書くことで整理したいと思っていることがここ最近ずっとあるのですが、なかなか書き始めることができません。今日も書けなさそうです。ぴえん。
「ぴえん」がめちゃくちゃ嫌いだったのですが、一回自分で言ってから好きになってしまいました。完全に舐めているというか、あの目のうるうるの中には一歳本心が混じっていないのだろうなと思うと、もはや清々しく感じられて好きです。
突然ですが、最近、一人暮らしを始めるかどうか悩んでいます。僕は今年の春から大学四年になるので、留年しない限りは、これが最後の一年になります。残りの単位数的に、卒業は十分射程圏内です。でも、それなりに頑張らないといけないのも事実です。一年の後期学校が嫌すぎて、四単位くらいしか取れなかったツケが回ってきています。何もかも嫌になって学校に行けなくなる可能性は否めません。そして、何もかも嫌になって学校に行かなくなる可能性が高いのは、多分、一人暮らしを始めた場合です。でも、そのくらいがいいんじゃないかとも思っています。延命措置は終わりにしようぜ。
今日の日記は、これまでと雰囲気が違うような気がします。今まではそれなりに淡々と書いていたつもりだったのですが、今日はなんだか、感情、というかモヤモヤした心の一部が前に出てきています。悪くないです。こういうのも好きです。好きにやろうぜ。
多分、一人暮らしを始めると、生活習慣が良くなります。最近、バイトがある日は、8時に起きて深夜の1時に寝ています。自分を律することに成功した場合です。ダラダラしてしまうと、2時をすぎてから寝ることになります。そうなれば睡眠時間が六時間を切ります。六時間は寝たいです。完全に余談ですが、睡眠時間は偶数にしたいです。どうしてでしょう。
バイトがある日だと起きてから一時間、帰ってから寝るまでの四時間、ない日だと起きてから三時間、帰ってから寝るまで四時間、それ以外の時間を外で過ごしています。ちなみに今もスタバでこの日記を書いています。おしゃれ��すね。僕のパソコンはピンク色のマックです。このパソコンは兄が買ってきてくれたのですが「この色のパソコンでスタバで作業とかしてたらめっちゃかっこいいですよ!」と店員さんに言われたらしいです。今、僕は格好いいです。ふふ。
閑話休題、要するに、最近、僕は1日の大部分を外で過ごしています。それ自体に問題は特にありません。僕はなんだかんで、人がいるところが嫌いじゃありません。東京とか大阪の人混みは嫌ですが、そんなに混んでないスタバくらいの人口密度はけっこう好きです。多分一人暮らしを始めても、僕は外に出ると思います。問題は、実家暮らしだと、帰りたくても帰れない状態が頻発するということです。帰ってはいけない状態があるわけではありません。僕が勝手にそうしているだけです。好きなタイミングで帰ればいいです。でも、一度家に帰ると生気が吸い取られるのです。一人暮らしを始めれば、好きなタイミングで家に帰って、ちょっと休憩したり、することができます。ちょっとお腹空いたからおにぎり作りに帰ろとかできます。今だとお腹が空いてもそのへんで買うしかないので、お金がかかります。僕はくそ贅沢なので、外にいるとすぐカフェでケーキとか食べてしまいます。安くても500円、高いと千円近くかかります。
一人暮らしを始めるメリットは、好きに家に帰れるということ、それと、自分で生活を回しながら授業を受けてバイトに行くという生活がどれほど苦しいものなのかを味わうことができる、ということがあります。一人暮らしを始めたところで、そのくらい苦しくなるのかは分かりません。僕が一人暮らしを始めて生まれる環境以上に、劣悪な環境で、生活を送っている大学生はたくさんいると思います。でも少なくとも、一人暮らしを始めれば、今の暮らしよりは確実に忙しくなります。家に帰ったらご飯が用意されている。これはすごく贅沢なことなのだと思います。一人暮らしを始めれば、まずこれはなくなります。
疲れてきました。色々と書きましたが、どれも僕が一人暮らしに対して思っていることと、少しずつずれているような気がします。多分、もっと単純な話です。僕は、家族と距離を置きたいのだと思います。大学もバイト先も実家の近くなので、物理的に距離を置くことは難しいですが。
今日はここまでにします。今までで一番ばらばら書いたと思います。また明日、多分明日、よろしくお願いいたします。明日はもうちょっとまとまったことを書きたいです。
今日の日記
八時十分に起きた。昨日の夜に返したLINEの返信はなかった。当然だと思う。
お昼ご飯にカツ丼とうどんのセットを食べた。美味しかった。バイト先の方にご馳走していただきました。本当にありがとうございます。このご恩はいつか返さないといけないと思う。
バイト終わりにいちごのパフェを食べにいくか悩んだ。閉店まで一時間強くらいしかなかったので、今日は断念した。カフェに入ると二時間は居座りたくなる。常識がないのかもしれない。
アオアシの最新刊を買って読んだ。面白かった。アオアシを読むと自分にもこんな未来が訪れる可能性はなかっただろうかと考える。多分なかったと思う。サイドバックって楽しいのかな。
また次回!!
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ronpe0524 · 3 years
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ワクチン接種できるようになってきたけど、な7月(2021年7月の日記)
■2021/7/1 さぁ2021年も後半戦開始な木曜日。新たな気持ちでまた頑張っていきましょう。頑張っていきたい。頑張れればいいな。午後、学校から帰宅した娘がちょっと体調悪かったのか疲れてたのか、機嫌悪くて宿題とかやらせるのに一苦労。仕事やりながらだしどっと疲れる。夜、マリオンさんらがTwitter Space上半期映画・ドラマベストをやっていたので聴く。『インベスティゲーション』をすすめてくれた人がいたのでちょっとだけ話す。U-NEXT『爆裂都市 バースト・シティ』を見る。Netflix『全裸監督』S2E7を見る。
■2021/7/2 金曜日。いやー雨だ。コンビニに行く気もなくなる。でもヨーグルト買わないといけないので傘さしてコンビニに行ってお昼もいっしょに買ってきた。帰宅してから明日のための食パンを買い忘れたことに気づきショックを受ける。夜、娘を風呂に入れてあとは寝かせるだけだ、という段階で外からドーンドーンと音が。なんと横田基地が花火をあげている。雨なのに。マンションの通路に出て、屋根のあるところから30分間の花火を娘と見た。さすがに雨で見にくかったけど、それでもさすが花火だ。娘はとてもよろこんでいた。Amazon Prime Video『トゥモロー・ウォー』を見る。Netflix『全裸監督』S2E8を見る。これで完走。メインの役者陣はみんな良かった。とくに玉山鉄二。Apple tv+『リーシーの物語』E6を見る。
■2021/7/3 土曜日。どうやら前日の夜ぐらいに腰を痛めたらしい。前の病気の影響で僕は基本的に腰に痛みがある。毎朝、鎮痛剤を飲んでるぐらいには痛いし、もう死ぬまで走ったりする運動はできないだろう。がしかし、たまにそのレベルじゃない痛さになることがる。今がそうである。こうなると朝、昼、夜と鎮痛剤を飲んでなんとか過ごせる。早く治まってくれないだろうか。朝から娘を習い事に送る。束の間に自由時間。立川の「一福」でランチ。キノシネマ立川で『ザ・ジェントルメン』を観る。娘を迎えに行って買い物して帰宅。Netflix『バクラウ 地図から消された村』を見る。シネマコレクションbyKADOKAWA『大怪獣ガメラ』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E1を見る。
■2021/7/4 日曜日。まだまだ腰は痛い。午前中だけ時間があり映画を1本観れるチャンス。シネマシティで『ゴジラVSコング』を観る。極上爆音上映。帰りに西立川のパン屋でお昼を買って帰る。ちくわパン、うまい。午後は娘の勉強を見たり遊んだり。娘が動画を見てる間は僕も映画を見たり。合間に投票に行ったり。夜はche bunbunさんらの上半期ベスト Twitter Spaceを聴く。日本未公開映画をDigってる人たちの話は映画情報としてとても面白い。Netflix『悲哀の密林』を見る。U-NEXT『真・雀鬼』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E2を見る。STARZPLAY『ブラインドスポッティング』S1E2を見る。
■2021/7/5 月曜日。まだ腰は痛い。大丈夫だろうか。仕事もなかなか忙しい。なんとかお昼休みにスーパーで買い物。WOWOWオンデマンド『ザ・ゴールドフィンチ』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E3を見る。STARZPLAY『ブラインドスポッティング』S1E3を見る。 シネマコレクション by KADOKAWA『眠狂四郎 勝負』を見る。
■2021/7/6 火曜日。基本的に毎月第一火曜はけっこうな人数に対してミーティングで話す感じになる(オンラインですが)ので緊張する。そして発表時間に対して準備がとても大変。夜、僕モテYouTubeで予告編探偵回を見る。入江監督、名優、伯周さん、編集長でわいわいやってる感じが楽しい。Amazon Prime Video『J・バルヴィン~メデジンから来た男~』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E4を見る。
■2021/7/7 水曜日。朝からU-NEXT『16ブロック』を見る。追悼リチャード・ドナー。ここにきてRIJF中止の発表。いやー発表内容を読むとこいつはつらいな。うちの弟君も1日(ナンバーガール出る予定だった日)のチケットを取ってたはず。昼ごはんは揚げ玉豆腐だ。豆腐を200グラム食べるだけでけっこうお腹いっぱいになる揚げ玉豆腐。ヘルシーで素晴らしい。週一ぐらいで食べてる。Netflix『ロキ』E5を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E5を見る。夜、映画見てる途中で寝てしまう。無念。
■2021/7/8 木曜日。お。ここ一週間かなり痛かった腰がやや良くなっている。嬉しい。午前半休を取りイオンシネマむさし村山へ。『ブラック・ウィドウ』鑑賞。お昼は『笑乃讃』でうどんを食べる。雨の中、自転車で急いで帰宅。午後からは仕事に戻れました。Netflix『刑事グロムvs粛正の疫病ドクター』を見る。U-NEXT『ビッグ・マグナム黒岩先生』を見る。
■2021/7/9 金曜日。うーむ急ぎの仕事が多くて忙しかった。上司と月一のミーティング。どうやら9月ぐらいから段階的に出社しての仕事に戻っていき、11月から本格的なオフィスでの仕事に戻ることになりそう。夜、予定時間より遅れに遅れたけどYouTubdeで「僕モテFRIDAY’」開始。上半期の日本映画振り返りって感じで楽しい。オンライン試写で『共謀家族』を見る。
■2021/7/10 土曜日。午前中に1本映画を観れるチャンス。立川へ。キノシネマ立川で『ライトハウス』鑑賞。村山章さんのツイートを見てパンフを買おうと思っていたらなんと完売。まじかー。お昼用にマックを買って帰宅。テキサスバーガーうまい。午後は娘の勉強とかをやらせつついろいろ映画を見たり。WOWOW録画『まともじゃないのは君も一緒』を見る。U-NEXT『大列車強盗団』を見る。Disney+『ラーヤと龍の王国』を見る。夜は僕モテ読者サミット。今回も長時間の映画の駄話。意外にも上半期で大きく見逃していたのはそんななかった感じ。『ペトルーニャに祝福を』は配信とかで見れる状態になったら見ようと思う。夜中の3時半まで参加してたけどさすがに寝なきゃいけないので離脱。また年末!
■2021/7/11 日曜日。いつも通り6時に起きれた。娘と午前中から実家へ遊びに行く。娘はちょっと早い誕生日プレゼント(ルイージのレゴ)をもらい楽しそうに遊んでいた。僕は昨夜遅かったのでさすがに眠かった。両親は2回のワクチン接種が終わりちょっと安心。弟ももうすぐ2回目とのこと。僕はいつになるのだろうか。夕飯までご馳走になり帰宅。帰りに虹が見えた。どうやらBluetoothイヤホンが壊れたようだ。スマホとペアリングしてくれない。これが思って以上に影響大。すぐにAmazonにオーダしたけど到着は火曜かな。Apple tv+『リーシーの物語』E7を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E6を見る。U-NEXT『アトラクション 制圧』を見る。この映画、劇場公開時(カリコレ)に観ているんですけどほとんど内容忘れててショック。見てればもうちょい思い出してくると思ったのに。。STARZPLAY『ブラインドスポッティング』S1E4を見る。
■2021/7/12 月曜日。あーBluetoothイヤホンがないとこうも不便なのか。なんだか朝も昼も眠い。WOWOWオンデマンド『アトラクション 侵略』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E7を見る。
■2021/7/13 火曜日。まだBluetoothが届かない。不便だ。お昼にスーパーに買い物へ。あーこの時間��本来ならば30分のラジオとか聴けたじゃないか。うちの娘、先日受けた英検準2級、面接の方も見事合格。年内の試験で合格できれば、と考えてたやつが早くも受かってしまった。これで次は2級の勉強に移行(すでにはじめている)。英検2級になるとけっこう難しくて僕はぜんぜん受かる自信ないんですけど。幼稚園の頃から毎朝やってるヒアリングの勉強、週3で通ってる英会話、週1でのオンライン授業(for英検)、さら毎日やってる英検の勉強の宿題。これだけやってると小3でもここまでできるもんなんですね。夜、娘が寝てからラロッカさんとDiggin' Netflix収録。月一のことやりとりが楽しいです。Amazon Prime Video『ハピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト』を見る。
■2021/7/14 水曜日。午前半休でTOHOシネマズ立川立飛へ。『唐人街探偵 東京MISSION』完了。休暇を使わないとシネコンですら映画を観れない。ららぽーとのフードコートでお昼(うどん)を食べてから帰宅。帰宅するとついに立川市のワクチン予約のお知らせが届いていた。すぐに予約。8月中には2回目まで接種できるな。ワクチンなくならなければ。Netflix『プライムタイム』を見る。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E8を見る。
■2021/7/15 木曜日。忙しい。仕事が忙しい。郵便局とか行かなきゃなんですけど行く余裕がない。夜、藤元監督の監督ラジオを聴く。まだまだ面白い話が出てくる。ABEMAではじまった小林勇貴監督の新作ドラマ『酒癖50』E1を見る。「俺にできることはお前もできる」という思考は大嫌いで、プライベートでも仕事でもまぁまぁ遭遇する。自分もこれが出ないように気をつける。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E9を見る。
■2021/7/16 金曜日。もう7月も折り返しか。まじか。会社のいろいろサポートしてもらっている先輩が1週間休みのためいろいろ確認したいことができずまー大変。もう無理。僕もまとまった休みが取りたいが、通院やワクチン接種後のことを考えるとあまり休暇を使えない。夜はYouTube「僕モテFRIDAY」を見る。イシヤマさんとDiggin' U-NEXTを収録。次のお題作品も勢いですぐ決めてしまった。
■2021/7/17 土曜日。朝からいろいろつらい。100がんばり続けてもその後の1で失敗したら全否定されるような状況が続いていて、さすがにすべてを放り出したくなる。放り出さないけど。午前中に1本映画観れる時間があったのでキノシネマ立川へ。『プロミシング・ヤング・ウーマン』鑑賞。午後は娘に勉強やらせたり、英語の勉強につきあったり。夜、YouTubeで「9時ゆる」を見る。週末の楽しみ。Netflix『ミッチェル家とマシンの反乱』を見る。MyFrenchFilmFestival『ミスターX レオス・カラックス』と『女の子は無料』を見る。Apple tv+『リーシーの物語』E10を見る。これで完走。うーん、まぁまぁだったかな。Apple tv+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S1E10。これは満足。S2も見ます。
■2021/7/18 日曜日。今日はけっこう時間があります。午前中から上石神井へ。東京おかっぱちゃんハウスにてPodcast「Where were we!」の公開収録。生で岡部さんとナツノカモさんがPodcast収録してるところを見る。あえて積極的に告知をしていなかった(なぜだ?)けど、コアはウィスナーさん(「Where were we!」のリスナーをこう呼ぶ)は集まっていた。まるゆさんもきてた。トークの中でも云っていたけど、おそらく観客がいなかったら話さないような話が展開されていて面白かった。またやってほしいです。お昼を食べる時間が少なかったが、まるゆさんと近くの丸亀製麺まで行ってうどんを食べる。けっこう混んでて10分ぐらい並んで、10分ぐらいで食べた。おかっぱちゃんハウスに戻りナツノカモ「カモの観察会2021夏」。贅沢な時間だ。そして午前中とのギャップよ。ナツノカモ氏が年末に開催予定、と話していたある企画がとても面白そうかつ天才的アイデアでとても楽しみ。帰宅。暑い。娘と夕飯を食べる。今日は娘の誕生日なので食後に買ってあったアイスケーキを食べる。うまい。もう9歳か。いろいろ大変だと思うけど元気に育ってほしい。夜、娘が寝てからキンザザPodcastの収録にリモート参加。『ブラック・ウィドウ』と『ロキ』についてわいわい話す。『ロキ』についてはやはりうまく言語化できない部分が多い。自分でしゃべっておいて何を云ってるのかわからなくなる。誰かに説明してほしいけど、きっちり説明できる人いるのだろうか。けっこう遅くまで話したのでちょっとメールとかして寝る。
■2021/7/19 月曜日。まだ仕事が忙しいな。カモの観察会の振り込みにも行けず。申し訳ないです。スーパーにも行く時間がないから娘が寝てから遅い時間にコンビニで買い物。Netflix『フィアー・ストリート Part 1: 1994』を見る。Apple tv+『シュミガドーン!』S1E1を見る。監督がバリー・ソネンフィルド。
■2021/7/20 火曜日。午前中、昨日行けなかった振り込みに行く。早めのお昼を山田うどんで食べる。でも今日は小学校の終業式なので娘の帰宅が早い。急いで戻る。仕事の合間で娘のお昼を準備して、仕事の合間で宿題などをやらせ、仕事の合間でおやつを準備して、オンラインミーティングをしながら英会話に送り出す。いやーきびしい。明日から娘は夏休み��。去年とかどうしてたっけかな。思い出せない。夜、娘が寝てから、けんす君&なんすけ君とDiggin' Amazon Prime Video収録。終わってから近況などを話したり。あーもっと映画観たいな。STARZPLAY『ブラインドスポッティング』S1E5を見る。
■2021/7/21 水曜日。娘が今日から夏休み突入。仕事への集中力がますますなくなる。そんなの関係なくMeetingも多くて大変。合間に図書館に本を返しに行ったりもしてへとへとである。夜、U-NEXTで『聖なる犯罪者』を見る。
■2021/7/22 木曜日。おー。今日から4連休であります。まずは娘と実家へ遊びに行く。おばあちゃんに英検準2級に合格したこを報告して自慢げ。夏休みの宿題とかはやらせつつ動画とか見たいがなかなか集中できない。夕方、オンラインの英会話を娘のために繋げる。いつもは仕事中なのでチェックできていなかったけど、今日は45分ほどの授業をずっと聴いていた。本当にヒアリングに関しては僕より娘の方がはるかに上だと思う。娘は単語をまだまだ知らないけど、前後の文脈で内容を理解していってしまう。日本語の文章を聴いているのと同じ感覚なんだろう。このままうまく続けられるといいな。夕飯を食べて、寝る前には庭で花火をやって遊ぶ。夜は藤元監督の監督ラジオを聴いたりしていたら寝てしまったようだ。
■2021/7/23 金曜日。いつもよりちょっと寝坊したが午前中から娘の英語の勉強をやったり、宿題をやらせたり。Netflixで『フィアー・ストリート Part 2: 1978』を見たり。お昼は両親といっしょにスシローに行く。どんだけスシローに行くんだ。一度帰宅。娘を両親にお願いして僕は渋谷へ。イメフォで『ジャッリカットゥ 牛の怒り』鑑賞。4連休あっても観れる映画はこの1本のみ。Twitter TLでは映画の感想が続々と流れてきて正直うらやましい。僕がある程度映画館に行けるようになるには数年かかるかもしれないなぁと最近は考えている。それまで映画を好きな気持ちが続いているのか、という問題はあるけどそこはあまり心配していない。実家に戻り夕飯をご馳走になる。明日から家族で出かけるので車を借りて娘と帰宅。夜は『シュシュシュの娘』とインスタライブ、YouTube「僕モテFRIDAY」を連続で見る。久々の画伯登場、嬉しい。Apple TV+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S2E1を見る。
■2021/7/24 土曜日。午前中から家族で出かける。目的地は千葉の市原。五輪期間ということで1000円高い首都高を突破しアクアラインを使って海ほたるでお昼ごはん。車線規制とか心配だったけど、ここまで一切の渋滞なしで快適だった。市原ぞうの国へ。ちょうどぞうさんのショーがはじまるタイミングで到着。動物好きの娘は大変楽しかったようだ。ショーのあとはぞうに餌やりもできる。他の動物にも餌やりができて楽しい。猫とふれあえる部屋(+300円)でのんびりしていたら居眠りしてしまった。時間がきたので宿へ。サユリワールド(市原ぞうの国と経営は同じなのだろう)という動物園併設のグラピング施設。僕らが泊まるところはツリーハウス風の部屋で、梯子のような階段をのぼらないと部屋に行けない。足の悪い人とか小さな子供はムリだろう。秘密基地のような構造に娘のテンションは上がる。夜ごはんはおなじみのBBQ。食材とかは全部用意されているので僕らは焼いて食べるだけ。各宿泊施設も離れているし、シャワールームも個別。いわゆるグランピングというやつですけど、コロナ禍のレジャーに最適。去年は横須賀のグランピングに行ったけどそちらも良かった。BBQでおなかいっぱいになり、シャワーを浴びて、英語の宿題なども終わったのでベッドでごろごろする。娘も疲れたようですぐに寝て、僕はYouTubeで「9時ゆる」を見てから寝る。春本監督のオススメ映画回で、紹介された映画をメモメモ。
■2021/7/25 日曜日。いつもと同じ時間に起床。娘とトイレに行き(ツリーハウスにはトイレがついていない)、毎朝やっている英会話の動画を見る。娘が「外でやろう」と。ツリーハウスの外にはゆらゆら揺れる椅子が2つ置かれていてので、そこにノートPCを持ってきてやってみた。なかなか楽しい。朝食はなんとサユリワールドのきりんと一緒に。キリンがいるとこのすぐ横で朝食を食べることができ、食後はキリンにおやつ(バナナとにんじん)をあげることができる。あそこまで近くできりんを見たのははじめてだったし、キリンに手をなめられたのもはじめて。貴重な経験だ。おやつを追加購入、園内の他の動物にもおやつをあげることができる。園内の柵の外にカピバラや鹿、ラクダなどが歩いている動物園なのだが、まだ開園前の時間のため、見てまわっているのはグランピングの客のみ。しかもこの園、動物の入っている柵の中にも扉を開けて入っていけてしまう。動物園の人に「お子さんにはおやつのバケツを持たせないようにしてください」と云っていた意味がすぐわかった。背の低い子供だとバケツごと奪われしまいそうである。ワオキツネザルの圧が強くて「バナナをくれー」という感じで近寄ってくる。てゆーかワオキツネザルに2回も背中に乗られた。もちろん着ていたTシャツは泥だらけ。すぐに着替えることになった。いやー楽しい経験でありました。10時にチェックアウトして、帰りはまっすぐ帰る。海ほたるに寄ったけどトイレとお土産購入のみ。そのあとは石川PAまですいすい。石川でお昼を食べて帰宅。実家に車を返しに行こうと思ったら娘も行くと云う。というわけで車を返しがてら両親にお土産を渡す。僕は1時間ほど横になって寝てしまった。夕飯前には帰宅。母が持たせてくれて炒飯を食べる。疲れたので娘と同じタイミングで寝てしまった。4連休、映画はほとんど観れなかったけど、娘は楽しめただろう。
■2021/7/26 月曜日。ちょっと疲れは残っているけどたっぷり寝たので気持ちいい。TwitterのTLをさかのぼり、杉田監督の『春原さんのうた』がマルセイユ国際映画祭のインターナショナル・コンペ部門にてグランプリを含む3冠とのこと。めでたい!ここ数日、杉田監督が更新していたTumblrの映画祭滞在記を読んでいて本当に楽しかったし、良い時間を過ごしているのだろうと思っていたけど、最高の結果までついてきてなんだかこちらまで嬉しくなってしまう。『春原さんのうた』、公開は来年だけどとても楽しみ。年内の日本の映画祭でも観れる機会などあるだろうか。仕事のメールをチェックしたが、4日休んでたわりにはあまりメールがたまっていない。ホッとする。月曜日はMeetingが多い。夜、WOWOWオンデマンドで『名もなき生涯』を見る。面白かったけど前日の疲れがまだあるのか数回寝てしまう。寝ては戻ってを繰り返して見たのですごい時間かかってしまった。ただでさえ尺が長い映画なのに。
■2021/7/27 火曜日。朝時間があったのでNetflix『フィアー・ストリート Part 3: 1666』を見る。午前中働き終わり、昼ご飯を食べてる時点で午後、娘の病院にいっしょに行く予定だと云われる。メモでは自分は行かないことになっていたのだけどそれを云ってもしょうがない急いで午後半休の準備。それほど忙しくない日で良かった。病院に行くまで1時間ほど時間ができたのでBSスカパー!で録画しておいた『LUGINSKY』を見る。今度行く予定の監督のトーク付き上映も楽しみだ。娘の病院へ行き、娘とスーパーで買い物をして帰宅。ちょっとだけ仕事のメールをチェックしたがすっごい急ぎのものはなさそうなので見なかったことにする。夜、WOWOWオンデマンドで『暗数殺人』を見る。キム・ユンソク、素晴らしいですね。録画したTVドラマとかも見たかったけど娘のベッドで横になったらそのまま寝てしまった。
■2021/7/28 水曜日。娘がいつもの時間に起きず朝から不機嫌。最近寝る時間を22時にしたのだけど、21時の方が良かったんじゃないだろうか。不機嫌でも英語やら宿題をやらせないといけない。在宅仕事をしながら。自分もオフィス勤務復帰が近づいてきているのだけど、いろいろ大丈夫だろうか。いろいろ不安である。夜は藤元監督の対談配信を見たり。U-NEXT『アンダードッグ 前編』を見たり。
■2021/7/29 木曜日。翌日に休暇をもらうこともあり凄まじく忙しい。定時でも仕事終わらず。子供の夕飯準備したりしつつまだ仕事。MCTOS『プライムタイム』回に参加。ヒラツカさんの考察にうなる。いやー参加して良かった。夜遅くにメール立ち上げてまだ仕事。在宅だとこういうのができちゃう。できてしまう。U-NEXT『ドゥーム・パトロール』S1E1を見る。
■2021/7/30 金曜日。早朝にメールを立ち上げてまだ仕事。海外から返信を待っていたやつとかあってバタバタ。でも仕事を休ませてもらって立川駅近くの病院へ。ついにワクチンの1回目を接種。ファイザー。サクッと終わった。帰りにマクドナルドでコーヒー飲みながらABEMA『酒癖50』だけ見る。帰宅。まぁ1回目は大丈夫だろうけど、副反応を心配して義母が一泊泊まりに来てくれた。娘はおばあちゃんが来て嬉しそう。そうめんをお昼に食べる。まぁ休暇なんですけど仕事のメールをいくつか返してしまう。いかんいかん。休もう。たしかに午後になるとワクチンを打った左腕が痛くなってきた。でも腕が上がらないということはない。夜、YouTubeで「僕モテFRIDAY」。伯周さんとかめりさ、毎週配信はけっこう大変だろうと思うけど正直面白い。コメント欄で読者さんけっこう集まっているのも楽しいし、画伯の話も面白い。STARZPLAY『ブラインドスポッティング』S1E6を見る。Apple TV+『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』S2E2を見る。
■2021/7/31 土曜日。朝一で検温したけど発熱はなし。腕が痛いだけです。娘の習い事には義母が送ってくれるとのこと。ありがたい。自宅でゆっくりできたので午前中からU-NEXT『アンダードック 後編』を見る。コンビニに行ったり、お昼ご飯食べながらゲームの「返校」をすすめたり。3章がまぁまぁ複雑だったんですけど。なんか体調はぜんぜん大丈夫なのでMOVIX昭島へ。ちょっと観るをあきらめていて『竜とそばかすの姫』を鑑賞。僕はそんなにこの映画がうまくいってるとは思わないのですが、描こうとしているもの、題材は面白い。ネット空間、とかバーチャル、ではなくてはっきりとソーシャル・メディアの長短を描いている(描こうとしている)と思う。自分のTwitter TLのことを考える。あたりまえだけど自分がフォローしている人のツイートや、RTが流れているわけですが、このひとはなんでこんなことをツイートしているのだろう、なんでこんなに攻撃的なのだろう、こんなに怒っていてそれをツイートして何になるんだろう、という人がいる。たぶんそれが「正義」のようなものだと思っているのかもしれない。そういう人を理解できないし、理解する必要もないし、そんな余裕もない、と思っていたんですけど、なんかそういうソーシャル・メディアでの顔はやはりその人の一面であり、その人のそのスタンスにはなにか事情があるんだろうな、という想像をちょっとしてみようかな、という気持ちになった。そんなことをぼんやり思いながら帰宅。帰宅してまだ時間があったから、Diggin' Amazon Prime Videoの『J・バルヴィン~メデジンから来た男~』を編集して配信する。ここで話していたこともちょっと繋がる。夜、YouTubeで「9時ゆる」を見る。藤元監督、ポレポレでの3ヵ月ロングランお疲れさまでした。次は春本監督の『由宇子の天秤』っすねー。楽しみだし応援したい。ゲーム「返校 Detention」を短期集中プレイでクリア。なるほどなるほど。映画版も楽しみです。さて夏ドラマも出揃った感があるし、この前の僕モテ読者関西サミットでchihhieさんが「日本のドラマのことはツイートとか日記に書かないんですか?」って云われたことがちょっと気になったので、今期何を見てるかぐらいをここに書いておこう。空前の面白さと本数であった春ドラマに対し、夏ドラマはまぁ落ち着いているかな、と思っていたけどそんなことはないですね。夏ドラマも面白い。まずはこの日記でも何度か書いているけどABEMAの『酒癖50』。小林勇貴監督の新作ということで見てみたけど圧倒的に面白い。容赦ない。脚本は鈴木おさむ。実はある理由で鈴木おさむは好きではないのですがちょっと見直しました。地上波では安定の『孤独のグルメ』。がっつりコロナ禍を描く方向できたのは良いと思う。『ただ離婚してないだけ』、中村ゆり好きなんですよね。1話目から安里麻里監督の演出が圧倒的。話より演出の凄さ。入江組の助監督でもおなじみの角田恭弥監督演出回もあります。『初情事まであと1時間』、これはもう監督陣。橋口亮輔、三浦大輔、大九明子、谷口恒平ですからね。『お耳に合いましたら』、Podcast×チェンメシという題材も面白いけど、『サマーフィルムにのって』の監督・主演コンビ作品なのでもちろん見てます。『緊急取調室』は録画してるけどまだ1話も見ていないどうしよう。さらにWOWOWだと『男コピーライター、育休をとる。』、夏ドラマのヨーロッパ企画案件。山口淳太が演出、そして脚本は細川徹。あと『ひとりで飲めるもん!』、大政絢好きなんですよね。主に顔が。ドラマ前半のお仕事部分は面白くないんですけど、ドラマ後半のチェンメシひとり打上げ部分が最高なんですよね。大政絢がビール飲みながら「てんや」で天丼食べてるとこ見てるだけで最高。そう、実はこっちの方がチェンメシドラマとしては『お耳に合いましたら』より先行しているのです。こんな感じの国内ドラマを今期は見ています。あと古畑の再放送をついうっかり録画して見てしまっています。そんな感じで7月も終わり。
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架空のマドンナ、ついにビジュアル化
マドンナ【Madonna】
-古イタリア語 "ma donna"(「我が淑女」の意) -彫刻・絵画における聖母マリア像 -憧れの対象とされる女性 -主演女優、ヒロインのことを指すこともある
 皆さんの周りにマドンナはいますか?
 もしくは実在しなくても、あなたの心の中のマドンナはいるのではないでしょうか。
 我々には、います。
 他でもない、高千穂さゆりと佐伯琴葉です。
架空のマドンナキャラクターを創り出そう。
 前回のこちらの記事からおよそ四ヶ月たってしまったが、今回、メンバーであるさっちゃんが我々の奇談から高千穂さゆりと佐伯琴葉のビジュアルをイラスト化してくれたということで、急遽hogeはヨダレを垂らしながら集結することになった。
 設定のみでこれ以上ない位にはしゃいでいた我々だったが、ビジュアル化されることで彼女たちの更なる人間性が垣間見えるのではないだろうか。
 そろそろ読んでいただいてる皆さんにも高千穂派か佐伯派かも聞きたい。ぜひ記事を読んだ方は教えてね。
〜今回の参加メンバー〜
・ミワチヒロ(以下ミワ) 好きな朝マックはソーセージエッグマフィン
・コニシムツキ(以下コニシ)  好きな朝マックはベーコンエッグマックサンド
・さっちゃん(以下さっ) 好きな朝マックはソーセージマフィン
・けいてぃー(以下けいてぃ) 好きな朝マックは黙ってホットコーヒー、一杯
・福岡想(以下想) 好きな朝マックはステゴサウルス
以上のご機嫌なメンバーで行います。
それでは参りましょう。
コニシ:さて、前回と言っても少し懐かしいくらいの時間が経ってしまいましたが…架空の最強マドンナ、みんなで創りましたね。
けいてぃ:作りましたね。
コニシ:名前から部活、家族構成、ペットの名前や学校の成績まで決めたわけですが、みんなちゃんと覚えてますか?
けいてぃ:ぼんやり。
コニシ:無理もないですね。大分時間が経っていますから。     ではおさらいしておきましょうか。
___________________________________________________
【高千穂 さゆり (たかちほ さゆり)】
家族 ・弟 ・おばあちゃん ・母親 ・でっかい犬(コタロー)
部活 ・二年生 ・帰宅部(一年の夏まで水泳)  →好成績だったが両親の離婚でバイトのため退部
髪型 ・部活止めるまでショート、部活辞めてからロング ・水泳部だった影響で少し茶髪気味
通学 ・チャリ
体格 ・161cm ・姿勢いい ・一般的な体格
好きな食べ物 ・白米 ・天津飯(バイト先の賄い)
得意料理 ・バイト先レシピのチャーハン
好きなアーティスト ・ジュディマリ(そばかす/オーバードライブ)
私服 ・ホットパンツ ・キャップ ・Tシャツ重ね着
休日 ・早寝早起き ・バイト
将来の夢 ・わかんない
成績 ・努力して上位 ・運動得意で部活勧誘が絶えない
___________________________________________________
【佐伯 琴葉 (さえき ことは)】
家族 ・両親忙しい ・一人っこ ・文鳥(ぶんさん)
部活 ・三年生 ・弓道部(真剣に取り組み好成績)
髪型 ・部活始めたてはロング、部活始めてショート(邪魔だから切った) ・黒髪
通学 ・バス
体格 ・細身 ・姿勢いい ・165cm
好きな食べ物 ・グミ(果汁グミぶどう)
得意料理 ・特になし(全部できる)
好きなアーティスト ・ジュディマリ(クラシック)
私服 ・ロングスカート ・ワンピース ・モノクロトーン
休日 ・夜更かししゲーム ・午前寝てる
将来の夢 ・特になし
成績 ・上の下位。あまり勉強はしない ・運動は個人競技は得意
___________________________________________________
コニシ:こんな感じですね。
ミワ:そうだった、そうだった。
コニシ:彼女たちが生まれる時はさっちゃんは現場にいなかったですけど、実際に情報をみたり描いたりしてみて「私はどっち推し」みたいなのってあります?
さっ:私は結構迷っていますね。    やはり私は彼女たちと同性なので、どういう立ち位置での目線で見ればいいのか難しかったです。    友達としてなのか、恋愛対象としてなのか…でも、あくまで”マドンナ“という話だったので、少し距離があるような、そんな感覚で書かせていただきました。
コニシ:すごくしっかりしている。
想:仕事できる子やね。
コニシ:前回野郎共で話していた時は、高千穂派にけいてぃー、ミワがいて、佐伯派に想、顕吉、コニシがいる感じで割れていましたね。     ちなみにお二人は今もなお、高千穂派で変わりないですか?
けいてぃ:そうですね。声を大にして答えられます。
ミワ:そうですね。一緒に過ごす時間が長くなればなるほど……積もっていくものがありますね……
コニシ:一緒に過ごしてたんですか…???
ミワ:一緒にいろんな景色を見たいなって思っています。
けいてぃ:思いの丈の差を見せつけられて僕はいま戸惑っています。
コニシ:確かに高千穂さゆりは雪降った日とか、すっごいはしゃぎそうよね。
ミワ:雪とか食べちゃうのよね……(笑)
けいてぃ:この人ほんまに過ごしてたんちゃうの
さっ:ではそんなさゆりのビジュアルの方発表させていただいてよろしいでしょうか。
【高千穂さゆりのビジュアル公開】
さっ:こちらです。
Tumblr media
ミワ:うわ、うわうわ、うわ!!!!
コニシ:ハイハイハイハイハイ!!!!!!!!
想:やば!!!
けいてぃ:……いいですねぇ……!!!!!
コニシ:今回の記事、だいぶ僕ら気持ち悪くなっちゃう可能性あるな。
さっ:まだ設定画のような感じですが、これをみてもらって「こういうカットが欲しい」とかを聞いてそれを書き上げたいなと思っています。
けいてぃ:そんなことまでしていただけるんですか?
想:お金払った方がいいんじゃないか?
コニシ:みんなすごいテンション上がっちゃってますけど、ゆっくり見ていきましょうか。     まずは高千穂さゆりの方ですね。これバイト姿描いてくれたの僕すっごい嬉しいです。かわい〜
さっ:そこは絶対描きたかったんですよ。中華料理屋でバイトしてるところね。
けいてぃ:靴下の長さまでディティールが凝ってるな。
さっ:そうですね。アバズレが履いてるようなくるぶし丈でもなく、陰キャが履いてる膝丈でもなく、ふくらはぎの真ん中くらいの長さです。
コニシ:靴下丈の説明だけでこんなに人を傷つけることってできるんだ。
さっ:でもその丈の靴下って下手すると脚が太く見えちゃうんですよ。だけどこの丈が履けるってことは、さゆりはちゃんと脚がすらっとしてるってことなんです。
コニシ:この「プリクラで損する美人」っていうのも少しわかる気がするな。
さっ:実物の方が可愛いんですよね。
けいてぃ:あ〜おるおる。変に加工されちゃってる感じになる子ね。
コニシ:さゆりがマフラー巻いてるところ見たいな〜〜〜
さっ:任せてくださいよ。そういうのドンドン言ってってください。
コニシ:高千穂さゆり派一筋だったミワくんは?
ミワ:……そうだな………これは………
コニシ:ミワくん、くらいすぎじゃない?????
ミワ:……いろんな思い出が……こう、いま……
さっ:やっぱ過ごしてるなこの人。
コニシ:居ないんですけどね。
さっ:そんなんいうたらあかん!!!
けいてぃ:これからさっちゃんが描いてくれるわけやから現実になるよ。
ミワ:…………二人で回転寿司に行ったんだけど……楽しかったな……    ……30皿くらい食べてたな……
コニシ:ちょっと心配になってきちゃった。
さっ:さゆり、サーモンばっか食ってそうだな〜!
想:いや、さゆりは好き嫌いそんななさそうだよ。
コニシ:でもワサビ苦手くらいの好き嫌いはあって欲しい気もするな。     間違えてワサビ抜いてない寿司がきちゃって、無言でこっちに押し付けてくるみたいな……
ミワ:ああ〜〜〜〜
さっ:でもそれ、だいぶ仲良くなってからのイベントじゃないですか?
コニシ:そっか〜〜〜〜〜〜〜…………
さっ:きっと、最初は見栄はって我慢して食べてるのに気づいて、そこでワサビ苦手だって知るわけですよ。    お姉ちゃんだしマドンナだし、きっとそういう弱みを見せるのになれてないんですよね、彼女は。そこでワサビ我慢して食べてることに気づいてくれたっていうことから、初めてさゆりと対等な目線で話せるようになるんですよきっと。
コニシ:なるほどな〜〜!!!
ミワ:頭付きのエビが注文レールを流れていくのを、ずっと見てそう。
想:それは何??
コニシ:ちょっと視力が悪くて目を凝らすと睨んでるみたいになっちゃうんじゃない?
さっ:ちょっと目つき悪いですからね、さゆりは。
けいてぃ:寿司屋の湯飲みとかは両手で持ちそうですよね。
想:ちょっとあざとくない?
けいてぃ:いや、さゆりのはきっと「こいつやってんな」っていう感じはしないのよ。自然な感じ。
ミワ:…………さゆりってさ………
コニシ:わ、びっくりした
ミワ:さゆりってさ……バイト先に黙って急に行ったら……どんな表情するんだろう……?
コニシ:(爆笑)
けいてぃ:それは僕も思いましたよ。
さっ:一瞬びっくりしながらも、ちゃんとバイト先やし「いらっしゃいませ」って言ってくれるの見たいね。
けいてぃ:やっぱ同級生に見られるの恥ずかしいだろうからね、ちょっと無愛想気味になりながらも、春巻きとかを黙ってサービスでつけてくれたりするんやろうね。
コニシ:「あれ、これ、注文してないけど……」
けいてぃ:「……うちからのサービスです」
コニシ:う〜れし〜〜〜〜〜〜〜
ミワ:水とか持ってくる時に、「はい、100万円」って言ってくる
コニシ:ミワくん勝手に一人でさゆりと無茶苦茶仲良くなってない????
けいてぃ:見たいシーンで言うと、このバイト着に着替えてるところみたいですね。エプロンしてるところ。
さっ:じゃあベタですけど髪結んでるところ描きましょうか。
けいてぃ:あ〜〜〜みたいですね〜〜〜〜
コニシ:俺、あれだな。さゆりがバイトしてるとは知らずにそのお店行って、「あれ、高千穂いる…?」くらいの感じ。向こうも「あ、来たんだ」くらいの感じ。     そんでカウンター席の向こうの常連が店長と一緒に「さゆりちゃんは彼氏とかおらんのか!」「こいつ居ないんですよ〜!」みたいなオジさんの会話をしているのを聞いて、俺は「あ、彼氏は、いないんだな…」って思いながら一人でチャーハン食べてたい。
けいてぃ:わかる。そっちに気を取られすぎて全然レンゲでチャーハン掬えてないよねきっと。
ミワ:いいですねぇ……
想:あの……甲子園に行ったんですよ。
さっ:え?
想:ここの学校。さゆりたちが通ってる。
コニシ:びっくりした。想さんまで無い記憶を語り始めた。
想:もともと運動部は強い学校だけど、野球部が甲子園までいくのは久しぶりで、さゆりも友達とかと一緒に応援しにいくわけですよ。さゆりは応援とか張り切ってするからちょっと目立ったのか、テレビ中継の時とかで可愛いのも合間ってカメラに抜かれるっていう。
けいてぃ:ネット上で一瞬盛り上がるやるね。スレが一本湧く程度のやつ。
コニシ:今回のこの企画楽しいなぁ……
けいてぃ:さゆりはこの「目つき悪くなっちゃう」って設定でワンシーンみたいですね。例えばバイト先のビラ配りしてるところとか。
コニシ:一年生の時の水泳部時代もチラッとだけでいいから見れたら嬉しいな……
ミワ:たしかに…!    朝に寝癖がついてるところとかも見たいね。
コニシ:あとペットの犬と絡んでるところとかね。     きっと遅刻しかけてても玄関で犬撫でてから家出そうだね。
さっ:バタバタバター!って準備して靴履いて、家出る直前に「行ってくるね〜!」って犬のコタローの頭わしわししてあげるんでしょうね。
ミワ:かわい〜
コニシ:これコタローが一番幸せだな。バイト先で春巻きサービスしてもらうことよりも幸せだろ。
ミワ:コタローになりたい。
コニシ:きっとコタローがおったから、親が離婚したりとか色々した時もなんとか元気にいられたのかもしれないね……
さっ:そうですね……きっと弟にも弱音っていうのは吐きづらいでしょうしね……
ミワ:お母さんも弱ってたしね……
さっ:……今日さゆりの回でしたっけ?
コニシ:しまった。佐伯さんの方にもいきましょうか。
【佐伯琴葉のビジュアル公開】
さっ:では佐伯さんのビジュアルはこちらです。
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ミワ:うわ、いいなぁ…
さっ:さゆりの方は手が届きそうで届かないって感じのマドンナですけど、佐伯さんの方は声をかけることも難しいようなマドンナ像ですかね。
けいてぃ:これは声かけるの難しいなぁ。本とか読んでたら邪魔できなさそう。
コニシ:これさ、クールな佐伯さんが吊り目で、気さくなさゆりが垂れ目とかにしそうなところを逆にしてきてるっていうのが憎いよね。
想:確かに。そう思うと髪型もセオリーの逆だもんね。元気で気さくなさゆりがロングで、クールな佐伯さんがショートっていう。
さっ:ゲームで仲良くなりたいですね。
コニシ:普段全然喋らないのに、FPSでのボイチャではすっごいテキパキとチームメイトに指示とか出してくれそう。
ミワ:「クリア」って報告してほしい。
想:頼もしいな佐伯さん。
さっ:きっとスナイパーライフルとか持って、後ろにいる味方にボソッと「遮蔽塞いで」って指示出しそう。
想:アイテム分けてもらったらエモートとかじゃなくて、ちゃんとボイチャでありがとう言ってくれそう。
さっ:マッチングしたらちゃんと「よろしくお願いします」って言いそうな感じもありますね。
けいてぃ:その辺はやっぱり弓道部で礼儀を学んでるからね。
コニシ:だからスナイパーライフルうまいのか。
さっ:でもこれ、さゆりの時は結構シチュエーションがポンポン出てきましたけど、佐伯さんの場合はミステリアスな魅力っていうこともあって、どんな会話できるかとかあんまり想像つかないですよね。
コニシ:たしかに…ちょっと難しいな…
ミワ:わ……これ、弓道部姿の左腕、やば。    なんか見ちゃいけないところ見てしまってる気がする。
コニシ:これ部活の最中もいいけど、大会帰りとかに弓を布の袋にしまったやつを担いで電車乗ってる姿とかも見てみたいよね。
ミワ:うわ、見たいな。
けいてぃ:なんなら疲れてちょっと寝ちゃったりしてるのね。
ミワ:うっわ、いいなぁ〜
コニシ:試合前は一人でイヤホンつけて集中してそうだね。
けいてぃ:そこであれが生きてくるんですね。
想:ジュディマリね。
コニシ:それぞれが音楽を聞いている姿をシチュエーション込みでみてみたい気もするな。
さっ:その話をするなら、さゆりはiPhoneの純正イヤホンですけど、佐伯さんはちょっといかついヘッドホンで聞いてそうですよね。部屋ではゲーミング用でしょうし。
想:マイクついてるやつね。
さっ:「それでジュディマリ聞いてんの?!」みたいな感じでね。
想:さゆりの水泳部時代を描くなら、佐伯さんのロングヘア時代もみてみたいね。
さっ:髪色について、佐伯さんは黒髪ですけど、さゆりは髪質柔らかい人の栗色みたいなのいいかなと思ってます。
コニシ:あーいいですね。
さっ:色素の薄い、ほくろが目立つような肌でしょうし。
コニシ:ほくろね!
さっ:肌の色で言うなら二人とも色白でしょうけど、さゆりはイエベで佐伯さんはブルベの白さですよね。
コニシ:確かにね。     一個お願いなんですけど、佐伯さんの目元にほくろ付けてもらっていいですか……?
さっ:あ、佐伯さんはね、目元につけるか口元につけるか迷ってて描いてないんですけど、どっちがいいですか?
けいてぃ:口元もいいですね。セクシーぼくろね。
コニシ:うわ〜、口元もいいなぁ。
ミワ:…う〜ん、僕は口元派ですね。
さっ:よし、口元にしましょう。
コニシ:あ、あとペットの文鳥に餌あげてる佐伯さんもみたいな……
さっ:はい喜んで。    あ、一つ気持ち悪いこと言っていいですか。
コニシ:今日はみんな全体的に気持ち悪いんで大丈夫ですよ。
さっ:佐伯さん、弓道で弓引いてる時の手とかから、指の間にあるほくろとか見つけたいですよね。
ミワ:うわ〜〜〜!
さっ:さゆりは膝の裏とかにほくろ付けましょう。
けいてぃ:膝裏ぼくろね!
ミワ:…………すげぇな……
コニシ:すげぇなって何だよ。
さっ:この企画楽しいからバレンタインまで続けません?
コニシ:これ俺たちがわいわい騒いで描いて欲しい絵描いてもらってるだけになっちゃうけど、いいんですか???
さっ:シーズンごとに行きましょうよ。    少しずつ話を進めて最終的に彼女らとセックスするところまでこじつけましょう。
コニシ:そんな我が子を風俗に出すような真似やめなさい。
ミワ:でもそれぞれの卒業式はみたいな……
さっ:佐伯さん卒業後とか、進学先のミスコンとか出てそう。
けいてぃ:それちょっと辛いな……
コニシ:それ頑張って同じ大学目指しちゃうよな。
ミワ:あ、佐伯さん、ブンさん(ペットの文鳥)の写真をあげるためだけのツイッターアカウントがありそう。
想:生活感ないやつね。何ならアカウント名も「ブンさん」としてやってる。
コニシ:インスタも全然更新しないけど、たまにFPSゲームの戦績をストーリーにあげてそう。
ミワ:フォローしちゃうな。
さっ:佐伯さんは大学行った後ちょっと変わっちゃうかもしれないですけど、さゆりは大学行ってもそのまんまでしょうね。
コニシ:さゆりはね、変わんないよ。
ミワ:うん、うん。
想:結果さゆりも佐伯さんと同じ大学に行って、佐伯さんの下宿にご飯作りに行ったりとかね。
コニシ:ああ〜、卒業直前に二人はきっとジュディマリの繋がりを知るんでしょうね。     さゆりも「私もっと早く佐伯先輩と話してればよかった〜」みたいな。
想:これ、百合路線もいけますね。
コニシ:それはそれで全然良いな……
さっ:ええ〜!!!それは辛いよ!さゆりとデートしたいよ!
想:ごめんなさい。今のは編集が作品を殺す瞬間でした。撤回します。
コニシ:すみませんでした。     佐伯さんはのちにPCとか自分で組んだりとかしてそうだな。
想:ゲーミングPCね、ギラギラ光ってるやつ。
【二人のビジュアルを見て】
さっ:さゆりも佐伯さんもビジュアル見ていただきましたけど、これを見た上でどっち派かに移り変わりは皆さんあったりしますか?
コニシ:佐伯さん派とは言っていたけど……正直このさゆりのバイト姿見てだいぶ心惹かれてるな……
ミワ:どっちも大好きになっちゃった。
コニシ:そうなんよね……
さっ:じゃあ今の時点でさゆり派の人は?
けいてぃ:はーい!
コニシ:ちょっとさゆり派になってしまったかもなぁ…
さっ:お、鞍替えですか。    じゃあ佐伯さん派は?
想:悩むなぁ……
ミワ:悩みますね、これは。佐伯さんほくろ付くし。
想:でも佐伯さんのゲーマーとしてのバックボーンが解像度上がったし、そういう面も好きかな。
コニシ:そう考えると想さんは結構ゲームする人だし、hogeのメンバーの中だったら一番佐伯さんと仲良くなりそうな感じしますね。
想:やめてよ、もう〜〜〜〜!!!緊張する〜〜〜!!!
コニシ:佐伯さんFPSは強いけど、マリオとかはむっちゃ下手なんだろうな。
けいてぃ:逆にね。
ミワ:格ゲーとかは齧ってるくらいかな。
想:まあ一通りやってはいるけど、最終的に落ち着くのはFPSなんだろうね。弓道やってるからエイムも上手いし。
ミワ:「勇者ああああ」とか見てるのかな……
コニシ:ゲームでボコボコに負けて、ちょっと不機嫌になってる佐伯さんも見たいな。
ミワ:これはどっちかとか決められないよ……
コニシ:これは架空マドンナシリーズ第三弾のカット絵が楽しみですね。
さっ:お任せください。    私はこういうことがずっとしたかったんだよ…!
コニシ:助かってます、本当。
想:やっぱり僕らさっちゃんにお金払った方が良いだろ。
___________________________________________________
 さて、さっちゃんのイラストによってさらにディティールが見えてきたマドンナたち。
 皆さんはどっち推しでしょうか。決められなくても、彼女たちのどんな姿が見たいでしょうか。
 Twitterの投票機能で皆さんがどっち推しかのアンケートなど取ってみようかと思っておりますので、ぜひ皆さんも考えてみてください。こんなカットがみたいなどもリプライでぜひ送ってください。
 次回、架空マドンナたちのシチュエーションカット。
…………
……………………
さっ:参考までに、こんな感じでカラーの絵の作業進んでます。
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コニシ:オイオイオイオイオイ!
ミワ:やっっば
さっ:これは一年生の夏の「あれ?きみって同じクラスの…」のシーンです。    詳しくは次回ですね。
コニシ:次、みんなしんじゃうんじゃないか……?
 
 次の架空マドンナ回をお楽しみに。
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cosmicc-blues · 4 years
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3月〜5月の映画
3月〜5月の映活(映画活動)は店舗のコロナ自粛で仕入れがあまりできず、結果としてコスミック出版の10枚組ソフトを掘り下げる好機になった。特に印象に残ったもののみを挙げてゆく。なかにはフィルマークスで一人目の観たチェックを踏んだ映画なんかもあり、一桁、二桁なんかはザラで、でも、だからといって、つまらないわけではなく、全部とっても面白かったからこそ紹介しておきたい。コスミック出版は宝の山ですぞ。
※○は素晴らしかった映画。☆はとくに素晴らしかった映画。cマークはコスミック出版の10枚組ソフト。
☆cサム・ウッド『マルクス兄弟 オペラの夜』マルクス兄弟は主役ではなく、あくまでも脇役に徹していて、いわば日本列島を縦断する台風(その名はキューピット)のように男女を結びつけてしまう。チコ・マルクスの一本指ピアノに、ハーポ・マルクスのハープ演奏、ほんとうに愛おしい。とくに狭い船室に何十人ものひとが収まってしまうショットが大好き。笑って、笑って、愛おしい。
○cジョージ・マーシャル『砂塵』今回の大手柄のひとつにジョージ・マーシャルという映画監督の発見がある。同じJの付く同時代の監督としてジョン・フォードやジャック・ターナーにも迫るものがある。本作は銃を持たない保安官(ジェームズ・スチュアート)が主役のコメディチックな西部劇で、でも、主役が銃を持たないんじゃあ、誰が暴れたらいいんだってわけで、町の女たちが酒場で殴り合い、掴み合い、髪の毛の引っ張り合い、メチャクチャに乱闘しまくります。
○cウィリアム・A・サイター『西部を駆ける恋』ウィリアム・A・サイターの発見も大手柄ですね。アステアと組んでミュージカルなんかも撮っています。なんだかよくわからないけど、都会のお嬢さんが観光バスに乗って西部を目指します。そこでロデオをみていたらジョン・ウェインが膝の上に降ってくる。はい、もちろんそれがきっかけで恋に落ちます。
☆モンテ・ヘルマン『コックファイター』闘鶏おじさんが闘鶏に勝つまでいっさい口をきかないという凄まじい映画。まずはとにかくパッケージの裏面をみてほしい。
☆増村保造『青空娘』青空のように明るく生きるわ! すべて映画というものを根底で支えているある種の健気さがこの映画の画面には澄み渡るまでに冴え切っている。
○小津安二郎『一人息子』まだ観ていない小津の映画があるというだけで人生には明らかに生きる意味がある。
○cジャック・ベッケル『赤い手のグッピー』異様なまでの肉感、手触り感、なんかめちゃくちゃ変な映画、気持ち悪い映画、でも、頗るおもしろい。画面も素晴らしいです。
○cジョージ・マーシャル『殴り込み一家』もうタイトルだけで面白そうな西部劇。やっぱりちょっとコメディチック。ダルトン一家の一味になんとなく加わってしまった脇役の近所の太った友達がスットコドッコイな活躍を繰り返す。あと、一家のおばあちゃんもいい味出してます。ジョージ・マーシャル、やっぱり気合い入っています!
☆cジョン・フォード『駅馬車』脂肪のかたまりを読んだから再観。たぶん、もう10回以上はみてるんじゃないか? 何回みても最高過ぎる!
○フォン・ハクオン『狼の墓場』ある意味今回でいちばん衝撃を受けた香港ノワール。北野武が映画の練習のためにお忍びで香港に渡って撮ったとしか思えない。
○プレストン・スタージェス『サリヴァンの旅』この映画をきっかけにジュエル・マクリーという素晴らしき喜劇俳優を発見。見ためは普通なんだけど本物の喜劇俳優。そんな彼が扮するのは悲劇を撮りたい映画監督、そんな彼が......。なんだけど、一本の映画に『紅の豚』と『天空の城ラピュタ』をみてしまうという至福。宮崎駿はこの映画が大好きだったんだなあ。
○cマックス・オフュルス『輪舞』メリーゴーランドに乗っていくつもの恋路を見守る謎のおじさんが影の主役であって、常に脇役。いかにもフランス人らしいペシミズムのなかに、でもマックス・オフュルスは毎度のこと気合いが入っている!
○ウディ・アレン『人生万歳! 』ウッディは嫌いじゃないんだけど、いっつも無常観みたいな諦念に落ち着いてしまいがちなのが気に入らなくて、でも今回はそんな無常観がいい方向に振れている。バカバカしくて最高でした。
○cジョージ・スティーブンス『愛の弾丸』バーバラ・スタンウィックという素晴らしきアクション女優を発見。ライフルや拳銃は彼女にこそ持たせておけ! 元祖はキャサリン・ヘップバーン〜ジンジャー・ロジャース、最近ではキャメロン・ディアス〜スカーレット・ヨハンソンの系譜に名を連ねるであろう動ける女優。ジョージ・スティーブンスも信用に足る映画監督として発見、さいごの族長のアクションは本当に素晴らしくて泣いた。
○ジョージ・スティーブンス『偽装の女』十年ぶりに再会した恋人にキャサリン・ヘップバーンが大激怒! 私の顔を忘れるなんて許せない! 30歳はまだまだオバサンじゃないわ! というわけで彼女の姪に扮して恋人を翻弄しちゃいます。キャサリン・ヘップバーンらしい気合いの入った一本。ジョージ・スティーブンス、やっぱり信用に足ります。
○cルネ・クレール『自由を我等に』とっても仲のよい凸凹囚人のふたりが脱獄を図る。ひとりは逃げ切って、しかも商売で成功して億万長者に、ひとりは捕まってしまい刑期を続ける。はい、もちろんそんなふたりが再開して凸凹コンビの再結成! ルネ・クレールはおフランス人らしからぬスットコドッコイぶりを本作でも発揮、しかも、画面はあたかもドイツ表現主義のような技巧を凝らした陰翳に収まっている。完璧!
○清水宏『按摩と女』盲目の按摩さんと、東京からやってきた謎の女性が山間の温泉宿で出会います。目はみえないけれど、山間の温泉宿を渡り歩くので足腰はめちゃくちゃ強い按摩さんたち。目のみえないということが、かえってアクションを生み、なんならチャンバラまでやってのけてしまう。いかにも清水宏らしい気合いとユーモアのある一本。
○キン・フー『大酔俠』元祖女性剣士とのこと。めちゃくちゃ強い女性の短剣使いが大暴れ。かと思ったら、変な酔いどれおじさんと大勢の子供たちが出てきてミュージカルみたいになる。で、しかも、その歌に秘密が隠されていて、なんか最後はビームみたいのの打ち合いになる。最高!
○スティーブン・スピルバーグ『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』インディ・ジョーンズ史上、いちばんの見所の多さなんじゃないでしょうか。名アクションのオンパレード。特にジュニアのノーチケットと、ダディの傘で海鳥を飛ばすショットがお気に入り。
☆ルネ・クレール『奥様は魔女』最高! 最高! 最高すぎる! こんな最高な映画をみられるなんて、生きていて本当によかった! 昔々、魔女狩りで火あぶりになった魔女とそのパパが何百年の時を経て現代に復活、もちろん火あぶってくれた一族の子孫に復讐しにいくことに。とはいっても差し当たって肉体がないからビール瓶とワインボトルのなかに入る。こ、これは小津なのか!? さて、どんな復讐がよいか、どんな苦しみを子孫に与えてやろうか、そうだ! この世でいちばんの苦痛、それは愛する女に愛されないことだ! というわけで魔女さんは惚れ薬を作りまーす。なんだけど、間違えて自分が惚れ薬を飲んじゃいまーす。そんなすれちがって恋路の交錯がにわかに真実の演出をつくりだしてゆく!
○cロバート・Z・レオナード『ダンシング・レディ』駆け出しのアステアが端役ででてくるミュージカル。ミュージカルには、はしたないミュージカルと、はしたなくないミュージカルがあると思っていて、たとえば大好きなマーク・サンドリッチのミュージカルははしたなくない。で、本作は冒頭のショットをみて、はしたないほうのミュージカルだなあと思っていたら、幕に向かって、はしたなさをはしたないまま肯定して解放するような具合に仕上がっていて素晴らしいと思った。
○cジョン・フォード『若き日のリンカン』ジョン・フォード得意ジャンルのひとつである法廷映画。川のショットがとにかく素晴らしい。綱引きのショットもめちゃくちゃ素晴らしい。
○cアラン・ドワン『私刑される女』まがまがしいタイトルの西部劇だけれど、酒場の女主人と酒場の人気歌手が、殴り合い、椅子の投げ合い、髪の引っ張り合い、挙句の果てには拳銃での勝負する楽しい映画です。しかも、なんだかんだ女同士の友情?が芽生えちゃったりね。
☆cジャン・ルノワール『素晴らしき放浪者』たぶん、5回目くらい。最高のひと言に尽きる。大好きです!
○cジャン・ピエール・メルヴィル『海の沈黙』占領下のフランスにフランス文化好きのドイツ兵が来るというお話。接収したフランス人宅の二階に泊まることになるのだけど、家のひとはひたすら沈黙を守る。それでも、彼は、向こうがいっさい口をきいてくれなくて無視され続けても、毎夜のようにフランス愛を独白する。徐々に家のひとたちも心動かされはじめ......。
○ルネ・クレール『幽霊西へ行く』魔女のお次は幽霊です。幽霊屋敷が屋敷ごとフランスからアメリカにお引っ越しするというスットコドッコイなお話。でも、アメリカに行くっていうのがいいですよね。ルネ・クレールはおフランス人でありながらハリウッド映画的な映画に憧れていたひとだと思うので。
○cジョージ・スティーブンス『有頂天時代』フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのミュージカル。もうこれだけで文句なしの最高に決まっている! 今回はいつものダンス・ラブコメディにギャンブルが加わる。自分が指揮する楽隊を賭けるなんて大バカ者の猛者までが出てきて楽しく仕上がっております。
○スティーブン・スピルバーグ『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』シリーズ第一弾のヒロインだったカレン・アレンが、ハリソン・フォードとともに老けて(ハリウッドお得意の老けメイクではなしに!)再登場! 歳をとっても相変わらずのスットコドッコイぶりに胸が踊りました。
○cフランク・ロイド『新天地』ジョエル・マクリー主演。90分の映画ながら、西部開拓時代を網羅する壮大な尺をもった映画でもあり、ここではまさに老けメイクが深い感動を呼び起こします。
○cウィリアム・A・ウェルマン『英勇を支えた女』百歳越えのお婆ちゃんが街の生みの親を語る。さすがに老けメイクではない。ジョエル・マクリーとバーバラ・スタンウィックが主演という素晴らしき配役。『新天地』が西部に線路を引く物語ならこちらは線路を待つ物語。マクリーがバーバラのまえで四つん這いになって歩いているショットが忘れられない!
○cエイブラハム・ポランスキー『悪の力』賭博場の利益をめぐって、ギャングと弱小胴元が小競り合いをする面白い映画なんだけど、たったひとつのショットにすべてを持っていかれます。さあ、みんなも女のひとを高い所に上げよう!
○cロイ・ローランド『ムーンライター』バーバラ・スタンウィックがヒロイン役で出てくるということは、そりゃあ、もちろん馬にまたがり拳銃をぶっ放します。牛泥棒の罪で捕まった主役が私刑に合うんですけど、私刑の群衆はまちがえて別人を殺しちゃう。だけど、まあ、世間的には自分が殺されたということになっていて、自分の葬式に自分で出て最高の挨拶をかますというね。
○cジョージ・スティーブンス『陽気なルームメイト』ジョエル・マクリーとキャサリン・ヘップバーンが共演という素晴らしき配役。キャサリン・ヘップバーンがアパルトマンの半分を変なおじさんに貸し、変なおじさんがその半分をさらにジョエル・マクリーに又貸しするという陽気な展開に。キャサリン・ヘップバーンは相変わらず気合いが入っているし、ジョエル・マクリーは天然で面白いことをしてしまうし、変なおじさんもめちゃくちゃいい味を出している。
☆cアンリ=ジョルジュ・クルーゾー『情婦マノン』占領下のフランスでドイツ兵に媚びを売ったとか何とかで坊主にされそうになるマノンを助けた男は.....。とにかく観てくれとしか言いようがない。最期は灼熱の砂漠でジ・エンド。ずいぶんと遠いところまで来た.....。
○cジャック・ターナー『過去を逃れて』ジャック・ターナーは、ルノワールやフォードといっしょに語られなければならないし、小津の代わりに中川信夫をそこに組み入れるのはどうか。ただ画面が美しいというだけでなく、風景と風景とをモンタージュで繋ぐ、語りにはとくに意味のないどこかへ漂い出てゆく宙吊りのショットを共通項として。
○cウィリアム・A・サイター『アレゲニーの反乱』ミュージカルやラブコメディを得意とするっぽいサイターは西部劇もバッチリ撮っている。しかもジョン・ウェインが顔を黒と白に塗ってインディアンの変装をする。
☆cエドワード・バゼル『マルクスの二挺拳銃』今回もマルクス兄弟はあくまでも脇役。でも、マルクス兄弟は脇役の時こそ最高の活躍をする! 映画としては1935年の『周遊する蒸気船』と1939年の『駅馬車』(ともにジョン・フォード)をパロディにしている。まずもうこれだけで最高。さらにマルクス兄弟のパフォーマンスが光る、もうこれだけで至福。さらにさらに主役の恋人同士の演出���......。二人ともお互いのことを��んでるわ、とか、永遠に憎むことを誓いますとか言っている。百万両の壺を思い出さずにはいられません!
○ストローブ=ユイレ『アンナ・マクダレーナ・バッハの日記』神に召された。
☆宮崎駿『ルパン三世 カリオストロの城』何度みても泣いてしまう。とくに最後の銭形んとこの警官が楽しそうに手を振るところがたまらないんだ。
☆ニコラス・レイ『大砂塵』緑と赤の使い方が小津のカラー期を彷彿とさせる。冒頭はコメディチックで笑いながらみていたら、段々と壮絶なことになってくる。いや、マジでヤバイ。うんこ漏れそうになる。最後には絶句。観ているこちら側の眉間にも拳銃が突き付けられている。これをみて絶句しているようじゃあ、我々は平等を愛し夢みている者なんかじゃない。我々はただの都合のよい差別主義者だ。この映画だけが真に平等足り得ている。
○マックG『チャーリーズ・エンジェル』冒頭のキャメロン・ディアスの起床即尻ふりからずっとバカ笑いだった。ショット=活劇(物語として機能)するのがスピルバーグなら、ショット=技(物語性とはあんまり関係ないが「」付きの固有名詞として機能)としている本作はいかにもタランティーノ的だと思う。
☆cウィリアム・A・サイター『ロバータ』アステア&ロジャースが主演のミュージカル。主役をもうひと組のカップルと分け合うことにより、アステアとロジャースはもうひと組の恋愛の歯車を回す立場になる。それがとてもよい。二人はマルクス兄弟のように画面に映えもするけれど、アクションで映画を動かすことをよく心得ている。とくにロジャース! 今回の彼女の登場の仕方はほんとうに素晴らしかった! まず画面に現れるのではなく、画面の外でめちゃくちゃブチキレている声が聞こえてくるという! で、ブチキレながら画面に出てきてからも素晴らしかった、そして、あの椅子への倒れ方! サイターの演出もひかっていて、子守唄からのおばあさんの死への流れは鮮やかとしか言いようがない! 最後にアステア&ロジャースのタップダンスは至福としか言いようがない!
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spunking-dummy · 1 year
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お休みが終わり、今日からまたお仕事。 どうも先週の三重県行きから、寝付きが悪いです💧 梅子さん🐻もんちゃんは、深夜のお散歩ながら、元気いっぱい! 💩うんちも梅子さん1回、🐻もんちゃん2回しっかり出ました😊 元気に食べて、お散歩楽しめて、シッカリ出してくれる事の幸せ❤ 今週もフォロワーさん、🌈お空組みのみんな♪ 宜しくね✨ #黒い親子はマックが大好き #保護犬を家族に #保護犬 #里親 #わんこのいる生活 #わんこのいる暮らし #いぬすたぐらむ #似た者同士 #親子 #犬のいる暮らし #保護犬 #保護犬を家族に https://www.instagram.com/p/Cpsw-ulBOQE/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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38nakao · 5 years
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つぶあんこしあん大論争2/2
 どこの家にも、「家庭の味」というのがある。味という言葉を使うが、しきたりとか、ならわしとか、そんな意味合いがぴったりだろう。家庭の味が、お母さんの味のときもあるし、お母さんのお母さんの味もあるし、父方と母方との折衷料理になるときもあるだろう。この文をだらだら語るわたしの実家、我がナカオ家にも、「ナカオ家の味」が、もちろんある。
 両親が福岡育ちの我が家のうどん、つゆは薄く金に濁った、いわゆる西のうどん。(家で食べるうどんがこうだから、小さい頃は関東で食べる温かいうどんが、甘くて塩辛くて苦手だった。外で食べるうどんは、きまってざるだった)。お味噌汁は、いりこか昆布だしの白味噌、中身は母の気まぐれ。卵焼きは塩気優先。
 ちなみに年末年始の食事情まで話させてもらうと、年越しそばは晩ご飯とは別に食べ(大抵紅白終わる間近)、元日はお屠蘇を飲んで抱負を言ってから、お節を食べる。お節とは別に刺身が出る。出世魚だから、鰤。何故か二種類の煮豆が炊いてある。きんとん豆と黒豆。別の皿には色とりどりのかまぼこが鎮座している。年末大掃除に取り組む頃に、父方の実家から届くのであった。朝からアルコールOKの日のため、ヱビスビールを酌み交わし、各々が摘まむ。TVは箱根でマラソンに勤しむ学生らが映っている。その日の区間が一段落したら、雑煮が出てくる。正直、要らん。隙間がない。でも縁起物だからと出てくる。母実家では味噌仕立てだったそうだが、父方に合わせた味になっている。鰹と昆布だしのおすまし仕立てに丸餅が浸かり、なるととかつお菜とかいう青菜を添えたのが、ナカオ家の雑煮。素朴で胃袋に優しいのが救い。
 語って気付くが、思った以上にあった。子供の頃は世間を全然知らないから、卵焼きはしょっぱいもんだと思っていたし、お味噌汁は白い、「そういうもん」だと思っていた。小学校に入り、家庭科の調理実習を経て、赤味噌のお味噌汁のが好きだということを知る。実家の白味噌のお味噌汁は、ほんのり甘くて、その頃のわたしは正直に言うとあんまり好みではなかった。
 前にも書いた『つぶあんこしあん』も、赤味噌イノベーションも、味覚にまつわるエトセトラのズレは、小学校の頃に認識した。中学に入ると、わたしの超ローカル食事情に更に浮き彫りになる。
 「白いシチューは、カレーライスの夢をみせるか」
 中学のわたしは惰性でソフトボール部に入り、授業のある日は、朝練のため早めに登校していた。一年坊が用具を準備しグラウンドを整備しなければならないので、先輩よりも早い時間に集まる。わたし含めて四人ぽっちで、ボールやホームベースやバットを載せたカートを引きつつ、その時間はお喋りに興じる。昨日観たテレビの話とか、誰とこんなメールしたとか、大抵そんな他愛もないこと。
 あの日は、晩ごはんや朝ごはんの話になったのであろう。わたしが献立を話す番になって、「昨日の晩ごはんはシチューだった。」と話すと、いいなあ、とか、うちもこの前食べたとか、そんな言葉を返してもらえたのだと思う。続けて、「それで、今朝はその残りをご飯にかけて食べてきた。」と言ったら、すごい、大ブーイングが返ってきた。「あり得ない。」はまだ良い。「気持ち悪い!」はショックだった。言葉の意味そのものも傷付いたのもあったが、超ローカル食事情に気づき、カルチャーショックを受けた。そう、ナカオ家では白いシチュー(ホワイト、と形容するには少し黄色い)だろうが、赤いシチューだろうが、晩餐で出た次の日はご飯にかける。なんなら、その晩にすらかけて食べるのが、慣わしなのだ(でも、寝かせた次の日の朝の方が、やっぱり美味しい)。
 かくいうわたしも、生まれて初めて(記憶の一番片隅にある)それを見たときは、結構びっくりした。母が当たり前という顔で出した、白のうえに更なる白をかけた、この料理は、何なんだ!? 母の家庭では「そういうもん」だったのだろう。「シチューの次の日は、かけて食べる。」カルチャーで育った彼女は、新たに設けた家でも当然そうした。びっくりしつつ、カレーライスとほぼ同じ材料だし、シチューも好きだし、ちゃんと食べてみたら美味しいと感じたので、わたしと弟はそのカルチャーを受け入れ、受け継いだ。今だって、実家の晩ごはんにシチューが出たら、次の日はご飯にかけるだろう。ただ、未だに正式名称は分からない。
 悲しいかな、わたしら兄弟も「当たり前」だと思っていたカルチャーは、メインには属していなかったらしい。中学時代には三面楚歌になり、大人になってネットでも阿鼻叫喚、大多数から否定される2ちゃんねるのまとめスレッドを見て、自覚した。「つぶあんこしあん」問題にしろ、わたしの食事情は、蔑み貶められる側であるらしい。そんなに変わった味覚を持っていないのに。悲しい。チョコレートかけたとか、あり得ない組合せではないのに。味噌汁かけたご飯のが、見た目は悪いのに。美味しいけど。おなごがやたらと好きな、スープに雑穀米沈めたやつのが、見た目だけで言えば悪いのに。だって炭水化物なのに、紫色じゃないか。まあ、美味しいんだけど。
 シチューご飯、美味しいんだよ?ほぼ材料、カレーライスなんだよ?白いご飯をサフランライスだと考えたら、ほぼドリアなんだよ?白に白が気持ち悪いってんなら、マックのグラコロなんて、白い粉のオンパレードだよ?何故、何で、親の敵のように。騙されたと思って。ねえ。
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pm075 · 5 years
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夏のある日のマクドナルド、隣の中学生の女の人たちは二人とも話すことがなくなってしまって、テーブルに突っ伏して捧げるように両手で持った携帯をいじってはハイヒールで歩くみたいな音を立て始めている。そんな姿を見ていたら、この先に横たわる毎日を退屈に思うのは当たり前だ。  その奥で、OBドラゴンがいらなくなったトレイを片付け終えてこちらを振り向いた。両方の壁際にまばらに並んだ、誰もが自分のために丸めている色とりどりの背中。その間を抜けて、やってくる。OBドラゴンがやってくる。 「保くん、これで拭くんだ」  気づけば、だいぶ軽くなった僕のコーラは汗をかいてはしたなくテーブルを濡らしていた。まして僕の肘はそれを吸ってだらしなく湿って冷たい。 「うん、ありがとう……」  渡された紙ナプキンで散らばった水滴を拭くと、すぐに指先がしめって不愉快だ。OBドラゴンのホットコーヒーは買った時と変わらず、おかわり自由なのにそれほど減っていないようだ。 「それでさっきの話の続きだけど……告白するんだろ?」  OBドラゴンはベンチシートに音も立てずに着席して、大きく固いしっぽを組んだごつごつした足の下にすべりこませた。そして姿勢を変えるや、すらりと組んだ長い足を現した。こんな場所で埃一つつかないスーツだ。いい生地を使っているんだ。 「いや、わからないよ……だからこうしてOBドラゴンに相談してるんじゃないか。OBドラゴンが決めてよ……」 「そんなの僕が決めることじゃない。僕が付き合うわけじゃないんだから。保くん、君は12歳、若い若い男。僕はドラゴンだ。いいかい。あくまで僕は、僕という一つのつぶてを君の心の池に投げ込もう。その波紋に何を見るかは君次第だよ」  僕は同じクラスの本田さんが好きだ。いつも他の人より見てしまうし、話すと他の人より嬉しいから、きっと他の人より好きだと思う。だから一番好きだと思う。   この間、近藤くんが伊藤さんに告白した。2人は付き合い始めた。2人はこの夏休み、他の男子を連れて行かず、他の女子とプールに行ったらしい。その話はク ラスのみんな知っているのに、夏休みが終わっても誰も話してくれない。でも女子同士は話しているかも……。僕にはその女子の中に本田さんはいたのだろうかなんてこともわからない。 「ドラゴンというか、OBとして言わせてもらっていいかな。保くん、今、君の胸の奥に何かいるね。そいつがいる限り、君は何もできないぞ」  OBドラゴンがサングラスに満たした闇の奥から僕を見ている。僕の心の表面を赤い光の点がはいまわり、一点で止まって微動する。熱をもって溶かさんと。たまらず僕の口から言葉が飛び出す。 「本田さんの仕草で、僕が好きなのが一つある」   僕自身もびっくりした僕の存外男らしい言葉遣いで、OBドラゴンはもはやサングラスもなく、あらぬ方にクールな目配せを飛ばした。気づいたら、隣にいた中学生の女の人2人組がこっちの話を聞いていたらしい。顔を上げてOBドラゴンと楽しげな熱視線を交わし、僕に好奇の目をやった。 「それでそれで」  OBドラゴンがわかりやすく声を出して、中学生が笑う。中学生を笑わせるなんてすごい……。僕のコーラのカップについた新しい水滴がつながってポロリと落ちて、拭いたばかりのカップの底をあっという間に一周する。 「どんな仕草だい」  僕は唾を飲み込み、きれぎれに言った。 「本田さんは、シャープペンを、こう、胸でノックする……」  本田さんは勉強に熱中してくると、いつも乱暴に、ドンドン音がするぐらい、順手に握ったシャープペンシルを胸に押しつけた。僕はそれを、斜めから見ていた。 「でも、最近しなくなった……夏休みが終わった頃から」  もしかしたら僕は聞いて欲しかったのかも知れない。 「きっとプールの頃から……」 「プールの頃って?」  頬杖ついた中学生が口を挟んだ。髪の毛がまっすぐ落ちて、眉毛の上で突然消えてなくなったような髪型。僕はすぐに説明した。僕は家でそればかり考えていたから説明するのは簡単だった。  OBドラゴンは話の間ずっと口の前に掲げていたコーヒーを、終わる頃に一口飲んだ。 「……ていう」   僕が黙ると、中学生は少しだけむつかしそうな顔で天を仰いで、でも、と人差し指にくるりと一回髪の毛をからめた。こちらを向いてわかったけれど、二人のうちの一人は、あまり綺麗な顔立ちではない。きっと鼻のまわりにできた吹き出物に苦しんでいる。鼻と顔の境目が崩れ落ちてしまい、腐敗の広がりの中で輝きを 失った眼は笑いながら死んでいる。人間の苦しみを、特に彼女が朝起きて鏡を見て考えることを、目に見えるように表現するのはとても不可能だ。 「保くんは、本田さんが変わっちゃったら嫌いになるの?」  お前が僕を保くんと言うな。本田さんとも言うな。そう思って強く強く目を合わせる。 「そんなことない……」だって、そんなことは言ってない。 「でもそういうのってつらいよね。なんか自分が関係ないところで好きな子が変わっちゃうのって」 「せつないねぇ」  もう一人の中学生は肩まである綺麗な黒髪のおかげでなかなか顔がはっきり見えなかったけれど、形のいい鼻が時折のぞいてドキドキした。 「そうですかね……」  答えあぐねる僕と中学生を交互に見て、OBドラゴンは言った。 「捨ててくる」  立ち上がって、ポケットに突っ込みながら歩いて行くその後ろ姿。ダストボックスの間にサングラスを滑り込ませたかと思うと、振り返れば新しいサングラスをかけている。まっすぐ歩いてくるOBドラゴンの目を、僕は一度だって見たことがない。 「まどろっこしい話は止めよう」OBドラゴンは乱暴に腰を下ろした。「本田さんは、君の関係ないところで、女になったんだ。意味なんか考えるなよ」 「君の言うことはいつもわからない」 「保くん。ほとんど全ての女の子が、君の知らないところで女になっていくんだ。さびしいかい。さびしいだろう。しかも、それをさせた男が一人、この世で息をしているんだからな。その息づかいを、女の子は聞いたのだ。そして女という、男の子とも、女の子とも、男とも違う別の生き物になったんだ。でも、そんなこと は誰にだって訪れることじゃない。蝶の羽化が見られないぐらいで気に病むことはない」  僕は上の空で聞いていた。その態度に呆れてしまったのか、 OBドラゴンは中学生と何やら話しこんでいた。気を取り直した時に聞こえたのは小話だった。「男は女が自分の意見を聞かない、と言った。女はそうじゃない、男が自分の意見を聞かないのだ、と言った。問題は網戸のことだった。ハエが入ってくるから閉めておくべきだというのが女の意見だった。男の意見は、朝一番はまだテラスにハエがいないので開けておいてもいい、というものだった。だいいち、と男は言った、ハエはほとんどが家の中から出てくるのだ。自分は、ハエを中に入れているというより、どちらかといえば外に出してやっているのだ」  意味はわからなかった。でもまるで、人間の価値はその場の話題に応じたどれだけ気の利いた小話を披露できるかで決まるとでも言うように、力を入れることなく、落ち着き払ってその話はされていた。 「終わり?」 「ああ、いつも、すれ違うだけで終わるのが男と女の話なんだよ」 「その女がバカなんじゃないの? 男も細かいけど。二人とも嫌い」 「あ、ねえねえ、私も、英語で習った詩があるの。聞いて」 「そういうとこがダメなんじゃない?」 「は?」 「勝手に、自分の話ばっかりすんの」 「しょうがなくない? 保くん、どう? 私、いや?」  話を聞き始めたのを見て取ったか、綺麗な方の中学生に呼ばれた。 「いやじゃないよ……」 「ほら」  僕の意見をぞんざいに受け止めて、彼女はすらすら暗唱を始めた。僕の気持ちは彼女の気持ちの一部になって、僕である必要がなくなった。 「こよない方に恋慕した、ただひとたびの我が恋は、心のうちに残るとも、戸のたつままに去りました、皆な、皆な消えました、昔なじみのどの顔も」 「英語じゃないのかよ」 「黙って。私の友は親切な、心やさしい友なのに、恩義を知らぬ人のよう、私は突然去りました、昔なじみの顔と顔、思いめぐらすためのよう」 「それリーディングの延岡が趣味でやったやつでしょ。なんでそんなん覚えてるの」 「なんか覚えてんの。いい感じでしょ。保くん、どう?」 「中学生は頭がいいですね……どういう意味なんですか」 「要は、みんな変わっちゃうのよ。そのとき、せいぜいかっこつけるのよ」  僕のお池はみんなの投げた石でうずまりそうだ。そんなこと誰が頼んだろうか。僕の池に来て、釣りをしたり、石を投げるな。それを僕のためだなんて、絶対に言うな。  僕のせいで時間が鈍く重たく流れる。この時間にかかずらったら負けだと開き直ることのできる順番で、中学生から降りていった。二人は芸能人の話を始めた。時折もれる笑い声は微妙に音質を変えていて、もう僕に聞かせるためのものではなくなっていた。 「僕は一人で帰る。OBドラゴンは先に帰っててよ……」  OBドラゴンはテーブルの隅を人差し指で小さく二度、叩いた。 「保くん、君は来る時、僕の背中でゲームをしていたから知らないだろうが、このマクドナルドは君の家から直線距離で20kmの位置にある。僕の背中に乗れば2分、公共の交通機関を使えば乗り換え含めて40分、言わせてもらえばこども料金で300円かかる。わかるかい保くん。君は、君一人の力では来ることのでき ない、日曜でもすいている穴場のマクドナルドまで来ているんだぞ」  そんなことわかっている。ゲームをしてたけどわかっていた。 「言わせなきゃわからないのか。保くん、またあのセリフを言うか」  僕は首を振った。口を開けたら弾みで涙もこぼれそう。中学生も見ていないけど、見ている。僕はうつむいた。 「……言いたくない」  やっと言う。下を向いた目の中で涙が揺れた。 「いや、言うんだ」  どうしてこんなに怖いんだろう。OBドラゴンっていったいなんなんだろう。なぜこんなに怖くするんだろう。それでも涙をとっておく方が大事に思えたから、僕は言った。 「OBドラゴンは、僕の大事な友達だ」 「OKドラゴン」  中学生たちがこちらに向けて笑い声を上げた。下を向いている僕から、白くて短い靴下と黒い革靴がテーブルの脚の間でばたばた動くのが見える。こっちは体を動かす気にもならないというのに。 「保くん、僕を恨んでもいいんだよ」  こんな時どうすればいいのか僕は知らない。でも、OBドラゴンは僕がどうするか知っている。それでわざとこんなことを言うのだ。僕は下を向いたまま、ゆっくり首を振った。 「行こうか」 「おしっこ」  僕は中学生の前を通ってトイレに駆け込んだ。重たい扉を寄りかかるようにして開けなくてはいけないのは、僕が子どもだから。だから涙がこぼれてしまった。  おしっこをしていて考えたくないことを考える。本田さん、どうして君は胸でシャープペンをノックしなくなってしまったのか……。トイレの照明は暗いくせにひどくまぶしい。   水色の造花を生けた角張った青いガラスの花瓶が流しの台に置いてあった。僕には、花一輪だってほどよく愛することができないように思えてしょうがない。こんな作り物ならまだしも、生きている一輪をどうして上手く満たしてあげるだろうか。ほのかな匂いを愛でるだけではとてもがまんができない。荒々しく手折って、掌にのせて、息を吹きかけ、花びらむしって、それから、もみくちゃにして、たまらなくなって涙を流して、唇の間に押し込んで、ぐしゃぐしゃに嚙んで、吐き出して、靴底でもって踏みにじって、塵のように細く切れた断片を眺め下ろして、それから自分で自分を殺したく思うんだ。  トイレを出ると、レジのところにOBドラゴンがいた。 「保くん、新しい味のマック・フルーリーだよ。夏らしくっていいだろう」  父さんと同じシャツを着たOBドラゴンが渡すのを僕は黙って受け取る。   駐車場でゆっくりと羽を広げたOBドラゴンの背中に乗り込む。慣れた動作はさびしい気分。旅行の帰りに寄ったサービスエリアみたいに力が入らない。マクドナルドの窓から顔をのぞかせている中学生を見ながらぐんぐん上昇していく僕はきっと無表情だ。やがて中学生は見えなくなった。  僕は何もしていないのに無限に視線が上がっていく。田舎道を照らすには十分だった光がまばらに広がっていくと同時に湿っぽい夜風が頬にまとわりついた。  僕の家はどこかわからない。OBドラゴンは黙っている。いつものことだ。ゲームを出す気にもなれない。  マック・フルーリーには何色かラムネが入っていて、一口食べてから、残りは全部、OBドラゴンの足の付け根にあいた痛々しい、大きな穴に流し込んだ。   そこは最初ただのくぼみだった。OBドラゴンがどんなに体をひねっても見えない場所にあって、フライドチキンの骨やら、噛み終えたガム、OBドラゴンのく れるものを入れていくうちに、膿んで腐れ落ちた大きな穴となり、クリーム色したウジが音もなく蠢いていた。奥にはいつか僕が入れたのだろう、スナック菓子の袋の切れっ端が見える。こんなにひどい状態なのにOBドラゴンは何も感じないらしい。  見渡せば、町の光は多すぎて好きな子の家もわからない。僕は十二歳。今よりずっと不機嫌だった。
OBD - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ
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nanaintheblue · 7 years
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夜明けの祝福
十七歳まではまだ少女。でも十八歳からはもう少女じゃなくなる。それから先はなんて名前でくくられるのかはまだ知らない。たった十二ヶ月経つだけで、わたしがいる階段の段数は、陽だまりの踊り場から一段上がってしまう。 桜はもうすぐ咲く。ちょうど教室から見える中庭の大きな桜の樹の枝や幹は、花を咲かせる用意をして、ほんのりと土色に薄紅色を透かしている。血が通っているみたいだ。春の色は生きているから、とてもやさしい。 あの桜がようやく咲く頃には卒業してしまっているけれど、固い蕾がほころびる頃には、わたしは少女じゃなくなっている。十八歳まであと六日。いまはまだ、十七歳と三百四十九日。 卒業式の翌日、わたしは十八歳の誕生日を迎える。  高校生活三年間、最後の一年間は文字通り飛ぶように過ぎた。情報で習ったパソコンのフォルダみたいに、記憶がぎゅむっと圧縮されたみたいだ。あんまり矢みたいに一瞬だったから、三年生になってからの記憶はまだ思い出に風化していない。だから、懐かしいなんて感情はほとんど沸いてこない。まだ、国立大の前期の合格発表が終わっていないせいだろうか。 センター試験も前期試験も終わり、教室はクラス替えしたばかりの四月の頃と同じような空気に包まれている。春からも一緒だかんな、同じ予備校行こうな、なんて自虐的な冗談で男子が盛り上がっていたりする。前期試験が終わってからずっと、前日にインフルエンザにかかったことでふさぎこんでいたクラスメイトの女の子も、吹っ切れたのかいまはグループの子たちと高らかな笑い声を上げてお弁当を食べていた。 三月上旬うまれのわたし以外のみんなは、もうとっくに十八歳になっている。だからもう、制服を脱いでおとなになる準備をして未来を待ち構えている。 でも、わたしはまだスカーフにすっぽり守られた子供のままだ。スカーフが取れる卒業式、わたしはすこしは変われているのだろうか。 あちこちに卒業の匂いがする。わたしたちが受験しているあいだ後輩が掃除した校舎のよそよそしい清潔さとか、回ってくる色紙の色とりどりの文字とか、先生たちの三年生を見る暖かい目とか、ブラスバンドが練習している仰げば尊しとか。そういうのが、わたしたちをかりたてている気がする。卒業の気分になるように。 さっきクラスの女の子から回ってきた色紙は、まだ机の上にある。クラスメイト全員ぶんのかこみが初めからつくられていて、真ん中の方から順にカラフルに埋まっていた。 卒業してもまたあそぼうね、と、一年間ありがとう、のあいだくらいの親密さって、なんて書けばいいのかわからない。そんなに仲よくはない、けどメアドは知ってるし朝玄関で会ったら「おはよう」くらいは言う。ちかしいのもそっけないのもいやだ。でも早く埋めて次の出席番号の子に回さなきゃいけない。 結局、迷いに迷ったけれど「一年間ありがとう。卒業してもお互いがんばろうね」と無難過ぎることを書いて次の子に回した。わたしには、クラスメイト全員ぶんの寄せ書きをもらいたがる子の気持ちがよくわからない。半数以上が別に中で仲よくない人なのに。卒業アルバムができあがったら、白いページもみんなで埋めるんだろう。みんなにとって、そのページがどれだけ多くのカラフルなメッセージで埋まっているかが重要なのだ。ちょっとでも余白があったら、友達が少ないみたいではずかしいらしい。ほんとうにメッセージを書いてほしい人なんて数えるほどしかいないわたしには、到底わからないけれど。 「津川! 学食、三年は半額らしいぞ! 卒業割引!」 ふいに隣のクラスの男子が入ってきてさけんだ。後ろの黒板に落書きしていた津川くんは「まじか!」とすぐさま反応して、ドラえもんを描いていたチョークを放り出し、「え、ちょ、いま行く!」と席から財布を取って教室を飛び出していく。 「アホだ」「なぜ信じる」などと、一緒にラクガキしていた男子はけたたましく笑い、後を追って廊下に出ていった。「バカ!お前、マジバカ!」「そんなうまい話あるか!」と、廊下から笑い声がかさなって聞こえてくる。 ぎや~はははは、と爆発するような大きな笑いが起こったあと、足音はやがて遠ざかっていった。ほんとうに食堂に行くらしい。「騙されるかね、ふつー」「素直すぎ」とその様子を見ていた女の子たちは苦笑していた。 津川くんはしょっちゅうみんなからからかわれている。男子からは「天然バカ」と呼ばれ、先生たちにすら「津川はほんとうにバカだ」と授業中ネタにされていた。クラスのマスコット、と言えばいいんだろうか、男子からも女子からもいじられている。津川、津川、とことあるごとに呼ばれ、休み時間、教室からどっと笑い声が起こるときはいつだって、中心には津川くんがいる。なんで笑われているのかわからない、と言いたげな、素で困った顔をして。 わたしはその表情が好きだ。ほかに、寸足らずのズボンからのぞくくるぶしが好きだ。笑うとすぐ赤く染まる耳たぶが好きだ。半ズボンの体操服姿になった時だけ見える、膝のうらの白さが好きだ。筆箱につけた、汚れたチャーリー・ブラウンのキーホルダーが好きだ。 津川くんが、好きだ。 津川くんとは去年から同じクラスで、でも口をきいたことはいちどもない。記憶の中にある、アイドルの雑誌の切り抜きみたいにかさなっている津川くんは、横顔か、背を向けているものばかりだ。 でも、津川くんの声を聴いているだけでわたしは幸福な気持ちになる。津川くんの意外と低い声がわたしの中に積もっていくのがただ好きだった。その中に自分に対して向けられたものはひとつだってないけれど、わたしの中には津川くんがいっぱいで、溢れだしそうだ。 さっきの色紙の中にも、津川くんが書いたメッセージがあった。「一年間ありがとね~」という、男子らしい最小限のひとことだったけれど、それでもうらやましくってしかたなかった。津川くんの文字を、言葉を、誰にも見せたくないと思った。 わたしだって、津川くんの言葉が欲しいのに。でも、わたしは色紙を回さない。たぶん、卒業アルバムも、せいぜいクラスの女の子にしか埋めてもらえない。 ねじれの位置みたいに、接点をなにも持たないまま、わたしたちは大学生、あるいは予備校生になってしまう。「高校の同級生」という、ただひとつわたしたちを結びつけている細い糸が、卒業式に断ち切れてしまう。 去年まではみんなに同じ春が来た。春はひとつしかなかった。 でも、今度は二百四十人ぶんの春がそれぞれにやってくる。エンドロールが開けたら、わたしたちはみんな、紐を解いたネックレスのビーズみたいにばらばらになってしまう。  塾から帰り、九時過ぎの遅い夕食を食べていると、「ただいま~」と軽やかな声がした。「あーさむ、お母さんお茶ちょうだいお茶」とお姉ちゃんがスリッパを鳴らしてダイニングに入ってくる。お茶を受け取り、飲みほす。 東京の大学に通うお姉ちゃんが帰ってきて一週間経つ。大学は春休みが早い。わたしが第一志望の前期試験にぴりぴりしていたのにも関わらず、お姉ちゃんは帰郷してからずっと地元の友達と遊んでいた。そしてたぶん今日も。 「どこ行ってたの?」 「サイゼ。あと居酒屋。中学の友達と集まって飲んだんだ。超盛り上がったー!」 ソファーにどっかり座って、するするとストッキングを脱ぎだす。「楓、行儀悪い」とお母さんにたしなめられても、平気な顔して生足になった。お姉ちゃんを見ていると、大学生ってほんとうに自由なんだなぁと思う。 違う、そうじゃない。お姉ちゃんは高校生の時だって自由だった。塾帰りにマックに寄ったり、彼氏と遊んだり、クラスのみんなと花火をしに海へ行ったり。学校に行くのにも、朝からアイロンで髪をストレートにするので忙しそうだった。 ふと思い出す。お姉ちゃんが最新のコテを買ってきたのは高校二年の時だった。「うわっすご!熱い熱い!」などとはしゃぎながら洗面所の鏡でコテと格闘していた。首にやけどをつくったり髪を焦がしたりしていたけれど、お姉ちゃんは三日で使いこなせるようになり、内巻きも外巻きもきれいにつくれるようになっていた。 いちど、「泉もやってあげようか?」と誘われたけれど、「わたしショートだから、いい」と断った。髪が長くなったら巻いてもらおう、と思っていた。でも、お姉ちゃんはもう誘ってはこず、わたしの髪も肩を過ぎることはなかった。去年、受験勉強の時邪魔になるから、とせっかく伸びかけていたのに切ってしまったのだ。 受験生のあいだ、いちども美容院に行かなかった髪は、肩のあたりを少し過ぎるくらいまで伸びた。いまなら、巻いてもおかしくないかもしれない。 卒業式の日、お姉ちゃんに「巻いて」って頼もうか。お姉ちゃんのときは、五時起きして朝からみつあみを編み込んだり、巻いたりしてかなり本格的な髪型にして卒業式に出ていた。夜、打ち上げから帰ってきた頃にはすっかりケープも取れ、なぜかポニーテールで帰ってきたけど、見せてくれた携帯の写真では、友達の中でお姉ちゃんの髪がいちばんきれいに巻かれていた。 「楓、ごはん食べないんならお風呂入っちゃいなさい」 「えっあるの? 食べる食べる!」  お姉ちゃんがシチューだけよそってわたしの隣につく。「外に食べてきたのに、太るよ」とお母さんに意地悪を言われても、ふひっと笑うだけ。わたしだったら我慢して食べない。たとえ大好物のシチューでも。 「あーあさり入ってる! 今日シーフードじゃん、やりぃ」 スプーンをかちゃかちゃ鳴らしながら、お姉ちゃんはいちども我慢なんてしたことがないみたいな笑顔でシチューをたっぷりと食べる。わたしは少しだけ残ったシチューの底を見下ろした。 「ごちそうさま。……お姉ちゃん、貝柱食べる?」 「食べる! あたし貝柱めっちゃ好き!」 貝柱のかたまりをお姉ちゃんのお皿に移す。貝柱はわたしだって大好物だ。だから残して最後までとっておいていた。 でも、これはお姉ちゃんが食べるべきなんじゃないかとふと、思ったのだった。お姉ちゃんのほうが大好物を食べるのにふさわしいひとのような気がした。 スプーンで貝柱をよそってお姉ちゃんのお皿に移す。この世界はわたしよりお姉ちゃんに似合うものばっかりで、いやになる。 「イズ!」 白い蛍光灯の光がリノリウムの床にはじかれている、八時すぎの薬局。わたしが並んだレジにいた店員の女の子がぴょんと顔を上げた。まんまるなくりくりまなこと真正面から目が合う。あっと声を上げてわたしは彼女をゆびさしてしまった。 「え……多香子? うっそ!」 こんなところで会うかー!信じらんない、あんたほんとにイズ? 多香子は変わらない笑みを浮かべながら、キリシトールガムと紅茶をレジ袋に入れる。わたしはしましまエプロンの幼なじみをあらためて眺めた。 「え、ここでバイトしてんだ?」 「ん。あと少しで終わるからさ、ちょっとそこで待っててよ」 すみのベンチに移動して座り、買ったばかりの紅茶を開けた。『33Hの卒業打ち上げ決行決定!希望場所受付中』というメールが一斉送信で届いているのを確認して携帯を閉じる。少し紅茶を口に含んだところで、「イズ~」と多香子が荷物を抱えて駆け寄ってき た。勢いのままわたしに体当たりする。 「もー超ひさしぶり。イズ変わんないな! 元気してた?」 「そういや多香子と会うの、ほぼ半年ぶりだね」 家すぐ近くなのにね~、とわたしたちは大きな声を上げて笑う。子供のように、遠慮なく。女子高生らしいことをするのはずいぶんひさしぶりだ。 多香子は幼なじみで、家も近所だから、昔はしょっちゅうお互いの家に出入りして遊んでいた。わたしとお姉ちゃんと多香子で三姉妹のようにくっつき回っていて、わたしのことは「イズ」、お姉ちゃんのことは「かえちゃん」と呼び、近所のほかの子もまじえて鬼ごっこしたり缶蹴りして遅くまで遊んだ。毎日が楽しくて楽しくて仕方がない、朝が待ち遠しくてたまらない日々が、わたしにもあったのだ。 「やっぱ高校違うと会わないな。あんなに飽きるほど顔見てたのに」 「多香子が制服重視する! とか言って遠いとこ行くからじゃん」   だって近くのってどこもめっちゃださい! 言うたらあんたのとこのセーラーも微妙だし!と笑うのでわたしは肘でどついてやった。幼なじみって特別だと思う。小学校とか中学校でもほかに仲のいい友達はいたけど、学校が別れてしまうと、たまに会ってもなんだか最近は話があんまりつづかない。思い出を語り合うぐらいで、共通項がなくなるとふいに沈黙になって、同級生の時にはありえなかった気まずさに包まれたりする。 で���幼なじみは、ブランクとか関係なくいつも同じ距離感がある。そのことに、すごく、安心する。 わたしたちは先を争うようにして近況報告した。岩川と真子、中二から付き合ってたのにとうとう別れたらしいよー! うっそマジで! 多香子は自分のことはほとんどしゃべらず、噂話ばかりしゃべる。受験の話題を、わざと避けていることくらいわかっていたし、多香子は推薦で短大合格が決まっていることは秋にお母さんから聞いていた。だからわたしから切り出さなきゃいけないのはわかっていたけど、多香子が次から次に話をするので、わたしはなかなか言い出せなかった。 「受験さ。K大受けたんだよね」  多香子の話が途切れるのを待って、とうとう切り出した。多香子がほっとしたような表情と驚いた表情を一緒に浮かべる。ほんとうは、わたしが話を遮るのをずっと待っていたんだろう。 「え、マジか。すんごいね、さすがじゃん」 「いやいやいや、まだ受かってないからすごくないって。多香子、推薦受かったんだよね。おめでとう」 えへへ、と多香子が笑う。真っ黒になって遊んでいたわたしたちも、大学生になった。時間ってなんて残酷なんだろう。 「K大ってことはさ、東京だよね」 「……うん」 「楓ちゃんと一緒に住むの?」 多香子の声は作りたてのわたあめみたいだ。ふわふわと包み込むようにやわらかい。 「……ううん、お姉ちゃんとはまた違うところに住む。離れてるからさ」 「そっかあ」 いつから多香子はお姉ちゃんのことを「かえちゃん」と呼ばなくなったんだろう。お姉ちゃんがわたしたちと鬼ごっこや缶蹴りをしなくな り、マンガより雑誌を買うになって、外でなわとびするよりも友達とプリクラを取りに行ったりするようになってから、だろうか。 「卒業かぁ」 わたしの声は、夜の薬局の雑音にかき消されそうになる。 「ほんと早いな」 でも大学楽しみ!と無邪気に多香子は笑う。わたしはその声の余韻が完全に空気から消えるのを待ってから、こわいよ、とつぶやいてみた。そうだね、と言ってくれるのを待っていた。 でも多香子は「大学生になったらやっと自由になれるね、うれし」とほんのり笑うだけだった。 三年前の春。高校に受かった時、わたしはうれしさよりもまず不安におそわれた。勉強についていけるだろうか。まわりの子とうまくやっていけるだろうか。高望みしないでもう一ランク下の高校を受ければよかったんじゃないか、などと春休み中ずっと不安でいっぱいだった。四月から学校が始まっても、変わらなかった。 わたしはその不安や心配を、大学生になっても繰り返すのだろうか。 中学も高校も大学も、わたしは未知の扉が怖かった。また1から始めなきゃいけないのかと思うと、おなかがしくしく痛んだ。 どうしてわたしは変われないのだろう。お姉ちゃんやほかのみんなみたいに、まわりの変化を楽しめないんだろう。 わたしだって昔はこうじゃなかったはずなのに。いまではいつも鞄の中に痛み止めの薬が入っていないと不安になるくらい小心者で神経質で、怖がりだ。 「ただいま」 よろよろとリビングに入る。めずらしくお姉ちゃんはわたしより先に帰っていた。「おかえりなさい」とポッキーをかじりながら言う。目はテレビに向かっていた。 「遅かったねー。どっか行ってたの?」 「ドラッグストア寄ってた。……あ、そうだ、久しぶりに多香子に会ったよ」 「へー。元気にしてた?」 「うん」 なつかしいね、と言ってポッキーに手を伸ばす。あんまり興味がなさそうで、多香子のバイトや短大のことをしゃべろうとしてたのを飲み込む。昔のことをかんたんに忘れてしまうお姉ちゃんがうらやましい。うらやましくて、憎たらしい。 「……お姉ちゃん」 「うん?」 テレビからの光で、お姉ちゃんの明るいブラウンの髪にきれいな天使の輪が浮かんでいる。シャンプーのCMみたいだ。 「やっぱ、いいや」 ダイニングテーブルの上にあったラップのかかったお皿をレンジで温める。窓ガラスに映るわたしの髪は真っ暗だった。その横に小さく映るお姉ちゃんの栗色にひかる髪。 姉妹なのに、わたしたちはぜんぜん違う。 レンジから温まったお皿を取り出す。鶏肉とレンコンの甘辛煮、わたしはあんまり好きじゃない。 「今日さー、高校の時の友達にあったんだけど、これもらっちゃった」 と、お姉ちゃんがこちらにやってきて何か差し出した。 「……なに」 「カラオケのクーポン。わたしもう少ししたら帰るし、地元のカラオケのだから要らないんだよね。泉の高校から近いし、いいじゃん」 だからあげる、と差し出される。���いい」と断ると、「遠慮すんなってー」と、笑って押しつけられた。 「卒業式のあととか、どうせみんなでカラオケとか行くんでしょ?これ大人数対応だから持ってたら重宝されるよ~」  にこにこと無邪気に笑う。お姉ちゃんは知らないのだろうか。クラス会や打ち上げに参加しない人もいるんだってことを。そういう選択があるということさえ、お姉ちゃんは知らないのだろう。知らないで生きてこられたんだ、とも思う。 「……いいってば。わたしカラオケなんてほとんど行かないし」 「え!? 信じらんない、何で!?」 わたしは返事をしなかった。しゃくしゃくしゃくん、とレンコンを噛むと、すじが前歯に挟まった。繊維がからまるからむかしから苦手だ。 「まーあたしが持ってても正直意味ないし。取り敢えず持ってればいいんじゃん? ね?」 勝手に決めて、クーポンをテーブルに置いてリビングを出ていく。わたしはやたらカラフルなクーポンの束を見下ろした。ふっと、さっき届いていたメールを思いだした。そして教室で聞いた津川くんの声を、思い出す。 行こうかな。クラスの打ち上げ。 「卒業式の打ち上げ六時からココスね! カラオケも行くよー!」 昼休み、クラスの副組長の女の子の声に、即、地割れのような歓声があちこちからひびいた。行く行く行くーっ!と津川くんがぴょんぴょん跳び跳ねて誰かにはたかれているのを、視界の隅で、捉える。 「予約するから、参加する人挙手してね!」 はい、はい、とみんなが一斉に手を挙げている。超たのしみ、俺ココスのハンバーグ大好き!と津川くんがさけんでいる。じゃあハンバーグない店に変えようぜ、とほかの男子が笑っている。 わたしは携帯をポケットの中でにぎりしめたまま、左手を外に出せずにいた。もう全員参加ってことでよくね?そう誰かが言ってくれればいいのに。でもみんななにも言わない。   わたしは手を挙げられない。副組長は教室を見回した。 「これでぜんぶ?」 谷田ちゃん、と小さく呼んだ。わたしも行くかもしれないから数に入れといて。そう言うつもりだった。でも副組長はわたしの声に気づかず、「じゃあけってー。部活のお別れ会終わったらすぐ集合ね」とメモを閉じてしまった。「酒飲みたい!」「持ち込むなよ津川!」 ――騒いでいる誰一人、わたしのか細い声に気づかない。 お姉ちゃんからもらったクーポンは、鞄のポケットに入れてある。昨日、結局もらって束ごと入れておいた。 でもわたしには使えなかった。 三月の空は水でできているみたいにたっぷりと青い。表面張力でぷるぷるふるえてるみたいだ。 わたしは立ち上がって教室を出た。 わたしはお姉ちゃんになれなかった。 どうして、お姉ちゃんみたいになれるかも、なんて一瞬でも思ったんだろう。 幼い頃、わたしたち姉妹はよく入れ替わりごっこをして遊んだ。「どっしーん」と言いながらお互いぶつかって、中身を入れ替わって遊ぶのだ。お姉ちゃんはわたしの本を読んで、わたしはお姉ちゃんの自由帳に絵を描いた。お姉さんぶって「いずみ」と呼べるのがうれしくって、お姉ちゃんに「おねえちゃん」って呼んでもらうだけで胸がどきどきした。ときどき、多香子の前でやってみせて、ほんとうに入れ替わったんだと信じこませたこともあった。 わたしは、まだあの遊びをつづけているのかもしれない。お姉ちゃんがこの遊びをしなくなっても、ずっとひとりでお姉ちゃんに入れ替わろうとしてるのかもしれない。 そんなことできっこないのに。 お姉ちゃんにはかんたんにできることが、わたしにはとっても難しい。スカートをあと三センチ短くすることとか、隣の席の子にルーズリーフを借りることとか、違うクラスに行って大きな声で誰かを呼ぶこととか、男の子に気さくに話しかけることとか、行事ごとの打ち上げに参加することとか。お姉ちゃんにはなんでもないことが、わたしには立ちはだかる壁みたいに思える。 ベッドにばふんと寝転がった。合格発表は卒業式の次の日、つまり誕生日に発表される。 お母さんは、妹のわたしには地元に残ってほしかったみたいだけど、わたしは東京の女子大の法学部を受けた。お姉ちゃんの大学から、わざと遠いところを選んだ。でも東京には行きたかったのだ。お姉ちゃんのいない、東京へ。 お姉ちゃんとくらべても、負けてないくらいに充実した生活を過ごしたい。泉も楽しそうだね、いいね、ってお姉ちゃんに言ってもらいたい。 泉と入れ替わってもいいかも、と思ってくれるぐらいに。 三年生は午前までしか学校はないから、わたしはいつもの半分しか津川くんを見られない。HRのあいだ、机に名前を彫っている津川くんの手の甲に血管がぽこんと浮き出ている。わたしはそれを窓に映してがんばって見ていた。雨の日とか冬の夕方ははっきり見えたのに、春の午前は津川くんを全然うまく映してくれない。カッターシャツの白さだけが薄ぼんやりと浮かんでいた。 ただ見ているだけなんて、なんて不毛なんだろう。お姉ちゃんならそう言う。津川くんメアド教えてー?って訊きに行く。一ヶ月後には付き合っている。でも、津川くんへの気持ちを認めることでさえ、一年かかった。あとの一年、津川くんだけを目で追いつづけた。窓ガラスの中の、津川くんを。 津川くんは大阪の国立大学を受けている。教育学部。津川に勉強とか習いたくねー!と男子は笑っていたけれど、わたしは未来の津川くんの生徒がうらやましかった。先生だったら、窓ガラスに映さなくてもまっすぐ見つめていられる。ノートなんか取らずに、わたしは津川くんの声だけに耳を傾けたい。 わたしは先生に恋するべきだったのかもしれない。先生だったら、挨拶もふつうにできるし、職員室に質問に行けば自然に話せる。バレンタインにチョコも渡せる。最初から恋に片思い以上のことはあきらめているわたしには、それがぴったりだったのに。 でも、わたしが好きになったのは津川くんだった。朝、玄関で偶然会ってもおはようって気軽に言えない相手を好きになってしまった。 お姉ちゃんが初めて誰かと付き合ったのは中一の冬、バレンタインの日にクラスの男の子に手作りのチョコを渡してそのまま付き合った。 「なんか思ったより楽しくない、女々しいし」と言って二年生に上がってすぐ別れてしまったけれど、わたしにはお姉ちゃんがまぶしかった。お姉ちゃんが彼氏と一緒に帰っているのを偶然通学路から見かけたとき、わたしはあわてて隠れた。お姉ちゃんは彼氏と楽しげに笑い、ときどき背中をどついたり、腕をつかんでぐるぐる回ったりしていた。小学生のわたしは、お姉ちゃんのことが誇らしかった。 男の子からも女の子からも人気があって、いつも人といるお姉ちゃんには、全然遊びに行かないわたしがどう見えているのだろう。あたしの妹なのに陰気くさいな、なんてほんとうは思っているのかもしれない。 わたしたちはたまたま姉妹だったから仲良くできた。もし同級生だったら、お互い違うグループに属して、口もきかなかったにちがいない。 晴れの日は、心も気持ちよく突き抜けてゆるむ。朝起きた時は、指で髪を梳かすと頭皮が冷たいくらいだったのに、登校する時間には日が出て暖かくなっていた。 お昼はみんな学食に行って、昼休みの教室にはほとんど人が残っていなかった。最後だから、って思うとやっぱり惜しいらしい。わたしはいつもどおり教室でごはんを食べた。 「みんななんだって食堂行くかねー、別に明日だって空いてんのにさ」  誰かが小声で言う。だよね、とわたしも思う。津川くんも仲間と学食へ行ってしまった。「今日の定食のエビチリは俺のもんだ!」「津川ダッシュ!」――わたしは、津川くんが小さなおにぎりを三口で食べるのを見たかったのに。 午後から卒業式予行がある。学食だけじゃない。もうお弁当も最後だった。 教室の中は、光のこまかい粒がひとつひとつ目に見えそうなくらい明るかった。細胞のすみずみにまでその光が満ちているみたいに、あったかい。 お弁当のナプキンをたたみながら、時計に目をやる。まだまだ時間があった。他の子たちもお弁当を終えて携帯をいじっていたけれど、あたしはそんな気分になれなかった。ひさしぶりに、なんだかからだが陽射しを求めている。 図書室に行くと、「羽柴さん!あらぁ、ひさしぶりだね」とカウンターから司書の先生が声をかけてくれた。今年はともかく、一、二年生の頃、わたしは図書室の常連だったので名前を覚えてもらえている。 「もうだいぶ来てなかったねぇ。夏から? いやもっとかな」 「本、ずうっと断ってたんですよ」 読んじゃうと止まらなくなるから、とつづけると、先生は少しだけ気の毒そうな顔になり「三年生だもんねぇ」とうなずいた。 南の棟の端にある図書室は、教室よりさらにあったかい。さらに、スト���ブも焚かれている。塵が日光の中きらきらと舞っていた。わたしは新刊コーナーに目をやる。 ふぅ、と先生が息をついた。 「羽柴さんももう卒業だね」 わたしは大江健三郎を手に取った。目次だけ見て、戻す。 「早いね、三年間。ついこないだまで一年生だったのに」 歳は取りたくないね、と先生は優しく目じりに皺を寄せる。わたしだってそうだ。わたしはいつも、わたしの時間においてかれている。 「卒業して忙しくなると思うけど、時々は思いだしてね」 先生は眉を下げて微笑んだ。それは、けして忘れられることのない人だけが口にできる言葉だと思う。先生も、ほんとうはそのことをわかってるんじゃないか、そこまで考えて、自分のひねくれた考え方にうんざりした。どうして人の行為を素直に受け取れないのだろう。子供の時から、面と向かって言われる自分への褒め言葉を信じきれない卑屈なところがある。自分に自信がないせいだろうか。 「大学生になっても、頑張ってね」 わたしはへたくそにうなずいた。大学生になれないかもしれませんよ、なんてへそ曲がりなことを言おうとして口を閉じる。最後の最後に先生を困らせるなんてばかみたい、と思ったからだ。わたしだって、そこまで子供じゃなかった。それに、悲しさとかさびしさはそういう言葉でまぎらわせられるわけじゃない。かえってむなしくなるだけだ。 チャイムが鳴り、「お世話になりました」と頭を下げて部屋を出た。卒業おめでとう、と背中で声がして、わたしはくちびるにきゅっと力を込める。 ほんとうはおめでたくなんか、ないのに。 「お姉ちゃ、」 わたしはドアを開けてすぐ、固まってしまった。「え?誰?」「楓の妹じゃね?」――たくさん人がお姉ちゃんの部屋にいる。テーブルの上には缶ビールがたくさんあった。帰ってきた時、なんか靴多いな、とは思ったのだけれど、どうせ物持ちのお姉ちゃんのだろうと勘違いしたのだ。まさかお姉ちゃんの友達が来てるなんて思わなかった。 「んー泉? なに?」 酔っぱらって赤い顔をしているお姉ちゃんに「なんでもない」とだけ早口で言ってドアを閉めた。自分の部屋に戻る。 明日は卒業式だから、朝髪を巻いてもらいたくて頼むつもりだった。でも、いいや、どうせ朝頼めばいいし。お姉ちゃんが二日酔いしやすいたちだってことは頭の隅に追いやる。 制服は、アイロンをかけてハンガーにかけてある。三年間使ったスクールバッグも、学習机のわきのフックにきちんとかかっていた。ローファーも、さっきお母さんが磨いてくれたのが玄関にある。三年前の入学式の前夜となにも変わっていないのに、明日からそれらを必要としなくなる。いったい代わりになにを身につけるんだろう。 ベッドに寝そべって、携帯を開く。アドレス帳の、〈高校〉のグループで振り分けていたメアドを、一瞬迷ったけれど、どうせ要らないんだから、と思いっ切って全件削除してみた。三十人近くのメアドが消え、アドレス帳が一気にすかすかになった。あまりにあっけなくて、してはいけないことをしたみたいで気持ち悪い。次に受信ボックスをひらいて、不必要なメールを削除した。メールの選択削除って、自分で過去を都合よく切り取ってカスタマイズしてるみたいだ。 メールがどんどん消えていく。最初は気持ちがよかった。優越感もあったし、胸がすっとした。でも、続けていくうちに自分の表情から弱々しく笑みが失せるのがわかった。わたしが持っていたもののほとんどは、ほんとうはいらないものだったのかもしれない。そんなふうに感じたせいだった。 くやしくなって、途中でやめた。「持ち物って持ち主をまんま表してるんだよ」と言うお姉ちゃんの言葉を思い出したから、なんて思いたくない。 いつもより早く目がさめたけれど、張り切ってるみたいだからベッドの中ですこしまどろむ。なんとなく、光が白っぽい。とくべつな日だから、わたしの脳が勝手にそう見せてるだけなのかもしれないけど。布団の中で、伸びをして起き上がった。 「……お姉ちゃんは?」 階段を降り、ダイニングに入る。「楓なら酔いつぶれて眠りこけてるわよ、起きてこないって」とお母さんがお茶を汲みながら言った。 なんか用あった?と訊かれ、べつに、と洗面所に入る。つめたい水で、一気に肌が引き締まった。同時に、頭の隅の細胞からひえびえと冴え渡るような気がした。 棚に置かれたコテがちらりと視界に入る。 髪なんか巻いても、意味ないのに。なに気合い入れてんの、って笑われるだけだ。なんで最後に巻いてもらおう、なんて思ったんだろう。 はしゃいでいた気持ちが、水溜まりが乾いてくのを早回しで見てるみたいにすーっと自分の中で小さくなって、消えた。 櫛を通して寝癖を直し、なでつけてダイニングのテーブルについた。お母さんが「泉、今日帰り何時?」と声をかけてくる。 トーストをかじりながら、遅くなるかも、と返す。「打ち上げ?」と訊かれ、うんとうなずいてしまった。 「そう。楓の時も遅かったしねぇ、お母さんたちも夜は外で食べてくるから」 わたしは黙ってコーヒーを飲んだ。 じゃあ行ってくるね。 結局お姉ちゃんは起きてこず、そのまま家を出た。春の匂いが風になって鼻をかすめ、髪を揺らす。 巻かなくてよかったんだ、と思う。 式のあとの最後のホームルームが終わってもみんな教室に残っていた。ホームルームで配られたアルバムをみんなが見てさわいでいる。 「津川やべえ!ピースしながら目ぇ完全につぶってるし」「うっせー!」――わたしはやっぱり、最後まで津川くんの声を拾ってしまう。 式の最中も、来賓の話の時にかくん、とうなだれてしまっている津川くんのつむじだけ、見ていた。 うちのにも書いて書いてー、と誰かのアルバムとともに油性ペンがあちこちで回っている。「泉も書いてよ」と頼まれ、ちいさいちいさいコメントを、持ち主が誰なのかわからないまま、流れ作業のように残していく。持ち主の子だって、べつに誰が書いたかなんてどうでもいいのだ。ただ余白を色とりどりの文字が埋めていればそれでいい。わたしの、「羽柴泉」の言葉が欲しくてわたしに頼んでくれる子なんていない。 いつのまにか、わたしのアルバムにもそれなりにコメントで埋まっていた。「33H一生ダチ!」と太いつよいピンクで書かれていたけれど、全然ぴんとこない。一生どころか一瞬だ。こういう定型文を書いたときだけ、わたしたちは仲間とか親友になったりする。 津川くんに、なにか書いてほしい。べつに書くことなんかなくてもいい、大学でもがんばれよとかそういうのでいいから、わたし個人への言葉なんて贅沢は言わないから、「大学でもがんばれ」みたいな走り書きの一言で全然かまわないから、わたしに言葉を残してほしい。そうしたらわたしは、津川くんを思い出にしてしまえる。感傷とか寂しさとかずっと抱えてきた想いとかを、懐かしいという感情に瓶詰めできるのに。 そう思いながらも、わたしは何にも言えない。言えないから、津川くんはまだ思い出になってくれない。 立ち上がった。アルバムをしまい、マフラーを巻きつけ、鞄を肩に背負う。と、 「うわっわわっ」 誰かに背中からぶつかられた。それが津川くんだと知り、津川くんの下で身を固くした。からだが心臓になったみたいだ。ばねみたいに体の内側で体当たりを繰り返す。 「ちょっ何すんだよもー、人にぶつかったじゃんか、ちったぁ加減しろよなー」 津川くんが仲間に向かってさけんだ。半分だけわたしを振り返り、「わりーね、羽柴さん」と言う。わたしは、うん、としか言えなかった。顔に熱がうわーっと回ってきて、火がついたみたいに火照る。仲間の元へ戻っていく津川くんの背中を見られなくて、急いで教室を出た。廊下はつめたい空気で涼しいのに、頬の熱は冷ましてくれない。 初めて名前、呼ばれた。よりによって、最後の日に。 やっぱり打ち上げ、参加すればよかった。それはいまからでも間に合うから、どうしようかなぁと鞄をぐるぐる回してしまう。なにかしてないと足がふわふわと地面から浮いてしまいそうだった。わたしはそういう小さいちいさい幸せで、からだの中がいっぱいに満たされてしまう。最後の最後にこんなことをするなんて、神さまは意地悪だ。 一階では後輩があわただしく動いていた。部活ごとの送別会の準備らしい。横目で通りすぎ、玄関で靴を替えた。あまりにあっさりしていて、誰かにちょっと待ってよ、と呼びとめられるんじゃないかと思ったけれど、わたしをとめる声なんてなかった。 外に出る。まったくひとけがなくて、寒気がした。桜はほころびかけてはいるけれど、まだつぼみだ。 まだ三時なのに、どうしたらいいんだろう。 耳にはまだ、津川くんの声がぶつかった温度ごと残っている。 がんばって六時まで駅近くの市立図書館で本を読んだり後期試験のための小論文の対策をしていたけれど、もう限界だった。集中しようにも、周りの子供がうるさくて、目の前の机にいた学生カップルを見ていたくなくて、立ち上がった。外はもう、昼の名残が夜に押し出されそうになっていて、ぎょっとしてしまう。タイムワープしたみたいだ。 荷物をまとめて、トイレの個室に入る。マナーモードにしていた携帯を取り出した。 【新着Eメールはありません】 画面に浮かぶ文字をぼんやり見つめる。やがて暗くなり、消えた。もう打ち上げ始まってるのかな、と思ってみる。やっぱりいまから参加してもいいかな、って幹事の子にメールしたら、すぐに返ってくるのだろうか。 新規メールを作成し、宛先の〈アドレス帳引用〉から副組長のものを探そうとして、途中であ、と力が抜けた。昨日、クラスメイトのメアドを一掃したことを忘れていた。 ごつ、と頭を戸にぶつけて寄りかかる。半開きのくちびるから笑いが漏れた。ばかみたい。自分から消しておいてやっぱりすがろうとするなんて、かっこわるい。 代わりに、メール作成をやめて、アドレス帳を開いた。〈西多香子〉を探しだし、通話ボタンを押す。 四コール。なかなか出ない。じれったくて、個室の中をぐるぐるしてしまう。七コール目で「はいよー」と多香子が出た。ほっとする。 「あ、多香子ー? ね、いま暇? いまから帰るんだけどさ、よかったらどっかごはん行かない? 卒業祝いってことでひさしぶりに」 「あーっ……ごめ、イズ」 言葉の途中で多香子が言った。明らかに声に困惑を感じ、はっとする。胸を満たしていた熱い高揚が急速に冷めていく。 「私いま部活の送別会で焼肉屋にいるんだわ。悪いけど、あとでね」 その時、やっと多香子の後ろにたくさんの人の声があるのに気づいた。そして、騒がしいJ-POPが流れていることに。 「ごめんごめんほんと。せっかく電話くれたのに」 わたしは顔が真っ赤になるのがわかった。恥ずかしくてしかたなかった。たぁこ、なに電話してんのー彼氏ぃ? 誰かの声に、「違うし幼なじみ!女だから!」と多香子が携帯から離してこたえる。早く切ってしまいたい、と思った。 「ううん、こっちこそ邪魔してごめん。じゃあ、楽しんで」 「じゃーねー」 携帯を切る。通話時間は一分もなかった。トイレを見下ろしながら、わたしなにしてるんだろう、と思った。 かし、と髪を掻く。期待していたことへの恥ずかしさよりも何よりも、たったいま起こした行動や言動、自分という人間���心底くだらないと思った。 今日、卒業式なのに。いったいなにやってるんだろう。 知らなかった、と思う。多香子が「たぁこ」と呼ばれてることとか、しっかり居場所を持っていることとか、わたしの誘いを断ることとか。多香子にも、多香子の世界があるってこととか。 コンビニに入って一時間経つ。食欲なんかなかったけど、駅ビルをまわるのにもあきて、夕食に菓子パンを買ってそのまま店で食べた。携帯をいじってりぼんやりして時間をつぶしていたけれど、店員さんが長居しつづけるわたしをにらんでいる。お客さんも少ない。もう何時間もひとりで過ごしすぎて、時間の感覚がおかしくなっていた。外はもう真夜中の準備をしているなんて信じられない。 もう一個なにか買おうかな、ピザまんとか。べつにおなかすいてないけど。とにかく帰りたくなかった。両親から、今日は親戚の家に泊まるとメールがあった。帰ってもどうせひとりだ。 カウンターを降りる。コンビニの前を、高校生の集団が通り過ぎていくのを見て、あわてて棚の奥に回った。そうっと覗き込む。うちの制服だ。でも、文系の違うクラスだった。ほっとしたのか、がっかりしたのか、自分でもわからない。 ボーリング行こうぜ! とうっすら声が聞こえる。えー疲れるムリ! カラオケ行こカラオケー、笑い声がぱらぱらと上がる。集団は過ぎていった。 ふう、と息を吐く。 ばかみたい。あの人たちが、じゃなく、隠れてあの人たちを見ているわたしが。 今だけじゃない。ずっとそうだった。わたしはいつも、みんなのことを遠くから見るだけで、仲間に入らなかった。三年間、ずっと。 でもほんとうは、みんなの中にわたしも入りたかったのだ。みんなと普通に、気軽にしゃべったり遊んだり、ノートを貸したり借りたり、誕生日を祝ってもらったりしたかった。お姉ちゃんみたいに、派手なやり方じゃなくてもいい、うまれてきた日をおめでとうって祝福されたかった。わたしってこの程度だし、とか、わたしだから、というくだらないいじましい理由なんかで、ほどほど��ところで我慢したくなんかなかった。べつにいいや、あんまり興味ないし好きじゃないし、という顔をしながら、周りの古都をずっと外から羨んだりひがんだりしていた。 明日、誕生日なのに。 わたしは誰にも祝ってもらえない。誰もわたしの誕生日を知らない。 誕生日まであと二時間。 わたしがいまのわたしから変われるとしたら、今日と明日の境目しか、時間がない。 自転車をぐいぐい漕ぐ。向かうのは、海。道は一本に突き抜けていて、ブレーキはほとんど使わなかった。 ポケットの中の携帯はやっぱり震えない。誰からのメールも受信しない。 昼間あんなに暖かかったのに、頬を切る風はひどくつめたい。耳をちぎっていこうとするみたいに鋭くて、痛くてたまらない。 でも、ほんとうに痛いのは耳じゃないということに、ずっと前から気づいていた。 ペダルに力を込める。耳元で金属的な音が鳴る。 海を見よう、と思った。ひとりきりで、海を見ながら誕生日を迎えよう。とにかく、このまま家に帰れない。このまま夜の街を歩いていてもなにも変わらない。 無心で自転車を漕ぐ。言えなかった言葉が、ふつふつと勝手に記憶からこぼれてくる。 わたしも打ち上げに行っていい? 津川くん、よかったらメアド教えてくれないかな。 卒業式の日、わたしの髪を巻いてほしい。 実際には外に出てこなかった自分の声が、からだのなかで渦を巻いていく。わたしのなかには、言えなくて心の中で反芻するだけだった言葉がたくさんたくさん積み重なっている。どれも他愛ないことだ。小学校の卒業式、憧れていた先生にサインを頼みに行きたかったけれどみんなに囲まれていたのであきらめたこと。ピアノをやめたいと言えずにいやいや高校受験までつづけたこと。新しいコートじゃなくて楓のお下がりでいい?とお母さんに言われてうなずいてしまったこと。そういうちいさいちいさいわだかまりが、お腹の底でぷつぷつと泡立っている。忘れていると思っていたのに、わたしはしっかりと覚えていた。最後まで口にできなかったことを、忘れることができなかった。ひとつひとつはちいさくても、どんどん積み重なってわたしはそれらにからめとられて身動きできなくなっている。 はっ、と大きく口を開けた。白いかたまりになって息が後ろに飛んでいく。 海が見えた。立ち上がって漕ぐ。スカートが風をはらんでぐわんとふくらみ、マフラーがひるがえってわたしの頬をぴしっと打つ。自転車を漕ぐ脚の筋肉がひきつりそうだ。鼻のあたまで夜風を掻き分けていく。 行かなきゃ。 あそこまで、辿り着かなきゃ。 いずみぃ! 早く早く! お姉ちゃんの声がする。まだ、わたしたちが同じ時間を過ごしていた頃の、お姉ちゃんとわたしが入れ替わってあそべた頃の声が。 まってよおねえちゃん、砂があつくて歩けないよ。 先行っちゃうよ! きゃーつめたい! やだやだやだ、水かけないでよー! わたしたちはもう、子供じゃない。あの頃と違う世界に飛び込まなきゃいけない。 23時46分。やっと海に着いた。こんな時間に海にいるなんて、実感が湧かない。潮の匂いは感じているのに、ちっとも現実味がない。 遊歩道で自転車から降り、砂浜と道路を分けているガードレールをまたいで越える。つんとした海の匂いがする。潮騒がこんなに近い。 急坂の砂浜に積み上げられたテトラポッドを、ひとつひとつゆっくり降りる。バランスを崩して海に落ちそうになり、あわてて壁に手をつく。ぱんっ、と意外と大きな音を立てた。 壁に手をついてからだを支え、荒い息を整えて、もういちど携帯を取り出す。23:52。ぎりぎり間に合ったみたいだ。 壁から手を離し、もう一段テトラポッドを降りた。その上で足に力を込めて落ちないように踏んばる。前髪が汗で額にはりついていた。 そうっと海を見下ろす。空よりも真っ暗で、見つめているとなにかが出てきそうで怖い。昼間の海とはまったく違う。昼間より潮騒が大きい。かすかに水面がさざめいていた。月も出ていない。波打ち際で砕ける波の白さが闇の中で際立つ。のたうちまわる生き物みたいで気味が悪い。 打ち寄せては砕ける波は、わたしを呑み込もうとしてるみたいだ。 呑み込んじゃえばいい。波が引いたら、わたしがわたしじゃなくなっていればいい。 波の音が、心臓の音と重なって、混ざりあう。肌が潮風になぶられて汗が冷えていった。23:55。あと五分。あと五分でわたしは十八歳になる。十八歳になってしまう。こんな、夜更けの海で。 どうして子供は大人になってしまうんだろう。いつまでわたしは子供でいるつもりなんだろう。わたしはいったいなににせかされて、ここにいるんだろう。 わからない。わからないからここに来たんだ。 髪が煽られ、スカートがばたばたとひるがえる。セーラーが背中で持ち上がっているのがわかった。マフラーは自転車のかごの中だ。寒い。歯が鳴る。でも、気持ちいい。ひゅうっと海から運ばれてきた風でそのまま持ち上がってしまいたい。 はっ、はっ、と絶え間なく吐き出される白い息が視界をぼやかす。23:59。あと四十秒。 わたしは目を閉じた。わざわざ夜中に自転車を飛ばして海まで来たことが、急にくだらない、ばっかみたい、そんなふうに思ってしまいそうになった。 行けなかった打ち上げ、教えて、と言えなかった津川くんのアドレス、巻かれていない髪、わたしの知らないところで楽しんでいる多香子、前歯で噛むと挟まるレンコンの繊維、四月から通うはずの東京の大学、似てないねって友達に言われたお姉ちゃんとのプリクラ、片方のページだけコメントで埋まった卒業アルバム、司書さんに言えなかった素直なお礼の言葉、最後に聞いた津川くんの声、何時間も歩き回って時間つぶしした卒業式の放課後。いろんなものが、わたしの足元をぐらぐらさせる。わたしをがんじがらめにする。 もう、そういうのはいやだ。 目を開けた。あしたまであと7秒。あと7秒で誕生日になる。息を整えてカウントを始めた。 ご、よん、さん、に、いち。 ゼロ。 しゅるりと結び目を引っぱってスカーフをはずした。空に放る。 わたしの幼い部分が、遠くに、遠くに舞い上がっていく。それはすぐに赤い点になって、闇にまぎれて見えなくなった。じっと目をこらす。空をにらみつける。風にさらされ、眼球がつめたくなる。 東京に行ったくらいで、わたしは変われない。髪をきれいに巻いたり、ピアスを開けたり、流行りの服を着こなしたり、男の子と気さくにしゃべるようになったり、そういうことができるようになるわけじゃない。そんなこと、わかっている。 でも、ここにいたらいまのわたしからは一ミリも変われない。 このままじゃだめだ。すこしでも、いまのわたしから変わりたかった。お姉ちゃんみたいになりたい、わたしであることをやめたい、と思っている自分を、すこしでも変えたかった。十七歳までのわたしの延長線上に十八歳のわたしがいるのはだめだと思った。 だからわたしは海に来た。 そしてもうすぐ、東京に行くのだろう。きっと。 にぎりしめていた携帯が、ふるえた。Eメールだ。受信は0:00ぴったりだった。 【誕生日&卒業おめでとう!】 お姉ちゃんからだった。 たくさんのデコレーションで、闇の中、ちかちかとカラフルに光っている。いまわたしが家にいないことを知っているはずなのに、余計なことは訊かずにお祝いだけしてくれた。 ありがとう、と声に出して呟いたら視界の底が揺らいだ。涙を指ではじく。でも、あとからあとからあふれてくる。 す、と息を吸った。 おもいっきり、さけんだ。言葉や意味のあることではなく、ずっと溜まっていたものを、ぜんぶ、吐き出す。 海はぜんぶ吸いとってくれる。わたしはずっと、ずっと、さけびつづけた。海に吸い込まれて、声の名残は残らない。 でも、わたしは忘れない。誰も聞いていなくたって、ひとりぼっちだったって、わたしはわたしという聴衆を消すことはできない。 やがて声が嗄れて、出なくなっても、わたしは海に向かってさけびつづけた。涙でくちびるが濡れる。寒さでしびれた手の甲で、ぐいとぬぐう。 海鳥がキュウ、キュウ、と鳴いている。 刻々と、わたしの十八歳の日々が始まっていく。 肩で息をついた。手で掴んだ膝小僧のつめたさを、いとおしいと思った。忘れちゃだめだ、と思った。 もう、わたしは少女にもどれない。 でも、前に進むのがいやだなんて思わなかった。 洟を啜り、両足にぐっと力を込める。強くまばたきして、まぶたに残った涙を外に流しきる。 海と空との境界線がわからなくなった水平線を、いつまでも、いつまでも見つめつづけていた。 追記。高2の冬に書いたものを推敲した作品。わたしが当時すきだった男の子はこんな人の好い男子じゃなく、目つきの鋭い、怖い感じの同じ背丈の男子だった。
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thyele · 4 years
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2020年4月17日
D、「#ウェブストアイベント」開催。全国ライブハウス応援企画も実施中 色々動いてるねえ。 https://www.barks.jp/news/?id=1000181366
毎日新聞さん「福岡市中央区の天神地区再開発事業のため商業施設「天神コア」が(3月)31日、44年の歴史に幕を下ろします。」 https://twitter.com/mainichi/status/1240767506220027911
古舘寛治Kanji Furutachiさん「私は自分が生まれた「この国」が大好きです。それを私欲のみで行動する政治家や大企業等の既得権益所持者達が壊してゆく。愛する母国が壊れるのが嫌だ。それに耐えられなくて呟いている。以上」 https://twitter.com/Mkandhi091/status/1240432212400635906
毎日新聞ニュースさん「アフリカノート:自衛隊が去った南スーダン 「平和への確信」持てないまま」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1240762590084521984
🔯100日後に死ぬタラオ🔯さん「【朗報】凄すぎるラジコン現る、めっちゃ手疲れそうwwwwwwwww」 https://twitter.com/After100days/status/1240731816060792832
山添 拓さん「「検察官の定年延長だけでなく、内閣が検察幹部の人事に介入できる余地を残すもう一つの「仕組み」も盛り込まれた」ーー検察庁法改定案の悪質さが、各紙で報道され始めた。 黒川氏の違法人事で飽き足らず、今後も内閣による検察官人事への介入に道を開こうとする安倍政権。」 https://twitter.com/pioneertaku84/status/1240569724263489536
日本経済新聞 電子版さん「東京都はあす4月7日から、入院中の軽症者ら約100人のホテルへの移送を開始。症状の重い患者の病床確保を急ぎます。 #新型コロナウイルス #新型肺炎 #COVID19」 https://twitter.com/nikkei/status/1247081411783385088
毎日新聞ニュースさん「孫正義氏「マスク100万枚寄付」スピード決断 その経緯とは?」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1247104088107405315
“crazy”shimooon-joeさん「これええな…ってまだ入学もしてないけど。 新型コロナ感染拡大で「ランドセルのリメイク」が注目 その背景に「卒業式の規模縮小」が…(中京テレビNEWS)」 https://twitter.com/Shimooon_joe/status/1247121642280480768
首相官邸(災害・危機管理情報)さん「【#新型コロナウイルス】新型インフルエンザ等対策特別措置法、緊急事態宣言について掲載しています。 緊急事態宣言が行われた場合、 ・欧米におけるロックダウンのように都市が封鎖されますか? ・外出できなくなりますか? 等掲載しています。 詳細はこちらから▼」 https://twitter.com/Kantei_Saigai/status/1246951662847062016
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「トランプ流コロナ危機対応、「五里霧中」の危うさ #トランプ #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/WSJJapan/status/1247169737601277954
ロイターさん「英ジョンソン首相、依然病院に 新型コロナ症状続き検査入院」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1247169835919908865
難波日登志(三條なみみ)さん「色をつけました。 お子さんにも見てもらえたらいいな。 『ぼのぼのたちのコロナ対策(カラー版)』」 https://twitter.com/namimi_sanjyo/status/1247001640168607744
Hiro Kayさん「在日パキスタンの方々が渋谷で日本の方々にマスクを無料配布中!」 https://twitter.com/hirokay/status/1247025594937688066
もぐもぐさん「新型コロナウイルス対策の基金、アクション早いし寄附金控除あるしありがたい…今年はふるさと納税よりこっちや!!!!」 https://twitter.com/mgmgnet/status/1247178572537589761
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版さん「飛べない航空会社、生き残るための「秘策」とは」 https://twitter.com/WSJJapan/status/1247215702064402432
ロイターさん「米、新型コロナ死者1万人突破 世界3番目=ロイター算出」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1247215202698965000
Irene M. Johnsonさん「自宅待機で多くの人が家にいて自宅勤務に切り替えている為保護団体から犬猫を一時預かりする人が急増している。シェルターも最低限の人員で回さなければならないので一時預かりでも大助かりだ。審査基準は普段と変わらない。コロナが終息してもそのまま引き取られる子達が増えるといいな。」 https://twitter.com/IreneHanabi/status/1247161662462922752
ロイターさん「英ロールスロイス、配当中止 新型コロナで流動性強化」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1247220184693248000
Yahoo!ニュースさん「【政府、終電繰り上げ要請へ】政府は、緊急事態宣言の発令に合わせ、対象となる7都府県の鉄道事業者に対し、終電時間の繰り上げを求める調整に入った。終電の繰り上げで外出自粛につなげるとともに、クラスター発生を防ぎたい考え。」 https://twitter.com/YahooNewsTopics/status/1247132005373898752
楠本まきさん「ボリス・ジョンソン、集中治療室に。」 https://twitter.com/makikusumoto/status/1247248081097293824
ロイターさん「中国本土のコロナ感染者39人増、無症状78人増 ともにペース加速」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1247245334205665281
時事ドットコム(時事通信ニュース)さん「【速報】 安倍首相は政府対策本部で、中小企業に200万円、個人事業者に100万円の現金給付を行う考えを示した」 https://twitter.com/jijicom/status/1247097723808972808
47NEWSさん「ライブハウスの95%が減収 「3カ月持つか分からない」半数」 https://twitter.com/47news/status/1247134245132226560
ロイターさん「インドネシア、コロナ感染ペース加速 死者は中国除くアジアで最悪」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1247250351067144197
フィフィさん「緊急事態宣言前であるため強行される予定の入学式、学校サイトを見ても更新が止まっていて、総理の会見を受けてどう対応するか不明のまま。ここ数日息子を説得してきたけど…入学式後に休校を延長したところで…自治体が延期の指示を出してくれたら親も子もこんな心苦しい気持ちにならなくて済むのに。」 https://twitter.com/FIFI_Egypt/status/1247242529998655494
日本経済新聞 電子版さん「オーストリア、対コロナ規制を緩和へ 欧州主要国で初」 https://twitter.com/nikkei/status/1247208460019621892
日本経済新聞 電子版さん「車ランプのスタンレー、殺菌技術 コロナ後への再評価」 https://twitter.com/nikkei/status/1247208458933297152
日本経済新聞 電子版さん「NYダウ急反発、1600ドル高 コロナ感染の鈍化期待で」 https://twitter.com/nikkei/status/1247256515292966915
朝日新聞(asahi shimbun)さん「「経済ガタガタに…」揺れた政権、緊急事態宣言に動く訳 #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/asahi/status/1247256276146384896
毎日新聞さん「東京都23区内で専業主婦と2人暮らしのサラリーマンの場合、非課税になるのは年収が156万円以下の人に限られます。年収700万円の人は350万円に半減しても対象になりません。」 https://twitter.com/mainichi/status/1247255254766440448
ロイターさん「米消費者が失業や債務支払い懸念、新型コロナで=NY連銀調査」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1247254104235298817
kentarotakahashiさん「うわうわ、小池さんの説明聴いたら、オレの考えもまったく甘かった。フリーランスは月間所得3万円まで減らないと貰えない? 30万円貰える人を想定するのが難しい。」 https://twitter.com/kentarotakahash/status/1247203625601916929
毎日新聞さん「「世帯向け30万円給付」は収入減を示す書類をそろえて申し込む自己申告制。 給付の要件は簡素とは言えず、必要な世帯に十分なお金が行き届くかは不透明です。」 https://twitter.com/mainichi/status/1247257771172663302
norico0807さん「日本を代表するエンターテイナー、志村けんさん。 ご冥福をお祈り申し上げます。 沢山の笑いだけでなく、愛に溢れ、感動も与えてくれた日本の宝です。 志村けんさんの笑顔を描きたい‼️と思った😊 #志村けん #志村けんさんありがとう #志村動物園 #志村園長ありがとう #日本の宝 #コロナに負けるな」 https://twitter.com/norico0807/status/1247115471054196736
NHKニュースさん「【速報 JUST IN 】国債 約16兆円追加発行へ 政府 緊急経済対策の財源確保で #nhk_news」 https://twitter.com/nhk_news/status/1247318429620506625
🕸𝔛𝔛𝔛𝔄𝔗𝔖𝔘𝔖ℑ🕸さん「映画大好きだし映画館も大好きだから賛同しました #SaveTheCinema 「ミニシアターを救え!」プロジェクト 新型コロナウィルスによって大きな打撃を受けている 小規模映画館(ミニシアター)等への緊急支援を求めます」 https://twitter.com/xxxxvalentine/status/1247357844468293632
壊滅度別の業界リスト(新型コロナ編) - Chikirinの日記 https://chikirin.hatenablog.com/entry/2020/04/06/%E5%A3%8A%E6%BB%85%E5%BA%A6%E5%88%A5%E3%81%AE%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%EF%BC%88%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E7%B7%A8%EF%BC%89
ロイターさん「呼吸器系および肺の専門家や医療関係者などからなる国際的な組織である国際結核肺疾患連合は6日、新型コロナウイルスのリスク低減に向け、喫煙者に禁煙を求めるとともに、たばこ会社に製品の製造と販売の停止を呼び掛けた。」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1247364175384293378
せーぶるさん「またこのことから、同人誌即売会同様、災害初期から自粛させられてきたライブハウス等でのイベント告知の写しと出演者本人である証明と、同じく新型コロナウイルス事情によると明記された中止告知の写しもまた、同様に緊急小口融資申請の添付資料として有効となるだろうと推察されます(u ・ω・)」 https://twitter.com/sandworks/status/1247573549734215681
日本財団、軽症者向け1万床整備へ 船の科学館敷地など [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASN435VLHN43UTFL007.html
マスク、開店直後は販売しません ドラッグストアで相次ぐ導入...早朝の「行列」問題化で : J-CASTニュース https://www.j-cast.com/2020/04/07383846.html
日本の緊急事態宣言は「見せかけだけ」フランス紙が評する - ライブドアニュース https://news.livedoor.com/article/detail/18085162/
「東京脱出」が増加…バスタ新宿は利用客であふれる - 社会 : 日刊スポーツ https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202004070000642.html
ピーチ太郎2ndさん「【麻生大臣の一昨日の電話】 🇺🇸の偉い人「お前のとこ何人?」 麻生大臣「6●人」 🇺🇸「昨日は?」 麻「昨日?」 🇺🇸「6●人は昨日だろ?」 麻「この3か月で6●人だ」 🇺🇸「……意味がわからん」 麻「俺の英語がわからんのか?意味がわからんのか?」 🇺🇸「意味がわからん…」 🇺🇸からすればそうだろうな😥」 https://twitter.com/PeachTjapan2/status/1247112323266985984
七高剛さん「マスク2000枚じゃなくて、マックの差し入れだったつーの💢 フェイクニュースは、やめてください!」 https://twitter.com/Go_Shichitaka/status/1246778504085008384
京産大に脅迫電話やメール相次ぐ 新型コロナ、警察へ被害届を検討 | 共同通信 https://this.kiji.is/620207715897836641
「俺はコロナだ」名駅地下街で70代ぐらいの男が叫び逃走 名古屋 : 中京テレビNEWS https://www.ctv.co.jp/news/articles/uce079cn6cjnvz8u.html
首相、7都府県に緊急事態を宣言 接触「7~8割減」要請 | 共同通信 https://this.kiji.is/620177429076345953?c=39550187727945729
京大病院研修医57人、飲酒会食し自宅待機 コロナ予防方針に反し|社会|地域のニュース|京都新聞 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/211815
新潟 新たに1人感染確認 東京から帰省の女性 新型コロナ | NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200407/k10012372801000.html
【速報】上野公園で花見後に飲食 70代男性が感染 静岡県(テレビ静岡NEWS) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200407-00000005-sut-l22
堀江貴文(Takafumi Horie)さん「新型コロナ感染していない人の方がおおい状態で感染者数を抑え込もうとしてるわけだから長期戦になるわけよ。そしたら、経済が崩壊しないレベルで必ず折り合いをつけざるを得ない時が来る。安全対策をとりながら出来るだけ普段通りの生活をするような流れを作らねばならない」 https://twitter.com/takapon_jp/status/1247403331036704770 堀江貴文(Takafumi Horie)さん「非常事態宣言が終わったら大丈夫とか思ってるやつは脳内お花畑で、致死率を画期的に下げられる治療法確立がワクチンの治験が成功して認可されるまでダラダラと続くわけよこれ。」 https://twitter.com/takapon_jp/status/1247403694934515712 堀江貴文(Takafumi Horie)さん「そりゃ全員が誰とも会わずに引きこもってたらそりゃ新型コロナには感染しないだろうけど、そんなの人間が人間であることを放棄してるようなもんだぜ。どこかで折り合いをつけないと社会は崩壊するよ。」 https://twitter.com/takapon_jp/status/1247417435315027970
佐藤正久さん「【一部に誤解、緊急事態宣言後の施設使用制限に伴う休業手���は継続】 東京新聞等に、宣言後は会社都合の休業ではないので休業手当が支給されないとの報道があったが、それは誤解。佐藤自身も先週確認したが支払いは継続される。ご安心を。 また臨時休校に伴う保護者への休業補償に関し風俗業にも適用」 https://twitter.com/SatoMasahisa/status/1247414374194503680
朝日新聞(asahi shimbun)さん「トヨタ、医療用防護マスクを愛知で生産へ 月内めど #新型肺炎 #新型コロナウイルス」 https://twitter.com/asahi/status/1247429417778827265
日本経済新聞 電子版さん「日産、米で工場従業員1万人を一時解雇 生産停止で」 https://twitter.com/nikkei/status/1247419336970489856
聖詩さん「クルトくん@kurutonboから回ってきたので… 僕ちゃん19歳、美歪18歳、ツーショット写真でげす😁 @haruhirahore @leaya_bass @Shige103_y @kyon_chima0425 巻き込んですいませんが宜しければお付き合いください🙇 #好きな画像貼って4人指名していくリレー」 https://twitter.com/suimasenoaiso/status/1250746825826430978
スタジオル【国内最大級音楽スタジオ予約サイト】さん「【拡散希望!東京都の音楽スタジオ全てに届くように】東京都の休業要請ですが、「音楽スタジオ」も対象であることを都に確認しました。重要なのが「遅くとも本日16日から休業しなければ休業要請協力金がもらえない」です※この発表は昨日夕方です。まだ休業してないスタジオさん、今日から休業です!! https://t.co/TftNt5GwMJ」 https://twitter.com/studi_ol/status/1250467454272204800
中島卓偉さん「電話ゲストですが是非聴いてください!今のところ僕は元気でロック的に痩せてます。病的にじゃなくて。 https://t.co/sTHGoFmQBS」 https://twitter.com/takuinakajima/status/1250740665761193984
志磨遼平(ドレスコーズ)さん「【デザイン】みんなが愛するhttps://t.co/BKHdVKZmueが現在やむなく休業中ということで、コーチジャケットとグラスをデザインしましたよ。 ↓下記サイトよりご購入いただけますのでドシドシお買い上げを。 https://t.co/jBjxFcqgBk https://t.co/ZpJLDbjueO」 https://twitter.com/thedresscodes/status/1250703752866066432
悠歌-youka- / IOLITE -アイオライト-さん「03/06(金) 池袋手刀 【IOLITE -アイオライト- Presents "1st Full Album[Dear Stars.]Release Event"『Replay』】 新型コロナウイルスの影響で開催延期となりました【IOLITE -アイオライト-】のステージを[Official YouTube]にて録画配信中!! [Official YouTube]↓ https://t.co/GGYd5bNUGB https://t.co/fQBw8KN09Z」 https://twitter.com/lament_youka/status/1250740937950523396
鈴木 新さん「#ソロつなぎ ギタリスト:ITOYAN (@ITOYAN_Guitar) からご指名を頂きました!!! 「for dearのギターソロを弾いてみた」動画をします🎸 次は、2020年6月6日午後6時にNew Album『EVIL BRIDE』のリリー���が控えているCROWLEYのドラマー:HIROさん (@crowleydrums)に回しちゃえ🥁 https://t.co/pCWVr4ZBlg」 https://twitter.com/SHiN_0322/status/1250410837786808322
万事屋陽平さん「営業再開の目処が立ちましたらHPやSNSにて報告させて頂きます。 皆様、今はご自身のお身体をどうか大切にお守り下さい。 私は万事屋音工房を絶対に守り抜いてみせます。 音楽の素晴らしさは絶対に無くなりはしないのでまた何か御縁がありましたら皆様のご協力よろしくお願い致します。 万事屋陽平 https://t.co/2V70lqTi8I」 https://twitter.com/yorozuya_yo_hey/status/1250701875680182272
ryoさん「新潟の兄・イチロウ@dokuteroさんからきた #好きな画像を貼って4人指名していくリレー 新潟縛りも良かったけど横さんtweetないので、人と繋いでくれた先輩・後輩を勝手に指名させていただきます。 Közi @Kzi_official 宮崎京一 @KYO1_MIYAZAKI Kaya @Kaya_rose 愁 @shuu_grgm 離れてても人と人。 https://t.co/IzlmpVtn2C https://t.co/jxpi4OSiVM」 https://twitter.com/ryo_dalli/status/1250950967710765057
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kurihara-yumeko · 5 years
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【小説】真夜中の暗殺者 (上)
 孤独で優しい魔法使い
   Ⅱ.真夜中の暗殺者 (上)
 何かが砕けたような乾いた音と共に、大きな影が宙を舞ったのを見た時、リックは薄汚い路地裏の、排水が溜まった窪みに身を潜めていた。
 ある物理学者は果実が木から落ちるのを見て万有引力を思いついたと言うが、その黒い影が数メートル先のところに落下し、脳味噌を石榴のようにぶちまけたのを見たところで、リックに理解できたのは、落ちてきたそれが人間であるということ、そして、その人間が身に着けている闇に溶け込むような黒衣は、自身が身に着けている物とまったく同じ物であるということだけだった。
 つまりは、落ちてきたのは自分と同じ「組織」に所属する人間で、標的の部屋に侵入していた仲間だ。その体格から、落ちてきたのが今回同じ任務に配属されていた男であるとわかったが、何度か同じ任務に就いたはずの彼の名前までは思い出せなかった。
 上へとすばやく目をやると、アパートの四階の窓が割れていた。部屋のカーテンが風に吹かれてたなびき、小さなガラス片がきらきらと光りながら落ちてくる。遅れて、部屋に灯かりがともった。窓辺に近付く黒い人影に気付き、リックは頭を下げるようにして息を殺す。
 部屋には標的ひとりしかいないはずだった。人影は一体、誰なのか。リックは頭に叩き込んだ部屋の見取り図や標的の情報を脳内で復唱しながら、頭をもたげて頭上の人物の顔を視認したいという欲求を抑え込む。迂闊に動いてはいけない。任務は失敗したのだ。ここは一度、身を引くしかない。
 標的が侵入者を撃退したということは、事前に奇襲することが把握されていたに違いない。暗闇の中、標的自身が刺客を返り討ちにできるとは考えにくい。先に手を打たれていたのだ。部屋に用心棒でも待機させていたのか。
 窓辺から人影が消えた。リックは音を立てずに身を起こす。アパートでは他の部屋にも灯かりが点き始めていた。物音を聞いて目を覚ました住民がいるのだ。見つかる訳にはいかない。逃げなければ。
 覚えた地図を頭の中に広げながら、あらかじめ計画していた逃走路を足早に通り抜ける。
 細い路地を何本も抜け、飲み屋ばかりがずらりと並ぶ大通りへと出た。そろそろ日付が変わるという時間であったが、通りに面したバーのネオンはまばゆく、出歩いている人々の姿も多い。金曜の夜だからだろう、仕事帰りを思わせる服装のまま、赤ら顔で上機嫌な男たちが目立つ。リックは何食わぬ顔をして、通行人たちの中へと混ざり込んだ。
 人々の様子に異変はない。この街の片隅で惨劇が起こっているということなど、誰も知らない。
 まだサイレンの音も聞こえてこない。あの路地の住民が死体を発見して警察に通報するのはもう少し先だろうか。リックは左手首の腕時計を一瞥し、作戦通りであれば任務を終え、上司に一報を入れなければならない時刻になっていることを確かめる。
「組織」の人間は予定通りにことが運ばなかった場合、最悪の事態を想定して次の行動へ移る。リックからの連絡がないことで、任務遂行中に予想外の何かがあったということは上司にも伝わるだろう。もしくは、どこかに待機している他の仲間から連絡がいっているはずだ。もう次の手は打たれている。そう思いながらも、リックは頭の中の地図から、公衆電話が設置されている通りを探し出す。
 連絡しなければ。任務が失敗し、現場から離脱し、仲間の死体を置いてきたことを伝えなければ。
 大通りから一歩、再び細い路地へと足を踏み入れた、その時だった。
 ぞわり、と背筋が凍るような感覚がした。
 しまった、見つかった。
 直感的にそう思ったが、リックは決して振り返らなかった。立ち止まることも引き返すこともできない。見られている。自分は今、どこからか、何者かに監視されている。リックにはそれがわかる。だが、見られているだけだ。恐らく、判断しかねているのだろう。殺すべきか泳がせるべきか、まだ迷っている。この先、少しでも怪しまれる行動を取れば、リックは殺されるだろう。よって、足を向けた路地の奥へと進んで行くしかない。来た道を突然引き返すのに、自然な理由がないのであれば。
 路地は静まり返っており、誰の姿もない。表の喧騒が嘘のようだ。リックは表情ひとつ変えることなく、しかし、心の内で溜め息をつく。背中に刺さるように向けられているこの冷たい視線がなくなるまでは、電話をかけることもできそうにない。頭の中の地図から公衆電話の位置をかき消し、リックは新たな逃走路を探す。
 道の角を曲がる際、来た道へ横目を向けると、大通りからこの細い路地へ、数人の人間が入って来るのがちらりと見えた。背の高さや体格からして大人の男だ。それが複数人。それに対してリックはひとりだ。路地の奥で迎え撃つには分が悪い。だが撒くにも相手が多すぎる。
 一体どこへ逃げればいいのか。脳内の地図をめくり、逃走経路に思考を巡らせていたその時、リックの背筋で再び冷たい感覚がした。思わず身体に緊張が走り、はっとして足を止めたその瞬間、リックは戦慄した。
 目の前に、ひとりの男が立っていた。
 いつからそこに立っていたのか、どこからその男が現れたのか、リックにはまるでわからなかった。人がやって来る気配はなかった。向こうから誰かが歩いて来たのであれば、それに気付かないはずがない。途中の脇道から出て来たのだろうか。それにしても、足音ひとつしなかった。
 否、とリックは考える。足音も立てず気配さえ感じさせないということは、この男はただ者ではない。同業者なのだ。
 リックは反射的に半歩身を引いた。目の前に立つこの男から距離を取らねばいけないと、身体は瞬時のうちに理解していた。深く思考しなくても、肉体は常に最適な解答を求め躍動する。「組織」の人間は、そうでなければならない。リックは幼い頃から繰り返し、そのための訓練を受けてきていた。
 しかし、この時リックが身を引いたのは、もっと本能的な反応、つまりは恐怖心からだった。突如として目の前に出現したかのように見えるこの男の存在に、リックは恐怖していたのだ。
 男は首元からくるぶしまで、全身を覆い隠すように黒一色の外套を纏っていた。裾からは黒い靴の爪先がちらりと覗いている。顔は深く被っているフードに覆われ、鼻から顎までしか露出していない。その姿は、まるで影法師が肉体を得て立っているかのようだった。
 異様だ。
 リックは直感的にそう思う。この男は、同業者にしては異様すぎる。
 身体のラインをほとんど隠しているため、正しい目測はできないが、見たところ、男の身体つきは訓練を積み鍛え上げた肉体という訳ではなさそうだ。その外見から、男だということは判断できるが、年齢までは推測できない。老人なのだろうか。衰えて皮膚がたるんでいるような、そんな印象をこの男からは抱く。だが背筋はぴんと伸びており、少しも曲がっていない。
 同業者にこんな男はいない。こんななまくらな肉体で、業務が務まる訳がない。
 だが一般人でもない。一般人が、存在を感じさせることなく、突然リックの目の前に姿を現すといった芸当ができるはずもない。それは熟練した同業者であっても容易いことではないからだ。
 一体、こいつは何者だ。追って来る男たちの仲間なのか。
 リックに悩む時間はない。背後から追手の気配が音もなく近寄って来る。追いつかれたら殺される。それだけは避けなければならない。任務のためでも、「組織」のためでもない、自分の命が惜しいからだ。リックの右手は自身の左手首の袖口の辺りを探る。一か八か、やるしかない。
「――止まれ」
 その声は凛として路地裏に響き、そしてリックの身体は、そのままぴたりと静止した。目の前に立つ男の唇が小さく動いたのを視認していなければ、それがこの不気味な男の声だと認識できなかったに違いなかった。その声はリックの想像よりも遥かに若かった。そして、恐ろしいほど冷酷な声音だった。
 その声を耳にした時、リックの肉体は反射的にどんな動きもやめてしまった。何ひとつ反応することができなかった。見抜かれたのか。リックが今から何をしようとしているか、この男にはわかっているのだろうか。変な汗が流れる。心臓を素手で握られているかのような気分だった。この男にとっては、自分の生死など簡単に扱うことができるのだということを理解した。自分とは格が違う。この男に、ここで殺される。
 影のような男はゆらりと一歩を踏み出し、リックへと近付いて来る。その時、リックは背後で追って来ていた男たちが「動くな」と発したのを聞いた。こちらに向いている無数の銃口の存在も感じる。しまった、追いつかれた。男はさらに一歩、二歩とリックに近付く。「おい!」という声が背後から飛んだ。
「お前も動くな。そいつの仲間なのか?」
 リックは小さく息を呑んだ。目前にいるこの男は、追手たちの仲間ではないということか。やはりこの男は、同業者ではない。リックはそう確信した。その確信を裏付けるように、男は歩みを止めることなく、リックとすれ違うように側を通り抜け、追手たちに向かって行く。
「動くなと言っている!」
 拳銃の安全装置が外れた、その小さな金属音が、リックの耳に届く。撃つぞ、と思ったその次の瞬間には、消音装置を付けたくぐもった発砲音が聞こえ、リックの身体は反射的に弾けたように飛び上がり、咄嗟に地面に腹ばいに伏せた。
 追手たちの手元から放たれた銃弾は全部で六発。リックの目には空間を歪ませるように飛ぶ弾丸の軌跡が、闇の中でもはっきりと見えた。
 それらはまるで吸い寄せられるかのように、リックに背を向けて立つ異様なその男へと飛んで行き、そして、ただそれだけだった。
 追手たちの声に出してはいないどよめきが、伝わってきた。
 弾はすべて命中したはずだ。少なくともリックにはそう見えた。男は身動きひとつしなかったし、外すような距離でもない。だが男は動じることなくそこに立っていた。血のにおいはしなかった。血液が路面に滴り落ちる音もしない。
 男は外套の下から右腕を伸ばした。黒い革の手袋に覆われたその右手には、拳銃が握られていた。男はそれを追手たちに向けると、無言で次々と引き金を引いた。安全装置を外す音は聞こえてこなかったので、恐らくすでに外れていたのだろう。
 まるで映画でも見ているかのような感覚だった。日々死線をかいくぐっているというのに、誰ひとりとして、銃を向けられて抵抗できなかった。
 男は躊躇なく六人全員を撃ち、弾は一発も外すことなく、追手たちの額を貫いて絶命させた。消音装置のない銃声は夜の路地裏に高く響いた。硝煙と血のにおいがその場に立ち込める。
 男は六人の追手たちが崩れるように倒れたのを見てから右腕を降ろし、そのまま外套の中へと腕を引っ込める。拳銃は、固い音を立てて路地に落ちた。男が意図的に落としたらしい。弾を撃ち尽くし、捨てたようだった。
 そしてその時には、リックは男の背後に立ち、左腕で男の首を抱えるようにして掴み、右手で腰に隠していたナイフを首元に突き付けていた。
 この男がためらいなく六人を殺したように、リックもまた、男の喉笛をかき切ることに一瞬の躊躇もしなかった。この男は明らかに異様で、殺さなければ自分が殺される。それは間違いなかった。先程自分が殺されなかったのは、運が良かったと言うしかない。この死んだ六人の追手たちは、運がなかった。人の生き死にや命の重さなど、その程度のものだ。ここでこの男を殺さなければ、自分は追手たちと同じ、屍となって路地を汚すことしかできなくなる。
 だがリックは、男の喉元を切り裂くことができなかった。手応えは確かにあった。それは人間の皮膚を裂き、肉を引き千切る感覚だった。今まで何度も感じてきた、慣れた感触。だが、ほとばしるようにリックの手を赤く濡らすはずの血液は溢れ出ず、そしてやはり、男は微動だにしなかった。ぎょっとして男の首元を見ると、傷ひとつついていない。それどころか、先程当たっているはずの銃弾の跡さえも、その身体にはどこにも見つけられない。
 殺せない。
 この男を殺すことが、どうしてもできない。
 ナイフを取り落とさなかったのは、一度手にした武器は相手を殺すまで手放してはいけないと叩き込まれた過去があったからであり、そうでなければ、リックは何もかもを捨てて遁走していたに違いなかった。驚きのあまり声も出せなかった。リックは自らの敗北とこれから訪れる死を思った。男を拘束していた左腕を解き、一歩、二歩と後退した。
 男はゆっくりと振り返り、うつむいていた顔を少しばかり上げてリックのことを見た。フードの陰になっていた男の白い顔が闇の中に浮かび上がる。それはまだ二十代前半であろう、若い男の顔だった。黒い瞳が、見る者を凍りつかせるような冷酷さをもって、射抜くようにリックを見ている。
 殺される。
 そう確信した、その時だった。
 リックの耳は、微かな足音を捉えた。聞き覚えのある音だ。仲間だった。
「リック!」
 小声で、しかし叫ぶように鋭く発せられたその声は、路地の奥から聞こえてきた。リックがそちらへ目線を向けたのと、男が背後を振り返ったのはほぼ同時だった。向こうから駆けて来たのは、リックと同じ黒装束を着た、ひとりの青年だった。
「チル……」
 リックはその若者を知っていた。同じ「組織」に所属する、兄貴分のような存在だ。先程アパートの窓から落ちて死んだ男のように、名前も知らないような間柄ではない。子供の頃から一緒に訓練を受けてきた仲間だ。
 だが、どうして彼がここにいるのだろう。今回の任務に、彼は参加していたのだろうか。リックはそのことを瞬時に思い出すことができない。そもそも、リックは今回の作戦にどれだけの人間が組み込まれているのかを知らないのだ。
 チルは目の前の異様な男の前を平然と通り過ぎ、リックの元へ駆け寄ると、
「無事だったか。早くここから離れよう。また追手が来る」
 と、言った。それからチルは平然と男を振り返り、「行くぞ」と声をかけてから走り出した。思わぬ事態にリックは面食らったが、男がまるで影のようにチルの後ろを走り出したので、リックはナイフを腰のベルトに収納し、ふたりの背を追うようについて行った。
 この男は一体、何者なのか。チルとは馴染みのある人物のようだが、こんな男は「組織」にはいない。「組織」の人間ではないとするならば、何者なのか。どうしてこの男がチルと知り合いなのか。この男は味方なのか。チルが立てる微かな足音からは、その答えは聞こえてこない。
 路地裏をいくつも通り抜けながら、リックは頭の中に再び地図を広げる。先頭を走るチルの向かう先が、「組織」の人間が隠れ家として使用している場所だとわかった。そこに向かおうとしているのか。この男と共に。
 部外者と共に向かっていいのか、リックには判断ができなかった。だが今は、一刻も早くどこかに身を隠さなければならない。窓から落ちた死体と、路地裏に残してきた追手たちの死体。これ以上人目に晒されては、いずれ自分の身が、そしてゆくゆくは「組織」の存続が危ぶまれる。
 目指す場所は、かつて酒場だった古い建物の、カウンターの奥の隠し扉の向こう、地下に造られた小さな部屋。
 周囲に人の気配がないことを確かめてから、支給されている合鍵で入口の扉を開け、空き家同然の酒場の中へと入る。
 最後に入ったリックは施錠することを忘れなかった。建物の中へ身を隠したことで、多少の安心感があった。チルが奥の隠し扉を開け、地下へ続く階段へと足を一歩踏み出そうとした時、リックはその安心がごく短い時間で過ぎ去ったことを感じた。
 それは異臭だった。だがそれがなんのにおいなのか、リックはその身をもって痛いほど知っていた。ついさっきも嗅いだばかりの血のにおいだ。それも相当の量の血液が流れ出ていなければ、これほど濃いにおいにはならない。
 チルもそれに気付き、そのまま足を止めた。階段は灯かりがなく、闇の中へ続いていた。その闇の奥から、濃厚な血のにおいが立ち上ってきている。一体何人が、この下で死んでいるというのだろう。
「行くのか」
 先に階段を降りようとしたリックに、チルがそう声をかけた。続けて言う。
「この血の量だ。助からない」
「確かめる」
「何を」
「生存者がいるかもしれない」
 そう答えたリックを、チルは鼻で笑った。
「つまりそいつが、殺したやつだ」
 チルはリックより前に立ち、
「俺が先行する」
 と、言い、それから戸口から少し離れたところに立っていた男に向け、
「スミキ、お前はここで待っていろ」
 と、言った。スミキと呼ばれた男はうつむいたまま頷きもせず、しかしそこから一歩も動かなかった。
 チルは腰から拳銃を抜き、安全装置を外して構えると、慎重に階段を降りて行った。リックはいつでもナイフを引き抜けるように腰に右手を添え、その後ろを降りて行く。
 予想通り、階段を降りて行くに従って、血のにおいは濃くなっていくばかりだった。
 リックはこれから向かう地下室に刺客が潜んでいることよりも、階上に残してきた男の方が気がかりだった。時折、後方を振り返ったが、一階への入り口は開かれたまま、その向こうに人影は見えない。だがあの男には、気配というものがまるでない。息を殺して背後の闇の中に紛れていたとしたら、気付くことができないかもしれない。
 階段を降り切った時には、呼吸をするのが苦しいと思うほど、むせ返るようなにおいだった。地下室へ続く扉は半開きになっており、床は室内から流れ出た血で黒く濡れている。部屋の灯かりは点いていない。チルは慎重に扉を押した。古ぼけた木製の扉が、間抜けな軋んだ音を立てる。闇の中に人の気配はない。チルの手が壁際を這うように動き、やがてスイッチに触れると、天井の照明が点いた。
 それはイチゴジャムの瓶の底のような、地獄の果てのような光景だった。
 目視しただけでも十八人。全員、揃いの黒装束だ。しかし、生きている者は誰ひとりとしていない。脈や瞳孔を確認するまでもなく、それが明らかな状態だった。
「……裏切り者がいる」
 リックは目の前の光景から目を背けることなくそう言った。
「なんだって?」
 訊き返すチルもまた、前を向いたまま動かない。
「入口は施錠されていた。鍵を持っているのは、『組織』の人間だけだ」
「殺して鍵を奪って開けて、中にいた連中を皆殺しにしたのかもしれない」
「この場所を知っているのも、『組織』の人間だけだ。鍵だけ手にしても、鍵穴は見つからない」
 チルは沈黙した。まるで背中に目があり、リックが腰のナイフを引き抜いてチルに突き付けているのが見えているかのようだった。
「チル、あの男は何者だ。どうして部外者をここへ連れて来た」
「俺が裏切り者だと言いたいのか」
「答えろ、あの男は何者なんだ」
「忘れたのかリック、俺はいつだってお前を助けてやった。今だってそうだ」
「チル! お前が皆を殺したのか!」
 叫んだリックの口元に、突如として柔らかい布地が触れた。呼吸をしてはいけない、そう思った時には、すでに遅かった。手放してはいけないと教わったはずのナイフの柄が、面白いくらい簡単に手の内から滑り落ちていった。
「リック、お前にはチャンスをやる」
 チルの声。まるで水中にいるようにくぐもって聞こえる。リックの瞳はかろうじて、あの男が自分の背後に立ち、リックの口と鼻を、液体を染み込ませた布で覆っているのを捉えた。
 そのままリックは全身を激しく痙攣させ、泡を噴いて倒れた後、意識を失った。
 意識を取り戻すまでの間、リックは夢を見ていた。幼い頃の夢だった。それは夢ではなく、走馬灯だったのかもしれない。
 リックは物心ついた時にはすでに、「組織」が統括する施設で暮らしていた。
 リックは自分の年齢を知らない。生年月日もわからない。「組織」で生きていくための技術と知識を、日夜叩き込まれて成長してきた。
 その傍らにはいつもチルがいた。チルはリックより、数年先に産まれたらしかった。だが彼も同様に、自身の正確な年齢を知らない。施設には同じような年頃の子供たちが他にも大勢いたが、その誰もが、両親の顔や名前はおろか、自らの年齢を知らなかった。
 立って歩けるようになった子供から順に訓練が開始され、適応できなかった子供から姿を消した。施設からいなくなった子供がどこへ連れて行かれるのか、それは大人たちしか知らなかった。昨日まで寝食を共にしてきた仲間がいなくなった朝、その子の行き先に幸福や平穏があると思う子供は誰もいなかった。
 誰もが飢えた獣のような、ぎらついた目で刃を握った。泣き言や弱音を漏らすことはなかった。自らの生を呪うほどの選択の余地さえ与えられなかった。生き残るにはどうすればいいのか、それを誰もが知っていた。知ることを諦めてしまった子供は、残らずいなくなった。
 リックは特別優れた子供という訳ではなかった。むしろ劣っていると自覚していた。それでもリックが施設に踏みとどまることができたのは、チルの助けがあったからだ。
 リックとチルは子供時代、同じ部屋の二段ベッドで寝起きしていた。一日じゅう続く訓練を終え、就寝時間になっても、チルは朝方までリックに技や技術をこっそりと教え続けた。大人たちは恐らくはそれを見抜いていたが、口出しをすることはなかった。黙認されていたのだ。
 リックと反対に、チルはあまりにも鮮やかな子供だった。その才覚は、子供たちの中で群を抜いていた。初めて任務に就いたのは八歳くらいの時で、その任務で彼は大人を三人殺し、五人に再起不能とするほどの拷問を加えた。
 チルは身長が百五十センチを超えた頃、施設を出て行った。「組織」に正式に編入することが認められたからだ。脱落者以外で組織を出たのは、同世代の子供たちの中で最も早かった。過去を遡っても、それほど幼いうちに「組織」に所属できた者は多くはない。稀有な存在だった。
 リックはそんな彼に追いつきたい一心で鍛錬に励んだが、「組織」に所属することが許された時には、チルが施設を出て行ってから七年が経過していた。
 顔を合わせていなかったその七年の間、彼が一体どんな任務に就きどんな業務にあたったのか、リックは知らない。だが再会した時、チルが「組織」の中で最も血で汚れる部類の仕事に就いてきたということだけはわかった。身のこなし方も、目つきも、七年の間に様変わりしていた。
 彼の実力は桁外れだった。就いた任務で失敗したことは一度もなく、標的は必ず抹殺してきた。子供の頃に「十年にひとりの逸材」と言われていたのは間違いではなかったのだ。リックはやっと施設を抜け、「組織」に所属することが許されたというのに、チルはもう、雲の上の存在であった。
 ふたりが同じ任務に就くことはほとんどなく、だがときどき顔を合わせれば会話をした。チルはリックのことを何かと気にかけて、先に得た情報をリックと共有した。リックは地図でも時刻表でも暗記することに長けていたので、安全な逃走経路や、万が一のための避難路を構築して伝えた。そうして言葉を交わしていると、施設で同室だった頃からお互い変わっていないと、リックはそう感じていた。
 だが、チルは「組織」を裏切った。
 最低でも十八人の仲間を、この地下室で殺した。人間がただの肉塊になるまで、殺したのだ。
 意識が夢の底から浮かび上がるように覚醒した時、リックは血に濡れた床に転がされていた。咄嗟に身体を起こそうとしたが、両手首を背中で縛られていて上手くいかない。拘束されていることを瞬時に理解して、それ以上動くことを反射的にやめる。左頬が濡れ、ぬるりとした血液の感触がした。
 チルは椅子に腰かけ、それをただ見下ろしていた。その背後にはあの異様な男が立っている。
「裏切ったな、チル……」
「裏切った?」
 横たわったままのリックの言葉に、チルは鼻で笑った。
「何を勘違いしているんだ、リック。俺はただ、復讐しただけだ」
「復讐?」
「お前は忘れたのか。同じ施設で育った仲間たちが、一体何人殺されたのか」
 チルは片手で拳銃をくるくると回す。
「俺は忘れていない。歌うのが好きだったジン、食いしん坊だったトマ、読み書きを覚えるのが一番早かったのはマック、算数に長けていたのはメイだ。お前は覚えていないのか? 皆、子供の頃に施設からいなくなっただろう」
 リックの目は、チルの手の中で回転するその銃の、安全装置が外れているのを捉えた。
「いなくなった仲間のその後を知りたいか? 大人の連中は誰ひとりとして俺たちに教えてくれなかった。だが『組織』に所属したら、答えは簡単にわかった」
「……臓器売買か」
「お前の予想は外れだ、リック」
 チルは首を横に振った。
「お前だって、本当は知っているんじゃないのか? 『お仕置き部屋』を見たことがあるだろう? 悪いことをした子供が連れて行かれる、お仕置き部屋だよ。出来の悪い子供たちは、飼育されている犬たちの餌になる」
 チルは無表情のまま、しかしどこか退屈そうに、手の中の拳銃を回し続けている。
「俺が施設を抜けて『組織』に所属してすぐだ、女の子がひとり、施設からいなくなっただろ。サリって名前の、五歳くらいの女の子だ。赤毛で青い目をしていた。お前は覚えていないかもな。いつだってお前は、自分のことで一生懸命だったから。でも俺は覚えている。その子を解体して犬に与えたのは俺だ。『組織』に引き抜かれて、俺がこなした最初の任務はそれだった」
「…………」
 リックは何も言葉を発さない。チルは続ける。
「『組織』の連中は俺を取り囲むようにして見ていた。つい昨日まで同じ施設で過ごしていた仲間を、俺がどんな風に痛めつけて殺すのか、面白がっていた。もし一瞬でも躊躇したら、俺を同じようになぶり殺すつもりだったんだろう。あいつらが考えそうな悪趣味な作戦だ。俺が教えられた通りに生きたまま皮膚を裂き内臓を取り出している間、サリは一度も泣きも叫びもしなかった。サリがいつ死んだのかも俺にはわからなかったくらいだ。あの子はよくできた子だったよ。まるで教科書のお手本通りだ。あとほんの少し、走るタイムが速ければ、死なずに済んだものを」
 チルの手の中で拳銃の回転が止まった。銃口は、リックに向けられていた。安全装置は、外れているままだ。
「犬が食事を終えたのを見届けると、連中は俺に言った。『よくやったチル、お前は今日から私たちの仲間だ。もう犬に怯えることはない。犬よりも強い忠誠心をもってさえいれば』、と。俺はその日、復讐を誓った。いつか全員を同じ目に遭わせてやる、と。それが今日だ」
 その時、リックの耳には微かな金属音が聞こえた。鎖が床に引きずられているような音だ。軽快な足音が複数、微かに聞こえる。だが、室内から聞こえる音ではない。恐らく階上に音の発生源がいるはずだ。嫌な予感がした。
「だがリック、お前は俺の弟みたいなものだ。『組織』を裏切って俺に付け。そしたら殺さないでやる」
「……ひとつ訊いてもいいか。その男は一体、何者なんだ」
 あの異様な男は、チルの背後に立ったまま、先程から微塵も動かない。人形が立っているようだ。否、それは人形のようにさえ見えなかった。まるで柱でもそこに立っているみたいだ。フードの奥に見える顔には生気がなく、だがその両眼だけはぞっとするような冷酷さを持った光を宿している。
 チルは男を一瞥し、「ああ、こいつか」と言いながらリックへと向き直った。
「こいつはスミキだ。何者なのかと問われると答えるのが難しいが、俺の守護霊みたいなものだ」
「守護霊……? チル、お前は何を言っているんだ?」
「こいつはことあるごとに俺の前に現れ、手を貸してくれた。俺がこうしていられるのも半分はこいつのおかげだ」
「……昔からの知り合いなのか? そんなやつは、施設にはいなかったはずだ」
「こいつは施設とは関係ない。『組織』とも無関係だ」
「チル、お前は以前から、部外者と密通していたというのか」
「そういう訳じゃない。こいつは神出鬼没なんだ。どこにでも現れて、あっという間に消える。魔法使いだからな」
 魔法使い?
 リックは今度こそ、兄貴分の言っていることが理解できなかった。頭のどこかで、こんな裏切り者の狂言に耳を貸すなんて無駄だ、と言う自分の声がする。
 だがそれと同時に、リックは思い出していた。路地裏で突然、目の前にこの異様な男が立っていた時のことを。意識を失う前、薬品を嗅がされた時も、この男はいつの間にかリックのすぐ後ろに立っていた。どこにでも現れて、あっという間に消える。気配さえない。それは確かに、まるで魔法のような神業だ。
「魔法使い……」
「いかにも」
 沈黙を守っていた男が、唐突に口を開いた。
 (下)へ続く
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