和歌山県の新宮市に来ると、熊野三山のひとつでである熊野速玉大社が有名ですが、時間があればこの蓬莱山と阿須賀神社にもお詣りする事をお勧めします。2016年に追加登録された世界遺産になっていて、歴史的にもとても興味深い神社なのです。 #キャンピングカーの旅 #キャンピングカー #アドリア #アドリアマトリックス #アドリアマトリックススプリーム #フィアット #デュカト #日本 #車中泊 #キャンピングカーのある暮らし #キャンピングカーライフ #全国日帰り温泉マップ #全国車中泊マップ #全国オートキャンプ場マップ #全国お城マップ #全国神社マップ #神社 #阿須賀神社 #世界遺産 #熊野三山 #camp #campingcar #camper #adoriamobil #adriacamper #japan #adriamatrix #adriamatrixsupreme #ducato #adrian @oka_bishu @mezcal_love @fortual_meditation (at 阿須賀神社) https://www.instagram.com/p/CeRm0sHvUqm/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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2023.08.07〜09
京都旅行
前日はまったく眠れなくて、ほぼ寝てない状態で朝を迎える。今までにもよくあった、大事な予定があるときのアドレナリン効果?
予定よりもひとつ早い電車に乗り、乗り換え駅で何本か電車を見送る。通勤ラッシュということもあり、人が多い。電車のなかで恋人と合流。二人して寝不足でとろとろの目で向かう。想像以上にスムーズに進み、新幹線乗り場ですこし時間を持て余す。おにぎりをひとつずつ買い、新幹線に乗車。おにぎりを食べ、話しているとすぐに静岡に突入。やっぱり大きい〜などと話しているうちに眠くなり、眠る。あたたかい手に包まれて幸せをひしひしと感じる。これからの3日間へのたのしみが溢れて、自然と笑みがこぼれ落ちていた。
あっという間に京都に到着し、荷物を預けに宿泊先へ。まだまだ京都に来た実感が湧かないね〜などと言いながら、中心部を移動。ホテルはなんとなくで選んだわりにはとても良い場所で一安心。荷物を置いて、昼食をとりにうどん屋さんへ。かき卵うどんが沁みる。食後は鴨川へ。念願の鴨川を目の当たりにし、京都へ来た実感が一気にわく。鴨川の河川敷を恋人と歩くのが長らくの夢であったから、ふとにやけてしまい恋人に不思議がられる。暗くなってからもまた来ようね、と約束する。その後、白川通りや花見小路通りへ。いかにも京都らしい街並みに感激し、手を繋いでいろいろなところを散策。人の多さに圧倒されつつも、脇道に逸れると一気に人が減り、落ち着くねと言いながら歩く。小腹が空き、散策のはじめのころに見つけた甘味処へ並ぶ。なんとなく良さそうだね、と決めた入ったところ、二階のお座敷の部屋に通され、想像以上に趣のある店内に二人で興奮する。ずっとここにいられるね、などと話しながらわらび餅を注文する。今度はお座敷のある旅館みたいなところで、宿泊先に重きを置いた旅行もしたいね、などと話す。再び鴨川沿いを歩き、能面を探しに五条通りへ向かう。到着するも能面工房は展示がされておらず、すこし残念であったが、しょうがないかと切り替え、京都駅方面へ向かう。途中で東本願寺を見つけ、参拝する。大きな本殿に圧倒され、すこし休憩する。古くに建てられた建築物内は風通しがよく、何時間でもいられそうなくらいの心地よさに感動する。そろそろ出ようかといったころに、何人もの僧侶見習いのような人たちの波にのまれ、驚く。キッザニア的なやつ?とつぶやくと、バチがあたるよと怒られる。その後、地下鉄に乗り、ホテルでチェックインを済ませてすこし休憩。きれいなお部屋でまた安心。ひとつのベッドに3つも枕が用意されていて、枕投げするか!と話す。お互いアレルギー持ちだから死んでしまうぞ、と笑う。そんなくだらない話をしながらソファに横に並んで座って、室内で二人きりになることがはじめてだね、と触れ合う。長旅の疲れと寝不足で今にも眠ってしまいそうになり、夕飯をとりに餃子屋さんへ向かう。餃子屋さんではカウンター席に通され、二人並んで餃子を食べる。恋人が注文した黒いチャーハンは見た目に反してシンプルな味わいであとを引く。餃子は想像通りおいしかった。恋人の眠気がピークに達し、少し不安になるも、さっと食事を済ませ、約束していた夜の鴨川へ向かう。鴨川に到着すると、川沿いの床料理の飲食店の提灯や照明に照らされ、まだ少し明るく、河川敷に座って辺りが暗くなるのを待つ。その頃も恋人はとっても眠そうで何度もうとうとと持たれかかってきて、かわいらしかった。今日はいつもみたいに帰りの時間を考える必要はないんだね、と旅行ならではの喜びを噛み締める。そうも話しているうちにすっかり暗くなり、雰囲気のある情景に。いつもみたいに恋人がわたしの腕をふにふにと触り、愛おしそうに見つめてくれて、横にいられる幸せを感じる。お話をしたり触れ合ったりと存分に鴨川の雰囲気に酔いしれ、ホテルへ戻る。あまりそのつもりはなかったがたくさん甘えてしまって、甘えなれていなくてよくわからなくなりつつも、眠い時だけではなくていつもこうやって甘えてほしい、眠いときだけ?と言われ、甘えるのも悪くないかも、と思う。同時にいつもそういうことを任せきりにしてしまうことに反省。その道中、コンビニでアイスを買い、帰って食べようねと約束する。んたしのシャンプーの香りが好きだとずっと言ってくれるので、シャワーはあとに入ろうか?と聞くと、その香りがいっぱいになったシャワールームに入りたい、と照れながら伝えてくれたのでその通りにする。メイクを全て落とした状態で対面するのは不安だったけれど、その姿も肯定してくれてうれしい気持ちでいっぱい。そういえば、香りは覚えているしもうわかるよ、と教えてくれた。香りっていちばん記憶に残るよね。わたしもわかるよ。二人ともお風呂から上がり、アイスを食べて歯を磨く。寝る支度を済ませて布団に入るか〜などと言いながら、準備をしていると枕をぶん投げられる。わしゃわしゃとすこし遊んでいると、同じベッドで寝る?と一つのベッドに入る。ホテルを予約した時点でもこういうことは少しだけ考えてはいたけれど、恥ずかしくて、寝相が悪いことにして別のベッドにしたことを思い出す。シングルに二人はきついかな〜と思いつつも、くっついているのでぎりぎりセーフ。好きな人といっしょに寝るのってこんなに幸せなんだと漫画みたいなことを思う。あまりの近さに照れてしまって枕に顔を埋めてしまう。でもいつも寝る時もけっこう顔を枕に押し付けているような気もする。これまで、外でしか二人きりになれなかった分、存分にくっつき合える場を楽しむ。恥ずかしくて仕方がなくなるも、こっち向いてよと何度も囁かれ、見つめ合う。どんな人であっても、身体に触れられることは今まで苦痛で苦手だったのに、ゆっくり少しずつ、安心できるように触れてくれることへの感謝を伝えられてよかったな、と思う。
気がつくと朝で、それでもまだ二人とも眠たくて夜の続き。ワンピースだけになり、いつも嫌だと避けてきた脚を触られる。ぶにぶにだから、とよけるもそれがいいのと言われ、ならばよいか、と許す。そんな自分が単純すぎておもしろい。
よい時間になり準備を済ませ、朝食をとりにパン屋さんへ。外は前日と打って変わって暑く、蝉の鳴き声が鳴り響き、京都の夏を見せつけられる。パン屋ではお互いが好きなクロワッサンとわたしはカレーパン、彼は好きな大葉のパンとナッツのパンを選び、珈琲とともに店内でいただく。朝から優雅な時間を過ごし、旅行気分を味わう。
2日目は彼の行きたいところメインで回ろう、と決め、嵐山方面へ。その道中の電車は外国人観光客で溢れかえっており、代表的な観光地であることを再認識する。到着後はトロッコの乗車券を購入。トロッコはこれまた外国の方だらけで日本人のほうが少数なのでは、というくらい。トロッコから見える景色は美しく、鹿がいるのも見えた。なかでもわたしはトロッコ保津峡駅の吊り橋がお気に入り。サスペンスドラマの撮影地にもなったと言っていたとおり、いかにも人が突き落とされそうな感じ。トロッコから下車し、竹林の道へ。竹って一日でものすごく伸びるから安易な気持ちで植えたらいけないんだよ、と教えてもらう。パセリも無限に繁殖するからだめらしい、よく知ってるね。竹林の道を抜け、渡月橋へ。恋人の念願の場所ということもあり、いかにもテンションが上がっている姿が見られて、こちらも嬉しくなる。お互いにインスタグラムのストーリーに投稿し、橋の下の川へおりる。彼は石を渡って中洲のようなところへ。その姿を動画に撮っているとこちらに気づいてにこにこ。かわいい。水切りをしたりふらふらしたりとなにやらたのしそうでよかった。その後は休憩がてら和菓子屋さんへ。わたしはみたらし団子、彼はわらび餅を注文し、店の奥にある椅子で食べる。良い雰囲気だね、と話す。嵐山を楽しんだあとは金閣へ。電車とバスを乗り継いで到着すると、いかにも大切にされていそうな雰囲気の鹿明寺に背筋が伸びる。拝観料と引き換えて渡されたチケットがお札のようになっていて、こういうのいいねと話す。金閣はほんとうにぴっかぴかでびっくり。特に写真で掲示されていた内部の最上階の壁や床が全て金箔で埋められた洗練された部屋が圧巻。足利義満の派手さに圧倒される。敷地内が一方通行に規制されており、人を避けて進まなくてよいことのストレスの少なさに二人して感じていた。進むと蝋燭や線香をお供えできる場所を見つけ、二人でストレス封じの線香を供える。効果があるといいな〜。金閣を見終えたあとは夕食のために京都駅方面へ。京都駅はやっぱり人が多い。いろいろと迷った挙句、夕食は地下街のお好み焼き屋さんで済ませることに。チーズが存分にかけられたお好み焼きが想像以上に美味しかった。ボリュームのわりにはおなかによくたまり、大満足。ホテルへ戻るには少し早かったので、夜の千本鳥居に興味が湧き、伏見稲荷大社へ。勝手に人が全くいないことを想定していたけれど到着するとそれなりに同じような人たちがいて、みんな考えることは一緒か、となる。やはり夜はライトアップされていることからきれいで、感動する。マップを見ると、最後まで行くとすると稲荷山を登頂することになるようで、全く想像がつかなかったがとりあえず行けるところまでいってみるか、と意気込み、千本鳥居へ。途中で花火の音が聞こえ、そういえび今日は琵琶湖の花火があるんだったね、と思い出す。はじめの方は連なった鳥居が魅力的でどんどんと進んでいけたが、途中から険しい坂道となり、それなりのところで引き返す。疲れたけれど手を繋いで散歩できてとってもうれしかったなあ。電車で烏丸御池まで戻り、コンビニで飲み物とヨーグルトを買ってホテルへ戻る。昨日と同じように順番にシャワーを浴びて寝る支度をする。昨日は持参のパジャマを着たが、今日は備え付けのほうにしてみようか、とお互い前開きの浴衣のようなものを着る。あたりまえのように同じベッドに入る。昨日のこともありより積極的ですこし驚く。気がつくと服を身につけていない状態になる。何度も綺麗だと言ってくれて恥ずかしいけれどうれしい気持ち。
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2023.8.19sat_tokyo
私にとっての「休み」というのは二種類ある気がする。一つは「疲労困憊!もう無理全然動けない!」というマイナスの状態から、ひたすら寝るなりゴロゴロするなりして回復し、とりあえずゼロくらいになる休み。もう一つは、やらなければならないことから解放されて好きなことを自由にやって遊び尽くしてパワーを貯めるタイプの休み。
ここ何ヶ月かはとにかく出張が多く、全国飛び回る→東京にいる間に取材や打ち合わせや原稿作成、Podcastの音源編集をまとめて対応→また出張へ行って、日中は現場対応、移動時間とホテル滞在時間で作業を進める→東京にいる間に……というループ。
マイナスから回復する休みはなんとか取れているので、忙しさのわりに体調は崩さない。そして仕事自体はめちゃくちゃ楽しい。だけど「好きなこと思う存分するぞ!」というパワーアップ休みがなかなか取れていない。
なんでこんなことを考えたかというと、今日がまさに「自由だー!」という久々の休日だから。羽を伸ばしに、知人を頼ってノープランで長野県の飯山というところへ初めて行く。ほぼ毎日着ている和装も脱ぎ捨て、適当なワンピースを着て、リュック一つで出かける。こんなに心も体も身軽な移動は久々だ。
楽しみすぎて、多少は寝坊もすればいいものを、なんでか6時に目が覚めてしまった。早起きついでに、同居人がキャンプに行くというので知人たちとの待ち合わせにくっついていく。早く着いたので日比谷公園の木陰で待つ。
私は体当たりしてくる蝉が大の苦手。小さめのスズメが、大きめの蝉に見えてビビるくらい苦手。日比谷公園でも、当然ながら蝉が鳴いている。
彼が「真上あたりにいるんじゃない?」と私の真後ろの木を指して意地悪を言ってくるので「いや、この鳴き声は2本隣の木の上の方」と的確に答えた。苦手すぎて、敵の行動を把握して回避するために、蝉の声と位置を把握する変な能力が身についてることに気づく。まぁ、あいつらは私がどんなに逃げてもこっちに向かってくるんだけど。
私は長野の北の方、彼らは長野の南の方へ向かう。改めてGoogleマップを見ると、長野って本当に広い。お互いに「いってらっしゃい」と言い合ってお見送り。
一人で東京駅に着くと、世の中はまだお盆休みの延長線なのだろうか。大混雑で、どこのカフェにも入れない。美味しい出張続きで最近すごく体重が増えたので、ちょっとカロリー制限をしているんだけど、カロリーを控えようとすると東京駅構内に座る場所が全然ないと知る。ラーメン屋さんとかなら入れそうなんだけど、我慢。
北陸新幹線で山並みを眺めていたら、あっという間に飯山に着いた。改札を出たところで知人と合流したら、そのまま木材屋さんの事務所へ連れて行かれる。入るとそこには素敵な82歳のお母さん。昼食を用意してくれていた。
ゴーヤやきゅうりの佃煮に、庭で採れた甘いトマト、メインは丸茄子とシソとボタン胡椒のお焼き。
ん?ボタン胡椒ってなんだ?と聞いたら、フレッシュなものを持ってきてくれた。胡椒という名がついているけれど見た目はピーマン。辛さは唐辛子。野菜ってこんなに可愛くて愛おしかったっけ、と眺めながら思った。ほんのり赤く染まっているのなんか本当に見惚れてしまう。
自己紹介がてら、普段は着物で過ごしていると伝えると、着物のお仕事をしている方をご紹介いただけることに。お母さんがその場でお電話してくださり、気がつけばアトリエへ。(展開が早い。)
とにかくパワフルで、素敵な有松絞りや小千谷縮を見せていただいた。いいなぁ。と思っていたら、その裏庭でさっきのお母さんが追加でトマトを収穫。パクパク食べる手が止まらなくなる。
なんてみんな人懐っこくて気さくで優しい人ばかりなんだろう。と思っていたら、次は養蜂家さんのお宅へ案内していただけることに。(また展開が早いよ。)ノープランだったはずなのに盛りだくさんにも程がある。つまり、すっごく楽しくてアドレナリンが出まくってる。
はちみつの味わい方を教わっていたけれど、かたくて甘い桃もぜひ食べて欲しいということでぱくり。まるまる一つかぶりつくように言われて食べ終えたら、今度は違う種類のカットされた桃もいただいた。桃でお腹いっぱいになるのは初めてかもしれない。
果物やはちみつを作っていると、熊との知恵比べになるんだとか。「〜〜だきり(〜〜だけど)」という方言を初めて聞いて、可愛いと思った。このあたりは「〜〜だっちゃ」という語尾もよく聞くのだとか。頭の中にはアラレちゃんが浮かんだ。
さらに移動して、今度は野沢温泉に。共同浴場が13個もあるそうで、そのうちひとつに入ってみた。熱い。熱いけど気持ち良い、疲れがスッとお湯���溶け出していくようだ。料金が決まっていないので、料金箱じゃなくて「賽銭」っていうのがまたグッとくる。
夕飯を食べて、クラフトビールを飲み比べしたりして、ドライブに連れ出してもらう。そういえばいつのまにか車には4人。少しずつ人数が増えて、気づけば完璧なガイドをしてもらっている。
飯山に通い始めて7年目というガイド役に従っていたら「最後はナイトクルーズです」とのこと。なんのことだろう?と思って後部座席から車窓を眺めていると、斑尾高原にずんずん入っていく。霧がどんどん深くなって、ちょっと怖さを感じるくらい。
ところが、さらに山道を進むと突然霧が晴れた。「運がいいですよ!」と言われ、導かれた先を見下ろすと、夜の雲海が待ち構えていた。
さらに暗闇に目が慣れてくると、文字通り数え切れないほど満天の星。天の川まで見える!ときゃっきゃしていたら、流れ星まで流れた。
宿に泊まるのかと思いきや(それすら決めずに来てしまっていた)知人の空き家にみんなで泊めていただけるらしい。なんだか合宿みたいでわくわくする。
いわゆる観光というより、飯山の暮らしの中にどんどん入り込んでいくような旅。訪問先がほとんど全部個人宅だったから詳細は書かなかった。だけど、パワフルで、自分のペースで人生の楽しさを堪能している人たちに会うだけで、体の芯から元気がわいてくる。なんだか温泉みたい。
みんながずっとおいしい果物や野菜をくれるので常にお腹いっぱいで(あれ?カロリー制限ってなんだっけ?)、明らかにまだまだ飯山の魅力を食べきれていない。よく考えたら「飯山」って地名もおいしそうに見えてきた。季節を変えてまた何度も通いたい。きっと今日の旅は、記念すべきマイファースト飯山ということで記憶に残るんだろう。
狙い通り、いや、想像していた以上に、パワーアップ休みを実現できた気がする。
-プロフィール-
山本梨央
35歳
東京
編集者・Podcastのディレクター・発酵デパートメントのディレクター
https://instagram.com/dejane_rio
https://note.com/dejane
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08/10/2019 - #2
日暮れまでに次の目的地に行かなければ。Grand Teton国立公演まで、US-191をひたすら南下する。長くはあるものの爽やかな山と草原、湖畔のドライブ。テキサスの西側なんかとはだいぶ趣が異なる。
ここでは小さなコテージに一泊して、余裕があれば付近を見て回るぐらいの計画。
キャンプサイトでチェックインしたあとに、レストランエリアでピザを調達して夕食とすることにした。同じくキャンプに来ている数組が並んでいる。夏休みの学生たちがバイトに入っていると思われるが、ちょっと暇そうに客対応したり、本格的な店ふうにピザ生地をほうり投げて円状にひろげたりしている。
さっそく持ち帰って食べながら子供を寝せる作業。こんなアメリカの山奥のログハウスで寝かせられる4ヶ月児。大冒険だ。
ピザが意外にも非常においしい。生地はアメリカっぽい厚めでチーズが淡白な感じで…いままで食べたピザのなかでもかなり上位に来る。
翌朝暗いうちに車で外を回ってみる。パーク情報によるとムースや鹿などの野生動物が出るところがあるって話で。真っ暗な中を進む。川沿いに何頭も鹿がいたのを見れただけにとどまる。
陽も登ってからパーク駐車場でレンジャーが催事の用意をしていたので話す。鳥が逃げずに付近におり、頭にとまってきた!
食料やキャンプ道具が売っている売店で記念にグッズ購入。レジのアジア人女子2名が日本語を話していた。これも大学生が夏休みにバイトで入ってるんだろうなと想像する。
そこから爽やかな草原って感じの道をひたすら南下していく。ローカルの人が建てた教会に立ち寄る。素朴なログハウスに丸いステンドグラス。
夏なのに雪を被った山が正面に見える連続カーブのを走り続ける。サイクリングの男性を追い越す。ツールドフランスの山岳ステージかのような壮大な風景。 絶景ポイントで家族写真。
グランドティートン国立公園公園エリアの南端にあるChapel of Transfigurationという教会を訪ねる。1925年にこの辺りで暮らしていた人たちが建てた教会だ。中に入ると正面に小さめの窓が空いていて、十字架の後ろに壮大な山が借景みたいになるよう作られている。
質素なログハウスと十字架そして窓から見える山がすごく研ぎ澄まされた神聖な雰囲気を出している。
説明を読むに、要するに山を御神体的に考える思想が当時この地域にあったことがうかがえる。キリスト教的には異端でしか無い。しかしその気持ちは十分に分かる気がした。
灼熱のなかをLava Hotspringsラヴァホットスプリングスという街まで南下してきた。ソルトレイクシティまでもう少し。今日はこの街のモーテルで一泊する。
名前のとおり温泉がある街で、その昔からネイティブアメリカン、初期の移民により活用されていたらしい。
渓流やちょっとした滝を浮き輪に乗せてくだらせてくれるウォータースライダー屋や、プールみたいに水着を着て入る屋外温泉施設が街の売りだが、それ以外は何にもないと言っていいド田舎のさびれた街だ。
モーテルに入るまえに、街で唯一のアジア料理屋 Riverwalk Thai Foodでパッタイなどをオーダーしておく。確か肉とミントの辛いサラダ(Nam Tok)も頼んだけどあんまり美味しくなかったような。しかしこんなアイダホ州のド田舎の白人しかいない地域でいったんアジア料理食べれるだけでありがたい。タイ人の人頑張ってるなあ。
街のメイン通りをほっつき歩く。さびれた街の商店街って感じですぐ終わってしまう距離感が日本の田舎に近い。何かむかし夏に行った群馬県の伊香保を思い出す。
もう乳児を寝せる時間となる。あたりが暗くなった後にもう一回外に出てみる。通りにあるバーがドアを開けっぱなしにしていて、旅行客なのかおばさんグループが楽しく飲んでいる姿が目に入る。通りに誰もいない。でも1人で歩いていて全然大丈夫な雰囲気。グロッサリーストアまで行きビールを買って、モーテルの外のベンチで飲みながら陽が落ちるのを見た。
翌朝はモーテルの横にある温泉に行ってみた。要するに温泉プールだ。数組が先に入っているお客さんがいた。こんな異国の地で温泉気分。
出発の準備のためほどほどにして戻る。モーテルの駐車場に、昨日の夜となりの部屋にチェックインしていた家族連れのダディがずぶ濡れの海パン姿で立っていた。見ると体じゅうをひどく擦りむいてかなり血も出ている。
どうやら渓流ウォータースライダーで盛り上がりすぎて落車、岩でガリガリに削られたようだ。ダディやっちまったな。
自分がいるこのアイダホ州は、飛行機に乗った時たまに見えるセンターピボット灌漑施設が大量にある地域ということを思い出してGoogleマップを開く。こんなとんでもない地の果てまで来てしまった。アメリカを旅してるといつもそんな感覚になる。
この街を出てソルトレイクシティまでの間にあるSpiral Jettyスパイラルジェッティに行く。Robert Smithonロバートスミッソンという人が作ったランドアートだ。I-15や下道の38号線をひたすら南下。
Golden Spike National Historical Parkという何にもない荒野に入っていく。この先にあるSpiral Jetty Roadと名付けられた荒れた道をさらに突き当たりまで進んでいくと、作品が見わたせて実際に塩湖におりて鑑賞できる場所に辿り着く。
ゴールデンスパイク国立史跡には蒸気機関車がポツンと置いてあるだけで、時間もないので横目に見るだけだが自分にとってはかなり興味をそそられるものだ。
というのも、ゴールドラッシュの夢が去った西部アメリカと東部アメリカを鉄道で連結してもう一度盛り上げるという次の夢のプロジェクトの完成地がこのユタ州なのだ。
大陸間横断鉄道が完成したのは1869年。南北戦争が1861, 奴隷制の完全廃止が1865。戦争中で人材確保できないので、大量の中国人移民が投入された。カリフォルニア州とネバダ州をまたがるシエラネバダ山脈を貫くトンネルの切削というとんでもないプロジェクトもやり切る。
1869といえば、日本はサムライが明治維新やっている頃。だからと言ってどうって話でもないけど、そういう歴史があったんだと思い巡らせるのは楽しい。
その後1900ぐ年ぐらいにかけて日本からの初期の移民もこの国にやってくる。
西のセントラルパシフィック社、東のユニオンパシフィック社の名を拝したディーゼル機関車は今でも各所で見かける。セントラルパシフィック社の創業者はスタンフォードという人で、後にCA州オークランドにあのスタンフォード大学を設立する。
スパイラルジェッティに着く。遮るものが何もなくて眩しい。炎天下だけど乾燥してるので大丈夫。植生が高地であることを示す。
塩湖が乾いていて作品がしっかり見える。水没してる時もあるらしい。子どもは外に出しておけない感じなので、記念写真をとる以外は車内で待機。妻と交代で下におりて作品の石にそってグルグルと歩いてみる。
ひと通り見たらもう帰らないと行けない。
市内へと車を走らせる。空港に行く前にPublik Coffee Roastersというコーヒー屋に寄る。ラスベガスもそうだったが毎回旅先で良いコーヒー屋を見つける能力が妻にあるようだ。アメリカの他の良いコーヒー屋と同じくダウンタウンからちょっと外れた、昔は倉庫街だったような場所にあった。広い空間で効きまくった空調がとても良い。厚切りトーストにピーナッツバター、その上に輪切りのバナナが乗りまくったものを注文した。
車を返す前にガソリンスタンドに寄る。モルモン教会の本拠地の教会Salt Lake Templeの近くだったが時間もないので訪問せず。
空港に着いて車をかえして、飛行機に乗り込む。夜にかけての便だったが子どもがけっこう泣いた。まあ、しょうがない。近くにいたアフリカ系のおじさんが耳に空気を吹き入れると落ち着くとか、後ろにいたアジア系のおばさんが子ども何歳なの、飛行機乗ってすごいわ的な事を言ってくれた。ヒューストンにつき なんとか旅を終えれた
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番外編〜金沢旅行〜2日目
9/15/2022(木)
金沢旅行記録2日目編
個人的な話ですが、私は旅行の初日がインターンシップの日程と被っていたため、2日目からの参加でした。
インターンで疲れた状態でそのまま夜行バスに飛び乗るのはキツい。
ということで優雅に新幹線を利用しました。(始発だったので4:30起き)
始発に乗ったので、9時前には金沢駅に到着!都内からのアクセスを非常に便利だなと身をもって感じました。
<金沢旅行2日目>
私はアナログ班、かつ1人チームでした。(前回記事参照) 着いてからしばらくメンバーに会えなかったのは、少し寂しかったですが、遅れて来た分楽しみながら有益な情報を得ることができたら良いな、と思いながら出発!
#1 兼六園〜朝食なのか昼食なのか、、、
駅に到着後、荷物を預けてから早速バスに乗車。アナログということで完全ノープランで行動してみることにしました。最初は無難に1番有名な兼六園を目指すことに、
最寄りのバス停で降車すると、(バスの路線図で簡単に降りる場所がわかる)果たしてどこに向かえば良いのか状態でしたが、ここで発見。
街のあらゆるポイントに地図が!
携帯のマップなどを使わなくても迷うことなく現地に到着。
見渡す限り広がる緑に満ちた光景で自然と心はリラックス不可避。迷路級に広くてたくさんの通路があるのですが、探検気分で楽しむこともできますし、その先の光景一つ一つに感銘を受けました。また、海外の観光客や結婚式の前撮りなど訪問の目的も様々なようで。気づけば1時間以上夢中で散策していました。
時間は、10時半を回る頃。ここで日本男児。
「お腹がすいた、、、」
そう。朝四時半起きからの約4時間に及ぶ電車移動。そして到着後即散策。のストップで移動を重ねていたため、昼を待たずして、空腹が襲って来ました。人間の三大欲求の一つである食欲に逆らうことはできず、次の目的地へ。
そしてバス乗り込みたどり着いたのは、
「近江町市場」a.k.a金沢の台所
平日のまだ朝だというのに市場内は大勢の観光客で大賑わい。様々な海の幸が並ぶお店が混在しているので、非常にお店のチョイスに困ってしまう、、、
しかし、私には訪問前からずっと目をつけていたお店が。
https://youtu.be/pP_v88RH7Qc
こちらの動画の後半出てくる「もりもり寿し」に2年近くずっと行きたいと思っていました!!念願、
値段は少し弾んだものの、人生で1番と言っても過言ではない美味しさに感動、
果たしてこれ以外を寿司と呼んで良いのか、、、、
#2 厨二病大歓喜の忍者寺〜金沢建築館
※写真撮れなかったです
こちらも前から行ってみたいなと思っていた忍者寺。
正式名称は「妙立寺」ですが、まるで忍者が住んでいるのではないかと思わせるような様々な仕掛けがあることからこのような異名がついたのだとか。
予約なしで見学ツアーに参加することは難しいらしいのですが、私は幸運にも少しの待ちで参加できることに。
寺内に仕掛けられたあらゆるトラップや隠れ場所などに心の底から感動しました。これを見て興奮しない男がいるのだろうか、、、、、
次に訪れたのは、忍者寺の近くで発見した金沢建築館に行ってみることに。
当日は、木造建築に関する展示が開催されており、細かい設計が施された木造建築の模型に感銘を受けました。(先ほどの忍者寺といい、童心を非常に揺さぶられている)
#3 鈴木大拙館〜石川県立美術館
次に向かったのは、金沢出身の仏教哲学者である鈴木大拙氏の功績についての展示がされている鈴木大拙館へ。
一見哲学という言葉のような固い施設なのかと考えていたが、石垣や水景などの美しい景色も堪能することができました。無駄のない自然の殺風景を一望して、「これが哲学か、」となりました。(たぶん違う)
館内を出て経路を進んでみるとその先に庭園のようなものを発見。誰もいなかった上に、陽の光もあまり当たらないことから少し不気味なようにも感じられましたが、それも見どころの一部かもしれません。また、すぐ横がラジオ局であることから、現代と昔のアシンメトリーのような光景も楽しむことができます。
さらに奥へと進んでみると、滝を発見。この滝の水は、辰巳用水と呼ばれ、防火のために犀川の水を引いて造られ、当時、徳川幕府との関係が険悪だったため、戦時の飲料水確保の意図もあったともいわれているようです。(金沢旅物語より)
https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10175.html
滝を上から撮るというなかなかない画角。
#4 2日目の終わり〜石川県立美術館〜夕飯
滝と並行した階段を登って先に進むと、美術館を発見。この美術館は、国宝《色絵雉香炉》や古九谷の名品など加賀藩ゆかりの古美術と、石川の作家を中心とする近現代の油彩画・日本画・彫刻・工芸品を常設展示する地方色豊かな美術館です。(石川県立美術館より)
https://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/
ただの美術館ではなく、金沢や石川県の特徴の美術文化を存分に楽しむことができることから、美術にあまり関心がない私もついつい見入ってしまいました。
時刻は、もう夕方。早朝からノンストップで移動を続けていた体がそろそろ悲鳴を上げたのでホテルに向かうことに。
そして肝心の夕飯なのですが、金沢で有名な味噌ラーメンのお店が宿泊先のすぐ近くにあるということでラーメンマニアの私(初出し情報)は、行かざるを得ませんでした。
麺屋「大河」さん
味噌ラーメンが看板メニューだというのに、まぜそばの誘惑に負けて後者をチョイス。あまりの美味しさに椅子から崩れ落ちるところでした。あまりに美味しかったので、お土産用のラーメンを帰りに購入して自宅で食べたのですが、そちらも非常に美味で、2玉すぐに完食してしまいました。
私の金沢旅行2日目は、こんな感じでした。デジタルデバイスに頼らず、弾丸で様々な場所を巡ってみるのも新たな出会いの宝庫だな、と身をもって感じた1日でした。
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Ine, Kyoto, Giappone Si chiama 'Venezia' in Giappone #伊根町 #inecafe #京都 #kyoto #kyototrip #kyotojapan #mare #mer #舟屋 2022夏休み その2 諸事情により重い荷物が持てないのと家をあまり空けられないので日帰り弾丸で夏らしい所に行けないかと考え、、、 最近、牛肉ばかり食べていたのでなんか海鮮🐠が食べたい、青い海🌊と白い砂浜🏖で関東からの便数が多くて陸上移動できる所であまり人がいない所はないかとGoogleマップを見ながら考えて🤔 よし、京都辺りで海側に行ってみよう!と思い立って京都の伊根町にしました 職場の京都出身の後輩に夏休みどうされるんですか?と聞かれたので、前もって日帰りで丹後に行って海を見て来ようと思うんだけどどう思う?って聞いたら、 ええええっ😳、混んでないし良い所だと思いますがマニアックすぎです、天橋立ならともかくその先は交通の便が悪く日帰り弾丸は過酷過ぎますよ😨、、、と凄く心配されたんですが、 確かに日帰りバスツアーみたいなのも全く無い… まあ本州だし京都なら近いし何とかなるかなと根拠無い自信でいざ とりま京都駅で天橋立伊根ライナーという高速バスを予約しようとしたら伊根行きはもう運行してないんですと言われ、天橋立まで行って自力で路線バスが良いですと言われたのでじゃあそれでお願いしますと言ったらあっ満席でダメですね、と、、、いやいや先に言ってよ(笑) 仕方がないのでもう少し自分で調べたら大阪から天橋立行きが出てたので、何故かわざわざ京都からまた新大阪まで出て京都側に戻る形で高速バスに無事乗車 天橋立で乗り換えて無事到着 ただ、伊根の遊覧船は欠航してるとのことなので 帰りのバスも観光案内所でかなりの弾丸にビックリ💦されながら色々丁寧に説明してもらって時刻表を貰って舟屋までをブラブラしてIneCafeという舟屋を改築したカフェへ ランチの海鮮丼🍚を頂いてお茶☕️して満喫して来ました🥰 ここ、日本のヴェネチアって言われてるらしいんです😅 舟屋の構造は確かに似た感じはするかも あと、船タクシーはあったけど、だったらもっと沿岸を横断するヴァポレットとか運用してくれないかなあ そうしたらこんなに海岸沿いの一本道を延々とバスで移動しないでショートカット出来るのになぁと思ったり でも海と砂浜は本当に綺麗で大満足 カフェもたくさんあるし、海鮮も美味しかったのでちょっとリピートしたいです😊 次はゆっくり泊まって釣り🎣もしたいし船🛳で伊根湾を遊覧しに来たいな❣️ 帰りは一応天橋立を数分見物 やたらと中国語が飛び交っていてまた中国人が来始めてるのかな? (Ine) https://www.instagram.com/p/CiIUx10rT-K/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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絶景の旅Blogを開設
絶景の旅Blogを開設しました。
当サイトでは、車で全国を旅して感動した絶景スポットを紹介していきます。
撮影地は全て実際に撮影した写真で解説。
お出かけの際に立ち寄りたい日帰り温泉や車中泊スポットもあわせて提案します。
目的地までのアクセスはオリジナルGoogleマップを用意し、迷わず簡単にナビゲーションします。
また撮影スポットだけでなく、20年間風景写真を撮ってきた経験をもとに、良い写真を撮るための準備や、本当に必要なカメラ機材や撮影方法に関する情報、快適な車旅のノウハウを紹介します。
これからも日本全国の絶景や文化遺産をお届けできるように、愛車のキャンピングカーで全国行脚を続けていきます。
撮影以外にも、暮らしの中で実際に試して上手くいったアイデアなど、より良いライフスタイルの提案もしていきますので、あわせてよろしくお願いします。
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organik festival 2019に行ってきた
organik festival 2019に行ってきた。
2〜3年前からorganikに行ってみたいなーと思っていたが毎年GW近くで連休+GWなんて社畜の自分にとっては現実的では無く不可能に近かった。しかし今年13年勤めてきた会社を辞める事にしたので後の事など知ったこっちゃ無いと飛ぶ鳥跡を濁しまくりの勢いで参加を決めた。
参加にあたり現地での情報をwebやSNSで探したがほとんどヒットせず下準備が完全に出来なかったため苦労した。自分の様に細かく調べて万全の状態で参加をしたい人の為にここに記録を残す。情報がない中で行くのが楽しみな方は見ないで下さい。
1.チケットの購入
1-1 航空券&レンタカー
スカイスキャナーで購入。GW近くということで価格は高騰し5万くらいした。レンタカーは30000円くらい。電車の選択肢もあったが移動の自由度が低いため却下。https://www.skyscanner.jp
格安航空券の比較 スカイスキャナー | 国内・海外・LCC飛行機チケットの最安値検索世界のレンタカーやホテルだけでなく、多数の格安航空券を無料で比較できます。スカイスキャナーは SKYSCANNER.JP
1-2 organikのチケット
RAで事前購入。16000円くらい。
https://jp.residentadvisor.net
2.持ち物
今回、開催中はテント泊を選択した為に必然と荷物が多くなった。現地で話した日本人は宿泊が多かった気がする。聞いた話ではタクシーで20~30分ぐらいの距離に宿が数件あるみたい。宿泊は快適性が上がるがフロアの盛り上がり具合が全くわからないのとみんなで行動を合わせなくてはいけないのが面倒なので却下。最小限の荷物で行きたい人はいいかもしれない。
パスポート
日本の免許証
レンタカーの事前予約した書類
航空券の書類
会場チケット
クレカ×2枚
衣服×5日分
帽子(晴れた時の日差しはかなり強い)
サングラス
防寒着(自分はソフトシェルを持って行ったが飛行機でしか着なかった)
カッパ
テント
Y字ペグ(テントを張る場所が砂浜のため)
ランタン
インフレートマット
寝袋(友人O氏はいらなかったと行っていたが朝方寒い時があったのであるとベスト)
お風呂セット
温泉タオル×3枚
日焼け止め(必須。台湾の日差しかなり強い)
汗拭きシート
モバイルバッテリー(持っていくのに上限があるので注意)
充電コード
ナルゲンボトル(ボトルを持参していきバーカンで作ってもらうとバーテンが適量がわからなくなり大盛りにしてくれて少し得した気分になるのでオススメ)
ライト
ゴミ袋
現地用SIMカード(必須。ナビにも使うし英語が堪能でない自分はGoogleにお世話になりっぱなし)
免許証の中国語の翻訳文(なぜかJAFのみで対応していて利権的な何かを感じる)
http://www.jaf.or.jp/inter/taiwan/
自分が忘れて後悔したもの
中型のバック(会場で車を止めてから2kmくらい移動するのでハードケースのみはキツかった)
tシャツ(多めに持って行ったが晴れれば暑くて雨が降れば濡れるしもっと持って行けばよかった)
3.台湾での移動手段
web上でヒットする過去の参加者たちは電車&タクシー、高速バス&タクシーなどが多かったが今回はレンタカーを選んだ(1−1参照)。レンタカーだと自分のペースで進めるのが最大の利点。高速道路はレンタカー返却時の後精算で桃園空港から牛山呼庭までで往復215台湾ドル(日本円で776円)日本の高速道路料金の高さを考えさせられた。ナビはsimフリー携帯に通信無制限のカードを挿してGoogleマップを使った。Google先生は偉大なり。
4.現地での気候
今の時代調べる気になれば朝のクソ忙しい時間でも1分あれば世界各国の天気を調べられる。開催地でもある台湾の花蓮も同じだが今回は落とし穴があった。国内にいる時に調べた天気予報では開催中の4/26~28は全て100%雨予報(しかも雷雨)。しかし行ってみると三日間ほぼ同じ気候で朝〜夕方まではほぼ晴れ、18〜19時くらいから雨が降り3~5時くらいまで続き朝方止む。ほぼこれの繰り返しだった。嬉しい誤算。
5.会場情報
ここの情報が一番欲しい情報だったが前でも述べた通りweb上ではほぼ見当たらなかった。
5−1 会場での駐車場
入り口付近の道に縦列で駐車した。道幅も路肩もとても広く全く問題なかったが3日間置きっ放しになるので心配な人はレンタカーでの会場入りはやめた方が良いかも。自分的には2016年ハーベスタ会場の三河高原キャンプ場の縦列駐車や2018年のParamount会場の銀河の縦列の方が遥かにトラブルの危険性を感じた。
5−2 駐車した場所から会場まで
organikの会場はビーチに面しているので道路からビーチまで降らなければならない。距離は約2kmぐらい。急なつづら折りの坂道だった。行きは入り口付近でタクシーが待機していたので利用した(200台湾ドルで街中では考えられない高金額だったがこんな暗い山道を重い荷物で歩くぐらいなら全然安いと感じた)帰りはシャトルバスを待ったが一向に来なくてスタッフに聞いたら「来ないよ」と言われた。officialに書いてあったシャトルの文字は何だったのか。中型のバックパックを忘れた自分はハードケースで山道を登った。途中で休憩していたら現地の台湾人と思われる若者がUターンして乗せてくれた。超多謝!今回のレイヴで一番他人に感謝した出来事であった。
5−3 現地での使用通貨
現地会場では台湾ドルの使用は出来なかった。officialカウンターで台湾ドルをトークンに両替する必要がある(入り口の所とサブの横にあった)。ちなみに両替は500台湾ドルからで500台湾ドル=16トークン。500台湾ドルが約1800円なので1トークンは112円。日本円から台湾ドルに脳内変換するだけでもややこしいのに更にトークン変換するのでパニックになり適当になっていた。ちゃんと計算したのも帰りの空港だった笑
5−4 会場での飯や水の確保について
会場では日本のレイヴと同様に屋台が並んでいた。ハンバーガー、台湾料理、パエリア、フレッシュジュース等。メインとサブにもofficialのバーカンもあった。しかし朝方から昼前まではofficialのバーカン以外はほぼ閉まり朝食難民になるので注意が必要。夜寝る前に嫌でも飯を食べておかないと空腹の中で翌日昼まで過ごすことになる。店に人がいるので「何でもいいから作ってくれ」と言っても「午後にならないと無理」と言われる。料金は酒が5〜7トークン。なぜかエビアンが7トークンもしていた。無料の飲料水はサブ横のofficialカウンター付近にあったが湧き水なのか雨の後は軽く濁っていた。エビアン500mlに784円も出せないので濁った水を3日間飲んでいたが問題はなかった(あくまでも自己責任で)。飯は4~10トークンくらいで味はまあまあ。価格は日本のレイヴとさほど変わらない印象だった。
5−5 お風呂
フロアマップ(この事前に出されるフロアマップが超絶見にくい)にシャワーがあることが書いてあったので安心はしていたがいくらなのか紙幣は使えるのか硬貨なのか何台設置なのか全然解らなかった。結論から言うと温水シャワーが2箇所にありメイン横に3つとサブ裏に2つ。メイン横はシャワータイプ(ヘッドが壊れていて横から激しく漏れていた)サブ裏はアジア圏によくある洗面台の様な所に水とお湯を溜めてケロリンでかぶるタイプ。気になる料金だがなんと無料だった。朝イチのシャワールームは長蛇の列になるので空いてる時間を狙って行った方が良い。ちなみに自分はピーク前かピーク後の誰しもがゆっくり喋りたい時間にあえて行っていた為、1度も並ばずに入れていた。最終日の夜中3時くらいに入った時はなぜかお湯が出ず悲壮感全開で水のみでシャワーを浴びた。
5−6 電波状況
自分は出国前に遠傳通信(現地キャリア)のsimをアマゾンにて購入した。5日間パケット無制限で1000円しないくらい。英語も堪能では無いので必須だった。会場では常に4Gが入っていて快適だった。
5−7 飲食物の持ち込みについて
official的にはNGと言っていた気がする。友人のO氏の話では「酒類の持ち込みが厳しい様だ」と情報があったがセキュリティチェックではほぼ見ていなかった。ただチェックする人は時間で交代するだろうし現地にお金を落とす意味でも持ち込まない方が良いかと思われる。友好国の台湾人に日本人はルールを守らないと思われても嫌だしね。飯の持ち込みは他のテントで焼肉等をしている人も見かけたので不問かと思われる(あくまでも自己責任で)
6. 終わりに
恐らくここまで書いたことで自分が渡航前に心配だったことは全て潰せたと思う。アーティストの感想なら他のSNSで色んな人が書いているのであえて自分が書く必要はないと判断した。日本国内のレイヴにマンネリを感じていてorganikに魅力を感じているが未知数すぎて重い腰が上がらない人へ届いて来年か再来年の渡航の手助けになったら本望だ。自分は来年も参加する予定。
谢谢你的美好时光
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熊本のゲストハウスで見つけた小さな笑顔の話。
ゲストハウスランキング
オランダの印象は自転車たくさんある。
どうも、ぎんちゃんです。
先日、オランダから愉快な二人組が泊まりに来てくれました!
昼間っから乾杯。笑
で、
彼らに道を聞かれたのでGoogleマップを見ながら
一緒にルートを考えていたんです。
すると、突然「face!face!!!」って爆笑しだす彼ら。
『なになに!?何で笑ってんの!?僕の顔がおもしろいの!?え!?!?』
って状況になったんだけど、話を聞くと
マップの『ッ』が顔に見える!って」ことらしいんです!
マジか。
25年間生きてきた中で、その発想は無かった僕の驚きといったらもう…。
僕らは文字を文字として認識していますが(当たり前だけど)
文化の全く違う国の人が見たら、それすらアートに見えるんだなぁと
なんだか愉快な気持ちになりました!
小さなことですが、
こういった発見を大事にしたいな~と感じた
そんな春の出来事でした!
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
阿蘇び心、新たな仲間を募集します!
将来ゲストハウスを開業したい
ゲストハウスで働きたい
阿蘇び心で働きたい
気になる方はご連絡下さい!
《連絡先》
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※各店4月より休館日設定させて頂きます
〇阿蘇店毎週火・水曜日/熊本店・大宰府店・B&C Gakubuchi毎週月曜日
(祝前日・GW4月29日(月)営業、5月6日(月)休館・お盆8月12日(月)営業
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RDR2:19:西部生活
あれこれやってきたおかげで、やっとこさ、ジョンからのミッションが発生しました! これが出れば釣りミッションまではあと少し!!(←そこかよ
この話してるときのアーサー、相変わらずジョンに「狼に脳みそ半分かじられたおかげで少しは賢くなったんじゃないか」とか言ってますけど、ジョンが提案した方法聞いたときに「おっ」と素直に驚いて嬉しそうな顔してるんですよねぇ。
なんのかんの言ってもアーサーは弟分で、成長が嬉しいんだろうなぁ(´ω`*)
チャールズと狩りに行くイベントがある!!Σ( ゚д゚ )
これって彼がキャンプにいる間だったら定期的に出るのかなぁ。とりあえず今日は、やろうと決めてることがあるから、また今度な、チャールズ。
って、戻ってきたら消えてたらどうしよう:( •ᾥ•):
出かける前になんとなく見かけた光景。ホゼアおじいちゃん(´ω`*)
けっこう小綺麗な身なりさせられてますが、勉強なんか嫌いなジャック。できないよ、と言うのに、できるのにやらないだけでしょ、と教育ママなアビゲイル。読み書きくらいできないとギャングにしかなれないし、こんな環境だからこそ必死なのは分かるけど、なんかアビゲイルの嫌なところばかり強調されるシーンが多いなぁ( ತಎತ)フウフゲンカ トカサ
「僕はギャングになるんだもん」みたいなジャックに、「あなたは弁護士になるのよ! 吊るされる側じゃなく吊るす側!!」て、ホントそこにいる人の気持ち考えない女( ・ὢ・ ) RDR2でどの女が一番嫌か、みたいな話題になってるスレ見たことありますが、スーザン、アビゲイルが2強のような。
ホゼアは根気よく付き合い、褒めてやり……あんたなんでギャングやってんだホント……。
さて出かけるか……って、虹だ! しかもかなり近い!! 見ろケンタ、虹だぞ(´ω`*)キレイダナァ
てくてく行くと、空気もなんだか雨上がりっぽくてすごかったです。スクショでは伝わらない気もするけれど、こういう自然環境の中での雨上がり独特の湿度、光の加減、すげーそれが出てる気がしました。
ちなみに目的その1。ダブルアクションリボルバー。(↑入手後、拭いた後のスクショ)
GTA5でのチャレンジをこなしておくと、金の同銃が手に入るそうですね。それやってないorGTA5自体をやってなくても、ここで普通のが拾えるぞと聞いてやってきました。
ちなみに中には無法者がたむろしてるので、押し入ってみなころころするか、しばらく様子を見るかです。
無法者ころころするだけなら、人に見られないかぎり通報はされないし、名誉レベルも下がらないみたいですが(「見知らぬ人」はそいつが悪党っぽいことしててもダメ。ころころしたりすれば名誉レベルダウン)、何人いるかはっきりしないし、それで狭い小屋の中で戦闘になったら勝てる気がしなかったので、近くでキャンプしてちょっと時間を送ってみました。
到着したばかりの一度目、飲んで騒いでる → 少し時間経過させて行く → 酔いつぶれてみんな寝てる。家探しチャンス!? こそこそ……もそもそ……やべっ見つかった!! からの、0(:3 )~ =͟͟͞͞(’、3)_ヽ)_……。
まあいい、150$ほどなくしてすぐ近くからスタートだ。
どうしようかなぁと思いつつ小屋に近づいてみると……あれ? 今度はもう誰もいない……ラッキー٩(ˊᗜˋ*)و
というわけで、ベッドの下の箱から無事にゲットです。150$で買ったような有り様ですが気にしません。そもそも大金持ってるからそれだけ落とすだけだしな。
せっかくだから強化もしたいんだけど、銃砲店っていうと、このへんはローズかサンドニ? でもどうせなら……
ヴァンホーンとアンスバーグに行ってみることにしました。
レーダーマップ出てるし、マップも見られるし、なにより案内板の数が少なくて頼りないので、案内板を頼りに旅するってのは難しいのが残念。かといってスカイリムのmodみたいに、数増やして便利にすればいいかって言えば、それはそれで「リアルな世界観」が台無しになるしな。
やってきたヴァンホーンの町。なんか小さくて汚いところだな……。
酒場っぽいとこに「?」があったので入ってみると、なんかちょっとフリークスっぽい大男を、おば……おねーちゃんがあれこれ叱りつけてる場面に出くわしました。
なんとかっていう誰かが逃げ出したらしく、その居場所を教えなさい、と叱っている模様。
話しかけてみると、彼等はサーカスとか芸人の一座で、その中の手品師が逃げ出してしまい、その行き先をこの大男は知っているみたい。
ところであんた、おい、ちょっと待った、あの男が、おい、まずくないか、なああんた、ちょっと……あっ。
みたいなアーサーがめっちゃ面白いイベントでした(´ω`*)
これ以上は酒を出せないぞ、ぽい店主に掴みかかった男を止めて殴り合いに。
ダウンさせておとなしくさせると、話が進みます。なだめすかして逃亡者の行き先を聞き出したマージョリー女史。店主とアーサーが、やれやれもう……みたいな感じで、後片付けしたり様子見てるしw
あんた、酒を出す相手は選べよな、みたいなこと言うアーサー。ちなみに自分が一本飲んでるお金はちゃんと払うシーンがあったりしますが、所持金は減ってないみたい。イベントだからかな。
なんだろう……妙にくすくすできる面白いイベントでした。マグニフィコ? だっけ。奇術師の居場所見つけたら騒ぎを起こせばいい、みたいな話です。続きも面白そうなので、近いうちにやりたいな(´ω`*)
アンスバーグに向かう途中に、助けてくれという悲鳴が。駆けつけてみると、狩猟用の罠に足を挟まれた人がいました。って、すげぇ血出てるぞ……あんた大丈夫かこれ:( •ᾥ•): 待ってろ、今はずしてやる!
くらいでスムーズに人助け。「命の恩人だ。バッグの中にあるものは好きに持っていってくれ」という流れになりましたが、あるのは拳銃の弾くらいかな。別にそんなものもらわないといけないほど金に困ってないし、ていうかあんた、ウィスキーやるから飲め、と更に気を遣ってあげるアーサーになっときます。
近くに馬がいるからそれで帰れるようだけど、なんだったら乗せて帰ってやっても……と思ったのですが、それは発生しなかったので、彼が無事に町(ヴァンホーンかアンスバーグかな)に戻れるように祈っておきましょう。
もしかすると後日また、「あんたあのときの」でなにかあるのかもしれないし、なにもないのかもしれませんな。
アンスバーグ到着~。工場みたいなのが近くにあるけど、町としては小規模。ここに銃砲店がありました。
科学者が演説しとる……。誰も相手にしてないけど、後の20世紀、21世紀を知ってるプレイヤーとしては、この科学者の言ってることは間違ってないと分かります。
話しかけたら本をもらうことができました。
キャンプでは、ホゼアが好きそうな小説探してこい、みたいなのもあったし、誰かにあげることができるようになるのかも。暇なときに自分も読んでみたいけど、きっちり時間が経過するからなぁ。
スマホのアプリのほうで日記が読めるように、こういう読み物系も読めたらいいのに。
Wアクションリボルバーは全体的に銀色にし、彫刻も施し、ちょっとオサレにしてみました。
アンスバーグにホテルはなかったので、ヴァンホーンに戻るか、まだ回ってないところを回ってキャンプするかで、後者を選択。のんびりとマップを埋めつついい時間になるのを待ちます。
そしてキャンプしてたら、なんか来た!! 地元のギャンググループですね。襲われるのかなと思ったら、警告だけでした。淡々と「ここは自由の国だろ(だから俺がどこでキャンプしてても関係ないだろ)」と対応するアーサーかっこいいな(´ω`*)
翌朝、てくてくとバレンタインの近くまで戻ってきたアーサー。なんかあのへんの岩山とか、もらった宝の地図に似てる気がしなくもないんだが……。でもちょっと町からは遠いんだよなぁ。
あの三角系の道がこれだとして……とかやってたら、ハビア? ビルが賞金稼ぎに捕まったから助けに行こう、と言われました。承知するかどうかは選べますが、仲間を見捨てるわけにはいかない!
ビルは助けられても不機嫌だろうな、とか言いますが、だからって見捨てるわけにはいかないし。
ハビアとともにバレンタインの南東あたりへ。ポジションを選べ、と言うので、もちろん狙撃スタイルですがなにか? 先制ヘッドショットで確実に一人減らせるし、相手の弾は当たらないか、当たってもほとんどダメージにならない、それが狙撃の利点。
ていうかわしゃあここでも狙撃スタイルか。
ちなみにハビアとアーサーが、ダッチギャングでの戦闘能力2トップだとか。冷静さなんかの総合戦闘力ってことだと思いますが(あと主人公補正)、そんな二人に奪還襲撃された賞金稼ぎこそ憐れだな。
ビルは無事助け出し……なんだ、案外普通に「助かったぜ」くらいで済んだじゃん。
とかうろうろしてたらすっかり夕方に。
ちなみにこのへん(どのへんだよ)に来てるのは、ジョンと一緒にやる列車強盗の仕込み用に、馬車を奪うため。
コンビナートみたいなところの馬車はガードが固くて、戦闘なしでは持ち出せそうにないし、かと言って夜まで待ってみるのもなぁ。それならもう一台のほう、バレンタインに向かったヤツを移動時に道で狙おうか。
と思ってたけどそっちも町の中からなかなか動かないし。その様子を(マップ上のアイコンで)うかがいながら、宝の地図に該当する場所ないかなと探していました。
しかしどうしても馬車は町の入り口あたりから動く気配がない……。
一度見に行ってみるか、と近寄ってみると、……無人だな、これ。ってことは今のうちにさっと乗り逃げすれば、戦わず逃げるだけでいいだろうし、ちょっと名誉レベル下がる程度でいけるんちゃうか?
というわけで無事奪取!
荷馬のいななきというか鼻息、かなりうるさいなw ちなみにケンタは追従させてます。
人を殺したりはしなくても、ちょっとした悪事でも、名誉レベルはきっちり低下。でもこれくらいなら、挨拶したり拠点に寄付して雑用してるだけで元に戻るしな。
しかしそこから先にはなかなか上がらず、MAX良い人への道は遠そうです。こういう仲間とのミッションやイベントもあるし。
ともあれ馬車は隠し場所まで運んで、また夜なのでキャンプで一泊。
明日はなにをしようかなぁ。列車強盗進めようか、それともまたどこかふらっと旅してこようか……(´ω`*)
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Mezcal hakka #キャンピングカーの旅 #キャンピングカー #アドリア #アドリアマトリックス #アドリアソニック #ハイマー #日本一周 #車中泊 #キャンピングカーのある暮らし #キャンピングカーライフ #全国日帰り温泉マップ #全国車中泊マップ #全国オートキャンプ場マップ #道の駅 #RVパーク #グルメパーク #グルメ旅 #グルメ旅行 #camp #campingcar #camper #adoriamobil #adriacamper #japan #adriamatrix #adriamatrixsupreme #ducato #adrians (青野原オートキャンプ場) https://www.instagram.com/p/CqgmSMnv919/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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ハウステンボスの思い出
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼‼‼‼‼‼旅行行きてぇ‼‼‼‼…毎日がevery day‼‼‼←
はい、旅行行きた過ぎてと発狂している鬼神はじめです。
ここ最近ストレス続きで何をするにもやる気が出ませんでした(現在進行形)
ゲーム・漫画・イラスト…何をするにもやる気ががががががが…wwww
…ということで(どういうことだよ╰(‵□′)╯)
旅行は今現状行けないけど、某ウイルスが蔓延?「え?あのウイルスやばくね?」となる前(記憶では3月ごろに危機に陥ったはず)に行った
長崎のハウステンボス(1泊2日の旅)に行った時の思い出に浸りたいと思います\( ̄︶ ̄*\))
今回の日記では1日目を書く予定。
これで少しは気分転換しようずヾ(•ω•`)o
時は2020年2月9日←
…の9:30頃特急電車で福岡県博多駅から長崎県ハウステンボスを目指して旅立ちました。(ハウステンボスには専用の特急電車があります)
朝ごはんは博多駅で駅弁を買って、電車に揺られながら(´~`)モグモグしました。
本当は北九州市にある折尾で有名の東筑軒のかしわ弁当がよかったのですが、福岡県では大人気のため8時くらいに駅弁屋に買いに行っても売り切れでした(´。_。`)悲c~
でもこの葉っぱ弁当も美味しかったです。
お稲荷さんとおにぎりに巻かれてる葉っぱとか好きなので、目的のものはなくてもこれはこれで満足でした。
味も自分好みの薄味で優しい味でした。
電車旅約2時間後…
ハウステンボスに到着‼‼‼
※画像はハウステンボス駅を出てすぐに見ることができるホテル
生まれて初めてハウステンボスに来た人の感想言います。
「すげぇ‼‼‼‼」
はい、この一言です←
というのも、ハウステンボスはオランダの街並みを再現している遊園地?なのですが
駅周辺までオランダに来た!みたいな感覚を味わえるとは思わなかったですね(。・・)ノシセツノナカダケカトオモタ
到着してすぐにホテルに荷物を置きに行きました。
泊まったホテルは”変なホテル”
一時期ロボットが接客する!って話題になったホテルです。
名前で引かれたのもありますが、ハウステンボスに隣接するホテルの中だと和室があったのが変なホテルしかなかった(*゜ー゜*)
ホテルの部屋は後程紹介します。
ホテルのチェックインは15:00なので(ホテル到着時間は12:00頃)
ロッカーに荷物を預けることに
「ロッカーロッカー♪(´▽`)))) ん?なんかハイテクなロッカーがあるんだけどぉぉぉぉぉ‼‼‼(@_@;)」となりました(ガチで)
あなたは今ホテルのロッカーに荷物を預けようとしています。
どちらを選びますか?
500円で普通のロッカーに荷物を預ける or 500円のハイテクロボットのロッカーに預ける
だったら自分は迷わずロボットを選びます。(値段一緒だし)
※ロボットがロッカーに荷物を入れる様子
荷物を預けたら早速メインのハウステンボスにレッツゴー!\( ̄︶ ̄*\))
ハウステンボスに来園する際必ずと言っていいほどやってみてほしいものがあります。
その名も“ジパング探検倶楽部“
ハウステンボス園内全体を使った謎解き型アトラクション!
難易度はざっくり分けるとこんな感じ↓
初来園者向け・初級・中級・上級・激むず
自分はハウステンボス初来園でしたが中級を挑みました(舐めプした)
実際やってみると完全に舐めてました…はいw
本来中級の目安の所要時間は3~4時間となっていたのですが、
8時間かかりました(。・ω・。)
クリアはしましたがこんなにかかるとは…
攻略法としましては、地図と問題文をよくみることですかね。
あと明るいうちに攻略することも大事です。
あと、何故この謎解きアトラクションをお勧めするかというと、園内マップを完璧に覚えれるからです( •̀ ω •́ )✧
園内を隅々まで回るので、1日目の夜あたりからマップを見なくなりました←
その代わり端から端まで歩き回るので足が棒のようになる
でもすごく楽しかったですよ(←ここ重要)
次回来る機会があったら上級に挑んでみます‼
ハウステンボスは見る遊園地なのですが(実際可愛らしいふりふりの服を着た女性が自撮り沢山してました)
遊ぶ系のアトラクションもありました。
おすすめはVRジェットコースター
VR機器をつけて映像を見ながらジェットコースターで遊ぶ感じ?
体感してるからVRのゲーム酔いもないですし、
ジェットコースター自体もやさしめなのでGを全く感じません‼(実は鬼神はじめはジェットコースター得意じゃない)
総称してとても楽しかったです。
また乗りたい。
チーズフォンデュ等のお昼ご飯を食べてジパング攻略したらすっかり夜(なんで楽しい時間ってあっという間なのか…)
実は今回のハウステンボスのメインは…?
期間限定イベントの光の王国(●'◡'●)
イルミネーションあまり興味ない自分でも「めちゃ綺麗…。」と感じる世界でした。
光の王国は本当にきれいなので行く価値は大‼‼
以下は自分のお気に入りの場所と写真です。
光の王国開催時限定の光のカフェ&バーにも足を運びました(╹ڡ╹ )
光るカクテルには種類に限りがあり、1杯1,000円くらいしました。
光らない普通のカクテルは700~850円くらいの値段だったと記憶しています。
お酒の名前は忘れたけど(鬼神はじめは酒に弱いためノンアルを頼んで、同行者のカクテルを一口もらいました)飲みやすくて美味しかったです。
正確な味は覚えてないけど、甘かった気ガス…?
光の王国については多くを語らないことにします。
百聞は一見に如かず!是非とも自分の目でお確かめを‼‼( •̀ ω •́ )✧
丸一日ハウステンボスを満喫した自分は光の王国で写真を撮りまくったあと
フラフラしながらホテルへと帰還しました。
チェックインをしてホテルの部屋へ‼‼‼
内装���こんな感じでした↑
和室の中でもお風呂まで木の壁に驚きました。(和室とか好きだからこの部屋にしてよかった)
そしてトイレとお風呂が一緒になっているところは個人的に苦手(ビジホとかに泊まれないタイプの残念な人)なので
トイレとお風呂が別になってるのもこの部屋を即決した理由の一つです←
変な時間にお昼ご飯を食べたので(14:30位にチーズフォンデュを食べた人)
ハウステンボス出口にあるコンビニによって軽食を買いました。
それらを食べて、少し晩酌…←
お風呂に入ってすぐに就寝←
この日は歩き回ってマジで疲れました。
気絶するように落ちたのを覚えてます。
でも夢中になれるほど楽しかった(❁´◡`❁)
2日目の指導時間は朝6:00!それまでぐっすり寝れたと思います。(何回か起きた気もする←)
では次回の日記はハウステンボス2日目です!
( ゚д゚)つ Bye
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2017振り返り〜京都旅行初日〜
8月の二泊三日京都旅行です。
京都駅到着の図。冬より夏派で現在絶賛冬眠中の僕としてはこのからっとした夏らしい空が非常に恋しいです。
最初の目的地は伏見稲荷。京都駅から電車で20分程度。
伏見稲荷マップ。頂上まで行けそうなノリに見えますが、全て歩くと2〜3時間ほどかかるそうで、ちょっとしたハイキングです。今回は三ツ辻を目指して一番鳥居から順々に進んでいきます。
一番鳥居。
楼門。狛犬ならぬ狛狐。ちなみに狐はお稲荷様の使いであって狐=お稲荷様ではありません。
伏見稲荷といえばこれ!人が非常に多く、特に中国人・韓国人観光客は割と唯我独尊とされていらっしゃるため人がいない写真は本当に瞬間的にしかチャンスがありません。
さらに進んでいき奥社奉拝所。色々な顔の白狐の絵馬が。願い事を考え重さを想像して持ち上げたとき想像より軽ければ願いが叶うというおもかる石。有名ですが奥社のちょっと奥まったところにあり、意外と行列はできていませんでした。
三ツ辻にあるという京都市内を一望できるスポットを目指し汗だくになりながら進む。地図でイメージするより歩く距離は長いと思います。
途中に何やら神秘的な空間が。緑と朱色は綺麗ですねー。
目指していたスポット。正直、うーん、、、。もっと高いところまで登る必要がありそうです。伏見稲荷を全て歩くのが夢でしたが、2時間以上かかるらしく、真夏にカメラバッグにフル機材状態で歩くのはつらく、連れもいたことなのでスパッと諦めました。
帰り道に見つけた空飛ぶ白狐。もっとシルエットを生かす構図を探すべきだったな。
麓に昔ながらの煙草屋さんを見つけ一服。冷やし飴は名物らしく、味はビール工場見学をしたときの麦汁を甘くしたような感じでとても美味しかったです。
伏見稲荷をあとに、今回の旅の拠点となった祇園四条駅から祇園の方へ。街並みが非常に美しかったですが、車の運転が荒っぽかったような…?
夜は事前に調べ気になっていた居酒屋「柳小路TAKA」を目指して歩きます。河原町駅の近くにありますが、清水五条から散歩がてら行ける距離です。
お目当はこの純度別の日本酒飲み比べセット。比べてわかったことは高い酒はうまい。
飲んだ後は鴨川沿いを歩いてホテルへ。京都はなぜかビアガーデンが非常に多く、ビルがあれば基本的にはビアガーデンがあります。鴨川沿いには川を眺めながら楽しめるビアガーデンが散在し、幻想的な光景でした。
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永い夜の瀬でぼくらは、
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熱い湯が素肌を叩いて、眠気を醒ましていく。ハンドルを回してシャワーを止め、濡れた髪を無造作に掻き上げた。
浴室を出て、バスタオルで肌についた水滴を拭い、ドライヤーで髪を乾かし、質のいいワックスを使ってセットする。下着を重ね、クリーニングに出したばかりの白いニットに袖を通し、黒のジーンズを合わせた。
動くたび、鈍い痛みが微かに腰に走る。しばらく会えないからと言っても、これから長旅に出るというのに、あの男は容赦ない。
二年ほど暮らした、都心にそびえ立つマンションの高層階の一室も今日で見納めだ。泉の荷物はすでに向こうのホテルに送ったため、この部屋には手荷物以外、何も残っていない。カーテンから外を覗くと、十二月の空は分厚い雲で覆われ、昼頃になっても気温はさほど上がらないだろうと思われた。ジャケットを羽織る方がいいか、と考えながら、短針が八を指す腕時計を左手首につけた。
「……泉、」
不意に名前を呼ばれて、振り返る。目をこすりながら起き上がった男は、眠たげな声で尋ねる。
「もう出るの?」
「うん、」
「来て」
泉がベッドの側へ行くと、手を引かれ、キスをされた。
「たった二ヶ月離れるだけなのに、恋人の関係を終わらせるの?」
悲しみを宿した瞳を向けられ、泉は罪悪感を噛み締めながら、彼の寝癖を手櫛で直してやる。
「俺の気持ちは変わらないよ」
「……僕も、離れても泉を���する気持ちは変わらない」
泉は彼の手を離した。彼は繋ぎ止めようとはしなかった。
「そういう優しいこと言ってくれる人ほど、離れていくんだよねぇ」
だから、ごめん。今までありがとう。そう続ければ、彼は諦めたように笑った。
手荷物だけを持って、泉は寝室を出る。その直前、彼が声を掛けた。
「泉、向こうでも元気で」
泉は微笑みを浮かべただけで何も言わずに、静かにドアを閉めた。
ロビーを出れば、真冬の朝の冷たい空気が頬を撫でる。
呼んでいたタクシーは路肩に停まって乗客を待っていた。後部座席に乗り込み、運転手に行き先を告げた。
「成田空港まで」
正午頃のフライトまでに時間があったため、泉はラウンジでカクテルを頼んだ。長いフライト中に睡眠を取るためだ。適度に酔っておけば眠れなくなる心配はない。
ちまちまとそれを飲んでいると、スマートフォンに着信があった。
朔間凜月、の名前に驚きながらその電話に出る。
「もしもし、」
「これからロンドン行きって言うのに、辛気臭い声だなぁ」
クスクスと笑う声に、泉は溜息を吐いた。
「くまくんが早起きなんてするから、こんなに天気悪いんじゃない?」
「嫌味は健在で安心安心」
「ぶっ飛ばすよぉ?」
そう言いながらも、昨日、気をつけてね、なんて言いながら泉愛用のパックを一ダースもくれたので可愛くないことはない。凜月はそういう男だ。
「で、なんでわざわざ電話なんて掛けてきたわけぇ?」
「昨日はナッちゃんもス〜ちゃんもいたから訊き損ねたから。ちゃんと振ったの?」
あいつのこと、と問われて、
「振ったよ」
とキッパリと返事をした。少しの沈黙の後、嘘じゃなさそうだねぇ、と間延びした声が返ってきた。
「俺にとってはやっとか、って感じだけどね。別れて正解だよ、あんな男」
凜月は、交際当初から泉の恋人————つい先ほど別れたが————二つ年上のカメラマンの男を嫌っていた。一度ふたりがエンカウントしたとき、凜月は目も合わせなかった。普段、自分とはそれほど関わりのない人物を嫌わない凜月にとって珍しいことだった。
泉はグラスを揺らした。オレンジテイストのカクテルが小さな波を立てる。
「……それを確かめるためにわざわざ?」
「そうだったら悪い?」
「なんでそこまで……」
「前に言ったでしょ、『王さま』が可哀想だからだよ」
その言葉に、カクテルを一口飲む。仄かな苦味が喉を焼く。
「……その呼び方よしなよ」
「じゃあ、『れおくん』」
押し黙った泉に、凜月が溜息を吐くのが聞こえた。
「ほら、こっちでも嫌がるじゃん」
「うるさいなぁ」
不機嫌を露わにしながら、泉は足を組み直す。
「……あいつの話ももうよしてよ、何年前のことだと思ってんの」
「二年前」
と正確な数字を出してくる男に舌打ちをすれば、
「怒んないでよセッちゃん」
悪気のなさそうな声がして、少し間が空いた。
「……それだけだから。じゃ、気をつけてねぇ」
泉は、うん、と小さな声で返事をした。
「お土産よろしく〜」
そう言葉を残して、凜月は電話を切った。スマートフォンを耳元から離し、ポケットに入れ、カクテルを一気に飲み干す。苦味が喉を通り、真っ逆さまに、胃に落ちていく感覚がした。
搭乗案内のアナウンスが響く。泉は席を立ち、搭乗口へ向かった。
◇
瀬名泉は、夢ノ咲学院を卒業後、進学をせずにモデルの道を選んだ。ありがたいことに、卒業前から大手芸能事務所から声が掛かり、所属先には困らなかった。キッズモデル時代、学生時代の知名度もあり、期待の新人モデルとして優遇されることが多かった。
現に、世界的に有名なイギリスのブランドの広告塔に選ばれた。日本人初の快挙に、日本のファッション界隈はその話題で持ちきりだ。泉は、これから約二ヶ月間、撮影やショーへの出演のためにイギリスのロンドンで生活し始める。
それをきっかけに、約二年間付き合った男に別れを告げた。
カメラマンの彼は、紳士的で、穏やかで、素の泉を理解してくれる数少ない人物のひとりだった。その上、カメラマンとしての腕も良く、国内の賞を総ナメにしていた。だから、付き合ってほしい、と言われても嫌な気はしなかった。いいよ、という一つ返事でふたりは後藤が元々住んでいたマンションの一室で生活を始めた。
彼のなにが嫌で別れたのではない。ただ、自分はこの男を愛しているのだろうか、と自問しても、答えは出てこなかった。
————泉、愛してる。
彼の腕に抱かれながら、そう囁かれても、泉はいつもなにも言えなかった。
ありがとう、とか、俺もだよ、とでも言えばいいのに、その言葉たちはいつも浮かんでは消え、声ではなく吐息となった。
優しくて、穏やかで、料理もキスもセックスも上手いのに、泉は、最後まで、彼を愛せなかったのだ。
2
着陸を知らせるアナウンスの声で、浅い眠りから目が覚めた。分厚い窓の外を見れば、夕方の空とコンクリートの地面を、滑走路の端が隔てていた。
飛行機はゆっくりと着陸し、人々は荷物を持って立ち上がる。彼らに続いて、泉も飛行機を降りた。
広いロビーには多くの人がいた。出発を待つ人、誰かを迎えに来た人、荷物を取りに行く人。みな足早にロビーを歩いていく。
泉は入国審査を待っている間に、すでに数日前に入国していたマネージャーに連絡をしておいたため、すぐに落ち合えた。
「泉、お疲れさま」
泉のマネージャーは、四十歳手前の女性だ。テキパキと仕事を捌き、ハキハキとした物言いで泉との相性は良い。
「お疲れさまです」
「タクシーでホテルに向かうけど、何か食べる?」
「いや、まだ大丈夫」
そう、と彼女は返事をして、タクシー呼んであるから、と泉のスーツケースを引いて歩き始める。彼女は結婚して十年の、テレビ局のプロデューサーの夫がいるが、子供はいない。だからなのか、彼女は泉を自分の息子のように接するし、泉はそれが嫌だというわけではなく、むしろ心地良かった。
タクシーの後部座席に乗り込むと、マネージャーは流暢な英語で目的地を告げた。
ホテルには一泊し、その次の朝には、これから暮らすスタジオフラット、いわゆるワンルームマンションに移動した。中心地近くに建つ赤茶色の壁のフラットに、泉とマネージャーは一部屋ずつそれぞれ借りた。撮影からコレクションを二ヶ月かけて全てロンドンで行われるため、ホテルに長期宿泊するよりも賃貸の方が安上がりだという理由からだ。
「ブランド側との顔合わせは明後日だから、それまでに時差にも慣れてね。八時頃、一緒に夕食でもどう? 近くに美味しい店を見つけたのよ」
「うん、行く」
マネージャーに言われて、高校時代の頃と食生活は少し変化した。サプリメントに頼ることもほとんどなく、バランスの良い食事を三食しっかり摂ることを徹底している。
彼女は、泉より一つ上の階に上っていった。その後ろ姿を見送って、泉は受け取った鍵で自室の玄関扉を開けた。
小ぢんまりとした部屋だったが、家具は全て揃っている。ベッドの側のドアの先は、床が青いタイル張りになっているトイレとシャワールームだった。
悪くない、と思いながら窓を開けた。夜の冷たい空気が部屋に入り込む。
それから絨毯の上でスーツケースを開け広げる。その他の生活用品はこっちで買えばいいと考えていたため、中身は洋服ばかりだ。それらを備え付けのクローゼットに移し、同じく備え付けの電化製品たちがちゃんと動くか確認した。テレビでは夕方のニュースが流れていた。
近所を散歩でもしようとまた外に出る。聞いていた通り、ロンドンの気温は低い。日本の十二月は、これほど寒くないはずだ。
若いカップルが寒さに肩を寄せ合いながら、泉の横を通り過ぎた、そのときだった。
泉より少し先を歩く、その背中。
車のタイヤがコンクリートの地面と擦れ合う音も、ざわめきとなった人々の話し声も足音も、膜をかけたかのようにくぐもって聞こえた。
ハーフアップにまとめられたあの長い赤毛、立てたコートの襟、軽快な歩き方とその歩幅と足音、すべてが、懐かしく感じた。
気づいたときには走り出してその背中を追いかけていた。
「待って!」
ぐい、と腕を引いて、振り向かせる。ゆらり、とエメラルドの中の光が揺らいだ。
目の色形も、手の大きさも、高く小さな鼻も、間違いなかった。この目の前にいる男は———……。
「……れおく、」
「Who are you?(おまえ、誰だ?)」
その声もレオのものにそっくりで唖然とした。だから、その喉から発されたのが流暢な英語だと気づくのに数秒かかった。
————れおくんじゃ、ない。
そう理解して、慌ててその手を離して謝った。
「Oh,I’m sorry. I thought you were someone else.(ごめんなさい、人違いをしました)」
彼は驚いたように目を見開いてから、ゆっくりと微笑みを浮かべた。
「……英語も話せるのか。さすが日本が生み出したモデル界の新星、イズミ・セナ、だな」
日本語でそう、はっきりと自分の名前を発音され、泉は目を丸くして彼を見つめた。
「……俺を知ってるの、」
「知ってるよ、ファッション業界は君の話題で持ちきりさ。こっちのブランドの広告塔をするって噂には聞いてたからなぁ。まさか本物に会えるなんて嬉しいよ」
レオの声なのに、話し方は似ても似つかない。大きな違和感を咀嚼しながら、差し出された手を握り返した。
「おれはレナード。日系のイギリス人だよ。これも何かの縁だ、どうぞよろしく」
「よろしく……」
彼は屈託のない笑顔を泉に向けた。
「そんなに似てたの?」
黙って頷けば、彼は緑色の瞳を細めた。
途端、息苦しくなって目の前が真っ暗になった。
ぐらり、と傾いた身体を彼が支える。
セナ、と呼ばれた気さえして、泉は参ったなぁ、と思いながら、瞼を閉じた。
次に目が覚めた時には、泉は見知らぬ部屋の天井を見つめていた。身体は痛まない、背中越しに感じる柔らかな感触に、自分がベッドの上に横たわっているのだと理解する。
「……気がついた?」
そう声がして、泉は上半身を起こした。そこにはマグカップを二つ持ったレナードがいた。そのうちの一つを泉に差し出す。
「ホットミルクだ、飲めるか?」
「ありがとう……」
微かな甘みが乾いた口の中に広がり、泉の意識を鮮明にさせる。レナードは、ベッドサイドの小さなテーブルに自分のマグカップを置き、ベッドの端に腰掛けた。
「急に倒れたから驚いたよ」
「ここは……?」
「俺のバイト先の休憩所。仮眠を取るためにベッドが備え付けられてるんだ」
「あんたが運んでくれたの、」
「うん」
泉も、彼に倣ってマグカップを置いた。
「ごめん、なさい。迷惑かけて、」
「謝ることない。寝不足か、貧血だろ。飛行機で眠れなかったのか?」
「まぁ、うん……」
いつもなら熟睡できるのに、今日は違った。意識はいつまでも泉のそばにいて、機内のざわめきや外から聞こえる微かなエンジンの音に鼓膜と神経が震えて眠りに身を委ねることが上手くできなかった。
ふと、窓の外に目を向けて、夕食の約束を思い出した。
「ねぇ、今、何時か分かる?」
「今? 六時半過ぎだけど」
その答えに、ほっと息を吐く。一度自分の家に戻ることはできそうだ。が、しかし、
「まさか、俺、一時間もここにいたってこと……?」
「まぁ、そうだな」
さらっと答えた彼に、泉はさらに罪悪感を覚えた。
「本当にごめん。いろいろとありがとう。またお礼をさせて」
と言いながら、泉は立ち上がる。
「もう行くのか?」
「うん」
と頷くと、彼は一度部屋を出て、泉の着ていたジャケットを手渡してくれた。それに袖を通す泉の横で、彼も上着を羽織り、鍵を尻ポケットに入れていた。
「ちなみにどこまで? 案内するよ」
「そこまでしなくても……!」
「おまえ、道分かんないだろ」
気絶してる間に運ばれてきたのだ。ここがどこだか、泉はもちろん知らない。
「……ごめん、ありがとう」
そう言えば、彼は、「いーえ」と無邪気にはにかんだ。それは、少しばかり彼を幼く見せた。
出会ったばかりの素性も知らない男に助けられ、その男とふたりきりの部屋で一時間も死んだように眠り、そのうえ道案内までしてもらうなど、我ながらどうかと思った。
しかし、彼があまりにも昔の恋人に似ていたから、悪い人じゃない、と思ってしまったのだ。
泉は彼の半歩���ろをついて歩いた。狭い階段を降りると勝手口があり、人気の多くない路地に出た。そのドアの鍵を掛ける彼の背中に話しかける。
「レナードさんは、」
と言いかければ、
「レナードでいいよ」
と口を挟まれ、レナードは、と言い直す。
「仕事はなにしてるの、」
「アルバイトだよ、今はこのバーで働いてる」
「なら、どうして俺を知ってるの。自分で言うのもなんだけど、俺はファッション業界では話題に上がるだろうけど、ロンドンにいる一般人で俺を知ってる人はまだ少ないでしょ」
仕事を終えた鍵を再びポケットにしまい、今度は胸ポケットから煙草とライターを取り出した。吸っても?と尋ねるように片眉を上げた彼に、どうぞ、とだけ返事をする。彼は煙草の先に火を点けながら、にやりと笑った。
「いいね、『まだ少ない』ってところにおまえの自信が見える」
答えを急かすように泉が肩を竦めれば、レナードは細い路地を出た。夜の街はどこの国も賑やかだ。ほろ酔い気味の男女が楽しそうに笑いながら、ふたりの横を通り過ぎていった。
「この町はブティックが多いから、おれが働いてるバーも、デザイナーやモデルたちの御用達なんだ。プライベートな話はもちろん、仕事の話も嫌でも聞こえてくるってわけ」
「へぇ……」
「また飲みに来いよ。安くしてやるから」
「ありがと」
「あ、でも気をつけた方がいい」
急に声色を変えた彼の目線を辿ると、体格のいい男ふたりが、手を繋いで、またちがうバーに入るところだった。
「おれの働いてるところも、いわゆるゲイバーってやつだから。まぁ、ストレートも大歓迎なんだけど」
レナードは泉の方を見て悪戯っぽく笑った。
「おまえは綺麗だからさ。狙われやすいよ」
「……レナードもその気があるの?」
率直に尋ねれば、レナードは、
「俺はバイだよ」
とウインクした。
夕方、泉が倒れた場所で別れた。レナードは、自分の働くバーのカードを手渡した。泉がそれを受け取ると、
「Good night,sweet dream!(おやすみ、いい夢を!)」
と手を振って、電飾が輝く繁華街の方へ歩いていった。長い赤毛が靡くのを見て、泉は彼と逆方向へ歩き出す。
カードには店の名前と住所が記されていた。その下には「Homosexuals and heterosexuals are also welcome!(同性愛者も異性愛者も大歓迎!)」と綴られており、レナードの言葉は本当だったのだと知る。
このカードを見たら、マネージャーはまた呆れるに違いない。彼女には一度、男とキスしているところを目撃されたことがあるのだ。
3
夢を見た。
雪に包まれた、白銀の世界だった。
広いグラウンドに積もった雪の上で、彼は笑っていた。
セナ、と呼ぶその男に、泉は手編みのマフラーを巻いてやる。赤い毛糸で編んだそれに、彼は嬉しそうに顔を埋めた。
————おれはね、セナがだぁ〜いすき!
————おまえが一緒にいるなら、おれは幸せだから。
————あいしてるよ、セナ!
無邪気な笑顔と、まっすぐな言葉が遠のいていく。
いつのまにか、粉雪は、身体を叩きつける吹雪になっていた。
————もう、終わりにしよう。
赤いマフラーが風に吹かれて、彼の首から離れていく。
音にならない声で、彼の名前を呼んだ。
マフラーが、彼の姿が、雪にまみれて、消えていった。
◇
「Nice to meet to you,Mr.Sena.(はじめまして、瀬名くん)」
打ち合わせの場所であるロンドン市内のスタジオで待っていたのは、ブランドのプロデューサーとスタッフたちだった。
「Nice to meet to you,too.(はじめまして)」
握手をしながら、プロデューサーの男性は泉の顔をじっと見つめた。
「You’ve got beautiful eyes.(とっても綺麗な瞳をしているね)」
「Thank you.(ありがとうございます)」
彼は人好きの良い笑みを浮かべ、泉とマネージャーに席に座るように促した。
テーブルの上に広がった書類、椅子の後ろに並べられた真新しい服たち、誰かの香水の匂い。
通訳を交えながら、泉とブランドスタッフは話し合いを進めた。撮影のこと、コレクションのこと。すべてが新鮮で、泉の胸は高鳴った。
打ち合わせの最後に、プロデューサーは嫌味のないウインクをしてみせた。
「I’m counting on you,Izumi.(期待してるよ、泉)」
その言葉に、泉は頷いた。
「I’ll do my best.(頑張ります)」
打ち合わせが終わった後、スマートフォンを確認すると、レナードからのメッセージが入っていた。
『一緒にディナーでもどう?』
その誘いに嫌な気はしなかった。先日のお礼もしたいし、と思いながら、
『七時以降なら』
と返信した。するとすぐに既読の文字がついて、
『終わったらおれの店に来て』
と新しいメッセージがその下に浮かんだ。
ねぇ、という泉の声に振り返ったマネージャーに尋ねる。
「この後は仕事入ってないよね」
「ええ」
彼女は泉の手の中のスマートフォンを見て、驚いたように瞬きした。
「もう知り合いができたの?」
「まあね」
「スキャンダルはやめてちょうだいよ」
念を押されてしまった泉は苦笑いしながら、
『分かった』
とだけ打ち込み、送信した。
◇
街はクリスマスソングに溢れ、電飾が輝いていた。
ソーホー地区では、同性カップルたちが楽しげに腕を組みながら、店に入っていく。
その後ろ姿を見送って、泉はマフラーに顔を埋めながら、足早に歩いた。
スマートフォンのマップに頼りながら、レナードが働く店に辿り着く。店の灯りは点いていない。そのうえ、店のドアには『CLOSED』のプレートが掛かっていた。
レナードはまだ来ていないのだろうか、と思いながらドアと睨めっこする。泉の後ろを、カップルたちが笑いながら通り過ぎていった。
それと同時に、バーとその隣の店の間の路地からの入り口から、レナードがひょっこりと顔を出した。
「Good evening,Izumi.」
彼の笑顔に、泉は肩の力を抜いた。
「店長が風邪ひいて臨時休業なんだ。裏から入って」
レナードについて、裏口から店の中に入る。
スタイリッシュな店内は、他のバーとはなんら変わらなかった。レナードに促されて、泉はカウンター席に腰掛ける。
「なにが食べたい?」
そう問いながら、レナードはエプロンの紐を腰の位置で蝶々結びにし、髪をポニーテールに結った。
「お任せする」
そう言えば、彼は少し困ったように眉を下げて笑った。
「お任せか〜」
彼は奥の厨房に入っていった。
店の中は見た目の割に広く感じた。テーブル席もあり、その奥には小さなステージがあった。ここで酔った客たちが歌うのだろう、と思った。
「今日は仕事だったのか?」
と厨房からレナードが尋ねた。
「そう」
と少し大きめの声で返事をする。ジュー、となにかを焼いているような香ばしい音がした。
「ロンドンコレクションに出るのか?」
「まあね」
「さすがだなぁ」
彼の感心したような声に、泉は少し誇らしく思った。
世界四大コレクションの一つであるロンドンコレクションは、一ヶ月後に行われる。それに泉は出演する予定になっているのだ。泉にとって、今までで一番の大仕事だ。ここで結果を残せば、瀬名泉という名は世界に知られることになる。
しばらくして、レナードが完成した料理とともに厨房から出てきた。
ミートパイとチップス、トマトサラダのセットだった。
「ワイン飲む?」
と訊きながら、レナードはセラーからボトルを取り出す。
「明日も仕事だから一杯だけね」
グラスに注がれた白ワインが煌めいた。ふたりでグラスの縁を合わせれば、チン、と軽やかな音が響いた。
「ふたりの出会いに」
「クサいセリフ、」
「ロンドナーだからさ」
ふたりは笑いながら食事を楽しんだ。
レナードが作ったディナーはどれも美味しかった。頬張る泉を見て、レナードは嬉しそうに笑った。
食事を終えると、レナードは煙草に火をつけた。彼が換気扇のスイッチを切り替えると鈍い音を立てて、どこにあるか分からない換気扇が回りだす。
「イズミ、」
少し酔いが回ったらしいレナードが、蕩けたような瞳で泉を見つめる。
その甘い表情に、泉は息を呑んだ。
「歌ってよ」
「……そんなとこまで知ってるわけ」
「おれの情報網をナメてもらっちゃいけないなぁ」
腕を引かれ、ステージの目の前に立つ。小さな円形のステージの中央には、スタンドマイクが待っていた。
聞き慣れた音楽が天井についたスピーカーから流れ出す。ピアノをメインにしたバラード。学生時代に所属していたユニット————Knightsの曲だった。
泉はレナードの方を振り向いて、静かに言った。
「……俺に、歌う資格なんてない。俺はアイドルじゃない。今歌ったら、あいつら……昔の仲間に、失礼だから」
"アイドルの瀬名泉"は、もうどこにもいなかった。瀬名泉を"アイドル"としてたらしめているのは、レオと凜月と嵐と司と、レオが作った曲だった。それらを失った今、泉は"モデルの瀬名泉"として生きるしかないのだ。
レナードは驚いたように見開いた目を二度瞬き、申し訳なさそうに眉を寄せた。その表情には、先ほどまであった酔いはなかった。
「……そうだよな。無理言ってごめん」
泉は慌てて首を横に振った。泉のわがままを、レナードが知る由もないのだ。自分の言葉に後悔した。
「……でも、」
そう言葉を続けたレナードに、泉は顔を上げた。
「おれは、悲しそうな顔をしてるおまえを、楽しませることはできるよ」
まっすぐな瞳に、泉は息を吐いた。懐かしいピアノのメロディーが、よけいに切ない。
レオにそっくりで、そしてレオではないこの男にだけは、言ってもいい、甘えてしまいたい、と思った。どうせお互い酔っているのだ。明日には忘れているかもしれない。
溢れそうになる涙を乱暴に拭って、喉に絡む言葉を吐き出した。
「……本当に、大事な人がいた。でも俺は、二度もそいつを守れなかった……ううん、二度も、傷つけてしまった」
滲む視界の中で、レナードはじっと泉を見つめ、泉の声に耳を澄ましていた。
「……俺は、強くなるために、ここに来ることを選んだ。自分を変えるために。もう二度とあいつに、あんな思いをさせないために。あいつに、見つけてもらうために」
レナードはゆっくりと泉に近づいた。
「触れていい?」
と問われ、その指が濡れた頰を拭う。
「……おまえなら大丈夫だよ、」
その言葉も、その眼差しも、目がくらむほど眩しくて、あぁ、レナードも強いのだ、そう、思った。
4
なぁ、セナ、そう呼びかけられて、なぁに、と振り返る。楽譜が散らばった床の上に寝転び、その右手を動かし続けていた。
夕焼けの色に染まった窓の向こう側で、カラスが鳴いた。
「……おれがいなくなったら、どうする」
その問いに、泉は答えを見つけることなどできなかった。そんなことを想像したくなかった。
レオは仰向けになって、楽譜を片手に立ちすくむ泉に、力なく微笑んだ。もとも細い身体がさらに細くなっているのが嫌でもわかる。
「こっち来て」
レオの頭の方にしゃがむと、レオの左腕が首の後ろに回される。そしてそのまま引き寄せられて、唇を重ね合わせた。顎の先にレオの柔らかな前髪が触れた。
「……セナ、愛してるよ」
————そんな悲しそうな表情で、そんな優しい言葉、言わないでよ
掠れた声は喉の奥に張り付いて音にはならなかった。ただそこから微動だにせず、泉の喉を絞めるのだった。
その後、レオは本当にいなくなってしまった。取り残された泉は、夢の残骸を拾い集めて足掻き続けることしかできなかった。
戻ってきたレオと日々を重ねても、レオに対する罪悪感と後悔が、時間の経過によって消えるはずがない。今でもそれらに苛まれる夜もある。だからといって、償いとして献身しているわけではない。
ただ、ただ純粋にレオのことを愛しているから、彼のそばにいた。泉の気持ちにも、ふたりの関係性にも、名前などつけられないのだった。
卒業後すぐに上京し、泉とレオは、さほど広くない郊外のマンションの一室で暮らし始めた。
レオから手渡された部屋の鍵は冷たかった。握りしめているうちに温まって、金属独特の匂いが右の掌に染み付いてしまったけれど、それさえも気にならなかった。
「一緒に、暮らそう」
泉に拒否権など最初からなかった。いつもそうだ。声色も言葉も優しいのに、その瞳に宿された光に、泉はいつも逆らえなかった。
一緒に食事をし、風呂に入り、ダブルサイズのベッドに潜った。
たまにセックスもした、次の日がオフでも、オフじゃなくても。レオが泉の背筋や頸に指を這わせるのは、しよ、という言葉の代わりだったし、たまに泉から誘うこともあった。
レオは、泉をほぐすように優しく抱いたり、肉食獣のように激しく抱いたりもした。彼はキスもセックスも上手だったが、途中で曲を書き出すのはさすがに勘弁してほしかった。
その頃が、一番幸せだったのだと、今になって気づく。
二年前のある寒い冬の日の朝、レオは忽然と、泉の前から姿を消したのだった。
同じベッドで寝ていたはずのレオの姿はなく、彼の服も、靴も、食器も楽譜も消えていた。窓の外で降る雪がコンクリートの地面に触れる音が聞こえそうなほど静まり返った部屋に、心臓がドクドクと脈打っている。
スマートフォンを手に取ると、その液晶画面に『留守番電話に一件のメッセージがあります』という通知が浮かんだ。発信元は非通知だった。恐る恐るそれをタップし、音量を上げる。
機械的な音声案内の後に、ピー、と甲高い音がなる。少しの沈黙、そして、微かな雑踏と、聞き慣れた声がスピーカーから溢れてきた。
「……セナ、急に出ていってごめん。でもいつか、この関係も終わりにしようと思ってた。セナも、その方がいいだろ?ごっこ遊びはもうおしまいだ。おまえとはもう会わない。じゃあな、元気で」
メッセージの終了を告げる機械音が鼓膜を震わす。
冷たいスマートフォンを握ったまま、泉は身動きできなかった。
そのメッセージは、つま��、ふたりの間にあった関係に終止符を打つもので、レオはあっさりと泉の傍を離れてしまった。昨晩だってあんなに優しく泉を抱いたのに、所詮それは演技にすぎなかったのだ。そんなことを信じたくないし、信じてもいないけれど、ただ、レオがふたたび泉のそばからいなくなってしまった、ということだけが事実として残った。
いつから、どうして、という疑問が浮かんでは消える。そんなの直接言いなよ、という怒りを覚えて、どこが悪かったの、と問い詰めたくなる。
————ちゃんと愛してるってれおくんみたいに言葉で伝えれば良かったのかな。きっと、俺の愛は、れおくんに、伝わってなかったんだ。
悲しみも怒りも虚しさも悔恨も、すべてをぐちゃぐちゃに掻き混ぜてできた感情が喉の奥から迫り上がり、泉はベッドに飛び乗って枕に顔を埋めた。涙と嗚咽がひとりの部屋に響いたのが、滑稽で、無様で、哀しくて、泉は声を押し殺して泣いた。
レオのいない部屋はひどく寒くて広く感じた。
ふたりぶんのうち、ひとりぶんが消えた。
レオがいなくなってしまった。
実感が湧かないまま、食事も取らずに仕事に没頭していた。あっという間に減っていった体重にも、なんとも思わなかった。
そして、とうとう撮影現場のスタジオで倒れた。その頃のことはよく覚えていない。ただ、目を覚ますと楽屋のソファーに横になっていて、そばにはカメラマンの男がいた。
「気がついた?」
その優しい声色に、勝手にレオを重ねていた。
だからその出来事の数日後、一緒に洒落たバーに行ったとき、告白されて嫌な気はしなかった。いいよ、とだけ返事をした。
彼の住むマンションは都心にあり、主に泉の撮影現場となるスタジオにも近かったため、ほとんど同棲状態になった。
彼は写真の腕ももちろん、優しく紳士的で、料理もキスもセックスも上手かった。
それでも、レオを失った虚しさはいつもどこかにあった。泉はたびたび留守番電話に残された彼の声を聞いた。
いなくなったあの日から、レオのスマートフォンに何度も電話を入れた。しかし、聞こえるのは無機質な自動音声だけだった。
カメラマンの男といても、考えるのはレオのことばかりだった。
れおくんだったらもっと乱暴にしてくれるのに、優しくしてくれるのに、笑い飛ばしてくれるのに。
触れ合う肌がレオのものより冷たいことに、泉は泣きたくなった。
泉が求めているのは、レオだけなのだ。
◇
カメラマンの男と付き合い始めて二ヶ月。運の悪いことに、彼と一緒にいるところを同じスタジオにいた凜月に目撃され、強引に個室のあるレストランに連れて行かれた。
赤ワインとトマトサラダを頼み終え、店員が個室から出て行くと、凜月は泉に向き直った。
「……あのカメラマンと付き合ってんの?」
凜月は心底嫌そうな顔をしながらそう訊いた。そうだよ、と答えるとますます嫌悪感を露わにした。
「『王さま』はどうしたのさ。最近急に見てないし連絡も来てないけど」
先ほどとは違い、泉を咎めるような声ではない。
「……その呼び方よしなよ」
「あぁ、ごめん。もう大人だもんね、じゃあ、れおくん」
本当に意地の悪いガキだと思いながら、目の前の男を睨む。ほら、と凜月が促したところで店員がやってきてグラスと赤ワインのボトルを一本置いていった。
凜月は黙って二つのグラスにワインを注いだ。その色は、凜月の瞳と同じだった。
「……れおくんが、」
この先の言葉を、続けたら。そう考えると唇が震え、喉が締め付けられ、声が出なかった。
言って、と凜月が柔らかな声で宥めた。泉はグラスを傾けて、アルコールを胃に流し込んだ。それを終えたと同時に、 小さな声で絞り出すように呟いた、
「……れおくんが、いなくなった、」
大きく息を吐くと、アルコールの匂いが嫌でも分かった。
凜月は、真紅の瞳を泉に向けた。
「探さないの、」
そう言いながら、泉のグラスに赤ワインを注ぐ。それをまた飲み干す。だめな飲み方だと分かっていても、身体がアルコールに頼ってしまう。
「……探してる、けど、」
泉の言葉の続きを凜月は求めなかった。代わりに、泉を見つめて目を細めた。
「またおんなじこと繰り返すの? もういい大人なのに?」
「大人だから、しょうがないこともあるでしょ」
「『王さま』に会いたくないの、」
ふたたびグラスを手に取ろうとしたとき、一気に酔いが回った気がして、胃の奥から何かがせり上がってくる感覚がした。口元を押さえた泉に、凜月は、げ、と顔を引きつらせ、慌てて泉を立たせてトイレへ向かう。
個室に駆け込み、泉は空の胃から吐き出した。
「ほんっと、今日のセッちゃん、チョ〜うざい」
トイレのドア越しに凜月の声が聞こえた。
◇
スマートフォンのアラームで起こされる。目を開ければ、下瞼の縁に沿って、一滴の雫が流れた。それに気づいて、慌ててそれを手の甲で拭う。
さきほどまで見ていた朧げな幻を思い出そうとする。五人で籠城していた学院内のスタジオ、その窓から射し込む淡い夕焼け色の光が彼の頰を照らしていた。その首に手編みのマフラーを巻いてやれば、彼は嬉しそうに笑って、なにか口にした。その声を思い出そうとしても、懐かしい夢は淀んで消えていく。
寒さに身を縮めながら、ベッドから身を起こす。窓の外では粉雪がちらちらと舞っていた。
レオは、渡り鳥のように、どこか暖かい場所に向かっただろうか。ひとりで冬の寒さに凍えていないだろうか。
温かいココアでも作ろうとお湯を���かす。やかんが鳴るまで、寒さに鼻を赤く染めた夢の中の彼のことを考えていた。
5
ゲイバーらしからぬ外観には、電飾が増えていた。開け放たれたドアからは大音量のクラブミュージックが流れてくる。
ヘアアイロンをかけてまっすぐになった髪を流し、薄く色づいた縁なしサングラスを掛けていれば、スキャンダルに発展することもないだろう。黒いシャツの上にはファーコートを羽織り、ボルドーのベロア素材のパンツを合わせた普段しないような格好だから、なおさら。
腕を組んだレナードは、長髪をひとつにまとめたためか、幾分大人っぽく見えた。服装はTシャツに薄手のパーカーと革製のジャケットを重ね、ダメージジーンズに厚底のブーツ。泉の見立ては間違っていなかったらしく、よく似合っている。
「恋人らしく、って言っても、おまえは普通にしてていいから」
と言いながら、彼が泉の腰に腕を回す。普通でなんかいられるものか、と思いながら、緊張が伝わらないように頷いた。
なぜ泉がゲイバーのパーティーに来ているのか、もちろんレナードの誘いだった。
出会ってから、ふたりは友人として距離を縮めていた。一緒に食事をすることはもちろん、買い物をしたり、レナードが好きなジャズの店に行ったりもした。
数日前、衣装合わせの終わりにスマートフォンを確認すると、レナードからメールが入っていた。
『二十時に俺の店に来れる?』
そのメッセージに泉は躊躇うことなく、
『分かった』
とだけ返事をした。
泉の方が先に席に着いていると、レナードは申し訳なさそうな顔をしながら、エプロン姿でやってきた。
「ごめん、ちょっと打ち合わせが長引いて」
「打ち合わせ?」
泉がそう聞き返すと、レナードはジャケットを脱ぎながら頷いた。
「来週の週末に、あのバーでパーティーを開くんだ」
「パーティー?」
「そう。開店五周年祝い。歌って踊って一晩中飲み明かす、ってわけ」
「へぇ……」
「だから頼みたいんだけど、おれの恋人役してくれない?」
だから、が意味をなさない脈絡のない頼みに、泉は眉間にしわを寄せた。
「……なんで?」
「実はさぁ、ひとりの客からすごいアタックされてて。おれはバイだけど、誰でもいいってわけじゃないからさ、恋人がいるって嘘吐いてはぐらかしてるんだよ。でも今回のパーティーは恋人がいる奴は、その恋人を連れてくるっていう暗黙のルールがあってさぁ、困ってるんだよね」
「嘘吐くあんたが悪いでしょ、それは」
「分かってる、分かってるけど……! このままだと俺の貞操が危ないんだよ!」
だったらゲイバーのアルバイトなんて始めなきゃ良かったのに、と思いながらも、彼に恩を感じていないわけではない。だから、
「しょうがないなぁ」
と肩を竦めて承諾してしまうのだった。
レナードは、
「ありがとう、イズミ」
と嬉しそうに言いながら、メニューに手を伸ばした。
店に入ると早速レナードは声を掛けられた。女装した男たちだった。
「Wow! Is he your boyfriend?(そちらがレナードの恋人?)」
「So cute!(やだ、可愛いじゃない)」
その言葉にレナードは笑って、そうだろ、と流していた。
彼女ら(と言うべきなのだろう)の横を通り過ぎて、レナードが誰かを見つけたらしく、足を止めた。
「俺、オーナーに挨拶してくるから、そこのカウンターに座って待っててよ」
と言われ、レナードは出入り口のドアの横へ向かって戻っていく。泉は彼の指示通り空いている席に座ってカウンター越しに、バーテンダーにアルコール度数の低いサワーを頼んだ。
差し出されたそれをちびちびと飲みながら、辺りを見渡す。ゲイじゃなくても入れるこの店は、多くの男女で溢れていた。ダンスフロアではDJを囲み、アルコールに酔った人々が曲に合わせて踊っていた。壁に背中を凭れて酒を飲みながら楽しそうに談笑している人々も多い。隅では、ゲイのカップルがキスを交わし、周りの友人たちから冷やかされて恥ずかしそうに、しかし幸せそうに、はにかんでいた。
自由に踊り、笑い、キスをする彼らが羨ましかった。大事な人とこんなふうに一緒に時間を過ごせることほど幸せなことはないと、泉はもう知ってしまっているから、余計にひとりで心細くなった。
ハァイ、と声を掛けられて振り返った。背の高い細身の男が、グラスを片手に人好きのする微笑を浮かべていた。
「Is the seat free? (ここ、いいかな?)」
と問いながら、泉の返事を待たずに隣の椅子に腰掛ける。
「Did you come alone today? (ひとりで来たの?)」
「No.(いえ)」
首を横に振りながら答えると、彼はグラスの中のワインを一口飲み、それからまじまじと泉を見た。
「Are you Japanese? You’re very beautiful.(君は日本人? とっても綺麗だ)」
それが分かりやすい口説き文句だとすぐに理解できた。サンキュー、と愛想笑いをしながら、目だけでレナードを探す。彼の貞操を守るどころか、これでは自分の貞操が危うくなりそうだ。
実際、彼は既に相当アルコールを摂取しているらしい。香水に混じって酒の匂いがするし、目尻は赤く染まっている。彼が何か言ったが、泉は聞き取ることができなかった。気づけば、彼の手が泉の耳に伸びる。こういうとき、何と言ったらいいか分からない。
彼の腕を掴もうとしたところで、後ろから声がした。
「Keep your hands away from my sir.(おれのツレに手ぇ出すなよ)」
振り返れば、煙草を唇から離して白煙を吐くレナードがいた。目の前のイギリス人は驚いたように目を見開いて、優しい声色で言った。
「Such a beautiful sir is yours?(レナードのツレ? こんな綺麗な子が?)」
どうやらこの店の常連客らしい。レナードは呆れたように、悪いかよ、と答えていた。
彼は不機嫌な顔で近くにあったカウンターの上の灰皿を引寄せて無造作に火を消して、泉を見た。その目がこちらに来い、と言っていた。泉が立ち上がって近づくと、腰に腕が回され、耳元で囁かれる。
「ごめん、キスさせて、」
驚いて彼から離れようとしたが、さらに身体を引かれて泉は顔をしかめた。
「どうしてそこまで、」
「こうでもしないと、あいつ、おまえを犯しかねないんだよ、」
その言葉は間違ってはいない。溜息をひとつ、いいよ、と言い終わらないうちに唇を塞がれた。
レナードは泉の腰にあった腕をほどき、今度は首の後ろに回した。
泉が柔らかな感触に驚いて唇を閉じ切らなかったのをいいことに、彼は乱暴に舌を入れてきた。熱と重たい煙草の味が、泉の理性を溶かしていく。泉が苦しげに鼻から息を吐けば、彼は時折唇を離し、また重ねてきた。そのたびに、透明な糸が切なげにふたりの唇の間で光る。
「ん、」
思わず声が漏れ、体温が上がっていくのがわかった。いつの間にか周りの人々が観衆となっていた。彼らの冷やかす歓声と大音量のクラブミュージックで満ちているから、周りの人々には聞こえなかっただろう。
しかし、目の前にいる男は違う。
さらに泉を攻め立てる。首に回った右手は頸をなぞり、そして耳裏に触れた。左手はシャツの裾から入り込み、背中を這う。硬い指の腹は、まっすぐな背筋を辿っていく。
薄目を開ければ、彼は緑色の瞳を満足気に細めていた。その表情に悔しくなって、泉も反撃の一手に出る。
彼の細い腰に回していた手を離し、シャツの隙間から露わになった鎖骨に触れる。間の窪みを押せば、彼は興奮し切った瞳で泉を見た。
熱を持ったその肌に、舌に、眼差しに、泥酔した気分になって、腰が砕けそうだ。下腹部が限界を訴えて痛む。
泉は彼の胸元を軽く叩いた。
彼は、薄い唇の端から垂れた、もはやどちらのものか分から��い唾液を拭った。その指先が、あまりにも扇情的で。
「……イズミ、来い」
手首を掴まれ、泉の返答を待たずに歩き出す。周りの男たちは楽しそうに笑い、手を叩き、そしてグラスを空けた。
「It’s getting hot here!(お熱いねぇ!)」
観衆のうちの誰かの冷やかす声を背中に受けて、ふたりは賑やかな狭い店を足早に出た。
レナードが連れてきたのは、裏口を入ってすぐ横にある、従業員用のトイレだった。タイルの壁や床には汚れが残っていれば、使用期限の切れた芳香剤が汚い便器の横に転がっている。それでいて窓はなく、低い天井の小さな換気扇が音を立てて回っていた。
レナードは後ろ手で鍵を閉め、変わらず熱っぽい瞳で泉を見つめた。
「……野次馬の中に、例のやつもいた」
「あんたのことを好いてる人?」
「あいつ、諦めはいいから、もう大丈夫」
我慢できない、というふうに彼が泉を引き寄せる。それを制止しながら、泉は彼を見つめる。
「俺の貞操の方が危うくなるところだった」
「うん、ごめん、ひとりにして、」
レナードの指が泉の唇の輪郭をなぞる。
「……キスしてるときも綺麗だ、」
「当たり前でしょ」
きっと、自分も同じくらい熱のある眼差しを彼に向けてしまっているのだろう。興奮し切った身体は、自分自身で制御できない。
彼は、今度は優しく啄ばむようにキスをしてきた。いじらしくなって、思わずその腕を引いた。
まるで、レオとキスしているかのようなのだ。容姿も、キスの仕方も、そっくりで嫌になる。ただ、こんな苦い味はしない。彼は煙草を吸わなかった。
「……泉、」
彼の手が泉の腰を撫でた。
「したい、」
まっすぐ向けられた視線に侵食される。目の前にいる男が、月永レオにしか見えなくなって、縋るように彼を抱き締めた。
「……俺も、」
ゆっくりと意識が浮上し、泉は瞼を持ち上げた。冬の朝に相応しい寒さに、泉は布団を引き寄せた。
昨晩隣で寝ていたはずのレナードの姿はない。腕を伸ばしてスマートフォンを引き寄せれば、その液晶画面には午前九時を示す数字が浮かんでいた。
上半身を起こしてから後悔する。ずきずきと腰が痛み、目を伏せた。
昨晩、レナードは泉を慰めた。トイレでキスをしただけなのに、泉の足腰には力が入らなかった。レナードは呆れたように、けれど欲情に満ちた目を、黙って細めた。泉を軽々とおぶり、バーからさほど離れていない彼の部屋に向かった。
暗がりの中、レナードは服を脱がなかった。最初はそれをずるい、と思った。隣室から壁を叩かれもした。しかし、すぐにそんなことはどうでも良くなって、泉は快感によがった。お互いを擦り合わせるだけでも、死んでしまうのではないかと思うほど、気持ち良くて、ふたりは大きく息を吐いて同時に果てた。あのときの、彼の濡れた瞳が脳裏に浮かんで、腰とはまた違う場所が微かに痛んだ。
バスルームからは水が弾ける音がする。昨晩、行為の後に泉がシャワーを借りて脱衣所から出ると、彼はそのままベッドで寝ていた。泉より早く起きて、身体の汚れを落としているのだろう。
獣を連想させた瞳は伏せられ、寝顔は少し幼くて、あまりにも、彼に似ていた。
それを思い出して、泉は柔らかな毛布に顔を埋めた。
レナードは、レオじゃないのに。
「……ごめん、」
小さく呟いた言葉は、冷たい空気に吸い込まれて消えていった。
6
泉とレナードが身体を重ねたのは、あのパーティーの夜だけだった。その後、レナードも泉もお互いを求めはしなかったし、泉の方は求めてはいけないような気がしていた。
レオは他の誰でもないのに、他人のどこかにレオを重ねようと必死に足掻いて、寂しさを埋めようだなんて、レオに、重ねられる彼らに対して、あまりにも不誠実だと気付いているから。
月永レオはただひとりであって、その代わりなどいないのだ。
パーティーの三日後の夜のことだった。その日は日暮れから雨が降り出し、夜が更けるにつれて雨脚は強まっていった。
十一時を回った頃、チャイムが鳴った。マネージャーだろうか、と思いながらドアスコープを覗くと、濡れ鼠になったレナードがいた。
慌ててドアを開けると、
「Good evening.」
彼はへらっと笑った。
「なんで傘差してないの」
「途中で折れたんだ。その上飛行機は欠航だよ。もちろん部屋も引き払っちゃったし、空港に寝泊まりするのは嫌だし……だから、な、泊めてくれよ」
彼の右手には大きなスーツケースがあった。どうやら本当に飛行機に乗ってロンドンを発つつもりだったらしい。髪の毛先やコートの裾からぽたぽたと水滴を垂らすレナードを訝しげに見ながら、他の住人が外廊下を歩いていった。
「……分かった、いいよ」
そう答えれば、ありがと、と彼は笑い、シャワールームへと直行した。
新品のバスタオルと自分のパジャマを脱衣所に置いといてやり、彼の濡れた服を洗濯機に突っ込んだ。
熱い湯を浴びた彼は、髪を乾かしながら泉に話し出した。
「母さんの具合が悪くなったから、実家へ帰るよ」
「……ロンドンには、もう帰らないの」
「うん。元々こっちに来ること、反対されてたから」
長い髪はドライヤーの熱風に晒され、乾いて靡いた。
「だから、おまえと会えるのも今日で最後だ」
「別に、スマホがあるから連絡なんかいつでも取れるでしょ」
「……うん」
ドライヤーの電源を切って、彼は寂しそうに笑った顔を泉に向けた。
ベッド使っていいよ、と言ってソファーで眠ろうとすると、腕を引かれてベッドに連れていかれる。彼は壁際に寄って、
「いいじゃん、一緒に寝れば」
ほら、と空いたスペースを手で叩いた。
「あんたのベッドじゃないけどねぇ」
という文句を言いながらも、泉はおとなしくベッドに潜った。
「人肌が恋しいんだよ」
「よく言うよ」
「本当だよ。おまえと離れるのが寂しい」
レナードは泉を見つめた。その眼差しに、泉は目を逸らす。
「それ以外はしないから、抱きしめてもいい?」
静かな声に、泉は黙って頷いた。彼は泉の背中にそっと腕を回した。その温もりと重さに、泉は唇を噛んだ。
「おれと、おまえの大事なひとが似てるって、言ったじゃん」
「そうだねぇ」
出会ったあの日、そんなに似てる? と言った彼の表情が脳裏に浮かぶ。
「……イズミは、そいつのことが好きだったのか?」
レナードはそう訊いた。泉は寝返りを打ち、彼に背中を向けて答えた。
「愛してる」
レナードは、エメラルドの双眸を瞠り、そうか、とだけ返事をした。泉は、うん、とだけ言った。そのあとは、ふたりとも、もうなにも言わなかった。
窓の外、雨が地面を打つ。その音を包み込むように夜は深まっていく。目を閉じれば、背中越しに彼の鼓動が聞こえた。
目を覚ますと、レナードの姿はなかった。ベッドには彼の分の温もりが残っている。
今頃、空港に向かっているのだろう。何時のフライトか聞き忘れたことを後悔しながら、泉はベッドから出て、キッチンへ向かった。
ペットボトルのミネラルウォーターを飲みながら、ふと、ダイニングテーブルに目をやった。
その上に、マフラーがあった。赤い毛糸で編まれたそれに、泉は、まさか、と思いながら手を伸ばす。
編み方から、手作りだと分かる。端の方に、小さな王冠のワッペン、金色の糸で、"L.T"のイニシャルが刺繍が施されていた。
間違いなかった。そのマフラーに顔を埋めた。懐かしい匂いに泉は目を閉じた。
————ありがとな、セナ!
思い出すのは、さきほどまで隣で眠っていた男ではない。
ぱっと顔を上げて、泉は素早く着替えてコートを羽織った。スマートフォンを引っ掴んでマネージャーに、
『体調が悪いから打ち合わせは俺抜きでやっておいて』
とメールを送っておく。マフラーを手に部屋を出て、タクシーに飛び乗った。
◇
空港は、相変わらず多くの人で溢れていた。クリスマス休暇を使ってロンドンへ来る人、ロンドンから他国へ出る人が多いのだろう。
そんな人混みを縫うように泉は走った。
搭乗を知らせるアナウンスと雑踏、売店から流れるBGMのクリスマスソングが入り混じっている。
もう飛行機に乗り込んでしまったかもしれない。どこの国へ行くのかも聞かなかったから時間も分からない。
出るとは思わなかったが、彼の番号に電話を掛けた。自分のスマートフォンから呼び出し音が虚しく聞こえる。
留守番電話にメッセージを残そうと思った————その時だった。
近くで誰かの携帯電話が鳴っているのが聞こえた。
その着信音は、彼のスマートフォンのものと、同じだった。
ぐるりと周りを見渡した。
人々が身に纏う服の色がやけにくすんで見え、動きもゆっくりに見えた。今まではっきり聞こえていた音も遠ざかる。
泉の視線の先、揺れる赤毛が見えた。
人混みの中、異様な存在感に泉は息を呑む。
泉は無意識のうちにふたたび駆け出した。
「待って!」
そう叫べば、周りの人々が驚いたように泉の方を見て、また素知らぬふりして、スーツケースを引っ張りながら歩いていく。
彼は振り返らずにすたすたと歩く。聞こえてるくせに、そう思うと泣きたくなって、大きく息を吐いた。
「待ってよ、ねぇ、……れおくん!」
震えた声に、赤毛の男が立ち止まった。
彼に追いついた泉は、その腕をぐい、と強く引いた。
振り向いた彼が、は、と小さく息を漏らした。
ゆらり、とエメラルドの中の光が揺らぐ。
それは、泉の姿だけを映していた。
空気に晒された細い首に、そっと、赤いマフラーを巻いてやる。
「……こんなの、まだ持ってたの、」
震えた声でそう問えば、張り詰めていた緊張が解けたように、彼は、優しく笑った。
泉の大好きだったそれが変わっていないことに、堪えていた涙が零れて頬を伝う。
「……大事な、おまえとの思い出だから」
ずっと、この日が来るのを願っていた。
セナ、と呼ぶその声を、ずっと、ずっと聞きたかった。
間違いなくそれは、レオのもので。
強く腕を引かれ、抱き竦められる。背中に回された腕も、顔を埋めた肩も、泉の頰に触れる赤毛も、ぬくい体温も、ぜんぶ、ぜんぶレオのものでしかなかった。
「……二年間、おまえのことしか、考えてなかった、考えられなかった」
「うん」
耳元で囁かれる言葉に、上手く返事ができない。涙がレオのコートの肩を濡らす。
「ひとりにしてごめん、勝手にいなくなってごめんな」
「……ほんとだよ、バカ」
「愛してる、愛してるよ、セナ。もう、いなくならないから、離れないから、おれと、一緒にいて、おれの、傍にいて……」
レオの声も、肩も、震えていた。彼の背中に両腕を回し、力を込めた。彼がもうどこかへ消えてしまわないように。
「うん、ずっと一緒にいる、もう二度と、離れないから」
涙で濡れた声を絞り出す。
「……ずっと、れおくんを、探してたよ」
7
二年前の、クリスマスも近い夜だった。街は煌びやかなイルミネーションで飾り立てられ、浮かれたクリスマスソングと人々のざわめきで満ちていた。
レオと泉は久々にオフが重なり、レストランで食事を取ることにした。
ふたりは向かい合って、美味しいディナーとワインを嗜みながら、他愛の無い話をした。
泉は、以前テレビ局の廊下で偶然会ったらKnightsで集まりたいと駄々を捏ねられたこと、クラスメイトだった千秋が特撮の主演に選ばれたこと、今度UNDEADのライブに凜月と行くことになったこと、自分がブランドの広告塔に抜擢されたこと、などを楽しそうに話した。レオは、適度にお酒が入ると饒舌になる泉を愛おしく思いながらそれを聞いた。
店を出る頃、夜は静かに深まっていた。紺色の艶やかな空には、白い星々が人工の光に負けないようにと明るく光っている。南にはオリオン座が一際輝きながら浮かんでいた。
泉は、お気に入りのコートのポケットに両手を入れながら、寒そうにレオの半歩前���歩いていた。
「セナぁ、」
と呼べば、
「なぁに、」
と少しだけ火照った顔をレオに向けた。ワイン数杯で十分酔った泉はあまりにも無防備で、今すぐに食べてしまいたい、と思った。だから、その首の後ろに腕を回してキスをした。サングラスの下、彼が驚いたように目を見開いたのがわかった。
「……外だよ、」
「誰もいねえじゃん」
「そういう問題じゃ、」
ないでしょお、と文句を言おうとしたその口を再び塞ぐ。下唇を噛んでやれば、期待を含んだ濡れた眼でレオを見つめた。たぶん、ここからホテル街が近いのを、泉も知っている。
「……セナ、行くぞ」
泉はなにも言わない代わりに、繋いだ右手に少しだけ、力を込めた。
あの時の温かい手を、今でもレオは忘れていない。
その数日後のことだった。
打ち合わせが終わり、スタジオを出たレオは、ロビーのソファーに座っていた男に呼び止められた。
「……月永レオくん、だよね?」
「そうだけど、」
と立ち止まって答えれば、レオの前に立った彼は名刺を差し出した。そこには、名前と職業が印字してあった。それを見て、あ、と思った。
泉が仕事で世話になっているらしいカメラマンだ。泉と一緒にいるのを見かけたことがあるし、泉からも度々話題が出るので、レオもなんとなく覚えていた。
どうも、と名刺を受け取りながら、背の高い彼を見上げる。彼はにこり、と微笑んで言った。
「折り入った話があるんだ。あまり人に聞かれたくないから、会議室を借りた。そこで話せるかい?」
レオは、嫌な胸騒ぎを抑え込むように黙って頷いた。
小会議室に入ると、彼は丁寧に内鍵を掛けた。
そして、カバンから取り出したのは一枚のプリントだった。怪訝そうな顔をするレオをよそに、彼は見開きページを開けて、レオの前に差し出した。
画質のいい写真数枚と、大きな見出し、そして記者が書いた文章が並んでいた。
それに、レオは思わず息を呑んだ。
「こ、れ……」
その写真には泉とレオが路上でキスをしたり、手をつないだりしているところがはっきりと写っていた。
「週刊誌の原稿だ。まだ印刷も発売もされる前のものだよ」
服装や場所からして、先日、ふたりで夕食を食べた後のものだ。
「その反応は、間違いないってことだよね?」
男は真剣な瞳でレオを見つめた。沈黙を肯定と受け取った男は、写真を一瞥する。
「僕は、この写真を撮った男の弱みを握っている。僕の力でこれを揉み消すことができる」
は、と顔を上げたレオに、男は優しく微笑んだ。
「……君が条件を飲むなら、ね」
その低い声に、レオは、全身の筋肉が強張るのが分かった。
「……条件って、なんだよ」
「なに、そんな身構えなくていい、簡単なことさ」
男は優雅な手つきで煙草を咥え、その先にライターで火をつけた。
「瀬名泉と別れろ」
突きつけられた言葉を瞬時に理解できなかった。ただ、言葉がひとりでに溢れる。
「どうして、」
「どうして、だって? 分かるだろう、この記事はそのまま来週の週刊誌に載るよ。メディアに取り上げられ、未だ同性愛に厳しい世間は大騒ぎだ。フリーで活動する君とはちがって、唯一無二の宝石のようなイメージを持たれている瀬名泉にとって、このゴシップは大ダメージだろう」
口を開きかけたレオの言葉を遮るように、彼はまくし立てる。
「加えて、君の母校にとっても。同じユニットメンバーだった後輩が、まだ在籍中だろう?きっと彼も被害を被るさ。君らのせいでね」
その言葉に、真新しい衣装をまとった司の姿が脳裏に浮かんだ。
泉は、司のことをよく気にかけていた。どこまでも面倒見が良い男は、弟が心配なのだろう。レオにもその気持ちがわかる。
まだ長い煙草が、灰皿に押し付けられた。彼は追い討ちをかけるように、にこりと微笑を浮かべる。
その表情には、冷徹さしか感じない。
「君のせいで、瀬名泉は穢れるのさ、月永レオ」
どくどくと心臓が脈打っている。喉を絞められているかのように苦しい。
れおくん、と呼ぶ彼の姿が瞼の裏に浮かぶ。
有名なブランドの広告塔に選ばれたんだよねぇ、と言いながら見せた、昨晩の嬉しそうな表情。
店頭に並ぶ、彼が表紙を飾った多くの雑誌。
群青のブレザーを纏い、かつての仲間を睨む瞳。
————あのとき、彼は泣いていた。
おれが、セナを汚してしまった。
あの赦されない罪を、また、ふたたび、おれは繰り返してしまうのか。
レオは、記事から目を離し、目の前の男をまっすぐ見据えた。
「……分かった」
別れるよ。
そう告げると、男は満足そうに目を細めた。
◇
泉の部屋に帰ってきて、レオはベッドに腰掛けて、二年前のことを話した。そしてその後、泉のスマートフォンに留守番電話を残して、日本を出たのだ、と。
泉は、呆然と、レオを見つめた。
「あのとき、酷いこと言って、ごめん。おれ、けっきょく昔と変わってなかったんだ。おまえのことが大事だからって、セナを傷つけるような道を、選んで、おまえを、傍で守り続けられなかった、離れることしか、できなかった……なぁ、セナ、ごめん、ごめん……」
ぽろぽろと溢れる涙は、宝石のように美しく、哀しい光を放った。その煌めきを一粒一粒、零さないように泉は指で拭う。
「……泣かないでよ、れおくんは悪くないでしょ。あんたは俺を守ってくれたよ。寂しかったけど、でも、でもこうして、またちゃんと会えたから、ねえ、れおくん、もういいよ、だいじょうぶ、だいじょうぶだから、」
言葉を紡げば紡ぐほど、涙が溢れ出してきた。いずみ、と呼ばれて、涙で濡れた頰をレオが撫でる。
彼の瞳に映った自分は、見たことのない、みっともない顔をしていた。でも、今なら言える気がした。
「……もう、二度と離れないで、」
ずっと、言えなかった。言葉にしたら叶わない気がしていた。けれど今なら。
レオの小指が、泉のそれを絡め取る。
「約束する」
本当に? と訊けば、キスをされた。熱い唇が離れていき、は、と吐いた息が混じり合う。
「……今の、誓いのキスな」
レオが紡ぐありきたりな言葉に、泉は笑った。
レオが慣れた手つきで泉のシャツのボタンを外していく。
「……いつからこっちにいたの」
「おまえと別れてすぐ」
細くくびれた腰をレオの指がなぞり、思わず声が漏れた。
「で、学生時代知り合ったやつがあのバーで働いてて、そのツテでバイトさせてもらえることになったわけ。ゲイバーって思ったより危険でさぁ、おれは何度ケツを狙われたかわかんない」
「……したの、」
「してないって」
「うそ」
「セナこそ、あの変態カメラマンと何回もしたんだろ」
言葉に詰まった泉を、レオは冷たい目で見下ろした。自分の被虐心を許しそうになってしまうその目線に、泉は息を吐いた。
レオは、泉が一番触ってもらいたいところには触れず、胸元に唇を寄せる。
「おれ、あの後スランプにも不能にもなってさ。おまえとバーのトイレでしたときに治ったんだよ、両方」
「ば、バッカじゃないのぉ!?」
と絶叫すれば、レオは舌を這わした。
「や、ァ、それ、やだ……っ」
泉は羞恥に自分の顔を覆った。レオの長い指が、泉が履いたパンツのジッパーを下げ、下着を脱がす。
おれさ、という声がいつもより低く聞こえて、心臓が痛いくらいに脈打った。そっと目を開けば、劣情と興奮を混ぜた色の捕食者の瞳が泉だけを見つめていた。
「おまえにしか興奮できないんだよ、セナ」
反らした首筋に優しく噛みつかれ、泉ははしたなく嬌声を上げた。レオは満足げに目を細め、今度は歯型が残るほど、強めに噛まれる。
レオの汗が泉の鎖骨に落ち、泉のものと混ざっていく。
あちこちに紅い痕が浮かぶ身体を捩れば、強い力で押さえられ、身動きが取れなくなった。
肩で息をしながら、泉はレオを睨んだ。
「明日、撮影なんだから、さぁ……!」
「二年越しのおれとのセックスと、毎日してる撮影、どっちが大事なんだよ!?」
と凄まれて、
「……れおくん、」
と答えてしまった泉の自業自得だ。明日、現場でなんと言われるか分からない。
しかし、あっという間にそんなこともどうでもよくなる。
触れる汗ばんだ肌はレオのものでしかない。その汗の匂いも、獣じみた深緑の瞳の光も、二年前となんら変わっていなかった。舌は煙草の味がするし、苦しそうに眉を寄せるその表情は、少し大人びたかもしれないけれど。
「あの後、おまえが、あんな男とセックスしてたとか本当にムカつく!」
あんな男、とは、あのカメラマンしかいない。
「俺だって、自分に、腹が立って、る!」
「ねぇ、あいつと何回した? どういうふうに抱かれた?」
「思い出させないでよ、萎える、」
「おまえの口から萎える、とか聞きたくなかった、な!」
「あっ、ちょ、ばか……っ」
意地の悪い目に、背筋が震えた。
「おれとのが、気持ちいいだろ、セナ」
彼の首の後ろに両腕を回して引き寄せ、キスを求めれば、レオはそれに応えた。
「……れおくんがいいに、決まってるでしょ」
それからは、泉にも、レオにも、余裕などなかった。
泉は抵抗さえできず、ただよがって喘いだ。
レオは満足そうに舌舐めずりをし、薄い唇で泉の肌に口付け、強く吸った。そのとき、わざとらしく立てられる、ぢゅ、という音と、レオの熱い吐息を、敏感になった耳が捉え、その毒が全身に回っていく。
長い赤髪を、形の良い耳にかけてやった。彼は、まだ涙の跡が残ったままの、上気した顔を綻ばせた。
「いずみ、好き、愛してるよ」
「俺も、」
愛してる、と答えたと同時に、ふたりで果てた。
◇
目を覚ましてから、二年越しではなく、三日ぶりじゃないか、と冷静な頭が気づいた。
あぁ、でも、彼はレナードとして泉を抱いていたから、れおくんとのセックスは二年ぶりで正しいのかなぁ、なんて思いながら、隣で眠る彼の頬を撫でた。薄い瞼が震えて、ゆっくりと彼が眠りから覚醒する。微かに揺れたエメラルドが泉を映す。
「……セナ、」
そう呼ばれて、泉は、は、と短く息を吐いた。
何もかもを投げ出してしまいたい。ここから何処にも行きたくない。このままこの瞬間が続けばいい。そう、願った。
気づかぬうちに、涙が頬を伝っていた。レオの指先がそっとそれを拭い取る。
その優しさに、泉は目を閉じて、彼の胸元に頭を押し付けた。レオは黙って、その首の後ろに腕を回す。
「もう、おれ、どこにも逃げない。何があっても、誰が邪魔しても、セナのそばで、セナを愛し続けるよ」
顔を上げた泉の唇に、レオは優しくキスを落とした。
「もう泣くなよ、今日、撮影なんだろ?」
「うん、」
「何時から?」
「夜の六時」
「分かった。朝メシ、食べれる?」
泉が頷くと、彼は裸体を起こした。しなやかな筋肉のついた背中に、いくつもの自分の爪の痕を見つけて体温が上がった。
ふと自分の身体を見下ろせば、至るところに唇の跡が紅く残っていた。腹や背中、脚は百歩譲っていいとしても、腕や手首など人の目線に晒されるところにもお構いなしだ。
「れおくんのばか」
と言えば、ベッドから降りたレオが、え〜?と悪戯っぽく笑う。反省の色など微塵もない。
「だって気持ちよかったじゃん?」
そう言い放った彼に、泉は枕を投げつけた。
レオは慣れた手つきで朝食を作ってくれた。トーストに焼いた目玉焼きを乗せ、軽く塩胡椒を振った。その横に付け合わせのポテトサラダが添えられる。香りのいいコーヒーはマグカップに並々と注がれた。
レオは自分のコーヒーに砂糖を2杯、ミルクを少々入れながら、口を開いた。
「セナが来るって聞いたのは本当だ。あの日、おまえを見かけて、相変わらず綺麗だな、って思った。もしこれで話しかけてもらえなかったら諦めよう、そのまま違う国へ移ろうと思ってた。でも、おまえが泣きそうな顔しておれの名前を呼んだとき、おれはなんてばかだったんだろうって思った」
その言葉に、マグカップを取ろうとした手を引っ込める。
「……じゃあ、なんで、偽名で名乗ったの。れおくん本人だって、言ってくれれば良かったのに」
「……勇気がなかった」
レオは泉の手を離して、目を伏せた。
「おまえに嫌われてたら生きていけないと思った。勝手におまえから離れたおれを許してくれなかったら、って思ったら怖かった。だから咄嗟に別人として振る舞ったんだ」
でも結局、と彼は申し訳なさそうに微笑んだ。
「おまえを苦しめてることには変わりないよな、ごめんな」
れおくん、と呼べば、なぁにセナ、と彼は答える。
「……俺がどんだけれおくんのことを愛してるか、ちゃんと、解ってよ」
8
「I must apologize to you.(プロデューサーに謝らなければいけないことがあります)」
現場に入った泉の第一声に、プロデューサーをはじめ、スタッフたちは驚いたように目を瞬いた。
泉は視線の中、コートとセーターと、シャツを脱ぎ捨て、上半身を露わにした。
それを見たスタッフたちの何人かは驚き、何人かは苦笑いをした。そんな中で、
「It was a hot night,wasn’t it?(熱い夜だったんだねえ)」
とプロデューサーは楽しそうに笑った。
「I want take your skin if you don’t mind.(君が嫌でないなら、その肌を撮りたい)」
その提案に、泉は、安堵の息を吐き、
「Yes, my pleasure.」
と短く答えた。
◇
「れおくん、頼みがあるんだけど」
真剣な顔で泉にそう言われて、レオは緊張で肩を強張らせ、なに、とだけ返事をした。
ロンドンコレクションの当日。レオはファッション界の重要人物たちに囲まれながらコレクションの始まりを待っていた。泉が見立てたスーツをまとい、短く切った赤毛も美容院でセットしてもらったため、見劣りはしないだろうが落ち着けなかった。そんな中、胸ポケットの中のスマートフォンが震え、泉に呼び出されて、レオは今、関係者以外立ち入り禁止の楽屋にいるのだった。
目の前に立つ泉は、来冬の新作のファーコートを裸の上半身に羽織り、レザーパンツで脚のラインを強調している。化粧もすでに施しており、その美しさは何倍にも際立っていた。
泉はこのコレクションのファーストルック、つまり、最初にランウェイを歩く、という大役を務める。そこから業界からの泉に対する期待が窺えて、レオは泉を誇らしく思ったし、泉の他に適役はいないだろう、と思った。
���の姿に見惚れていると、
「聞いてる?」
と足を踏まれた。
「痛い! ……ごめんって、セナがあんまり綺麗だから」
彼の横髪に伸ばそうとした手を掴まれ、そのまま楽屋を出てトイレへ向かった。個室に入って後ろ手で鍵をかけた泉を、レオは見つめることしかできない。
「あの〜、セナさん、もう、あの、出番まで三十分くらいしかないのでは……?」
三十分じゃ終われないけど、というレオの言葉は泉に塞がれた。
「キスマークつけて、」
「……は?」
早く、と彼はコートの前を開けて胸元を晒した。
レオは泉に問いただすことをやめ、彼の言う通り、胸元に口付けた。
泉の細い腰を掴んで引き寄せると、コートの下の肩がびくりと小さく跳ねた。
ぢゅ、という音を立てて皮膚を吸えば、紅い痕が残った。胸から鎖骨、それから首筋、耳朶を食んで、最後に唇にキスをした。下唇に歯を立てれば、泉の長い睫毛が震えた。
顔を離すと、お互いの濡れた息が絡み合って消えた。涙が滲んだ瞳でレオを見つめながら、泉はコートを着直した。
「……セナ、どうしよ、」
「なに、」
「勃った」
泉は照れたように、バカ、と呆れ笑いしながらドアを開ける。その笑った顔は、初めて出会った頃からちっとも変わっていなかった。
「……俺の出番に間に合うようにしなよね」
そう言い残して、さっさと出て行ってしまった。あまりにも横暴だ。でも、これが二年間の罰だとしたら、あまりにも甘すぎる。
あと二十分か、と腕時計を確認して、もう一度個室の鍵を閉めた。鼻腔には、泉の香水の匂いがいつまでも残っていた。
観客席の照明は落とされ、中央に通る広いランウェイだけが照らされる。スタイリッシュな音楽が流れ出し、観客たちは皆スマートフォンを取り出し、その内蔵カメラを、世界中から集まったカメラマンたちは大きな一眼カメラをランウェイへ向けた。
ひとりのモデルが舞台に上がる。一斉にシャッターが切られ、フラッシュの光が彼を照らす。
決して高いとは言えない背でも、その身体には一切無駄がない。セットされた銀色の髪、ルージュを引かれた形の良い唇、まっすぐ前だけを見つめる薄青色の宝石のような瞳、ファーコートの前立てから覗く肌に点々と残された紅。
ランウェイの突き当たりで、彼はファーコートをはだけさせてみせた。蠱惑的で挑発的な笑みを、その美しい顔に浮かべて。
踵を返し、舞台へ戻る彼が一瞬だけ、レオの方を見た。その流し目に、レオは思わず息を呑んだ。
「Who is he?(彼は誰?)」
隣に座っていた女性が、連れの男性に問い掛ける。その男性は泉から目を離して彼女に答えた。
「He will be next top model. He is Izumi Sena,Japanese model!(次のトップモデルだ。イズミ・セナだよ、日本のモデルさ!)」
そうしてショーの直後に、あるブランドが公開した写真は、各界から絶賛された。
モノクロ加工が施され、色づいているのは澄み渡ったブルートパーズの瞳と、肌に刻まれた微かに見える官能的な赤いキスマークだけ。デザイナーの手書きでブランドのロゴとテーマが綴られた黒色の背景に、白い肌と身体を模る線がよく映えている。素肌にファーコートを羽織り、カメラから視線を外しているのは、日本人モデルだ。その美しさと危うさに、誰もが息を呑んだ。
期待の新星、瀬名泉に世界中が心を奪われたのだ。
◇
改札に向かう人々が足早に歩く。その足音と電車の出発を知らせるアナウンスが壁や天井にぶつかり、はねかえり、またぶつかって、絶えることなく駅を満たしていた。
その人混みの中に紛れて、ふたりは歩く。横に並んで歩いていたレオが急に立ち止まったことに気づくのに二秒かかって、その分遅れて泉は振り返った。
レオの目線は、壁の広告だけに注がれていた。少しだけ踵を返し、相変わらず細い手首を掴みながら、ちらりとその広告を見る。
「セナだ!」
まるで隠された宝物を発見した子供のように、レオは無邪気に笑った。
「うん、そうね。分かったから早く歩いて!」
足早に歩くサラリーマンや学生のうちの数人が、広告の前で立ち止まるふたりを煩わしそうに見ては、その横を通り過ぎていく。
泉はレオの手首を掴んだまま、出口に向かって歩き出す。
「ただでさえ電車が遅れて、あいつら待たせてるんだから急がないと」
「確かにあいつらには早く会いたいなぁ!」
「だったらさっさと歩く!」
しかし、レオが名残惜しそうに、泉が映った広告を振り返って見ているのが分かる。
一度強く手を引けば、レオは驚いたように泉を見た。
「……本物が隣にいるのに、満足できないわけぇ?」
嫌味ったらしく言ってやれば、レオは楽しげに笑った。
「どっちのセナも見てたいんだよ」
なんて言うのだから、やはり、レオの方が一枚上手だ、と思ってしまった。
ふたりが着いた頃には、他の��人はすでに席についていて談笑していた。
「も〜、遅いわよ、『王さま』、泉ちゃん!」
子どもみたいにわざとらしく両頬を膨らませた嵐を、泉は呆れた目で一瞥する。
「電車が遅れてるって連絡したでしょぉ」
「俺たちは待ちくたびれちゃったんだけど〜」
凜月は頬杖をつきながら、司からメニューを受け取った。
「ともあれ! 久々に先輩方とこうして集まることができて嬉しいです!」
と、司はまだあどけなさが抜けない顔でレオと泉に笑いかけた。
泉とレオの帰国の報せを聞いて、五人で集まろうと言い出したのはもちろん司だ。自ら寿司屋の個室を予約し、五人のスケジュールを考慮しつつ日程を決めたのも司だった。
「leader、今までどこでなにをしていらっしゃったのか、ちゃんと説明していただきます」
レオの腕を掴んで自分の隣に座らせる司の背丈は伸び、精悍な顔つきになっていた。高校を卒業して二年が経つ。大学に行きつつ芸能界の仕事もこなすことが、彼をここまで成長させたのだろう。
レオは、そんな司に呆れたように溜息を吐きながら、さっそく日本酒を注文していた。
「聞いているのですか、Leader!」
「まぁまぁ、司ちゃんもなにか飲むでしょう?」
興奮気味の司の隣に嵐が腰を下ろしてそう宥める。
そんな彼らを見ていると、
「セッちゃんはこっち〜」
と、凜月に横から腕を引かれた。
「なぁに、くまくん」
「『王さま』とは向こうで散々イチャついたんでしょ」
「ちょっと、そういう言い方やめてくれない?」
横目で睨めば、凜月は楽しそうに笑った。
注文していたアルコール類が来て、機嫌を直した司が音頭をとる。
「それでは、Leaderと瀬名先輩の帰国と、Knightsの再結集に、乾杯!」
「かんぱ〜い」
グラスやお猪口を合わせ、冷たいそれらを飲む。泉の頼んだウーロンハイは飲みやすく、この一杯だけにしておこう、と思った。
凜月は慣れた手つきで自分のグラスに二杯目の日本酒を注ぐ。
泉と凜月の向かいに座る三人は、さっそく寿司に箸を伸ばしている。数貫を確保すると、凜月は、
「じゃあ本題ね」
と声を潜めた。
「いいもの見せたげる」
凜月はにやりと意地の悪い笑みを浮かべながら、嵐のカバンから新聞を取り出した。どうせ、コンビニで買ってからこれを入れるカバンを持っていないことに気づき、嵐に持っていてもらうように頼んだのだろう。
でもなんで新聞なんか、と疑問を口に出そうとした泉の前に、一面が広げられた。
「これ、読んだ方がいいよ」
凜月が指差したそこに大きく書かれたのは、”有名カメラマン、モデルらへの性的暴行で逮捕”の文字。その下には見覚えのある男の顔写真があった。
「別れて良かったねぇ、セッちゃん」
にやりと笑う凜月に、泉は眉間にしわを寄せながら、新聞を手にとってその記事を読む。
一緒に撮影していた男性モデルの複数人を襲ったらしい。被害者は皆新人モデルだというから、きっと、逆らったら仕事がなくなる、とでも脅されたのだろう。被害者の何人かが被害届を出したことで明らかになったそうだ。
「怖いのはさ、セッちゃんと別れてから、急にだからね」
「そうだねぇ」
素直に頷けば、凜月は物言いたげに目を細めた。その虹彩の色は昔とまったく変わっていない。それだけじゃない、その風貌も18歳の頃とあまり違わない。
なにを言うでもなく、黙ってお互いを見つめていると、向かいから低い声がした。
「リッツ、」
は、と振り返れば、猪口に日本酒を注ぎながらレオが言葉を続ける。
「近すぎ」
凜月は悪戯を咎められた子どものようにぺろっと舌を出して、ごめんね、と謝った。
レオが顔を上げて、泉を見た。長い前髪の間から緑色の瞳が覗いた。その光に、泉はすぐに目を逸らす。ドク、ドク、と心臓がうるさく脈打った。
特別なステージの上や、幾度も重ねてきた夜に、泉だけに向けるそれだったから。
なんで、今、と鼓動が速まっていく。レオに向けられた熱がじわり、と泉を侵食していく。
それに気づかないふりを装って、泉は凜月からお酌してもらった日本酒を喉に流し込んだ。
9
五人揃った飲み会は午前十二時ちかくにお開きとなった。司は家の使用人の、凜月は兄の、嵐はマネージャーの車で帰っていった。
なんとなく、レオと泉は迎えを呼ばなかった。どちらからともなく、ふたりは歩き出した。
夜の東京は明るかった。ロンドンのものとは違う人工の光が、今は止んだ雨で濡らされたコンクリートを照らす。
「三人とも相変わらずだったなぁ」
「れおくんは会うの二年ぶりだもんね」
頷いたレオは楽しげに笑う。その笑顔が相変わらず眩しくて、泉は目を伏せて微笑んだ。
「スオ~もすっかりでかくなって……」
「あいつ、れおくんが卒業式に来なかったこと、相当怒ってたよぉ」
「うん、説教された。最後らへんはほとんど呂律が回ってなかったけどな」
下戸の司は、レオに負けまいと意地を張っていつも以上に飲んでいた。崩れた敬語には、彼本来の子供らしさが露わになっていて、レオは微笑ましそうに司の説教を聞いていた。
スクランブル交差点の信号は赤だった。大勢の人々に紛れるようにして、泉とレオも立ち止まる。
通り過ぎていく車の窓に、ビルの光が反射した。タイヤの擦れる音に紛れて、繁華街のざわめきが聞こえてくる。
信号待ちをする若い女性たちの何人かが、スマートフォンの内蔵カメラを目線の先の大型モニターに向けていた。
それに、映像が映し出される。
数年前に日本進出を果たし、若者たちから人気を集めているイギリスの有名ブランドの広告だった。
ひとりの男がカメラを睨む。その細められた薄青色の瞳に、彼女らは溜息を吐いた。
「瀬名泉、ほんとかっこいいよね」
「それね〜、なんであんなに美人なんだろ……」
車が停まり、歩行者用の信号が青に変わる。仕事終わりのサラリーマンや、飲みに来ていた大学生たちが重い足取りで交差点を渡る。
レオと泉も、その人の波に押されるように歩き出した。
「美人だって」
レオが陽気に笑いながら、泉の顔を覗き込む。
「言われなくても分かってるでしょ」
そう言い返せば、うん、と彼は泉の手を取る。そんなふたりを、誰も見咎めはしない。
「おれがいちばん分かってる」
素面で言うのだからずるい、と思う。レオは酒に強いうえ、今日はそれほど飲んでいなかった。その顔にアルコールのせいの赤らみなどはない。
どこまで歩く、とは尋ねなかった。レオが満足するまで着いていこう、と思った。
ただひとつ分かるのは、二年前まで一緒に暮らしていたあのマンションの方向に向かっていることだけだ。
「セナ、あの家、売ってなかったんだな」
「俺の家なんだから売るわけないでしょ」
「でも、二年間の間、ほとんどあのカメラマンの家にいたんだろ」
「まだあいつの話する?」
するよ、と彼は言う。
「まだおれは怒ってるもん」
「俺だって、置いていかれたこと、まだ根に持つからねえ、レナード」
そう呼べば、彼は困ったように眉を下げて笑った。
「じゃあお互い様だ」
繋いだ手は熱い。彼が寒そうに吐いた息は白く、闇に溶けるようにして消えた。
人気のない跨線橋の上で、レオが立ち止まった。彼の目線の先、細い線路が延びていた。そびえ立つビル群、その屋上では赤いランプがゆっくりと点滅していた。
真冬の透明な空気のおかげで、ふたりを取り囲む世界は美しく、鮮明だった。
唐突に腕を引かれ、唇が重なる。
彼らの下を、電車が通過した。
「……また、撮られるよ」
冗談めかしにそう言えば、レオは細めた瞳で泉を見上げた。
「そうしたら、ふたりで駆け落ちしよう」
その表情がひどく真剣で、泉は目を逸らしながら、ばか、としか言えなかった。
「おれだけのセナだったのになぁ」
なんて言いながら、レオは泉の顎をなぞる。
「……俺は、昔も今も、あんたのものでしかないよ」
そう言い返せば、彼は驚いたように瞬きした。まっすぐに伸びたまつげが震えるように揺れた。
レオの右手が首の後ろの方に回って、もう一度、そっと顔を近づけられる。
泉は黙って、優しい口づけを受け入れた。
唇を離したレオは、愛おしそうに泉を見つめた。
「……セナに出会えて良かった」
絡めた指先から伝わる熱も、昔から変わらないその眼差しも、泉は心の底から愛している、と思った。
「愛してるよ、セナ」
「……俺も、」
恥ずかしさにその胸元に頭を埋めれば、どく、どく、とレオの鼓動が静かに聞こえた。レオが笑えば、その肌が震えた。
彼の心臓が作り出すリズムに身を委ねるように瞼を閉じる。
最終電車が金属音を立てながら、轍を残していく。その音と窓から漏れる光が遠のいていった。
瞼の裏に思い浮かぶのは、この電車が行き着く先————夢の残骸が散らばった砂浜と、その先に広がる大きく青い海だ。
きっと、あの水平線の向こうから、永い夜の終わりがやってくる。
終わらないでほしい、と願った幸せな夜も、哀しみと息苦しさに首を絞められた夜も、レオと熱い肌を触れ合わせ抱き合った夜も、ひとりで冷たい布団にくるまり目を閉じた夜も、いつだって永遠を感じさせた。
けれど、それとは裏腹に、夜は明ける。泉の幸せにも、涙にも、素知らぬ顔をして。音さえ立てず、ただ新しい光を引き連れて。
そんな夜明けが来るのを、寂しい、とも、待ち遠しい、とも思う。
赦されるとか、赦されないとか、世間の目とか世論だとか、そんなことはどうでもよかった。
この男が好きだ。
月永レオを愛している。
今はただ、それだけでいい気がした。
「セナ、」
絡められた指先が、切ないほど愛おしい。
手を引かれて立ち上がる。夜風に彼の赤毛が靡いた。
星の見えない夜に、レオの瞳だけが優しい輝きを放ちながら、揺れた。
「帰ろう」
れおくんがそばにいる、ただ、それだけでいい。
そう思いながら、温かい手を握り返した。
永い夜が、ゆっくりと、静かに、深まっていく。
◇
20171210
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キャンピングカーに関するメモ
1.車中泊好適地度
温泉地の周辺に、低料金で車中泊ができるキャンプ場、あるいは観光駐車場、もしくは道の駅があり、連休時でも車中泊旅行者を受け入れられるだけの駐車台数を有しているかどうか…読書や昼寝をしながら時間を過ごすには、こういった環境が不可欠
2.滞在好適度
付近に景勝地や史跡、あるいはスポーツ施設、文化施設などがあるかどうか…本格的な湯治でも、最初の入浴に妥当とされる時間はせいぜい10分ほどだ。つまり車中泊で訪れても、観光するかスポーツでもしない限りは、時間を持て余すことになる。
3.湯めぐりサービス度
元湯や総湯と呼ばれる共同温泉、もしくは温泉旅館の日帰り利用共通割引制度があるかどうか…食事や公共交通機関の制約を受けない車中泊の旅人は、多くの温泉施設に足を運べる時間の余裕を有している。それだけに「湯めぐり手形」あるいは「温泉手形」といった割引制度は、日帰り客以上にありがたい存在といえる。大分県の別府温泉では、温泉の無料及び割引クーポン券が綴じ込まれた「別府八湯温泉本」がコンビニでも手に入る。
4.温泉情緒度
旅行者が、散歩や飲食を楽しめる温泉街が残されているかどうか…温泉地の中には、大規模な旅館やホテルの中に歓楽要素が集約され、温泉街が消滅していたり、元々存在しないところがある。だが、温泉とともにその地の郷土料理や地酒を味わいたい車中泊の旅人は、けして少なくないはずだ。道後温泉のメインストリートは、本館から駅前に続く「はいから通り」。アーケードになっているため雨天でもゆっくり土産物を見てまわれる。
5.名湯・秘湯度
名湯・秘湯・隠し湯など、話題性のある温泉が存在するかどうか…同じ温泉に行くのなら、名を馳せたところから訪ねてみたいのが人情というものだ。ブログなどのウェブサイトを持つ温泉マニアほど、その思いは強かろう。
道の駅ながゆ温泉で車中泊 → 長湯温泉の穴場車中泊スポット 水の駅おづる
道の駅の中には「阿蘇」のように、夜間無料で電源供給をしてくれる施設もある。
RVパーク 湯YOUパーク(ゆうゆうパーク) キャンプ場 SAPA 道の駅 を宿泊地に
日帰り温泉もしくは家族湯x2とか道の駅スタンプラリーとか材料買い出し→焼いて食うとか海鮮丼とかいいかも
ファンタスティック・ルーフベント(MAXXAIRとFIAMMAもあるみたいだけど)、エアコン、電子レンジ、2段ベッド、発電機置き場、屋根付きのガレージ 外したテーブル置き場 支柱の固定を考える カーセキュリティを考える うるさい換気扇修理 スリーブをつぶす工具を探す リアべッドルーム時計 扇風機 泡石鹸 うるおい追加装置を積み込むアロマもセットで 両面テープ 接着剤2液の樹脂のやつがいいかも 食べた後のスープの処理に100円ショップシリコンの小さく折りたためるジョーゴと空きペットボトル、シリコンのガーリックピラー ソフトクーラーバッグ ガストーチ+ガス缶 ハンマー ヘッドランプ
雑貨屋などで売っているフリースやインド綿のブランケットには、クルマに敷けるサイズもある。 車中泊の飲食時に役立つやや深めのトレー大きさの違うのを何枚か 16cmスピーカーカバー
【材料手配済】
冷凍庫【外形寸法(mm)】幅:442 奥行き:284 高さ:398 TV外形寸法:幅562×高さ409×奥行180mm カセットコンロ、テーブルセット、チャリンコ積む カセットガスアダプター 衣装ケースにヒモ付けるx2 窓埋め トイレの洗面の扉?固定方法を考える強力両面ベルクロはどうか タイダウンベルト オーニングハンガー ベッドをたたんだ状態で固定するベルト LPをカセットガスに変更 傘立て 丸鋸用物差し 金魚板165-180x28.5 接続子小さい奴
【設置配備済】
交換部位
各24V T6x29Fドア 9x24Fドア上部 9x24リアドア T6x29トランクルームx1 BA15Sバックライトx2 BA15S互換ルームライト3箇所x2で6
12Vのルームライト新設 前2中2後2ギャレー1
冬は服をハンガーにかけると車内が片付く ゴミ粉砕と圧縮でカサを激減 金庫用の箱を用意し、いつも同じ場所に置く 穴場の観光地の見つけ方→一番頼りになるのは、旅先の観光案内所 どんなカップ麺でも片栗粉をスープに少々混ぜて、「とろみ」をつけてやれば冷めにくくなる
「オートキャンプ」と「クルマ旅」において
フィールドや旅先の環境・状況に応じて最適といえる食事や滞在方法を選択し、かつ快適さを引き出すことは容易じゃない。まして、数多あるキャンピングギアを知ったうえで、使いこなせるようになるには、かなりの投資と時間が必要だ。
くるま旅パックは、ひとつひとつ別の各400円のアプリ・全国オートキャンプ場マップ・全国車中泊マップ・全国日帰り温泉を、3つセットで840円のパッケージにしてAppStoreで販売しています。Androidに対応したら買う
バーナーの発熱量 ガス消費量 2本アダプター(500gのガス) 4本アダプター(1000gのガス)
1.0kW 73 gm/hr 約 6.8 時間 約 13.7 時間
2.0kW 146 gm/hr 約 3.4 時間 約 6.8 時間
3.0kW 219 gm/hr 約 2.3 時間 約 4.6 時間
4.0kW 292 gm/hr ※備考 約 3.4 時間
5.0kW 365 gm/hr ※備考 約 2.7 時間
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