Tumgik
#あっと驚く赤太郎
bingata-nawachou · 1 year
Photo
Tumblr media
#紅型ナワチョウきものコーディネート ・ お客様に帯をお渡しするので 着物にて👘✨ ・ ♦︎ #着物 ♦︎ 私物です 今日はお昼が20℃🌞 まで上がったのでお単衣にて ふくれ織の薄藤色暈し #地紋愛してる 者には たまらない風合いの着物♪ ・ ♦︎ #紅型ナワチョウ帯 ♦︎ #唐草菊に丸紋蝶菊椿 #関東巻 にして ・ ♦︎ #帯揚げ ♦︎ #ペタ子さん に わたしの柄 #万華鏡紋様 の 帯揚げを 作っていただきました♪ 初おろしです✨✨ ・ ♦︎ #帯留 ♦︎ @classicko.jp さまの #椿の帯留 帯の椿と並べたく♪ ・ ♦︎ #長襦袢 ♦︎ #シロップ先生  × #真じま着物 さまの #あっと驚く赤太郎 を やっと初おろし✨ 本当に良いお色🥰です @syrupkimono @majimakimono ・ ♦︎ #紅型ナワチョウ半衿 ♦︎ × #YoshikoTAKEi @broderie_yoshiko #フランスアンティークボタン ・ ♦︎ #簪 ♦︎ @haberu___ さまの #ジーファー ・ ♦︎ #下駄 ♦︎ #紅型ナワチョウ鼻緒 × #辻屋本店 #舟形下駄 @tsujiyahonten ・ ・ 本日、昨日postしました 鳳凰の帯を 着物・帯揚げ・帯締めと コーディネートしつつ 納品させていただきました🕊 ・ ・ 今年最後の帯をお納めし お客様に大変お喜びいただき ホッとした本日 ・ 仕事納め… たいところなのですが まだまだ今年は最後まで🎉 がんばります🕊 ・ ・ #紅型 #紅型ナワチョウ #縄トモコ #きものコーディネート #着物 #kimono #鳳凰の帯 https://www.instagram.com/p/Cmtj1MIrevy/?igshid=NGJjMDIxMWI=
0 notes
oldkwaidan · 11 days
Text
赤子の泣き声の正体(二)
 以下は『いもの泡』という本のに書かれている内容である。  第三十九話として収録されている。
 ある一軒家で小児が死んだ。  日々、家族が悲しんでいると、背戸で死んだ児の泣き声がするようになった。それが毎晩続いた。  暑中休みで帰省していた一人の中学生がこの話を聞いた。  正体を暴いてくれよう、とその家の二階に潜んで待ち構えた。  小児の泣き声が聞こえてきたので、そっと覗いてみた。  大きな貉が地面に頭をつけて逆立ちをしていた。  貉は後ろ肢を壁にもたせかけ、尻尾で壁をぽんぽんと叩く。  その音がまるきり小児の泣き声なので、彼はとても驚いたという。
 (小池直太郎『小谷口碑集』 「貉の怪異」)
7 notes · View notes
oka-akina · 5 months
Text
1130-1205
1130 うちはトイレと物置が隣にあって同じドアが並んでいて、物置に何か取りに行ったつもりが隣のトイレのドアを開けていて、あれおしっこしたかったっけ…とか思いながら用を足している。物置に何か用事があったのを忘れてしまう。こういうことはスマートフォンの上でもよくあって、メールをチェックするつもりがツイッターを開いている。 なんか電車が空いていた。べつに理由はないんだろうけどなんでだろうと思ってしまう。理由を探してしまう。窓の外の荒川が濃い色をしていて冬だなーと思う。そしてその窓に、明らかにデマというかインチキ医療の本の広告が貼ってあり、こういう本が堂々と出版されているのにどうしてわたしの小説は同人誌なんだろうなーとか思う。やつあたりみたいに思う。
ずいぶん前に買ったエッセイの本を読んでいる。とても自由であたたかい家庭の話だと思うのに読んでいるとどんどん心がささくれだっていく。夫婦でやっているお店の話で、お店の仕事は女の人がメイン。本の語り手の男の人はサポートと広報をやっていて、その流れで本���出したようす。 なんかこうなんかこう、あなたの話はいいからこの女の人の話がききたいよとか思ってしまう。この女の人がどのように考えて店をやっているのか、あなたの口からじゃなくてこの女の人の言葉でききたい。声をききたい。いやそんなのは役割分担だとは思うのに、まったく何も取り繕わない自分の気持ちとしては、こいつなんかいけすかねえな〜!と思ってしまう。仕事の役割が夫婦で逆だったら、サポートしている女の人に本を書きませんかって話はきたかな〜とか訝ってしまう。そうしてあるいは、これが女の人同士のカップルだったら、わたしはこんなふうに思うんだろうか。 じゃあつまり自分にはひどいミサンドリーがあるんだよな…。この本に限らず日常の中のほんとにいろんな瞬間で自分のミサンドリーにぶちあたり、しょんぼりする。ハッとしたときはもう遅くて、本当になにかこう、ごく自然に、嫌悪の感情がある。 自分にべったりしみついた差別心や偏見はもうどうにもならないんじゃないかと怖くなる。わたしは自分の性格をなんて意地悪なんだろうと思っているけど、意地悪どころでは済まないひどいものが自分のすみずみまでがっつりしみついていて、このような土をいくら耕したってここから生えるものはみんなだめなんじゃないか。わたしのやっていることは本当にぜんぜんだめなんじゃないか。ときどき絶望的な気持ちになる。
夕方、通販と書店さんへの荷物を送った。思ったより手間取ったし部屋もとっ散らかった。そんなにたくさん送ったわけではないんだけどたぶん要領が悪い。本の梱包とか荷造りとかがとても苦手で、何年やってんだって感じだけど本当に慣れない。引き続き腹も痛いし尻も痛い。夕飯は豚肉とチンゲンサイとえのきと春雨を炒め煮したやつとかつおのたたきと厚揚げ。
1201 今日も通販の荷物を送る。このところほとんど毎日やってるのにぜんぜん梱包うまくならないのどうなってんだ。ガムテープをまっすぐ貼るのがへたくそすぎるし本を袋詰めするのもなんかきれいにならない。手のしびれ、震えのこともあるとは思うけど、送る荷物が格好悪くてまいどほんとに恥ずかしい。お手に取ってくださった方は薄目で見てほしい…。
書店さん宛に送った荷物が届きはじめているようで、犬と街灯さん(表紙を描いてくださった谷脇栗太さんのお店)がさっそくネットショップに追加してくださっていた。ツイートを見て、ほんとにある!と驚いた。驚くって言い方はなんか変なんだけど、遠くのお店にほんとにあるんだな…と感慨深くなる。本屋lighthouseさんからも本が届いたよと連絡がきていて、ほんとに置いてもらえるんだな〜とドキドキした。書店委託はまったくの初めてではないんだけどなんかこうどうしたんだろう。 「顔たち、犬たち」関連はずっと気持ちが張り詰めている。新しい小説の本を出すときはいつもtumblrにステイトメントみたいな記事を書くんだけどそれも書けていない。言いたいことや話したいことがいっぱいあって、どっからどうしたらいいのか、やりたいことが目詰まりしている…。そうしてそんなに激重感情でやってるのに小説自体はほんとにしょ〜もない話で、よわよわおちんぽの〆切直前もそうだったけど、悲壮感を出すような作品ではないのでなんかチグハグしている。
でもこの「しょうもない話」はちょっといい傾向かなとも思っている。執筆の佳境とか書き終わる直前ってなんかこう気持ちが盛り上がってしまって、作品を「大層な話」にしたくなってしまいがちというか…。なんていうの、谷川俊太郎の「魂のいちばんおいしいところ」みたいに書きたいみたいな、高望みした欲がある。
私たちの上に広がる青空にひそむ あのあてどないものに逆らって そうしてあなたは自分でも気づかずに あなたの魂のいちばんおいしいところを 私にくれた
長めの話に時間をかけて取り組むと自分の中のそういう…純っぽいもの…?を差し出したくなってしまうというか、自分の芯を取り出したものでありたいみたいな、そういう欲がわいてしまう。やけに体重をのせてしまう。 で、最近それを回避したくて、けっこう意識的に「しょうもない話」をやっているふしがある。単純に作品がくどくなるのを避けたいのもあるし、なんかこう自分の差別心や意地悪ってそういうとこからきてるんじゃないかみたいなことも思って。これはまとまってないのでもうちょっと考える。
夕飯はおでん。夜中、ふと思い立って虐殺反対のステッカーを作った。ネットプリントにした。
12/2 ゴルフの練習に行って洗濯をして掃除機をかけた。お昼はきのうのおでんの残りとチャーカラ(チャーハン唐揚げ弁当のこと)。きのうのステッカーをプリントアウトしてみたらいい感じだった。ロボット掃除機が壊れたかもしれない件はやっと言えた。まるでいま壊れたかも?みたいな感じで言った。えもからもらった柿をジャムにした。柿プリンも作ってみたけどあんまり固まらなかった。やけに疲れてしまって2時間くらい昼寝した。寒いので夕飯は鍋。アド街を見ながら食べた。
夜中、通販などの荷造り。本を袋に入れて送るだけのことがどうしてわたしはこんなにへたくそなんだ…と散らかった部屋で途方に暮れた。毎日同じことを思っている。
12/3 プリパラプリチャンプリマジのライブ。毎年恒例の幕張メッセでのライブで、前回の幕張がついこのあいだのように感じる。一年が早すぎる。きのうの残りの鍋を食べて車で出かけた。幕張メッセの駐車場は一日千円なので、二人分の電車代やコーヒー代を考えたらこっちの方が安い。昼公演と夜公演の間の待ち時間を過ごせる場所があるのも気楽だし。スタンレーの水筒にお茶を入れて持って行った。夜になっても湯気が立った。
今年は演出がとてもよかった。とくにプリマジの各キャラクターのソロ曲、ほかのキャラクターがうしろで盛り上げてるの最高最高最高だった。庄司宇芽香さんの演じるあまね様が本当に素晴らしくてたくさん手を振った。声出しOKライブでよかった。今日の公演のためだけに髪の毛真っ赤にしてくれたのかと思うと胸がいっぱいになる。夜公演はアリーナの花道そばだったので、一回だけ目があって本当に泣いちゃうかと思った。 プリマジは9月のリーディングイベントのときも思ったけど、女性が女性にキャーキャーいうのがどまんなかにきているので本当に居心地がいい。なんていうのかな、「本来は女児向けのアニメにいわゆる大きなお友だちのオタク男性が大挙して…」みたいな感じでもないんだよな。男オタが女の子(女の子のキャラクターだったりそれを演じる若い女性の演者だったり)を愛でてやるぜ的な感じがあんまなくて、みんながキャーキャーいいながら女の人たちの格好よさ、かわいさ、楽曲のよさを喜んでいる。本当にすごい。長いシリーズを通して作品が変化しているのもあるし、観客を育ててきた感があるなーと思う。演者も客も年齢を重ねたのもあるかも。 そしてプリティーシリーズ通してだけど、ファンにセクマイが多いのをなんとなく認知してくれているように思う。もちろん演者によって濃淡はあるのでたまーに発言にハラハラすることはあるんだけど、あなたのための席がありますと言い続けてくれているシリーズだと思う。リングマリィの「コトバブーケ」は「おとぎ話の通りじゃなくても私はヒロイン」「おとぎ話の通りじゃない方が自分らしい」と始まる曲で、まっすぐ女性同士のウエディングを描いていてすごくうれしい…。それを冷やかすような反応や百合!みたいな茶化した感じの反応が今回はあんまなかった気がして(あることはあるんだけど前より減った感じで)よかった。
そして大好きな大好きな厚木那奈美さんが本当に本当に…いつも変わらずお姫さまみたいで…本当に素敵だった…。内側から光ってるんだよな…存在が光、祝福なんだと思う。厚木那奈美さんを前にするとわたしはいつも幼稚園の子どもになってしまう。厚木那奈美さんがお姫さまの国でリスとかネズミとかコロボックルとかになって暮らしたいよ…。「ブランニューガール」はミディアムテンポのちょっとセンチメンタルな曲なんだけどけっこうしっかりめの振り付けで、でも厚木那奈美さんはニコニコ笑顔で歌って踊っていて、本当に本当に宇宙に神さまに星々に絶対絶対絶対愛されているほんもののお姫さまなんだな〜!って泣いた。厚木那奈美さんの長い手足がすらーっとすーっとどこまでも伸びていって、ほんとにもう東京湾くらいなら全然余裕でまたげるんじゃないかと思う。厚木那奈美さんが微笑めば木からどんぐりが落ちてきて、リスとかネズミとかコロボックルはそれをぎゅっと抱きしめます。 厚木那奈美さん、友だちや知り合いにわたしはこの人が好きなんだよ〜って教えると「うわ好きそー」って納得されるのすごい面白い。わかりやすくどタイプ。厚木那奈美さんとかムンビョルさんとか美少女さんとか、おかわだくんはこういうスラッとした人が本当に大好きだよね…。
あと泣いたといえば、コスモさんの「君100%人生」やってくれて! 久しぶりにライブで聴けて爆泣した。君100の何がいいって、「次は負けないよ」「取り戻せ」「自信出して 元気になって」「体 心 鍛え直すよ人生」のとこ。わかりやすく励ます歌詞ではあるんだけど、それ以上に「今回は負けたよね、いろんなもの奪われたし失くしちゃったよね、自信も元気もないよね、体も心もおしまいだよね」っていうのをまんま受け止めてくれるのがすごい好き。おまえは今回負けたよねって目をそらさず認めてくれるのとても安心する。 日記やけに長くなってるからここらへんにしとくけど、小林竜之さんのアサヒの仕上がりがやばすぎてすっげーよかった。ほんとに「マジヤッベーチョースッゲー」だった。34歳男性のあの感じ最高ですわ。小林竜之さん40歳のアサヒ役ぜってえぜってえ観たいのでプリティーシリーズを今後とも応援していこうと思った。
ライブがあまりにもよかったので、やっぱプリティーシリーズミリしらアンソロやりたいな〜と思った。わたしは二次創作的なのは書けないので、「プリティーシリーズのことを考えて書いた小説」とかになっちゃうんだけど、それを本にしたい…そしてなんかいろんな人にゲスト原稿を依頼したい…すごく同人誌って感じするやつ…。いったい誰が読むんだって感じなんだけどそういう変なアンソロをやりたいよね…。 そしてウキウキの気持ちで帰ってきたらKADOKAWAがろくでもねえトランスヘイト本を刊行しようとしているのでテンションだだ下がりになった。ふざけるなよとインスタのストーリーズでキレ散らかした。
12/4 えもとなむあひさんと遊んだ。朝パン屋で待ちあわせて多摩川に行った。いい天気で冬って感じの空だった。広々していて気持ちいい。二子玉川の駅を降りてすぐこの景色なのほんといいよな。橋を渡る電車がずっとごとんごとんいっていて、遠くの橋や向こう岸で車が流れている。水や物がずっと動いている。サギがたくさんいた。白くて大きな鳥が冬の濃い青い空にたくさん舞っているのが、なんだかうそみたいにすがすがしい眺めだった。 えもから個展のDMをもらった。先々週会ったときに元の絵を見せてもらっていたけど、すごくきれいに色が出ていてほんと展示楽しみだなーと思った。あと「あいじょうぶ」ブローチももらった。「俺の愛があるから大丈夫!あいじょうぶや!」のブローチ(ナポリのすぎるのやつ)。草の上に置いて写真を撮った。 なむあひさんが「顔たち、犬たち」の感想を伝えてくださってうれしかった。なんかこうがんばって書いていきたいよな…という話をした。本を持ってきてくださったので表紙の優人さんに川を見せてあげた(?) そのあと昼から磯丸水産に行って飲んだ。トマトハイめっちゃ薄かったけど美味しかった。えもとわたしで何杯飲んだんだ…。このあいだなむあひさんと焼き鳥食べたとき、注文したはずのタコウインナーが結局来なくて、わたしはすっかり忘れていたんだけど次の日なむあひさんがそういえばタコウインナー来なかったですねって思い出していて、じゃあ今度リベンジしましょうって言ってたんだけど2週間で早くもそれが叶うの面白いな。川行って、(磯丸だけど)イカとかウインナーとか網で焼いて、実質バーベキューみたいだった。あとプリティーシリーズミリしらアンソロやりたいんですよ〜という話をした。いきなりどうしたって思ったろうな…。 夕方もっかい川に行って、あまりにも楽しくて手つないでワーイとかした。えもの手が小さくて冷たくてびっくりした。
KADOKAWAに問い合わせメール送った。刊行中止してくださいとははっきり書かず(できないだろうと思った)、なんでこういうのを出そうと思ったのか経緯を知りたかった。それで質問を送った感じ。
12/5 こ��ぜったい乾かないよなと思いながら朝洗濯物を干して出かけた。曇っていたし寒かった。昼にチバユウスケの訃報を知って驚いた。これがきのうえもと一緒にいるときに知ったらどうだったろう。明るい川べりで知ったら、真昼間の磯丸水産で知ったらどんなふうだったろう。コンビニでコーヒーを買って小袋成彬の「Night Out」を聴いた。今日はとても寒くて、外もずっと暗かった。むかしの友だち、ミッシェルを好きだった人たちの顔がつぎつぎ浮かんだ。なんかツイートではなにも言えなくてリツイートのカウンターがまわるのをじっと見ていた。ものすごい熱心なファンとかではないけどなんかこういっぱい思い出深い…みたいな距離感だからだと思う。いま小説のあれこれでやりとりしている人や現在進行形で作品を生み出している人、みんなひとり残らずいつかいなくなるのだ…とすごく当たり前のことを思った。夜になって、長いこと連絡をとっていなかった人からチバのこと悲しいねってメールがきていた。携帯電話のキャリアメール宛で、迷惑メールかと思った。そういやこの人のLINE知らないや。そうだねみたいなことをちょっと書いて送って、それ以上はべつにやりとりしたくない気がした。これを機に旧交をあたためようなんていうのはなんかこう格好悪いだろと思った。いやこれがめっちゃ好きな人からきた連絡だったらしっぽ振って返事送るんだろうけどさ…。洗濯物は厚手の靴下がやっぱり乾いていなかった。Mリーグを見ながらキムチ鍋を食べた。
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
8 notes · View notes
niceage1993 · 1 year
Text
夢の話 2
わたしは桃太郎の親友だった。ぺらりとした奥行きのない世界は、日に焼けた絵本のようにかさついて薄茶色くかすんでいる。野山、というにはあまりに荒涼とした丘の上で、親友の桃太郎とその仲間が、次々と鬼に斬られていくのをわたしは藪の影からただただ見ていた。
犬の痛ましい鳴き声が響き、猿の腕が飛んで、雉の羽が舞った。傷ついて血まみれの桃太郎が、鬼に首を締めあげられている。鬼は美しい男だった。赤くも青くもなく、その容貌は人間と見分けがつかない。けれどわたしには、親友の首に手をかける男が鬼だということを確かに分かっていた。
鬼は桃太郎を殺しはせず、ぐったりと力をなくした彼を肩に担いでどこかへ連れて行くつもりらしかった。さすがにたまらなくなったわたしは藪から飛び出そうとする。鬼の背中に飛び掛かって、どうにか桃太郎を助けなければ、と思った。ところが鬼に担がれた彼が、最後の力を振り絞るような動作でわたしに手を向ける。「くるな」と言っているのだ。よく見ればわたしは、粗野な腰蓑を一枚纏ったきりの丸腰だった。あの桃太郎をいとも簡単に薙ぎ払った鬼に、こんなわたしがどうして太刀打ちできよう。そもそも打つ太刀すら持っていない。やがて持ち上げていた腕もだらりと垂れ下がり、ただ鬼の歩調に合わせて体をゆらすだけになってしまった親友を、わたしはじっと見つめることしかできなかった。
瞬きをする間に時間が激しく飛んだ。気が付くと小学校の昇降口に立っている。わたしは何かに急き立てられるように、一番近くの階段を駆け上った。階段はどういうわけか古くて大きな積み木でできていて、とんでもなく揺れる。そのうえ崩してしまうと戻ることさえできなくなるので、壊してしまわないように、そのうえでなるべく早く駆け上がった。背後で積み木がいくつか転がり落ちていく音がしたが、かまっている暇はなかった。
上の階に桃太郎がいる、そういう確信があった。最後に彼を見たあの日から、ひとが生きられる時間をゆうに超えた時が経っている。それにあれだけ痛めつけられて、鬼に連れてゆかれた桃太郎が今まで生きているわけがない。そう分かっているのにわたしは、ここには絶対に彼がいる、と信じていた。
積み木の階段を登り切り、なんとか二階の踊り場にたどり着く。一番手前の教室から、今まさに生まれたばかりというような赤子の泣き声が響いた。
再び時間が飛ぶ。場所はやはり小学校であったが、目の前には青年の桃太郎がいる。あの日この校舎の一室で生まれたのは、桃太郎だった。今やもうすっかり大人の風貌で、わたしより頭ふたつ分は背が高い。鴉の濡れ羽色の髪を短く切った姿は精悍というにふさわしく、かつて鬼と戦っていた桃太郎そのものだった。しかし彼にその記憶はない。どうやら生まれ変わりというやつのようで、前世のことはなにひとつとして覚えていなかった。
わたしは生きている彼に安堵する。別人だとしても、こうしてまた自分のいる世界に生れ落ちてきてくれたことが心底嬉しかった。防球ネットに寄りかかる彼の胸元に頭を押し付ける。涙が出そうだった。彼は旧い友人の稀有な行動に驚いて「なんだよ、気持ちわりいな」とごまかすように笑う。この世界で、わたしだけが歳をとらない。
6 notes · View notes
tanakadntt · 1 year
Text
旧東隊の小説(二次創作)
ホッケえいひれ揚げ出し豆腐
一月か二月の頃だった。
トリオン測定ですごい数値を叩き出した新人が二人も入るそうだというのが、その夜の話題だった。出水公平と天羽月彦のことだ。
新生ボーダーが動き出して一年半になる。『旧』ボーダーという言葉が定着するほどに、時は勢いを増して流れていく。その間に、一番仕事をしたのは開発室室長の鬼怒田本吉だった。
まず、彼は異世界に通じる門の発生ポイントを特定できるようにした。次に門の発生を抑えるトリオン障壁を一時的ではあるが生成に成功、最後に門発生ポイントを誘導する装置が開発され、三門市の安心を約束する三点セットがわずか一年で出来上がる。元々の研究分野の応用とはいえ驚嘆に値する開発速度だった。
こうして、急務だった門発生のコントロールに成功した後は研究途中で放置されていた擬似トリオン訓練室の完成、隊員増加を見越してランク戦で使う対戦ブースと八面六臂の活躍である。
短期間でこれだけのことをやってのけた彼及び彼のチームは、城戸政宗司令がどこからか連れてきた逸材だった。三門市にやってきた時には一緒だった家族とは離婚している。仕事に打ち込みすぎたせいだと専らの噂だった。
開発室以外も働いた。門がコントロールできるまではいつどこで出現するかわからない。国の機関に代わって街を守るボーダー隊員たちは昼夜を問わずパトロールを行い、近界民と戦った。
三門市民は最初、胡乱な目で彼らを見ていたが、公的機関と連携した規律ある行動に徐々にボーダーの存在は受け入れられていく。根付メディア対策室室長による世論操作も功を奏していた。
出ていく人間は出ていき、かわりに大量の物資と人材が流れ込んでくる。
ボーダーにもまた人材が集まった。
まず、市民志願者第一号として柿崎国治と嵐山准が入隊する。華々しい記者会見の後、志願者はぐっと増えた。
東春秋が部隊を結成したのもその頃だ。
この時期の部隊は自由結成と言うよりは忍田や根付の意向が強く反映していた。東隊も忍田の指示によるものだった。
忍田自身も部隊を持っていたが、本部で戦闘員を統括する役職につくために解散することが決まっている。
ガラリと引き戸をあけて顔を出したのは東春秋だった。いらっしゃいませと店員が声をかけると案内はいらないと手を振って、店内を見渡す。じきに見知った顔の並ぶテーブルを見つけて近づいた。
二十二歳だと言うが、ずっと老けて見える。外見だけではない。彼に接する人間はつい彼が二十代前半の若造だということを忘れてしまう。
後ろには背が高い男女二人がやはり背の高い東を挟んで並び立つようにいた。どちらも目を引く美男美女だ。彼らは近隣の六穎館高等学校の制服を身につけていた。
さらに後ろに中学校の制服を着た少年がひっそりと控えている。前のふたりと違って背は低い。寒いのか、マフラーをぐるぐると首に巻いていた。
三人は物珍しげに店内を見回している。
「なんだ、三人とも居酒屋は初めてか」
テーブルにいた眼鏡の男が声をかけた。既に頬は赤い。手には盃を持っている。日本酒派だ。林藤匠という。ボーダーでは古参の一人だ。歳は三十一になる。そろそろ現役を引退したいとボ���いているが、いかんせん昨今の人手不足だ。
ボーダー本部建物ができたにも関わらず、旧本部ビルから動こうとしない、なかなかの頑固者だった。
「学生ですから」
と、生意気そうに答えるのは、背の高いほうの一人である二宮匡貴だった。
「あれ、根付さんから聞いてないか? ボーダーマークの貼ってある店はボーダーなら学生でも入れるようになったんだぜ」
トリオン器官の性質上、十代の隊員は増えていく。本部でも食堂は設置しているが、彼らは三門市の飲食店にも協力を求めていた。パスポート制で十代への酒類の提供はないなどの配慮がされている。
「知ってますが…」
さらになにか言おうとする二宮を東は遮った。
「今夜は明日の確認だけしに来たんです。本部で聞いたら、ここにいるっていうから」
「明日? ああ、国の視察ね。用事は、唐沢さん?」
「俺?」
テーブルの奥から唐沢克己外務営業部長が顔を出す。彼はビール派だ。既にジョッキをほとんど空けている。まだ三十そこそこだが、やり手の男だ。鬼怒田同様、城戸司令がスカウトしてきた。元ラガーマンだという以外素性を明かさない男だったが、人当たりがよい。
今夜の飲みメンバーは林藤、唐沢に加え、エンジニア冬島慎次、戦闘員の風間蒼也、木崎レイジの三人だった。風間と木崎は二十歳前なので、烏龍茶が並んでいる。
「まあ、たってないでこっちに座れよ、東くん」
「あー、ウチはウチでご飯を食べる予定なんです」
東はお供のように控える背後の三人を見やった。東隊のメンバーだ。
「ここで食べていけばいいよ」
「はあ」
少しだけ、東の心が揺れた。老成しているとはいえ二十二の青年だ。気楽な酒の席は魅力的だ。
「大丈夫です。俺たちは帰ります」
東の心を見透かしたように、二宮が後ろの中学生の背を押して店の入口に向かおうとする。
「東」
林藤は声をかけた。
「みんなで食べてけよ。唐沢さんの奢りだ」
「あなたじゃなくて、俺ですか?」
急に振られた唐沢が満更でもなさそうに笑った。確かにこの男前は今日の面子の中で一番地位が高く、懐も暖かい。
「あら、素敵。せっかくだから、ご馳走にならない? 二宮くん」
そこで初めて、女学生が口を開いた。こちらも生意気な口調だが、軽やかでトゲトゲしいものを感じさせない。
「加古」
「ねえ、三輪くん?」
「……」
急に話を振られた中学生は無表情のまま首を傾けた。
「わかりません」
「東さんがここでお酒を飲んでるとこを見てみたくない? 面白そう」
三輪は悩みながらうなずいた。
「ほら、三輪くんもそう言ってるし」
「言ってないだろう」
「言ってないです」
「わかった、わかった」
いつもの掛け合いが始まりそうになって、東は決断する。一応、上役たちの前だ。
「ごちそうになろう。唐沢さん、ありがとうございます」
東が頭を下げると、揉めていた三人がピタッと止まって、同時に頭を下げた。よく訓練されている。東を猟師になぞらえて獰猛な猟犬を三匹飼っていると言っていたのは誰だったか。
「遠慮せずたくさん食べなよ」
唐沢はいつもの人当たりのよい笑みを浮かべた。
「追い出された」
案内されると同時に、風間と木崎が東隊の猟犬三匹のテーブルにやってきた。テーブルが窮屈になったらしい。
今夜はボーダー戦闘員と唐沢の交流会であるらしかった。
風間の兄は林藤の弟子だった男だ。故人である。木崎は東から狙撃手としてのスキルを学んでいるので、東隊の面々とは面識がある。今は林藤に従い旧本部ビルに寝泊まりしている。狙撃以外の分野では林藤に師事していた。
一方は小柄で華奢、もう一方は筋肉隆々の巨漢だ。正反対の見かけだが、どちらも恐ろしく強かった。さらに木崎はトリオン量は二宮と同程度を持っていて近界のトリガーを使いこなす。
加古の隣に木崎が座り、二宮と三輪の隣に風間が座った。スペースの有効活用の結果である。三輪は隣が風間なので緊張する。風間蒼也は様々な思惑の絡む本部で誰からも重用され、確実に任務をこなすエリートだった。
「もう、頼んだか」
「まだです」
彼らはまだ食べるつもりらしい。
「居酒屋は初めてか」
木崎が気を使って、品書きをテーブルの真ん中におく。
店員がまとめて置いていった突き出し(お通し)を配る。
「飲み物から決めよう」
と、店員を呼んでさっさと飲み物を決めてしまう。さくさくと仕切る姿が頼もしい。三人はジュースにしたが、風間と木崎はまた烏龍茶だった。
「おすすめは、揚げ出し豆腐だな。家で作るの面倒だし」
「そういう基準か」
「寺島たちに頼まれて作ったが、たくさん食べるものじゃないし、持て余した」
寺島たちと寺島雷蔵と諏訪洸太郎のことだろう。四人は同い年で気が合うようだった。諏訪は二宮と加古の同期でもある。
「おごりなら諏訪と雷蔵でも呼ぶか」
「来ないだろ」
確かにもう遅い。
「今日の当番は?」
お酒をあおる大人席では、林藤が煙草の煙を吐き出しながら聞いた。
「忍田さんとこと迅です」
迅悠一は木崎隊であったが、先日、晴れて『風刃』所持者となり、隊を離れS級隊員となっている。
「あとは嵐山隊ですね」
なんとなく大人たちは子どもたちのいるテーブルに視線を向けた。三輪がジュースを飲んでいる。迅、太刀川、嵐山と三輪の苦手な三人だ。
「明日は俺らの勤務か」
正直、オーバーワークだ。ここにいるメンバーは皆、ワーカホリック気味ではあるが、大規模侵攻からずっと働き続けている。
「入隊志願者が増えてますからもうちょっと頑張ってもらって…。部隊が増えてくれば、部隊の輪番制に移行するって城戸さんが言ってます」
「もうすぐですよ」
冬島がエイヒレに手を伸ばしながら言う。
「そう願いたい」
品書きと書かれたメニューには写真がない。並ぶ単語は知らないものが多い。
三輪が大人たちのテーブルをチラリと見れば東は刺身の盛られた皿をビール片手につついていた。嬉しそうだ。確かに、隊長ではない東は不思議な感じがした。
「秀次は刺身か」
二宮がつらつらと品書きを見ながら勧める。二宮も初めてだからよくわかっていない。
「盛り合わせがあるぞ」
「ちょっとずつ色んなのが食べたいわ」
加古がウキウキしている。
「レイジさんおすすめの揚げ出し豆腐は頼むでしょ。風間さんのおすすめは?」
「コロッケと卵焼きだな」
間髪入れずに答える。迷いがない。
「じゃあ、それー」
「また家で作れるようなものを…」
木崎がぶつくさ言うが、三輪は蕎麦を茹でるくらいしかできない。
「二宮は?」
風間が水を向けるが、彼は熟考に入っている。
「先に頼んじゃいましょ。店員さぁん」
「加古、お前なあ」
「大丈夫だ、二宮。何度でも頼めるから」
「風間さんがそう言うなら」
注文を手早く木崎がまとめる。
「三輪は決めたのか」
「じゃあ、刺身盛り合わせ(小)で」
「あと、ホッケ」
「加古、語感で決めただろう」
「干物だな。北の魚だ」
明日、視察団が来るというのに、大人組はまだまだ飲んでいる。タバコの匂いがする。
焼肉屋ともファミリーレストランともバーガー屋とも違う雰囲気にふわふわする。
「秀次」
三輪は、二宮に揺り起こされた。ひと通り食べたあと、いつの間にか眠っていたらしい。
「中学生には遅い時間だな」
木崎が気の毒そうに言う。
「大丈夫です。すみません」
彼らも高校生なのだ。
「ほら」
おにぎりが渡された。大きい。海苔がパリッとしている。
「結局、二宮くんが選んだのがこれよ」
おにぎりを優雅に食べるという器用なことをしながら、加古が教えてくれる。
「悪いか」
「いい選択よ」
「うまいな」
風間はまだ食べている。木崎はカチャカチャと皿を重ねて、テーブルを綺麗にしている。 三輪は散々食べたあとだが、おにぎりを持って、「いただきます」と言った。おにぎりは何も入っていなくて塩がきいている。
「おいしいです」
「そうか」
「東さん、あれ酔っ払ってるわ」
三人が揃って東のほうを向くと、その様子がおかしかったのか、木崎と風間が笑った。
「明日はお前らが頑張れ」
その日はみんなボーダー本部に泊まった。
終わり
3 notes · View notes
myonbl · 1 year
Text
2023年3月28日(火)
Tumblr media
いよいよ年度末、町内会計をしめる作業に取り組んだ。すでに収支の表は作成済みだが、代々伝わる会計簿に手作業で記入しなくてはならない。こればっかりは老眼&悪筆の私の手に負えず、ツレアイの休みを利用して作業してもらった。残金をゆうちょ銀行の口座に入金し、最終的な収支決算表を作成して監査に回すのだ。ふーっ、疲れたー!
Tumblr media
今日は全員休みなのでゆっくりと寝て、6時に起床する。
日誌を書く。
Tumblr media
朝食は昨晩のタケノコご飯、少し焦げがあって美味しい。
洗濯1回。
Tumblr media
AppleのOSアップデートが来ていたので作業する。
ツレアイに頼んで、町内会計の作業を手伝って貰う。まずは行事日程と照らし合わせながら、領収書の数字を会計簿に記入する。次に、領収書を台紙に貼り付け、最後にゆうちょ銀行で残高を入金して準備完了。後は会計監査のみ、資料を用意して監査役(=昨年度の会計係)のFさん宅に届ける。
Tumblr media
休日のランチは2色スパゲッティ+🍷、キャベツとタマゴ/タマネギとベーコン。
午後はノンビリと選抜高校野球を鑑賞する。不思議なもので京都に住んで半世紀になるが、高校野球だけは生まれた兵庫県の代表をつい応援してしまうのだ。
夕方、Fさんが監査を終えて資料を返却に来られる。
Tumblr media
早めの夕飯、残り物あれこれ、スペインの赤が美味しい。
録画番組視聴。
興福寺 国宝誕生と復興の物語 つなぐ!天平の心
[BSプレミアム] 2023年03月28日 午後6:00 ~ 午後7:00 (60分) 平家南都焼き討ちに負けるな!大修理始まる奈良の象徴五重塔に匠がしかけた驚きの技!運慶が学んだ阿修羅の秘密!無著と法相六祖と天平彫刻を徹底比較!大迫力ドローン映像 出演者ほか 【出演】興福寺 貫首…森谷英俊,奈良国立博物館学芸部 主任研究員…山口隆介,東京大学大学院工学系研究科准教授…海野聡,【語り】柴田祐規子,【朗読】小澤康喬
詳細 奈良興福寺が守り続けてきた天平の心と国宝の数々を探る▽秘仏続々登場!北円堂運慶作の弥勒・無著・世親や南円堂康慶作の観音・法相六祖▽古代と中世のハイブリッド?五重塔が美しい理由▽高村光太郎たたえた天平彫刻の写実と歴代美術史家が絶賛した無著像のリアルを徹底比較▽康慶の仏像に異を唱えた藤原氏!その革新性とは▽東大大学院日本建築研究の海野聡と奈良博彫刻担当の山口隆介が天平の心と中世の職人と仏師の思いに迫る
もう一度落ち着いて見直してみよう。
片付け、入浴、体重は750g増、よく食べたから納得(!)。
疲れたので早めに就寝。
Tumblr media
今日はウォーキングに出る気が失せたので3つのリングは完成せず、水分は1,540ml。
6 notes · View notes
isakicoto2 · 2 years
Text
つまさきになみのおと
そういえば、自分から電話することだって滅多になかったのだった。 ディスプレイに浮かぶ名前を、そっとなぞるように見つめる。漢字三文字、向かって右手側の画数が多いそれは、普段呼んでいるものよりもなんとなく遠くに感じる。同じ、たったひとりの人を指す名前なのに。こんな場面でやけに緊張しているのは、そのせいなのだろうか。うんと昔は、もっとこれに近い名前で呼んでいたくせに。本人の前でも、居ないところでだって、なんだか誇らしいような、ただ憧れのまなざしで。 訳もなく一度ベンチを立ち上がって、ゆるゆると力なく座り込んだ。ただ電話をかけるだけなのに、なんだってこんなに落ち着かないんだろう。らしくないと叱咤する自分と、考え過ぎてナーバスになっている自分が、交互に胸の中を行き来する。何度も真っ暗になる画面に触れなおして、またひとつ詰めていた息を吐き出した。 寮の廊下はしんと静まり返っていた。巡回する寮監が消していく共同部分の照明、それ以外は規定の中だけで生きているはずの消灯時間をとうに過ぎている。水泳部員の集まるこのフロアに関して言えば、週末の夜にはもう少し笑い声も聞こえてくるはずだ。けれど、今日は夜更かしする元気もなく、すっかり寝息を立ててしまっているらしい。 午前中から半日以上かけて行われた、岩鳶高校水泳部との合同練習。夏の大きな大会が終わってからというもの緩みがちな意識を締める意味でも、そして次の世代に向けての引き継ぎの意味でも、今日の内容は濃密で、いつも以上に気合いが入っていた。 「凛先輩、今日は一段と鬼っスよぉ」 残り数本となった練習メニューのさなか、プールサイドに響き渡るくらい大きな声で、後輩の百太郎は泣き言を口にしていた。「おーい、気張れよ」「モモちゃん、ファイト!」鮫柄、岩鳶両部員から口々にそんな言葉がかけられる。けれどそんな中、同じく後輩の愛一郎が「あと一本」と飛び込む姿を見て、思うところがあったらしい。こちらが声を掛ける前に、外しかけたスイミングキャップをふたたび深く被りなおしていた。 春に部長になってからというもの、試行錯誤を繰り返しながら無我夢中で率いていたこの水泳部も、気が付けばこうやってしっかりと揺るぎのない形を成している。最近は、離れたところから眺めることも増えてきた。それは頼もしい半面、少しだけ寂しさのような気持ちを抱かせた。 たとえば、一人歩きを始めた子供を見つめるときって、こんな気持ちなのだろうか。いや、代々続くものを受け継いだだけで、一から作り上げたわけではないから、子供というのも少し違うか。けれど、決して遠くない感情ではある気がする。そんなことを考えながら、プールサイドからレーンの方に視線を移した。 四人、三人と並んでフリースタイルで泳ぐその中で、ひときわ飛沫の少ない泳ぎをしている。二人に並んで、そうして先頭に立った。ぐんぐんと前に進んでいく。ひとかきが滑らかで、やはり速い。そして綺麗だった。そのままぼんやりと目で追い続けそうになって、慌ててかぶりを振る。 「よし、終わった奴から、各自休憩を取れ。十分後目安に次のメニュー始めるぞ」 プールサイドに振り返って声を張ると、了解の意の野太い声が大きく響いた。
暗闇の中、小さく光を纏いながら目の前に佇む自動販売機が、ブウンと唸るように音を立てた。同じくらいの価格が等間隔に並んで表示されている。価格帯はおそらく公共の施設に置いてあるそれよりも少しだけ安い。その中に『売り切れ』の赤い文字がひとつ、ポツンと浮き上がるように光っている。 ふたたび、小さく吐き出すように息をついた。こんな物陰にいて、飲み物を買いに来た誰かに見られたら、きっと驚かせてしまうだろう。灯りを点けず、飲み物を選んでいるわけでも、ましてや飲んでいるわけでもない。手にしているのはダイヤル画面を表示したままの携帯電話で、ただベンチでひとり、座り込んでいるだけなのだから。 あと一歩のきっかけをどうしても掴めない。けれど同時に、画面の端に表示された時刻がそんな気持ちを追い立て、焦らせていた。もう少しで日をまたいで越えてしまう。意味もなくあまり夜更かしをしないはずの相手だから、後になればなるほどハードルが高くなってしまうのだ。 今日は遅いし、日をあらためるか。いつになく弱気な考えが頭をもたげてきたとき、不意に今日の後ろ姿が脳裏に浮かんだ。途端に息苦しさのような、胸の痛みがよみがえる。やはり、このままでいたくなかった。あのままで今日を終えてしまいたくない。 焦りと重ねて、とん、と軽く押された勢いのまま、操作ボタンを動かした。ずっと踏み出せなかったのに、そこは淡々と発信画面に切り替わり、やがて無機質な呼び出し音が小さく聞こえ始めた。 耳に当てて、あまり音を立てないように深く呼吸をしながら、じっと待つ。呼び出し音が流れ続ける。長い。手元に置いていないのだろうか。固定電話もあるくせに、何のための携帯電話なのか。そんなの、今に始まったことじゃないけれど。それに留守電設定にもしていない。そもそも設定の仕方、知ってんのかな。…やけに長い。風呂か、もしくはもう寝てしまっているとか。 よく考えたら、このまま不在着信が残ってしまうほうが、なんだか気まずいな。そんな考えが浮かんできたとき、ふっと不安ごと取り上げられたみたいに呼び出し音が途切れた。 「もしもし…凛?」 繋がった。たぶん、少しだけ心拍数が上がった。ぴんと反射的に背筋が伸びる。鼓膜に届いた遙の声色は小さいけれど、不機嫌じゃない。いつもの、凪いだ水面みたいな。 そんなことを考えて思わず詰まらせた第一声を、慌てて喉から押し出した。 「よ、よぉ、ハル。遅くにわりぃな。あー、別に急ぎじゃないんだけどさ、その…今なにしてた? もう寝てたか?」 隙間なく沈黙を埋めるように、つい矢継ぎ早に並べ立ててしまった。違う、こんな風に訊くつもりじゃなかったのに。いつも通りにつとめて、早く出ろよ、とか、悪態の一つでもついてやろうと思ってたのに。これではわざとらしいことこの上なかった。 「いや…風呂に入ってきたところだ。まだ寝ない」 ぐるぐると頭の中を渦巻くそんな思いなんて知らずに、遙はいつもの調子でのんびりと答えた。ひとまず色々と問われることはなくて、良かった。ほっと胸を撫で下ろす。 「そ。それなら、良かった」 電話の向こう側に遙の家の音が聞こえる。耳を澄ませると、何かの扉を閉じる音、続けて、小さくガラスのような音が鳴った。それから、水の音、飲み下す音。 …あ、そっか、風呂上がりっつってたな。向こう側の景色が目の前に浮かぶようだった。台所の、頭上から降る白い光。まだ濡れたまま、少しのあいだ眠っているだけの料理道具たち。水滴の残るシンクは古くて所々鈍い色をしているけれど、よく手入れがされて光っている。水回りは実家よりも祖母の家に似ていて、どこか懐かしい。ハルの家、ここのところしばらく行ってないな。あの風呂も、いいな。静かで落ち着くんだよなぁ。 「それで、どうしたんだ」 ぼんやり、ぽやぽやと考えているうちに、水かお茶か、何かを飲んで一息ついた遙がおもむろに投げかけてきた。ハッと弾かれるように顔を上げ、慌てて言葉を紡ぎ出す。 「あー、いや…今日さ、そっち行けなかっただろ。悪かったな」 「…ああ、そのことか」 なるほど、合点がいったというふうに遙が小さく声を零した。 そっち、というのは遙の家のことだ。今日の合同練習の後、岩鳶の面々に「これから集まるから一緒に行かないか」と誘われていたのだった。 「明日は日曜日なんだしさ、久しぶりに、リンちゃんも行こうよ」 ねぇ、いいでしょ。練習終わりのロッカールームで渚がそう言った。濡れた髪のままで、くりくりとした大きな目を真っすぐこちらに向けて。熱心に誘ってきたのは主に彼だったけれど、怜も真琴も、他人の家である以上あまり強くは勧めてこなかったけれど、渚と同じように返事を期待しているみたいだった。当の家主はというと、どうなんだと視線を送っても、きょとんとした顔をして目を瞬かせているだけだったけれど。きっと、別に来てもいいってことなのだろう。明確に断る理由はなかったはずだった。 けれど、内心迷っていた。夏の大きな大会が終わってやっと一息ついて、岩鳶のメンバーとも久しぶりに水入らずでゆっくり過ごしたかった。それに何より、他校で寮暮らしをしている身で、遙の家に行ける機会なんてそう多くはない。その上、一番ハードルの高い『訪問する理由』というものが、今回はあらかじめ用意されているのだ。行っても良かったのだ。けれど。 「わりぃ、渚。今日は行かれねぇ」 結局、それらしい適当な理由を並べて断わってしまったのだった。ミーティングがあるからとか、休みのうちに片付けなきゃならないことがあるとか、今思えば至極どうでもいいことを理由にしていた気がする。 始めのうちは、ええーっと大きく不満の声を上げ、頬を膨らませてごねていた渚も、真琴に宥められて、しぶしぶ飲み込んだみたいだった。 「また次にな」 まるで幼い子供に言い聞かせるようにやわらかい口調につとめてそう言うと、うん、分かったと渚は小さく頷いた。そうして、きゅっと唇を噛みしめた。 「でもでも、今度こそ、絶対、ぜーったいだからね!」 渚は声のトーンを上げてそう口にした。表向きはいつものように明るくつとめていたけれど、物分かりの良いふりをしているのはすぐに知れた。ふと垣間見えた表情はうっすらと陰り曇って、最後まで完全に晴れることはなかった。なんだかひどく悪いことをしてしまったみたいで、胸の内側が痛んだ。 ハルは、どうなんだ。ちらりとふたたび視線をやる。けれど、もうすっかり興味をなくしたのか、遙はロッカーから引き出したエナメルバッグを肩に引っ掛け、ふいっと背を向けた。 「あ、ハル」隣にいた真琴が呼びかけたけれど、遙は振り返らずに、そのまま出入り口へ歩いていってしまった。こんなとき、自分にはとっさに呼び止める言葉が出てこなくて、ただ見送ることしかできない。強く引っ掛かれたみたいに、いっそう胸がちくちくした。 「なんか、ごめんね」 帰り際、真琴はそう言って困ったように微笑んだ。何が、とは言わないけれど、渚の誘いと、多分、先ほどの遙のことも指しているのだろう。 「いーって。真琴が謝ることじゃねぇだろ」 軽い調子で答えると、真琴は肩をすくめて曖昧に笑った。 「うん、まぁ、そうなんだけどさ」 そう言って向けた視線の先には、帰り支度を終えて集まる渚、怜、江、そして遙の姿があった。ゆるく小さな輪になって、渚を中心に談笑している。この方向からでは遙の顔は見えない。顔の見える皆は楽しそうに、ときどき声を立てて笑っていた。 「言わなきゃ、分からないのにね」 目を細めて、独り言のように真琴は口にした。何か返そうと言葉を探したけれど、何も言えずにそのまま口をつぐんだ。 その後、合同練習としては一旦解散して、鮫柄水泳部のみでミーティングを行うために改めて集合をかけた。ぞろぞろと整列する部員たちの向こうで、校門の方向へ向かう岩鳶水泳部員の後ろ姿がちらちらと見え隠れした。小さな溜め息と共に足元に視線を落とし、ぐっと気を入れ直して顔を上げた。遙とは今日はそれっきりだった。 「行かなくて良かったのか?」 食堂で夕食を終えて部屋に戻る道中、宗介がおもむろに口を開いてそう言った。近くで、ロッカールームでの事の一部始終を見ていたらしかった。何が、とわざわざ訊くのも癪だったので、じっとねめつけるように顔を見上げた。 「んだよ、今さら」 「別に断る理由なんてなかったんじゃねぇか」 ぐっと喉が詰まる。まるで全部見透かしたみたいに。その表情は心なしか、成り行きを楽しんでいるようにも見えた。 「…うっせぇよ」 小さく舌打ちをして、その脚を軽く蹴とばしてやる。宗介は一歩前によろけて、いてぇなと声を上げた。けれどすぐに、くつくつと喉を鳴らして愉快そうに笑っていた。 「顔にでっかく書いてあんだよ」 ここぞとばかりに、面白がりやがって。
それから風呂に入っても、言い訳に使った課題に手を付けていても、ずっと何かがつかえたままだった。宗介にはああいう態度をとったものの、やはり気にかかって仕方がない。ちょっとどころではない、悪いことをしてしまったみたいだった。 だからなのか、電話をしようと思った。他でもなく、遙に。今日の後ろ姿から、記憶を上塗りしたかった。そうしなければ、ずっと胸が苦しいままだった。とにかくすぐに、その声が聞きたいと思った。 寮全体が寝静まった頃を見計らって、携帯電話片手にひと気のない場所を探した。いざ発信する段階になってから、きっかけが掴めなくて踏ん切りがつかずに、やけに悩んで時間がかかってしまったけれど。 それでも、やっとこうして、無事に遙と通話するに至ったのだった。 「…らしくないな、凛が自分からそんなこと言い出すなんて」 こちらの言葉を受けて、たっぷりと間を置いてから遙は言った。そんなの自分でも分かっているつもりだったけれど、改まってそう言われてしまうと、なんとなく恥ずかしい。じわじわと広がって、両頬が熱くなる。 「んだよ、いいだろ別に。そういうときもあんだよ」 「まぁ、いいけど」 遙は浅く笑ったみたいだった。きっと少しだけ肩を揺らして。風がそよぐような、さらさらとした声だった。 「でも、渚がすごく残念がってた」 「ん…それは、悪かったよ」 あのときの渚の表情を思い浮かべて、ぐっと胸が詰まる思いがした。自分のした返事一つであんなに気落ちさせてしまったことはやはり気がかりで、後悔していた。いっつもつれない、なんて、妹の江にも言われ続けていたことだったけれど。たまにはわがままを聞いてやるべきだったのかもしれない。近いうちにかならず埋め合わせをしようと心に決めている。 「次に会うときにちゃんと言ってやれ」 「そうする」 答えたのち、ふっとあることに気が付いた。 「そういえば、渚たちは?」 渚の口ぶりから、てっきり今晩は遙の家でお泊り会にでもなっているのだと思っていた。ところが電話の向こう側からは話し声どころか、遙以外のひとの気配さえないようだった。 「ああ。晩飯前には帰っていった」 「…そっか」 つい、沈んだ声色になってしまった。何でもないみたいにさらりと遙は答えたけれど、早々にお開きになったのは、やはり自分が行かなかったせいだろうか。過ぎたことをあまり考えてもどうにもならないけれど、それでも引っ掛かってしまう。 しばらく沈黙を置いて、それからおもむろに、先に口を開いたのは遙の方だった。 「言っておくが、そもそも人数分泊める用意なんてしてなかったからな」 渚のお願いは、いつも突然だよな。遙は少し困ったように笑ってそう言った。ぱちりぱちりと目を瞬かせながら、ゆっくりと状況を飲み込んだ。なんだか、こんな遙は珍しかった。やわらかくて、なにか膜のようなものがなくて、まるで触れられそうなくらいに近くて、すぐ傍にいる。 そうだな、とつられて笑みをこぼしたけれど、同時に胸の内側があまく締め付けられていた。気を抜けば、そのまま惚けてしまいそうだった。 そうして、ぽつんとふたたび沈黙が落ちた。はっとして、取り出せる言葉を慌てて探した。だんだんと降り積もるのが分かるのに、こういうとき、何から話せばいいのか分からない。そんなことをしていたら先に問われるか離れてしまうか。そう思っていたのに、遙は何も訊かずに、黙ってそこにいてくれた。 「えっと」 ようやく声が出た。小石につまづいてよろけたように、それは不格好だったけれど。 「あ、あのさ、ハル」 「ん?」 それは、やっと、でもなく、突然のこと、でもなく。遙は電話越しにそっと拾ってくれた。ただそれだけのことなのに、胸がいっぱいになる。ぐっとせり上がって、その表面が波打った。目元がじわりと熱くなるのが分かった。 「どうした、凛」 言葉に詰まっていると、そっと覗き込むように問われた。その声はひどく穏やかでやわらかい。だめだ。遙がときどき見せてくれるこの一面に、もう気付いてしまったのだった。それを心地よく感じていることも。そうして、知る前には戻れなくなってしまった。もう、どうしようもないのだった。 「…いや、わりぃ。やっぱなんでもねぇ」 切り出したものの、後には続かなかった。ゆるく首を振って、ごまかすようにつま先を揺らして、わざと軽い調子で、何でもないみたいにそう言った。 遙は「そうか」とひとつ返事をして、深く問い詰めることはしなかった。 そうしていくつか言葉を交わした後に、「じゃあまたな」と締めくくって、通話を切った。 ひとりになった瞬間、項垂れるようにして、肺の中に溜め込んでいた息を長く長く吐き出した。そうしてゆっくりと深呼吸をして、新しい空気を取り入れた。ずっと潜水していた深い場所から上がってきたみたいだった。 唇を閉じると、しんと静寂が辺りを包んでいた。ただ目の前にある自動販売機は、変わらず小さく唸り続けている。手の中にある携帯電話を見やると、自動で待ち受け状態に戻っていた。まるで何ごともなかったみたいに、日付はまだ今日のままだった。夢ではない証しのように充電だけが僅かに減っていた。 明るさがワントーン落ちて、やがて画面は真っ暗になった。そっと親指の腹で撫でながら、今のはきっと、「おやすみ」と言えば良かったんだと気が付いた。
なんだか全身が火照っているような気がして、屋外で涼んでから部屋に戻ることにした。同室の宗介は、少なくとも部屋を出てくるときには既に床に就いていたけれど、この空気を纏って戻るのは気が引けた。 寮の玄関口の扉は既に施錠されていた。こっそりと内側から錠を開けて、外に抜け出る。施錠後の玄関の出入りは、事前申請がない限り基本的には禁止されている。防犯の観点からも推奨はできない。ただ手口だけは簡単なので、施錠後もこっそり出入りする寮生が少なくないのが実情だった。 そういえば、前にこれをやって呼び出しを受けた寮生がいたと聞いた。そいつはそのまま校門から学校自体を抜け出して、挙げ句無断外泊して大目玉を食らったらしいけれど、さすがに夜風にあたる目的で表の中庭を歩くくらいなら、たとえばれたとしてもそこまでお咎めを受けることはないだろう。何なら、プールに忘れものをしたから取りに行ったとでも言えばいい。 そうして誰もいない寮の中庭を、ゆっくりと歩いた。まるで夜の中に浸かったみたいなその場所を、あてもなくただ浮かんで揺蕩うように。オレンジがかった外灯の光が点々とあちこちに広がって、影に濃淡をつくっている。空を仰ぐと、雲がかかって鈍い色をしていた。そういえば、未明から雨が降ると予報で伝えていたのを思い出した。 弱い風の吹く夜だった。時折近くの木の葉がかすかに揺れて、さわさわと音を立てた。気が付けば、ほんの半月ほど前まで残っていたはずの夏の匂いは、もうすっかりしなくなっていた。 寝巻代わりの半袖に綿のパーカーを羽織っていたので、さして寒さは感じない。けれど、ここから肌寒くなるのはあっという間だ。衣替えもして、そろそろ着るものも考えなければならない。 夏が過ぎ去って、あの熱い時間からもしばらく経って、秋を歩く今、夜はこれから一足先に冬へ向かおうとしている。まどろんでいるうちに瞼が落ちているように、きっとすぐに冬はやってくる。じきに雪が降る。そうして年を越して、降る雪が積もり始めて、何度か溶けて積もってを繰り返して、その頃にはもう目前に控えているのだ。この場所を出て、この地を離れて、はるか遠くへ行くということ。 たったひとつを除いては、別れは自分から選んできた。昔からずっとそうだった。走り出したら振り返らなかった。自分が抱く信念や想いのために、自分で何もかも決めたことなのに、後ろ髪を引かれているわけではないのに、最近はときどきこうやって考える。 誰かと離れがたいなんて、考えなかった。考えてこなかった。今だってそうかと言えばそうじゃない。半年も前のことだったらともかく、今やそれぞれ進むべき道が定まりつつある。信じて、ひたむきに、ただ前へ進���ばいいだけだ。 けれど、なぜだろう。 ときどき無性に、理由もなく、どうしようもなく、遙に会いたくなる。
ふと、ポケットに入れていた携帯電話が震え出したのに気が付いた。メールにしては長い。どうやら電話着信のようだった。一旦足を止め、手早く取り出して確認する。 ディスプレイには、登録済みの名前が浮かんでいる。その発信者名を目にするなり、どきりと心臓が跳ねた。 「も、もしもし、ハル?」 逡巡する間もなく、気が付けば反射的に受話ボタンを押していた。慌てて出てしまったのは、きっと遙にも知れた。 「凛」 けれど、今はそれでも良かった。その声で名を呼ばれると、また隅々にまで血が巡っていって、じんわりと体温が上がる。 「悪い、起こしたか」 「や、まだ寝てなかったから…」 そわそわと、目にかかった前髪を指でよける。立ち止まったままの足先が落ち着かず、ゆるい振り子のように小さくかかとを揺らす。スニーカーの底で砂と地面が擦れて、ざりりっと音を立てた。 「…外に出てるのか? 風の音がする」 「あー、うん、ちょっとな。散歩してた」 まさか、お前と話して、どきどきして顔が火照ったから涼んでるんだ、なんて口が裂けても言えない。胸の下で相変わらず心臓は速く打っているけれど、ここは先に会話の主導権を握ってしまう方がいい。背筋を伸ばして、口角をゆるく上げた。 「それより、もう日も跨いじまったぜ。なんだよ、あらたまって。もしかして、うちのプールに忘れもんしたか?」 調子が戻ってきた。ようやく笑って、冗談交じりの軽口も叩けるようになってきた。 「プールには、忘れてない」 「んだよ、ホントに忘れたのかよ」 「そういうことじゃない」 「…なんかよく分かんねぇけど」 「ん…そうだな。だけど、その」 遙にしては珍しい、はっきりとしない物言いに首を傾げる。言葉をひとつずつひっくり返して確かめるようにして、遙は言いよどみながら、ぽつぽつと告げてきた。 「…いや、さっき凛が…何か、言いかけてただろ。やっぱり、気になって。それで」 そう続けた遙の声は小さく、言葉は尻切れだった。恥ずかしそうに、すいと視線を逸らしたのが電話越しにも分かった。 どこかが震えたような気がした。身体の内側のどこか、触れられないところ。 「…はは。それで、なんだよ。それが忘れもの? おれのことが気になって仕方なくって、それでわざわざ電話してきたのかよ」 精一杯虚勢を張って、そうやってわざと冗談めかした。そうしなければ、覆い隠していたその存在を表に出してしまいそうだった。喉を鳴らして笑っているつもりなのに、唇が小さく震えそうだった。 遙はこちらの問いかけには返事をせずに、けれど無言で、そうだ、と肯定した。 「凛の考えてることが知りたい」 だから。そっとひとつ前置きをして、遙は言った。 「聞かせてほしい」 凛。それは静かに押し寄せる波みたいだった。胸に迫って、どうしようもなかった。 顔が、熱い。燃えるように熱い。視界の半分が滲んだ。泣きたいわけじゃないのに、じわりと表面が波打った。 きっと。きっと知らなかった頃には、こんなことにも、ただ冗談めかして、ごまかすだけで終わらせていた。 ハル。きゅっと強く、目を瞑った。胸が苦しい。汗ばんだ手のひらを心臓の上にそっとのせて、ゆるく掴むように握った。 今はもう知っているから。こんなに苦しいのも、こんなに嬉しいのも、理由はたったひとつだった。ひたひたといっぱいに満たされた胸の内で、何度も唱えていた。 「…凛? 聞いてるのか」 遙の声がする。黙ったままだから、きっとほんの少し眉を寄せて、怪訝そうな顔をしている。 「ん、聞いてる」 聞いてるよ。心の中で唱え続ける。 だって声、聞きたいしさ、知りたい。知りてぇもん。おれだって、ハルのこと。 「ちゃんと言うから」 開いた唇からこぼれた声はふわふわとして、なんだか自分のものではないうわ言みたいで、おかしかった。 できるだけいつも通りに、まるで重しを付けて喋るように努めた。こんなの、格好悪くて仕方がない。手の甲を頬に当ててみた。そこはじんわりと熱をもっている。きっと鏡で見たら、ほんのりと紅く色づいているのだろう。はぁ、とかすかに吐き出した息は熱くこもっていた。 「あのさ、ハル」 差し出す瞬間は、いつだってどきどきする。心臓がつぶれてしまいそうなくらい。こんなに毎日鍛えているのに、こういうとき、どうにもならないんだな。夜の中の電話越しで、良かった。面と向かえば、次の朝になれば、きっと言えなかった。 「こ、今度、行っていいか、ハルの家」 上擦った調子で、小さく勢いづいてそう言った。ひとりで、とはついに言えなかったけれど。 「行きたい」 触れた手のひらの下で、どくどく、と心臓が弾むように鳴っているのが分かる。 無言のまま、少し間が開いた。少しなのに、果てしなく長く感じられる。やがて遙は、ほころんだみたいに淡く笑みを零した。そうして静かに言葉を紡いだ。 「…うん、いつでも来い」 顔は見えないけれど、それはひらかれた声だった。すべてゆるんで、溢れ出しそうだった。頑張って、堪えたけれど。 待ってる。最後に、かすかに音として聞こえた気がしたけれど、本当に遙がそう言ったのかは分からなかった。ほとんど息ばかりのそれは風の音だったのかもしれないし、あるいは別の言葉を、自分がそう聞きたかっただけなのかもしれない。あえて訊き返さずに、この夜の中に漂わせておくことにした。 「それまでに、ちゃんと布団も干しておく」 続けてそう告げる遙の声に、今度は迷いも揺らぎも見えなかった。ただ真っすぐ伝えてくるものだから、おかしくてつい吹き出してしまった。 「…ふっ、はは、泊まる前提なのかよ」 「違うのか」 「違わねぇけどさ」 「なら、いい」 「うん」 くるくると喉を鳴らして笑った。肩を揺らしていると、耳元で、遙の控えめな笑い声も聞こえてきた。 いま、その顔が見たいな。目を細めると、睫毛越しに外灯のオレンジ色の光が煌めいて、辺りがきらきらと輝いて見えた。 それから他愛のない会話をひとつふたつと交わして、あらためて、そろそろ、とどちらともなく話を折りたたんだ。本当は名残惜しいような気持ちも抱いていることを、今夜くらいは素直に認めようと思った。口にはしないし、そんなのきっと、自分ばっかりなのだろうけど。 「遅くまでわりぃな。また連絡する」 「ああ」 そうして、さっき言えなかったことを胸の内で丁寧になぞって、そっと唇に乗せた。 「じゃあ、おやすみ」 「おやすみ」
地に足がつかないとは、こういうことなのかもしれない。中庭から、玄関口、廊下を通ってきたのに、ほとんどその意識がなかった。幸い、誰かに見つかることはなかったけれど。 終始ふわふわとした心地で、けれど音を立てないように、部屋のドアをいつもより小さく開けて身体を滑り込ませた。カーテンを閉め切った部屋の中は暗く、しんと静まっていた。宗介は見かけに反して、意外と静かに眠るのだ。あるいは、ただ寝たふりなのかもしれないけれど。息をひそめて、自分のベッドに潜り込んだ。何か言われるだろうかと思ったけれど、とうとう声は降ってこなかった。 横向きに寝転んで目を閉じるけれど、意識がなかなか寝に入らない。夜は普段言えない気持ちがするすると顔を出してきて、気が付けば口にしているんだって。あの夏にもあったことなのに。 重なったつま先を擦りつけあう。深く呼吸を繰り返す。首筋にそっと触れると、上がった体温でうっすら汗ばんでいた。 なんか、熱出たときみてぇ。こんなの自分の身体じゃないみたいだった。心臓だって、まだトクトクと高鳴ったまま静まらない。 ふっと、あのときの声が聞こえた気がした。訊き返さなかったけれど、そう思っていていいのかな。分からない。リンは奥手だから、といつだかホストファミリーにも笑われた気がする。だって、むずかしい。その正体はまだよく分からなかった。 枕に顔を埋めて、頭の先まで掛け布団を被った。目をぎゅっと瞑っても、その声が波のように、何度も何度も耳元で寄せては引いた。胸の内側がまだいっぱいに満たされていた。むずむず、そわそわ。それから、どきどき。 ああ、でも、わくわくする。たとえるなら、何だろう。そう、まるで穏やかな春の、波打ち際に立っているみたいに。
---------------------------
(2018/03/18)
両片想いアンソロジーに寄稿させていただいた作品です。
2 notes · View notes
helldogs-movie · 2 years
Text
公開直前!サプライズ登場で場内騒然!?男だらけの座談会トークでクセ強キャラへの熱烈愛を明かす!!
Tumblr media
本作の公開初日を3日後に控えた公開直前イベントを実施しました!イベント会場には誰が来るか知らされていないお客さんの前に、岡田准一、坂口健太郎、MIYAVI、金田哲(はんにゃ)、吉原光夫の5人がサプライズで登壇!上映後の会場に現れた豪華キャスト陣の姿に場内は騒然!大きな拍手で迎えられ、熱気高まる中、男だらけの座談会トークが繰り広げられました!!
Tumblr media
映画鑑賞直後のお客様の前に姿を見せた岡田さんは、「濃い人が出ている、香ってくるような映画です。映画を観てくれて幸せです。」と上映後イベントへの登壇に対し喜びを明かしつつ、「今日は金田さんが役のまま登壇しているそうなので、お楽しみに」と無茶振りを一言。狼狽える金田さんを横目に、坂口さんは「僕は普通に挨拶します(笑)」と明かし、場内が笑いに包まれる中「力強い、エネルギッシュな作品です」と映画をアピール、MIYAVIさんは「俳優としてこういうステージに立てることはあまり無いので、男だらけの㊙座談会をぜひ楽しんで」とコメント。本来であれば金田さんの挨拶が始まる所に吉原さんがカットイン。「僕が先に話していい?」と金田さんにプレッシャーをかけるお茶目な姿を披露しつつ「男くさい中にも切なさを感じられる作品になっています。女性のお客さんが多いようですが、きっと共感してもらえるのでは?」と上映後のお客さんに向けて、本編で描かれる男同士の愛憎とも言える関係性に言及していた。満を持して金田さんが挨拶する番に。開口一番「みんなよく来てくれたな!どうぞよろしく」と勢いよく三神風に話し始めたかと思ったら沈黙が続き、「キツいっす!!」と岡田さんの無茶振りに音を上げて場内の笑いを誘っていた。
Tumblr media
それぞれ濃い役柄での現場を振り返りつつ、お気に入りのキャラについて明かすトークが始まると、岡田さんは「潜入捜査をしている役柄だったけど、思わぬところで男同士の絆とか愛とかが感じられるようになっていって。現場でも役柄的に表情とか隠さないといけない事が多かったので大変でした」と本作で描かれるキャラクターたちの複雑な関係性を紐解きつつ、好きなキャラクターは吉原さん演じる熊沢と発表。「安心感がありつつセクシーさもあって素敵なキャラだな、と思っていました」と岡田さんが熊沢を選んだ理由を明かすと、MIYAVIさんも「僕も同じです。アドリブもどんどん膨らませてくるし、セッションしてるような現場で楽しかったです」と貴重な撮影秘話を披露した。坂口さんはそんなMIYAVIさん演じた十朱がお気に入りと発表。「カリスマ性とかスター性とかすごいカッコいいですよね」とMIYAVIさんならではの魅惑的な雰囲気を絶賛。岡田さんも「あんな様子は出せる人限られますよ」と大きく相槌を打っていた。そんなMIYAVIさんは岡田さん、坂口さんとは役柄的にあまり密にコミュニケーションを取れなかったようで、現場を振り返り、MIYAVIさんは「岡田さん、坂口さんが仲良く筋トレしてていいなぁと。僕はずっと手袋してるんだけど、それがムレムレだった事しか…」と明かすと岡田さんは「“すごいムレてるんだよね”と話しかけてくれたのが最初でしたよね(笑)」と意外すぎる茶目っ気満載なエピソードを明かしていた。
Tumblr media
金田さんはというと、撮影でも直接対峙することの多かった兼高をチョイス。「敵対してきたからこそ分かると思うんですけど、ピュアすぎだし、強すぎだし、日に日に色気が増していって…最後には彫り深すぎてもう黒かったです」と冗談交じりに兼高の魅力を熱弁すると岡田さんも「いじってるじゃん!」と突っ込みつつ「役的にも現場でずっと見られていて、時々目が合うと照れてたよね?」と裏話を暴露。金田さんは「もうなんかオスとしてドキドキしちゃって…(目があっても)何でもない!って言って走って逃げたりしちゃってました」と乙女のようなエピソードを明かしていた。さらに、金田さんは岡田さんと敵対した時は「手が触れる前から圧を感じて吹っ飛んじゃって…もう覇気出てますよ!!」と驚異の強さに圧倒された様子を明かし、場内は大きな笑いに包まれていた。吉原さんは、劇中、熊沢の妻役を演じた赤間麻里子さん演じる佐代子をお気に入りキャラとして挙げ「初めて会った時からリーゼントだったんですけど、その姿がすごく自然で。あんなにリーゼントとサングラスを自然に身につけられる人いないな、と。愛おしくなってしまいました」と、妻を愛する劇中の熊沢のような姿を見せていた。
撮影時の思い出やエピソードトークが尽きず、次から次へと話が飛び出す内容に場内も大盛りあがり。濃厚キャラへの熱烈愛が止まらない状態に。終始笑いが耐えないイベントも終盤に差し掛かり、最後に岡田さんからメッセージが。「この映画をみた皆さんは、きっと今日夢にみますよ。また食べたくなってクセになるような作品です。また会いたくなったら、ぜひ劇場に足を運んでください」と映画をアピールしつつ、「皆さんはこの映画を見れますか?浴びれますか?」とも問いかけて、トークイベントは幕を閉じた。
ついに今週金曜日公開! ぜひご期待ください!
2 notes · View notes
tamanine · 2 years
Text
もしもその日を繰り返せたら/京都
今日はとっても楽しかったから、夕方4時からもう一回同じことしたいね、と夜道で笑い合った。
歩けるんじゃない?と歩き出したら30分かかったことも、途中で見かけた店構えのいい「魚と白ワイン」のお店までまた18分歩いて戻ったことも、全部楽しく、全て偶然で、私たちが対面で会えたことも、歩く間に土砂降りにならなかったことも、ブライアンイーノの展示のソファの位置も、その日見たビジュアルも「77million」分の一だ。
7700万分の1の音と色の移り変わりを眺めて、アンビエントミュージックにぐにゃぐにゃに溶けながら77million分の1を味わう。
笑い合える人の隣でブライアン・イーノを聞けるのは1000million分の1のできごとかもしれない。
全て偶然で、偶然の輝きに満ちた1日、
にんじんのポタージュや鱧のパスタが美味しかったこと、鯛の白ワイン煮、フレッシュな白ワインは今年だけの味わい、
どうしてこんなふうに味わえたの、今日まで生き延びたから味わえたの。
またあなたに優しくしたい、また笑いあえたらいいなと思う。
パーム・スプリングスみたいにその日を繰り返せたら、「agiyao」のメニューを全部食べてみるのに。
2回目のその日が来たら、ブライアン・イーノの展示ですらも同じものになるんだろうか?
この日をまた繰り返せたら。
この日をまた繰り返せたら、あれを止められたのに、という人だっているだろう。
アンドリュー・ヘイ監督の次の作品がアンドリュー・スコット主演で山田太一の小説を薄く原作とすると聞いてとても嬉しく、新幹線で読もうと持ってきていた。
のぞみ89号の席で文庫本を開いてすぐ、後ろの席の3人連れのかたが「銃撃だって」と騒ぎ出した。ほんと?ほんとのニュース?という声を聞きながら新聞社のHPのトップの速報を眺めた。嘘のニュースではないが、現実感が湧かないようなニュース。
『そんなことが起きるわけがない』と思うようなことは、現実にはたまにある。
自分のことでも信じられないようなこと、自分の身に起きてても前と後のタイムラインがうまくつながらないようなこと、何日も『そんなことが起きるわけない』と思うようなこと。
私が楽しい1日を過ごして美味しいものを食べて、このメニューを全部もう一周食べたい、と思う日に、その日を朝から全てやり直せたらと、もっと痛切に思う人もいるだろう、もしもあの時、あの提案をもし止めていたら。
自分が深く傷ついた思い出で、『あの時もしも』はいくつかあるけれども、やっぱり全てはどうにもならず、時間は一方通行でしか流れない。
禅林寺に併設された幼稚園の庭の楽しそうな遊具を眺めていたら雨が降り出し、レーダーを見たら真っ赤だったので慌てて本堂に戻った。
雨脚は強くなり、鯉の泳ぐ池の水面が跳ねる。カエルの声が大きくなる。
庭にいた色んな人たちが建物の中に入り、雨粒が横から跳ねる渡り廊下の水たまりをぴょんと飛ぶ。
椅子と扇風機がある場所から強くなっていく雨を眺める。それが通り雨だと分かっている。いっときの足止め、緑色が鮮やかになる。
地下鉄の駅を目指していたら道を間違え、あまり混んでなかったブルーボトルコーヒーを飲む。
東京で席に座るために並ばなそうなタイミングを見たことが無い。
店員さんが全員驚異的に優しい。
道を間違えて得したな〜と歩いていたら立憲民主党の選挙カーとすれ違い、手を振り合った。
杉本博司が撮影した写真を知っていたので、中学生ぶりに三十三間堂に行く。
心の広い仏さまが戦争や分断や差別なんて望むのかしら?望むのは命と幸福なのではないかしら?そこに戸籍制度なんて関係ないんじゃないかしら、拝金主義のカルト野郎のせいで大勢の人間が困ってるんじゃないかしら、と思う。
軒先に座って風に吹かれる。蝉の声がして、お金が箱に落ちる音が聞こえる。
杉本博司が撮影した写真は早朝の太陽の
露光で行われたものだ。
https://imaonline.jp/articles/interview/20200918hiroshi-sugimoto/#page-1
東に向かって、普段は閉められた扉が開くと、金色の像が朝の光に照らされる。
出来立ての像はどんなに強く光ったんだろう。
あれらはすべて人が彫っている。
人が死にませんように、あの人が死にませんように、あの人が飢えませんように、ずっと先の人たちもその像を眺められますように。
戸籍制度なんてみみっちいことを、薄い金箔を貼りながら、瞳に水晶を入れながら、思うことなんてあるだろうか。
木彫に血なんて関係あるだろうか。
普段はバスが苦手で避けるけれども、東京の渋谷-原宿感覚で歩くと体に悪すぎると往路で分かりバスに乗る。
新幹線からは青空と夏の雲がよく見える。
4 notes · View notes
bearbench-tokaido · 1 month
Text
五篇 上 その五
地蔵さまのお鼻が欠けた事に怒っている田舎者に、亭主はよいよ、苛立ちながら、 「お地蔵さまのお鼻も大切じゃが、お前さんがたのお荷物も大事じゃ。 何か、なくなった物はないか。どうでも、怪しいやつらじゃ。 それ、あの目つき。」 「いや、わしらは、泥棒なんかじゃない。 人聞きの悪いことを言わないでくれ。正直でまじめな旅人だ。」 と、北八は、首を振りながら答える。 田舎者も、自分の荷物を確かめてから、 「いいや、そうじゃあるまい。 だいたいお前が泥棒でないなら、どうして今時分そこに寝ていたんだ。」 「いや、これはそう、便所に行こうと思って。」 北八は、一瞬言葉に詰まってからへたな言い訳をする。 それを聞いて、旅館の亭主、 「馬鹿なことを言うな。便所は、座敷の縁さきにあるのに。 お前も、寝る前に行ったであろう。そんなごまかしにひっかかるもんか。」 と、にらみつけるので、北八しかたなく、 「そう言われてはしかたがない。恥ずかしい話だが正直に言いましょう。」 「おお、そうさ。最初から正直に言えばいいものを。」 と、旅館の亭主が言う。
「いやどうもお恥ずかしいが、今俺がここに居るわけは、約束した女のところに夜這いにきて、この棚の落ちた音にまごついてこうなったのでございます。」 田舎者が、驚いた様子で、 「なに、夜這いに来た。いやはやお前さんは、罰当たりな男だ。 どこの国に、石地蔵さまのところへ夜這いにくるやつがおるんじゃ。」 「言えば言うほど、つまらない言い訳ばかり。」 旅館の亭主は、北八をにらんでいる。 「こりゃ、とんだ災難にあった。弥次さん、弥次さん。」 と、北八は、弥次郎兵衛を呼びつける。 先程から、起き出してきてこの様子を見ていた弥次郎兵衛は、おかしいのをぐっとこらえて出てくると、 「こりゃあ、どなたもお気の毒。あの男は、私が保障します。 変なものじゃない。勘弁してやってください。 又、地蔵さまの鼻とやらがかけたといいなさるが、どうぞ私に免じてなんとか許してやってください。」 と、色々でまかせでことわりを言いながら、何とかこの場をおさめてしまった。
旅館の亭主も興奮が冷めてくると、なるほど北八は、悪者とも見えない面をしている。。 どうやらなくなったものもないようだし、弥次郎兵衛の言った事に納得してしまった。
夜這いかけ 地蔵の顔に 三度笠 またかぶりたる 首尾の悪さよ
弥次郎兵衛が今の様子で、狂歌を一首詠むと、みんながどっと笑いだし、どうにかこうにか揉め事もおさまった。 まだ、夜があけるのには時間があるから、みなめいめいに寝床に入って休むことにした。
しばらくして一番鶏の告げる声や馬のいななきも聞こえてきた。 弥次郎兵衛と北八は急いでおき出すと、支度を整えてこの旅館を立ち出た。
遥かなる 東海道も これからは 京の都へ 四日市なり (この当時、四日市から京都まで、四日で行けた。)
それより、浜田村を通り過ぎ赤堀につくと、往来はまことに賑わしく、そこかしこに人々が集まっている。 いったい何事かと、弥次郎兵衛と北八も、道路の片方によっていきながら、 「もしもし、何でございます。」 近くの親父に聞いてみると、 「あ���、あれ見なせえ。」 と、指差す。 二人は、その方を見てみたが、特に何も見えない。北八は、 「けんかでも、やってるのかな。」 と、聞くと、 「いいや、天蓋寺の蛸薬師さまが桑名へ開帳に行くんだが、今ここを通られるからみんな見てるんだ。」 と、親父が答える。 それを聞いて、弥次郎兵衛が、 「ははあ、なるほど。向こうの方に見える。」 と、指差す。 人だかりの中を村の名を染めたのぼりを先頭に、同じような格好をした集団がやって来る。
連中は、大きな声で、 「なあまあだあ。なあまあだあ。」 と、言うのを、北八が、 「たこ薬師さまというのは、茹でたのじゃないようだ。生だそうだ。」 と、ちゃかしている。 連中は、更に、 「なあまあだあ。」 と、繰り返している。 「先頭の、のぼりを持って行くやつは、なんて間抜けな顔だろう。」 と、弥次郎兵衛が言う。
連中が、見物している人々に、 「お賽銭は、これへ、これへ。」 と、言っている。 「これは、海より上陸してしていただいた、天蓋寺のたこ薬如来さま。 ご信心の方は、お心もち次第。どうぞ。 さあさあ、お心もちは、いいですか。」 北八は、それに答えて、 「お心もちは、いいですよ。今朝中型の椀で、三杯おかわりしましたから。」 と言うと、弥次郎兵衛も、 「そういや、今朝の食卓にはたこがあったな。ありゃ、うまかった。」 と、はぐらかす。
その後ろから、御厨子(みずし)に入った薬師如来を、大勢で担いで通って行く。 更にその後から、天蓋寺の和尚が乗り物に乗ってくると、そこらじゅうにいた人たちが念仏をあげてくれと願い出る。 従者が、 「よかろう。お十念を。」 と、言うと、乗り物を下ろして、戸を引きあける。
現れた和尚は名前のごとくゆでだこのようで、赤ら顔にあばたもあり髭だらけで、でっぷり太って脂ぎっている。 その和尚が、さも、もっともらしく、 「なむあみ。」 と、言うと、みんなもそれを真似て、 「なむあみ。」 と、言う。 更に、和尚が、 「なむあみ。」 みんなもそれを真似て、 「なむあみ。」 と、繰り返す。
和尚は、『なむあみ』と繰り返し最後に、どうしたはずみか鼻がムズムズして、 「はっ、クション。」 と、くっしゃみをしてしまう。 みんなも、これが、念仏だと勘違いして、 「はっ、クション。」 と、真似をする。 和尚が小声で、 「畜生め。」 と、言うと、みんなも、小声で、 「畜生め。」 と、言う。
「ははは。笑わせやがる。なんだ、あの念仏は。 あの和尚は、くしゃみ畜生めだ。ははは。」 と、この様子に、弥次郎兵衛は笑っている。その横を連中は、 「なあまあだあ。なあまあだあ。」 と、賑わしく通り過ぎる。 弥次郎兵衛と北八は、おかしく後を見送りながら、
念仏を 唱えながらの くしゃみは 余計なもので 風邪をひかせし
と、詠んで笑いながら、そこを通り過ぎた。 そこから、追分町につくとここの茶屋は、饅頭が名物で茶屋の女中が、 「お休なさりまあせ。名物のまんじゅうの暖かいのを、おあがりまあせ。 お雑煮もござりまあす。」 と、声をかけている。
北八が、 「右側の茶屋の娘が美しいの。」 と、弥次郎兵衛に言うと、 「しばらく見ないうちに、あの娘も綺麗になった。」 と、初めて見るはずなのに、そう言って茶屋に入り、腰掛ける。 女中が、 「お茶をまず、どうぞ。」 と、持ってくると、 「饅頭をいただこう。」 と、女中に言う。 「はい。すぐに、お持ちします。」 と、女中は言うと奥に戻り、やがて持ってくる。
そこへ、金毘羅参りのような服装の白いハンテンを来た男が、二人と同じ茶屋に入ってきた。 男は、雑煮もちを注文している。
弥次郎兵衛は、饅頭を全部食べてしまうと、 「もう少し食べようか。 さすがに名物だけあって、いくらでも食べられるようだ。」 と、北八に言う。 「いいや、お前は酒飲みのくせに甘いものも好きだときてる。 いい加減にしたらどうだ。」 と、北八はたしなめる。
近くに座っていた例の金毘羅が、話しかけてきた。 「あなたがたは、お江戸の方かな。」 「ああ、そうさ。」 北八が答える。
つづく。
0 notes
rynnote · 2 months
Text
ボクたちの村の音楽祭vol.2 の日記 ryn
2024年3月10日に開催した演奏会の感想になります。
みんな日記を書いてるので私も書いてみました。
〜第一部〜
やすらぎ〜今日が来て明日になって
FFCCをプレイしたことがある人にはお馴染みのフレーズですね。この音が聞こえてくるとなんとなく安心します。
今回の語りは前回のキャラバンの3年後という設定のシナリオでした。
前回は旅立ちについていろいろと語っていた「ボク」も3年経てばあっさりと旅立っていくのでした。
夢路の夕暮れ〜きのこのロンド
あんです村は南米楽器にピアノや電子楽器など異郷の楽器を加えた編成なのですが、この曲だけはピアノも電子楽器もなしの完全アコーステ��ックでした。
私はタンバリンとトライアングルを担当しました。
はいりちゃんがカホンとシンバルとシェイカーを担当しているのですが、序盤からパーカッション2人がリズムキープを放り出して全力でSEをやるという挙動に出るため、練習が始まった当初は主旋律担当のロシータちゃんが困惑していたのを覚えています。
楽譜なしでフィーリングで魔物の足音や葉ずれ(葉…?きのこずれ…?)やきのこのボヨンボヨンする音を立てていたため演奏するたびに少し違います。
本日のキノコの盛り合わせはいかがだったでしょうか。
後半は怪物のロンド風アレンジのきのこのロンド。誰からともなく呼びはじめた「きのこのロンド」という名前が可愛くて好きです。
憂いの闇の中で(槌音響く峠にて)
こちらも2曲を合わせたアレンジです。がいく氏は原曲を大改造しながらエモな曲をを生み出すのが上手です。
私は昔から、鉱山とか炭鉱とか、地中を掘って進むという行為に理由のない恐怖を感じるのですが、そんな恐怖を表すような不協和音の笛の二重奏がとても良いですね。怖いので嫌なんですけどちゃんと怖くて良いです。
私はトライアングルを担当しました。こんなにトライアングルが活躍する曲はなかなかないと思います。
ちなみにこの曲、村内では「鉱山峠」と呼ばれているのですが、アンケートで「マール鉱山」と書いていただいた方がいました。だいたい合ってる。
怪物の輪舞曲
演奏会の前にセトリ通りの順番でFFCCをプレイしたのですが、久しぶりに訪れた鉱山で見事に迷いました。ボス戦に辿り着いた時は「やっとか…」という思いだったので、「迷いに迷ってやっと辿り着いた鉱山の深い闇の底」というのは本当にその通りなのだと思います。
この曲は再演で、私はパカイ(pacay)を担当しました。パカイというのはペルーなどで栽培されている大きな豆で、乾燥させた豆のさやをシャカシャカと振って音を出す楽器です。楽器っていうか100%オーガニックに豆ですね。村のパカイはメンバーの豆さんの持ち物で、お借りして使っています。
そういえばパカイって食べられるのか?と気になったので調べてみたのですが、乾燥する前は緑色で、さやの中のワタ(そらまめのさやの中のふわふわのようなもの)があって、それが甘くて美味しいんだとか。食べたことある方いたら教えてください。
時がくるまで
リマスターで追加された楽曲のひとつです。ピアノの旋律がほんとうに美しく、被せて喋っているのが申し訳ないくらいです。
ピアノアレンジは後半の盛り上がりが好きなのですが、練習だとソロだからとよくカットされていて、フルで聴けたのはリハーサルと本番だけでした。
約束のうるおい
こちらは再演曲。根強い人気を誇る曲です。
私はタンバリンを担当しました。
今回、自分としては初めてタンバリンにもPAを入れたのですが、程よいリバーブが足されて良い音になっていて感動しました。
大ホールで鳴ってるみたいな音がする!CD音源に入ってるプロ演奏プロ録音のタンバリンに近い音がする!
タンバリンは意外に叩き方や抑え方で鳴りの変わる楽器で、どうやったら良い音が鳴るのかと色々試していたのですが、私に足りないのは反響だったようです。いや多分腕もですが。これからも精進します。
戮力協心(りくりょくきょうしん)
「何て読むんだ?」と思った皆さん、私もそうでした。「りく」の字が殺戮以外で使われている単語はこれしか知りません。
この曲はダーダッダダッダー!!という始まり方が好きです。牧歌的でありながら疾走感と焦燥感を併せ持つというすごいバランスを実現している曲でもあります。
私はシェイカーとタンバリンを担当しました。
右手で16ビートを振りながら左手と左脚でタンバリンを挟んで叩くという脳トレが開催されていました。
年に一度のお祭り
リマスター発売時に動画をアップそしているのですが、ゲームのムービーのカメラワークを再現しようとしてたのしいホームビデオが出来上がってるので酔いやすい人以外は良かったら見てみてください。
本番の1週間前にロシータちゃんから「タンバリン叩きながら踊ってください」というオーダーがあったので踊ってる風を装いました。お客さんが手拍子をしてくれて嬉しかったです。
毎年歌い継いでいきたい曲です。
youtube
今回第一部で演奏した楽曲は、あんです村のキャラバンが旅の途中で出会ったキャラバンである「水彩キャラバン」の冒険を描いた絵本風ボイスドラマ風動画でも聞けます。
youtube
〜第二部〜
時の傷跡
初回の練習で「時の傷跡は教養」「義務教育でやったでしょ」と言われてとりあえずぶっつけで演奏したら見事に事故ったので真面目に練習しました。中学校で習っても忘れてることってあるしね。しょうがないね。
まめさんのケーナが輝く曲です。原曲の尺八もそうですが、ケーナって吐息そのままの息遣いが聞こえて、そこが情緒に溢れていていいですよね。吹く人によってかなり違った雰囲気になる楽器です。
私はタンバリンを担当しました。
mini Moon
これはもうロシータちゃんの愛の結晶。
原曲知らない方はぜひ聴いてみてほしいのですが、めちゃめちゃオシャレでジャジーなエレクトロサウンドです。これをサンポーニャでやるとか控えめに言って正気じゃないです。
演奏会は主催が狂っているほど良いものになる、というのが私の持論なのですが、このmini Moonはアンケート人気が非常に高く、やはり狂気はいい音をしているのだと思いました。(?)
リバーランド地方〜崖下の村オアウェル
こちらもロシータちゃんの偏愛による選曲。こちらは打って変わって、草原と河原を感じる、サンポーニャによく似合う曲ですね。
次が自分の出番だったため舞台袖で聴いていたのですが、白いライトに照らされた舞台が揺れる川面のようで綺麗でした。
the Story Unfolds
もうご存じかと思いますがRayark社のゲームが好きです。元々音ゲーが好きで(下手なんですけど)、DeemoもCytusⅡも好きです。
R社のゲームが好きなのは、ちゃんと世界が残酷でどうしようもなく解決できない対立があって、その中で登場人物たちがそれぞれの信念や正しさに従って行動するさまが描かれる話が好きだからです。そしてとにかく音楽が良い。兎にも角にも音楽が良いんです。(大事なことなので2回。)
Sdoricaには今のところsunset、mirage、eclipse、auroraと第1〜4シーズンあるのですが、MCでお話ししたのは第1シーズンであるsunsetの話です。主人公アンジェリアは当初は純真で可愛い王女さまなのですが、ストーリーの中盤でどんな手段を使っても理想とする平和な世界を作ると決意した彼女が策略で人を騙して戦争に勝利したところで可愛い子が見たかっただけのプレイヤーが離れていきました。そういうところが好きだぞRayark。
歌詞は英語原詞の和訳をベースに、BメロにSdorica世界の伝説要素を入れて、サビはアンジェリアの視点を意識しつつ、作品に一貫したキーワードである「太陽」に関連する単語を入れています。原詞にない要素を入れるため、原曲のABメロの内容を日本語Aメロに詰め込んで、溢れた原曲Aメロの要素が日本語サビに入ったりしています。
大好きな曲が歌えたので悔いはありません。ありませんが機会があったら録音とか再演とかしたいですね。(チラッ
youtube
Journey in the FFCC world
帰ってきたがいく氏のピアノソロ。
様々なフィールドのあるFFCCですが、私にとって印象に残っているのはモキート邸でしょうか。大きなお屋敷の中をウロウロできるのが楽しいです。あそこのコックトンペリはけっこうな金額をドロップしますよね。雇い主は人格者…とは言えないような気がしますが、いいお給金は貰ってるみたいなので悪い職場じゃないのかもしれません。
歩き回った末にゲームオーバーBGMで終わるセンスが好きです。リハーサルで初めて聴いたらしいロシータちゃんが驚いてずっこけてました。がいく氏のアレンジは意外性が特徴だと思います。
Vamo’alla flamenco
剣舞はロマン、ひらみは正義ですね。
赤と黒のヒラヒラドレスのお姉さんが剣を持って舞うという全人類の憧れを実現できました。私はチャンバラ部分の振付とお姉さんの相手役をさせてもらいました。
使用した剣は太極剣のものだそうです。ファンタジー感のある直剣にしたいという思いがあり、程良い長さで程良い価格のものを探したらこれに辿り着きました。なんと1000円でお釣りが来るのでケーナより気軽に始められます。
ピアノ版は浜口史郎さんのアレンジです。私はアニメの楽曲などを合唱で歌ういわゆるサブカル合唱をやっているのですが、合唱を始めたきっかけが浜口史郎さんが作曲した、アニメ「TARITARI」の「心の旋律」という曲なので、点と点が繋がったような感慨があります。多様な曲が書ける方ですよね。
〜第三部〜
カゼノネ〜rewind〜
リマスター発売当時行われた谷岡さんとyaeさんの配信ライブをメンバー数人で集まって観ました。
yaeさんのお声は唯一無二の世界観を内包した包容力がありますね。歌だけでなく間奏部分で民族楽器の太鼓を叩いていたのが印象に残っています。
あんです村バージョンは私のメインボーカルとどらなおのハモりでお送りしています。彼は男性にしては高い声が出る人で、低音女声と高音男声のデュエットの少し不安な感じが旅立ちを誘う曲に合っているのではないかと思っています。
Fin del Mundo(世界の果てに)〜Seis de la Torde(午後6時)
「ゲーム曲っぽいフォルクローレ」というコンセプトで選曲しました。1ヶ月前になってもセトリが決まらず、覚悟を決めてこの2曲に決めたという経緯があります。
最終的に選ばれたのは、荒地に吹く風のようなケーナが特徴的なFin del Mundoとズンズンと踏み鳴らすような盛り上がりを魅せるSeis de la Tordeというテイストの違う2曲でした。
個人的には「南米の午後6時のイメージ格好良すぎんか??」と思っています。
メンバーの中では私だけがフォルクローレ畑の出身ではなく、キャラバンに拾われて一緒に旅をしています。なので今回は演奏に参加していないのですが、いつか彼らの育った音楽であるフォルクローレの演奏にも参加してみたいです。
アクロス・ザ・ディバイド
これまたがいく氏の大改造アレンジです。前回に引き続き再演となりました。
この曲は私にとっては1つの挑戦でした。
前回カホンを担当していたメンバーが不参加となり、私がカホンを担当することになったのですが、私は他のメンバーに比べて演奏経験が浅く、これまでも一番簡単なパートで演奏に混ぜてもらっている状態でした。そんな私にリズムキープの要となるパートを任せるのは不安が大きかったんじゃないかと思います。
結末はお聞きいただいたとおりです。まあ、大幅に足を引っ張りはしなかったんじゃないかな…と信じたいところです。
挑戦させてくれた仲間に、ありがとう。
ところでカホン、叩いているうちにどんどん後ろに移動してしまうのですが世のカホン奏者の方々はどう対処してるんでしょうか。
カホン自体は他の楽曲でも使っているのに私だけがめちゃめちゃ移動するので、力が強いとか叩く回数が多いんだとか、カホンの下の方を叩くことによって後ろ方向にかかる力が大きいんだとかの諸説が提案されましたが真相は謎です。カホン力学(かほんりきがく)は奥が深いようです。
笑顔いっぱいの時間
激しい戦いの後はのんびりと。
あんです村の春祭りにふさわしい、のほほんとして春らしい曲を演奏しました。
私はシェイカーとタンバリンを担当しました。
この曲はテンポが110なのですが、人間はどうもテンポ120を刻みたくなってしまう生き物のようで、とにかく走らないようにすることを練習しました。
ちょっと遅くてダサいところが魅力の曲です。中盤のケーナはちゃんと格好いいです。
星月夜
ラストはやっぱり星月夜で締めたいですよね。
前半しっとり後半ワイワイのあんです村バージョンでお届けしました。この曲は何度も演奏してこなれてきた感があります。
やりたい曲が多すぎて3部もある長いライブになってしまったので、アンコールは無しで終わるつもりだったのですが、ありがたいことにアンコールを頂いたので年に一度のお祭りを再度演奏しました。
お客さんに一緒に歌ってもらうというアーティストのライブみたいなことができて楽しかったです。
〜おわりに〜
そういえばフライヤーの画像は私が作成しました。ロシータちゃんの家でりんごやお花を並べて写真を撮って、春らしく明るい感じを意識して仕上げてみました。
文字なし版を貼っておきますね。
Tumblr media
3年もあると色々な出来事が起こるもので、私は住む場所が変わったり、30周年を迎えたまんまるピンクのあいつにどハマりしたりしました。
きっと今後も色々なことが起こっていくのでしょう。
これからもあんです村のキャラバンの旅と冒険は続いていくので、またどこかでお会いしましょう。
ご来場いただいた皆様、SNSで反応くださった皆様、スタッフとメンバーのみんな、本当にありがとうございました!
またね!
1 note · View note
kachoushi · 3 months
Text
各地句会報
花鳥誌 令和6年2月号
Tumblr media
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和5年11月1日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
星の出るいつも見る山鳥渡る 世詩明 人の世や女に生まれて木の葉髪 同 九頭竜の風のひらめき秋桜 ただし 太陽をのせて冬木の眠りけり 同 生死また十一月の風の音 同 朝湯して菊の香に上ぐ正信偈 清女 懸崖の赤き菊花の流れ落つ 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月2日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
秋空の深き水色限りなし 喜代子 故里は豊作とやら草紅葉 由季子 菊花展我等夫婦は無口なり 同 しぐれ来る老舗ののれん擦り切れて 都 狛犬の阿吽語らず冬に入る 同 謎々のすつきり解けた小春の日 同 杣山の織火となりぬ紅葉山 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月4日 零の会 坊城俊樹選 特選句
綿虫と彼女が指せばそれらしく 瑠璃 梵鐘のはらわたに闇暮の秋 緋路 逝く秋をくづれゝば積み古書店主 順子 綿虫や浄土の風が抜けるとき はるか 太き棘許してをりぬ秋薔薇 和子 弥陀仏の慈顔半眼草の花 昌文 綿虫のうすむらさきや九品仏 小鳥 参道で拾ふ木の実を投げ捨てる 久 綿虫は仏の日溜りにいつも 順子 香煙はとほく菩提樹の実は土に 小鳥
岡田順子選 特選句
腰かける丸太と秋を惜しみけり 光子 九品の印契結ぶや冬近し 眞理子 古に大根洗ひし九品仏 風頭 綿虫や浄土の風が抜けるとき はるか 奪衣婆の知る猿酒の在り処 光子 神無月ならば阿弥陀も金ぴかに 俊樹 蚤の市に売る秋風と鳥籠と 和子 下品仏とて金秋の色溢れ 俊樹 綿虫と彼女が指せばそれらしく 瑠璃 梵鐘のはらわたに闇暮の秋 緋路
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月4日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
ありきたりの秋思の襞を畳みをり かおり 秋日入む落剝しるき四郎像 たかし 返り花ままよと棄つる文の束 美穂 凩や客のまばらな湖西線 久美子 凩のやうな漢とすれ違ふ 睦子 小鳥来る小さなことには目をつむり 光子 流れ星キトラの星は朽ちてゆき 修二 凩に雲や斜めにほどかれて かおり 人肌を知らぬ男のぬくめ酒 たかし 老人が老人負うて秋の暮 朝子 冬の日や吾が影長く汝に触れて 同 身に入むや妣の財布の一セント 久美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月10日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
秋思消ゆ「亀山蠟燭」点せば 悦子 この町へ一途に滾り冬夕焼 都 新蕎麦を打つ店主にも代替はり 佐代子 添ふ風に方位はあらず狂ひ花 悦子 HCU記号音満つ夜の長し 宇太郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月11日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
トランペット響く多摩川冬に入る 美枝子 竹林の風音乾き神の留守 秋尚 公園の隣りに棲みて落葉掃く 亜栄子 句碑の辺の風弄ぶ式部の実 同 新のりの茶漬に香る酒の締め 同 歩を伸ばす小春日和や夫の癒え 百合子 朔風や見下ろす街の鈍色に 秋尚 ぽつぽつと咲き茶の花の垣低き 同 リハビリの靴新調し落葉ふむ 多美女 濡れそぼつ桜落葉の華やぎぬ 文英 露凝りて句碑に雫の朝かな 幸風 大寺の庭きりもなや木の葉散る 美枝子 山寺の風の落葉を坐して聞き 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月13日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
風除の日だまりちよっと立ち話 和魚 風除の分厚き樹林影高き 秋尚 揚げと煮し切り干やさし里の味 あき子 薄日さす暗闇坂に帰り花 史空 渦状の切干甘き桜島 貴薫 切干や日の甘さ溜め縮みたる 三無 風除けをせねばと今日も一日過ぎ 怜 切干や少し甘めに味継がれ 秋尚
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月13日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
確かむる一点一画秋灯下 昭子 幽玄な美女の小面紅葉映ゆ 時江 釣り糸の浮きは沈みし日向ぼこ 三四郎 六地蔵一体づつにある秋思 英美子 赤い靴なかに団栗二つ三つ 三四郎 着飾りて姉妹三人千歳飴 ただし 正装で背中に眠る七五三 みす枝 雪吊の神の恐れぬ高さまで 世詩明 七五三五人姉妹の薄化粧 ただし トランペット音を休めば息白し 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月14日 萩花鳥会
夜鴨鳴く門川住居六十年 祐子 捨てられて案山子初めて天を知る 健雄 ゴルフ玉直ぐも曲るも秋日向 俊文 山茶花や現役もまた楽しかり ゆかり 舟一艘ただぼんやりと霧の中 恒雄 献茶式津和野城下や朝時雨 美惠子
………………………………………………………………
令和5年11月14日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
秋の暮百均で買ふ髪飾 令子 虫食ひの跡そのままに紅葉かな 紀子 背の丸き鏡の我やうそ寒し 同 小春日や杖つく母を見んとする 令子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月15日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
小春日や日々好日と思ひたり 世詩明 禅林を通り来る風秋深し 啓子 何事も無き一日や神の旅 同 炉開きの一花一輪定位置に 泰俊 一本の池に煌めく櫨紅葉 同 三猿を掲ぐ日光冬日濃し 同 立冬こそ自己を晒せと橋の上 数幸 小六月笏谷石は饒舌に 同 如何にせん蟷螂は枯れ僧恙 雪 猫じやらしもて驚かしてみたき人 同 一匹の枯蟷螂に法の庭 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月17日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
小鳥来る赤き実に又白き実に 雪 幽霊の出るトンネルを抜け花野 同 おばあちやん子で育ちしと生身魂 同 見に入みぬ八卦見くれし一瞥に やす香 時雨るるやのつぺらぼうの石仏 同 近松忌逝きし句友の幾人ぞ 同 季は移り美しき言葉白秋忌 一涓 菅公の一首の如く山紅葉 同 落葉踏み歩幅小さくなる二人 同 冬ざれや真紅の句帳持ちて立つ 昭子 今日の朝寒む寒む小僧来たりけり やすえ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月17日 さきたま花鳥句会
からつぽの空に熟柿は朱を灯し 月惑 白壁の色変へてゆく初時雨 八草 六切の白菜余すひとり鍋 裕章 一切の雲を掃き出し冬立ちぬ 紀花 小春日や草���寄せある躙口 孝江 柿を剥く母似の叔母のうしろ影 ふゆ子 いわし雲よせ来る波の鹿島灘 ふじ穂 鵙たける庵に細き煙たつ 康子 雲切れて稜線きりり冬日和 恵美子 水鳥の羽音に湖の明けにけり 良江
………………………………………………………………
令和5年11月18日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
紫のさしも衰へ実紫 雪 蟷螂の静かに枯るる法の庭 同 二人居て又一人言時雨の夜 清女 母と子の唄の聞こゆる柚子湯かな みす枝 還りゆく地をねんごろに冬耕す 真栄 帰省子を見送る兄は窓叩く 世詩明 人に無く芒にありし帰り花 同 香水の口よりとどめさす言葉 かづを 時雨をり故山の景を暗めつつ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月19日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
浮寝鳥日陰に夢の深からむ 久子 呪術にも使へさうなる冬木かな 久 無敵なる尻振り進む鴨の陣 軽象 冬日和弥生も今も児ら走る 同 冬蝶の古代植物へと消えぬ 慶月 谿の日を薄く集める花八手 斉 冬天へ白樫動かざる晴れ間 慶月 青空へ枝先細き大枯木 秋尚 旋回す鳶の瞳に冬の海 久 冬の蜂おのが影這ふばかりなり 千種 水かげろうふ木陰に遊ぶ小春かな 斉
栗林圭魚選 特選句
竹藪の一画伐られ烏瓜 千種 遠富士をくっきり嵌めて冬の晴 秋尚 白樫の落葉急かせる風のこゑ 幸風 切り株に鋸の香遺る冬日和 久子 四阿にそそぐ光りや枯れ芙蓉 幸風 白樫の木洩れ日吸ひて石蕗咲けり 三無 小春の日熊鈴つけしリュック負ひ 同 青空へ枝先細き大枯木 秋尚 寒禽の忙しく鳴ける雑木林 貴薫 草の葉を休み休みの冬の蝶 秋尚 逞しく子等のサッカー石蕗咲けり 亜栄子 甘やかな香放ち桂紅葉散る 貴薫 あづまやの天井揺らぐ池の秋 れい
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年11月26日 月例会 坊城俊樹選 特選句
薄き日を余さず纏ふ花八手 昌文 耳たぶに冬の真珠のあたたかく 和子 黒松の肌の亀甲冬ざるる 要 雪吊をおくるみとして老松は 緋路 冬空を縫ふジェットコースターの弧 月惑 ペチカ燃ゆフランス人形ほほそめる て津子 上手に嘘つかれてしまふ裘 政江 嘘つつむやうに小さく手に咳を 和子 手袋に言葉のかたち作りけり 順子
岡田順子選 特選句
池一枚裁ち切つてゆく鴨の水尾 緋路 黒松の肌の亀甲冬ざるる 要 自惚の冬の紅葉は水境へ 光子 玄冬の塒を巻きぬジェットコースター 同 光圀の松は過保護に菰巻きぬ 同 ペチカ燃ゆフランス人形ほほそめる て津子 雪吊を一の松より仕上げをり 佑天 不老水涸れをり茶屋に売る団子 要 遊園地もの食ふ匂ひある時雨 俊樹
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
0 notes
higashiazuma · 4 months
Text
ヤンヨグトラック卓#0 おいでませニューフェイス
!ご注意! このログには、初心者による裁定ミス、吟遊プレイ、内輪ノリなどが大量に含まれます。 どんとこいガハハ!な方のみ、お酒でも飲みながらのんべんだらりとお楽しみください。
年の瀬も迫る12月。 前回バッドヤンキー画定深刻を倒した二人のヤンキーに、新たな試練が訪れた! そしてそこには、新たなグッドヤンキー二名の姿も!
GM:では、皆さんで楽しいセッションにしてきましょう! 夜露死苦!! 小野 蒼真:\夜露死苦/ 劔 理一:夜露死苦ゥ! 稲原 アギト:シャアアアッス! 似天堂裕太郎:おっけーです!! GM:キャラクターシートはもうできてますので、何をしていたか武勇伝表を順番に振っていきましょう 武勇伝を自作することもできますがどうしますか? 稲原 アギト:ダイスの声を聞きたいです!
コロコロ
GM:「バッドヤンキーチームの兵隊が襲い掛かってきたが、撃退した」
小野 蒼真:っょぃ 劔 理一:普通に前回のセッションでは
※前回のセッションは「ヤンヨグ鮭卓」で検索だ!
GM:ああー、前回のバッドヤンキー画定 深刻(かくていしんこく)の残党が襲ってきたけど返り討ちにしたと 稲原 アギト:おれはベイブと強襲場(正しい強襲を覚える場所)に通っていた
※なんて? ※ちなみに「ベイブ」はアギトさんの連れのモルモットのことです。
劔 理一:強襲場 小野 蒼真:正しい強襲 GM:「オラー!!」「画定様の仇だオラー!!!」「ザッケンナーーーー!!!!」 稲原 アギト:対抗車線にはみだしてきたためハンドルをきりかえして返り討ちにしたのだ 似天堂裕太郎:かっちょいい 劔 理一:目に浮かぶようだ! 稲原 アギト:クラクションがけたたましく鳴り響く プップッププププププーー(プイプイ) 小野 蒼真:モルッ GM:そしてその光景からついた二つ名が…!  前回のをそのまま使うこともできますが振りますか? 稲原 アギト:振るとしよう
コロコロ
GM:「ファッションヤンキー」 似天堂裕太郎:うーんこれはファッション 稲原 アギト:ちょっとゲーミングになったかもしれない GM:プイプイ言ってるし 稲原 アギト:オールドファションを片手にしている
※なんて??
小野 蒼真:おいしい 稲原 アギト:ポンデリングは軟弱 もぐもぐ 劔 理一:肩にベイブを手にオールドファッションを携えたヤンキー、いろんな意味でおいしい GM:ファッションヤンキーってそういう!? 劔 理一:でも確かにポン・デ・リングは軟弱扱いされそうだな真の男には…(?) 似天堂裕太郎:ポンデリングは子供の食べ物だよな! 劔 理一:やはり男は硬派(※食感的な意味で)でなければと… 小野 蒼真:ちょっとトゲトゲしてるし 劔 理一:ゴツゴツもしてるし GM:ポンデリングと口にしようものならMEXICOでは生き残れない 稲原 アギト:やはり荒野が足りないというわけだ GM:では二つ名修正はHP+3ですね どうぞご記入ください  色んな意味でタフな男ができた 小野 蒼真:タフ・オールドファッション・ヤンキー
Tumblr media
GM:そして皆さんは、そんな彼の噂を耳にするわけです  ダチ欄に 稲原アギト の名前を記入してください 小野 蒼真:わあいお友達 稲原 アギト:よく来たな 似天堂裕太郎:なるほど……俺は福袋をすでに予約したから仲良くできそうだな!
※おそらくミスドのポ●モン福袋のことを言っている
GM:リヒトさんも、アイツあの後そんなことやってたのか…って感じで全員第一印象表を振りましょう!1d6どうぞ!
稲原アギトさんへの第一印象表の結果。 劔 理一 → びっくり 小野 蒼真 → びっくり 似天堂裕太郎 → スゲエ
劔 理一:あっ思ったより驚いてた 「強襲場? 対抗車線???」ってなってた 小野 蒼真:あーしフレンチクルーラー派だし… 似天堂裕太郎:スゲエ! ��� 理一:なんかマリカーとかになぞらえて普通に感嘆している!? 小野 蒼真:可愛さがにじみ出てきてる 稲原 アギト:じゃあバナナの皮を5連で引きずっている
GM:声出た
※想像したら耐えられなかった
似天堂裕太郎:あいつオールドファッション食ってやがるぜ!withポン・デ・ショコラ  えっバナナの皮!?  やべえな! GM:スゲエ… 小野 蒼真:思わず真剣な顔になっちゃうよ 劔 理一:確かにそれはスゲエ
稲原 アギト:物理法則を無視したバナナの皮5こが整列しメキシコの墓標のように並んでいた
GM:そろそろ隣室に不審がられる声が出ました  「グワーッ!」スピーン「グワーッ!」スピーン「グワーッ!」スピーン「グワーッ!」スピーン「グワーッ!」スピーン 劔 理一:なんかもうこうなったら理一も目撃したほうがいい気がしてきた GM:うん もう 目撃してていいですよ皆さん  結果、「びっくり」「スゲエ」ですもん 劔 理一:「おいおいマジか…いくらなんでもこいつはMEXICOじゃあねえか…」(ハニーグレイズドを食べながら) 似天堂裕太郎:すごい 稲原 アギト:成し遂げたな 小野 蒼真:やべーとこきちゃったぜ
※ほんとだよ。
GM:では続いてリヒトさん、武勇伝をロールor自作です 劔 理一:はーい! ここはダイスに委ねましょう!
コロコロ
GM:「へました仲間を助けるため、頭を下げた」 劔 理一:あっなんか普通にかっこいいのがきた 小野 蒼真:お、男前…! 稲原 アギト:一番かっこよいやつ 劔 理一:誰に対して頭下げたのかな なんか別のチーマーグループなのか、それとも大人相手なのか GM:あるいはさっきの場面にちょうどポリが来たとか…? 劔 理一:ああーーー GM:お好きな方向性で 稲原 アギト:橋から落下してもくもくしたクレーンで釣られるのもアリ GM:プイプイプイ(救出音) 小野 蒼真:何故か鮮明なイメージがわかってしまう…! 稲原 アギト:マンマミーヤ! 似天堂裕太郎:マンマミーアはなんか!  メキシコっぽくはちょっとあるけど! 似天堂裕太郎:あるけど!!!
※みんなのアギトさんの脳内ビジュアルにヒゲと赤帽子が生えかねない
GM:「あのさぁ、何かさっきこの辺で騒ぎがあったて聞いたんだけどさぁ」 劔 理一:じゃあ、なんかとりあえずアギトさんが色々あってバッドヤンキーの残党を蹴散らした後  うっかり警察沙汰…か、まあ少なくとも教育委員会沙汰になりかけたところでこう、リヒトが前に出て 似天堂裕太郎:教育委員会沙汰! 稲原 アギト:まずい みまもりSwitch隊が来る GM:このマッポーの世で生きていたのか教育委員会! 劔 理一:確かに色々とマッポーの世だけれども!!! 劔 理一:こう、竹刀を担いだ、珍しく学ランを着崩していない姿でザッ…と現れるわけですよ GM:ヒューッ! 似天堂裕太郎:カッチョイイ 稲原 アギト:嬉しい GM:ざわつく一同「だ、誰だねキミは!」 劔 理一:「確かにアギト…稲原さんはちっとばかり枠をはみ出た男だ。  だが、あの暴走――暴走じゃあねえ、一般人に巻き添え出さねえようにシャバい野郎どもを片付けた。  それがどれだけスゲエことか、あれだ、『道路交通法』…知ってりゃ理解できるだろ」 「だから――劔 理一が頭下げます。騒がしくしたのは許してやってください」 劔 理一:と、こういう感じですかねたぶん GM:「ぐっ…それは…」ざわ…ざわ… 稲原 アギト:「くる日もくる日も真の男でいつづけるのはむつかしい。お前はそうだということか」  あ、ダイス見てから言えばよかった ダイスが楽しみだなあ! GM:教育委員長「ムッハハハハハ!!!!今時肝の据わっている学生ではないか!!!」 劔 理一:wwwwwww 稲原 アギト:教育委員長も真の男なのかよ 小野 蒼真:将軍の風格 似天堂裕太郎:あれ……教育委員会も味方なんじゃ…… 劔 理一:もう完全にビジュアルがこないだのブラックフライデーで1巻33円になってた漫画のあれだよ!!! それはともかく どうしよう正直今の二つ名もかなり気に入ってるんですよね(PLは) PCはめちゃくちゃ不本意だと思うけど
※教育委員長はオーガニック・トロマグロ・スシを一度に二つ食べた
試し振りダイスと相談のうえ、リヒトさんの二つ名は、PLさん曰くPCはめちゃくちゃ不本意という「中学時代はすごかった」をキープということに。
GM:はーい 武勇伝表により二つ名修正が「HP+3」に変更されまーす 稲原 アギト:おなじタフさを感じる 劔 理一:変更しました!
Tumblr media
劔 理一さんへの第一印象表の結果。 稲原 アギト → パネエ 小野 蒼真 → たばい 似天堂裕太郎 → アウトオブ眼中
小野 蒼真:ニテンドくん! 似天堂裕太郎:ゲームしてもらえなかったのかな……
※ゲームに誘ったというのですか
似天堂裕太郎:むしろアウトオブ眼中されてそうだな 小野 蒼真:パネエ~~~~ 普通にかっちょよかったんだろうな
GM:改めまして、似天堂さんの武勇伝行きましょうか!  表を振るか、自作するかどちらか選べます 似天堂裕太郎:もちろんこいつにかけるぜ!!(スチャ)(ダイス)
※サイフィクプレイヤーの鑑である
GM:バッドヤンキーチームの兵隊が襲ってきたが、撃退した 小野 蒼真:っょぃ GM:ここは今回のバッドヤンキーを出しましょうか 稲原 アギト:隣乗ってた?2Pだった?  今回のか!別件だ  そっちはDLCだな 似天堂裕太郎:スマブラで勝ったとかじゃないんですか!? 稲原 アギト:じゃあ一方そのころ…で%が下に出てるやつか… GM:じゃあそうしましょうか!いつものようにチームの仲間で…ちょっと公共性があるとこがいいかな、公園でスマブラやってたら… 似天堂裕太郎:バッドヤンキーが襲ってきたがそいつらと64人トーナメントスマブラ戦で優勝してやったぜ!! 世界観があってるのかわからん!!
※GMにもわからん。
GM:そう!「おいおいここは俺らのアソビバだぜえ!?」ってバッドヤンキーの兵隊たちが現れて 似天堂裕太郎:コレに懲りたら公園の滑り台を占拠するんじゃね―ぞ!  そこはチビ(小学生)達の場所だ 小野 蒼真:(滑り台占拠してたんだぁ) GM:「オレらが斬馬祥さんのチームだってわかってんのか!」「アツい勝負しようやあ!!」 → 「「チクショウ!覚えてやがれえ!!!!」 稲原 アギト:おっ 重要ワード出てきたな  CoCだったらメモを取っていた 小野 蒼真:人名だ! 稲原 アギト:これはヤンヨグなのでおれはメモを取らなかった 似天堂裕太郎:つまりヤンヨグではメモを取らなくて良い 劔 理一:まあ概ね大丈夫ですね GM:はい 小野 蒼真:わーいきおくりょくにやさしい GM:それが捻じれて伝わって、あの斬馬のチームを50人以上倒したらしいと  そんな噂を聞いた皆さんはダチリストに似天堂裕太郎さんのお名前をお書き添えのうえ  第一印象表です!全員1d6をどうぞ! 似天堂裕太郎:みんなとダチになりたいなー
似天堂裕太郎さんへの第一印象表の結果。 稲原 アギト → パネエ 劔 理一 → パネエ 小野 蒼真 → たばい
小野 蒼真:タバーイ! 劔 理一:「単騎で50人以上だ? そいつはパねえな…」 稲原 アギト:アギトのなかで、 タバイとパネエでなんか使い分けがあるらしい GM:ちなみに斬馬 祥は…  「熱い」物を愛する男、という噂を聞いたことがあるでしょう。  熱い喧嘩が大好きで、闘争を求めては近隣の学校を荒らしまわっている、『やべえ奴』です。 劔 理一:ふむふむ 稲原 アギト:アーマードコアの新作が嬉しかったのかな…<斬馬
※好きそう。
GM:あ、二つ名まだだった!つい順番が!  ダイスどうぞ! 似天堂裕太郎:私ですよね! GM:はい! GM:「超獣」  二つ名補正はHP+3ですね
Tumblr media
似天堂裕太郎:超獣 小野 蒼真:たばい GM:クッパ使ってたのかもしれない 似天堂裕太郎:まるでゴリラのような動きだった 稲原 アギト:ドンキーコング↓Bかもしれない
※百人組手御用達のやつ
劔 理一:みんなHPがたくましくなってゆく GM:今日のヤンキーは概ねタフガイだ 小野 蒼真:鍛え上げられていく GM:タフでなければガイヤンキーでは生き残れないのかもしれない 似天堂裕太郎:HPで受ける! GM:だいたいあってます
GM:最後に蒼真さんの武勇伝を決めましょう!表or自作! 小野 蒼真:ダイスふりたいです!!!!  (素振りの音) GM:はーい!d66をどうぞ! GM:バッドヤンキーと何度も戦い、ライバルとして認識されていた
※すべてはここから始まったとかなんとか。
GM:マ? 劔 理一:つよいな!? 似天堂裕太郎:強キャラ 劔 理一:そんな戦闘狂みたいなバッドヤンキーから認知もらえるなんて 稲原 アギト:二周目から出るのも納得だよ 小野 蒼真:やめろーファッションは相手を傷つけるもんじゃねえ! あーしとコーデバトルだ GM:あ、バッドヤンキーがあの 特技言えないんですけど 武術やってて 似天堂裕太郎:ぶじゅつ GM:それで道場同士でやりあってたってのはどうでしょう 劔 理一:そうだ蒼真さんも武術を! 小野 蒼真:割と正式な方法でバトルをしていた…!!! 似天堂裕太郎:カッコイイ! GM:中学時代に割とバチバチやりあってた感じで 同中だったのかな 劔 理一:文字通りの意味の異種格闘技戦をやってたんだ… 稲原 アギト:まずいファッションヤンキーファッションヤンキーにはやぶれるかもしれない パチもんだからな… 小野 蒼真:同中だったのかもしれない…  中学時代は習い事真面目にやってたから…ちゃんと勝負してたんだね… GM:あ、そうだ。バッドヤンキー、中学…?時代はテコンドーやってたことにしよう  で、同じ道場にいたと 小野 蒼真:何か別のルートが芽生えそうになってきた 劔 理一:しかし何かがあって道を違えてしまったのか…  方やバッドヤンキーに…方やギャルに… 小野 蒼真:一体ふたりに何があったのか GM:斬馬はわりと闘争を求めるタイプなんですけど  わりとっていうか強烈に 似天堂裕太郎:おおお……強烈に……!  Splatoonも準備しておかなきゃ
※一緒に遊ぶつもりでいらっしゃる。
稲原 アギト:ガチマッチか… GM:蒼真がギャルに舵を切ってしまったので、それを期に道場を去った…とか? 劔 理一:だめだ闘争を求めるって言われたらもうアーマードコアしか思い浮かばない 劔 理一:最新作は3v3までできるからこの人数でもあんしんだ 似天堂裕太郎:アーマードコアも用意しないと……switchでできないからすてぃーむだっくを…… 小野 蒼真:一緒にギャルやる?って誘ってバチ切れられたんだと思う GM:それはブチ切れますね「アンだとお!!!!」 小野 蒼真:そして道を分かつ二人 GM:「見損なったぜ…テメーこそは俺のライバルだと思ってたんだけどな……あばよ」  葉っぱをプッと噴き捨てて、ザックを背負って砂煙の中へ…  なんかそういうことがありまして 劔 理一:葉っぱを吹き捨てるの想像が容易すぎて 似天堂裕太郎:あれ……私のやってるセッションと2卓同時並行だったかな????? 小野 蒼真:「あー…そういうこともあったかなー(テキトー)」と思い出しつつ、POPTENをチェックしている蒼真であった 劔 理一:あっこれがいわゆる超一方通行激重感情系だ!!! GM:そしていつしかついた二つ名が…!
ダイスを振る小野 蒼真PL。コロコロ。
GM:天上天下
稲原 アギト:わかる~~~ 似天堂裕太郎:あってる!!!!!!!!!!!!!! 劔 理一:めちゃくちゃしっくりくる 小野 蒼真:唯我独尊~~~~~~  キーホルダーに彫っとこかな、天上天下 GM:二つ名修正は「打たれ強さ+1」ですね 劔 理一:タフだ! 似天堂裕太郎:おおーーー
Tumblr media
GM:そんな彼の噂を聞いた皆さん、ダチリストに小野 蒼真の名前をご記入のうえ、第一印象表を1d6どうぞ! 小野 蒼真:ドキドキ
小野 蒼真さんへの第一印象表の結果。 稲原 アギト → びっくり 劔 理一 → びっくり 似天堂裕太郎 → スゲエ
劔 理一:そりゃあびっくりだよ 稲原 アギト:なんか見てたっぽいな 劔 理一:リヒトも中学時代に武術やってた勢なので(剣道だけど)、もしかしたら当時の姿とか知ってるかもしれない ちらっとだけ 小野 蒼真:武術勢! 似天堂裕太郎:産まれてこの方帰宅部さ GM:ちょっとセピアっぽい効果入れて、アノクサがカサカサ転がってて GM:「一緒にギャルやる?」「アンだとお!!!!」  そりゃびっくりだよ 小野 蒼真:とんでもないところを目撃されてしまった 劔 理一:まさかあの○○中代表の小野君がギャル云々言い出すとは思わなかったし実際とても筋金入ったギャルになってて二度びっくりさ GM:それは本当にそう  さあ皆さん、ダチリストのIQは良い感じになりましたでしょうか
Tumblr media
稲原 アギト:だいぶメキシコにやってこれた 劔 理一:リヒトけっこうびっくりしてるな 常識人なんだな(この中では) 小野 蒼真:たばい感じになってきました GM:やったぜ では皆さんそんなかんじで日々を過ごしているとですね 似天堂裕太郎:いけ!カイリュー!!破壊光線だ! 稲原 アギト:隠し通路を探して逆走(ププププププーイ) GM:ある日「…けて… 助けて…」的な声が頭の中に響きまして 小野 蒼真:破壊光線受けた人でてきてない?
※GMの描写とPCの日常描写が衝突事故を起こしている。
劔 理一:次は何のアルミカップがひかるんだ 高野豆腐か ひじきの煮物か
※前回のセッションでアルミカップを光らせて転移させたのを警戒しているリヒトPL。
稲原 アギト:まずい 早くい世界に飛ぶんだ  い世界なら悪の組織に破壊こうせんをうってもいいらしいと聞いたぞ GM:似天堂さんは、突然switchの液晶がまばゆく輝き始めます  目も開けていられないくらいに 劔 理一:レジェンドアルセウスかな 稲原 アギト:帰れない奴きたな 似天堂裕太郎:ヒスイ地方に飛ばされそうなオーラが GM:蒼真さんは、化粧中ですかね? 小野 蒼真:お化粧してます! GM:はーい!助かりみがあります!コンパクトミラーが光り出します。ピカーー 似天堂裕太郎:あれは……CANMAKE!  もっと良いの使ってるかも知れない
※コスメブランド。なんかこう、キラキラしている。キラキラ。
劔 理一:目元にラメ盛ったりつけまつけたりしてたらミラーがひかる! 小野 蒼真:変身できそう 劔 理一:最近の高校生、普通にデパコスとか持ってますしね…
※デパートコスメのこと。価格帯は広いけど、基本的に良いお値段がする。
GM:アギトさんは…どうしようかな、走行中ですか? 稲原 アギト:うむ。風を感じている GM:じゃあ手信号して角を曲がったところです  角を曲がると、そこは…!みたいな 稲原 アギト:スッス(プイプイ) 稲原 アギト:新しいショッット・カットを発見したな GM:���方リヒトさん GM:あなたにはやらなければいけない処理が残っている! 劔 理一:えっ GM:BGMはポケ●ンSVの調理BGMです 劔 理一:あっ(察し) GM:今日も今日とて自分のお弁当を作っています そうですね? 劔 理一:もちろんです 全体的に味は濃いけど彩りはそれなりに豊かな男子高校生弁当を… GM:では『料理上手』発動!『料理』を目標値として2d6で判定です!特技を持っているので目標値は5ですね!どうぞ! 劔 理一:うおお唸れPCのフライパンとPLのすとろんぐぜろ!!!
結果、出目は7!問題無く成功。
GM:いつもどおりおいしくできました 劔 理一:フウーッ GM:持ち物に「お弁当」を追加してください 小野 蒼真:お弁当持参! 似天堂裕太郎:かわいい GM:ヤンキーの持ち物欄が お守りとお弁当である 小野 蒼真:心があったまってきた 劔 理一:「梅肉カツに味玉とブロッコリーのおかか和え、昨日の残りのきんぴら、あとは適当に飯を…いや、せっかく冷凍の炊き込みご飯が残ってんだ、焼きおにぎりにして入れるか」  「まあこんなもんだろ、こんなもん」  そういうヤンキーです GM:伏せろ!飯テロだ!!! 小野 蒼真:無理です被弾しました!!! GM:で、洗い物を始めたタイミングでシンクが光ります。ぴかーーーー 劔 理一:そっちが光るのか!!!  確かに水回りの掃除は欠かさねえがここまで光るほどじゃあないぜ! GM:掃除も上手だ!マスターシーンはいりまーす
0 notes
mninmt · 4 months
Text
2023年に観てよかった旧作映画の感想など
○洋画&邦画(順不同)
ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972)ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー @新宿武蔵野館
ずっと苦手意識を持っていたファスビンダー。これを観る前にオゾンのリメイクを観たので、物語を追う必要がそこまでなく画に集中できたことによって、ファスビンダー作品の"凄み"みたいなのが感じ取れたのかもしれない。これまで男性同士の恋愛映画はいくらか観てきたが、女性同士の物語はというと、性愛を含まないシスターフッドが銘打たれていたり、女性たちをエンパワーメントするような作品は好んで観るものの、私自身に差別意識はないつもりでも、なんとなしに遠ざけてしまっていたのだろう。先にも書いたようにオゾンがリメイク版で主人公とその相手役も男性のキャラクターにしていたから、個人的に取っかかりやすくなったことは否定出来ないが、作品としては全くの別物であったし(オゾン版は大大大コメディ映画)ファスビンダーの作る画は、その映画の物語とは別のところでも魅力が発揮されていると思う。そして完膚なきまで室内劇であることに大興奮だった。
偽れる装い(1945)ジャック・ベッケル @シネマヴェーラ渋谷
自分で制作した洋服にこれまで関係をもってきた女たちの名前をつけていくような、変質的(だがカリスマ性のある)主人公が、アトリエの中をぐるぐると回るカメラワークとともに狂っていく様子が素晴らしい。(性愛による)狂いの先に死がある物語も大変好み。というのは建前で、別ジャンルの推しがパリに洋裁で留学しているという設定なので、パリで洋裁をするということに対してのディテールが深まり大変良かった、同担はみんなこの映画観て~!(オタク)
ショコラ(1988)クレール・ドニ @新文芸坐
とにかくクレール・ドニの映画にでてくる黒人男性はかっこよすぎる(昨年に挙げた『パリ、18区、夜』(1994)も同じく)という言葉に尽きるのだが、主人公の幼い頃の記憶として描かれていながら、危なげで、そして艶やかなところもある彼らを写す数々の場面に魅了された。暗い部屋に��む人の存在の緊張感とその熱を感じられるのはドニの映画特有のものなんじゃないかと思う。
ラストエンペラー(1987)ベルナルド・ベルトルッチ @シネマ・ジャック&ベティ
満を持して観た…!ちゃんと大きめのスクリーンで…!名作すぎて多くを語りたくないのだけれど、マジで映画を観て眩暈がすることってあるんだなって。世界観に浸り、酔うことができて、いい映画体験だった。
赤線地帯(1956)溝口健二 @配信 / 流れる(1956)成瀬巳喜男 @配信
吉原の女たち。芸者の女たち。同時代に2人の監督が、一つ屋根の下で支え合って生きる女たちを異なる形で作品にしていることに純粋に驚いた。『赤線地帯』を観れば、京マチ子の演じる明るさや若尾文子の強かに生きる賢いキャラクターに力付けられる。『流れる』を観れば、田中絹代の表現するなんとも形容し難い表情や、山田五十鈴の薄幸な演技、その作品のまとう物哀しさに涙する。ここにあげていない他の女優たちの演技も素晴らしくて、それを演出する監督の作品ももっと観たい。けど、成瀬作品を見ると毎回夜も眠れないほど悲しい気持ちになるので、どうしたものか!
ラヴ・ストリームス(1983)ジョン・カサヴェテス @横浜シネマリン
いままでどうしてもカサヴェテスの映画をフィクションとして捉えられなかった。打ち出される邪悪な男性性を、あまりにもリアルに感じてしまい、まるでドキュメンタリーを観ているように、コメディだと思えないからだ。本作品は、いつも通りジーナ・ローランズの演技の素晴らしさはさることながら、これまでのわたしの観てきたカサヴェテス映画にはなかった、いい意味でふざけた演出(劇中オペラ)が、”この映画はフィクションである”と言ってくれたような気がしたのだ。カラックスの『アネット』(2021)を想起したのだけれど、この作品は関係しているのだろうか?激動する映画。
ママと娼婦(1973)ジャン・ユスターシュ @ヒュートラ渋谷
もうレオーといったらドワネル…というのは否めない、というかレオーもトリュフォーの映画じゃなくても、放浪青年役=ドワネルとして出演してるんじゃないの?とも感じてしまうくらいなのだけれど、それが嫌だとか、一辺倒でつまらないということはなく、バチバチにかっこいい映画。あらすじを簡単に言ってしまえば三角関係のお話(というかわたしの好きな映画はほとんどが痴情の縺れのお話)だが、主人公が居候している、タイトルでいうところのママの部屋が、レコードプレーヤーなどの色々なものが部屋の低いところに置いてあって(それも布団から寝ながら手を伸ばせるような位置に)、雑然としていて、とても綺麗だとは言えないが、その堕落した生活感のある部屋で起こっていることを登場人物の皆が皆、おおごとにみせていて、吸い込まれるように見入ってしまったし、別に、登場人物の誰にも感情移入はしなかったけれど、それぞれにとにかくこの三角関係をなんとかするんだという気概が台詞の端々に感じられて見応えのある映画だった。
ヘカテ デジタルリマスター版(1982)ダニエル・シュミット @配信
この映画を観たという人と話したときにどうでしたかと聞いたら、微妙な反応と共に「あんまり好きじゃないと思いますよ。」と言われ、"自分は好きだけどあなたには合わない"なのか、"自分は好きではなかった、ただそれだけ"だったのかはわからないけど、いつも"好きじゃないと思うよ"と言われると、勝手に決めんじゃねー!と思ってしまう質なので、帰って即座に観る。大抵それは外れていて(まあ関係の浅い人から言われることなんかそりゃそうなんだけれど)外交官が駐在先の灼熱の土地で出会った謎の女に狂わされるやつなんか好きにきまってんの!真っ白なスーツに、しっかり固めた髪の毛の、いかにも精悍な男が、服も髪の毛もどんどん乱れ薄汚くなっていく、汗でべたつく額と、必死に女を探すその表情���何とも馬鹿馬鹿しくて良い。姿を消してしまった人がいるであろう思いつく限りの場所を探して回る、やっとのことで見つけても、その相手にはぞんざいに扱われ、また苦しめられる…最初からやめとけって忠告されてたのにね。
利休(1989)勅使河原宏 @配信
利休と豊臣秀吉、三國連太郎と山崎努の、静と動の相対する演技。山口小夜子の出ている映画を観て(伴睦人『杳子』@国立映画アーカイブ)、他の出演作品はも観たいなと思った、きっかけはただそれだったためそこまで期待はしていなかったが非常に面白く観た(まあ勅使河原作品は元々好きなんだけどね)。学生時代、日本史なんか全然勉強してなかったから(他の科目も特段勉強したわけではないが)時代劇(や大河ドラマ)を観てて、たくさん人達や合戦にポカーンとしてしまうことが多いのだけれど、この作品は二人の張りつめた関係性、空気感が丁寧に、冗長することなく描かれていて集中して観れた。時代劇のやんごとなき人の出てくるシーンや描写が好きだ。今年は母に連れられて大友啓史『レジェンド&バタ��ライ』(織田信長)、北野武『首』(豊臣秀吉)も観て、図らずも安土桃山時代に…(?)
レースを編む女(1977)クロード・ゴレッタ @アテネ・フランセ文化センター
ヴァカンス先での出会いはもういっそのこと割り切って、ひと夏の恋として終わらせるに限る!(エリック・ロメール信奉者)ふたりがまた会えるかもしれないという淡くロマンティックな気持ちを抱きながら、ぐるぐるとお互いを探すシークエンスがとても長く感じ、このあと幸せな展開にはならないだろうなと、なんとなくうっすらと気付いてしまったわたしは、ふたりが再会できたとき、とても悲しくなってしまった。フランソワは自身のコミュニティの範囲で様々なところへポムを連れていくけれど、その行く先々でのポムの馴染めなさ。ポム自身はその場をありのままに楽しんでいるのにも関わらず、フランソワはその馴染めていない様子に居心地の悪さを感じ、またその居心地の悪そうなフランソワをみてポムの居心地も悪くなっていく。しまいには、君は大学に行くことには興味はないか?と聞き出すしまつ。おめ~が惹かれたポムという人間をなんもわかっちゃいね~!君は勉学に励めるような環境で育ったかもしれないけど、ポムはそうじゃない。そうじゃないから、手に職をつけるために(または、あなたと一緒にいるために)今自分にできることを精一杯頑張っているんですけど…!?運命の人かもしれないと勝手に期待したのはそっちなのにね、なんか違かったとか言っていろんな理由つけて離れていくんだ。ポムにうんざりしてもう別れたいと言うフランソワをみる友人たちの目も痛い。心の壊れてしまったポムを見舞いにきた(見舞いくるなよ)フランソワのセリフの端々から滲み出る、まだ自分のことを思ってくれているかという確認の浅はかさ。ダセーからやめな~!
不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974)ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー @横浜シネマリン
『苦い涙』以降すっかりファスビンダーへの苦手意識が払拭され、半ば楽しみにしていた気持ちを裏切られることなく、なんて美しく純粋な物語なんだろうと思った。ふたりが一緒にいることの意味、お互いを愛する気持ちと、取り囲む人々からの見る目との齟齬が大きくなり、どれだけふたりが幸せだと感じていても不安が募り精神/身体を蝕んでいく様子が濃密に明示される。このあとに本作品の下敷きとなったダグラス・サークの『天はすべてを許し給う/天が許し給うすべて』(@早稲田松竹)を観たとき、ファスビンダーのこの完成されたメロドラマをあそこまで自分のものにし、昇華させたのかと思わず比較して再度感動してしまった。
1 note · View note
komogomo-blog · 5 months
Text
旅とは
窓から差し込む陽光が網膜をくすぐる。スマホを見てみると時刻は11時。就寝の遅い僕にとっては中々の早起きだ。聖母のような温もりが籠った布団を飛び出し、部屋が温まるまで暖房を入れる。恐ろしいほど床が冷たいが、スリッパがないので靴下を履き、洗面台へと向かった。
今日は天気が良いようで、外からは近所に住む子どもたちがはしゃぎ回る声が聞こえる。僕はそこらに散らばっている衣類をまとめ、洗濯機に入れてスイッチを押した。冷蔵庫には昨晩仕込んでいたカレーがあったので米を炊き、今日はなんだか気分が良いからチーズと卵も乗せた。洗濯機が仕事を終えるまでにはまだまだ時間がかかるので、久しぶりにゆっくり考え事でもしよう。お湯を沸かして一杯の珈琲と一本の煙草を嗜む。嗜む、なんて余裕のある言い方をしても頭の中に浮かんでいるのは次の家賃の支払日。僕はすっかりこの街の市民と化していた。これが旅?いや、これも旅。そもそも旅とは?沢木耕太郎は「家を出て、途中にあるもの」を旅と呼んでいるらしい。
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
思えばあれは2022年10月25日、親や友に別れを告げ、タイに降り立った僕は空港前で「タクシー!タクシー!」と手招きをする浅黒い男たちを眺めながら、「これから1年間家に帰らない」という実感を得ていた。それは緊張と興奮、そして少しの恐怖が入り混じったどどめ色の感情。かつて旅行で5日間ほどバンコクに滞在していたときは、明るく楽しい暖色の感情だった。よく知っている光景も、その時の自分の心の色次第で驚くほど別のもののように映るものだ。この頃の僕は「旅をしている」というより、何かに「旅をさせられている」気分であった。それが親なのか友なのか、会ったことのない誰かなのか、はたまた自尊心なのか、内なるコンプレックスなのか、もしくはその全部なのか、真相はわからない。とにかく僕は何でも口に入れようとする赤子のように目の前の全てを吸収しようと努めていた気がする。そんなことをする必要はないのに。それからしばらくして、僕はインドへと入国した。結論から言うと、僕が僕の旅を心底愛せるようになったのはインドを訪れてからだ。三島由紀夫風に言えば僕はインドに「呼ばれた側」であった。まぁ呼ばれるまでは2週間ほどかかったが。インドの都市部は説明するまでもないカオス。嘘つきとスリ、スパイスと牛、人と人。しかし一度田舎へと足を向ければそこには宇宙が広がっている。特にシヴァを信仰する地では時が止まり、緑色の風が優しく僕を撫でてくれた。中途半端に書き起こすのは嫌なので、具体的な内容は今回ここでは書かないことにする。
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
兎にも角にも、そんなこんなで僕はインド•ネパールを経て2023年の3月26日、ジョージアへとやってきた。
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
当初は1ヶ月程度の滞在予定であったが、現在は滞在9ヶ月目に突入した。様々な形の愛に支えられながら今日も僕は生きている。それを僕の人徳だと言ってくれる人もいるけれど、そんなことはない。そんな台詞を言われるほどに感謝は増す一方だ。
 こうして文章を書いていて初めて気づく事は沢山ある。もちろん再認識もある。旅を始めた当初は「1年後、この旅を終えた時に僕は何者になっているのだろう」と考える事もしばしばあったが、今言える確かなことは、旅はまだまだ始まったばかり、ということだ。
「ピーッ、ピーッ」洗濯機が仕事を終えたので、僕は衣類を抱き抱えて玄関のドアを開けた。
1 note · View note
elmatadorguapo-lab · 5 months
Text
Tumblr media
Photo by Annie Spratt on Unsplash
最近、バロック音楽を久しぶりに聴き始めた。バロック音楽との出会いは、20代後半くらいに NHK-FM で放送されていた『バロックの森』という早朝の番組。毎朝楽しみにしていたけど、そのうち日々の忙しさに忙殺されて、聴かなくなってしまった。
あれから長い月日が流れ、なんとなく聴いてみようか、という気分になった。こんな時は、解説つきで放送してくれる NHK が大変便利である。片っ端からいろんなクラシック音楽を聴いているうちに、不思議と心が落ち着く。仕事が忙しくてもへっちゃらなくらいに。
中でも大好きなのが、バロック音楽。華やかなのに厳かなのがいい。
そうだ!『バロックの森』まだやってるのかな?
番組表を調べても、どこにも見当たらない。「NHKラジオの再編」なんて話もあるし…と焦りつつ調べてみると、今は『古楽の楽しみ』に名前を変えており、開始時間も早朝5時に早められていた。
今週の解説は赤塚健太郎さん。『バロックの森』から変わってなくて、なんだかホッとした。
音楽のことは用語を含めてよくわからない。今まではなんとなく聴いて「いい音楽だな」「心地よくて好きだな」程度にしか感じたことがなかった。
久々に聴いたら、朝の目覚めが良くなったのはもちろんのこと、その当時のことを詳しく知りたくなったのが驚きだ。今はネットでさまざまな情報が得られるので、まず音楽用語から調べている。恥ずかしいことに、セレナータやカンタータも知らなかった。オラトリオ?何それ??という有様だ。仕事の合間の息抜きに、いろいろ調べるのが楽しくて仕方ない。背景がわかっている状態で聴くの、格別だね。
個人の楽しみなので、カメのような歩み���のんびりといろんなことがわかればいいなと思っている。老後の楽しみになるかな?
0 notes