たのしい指墨と拓本
とても楽しみなイベントに参加致します!
短歌のイベントです。遊びに来てね、もしくは配信でのご視聴お待ちしております~!
8/28(日) 19:00
「雷鳴は ヴォリュームあげて きっと来る さよなら、夏の カメラかかげて」
―――――
私はチラシを製作したので、こちらではそのお話を致します。
長い蛇足ではございますが、休み休みご覧頂ければと存じます。
扨、今回は「箸」と「爪」を用いよう!となりました( イベントのゲストの方のお名前から )。
◆指墨
先ず爪で字をかきます。
爪でかく字は爪ごとに、角度がそれぞれになります。私は右手人差し指の爪を少し伸ばして用いました。小指の方が意味が含まれるかなと考えたのですが、うまくかけず。
ペンを持つような、指ハートするような手の形で。親指は出過ぎず、人差し指の第一関節に副えるようにするとよかったです。この辺はもっと表現によって変えていく方が面白いのかもしれませんね。
爪の背と、爪と指の間にこまめに墨を注いでかきます。
これは、「書く」行為でもあり、「掻く」行為でもあります。それから支持体との距離が間接的ではなく、直接である点も言い添えておきたいです。
墨が一度に出てあまり続かないのですが、接地面を少なくすると少し持続します。また、接地の度合いに違いをつけたり動きに緩急をつけると生き生きとしてきます。波磔のようなものもできます。これは全体のバランスに注視しつつ遊びたい所。
爪を真横に動かすと細い、縦に動かすと太い画が書けますので、鱗のない明朝体のようにもできます。平筆や刷毛で書いた字にも近いでしょうか。カタカナをかくとエレガントな線になって���まうような…?
円や墨を持続させる必要がある画(草書のような)、爪より太いか細いかの線、掠れで魅せる場合はあまり向いていませんね。
注意点は、一度に多く墨が出やすいので下に何か敷く事(何を敷くかも影響します)、力いっぱい掻かない事。それから爪が傷むので、手入れを。
紙は、半紙のようなものは破けてしまうと思います。とはいえ水分が浸透しない紙に墨をのせると合わないです。和紙は掠れが出て思うような感じと異なりました。(この、「違うな」という感じが手に直接伝わってきて妥協できないというか)。正直、コピー用紙が最もかき易いかもしれません。
とは言え表情を出したい。今回はマーメイド紙を用いました。マーメイド紙は細波のような凹凸が紙の面にあります。紙の地合いにも頼りつつ、です。また別の機会があればざら紙などもよさそう。紙の選択はPCでの画像処理の事も考えないといけません。
爪でかいた字は、太さのコントラストに限界があります。今回のように少し長めの文をかくのは、あまり見た目がよろしくない。もちゃっとします。
「指墨」、「指頭画」は水墨画のひとつで、爪ばかりでなくその名の通り指は勿論の事、掌や肘も筆となる手法です。中国で起こり、本邦では池大雅が能くしました。
箸での書き方は、墨をまめに注いで、指揮棒をふるうように。繊細に、丁寧に、大胆に。先が円いものの方が扱いやすいです。必要であれば削る、軸を太くするなど。
◆木彫り
…それで、今回は指墨でかいた字を句の頭に持ってきて、それを木に彫って拓本を取ろうかと思い至りました。
「物としての字」みたいな事をしたく。それから彫ることで「欠く」行為が加味される、という意図で。
爪でかいた文字をPCにとりこみ、きれいにして実寸より2倍サイズで印刷。それを彫り易く平滑な板に貼り付けて、カーボン紙で輪郭を映します。そして彫ります。
彫る道具ですが、私はカッターがメインです。刃がすごく減ります。刃の交換が容易なものの方が適しています。輪郭にカッターで切り込みを入れ、周囲を浚うように…削るように(?)カッターを持つ手の形を変えて刃を寝かせて動かします。木は常に彫り易い向きで、熱中し過ぎて怪我をせぬように。
切り込みの段は鉛筆持ちなのですが、削る際は注意が必要。カッターの刃を反し自分の外側に向け、寿司を握るような手つきにします。合谷にカッターを乗せず、カッターの柄を掌で覆うような。それから中指は薬指側に副え、人差し指で刃の根元を押さえます(刃を持つのではなく根元です)。親指でカッターの側面を、人差し指でカッターの背を、掌と他の指でカッター全体を握りしめて、しっかりと押さえます!もう片方の手の親指で刃の背から、そっと進行方向に動かしてあげます。木への入射角は浅く。
無理せぬよう少しずつ、切り込みの周りの木を削っていきます。刃だけ上げる等すると、刃先が折れて没入して困ったり、目に飛んできて困ったりします。木が固い時は別のアプローチを模索の事。
上に紙を乗せて軽く鉛筆で擦るなどして、様子を見て彫りの工程を完成させます。必要であれば彫刻刀も用いましょう。
先日ポストを木で作った時に文字の部分を少し彫ったので、その際のやり方を参考に進めました。
◆湿拓法
次に拓本です。
(もし行われるようであれば、公共物や他人の持ち物の拓本を取る場合は許可を得て、害わぬよう充分気を払って行って下さい。)
拓本にするつもりなので、そもそも木の節がないものを選び、文字は反転せず。それを今回はPCにとりこみますので、広範囲の彫りは致しません。この辺は大分助かりました。節があると固くて彫れないので。
拓本は当初より考えていたので、試作品も作って画材や紙との相性も見てみたのですが、正攻法で行きました。墨と、半紙ではなく水墨画用の紙を使用。クレヨンでの乾拓法もありだなと思ったんですが、またいつか。
彫った木の滓を掃います。あまり道具で擦ると木が毛羽立ってしまう。
紙をテープで固定します。これは乾くまでそのままの方が紙が撓みません。木は少し歪みます。湿拓法を行うのは、木より岩などの方が良いでしょう。
脱脂綿などで全体を濡らし、輪郭が出るようにしっかりと際を押さえ込みます。紙を破かぬよう。
濡れて変色した所が他と同じくらいの色に戻るまで乾かします。7、8割水分が飛ばないと、この後のせる墨が対象物に染みてしまいます。
タンポに墨をつけ、もうひとつのタンポに墨を移します。後者のタンポは文字より一回り大きいくらいが良いです。布は目の細かいものを。一度ガーゼを使いましたが粗かったので、古いシーツを改めて用いました。タンポに直接墨をつけて、もうひとつのタンポを擦り合わせる手法もあると思います。
要らない紙で濃度や斑がないかを確認します。
紙をタンポで、優しくとんとんとたたきます。
乾かします。以上。
この拓本はうすめにとる「蝉翼拓」というものを目指しました。(タイトルに夏が入っていたので)。コントラストをはっきりさせる方が本来は主流と聞きます。
これをPCにとりこんで、縮小・配置など致しました。
イベント会場に使用した木を置いていますので、もし気になった方はご覧下さいませ。
おまけ。
拓本と同じ工程で、彫っていない木に紙を留め、湿し乾かし、次に紙で形を切り抜いたものを乗せ、ぽんぽんとタンポでたたくと、一味違うステンシルができます。
技術があれば、木目を生かしておもしろい表現ができるかもしれません。
あらゆる手法を採用する時、よりそれぞれを活かして融合させられるようになれれば、もっとおもしろいだろうなと感じています。
リソグラフ印刷〔色紙(ブルー)+若葉/コニーラップ(ブルー)+蛍光イエロー・若葉(中は共に青インク)〕。
蛍光のインクはUVライトで光ります。鋭い光を。
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【 箸と割り箸 】
中華や日本食の世界的な広がりととも世界中で使われるようになった箸。
もともとは東アジア・東南アジア地域で使われれいたもので、
米や麺類を多く食べる地域で発展したのだそう。
現在は世界の約3割の人が箸、4割が手、3割がナイフ・フォーク・スプーンを使用しているとのこと。
日本の箸の歴史は、木製であるため腐りやすく、
ただの棒きれとの区別もつきにくいので、あまりわかっていないそうですが、
古事記にも登場しますし、縄文時代の遺跡からも棒状の漆器が出ているとのことです。
ご存じのように日本の箸は先端が尖っていて他国とは違う独特な形状。
これは魚をほぐして食べる際に便利なわけですが、
魚をほぐすのに慣れた日本人は、先の尖っていない割り箸でもちゃんと出来ますよね。
これは割り箸が「滑らない」のと「角が鋭い」から。
割り箸は日本で始まったもので、祝い事や来客用・営業用でしたが、
家庭で麺類を食べることも多い現在は割り箸を常備している家も多いようです。
使い捨ての割り箸は森林破壊につながる、と少し前までは批判されていましたが、
現在は間伐材などを使うことにより森林保全に役立つとされています。
プラスチック製よりも環境保全になっているとして、
世界規模で割り箸市場が拡大しているそうです。
箸割つて わが冷麦の 季来る 星野麥丘人
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引き続き明日21日(水)まで、展示入れ替えのためお休みいただきます。
入荷のお知らせです。新しくお取り扱いがスタートいたします、京都にて漆の作品を作られる小泉巧さんのプレートと箸が入荷しています。春に小泉さんの展示にて作品と出会い、日常の風景にスッと溶け込んでくれる作風に惹かれ今回ご紹介させていただくことになりました。フラットなプレート(26cm)はディナープレートやワンプレート、トレーとしても使いやすい大きさで、初めて漆の器を使われるの方でもすんなりと手に取って日々お使いいただける器です。お色は黒漆と白漆の2色。漆の艶やかなイメージとは違う表面のマットな質感も魅力的です。
箸も黒と白の2色。長さは程よく使いやすい22cm。私も使っていますが、滑りにくく掴みやすくシンプルなのにモダンな佇まいも気に入っています。お箱に入っていますので贈り物にもどうぞ。
小泉さんのHPより漆のお話を転載させていただきます。ぜひご参考になってみてくださいね。軽く気をつける点だけ守ればお取り扱いも楽なので、ぜひ日常の器として漆の器を気軽に取り入れていただきたいです。
【漆器の特徴】
漆の木から採れる天然塗料を塗った器。木、樹脂などに塗られているものが多い。
耐熱性、耐久性に優れる。さらには防腐、抗菌作用も。
長く使うことで漆独特の風合い、艶が出てくる。
一般的には白米、お味噌汁と言ったイメージが強いでしょうか。漆器は油や酸にも強いので、様々な料理と合わせることができます。
【漆器の洗い方】
ぬるま湯に2〜3分浸けて汚れを浮かす
中性洗剤をつけた柔らかい食器用スポンジで洗う
洗剤を洗い流す
乾いた布巾等で水分を拭き取る
直射日光を避けて保管する
塗面に傷がつくことがあるので、陶器や金属器とは別で洗うことをお勧めします。
小泉巧
1994 京都生まれ
2016 富山大学芸術文化学部デザイン工芸コース 卒業
2018 富山大学大学院芸術文化学研究科芸術文化学専攻 修了
現在、京都にて制作。
京都は意外に静かに台風が過ぎて行きましたが、被害に遭われた地域に方々にはお見舞い申し上げます。これからの地域の方には引き続きどうぞお気をつけくださいませ。
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可愛いお箸が届きました🥰💕 びっくり箸α 六瓢箪つづり だよ🌈✨ ブラックの持ち手にキラキラした可愛いびっくり橋💎.◌* 橋の先に滑り止めが付いて いるから、ツルツルした食材 でも落とすことなく挟めるよ🍚😋 こんにゃくも、うずらの卵も 豆もすいすい挟めちゃう(*ฅ́˘ฅ̀*)♡ 長さは23cm(∩´∀`∩)💕 男性にも女性にも ちょうど良い長さだよ✨ 他にもびっくり橋には 色んな種類があって、 可愛いデザインが盛りだくさん♥️ @alpha_teams_m のURLをチェックしてみてね🦄💎✨ PR @alpha_teams_m #あるふぁちーむ #びっくり箸a #お箸 #箸 #キッチン雑貨 #可愛いお箸 #掴みやすいお箸 #日常使いしたい滑らないお箸 (お家ご飯) https://www.instagram.com/p/CdVBbxqv73O/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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久しぶりの日本書紀ウォーキングでホケノ山古墳に行ってみました。
卑弥呼の墓ではないかと調査が待たれている箸墓古墳と檜原神社や三輪山(大神神社)の間にあります。
なんと、箸墓古墳より古い3世紀前半の帆立貝型古墳だそうです。
どなたのお墓なのかはわかっていないのですが、第10代崇神天皇の皇女で、天照大神の宮外巫女的な役割をした豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)という説があるようです(諸説あります)。
ホケノ山という、のんびりした名前は「不毛の(フケノ)山」の転じた呼び方という説があるようです(諸説あります)。古墳が雑草でいっぱいにならないように、ということでしょうか?
今では、住む人もまばらな地域ですが、約1700年前はここが邪馬台国の中心地だった可能性が高い(諸説あります)ことを思うと、目に映る寂しい景色も別���印象を感じてきました。
高台ですので、箸墓古墳のような巨大なものから、少し盛り上がっているだけのような小さな古墳まで多く点在しているのが見渡せました。
周囲には、「マムシに注意」の看板があちこちにいっぱい立てられていて、寂しい場所なら普通は「チカンに注意」でしょうに、チカンよりマムシが多いとは…🤣
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