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#下落合氷川神社
tokyomariegold · 11 months
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2023/5/5
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5月5日 奈良に来ています。 ホテルのテレビをつけてやっと腰を下ろそうてした時、NHKのニュースの画面が震災時バージョンだと気がつく。石川で大きい地震があったらしい。 旅行へ行くと、どこかずっと地震や災害に見舞われずに帰って来られますように、と祈っているし、今日もならまちのお店をふらふらしながら、ふとそれを思ったところだったので不安で不安でいっぱいになった。
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京都を経由して、修学旅行ぶりの奈良。 行きの新幹線は、ディズニー帰りの女性の隣。 多分母と同じくらいの年齢。窓側の席の私に「出る時声をかけてくださいね」と言ってくれて嬉しかった。 車内で景色を楽しむつもりが、とっても眠くてうとうとしていた。ずーっとうとうとしては起き、を繰り返してあっという間に京都。京都から奈良のJR快速も4列シートタイプの電車だったのに、景色もそこそこにずっとうとうとしてしまった。疲れている社会人の休日の旅行みたいで嫌。
東京駅も京都駅も確かに混んでいたけれど、こんな感じだった気がする。明日はUターンラッシュでもっと混むのかな。なぜかヒトツブカンロに人がたくさん並んでいて、花とバターはサブリナもまだ販売していて人が少なかった。
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京都で下車してタワーの地下で最果タヒの詩を見つけ、カカオ365でカカオちゃんスティックを買った。京都の四条から河原町方面を歩いたけれど、混雑具合は、むかし母と来た春の京都旅行くらいだった気がする。
錦小路はとっても混んでいて辛くなって直ぐ出てしまった。でも、母との旅行中に入ったスヌーピー茶屋(母に話したら、その時はもう閉店時間だったから入ってない、と言っていた)に再開できた! 2階がウッドストックのお店(私はピーナッツでウッドストックが1番好き!)だったので予定外のお買い物をしてしまったけれど、こうゆうことできるようになって嬉しい。母へウッドストックのお茶とチーズケーキを購入する。
京都は観光客だけでなく、京都の人も街へ遊びにきている混雑具合で、後ろを歩く男性3人組はこの春に京都へ出てきてはじめての夏を前に、盆地の暑さはあーたらこーたらと予想を立てていた。途中のサウナ施設へ入って行った。 鴨川を見ながら、もう少し夕方になるとカップルが並び始めるんだよね、とも言っていて、最果タヒを思い出す。
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奈良はちょっと街の印象が全くないままだったのだけれど、思いがけずテーマパーク的な印象。 奈良公園というスポットはもちろん、駅からそこまでの商店街と観光用街路が交差する道、さらにそこから一本入ると小さなカフェやギャラリーなどがある小道など、良く街歩きができる街だった。 メインストリート(?)ではよもぎ餅屋さんがとっても賑わっていた。作っている様子に張り付くように外国人の方々が写真を撮っていた。
カフェやお店がポツポツあるエリアは、かき氷やコーヒー、薬膳カレーや豆腐スイーツなどのお店があった。 西荻ぽさがあるような。 豆花のお店を見つけて入ってみたかったけれど、17時のラストオーダーを過ぎてしまっていたのでやめておく。事前に唯一調べておいたお菓子屋さんでどら焼きを5個、職場の方へ渡すように購入。紙袋がかわいい。
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奈良公園はとにかく人が多かった。 奈良の人じゃない明らかに観光客ばかりで、私もその一員で、何かこの一群でできている流れに乗って行動している気分で苦しかった。 それと慣れてない暑さと日差しでくらくらした。 鹿も思ったより元気がない。 地面に食べ残しの鹿せんべいがたくさん落ちていた。修学旅行の時はみんなのしおりを食べていたし、春日大社の林を駆け回っていた記憶があるのに。
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奈良県庁は県庁あるある屋上パラボラアンテナ地獄をうまく収めたファサードで素敵だった!
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春日大社前の万葉植物園だけ行って、夕方コンビニを梯子してホテルへ戻る。 万葉植物園の万葉って、万葉集の万葉なのね。 万葉集に出てくる植物が保存されている植物園。植物の説明と有名な一首とその植物について読まれている歌の数が書かれた看板が、植物とともに並んでいる。かきつばたは4首だけらしい。梅は40首くらいだった気がする。あかね、という植物を見つけてあかねちゃんに報告する。 白い藤がとても綺麗で思いがけず、亀戸天神の藤リベンジができた。
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観光地としての奈良しか分からず、終始消極的な感じでお散歩してしまった。 明日ちゃんと帰れるといいな、と、不安が募るホテルの部屋です。
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mougen-nikki · 4 months
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1月
年女。元旦から地元の友人2人とデニーズに6時間居座り、年末年始限定メニューの存在を知る。卒業式ぶりにネイルをした。魂24周年にバリチルで開催したパーティーで初めてオーダーケーキを頼んだがかわいくて大満足。こうきとまなみと神田大明神と湯島天神に初詣に行き、一瞬リョータに会う。シネマカリテで『そばかす』を観た。
まなみと日産グローバル本社でSAKURAの試乗をし、帰りに寄った中華屋で居眠りをした。あゆみさんとすえぴとネロの店で新年会をする。
THE FIRST SLAM DUNKの衝撃。三井への恋心を15年振りに思い出す。
すみちゃんとの大人の休日倶楽部が発足し、蔵前〜合羽橋あたりを散歩。観音山フルーツパーラーでももちとあゆみさんとすえぴが初対面。帰りにみんなにつかあってもらって、Tnewtiesで靴とワンピースを買った。
ことごとくおみくじの引きが悪い。
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2月
休職中の同期に久しぶりに会えた。元気そうで一安心。こうき主催のスイーツ会兼合同お誕生日会。ダロワイヨでケーキをたくさん食べた。工場の同期と遊んでザファを一緒に観た(THE SECOND SLAM DUNK)ら、同期は24時間経たないうちに2回目を観に行っていた。代官山のあたりをプラプラ散歩し、無数のトイプードとすれ違ったり旧朝倉邸に住みたがったりする。自主的Tłusty czwartekでミスドを食す。
かなこと海を見てカラオケ。バリチルで三井の寿の宴を行う。21卒22卒23卒になった高校の友達と卒業旅行で箱根へ。富士屋ホテルで豪遊し、星の王子様ミュージアムに涙ながらの別れを告げる。
テニミュ青学vs氷帝が当日の公演中止でぴよと残念会。
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3月
同期とご飯に行ったら2ヶ月ビハインドで私のお誕生日プレートをオーダーしてくれていて、この子たちのことは何があっても守ろうと思った。私お姉ちゃんだから。
大学の部活の先輩同期とかなり久しぶりに会った。大手町有楽町エリアで昼から夜まで遊んで、現役の時もこんなに遊んだことないから新鮮だった。私はちゃっかり途中の大丸でコスデコのアイグロウジェムをタッチアップし購入していた。
妹と母と受験お疲れ様の一泊2日熱海旅行。恋愛おみくじに「六歳年下が良い」と言われてじゃあ、三井寿か。と思う。月曜有給旅行の良さを感じたが穏やかな春の熱海の空気に当てられて情緒が不安定になる。
念願の姫鶴一文字を初顕現。宝箱からかなり早い段階で飛び出してきてくれて嬉しかった。
THE THIRD SLAM DUNKで横断幕特典シールをもらう。すみちゃんとピューロに行き、バツ丸のカチューシャを買ったらマレフィセントになった。三井を応援するネームプレートを作る。
在宅後ダッシュで駒沢に向かい、まおとA東京の秋田ノーザンハピネッツ戦を観る。なまはげがいたり、ありえない技(天井ダンク)を持つマスコットキャラがいたり、選手の概念車を教えてもらえたり、SDGsがボコボコにされたりと見どころ満載。ザファのおかげでプレーの解説がしやすい。ありがとう井上雄彦。
本社の同期4人ですみだ水族館にお出かけ。大阪人の登場シーンが肩揺らしすぎ歩くの早すぎ治安悪すぎで爆笑。いつの間にか水族館に墨田区の伝統アピールとして大金魚ゾーンができており不意打ちを喰らう。その後浅草寺で引いたおみくじ:凶。
かなこと銀河劇場でマリー・キュリー観劇。すごく良かった。韓国作品らしくフェミニズムのベースに労働者の健康被害問題や企業の製造責任、資本主義批判まで織り込んでおり見事な構成力。そうこうしていたらミューマギの第二公演情報解禁があり、まさかの山﨑昌吾ジャーファルに椅子から転げ落ちる。
ぴよのお誕生日@バリチルを開催。調子に乗ってバカのバースデーケーキを買ったら大変な目に遭った。
ももちとすみちゃんの作った和風シナリオを通過。知人の作ったシナリオは初だったが手癖を感じて面白い。バカ男子大学生コンビだったのでロールプレイが楽しかった。ガチ恋粘着獣の影響でYouTuberの探索者にした。
客先から一部品番値上げOK連絡をもらい、祝いにケーキを買って帰る。ここまで足掛け半年。
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4月
まおとBunkamuraのマリー・ローランサン展を観る。ローランサンとシャネルのメディアを介したラップバトルの話やテニミュのような前衛映像で爆笑。
閉館前の三菱一号館美術館に駆け込み、グッズを買う。そのまま散歩してヒューマントラストシネマ有楽町で『ジョージア 白い橋のカフェで会いましょう』を観る。すごくリラクシングでおおらかな映画で良かった。お国柄かな。
カイザーの話をされすぎてブルロ原作を読み始める。何もかもがめちゃくちゃすぎて読んではTwitterを開き、読んではTwitterを開くハメになった。おかしすぎる漫画。
はるかさんのお誕生日会があり、ウォカジンのヘアピンで爆盛り上がり。まったく、兄貴は意外と抜けてるところがありやすからね。
すみちゃんとラシーヌの苺アフタヌーンティーに行き、ノリタケの加州安定ティーセットが届く。
アニメのオペラオーが良すぎてメロメロになる。本当に彼女のことが大好きだしこの手の人間に弱い。ウマ娘は人間ではないが。
品川区民として初めての選挙(区議会議員選挙)。出張ついでにTさんと京都で遊んで私が行きたかった京都府立植物園に付き合ってもらう。何故か28,135歩も歩いた。
わが、まお、あゆみさん、すえぴと日本橋でピザを食べてから千葉ジェッツのA東京戦を観戦。冨樫を初めて生で観た。千葉なのに東京のイキリ中学生たちがコラボしていて何故?と思う。今回は席が取れなすぎてバラバラに座ったから観ながら話せなくて残念。観戦後の焼肉で炎の男の写真撮影に興じる。
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5月
2日にネスの夢小説を読み「ふ〜ん結構ネスのこと好きかもと思った」とツイートしている。
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運転練習を兼ねてGWに家族で伊香保に行こうとしたが関越が混みすぎて秒速5センチメートルしか進まなくなったため途中で諦め森林公園へ行く。エゴイストなので別行動して一人だけサイクリングをした。地元のイタリアンで祖父母の誕生日祝いをした。
こうきとポコの再会。この時祖父母がこうきを質問攻めにしており申し訳なかった。
降り頻る雨の中ポラ科とポーランド祭りに行き、帰りに駅のムンバイでチャイをしばく。
金夜のミュージアムナイトですえぴとマティス展に行く。プロヴァンスの映像コーナーがあり、教会の鐘の音を聴いた瞬間幸村精市との存在しない記憶とホームシックの幻肢痛に襲われた。とにかくヨーロッパに行きたい。
ももちとひなと湘北を想う湘南ドライブ。逗子マリーナの駐車場が法外な値段という学びを得る。これがあゆみさんから譲り受けたネスと初めてのお出かけ。
文フリに出かけて東直子とまほぴ、安田茜にサインをもらう。のいちゃんとたほさんにもご挨拶して差し入れを渡す。いつかドームに連れて行きます!と言われて最前行きます!と返した。
こうきとすえぴ、あゆみさんが対面し4人でヴァーミリオンのポップアップへ。この時はオーブのガーネットの指輪を買った。昼食場所を探したが渋谷の人口密度が高すぎてお高めの地中海料理に入る。イスカンダルセットというワクワクセットを注文。
母の日プレゼントで母にageteのネックレスを見繕った。チャーム別売りのやつ。
すみちゃんと劇場版コナン(魚影)を観た。元太のセリフ全てと陰謀論者の目暮警部で爆笑する。観終わった後がってん寿司でうなぎを食べてネスにも見せてあげた。
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6月
マンシティvsバイエルンのチケットが当たりまくる。ここから1.5ヶ月ほどチケット捌きに奔走する。チケ取引が中学の先輩や大学の後輩に会うきっかけになったので何だかんだよかった。
すえぴとあゆみさんと六本木ヒルズで薔薇のアフタヌーンティー。スタンドの高さがありすぎて起立して写真撮影。PWCを始める。三笘が来た瞬間ゲームバランスが崩壊し三笘ゲーと化した。
ミューマギの公演が始まり、6公演入る。今回はキャストが増えたのでオープニングとエンディングの厚みがすごかった。まさかの客降りで山﨑ジャーファルさんが数メートル先を歩いて行った。長生きはするものだと思った。マギ、サイコー!でも紅玉ちゃんの個人ブロマイドがないのはまだ納得してない。アクスタが売り切れすぎて買えないかと思ったがぴよが捕獲してくれた。
ネスの夢小説を書く。執筆中は納期にミートするために定時退社していた。わりと気に入っているので続きが読みたい。
部署の奨励金で帝国ホテルのご飯を食べ、その後走って若手による新入社員歓迎会に移動。
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7月
前日深夜に母に誘われ、急遽クレイジー・フォー・ユーを観劇。��さんをリアルで初拝見。エンタメに全力な作品でかなり良かった。衣装もすごい。タイミングよくたかりかさんとも会えた。
ぴよとあゆみさんと東京タワーで迷子のストライカー探し。その後言ったカフェでマスターの爺さんに絡まれ怪しげな成功譚を聞かされる。
はるかとこうきと浦和レッズvsFC東京を観戦。初めてのスタジアムだったのでドキドキだったが色々新鮮で楽しかった。埼玉出身者としてコバトンと写真撮影。試合は0-0で内容もしょっぱい。酒井も3分くらいで怪我したし。翌日に国立でこうきと町田ゼルビア vs東京Vを観戦。シチュエーションが整っておりかなり熱い試合とブーイングが見られた。
リトル・マーメイドをひなと観た。冒頭にアンデルセンの引用があり大事をあげて椅子から転げ落ちる。
あゆみさんが妄言バースの夢小説を書いてくれた。嬉しすぎて仕事中に読みまくる。やってることが10年前と同じ。
すえぴあゆみさんももちとココス呪術コラボを冷やかす。
ポラ科ドライブで秩父へ行きそばを食べる。ポテくまくん邸を表敬訪問。
あゆみさんと渋谷シティの試合観戦。コートが近く、ボールを蹴る音が聞こえてすごかった。妹と国立西洋美術館のスペインのイメージ展に行く。
大学の部活の納会に参加しバスケをした後2次会までこなす。
マンシティvsバイエルンの当日、午後休を取ってネイルを変えてから国立へ向かう。かなりお祭りムードで楽しい。こうきにバイエルンバウンドの服装を褒められて嬉しかった。はるかさんも合流して写真撮影やらトロフィーチラ見やらをした。試合はシティのパスワークのすごさとバイエルンの疲労を感じた。
バリチルでリョータとソーちゃんの誕生日会をした。
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8月
地元の祭りで3年ぶりの花火がまさかの強風で打ち上げ中止。同日に花火大会があった板橋では火事が起きていたので妥当な判断だったと思う。
すみちゃんと大人の休日倶楽部有楽町編を実行し、シンガポール料理、プラネタリウム、マリアージュ・フレールを巡る。マリアージュ・フレールで友人の結婚祝いを買った。
友人の結婚パーティーに参加したが、レストランでやる簡単なものだったためか泣かなかった。中学時代のいつメンと会えて嬉しいが、私が恋愛の話題に非対応なためやりづらさはある。最近どう?と聞かれたので順調だよ〜と言ったらいつから付き合ってるんだっけ?と言われる。流れを無視して交際ではなく人生の話をしてしまいすみません。でも結婚した友人のことは誇りに思うし尊敬するし応援してる。私たちもうホグワーツにも帝光中にもいないけど、それぞれの戦場で変わらず戦おうね。
お盆は車を乗り回すためムーミンバレーパークやスタジアムジャポンや伊香保に出かけた。
ひなとまなみと島でバカンス。海で浮いたり原チャリを乗り回したりと満喫。花火もお菓子も買ったのに朝が早かったため夜ご飯後に爆睡。星が綺麗らしかったが当然見れず。護岸されていない箇所で泳ごうとしたら波が激しすぎて引き波の時に足に当たる石で流血した。
ももちこうきあゆみさんと才能の原石たちとで本能のままに餃子を食らった。あゆみさんももちまおとHUBでサバトも開催。
かなこれみかと横浜散策。ダイナーでハンバーガーを取り違えられ、中華街にあるフォーチューンアクアリウムの存在を初めて知る。
ひなとTHE FOURTH SLAM DUNK。
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supersoniclevel · 7 months
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真3プレイ記 アマラEND編(前編)
遅くなっちゃったけど2周目アマラルートの感想です! まさかの前後編。 分岐までのメインストーリーの方はさわり程度です。 そのくせ長いですが、まあ、察してください。 内容:第4カルパ突破まで
2周目は悪魔全書が引き継げる&レベル制限解放なので、序盤のうちにラスダン攻略メンバーを揃えれば、さくさくぱんだ進行ができる!→でもそのためには結構なお金が必要→でもマタドール戦前にはつよい悪魔を用意したほうが絶対いい。 ということでまずは渋谷をぐるぐるして1周目でそこそこ育てたスダマチャンを召喚し、マハザンで無双してもらいながら今度は銀座でひたすら悪魔を狩って狩って狩って宝石売って5万マッカくらい稼いで、銀座大地下道突入前にラスボス攻略時の重鎮・オーディンを召喚! 純粋に能力値が高いし、単体魔法・全体魔法・全体物理とスキルのバランスもよく、どんな状況でも対応できるので、本当~~~に頼りになる子なんです。 ストーリー進めながら貯まったお金で随時残りのメンバーも追加していったけど、しばらくオーディンだけで事たりたし、第5カルパやカグツチ塔あたりまでは苦戦する場面がほぼありませんでした。計画通り。 メインストーリーのほうはせっかくなので、ルート分岐に関わらない部分に関しては1周目で選ばなかった選択肢を回収しながら進みました。 以下、おもしろかったダイジェスト。 ・ニヒロ機構の氷川との会話で「いいえ」系を選び続けると会話が全然噛み合わない。氷川ずっと「???」ってなってたと思う。 ・先生、ヤヒロノヒモロギ入手を「それじゃ、お願いね」って帰りにスーパー寄って牛乳買ってきてみたいな軽さで頼んでくる。ヤヒ��ノヒモロギだぞ。 ・アマラ神殿で勇くんに「何をしているか聞く」と「ほら、あの男が核になってマガツヒを集めてるだろ……?」ってすごく優しく教えてくれて、推しが死ぬイベントが一気に工場見学みたいな雰囲気になる。 ・ミトラの審問に「体も心も悪魔で創世はしません」って言ったのに、お前その顔はなんだ!ってイチャモンつけられる。もはや「おまえは池袋をでかい顔して歩いてた罪で死刑」と大差ない。 ・議事堂で氷川を止めると、「女の誘惑に落ちた」扱いとなる。なぜその発想になる?? おもしろすぎる。 本編はそんなとこかな。 アマラ深界の攻略は、トランペッターまで倒してから一気に進めました(どうせメノラー揃わないと先に進めなくなるため)。 のでライドウさんはレベル差の暴力で上から殴ってしまったので、ライドウ戦に苦心する様子を見たかった方はすみません。 というか、ライドウとイチャイチャ鬼ごっこするところまでは1周目で攻略済みなので割愛するぜ。 ちなみに、何故鬼ごっこをさせられたのかはよくわかっていません。もう1回イベント見たらわかるかもと思ったけどわかんなかった。 ということで第3カルパ突破地点から。 今回教えてもらえるのは、アラディアについての話。 彼女?は、迫害されていた魔女たちが勝手に作りだして拝んでいた神が、その信仰によって実態を成したもの?みたいですね。 自分を信仰してくれた人々の願いである「自由」を司ってはいるものの、無から生み出された存在であるので、他の神々や悪魔のような力は持っていない……ということなのかしら?? 先生はちゃんとカグツチに選ばれて、創世する候補としてこの世界に来たはずなのに、彼女の神が力を持たない虚構の神なのはどうしてなんだろう?? それとも先生が最初からコトワリとなるだけの理念をもっていて、他のコトワリ代表たちと同じように神を召喚していたら、もっと別の神が彼女に応えたのかな。 つまり先生が望んだ「自由」という理念と、氷川の指摘したような「逃げ場を求めるのみ」という脆弱な意思とが、アラディアと呼応したということ? なのかな?? 続いて第4カルパ。 へ~っ月齢で行き先が変わるんだ!っていろいろ試してたら特に何の準備もしてないのにベルゼブブの部屋に迷い込んでまうの罠すぎない? このまま出口を探し歩いて、呪いで瀕死になったところをザコに撫でられて全滅するより、ベルゼブブに挑んで負けたほうがマシ!と勢いで突入したら割とアッサリ勝ってしまいました。びっくり。 ベルゼブブ、人型も蝿型もかなり厳つくて荒っぽそうだけど、中身はめちゃ紳士的なんですよね。悪魔としての格の高さを感じる。 しかし、人修羅くんにメノラーを集めさせている目的をぺらぺら喋っちゃってて、うっかりネタバレおじさんみたいになってて可愛かったです。バレおじ。(?) これで第4カルパはあっさりクリアだ~!と思いきや、階下に降りる→鍵が掛かっている→鍵のありかを知ってる悪魔が以前の階層にいる→呪いエリアどこにあったか忘れたから探す→鍵はロキが持ってる→鍵はガラクタ集めのマネカタに売っtめんどくせえええええええ~~~~~~~~!!!!!
もうベルゼブブが鍵くれよ。
ロキ、BARで静かに飲んでいるクールな大人の男……てイメージだったのに、場末の酒場で金目のものを質に入れてまで飲んだくれているダメ男みたいになっちゃってて可哀想だった。 エ~ッ!? ロキさんのVIPルームから金品を盗んだ悪党のせいで素寒貧になっちゃったんですか!? なんてひどい! 俺が懲らしめておきます。それじゃ👋 ちなみに回廊は全部探索しましたが、宝物庫は大して見て回っていません。そんな……べつに……いいかなって。(?) 回廊にいる猟奇殺人者の少年の思念体、最初に会ったときはサカハギさんなのかな?って思ったけど「でもCVが細谷佳正だな??」となり、全部話聞いて、「愛を知らないために平気で人を傷つけてきたけど本当は愛を欲していた少年の魂」がフトミミ氏という形となったの、めちゃいいな……と思いました。 なんかちょっと、愛や優しさを知るロウくんや主人公にひそかに憧れていただろうカオスくんの生き方にも、どことなく似てるような気がして……カオスくんは自分の弱い姿を認め愛すことはできなかったから、少年が「本当は愛し愛される人間になりたい」と認めたことをえらいなと思いつつも、でも彼はいちど死したからこそ、ようやくそこに立ち返ることができるんだろうなという気もしました。生前、「本当はみんな優しいんだ」と言いながらサカハギさんの娘?を手にかけたんだろうし。 てかこっちの厚さに対してサカハギさん側のキャラがやや薄いのがちょっと気になる。「本当は復讐したかったが世間の目を気にする自分にはできなかった」とか言ってるけど、その髪型で会社行けるなら全然できたとおもう。復讐。知らんけど。 第4カルパを突破した人修羅くんに、お姉さんがようやくネタバラシしてくれます。さっきちょっとバレおじ(ベルゼブブ)から聞いちゃいましたが、ロウ勢力との戦争に勝つための切り札として、人修羅くんを混沌王に仕立て上げるつもりなんですね。 魔人たちと戦わされるのは単に力試しというか、混沌王にふさわしいかどうかの試練なのかと思ってたけど、要は蠱毒なのか。なのか? マガタマが虫っぽいのも関係あるのかな? 魔人、みんな事情を承知しているのかと思ったら、知らない子もいたらしい。可哀想。絶対マタドールさんじゃん。(名指しはやめるんだ) 全部を知った上で、あらためて協力してくれまいかと要請されます。べつに無理にとは言わないけど、神の支配に疑問があるなら是非来てほしいとのこと。 う~ん、だったらべつに、人修羅くんの良心につけ込むようなことをしないで、最初からそれをいってくれても良かったと思うけどもね。
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ぴゃああああちょっとなに急にまって!?!!?!?!?!?!?
さっきので話終わったかと思って完全に油断していました。ひどい動悸でバクバクになった胸を押さえながら「もうやだなに知りたいけど知りたくないなにが出てくんの助けて」てブツブツ言いながら部屋を6分間うろうろしてようやく震える指でAボタンを押す、そうよわたしはヒジリ推しの女(憔悴)。 話を要約すると、ヒジリは遠い昔に犯した大罪のため、世界の行く末を見届けるという使命を課せられて、見えざる神の手に操られ行動させられていた(でも本人はその記憶をもたないため把握していない)とのこと。
え? じゃあ…… じゃあ、本当に、「すべてを創り変えるべき」だったのは……。
なのに、なんで……
……。
はぁ????????
(いろいろな感情になった結果キレる)
神の傀儡として支配されていたヒジリには、そこから脱却し世界を創り変える理由があって、そして彼こそがそれをすべきだった。 のに、なぜ彼の専用エンディングがないのか??? っていうのを真っ先に思ったのですが、カグツチに選ばれておらず、かつマネカタの体となっているヒジリにはコトワリを啓くことはできなくて…… そして主人公くんもまた、コトワリを啓いたヒトといっしょでなければ世界を創ることはできないし、自分のコトワリを啓くこともできない…… 状況としては詰んでいて、これ以上どうしようもない、ということ……なんですね。。。 ずっと……ヒジリに頼ってほしいと思ってました。ヒジリが、創世したいなら、そのために協力したいって。 でも……できることなんかなんにもなかった。 二人じゃ……どこへもいけなかったんだ……。 その事実が、ただただ、ショックでした。 ヒジリはさ……「自分を受胎を生き残った人間だと信じていた」以上に……「普通の人間としてこれまで生きてきた」んだよ。 彼はオカルトに興味があって、文章を書くことが好きで、そしてなにかを自分の言葉で人に伝えるような仕事に惹かれる気持ちがあったから、オカルト記者を志した。 というつもりでいる。 でも実際は「光と闇の戦争を見届け、記す」という使命のために、そのように駒を進めさせられていただけ。 自分の意思だと思っていたいろんなことは、本当は全部選ばされたもの。ヒジリが自分で好きだと思ったこと、自分で正しいと思ったこと、自分で選んで決めたこと……そんなもの、本当は一個もないのかもしれない。ヒジリという人間は、いるけど、いない。傀儡なのだ……。 ヒジリ自身は自分が傀儡であることも、何度となく人生やり直していることも知らないわけだから、それを第三者の立場から「かわいそう」だと思うのは、エゴでしかないけれど…… でも……でも………… 全てを知ったヒジリが「俺自身が、世界を、俺を、すべてを創り変えるべきなんだ」と言ったのは、それはヒジリ自身の願いなのではないの? 自分が支配されるだけの傀儡であると知って、ヒジリはそんな自分のことを、嫌だと思ったんだよ。そんな自分を変えたいって、彼はたしかに……そう思ったんだ。 なのに、なんにもできないなんて、許されもしないなんて、こんなの……あんまりじゃないか……。
(むせび泣く)
なんにもしてあげられないけど、なにかしてあげたかった。いっしょに居たかった。一人きりで行かせるのではなく……。 せめて彼の終わらない旅の、杖くらいになってあげたかったよ……。 お姉さんは、ヒジリのように自由を奪われ弄ばれるだけのような在り様に疑問を持つのならば、最下層まで降りてこいと言います。 ヒジリのことを神に利用される哀れな存在みたいに謳いながらも、自分たちもただ主人公くんの承諾を促すためのネタとして利用してるのが、だいぶ腹立つんだけれども。 でも、もし本当に人修羅くんが混沌王となって、神との戦争に勝利できたら、ヒジリは解放されるのでしょうか。どこかの宇宙の、どこかの世界で、生まれ変わって、今度は自分の意思で生きてけるのかな。 そうだったらいい。 そうだったら、いいな……。
……ということで、だいぶ情緒が乱れましたが、第5カルパへ向かいます。長くなっちゃったので第5カルパ以降は次回! ちなみにこのイベントのあと、雑司が谷霊園に行って土鈴をゲットしたのですが、あの、ヒジリの生命フロー(?)って、人として東京に生まれる→受胎で死ぬ→ボルテクス���に戻される→勇に負けて死ぬ→魂がアマラ深界に落ちる?→回廊脱出→土鈴使って死ぬ→next stage…で合ってる?? 雑司が谷の人型、シルエットからすると「そう」なんだけど、だとしてなんでアマラ神殿で死んだ時にnext stageに行ってないのかがわかんないし、リスポーン地点が霊園なのもちょっと謎なんだよな。 でもだったら霊園のシミはいわゆる汎用マネカタのシルエットで良かったじゃんになるし……??? もし回廊を脱出して人間になろうとしたマネカタがヒジリだったのだとしたら、死してなおも創世を諦めなかった彼の必死さと、ようやく掴んだ希望でさえあっさりと摘み取られる無情さが、とても悲しいなと思うのです……。 てか真1の推し・ロウくんに続き神の傀儡にされ、真2の推し・サタンに続いて土(のシミ)となる真3の推し・聖丈二is何。もうやめてください。
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kachoushi · 9 months
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各地句会報
花鳥誌 令和5年8月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和5年5月1日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
葉桜に声まで染まるかと思ふ 雪 葉桜の懐深く観世音 同 葉桜を大天蓋に観世音 同 ふと思ふ椿に匂ひ有りとせば 同 葉桜の濃きに始まる暮色かな 泰俊 葉桜の蔭をゆらして風の音 同 老鶯を聞きつつ巡りゐる故山 かづを 四脚門潜ればそこは花浄土 和子 緑陰を句帳手にして一佳人 清�� 卯波寄すランプの宿にかもめ飛ぶ 啓子 蝶二つもつれもつれて若葉風 笑 雪解川見え隠れして沈下橋 天
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
五月闇喫茶「乱歩」は準備中 要 だんだんに行こか戻ろか日傘 和子 錻力屋のゆがむ硝子戸白日傘 昌文 空になる途中の空の鯉幟 和子 ラムネ玉胸にこもれる昭和の音 悠紀子 だんだんは夏へ昭和へ下る坂 慶月 だんだん坂麦藁帽子買ひ迷ふ 瑠璃 白シャツのブリキ光らせ道具売る 小鳥 蟻も入れず築地塀の木戸なれば 順子 夕焼はあのアコーディオンで歌ふのか きみよ 谷中銀座の夕焼を待ちて老ゆ 同
岡田順子選 特選句
築地塀崩れながらに若葉光 光子 日傘まづは畳んで谷中路地 和子 ざわめく葉夏の赤子の泣き声を 瑠璃 築地塀さざ波のごと夏めきて 風頭 カフェーの窓私の日傘動くかな 和子 二階より声かけらるる薄暑かな 光子 下闇に下男無言の飯を食ふ 和子 覚えある街角閑かなる立夏 秋尚 谷中銀座の夕焼を待ちて老ゆ きみよ 誰がために頰を染めしや蛇苺 昌文 青嵐売らるる鸚鵡叫びたり きみよ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月6日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
カルデラに世帯一万春ともし たかし 大いなる大地を画布に聖五月 朝子 渚恋ひ騒ぐ厨の浅蜊かな たかし しやぼん玉母の笑顔を包みけり 朝子 乙姫の使者の亀ならきつと鳴く たかし 風に鳴るふらここ風の嗚咽とも 睦子 桜貝拾ひ乙女となりし人 久美子 風船の子の手離れて父の空 朝子 夕牡丹ゆつくりと息ととのふる 美穂 はつなつへ父の書棚を開きけり かおり 鷹鳩と化して能古行き渡航路 修二 風光るクレーンは未来建設中 睦子 人去りて月が客なる花筏 孝子 束ね髪茅花流しの端につづく 愛 悔恨深し鞦韆を漕ぎ出せず 睦子 ひとすぢの道に薔薇の香あることも 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
戦争は遠くて近しチューリップ 信子 霾や廃屋多き街となり 三四郎 長長と系図ひろげて柏餅 昭子 鞦韆を揺らし母待つ子等の夕 三四郎 代掻くや越の富士山崩しつつ みす枝 氷菓子あれが青春かもしれぬ 昭子 モナリザの如く微妙に山笑ふ 信子 風なくば立ちて眠るや鯉幟 三四郎 観音の瓔珞めいて若葉雨 時江 春といふ名をもつ妻の春日傘 三四郎 もつれては蝶の行く先定まらず 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月9日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
金環の眼や神々し鯉幟 実加 テンガロンハットの老夫麦の秋 登美子 筍を運ぶ人夫の太き腕 あけみ 緩やかに青芝を踏み引退馬 登美子 赤き薔薇今咲き誇り絵画展 紀子 自らの影追ひ歩く初夏の昼 裕子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月9日 萩花鳥会
マンションの窓辺で泳ぐ鯉幟 祐子 兜より多産な鯉を子供の日 健雄 山頂に吹き上がるかな春の息 俊文 新緑やバッキンガムの戴冠式 ゆかり 仰向けのベッドに届く風五月 陽子 この日から五類に移行コロナあけ 恒雄 武者人形剣振り回すミニ剣士 美惠子
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令和5年5月10日 立待俳句会 坊城俊樹選 特選句
囀や高鳴く木々の夜明けかな 世詩明 すがりたき女心や花薔薇 同 仏舞面の内側春の闇 ただし 菖蒲湯に老の身沈め合ひにけり 同 うららかや親子三代仏舞 同 花筏寄りつ放れつ沈みけり 輝一 花冷や母手造りのちやんちやんこ 同 機音を聞きつ筍育つなり 洋子 客を呼ぶ鹿みな仏風薫る 同 渓若葉上へ上へと釣師かな 誠 子供の日硬貨握りて駄菓子屋へ 同 白無垢はそよ風薫る境内へ 幸只 春雨は水琴窟に託す朝 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月11日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
里山を大きく見せる若葉かな 喜代子 父母座す永代寺も夏に入る 由季子 三国町祭提灯掛かる頃 同 難解やピカソ、ゲルニカ五月闇 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
ホーエンヤ口上述べて祭舟 史子 暮の春どちの館の椅子机 すみ子 声潜めメーデーの歌通り過ぎ 益恵 手擦れ繰る季寄卯の花腐しかな 美智子 鳥帰る曇天を突き斜張橋 宇太郎 海光も包まん枇杷の袋掛 栄子 葉桜や仏の夫の笑みくれし 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月13日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
菖蒲湯の香を纏ひつつ床に就く 多美女 風低く吹きたる社の陰祭 ゆう子 やはらかき色にほぐるる萩若葉 秋尚 すと立てし漢の小指祭笛 三無 深みゆく葉桜の下人憩ふ 和代 朴若葉明るき影を高く積み 秋尚 メモになき穴子丼提げ夫帰る 美枝子 祭笛天を招いて始まれり 幸子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月14日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
植物園脇に馴染みの姫女苑 聰 近づきて見失ひたる山法師 秋尚 母の日の記憶を遠く置き去りに 同 崩れかけたる芍薬の雨細き 同 若葉して柔らかくなる樹々の声 三無 葉桜となりし川辺へ風連れて 秋尚 白映えて幼稚園児の更衣 迪子 くれよんを初めて持つた子供の日 聰
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月17日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
一人逝き村軽くなる麦の秋 世詩明 水琴窟蔵す町屋の軒菖蒲 千代子 三国沖藍深めつつ卯波来る 笑子 母の日や母の草履の小さくて 同 カーネーション戦火の子らに百万本 同 遠ざかる思ひ出ばかり花は葉に 啓子 麦秋の響き合ふごと揺れてをり 千加江 あの世へもカーネーションを届けたし 同 紫陽花やコンペイトウと言ふ可憐 同 人ひとり見えぬ麦秋熟れにうれ 昭子 永き日の噂に尾鰭背鰭つき 清女 更衣命の先があるものと 希子 春愁や逢ひたくなしと云ふは嘘 雪 風知草風の心を風に聞く 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月17日 さきたま花鳥句会
鯉幟あえかな風も見逃さず 月惑 土間で輪に岩魚の骨酒郷の友 八草 背に茜萌黄の茶摘む白き指 裕章 薫風や鐘楼の梵字踊りたる 紀花 潦消えたるあとや夏の蝶 孝江 初夏の日差しじわじわ背中這ふ ふゆ子 水音のして河骨の沼明り ふじ穂 なづな咲く太古の塚の低きこと 康子 竹の子の十二単衣を脱ぎ始め みのり 薔薇園に入ればたちまち香立つ 彩香
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月21日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
野阜に薫風そよぐ母の塔 幸風 突つ伏せる蝶昂然と翅を立て 圭魚 夏めきて観音膝をゆるく曲げ 三無 谷戸深き路傍の石の苔の花 久子 捩花の気まま右巻き左巻き 炳子 人の世を鎮めて森を滴れる 幸子 水音は水を濁さず蜻蛉生る 千種 夏蝶のたはむれ城主墓に罅 慶月 薫風やボールを投げてほしき犬 久
栗林圭魚選 特選句
要害の渓やえご散るばかりなり 千種 恙少し残り見上ぐる桐の花 炳子 十薬の八重に迷へる蟻小さき 秋尚 野いばらの花伸ぶ先に年尾句碑 慶月 忍冬の花の香りの岐れ道 炳子 水音は水を濁さず蜻蛉生る 千種 谷戸闇し帽子にとまる夏の蝶 久子 日曜の子は父を呼び草いきれ 久 ぽとぽとと音立てて落つ柿の花 秋尚 黒南風や甲冑光る団子虫 千種
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月28日 月例会 坊城俊樹選 特選句
二度廻る梓渕さんかも黒揚羽 秋尚 夏めきぬ膝に一筋擦過傷 炳子 茶席へと鳥獣戯画の帯涼し 要 万緑を黒靴下の鎮魂す 順子 美しき黴を持ちたる石畳 みもざ 霊もまた老ゆるものかな桜の実 光子 薄き汗白き項の思案中 昌文 黒服の女日傘を弄ぶ 緋路
岡田順子選 特選句
夏草や禁裏を抜ける風の色 月惑 白きもの真つ白にして夏来る 緋路 女こぐ音のきしみや貸しボート 眞理子 蛇もまた神慮なる青まとひけり 光子 風見鶏椎の花の香強すぎる 要 霊もまた老ゆるものかな桜の実 光子 白扇を開き茶室を出る女 佑天 緑陰に点るテーブルクロスかな 緋路 黒服の女日傘を弄ぶ 同 二度廻る梓渕さんかも黒揚羽 秋尚
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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hi-highmt · 1 year
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筑波山は今日も雨だった
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山サークルの企画で、登山を始めて半年ぐらいの頃に登った筑波山へ。 その時は小雨で山頂からの眺望を全く楽しめなかったので「今度こそは!」と応募したのですが……今回も雨に降られてまさかのデジャヴ。筑波山とはどうも相性が悪いみたいです、私。
先ずは筑波山神社で山行の安全を祈願します。
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10年前はつつじヶ丘コースでしたが、白雲橋コースは岩だらけなんですね。
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行く手が白い……。でもこの程度の霧雨なら問題なし。
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大きな岩を抱いているような根っこ。
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途中の綺麗な白木の東家(BENKEI HUT)の前に、ヤマツツジが咲いていました。 今日は雨で俯いた花が多かった中、1番元気に咲いていたのはヤマツツジでしたね。
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巨岩&奇岩の並ぶ稜線に出ました。ここからは知った道です。
上の写真は弁慶七戻り。 今にも落ちて来そうで落ちてこないのが不思議。
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巨岩だらけ。
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タボチェッカーのような「高天原(たかまがはら)」。 ここを登ると……
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お社(稲村神社)があって行き止まり。
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分岐へ戻って左手の階段を進むと「母の胎内くぐり」など、次々と奇岩が現れます。
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「出船入舟」。 横から見ると、確かに船の形に見えました。 この写真は角度が悪いですが。
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「北斗岩」。 こんな感じで、色んな岩の間を抜けて行きます。
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10年振りの筑波山(女体山)の山頂。 思えばここは私の初めての日本百名山です。 ハンターじゃないから、10年経ってもまだ20座にも満たないですが。
今回も、山頂からの景色は真っ白だな〜。 でも、周りの木々が霧氷じゃないだけ少しマシかな?
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男体山へと向かう道にも奇岩が並びます。
こちらは「ガマ岩」。 誰が始めたのか、ガマの口に小石を載せられると願いが叶う??? 私も投げてみたけど届きませんでした。
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カタクリ祭りということでカタクリ園を覗いたのですが、シーズン終わりだからか雨だからか、どの花も下を向いてションボリしていました。
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雨で下を向いているけどニリンソウ(二輪草)かな? よく見ると、葉の付け根にもう一つの蕾がありますね。
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お昼はカップラーメンを用意していたけど、雨が降っていたので茶店に入ることに。 これも10年前と同じパターン。 その時は味噌汁をちゅうもんしてツアーで用意されていたお弁当をいただきましたが、 今回は持参のお湯で紅茶を淹れて、豚スタミナ丼を頂きました。
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こちらはメンバーが頼んだ「筑波山カレー」。 ご飯の盛り方が男体山&女体山ですね!
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「つくばうどん」も、油揚げが山容を表すかのように並べられていました。
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茶店にいる間に土砂降りになったのでレインパンツも履いたのですが、外に出ると止んでいました……あるあるですね。
ガスの中、男体山が見えました!
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お世話になった「仲の茶屋」さん。 雨だったので「お弁当も中でどうぞ〜」という呼び込みに吸い込まれました。 右奥には綺麗なトイレも。
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展望広場からは、辛うじて雲海が見えました。
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しょんぼりしてますが、キクザイチゲ(菊咲一華)かな? 今日はどの草花も雨に濡れて俯いていますね。
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男体山の山頂の社。木村屋総本店による奉納のようです。
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少し大きめのカタクリを発見! もやっぱり、しょんぼりしてる……本当は百合みたいに開く筈なのに。
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男女川(みなのがわ)源流の所に生えていた立派な杉。 右上、二股に分かれた枝の上から更に新しい幹が生えています(奥の杉と重なって見えている訳ではありません)。 杉の生命力って凄い!
この後、筑波山神社にゴールした途端に土砂降りになり、バス停までは傘をさして歩きました。 登山道では殆ど小雨だったから、ある意味ラッキーな山行でした。
滑らないようにと気を遣いながら歩いたせいか凄〜く長く感じたけれど、たったの7.1キロだったとは! やっぱり雨の登山は疲弊しますねー。 とは言え、10年前とは違う岩場だらけの白雲橋コースを歩けたし、雨のお陰で本来ならかなり混んでいる筈の登山道もガラガラに空いていたし、濡れた岩場を歩くトレーニングも出来たから結果オーライ♬
足の手術痕はまだまだ痛いけど、今回もポール不使用で歩けたし、地味に回復して行っているはず! さぁ、バリバリ登るぞ〜‼︎
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zubaban · 1 year
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ニュース 04/01〜04/08
これが異次元か。確かに異次元
→政府、少子化対策の加速プラン発表 財源に社会保険料引き上げ検討(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
「マイナンバーカードの信頼性に影響するものではない」
は?システム含めてだろうが? コイツは本当何でも責任逃れしかしないな
→みぎ横浜で別人の住民票発行 河野デジタル相「マイナカードの信頼揺るがず」(カナロコ by 神奈川新聞) - Yahoo!ニュース
国民の最低生活基準が下がるという事は国力が下がるという事
→大きく潮目が変わった「いのちのとりで裁判」 “計算のプロ”出廷するも、生活保護減額の根拠示せず(Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE)
まさに社会のせい 氷河期世代無視と税金の無駄遣いを是正してこなかった議員のせい
→恋愛弱者が結婚できなくなった「本当の理由」。男性の4人に1人、女性の6人に1人が生涯未婚(週刊SPA!) - Yahoo!ニュース
残念です…安らかに…
→音楽家・坂本龍一さん死去 - Yahoo!ニュース
どこが「異次元」なんだ?
→給付型奨学金対象 多子世帯で要件緩和 収入制限600万円に 文部科学省(産経新聞) - Yahoo!ニュース
楽天は否定しているけど、それではこの写真は何なのか説明してくれ
→三木谷浩史・楽天会長、暴力団組員との密接交際写真「俺はコカインの密売人」(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース
今回だけじゃないだろうな
→フジテレビと産経新聞が謝罪 世論調査で電話せず架空回答入力 | 注目の発言集 | NHK政治マガジン
いや確かに「��フレではなくなった」どころかインフレになっったが、全然あなたの施作のせいではないよね?
→日銀・黒田総裁「デフレではなくなった」退任会見で成果強調…2%物価目標「実現至らず残念」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
たっかw こりゃ出したくないわなw 文句言われるどころか完全な無駄遣い
→アベノマスクの契約単価、調達業者によって2倍超の差 国敗訴で開示(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
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jitterbugs-lxh · 2 years
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遠雷
 不穏はとおくの霹靂にして、くらく、おもく、立ち込めた分厚い雲は西の空、いつか偏西風によって流されて嵐をもたらすことだろう。雨の音は嫌いではないけれど、大気のぴりぴりと張りつめるさまは、あまり良いものであるとは言い難かった。ひとのなかにもそういった、冷たく尖ってひりつくような、剣呑を放つものがあり、どこか近寄りがたく、身構えなければ相対するにも緊張を伴った。今では幾らか心を許し、のみならず術式や多くを学ぶ師父として無限を慕っている小黒ではあるが、はじめに抱いたかれへの印象といえば、つめたく張り詰め、よく研ぎ澄まされ、怜悧な薄氷のするどさ、かれが得意として自在に操ってみせる金属は、引き伸ばされて鋼鉄の糸にもなれば、撓む白刃の剣にもなる、そのものの危うさであった。もっとも、武芸に秀で、生半なことにはゆるがず、泰然と佇んでいるかにみえる無限は、あれで不得手の多いこと多いこと、かれの一側面しか知らないものたちからみれば、最強の執行人と綽名され、たしかに、多くの、長く、旧くからある妖精たちを差し置いて立っている無限の得体の知れなさや、人間のくせに、と揶揄されるのは理解できる。ただ、人間と妖精の狭間にあって、もはやどちらであるとも正確には言い難く、そのくせ立場や待遇にとくに頓着するようすのない無限のふるまいは、かれがもともと生来にもっている性格に因る部分が大きい。諦観や達観が、かれを押し上げたのではなかった。今となってはひとを離れた身ではあれども、いまだにかれは、ひとの営みを愛しているし、慈しんでいる。年若い妖精たちにとってははじめて親密に触れる人間になりがちな無限が、どれだけひとを離れても、完全にひとでなくなることが出来ないのもまた皮肉であった。
 「あんたは人間だろ! 人間は嫌いだ!」小黒だってはじめの島で、揺られる波間で、かれを思ったのだ、妖精でないもの、として、かれへ心無い言葉を投げつけもした。はじめこそ問答無用の力をふるい、すくなからず俊敏でやわらかい体躯でもって襲い掛かった小黒を事も無げに制してみせた無限が、ただ考えなしに、小黒のようやくみつけた安寧の地を脅かしたのでないことは、薄々感づかれつつあった。水面を滑っていた筏を軽々と飛翔させて嵐の海を抜け、本人にもまだ定かならぬ領界の術式を見定め、霊域に招いて手をかざし小黒のち��らと属性を確かめたとき、はじめて無限がこちらを見たのが分かった。かつてであればいざ知らず、開墾と開拓、産業革命を経て劇的に進歩しいっそ疾走してゆく人間社会に棲み処を追われつつある妖精は、どんどん生まれにくくなっており、数もそれほど多くない。けして少なくもないが。それらの多くは妖精たちの一大組織である会館によって認識され、管理され、人間の為政者たちがそうしたように、戸籍を与えられるわけではないが、少なくとも書きつけられてはいるだろう。どのような名と姿で、術式と力をもち、おおまかにどのような暮らしを望んでいるのか。可能であるならばそれらの望みの暮らしを整える手はずを行うのが会館という組織の存在意義のひとつである。気に入らなければ出て行ってもよいと無限や、鳩老は言ったが、一度なりと会館に足を踏み入れたのなら、その名前と力とを、かれらに記録されるは必至である。けだし会館とは離別、あるいは対立の立場をとっていた風息やその仲間たちさえ、名前と力の多くを知られていたし、特別に危険分子として監視下にあった風息は、術の使用の残滓によって在所を探られるほどには、かれらに知られすぎていた。無限が小黒を会館へと同行させようとしていたのには、かれの保護、と同時に、あたらしい妖精である小黒の、力や姿を、会館の与り知るところにせんという意図があったとわかる。ひとに忘れ去られ、数世紀、あるいはその数倍の時間を、静謐と不文律のうちに、揺籃していた海洋のかなたの島を、楽園と呼んで果たして良いものか、いまとなっては分からない。たしかにあの島には、いまを生きている人間の手は、ひとつとしてなかった。かつて居たであろう人間の手になる祭壇の見事な細工や、なんらかの神性を偶像となした石柱の、あえなく崩落し、苔むした表面におどる木漏れ日の陰たち、長いときのまえに屈服し、語られる言葉もなければ継がれる意思もない。時は流れず、去らず、ただ佇むのみ。誰もがそうしていられたらよかったが、門は拓かれてしまったのだ、不躾で無遠慮な、いくさびとの沓音によって。それは不遜極まる執行人無限、ひとにしてひとならざる男の、研ぎ澄まされた横顔をもっていた。
 「小黒。小黒。腹が減ったろう。食事にしよう。ちょうど川がある。そうしないか。」
 「僕はまだ歩ける。お腹減ったのは師父でしょう」
 「そうだな。でも、そうしよう。動けなくなってからじゃあ用意もままならないから」
 「しかたがないなあ~」
 無限はことさらに小黒の機嫌をとるようなことはしない。もっとも小黒も、修行中の、才覚ある、未来への嘱望いちじるしい妖精の身分といえど、幼いことに違いはないので、自ら望んで選んだ師父とともに往く旅から旅への放浪暮らしとはいえ、さほど長く歩き続けられるわけもなし、疲れれば機嫌を損ね、腹が減ればぶすくれておおいに師の手を煩わせたものだったが。どうやら無限はそれすらも楽しんでいるようなきらいがある。ちなみに小黒の、無限に対するいっそ不敬にもみえる態度の気安さは、子弟関係になるまえ、風息を追って島を訪れ、ひとり取り残された小黒をかどわかして連れ歩いていたころからのならいであまり革められていない。無限を恐れる妖精たちは小黒の態度ひとつみるにつけ、なんと不遜なと目をしろくろさせたものだが、当の師範である無限がとりたてて気にもせず革めさせようともしないので口に出せずにいるのだった。あるいは、これは、小黒が、たったひとつ、あのかなしい黒いけものから、引き継いだものであるのかも分からなかった。むろん、風息のなかに、無限に対する敬意や思慕など、けしてなかったろう。旅をして隣でねむり、食事を楽しんだものの支払いに窮し、どうやったらそうなるのかと理解にくるしむが、とっておきの野鳥や川魚を、ただ焙るだけにしてもうまく調理しそこねるような、かれを、風息に限らず多くの妖精は知らない。執行人同士で、いわば同僚ともいえる若水や、鳩老、どうやら長い付き合いであるらしい哪吒などは、さすがに知っていたろうが。不肖の弟子たる小黒は、あれほどよく食べ、よく喫み、食にしたしむ無限の味覚に疑ぐるところこそないが、炊事のいっさいをまかせる気にはならない。これは自分自身のためでもあるのだ。
 「ふふ、ありがとう。さて、小黒、ご覧。薄くて、軽くて、さびない包丁だそうだ。このあいだ寄ったまちで買っておいた。やはり道具があるのとないのとでは違うだろう。おまえに任せてばかりというのもな」
 「無限。師父。気遣いはうれしいけど、あの……、うーん」
 自慢げに取り出されたナイフは白く、たしかにおどろくほどに軽くて、小黒のけして大きくないたなごころに十分な道具である。しかし口ぶりを鑑みれば、どうやら無限は本心から、弟子の手を煩わせずに、食事の用意が出来ると喜んでいるらしい。金属の歴史とは、すなわち戦乱の歴史でもある。火を熾し、洞穴を掘って窯をなし、蹈鞴を踏んで温度を上げて、汗みずくになりながら人は作った。手始めに鏡を、鐸を、それらははじめ、神を奉ずる儀式のためのしろものだった。青銅は鏃に、剣に、重たい盾に、鎧に。分厚く重く、纏うには難儀した金属は、たゆみない技術の研鑽と、認識と研究の結果、よりよく作り替えられていった。ひと晩風雨にさらされればたちまちに緑青の浮いていた鉄や銅が、いまでは混ざり合って合金の鋼、たやすく毀れる刃などもはや前時代だ。無限は、金属性をやどし、かつて皇帝直属の懐刀として、戦場にあって武人たちと剣を交え、ときには妖精たちすら退けてきた。金属の多くはひとの手によってなるものであり、妖精の多くが不得手としていたのも随分むかしのこと、文明そのものというには、鋼も鉄も、妖精たちになじみすぎた。新しいものへ帰順してゆくことを、厭うた妖精は少なくない。その筆頭がくだんの風息とかれを首魁とする者たちであろう。けれども、多くの妖精は、おおらかといえば聞こえはよいが、どこか厚顔のふてぶてしさをも持っている。人間は面白いものだ、とは、比較的若い妖精である若水の言葉であるが、数百年もの昔に、いまは遠く隠遁して暮らしている、妖精たちの事実上の頂点である老君すら、同じことを述べたのだ。生命の保存、種の保存、それらを置き去りにして、娯楽としての愉しみを見出すことが、なべて、知性の閃きであるとは、だれにも言えないだろう。しかし、妖精たちには、忘れ去られ消え去ることへの惧れ、さぞや美しからんみなもの月を、惜しむ執心がいかにも薄い。気楽だ、楽観的にすぎると声をあげたひとがいた。目論見は阻まれ、打ち砕かれ、しかし皮肉にも、遺された旧跡は、かれの名を与えられて龍游のまちにある。我々は愚かだろうか、滅びゆく一族であろうか、はたして? 小黒には分からない。ひととくらす妖精のあるように、妖精とくらすひともある。たしかなのはただそれだけで、いま小黒が片付けなければいけないのは、目の前の食事のしたくなのだ。
 「これはね、セラミックというやつで、師父、金属じゃないんだよ……」
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yamada50 · 5 years
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桜の写真がほとんどないので、、 こちらの神社の権禰宜さんでしょうか、ジャニーズにいそうなくらい爽やか系イケメンでした。 #下落合氷川神社 #神社巡拝家 https://www.instagram.com/jmj_jp/p/Bv6rKouFSDA/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=13lwgzdq4zot7
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kayyttea · 3 years
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2021年5月12日 新月 の日

ご縁ありまして
 神社へお参りをさせていただきました。 
 #東山藤稲荷神社 さまへ。
 そして
clubhouse の色々なルームでお世話になって
様々なことをご教示くださり、 わたしのような一般人にも
ざっくばらんなコトでも 詳しく親しみ持って教えていただいている 守谷先生がおられる #下落合氷川神社 さまへ。 御朱印とともに撤下の昆布授かりました^^

そしてそして
守谷先生の
clubhouse nominatedが
 わたしも拝見させていただき
以前 靖国さんご奉納コンサートで
桜吹雪のシーンをインスタUPした際の
兵庫県神戸 小野八幡神社 権祢宜をされている
#涼恵さん だったこともあり
またまたご縁を感じておりました^人^

守谷徳之 先生
#新宿区下落合氷川神社 禰宜
 東京都神社庁訓育指導講師
#氷川神社 ———————————————————— 
・下落合氷川神社(しもおちあいひかわじんじゃ) http://www.shinjyuku-hikawa.jp/ 神田川の守神 御祭神 #素盞鳴命 (すさのおのみこと) #奇稲田姫命 (くしなだひめのみこと) #大己貴命 (おおなむちのみこと)

#三峯社 #本山は埼玉県秩父市にある #三峯神社
主祭神 #伊弉諾神(いざなぎのかみ)
 #伊弉冉神(いざなみのかみ)

#天祖社 神明神社 神明社
主祭神 #天照大御神 (あまてらすおおみかみ)  伊勢神宮を総本社とした神明信仰 
#稲荷社 宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)五穀豊穣の神
 大宮能売大神(おおみやのめのかみ)平城京の市場の守護神
 商売の神様
 #諏訪社 諏訪大社
 主祭神
 #諏訪大明神 = #建御名方神(タケミナカタノカミ)
 その妃である八坂刀売神(ヤサカトメノカミ)
 諏訪信仰 #浅間社 富士信仰 浅間信仰 富士山を神として崇める信仰
 主祭神 #木花咲耶姫命(このはなのさくやびめ)
 #富士山本宮浅間大社 
  以上5社が合祀された神社


PS
空襲で書物などが亡くなったことにより
確かなことではないかもしれませんが 今現在は両お社とも素戔嗚尊、奇稲田姫命が祀られていますが
元々以前は 高田氷川神社さんが男体の社(素戔嗚尊を主神)
下落合氷川神社は女体の社(奇稲田姫命を主神)で 
#夫婦の社 と云い伝えられているそう。

——————————————————————
・東山藤稲荷神社(ひがしやまふじいなりじんじゃ) 東京都新宿区下落合2-10-5
 下落合氷川神社兼務社 藤の花が綺麗だったことから藤稲荷とも 御祭神 #宇迦之御魂大神 (うかのみたまのかみ) #大宮能売大神 (おおみやのめのおおかみ) #佐田彦大神 (さたひこのおおかみ)


#御朱印 #神社 
#神社詣り #神社参り
 (新宿下落合 氷川神社) https://www.instagram.com/p/COzCKvygJ6R/?igshid=khdif6hqr7ft
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thereareonlydeer · 2 years
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ボクが「ニューロマンサー」を読んだその理由
ちょっとしたおはなし
ボクが「ニューロマンサー」を見つけたのは祖父母の家の二階、階段を上がって右手の部屋にある叔父のベッドの下だった。 叔父が死んでから3回目の土曜日だった。遺品整理をしている最中のことだった。
叔父は編集社に勤めていた。具体的にどんな仕事をしていたのかは知らない。3親等以上離れた人間はもはや他人だ。ボクの家系はかなり核家族化が進んでいる。 風俗ライター。叔父がボクに教えてくれたのはそれだけだった。風俗ライターをしているのだと昔一度話してくれたのだ。 田舎の大病院でのことだった。病気の祖母が山場だからと近親者が駆けつけた日だった。年末年始やお盆ですらまとも集まらない親族が、今日ばかりはと早朝から集合していた。夕方ごろになると買い出しやら一時帰宅やらで皆外出しはじめた。ボクと叔父が留守番をすることになった。ボクたちは管につながれて眠る祖母を起こさぬよう、病室を出て待合室へ行った。サンシェードの隙間から西陽がじりじり差し込んでいた。8月だった。叔父は自販機で買った微糖のコーヒーをボクに渡し、ボクに将来のことについて尋ね――当時のボクは小学校5年生だった――、それからニヤニヤ笑って自らの仕事について話した。ボクは風俗が何かも知らなくて特にツッコむこともできなかったから、叔父にとってはさぞ肩すかしだったろうと振り返って思う。
ただ今では逆にあのカミングアウトが事実だった可能性も高いのではないかと疑ってもいる。叔父の脂っこい顔とベトベトンみたいに弛んだ顎は風俗ライターとしてあまりにしっくりくる。 結局この後祖母は力強く峠を制覇し、今でも元気に生きている。一方叔父はそれから6年後に死んだ。親の死に目に会えなかったことになる。
叔父は事故死だった。大型トラックに轢かれた。左折するトラックに捲きこまれるかたちだった。1メートルはあるタイヤに潰されて即死だった。そういう事情があったから通夜でも葬式でも遺体は見ていない。修復不可能だったと、葬儀屋から遠回しの表現で聞かされた。 葬儀は当然のように悲惨な雰囲気で、それでいて意外としめやかだった。と思う。正直なところあまり覚えていない。結局のところ叔父はボクにとって最期まで他人だった。
だから遺品整理に駆り出されたときも特別何も感じなかった。ボクのきょうだいもいとこも女子ばかりだから、男手が必要ならしょうがないと文句も言わずに祖父母の家へと向かった。その素直さを褒めてほしいと思っていた。
実際遺品整理といっても大したことはなかった。叔父は名古屋に住んでいたがその実家は茨城にある。名古屋の家の方は叔母さんとその娘たちに任せる運びになっていた。つまりボクと(叔父の弟たる)父の仕事は叔父が生家に残していった物の処分だった。 部屋にあった叔父の私物は、思い出の品になりそうなものを除けば、テレビ台の下で埃を被っていたプレステ2とベッドの下に収納されたそこそこの量の文庫本だけだった。2世代前の中古ゲームハードなんて貰い手もいないだろうということで前者は燃えないゴミ行きとなった。本についても大体同じ流れで、誰もいらないなら捨ててしまおうという話になった。メルカリはまだ浸透していなかった。 そのときだった。ボクの貧乏性が発動した。思わずちょっと見せてよと名乗りを上げた。誰も反対はしなかった。好きなだけどうぞと祖父母が場所を空けてくれた。ボクはプラスチックボックスに並べられた書籍を物色しはじめた。 ホームズシリーズとポアロシリーズが数冊ずつ。川端康成と森鴎外の短編集。徒然草。細雪。ドグラ・マグラ。ノルウェイの森。ガープの世界。ニューロマンサー。ルパン三世の漫画。それから侠飯とナミヤ雑貨店の奇蹟。 流石のボクもうるっときた。所帯も持っていい年こいたおっちゃんが、たまに帰った実家で自室に籠もりプレステで遊んだり軽い小説を読んだりしていたのだ。
最終的にボクは全部もらって帰ることにした。貧乏性や感傷の影響もないわけではないけれど、それよりもジャンルの散らかり具合に心惹かれた。この雑多な感じは文学少年ないしは青年、中年と親和性が高いように感じてならなかった。それに文学文学した本も多かったから、実はちゃんとした編集者だったのではないかと叔父のことを見直した。 でもよくよく考えてみたら風俗ライターがニューロマンサーを読んでいていても何の問題もない。むしろそっちの方が偏屈っぽくて似合っている。 だけどだけど、もう一歩考えを進めてみると敏腕室長が風俗狂いなのも画になるから困ったものである。 死んでしまった叔父について、様々なイメージがボクの脳内回路を巡る。
こうして祖父母の家から持ち帰った文庫本たちが案の定積ん読と成り果て永久凍土の層中に埋没してしまったころ、ボクはひょんなことから「ニューロマンサー」の名前を目にした。 ボクは脳内に電気が走るのを感じ��。なんならその少し前に「クローム襲撃」と「ウィリアム・ギブスン」の文字列を見かけたばかりだった。 ロマンスはいつだって突然やってくる。 ボクは「ニューロマンサー」に接触するべく、氷を壊すことにした。
ニューロは神経、銀色の径。夢想家。魔道師。ぼくは死者を呼び起こす。いや、違うな、お友だち」 と少年はちょっと踊って見せて、褐色の足で砂に跡を印し、 「ぼくこそが死者にして、その地」
ウィリアム・ギブスン 黒丸尚訳(1986)「ニューロマンサー」早川書房, 398-399頁
にっき
正直本を開いてしばらくは半分眠りながら読んでいた。固有名詞出しすぎだし比喩も分かりづらいし文体崩れてるしで泣きそうだった。 明確に読む姿勢が変わったのは闘技のくだりだった。あの数千字の魅力は凄まじかった。一気に千葉市へと引きずりこまれた。そこから先はもう濁流にのまれたようにページを捲っていった。
ただ、読み終わってみるとあそこはむしろ異常な部分だった。この話は全体を通して抽象的で、ギチギチに詰め込まれていて、200%フィクションで、興奮であふれている。なのに闘技のシーンは写実的でミニマルで現実めいていて哀愁が漂っている。明らかにここだけ浮いている。
例えば終盤に出てくる浜辺のシーン。あそこは世界の状態的には静謐といっていいのだけれど、文章化されたそれを読む読者の脳みそはオーバーヒート寸前になっている。怒濤の展開と観念的な理解でしか捉えることのできない電脳世界。読者側はついていくのにいっぱいいっぱいになる。ところがそんなボクらを傍目にケイスは絶望したり穏やかになったり激怒したりと忙しい。もう本当に「よう分からんけどとりあえずそういうことね」で読み進めていくしかない。とかくこの小説はそんなんばっかりだ。
にも関わらず闘技の場面においては簡潔で豊かな余韻を持ち、想像しやすく、追っていきやすい文章が続く。 「社宅、社歌、社葬」 「串から濃いタレがしたたって手にかかった」 「相変わらずフランス製の作業着を着ている」 「焦げた肉の臭いがする。観衆は勝者の名を連呼している。ビール売りは黒い雑巾で栓をぬぐっている」 「金属パイプの短い軸にすぼめた唇。ハシシュの匂い。ケイスは歩きつづける。何も感じない」 「何かがその背後の暗がりでピーといい、ブクブクといった」 「奥の暗がりで、誰かが湿った音をたて、死んだ」 なにこのきれいな詩みたいな文章。特に最後の2つの「何かが」から「誰かが」へ至る段落構造が数学的美しさを備えているのがホントキモい。お前こんな人工的な造りをメタ的に感じさせるような文章他のとこではまったく書いてないやん!ってなる。意味分からん。 特別SFめいたガジェットが出てくるわけでもなくサイバースペースも関係ない箇所に注目するのはこの小説の読み方として間違っている気がしないでもないけれど、それでもやっぱりボクはここから離れられない。
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dolcissimamiavita · 2 years
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2021年に読んだ本から印象に残ったものを何冊か
ピエール・クラストル 『国家をもたぬよう社会は努めてきた』
ノブレス・オブリージュという言葉の本当の意味は、首長が民に対して負債をもつということなのかもしれない。民が首長に負債を持ち貢納を納める国家において、支配と服従の関係が前提されるのとは反対に、国家を持たぬ社会では、民の代弁者でもある首長が、民に気前よく与え民を飢えさせないことが彼の義務で、その義務を果たさない首長は直ちに引きずりおろされる。そこで首長が命令せず、権力を持たないのは、それによって社会に分断を生じさせないためだった。アマゾンの部族のフィールドワークに基づく視点は革命的なまでに刺激に富む。
 
アーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』
ロリータの本名ドロレスがスペイン語で苦痛を意味することの重い意味、ロリータの視点から小説を読む意味、それは、この書物を禁書にしておきながら、法定結婚年齢を18歳から9歳に引き下げ、少女との結婚になんの躊躇もないイスラム共和国で、ミサイルとミサイルの間にジェイムズを読み、アメリカに死をという喚声を聞きながらグレイトギャツビーを読む彼女たちこそ、切実に理解できるのだろう。文学が役に立たないなどと誰が言ったのか。彼女たちにとって文学こそがが生きるための糧、想像力という名の武器をもつ手段だったのではないだろうか。
ナディア・エル・ブガ『私はイスラム教徒でフェミニスト』
こういう本を待っていたかもしれない。差別されているといわれるにもかかわらず、モロッコ出身でフランスで性科学者として活躍する著者の生の声は力強く知性にあふれ、真の意味で宗教的。なぜスカーフをかぶるかの問に、他者の視線から身を守るためではなく、神と直に接するためだと言う著者は、大事にするように神から託された肉体なのだから、自分の体も他人の体もいとおしむ、そこが性的関係の出発点だという。男性本位の解釈で歪められてきたコーランの著者による再解釈は目からうろこ。イスラム化される以前のモロッコのベルベル人の自由な発想がそのような再解釈を可能にしたのかもしれない。
高橋たか子『装いせよ、わが魂よ』
肩書も職業も住処も捨てて赤裸になる、それが神の前で装うということだろうか。言葉のよく通じない異国の地で、住むべき場所を求め、ふと街角で耳にした旋律を求める波子の道程は垂直的で、あるときは教会の地下の暗闇の奥のオルガンに、あるときは雪に覆われた山の上の修道院に。だが、ひとりひとりの人間にキリストが内在するのならば、自らの内部にもまた存在するはずで、それなら住む場所さえ必要ないのかもしれない。最後のページで、野営地から野営地に、ふいと風に吹かれるようにしてうつろってゆく後ろ姿には、なにか霊的な輝きがさしていた。
 
高橋和巳『邪宗門』
国家権力にすり寄る既成宗教とは逆に、信仰を貫き汚濁の世を変えるために、負けるとわかっていてもあえて国家権力に翻す叛旗のもとに、死を肯定し死に急ぐ信徒たちの群像、泥水に浸かった城の破壊は、さながら中世フランスのカタリ派のモンセギュール落城を想起させる。ともすれば気味の悪い自己満足に陥りがちな新興宗教の内面を、千葉潔という、心に底知れぬ空洞をもった漂泊者の視点から冷ややかに描くことで、逆説的にその深さを剔抉した本書は、戦中戦後を描く汗牛充棟の書物のなかでも宗教と国家の確執を描き切った点で類を見ない作品と言える。
 
カトリーン・マルサル『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か』
たしかに、黙っていても夕食が出てくるのが当然と思っている人の思想など子どもの遊びのようなもので、思想の名に値しないだろう。自立して合理的で客観的な判断のできる個人を前提にした経済学が退屈なのは、それが男による男のための学問でしかなく、たとえば夕食係が夕食づくりをボイコットするだけで、たちまち崩れ去る脆い楼閣にすぎないからだ。たがいにケアしあい依存しあう、ときには気まぐれで非合理的な判断を下すこともある人間のための、「恐れや欲を食い物にするのではなく、それを克服するため」の新しい経済学が今必要とされている。
『ピエール・ルヴェルディ詩集』
シュルレアリスムの旗手という紋切り型で語られる詩人だが、通読後の印象は、むしろ孤高の神秘主義とでも形容したくなる。中年になってからカトリックの洗礼を受けて後半生を修道院で送り、エリュアールら盟友が政治的に参加する詩を書く大戦中も、世の中から隔絶して創作した彼の詩は、宗教的観念があからさまに表現されることはないものの、異質なイマージュの結合を通じて、超越的な何かを幻視する試みのように思える。特に「奇跡」「言葉が降りる」。前者はベタニアのラザロ、後者は聖霊降臨を連想した私の読みは間違っているだろうか。
チャールズ・ローゼン『古典派音楽の様式』
ブーレーズによるウェーベルン全集(一回目)でピアノを務めたことでも知られる著者の本を読むのはこれで4冊目だが、いつも思い出させてくれるのは音楽の知的な理解と感性的な聴取が両立すること、前者が後者の質をさらに高めてくれること。譜例を引用しての楽曲分析は専門用語も多いのに、退屈などころか、その曲を一層深く聴きたい気にさせてくれる。ベートーヴェンのハンマークラヴィアソナタでの、三度音程が全楽章にわたってどれほど重要な役割を果たしているかのくだりは、推理小説のような面白さ。ハイドンのピアノトリオやモーツァルトの弦楽五重奏曲の分析も。曲名索引が充実しているので座右において事典的に使いたい。
匹田剛『これならわかる ロシア語文法』
良く書かれた文法書は一つの町あるいは一つの世界に似ていて、見知らぬ町に迷いこんだ私の手をとってやさしく導いてくれる、通りや店や人々の場所や名前を少しずつ覚えるにつれて、その町の輪郭が徐々に明らかになってゆく喜びは何ものにも代えがたい。同じ著者の初級者向けのを買ったが物足りず、上級までカバーした本書ではじめていくつもの疑問が氷解した。語学書に読了はありえず、無料アプリのDuolingoでの毎日の勉強で生じた疑問を辞典的に調べるだけなのだが、この本に出会えて心から感謝している。
川上未映子『ウィステリアと三人の女たち』
四つの物語のなかで表題作がいちばん好き。解体の途中の隣家に夜中に忍び込んで、真っ暗闇のなかでかつての住人であった死者を想像するうちに、彼女と語り手の間にながれだすひそやかな魂の交流、いないはずなのにすぐそばにいるような感覚。孤独に不妊に悩む語り手と同じように、隣家の住人も、女友達との間に子どもを産みたいという不可能な希望とともに生きて死んでいったのだった。彼女たちの体にまとわりつく藤の花びらとベートーヴェンの32番のソナタの第二楽章は此岸と彼岸の架け橋かのように思える。静かに流れる水のような透明で静かな文体。
金石範『火山島 第三巻』
植民地時代の小学生のときに奉安殿に小便をひっかけて逮捕されたことのある李芳根は、今では資産家の跡継ぎの無為徒食、革命への参加を促されても腰は重い。かといって、反共勢力による革命の弾圧にも憤る。どちらにも肩入れしない曖昧な態度のままに、自宅の書斎で酒を飲むばかりの彼の視点から見た4・3蜂起は、双方の立場の限界と機能不全を明らかにした。日本による統治は終っても、その負の遺産はあちこちにくすぶり、差別された島の怨恨は鬱積し、和解への摸索も頓挫する。数年後には朝鮮全土をまきこむことになる戦争の予兆。
川野芽生『Lilith』
藤棚が解体されると知らずに巣を作っている鳩のようなものなのかもしれない、私は。私を構成していたはずのものは消え失せ、ネジを巻こうとしても手首のどこにも竜頭がみつからない。ここは私の居場所ではない、ここではないどこかへ、しかしどこへ?ゆきどころはみつからない。世界という異郷では、人が人を恋するというのも奇習にしか思われない。油絵のほうがもしかして実在で、私はその絵を覆うガラスにつかのまうつる影あるいは夢のようなものだろうか。人ではなくて馬に生まれ変われば、蹄にかけたいものもいくつかはあるのだが。「みづからの竜頭みつからず 透きとほる爪にてつねりつづくる手頸」
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shintani22 · 2 years
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2022年1月12日
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【速報】日本陸連は12日、広島市と廿日市市を結ぶコースで23日に開催予定だった第27回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会(ひろしま男子駅伝=日本陸連主催、中国新聞社、NHK共催)を中止すると発表しました。昨年に続き2度目になります。(中国新聞)
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【本日 (1/12)の広島県内の感染状況】(広島県)
12日の感染発表 広島県内652人 「まん延防止措置」対象 全県への拡大を検討(RCCニュース)
広島市で360人、福山市で56人、呉市で47人など広島県内で合わせて652人の感染確認が発表されています。
10日、県全体で672人と過去最も多い感染確認が発表され、それまで4日連続で最多を更新していたのですが、11日は588人、12日は652人。
11日、湯崎知事は、「3連休ということで、医療機関での検査数が平日の3分の1程度になっていて、10日と11日の発表数は少ない可能性」を指摘していました。
関係者によりますと、県は、現在、13の市と町となっているまん延防止等重点措置の対象を全県に広げる方向で検討しているということです。感染拡大の状況を見極め、最終判断することにしています。
11日時点の医療体制です。県内の患者数は3369人で、これまでで最も多い状態となりました。このうち重症は2人、中等症は12人となっています。医療機関の確保病床の使用率は30.8%、宿泊療養者用ホテルの部屋は前の日より確保数が187室増えていて、使用率は45.6%です。一見、余裕があるようにみえますが、自宅療養・自宅待機の人数は11日時点で2202人で、初めて2000人を超えています。
重点措置の拡大を���討 「オンライン診療」強化も 感染急拡大の広島(朝日新聞デジタル)
県は重症化リスクの低い軽症や無症状の人はホテル療養を基本としてきた。しかし、感染者数の急増を受けて、自宅療養を基本とする方針に転換した。
全国で新たに13052人の感染確認(12日18:30時点)東京は2198人 大阪1711人 沖縄1644人 愛知723人などとなっています。1万人超となるのは去年9月9日以来です。全国で新規の感染確認がひと桁だった都道府県は岩手県(4人)のみでした(NHKニュース)
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広島市に差別禁止条例、なぜ今必要? 市民ネットワーク結成で制定運動始まる(47NEWS)
差別やハラスメントを禁止する条例を広島市に作ろうと、31の市民団体と78人が2021年12月、「『広島市差別のない人権尊重のまちづくり条例』制定を求めるネットワーク」を結成した。反差別で集った市民団体の連合体。冠した条例の名称は、ヘイトスピーチに初めて刑事罰を設けた川崎市条例と同じだ。なぜ今、広島に差別禁止条例が必要なのか。参加した多くの関係者に理由や意義を聞いた。(共同通信ヘイト問題取材班)
 ▽原爆ドーム前で差別デモ
「世界に平和をアピールする広島だからこそ、差別禁止条例が必要だ」。ネットワーク結成前の21年11月16日、参加を予定している市民団体代表者らが広島市役所で記者会見を開き、結成する目的を説明した。ヘイトスピーチ解消法と部落差別解消推進法は、それぞれ自治体に対策を義務付けているのに「広島市はその義務を果たしていない」と訴えた。
共同代表の1人に就任予定の広島YWCAの中谷悦子理事は「数年前、8月6日の平和記念式典の朝、原爆ドーム前で外国人排斥を叫ぶデモがあった」と広島に立法事実(法整備の根拠となる事例)があると強調した。
このデモについては、差別を監視・抗議している市民団体「C.R.A.C.Setouchi」(クラック・セトウチ)が把握している。毎年8月6日に、ヘイトスピーチをしている団体が広島に来てデモ活動をしているという。
2011年8月6日には、原爆ドーム付近で「反日左翼のご本尊・原爆ドームを解体するぞ」「核兵器のない未来よりも北朝鮮のない未来をつくるぞ」「血税にたかる被爆利権者は日本からたたき出せ」などと叫んだとの記録がある。事実であれば差別であるばかりでなく、被爆者をおとしめる発言。この団体は21年8月6日も広島市中心部で街宣した。
被爆者に対する差別は今はないと思われがちだが、実態は異なる。インターネット上では、プロ野球広島カープを「ケロイド球団」と書き込むなど、いまだに深刻な差別がある。
記者会見では、同じく共同代表に就任予定のNPO法人「共生フォーラムひろしま」の李周鎬理事長が、メディアにも注文を付けた。20年、NHK広島放送局が原爆被害を伝えるために運用したツイッターの投稿で「在日コリアンへの差別を助長した」と指摘。「ネットや街頭で憎悪をあおる言動があり、社会を分断している。被害者救済を最優先に、ヘイトスピーチは違反だという条例が必要だ」と力を込めた。
 ▽「恐怖と苦痛の中で暮らす市民がいる」
ネットワークが21年12月4日、広島市内のホールで開いた結成記念集会には約150人が参加した。外国人、障害者、ジェンダー、部落差別などの人権問題に取り組んできた市民団体や学者、弁護士らが集った。
基調講演をしたのは差別問題に詳しい師岡康子弁護士(東京弁護士会)。冒頭で、東京や大阪などで過去にあったヘイトデモ、ヘイト街宣の動画を放映した。大音量で在日コリアンに対し「殺せ、殺せ」と叫ぶデモの様子に、多くの参加者は顔をしかめたり、耳をふさいだりして見入った。
師岡氏は、16年制定のヘイトスピーチ解消法により、こうしたデモは少なくなったものの、今も外国人排斥をあおる街宣は繰り返されていると指摘。特にネット上のヘイトスピーチは日常的にあり、放置すれば「ここまで書いていいんだ」「こんなことを言われても仕方のない人たちなんだ」という差別意識が社会に浸透していくと強調した。
それによって被害者はますます声を上げにくくなり、ルーツを隠して生きていく人も多くなると説明。「恐怖と苦痛の中で暮らしている市民たちがいる。差別はいじめと同じで、黙っていてもなくならないし、黙っているのは加担するのと同じこと。差別は駄目だと声を上げて条例を作ってほしい」と呼び掛けた。
集会では、ネットワーク加盟の各団体と個人が、広島の差別事例を報告した。「広島発『技能実習生事件簿』」(文芸社)の著書があり、外国人技能実習生を支援する広島文教大の岩下康子准教授は「実習生は私たちの生活を支えているが、見えない存在。まずは実情を知ることから始めよう」と話した。
「共生フォーラムひろしま」の笹川俊春理事は、ネットの「Yahoo!知恵袋」などに「〇〇中学校の近くには牛の目玉が転がっている」など、被差別部落を特定しデマを流す書き込みがあると報告し、対策を求めた。
障害者生活支援コミュニティー「together広島」の藤岡耕二代表は「障害者差別解消法ができても差別はたくさんある。条例をつくり、市民に浸透させたい」と訴えた。
 ▽「全ての差別は同じ構造」
記者は後日、藤岡代表に取材し、この「たくさんある」という差別について質問した。脳性まひのため電動車いすで生活する藤岡代表には、言語障害もある。「いろいろあるが」とゆっくり語ってくれた。
藤岡さんによると、JRの電車に乗る時は神経を使う。「乗り換え時間が20分以上ないと、駅員は切符を売ってくれない。乗換駅のエレベーターが故障したから元の駅まで戻ってくれと言われたこともある」。近所の映画館では車いす専用席が最前列にあり「首が痛くて見ていられず、少しでも場所を移動すると注意された」。先日の集会でさまざまな差別事例を聞き「全ての差別は構造が同じ」と感じたという。
 ▽核廃絶目指す広島だからこそ
集会には、川崎市で差別被害を受けながら闘っている在日コリアン3世の崔江以子さんも参加。崔さんは、朝鮮学校の女子生徒たちが民族衣装チマ・チョゴリの制服で通学をしていないことに触れ「子どもたちは毎朝、チョゴリを着て学校に行けないという自分を見つめている。着ていたら殺されるかもしれないからという自己防衛だ。親も教師も毎日、その現実を見つめている」と語った。差別が現実にあるのだから、差別のない街にするために条例制定が急務だと訴えた。
集会では最後に「恒久平和と核兵器廃絶を目指す広島市は、暴力や差別、抑圧のないまちづくりを進めなくてはならない」とのアピール文を採択して終了した。
 ▽ネットワーク「機は熟した」、市議「機運ない」
問題は、条例制定に実現性があるかどうかだ。広島に立法事実があり、ネットワークができて市民が盛り上がっても、実際に条例を作るとなれば、動くのは市と市議会だ。
集会に参加していた公明党の碓氷芳雄市議は「現時点で、条例制定の機運の高まりはない」と言い切った。ただ、今後の展望については「ジェンダーやLGBT、障害者への差別問題もあり、住みやすい広島市をつくるために市が姿勢を示すことが大事だ。賛同者を増やして何らかの形にできれば」と語った。
ネットワークも市や議会への働き掛けに動いている。集会後の14日、共同代表のうち4人がアピール文を携えて市の担当課と市議会の全8会派を回り、結成を報告して今後の協力を求めた。
その後に開いた記者会見。土井桂子共同代表は「ヘイトスピーチ解消法、障害者差別解消法、部落差別解消推進法ができ、女性差別や性指向による差別にも目が向けられる社会になった。機は熟した。国際平和文化都市を掲げる広島にふさわしい条例を作るため、市民の関心を高めたい」と意気込みを語った。
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え。。。。競輪場の運営者がJPF(日本写真判定)じゃなく、チャリロトに変わるんだ… 超絶赤字の頃からサイクルパークの整備などに取り組んでイメージ改善に取り組まれていたのに… JPFさんとはめっちゃ色々取り組んできていただけに寂しい(広島みなとフェスタ 1月15日)
アーバンサイクルスポーツの拠点にー広島競輪場再整備・運営、事業予定者にチャリ・ロト(東京都品川区)選定(日刊建設工業新聞)
広島市は、施設の再整備、維持管理、運営を一体的に行う「広島競輪場再整備・運営事業」の公募型プロポーザルで、チャリ・ロト(東京都品川区、上田博雄代表取締役)を事業予定者に選定した。審査委員会では、同者の提案を「自転車によるスポーツやレジャーなど多様なニーズに対応する複合的な施設としての完成度が高く、広島市への積極的な財政貢献も認められる総合的に優れた提案」と高い評価を受けた。3月の基本協定締結を目指す。次点はJPFだった。
チャリ・ロトの提案によると、広島競輪場(南区宇品海岸3、区域面積6万7371平方メートル)を、競輪とアーバンサイクルスポーツが融合する市民参加型都市公園「アーバンサイクルパークス広島」として宇品地区の新たなシンボル施設に再生する。対象用地を公園エリア・中核エリア・アーバンサイクルスポーツパーク・拡張エリアの四つのエリアに設定し、来場者数の変化に柔軟に対応する。拡張エリアは大規模イベント時の駐車場として活用するほか、本格的なBMXレースを誘致する際の会場として位置付ける。
主な施設として、約7500人を収容する競輪場、選手宿舎兼ホテル、BMX施設、キックバイクコースや遊具などを設置したキッズエリア、芝生広場、レストランなどを整備する。事業費は11億9962万7000円を想定。4月~2023年3月を設計に充てる。同1月~25年3月に解体・再整備し、同4月の業務開始を目指す。
特集「老朽化の広島競輪場 イメージ脱却 開かれた競輪場に再整備」(RCCニュース 1月14日)
広島市にある施設のリニューアルです。老朽化している広島競輪場の再整備を担う事業者が決まりました。目指しているのは、いままでのイメージ脱却…「開かれた競輪場」です。
1952年に誕生した広島競輪場です。
「競輪場、というと、男性客が多いイメージですが、今回の再整備で、幅広い世代が利用できる複合施設に生まれ変わります」(記者)
耐震基準を満たしておらず、老朽化した施設を、民間事業者に委託して再整備する計画が進められていましたが、今月、事業者が決定して完成予想図が発表されました。インターネットでの車券の販売・投票のサービスを手がけている「チャリ・ロト」が再整備と運営を担います。
「競輪場の再整備事業をてがけていて、岡山県玉野市の競輪場は、ことしの3月に再整備がオープンする。そのノウハウを広島市の競輪場にも注入していって、いい競輪場につくっていきたい」(チャリ・ロト 上田博雄社長)
再整備で、広島競輪場はどんな施設になるのでしょうか?再整備のコンセプトは、競輪と、BMXやスケートボードといった「アーバンサイクルスポーツ」との融合です。
「これまでキックバイクや、BMXという取組みもあったので、より発展させてアーバンサイクルスポーツパークという提案をもらった。広島ではFISEが開催、東京オリンピックではBMXやスケートボードが大きく取り上げられた。日本最大級のアーバンサイクルスポーツパーク。大きな大会も開催できればいい」(広島市経済観光局競輪事務局 八木孝裕事務局長)
現在、食堂や喫茶、車券発売所がある場所は、飲食店も入った公園エリアとなります。
「高齢層の人もいるので、昭和レトロをイメージした店舗になる。家族連れやたくさんの人に来てもらえるといい」(広島市経済観光局競輪事務局 八木孝裕事務局長)
一方、中核エリアのスタンドは、東西のスタンドが取り壊されて規模が縮小されます。
現在は、立ち見を含めた収容人数はおよそ2万2600人。新しい競輪場は、収容人数をいまの3分の1程度にするということです。
「来場者数が減っているという状況があるから、現在の大きなスタンドは少しコンパクト化して、その分をほかのニーズに対応できる施設にしたい」(広島市経済観光局競輪事務局 八木孝裕事務局長)
広島競輪場の来場者は、1973年のおよそ72万5000人がピーク。昨年度はおよそ1万8000人でした。一方で、車券の売り上げは回復しています。
「車券を買って投票しようと思えば、競輪場か、場外発売場にいって買うしかできなかったが、今はインターネットで気軽に投票できるという環境の変化が大きな要因にあると思う」(広島市経済観光局競輪事務局 八木孝裕事務局長)
地元選手も、今回の再整備に期待しています。競輪20年目の細川貴史選手です。
「アーバンスポーツ自体が選手始めたころにはなかなかなくて、広島市でスポーツのサイクルパークができるのは市民にとってもいいと思う。広島ではまだG2レースしか行われていなくて、G1開催を願っている」(日本競輪選手会広島支部支部長代行 細川貴史さん)
「こどもたちや女の子にもみてもらって、競輪選手になりたいと言ってもらえるような、空間ができたらいい」(戸田みよ子選手)
来場者の減少や売り上げの低迷により、一時は廃止も検討されていた競輪場。運営を2015年度から民間に委託して、収益が改善しました。
「これまでの競輪場は昭和、コアなファンが来る施設っていうイメージがあったが、それが今回の再整備で大きくイメージチェンジできるのではないか。お子さんから大人まで幅広くきてもらって、競輪場自体も開かれた競輪場で、さまざまな体験ができる場所になるのでは」(広島市経済観光局競輪事務局 八木孝裕事務局長)
再整備後の広島競輪場は、2025年度にオープンする予定です。
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trinityt2j · 3 years
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ダ-ティ・松本 不健全マンガ家歴30年[-α]史 ●はじめに  この文章は同人誌「FUCK OFF!7」において書かれたものをベースにして逐次増補改定を加えていき、いずれ歴史の証言として、[というほど大袈裟なものでは無いが…]一冊の本にまとめたいという意図のもと、近年どんどん脳が劣化していくダ-松の覚え書きとしても使用の予定。事実関係は間違いに気付き次第 訂正。同人誌発表時のものも今回自粛配慮して、実名、エピソード等を削除した箇所有り。有り難い事に某出版社よりすでに出版打診があったがまだまだその時期ではない、マンガを描く事が苦痛になったら活字の方も気分転換にいいかも…。 /*マークは今後書き加える予定のメモと心得たし。 ●前史/修行時代・1970 さいとうプロの短くて濃い日々……  1968年に上京。数カ月後東京は戦場に。熱い季節の始まりだった。 2年後親元を飛び出し友人のアパートに転がり込む。場所は渋谷から井の頭線で駒場東大駅下車、徒歩5分。地図で見ると現在の駒場公園あたり。昼間でも裸電球を付けなければ真っ暗という馬小屋のような部屋。数メートル先には当時の建設大臣の豪邸が…。前を通りかかるだびに警備のおまわりがじろり。  いつまでも友人に迷惑もかけられないのでとりあえずアシスタントでも…と手元にあったマンガ誌をひっくり返し募集を探す。幸いさいとうプロと横山まさみち氏のところでアシ募集があり両方応募。どっちか一つ通れば…と思っていたら何と両方受かってしまい、双方に条件を聞く。当時高円寺 のアパート、風呂無し4畳半の部屋で相場12000円の時代。前者一ケ月の給料10000円、後者20000円との事。給料の方がボロアパートの家賃より安いとは…!どう考えても前者は食う方法がないと判断し、後者さいとうプロへ入社。  ここに居たのはたったの半年に過ぎないけれど今思えばこれだけで本が一冊描ける位の濃い半年だった。しかしこのあと2X年分も書かねばならないことを思えば今回はいくつかのエピソードを書くだけに留めよう。  ダー松が入った時は小池一夫氏[クビ?]、神田たけ志氏や神江里見氏、きしもとのり氏[現・松文館社長]等と入れ替わりの時で、きし氏の女遊びの凄さと神江氏の絵のうまさは伝説になっていた。現在「亀有」「ゴルゴ」が歴代単行本の巻数の多いベスト1、2位だが[ともに100巻を越えた]、3位は神江氏の「弐十手物語」[70巻以上]だという事は知ってる人は少ないだろう。  当時の制作部は、さいとうたかを[以下ゴリ]をトップに石川班[ゴルゴ13、影狩り]、甲良班[バロム1]、竹本班[シュガー、どぶ等]の3つに分かれ、それぞれのキャップにサブ・チーフが一人づついて、ヒラが2~6人いるというシステムで総16名。独立し現在も活躍中の叶精作、小山ゆう、やまさき拓味の3名がそれぞれの班のサブ・チーフ。ダー松は石川班で左右1メートル以内に叶氏とゴリにはさまれ、のんびり出来ない状態で、はなはだ窮屈。叶氏はほとんどマンガ家になりたいとも思った事のなかった人で、設計事務所みたいなところで図面を引いていた人がなぜマンガプロダクションに来たのか不思議だった。格別マンガ好きというわけでもなかったせいか現在まで全ての作品が原作もので、オリジナルは一本もないのはそのせい?祭りなどの人がうじゃうじゃ出てくる群集場面が得意。 やまさき氏は大の競馬好き、現在競馬マンガを多く描くのは当時からの趣味が生きたというべきか。もう一つの趣味である風俗についてはここでは書くのは差し控えよう。小山氏は後日ここの事務の女性と結婚するが、当時はつき合っているとは誰も知らず、スタッフの一人がやめる時その女性に交際を申し込んだら、茶店に呼び出されて小山氏からと凄まれたと聞いたが嘘か本当かは不明。  ここでの生活は新入り[ダー松を含めて3名]は朝の9時前に会社に行き、タイムカードを押し、前日のごみをひとまとめして外に出し、トイレ掃除をして、16人分のお茶を2Fで入れて制作部のある3Fへの狭い階段をふらふら昇り、机ごとに置いて歩き、終れば、一息ついて買っておいたパンと牛乳を3分で食べて、やっとそれから仕事。しかし新入りの3名の内1人折茂は常に遅刻なのでいつも佐藤と2人でやっていた。佐藤も遅れる時はダー松1人で。辞めてから10年位、16人分のお茶を持って階段をふらふら歩きお盆をひっくり返す夢をよく見たものだが、実際ひっくり返したのは折茂と佐藤の2人で、よく茶碗を割っていた。 たまには夕方6時には帰れるが、普通は夜10時までで、アパートに帰って銭湯に行けばもう明日にそなえて寝る時刻、このくり返しの日々。週1日は徹夜で明け方に帰り、その時は当日の昼12時出勤。休日は日曜日のみで忙しい時はそれも取り消し。つまり休みは月3日。[これで給料2万円!]そんな日々の繰り返し。  夕方までは皆和気あいあいと仕事していたが、ゴリが夕方6時��に「おはようさん」と現れると、全員無駄口がたたけなくなり、仕事場はシーンと静まり返り、以下その日が終わるまでは疲れる時間がただひたすら流れるのみ。 当時石川班は「ゴルゴ13」と「影狩り」を描いていたがゴリは主人公の顔と擬音のみ。マジックで最後に入れる擬音はさすがに入れる位置がうまいと感心。ゴルゴの顔はアルバムに大小取り混ぜてコピーがとってあり、忙しい時は叶氏がピンセットで身体に合わせて「これが合うかな~」といった感じで貼り付けていた。  その頃すでに「ゴルゴ」は近々終わると噂されていたが、現在もまだ続いているとは感嘆ものだ。 ゴリと石川氏が「ゴルゴ」の最終回の終わり方を話しているのを聞いたら、何ともつまらない終わり方。しかしあれから20年以上も経つ事だし、きっともっといい終わり方を考えてあるだろうなと思っていたら、先日TVで本人が最初から考えてある終わり方だと言うのを聞き、がっくり。企業秘密だろうから書かないが、作品の最初の方に伏線が数度出ているのでわかる人にはすぐわかる筈。  辞めた小池一夫氏とさいとうプロに何があったかは知らないが、漏れ聞く話では結構もめ事があったみたいだ。 「子連れ狼」で「ゴルゴ13」と同じ設定の回があった時、「小池のガキャー訴えたるー!」とゴリが吠えていたものだが、結局たち消え。さいとうプロ作品で脚本を書いた本人が辞めた後、他の作品で同趣向の作品を書いても著作権は脚本を書いた原作者のものだと思うがどんなものだろう。その回のタイトルは忘れたが、ある場所に居合わせた人々が武器を持った集団の人質となり、その中に素人だと思われていた主人公、実は殺しのプロフェッショナルがいて、次々とその集団を殺していく、といったプロットで、ミッキー・スピレーンの短編に同じような作品があり、本当に訴えていたら恥をかいたと思うが・・・。  そういえば事務の方には山本又一郎という男がいたが、後年映画プロデューサーとして 「ベル薔薇」や「太陽を盗んだ男」等を創る事になるが、この野郎が生意気な男で当時皆に対して10歳は年上、といった感じの振る舞いだったが後日俺と一つしか年が離れてなかった事を知り、そんな若造だったとは、と皆怒ったものだ。以来奴の事を「マタさん」から「クソマタ」と呼ぶようになる。  さて半年後に先輩たちが積もり積もった不満を爆発させる反乱事件が勃発し、2年は居るつもりでいたここでの生活も、辞めるか残るかの選択を迫られる。残ればさいとうプロの現体制を認める事となるので、ダー松も退社。 しかし反乱グループとは別行動をとって一人だけの肉体労働のアルバイター生活へ突入。超ヘビーな労働の製氷工場、人使いの荒い印刷所、命綱もない高所の足場で働く建設現場等々。トラックの助手をしていた時は運ちゃんが「本宮ひろしって知ってるか?うちの息子の友達でさぁ、昔、おっちゃんメシ食わしてくれーなんて言ってきたもんだが、今は偉くなっちゃってさー、自分のビル建てたらしいよ。赤木圭一郎みたいにいい男なんだ。」とうれしそうに話してくれたが、運ちゃんには悪いがそいつは今も昔も一番嫌いなマンガ家なんだ。あの権力志向はどうにかならんか。天下を取る話ばかりだもんなぁ。  ところで後日、単行本の解説で高取英が「さいとうたかをのヤローぶっ殺してやる!」とダー松が言ったなどと書いているが、小生はそんな危ない事言った覚えはないのでここできっちり訂正しておきます。 「会社に火ィつけてやる!」位は言ったかも・・・[嘘] 。 悪口は言っても別に怨みなど無い。ところでアシスタントとしてのダー松は無遅刻、無欠勤以外は無能なアシだったと反省しきり。理想的なアシスタントとはどんなものか、それはまた別の機会に。 *入社試験はどんな事を? *さいとうプロには当時ほとんどろくな資料は無かった? *ハイジャックの回の飛行機内部の絵は、映画「大空港」を社内カメラマンが映画館で写してきたものをもとに描く。 *当時のトーンは印刷が裏面にしてあり上からカッターでけずったり出来ない。 *トーンの種類は網トーンが数種、それ以外はほんの3、4種類位しかなかった。 *仕事中のB.G.M.はアシの一人が加山雄三ばかりかけるので大ひんしゅく。好評だったのは広沢虎造の浪曲「次郎長三国志」、初代桂春団次の落語。眠気もふっとぶ位笑えた。 ダ-松が岡林信康の「見る前に跳べ」をかけてるとゴリは「何じゃー!この歌は!」と怒る。名曲「私たちの望むものは」はこの男には理解不能。 ●1 9 7 1 ~ 1 9 7 4  持 ち 込 み & 実 話 雑 誌 時 代    当時は青年劇画誌全盛時代で、もともと望月三起也氏や園田光慶氏のファンで活劇志向が強く、 主にアクションもののマンガを描いて持ち込みに行っていた。今のようにマンガ雑誌が溢れかえって、山のようにマンガ出版社がある時代ではなく、数社廻るともう行くところがない、という状態で大手では「ビッグコミック」があっただけで 「モーニング」も「スピリッツ」も「ヤン・ジャン」も当然まだない。テーマを盛り込んだ作品を持って行くと編集から「君ィ、うちは商売でやっているんだからねぇ」と言われ、アクションに徹した作品を持って行くと「君ぃ、ただおもしろいだけじゃあねぇ」と言われ 「おい、おっさん!どっちなんだ?」とむかつく事多し。この辺の事は山のように書く事があるが、有りすぎるのでパス。 *そのうち書く事にする。  ただ金属バットで頭をカチ割って脳みそをぶちまけてやりたいような奴が何人もいたのは事実。今年[’97]「モーニング」に持ち込みに行って、断られた奴が何万回もいやがらせの電話をかけて逮捕された事件があったが、そのうちトカレフを持って殴り込みに行く奴が出てくるとおもしろい。出版社も武装して大銃撃戦だぁ!などと馬鹿な事書いてどうする!とにかく持ち込みにはいい思い出が何もない。そんな中、数本だけ載った作品は渡哲也の映画「無頼」シリーズの人斬り五郎みたいな主人公がドスで斬り合う現代やくざもの[この頃の渡哲也は最高!]、ドン・シーゲルの「殺人者たち」みたいな二人組の殺し屋を主人公にした『汚れたジャングル』、陽水の「傘がない」が好きだという編集さんの出したテーマで車泥棒とブラックパンサーの闘士とのロード・ムービー風『グッバイ・ブラザー』、拳銃セールスマンを主人公にした『ザ・セールスマン』、等々10本ちょい位。  さてその頃並行してまだエロマンガ専門誌といえるようなものがなかったような時代で、実話雑誌という写真と記事ページからなる雑誌に4~10ページ位を雑誌の味付けとして描かせてもらう。当時、お手本になるようなエロマンガなど皆無で、エロ写真雑誌を古本屋で買ってきてからみのポーズを模写。マンガで裸を描く事はほとんど初めてで、これがなかなか難しいのだがエロシーンを描くのは結構楽しい。当時出版社に原稿持って行き帰りにグラフ誌をどっともらって帰るのが楽しみだった。SM雑誌の写真ページも参考になる。なお当時のペンネームは編集部が適当につけた池田達彦、上高地源太[この名前はいけてます。また使いたい]等。その数年後、逆にマンガが主で記事が味付けというエロマンガ誌が続々と創刊される。 *さいとうプロをやめたあと編集や知人に頼まれて数人のマンガ家の所へ手伝いに行く。秋田書店「漫画ホット」で『ジェノサイド』を連載中の峰岸とおる氏の所へ行き、仕事が終わったあとまだ売れてない頃の榊まさる氏も交え酒を飲む/川崎のぼる大先生のところへ数日だけ/3000円たこ部屋/小山ゆうオリオンププロ *当時のアルバイトは記憶によると時給150~200円位/大日本印刷市ヶ谷駐屯地/坂/ *一食100円/どんなに貧しい漫画家もみかん箱の上で書くやつはいない/TV萩原サムデイ *ろくでなし編集者 ●1 9 7 5 ~ エ ロ マ ン  ガ 誌 時 代 に 突 入   実話誌は意外とエロは抑え目で描くように口すっぱく言われていたのだが、以前活劇っぽい作品を描かせてもらってたが潰れてしまった出版社にいた児島さんが編集する「漫画ダイナマイト」で打合せも何にもなしに好きに描かせてもらい、ここでエロマンガ家としての才能[?]が開花する。描いてて実に楽しく眠る時間がもったいない位で、人に睡眠時間が必要な事を恨んだ程。出来る事なら一日中休まず描いていたい気分で完全にはまってしまう。  初の連載作品「屠殺人シリーズ」はこの頃から/『漫画ポポ』。中島史雄氏は大学時代にこの作品を見ていたとの事で、トレンチコートにドクター・ペッパー模様のサイレンサーつきマグナム銃で遊戯人・竜崎一也が犯しまくり殺しまくり、サディスト、マゾヒスト、殺人狂、まともな奴が一人も出てこない性と暴力の祭典。ちなみにタイトルページは描かないでいい、との事でどうするのかと思っていたら編集部が中のワンカットを拡大してタイトルページを創り、1ページぶんの原稿料をけちるというせこいやり方だった。けちるといえば、原稿の1/3にCMを入れる際、原稿料を1/3削った会社もあり。 ●1 9 7 6 ~   後に発禁仲間となる高取英と出逢い、『長編コミック劇場』で「ウルフガイ」みたいのをやろうと、怒りに震えると黒豹に変身してしまう異常体質の主人公を設定し、獣姦のイメージで「性猟鬼」なるエロマンガをスタート!しかしその号で雑誌が潰れる。この路線は今でもいけそうな気がするがどんなものだろう。  この頃の珍品に「快楽痴態公園」がある。タイガースに11-0とワンサイドで打ちまくられ、怒ったジャイアンツファンのおっさんが公園でデート中の女をずこずこに犯りまくり、その間にジャイアンツは9回裏に12-11とゲームをひっくり返してしまうのである!その時のジャイアンツの監督はもちろんミスター長嶋、先発堀内、打者は柴田、土井、高田、王、張本等々がいる。タイガース監督は吉田、ピッチャー江本、キャッチャーフライを落球する田淵、そしてあの川藤もいる。解説は牧野…… ●1 9 7 7 ~   上記2作品を含む初の単行本「肉の奴隷人形」が久保書店より発行。後にリングスの会場で逢った佐竹雅昭氏はこの本が一番好きとの事だった。  「闇の淫虐師」もこの年スタート。一話完結でバレリーナ、バトンガール等々、毎回いろんな女たちをダッチワイフのごとくいたぶりまくるフェチマンガとして1979年まで続け、単行本は「堕天使女王」「裂かれた花嫁」「エロスの狂宴」「陶酔への誘い」「終りなき闇の宴」の全5巻。ちなみに今年「闇の淫虐師’97」を『コミック・ピクシィ』にて発表。いつか『闇の淫虐師・ベスト選集』でも出したいところ。 [’98に実現、’99には続刊が出る] ●1 9 7 8 ~   久保書店より第2弾の単行本「狂った微惑人形」。収録作品の「犯された白鳥」は持ち込み時代に描いた初のバレリーナもの。結構気に入っていた作品なのに、後年再録の際、印刷所の掃除のおばさんが捨ててしまい、この世にもはや存在しない不幸な子となる。[’99に宝島スピード・ブックに本より直接スキャンして収録]  エロ、グロ、ナンセンスの会心作「恍惚下着専科」を発表。サン出版より同名の単行本発行。また同出版より「コミック・ペット/堕天使画集」として今までの作品を続々単行本化。全10巻位。これは今でも古本屋で流通しているとの事で、まだまだ世間様のお役にたっているらしい。  この年、「堕天使たちの狂宴」を描いていた『漫画エロジェニカ』が発禁処分、来年でもう20年目となる事だし、当時の人たちと集まってその大放談を収録し「発禁20周年特集号」でも創ってみようかと計画中。さて当時の秘話としてもう時効だろうから書いてみるけど、前述の『堕天使画集』に「堕天使たちの狂宴」は収録される事となり、当然修正をガンガン入れて出版されるものと覚悟していたら、米国から帰国後出来上がった本を見ると発禁になった状態のまま再録されている!以下桜木編集長との会話 ダ/いや~、いい度胸してますね。 編/だって修正してあるじゃない。 ダ/その修正状態で発禁になったんですよ 編/・・・・・ ダ/・・・・ 以下どんな会話が続いたのか失念…… それにしてもサドの「悪徳の栄え」の翻訳本は発禁後20年以上して復刻されたけれど、「堕天使たちの狂宴」は半年もしない内に単行本になっていたとはエロ本業界とは何といいかげんな世界!しかし作品そのものは、今見るとリメイクする気にもならないどうという事もない可愛い作品で、結局あれもあの時代の姑息な政治のひとかけらに過ぎなかったのだろう。いい点があるとしたら一つだけ、それまでのエロマンガになかった瞳パッチリの少女マンガ的ヒロインを登場させた事位か。今の美少女エロマンガは本家の少女マンガもかくや!という位眼が大きいが当時としては画期的だったかも。 ●1 9 7 9 ~   この年の「淫花蝶の舞踏」は「堕天使たちの狂宴」よりずっといい/『漫画ソフト』。今年出た「別冊宝島/日本一のマンガを探せ!」でベスト2000のマンガがセレクトされているが、ダー松の作品の中ではこの作品が選ばれている。教師と生徒、二人の女たちが様々な男たちの手���よってに次々ともてあそばれ、闇の世界を転々として再び巡り会う時、女たちは蝶と化し水平線の彼方に飛び去り、男たちは殺し合い血の海の中で屍と化す。ダー松作品にはこのように男根が女陰の海に飲み込まれてに負けるパターンが多い。[性狩人、遊戯の森の妖精、美少女たちの宴、人魚のたわむれ・・等々]  この年からスタートの「性狩人たち」シリーズ[劇画悦楽号]はバレエ、バイオレンス、SEXの三要素がうまくからみあい、それぞれが頂点まで達する幸福な神話的作品だ。ここから派生した路線も多く、美少年路線は’83の「聖少女黙示録」へ。身体障害者路線は’80の「遊戯の森の妖精」、’84からの「美姉妹肉煉獄」へと繋がる。’81の最終話「ハルマゲドンの戦い」ではせりふなしで24ページ全てが大殺戮シーンという回もあり、中でも一度やりたかった見開きで銃撃戦の擬音のみという事も実現。こんな事がエロマンガ誌で許される時代だった。ちなみにこの回は[OKコラルの決闘・100周年記念]だが、何の意味もない。単行本は最初サン出版より、その後久保書店より「白鳥の飛翔」「少女飼育篇」「ヘラクレスを撃て!」「眼球愛」「海の女神」の全5刊。現在入手出来るのは後の3刊のみ。[「海の女神」も最近在庫切れ]  この年出た「人魚のたわむれ」の表題作は性器に{たこ}を挿入するカットを見た編集長が「・・・[沈黙]・・・頭おかしいんじゃ・・ブツブツ・・気違い・・・ブツブツ・・・」と呆れてつぶやいていたのを記憶している。たこソーニューは今年出た「夜顔武闘伝」で久しぶりに再現。なおこの作品は’83にマンガと実写を噛み合せたビデオの珍品となる。水中スローモーションファックがなかなかよい。 ●1 9 8 0 ~   なぜか「JUNE」の増刊として作品集「美少女たちの宴」がサン出版より出版され、その短編集をもとに脚本化し日活で映画が創られる事となる。[「花の応援団」を当てたこの映画の企画者・成田氏は日活退社後「桜の園」等を創る。]その際、初めて映画撮影所を見学し、せこいセットがスクリーン上ではきちんとした絵になってるのを見て映画のマジックに感心。タイトルはなぜか「性狩人」で、’96にビデオ化された。監督・池田敏春のデビュー第2作となり現在までコンスタントに作品を発表しているが、出来のいい作品も多いのになぜか代表作がない。初期の「人魚伝説」が一番いいか。  この映画に合わせて「美少女たちの宴」を2~3回のつもりで「漫画ラブラブ」で描き出すがどんどん話がふくらみ、おまけに描いてる出版社が潰れたり、雑誌が潰れたりで雑誌を転々とし条例による警告の嵐がきた「漫画大飯店」を経て、「漫画ハンター」誌上で完結したのは’83になる。この作品でクリトリスを手術してペニスのように巨大化させるという人体改造ものを初めて描く。  この年の「遊戯の森の妖精」は身体障害者いじめ鬼畜路線の第2弾!森の中の別荘に乱入したろくでなしの二人組が精薄の少女の両親達を虐殺し、暴行の限りをつくすむちゃくちゃな作品で、���鳴の中、少女の性器に男達のペニスが2本同時に挿入されるシーンは圧巻!しかしこのとんでもない男達も少女の性のエネルギーに飲み込まれ、朽ち果てていく・・・。 ●1 9 8 1 ~   美少女マンガ誌のはしり「レモン・ピープル」誌創刊。そこで描いたのが「白鳥の湖」。虚構の世界のヒロインを犯すというコンセプトは、アニメやゲームのヒロインをずこずこにするという今の同人誌のコンセプトと同じかも。バレエ「白鳥の湖」において悪魔に捕われたオデット姫が白鳥の姿に変えられる前に何にもされてない筈がないというモチーフにより生まれたこの作品は、悪魔に男根を植えつけられたヒロインが命じられるままに次々と妖精を犯して歩き悪魔の娘となるまでを描くが、あまり成功したとは言えない。ただ人形サイズの妖精をしゃぶりまくり淫核で犯すアイデアは他に「少女破壊幻想」で一回やっただけなのでそろそろもう一度やってみたいところ。「ダーティ松本の白雪姫」はその逆をいき、犯す方を小さくした作品で7人の小人が白雪姫の性器の中にはいり、しゃぶったり、処女膜を食べたり、と乱暴狼藉![ちなみに両者をでかくしたのが同人誌「FUCK YOU!3」の「ゴジラVSジュピター」]この童話シリーズは意外と好評で続いて「ダーティ松本の赤い靴」を上記の単行本に描き下ろして収録。童話は結構残酷なものが多く、この作品も切られた足だけが荒野を踊りながら去って行くラストは原作通り。 *近年童話ブームだがこの頃もっと描いておけば「こんなに危ない童話」として刊行出来たのにとくやまれる。 「2001年快楽の旅」もこの本に収録。快楽マシーンを逆にレイプしてしまう、珍しく映画「2001年宇宙の旅」風のSF作品。  掲載誌を決めずに出来る限り多くのマンガ誌で描こうというコンセプトで始めたのがこの年スタートした「怪人サドラン博士」シリーズ。「不死蝶」シリーズや「美少女たちの宴」シリーズの中にも乱入し、「漫画ハンター」最終号では地球をぶっ壊して[その際地球は絶頂の喘ぎ声をあげ昇天する!]他の惑星へ行ってしまう。今のところ10誌位に登場。いつかこのサドラン・シリーズだけ集めて単行本化したいところ。ちなみに「サド」と「乱歩」を足して「サドラン博士」と命名。作者の分身と言っていい。 [後年、「魔界の怪人」として全作品を収録して刊行、04年現在品切れ中]  この年描いて’82の単行本『妖精たちの宴』に収録の「とけていく・・」はレズの女たちが愛戯の果てに、肉体が溶けて一匹の軟体動物と化す、タイトルも内容も奇妙な作品。作者の頭もとけていた? ●1 9 8 2 ~ 1 9 8 3   ’83年に「美少女たちの宴」が完結。全てが無に帰すラストのページは真っ白のままで、このページの原稿料はいりません、と言ったにもかかわらず払ってくれた久保書店、偉い![明文社やCM頁の稿料を削った出版社=某少年画報社なら払わなかっただろうな……と思われる……]この作品以外は短編が多く、加速度をつけてのっていく描き方が得意のダー松としてはのりの悪い時期に突入。また10年近く走ってきてだれてきた頃でもあり第一次落ち込み期と言っていい。マンガがスタンプを押すように描けないものか、などとふとどきな考えまで湧いてくる。思えば一本の作品には、いったい何本の線を引いて出来上がっているものなのか。数えた馬鹿はいないだろうが数千本は引いている筈。一ヵ月に何万本とペンで線を引く日々・・うんざりする筈です。  この頃のめぼしい短編をいくつか書くと、少女マンガ家の家に税務調査にきた税務署員が過小申告をネタにねちねちいたぶるが、アシスタントに発見された署員は撲殺される。そして板橋税務署は焼き討ちにあう、といった作品「[タイトル失念]xx税務調査」。[後日読者よりこのタイトルを「色欲ダニ野郎」と教えていただく。ひどいタイトル *編集者のつけるタイトルはその人のセンスが実によくわかる。しかしサイテ-の題だなこりゃ…。 果てるまで「おまんこして!」と言わせながら処女をやりまくる「美処女/犯す!」はラスト、狂った少女が歩行者天国の通行人を撃ちまくり血の海にする。「嬲る!」はパンチドランカーとなった矢吹ジョーが白木葉子をサンドバッグに縛りつけ、殴って、殴って、殴りまくる。段平おっちゃんの最後のセリフ「・・ブスブスくすぶっちゃいるが・・・」「打てッ!打つんだ!ジョー!」「お前はまだ燃えつきちゃいねえ!」とはエロ・ドランカーの自分自身に向けて発した言葉だったのかも。トビー・フーパーばりの「淫魔のはらわた」は電気ドリルでアナルを広げてのファック!とどめにチェーンソーで尻を切断!いまだに単行本に収録出来ず。[’98の「絶頂伝説」にやっと収録]「からみあい」は夫の愛人の性器を噛みちぎる。「危険な関係」はアルコール浣腸をして火をつけ尻から火を吹かせる。この手は『FUCK YOU!2』の「セーラー・ハルマゲドン」で復元。そういえばこの作品の序章と終章だけ描いて、間の100章位をとばすやりかたはこの頃の「禁断の性獣」より。女性器にとりつき、男性器に変身するエイリアンの侵略により地球は女性器を失い滅亡する、といったストーリーで当時聞いた話では谷山浩子のD.J.でこの作品がリスナーの投書でとりあげられ、ダー松の名はダーティ・杉本と読まれたそうな。ヒロインの少女がひろ子という名前なのでこのハガキが選ばれたのかもしれないが、作者は薬師丸ひろ子からとったつもりだったのだが・・。[別にファンではない。] 「女教師狩り」は映画館で観客に犯される女教師とスクリーン上の同名のエロ映画の二本が同時進行し、一本で二本分楽しめるお得な作品。 ’83は’80に「漫画エロス」にて描いた「エロスの乱反射」の最終回の原稿が紛失したため単行本が出せないでいたのを、またまた「仏の久保さん」に頼んでラスト近くをふくらませて「漫画ハンター」に3回程描かせてもらい、やっと’85に出版。見られる事に快感を覚えるファッション・モデルが調教される内に、次第に露出狂となっていき、街中で突然裸になって交通事故を起こさせたり、最後はビルの屋上でストリップショー。そしてカメラのフラッシュの中に飛び降りていき、ラスト1ページはその性器のアップでエンド!  本格美少年・ゲイ・マンガ「聖少女黙示録」も’83。レズの姉たちの手によって女装に目覚めた少年がホモのダンサーたちに縛られなぶられ初のポコチンこすり合いの射精シーン。そして性転換して女となった主いるが、その中の’84の「白い肌の湖」はタイトルで解る通りのバレリーナものだがポコチンを焼かれた男が、一緒に暮ら人公が手術で男になった少女と暮らすハッピーエンド。この作品は単行本「美少女ハンター」に収録されてす二人の女と一人の男に復讐するエンディングがすごい!まず男の性器を切り取り、片方の女の性器にねじ込んだあと、その女の性器ごとえぐり取る。そしてその二つの性器をつかんだまま、もう一人の女の性器にフィストファック!のあげく、その二つの性器を入れたままの女性器をナイフでまた切って、ほとんどビックマック状態でまだヒクヒクうごめく血まみれの三つの性器を握りしめるとんでもない終り方!全くダー松はこんな事ばかりやっていたのかとあきれかえる。もう鬼畜としか言い様がない!しかし「ウィンナー」を二枚の「ハム」で包むなんて・・GOODなアイデアだ、又やってみよう。 ●1 9 8 4 ~   「漫画ハンター」で「闇の宴」前後篇を描き、後日これをビデオ化。雪に包まれた六本木のスタジオで痔に苦しみながらの撮影。特別出演として中島史雄氏が絶妙の指使い、東デの学生時代の萩原一至が二役、取材に来たJITAN氏もスタジオに入ってきた瞬間、即出演で生玉子1000個の海で大乱交。カメラマンが凝り性で照明が気に入るまでカメラを廻さず、たった二日の撮影はやりたい事の半分も出来ず。撮影が終ると痔はすぐに完治。どうもプレッシャーからくる神経性だったみたいでこれに懲りてビデオは一本のみ。 この年の「肉の漂流」は親子丼もので、近所の書店のオヤジからこの本はよく売れたと聞いたが、一時よく描いたこのパターンは最近では「FUCK YOU!3」の「母娘シャワー」のみ。熟女と少女の両方が描けるところが利点。「血の舞踏」は久しぶりの吸血鬼もの。股間を針で刺し、噛んで血を吸うシーン等々いい場面はあるが、うまくストーリーが転がらず3回で止める。短編「果てるまで・・」は核戦争後のシェルターの中で、父が娘とタイトル通り果てるまでやりまくる話。被爆していた父が死んだ後、娘はSEXの相手を捜して黒い雨の中をさまよう。  またリサ・ライオンの写真集を見て筋肉美に目覚め、マッチョ女ものをこの頃から描き出す。しかしなかなか筋肉をエロティックに描くのは難しい。 ●1 9 8 5 ~   くたびれ果ててすっかりダレてきたこの頃、8年間働いてくれたアシスタント女史に代わってパワーのかたまり萩原一至、鶴田洋久等が東京デザイナー学院卒業後加わってダーティ・マーケットも第2期に突入!新旧取り混ぜておもしろいマンガをいろいろ教えて貰って読みまくる。「バリバリ伝説」「ビーバップハイスクール」「ペリカンロード」「めぞん一刻」「わたしは真悟」「Be Free!」「緑山高校」「日出処の天子」「吉祥天女」「純情クレイジー・フルーツ」「アクター」「北斗の拳」「炎の転校生」「アイドルをさがせ」「綿の国星」「いつもポケットにショパン」「バツ&テリー」「六三四の剣」永井豪の絶頂期の作品「バイオレンス・ジャック」「凄之王」「デビルマン」等々100冊以上とても書ききれない位で、う~ん・・マンガってこんなにおもしろかったのか、と感動! そこで眠狂四郎を学園にほうり込んで、今まであまり描かなかった学園マンガをエロマンガに、というコンセプトで始めたのが「斬姦狂死郎」。「六三四の剣」ばりに単行本20巻を目指すものの、少年マンガのノリは今では当たり前だが、当時はまだエロマンガとして評価されず、ほんの少し時代が早すぎたかも。’86に中断、今年’97に「���リディ・コミック」にて復活!果たしていつまで続けられるか? →後に「斬姦狂死郎・制服狩り」、「斬姦狂死郎・美教師狩り」として刊行完結  前年末から始めた「美姉妹肉煉獄」は身障者いじめの鬼畜路線。盲目の姉とその妹を調教して性風俗店等で働かせ、娼婦に堕していく不健全・不道徳な作品で、肉の快楽にひたっていく盲目の姉に対し妹も「春琴抄」の如く己の眼を突き、自らも暗黒の快楽の世界にはいり、快楽の光に目覚めるラスト。 また、これからは女王様物だ!となぜか突然ひらめき「筋肉女」シリーズの延長としてフィットネス・スタジオを舞台に「メタル・クイーン」シリーズも開始。これは単行本2冊分描いたが、連載途中でヒロインの髪型を歌手ステファニーのヘア・スタイルにチェンジしたり、レオタードもたっぷり描けてわりと気に入っている。  10年近く描いた「美蝶」先生シリーズもこの年スタート!こうしてみるとマンガを描く喜びに満ちた大充実の年だったかも。 ●1 9 8 6 ~   この年は前年からの連載ものがほとんどだが、「エレクト・ボーイ」は空中でファックするシーンが描いてみたくて始めた初の超能力エロマンガ。コメディ的要素がうまくいかず2回で止める。この路線は翌年の「堕天使輪舞」で開花。  「夜の彷徨人」は自分の育てた新体操選手が怪我で選手生命を失ったため、その女を馬肉のごとく娼婦として夜の世界に売り渡した主人公という設定。しかし腕を折られ、女にも逆に捨てられ、そして事故によってその女を失ったあげく不能となってしまう。失った快楽を取り戻すため無くした片腕にバイブレーターを取りつけ、夜の街をさすらい次々と女たちをレイプしていくというストーリー。がっちり設定したキャラだったのにまったく話がはずまず、男のポコチンは勃起しないままに作品も不発のまま終る。  「斬姦狂死郎」が不本意のまま終わったため学園エロス・シリーズは「放課後の媚娼女」へと引き継がれる。当時見ていた南野陽子のTV「スケバン刑事・」とS・レオーネの「ウエスタン」風に料理。ラストの「男といっしょじゃ歩けないんだ」のセリフは一番好きな映画、鈴木清順の「東京流れ者」からのもじり。単行本は最初司書房から出て、数年後ミリオン出版から再販、そして’97久保書店より再々販ながら結構売れて今年また再版。この作品は親を助けてくれる有難い孝行息子といったところ。 ●1 9 8 7 ~   さいとうプロOBで那珂川尚という名のマンガ家だった友人の津田が「漫画ダイナマイト」の編集者になっていて、実に久しぶりに同誌で「堕天使輪舞」を描く。超能力エロマンガの第2弾。今回はエロと超能力合戦とがうまくミックスされ一応成功といっていい。この路線は「エレクト・ボーイ」とこの作品、そして’96の「夜顔武闘伝」も含めてもいいかも。一時、この手の作品は数多くあったが最近はめったに見かけない。しかし、まだまだこの路線には鉱脈が眠っているとにらんでいるがどんなものだろう。 ●1 9 8 8 ~   「放課後の媚娼女」に続いて抜かずの凶一無頼控え「放課後の熱い祭り」を2年がかりで描く。’89に完結し司書房より単行本化。そして今年’97に改定してめでたく完全版として復刊!この頃が一番劇画っぽい絵で、たった2~3人のスタッフでよくこれだけ描き込めたなと改めて感心!エロシーンがちょっと少なめながら中島史雄氏がダー松作品でこの作品が一番好き、とお褒めの言葉を頂戴する。  TVで三流アマゾネス映画を見ている内、むくむくとイメージがふくらみ、昔から描きたかった西部劇と時代劇がこれで描けると、この年スタートさせたのが「不死蝶伝説」なるアマゾネス路線。昔々青年誌の創世期にあのケン月影氏がマカロニ・ウエスタンを描いていたことを知る人は少ないだろう。俺もあの頃デビューしていたらウエスタンが描けたのに、と思う事もあったが、このシリーズでほんの少しだけその願望がかなう。  この頃、アシスタントやってくれてた格闘技マニアの鶴田洋久に誘われ、近所の空手道場通いの日々。若い頃修行のため新宿でやくざに喧嘩を売って歩いたという寺内師範は、もう鬼のような人で、行けば地獄が待っていると判っててなぜ行く?と不思議な位休まず通う。体育会系はマゾの世界と知る。組手は寸止めではなく顔面以外は当てて可だったので身体中打撲のあざだらけ、ビデオで研究したという鶴田の体重をかけたムエタイ式の蹴りをくらい、右手が饅頭のように腫れ上がる。先輩たちの組手の試合も蹴りがもろにはいってあばら骨が折れたりで、なぜこんなヘビーな事をする?と思うが、闘う事���よって身体の奥から何か沸き上がってくるものがある。スリランカの元コマンドと組手をやった時、格闘家の気持ちが少しだけ判るようになった。 ●1 9 8 9 ~   ’94まで続く「美蝶」シリーズでこの年は『ノスフェラトウ篇』を描き、シリーズ中これが一番のお気に入り。同人誌の「王夢」はこれが原点。  短編では「悪夢の中へ」はスプラッタ・エロマンガで久しぶりにチェーンソゥでお尻のぶった切り!はらわた引きずり出し、人肉食いちぎり!顔面叩き割り等々でラストに「ホラービデオの規制をするバカは俺が許さん!」などと書いているので、この年が宮崎事件の年か?世間は彼が日野日出志・作のホラービデオ「ギニーピッグ」を見てあの犯罪をおかした、としてさんざんホラービデオの規制をやっといて、結局見てもいなかったとわかったあとは誰一人日野日出志氏にもホラービデオさんにも謝らす゛知らんぷり。残ったのは規制だけで、馬鹿のやる事には全く困ったもんである。先日の「酒鬼薔薇・14才」の時も犯罪おたくの心理学者が、「これはマンガやビデオの影響です。」などと相も変わらずたわけた寝言をぬかしていたが、馬鹿はいつまでたっても馬鹿のまま。少しは進歩しろよ!お前だよ、お前!短絡的で幼稚な坊や、小田晋!よぅく首を洗っとけ!コラ!  「獣人たちの儀式」は退学者や少年院送りになつた生徒、暴走族、ヤクザ達が集まって酒盛りしながら女教師たちをずこずこにしてOB会をひらく不健全作品。編集長が「また危ない作品を・・・」とこぼしたものだが、岡野さん、田舎で元気にお過しでしょうか。この頃の「漫画エロス」には「ケンペーくん」だとか「アリスのお茶会」だとかおもしろい作品が載っていたものです。「爆走遊戯」は伝説のストーカー・ろくでなしマンガ家の早見純が一番好きな作品と言ってくれたが、なぜだかわからない。人の好みはいろいろです。以上3本は単行本「熱き唇の女神」に収録。 「ふしだらな女獣たち」はフェミニストの女二人が美少年をいじめる話。これは「氷の部屋の女」に収録。 ●1 9 9 0 ~   この年の「美蝶」シリーズは『ダンシング・クイーン篇』。マネキン工場跡でJ・ブラウンの「セックス・マシーン」にのせて5人プレイをするシーンや文化祭でのダンスシーン等々結構好きな場面多し。暗くて硬い作品が多いので、この「美蝶」シリーズは肩肘張らずに、かなり軽いノリでキャラクターの動きに任せて、ストーリーも、そして次のコマさえも先の事は何にも考えず、ほとんどアドリブで描いた時もある。  「不死蝶伝説」に続いてシリーズ第2弾「不死蝶」は2誌にまたがって2年位続ける。これも結構お気に入りの一遍。 ●1 9 9 1 ~ 1 9 9 3   「性狩人たち」の近未来版、といった感じの「夜戦士」は学園物が多くなったので、マグナム銃で脳天をぶっとばすようなものが又描きたくなって始めたミニシリーズ。全5話位。松文館より単行本「黒い夜と夢魔の闇」に収録。  この年から知り合いの編集者がレディス・コミックを始める人が多く、依頼されてどうしたものかと思ったが、エロなら何でもやってみよう精神と何か新しい世界が開けるかも、という事から’94位までやってみたものの結果的に不毛の時代に終わる。与えられた素材が体験告白物という事で、非現実的なものは描けないという事は得意技を封印して戦うようなもので苦戦を強いられ、これって内山亜紀氏がやまさき十三原作の人情話を描いたようなミス・マッチングで不発だったかな。今後、もしやることがあれば美少年SMのレディス・コミックのみ。そんな雑誌が出来れば、の話だが。  いくつかやったレディコミの編集の一人「アイリス」の鈴木さんは同じさいとうプロOBで、マンガ・アシスタント、マンガ家、マンガ誌の編集、そして今はマンガ学校の講師、とこれだけ多くのマンガに関わる仕事をしてきた人はあまりいないだろう。これでマンガ評論でもやれば全て制覇だが・・・。  この頃はいつもと同じ位の30~40本の作品を毎年描いていたが、レディコミは一本30~40枚とページが多く結構身体にガタがきた頃で、右手のひじが腱傷炎になり1年以上苦痛が続く。医者通いではさっぱり痛みがひかず、電気針で針灸治療を半年位続けてやっと完治。その後、住んでいたマンションの理事長を押しつけられ、マンション戦争の渦中に巻き込まれひどい目にあう。攻撃するのは楽だが、話をまとめるなどというのは社会生活不適格のダー松には大の苦手で「お前等!わがままばかり言うのはいいかげんにしろー!」と頭をカチ割りたくなるような事ばかりで、ひたすら我慢の日々で血圧がガンガン上がり、病院通いの日々。確実に寿命が5年は縮まる。あの時はマジで人に殺意を抱いたものだが、今でも金属バット持って押しかけて奴等の脳みそをクラッシュしたい気分になる時もある。いつかこの時の事をマンガにしようと思っていて、まだ誰も描いてない「マンション・マンガ」というジャンル、タイトルは「我が闘争」。え?誰も読みたくない?  この間に出た単行本は「血を吸う夜」、「赤い月の化身」「熱き唇の女神」[以上・久保書店] /「牝猫の花園」「真夜中の人魚たち」[以上久保書店]、「美蝶/放課後篇」「美蝶/ダンシング・クイーン篇」「不死蝶/鋼鉄の女王篇・上巻」[以上ミリオン出版]。 ●1 9 9 4 ~ 1 9 9 5   ろくでもない事が続くのは厄払いをしなかったせいか、このままここにいたら頭がおかしくなる、と15年以上いたマンションから引っ越し。板橋から巣鴨へ移動し気分一新!以前からうちもやりましょうよ、と言われていた同人誌創りをそのうち、そのうちと伸ばしてきたものの遂に申し込んでしまい、創らざるをえなくなる。しかもそれが引っ越しの時期と重なってしまい大いに後悔する。しかしいろんな人にお願いして何とか一冊でっちあげ、ムシ風呂のような夏コミに初参加。これが運命の分岐点。レディコミもこの年で切り上げ、以下同人街道をまっしぐら。現在まで「FUCK OFF!」が9まで、「FUCK YOU!」が4まで計10+&冊創る。  ’95からダーティ松本の名前にも飽きてきたしJr,Sam名でも描き始める。 レディコミ時代は松本美蝶。あと2つ位違うペンネームも考案中。  この間の単行本「氷の部屋の女」「双子座の戯れ」[久保書店]、「黒い夜と夢魔の闇」[松文館]、「危険な女教師/美蝶」[ミリオン] ●1 9 9 6 ~   美少女路線の絵柄もこの年の「夜顔武闘伝」あたりでほぼ完成、今後また少し変化させる予定。しかしこの作品は超能力、アマゾネス、忍法エロマンガとでも呼ぶべきか。「グラップラー刃牙」みたいに闘技場での勝ち抜き性武道合戦までいきたかったけれど、残念ながらたどり着けず。  「冬の堕天使」は久しぶりの吸血鬼もの。都営住宅で生活保護をうけている吸血鬼母子のイメージが浮かび、そこから漫画家協会・加藤芳郎を撃つ有害図書騒動のマンガへ。吸血鬼少年が光の世界との戦いに旅立つまでを描き、「闇に潜みし者」は時空を越えて近未来での戦い。その間を描く作品を今後創らなければ。  「FUCK CITY 2006」はクソ溜めと化した近未来のTOKYOを舞台に久しぶりにダーティ・バイオレンスが炸裂!ハード・エロ劇画と同人誌風・美少女路線の合体は果たしてうまくいったかどうか?30ページほど描き足して、’97、9月にフランス書院のコミック文庫にて発売。[「少女水中花」]  「放課後の媚娼女」と「人形愛」刊行。[いずれも久保書店刊]前者は以前、上下巻だったのを一冊にまとめて。後者は近作を集めた同人時代を経ての初単行本で、同人誌を知らなかった読者はショックを受ける。メタルフアンから以下のようなお手紙を受け取る。「これはジューダス・プリーストの『ターボ』だ。ラストの『眠れる森の少女』は『レックレス』にあたる。しかしジューダスもその後『ラム・イット・ダウン』や『ペイン・キラー』という傑作を世に出した事だし、今後を期待したい」という意のダー松のようなメタルファン以外は意味不明の激励をうける。 ●1 9 9 7   同人誌「エロス大百科シリーズ」スタート!いろんな項目別に年2刊づつ計100ページ位を別刊シリーズとして出し続ければ10年で1000ページになり、以前「谷岡ヤスジ1000ページ」という枕に最適の本があったが、これも一冊にまとめて枕にして寝れば、目覚める頃は3回夢精しているなんて事に・・・などとまだたった40ページの段階で言っても何の説得力もないか。飽きたら2~3号でSTOPするだろうし・・。[推測通り「毛剃り」「美少年SM」「女装」3号でストップ中]冬にはやおい系にも進出の予定。  今年出した単行本は厚くて濃いエロマンガを集めた久保書店MAXシリーズ第2弾!「放課後の熱い祭り/完全版」と「夜顔武闘伝」オークラ出版。ともに大幅描き足して25周年記念出版として刊行。ティーツー出版よりJr,Sam名で「昼下がりの少女」、9月にはフランス書院より「少女水中花」の文庫本が出る予定で現在、この同人誌と並行して描き足し中。「斬姦狂死郎」第2部も「ホリディ・COMIC」誌にて6月よりスタート!年内創刊予定の『腐肉クラブ』なる死体姦専門のマンガ誌にも執筆予定。  さてさて25年間、旅行の時を除いて、現在まで2日続けてマンガを描かなかった事はほとんどない。これはその昔、伊東元気氏というマンガ家とお会いしたとき「今月何ページ描いた?」との問いに、「今月仕事ないんでぜんぜん描いてません」と答えたら、「そんな事じゃ駄目だ。仕事があろうがなかろうが、毎月100頁は描かなきゃ。」と言われ、以後その教えを守り[描けるページ数は減ったが]、マンガは仕事ではなくなり、朝起きたら顔を洗うのと同じで生活そのものとなり現在に至る。  今は何でも描けそうなハイな状態で、以前はたまには外出しないと煮詰まってしまうので週いち位ガス抜きをしていたものだが、最近はせいぜい月いち休めば十分の「純エロマンガ体」。[純粋にエロマンガを描くためだけの肉体、の意。ダー松の造語]  こうしてふり返ると、この路線はまだえぐり足りない、これはあと数回描くべし、なぜこれを一度しか描かない!等々、残り時間にやるべき事、やりたい事の何と多い事! 爆裂昇天のその日まで・・・      燃 え よ ペ ン !  なお続きは 1997年後期 1998年 INDEX
http://www.rx.sakura.ne.jp/~dirty/gurafty.html
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