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#三宮立ち呑み
marusanman777 · 1 year
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神戸・三宮     伊藤勝商店 前から一度行ってみたかった伊藤勝商店さんが開いてたので、サクッとビールセット650円でちょい飲み〜 店内にはお酒が沢山ある〜 #伊藤勝商店 #伊藤勝 #三宮立ち飲み #三宮飲み歩き #三宮ちょい飲み #飲み歩き #ちょい飲み #三宮立ち呑み #三宮グルメ #関西グルメ #神戸グルメ #三宮ランチ #神戸ランチ #関西立ち飲み #関西ランチ #神戸三宮立ち呑み #神戸三宮グルメ #立ち飲み #立ち呑み #barhopping #standingdrink #japanesefood (伊藤勝商店) https://www.instagram.com/p/CqRIy3qSkUl/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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nommelier · 1 year
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場所的に「?」な店名、1杯100円なんでとりあえず。で、店長に「なんでここで裏三宮なん?」と聞けば「なるへそ」な答え . . #裏三宮 #表やけど #立ち呑み #三宮 #神戸 #グルメ #三宮グルメ #神戸グルメ #美食 #外食 #ノムリエ #呑酒師 #ごちそうさまでした #グルメな人と繋がりたい #kobe #japan #gourmet #food #drink #eating #life #yammy #yum #instafood #foodporn (酒場 裏三呑み屋 三宮店) https://www.instagram.com/p/CqfGKuMye4U/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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ari0921 · 4 months
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和六年(2024)1月4日(木曜日)
    通巻第8080号
 中国の「認知戦」専門チームは「311基地」の61716部隊
  敵の人々の認識を誤断させるフェイク、脅迫情報をおくり続けよ
*************************
人間の知識を司る意識に巧妙に操作された攪乱、陽動情報、嘘の情報、フェイクなどを植え込んで戦意を削ぎ、モラルを弛緩させ、士気を低下させる高度な情報戦争が「認知戦」で認識の領域に侵入し、敵の総合戦略を麻痺させる。
 嘗ては地下出版や風船によるビラの散布、潜入スパイのたれ流した嘘情報からはじまって筆跡をまねた手紙、命令書の偽造もあった。印鑑も偽造した。
 近年の情報操作の戦場はラジオ、テレビ、新聞からネット網に移行し、ときに敵のプラットフォーム、公的機関のHPを乗っ取り、あるいは権威筋の機関を騙る詐欺(なりすまし)の手口に似た戦術が多用されている。
生成AI、チャットGPTは、いとも簡単に画像や音声を偽造し、たとえば敵の政治指導者になりすます。女性指導者の裸の写真やら擬装されたベッドシーンまで機械がつくってのけるのだ。
すでに中国軍機関紙である『解放軍報』は23年4月13日号点で、「対話型AI『チャットGPT』の軍事利用の可能性を議論する」という論文を掲載している。これによれば「偽情報で敵を混乱させて有利な状況を作り出す『認知戦』や情勢分析などは有望である。とくにチャットGPTの文章作成能力を利用し、偽りの言論を作り出し、民衆の心理に影響を与え、民衆の認知を誘導、欺まん、操作することで社会の分断や政権転覆の目的を達成できる」と明記しているのである。
 ロシアがクリミヤ半島を軍事占領し電光石火に併呑する前の段階で、こうした作戦をロシアの認識戦チームが行使した。「ハイブリッド作戦」と呼ばれた。
このハイブリッド作戦は、発案者がゲラシモフ参謀長だったために「ゲラシモフ・ドクトリン」と命名された。
 こうした認知戦(RECOGNITIVE WARS)を得意とするのが中国人民解放軍である。軍内部に「認知戦部隊」を持ち、とくに「台湾統一は歴史的使命だ」などと大言壮語を宣伝し続けてきた習近平にとっては重要な工作部隊である。
米国の軍事アナリスト、ティモシー・トーマス退役軍人が米国陸軍戦争大学の学術誌『パラメータ』に寄稿した論文「マインドにファイヤーウォールはない」では「人の心、意識、精神の重要性を無視することはできない」とし、ハードウェアだけの戦争はもはや意味が希��になったとした。
 ▼情勢判断を誤らせる高度な戦争
認知戦とは相手の認識領域に誤った知識、情報を植え込んで情勢判断を誤らせる高度な心理戦争のパラダイムに含まれるが、人間の心理を読みこなさないと高度な戦術は取れない。しかし知的レベルの高い人に効果がなくとも、無知蒙昧な大衆の誌認識力を誤らせば良いのである。
個人のメールアカウントはすでに中国が掌握している。台湾、香港に、或いは日本を経由して個人情報を売り飛ばす輩がいる。
日本の例を挙げよう。LINEヤフーの利用者は9600万人。23年11月に無料通信アプリLINEで大規模な個人情報漏洩が発表され、夥しいプライバシー情報が漏れていたことが判明、なかでも取引先の企業、氏名、メルアドが特定できる情報だった。LINEヤフーは業務を中国、韓国から切り離すと再発防止を言明したが、徹底されていなかった。LINEヤフーは「韓国よりも、中国支配といった方が正確で、昔も今もLINE情報は中国に筒抜けだと見て良い」(「テーミス}2024年1月号」
ベトナム戦争のおり、ベトナム反戦運動がこともあろうに当事者のアメリカ国内で起きた。これはソ連がなして絶妙な世論工作だった。
「ソ連の代理人」たちがメディアを誤導したのだ。ヒューマズム、人命尊重という普遍的価値観は重要だが、戦略的見地から言えば、これは利敵行為となる。戦争をやっているときに自分の国の指導者を後ろから首を絞めるようなものだろう。
ま、日本でも朝日ブンカジンとか、小田実とか、アジビラ一枚でかけ回った、おっちょこちょい左翼がベ平連とかのソ連の代理業務のごときを展開していましたからね。
中国人民解放軍の対台湾『認知戦争』は福建省福州に」ある311基地が本拠だ。
ここで専門部隊が対台湾工作を担当とし、傘下メディアを通じて情報操作を行う。311基地の司令部は、台湾海峡対岸の福州市だから台湾と言葉も共通であり、また台湾人駐在員が多いので、脅迫やハニトラで工作員に成り下がった台湾人も多いらしい。
311基地は「世論戦、心理戦、法律戦基地」として編成された軍の機構改革によって新設された「戦略支援部隊」の傘下にあり、部隊番号は61716である。
311基地の由来は「世論戦、心理戦、法律戦」の三戦(3)と軍事作戦(1)、ネット上の情報作戦(1)の組み合わせだと台湾筋は推測している。傘下にラジオ局「海峡の声」と「中国華芸伝播公司」、出版社の「海風出版社」を持つ。 
フランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)は、2021年の報告書『中国の影響力』のなかで、これらメディアの「会長」は偽名で、311基地の司令官(少将)と同一人物だと指摘した。
311基地はニュースサイト「華夏経緯網」を開設しており、北京のIT企業が開設したとされているが、新華社通信や中国共産党機関紙、人民日報と同列のメディアの一つだ。
▼若者の失業対策だった五毛幇
中国には失業した若者が展開する「五毛幇」が存在し、一説に20万人が従事したとされた。フェイクメールを一通打てば10円、一日に200通ほど打ち込んで発信し、日銭、食事代を稼いだ。
この五毛幇たちは党の指令通りの文書を無数のネットに流し続けたが、いまや生成AIで、人を雇わなくてもできる。あらゆるソーシャルメディアサイトやプラットフォームを活用して、攪乱、フェイク、陽動、恐喝などのニセ情報、心理的威圧を目的とする情報の発信を続ける。
中国は、認知ウイルスを拡散する手段として、内部対立の醸成、人々の怒りの扇動、分割と統治という3つのアプローチを使い分けている。
現地の協力者を招いて論争を煽り、虚偽の情報を拡散させることで、台湾の世論を操作し、政府に対する不満と怒りを引き起こす作戦である。周辺国も巻き込んで主要敵を孤立化させるのである。
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mougen-nikki · 1 year
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22年振り返り
1月 誕生日に卒論を提出。ひなと「春原さんのうた」鑑賞。自身初のTRPGキャラ瀬川理さんをリリース、「悪霊の家」を通過。まお、はるかさんと三菱一号美術館で「印象派・光の系譜」を観る。「少女革命ウテナ」を一気見した。はるかさんとこうきがポコと面会。ポーランドの朝ごはんを食べに行き後方彼氏面。ももち、ぴよ、孫文さんとオンラインお絵描きバトルをした。2人目のTRPGキャラ、妄言ヶ原墓都で「カタシロ」を通過。IVEにハマり、ガウロンニのパートの少なさに憤る。
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2月 ポラ科旅行で初の富山。バレンタインフェアで1万円ほどチョコを買い込む。2winkバレンタイン曲が最高で涙した。大学生テンプレドライブ(アカオハーブ&ローズガーデン→さわやか→三島スカイウォーク)に行く。ムルSSRは引けず。3人目のTRPGキャラ、磯貝愛海���ゃんで「まつりの街」を通過。
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3月 「フレンチ・ディスパッチ」鑑賞。すみちゃんとハリポタ展。ポラ科ディズニー。軽井沢でポラ科合宿、テニス部発足。帰りに「あんさんぶるスターズ!!ーRoad to Show!!」を観て圧倒される。部活の同期と香川旅行。「THE BATMAN」を2回鑑賞、ブルース坊っちゃまとパティンソンへの想いが溢れてネトフリでドラマGOTHAMを観始める。卒論が学部賞をもらった。「14歳の栞」を観てまともな大人でいることを決意。こうきと上野の「宝石 地球がうみだすキセキ」に行く。ネイルサロンデビュー。卒業式にジャーファルさん色の袴とネイルで行くことにしていたら当日朝に何故かマギのミュージカル化が報じられる。ぴよと「ガンパウダー・ミルクシェイク」を観てミルクシェイクを飲む。もつ鍋会、こうき見送り。31日にようやく勤務地が判明。
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4月 入社式で配属部署を知る。1ヶ月在宅オンライン研修。簿記を始める。ひなたくんとみかのイースターシャッフルで慌てる。カムカムエブリバディが完結しスタンディングオベーション。ゴールデンカムイも完結し山猫の死のことを考え続ける。初任給で家族にご飯を奢る。おもしれ〜男ことTさんとの出会い。
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5月 4人目のTRPGキャラ、アメリア・アニングで「海底散歩と星の唄」を通過。「ファンタスティックビースト ダンブルドアの秘密」を観てゲラード……テセウス……になる。友人宅で「私ときどきレッサーパンダ」を観て感激。横浜でバラを眺めながらティータイム。GWの配信で刀ミュを観てふ〜んとなる。同期と初めて対面、本社で寿司を食べその後茨城へ旅立つ。真剣乱舞祭宮城公演で大助かりする。
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6月 ミュージカルマギを初観劇。マギと過ごした半生を振り返りしみじみする。ジュダルちゃんの好感度が爆上がりした。 同期のオンニ2人とあしかがフラワーパークに行く。同期のオンニ①とPLAN75を観に行き社会の悪口で盛り上がる。土日に同期とバスケをし、バスケが上手で良かった〜〜と思う。神里綾人欲しさに原神を始める。(G)I-DLEに爆ハマりしてなぜ今まで手を出さなかったのかと大後悔時代。
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7月 5人目のTRPGキャラ、キャサリン・アーンショウ(篠宮塔子)で「お助けくださいまし、お嬢様!!」を通過。「マイ・スモール・ランド���を観て埼玉県の将来を憂う。ひな、まおと「ベイビー・ブローカー」とTWICEの衣装を観る。バスケ部の先輩と「戦争と女の顔」の沼キョントークショー回を観る。部署に配属され上司&先輩と初対面。その直後コロナになり1ヶ月本社に姿を見せなかったため、同期に退職を疑われる。バリチルの内見にも行けず。
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8月 3年ぶりに地元の祭りがあったが久しぶりに行ったら自衛隊のPRが露骨すぎて辟易。一方で中学の友達が立ち上げたよさこいチームがデカくなっており感涙。滋賀へ初出張で京都に前乗り。念願の京セラ美術館で「綺羅めく京の明治美術」を観る。高台寺の夜間拝館でプロジェクションマッピングを見たり、にっかり青江のエピソードを怖がる人々を見て笑顔になったりする。初の野球観戦で東京ドームへ行き、走り回る野球人たちをシャンパングラスを傾けながら観察。久しぶりに家族4人で出かける(木更津アウトレット)。れみかと「自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」を観る。20日にバリチルの借家人となる。ポラ科合宿で相模湖へ行き束の間のヴァカンス。「バリチル」という呼び名が誕生。「私は最強」にどハマりする。
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9月 母と母校の文化祭へ行き、妹のクラスメイトにかっこいいと言われ有頂天になる。バリチル入居に向けて家具探しが始まる。「ONE PIECE FILM RED」を観てパペットスンスンPOP UPへ行く。やはりシャンクスは養育費を払っていなかった。2回目の滋賀出張。ワンピース無料公開を読み始める。
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10月 バリチルに引越し。ももちと三日月宗近カクテルを飲む。刀剣乱舞宴奏会のために午後休を取る。レボライで予想外の客降りを浴びる。池袋のお洒落ホテルステイでナイトルーティーン動画とバルミューダの面白さが分かり始める。すえたんとAesop queer libraryに行きFILM REDに関する議論が盛り上がる。ディズニーシーで大人の遊び方をする。3回目の滋賀出張。すえたんとトーハクの「国宝 東京国立博物館のすべて」に行きガチ中華を食べる。ココスのテニプリコラボに同居人を連れて行き、幸村のスープパスタと阿久津のモンブランパフェを食べた。
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11月 仕事帰りに「秘密の森の、その向こう」を観る。同期との飲みでワインを飲みすぎ有楽町までレスキューに来てもらうが翌週も懲りずに外でワインを飲む。数年ぶりの大学の先輩とインドネシア料理を食べた。ポーランドに旅立つゼミ同期の送別会に参加。会社の同期と木更津に旅行に行き、コストコの会員になる。ポーランド映画祭で「パン・タデウシュ物語」久山先生のトークショー回を観てから外語祭へ向かう。指導教員にはタッチの差で会えず、大雨だったので早々に退散した。先輩からお誘いがあり「バケモノの子」で劇団四季を初観劇。コミティアに行き同人女に差し入れを渡す。みなほさんとヒルトンお台場の刀剣乱舞コラボビュッフェに行き燭台切様から歓迎のドリンクをいただく。
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12月 すみちゃんとトーハクの「国宝 東京国立博物館のすべて」に行き羊中華を昼呑みをする。出張で浜松、鈴鹿に初めて降り立ち、名古屋で味噌煮込みカツを食べて帰る。初めて高輪ゲートウェイで降りてチェコ料理を食べに行った。RRRを観てインド意欲が高まる。広島出張でほとんど自分の金を使わずに一泊2日する。ゼミ同期の職場でバロックパールを買いすえたんとまお、こうきをエンカさせた。日比谷のクリスマスマーケットに行く。バリチルでクリスマスパーティーを三日三晩弱行う。クリスマス当日にアフタヌーンティーオフ会をする。
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bearbench-tokaido · 2 months
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三篇 下 その一
まだ、日も明けやらぬ薄暗いころから、宿場では、往来が激しく、馬方たちが引き連れる、馬のいななきに、旅で疲れた目をこすりながら、弥次郎兵衛と北八は、寝床から起き出して、出立のしたくをしだした。 タベ、しくじった相宿の巫子の婆が、ふくれっ面でいるのを見て、二人とも、おかしく思いながら、宿を旅立った。
古びたお宮の誉日八幡宮を通り過ぎると、右の方に姑の畑が見えてきた。 続いて、嫁が田と言うところが見えてきたので、弥次郎兵衛は、一首詠む。
干からびし 姑の畑に ひきかえて 水沢山の 嫁が田ぞよき
それより、塩井川という所に着いたのだが、昨日の大雨のせいで橋が落ちたのか、行きかう人々はみな下のほうを脱いで、裾をまくり上げて川を渡っている。 弥次郎兵衛と北八も、仕方がないので、連れ立って渡ろうとしていたら、京の都に行くのか目の悪い座頭の二人づれが、この川は歩いて渡るのだと喋っている周りの声を聞きつけたらしく、そばにいる北八に聞いてきた。
「もしもし、川の深さは膝くらいありますかな。」 北八は、川を見ながら、 「そうだな、そんなところだろうか。でも、水が速いから、目が悪いんならあぶない。 用心して渡りなせえ。」 「ははあ、なるほど、水の音がよっぽど早い。」 と、いいながら、石をいくつか拾って川の中に投げ込んで、音を聞いて考え、 「いや、ここらが、どうやら浅いようだ。 こりゃ、猿市よ、二人ながら脚絆を取るのも面倒だ。 おぬし、俺より若いのだし、俺をおぶって渡れ。」 と、座頭の一方の犬市がもう一人に声をかける。
猿市は、 「ハハハ。ずるいことを言う。ジャンケンしよう。 で、負けた者が、勝った方をおぶって渡るんだ。いいか。」 犬市はこれをうけて、 「こりゃ、面白い。さあ、こい。ジャン、ケン、ポン。」 と、やりだした。 この様子を弥次郎兵衛と北八は、だまって、見ている。 「さあ、勝ったぞ、勝ったぞ。」 どうやら、勝ったのは、犬市のほうらしい。 猿市は、自分の荷物を犬市に渡しながら、 「ええい、いまいましい。そんならこの風呂敷包を、貴様、一緒に背負ってくれ。 いいか、それ、こい、こい。」 と、支度して背中を向ける。
これを見ていた、弥次郎兵衛は、これはありがたいと、猿市におぶされば、猿市はてっきり連れの犬市と勘違いして、すぐにさっさと川へ入り、難なく向こう岸に渡ってしまった。
こちらの岸に取り残された犬市、 「やい、猿よ、どこだ。早く川を渡さぬか。」 と、怒鳴りたてる。 猿市は向こう岸でこれを聞いて、腹を立てて、 「こりゃ、ふざけるな。たった今おぶって渡したのにまたそっちへ行って、俺を、からかうな。」 犬市は、 「馬鹿言え、おのればかり渡って、太いやつだ。」 「いいや、太いとはそっちのことだ。」 よ、猿市と、塩井川の両岸で、やりあう。
「こりゃ、貴様、兄弟子にむかって言語道断な。早く来て渡さぬか。」 と、犬市は、白い目をむきだして腹を立てているので、猿市も仕方なく、またこちら岸に渡って帰り、 「さあ、そんなら、おぶりなされ。」 と、背中を向ける。 北八はしめたとばかりに、手をかけておぶされば、猿市はまたさっさと川へはいる。 残された犬市は大いにせき込んで、一向に担ごうとしない犬市に、 「これ、猿市。」 と怒鳴る。川の中の猿市は、これは変だと気がついて 、 「いや、こいつは誰だ。」 と、背中の北八を川の中へどんぶりと落とした。 北八は、大慌てで、 「やあやあ、助けてくれ、助けてくれ。」 と、手足をもがき、叫びながら、深みの方へ流されていった。 弥次郎兵衛は、急いで飛び込んで、もがく北八を引き上げれば、両人は頭から骨まで腐るほどずぶ濡れになってしまった。
北八が、 「ええい、座頭めが、とんだ目に遇わせやがた。」 と、毒ずくと、弥次郎兵衛は、自分たちの様子を見ながら、 「ハハハ。まず着物を脱げや。しぼってやろう。」 と、自分から服を脱ぎ出す。 「だいたい。弥次さんが悪い。 あそこで、おぶさらずともいいことに、お前がお手本を出したから、つい、俺も。」 と、北八が、愚痴るのに、 「川へはまったか。気の毒な。ハハハ。それで、一首思いついた。」
はまりけり 目が悪いのと あなどりし むくいは早き 川の流れに
北八は、 「ええい、聞きたくもねえ、よしてくんな。ああ、寒い、寒い。」 と、裸になって、がたがた震えながら着物を絞る。 この間に座頭は川を渡って行ってしまったようだ。
弥次郎兵衛は、 「ここで着物を干してもいられねえし、着替えを出して行って、どこかで火を焚いてもらって、あぶるとしよう。」 「まったく、いまいましい。風邪をひいたみたいだ。ハックション。」 と、ぶつぶつ小言をいいながら、着替えると、濡れ腐った着物は水を絞ってから、ぶらさげて歩き出した。
ほどなく掛川の宿場に着いた。 掛川の宿場の入り口で、宿の客引き女が、 「お飯を、あがりまし。鯵と蒟蒻、干大根のお吸物もおざります。 蛸のせんば煮もおざります。」 と、声高に、客に呼びかけている。
長持人足の唄も聞こえてきた。
  吹けば~な、吹くほどな~んあえ~。   持つもな軽いな~んあえ~。   綿をさ、入れた 入れたやな~。   長持に綿を~んよお~。   しったかどうだか、どうだか。
それに答えるように、馬のいななきが、 「ヒインヒィン。」 弥次郎兵衛は、そんな様子を見ていると、先ほどの座頭が、茶屋で休んでいる。
弥次郎兵衛は、 「おや、北八、見てみろ。さっきの座頭らが、あそこで呑んでいやがる。」 北八も、弥次郎兵衛のさすほうをみて、座頭を見つけると、何か考えついたようだ。 「こいつはいいことがある。おいらを川へはめた仕返しをしてやろう。」 と、座頭らがいる茶屋に向かって歩きだした。 それから、作り声で、 「ご免なせえ。」 と、言いながら、茶屋に入る。 「おいでなさいまし。」 と、女中が茶をくんでくる。北八は、かの座頭のわきへ腰をかける。 女中は、北八らに向かって、 「お食事にでもなさいますか。」 と、聞くと、弥次郎兵衛も、変な声で、 「まだまだ腹が、ボンポゴだな。」 と、いうと、茶屋の女は、『ボンポゴ…』と、首をかしげる。
先ほどの座頭二人は、この茶屋に休んで酒を飲んでいたが、かの二人とは気がつかず、話をしている。 「ぜんぜん、酒が足らんようだ。もう二合ほど、飲もう。」 と、犬市、 「そうだな、御亭主、御亭主、もうちっと頼みます。」 と、猿市が、答えて言う。
「ところで、さっきの川へはまった、ふざけた野郎どもはどうしたろう。」 と、犬市、 「それよ。ハハハ。おっと、きたきた。まず、かわり目の酒を一杯やろう。」 と、猿市は、猪口に一杯注いで一口飲み、盃を下に置いた。 隣に座っている北八は、そっと手を出して、猪口の酒を飲んでしまい、ちゃんともとの所に置く。 猿市らは、まったく気がつかないで、 「いや、太い奴らだったな。ちゃんと俺におぶさりやがって、でも、その代わり、水の中に落ちた時には『助けてくれ』と、悲しい声を出しやがった。 なんでも人の上前をはねることばかり考えるような奴らだから、大方、あいつらは、護摩の灰(泥棒の事)だろうよ。」 犬市が、 「そうさな。どうせろくなもんじゃない。 ああいう奴は、こんなところへ来ても、えてして、食い逃げをして、ぶちのめされるもんだ。いや、時に盃はどうした。」 と聞かれて、猿市は、 「ああそうだ、忘れてた。」 と、猪口を取り上げて飲もうとしたところが、酒は一滴もない。 猿市は、おおかた、その辺にこぼしたかと、 「おや、こぼしてしまたようだ。」 と、そこらが、ぬれてないかと探りまわして、 「はて、不思議だ。まあ、いい。あらためて差そう。」 と、また一杯注ぎ、一口飲んで下に置くと、北八またそっと引き寄せて飲んでしまう。
犬市が、 「こうしているところへ、さっきの奴らが来たらおかしかろうな。」 こたえて、猿市。 「なあに、あいつらは大方、着物を絞ったり干したりして、まだあの辺りをうろうろしているだろう。知恵のないやつは、しょうがない。」 と、いいながら盃を取り上げたところが、また酒は一滴もない。 猿市は、不思議そうにまた、辺りを探ってみたが、 「これはどうだ。」 「またこぽしたか。おかしなやつだ。」 と、犬市がいう。 「いや、こぼしては、いないはずなんだが、はて、奇妙なことだ。」 と、首をかしげている。 犬市が、 「いやいや、お前。そんなことばかり言って、独りで飲むきだな。」 と、この間に北八、座頭たちの銚子を取り、自分が飲んだ茶飲み茶碗二つに、酒をみんなあけて、銚子をまたそっと元の所に置く。
つづく。
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tokyomariegold · 2 months
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2023/10/23〜
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10月23日 職場があるまちに着くと、寒さと秋が深まっていた。関西シックに浸りながらお仕事をしたかったけれど、バタバタと忙しそうな雰囲気に呑まれて、自分も嫌な感じで虚勢を張るように忙しくしてしまった気がする。
忙しそうっぷりで誰も競ってないとわかっていても、ぶつぶつ独り言をいったり、準備にばたばた音を立てたりする人たちの中で、彼らは真面目にそれをやっているのに、自分はパフォーマンスとしてやってしまっていて嫌気がさして泣きたくなった。
それに追い打ちをかけるように産業医との面談があり、業務の制限をかけるような診断書を元に「さてそしてあなたはどうして欲しいですか?」みたいなことを訊かれ、それがわからないからこうなっているんだ!!と、普通に「は?」と機嫌悪く悪態をついてしまった。 今日はいつもお世話になっている上司も同席してもらった回だったので、多分彼女の前ではどこまでもいい子ちゃんをしたかった私は、やっておきたい私と今の私が違いすぎてコントロールできない状況にさらに泣きたくなった。 面談を終えて上司から「なんか、難しいね」と言われ、ごめんなさいややこしい私の病気に巻き込んでしまって、と言うこともできずに、もっともっと泣きたくなった。
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職場の方々へ渡したかったお土産も今日は渡さなかった。 1期下の方へマールブランシェのクッキーのお土産だけ渡せた。
帰りはもう一人で帰りたい!と思いつつ、なんとなく流れで一期下の方とそのまま帰ってきて旅行の話などをさせてもらった。
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10月24日 ガラスのキャンドルを割ってしまったinstagramの投稿を見た長島先生から「キャンドル好きなの?うちは猫がいて炊けないので、たくさんあるから今度来た時にあげるよ!」とうれしいメッセージをいただく。 そして長嶋先生が“去年の今日”という新しい本を出されることを知る。名古屋でトークイベントもあるみたいでいいな〜と、今楽しみにしている本がもうひとつ増えた(ひとつは最果タヒの新刊)。
そのままSNSを眺めたら、山の上ホテルが休館するとの情報を友人の投稿から知る。ちょうど昨日、一期下の方と泊まってみたいクラシックホテルの話をしたところだった。 あとインターネットで友人の日記を読んだ。 例の感染症を疑われた話があり、私はその感染症とtwitterの後任システムの名前を、なんとなく口に出すのを憚り続けている。
昨日、とても後味の悪い面談をしてしまって、それなのに明日が人事異動に関わる調書の提出機嫌なのでその前にもう一度意向を確認したい、と上司が面談の席を設けて下さった。 どこまでも申し訳なくて、でもありがたい。 今の正直なところの、どちらつかずで自分の体感が自分で全くわからない状況と煮え切らなさも含めて、私の意向をお話しした。 ほんとう、話しながら何をどう考慮してほしいの?あやのちゃん!と思った。
ありがたいと思いつつ、お仕事やっぱりもっと頑張りたいのかな、と思いつつ、長い長い打ち合わせの場を一番乗りで出てきて帰っている。
帰り道、歩きながらiPhoneを見ると03から始まる着信があり、調べてみると某大学(高校生時代にセンター試験の試験会場だけの縁の大学)の保健センターからだった。なぜ?
明日は久しぶりに都庁へ出張。 無事帰って来られますように。
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10月25日 明日まではメールを見ないで過ごしたい。 都庁へ出張をして、もう都庁の概念みたいな存在を全く楽しめなくなって、へとへとに明日からの宿題を抱えて帰ってきた。 東京都を正しい東京都であるべくするに参加するには、こうゆう心のざらつきを抱えないといけないなんて!とまだまだ発見させてくれる社会でした。
人にもよるのだろうけれど、でも、私のファイルをそんなふうに舐めるようにめくらないでくれ!!と思って、打ち合わせ中に、あからさまに冷たい態度へかわって言う自分の大人気なさに泣きたくなった。私はもう、社会科見学でなくて、社会に参加してお仕事をしてしまっている。かなしい。
少し早く帰れているけれど、昨日明日早く帰れたら…、と思っていたことは何ひとつ出来なさそう。
今日やっと京都のお土産を職場の方々へ渡せた。 微妙な数しかなかったけれど、今日お休みの人が多かったのでちょうどよかった。昨日一緒に長い打ち合わせに参加していた方々が揃ってお休みだったので、引き続く長い雑談に見切りをつけて早く帰って大正解だった。 神戸出身の方に、三ノ宮駅から新神戸駅まで歩いた途中の有名な洋菓子屋さん(カフェ付き)に行った話をしたら「そこのサンドウィッチはとても美味しいので、いつかぜひ!」とお勧めして下さった。
職場の方々が次から次へと喉の調子を悪くしている。
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10月26日 ソニーの公募がだめだったことが確定した日で、誰からの評価も欲しいわたしはちゃんと傷ついている。
今日あたりから発売される最果タヒの新刊の一部や、新しい言葉が、彼女のSNSに置かれていて少しなんだろうこれからを楽しみに思えた。そして月のことを思い出して、満月の日を調べたら明日らしい。あと29日は月食らしい!
お仕事が忙しくて、デスクワークでも息を切らしてしまっている。 お仕事は社会科見学として、サブロードに位置していたはずなのに最近メインロードに居座っている。 担当する業務の内容が重くなってきているのと、やっぱり診断書を始め持病のことを明らかにしてからそんな感じがずっとある。 いままで自分が自分すぎて人生がつらくても、気を紛らわせるところとして社会(お仕事)があったのに、もうそれまで自分すぎる人生になってきている。どこに逃げる?
一期下の方から科博の日本食についての展示を誘ってもらう。また招待券をもらったとのこと。
電話番号を変更登録したはずの金融機関のから、電話番号に送られたコード番号が届かず、また手続きが滞ってしまっている。
気持ち的に来週末の診察は見送ろうと思っていたけれど、もう忙しすぎて行けない気がしてきた。
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10月27日 京都にいたのが一週間前なんて。とても昔のことのように感じるくらい今週一週間は長かった。長かったけれど、たくさんいろんなことがあり過ぎて、時間は一瞬だった。
今日が満月かと思っていたらまだ十三夜。満月は明後日でした。でも明るい月を見ながら歩いて帰って、どうせ余裕なんてない、と朝お部屋にカメラを置いて来たことを後悔している。 みんな月を見ている時はひとりでいて欲しい。
なんだかんだあって週明けの月曜日も都庁へ行くことになった。ワクチン接種の予約をしていたので変更しようと予約サイトを見ると、ちょうど日曜日が空いていて予約できた。
職場の色々に支配されているこころや頭が、少しこの週末で解放されるといいな、と思っている。一先ず、最果タヒと長嶋先生の本を買おうと思う。
金曜日の魔法(?)で、変に余裕が生まれて、年末調整も提出した!えらい! どんな業務をしている時よりも、自分がある組織に所属して社会人として働いているんだな、と実感させられるイベント。 提出しながら、いつまで“変更なし”のまま今の家に住み続けようか、とか思って、そういえば先日今住んでいる部屋の更新手続きの案内メールが来ていた事を思い出す。きっと今回は引越しなんてできないままな気がする。
何かを祈るようなことで毎日を締めくくろうと、ここに書こうとしている。 しないとだめなことが起こりそうで、ジンクスになっている。 でも何もしなくてもいいんだよ。
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kachoushi · 5 months
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各地句会報
花鳥誌 令和5年12月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年9月2日 零の会 坊城俊樹選 特選句
売られゆく親子達磨の秋思かな 三郎 初秋の六区へ向かふ荷風かな 佑天 浅草にもの食ふ匂ひして厄日 和子 秋の風六区をふけばあちやらかに 光子 蟬一つ堕つ混沌の日溜りに 昌文 中国語英語独逸語みな暑し 美紀 神谷バーにはバッカスとこほろぎと 順子
岡田順子選 特選句
ましら酒六区あたりで商はれ 久 レプリカのカレーライスの傾ぐ秋 緋路 鉄橋をごくゆつくりと赤とんぼ 小鳥 ぺらぺらの服をまとひて竜田姫 久 橋に立てば風に微量の秋の粒 緋路 秋江を並びてのぞく吾妻橋 久 提灯は秋暑に重く雷門 佑天 浅草の淡島さまへ菊灯し いづみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月2日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
さざなみの落暉の中の帰燕かな 睦子 流木を手に引き潮の夏終る 同 無干渉装ふ子等や生身魂 久美子 秋暑し右も左も行き止まり 愛 秋の虹までのバス来る五号線 同 バスを降りれば露草の街青し 同 投げやりな吹かれやうなり秋風鈴 美穂 先頭の提灯は兄地蔵盆 睦子 なりたしや銀河の恋の渡守 たかし 指で拭くグラスの紅や月の秋 久美子 くちびるに桃の確かさ恋微動 朝子 法師蟬死にゆく人へ仏吐く たかし 息づきを深め白露の香を聞く かおり 燕帰るサファイアの瞳を運ぶため 愛
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月4日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
恐ろしき事をさらりと秋扇 雪 美しき古りし虹屋の秋扇 同 秋扇想ひ出重ね仕舞ひけり 千加江 秋扇静かに風を聞ゐてみる 同 鵙高音落暉の一乗谷の曼珠沙華 かづを 秋夕焼記憶に遠き戦の日 匠 補聴器にペン走る音聞く残暑 清女 夕闇の迫りし背戸の虫を聞く 笑 秋扇閉ぢて暫く想ふこと 泰俊 曼珠沙華情熱といふ花言葉 天空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月6日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
片足を隣郷に入れて溝浚へ 世詩明 野分中近松像の小さかり ただし 吹く風の中にかすかに匂ふ秋 洋子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月7日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
何事も暑さの業と髪洗ふ 由季子 染みしわの深くなり行く残暑かな 都 膝抱き色なき風にゆだねたり 同 秋の灯を手元に引きてパズル解く 同 のど元へ水流し込む残暑かな 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月9日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
枯蟷螂武士の貌して句碑に沿ふ 三無 籠に挿す秋海棠の朱の寂し 百合子 一山の樹木呑み込み葛咲けり 三無 風少し碑文を撫でて涼新た 百合子 守り継ぐ媼味見の梨を剥く 多美女 葛覆ふ風筋さへも閉ぢ込めて 百合子 かぶりつく梨の滴り落ちにけり 和代 秋雨の音の静かに句碑包む 秋尚 梨剥いて母看取り居ゐる弟と 百合子 たわわなる桐の実背ナに陽子墓所 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月11日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
登り来て峙つ霧を見渡せり エイ子 太鼓岩霧に包まれ夫と待ち のりこ 秋茄子の天麩羅旨し一周忌 エイ子 秋茄子の紺きっぱりと水弾き 三無 散歩道貰ふ秋茄子日の温み 怜 朝の日の磨き上げたる秋茄子 秋尚 山の端は未だ日の色や夕月夜 怜 砂浜に人声のあり夕月夜 和魚 四百段上る里宮霧晴るる 貴薫
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月11日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
星月夜庭石いまだ陽の温み 時江 サングラス危険な香り放ちけり 昭子 団子虫触れれば丸く菊日和 三四郎 羅の服に真珠の首飾り 世詩明 無花果や授乳の胸に安らぐ児 みす枝 蜩に戸を開け放つ厨窓 時江 秋立つやこおろぎ橋の下駄の音 ただし 曼珠沙華好きも嫌ひも女偏 みす枝 長き夜を会話の出来ぬ犬と居て 英美子 妹に母をとられて猫じやらし 昭子 長き夜や夫とは別の灯をともす 信子 蝗とり犇めく袋なだめつつ 昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月12日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
鳳仙花見知らぬ人の住む生家 令子 秋の灯や活字を追ひし二十二時 裕子 露草の青靴下に散らしたる 紀子 父からの裾分け貰ふ芋の秋 裕子 かなかなや女人高野の深きより みえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月12日 萩花鳥会
秋の旅ぶんぶく茶􄽂の茂林寺に 祐子 胡弓弾くおわら地唄の風の盆 健雄 大木の陰に潜むや秋の風 俊文 月今宵窓辺で人生思ひけり ゆかり 天に月地に花南瓜一ついろ 恒雄 月白や山頂二基のテレビ塔 美恵子
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令和5年9月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
蜩や五百羅漢の声明に 宇太郎 我が庭は露草の原湖の底 佐代子 水晶体濁りし吾に水澄める 美智子 手作りの数珠で拜む地蔵盆 すみ子 蝗追ふ戦終りし練兵場 同 病院を抜け出し父の鯊釣りに 栄子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月15日 さきたま花鳥句会
虫しぐれ東郷艦の砲弾碑 月惑 熱帯夜北斗の杓の宵涼み 八草 兵の斃れし丘や萩の月 裕章 夕刊の行間うめる残暑かな 紀花 校庭に声もどりをりカンナ燃ゆ 孝江 八十路にもやる事数多天高し ふゆ子 子供らの去り噴水の音もどる ふじ穂 杉襖霧襖越え修験道 とし江 耳底に浸みる二胡の音秋めけり 康子 敬老日いよよ糠漬け旨くなり 恵美子 重陽の花の迎へる夜話の客 みのり 新涼の風に目覚める日の出五時 彩香 鵙鳴けり先立ちし子の箸茶碗 良江
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令和5年9月17日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
昼の星遺跡の森を抜けて来て 久子 曼珠沙華もの思ふ翳ありにけり 三無 いにしへの子らも吹かれし秋の風 軽象 明け六つの鯨音とよむ芒原 幸風 秋の蟬さらにはるけき声重ね 千種
栗林圭魚選 特選句
朝涼の白樫の森香の甘し 三無 莟まだ多きを高く藤袴 秋尚 艶艶と店先飾る笊の栗 れい 榛の木の根方に抱かれ曼珠沙華 久子 揉みし葉のはつかの香り秋涼し 秋尚 風に揺れなぞへ彩る女郎花 幸風 秋海棠群がるところ風の道 要 秋の蟬さらにはるけき声重ね 千種
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月20日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
江戸生れ浅草育ち柏翠忌 世詩明 神谷バーもつと聞きたし柏翠忌 令子 柏翠忌句会横目に女車夫 同 旅立たれはやも四年となる秋に 淳子 桐一葉大きく落ちて柏翠忌 笑子 虹屋へと秋潮うねる柏翠忌 同 言霊をマイクの前に柏翠忌 隆司 若き日のバイク姿の柏翠忌 同 一絵巻ひもとく如く柏翠忌 雪 柏翠忌旅に仰ぎし虹いくつ 同 柏翠忌虹物語り常しなへ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年9月24日 月例句会 坊城俊樹選 特選句
秋天を統ぶ徳川の男松 昌文 秋の水濁して太る神の鯉 要 眼裏の兄の口元吾亦紅 昌文 秋冷の隅に影おく能楽堂 政江 群るるほど禁裏きはむる曼珠沙華 順子
岡田順子選 特選句
身のどこか疵を榠櫨の肥りゆく 昌文 カルメンのルージュみたいなカンナの緋 俊樹 口開けは青まはし勝つ相撲かな 佑天 光分け小鳥来る朝武道館 て津子 蓮の実の飛んで日の丸翩翻と 要
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年8月2日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
炎天下被るものなき墓の石 世詩明 夫恋ひの白扇簞笥に古り 清女 野ざらしの地蔵の頭蟬の殻 ただし 一瞬の大シャンデリア大花火 洋子 三階は風千両の涼しさよ 同 素粒子の飛び交ふ宇宙天の川 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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shukiiflog · 6 months
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ある画家の手記if.118  行屋虚彦視点 告白
目が覚めたら顔の真ん前にイモムシみたいな緑のぬいぐるみがあって俺の方を見てた。 「……」 顔が合う。…なんとなく気まずくなって寝返りうって逆方向向いたらそっちにはこげ茶のくま…?うさぎ…?のぬいぐるみがあって、やっぱ俺の方を見てた。 両側挟まれて包囲されてる。 …なんだこれ…
寝かされてるのは座敷の部屋…畳の匂いがかなり強い、新しいのか。てかここ直人さんちか…最近できたっていう…。 まだここには一度も来たことなかった。そういえば挨拶くらいちゃんとしに来とくべきだったのかもな… 昨日からの経緯をなんとなく思い出す。 寝ぼけ目で布団から出る。布団がめっちゃふかふかしてる… 座敷は障子で空間を区切れるみたいだったけど、開け放してあった。繋がってちょうど見える位置の庭に面した窓の前にテーブルがあって、そこに紙の束が山になって積まれてた。…色が残ってる、誰か、ここに長時間居た… 間仕切りの向こうから声かけられた。 「イキヤ、起きたか?」 「…直人さん」 キッチンから出てきた直人さんは俺にホットミルクのマグを手渡して自分はコーヒーに口をつけながら木製のダイニングテーブルの椅子に座った。 「描いて一応はおさめられたのか」 「はい。…場所と画材貸してもらえて助かりました」 「マンションには画材を持ち込まなかったんだな」 「なんとなく…。ないとどうなるのか試してみたかったんですかね…」 「そうか」 …もともと群を抜いて長身の人ではあったけど、前はそれが…逆に情けなくて心細そうに見えたっつーか…頭一つ出るのが申し訳ないみたいに及び腰なとこがあったけど…、今はなんか…ストレートにデカいなって印象になってんな。仕草がなんか優雅だしどこも遠慮ないからか? 体型は前より筋肉ついて引き締まってるくらいだけど、元々太ってもねーのに首回りとかシャツの袖まくってるとこから見える腕だけでどんだけ体脂肪落ちたんだよ。 暴力沙汰でたまに問題起こす人ではあったけど、前は本人に会ったら「この人が?」て感じだった。…今は体型と身長と身のこなしで納得するような…でも身なりとか表情見てる感じではきちんとしてるっぽくてそういうことしなさそうな…もともと穏やかそうだったけど… パーティ会場でも久々に会ってんだけど、ああいう場では大体みんな外面だろうし、鵜呑みにすんのもなと思ったり、でも直人さんってそういうモード切り替えみたいのできなかったよな、とか…あれこれ思ったな。 今くつろいでるっぽいこの感じが、今の直人さんの素…てことなのか? 「直人おはよ~」 奥の廊下から香澄さんがでかいブランケット引きずりながら起きてきた。目が開いてない… ブランケットの柄が起きたとき俺の横にいたイモムシと一緒だ。 直人さんがマグを片手に椅子から立ち上がって「おはよう香澄」って笑いかけながら香澄さんの頭撫でてキスした。 ……… … 「?!」 ……え そこ…そういう関係…? いや、親子って仲いいとこういうスキンシップも…ありなのか…? とか思ってたらまだ寝ぼけてるっぽい香澄さんの頭撫でながら直人さんに軽く目配せされた。…あー…そっちで合ってんですね…。 誰かと誰かの色のうつり…マジか…もしやそういうあれか…。まったくもっていらねー気づきを得た…。 やや呆然としてたらテーブルに直人さんが作ってた朝食が並べられて、そのまま三人で食事する。覚醒して俺がいるのに気づいた香澄さんがさっきののせいか少しおたおたしてたけど、直人さんはしれっとサラダ食べてるしで、俺も特に何も触れずに黙々と食べた。 家事の手伝いとかしようかと思ったけど直人さんと香澄さんで皿運んだり並べたり飲み物出したりって連携が二人で完成しまくってて俺が下手に手ぇ出すとかえって邪魔になるっつーか雑音になるみたいな気がして結局何もせずに大人しく座ってた。 食ってるテーブルの端にまるっこいボールみたいの乗ってる。そういえば座敷の窓際にも、ガラス窓の前にも、あちこちにこいつ居るな…。わしっと掴んで持ち上げて訊いてみる。 「香澄さん、これなんですか」 「かおがー!」 「あははは」 香澄さんが嘆く横で珍しく直人さんが声出して笑ってる。俺がわし掴んだとこ顔だったぽい。香澄さんは俺が掴んでたまるっこいのの形を整えて小さい触手みたいなのを持ち上げながら笑って言った。 「かいじゅうだよ~」 「なるほど。」怪獣…イモムシじゃなかった。ちまいけど手足あるしな…。
三人とも飯食ったあとに今日は仕事休みだからって香澄さんが新居の中を案内してくれた。 昔の建築物みたいだな…匂いと色的に多分ほとんど木材だ。宮大工とかが釘使わないで組んでいくだけで建築するんじゃなかったっけ。木は木材にしたり斬ったり彫ったりサイズ変えたり腐らせたりしてもなかなか死なないもんだけど、だからかは分からない、ただ自然に生えてるときからずっと色が強烈じゃない。こういう木製の空間は目に優しい。 あちこちの部屋に必ずまるっこいの…怪獣…がいた。謎の納得。直人さんて本人は全然かわいくないしかわいいものとか似合わないけどどっか作るもののセンスが…かわいいんだよな、昔から。背が高いとほとんどのものが小さくてかわいく見えたりそれで世界観がかわいくなったりすんのか。分からん。 香澄さんに庭の植物とか教えてもらう。鉢のやつも地面に植えてあるやつもいる。庭広いな、師匠のアトリエと同じくらいある。 香澄さんが小さな鉢植えを持ってきて見せてくれた。「多肉植物…?」 「こぐまの手っていうんだよ。直人がすごい好きみたい。手つまんでにこにこしてる」 取れるとぷにぷにだよ~。って落ちてる葉っぱを一枚手渡された。指先で摘んでみながら謎の直人さん情報の脳内処理にほとんど動かさない自分の表情筋がこれまた謎の難しい表情を作る。 「…直人さん…て…センスだけなぜかかわいいとこありますよね……」 いや、なんかそれとは話が違くねーか… 「そうなのかも?俺も直人はかわいいもの好きなのかなって思ってた」 香澄さんはにこにこしながら直人さんのこと話してる。 「クリスマスや誕生日にもらったものも全部かわいかったし…雪だるまとか直人が作るとすごくかわいいんだ。直人が作るもの好きだな…」 「…? …雪だるま…は香澄さんが作ったんですよね…?」 「俺も作ったけど、直人が雪だるま作るの好きだから一緒につくるよ」 雪だるま…を作る直人さん…  想像すんの難しいな…頭うって中身だけ子供になったとか、そのくらいのなんかないとあの人むしろ雪の日に路上に作ってある他人の雪だるまとか雪うさぎとか平気で気づかずにデカい靴で踏んで通る感じだろ… 「…なんつーか…一緒に暮らしてるんすよね…? あの人怖くないですか…?」 俺は常に怖いと思ってるわけじゃねーけど、それは俺もかなりふてぶてしいからっつーかで…香澄さん優しそうだしちょっと気が弱そうな感じだし気遣いとかもできるちゃんとした人みたいだし…なにより画家じゃねーしな… 香澄さんがポカンとしてるから言い足してみる。 「直人さん、物言いとか遠慮ないし愛想ないし。基本冷たいし思いやりとか親切心とかゼロだしキレたらすぐ手が出るし…。」 「えっやっ…え?…な、直人が?」 香澄さんがめっちゃ多肉植物の葉っぱを揉んでる。…これってなんかまずい情報リークしてんのか俺…? 「直人はかっ…や、優しいよ?いつもにこにこしてるし…だから…元気ないと心配になるけど…」 「元気…」なくてもあっても大抵謎タイミングで自殺未遂やらかす人だし、…だから仲間内ではわりと毎回真剣に心配してたほうの慧さんとかが毎度メンタル少し削られたりしてて、画家…てか直人さん相手にそうだと常識的な人が圧倒的に損するんだよな…。最近はやらかしたって話は聞かないけど。 「…それ…まったく心配しなくていいやつですよきっと…。」 てだけ言っとく。これ以上はなんとも。画家同士と家族内だとやっぱ…違うもんかなとか…うちが画家と画家だから推し量りようもねーけど…。 「うーん…そだね最近は…ちょっと話してくれるようになったのかな」 香澄さんは多肉植物を元いたところに置いて続けた。 「でも直人のこと知らないこと沢山あるし  怖い顔もしてるのかも…」 それは俺もそうではある。…というか俺は画家のあの人しか知らないし、そうとしか思ったこともない、そういう接し方しかしたこともないし、あの人はそれを当然受け入れてて、それ以外は俺にも…多分あの人にも、要らなかった、…あの人にはそれ以外の何かがあると思ったことさえなかった、それくらいあの人は、ただ、画家だった。 香澄さんは笑顔に戻って続けた。 「俺には優しいよ。こぐまの手つまんでるときのも。そうやっていつも直人が怖い顔しないでいられたらいいなって思う」 …嘘ついてる色でもない。それは直人さんもだったか…。 「…香澄さんに対してはそういうふうでいたいってことなんすかね…多分。別に香澄さんにだけ作ってるとかじゃなくて。」 家族ってそういうもんかな…と思って一瞬あとにさっきの光景がフラッシュバックする。…愛してる人に対してだとああなのか?でも直人さんて奥さんいたよな…存在感ないけど…ダメだ、やっぱ分からん。 二人で日向にしゃがんでる庭には一本でかい樹がある。さっきから何か…、…? 「樹を選ぶのを手伝ってくれたのは静一さんだよ」 リビングから庭に降りてきて俺たちのそばまで来ながら直人さんが言った。 「静一さんて、景一の父さんの?」 「そう。仕組みはわからないけど静一さん、吉凶とかの見極めができるでしょう」 そういえばそうだな。ナチュラルに日常生活で「これはよせ」「これがいい」ってそれだけスパーンと言ってくるし当たってるから、ただそうなんだなって無言で信頼してるけど。 俺の目とか稔さんの意識と同じでその人には自然に在るなにかをわざわざそうやって言ってくれるのは優しいのか押し付けがましいのか…でも静一さんも、頼まれたときや親しい人にしかそういうことは言わないらしい。 「……」 俺も、言わない。 9歳の時受けた取材で、描いた絵の色使いについて「見たままを描いただけ」って感じのなんのひねりもない返答をした。そこからなにをどういじられたのか、記事の見出しに踊った一番大きな文字の中に入った言葉が「共感覚」。以来、この界隈でそれがまるで俺のステータスみたいに語られた、ずっと色がうまく見えないコンプレックスを抱えて��のがようやく見たまま描くことで折り合えるようになった矢先、さらに土足で踏みにじられていったような、いくら否定して消火しようとしても才能や成功や将来性の有無と絡めたがる人間はいなくならない、一人歩きしてそのまま定着してしまったものをずっと無視しながら、無視できない環境に定期的に晒される、それを繰り返しては、なににイライラしてるのかも分からないのを描いておさめる。描いたものにあれこれ言われる。…ずっとそれの繰り返し。描いたものにあれこれ言われるのはもういいけど。 気鬱な顔してたつもりはないけど樹に手を当てて固まってたら直人さんに声かけられた。 「イキヤ。少し中で話そうか」 「…」 話し…?
直人さんがレモンを沈めたガラスのポットから水をグラスに注いでくれる。 リビングのソファでローテーブルごしに向かい合って座って、香澄さんは直人さんの隣に座ってる。 ただの時間つぶしの楽しい雑談…じゃないな、でも改まって話すこととかあったっけ。勝手に借りた画材はそのうち返すけど…。 「イキヤ、その手はどうした?」 指摘されてまたようやく思い出す。…この人は、香澄さんが昨日訊いてきたのと主旨が違うだろ。香澄さんにしたのと同じ説明を繰り返すんじゃだめだな。訊かれてることは何だ。 向かいで俺が黙ってたら直人さんが続けた。 「絵の具のチューブを歯であけただろう、片手が使えないから」 歯型が残ったからな…バレるのは仕方ないか。 「怪我の経緯に興味はない。怪我自体にも。お前が誰かに傷つけられようと自分で体を傷つけようとそれにどうこう言うつもりもない、言いたいこともない。ただ、片目に加えてまた描くのに不利なものを負った、そうだな」 「…これは自傷じゃないですよ、すぐ治るし」 「関係ない。今のお前の描き方と生き方は長く続かない、長く続けるための模索をしないなら湾曲的な自殺と変わらない、お前はそれらを分かってて何もする気がない、一部から望まれてる早逝にでも殉じてみたい年頃か?」 「…っ」 巻かれた包帯を乱暴に剥ぎ取りながら直人さんを睨みつける。 「…見たまま、描けって 最初に俺に言ったのは あんただろ…  」 直人さんの口元がゆっくり片側だけ笑んだ 声がスローモーションみたいに響く 「 僕は そんなこと 言ったっけ 」 ぐらつく視界 立ち上がって取れた包帯を床に叩きつけるみたいに投げ捨てて正面の直人さんの服の襟を掴んだ。隣から香澄さんが制止に入ろうとするのを直人さんが片手で止めた。 殴ろうってんじゃねえよ たったあの一言に 俺がどれだけ救われたか どれだけその後の道が、世界が 変わったか あれから どれだけ 「僕にあの時の言葉の責任を取ってでもほしいのか?」 「…違う」 違う。どうしてほしいんだ?あの時この人の言う通りにして それで俺はただ黙々と白と黒で絵を描くだけの子供から画家になった この人がそっちへ引っ張ったんだと… 「あの時」…とぼけてたけど覚えてるんだこの人も …煽られてんのか 「僕の言葉をお前は自分に都合よく受けとって使い潰した、そんなお前を僕は画家として信頼してた」 言葉は俺らにとってそういうものだって示したいのか 襟掴まれても平然としてる 掴んだ手を強く握ったら手のひらの傷から血が落ちた 直人さんが笑むのをやめて言った その瞬間 余計なものすべて薙ぎ払うみたいに 見える範囲ぜんぶの空間の色が変わった
「 いい加減、描きたいのかなんなのかはっきりしろ 」
………”人によっては空間全体を塗り替えるようなのもいる”… 「ーーーー………」 襟から手を離して脱力すると後ろのソファにドサっと座った。直人さんはグラスの水をゆっくり飲みながら続けた。 「…僕の言ったことが何ひとつお前の因果に関係ないとは思っていないよ。それでもあの頃のお前に僕と似たようなことを言った人間は大勢いた。短絡的に僕一人のせいにするには勿体無いだろう、お前が自分の意思で選びとったものすべてを。紛れもなくお前が成してきたことに、お前の絵に、僕は一切関係ないよ」
しばらくじっとしてたけど、一人で庭に出てってさっきの樹のとこまで行く 靴を脱いで枝に手をかけながら登って、一番低くて丈夫そうな枝に腰掛けて足をぶらぶらさせる 地面から少し離れた涼しい紺色の風が葉を揺らして枝の間を抜けていく 「………」 描かなきゃどうにもならない世界 それでも描いてたのは…俺か 美しくない喧しい世界は見たまま描くことで必ず美しい絵になった 絵にすれば、美しい …主語が抜けてたか ずっと
俺が絵にすれば、美しい
それから、夏休み中になんとか担任に連絡して、退学のために三者面談とか書類書いたりとかをした。 俺の戸籍上の家族っつーとあいつしかいないからなんでわざわざ面談に俺が爆弾持ち込むんだよと思いながら仕方なく呼んだら、学校で待ち合わせたあいつはなぜかまあまあマトモな格好して来た。パーティのときよりマトモな格好してるけどなんでだ。 三者面談で退学理由とか同意とかあれこれ訊かれて、俺はいつも通り当たり障りなく穏便に答えたのに近かったけど、あいつはあいつで横でなんかちゃんと椅子に座ってマトモな人間みたいに振る舞ってて、答え方もしっかりしてて担任の言葉には相槌と一緒に愛想良さげに微笑んでたりして、とうとう気が狂ったのか?いやもともと狂ってるだろ、なんなんだよ…と思ってたら、そのまま滞りなく面談は終わった。 あれこれ話してたら九月あたりからようやく退学、俺はいないことになるらしくて、マンションの部屋にテキトーに積んでた宿題の山を探ってみる。だいたいある、夏休みの間に描きあげとけっていうテーマを絞った美術の宿題、出来がよけりゃ公募に出されるやつ。完全に当てつけっつーかだけど宿題のうちわざわざそれだけやっといた。 帰りたくもねー実家に一度寄ってあいつと俺の豊富な画材を総動員して一晩で描きあげた、文句のつけようもないどう贔屓目に見ても他の生徒の絵のほうを高く評価して公募に出せないレベルのものを、担任にわざわざ手渡しで提出したらなんか面白い色してたから、俺は高校生活はそれでいいや。
香澄視点 続き
張磨寿峯視点 続き
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misttimes · 10 months
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7月5日のツイート
横須賀公演だけどおそらくwmツアー会場から一番ドムドムハンバーガーに近い。最寄り駅の汐入から特急で2駅、金沢八景下車。 domdomhamburger.com/shop/area_kt/5…
posted at 23:01:36
むしろ地方の方が統率取れていると思われる >RT
posted at 22:53:34
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RT @kekke_ama: ご新規さんが「地方なのに統率とれてる」って言ってて世間一般とのギャップを感じた
posted at 22:52:54
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RT @yukachiofficial: (ゆ)お聴きいただきありがとうございました〜🖤🖤🖤 2人とのおしゃべり、本当に本当に本当にうれしたのしかったです🥹🫶 また呼んでくださーーーーいっっっ! そしてむんにも遊びに来てくださーーーーーーーーーーいっっっっ!らぶぅ🩷! #ゆみりさ #muuun #agqr twitter.com/lst_qr/status/…
posted at 22:40:32
>たくさん飲んでも効果に変わりはありません。また、一度に多く飲んでも効果の持続が期待できるものでもありません。1日1本を継続することをお勧めします。 www.yakult.co.jp/faq/cat-2.html
posted at 22:29:43
はとつー
posted at 22:28:24
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RT @osucinema: 2023.7.9(日) まで自主制作アニメーション特集 あと4日残すのみ!お見逃しなく! 『ガディガルズ』 監督・脚本・キャラクターデザイン:でぃーきー キャスト:二ノ宮ゆい、逢来りん、Machico、大橋彩香、田所あずさ、関智一、木村昴、田村ゆかり、新谷良子、速水奨、五十嵐麗、イジリー岡田、他 pic.twitter.com/fKA5sXerMe
posted at 21:59:51
任務欄確認して無かったからどちらも達成済なのだろう。全然記憶に無い…… >RT
posted at 21:51:52
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RT @zekamashinet: 以下任務が次(07/07)メンテで終了するみたいです。やる方はお忘れなくー ・春の海上警備行動!艦隊、抜錨せよ! zekamashi.net/kancolle-koury… ・春!「三一駆」旗艦「長波」、出撃せよ! zekamashi.net/kancolle-koury… 2019/03/22に実装された任務みたいです
posted at 21:51:04
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RT @VSTORAGE: 【#EMOTION40th🗿】 7月1日(土)0時より 『おねがい☆ツインズ』 『Simoun(#シムーン)』 『#ぽてまよ』 「EMOTION」全3作品が 各配信サービスにて見放題配信決定🎉 v-storage.bnarts.jp/anime/etc-anim… 👓#Please20th🏠#おねてぃ #おね2 pic.twitter.com/A5j0sCIcIE
posted at 21:44:55
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RT @sugiko_deluxe: 七夕の日🎋にクリィミーマミの期間限定無料配信がはじまりまーす。 嬉しい☺️💕たかこ #クリィミーマミ40th #クリィミーマミ #太田貴子 #島津冴子 #水島裕 #井上和彦 twitter.com/studiopierrot/…
posted at 21:42:19
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RT @official_genco: [きんいろモザイク] カレン風パーカー(半袖) www.amazon.co.jp/dp/B0CB6Q3JQZ 販売開始となりました! 価格:税込¥9,900 サイズ:M・L・XL 限定数:3サイズ合計200着 ※先ほどまで販売ページ内でエラーが出ておりましたが、現在は修正されております。 サイズはページ内タブで選択頂けます。 #kinmosa pic.twitter.com/5x0ypv3QfB
posted at 21:36:30
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RT @official_genco: 【きんいろモザイク新商品情報】 カレン風パーカー(半袖)の試作品が完成しました! 明日7/5(水)20時より約2週間Amazonにて予約を受け付けます! 200着限定です。 サイズはM・L・XLの3種。 袖はまくればカレンのように着ることが出来ます。 この機会に是非ご予約くださいませー。 #kinmosa pic.twitter.com/hZ2lhLrwi1
posted at 21:35:31
ゆかちはヱビスビール記念館で琥珀ヱビス試飲した事あります #ゆみりさ pic.twitter.com/7V3bGvARND
posted at 21:34:10
面白かった 2曲もかけるとは太っ腹な #ゆみりさ #agqr
posted at 21:30:01
以前ゆかいなおさんぽ企画で呑んでましたな #ゆみりさ #agqr
posted at 21:24:45
ゆかさンちwww #ゆみりさ #agqr
posted at 21:18:26
GYOZA🥟 #ゆみりさ #agqr
posted at 21:14:34
全員アラフォー #ゆみりさ #agqr
posted at 21:13:41
GGFの頃から知ってるw #ゆみりさ #agqr
posted at 21:09:23
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RT @maigehn: 「私だけを見て」みたいなことをどストレートに言う、(そう思い続けられる?)所こそが、田村氏の超弩級の才能なのであろーか? 「さん、じゅうななさい」の件からさらに10年経ったんよ。どこまで登るのか。
posted at 20:58:17
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RT @maigehn: 田村ゆかりライブ よかった… 何がいいってまず他のお客さんがとてもよかった。いいふいんきだった。田村氏はいいお客さんを持っておられるなー。定番曲での客たちの「せかいいちかわいいよーー!!」の大合唱がほんとによかった。わしの中の何かが救われた。(何が?かはまだ謎)
posted at 20:58:15
札幌はNH988使うとその日のうちに帰京しようと思えばできるのか。
posted at 20:55:45
@neru_sleep トップページに「Sorry! Japanese Only!」と書かないと。
posted at 20:00:23
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RT @neru_sleep: ツイッターが死んでるのでこれからは個人ホムペの時代 インフォシークでURLを取得し、frameタグで2カラムにし、忍者カウンターを置き、もっと書き込み隊をレンタルし、20カキコで専アイを渡し、cgi-binフォルダでFFAを開��し、⭐︎リンクでイラストを閲覧させ、常連と相互リンクし、同盟バナーを並べる
posted at 19:58:59
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RT @otsune: 「Twitterが普及する前って、毎日のネット巡回はどこを見てたんですか?」 「まずAirCraftというソフトでNIFTY-SERVEを自動巡回して、オフラインでフォーラムの書き込みを読んでリプライをいくつか書き溜めて、接続し直した時に一気にアップロードして……」 「そこまで昔の話は聴いてないです!」
posted at 19:57:39
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RT @FukuokaAirport: #FUK駐機中の機内から @Starflyer_pr の新機材A320neo<JA28MC>が本日SFJ45便で福岡空港に初飛来しました!✨ 大きな頭上手荷物棚やタッチレスの化粧室を備えるAIRSPACE、デバイスホルダーやUSBポートを完備するシートなど、より快適な機内に!💕 皆さま、羽田=福岡線のご利用お待ちしております! pic.twitter.com/c0IhWKGAA0
posted at 19:54:25
wmツアー開始前は40000以上溜まっていたJREポイント様々である。まだ5桁ある。
posted at 19:53:20
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RT @miso_katsu: インプレッション減ってる? pic.twitter.com/FXUQgr3P0m
posted at 19:43:47
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RT @_22714_: 倉敷公演の時に「今日初めての人いるー?」ってゆかりんが聞いた時に、私が手上げたら、右横のお姉さんが手をキラキラ私の方に向けてニコニコしてくれて嬉しかったのに、緊張で全く反応できなかったことを後悔してる。Twitterにいるかな、あの時のお姉様。ツイートが届きますように。1階16列目でした。
posted at 19:42:42
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RT @mup_contents: ❁ ┈┈ ❁ ┈┈ ❁ ┈┈ ❁ TVアニメ 「#私の百合はお仕事です!」 LINEスタンプ発売📖 #わたゆり の名場面が たっぷり詰まったスタンプが 販売開始しました。 ぜひお気に入りのスタンプを 教えてくださいね❣ ❁ ┈┈ ❁ ┈┈ ❁ ┈┈ ❁ ▼購入はコチラ☕ line.me/S/sticker/2359… pic.twitter.com/SljRyMEdst
posted at 12:43:07
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RT @ztkszero: まさにこれ。 マイナンバーカードにしても海洋放出にしても、今反対してる人の大半は話しても通じない。 説明されても、基本に立ち返って理解することができない。 あれ全員に理解を求めるなんて無理。 理性的な疑問や提案にはしっかりと応えつつ、ノイズは捨てて粛々と進めるべき。 twitter.com/tatsuvar/statu…
posted at 12:42:33
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RT @tatsuvar: もういいから、政府はガンガンとマイナンバーカードの活用を推進してくれ。 いま反対している人の大半は、多分、話しても通じない。 実感した。 twitter.com/tatsuvar/statu…
posted at 12:42:28
あそこしか思いつかない。半場さんお嬢様学校出身なのか。 >RT
posted at 12:41:35
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RT @hanba69: 偶然会った高校の同級生がちょっと信じられないくらい変わってなくて、わりと本気で時空が歪んでるのかと思いました。わたしもあの子と同じ時間軸の住人になりたかったです。ちなみに高校での挨拶は「ごきげんよう」でした。 ごきげんよう、みなさん。
posted at 12:39:46
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RT @kidatch: 盛岡や仙台のライブに参加する予定だけど、えきねっとトクだ値取れんかった方へ 新幹線の指定を普通にとって乗車券を週末パスにしてはいかがでしょ?これに、くりこま高原↔盛岡の乗車券を追加したほうがお安く済むかと 普通に買うと17160 週末パス+追加乗車券8880+3960=12840 www.jreast.co.jp/tickets/info.a…
posted at 12:38:57
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RT @east_japan: E5系、JR東日本アプリで「コンセント:有」だと全席に、「コンセント:一部有」だと窓側だけにあるのが分かるから参考に出来る。 pic.twitter.com/KMRrSUCr0T
posted at 10:39:24
JREポイント特典で確保成功。
posted at 10:14:06
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RT @masa_0083: Twitterがまともに使えなくなり、他のSNSへの移住を考えたみなさん。 慣れ親しんだフォロワーとの別れ、異文化への不安。そして次のSNSに自分の居場所はあるのだろうかと不安に思いませんでしたか? 国土を失うとは、そういう事です。
posted at 08:50:28
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RT @ishiitakaaki: 川口市民は、巻き込まれるのは嫌でしょうから、どんどん動画をSNSにTwitterだけでは���くあげてください。クルド人の行動パターンで、騒ぐ、国会議員に泣きつくで。変な勢力の動きは抑制されます。世論を作りましょう。 twitter.com/nasunasunaasu/…
posted at 08:48:53
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RT @nasunasunaasu: 川口市立医療センターでクルド人が騒ぎを起こしてたね。すげー人数。日本じゃないみたいやったわ。 ホンマ、勘弁してよな。入院患者やら居るんやで? 日本人を人間だと思ってないんか、このバカどもは。真面目にやっとる同胞の顔に泥を塗りよってからに。 機動隊まで来る始末。日常が失われていく。 pic.twitter.com/05L8zt9WUM
posted at 08:48:49
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marusanman777 · 1 year
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神戸・元町      赤松酒店 お腹が空いたので南京町食べ歩きをやめて、大人の隠れ家の赤松酒店さんへ朝ご飯食べにきたぁ〜 今回はお好み焼きとマグロの刺身 やはり大瓶がちょうど良い #赤松酒店 #南京町グルメ #南京町立ち飲み #元町立ち飲み #元町飲み歩き #元町ちょい飲み #三宮立ち飲み #三宮ちょい飲み #三宮飲み歩き #ちょい飲み #飲み歩き #立ち飲み #三宮立ち呑み #関西グルメ #三宮グルメ #元町グルメ #神戸グルメ #朝呑み #朝飲み #元町朝食 #三宮朝食 #関西朝食 #standingdrink #barhopping #japanesefood (赤松酒店) https://www.instagram.com/p/CqJfDKVy8mm/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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nommelier · 1 year
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年中無休で盆暮助かる「水端」@北長狭。立ち呑みだけど椅子もあるからなお助かる。マイスパイス忘れてきたら、走って追っかけてくれる。またまた助かりました . . #水端 #立ち呑み #三宮 #神戸 #グルメ #三宮グルメ #神戸グルメ #美食 #外食 #ノムリエ #呑酒師 #ごちそうさまでした #グルメな人と繋がりたい #kobe #japan #gourmet #food #drink #eating #life #yammy #yum #instafood #foodporn https://www.instagram.com/p/CnbJV8Nywf_/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kasayoichi · 11 months
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珠玉の友①
老いを是とせず
死を退け
希求するは涯なき生
古より万人は仙薬を追い求めて蓬莱を探し、ときに現世の果てへ消えていった―――
一、
 西に傾く陽の光が弱まり、人がまばらになった市中には濃く長い影が落ちはじめている。伸びた影の先には、天蓋を差し、白衣装に身を窶した一行と、そのうしろから運ばれる真っ赤な龕があった。鳴り続ける鉦鼓と弔いの哭泣を引き連れて干潮の浜へとむかっていく葬列を、静かに見送った。
 大清康熙暦二十一年、冬。
 冬至も過ぎたこの頃、雪こそ降らないこの国だが、陸を吹き抜ける乾いた海風はさすがに身に染みる冷たさにかわっていた。昨年までいた福州に比べればなんとも生易しい気候ではあるが、それでも四肢の末端はすっかり冷え切り、足袋が欠かせない。いつもより厚手の羽織を重ね着て悴んだ指を𠮟咤して筆を動かし、子弟たちを指導しながら漢文の組み立てなどをしていると、あっという間に昼八つ時を大きく過ぎていた。
「今度は丁越市(テイエツシ)だそうです……絶対おかしいですよ」
「まあ、多少気味は悪いが」
 夜詰めをほかの講師に引き受けてもらった己煥は、久米の大門付近で聡伴と落ち合い、ふたりで城下へむけて浮道を歩いていた。このあと城下の近くで朝明と合流し、今夜は漢籍の会読をする予定だ。 数町ほど歩けば座り仕事で冷え切った身体も暖まるだろうと思っていたが、逆に冷え切った夜風が容赦なく吹きつけ歯を鳴らしそうになる。己煥は重ね着をした袖のなかで組んだ己の腕で、辛うじて暖を取っていた。 寒空のもと、ふたりが歩く路肩の松並木のあいだ、その遠く向こうに死者を乗せた朱塗りのそれが目に入ったのはその途中のことである。
 夏以来、 城下とその先へ下った四町や港では、先の旅役にかかわった者たちには災厄が降りかかるという噂が巡っていた。来る年に清からの冊封使節を迎え入れる準備に追われる王府は完全に無視を決め込んでいたが、尾ひれがつき這うように官吏たちのあいだで話が広がる様はなんとなく不気味なものである。
「はじめはちょっとした偶然だと思ったんですけど」
 偶然、先の旅役に同行した某氏が原因不明の病に臥せった。
 偶然、先の旅役で才府を務めた者の室がお産で命を落とした。
 偶然、先の旅役で加子(水夫)務めた者が薩州へ向かう途中、大風で流された。
 そして昨晩、偶然、先の旅役で五主を務めた丁越市が知人と争った末に死亡した―――
「偶然じゃないか?」
「四人が偶然なわけないじゃないですか!四人なんて片手で数えていられるのもあと少しですよ?己煥様は他人事のようにおっしゃいますけど、私たち一緒に船に乗りましたからね!」
「葬式なんて最低でも月一はどこかの村で出ることだろう」
 聡伴は一生懸命恐怖を訴えて喚いてみたが、己煥の反応は今ひとつである。生まれた時分からたびたび生死をさまよっていたと聞くこの御仁にとっては、すべからく平等に訪れるものに対して、何をいまさら、という感じなのだろうか。
「私は帰国以来大きく体を壊したこともないし、朝明は……相変わらずだ。よほど痴情のもつれにでも巻き込まれない限り死にはしないだろう」
「そういう前振りが余計に怖いんですって!」
「―――左様、これから年の瀬にむけて冷え込みますゆえ……調子が良いなど大層なことをおっしゃっておられるとあとが怖いですよ、短命二才様?」
 九町ほど歩いた、寺の門前に続く橋の前、唐突に背後から投げかけられた言葉に、聡伴は顔をしかめて勢いよく首をうしろに回した。
 ―――短命二才、この渾名で己煥を呼ぶ者で碌な奴はいない。
「どこの者だ?」
 うっとおしく思った己煥は、ゆっくりと声のほうへ体を向きなおす。すると、己煥らよりも五、六は歳が上のようにみえる、赤帕を巻いて煙管を吹かしている男と、その脇に付き人らしき振袖の若衆がおり、こちらへ近づいてくる。少し体を横に傾けると、隣の聡伴が、赤冠の青年は某氏某家の子息・茂部之子だと耳打ちしてくれた。その家名は三十六姓のうちのひとつで、己煥にも聞き覚えがある―――同籍の士だ。
 王府に仕える士は、その出自と住まいから籍を四つに分けられている。
 朝明のような王族に縁ある家柄の者が住まうが城下、そこを下った先一帯に広がる四町には聡伴のような中級の士、さらに北側の港町には下級の士、そして四町と北の港のあいだが、己煥らが籍を置いている唐栄の村である。
「貴方より名声は劣りますが、この私も唐栄の出であり進貢使節の一員だったというのに寂しいことをおっしゃいますなぁ」
 吐き出された煙草の煙が、この男の周りを取り囲むように漂っている。
 己煥は深く息を吸い込ぬよう着物の袖で口元を抑えていたが、次第にあたりの空気も燻されたように乾き、咳き込みそうになる。
「なぁにが”使節の一員”ですか。あなたが心汚く縁を頼って船に乗り込んだことくらい周知の事実ですよ?用があろうがなかろうが失礼させていただきます」
 こんなやつと話す必要はありません、と聡伴は己煥をうながして右へ回ろうとした。
「なにか良い薬でもお召しになりましたか?」
「どういうことだ?」
 唐突な問いに、立ち去ろうとしていた己煥と聡伴はうっかり足を止めた。
 道行く人々がこちらの様子を窺いながら通り過ぎていく。士族の子弟らしき若者が路上で剣呑な雰囲気で言い合いをしているのだ。目立たないはずがない。茂部之子の傍で控えている若衆も困り顔で黙り込んでいる。
「いやぁ、不思議なこともあるものですなぁ。あれほど御身体が弱く上天妃の宮で教鞭を執られるのも稀といわれていた貴方が、今年は講解師に任じられたうえ冠船の諸事まで手伝っているというではないですか」
 来年は清から冊封使節が訪れるため王府のありとあらゆる役所がすでに大忙しであるが、海の向こうとの窓口になっている己煥ら三十六氏の官吏はいっとう多忙を極めていた。
「そこの推参な小童は私の縁故を心汚いと宣ったが、短命二才様が口にされたのはとてつもない良薬であらせられるようだ」
 なるほど、と己煥は静かにため息をつく。結局はいつものくだらない突っかかりである。一人のときは適当に口を閉ざしてその場をやり過ごすのが常だった。煙たさが治まってきた己煥は、口元から袖を離す。 この先で待たせているであろう朝明のことを思案して腕を組み直した。
「あなたにもそのうち素晴らしい効能を持った薬が見つかりますよ、多歳赤冠殿?」
「このッ……」
 ふたりを睨みながらも、無理に口の端を釣り上げ表情を取り繕う様は、なんとも品がなくみえる。あれほど分厚くとぐろを巻いていた紫煙は、今や線香ほどのか細い煙のすじとなって漂いながら、大人しく煙管に納まろうとしていた。
 年長の者をためらいなく挑発する聡伴に感心していると、なかなかあらわれない己煥たちに待ちくたびれたのか、朝明が橋を渡りこちらへ下ってくるのがみえる。己煥と聡伴が己のうしろを見やっていることに気がついた茂部之子も、つられてうしろを向いた。
「そうだそうだ。薬なら四町の市のほうが取り揃えが良い。さっさと下って行っちまえ」
 軽快な笑みを浮かべた朝明は、手首で軽く追い払うしぐさを見せる。若年にもかかわらず己より官位が高い聡伴や朝明に逆捩じを食らわされる恰好となった茂部之子は、あからさまに唇を噛みしめ吐き捨てる言葉を探していた。側に控えていた若衆は、これ以上この主人の口を開かせまいと、彼に去り際であることを小声で訴えている。
 茂部之子が動くよりも先に、朝明は己煥の上腕を軽く掴んで橋のほうへ上がるように導く。思ったより力を入れて組んでいた袖下の両腕を解くのに手間取りながら、己煥は朝明に従った。
「……災いは平等だ」
 茂部之子は取り繕ったしたり顔で言い放つ。
「家柄の良い才府も、優秀な五主も、不幸には抗えない。五本目の指を数えるのが貴方がたのうち誰か一人でなければ幸いですな」
「あなたはご自分の心配をなさったほうがよろしいですよ!そろそろ寒さが堪える御老体であらせられますしね!では失礼!」
 聡伴は今度こそ足を止めまいと、慌てて朝明と己煥を追いかける。
 橋を下った先では、大股で容赦なくひたすら前を歩く朝明に引っ張られて、足をもつれさせた己煥が待ったをかけていた。寺の門前を過ぎたあたりには馬を待たせてくれているのだろう。ここから城下へ少し上がったところに、朝明の別邸がある。
「朝明様!」
 ふたりに追いついた聡伴は、時間を取らせてしまったことを朝明に詫��るが、馬に乗りながら垂れ流すのは先程の愚痴であった。
「なんですかあいつ!己煥様が口利きで職位をもらったかのような言い方」
「それなりの位に就けば、私でなくとも下の者からの妬みや嫉妬は誰だってかっている」
 身体が弱く、これまでたいして仕事を抱えてこなかった己の名が聞こえるのが面白くない下級官吏が多いのは致し方ないことだろうと己煥は思っている。
「それでも言わせすぎだ。少しは周りを黙らせる努力をしろ」
「なんだお前まで」
「せっかく才能と実績は折り紙付きなんですから、御身体崩されてたときのことなんて気にしなくていいんですよ」
「この調子じゃあ小賢しい出世の競り合いで潰されちまうぞ。とくにお前んところは」
 同籍同士の出世争いが著しい唐栄に生まれながらも、己煥はどうも控えめで気が柔い。己と立場が逆であったほうが過ごしやすかったのではないかとすら朝明は思ってしまう。
「己の沈黙は是の証で」
「他の妄言こそが真とされるんだぞ」
 お前の将来に係ることなんだから、と朝明は念を押す。
  官吏という職は、謹厳実直に仕事をこなすだけでは立身の道は拓けないし、従順で馬鹿正直では勤めをまっとうすることはかなわない。頭だけではなく、気と口もよく回さなければ生き残れないのだ。己煥とてそれがわからないわけではないのだが。
 強く言い聞かせてくるふたりに気圧された己煥は、結局のところ、朝明しかわからない程度に頬を膨らませてふたりから目を逸らし、相変わらず黙っておくことしかできなかった。
 
「ところで朝明様、あの噂は……」
「いいか聡伴、進貢船の員数は二百余名だ。それが全員死んだら龕は出ずっぱりだぜ?」
 荼毘のさいに遺体を納めて運ぶ龕は、各村にひとつずつしかない大切な共有物だ。月に何度も葬式を出されてはたまったものではない。
「そりゃあ、まぁそうですけど……あ、お刺身美味しかったです」
 すっかり陽が落ちたころに到着した朝明の別邸でふたりに散々窘められ、供される料理に鼓を打っていても、聡伴はどうにも噂が気にかかって仕方がない。腹に流し込んだ汁物の温かさが、少しだけ気を軽くさせた。
「船旅は死に近い。船をおりてもそれの気配はなかなか離れぬだろう」
 そして、その心懸かりは吐き出されるにつれて尾ひれを纏い、村を流れ、町へ飛び、やがて大きな噂となる。
 屋敷の使用人に獲らせてきたのだという玄翁に、 己煥もありがたく一切れ、箸をつけた。 血色の良い白身は厚めに切りおろされ、ほんの少し加えた酢が身そのものの淡い味を引き立てている。
  見目のためにうっすらと残された皮がおびる青い濃淡は、薄明���のなかで鈍く光り、とても美しかった。
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itsukiseiryu · 1 year
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従姉妹と初の2人ランチ🍽 三宮にある、ほっこりオシャレカフェで❣️ 私はドライカレー、 従姉妹はワンプレートセット、 で、お支払は7000円越え💦💦💦 はい、決して、 ぼったくりカフェではありません‼😅️‼️ 昼呑み5時間分のお支払い😅💦 6歳離れた従姉妹はご両親(私の叔父叔母)を早くに亡くされた苦労人。 なかなか2人だけで会う機会がないままでしたが、 一度じっくり話してみたいなぁと😊 🍷にチューハイ、最後の〆にラテ(笑)💦 時にはこんな昼呑みもいいよね😉🌈 居座らせてくれたシマちゃんに感謝❣️ カフェ+(プラス) https://u-word.com/teppan/store/storeDetail/116916 ラブ&グロース 心軽く、一歩前に‼️ https://www.serujyu-forest.com/index.html #インナーチャイルド #前世 #ヒプノセラピー #チャネラー #レイキ #マンツーマン講座 #大阪梅田中津 #人の役に立つ仕事 https://www.instagram.com/p/CqAQYPSrF14/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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hassey776 · 1 year
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昨夜のお酒は『参宮 特別純米酒 愛山』。 昨日は私にとって嬉しいというかほっとした出来事があり、さらに娘が私立高校合格♪ハッピーな一日だったので、大好きな愛山のお酒と春っぽいスーパードライで♪参宮は愛山らしい華やかな香りと旨みもありつつ、最後は少しアルコール感がくっとくる。しばらく置いて常温に近くなると、柔らかくなってまた美味しい♪幸せな気持ちで呑むお酒は最高です♪😊 #sanguu #aiyama #tokubetsujunmai #nihonshu #sake #mie #参宮 #特別純米酒 #愛山 #日本酒 #酒 #三重 #アサヒスーパードライ #ビール #私立高校合格 #おめでとう #ただ本番は公立 #幸せ #安心した #いろんなことに感謝 #いっしょうけんめいのむのみ https://www.instagram.com/p/CoVszHHyYOV/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kyary1976 · 1 year
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#愛する人へふたたび #愛する人へ2 #ヒマだからネット個展 #ギャラリー . . . 2019年夏の8月1ヶ月間でした。 三重県津市一志町田尻の松尾表具店内、 松尾画廊にての、 岸野雅樹・第11回個展『愛する人へ 2 』 来場者こそ少なかったものの、私の精神は最高潮でした。 この広い世界ではじめての1があり、2のある、シリーズものの個展。 『愛する人へ 2 』 僕は個展開催中はひたすら家で呑んだくれてました。 会場ほったらかして。 まぁ、見る限りの作品が並びました。 マスターカラーはみどり。 この個展で、最終的に僕の個展や絵を反省すると、 『💦僕ってみどり色しか使ってないな』 インターネット化された今の時代では、ネットで個展を見る事もできますけど、その個展の空間表現を3D化して、個展会場にまるで居るかのようなネット3D個展って、画期的でもないほど、普通に考えたら可能性ありますよね。 このインスタでは2Dでしか無理ですけど。 まぁひとつご覧になって行ってください。 火の鳥の絵が、僕が第1回の時に、21歳でデビューした個展の主役でした。 その火の鳥を踏まえて、みどり色で様々な世界を彩った個展が、2019年、三重県津市一志町田尻の松尾画廊で開かれて居ました。 松尾画廊では、マンスリーギャラリーと言って1ヶ月間会場を貸し切る事も可能です。 丁寧な店主夫人と、少しいやらしい画廊主である、松尾表具師が今でも経営しています。 松尾表具店には長年お世話になりました。 もしこの投稿を見かけて(♡ᴗ͈ˬᴗ͈)、松尾画廊で個展を開きたいという方は、美術大艦で調べてご一報ください。 個展や、様々な展覧会、大きな会場での絵の展示など、テレビ番組などのドラマでそれが紹介されるより、お客様にとっては華やかな世界には見えるでしょうけれども、 個展、展覧会、ともに、本当に毎日の地味な努力の集積で、その華やかな舞台は成り立って居ます。 その舞台がお客様に華やかに見えれば見えるほど、その下積みや準備作業は果てしなく地味なものです。 たとえば、僕がMaco氏を描いたS50号の『ゼフュロスとフローラ』がありますが、あの1枚は、コピー用紙の3000枚〜5000枚の線の練習から成り立って居ます。 5000枚も線を練磨すると、Maco氏の写真��姿の線をキャンバスに���いた時、線だけでもう充分に愛らしく可愛いものでした。 いま、いろいろあって、僕は今そのMaco氏にこの世界というよりもまずこの日本の広さから思い知らされて居ます。 タブレットの𝐓𝐢𝐤𝐓𝐨𝐤で配信系🈁アプリ美女図鑑を作って居るのですが、もうひとつの配信アプリをマラソンして駆けずり回るだけで、様々な女性と出会い、様々な人間を見ました。 ほんの、まだ元旦バージョンとBIGO LIVE.大阪女子編を作っただけなんですけど。 そのタブレットの𝐓𝐢𝐤𝐓𝐨𝐤のアカウントは@kyary_0413 です。 まぁ、でも、いいんじゃないスか? 井戸の中の蛙大海を知らずとはさ、言うものの、カエル🐸って淡水生物やろ?? 海の塩水にカエル🐸が飛び込んだらカンピンタンになって干からびるねん。 この世界は広いけど、全てを知ろうとすると全てを失うから、 この世界の広さすべてを知る必要なんか無いねん。 あなたが見てる世界を少しずつ広げていけばいいだけ。 あんまり極端に世界の広さを思い知ると疲れるだけだから、 とりま、このネット個展の『愛する人へ 2 』だけでも見てって??? まぁ、この広い世界のひとカケラとして、こんな世界もあるねん。 . . . . . #一般社団法人亜細亜美術協会 #一般社団法人社員画家 #亜細亜現代美術展 #ワンセブンライブ奏蒼 #17ライバー奏蒼 #ほとんどの配信アプリでキャリさん #美女たちの森と沼 #奏蒼マジック #変態枠 #世界のピンク枠 #broadcast #livestreaming #BIGO #REALITY #ゲーム配信 #宮崎県産まれ三重県育ち #統一を諦めない精神は多様性を称揚する #否定ほど芸術に多くを与えるものはない #似顔絵 #ギリシア神話画 #世界一の画家になるために #ミルダム顔出し配信キャリさん #もうすぐ𝐓𝐢𝐤𝐓𝐨𝐤ライブ始めます https://www.instagram.com/p/CnTy4FnO6bE/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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