Tumgik
w3sxi6 · 7 months
Text
youtube
0 notes
w3sxi6 · 7 months
Text
0 notes
w3sxi6 · 8 months
Text
19.
「 今日も予約してくれてありがとう〜。」
俺の顔を店内で見つけては駆け寄ってきて曇りの一切ない笑顔で感謝を伝えられる彼女はプロだ。椅子に座った彼女が肩から提げていたカバンを膝の上に乗せたり、身なりを整える間に以前との変化を探すおれも、ちゃんとした彼氏だろうか。
『 今日の服も可愛い、あと髪の毛の巻き方...あんま詳しくないけど変えた?』
「 んー!正解!すごい、まさやくん。」
目を見開く彼女におれの影が映る、幸せだと笑みを零すおれらの前にコース料理が運ばれ始めた。
「 素敵なお店だね。」
こんな場所何千回と来ているだろうに、声色がキラキラ輝いていて可愛らしい。
...
まだ3回目のデート、話すことは山のようにあって相変わらず口が止まらなかったけれど今日は彼女の家族構成が少しだけ見えて嬉しかった。苗字も知らない彼女の弟は、彼女が部屋でどんな服を来て過ごしているのかを知っているのか....。んー、理想と違えばそこで終わり。知らない方がいい事もある。少し膨らみかけた興味は やはり段々と薄れていった。
「 今日も3時間経つの早かったなあ。」
『 あっという間だったね、いつもありがとう、また、...』
「 また!予約してくれる?」
『 勿論。』
ぱあ、と明るくなる表情に断りを入れる勇気なんかおれには無く無難な答えを貼り付けては手を軽く振り、タクシーに乗り込む彼女を見送る。その瞬間携帯がブルリと震える。
" 3時間コース 23,000円 引き落としが完了致しました。レンタル彼女またのご利用をお待ちしております。レビュー投稿で次回指名料1.... "
1 note · View note
w3sxi6 · 8 months
Text
0 notes
w3sxi6 · 8 months
Text
28
なんっ、や...この人、代謝良すぎ、ん?
確かに空調は役目を果たして居ないような気がするし、さっきは水分補給代わりにアルコールを摂りすぎた体。心配になるくらいに頬に汗が垂れ落ちてくる、不快ではないが嬉しさも一切ない微妙な相手は中々整った顔をしていて、ちょっとだけニヤつく。かと思えば天井の模様を目で辿って暇を実感する。せり上がって相手に渡ろうとする欲へ意識を戻せば、「まあいっか。」
0 notes
w3sxi6 · 8 months
Text
youtube
0 notes
w3sxi6 · 8 months
Text
0 notes
w3sxi6 · 8 months
Text
643.
ヴヴヴ....
機械音だけが鳴り響く部屋で、それが命を繋いでいる証拠なんだとあなたに言い聞かせ安心させる。酸素を供給するソレは水面を揺らし、少し背伸びした青っぽい照明を天井へ反射させる。あなたの存在はそこに投影されないものの、作り出す波模様は少なからずあなたの所為で。
ぽけーっと飽きず眺め(見蕩れ)ているおれに、いたずらっ子のような顔を向けるあなたを見て急に息苦しくなった。餌に吸い寄せられるように、ここに留まるおれの方が、きっと。
鑑賞魚。
立場は逆であった、おれは気を引く為に纏った衣服を一生懸命ヒラつかせ、あなたがおれに会うために他所へ吐く嘘を栄養としていた。歪んだ秘密の共有を愛と称して青色に染まるのが幸せだと感じていた。....最初から知っていたのに快適な水槽の中で忘れていたみたいだ。
「 .. ガフッ、?! 」
機械音が聞こえなくなったのはぐるぐる頭の中を回る思考が煩いからだと気にしていなかった、ねえなんで、なんで。窒息気味の中で捉えるあなたは、ずっとずっと綺麗だった。
許される訳が無いだろう、こんなこと。
じゃあおれだって、と飛び出した。
孤独なあなたを創り出してみせる、例えば着信履歴にある名前は何れ呼べなくなるだろう。....でもずっと、おれが傍に居るから。許されないことをお互い様でしよう、この腕で強く抱き締めて、捕まえたら、美味しい水の中で今度は飼い慣らしてあげますから。
1 note · View note
w3sxi6 · 8 months
Text
0 notes
w3sxi6 · 8 months
Text
なっつかし...。
0 notes
w3sxi6 · 9 months
Text
0 notes
w3sxi6 · 9 months
Text
0 notes
w3sxi6 · 9 months
Text
RE:2022-2
シャク...
「お前、ちょーぜつビックな夢とかないん?」
シャク...
「進路希望に何描こうかな、揃える?」
シャク...
「荒波に揉まれて死ぬか。勿論一緒にな!」
日焼けして映画の小道具のように古びた世界地図の上をなぞり、大航海していた指は、決めゼリフと同時に名前も知らない大地に辿り付いた。
『そこが墓?』
珍しく俺が構ってやったと言うのにキョトンとしているその顔が何となく腹立たしくて視線を戻す。__あと作業場、飲食禁止だって言ってたんすけど。ため息混じりに伝えると林檎を噛む口も、喋る口も止まった。あー、言い過ぎたかな。反省した面は隠せる程度に様子を盗み見ると、その方角には有り得ない距離に青みがかった瞳が有った。
『おま、近っ...』
「親友よ。一緒の墓入る気満々やんけ!」
流石、なんて肩を抱こうとする動きを制するように身を捩った。どうしてこうも暑苦しいんやろうか、この人は。あのなぁ...と現実に引き戻す呪文を唱える。
『俺は爺ちゃんが残した縫製業を継ぐ、俺はここで波になった布を縫う。妄想に乗っかってあげただけやし、独りで行って独りで逝ってくれ。』
シャクを測っていた定規で浮かれ野郎の胸元を一突きすれば、海と波掛けてんの?なんてヘラヘラ笑うから俺も気が抜けてしまった。
其れが現実になるとも知らずに。
呑気だった高校生は歳を重ね、数枚の写真ハガキで近況が勝手に報告されるだけの関係になった。肌の色が違う子供と(やっと肩を組ませて貰えた)彼の達成感に満ちた顔の写真。派手な色の飲み物片手に調子に乗った彼の写真。シャカイの教科書で見たような世界遺産にお辞儀をしたり、青い眼を上手に反映して貰っている似顔絵とか、本当に色々。久しぶりに届いた便りには壮大な海を見渡す彼が逆光で写っていた。
その最後の写真が届いた丁度3時間前かな、大荒れの天気だったと報道で耳に入ってきていた。此方へ帰ってくる途中の事だったらしい。
『ほんま、最後まで調子狂うわ。』
印象的なその青に似たボタンを手に入れて俺は、1着拵えている最中だった。作業に当たろうにも思い出して仕方がない。針ってサビるもんだって彼奴に教えてやればよかったよ。
2 notes · View notes
w3sxi6 · 9 months
Text
youtube
0 notes
w3sxi6 · 9 months
Text
RE:2022
地球最後の日、とでも言うように思い出の地を渡り歩く。家を出て右へいち、に、さん本目の横断歩道を渡って進めば広がる商店街。俺が中学へ進む頃に高齢化による店仕舞いが進み、塗装が錆で汚されたシャッターは次々と降りて行った。気付けば初めて手を繋いだ彼女と、初めて放課後に浮かれて寄り道をしたたこ焼き屋も、もうあと、ご本先の少し栄えた道路沿いに店を移動させていた。そんな風景を見て、都会の目まぐるしい進化と更新に対応できる人間にならなければ寂しい人生になると学んで、明日俺は、この街を出る。
両親は楽観的で、都会に宿が出来る、観光したい場所があるだ、と。夕飯を片付けた大机にパンフレットを広げて騒いでいる。同じ温度感じゃないと受け入れて貰えない空気感?息苦しくて仕方ない。目的地がコンビニだと嘘をつき、海を見に行こうと歩き始めた。海は世界中繋がって続いていると聞いていた。海辺の独特な磯の匂いも、風の強さも、音も偶然きっと重なる時が来るハズ。「ここ」の、「それら」を覚えておけばどの海を見たって「ここ」へ戻った気分になれるでしょう?
懐かしさが連れてくる孤独が増える度、足取りは次第に重くなっていく。普段よりも数倍の時間かけてここに辿りついた。時計を持たなかった俺に感覚が教えてくれる、今は夜と朝の間らしい。
暗闇の中で明日の準備をする微かな光と、冷え過ぎた風と俺...と、彼女。足首まで有ったスカートの裾を今にも折れて仕舞いそうな華奢な片手で捲りあげて、靴は何処かに投げ捨てて、...なんと言うか長い睫毛の先まで神経が通ってるような、繊細さと乱雑さがアンバランスな彼女。暫く風景として視界に写していたから、彼女が此方を見ている事に気付かず数秒を過ごした。視線がぶつかる時には、彼女は眉を顰めて不快感に包まれたような表情を抱えていた。
「 ... サノくん? やあっぱり、サノくんだ!はは、何してるの?私はねえ、カイコしてたの。明日から私、トカイの女性になるの。 」
不審者を捉えた訳ではなく、人物を特定する為に目を凝らしていたらしい。良かった。...しかしこんなに美しい人と既に知り合いだったのなら、ここは夢の世界であろうに、口の動きが対応しきれていない俺の苗字は妙に生々しく、久しぶり口走って仕舞いそうな程混乱した。
『 俺も、明日でトカイの男だよ。』
__ 彼女はきっと、こんな煌びやかな街にすぐに馴染んで、溶け込んで、最早消えているんだろう、とおもう...ことにした。今日も周りを見渡し、心に留まり孤独を埋め続けてくれた貴方と偶然に似た必然を創りたいなんて淡く期待するのです。
1 note · View note
w3sxi6 · 9 months
Text
824.
申し分ない!この生活が始まる前に家具家電と共に柔軟剤を一緒に選んだ。ただ体臭の違いのせいで幾分か彼が身につける衣類の方がいい香りに感じる。床に広げてはそれらの上に寝転んだり囲まれてみたり被ってみたりした。それを愛しいと顔面に書いて見つめてくれる彼がたまらなく好きだ。
調理担当は基本的におれ、洗い物もおれ、キッチンにたつおれを見るのが見たいと後ろから抱きついてきては応援(邪魔)をする重大な役は全任せ。献立を遠慮なく伝えてくれるので優柔不断には助かる。深夜、たまあに小腹が空いた彼に服の裾を引っ張られる。「あー。」彼が口を開けたら赤く腫れたモノを突っ込んでやる、欲に直結する部分。此方も赤く熟れた艶のいい肌を見て美味しそう、と舌なめずりをすれば上に跨り口付けてくる。「まさやはただのわんちゃんやない、パブロフの犬や。」なんて笑っているけど、どっちが、と思っていたりする。内緒。
ずっとここに居たい、一緒に住んだらこういう部屋にしようなんて時折話していたものを詰め込んだ大事な大事な空間。鍵はおれの指紋と声と瞳の動きを察知する生体認証で登録されていて窓は取り除いておいた。宝物しかないお城に侵入されんのが怖くって気付けばこんな厳重に。....あーでも、もし虫でも入ってみようもんなら一生外に出させないとは思う。彼には眠る前に絵本の読み聞かせのトーンで禍々しい話を披露して、外の世界は怖いんだと再認させる。深く刺青の入った男たちの怒鳴り声や、銃声の聞こえない晴れの日が続く世の中に早くなればええな、なんて一緒に願う。おれの腕の中で縮こまって「ありがとうな、今日もアイス買いに行ってくれて。」なんて信じきって言うもんやからほんっまにかわいい。『ずっと守ってあげます、安心して。』背中を撫でてやれば嬉しそうに笑って足をばたつかせる。併せて鎖の擦れる音がチャカチャカ響くのが心地いい。
1 note · View note
w3sxi6 · 9 months
Text
67.
御前が欲しい!と喉から出た手に四肢を引きちぎられてニンゲン生命終えたいから、恋人(両手足と胴体を引き取ってくれる)は5人作るべき?
0 notes