Tumgik
#ラッピングが懐かしくてかわいすぎて捨てられない
conacona45s · 1 year
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🐱🤍❤️ 念願の、おすわりしろいちゃん。お連れしてきました🤍 午前中はひたすらお日さまぼっこ寝してるこなさまに、おぴろめ❤️ . . #necodoudou #grandpries #ラッピングが懐かしくてかわいすぎて捨てられない #ラッピングのピンク紐はオモチャにするの #こなこなちゃんのお通りよ #ねこ #猫 #cat #cats #neko #catlover #catlovers #instacat #catstagram #catsofinstagram #catoftheday #ilovemycat #kitty #meow #三毛スコ友の会 #ふわもこ部 #三毛猫 #ハチワレ#猫のいる生活 https://www.instagram.com/p/CojQLmPh1qv/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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otoha-moka · 5 years
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隠れ家的カフェを営むまんば
さっきの隠れ家的カフェだけど、どっかの商社でバリバリ営業やってる長義くんが、疲れてふらふらと立ち寄った、こんなとこにあったか?と思わせるカフェでまんばと出会うみたいなのはめちゃくちゃ見たいです。あれだよ、やってる曜日とかも限られてて利益度外視か?って不安になるような小さなカフェ。
駅前の商店街を抜けて坂を上り、さらに階段を登った先にある少し高台にあるカフェで、今決めたけど舞台が海辺の街なので、海が窓から見えるんですよ。そんな場所で、まんばは何故かひとりで小さなカフェを切り盛りしてる。聞けば、知り合いに任せられたと言う。
なぜかその姿に惹かれるものがあり、営業中なのを確認しては通うようになった長義くん。ある日、「不躾なことを訊くが、その知り合い、というのは?」長義くんがそう尋ねるけど、まんばは静かに首を横に振るだけ。話すことはないということか、と納得し、長義くんは「…そう」と窓辺に視線を逸らした。
不定期的な営業日かと思えば、通い始めるとそれなりに法則性が見えてくる。営業日は、天気は晴れていて、海がよく見える日だけ。逆に言えば、雨の日や曇りの日には必ず閉まっているということがわかる。客数は多くなく、その殆どが常連で、長義くんは通い出すと、常連とは自然と顔見知りになった。
それに納得出来ないなんてことはない。出される珈琲は、確かに美味しいが、売り物として考えるなら特別何か凝っている様子ではないし、軽食なども同様。ただ、駅前の喧騒が嘘のような静かな雰囲気と、物静かで愛想もよくない青年ひとりが従業員という少し不思議な空気に人々は惹かれているのだ。
そんな空間だから、長義くんがまんばと交わした会話というのも多くはなく、帰り道、なんだか一方的に思いを寄せているようなモヤモヤとした気分になったりなどした。カフェのドアがOPENになっているのを確認することが習慣になってしばらくたった頃の雨の日のことだった。今日はやってないな、と
残念に思いながら、ビニール傘をさして駅に向かう長義くんに、誰かがぶつかる。「…っ、すまな」こちらも少しぼーっとしてたので思わず謝罪する長義くんは、目を見開いた。目の前に飛び込んできたのは、あのカフェの青年、つまりはまんばだった。長義くんが思わず触れた肩はぐっしょり濡れていて、
この雨の中を傘をささずに来たのだろうということは容易に見て取れた。濡れ鼠になっている青年の身体は冷えきっていて顔色は蒼白、ひと目で良くない状況であるということは理解出来る。肩を軽く揺すって声をかけるも、ぐったりとした青年は僅かに呻くばかりで、ようやくこちらを見上げたと思えば、
きちんと聞き取れなかったが、恐らくは長義くんの知らない、誰かの名前をぽつりと呟いて、そのまま固く目を閉じてしまった。
まんばが気がつくと、見知らぬ天井だった。ゆっくり体を起こすが、まだ頭がガンガンと響いて、思わず押さえる。そこで、ようやく近くに人がいるのに気が付いた。その人は自分に「ようやく目が覚めたね」と声をかける。そういえば、服装も自分の知らないものだ。
「救急車、呼んだ方が良かったんだとは思うんだけど…」最初は長義くんはそのつもりだったが、スマホを取り出した長義くんを、気を失う直前、まんばは制した。とは言っても、じゃあ放置しておけるわけでなし、駅も近いがこの距離なら家の方が近い。そんな判断で長義くんはまんばを自宅に連れ込んだ。
その声を聞くや否や、まんばは申し訳なさそうに眉を寄せて項垂れる。「…すまない」「謝るくらいならあんな所で倒れるな」「それは…いや、すまない…」「だから…まあ、いい。貴重な体験だと思うさ、成人男性を家まで引き摺るなんて滅多にないからね」「う…本当にすまなかった…」
うっかり癖でそう畳み掛けると、きのこでも生えるのではないかと言う勢いで、目の前の青年はわかりやすく落ち込んでいく。そんな青年の様子は、普段(とは言っても毎日ではないが)、愛想なく静かなカフェでコーヒーを出してくるあの青年の様子に比べると、幾分幼くも見えた。
外はまだ雨が降っている。ふと気になった長義くんは「お前…いや、君の、カフェについて、なんだけれど」と切り出した。「…ああ、そのことか」とこともなげにまんばは呟く。さっきまでのわかりやすさとは正反対に、感情の読み取れない表情で。それから「言っただろう、任されたんだ」と微笑んだ。
はぐらかしている、そんなことはすぐにわかった。しかし、そもそもそんなことを問い詰めるような仲でもない。違う。つつくことで、何か得体の知れないものが出てくるかもしれない、などと恐怖してしまった。長義くんはそれを認めたくなくて、「…その、任せた人ってどんな人なの?」と訊ねた。
「どんな、というと…?」そう言いながらまんばは首を傾げる。元に戻った、と思わず安堵してしまった。「繁盛しているとは言い難いとはいえ、カフェを1人に任せるような人がどんな人か、気になってね」そう返すと、まんばは俯いて考え出し、「…強いて言うなら…そう、海が似合う人だ」と答えた。
「…すまない、必ず洗って返す」まだ熱があるようだったが、これ以上の迷惑はかけられない、とまんばは長義くんの家を出た。その際、ぐしょぐしょに濡れていた服は着替えさせたということも改めて伝えたと��ろ、まんばはそう言って去っていった。心配にはなったが、相手もいい大人だ。大人しく帰した。
それからの日々は変わらず、まんばはよく晴れた日はカフェを開いていたし、長義くんはそこに訪れた。特にあれこれと会話をすることもない。特別なことと言えば、本当にあれきりだった。そう思っていたが、それもまた雨の日だった。その日は日曜日で、長義くんは家でのんびりと過ごしていた。
インターホンが突然鳴った。宅配便あったかな…などと思いながら確認して、その姿を認め、すぐに玄関のドアを開ける。紙袋を片手に持ったまんばが立っていた。「…返しに」ずい、と紙袋を差し出すので、素直に受け取る。ちらりと見ると中身は先日の服。そのまま踵を返そうとするまんばを呼び止める。
「…あがって、いきなよ」どうしてか、なんとなく一人にしておけなくて呼び止めてしまったが、何を言うべきかにも詰まってしまい、突拍子もなくそんなことを言ってしまった。「…だが、」「いいから」躊躇うまんばの手を引き、半ば無理矢理連れ込む。当のまんばはというと、大した抵抗もない。
「店のとは違って、インスタントだけど」そういって、これまた半ば無理矢理座らせたテーブルの前にマグを置く。「…すまない」ちらりとそちらを見るなり、まんばは呟くように謝罪した。
「…お前、二言目にはすまないって言うね」「そんなことは」「あるんだよ、口癖だとしたら悪い癖だ」「それは、その…すまな…あ、」「…別に、無理にやめろとは言わないよ」「…そうか」それきり、まんばは黙ってしまう。長義くんも、まんばの隠し持っている何かを察している。聞き出したいとも思う。
ただ、それを聞いてもいい立場ではないと考えているだけで。そんなこんなで、連れ込んだもののどうしたらいいかわからず、否応なく気まずい空気が流れた。そんな中、まんばから口を開いた。「この前、なぜ救急車を呼ばなかった…そのまま、俺を無視することだって出来た。俺をあの場に捨てることも」
なぜか?お前が嫌がっていたからだろう。捨てるだって?非人道的だ、俺の倫理観に反する。なんでもないように言うまんばの言葉に長義くんは苛立った。「それは、俺を馬鹿にしているのかな」「…っちが、」明らかにいらだちを含んだ声に、まんばは咄嗟に否定する。「…ただ、優しいと思っただけだ」
そう言ってから、少しばかり目を泳がせたまんばは、長義くんを見据えて続ける。「だが、俺にはもう構わないでいい。お前のそのやさしさは、他に向けられるべきだ」長義くんはその言葉に目の前が真っ暗になる感覚を覚えた。あれは優しさから行ったわけではない。自分のための行為を否定された気がした。
結局その日はその気まずい空気のまま、まんばの方から、「邪魔をした」と伝えられ、帰ろうとしてしまう。引き留める理由もないが、別れる間際、長義くんはまんばに「…あれはすべて、正しく俺のために行ったよ」と告げた。まんばは、少し驚いた表情のあと「…そうか」とだけ返し、去っていった。
まるで雨の日だけに起きるバグのような感じだ、と長義くんはなんとなく感じる。翌々日の快晴、やっぱりカフェはやっていて、人の入りはいつも通りで、長義くんが中をうかがうと、相変わらず愛想のない青年が一人で店内を切り盛りしていた。何も変わらない。
しかし、そのまま店内に入ると、長義くんの姿を認めたまんばは、苦々しそうに瞳を揺らして、さっと目を逸らし、その後も目を合わせることなく(元々あまり合わないが)席を案内してきた。先日のことを引きずっているのだろうということは明白で、でも、長義くんは自分は何も間違えたことなどしていないと
思っているし、だから自分から先日のことについてどうにかしよう思っていない。そんな感じで、同じ常連の顔見知りにも気付かれる。店を出たところで、ふいに声をかけられた。「よっ、君、あの店の常連だろう?俺もそうなんだが…すまんすまん、怖い顔するな」と話しかけてきたのは鶴丸と名乗る男性。
「まあなんだ、取って食おうっていうんじゃあない、君と少し話がしたくてな」そういって朗らかにほほ笑む男は、しかし妙にノーとは言わせない説得力を持っていた。「それなら、そこのカフェを使えばいいだろう、どちらも常連なんだから」「いや…話したいことってのは、国広のことなんだ」
坂を下りたらすぐに駅前商店街が広がっている。アーケードの中にあるチェーン店のカフェに入店した。軽い調子で、何から話すべきか…などと言い、大袈裟な身振りで考えこむポーズをとっていた鶴丸は、突然真剣な面持ちになり、「そう…もうすぐ、月命日なんだ」と切り出す。「…月命日?誰の」
「それは、その…ああ、あいつどこまで話してるんだろう…」その反応を見て、長義くんは直感した。「…あのカフェを任せたとかいう」そういうと、鶴丸さんはぴたりと動きを止める。それからこくりと肯定してみせた。「…海のような人だと言っていたかな」「へえ、彼にしては随分と詩的な言い方だ」
その数日後のこと。その日は快晴で、なのにカフェはやってなかった。納得して鶴丸さんに言われた通りの通りで待つ。程なくしてまんばが来た。自分に気付いていないのか、気付いた上で無視しているのか、そこまではわからないがそのまま通り過ぎようとするまんばを呼び止める。「…墓参り、かな?」
ゆっくりとこちらに目を向けるまんばの澄んだ碧の瞳は悪天候からか、それとも別の何かか、少し澱んでいるような気がする。手に持っている菊、カーネション、榊に竜胆、といった花で構成された花束だけが妙に鮮やかだった。「…どこで聞いた」「あの店の常連だよ」「今日は、平日だが」「…それは仮病」
前日まで鶴丸さんの言葉が離れず、当日になって思わず会社を休んだ。「どう、して…」長義くんの言葉を受けたまんばは、花束を持つ手に力を込める。「どうして、俺なんかに構うんだ…っ!」「そんなの、俺だって知りたいよ!」長義くん自身、なぜ鶴丸さんの言葉が気にかかったのか分からなかった。
売り言葉に買い言葉で、思わず強く言ってしまった。思ったよりも大きな声だったからか、びく、とまんばの肩が震える。「…あ、…そんなつもりでは…」そのまま俯いてしまったまんばに、慌てて何か言い訳やら弁明やらを並べようとしてしまう。と思いきゃ、ぽたりとまんばの真下の地面に水滴が落ちた。
泣いている。どうして、確かに強い口調だったかもしれないが、まさかこの程度で?とは思わないでもなかったが、事実目の前にいるまんばは声を上げるでもなく、涙を落としていく。何とかしなくては、と思うも何も思いつかず、長義くんはまんばの肩を抱き、自分に寄せた。よろめいた拍子に花が落ちる。
さほど時間はたたなかったように思う。しばらくすると、「…あ、の…突然すまなかった…離してくれ…」とくぐもった声が聞こえ、まんばは離れようと腕で長義くんを少し押す。少し惜しい気もするが、離すと袖口で目元を雑に拭い「俺は、迷惑をかけてばかりだな…」と自嘲した。
「別に、迷惑ではないけど」そう返すも、「いや、迷惑なんだ」とまんばは取り合う気は無い。それから、落とした花束を拾いあげ、「…迷惑ついでに、見なかったことにしてほしい」と続けてきた。「なに…?」「やっぱりお前は優しいと思う…だからもう、店にも来ないでくれ…俺の事も、忘れてほしい。
……そうでなければ、俺が…」そこまでいうと、しばし逡巡し、なんでもない、と言葉を続けるのをやめ、まんばは長義くんを置いてその場を去ろうとする。当然にそんなことを認められない長義くんは、まんばを捕まえる。「ふざけるな…認められるわけがないだろう、そんなので!」
眠気が来ないので唐突に続ける。 「…離してくれ」今度は強い力で掴んだ腕を振りほどかれた。それをすぐに再度掴む。「嫌だ」離されないように強く掴むと、痛んだのかまんばは少し身じろぐ。「俺は、俺の思うままに行動しているだけだよ、お前の事情など、知ったことではないな」
俺はお前が気にかかっている。だから、納得できるまで離してなどやるものか。そう続けると、まんばは先程無理やり止めた、緩んだ涙腺から、またじわりと涙を滲ませる。「…ない…だ」「え…?」それから、震える声で告げた。「俺が、お前に、その優しさに耐えられないんだ…!」
認めてしまった、声に出してしまった、自分の声を聞いてしまった。そう思うともう駄目で、まんばは心の内側のせき止められていたものが決壊してしまったかのような気がして頽れる。長義くんは咄嗟にまんばを支える。「俺さえいなければ、生きてたはずなのに…だから、俺は縋ってはいけないのに…っ」
鶴丸さんはカフェの先代と親しい間柄だった。そのことを長義くんに語っていた。先代はある日、色々あって面倒を見ることになった、と少年を連れてきた。それが国広だった。それからというもの、国広は学校とカフェを行き来し、最終的には店で本格的に働きだした。…これは、数ヶ月前までのことだ。
「その日」が訪れた。「その日」のことを鶴丸は知らないが、その前後については付き添ったので、事情は知っているという。国広は、少し心配になるほどに先代に懐いていた。鶴丸の目には仲の良い親子に見えていたそうで、その日も、2人は共に仕入れに出ていたのだそうだ。不幸な事故だった。
その時の状態は、もう国広でないと説明は出来ない、と鶴丸は断りを入れた上で、その後についても話し始めた。曰く、病院の集中治療室の前からずっと離れる様子はなく、死亡を正式に告げられたときの表情など、痛ましく見ていられないものだったという。「折角笑うようになったのに、あれでは元通りだ」
鶴丸はそうぼやいていた。国広ともそれなりに話す間柄だったこともあり、事故後、見るからにショックの大きい国広に付き添っていたのだと言う。「初めは、事故現場に言葉を全部捨てて行ったのかと思う程でな。漸く話すようになったかと思えば、俺のことはいい、大丈夫って言い出すんだ」「それは…」
国広が倒れてきた日のことを思い出す。あれは他人が自分に構うと、なぜか突き放す。好意を毒のように扱う。「はは、君も似た経験あるみたいだな。…だが、とても大丈夫な様子には見えなかった、だから自然に様子を見るために言ったのさ」それが、形見のカフェを続ける、という提案だったのだという。
「ここからは…君が選んでくれ」それから、そう続けた鶴丸さんは、長義くんにも提案した。選んだ結果、長義くんはまんばの前に現れた。 目の前のまんばは、長義くんに支えられようやく持っているのではないかという程に泣き崩れてしまっていて、なのに口では、駄目なのに、と繰り返す。
「いやだ…嫌なんだ、今度縋ってしまったら、きっと戻れない…あんな思い、したくない…もう、もう二度と…なのに、」嗚咽交じりの言葉は、それからはもう聞き取れない。「…縋ってよ。俺が、お前にそうされたい」長義くんは思わず預けられた体を、そのまま、さっきよりもずっと強く抱きしめていた。
「…、離し…」反射で体温から逃げようとするまんばを押さえつけるように力を込める。「…嫌だ、逃がさない」「や、だ…」「お前の気持ちなど知らないよ」「…俺は、」「いいから俺に縋れと言ってるんだ!」強めにいうと僅かなまんばの抵抗もなくなる。持っていた花束のラッピングが微かに音を立てた。
まんばが落ち着くのを待って、それから墓まで一緒に向かった。道中、もういいと諦めたのかまんばは洗いざらい話しだす。「俺があの人に引き取られたのは中学生の頃だった。それからの日々は、それまでが嘘みたいに楽しかったんだ…だから、俺は今までのことも忘れてあの人にしがみついてしまった」
そこまで話すと、もう目的地に着いていた。こっちだ、とまんばは迷いのない足取りでそれなりの広さの墓所を抜けていく。「…墓は結構奥の方なんだ」「…そう」「…付き合わせてすまない」「何を。俺が待ち伏せたんだよ」「それも、そうだったな…」そんな話をしているうちに墓の前まで来ていた。
ちょっと宗派とかで墓参りの方法違ってたらあれなのでふわっとした感じで…。まんばは「途中で落としてしまった花ですまない…色々あって…」などと言いながら花を供える。それからはお互い無言で手を合わせる。何か墓前に向かって話すでもなく「…行こう」というまんばの声でその場を離れた。
帰り道、しばらく話さなかったまんばは再び口を開いた。「…雨の日、だった」「…ああは言ったけど、話したくないなら、話さなくてもいいよ」その表情のかたさに長義くんは思わずそうフォローするが、まんばは静かに首を横に振る。「トラック、だったんだ。…あいつは、俺を庇った」
まんばは浅くなりそうな呼吸を何とか整えようと深く息をついた。「引き取られた、と言っただろう?すっかり忘れていたんだ、生みの親は俺に『お前は誰かの幸せを奪うことでしか生きられない』と言っていたのにな…だから、あの人が死んだのは、俺のせいなんだ」「…それは、違うだろう」
長義くんはまんばの言葉に反論する。まんばは応えない。「俺がいなければあの人は俺を庇って死ぬことだってなかった…なのに、俺は身勝手で、今度は怖くなった。俺は、また忘れて、また大切な誰かを不幸にしてしまう、そうなるまで自覚もなく縋って、しがみついて、他人の幸せを食い尽くしてしまう」
「…だから、自分に向けられた好意にも目を逸らすというのか」長義くんはまんばの言葉に苛立っていた。話が飛躍し過ぎだし、あまりにも勝手だと感じた。「…そのつもりだった」「随分と勝手だね」「俺は身勝手なんだ、すまない」「その反応が既に身勝手だよ…俺は、お前から幸福を奪われなどしない」
まんばはその言葉に顔を上げ、長義くんを見た。長義くんは続ける。「大体、勝手に人を不幸にしないでくれるかな。…お前の言うその人だって、お前を呪って死んでいったりしていないんだろう」「…それ、は」「…決めつけるな、見縊るな、お前ひとり縋った所で、誰が重いと言うものか」
そういうと、長義くんは手を差し出す。「手をとるだけでいい。それだけで、お前が縋るものは代償もなしに手に入るよ」「…いい、のか。俺のせいで、お前がもし…」「言ってるだろう、俺がそうしたいからそうしてるんだよ。お前のことなど関係ない」その言葉で、まんばは少し躊躇いがちに手を延べる。
その躊躇いすら煩わしく、長義くんは述べようとしたまんばの手を捕まえた。「…やっと、捕えられた気がする」そう長義くんがいうと、まんばは可笑しそうに小さく微笑み、「そんなことはない…何度も捕まっていた」と告げるのだった。
それからの日々も変わりはしなかった。相変わらず、晴れた日にだけ開いているカフェ。常連ばかりの客。その常連のひとりが長義くん。だが、少し変わったところもあった。雨の日だ。長義くんの部屋にはまんばが居る。「…お前、雨が降る度にそうだったの」「…いや、雨の日のタイヤの音が駄目なんだ」
そう言うと、また思い出してしまったのか苦々しそうにまんばは頭を押さえた。後日判明したことだったが、まんばにとっての事故はやはり重大なトラウマになっていて、雨の日にカフェを営業していないのはその関係だったらしい。「そら思い出せ、ここは室内だよ」「…ああ、すまない、もう大丈夫だ」
そんな状態だったので、長義くんは雨の日には自分のところに来るといい、休日は大抵家に居るし、平日も夜ならば家に居るだろうから、と提案した。有無を言わせなかったので、まんばはそれに従って、雨の日には長義くんの家に居座るようになった。いつの間にか生活必需品は2つ揃っている。
「よく走らなかったけど、なかなか、上手くは行かないものなんだね」まんばの背中をさすりながら言うと、まんばは申し訳なさそうに「…迷惑をかけているな」と零す。「…お前のその思考のクセ、なんとかならない?」そう言えば以前もそんな会話をした気がするな、と思い返した。
今でこそほとんど問題は無いが、最初の頃はこれでよくもまあひとりで生活していたな、と感心すらするほどで、まんばはそれに対しては、一人の方が状態は悪くないと、言い出した。「きっと、お前がいるから、どうしてでも甘えてしまうんだ」と恥ずかしそうに言われたときにはどうしたものかと考えた。
翌朝日曜日。目を覚ますとまんばは既に起きていて、二人分の朝食を用意していた。挨拶を交わし窓を見る。「…今日は海が綺麗だろうね」窓の外から零れるのは眩しいまでの日差しで、切り取られた風景は雲ひとつない快晴だった。ああ、とパンを齧りながらまんばは返す。だが今日は定休日、営業はしない。
昨夜寝る直前に約束をした、「明日は晴れるそうだから、海にでも行かないか」と。まんばは断る理由はないとその案を受け入れた。別に珍しくもない海ではあるが、まんばは何となく懐かしさを覚える。 「…最初、ここに連れられてきた時に初めて来た場所が海だったんだ」「…うん」
「だから、その時のことが印象に残っていて、海のような人だと思っていた」「…うん、そう」この街には2人の思い出が多すぎるようで、まんばは時折そうやって過去のことをぽつりぽつりと話すようになっていた。「…そういえば、」まんばはふと思いついたように声を上げた。「お前も海のような人だな」
「は…?」突拍子のなさに長義くんは思わず聞き返す。「…深い海のような瞳をしていると、ずっと思ってた…じっと見られたら呑まれそう、だと…」まんばは長義くんの反応を受けて、少し考えながら言葉を置いていった。その言い分に長義くんは堪らずまんばを抱き寄せる。
波打ち際、バランスを崩してしまい、パシャッと音を立てて2人で水に濡れた。「…呑まれて、くれるんだ?」構わず長義くんはまんばに囁く。思ったよりも必死な声だった。まんばは小さく笑って、「…それも、悪くないと今では思っている」と長義くんの背に手を回したのだった。おしまい!
「海のような人」、死んでるのでぼかしまくって書いたけど、特定のキャラではなく、一応原作軸でいうとこの審神者のような人を想定してました。
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