Tumgik
#別れ 怨み 涙うた
fuckyeahmeikokaji · 9 months
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Meiko Kaji (梶芽衣子)
The cover of the Wakare Urami Namidaute (別れ 怨み 涙うた) LP, released in 1979.
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osyamojihan · 1 year
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4月16日 最高イベント来ちゃいましたね!!!!!!
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・自分のこと(ごめんなさい長いです) ・ガチャ儀式、編成のこと ・ランク100到達+ホーム画面 ・おまけの原稿進捗とBGMと脳内BGM
もう夢かと思うくらい完璧な「公式」キスブラ浴びて感無量すぎて何からお話していいやら。おしゃもじです。あまりに衝撃的すぎてウッカリTwitterの方にこぼしてしまうほどでした(どっぴかれてたらどうしようと思いつつもうどぉにでもなあれ☆なテンション)(脳が痺れておりますゆえ)
マンナイ情報〜告知〜イベント前日、楽しみな気持ちと今までを考えて2人メインと言いつつ下げられるんじゃない??って不安で躁鬱が酷くて笑。故郷ジャンルの皆様にもよかったね〜!!って反応頂けたり、大丈夫きっと楽しいイベントだよって励ましてもらったり(ご迷惑!!)
蓋を開けたらこの内容だったので、今までの怨念のようなモノも浄化されて、今5章を読む前の本当にキスブラ大好きでそれだけで絵を描いていたのと同じような気持ちです。その気持ちで描いた漫画が1つだけあって、それがおまとめ本1に載せた一緒に食事に行くお話です。(宣伝するな)キスブラ描きたくてクリスタ買いました。BLのエロも初めて描きました。この約2年半良い事も良くない事もたくさんあって、同人走馬灯が見えました笑。色々あったけど、とあるトラブルから本気で撤退を考えて、撤退のご挨拶画像も作って、投稿前にお世話になった方には先に言おうと思って、そこで辞めるの勿体無いって声かけてもらって、お世話になった義理を通そうと続ける事を決めて。続けたからこそこの景色このお話を読めたんだなあって。涙腺激ヤバです。笑(だからね、こんな風に言ったら怒られちゃうかもだけど、私は自分が読めたことも嬉しいけど、その人がこのイベントで喜んでいるのが一番嬉しいです。本当によかったね。頑張ったねって思う。)実はその件で家族にまで迷惑かけちゃっていて、そんなになるなら活動やめて欲しいと言われたのに、自分の本が捨てられなくて泣くくらいなら続けてもいいって言ってくれて。私も今までの作業の仕方を反省してなるべくメンタルや体調、家族に影響でないように気をつけています。家族もメリット何にもないのに私がやりたい事だから応援してくれていて、すごくすごく感謝しています。
だから、キブのことを思い出す時リアルの方も思い出しちゃうから変に重くなっちゃう笑。こんなにハマってこんなに思い入れがあるカプは今後ないと思います。ソシャゲもこれで最後にするので(自分にあっていないので)同人活動もこのカプで最後にするつもり。この後はまた一次創作に戻ったり、ゆっくりキスブラ描いたり、故郷のWEBオンリーも応援したいし、他のお話や作品や美術品を見たり、作り途中のプラモデルも完成させたい笑(キス本を描き始める前に作ってたGPー01Fbが下半身で止まってしまっているので←)
原稿中はお風呂のタイルがキスブラキスシーンに見えるくらいにはキスブラと原稿のお話のこと考えるので笑 そのくらい集中して好きな事できるのって幸せでありがたいです。関わってくださった皆様に感謝しかないです。
だらりと失礼しました。イベストに関してはこれ〜!!これこそキブです〜〜!!!ってポイントばかりでした。お話も距離感もすごく好き。カドストもおすすめしてもらったブラッドさん→キースの順番で読んで、最高。完璧。公式が一番強い。
何より嬉しかったのが、5章以降、キースがブラッドさんへの好意的感情は私だけの願望で原作からは一切読み取れないもの、1〜4章+絆ストからはしっかり感じたけど本当はないものなのかなあって不安になっていたのが、完全に払拭された事です。カプとしても好きだけど、ゲーム内の距離感がすごくすごく好きなので(ただゲームの中のあの2人にそれぞれ別の恋人ができてOKかって聞かれたら、それは淋しくなってしまうので、もうブロマンスとして好きではいられないのかなって思います。2人が恋愛関係でなくてもいいけど、他の相手は作ってほしくないの。自分としては2人が好き!でいいのだけれど、外に発信する際どう言っていいのかわからないから黙ってる←みたいな)(こっそりここに書いてみました)
好きポイントはいっぱいあるけど、最後の手錠スチル時の会話感や10期の距離感(ジェイは良くみてくれているし、ブラッドさんの信頼する気持ち・素直な面を出せる仲間がいるのいいなって)すごく好きでした。後は同人誌かなって思うくらいみんなで見たかったキブが公式から出てきたのが嬉しいし公式だし存在してくれたのがたまらないです、同じことしか言えないな!笑
ガチャ儀式のこと
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今回も祈願絵を制作、おうちの各所お片付け・お掃除・水拭き。お香も炊いて手を綺麗に洗いました(清潔な環境にしたらブラッドさん来てくれるかな+最低限身を清めてガチャを引こうと思って)お夕飯はピザパーティに決定(楽で美味しいので笑)祭壇は初心に戻る気持ちでキス本を一番上にしました。
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結果驚くほどの神引きで、キスブラ2組出た回(スクショは家宝にします笑)もありキースもブラッドさんも完凸できました。☆4フレームも無事1枚きました。まだ課金してなかったのでこのあとご祝儀として入れております。大破キースへの準備!!笑
エリオスのガチャ、☆3クッキングキース出すのに70連してもでなくて課金したら一発で出たくらいだったり、そもそも100連まで☆4自体が3〜4枚出たらいい方?みたいな感じだったので、こんなにピックアップ仕事したのがびっくりすぎでした。つい最近ウマ娘でも神引きしたのでもう無理かもと思っていたからよかったです、沼怖い。。。
後はどこかで10連回して、キースコインでブラッドさんゲットしようと思います。も〜〜行為がえっち!!!!クラクラ…こんな幸せ2度と来ないよ(ダメな成功体験をしていまっている…!)
イベ報酬のオーダーチケットでは☆4キブフレームが来ました。もうゴルブで完凸しちゃったぜ…!嬉しいからおっけー!!フレーム枠ギッチギチだけども!!!涙(ルビー拡張もしたけどもうしたくないです笑)
編成のこと
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まずカード・フレーム表示復活感謝です〜!!!編成しやすい・報告もしやすい!!!今までよりメインとサブもわかりやすくて助かります!! テクニックは元々スキーブラッドさんとキースはセニバかナイプにしていましたがペア!!!!ペア、ペアですよペア、その言葉だけで心が強くなるのにリンクも強い…!!しかも念願のブラッドさんからジェイへのリンクが!!!元々リンクなくても火力でゴリ押ししていましたがリンク!!!レンレンは可愛い枠なので。大好きな4人(通称トンチキパーティ・周回はトンチキでしてます笑)でスタメンが組めるの嬉しいな!うちはキブ+レンレンは固定なので、1枠は色々な人に来てもらっています。
それで今回ガン回しするぞ〜!と久々にルプパも買ったらあっという間にめぼしいものは交換し尽くしてしまいました。クリスタル以外の素材は溢れているので。ポイント系じゃないからいっぱい周回した〜ってご報告もしづらいし、どうしたものか笑 幸せな悩みです!
サブは必死に回ってますが報酬は最低限かな、原稿やりたいので笑
ランク100になりました!
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98〜99あたりで大型アプデが入りAP消費が増えたので、イベント用にバーガー温存するためサブクエ周回をお休みしていました。(1周年のセクランでバーガーを食べ尽くした女←)
もしかしてこのイベ中に100いけるかもとドキドキしていたらさっくり上がったので記念にスクショ❤︎(ルプパ使っていたのでその後もサラ〜っと戦闘が流れていきました笑)
称号、いつも1つ目はその時のイベントで取ったものなど可変させていて、後ろ2つはキスブラにしています。ブラッドさんは自分がフォローしている方々と被らなくて好きなもの、夏サバにしました。最初のイベントで配布で嬉しかったしお顔も綺麗で大満足〜!!エリオスへの期待がぐんぐん高まっていた楽しい気持ちを思い出すので❤︎(理由が重いよ笑)
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おまけのホーム画面。私キスブラ2人にするのは気恥ずかしいのでずっとジェイに間にいてもらっています。サ開から5章後しばらく〜キブアカ復帰までを除くとずっとこの人選です。マフラー好きなんですけどもう流石に春なので違う立ち絵にしないとなあ。ブラッドさんのエプロン立ち絵ください!メダルめちゃくちゃ余ってるので!!!笑
そんなこんなでイベント超満喫しています〜!!!幸せです!
おまけの原稿進捗
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いよいよ線画はあと4ページになりました。2ページ分は絵が描けているのでこの後吹き出しを整えて終わり、実質後2ページです。もうちょっと!長かった、最初のページ描いたの2月なので…!
キスシーンはキス本バリにたくさん描きました。が、ほとんどお口にしてるので似てる絵面が多いかも。。。なるべく色々になるようにしたのですが、どうだろ〜!!!感情の違いなどがうまく描けていたらいいなあと思います。
本文線画が終わったら、表紙や扉などの線画も作って、テストプリント→紙に描き文字にどうするかを描いてから、データ上で描き文字入れ・色塗り・仕上げ…とやることはまだまだたくさんありますが。本文線画ができたら全体の7割は完成なので!後は無心で進めてもなんとかなる!!笑 台詞や絵を決めるのが一番大変だし違うことできなくなるので、ここが終わると脳&精神的にかなり楽になります。時間に余裕があったらラクガキもできるかもしれない…!
今回の原稿中は
・今までの原稿中に聴いていた曲(Kiss Me More とか mimic とか Yes or No? とか) ・スーパー戦隊OP曲 ・少年隊、DA PUMP、金爆、GLAY、氷室さん、μ's(雑多!) ・TMRさんのライブ音源
など聴いていました。期間も長いし基本的には自分のテンションが上がる曲を聴いています。
近頃はTMRさんの「LOVE SAVER」がスケベのテンションにあっていたので聴いていて、ロスナイ絵を見てから脳内BGMが「THUNDERBIRD」に変わって、イベストを読んだ今は嵐の「ONE LOVE」が流れてきました。まさかキスブラで嵐がかかる日が来るとはね!!!笑
嵐は嵐で親がファンで握手会に連れて行かれ〜からの実家にいた時はコンサートは全部連れて行かれましたし、反抗期もあって私が好きだから親が付き添いしている体で連れて行かれるのが本当に嫌で嫌で(嵐は嫌いじゃないけど好きって言えなかったです)そこから素直に楽しめて曲を聴けるようになって…とこちらも勝手な自分歴があるので、そうか〜〜キブにも嵐が…!って自分だけ感動しています笑(それで今は嵐聴いて書いています。なつかしい曲が〜〜!!)
時間の重み、すごさ、その辺りをお伝えするのってなかなか難しいのですが。変化ってすごい。1枚絵じゃなく漫画をチョイスするのは変化が描きたいからなのかなって思います。
6月新刊でも2人の変化(興奮状態とかも含め❤︎笑)を描けたらいいなと思います! ハッピーなイベント当日を迎えるためにがんばるぞー!おー!!!
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tuno-tarou00 · 1 year
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〜 under country 〜 小説
「」⟵character
⚠ I can't speak English, so I will display it in Japanese.
I can't translate everything, so if you can, please.
under country
This is a novel.
----------------------------------------------
女王が居るお城に、
朝早くから来るように言われていた。
目を擦り、重い瞼を開け、急いで支度をする。
ドアを勢いよく開け、
友人のグリッターの家に向かって駆ける。
「グリッター!今日行かなきゃいけない日だぞ!」
そう言って勢いよく肩を揺さぶっては、
準備できたのか?!と友人に聞く。
「出来てるってば、忙しいねルーインは」
やれやれ、と言うようにため息を着く。
テレポートで行けばすぐだろうに、と。
そうしてお城へ向かい、王室に呼ばれた。
----------------------------------------------
「 はじめまして坊や達、
私はトリエル・セレスティアルと言うの。
長いからトリエルと呼んで頂戴ね。」
声と共に目の前に現れたのは、
黒いヤギのようなモンスター。女王様だ。
青色のドレスを身に纏っていて、ベールのような
ものを被っている。……あれは付けツノ…?
女性のヤギのツノは小さい、恐らく付けツノだ。
「…早速だけど、貴方達が呼ばれたのには理由が
あるの。コアの話は昔から聞いていると思うけど、
私は常時コアを見れる訳じゃなくてね…。
私の力ではトラブルが起きたり、
コアの対応が遅れてしまうと思ったの。
今までは魔術師さんに見てもらってたんだけど、
魔力が段々弱くなってきちゃって…。
……私の旦那は役に立たないし、息子に任せよう
とも思ったのだけれど、まだ魔力が安定しない
のと息子の性格上、人に頼まれたら断れないし。
だから、国で1番魔力が高い貴方達2人に
任せようと思うの。駄目な事はハッキリ言えるし、
約束事はしっかりと守る真面目で良い子だもの!」
そう言って女王様は、パッと明るい笑顔を
2人に向ける。''とても良く喋るモンスターだなぁ''
なんて、眠たそうにルーインが思っていると
「何故、魔力が高い必要があるのですか?」
ルーインの友人のグリッターが尋ねた。
「それはね、コアのバランス調整と守護を
してもらう為よ。魔力が多くないと
身体が耐えられなかったり、重い病気を
発症してしまう場合があるわ。
さっきも言った通り、魔術師さんの魔力が
弱まりつつあるの。
だから、貴方達を呼び出したのよ。
……やって貰えないかしら?」
そう言って、申し訳なさそうな顔をしながら
女王様は2人に問う。
「女王様の頼み事を断る理由はございません、
喜んで引き受けます。ほら、ルーインも!」
グリッターはルーインの腕を引き寄せれば、
彼に微笑みかける。
ルーインも断る理由なんて無かったので、
引き受ける事にした。
「やる分には構いません。ですが、どうやって
コアのバランス調整をしたら良いのですか?
友人であるグリッターと俺は魔力こそ高いですが、
コアに関する特別な力等は持っていない。
ごく普通のモンスターなんです。」
ルーインはそう言い、困った顔をする。
聞いた話では、バランスが崩れてくると
コアから有害なガスが出てくるらしい。
吸っても痺れるぐらいだが、
もっと酷くなると空間に穴が開き、
虫食い状態になってしまうのだとか。
そして穴は最終的に1つの物になり、空が消える。
永遠の闇が訪れ、人々は太陽の光を浴びることも
無く、活気も次第に無くなって憂鬱になる。
そんな事を兄から聞いた事があった。唯一の家族。
「その点に関しては心配無いわ、私が貴方達に
力を与えます。コアを調整する為の、ね。
グリッターには修正の力、ルーインには破壊の力。
コアから生まれる有害なものを破壊、
そして修正する事で調整出来るのよ。
力を与えるに当たって注意事項があります。
この力は自分の感情に影響されやすく、
時にはとても強い力になるの。修正はそこまで
影響は無いだろうと思っているのだけど……。
特に破壊の力は、より一層その事に気をつけて。」
女王様はそう言って2人に、力を与えた。
そして月日が経ち、事件は起こってしまった。
「……グリッター、うそ、だろ?
起きろよ。なぁ。起きてくれよ…………なぁ……」
やってしまった。
彼は亡くなった友人の前で泣き崩れる。
部屋に響き渡るほど大きな声で。
大切な友人を誤って殺してしまったのだ、
無理もない。
彼が泣いていると、慌しくこちらへ向かう足音が
聞こえる。こちらに来たのは女王様、トリエルだ。
彼女の視界に入ったのは泣いている彼と、
倒れているグリッターの姿。
「何事だ?!何があったの、ルーイン!
何故グリッターが倒れているの?!」
彼は正直に起こった事をそのまま話していく。
調整中にからかわれ、自分の感情が抑えきれずに
能力を友人に向けてしまい、誤って
殺してしまったのだと。
「…なるほど、……事情は分かりました、
貴方に悪意も無いので私は貴方を責めません。
ですが、このままだとバランスが崩れてしまう。
破壊の能力を持っている貴方にはどうにも
出来ません。彼を弔って暫くの間休みなさい。
心の休息が必要です。」
彼は小さく頷いた。自身が着ていたマントで
段々と塵になってゆく友人の亡骸を包む。
そのまま抱え歩き出し、幼い頃に
友人と遊んでいた花畑の方へと向かった。
なるべく人目を避け、涙を堪えながら
必死にその場所まで歩き続けた。
そして、花畑に着くと半分塵になっている友人の
亡骸をそっと花の上に置く。
その直後、また彼は泣き出した。
「…ほら、オレらが幼い…頃にさ……?
良く遊んだ場所だぜ、グリッター……。
アンタさ…、此処で良く、花を摘んで…笑って…。
くそ……、くそっ……。ごめんな…ごめんな……。」
震えた声で必死に亡骸になった彼に
喋り続ける。返事など帰ってくるはずもない。
彼は友人の命を、これから歩むべきだった
人生を奪ってしまった事を悔やんだ。
自分がもっと感情のコントロールが
出来ていれば、と。
あの事件から数日が経った。
彼は家でただ、ぼんやりと窓から空を眺めていた。
友人が亡くなってしまった時からぽっかりと
心に穴が空いたようで。
空間のバランスが崩れれば、至る所に大きな穴が
空いてしまい国がめちゃくちゃになってしまう。
これからそうなるのも全て自分のせい。
国民のみんなから怨みを買うだろう。
だが、何日経っても大きな穴が開くどころか、
バランスは崩れることなく時間が過ぎている。
おかしい。そう思った彼は外に出ては首を傾げた。
「…今頃国が滅んでいるはず……、
何故まだ崩壊が起こっていないんだ?
オレは、グリッターを……殺してしまったのに。
今頃コアはバランスを崩し、コアの中の核の力が
大きくなって空間に穴が
そこら中に開くはずなのに。」
友人の死を悲しむ事より、気になっていた事。
そうして悩んで居ると後ろから声をかけられた。
「…何か悩んでいるようだね?
君の悩み事、もしかしたら助言できるかも
知れないんだ。コアの中にある核による
バランス崩壊についての…ね。」
彼はその言葉に驚き、後ろを振り返る。
立っていたのは……人間。
灰色の髪に紫のメッシュが入っている。
目は黒く空洞の様になっていて、黄緑色の頬。
この国にも人間はそこら中にいるが、
自分が知っている中で初めて見る人間だ。
彼は頭の中で思考を巡らせる。
それと同時に、見知らぬ人間がこの国の
バランス崩壊の話を知っている事に驚く。
「なんで、この国の事を知ってるんだ?
アンタ国の民じゃないだろ?
それにこの国以外の来客なんて来ないはず、
鎖国しているはずだからな。」
彼はそう言いながら、1歩後ろに引く。
このことを知っているのは国の民しかありえない
からだ。彼の問いに人間はクスクスと笑う。
「…国の事についてはずっと見ていたからね。
そして、空間のバランスが崩壊してもこの国が
滅亡に向かわないのは、
完全に消えないようにって
プログラムされているからさ。
此処はゲームの世界。
…君は外の世界を知っているかい?
他の国の人が、此処の国に来る事とは違うよ。
……この世界のシステムの外の事さ。」
そうして人間は空を仰ぐ。
「この世界のシステムの……外…?プログラム?
アンタは何を言ってるんだ?
…信じ難い話だが、もしかしてアンタは
言ってるその“システムの外”から来たんじゃ
無いだろうな?」
「ご名答、その通りだよ。
君にとっては、この話の事を御伽噺みたいに
感じるだろうね。この世界がゲームで、
プログラムされているだけのものなんて。
突然、これが事実だ。なんて言ったって
君は信じないだろう?
……だから、外の世界を見せてあげるよ。
この世界のプログラムを。」
そう言って人間はこちらへ向かってくる。
不気味な笑みを浮かべながら。
人間の笑みから唯ならぬ雰囲気を感じ取り、
“逃げなければいけない”と本能が叫ぶ。
だが、外の世界を見たい。と言う好奇心が
本能より上回ってしまい、
その場から動けずに距離を縮められてしまった。
そして目の前に来たその人間は、彼にこう言った。
「君の中に僕のソウルを取り込んでご覧。
ソウルだけなら君の中で生きていけるし、
身体は外に出しておけば腐ることもない。
何時でも戻れるという事だ。
それに君も外の世界を見れるようになる。
何ら問題は無いだろう? 」
人間は、自身のソウルを彼に差し出した。
彼は戸惑いながらも、人間のソウルを手にする。
そして好奇心に負けた彼は、言われた通り
手が震えながらも自身のソウルに取り込んだ。
その瞬間白い光に包まれ、収まれば
彼の意識の中に人間の声が流れる。
「僕は今君の中にいる、
僕の力が反映されているはずだ。
……まずは、そうだな……君の世界のシステムを
見たいと念じてご覧。
…そのままテレポートを使うんだ。
君ならできるだろう?移動に成功したら、
モナークの記録と呼ばれている空間につくんだ。……図書館ってあるだろう?
本の代わりに、あらゆるデータファイルが
仕舞われている場所なんだ。
そこにファイルが沢山浮いているはずだから、
under countryって名前を探してね。
君の世界の名前だからさ、
そのファイルに触れたら色々見れるはず。」
彼は人間の身体を抱え、
言われた通りに念じながらテレポートを使う。
一瞬でモナークの記録と呼ばれる場所に出る、
沢山のファイルが浮いている。人間の言った通りだ。
少々手こずりながらその中から
under countryと書かれたファイルに触れる。
すると中から自身の世界の物語が
ずらりと並べられ、システムログや設定を
書き換える事が出来る物等が出てくる。
恐らく触ったこれはデータファイルなのだろう。
「これが、オレの世界のシステム……。
特に異常が起きていない……、成程?…、……。
もしこれを弄ってしまったらどうなるんだろうか?
世界が消えるか?それとも過去に戻って
また1からあの体験をするのか?
過去に戻るとなると、
過去の自分に会ってしまう事になるのではないか?
会ってしまうとどうなる?
そこで世界の混乱が訪れるとするならば、
今後の国の様子が気になるところではあるが……、
そんな事をしてもし世界が終わってしまえば
今居るオレも終わるということになる。
過去の自分にこの事を言っても信じて
貰えないのは目に見えている。言ったとして、
結局あの体験に辿り着いてしまうとするならば、
世界のシステム的に避けて通れないものなのか?
そうだとすれば、友人は元から
オレの手によって殺される運命だったと言う事に
なる。そう考えれば何故か少し気が楽だが…。
もしオレが代わりに死んだとして、友人の所にも
人間が来てこれを見ることになったのか?
だが、テレポートは現状、俺しか使えない能力。
友人には無理…となればその場合はそこで物語が
終わってしまって、崩壊も無く世界が消えること
なく時間だけが進んでいくんだろうか?
それとも別の世界が
作り上げられていくのか?気になる事が多すぎる。
もし、女王を殺したら?
逆に女王を残して国民を皆、殺したらどうなる?
この世界はどう変化する?
もしも崩壊する所までプログラムで作られて
いれば、空間に穴が空いて世界が滅ぶとして国民…
いや、キャラクター達はどこに行く?
どう生きていくのだろうか?それとも消滅?
under countryの存在が消えない限り
世界は、国は消えず、殺してもみんな生き返る
のだろうか?殺された時の記憶は?消えるのか?
それとも継続されるのか?
もし継続していたとしたらまさに生き地獄だ。
…消えたとするならば、皆はいつも通りの生活を
するんだろう。自分の世界でも少し物事を変える
ことで無限とも言える可能性があるのが驚きだ。
そもそもシステムやプログラムは機械、ゲーム等
を開発したりする時の言葉に使われている
んだよな?そうなるとunder countryはゲーム……
という事になる。じゃあ主人公的な立ち位置は
誰が?居ないとなれば、ストーリーを読み進める
感じのゲームということになる。
この世界を創ったのは誰だ?未知の生物か?
………嗚呼、だめだ、
考えれば考える程知りたいことが出てくる……。」
“コレをこうしたらコレはどうなるのか?”なんて
思考が、好奇心が彼を埋め尽くしているのだろう。
システムを見た時の彼の顔は、知らない事を
知りたい子供のようにキラキラしてきた。
人間はそれを見て面白い事になりそうだと、
上機嫌になる。
「うわぁ……、君凄いね。
好奇心の塊じゃないか...!よし、分かった。
僕の力を君に分けるよ、
そうしたらAUにいつでも行くことが出来る。
君のその異常なまでの好奇心の助けに
なるだろうからね。
君が気になった事、全部やるといいよ。」
そう言うと人間は彼のソウルから出ると
自分の身体に移った。そして、人間は自身の
ソウルを半分に裂くと
貴方のソウルに押し付ける。
「取り込んだ時に力を与えるから、
身体に馴染むまでの少しの間、気を失うかも
知れないが上手くいくと信じているよ。
君は僕を取り込んでも平気だったんだから。」
そう言って人間は無邪気に笑う。
誰かを本当に信用している、
何一つ汚れを知らないような笑顔。
「で、でも、そうしたらアンタのソウルが
半分になっちまうし、辛くないのか…?」
彼はとても心配そうに人間を見る。
それはそうだ。ソウルが半分になると言う事は
寿命も半分になってしまうのではないか?
生きる時間も減るし身体にも異変が起こって
しまい、最悪亡くなってしまうんじゃないか?
と思考を巡らせる。
すると、人間が彼の頭を軽く小突いた。
「全く…、僕が良いって言ったら良いんだよ。
気に入ったからあげると言っているんだ、
素直に受け取ってくれ。
大丈夫、何も心配いらないよ。」
彼が人間のソウルを吸収する。
すると辺り一面が光に包まれ、
次第に収まっていく。
「…凄い凄いね!なんでも出来そうなこの感じ!
人間っていつもこんな感覚なの?」
ソウルを吸収した途端、内側からとても強い
力が湧き上がってくるのを感じた彼。
とても上機嫌で、
無邪気な子供のような表情をする。
「わぁ、喋り方も、声も……君の片目も
変わったね?これは……実に、実に面白い。
君に話しかけて良かったよ!
……、……あ、そうだルーイン。
君がさっきデータを見て言っていた事、
やってみたらどうかな?
何か面白い事が起こるかもしれないし。
起こらなかったらAUに行けば、
こことは違う世界を見れて楽しいはずだ。」
ふと、彼が言っていた事を思い出しては
実行して見たらどうだ?と声をかける。
「確かに言った!良いねぇ!
何も起こらなかったらAUに行くことにする。
テレポート…で行けるんだよね?
君のお陰で色々知れる事が出来る!」
そう言うと彼は大袈裟に両腕を広げ、
満面の笑みで貴方を見る。
「じゃあ決まりだね?
君の国に戻ろうじゃないか。」
そう言うとテレポートで国へ戻る。
あれから時間が経っているのにも関わらず、
何も異変もない平和な国。
今から何が起こるかも分からない住人が
笑い合い、助け合って生きている。
彼はその光景に笑いながら、1人のモンスターに
近づく。そして容赦無く骨を突き刺し、
塵に変えた。
それを見た国民が逃げ惑うが、彼は着実に1人、
また1人と塵や肉塊に変えて行く。
モンスターや人間など関係無く…だ。
楽しそうに倒していく姿は、狂気そのもの。
彼の好奇心は異常。
分かりきった事なのに、
その光景にびっくりして数秒動けなかった。
見ていると、彼に泣いて縋る者、立ち向かう者、
恐怖で気がお��しくなった者もいた。
けれど、彼は自分の兄には手を出さなかった。
そうして、国民がだいぶ減ったであろう時。
「んー、この位で様子見てみようかな。
だいぶ数は減らしたと思うし!
ボクも疲れてきちゃったからさ……。
……何か、別の服を調達しに行こうかな?
この服はダサすぎる。正直女王のセンスは
終わってる。…うん、これの方がよっぽど良い。」
そう言いながら暫く歩き、
無人になった店に入れば辺りを見渡し
1つの服に目をつける。
自身が着ていた服を捨てるとそれに着替え、
店内にあった全身鏡で自分の姿を見る。
「そういえば名前を聞いていなかったね?
なんて言う名前なんだい?」
そう言って彼は振り返り、人間を見る。
「私は、ash Chara 。
アッシュとでも呼んでくれ。君の名前は?」
そう言い、人間は首を傾げながら彼に尋ねる。
「ボクの名前はルーイン Sans。
気軽にルーインって呼んで良いよ!
良い名前でしょ?
ボクの兄さんがつけてくれたんだよ、
突然、両親が居なくなっ��ゃったからって。
ボクは両親の事なんて何も分からないけど、
城でとても重要な役割についていたんだってさ。」
そう言って彼は自慢げに胸に手を当てる。
どうやら彼には兄と行方不明の両親がいるようだ。
暫く彼の話を聞いていた。
小一時間程、世界の様子が変わるまで。
しかし、全く変化も無く時間だけが過ぎていった。
彼の世界の設定に、空間に穴が空いた後の事が
想定されていなかったのだろう。何も起こらない。
「変わらないね?片方が欠けるなんて事、
想定されていなかったのかな。俗に言うエラー。
ボクはそれを引いてしまったわけだ。
本来ならバランスを保ちながら平和な時間が
進んでいくはずだったんだろうな。
でも、これはこれで面白いね。不慮の事故で
エラーを引いちゃうなんてさ!
……けど、これだけだなんて 何か残念。
もっと試したかったけど、
これ以上何をしても駄目らしいしね。
他の所…の方が幾つもの楽しみがありそう。」
そう言うと床に大の字で寝そべる。
倒す以外にもひと通りやったが変化が無く、
つまらなくなった彼は空をぼんやりと見つめる。
「…てことは、AUに行くんだね?
じゃあ、ボクはそろそろ元の所に戻るよ。
此処に長くは居られなくてね…。
ボクは本来、没データなんだ。
君が起こした不慮の事故で発生したエラーの
お陰で、君と此処に干渉できたんだ。
忘却の鳥籠って言う所があるんだけど、
ボクは普段そこいる。良ければ何時でも来てよ
歓迎するからさ!」
人間はしゃがんで彼の頭を撫でる。
「嗚呼、帰っちゃうのか。…うん分かったよ、
君の所に行く時に土産話としてAUの話をするよ。
沢山話を聞かせてあげる、期待しててな!」
人間に微笑みかければ、
手でGoodサインをする。
人間は '' また会おう相棒 '' と一言残し、
彼の世界を後にした。
----------------------------------------------
そうして人間が向かった先は
辺り一面真っ白な空間。
それは忘却の鳥籠と言われる場所。
そこには、没データだけが存在する。
アッシュは唯一、忘却の鳥籠から
一時的とは言え出れる存在なのだ。
「おかえり、ash 。
…それで、どうだった?楽しかった?
あの世界の骨に力を分けてあげてたみたいだけど」
そう言って読んでいた本を置くもう1人の人間。
白い髪の毛に青と黄緑のメッシュが入っている。
ゆったりしたオーバーオールと黒い長袖の服、
その上からポンチョを羽織っている。
「ただいま lot 、そこから見てたんだね。
んー、それなりに楽しかったよ!
此処に居るよりかは楽しい事が多かった。
一応彼の家が無くなった時ように、此処の場所を
教えておいたから いずれ君も会えるよ。」
そう言うとアッシュは微笑み、
ロットはため息をして苦笑した。
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fuyuubutu0 · 5 years
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Fate stay night [Réalta Nua]  Heaven's feel 感想
HF
2017/9/17 アニメUBWを初見で見始める 9/29 レアルタセイバールート初見プレイ開始 2017/12/24 レアルタUBW初見プレイ開始 2018/1/24 レアルタHF初見プレイ開始 2/24 レアルタヌア初見プレイ終了
HFは1日につきゲーム内の1日分ずつ進めた。
レアルタヌアの感想をブログにまとめてみて思ったけど、めっちゃ感想書いてるな僕wあとで見返すのが楽しいけどまとめるのに時間かかったw
・1日目
眠れないから1日分だけ進めた。
1日目の内容は9割ほどは他ルートと同じだったけど、他ルートでは出なかった「桜を送る(上級編)」が出た。その内容は、慎二の事だったり凛の家の噂の話だったり。
あと、他ルートに比べて士郎が桜を異性として意識してる描写が目立った。
・2日目
他のルートでは序盤の序盤にしか出てこなかった桜がバンバンピックアップされてて少し驚く。
放課後の教室での一枚絵の桜が可愛いかった。
ゾウケンさん初登場。まだ普通のお爺さんって感じ。
・3日目
ゾウケンさんがなんか企んでるっぽい。意味深な台詞ばっかり言ってる。 
レアルタヌアのHFのムービーを見たら、なんか皆カッコよかった。HFでは特にライダーが活躍するらしいからそれを見るのが今から楽しみ。
・4日目
セイバーの暴露からの教会での御三家についての説明。
なんというか、言峰が親切すぎてびびる。士郎に助言までしてるしなんだこいつ。
言峰は人と同じ幸福を感じることが出来ない人間なのか。 切嗣と言峰の類似点や相違点も気になる所だ。
ゾウケンに出来損ない扱いされてる慎二が少し哀れに思えてきた。 Fateルートでは死ぬしUBWでは道化だし、両親を蔑んでるみたいだしゾウケンには罵倒されるしで慎二はとことん不遇なキャラクターだなぁ。 HFで彼は一体どうなるのやら。
・5日目
日常が多めだった。
遂に真アサシンとあの影が出てきた模様。でも映画と展開が少し違って戸惑った。やっぱり映画はだいぶ展開を詰めに詰めてるんだろうなぁ…それでもあのクオリティなんだから凄い。
凛が放課後に士郎を呼び出す手紙で「殺す」の文字が消されてるところがプリヤのそれと同じで笑った。 プリヤ一期で凛がイリヤに送った手紙も原作のオマージュだったんだなぁ。
最後の凛が士郎の血を吸う夢?はなんだったんだろう。そういや映画でもなんか色っぽいシーンがあったような気がする。もううろ覚えだけど。
ここってPC版だと直接的なエロ描写だったんだろうか?などと想像してみる。
桜のおっぱいはEカップ
・6日目
ひたすら「桜みたいな奥さんがほしい」と思う1日だった。 もしラジで「もし私が悪いことをしたら~」は結構重要な台詞だと言ってたから覚えておこう。
ランサーvs真アサシンは思いの外地味で映画とのギャップを感じた。映画ではめちゃくちゃ派手に演出してたんだなぁ。
・7日目
桜のソウルジェムが少しずつ曇っていくのを感じて辛くなってきた。
言峰が麻婆豆腐を食べてる所は面白かったw中田譲治さんの演技が最高w
HF初のタイガースタンプを回収。桜と土蔵で話をしないとここでバットエンドになるのか…これ、明らかにあの影は桜と関係があるって事を示唆してるなぁ。
映画を見たときもアーチャーの「私怨を気にしてる余裕がなくなった」発言は気になったけどそのあとの「悲観したものじゃない」って台詞を聞いてアーチャーを応援したくなった。
アーチャーは、まだ災厄を止められるし、まだ後始末をすると決まった訳じゃない!と思ってるんだな。 どうなるのやら。 体は朽ちるがほぼ永遠に生きてるってゾウケンはまるでMOTHER3のポーキーみたいだ。
アーチャーはUBWでは「サーヴァントは所詮道具」って言ってたけど、あれは自虐だったんだろうか。だってゾウケンに似たような事を言われたときに表情が怒ってたし。
凛が学校で「人は本当の事を言われると怒る」って言ってたけど、それはこういう事だったのかも。
・8日目
映画のHF一章の分の内容が終わった。 
イリヤとの会話はHFがイリヤルートも兼ねている事を実感 させられたし、復讐の相手だった切嗣がもう居ないと知ったときや、当たり前の日常を渇望するイリヤの心境を考えると悲しくなった。 だからこそ、あの一枚絵とあのBGMはとても印象に残った。
セイバーの「桜は過ちを未来で正すのではなく自分に刻み込むきらいがある」でらっきょでの橙子さんの「私たちは罪で道を選ぶのではなく選んだ道で罪を背負うべき」を思い出した。
桜が士郎の安全を想うが余りヤンデレ的な思考になって行ってるのが不穏だ。その内士郎の四肢がもがれてもおかしくない。
ギルガメッシュが「人が人を頃すのは我慢ならない」って言った事が意外だった。しかも要約すると「札人は人の手に余る」って理由だったのがさらに驚き。 ギルガメッシュはとことん傲慢だけど、それは一本筋が通った傲慢さなんだなぁ。 ギルガメッシュが人気な理由がなんとなく分かった気がする。
・9日目
遂にこの選択肢が出てきた。(鉄心に分岐する選択肢のこと) 正義の味方を貫き通す選択した後がとても辛かったし、タイガー道場でさらに凹まされた。心を鉄にした士郎も桜を頃す凛もイリヤの一言ももちろんそうだったけど、「藤ねえが士郎のこの選択を受け入れる」っていうのが一番辛かった。
もう劣等感しか残ってないし、それを拭おうとして空回りしてる慎二の心境を考えると凄く悲しくなる。これからどうなるんだろうか。
桜は好きな人を騙し続けてる罪悪感に苛まれてる所が月姫の秋葉様に似てる気がする。桜も秋葉様も自分の気持ちに素直になれないし。
桜は士郎に対する想いを内に仕舞い込み、秋葉様は志貴に素直になれない。好きな人に対して素直になれないって所は二人とも同じだけど、その出力先が違う。
桜の懺悔で『灰羽連盟』の罪の輪を思い出した。 自力で罪の輪から抜け出せないのなら誰かに罪を許してもらえば、罪を知りながらも罪人では無くなる。士郎は桜を罪の輪から救出した。
つい最近まで士郎に復讐心を抱いていたイリヤが士郎にここまで優しくするのか…と思わず泣いた。でも士郎が聖杯を求めるのならイリヤはマスターとして立ち塞がるんだろうか?もしそうなったら辛いな。 士郎は正義の味方を貫いてもそうしなくても結局辛い思いをするんだろうなぁ。
桜が士郎の血を吸う場面はPC版だとセックスする場合なんだろうか。もしそうなら「HFはエロ無しでは成り立たない」って言葉の意味が理解できる。
桜はレアルタヌアで「好きな人の血を吸う」という、アルクェイドがしなかった事をしたんだなと思うと少し感慨深い。
・10日目
士郎と桜の状況がどん詰まり過ぎてて読んでてあんまり楽しくなかった。
何故イリヤは桜を嫌うんだろう?言峰の求める答えって何?あの影と桜の関係は?疑問は増える。
セイバーが反転したのを士郎が割りとさらっと受け入れてて驚いた。もっと狼狽すると思ったけど。
言峰の人間性の開示によって「言峰と切嗣は正反対の人間だが印象は似てた」って言葉の意味がやっと分かった。
正しいものを正しいと理解していながらそれに価値を見いだせず、それを求めても得られない言峰と、綺麗な理想を抱きながらも冷徹な行動をとる切嗣。 確かにぱっと見は似てるけど全く違う。
最後の幕間が不穏すぎる。「虫を潰した」って、一体誰が?
・11日目
ひたすら桜と凛が微笑ましい1日だった。この不器用さん共め!w
慎二がまたなんかやらかしそうな雰囲気を出してるなぁ…
凛に「士郎の前だけでは桜は笑う」と言われて、士郎は「今の桜は自分に依存してる」と気がついたっぽい。 姉妹のやりとりは和んだけど、状況が詰んでるのは変わってないんだよなぁ…読んでて少し辛い。
・12日目
感想を一言に纏めると「とにかく読むのが辛い」
桜が助かる為に士郎も凛も行動してるけど、それが桜を傷つけてしまう事が辛い。
本当は士郎と一緒に住みたいイリヤは、切嗣への憎しみを無視出来ないし、士郎が聖杯を手に入れるということは士郎がアーチャーの腕を使い傷つくということ。
士郎も凛もイリヤもそうなんだろうけど、桜も辛いだろうな。
日常生活がまともに送れないほどに体は消耗してるだろうし、士郎は戦うし「自分自身を救おうとしてくれてる人」だと分かってはいるけど凛への不信感は募るし毎晩悪夢を見るし。
滋養である筈の士郎からの吸血でさえ自己嫌悪が付きまとう。
士郎がもし氏ねば衛宮低にイリヤの居場所はなく(凛とは魔術師同士だし桜とは何故かそりが合わないらしい)、イリヤは依り所を無くす。 だけど士郎は戦いを止めない。
凛は魔術師然とはしてるけど骨の髄まで魔術師って訳ではないから、桜に厳しく接するのは辛いだろうなー。 救う対象であるはずの桜を遠ざけないといけないってのはなんとも皮肉な話だ。
日に日にすり減っていく桜の心身。悪夢と士郎が感じた「影」と桜の関係。 ゾウケンの意味深な言葉、ギルの謎の行動。 ちょっと辛すぎw読んでると僕のMPがゴリゴリ削られていくwでも光明は見えた。士郎が凛の宝石剣を投影出来れば状況をひっくり返せるかもしれない。 まぁ、光明が見えた分だけ事態が悪化してる気がするけどw どうなるんだこれ...読んでて凄く面白いけど辛い。
「奈須きのこって本当に凄いな」と改めて実感した。 ここまで複数の出来事や登場人物達の心情が絡み合ってる創作物を読むのは本当に久しぶりかもしれない。このぐちゃぐちゃに絡まった諸々がどんな風にほどけていくのかが楽しみ。
・13日目
今まで明言はされなかったけど散々仄めかされてきた桜と影の真実が分かった。桜を道具として扱っておきながら士郎に「桜を頃せ」なんて言うゾウケンは真性のクズだな。
「なんで桜からあの影が出るんだろう?イリヤからは出ないのか?」と疑問に思ったけど、「イリヤはサーヴァントを回収するたびに人としての機能をカットするから影が出ないんだ」と自己解決した。
桜と士郎が花見の約束をするばめんでアルクェイドの「私はifって好きよ。その時だけは希望がある気がするもの」を思い出して涙が出た。
かつての信念を捨てた士郎にひたすら謝ってる桜にちょっとだけもやっとした。 桜自身には影をどうすることも出来ないんだろうけど、だからってあそこまでして自分を守ろうとしてくれる士郎に対してただただ謝るだけで「ありがとう」の一言も言わないのか、と。
13日目のフローチャートに不自然な空白があるから、たぶん今進んでるルートはその内バットエンドの一つに通じるんだろうし、この不自然な空白の先が正規ルートなんだろうな。 とりあえず今は放置して読み進めよう。
・14日目
桜が反転したけど、まだ完全には反転してないっぽい。
桜と聖杯の関係がややこしい。ちょっと整理してみる。 〈桜には聖杯の欠片を元に作られた刻印虫が埋め込まれている。故に桜は聖杯の機能を持つ。〉 〈聖杯の力は本来無色だが汚染されたため「人を頃す」という方向性を持った力に変わってる〉 〈桜は聖杯の門を閉じられない〉 〈桜の性格と汚染された聖杯が適合して「影」が産まれた〉
「何かが産まれ出てくる事を阻止する事は罪だが、産まれてきた者にもし罪があるのならそれは償うべき」って言峰の考えは凄く厳しいし、桜の影の事に対してそう言ってるから凄く歪んでる。
15日目はまだ終わってないけど、情報が多すぎて頭が痛いから今日の所はセイバーエンドを見て終了。 そして土蔵でのライダーとのやりとりの選択肢から再開する。
セイバーを下したがとどめを刺す前に廃人になってしまった士郎はなんとも無念だ…
言峰は本当に複雑な人間なんだなぁー。 言峰と言峰が愛した女の事を知って、愛とはなんなのかを考えさせられた。 愛した側の心の在り方がどうであれ「愛された」と感じたのならそれは愛なのか?愛する心が無くても「愛するという行為」があればそれは愛するという事なのか?
天の杯と根源の渦の関係がよく分からなくて何回か読み返した。アインツベルンの目的は別に根源の渦に到達する事ではなく、あくまで根源の渦に至る道に溢れてる手付かずの魔力だって事が理解できた。 …この解釈で果たして合ってるのか?合ってると思いたい。
「魔法」や「魔法使い」が型月世界では超重要だって知ってはいたけど、物語の中でそれを体感するのは初めてかもしれない。 でも士郎が言ってたように、士郎達にとってはそんなのは関係無い。彼らにあるのは自分と大切な人の時間だけ。
桜がどんどん反転して行ってるけど、正直、「やっと反転したか~」と思った。メタ的視点から言うと桜が反転しないと話がつまらないし、その過程とそれを受けてどういう風に物語が帰結するかが見たい。
VSバーサーカーでの士郎はとんでもなくかっこよかった。これは間違いなくSN名バトルの一つだろう。 「ついてこれるか」からの「ついてこれるかじゃねえ。おまえがついてこい!」は最高にイカしてる。
タイガースタンプが残り3つ......長かったSNももうすぐ終わってしまう......最初は「これ全部埋められるんか?」と思ってたのに残り3つ......あー寂しい。
終わった。色々言いたいことはあるけど、とりあえず今真っ先に言いたいことは…桜、めっっっっっちゃ美人になってませんかあああああああああ!!!?!!!?!!?!?!
しかも凛に「幸せ?」って聞かれて「はい」って満面の笑みで言ってるしなんなのもおおおおおお!!!良かったああああああ!!! この文章(Twitterのヘッダー画像にしてたあの文章)でもう「あ、士郎達の物語はもう終わりなんだな」って……… いやだあああああああ!!!!!いかないでええええええ!!!!虚無感ヤバイんじゃあああああー!!!!でも「終わり」が大好きなんだよオオオオオオオオオンン!!!! ちなみにタイガースタンプもコンプ。全部埋まった。埋まっちゃった。 SPも見た。綺麗に総括してて最高の締め括りだった。 残るはラストエピソードのみ。これを見たら本当に本当に終わってしまうから、見たいけど見たくない。でも見る。
・ラストエピソード
セイバールートの最後で士郎は結局アーチャー��なってしまったのか。でも、この再会があったから二人はきっと報われたんだろうな。 そして「Link」がめっちゃ晴れやかで良い曲だった。 一回だけBGMだけを纏めた動画で聴いたことがあったけど、てっきりHAの曲だとばかり思ってた。 「あの坂を登り終えたらそれぞれの道を行こう」と「笑顔で手を振ろう。いつかきっと会える」って歌詞が凄く晴れやかで切ない。
・HFを振り返る
HFのトゥルーエンドで月姫の「まひるの月」や「温かな牛睡」を思い出した。こういう切ないエンドもたまらない。
桜が琥珀さんの系譜のキャラだって聞いたことがあるけど、確かにそうだった。 桜も琥珀さんも、救うことはかなり難しい人だけど、救った時の喜びと感動は物凄く大きい。 まぁ、琥珀さんを救ったのは志貴で、桜を救ったのは士郎だけどね! そこを勘違いしちゃいけないと思う。読者はあくまで傍観者。
桜はアンリマユに憑かれて初めて凛に対して鬱憤を吐く事ができたから、そういう意味ではアンリマユに憑かれた事は良かった。姉妹喧嘩も出来た事だし。 というか、お互いに魔法に近い力を振るう姉妹喧嘩って凄いなwスケールが大きいw
桜がアンリマユに取り付かれてる姿はおっぱいがとても強調されてるから、シリアスな場面でも(おっぱい大きいな)ってしょっちゅう思ってたw イリヤが大聖杯の門を閉じる時の杉山さんの演技が印象に残ってる。 イリヤの名を思い出してから連れ戻そうと名前を呼ぶ。その感情が演技で凄く伝わってきた。
天の杯の服装のイリヤは外見は幼いのにとても大人びて見えた。特にあの一枚絵は。
桜の体は清いとは言い難いし、桜の好意は良くも悪くもとても重たい。それでも桜が好き。 桜は士郎にとって日常の象徴でもあると思うし。
サーヴァントや魔術がある世界だからこそ、士郎と言峰の殴りあいは熱かった。この戦いは正義と正義のぶつかり合いでしかもお互いの力がやや拮抗してるのが熱さに拍車をかけていた。
言峰にとってアンリマユは「自らが出せなかった答えを出すかもしれない希望」だったんだなー。
それまで徹底して冷たい態度を取ってたのにここぞという所で桜への好意を自覚してとどめを刺せないし、凛の境遇を想像もせずにひたすら自分を罵倒する桜を抱き締めてやれる凛が凄く好き。 「うっか凛め…」って思いながら涙を流したし、ここを映画でもし見たらきっととんでもないことになるだろうなーw
終盤の桜の声には凄く気迫があるというか、ドスが効いていて下屋さんの演技力の凄さを実感したし、桜は「ただおしとやかで可愛いだけのヒロイン」じゃないんだなって思った。
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27kochi · 3 years
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揺らぎを愛して
7月17日~18日のピース大阪公演に加えて8月6日~8日の東京公演を終えての記録。
“神の手、鉛の心臓。感染偏執狂が「まだまだ」と金切り声をあげる。権威主義者の飛沫が染み付いたマスク。放射能まみれのドア、隔離室。クーデターの首謀者を焼き尽くす焚書の山。時限爆弾に犯される善意の市民。洗脳、陰謀、強欲、怠惰、放置、無知。奴らの本当に大切なものは何も手に入らない”
声を張りあげ発していた言葉を、台本に向かってて静かに、なぞるようにレンジョウは紡いだ。そこにある情景は、彼の目を通したものようになった気がする。怒りとともに悦を感じ、何を見てきたのだろうとゾッとした。
この作品が回を重ねることは、この台本が深みを増す、舞台が完成に近づくだけでなく、数ヶ月、数年後の彼らが同じ場面を繰り返すようでもあった。
同じセリフが別の感情と、別の場面とつながり、はなれてを繰り返す。自分でも思いもよらなかった感情が湧いて、レンジョウは時折困惑しているように見えた。
レンジョウとオカモトがたわいもない話をする場面。レンジョの声色は軽く、お互いにこの時間を楽しんでいる。尊い光景に少し涙が出た。
「お前はいいやつだな」
「みんなお前みたいだったらいいのにな」
オカモトの声はあまりに優しかった。
じわじわとその優しさがレンジョウの心を染めていくようだった。最終日、このセリフを聞いて言葉に詰まっていていた彼が頭に残っている。
「確かめたかったから」
どうして言ってくれなかったんだと問われた時レンジョウはこう答えた。
レンジョウが確かめたかったのはなんだったのだろうか。
“明日地震が起きたらどうします?”
“じゃあ、どうして死なないんです?自殺でも、安楽死でも自爆でも手段も方法もいくらでもあるでしょう?”
オカモトの思想や父ソノべへの思いなどではなく、己の苦しみへの答えがオカモトの中にあるか、ただそれだけだった気がする。それに対する答えは「その時になってみないと分からない」だったり「どうしてだと思う?」という質問返しだったり。オカモトは自身のの悟りの先にそのような回答をしたと思うが、レンジョウにとってみればかわされているようで、得られない答えに悶々としただろうと思う。
しかしそれが回を追って、まるで禅問答禅問答のように見え、何かを教えてやっているようにも見えてきた。
「オレはオマエのことが好きなんだ」
銃を向けるレンジョウに向かって伝えたオカモトの声は、とても悲しかった。
それは息子ほど歳が離れ、同じ苦しみを持つレンジョウが、狂気に身を委ねてしまうことへの悲痛だったように思う。
オカモトが水槽を見つめるシーン、過去に戻り、「勝つまでやめなければいいんじゃないか?」と放つシーン、水槽は赤色に変わった。その色はオカモトの顔を照らし、狂気を映し出しているように見えた。いままであった「仇討ちなんて無意味な真似はやめろ」というセリフがなくなった。
「明日死ぬかのように生きよ」というセリフをオカモトが語るようになった。「死ぬ事なんてどうとも思っていなかった」というセリフがことさら死を意識しているようにも聞こえた。
過去のオカモトが、現在のレンジョウにだんだんと重なっていくように見えた。
レンジョウが正体を明かし、オカモトに迫るとき、赤色と水槽の白色の照明がが左右から彼を照らし、彼の上で混ざりあっていた。
彼はずっと揺らぎの中にいて、狂気、愛情、怨念、苦悩、そのバランスが回によって変わっていくように見えた。
理不尽の中で育った社会への恨み、父の死を捨ておいたオカモトへの怒り、一方でのオカモトとの時間を尊く思う心。全てから逃れて狂ってしまいたい。
様々な感情に溺れていたレンジョウだったが、その全てを受け入れた気がした。その時々に生まれた思いに素直に従う彼がこの舞台の、セリフの姿を変えて行ったように思う。
役者の橋本良亮さんと、役のレンジョウがだんだんとひとつになって行くようで、舞台とセリフが意味を変えていくのは、橋本さんとレンジョウが自身の揺らぎをありのままに受け入れ、その揺らぎを愛して演出を変えていく鈴木勝秀さんと、臨機応変で深みのある演技をする篠井英介さんがそれを支えてくれていたからだと思う。
銃を向けるレンジョウが狂気に満ち満ちた時があった。その時の「俺はお前が好きなんだ」という声があまりに悲しかった。同じ道を歩み、同じように狂いかけたのかもしれないと思った。
怒ること、恨むこと、愛すること、そういった感情を持ってしまうことを「諦め」ることが苦悩の果ての「悟り」なのではないか。オカモトが諦めたのは革命ではなく、狂気を無くしたわけでもない。受け入れて、上手く飼い慣らしているのだと思う。同じ苦しみを経て、同じ揺らぎの中にあったから、そちらに行かないでくれと悲しくこぼしたんじゃないかと思う。
最終日、残されたレンジョウは突っ伏して泣いた。立ち上がれないのではないかと思うほどに痛烈で、しゃくり上げる声が舞台の上に響いた。救われたように見えた。
ずっと苦しみ続けたレンジョウが、ようやく綺麗なものだけ満たされた気がした。レンジョウをとりまく環境が何か変わった訳では無い。心持ちだけで世界は変わるし、それが「悟り」なのだと思う。それを教えたのはオカモトで、レンジョウへの愛がなしえたことではないだろうか。
レンジョウが独りでなくて本当に良かったと思う。時間を経た彼らの一場面をまたみられることがあればいいなと思っている。
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lostsidech · 3 years
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1-①
 日沖翔成の日々は至って平穏に始まり、平穏に終わる。
 秋口のある日、土曜日なので学校は休みだ。そういう日に行く場所はしばらく前から決まっており、それはとある会員制の町のオープンスペースだった。  秋風を嗅ぎながら紅葉の始まった街路を自転車でゆく。ありふれたビルのワンフロアを締めるそこの会員になるには、既にいる会員の紹介を受けるか、あるいはとある企業の一定部署の社員であることが必要だ。  その企業の名は株式会社帆村商事といい、世界的にネットワークを持つ薬品系商社・ホムラグループの中核企業である。  親も関係者であるからして比較的アウェー感はない。オープンスペースには会員同士のフォーラムが常に何か組まれているが、個々人が好きなことをやっている席もある。翔成はお決まりの窓際席へ宿題を持ち込んで、人々の歓談を聞きながら気ままに過ごすのが好きだった。  時おり、このあくまで会員レベルの使用が主なスペースにホムラグループのお嬢様がやってきて場がざわめくことがある。彼女は遊びに来ているそうなのだが、おそらく多少騒がれるのを確信犯でやっている──とはいえ、ここ最近彼女はずっと国外にいた。だから、翔成が特段、取締役令嬢に構われているあの子は誰だという分不相応な注目を受ける機会もない。安心して集中する環境がある。  と、今日はそこに一本の電話があった。  フリースペース内で電話が禁止されているわけでもないが行儀は良くない。翔成は携帯を手に席を離れた。移動しながら画面を確認する。……待てよ、この相手から電話というのは些か良い予感がしない。  少々渋面で画面と見つめ合ってから腹を括り、通話ボタンを押す翔成の耳に、見知った少年の声が聞こえてきた。  開口一番、 『アメリカ行かない?』 「は?」  しばしスマホを握りしめぽかんと沈黙した。  なんだって勢力の跡取りというのはどこもこうトラブルが好きなのだろう?  事の起こりは九月の半ば。  ヒイラギ会を名乗る子供たちの「声明」がメディアに映し出されたとき、望夢は家である協会宿舎でネットニュース越しにそれを見た。望夢のペアにして、当事者も当事者���瑠真は一方、数日間���固として帰寮を拒否しており、消息が周辺人物への電話越しでしかわからない状態だった。補足しておくと周辺人物へのというのは本人が意地でも連絡を取ってくれなかったせいだ。望夢は俺がなんでこいつに毎日ご機嫌伺いしなきゃならないんだと思いながら日々知り合いの門下生に電話を掛けて瑠真の様子を聞いた。  といっても望夢も暇をしていたわけではない。学校は相変わらずサボりがちだったが、協会名誉会長こと神名春姫のお守りもしなければならなかったのだ。九月初旬に八ツ留村で起こったヒイラギ会との一件以降、怒りっぽくなった春姫は会長室に訪れる望夢を捕まえては管を撒くようになった。老人じゃあるまいにと思うが老人ではある。 「あやつら、調子に乗りおって」  怨嗟の声を吐く春姫が見つめているのはヒイラギ会が流布している「宣戦布告」だ。  九月一九日、インターネットとマスメディアで一斉に公開された映像は、四人の幼い子供たちのキャッチーな語りであっという間に一世を風靡した。  かつての協会(リヴィーラーズ・ライト)と同じです。みなさまの世界の視えかたに、ちょっとだけお手伝いを差し上げる。  わたしたち、そしてあなたも『ホーリィ・チャイルド』です。  一本目に公開された、その動画のあと、ヒイラギ会の子供たちはひらひらと春姫の捜査の手をかいくぐって、深夜番組やアングラ動画サイトに出現し続けた。  どの動画でも主張は変わらない。自分たちの世界解釈を語るもの。その布告内容は日本の協会トップ層、そして全世界の協会や同じ活動をしてきた組織群に、多大な衝撃を与えるものだった。  現行の協会秩序、また世界で言うリヴィーラーズ・システムは、決して完全ではありません。いえ、むしろ少数の既得権者の手によって恣意的に決められ、押し付けられたものと言わざるを得ません。  彼らは、わたしたち『協会のやりかたでは生きていけない異能使い』を塗りつぶして発展してきたのです。  そう言ってヒイラギ会の少年少女は、春姫たち現行異能権威を意図的に挑発した。つまり彼女たちは、戦後協会があらゆる手で秘匿してきた解釈異能についてのあれこれを、たいへん分かりやすい言葉で世界一般に向けて喋ってしまったというわけだった。  正直なところ。  望夢がすかっとしなかったといえば嘘になる。 「秘匿秩序の崩壊じゃぞ。お主ももっと怒るところじゃろうが。秘匿派警察」  最初の動画から何日目にか、現行の日本の協会を自ら作り上げてきた神名春姫はそう言って激高を見せたが、 「悪いけど俺はもう秘匿派警察やめてる」  肩を竦めて見せたら涙目ですんすん言っていた。望夢も仲間だと思ったら裏切られたように思ったのかもしれない。よく言う。秘匿派の権威である望夢の実家は春姫自身がリヴィーラーズ・ライトとして潰した。  実際のところ、望夢はそれほど動画に対して文句を言う立場ではない。秘匿派警察が残っていたとして、大した変化は無かったんじゃないかと思う。  秘匿派というのは協会に対置するための便宜的な名前だ。もともと、必ずしも解釈異能の存在の秘匿を目的とする派閥ではないのだ。  高瀬式の役目は解釈異能同士の争いを調停し、バランスを取ることだ。かつて、高瀬式をトップとした秩序が生きていた頃には、ある勢力が異能の秘匿を破って広まれば高瀬式に狩られたらしい。秘匿派警察というのはその頃の名残の呼び名だ。しかし、その頃とはそもそも世界の権力の在り方も、情報の遍在度合いも異なる。  かつて、今ほど異能界でも一般政治でも、中央権力が強くなく、また情報技術も発展していなかった時代には、開花異能者に対しては、高瀬家が介入しながら、個別に適切な居場所を斡旋する必要があった。これは望夢の考えでもあるが、だからこそ不平等に蜜を吸う勢力は存在を許されなかったのだと思うのだ。現代では平等なアクセス環境さえあれば、多様な組織が乱立し、個々人が情報収集して所属先を選ぶことができる。それならそのほうがずっと健全だ。現代における協会一強体制はバランス上誤っている。少なくともその結論だけは、戦後秘匿派の共通認識のはずだった。  ヒイラギ会の言うことには一理あるのだ。やり方が直接的で、何の根回しもなくことが始まったから、世界を騒がせているだけで。  いや、根回しは無かったのだろうか? 気づかれていなかっただけかもしれない。  所属者が子供たちだけあって、表社会では彼らへの世間の批判も手ぬるい。世界中で、いつの間にか彼女たちを応援するヒイラギマークのバッジやアイコンが使われ始め、SNS上では、まだまだ少数派とはいえヒイラギ会への賛同意見が日常的に見られるようになっていた。また数か月前からのホムラグループ社員失踪事件も無関係とは思えない。巨大組織で末端までは統率が行き届きづらく、それも心理系が専門で研究が盛んなホムラグループ内では、随分前からヒイラギ会の存在が浸透していたようなのだ。  協会などの統括組織側は火消しの旗を振っているが、これほど一般人に知られれば変化はとどめようもない、と望夢は思う。  ──そんな折に。 「世界大会をするぞ」  春姫が言い出したのだった。 「は?」  いや正確には春姫が言い出したのではないのだろう。それは春姫と、春姫の昔馴染みらしい協会の隠居会長、それから秘書の杏佳が、オンラインで何やら会議したあとの発言だった。  それが実は、海外の異能統括組織と繋いだ国際会議だったことをその後の説明で知った。  ほどなくして協会の関係者全体に、それから世間一般にも布告されることになるそれの名前。  超常世界大会、E-Ⅰ-C。  日本におけるいわゆる協会式──世界においてはリヴィーラーズ・システムと呼ばれる超常術の異能体系の中で、「いかに多様な可能性が開かれているか」を大衆に向かってアピールする──それは、アトラクションだった。
次>>
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firmmor · 3 years
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デスハナ2021感想戦
デスハナに投下したキャラ「シスター・ザラ」について一人喋りする枠
クソ長いです
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シスター・ザラ 本名はザラ・ジンデル
貧しい農村生まれの修道女。
たくさんの兄弟がいたが、病気や身売りでいなくなり、さらには飢饉と疫病により食い扶持に困った家族に、幼い頃に教会に捨てられます。
幼いため理由もわからず親元にいられないことを嘆き、神父に神に与えられた試練だと諭された事により、逆に神に対して不信感や恨みを持ったまま修道女として成長していくことになります。
そういった思いが生活の節々で表れていたのか、そのうち他の修道女から「あの子は気が狂ってしまったんだ」と噂されるようになりました。
それならばそうしようと、彼女は気の狂ったふりをするようになります。
仮面の笑顔を貼り付け、言動に慎みを持たず。
彼女はどんどん孤立しますが、いっそそうして本当に狂ってしまえば神の声が聞こえるようになるんじゃないかと、変わることなく気狂いのふりを続けます。
そして手元に舞い込んできたフタハナへの招待状。
彼女は「運命で人間を弄ぶ高慢な神をその座から引きずり落とす」という怨念めいた願いを抱えフタハナに参戦しました。
キャラクター自体は2月に開催されたイノハナ2021よりも前にできており、キャラクターコンセプトは「異教徒ぶち殺す気狂いシスター」でした。
見開いた目、かしげた首、変化に乏しい笑ったままの顔と コンセプトに則ってデザインしました。あとは極力シンプルにしようと、線の数も少なくしています。
前回(イノハナ2021)前々回(ハロハナ2020)と周囲チャットがメインで、全チャガヤから遠のいていたので、今回は全チャでギャーギャーしたいなと臨みました。
フタハナは毎回シスターが多い印象なのですが、今回も例外なく、ていうかいつもよりも多いくらい聖職者いましたね。フタハナの聖職者はロクな人間がいないと評判です。
だいたい深夜~早朝にかけて活動していたのですが、全チャでトンチキして下世話な話で盛り上がる深夜チンドン隊の一角として、0日目から全チャで騒いでいました。付いた呼び名が暴言シスターと、歯に衣着せぬ言いようでたぶん自キャラ史上��番ひどい毒舌キャラでした。
バディと過ごしたフタハナ島
過去のフタハナでは 半固定バディみたいなのがいたことはありますが、 事前組み以外ではほぼほぼソロで遊んでいました。
たぶん今回も(キャラの方向性的にも)ソロかなーと思っていたのですが、ひょんなことから2日目夜にバディを組ませてもらう事になりました。
うっかり魅了罠にかかって動けなくなってしまった前日夜に知り合った妖精のネラさん(PL:ほろさん)からSOSのメッセージをいただき、少しの会話の後にほぼナンパするような形でお誘いしました。
ザラのネラさんに対する第一印象は「どうしてこんなところにいるのかわからない。危なっかしい人だな」でした。
ネラさんは 人を知りたいという興味の元この島に来た方で、そんなネラさんにザラは「こんなところ生き汚い欲深い人間しか見れない」「危ないし、耐えられなくなったら帰るべきだ」などと諭します。
しかしザラは元の世界で孤立して独りぼっちだったので、ネラさんのようにここまでしっかりと向かい合ってくれはヒトは十数年ぶりくらいで、久しぶりに人の温かみに触れ、その温かさを失いがたく思います。
だからこそ見届けたいと言ってくれたネラさんはなにがなんでも守ろうと心に誓います。
バディを組んだことにより、ザラは抱えていた願いがどうでもよくなり、大事なバディを守ることを重要な目的とするようになりました。
4日目夜、この日はghostの退場の日であり、その中に深夜チンドン隊のボーゲン氏もいました。さらにはNo.53さんも、彼女の目的のため戦い命を落とします。
家族との別離ぶりである親しい人との喪失に、ザラも相当堪えます。
だんだんと気狂いシスターとしての仮面が剥がれてくるようになりました。
運営による花の上限等のアナウンスがあった後、ネラさんに 花畑化することでブーケが得られる事、それを実行してザラを元の世界に返したいという話を持ちかけられます。妖精はここで死んでも肉体と記憶を失って元の世界に妖精として帰るから、また会うことはできると説得されます。
しかしザラは親しい人との別離、それも大事なバディとの別れ、その後に来るであろう孤独をひどく恐れ、この提案を激しく拒否、バディを解消しその場を飛び出してしまいます。
その夜は独りでいることをさらに嘆き、また残してきてしまったネラさんのことがなお気がかりな自身に気づきます。ネラさんの元へ帰る前に、少しでもネラさんを安心させるためにと必死に雪山で探しえた藍の花を片手にバディのもとに戻ります。
お互いに謝った後、ネラさんの提案を承諾。ザラからネラさんへエンゲージリングを、ネラさんからザラへ 妖精の国の王女の証である月のチョーカーを交換し、再会を誓いあいます。
次の日は既に持っていた花を脱出のため必要とした人へ分配し、それが終わってからバディと共に拠点として間借りしていたホテルを後にし、北西の海の見える草原で最後のピクニックを楽しみます。
そして別れ。二人はキスを交わし、そしてネラさんはブルーベルの花畑へと姿を変えます。
ザラは独りで少し泣いた後、ブルーベルの花束を掲げ、元の世界へ生還するのでした――。
ネラさんに対しては出会ってから別れまでの間にかなり態度を軟化させており、 「わたくしございます口調ミズ・ネラ呼び」→「ネラ呼び捨てへ」→「わたくしから私へ」→「表情と口調の軟化」と、どんどんとくだけていきました。
表情見るとわかりやすいですね
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実は目にしっかりハイライトが入って頬にも赤みがさしてあるアイコンも登録前から用意していたのですが、それは結局使わなかったですね。
未使用アイコン、けっこうたくさんありました。
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とろけた顔で包丁握ってるアイコンより後ろのやつは、ネラさんとバディを組んだ後に作られました。
感情を笑顔の下に隠してきたザラが、再び涙を流せるようになったのも、ネラさんとの付き合いの中でのザラの心情の変化によるものでしょう。
ラブホテル
ザラが4日目から拠点として利用することになった、メアさん(PL:うのいずさん)が建てたラブホテルです。その名に似つかわしくなく、陣営に参加していない一部の参加者の受け皿や避難所になっていた場所です。
ホテルの主であるメアさんとはわりと遠回しな縁であり、深夜チンドン隊であり、バディのネラさんが先にこのホテルを拠点として利用しており、さらにメアさんのバディのボーゲン氏は初日にザラに自身が死者であることを打ち明けています。
4日目にメアさんが主催するお祭りがこのホテルであり、ネラさんと共にそれに参加してから居座るようになりました。
おそらくシステムの関係なのか、拠点の防衛者が後継を決めないまま防衛を抜けると、拠点内のEnoがいちばん若い人が自動的に防衛に入るのか、メアさんが不在時はザラがホテルの防衛を担当していました。
ラブホのフロントで聖書を引用して話すシスター。なかなかインモラルな光景でしたね。
装備面が今回充実しており、一定水準以上のステータスを有していたので、拠点防衛は快く引き受けていました。「わたくし無敵ですのでご安心くださいませ」とかのたまわっていた気がします。
結果的にかなり思い入れ深い場所になりました。
メアさんとPLさん、そしてラブホに集っていたみんなに感謝ですね。
深夜チンドン隊
だいたい1時~早朝、ヘタしたら昼や夕方にも全チャで下世話な会話で盛り上がっていたグループ(?)です。
ダジャレ、暴言、弄り、下ネタが飛び交うそれはもう酷い会話内容でしたが、これもフタハナならではだなぁと積極的に会話に混ざっていました。
全チャガヤがやりたいやりたいと臨んだフタハナなので、乗っかれる、乗ってくれる土壌があったのは非常にありがたかったです。
あまり深いロールには繋げられませんでしたが、それぞれがお互いに印象に残ってくれたなって感じでした。
全員を挙げることはできないのですが、目立った交流面で言えば
ミニゴミちゃんとあだ名を付けてM-1グランプリに出ようなどと戯れていたNo.53改めアルマさん(PL:許さん)
とりあえず言葉の殴り合いを演じていたアヴェルさん(PL:あどさん)
愛の靴舐めおじさんことイワンさん(PL:自走機雷さん)
ひたすら通信機のミスをいじり続けたモノ・クロさん(PL: toki_tutuji さん)
触手やクソダサセーターでやたら絡む同業者のマイヤさん(PL:蒼さん)
終始みんなからイジられ愛されていたボーゲンさん(PL:かせいのさなぎさん)
みんなとドンチャンしながらも地に足つけたツッコミも披露してくれたメアさん(PL:うのいずさん)
などなど、他にもエンジさんやキッカさんやラドンさん、フタハナ温泉さんやニケさん、 紫苑さん、アリーシアさん、柞さんなど、書ききれないほど本当に魅力的なトンチキキャラクターが夜の全チャを賑わしていました。
デスハナを終えて
今回は初めて野良でバディを組んだり、全チャガヤしたり、やりたいことをやれたフタハナとなったので、個人的にはけっこう満足感がありました。
また、それと同じくらい反省点も見つかったので、次に活かしていければなと思います。
ザラは無事に島を脱出し、これからネラさんを探しに世界中を旅して回ることになるので、またどこかでひょっこりお見えするかもしれません。
その時、まだ「シスター・ザラ」でいるのか、「ザラ・ジンデル」としているのかはわかりませんが、見かけたらよろしくおねがいしますね。
遊んでくれたみんなと、最愛のバディに感謝を!
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fuckyeahmeikokaji · 1 year
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Meiko Kaji (梶芽衣子)
The cover of Wakare Urami Namida Uta (別れ 怨み 涙うた) on cassette, released in 1979.
Scanned by me.
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gunosy-news · 3 years
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言葉は凶器?こんなにあった「使わないように気をつけている言葉」
集計期間:2020年11月4日~11月6日 回答数:16976
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「言葉は刃物」ともいわれ、使い方を誤ると誰かを傷つけたり、自分の立場を危うくするものです。
また、日本では古来から「言霊(ことだま)」という、言葉に宿る霊的な力が信じられてきました。これは「言葉には発した言葉どおりの結果を現す力がある」という考えで、よく「縁起の悪いことを言うな」といわれるのは、この言霊思想に基づいたものです。
上記の理由以外でも、いろいろな理由で「使わないように気をつけている言葉」を持つ人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は「使わないように気をつけている言葉」に関する調査を行いました。
使わないように気をつけている言葉はありますか?
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回答者16976名のうち、使わないように気をつけている言葉が「ある」と答えた方が全体の約62.5%と、多数派を占めました。
ここからは「使わないように気をつけている言葉」として寄せられた具体例をまとめました。
何気ない一言が…「使わないように気をつけている言葉」
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<死ね>
・〇〇だしね。〇〇だもんね。や、〇〇だからね。など別の言い方に言い換えてます。考えすぎだけど「しね」と言っているみたいで抵抗があるから。
・死ね、殺す。若い子は結構使ってると思うけどこの言葉は人として使ってはいけない言葉だと思う
<否定・ネガティブ系>
・怨んでやる、死ねば良いのに…人間として、言っては行けない言葉だと思うから
・「どうせ私なんて」という自分を卑下する言葉は使わない様にしています。聞いている相手も不快に感じると思います。
・疲れるって言葉を18歳から言わなくなった!何故なら私以上に疲れる人が居るから
・「何かいい事ないかな~」むかし、口癖のように言ってたら、姪から、自分で努力しようという姿勢がない!と偉そうに説経されたので~それ以来いわないようにしてます。
・いや、~という言葉。否定から入るので気分がよくない。親が癖で使っていて自分も知らず知らず使っていたので気をつけています。
・面倒くさいという言葉。これを使い出したら、人生において全てが面倒くさいことになってしまうと思う。人をダメにする言葉。
・悲観的、汚い言葉は使ったり思ったりしないようにしています。「脳は主語を理解できない」という説が当たってる気がして、主語が自分に置き換わってしまうと無意識にどんどんネガティブな方へ向かって言ってしまうかもしれないので、自分の為に(笑)使わないようにしてます。何より聞き苦しいから
・たくさんありますよ。「してあげる」「かわいそう」、あらゆる「ネガティブな言葉」「否定形の言葉」、差別用語、意味のあいまいな言葉、指示語…。育児世代として当然な配慮です。もちろん完璧ではありません。時には出てしまうし、悪い言葉を知る事も大事です。習慣として常に言葉に気をつけて気を張って接し、それでも時に出てしまう…位が一番良い塩梅だと自分では思っています。
・「最悪」という言葉は使わないようにしています。最悪ってそうそうないので。聞くと本当に嫌な気分になるので使う人にも近付かないようにしています。
・後で。後でやるから。後で聞くから。その場でやらないと全く効果が無い。
・できません、無理ですというような全否定のネガティブな言い方を、このままでは難しいが○○があればやりやすくなるなど、可能性を込めたポジティブな言い方になるように気をつけている
・キモい、は聞いていてとても嫌なので使わないし子供にも使わせないようにしています
・相手の人格を否定するような表現は絶対使いません。(頭が悪い、使えない、等)ネガティブな表現が出そうになったら、一呼吸して、違う言葉に置き換えて伝える努力をしています。
・「だめね」という否定する言葉は、自分にも他人にも使いません。他人(相手)にアドバイスをするときは、先に否定的な表現を思いつくことが多いです。しかし、ちょっと熟慮して、できるだけ肯定的な表現に変えます。まず良いところを伝えてほめる。相手を認めていると認識してもらってから、本題に入ります。
<言葉遣い>
・職場で上司に「了解しました」飲食店で料理を出す時に「○○になります」
・言葉遣いに関しては、両親から厳しくしつけられてきたので、「すごい」「やばい」は使っても、「すげぇ」「やべぇ」は使いません。
・クソおもろい等と前に使ってた「クソ」は使わないように気をつけています。
<相手を不快にさせる言い回し>
・人、相手に対して「~しろ」とか「~しな」とかは相手が嫌な気持ちになるので、極力使わないように気を付けている。
 ・「どうせ…」という言葉は使わないようにしている。以前人から「どうせ〇〇なんでしょ」と言われた際にとてもキツい言い方に聞こえ、嫌な気分になったので、それ以来極力自分では言わないようにしている。  
・「要は」という言葉。相手の話を要約し、かつこちらがちゃんと話を理解しているという意思表示なのはわかっています。けど、「要は~」と言われると、こんなに簡単に言い表せるのに、みたいな感じになって相手から見下される印象が強く感じられてしまうため、自分では使わないように封印しています。
・○○でいいよ。のように、~でって言うのは、とても嫌な感じがするので、○○が良い。と言うようにしています。
・仕事の手順などで間違っている人がいた時、間違っていたと「注意」するのではなく「教えあげて」と言っています。分からないから間違っていたいることもあるし、注意することで萎縮してしまうかもしれない。何より、引き継ぎで「注意」と言われる気分が良くないと思う
・『そうじゃなくてぇ?』と言わない様にしている。全ての事を否定されているみたいで意見が言えない、と言われ、意識していないで使っていたからショックだったが、それ以来、意識して使わないでいる。
・何か行動しようとしている相手に対して、頑張って!と言わないようにしている。行動が終わって戻ってきたら、頑張ったねと言うようにしている。
・「分からない」というような意味で「知らない」という言葉は冷たいような気がして使わないようにしています。小さい頃に自分が言われて嫌な気分になった記憶があるので。
・「言うこと聞きなさい」言いなりになりなさいと言っているようで嫌だから
・「本当ですか!」を注意してる。こちらは驚きの意味で使っているが、相手が疑われてると感じる場合があると、仕事中に、注意を受けたことがあるため。確かにそうか、と納得したので気をつけている。
・「わざと~する」と言う表現。「~さんは、わざと~してるの?」と言う場合と、「あえて~しているの?」と言う場合、前者は相手を不愉快にさせる場合があるので気をつけでいる。
・「はぁ?」と言うのをとにかく使わないようにしてる、どれだけ軽くでも自分が言われた時にイラッとくるので。
・「明日暇?」メッセージとかで用件を話さないで、空いてるかどうかだけ聞くのはいい思いしないと思う
・「頑張れ」という言葉。友人が「自分では精一杯やってるのに、人に"頑張れ"と言われて、これ以上どうしろっていうのか、本当にツラくて涙が出る」と言っていたので、その友人にはかけられない言葉です。
<縁起の悪い言葉>
・言霊を信じるので縁起の悪い言葉は言わない
・「さようなら」「バイバイ」を言ってしまうともう会えなくなるような気がするので別れ際には「またね」と言う。
・病院の仕事で、機器が反応しないとき、「死んでる」とは言わないようにしています。
<子供に対する言葉>
・子供の前でお前って言わないように気をつけている
・子供に叱る時にバカとかは言わないようにしている
・息子達に対して、お互いを比較したり、兄だから~しなさい(してはいけない。)。等の発言はしないよう気をつけています。
・部活指導している高校生に対して「親」「父ちゃん」「母ちゃん」などは使わないようにしている。中には親のいない子もいる場合があるので。
・かわいそう。シングルマザーの子供に特に言わないようにしている。かわいそうな子と言ったらその子供は自分はかわいそうなんだと暗示にかかり 何でもかわいそうを理由に投げ出したりわがままになるから。私がシングルマザーで未婚で娘を産み育てたが、自分の父親が居ないかわいそうな子と言ったんで激怒した。今は娘は母親の愛たくさんで幸せな子って言われてます(笑)
<地域性にまつわるもの>
・東京にあたりがキツい田舎に越して来てから、標準語や「じゃん」など東京を思わせる言葉は封印しました
・オチはなに?関西系の人以外はオチのあるなしは関係ないっぽい
・泉州弁でもある「~やんけー」はキレたとき以外は使わないようにしている。
・~け?という播州弁
・きさんくらすぞ、など筑豊弁全般
・関西地方の友人には「関西弁」とは言わないようにして「関西の言葉」と言っている。
・大阪の人間がゆえに『馬鹿』という言葉が大嫌いで使いません。『アホ』と言われてもOKでも、『バカ』と言われるとカチンとくる関西の人は多いと思います。
・「なまら」北海道弁と思われがちだけど私の小さい時はそんな言葉すら聞いた事もない。しかも女が言うと汚い言葉、はしたないっていうイメージがあるから使わない。
<差別に関わるもの>
・外国人のことを「外人」と言うと軽蔑の意味になると聞いて、今まで外人と言っていたのが、意識して「外国人」と気をつけて言うようになった。
・"部落"という言葉。差別的な意味合いは一切なく、自分の出身地では"集落"の事を"部落"と言う風潮がある。(単純に村の事を指す)なので、子供の頃は何の違和感も感じず使っていた。しかし、大人になり、世間的にはとんでもない意味合いを持つ言葉だと知り・・・それ以来一切口にしていない。人間性、あるいは品性を疑われる卑劣な言葉だと知った。
<その他>
・何でも「すみません」ではなく、お礼は「ありがとうございます」と言うようにしています。
・レジ袋はいりますか?と聞かれた時に、大丈夫ですではなく、いらないですや持っていますと言うようにしている
・旦那が あんた と言われるのを異常に嫌がるので 旦那には言わない様にしている
・思う。気がする。など曖昧に逃げつつ、意見を言うことは避ける。自分はこう考える。と言うように気をつけている。
・ご苦労様です。をなるべく使わないようにしています。私の年齢からしたら、もう目上の方に、この言葉をかける事はないかもしれませんが、長年、お疲れさまです、と言い続けてきたので、気をつけてます。
アンケートにご協力いただきありがとうございました。
グノシーの「アンケート」タブにて、毎日新しいアンケートを更新しています。ポイントが手に入るものもあるので奮ってご参加ください。
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こちらの記事に関するお問い合わせは [email protected] までお願いします。
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uminoiheworks · 4 years
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赤加賀眼球アンソロジー 紹介
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赤加賀眼球アンソロジー
赤加賀と視覚のしょうがいに関する短編小説アンソロジーです。
A5版104ページ、5作品を収録しております。
投稿者・作品紹介
フェリコランタン「上涙点より藍を込めて」(表題作)
ある晩、突然の頭痛を訴えて病院に運ばれた赤城。つきそった加賀は、医師から、それが「緑内障」によるものだと告げられる。宿舎の廊下にうずくまってのたうち苦しんでいた赤城が、一瞬だけ見せた濁った瞳――それを思い出しながら、また仲間たちの心配をも背負いながら、加賀は赤城を迎えに病院におもむく。
 * 清濁の物語
もぐら「全てを望み、全てを耐える。」
鎮守府「甲」と名付けられた艦娘たちの晴れ舞台。そこに配属された赤城は、艦娘であるにもかかわらず、例外的に20年以上の長きに渡って生き残り続けているという“死神”――加賀に出会う。長い時間の末、目もほとんど見えなくなっている加賀を前に、赤城はなぜ彼女がそのような道を選んだのかを問いかける。
 * 濃淡の物語
Я「目玉がニョキニョキ生えてくるんだ」
加賀が目を負傷した――たまたまといえばたまたま、その前の晩に加賀の目がきれいだという話をしていた赤城は、あまりの偶然を怨む。無くなったら生やせば良いとは聞くものの、はたして本当に生えてくるのだろうか? 加賀の傷が治るまでしっかり支えよう。決意だけは固い赤城だったが、日頃のずぼらさまでは治らない。
 * 明暗の物語
深紅香奈「グリザイユの海」
病の進行には逆らえず、もはやほとんど物の形程度しか判別できなくなってしまった加賀。赤城らの手助けを借りつつ過ごしてきたが、ついに提督に病状の真相が伝わってしまう。勧められる手術を頑なに拒み、それを受けるよりは――“解体”を進んで受ける加賀にとって、眼とはいったいどのようなものであるのだろうか。
 * 色彩の物語
大笠縁「晴眼の海」
海は、青い?――色覚特性のために一部の色が見分けづらい赤城は、問いかける。冬が近づき、昼間の明るさも徐々に穏やかになっていくある日のこと、南方にひとり派遣されていった加賀を懐かしく思い出す赤城の目に映る海は、きらきらと波間に光を輝かせている。
 * 寒暖の物語
(敬称略)
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cokedeadeyes · 4 years
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それでも、また会えたらいいね
 我に返れば、夕闇に沈む庭園のはずれで火を焚いていた。  やっと墓標だと分かるような、不格好に切り出され、名前だけ雑に刻んだ墓石の前で、ぱちぱちと骸が炎に溶けていくのを眺めている。  まるで今しがた目が醒めたような感覚で、今この時まで自分が何をしていたのか、ほとんど覚えていない。  この墓標を用意している間、感情はずっと恐慌と苦しみの中にあった気がする。  やらなければいけないと思ったことは片付けて感情の慌ただしさも落ち着いたのか、火に魅入ることで感情から解放されたのか、今はその恐慌と苦しみを、一歩引いた地点からぼんやりと眺めている。  従者が死んだ。  正確には、彼女が銀のナイフで私の心臓を抉ろうとしたところで偶然に見ていた妹にその身体を破壊され、ばらばらの肉片と化したのだった。  懐を許すほど心を開いていた従者に殺されるなんて夢にも思っていなかった。  それは気の触れるような動揺で。  だから、それから今に至るまでの記憶はほとんど欠落して、何も残っていない。  まるで無から生まれでてきたような目の前の石の前で、私は呆然と立っていた。 「あら、殊勝なこと」  突然、空から声がしたかと思うと、音もなくふわりと妹が私の隣に舞い降りてくる。  いびつに七色の宝石を付けた羽根がきらめいて音を鳴らした。 「裏切り者じゃない。それ」  妹の言う裏切り者の墓を前にして、私はそいつの骸を焼いていた。 「どうして裏切り者の骨をお姉さまの館に埋めるのよ?」  愉快そうに、からかうように妹が言う。 「最期までは忠臣だった」  どんな表情で、どんな声色で返せばいいか、わからずに私はたどたどしく言葉を紡いだ。 「私がぱぁんってしてなければ、その墓に入るのはお姉さまだったわ」 「私があの程度で死ぬわけないだろう」 「あの一瞬、お姉さまの瞳に宿った慄れを私は見逃さなかった」  妹が静かに呟く。  私は返す言葉も無く、黙り込んで炎と見つめあう。  突然、妹が右手を握り締めた。  私が作ったそいつの墓が、一瞬でばらばらに砕け散る。  破片が私の首筋を掠めて、赤い跡を残した。 「そろそろわかったでしょう? 結局、この世界は私達を苦しめるために存在しているのよ」  妹は笑っていた。 「陳腐な厭世論に乗っかる気はないよ」 「やっと手に入れた家族ごっこも、こんな形で幕を閉じて。忠臣が自分を裏切り、妹が忠臣を殺す。こんなことがあっていいのかしら。いっそ殺されていた方が幸せだったかしら」  歌うように、私たちの関係の終わりを妹が言葉にする。 「そんなの考えたくない」  いっそ殺されていた方が幸せだったかなんて。  死にたいはずもない。  この世界は私が居なければ存在し得ず、この世界は私こそを中心に廻っているのだから、  自分から殺されていればなんて思うはずもない。  そのはずなのに、そんなわけないと否定することは出来なかった。 「……けど、何が起きてもそれが逃れようのない運命だったならば、私はそれを受け入れる」  取り繕う言葉は逃げでしかなかった。 「運命なんて嘘っぱちよ。ねぇ」  妹が私の背後にしなだれかかって、巻き付くように腰に手を回した。 「読めなかったんでしょう」 「読めなかったんじゃない、読まなかったんだ。つまらないだろ、全部分かるなんて」 「それだったらもっと残酷よ。分かったはずのことが、避けられなかったんだから。それは逃げにはならないわ」  目を背けていた事実を妹の口から滔々と語られるのを聞いて、私は泣きそうになる。 「私はべつに、お姉さまを責めているわけではないのよ。ただ……ばかだなぁ、って思っただけ」  その甘い声色には、確かに私への嘲りが含まれていた。 「███がまさか、ね。まるで母娘みたいに懐いてたのに、こんな最期とは誰が予想したでしょうね。私にも読めなかった。結局お姉さまが信じていた運命も、絆も、瞬きのうちに腐ってしまうようなものだったのよ」  普段は寡黙な妹が、とても嬉しそうに、次々と幸福を貶める言葉を紡ぐ。  何が言いたいかは察しが付いていた。 「……今日は嫌に饒舌ね」 「こんな世界、もう終わりにしてしまいましょう」  私の後ろから耳元で、妹が囁いた。 「ただ終わるなんて許せない。この世の全ての生命に凄惨な報いを与えて、自らの罪を知らしめてやりましょう」  人間ならそれこそ気が触れるような。  私ですら、その呪詛のような声色に込められた力に気をやってしまいそうになる。 「腕をちぎって、足を抜いて、首を折って、腹を切り開いて、ボロ布のように打ち棄てて……私たちなら、その狂うような苦しみを、全ての存在に等しく与えることができる。そうしなければ、この世界が自らの罪に気づくことはできない」  ふらつきそうになった私の身体を、妹が抱きすくめた。  妹は、私達の不幸をトリガーにしようとしている。物を壊すことしか知らない自分を産み落とした世界への復讐の。  妹は事あるごとにこんなようなことを口にした。その度、諌めるのが私の姉としての大きな役目だった。  それでも最近は、鳴りを潜めていたのだけど。  ……従者と言い切って捨てられるほどの関係ではなかった。私達は3人で暮らしていた。  人間との戦いに疲弊し、妹の静養のためにも山奥に居を移し、そこで出会った人間だった。  吸血鬼と人間とは相容れないものという価値観に則らない人間との関わりは新鮮だった。  私たちはここで十数年あまりを小さい館で過ごした。  少女の頃から懐いていた。妹とも仲が良かった。  こんな運命が待っているなんて露ほども思っていなかった。  妹が絶望するのは当然だ。「なんだ、やっぱり世界なんてこんなものだった」って口実にするのは当然だ。  私だって、全てを滅茶苦茶にしてやりたい気分だった。あいつに恨みなんて微塵もない、  ただ悪いのは世界だ。この世界の道理だ。殺された方が幸せだったかなんて考えたくもないけれど。  けど、生かされてしまったのなら、どうしても諦めることは出来ないから、そういう性分だから……。  まとわりつく妹の身体を振りほどく。 「そういうのって柄じゃないの」  妹は、無表情で私を見ていた。 「わたしは、」  声が震えてしまう。 「私はあんたみたいに、まだ諦めちゃいないのよ……」  それを必死で留めて、言葉を継ぐ。  妹は、少しの間私を無表情で見つめていた。 「後悔するよ」  妹は眉を少ししかめて吐き捨てた。 「承知の上さ」 「お姉さまは、永遠に幸せにはなれないよ、きっと。私たちが手に入れたものは、すべて、悉く残酷な形で喪ってしまう……そう。そういう運命にあるのさ」 「……手に入れられたことは、きっと幸せよ」 「そんな言葉遊び、慰めになるかしら」 「わからない、けど、とにかく、あんたの狂った心中に付き合うほど私は、……私達はまだ終わっちゃないのよ……!」  妹の性分は分かっている。妹がこう言いたくなるのも分かる。  絶望の中で怒る気にもなれない。  ただ、その絶望に溺れてしまいたくなくて。 「まだ死ぬつもりはない」  声色に静かな熱が篭もる。  妹が黙って私を睨みつける。 「███と、また会えたらいいなって思ったんだ。生きてなきゃ会えないだろう」  私は暮れきった、黒々とした空を見上げる。 「あいつは弱い、何もできない人間で、最期だってあんなんで、でも、あいつと母娘のように戯れて暮らす毎日は、少なくとも私は幸せだったよ。お前も幸せそうだったじゃないか。あいつも……あいつの表情が全て嘘だったなんて思いたくないけど……でも、お前の表情もあいつの表情も例え全てが嘘だったとしても、私がよかったなら、それでいいんだ。私は、わがままだから」  何も考えられず、ただ言葉の浮かぶままに口にしていく。  それは虚勢だったけれど、あながち的外れでもないんじゃないかと、そう思った。 「……今度はもっとひどいことになるよ」 「ご忠告ありがとうね」  妹が歯噛みをした。 「お姉さまはそれでいいの? これから何度も何度も何度も何度も裏切られてその思いを踏み躙られて何回も何回も何回も何回も絶望の淵に落とされようとも、きっとそうなるとしても、例えば私が、お姉さまの身も心もひどくひどく戻れないほどに傷つけて、嬲って、終いには殺してしまうような終わりが待っているとしても」  苦み走った表情で、半ばヒステリックに私に向かって言葉を叩きつける。 「それでいいというの」 「あら、そうする予定があるのかしら」 「……わかんないよ? 私って、ほら、おかしいじゃない」  妹が痛々しい笑みを浮かべて言う。  妹が抱える世界への怨念の一つには、どうやら「自分が姉の妹であること」というものがあるらしかった。私はそれをずっと前から知っていて、だから妹の心中には付き合う気が無いのだけれど。  私は、それを不幸とは思わない。  妹が思っているほど、この世界は私と妹を傷つけたりしない。  ……そう思っていた。  今だって。  そう思わないと、本当に、おかしくなってしまいそうで。  妹を睨みつけて、私は言う。 「フランドールは、私に幸せになってほしくないのかしら」  可愛い妹は言葉を詰まらせて、そのまま黙り込んだ。  たとえば忠臣に殺されそうになったことや、妹の思考に宿っている悪魔のことや、今までこの身に降り掛かってきた不幸や、この先に降り掛かるであろう不幸や。  そんなようなことが、急に全て馬鹿馬鹿しいことのように思えて、私は天を仰いでせせら笑った。  そしてフランの方を見て、ためいき混じりに言う。 「あんたがもうちょっと可愛くなってくれるまでは生きるわ」  フランはなにか言いたげに口をもごもごさせながら私を見つめていたけれど、そのうちに館の方へと踵を返そうとした。 「あ、」  私は呼び止める。 「なによ」  不機嫌そうにフランが振り返って言った。 「今回は身内が敵になるやつだったから、今度は敵を身内にしてみるわ」  飄々と嘯いた。  フランは呆れ返って何も言えなくなったようで、ため息をついて館の方へと飛び去っていった。  今度張った虚勢は見破られなかったようで、私は安心した。  愛しい妹の存在が私に生きる希望を与えてくれたとて、家族と、「家族」だと思っていた繋がりが一瞬にして喪われた絶望が姿を消すことは無かった。  妹に言われた言葉を反芻する。  ……幸せ��、怖くなったかと問われれば、怖くなった。  到底受け入れられない、困惑と悲しみの中にまだある。  彼女はただの人間だった。それ故に愛おしかった。  何もできない奴だったけど、紅茶の淹れ方と料理の仕方はなんとか教えてやって、掃除をかわりばんこでして、お菓子も一緒に作ったりして、時折、人は寄り付かないような辺鄙な湖に行ったり、珍しくフランとも仲が良くて……。  フランはきっと、人間も妖怪も含めてあそこまで私に懐くやつは珍しかったから、見守ってたんだと思う。  だからあの時も気づいて……。  全部、嘘だったのかな。  涙が出そうになる。  骸も燃え尽きて、火は大分弱々しくなった。  肉が煤になって、骨が残る。  土葬にしなかったのは、またあいつと、今度は違う形で会いたかったから。  私は審判なんて信じない。ただキリストの示す道には無い輪廻を信じる。  妹が粉々にしたお墓を片付けて、別の墓を作らなくては。  あれはありあわせだったから、もっと良いのを用意してやりたいけど……。  私は、こんなに好きだったのに。  あいつはずっと、殺してやりたいと願ってたのかな……。  笑っていた時も? 泣いていた時も? ずっと?  私って、馬鹿なんだろうか。妹が言っていたみたいに。  考えると涙が止まらなくなって、しばらく骨の前でうずくまって泣いていた。  しばらくして、ふらふらと立ち上がる。  少しは落ち着いていた。  ……もうこんなことは、絶対に繰り返したくない。  そう思って、あいつの生きていたただ一つの証を見下ろす。  ただの骨だ。もうここには居ない。  私たちが過ごした時間も、そこにあった関係も、もうどこにも無い。  一瞬で全てが変わって、全てが��去になった。  過去に拘泥するほど無意味なことは無いと知っている。 「どっちにしろ、まだ生きないといけないのね」  妹の言葉を、うわごとのように繰り返してみる。 「これから先、何度も何度も何度も何度も……不幸が、か」  何度も、何度も。  そんなのは嫌だ。  嫌ならば。  変えなければならない。  ただ受け入れるのは、馬鹿のすることだ。  待ち受けているものがあるとすれば、私はそれを変えなければならない。  私はそれを、変えることができる。  そう信じる。  私達のために、そう信じなければならない。  私は二人に乞うように呟く。 「……次はせめて、殺される覚悟をしとくよ」  空を見上げて。 「きっと、今度は変えてみせるから、どうかまた、会いに来てね」
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mashiroyami · 4 years
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Page 118 : 魂の在処
 彼女は夢を見た。  久方振りの夢だった。  時に、赤い獣の眼に囲まれ、腹から止めどなく血を流す弟の姿、全てを焼き尽くす暴力的な炎に食い尽くされるような悪夢に、夜中に眼が覚めることもあった。逆に、一生眼を覚ましたくないほどに幸福な夢を見ることもあった。弟が笑いながら背の高い向日葵畑に歓声をあげていて、世話になった叔父夫婦が遠くで師弟を見つめている、そしてエーフィやブラッキーがくるくると踊るように甘えてきて抱きしめる、たとえばそんな夢。  この時は、夜の夢だった。長い暗闇を歩いた先だったから、記憶に引き摺られたのかもしれなかった。  彼女は乾いた匂いの立つ草原に座り、夜空を見ていた。星の敷き詰められた空だった。天の河は本当に河のように星がゆっくりと流れていて、満天の星空には瞼がまたたくたびにいくつもの流星がちらつき、白であったり、青であったり、赤であったり、はたまた虹色であったり、様々な色を発している。輝いては、さっと、消えていく。あっけなく跡形もなく消えていく。零れおちてきそうなほどたくさんの星に満たされていながら、不思議と騒がしい印象はない。静かだった。静粛で、息を呑んで見守る他無い、広大無辺の空間であった。しかし、幻想的に静かに輝く夜空の下、遙か彼方で佇む真っ黒な山間のあたりには赤い別種の光があった。妙にお互い繋がりながら脈打つように輝いていた。それは森を燃やす炎の光だった。  これだけの光が広がっているにも関わらず星光はあまりにも遠く、彼女の座る場所は殆ど周囲がはっきりとしなかった。耳を撫でる草の音や、さわさわと身体を撫で付ける草叢の感触で今ここは草原だと判別できるだけで、それが無ければ、ひとり、宇宙に浮かんでいるような光景だった。  不意に、彼女は肩を叩かれ、隣を振り向いた。  見覚えのある顔に、虚ろな瞳が見開く。  僅かな星の光を浴び、青年、アラン・オルコットが微笑んで、なんでもないような素振りで隣に座っていた。嘗ての日々、笑っていたあの頃のままの、幻。  昂ぶる感情があるのか、彼女は口を開けては閉じて、言葉を発することすらできずに彼をじっと見つめる。彼女より背丈の高い青年は、小さな子供を可愛がるように、優しく栗色の髪を撫でた。  あたたかな行為で決壊したように、彼女は彼の胸へと跳び込んで、背中ごと強く抱きしめた。そして、言葉の代わりに泣いた。  彼の肩口が濡れていく。咎めず、突き放さず、彼もまた彼女の背に手を回して、あやすように背中を優しく叩いた。声は無く、なんてことないように笑っていた。一定のゆっくりとしたリズムに、不規則な嗚咽が混じり、闇夜に染み込む。  張り詰めていたものが解かれ、ただの子供へと戻った彼女は、ゆっくりと顔を話し、腫らした瞼のままですぐ傍の彼をもう一度目視する。  事あれば隙間無く喋り続けていた彼だったが、声を失ってしまったように口を閉ざしたままだ。暫く沈黙を挟み、彼女は、ごめん、と言った。涙が彼方の星光を反射していた。彼はゆるく首を横に振った。依然何も言わないままで。  彼は姿勢を崩し、ゆっくりと立ち上がる。繋いだ手に引かれて彼女も重たかった身体を起こした。ずっとそこに座って閉じこもっていたけれど、夜の中に立ち上がり、ほんの少しだけ宇宙に近付いた。彼女は泣いた分だけ幼くなって、彼の掌にすっぽりと小さな手を収め、ぎゅっと硬い指を握りしめた。  おーい。  不意に、懐かしい声が彼女の隣から発された。彼の声だった。繋がれていない手を頬に当て、遠くに向けて呼びかけた。闇に吸い込まれていったその先に、淡いオレンジ色の炎が揺れている。  彼女はつぶらな栗色の瞳を瞬かせて、鬼火のような淡い炎を凝視する。  炎を纏った仔馬がぼんやりと振り返る。その傍に、足下だけ浮かび上がっている、誰か。炎にも星にも照らされることなく、誰かがいることは解るのだけれど、誰なのか判然としない。まるで、足だけ残して、絵を無理矢理上から黒く塗り潰して消したような、そんないびつな姿をしていた。
 口から泡が鈍い音と共に吐き出されて、自らの衝撃に叩かれアランは夢から醒めた。  急いで身体を起こし、掌を見ると、いつも通りの大きさでそこにある。水に揺らぐ袖を捲ると、鳥肌がびっしりと立っていた。汗が垂れる環境であれば、額に脂汗が滲んでいたことだろう。  おもむろに周囲を見渡す。眠る前と同じく球形を半分に切り取ったドーム状の洞は変わらず、よりかかる傍には置物と化した巨大な獣が横たわっている。ブラッキーも同様で、彼の方はまだ眠っていた。苦悶という程ではないが、安堵でもない、僅かに眉間に皺を寄せた表情で眠っている。彼もまた夢を視ているのかもしれなかった。  彼女を眠らせたそれは姿を消していた。  ふと、アランは左肩に手を当てた。  ブラッキーの鋭い牙に穿たれた傷は無く、服も破れてはいない。僅かな穴すら無く、綺麗なものだった。一瞬の出来事ではあったが、彼女の記憶に深く根ざしているのだろう。しかし、丁寧に指を添わせ何度確認しようとも、結果は同じだった。  そしてブラッキーも、ガブリアスの残虐ともいえる逆鱗の連続に身体が抉られたはずだ。宙に舞った血液が、晴れ渡った蒼穹には鮮明な対比を成していた。アランは黒い体躯に掌を当て探るが、まるで傷は見当たらない。天井にちらつく碧い光が照らす薄暗い環境下で、相変わらず月の輪が光らない点も妙だった。  そもそも、この場所自体、得体が知れない。  明らかに水中なのだけれど、アラン達はその中で容易に眼を開けていられる。息苦しさも無い。泳いでいるというわけでも沈んでいるというわけでもなく、身体が異様に重いだけで、地上を歩くように移動することができる。けれど、水に揺れるように髪や服は靡いていて、口から零れるものは泡沫である。  確かに彼女とブラッキーは、湖に飛び込み、そして沈んだ。意識が途切れて気が付いてみれば、不思議な水底の森に倒れていた。初めの形が想像できぬほど瓦解した廃墟は、エクトルが地上の教会でアランに語った、嘗て湖底に沈んだ元々のキリの残骸、水底の遺跡と考えるのが自然か。しかし、それにしては不自然ばかりの場所である。  碧い廃墟を見回していると、長い洞窟とを繋ぐ出入り口に影が揺らぎ、それが帰ってきた。散歩にでも赴いていたような素振りで踏み入れてくると、目覚めたアランに気付いて瞳を丸くした。憎めない顔つきである。  手ぶらのままのんびりとした足取りで座り混んでいるアランの傍までやってくると、巨大な貝殻を填め込んだ重たげな頭を下げた。つられてアランも礼を返す。 (あの)  アランは恐る恐る言葉を発する。水、のような周囲に薄められながらも、相手には届いているらしく、それは小首を傾げる。 (ここは……どこですか? 本当に湖の底なんですか? 貴方は、水神様、なんですか?)  それは明らかに人間ではなく、獣の類の形をしていた。そしてクラリスは、水神はポケモンだと断言していた。  しかしそれは何も返さず、沈黙だけ流れていく。 (元の場所に、帰られるんですか?)  それは何も言わない。 (……帰らせてください)  懇願するような目つきで見上げると、漸く、それが動いた。返答は、否。首を横に振る。何故かと彼女が問う前に、それが手を差し出してきた。顔の前に出されたその仕草には既視感を抱いただろう。彼女は警戒を強め動こうとしたが、身体はその場に縫い付けられているのか、腰が浮かなかった。  それは、しかし再び彼女を眠りにつかせようとはせず、腰を曲げて肩に手を置いて、二度軽く叩いただけだった。  アランは意図を図りかねたのだろう、怪訝な表情を浮かべていたが、自由に身動きがとれなければ抵抗のしようがない。  困惑を拭えないでいると、それはアランの隣に屈んでくる。壁に寄りかかって眼を閉じている巨大でしなやかな獣を撫でる。その手つきに愛おしさが滲んでいて、アランはまじまじと見つめた。触れられた獣は眼を開けることはなく、ぴくりとも動かない。  きっと、死んでいる。  この世界は死に絶えている。動いているのは、獣を撫でるそれと、アランと、静かに寝息を立てているブラッキーだけ。  アランは水に揺れる自らの掌に視線を落とす。 (私、死んだんでしょうか)  既に諦念が滲んでいる声音に、それは顔を上げる。  生を超越した空間であるなら、数々の不自然は、誰も経験することがない人智の届かぬ世界では成り立つ可能性がある。  掌がゆっくりと畳まれる。 (実感が無い……)  俯いた顔は、光を閉ざして真っ暗だった。その中心の双眼が抱えるは、更に深く昏い、沼底の色。  ぱっと顔が上がったのは、項垂れた手に他の手が重ねられたからだった。望みを失った平坦な表情が、間近でそれの顔を見る。全く違う種族のそれが、彼女の両手を包んで、首を振って、微笑んだ。  絶句するアランを導くように、それは立ち上がり、出入り口に視線を向けた。つられてアランも視線を遣ると、この洞へ伸びるあのおぞましい程に暗い横穴の奥に白い影が見えた。暗闇の中に映える光のようだった。碧い光ばかりが点在している世界に浮かび上がる、異様な揺らめきであった。  固唾を呑んでアランは近付いてくる存在に眼を凝らす。  そして、ぐっと瞳孔が縮まる。 (なんで)  声が微細に震えた。  白壁が鮮やかに映えるキリの町を象徴するようなその存在は、全身を覆うゆったりとしたワンピースのような純白の布を身につけている。目深に被ったフードを模した布が顔を半分ほど覆っているが、綺麗に切り揃えられた黒髪がその隙間に窺え、水に揺蕩うように揺れていた。 (クラリス)  俄には信じ難いといったようだった。ごくごく短期間だったにも関わらず強烈な印象を残していった友人を、彼女は忘れるはずがなかっただろう。 (クラリス……!)  アランの口から大きな水泡が溢れ出した。  俯いた白い衣の下から、淡い化粧を施した唇が動き、僅かに布が浮いて露わになった漆黒の宝石のような両眼がアランを捉えた。凪いだ湖面のように静かだった表情が一瞬驚愕にぶれた。まさしく彼女はクラリス・クヴルールその人であった。  しかし、動揺は瞬時に潜む。ぐっと瞳を閉じ、胸の前で合わせた手の指先に力が籠もる。そのまま前へ、つまりはアランとそれが待っているドームの奥へと歩みを進めていく。  反応に手応えがなく、アランは固唾を呑んで彼女の行動を見守る。  円の中心に向かうのはクラリスだけではない。地に縫い止められたアランを置いて、それも歩み出す。  音すら死に絶えた場所で、惹かれ合うように両者は出逢い、正面で向き合い視線を絡ませる。それは頭に被った貝殻が巨大で、何もせずに立っていると目線はクラリスの方が上になる。クラリスは瓦礫と貝殻の破片が敷き詰められた地に両膝を折り、深くそれに礼をする。  それも返礼し、右手を出す。その指が、クラリスが被る衣の隙間を縫って、額に触れた。  一瞬、衣に隠れたクラリスの瞳が戦慄き、それを隠すように瞼が閉じられる。  暫し石像のように彼等は動かず、クラリスの身につけている純白の柔らかな衣だけが、生きた魚のたおやかな鰭のように靡いていた。不思議な光景を、アランは静観していた。  やがて、クラリスは俯いたままで瞳を開け、ゆっくりと立ち上がった。そのまま顔を隠していた衣が剥がれて、今度は、それの背後で座り込んでいるアランに視線が移った。  心臓が大きく跳ねたアランだったが、クラリスは平静な表情を浮かべていた。そこには、友愛とも呼べるような感情は読めない。  それがおもむろに振り返り、奥へ戻っていく。クラリスもそれを追い、呆然とするアランの前に両者が立った。 (クラリス)  もう一度アランは名を呼んだ。  あの日、あの瞬間、湖上で叫んだ名を。  しかし、近くにしたクラリスは俯いた眼差しを湛えており、焦点が合っていなかった。 (……漸く、話せる)  待望であった声はアランの耳にも届いただろう。透いた声は水底にお誂え向けであったが、表情と同様に声にも感情の起伏はなかった。  アランははっきりと違和感を抱いたのか、瞬時に眉間に皺が刻まれる。 (そう怒ることではない。噺人を通さなければ言葉を交わせないのだ)  クラリスの唇が動き、小さな泡が零れては上っていき、消える。  アランは隣に立つそれを見やり、もう一度クラリスを見た。 (……クラリスじゃない?) (察しが早くて助かる)  それが微笑んだ。クラリスは無表情のままで。  そして、それはしゃがみ込み、座るアランと視線の高さを合わせる。 (直接貴方に語りかければ、貴方を破壊する可能性があった)語るはそれの方だが、実際の声は脇で棒立ちになっているクラリスであるというのが不思議であった。(噺人以外を呼んだのはいつ以来か。よく参った) (呼んだ……)  アランは戸惑いながら、それを見据える。 (貴方は、水神様ですか?)  この空間にやってきた際の問いをアランは再度投げかける。 (今や、形だけだがね)  水神は、自嘲めいて呟いた。正しくは、呟いたのはクラリスの口ではあったが。 (あまり驚いているようには見えんな) (驚いていますよ。でも、そうだろうなとは思っていたので) (最初、私にそう問いかけたね。虚を突かれたものだった。貴方は想像を少しだけ違えてくる)  水神は微笑んだ。 (だから興味深い。人間は皆、面白いのだがね。……たとえば、ずっと尋ねたかったのだが、貴方は、ここにやってくる時何も感じなかったのか)  感じる、とアランは呟いて口から小さな水泡が零れた。 (暗闇が纏わり付いてくるような感覚。無性に不安に駆られるような、或いは囁きが聞こえてくるような、厭なものを、何か感じなかったか) (何も。……いえ、確かに、厭な感じはありました。重くて、寒気がするような。でも、それだけで) (そうか)  水神は眼を細める。  そのままゆっくりとクラリスの横を擦り抜けて、アランの前に屈むと、右手が彼女の頬に触れた。アランは一見毅然とした表情で、ぶれることなく水神の顔を見つめる。 (まみえた時に先ず解った。とても昏い目つきをしている)  頬を撫でる仕草には、慈愛を含んでいるようであった。 (心を閉ざしているのだね)  揺れる毛先を手で避ければ、碧い光に照らされるばかりの栗色の双眼が露わとなる。 (ここではむしろ心は露わとなる。肉体に守られている精神が剥き出しになれば、自ずと安定を失い、蔓延る気配に毒される。以前、多くの異形の者達が砕かれていった。この世界には癒やされることのない怨念が沈み、根付いている) (この世界は、どこなんですか?) (どこだと思う)  アランは暫し一考し、顔を上げる。 (死後の世界) (当たらずとも遠からず)  水神は苦笑する。 (それが真だとすれば、貴方もそこの獣も、このクラリスも死んでいることになる) (ああ……)  納得したようにアランは相槌を打つ。  水中でありながら生きているように存在している不思議な状況下で、アランやブラッキーの存在がいかほどかは不明であっても、クラリスは水神の言葉を民に伝えるためにキリに戻る。であれば、彼女は死んでいるはずがない。 (でも、ここは、キリの湖の底でしょう、きっと。私は湖に跳び込んで溺れるブラッキーを助けようとして、そうしたら突然大きな波が立って、水の中に引き摺り込まれて、それはなんとなく覚えているんです。……眼が醒めたら、ここにいました) (確かにここは湖の底だ。しかし、異なる。水底の更に奥。生ける者は来られない場所)  アランは唇を噛む。 (それって、死んでいるということでは) (いいや。貴方も獣も死んではいない。肉体は鼓動を続けている。辛うじてだがね。肉体と精神が離れているだけで、死ではない。今の貴方という存在は、貴方という魂そのものなのだ。獣も、クラリスも同様) (魂……) (理解したかね)  アランは自分の手を覗く。碧い暗闇に浸り、水の動きに合わせて指先が揺れている。しかし、薄れるわけでも溶けるわけでもなく、確かにそこに存在していた。 (全然、解りませんし、変な感じですけども)ぽつりと言う。(死んでいないということは、信じます) (充分)  満足げに水神は微笑む。  水神はのっそりとした動きでアランの正面に座る。クラリスは対面する彼等の中間地点で、双方の顔が見える位置に無言で続いた。純白の衣が動きに合わせて海月のように揺れる。クラリスは相変わらず無表情であり、そこに自我は無い様子だった。 (貴方を呼ぶのに)  両者に挟まれたクラリスの声で、水神は語りかける。 (特別な理由は無い。しかし、貴方のことは知っていた。彼女が噺人として初めてここにやってくる日、貴方が彼女の名を湖で呼んでいたと、知っている) (……え) (必死に呼んでいただろう。喉が枯れるほどに叫んでいた)  アランは目を丸くし、まじまじと水神を見つめる。 (聞こえていたんですか) (聞こえていた。視えていた、という感覚が近いが) (そんな)  アランは小さく狼狽える。  エクトルですら湖上に少女とエアームドの姿があったと人伝に後から聞いたという話だった。であれば、クラリスに届くはずもなく、誰の耳にも入ることのない無意味な行為として消えたはずである。 (まさか、クラリスにも聞こえていたんですか) (彼女からは聞いていない。しかし、クラリスは貴方の話をしていた。それから、貴方の友人や従える獣の話も。噺人でクヴルール以外の話題、それも外部の人間に関する話をするとは随分珍しいから興味深かった。湖上で呼んでいたのが貴方だとすぐに解った)  アランは意志を持たないクラリスを見やった。  整った横顔は凜とした気配を漂わせながらも、決してそこに彼女は居ない。 (だから私は貴方を認知したのだ。湖面に触れた瞬間に理解した。血の気配は標になった。そして呼んだ。貴方を呼んで、そして貴方はここに来た。長い行程だったろう)  水神は静かに慮る。  水底の森を探りながら進み、辿り着いた長い洞窟を、碧い灯りを頼りに抜けてきた。窮してもおかしくはない暗い道程を思い返したのか、アランは沈黙し、静かに頷く。視界はほぼ暗闇であり、本来であれば暗闇に作動するブラッキーの発光習性も全く機能しなかった。慎重な旅路ではあったが、暗闇に屈せずに歩く姿は、光を求めて手探りで彷徨う生き物そのものだった。 (自分の足音すら聞こえなかったのに、何故かずっと誰かに呼ばれているような気がしていたんです。見えない糸を、ずっと手繰ってここまで来たような) (事実、私は確かに呼んでいた。声ではなく、意識を寄せていた。意志を拡げれば、私達は繋がることができる。その波紋を掴んだ貴方はここに来た。だが、この外はあまりに深い森だから、迷い込んだまま自分の形すら失う魂も少なくはない) (それは)一度考え、アランは再び口を開く。(消える、ということですか) (消えるわけではない。迷ったままなのだ。しかし迷い込んだことも解らなくなり、いずれ自分を忘れる。そうして自分の輪郭を保てなくなり、砕け、暗闇に溶ける。水は蒸発しても消失しないだろう。同様に、魂は消えず漂い続ける。そこに意志は最早無いが、彼等の思念が更にこの世界を濃くする。暗い、寂しい、悲しい……母を呼び、父を呼ぶ。愛する者を呼ぶ。私はいつも耳を傾けている。目を瞑ると、聞こえてこないか)  促され、アランは躊躇いがちに瞼を伏せる。  碧い光が遠くで揺らぐ中、暗い空間を暫く見つめていた栗色の瞳が静かに姿を現す。 (聞こえません)  凜とした言葉には、偽りも強がりも透けてこない。  クラリスの声で、そうか、と水神は呟く。 (水底に響く激情を抱えながらも完全に閉ざすとは考えにくいが。それでいてここまで辿り着いた。不思議なものだ) (閉ざすって、心を?) (そう。魂そのものでありながら、その器の更に内側に心をしまいこんでいる。だから干渉されない。その獣が歩く力すら失ったのは、無数の魂に感化されたためでもあるだろう) (ブラッキーが……いなくなるかもしれないんですか?) (その獣は、ブラッキーというのだね)水神は微笑みを深くして、ブラッキーに視線を遣った。(それは彼次第であり、貴方次第でもある。少なくとも貴方がブラッキーを覚えている限り、彼は彼で在り続けるだろう) (忘れるなんて) (人は忘れる生き物だ)  水神はアランの言葉をしんと遮る。 (この獣はそうでなくても不安定だ。強い憎悪を感じる。彼を繋ぎ止めておきたいなら意識を向けなさい。肉体から離れた魂は脆い。記憶は存在証明となる。心象によって存在は形作られる。クラリスのことも、きちんと覚えていられるように) (クラリスも……) (彼女の場合は少し特殊だがね。けれど、感情豊かな彼女を形作るのは、貴方達の存在も小さくはない) (クラリスは……怨念というものが、平気だったんですか) (噺人と私の間では繋がりが殊更強い。だから彼女達は誘いを辿って迷い無くここにやってくることができる。そこにたとえ感情が無くとも)  淡々と話す水神の言葉に、アランは沈黙する。 (むしろ、感情はできるだけ無い方が安全ともいえる。魂に共感して不安定になるためだ。噺人が外の世界からの干渉を断つのはそこに所以がある。彼女達を守るための方法でもある)  心をできるだけ清らかに保つ。さもなければ、水神の元へ辿り着くことすら出来ない。地上にて、エクトルはアランにそう語った。 (でも、そんなのは) (言わんとすることは理解する。噺人を呼び止めようとしていた貴方のこと。私も、正しいばかりではないと考えが移りつつある)  アランは憂う水神の表情を凝視した。 (だから暫く噺人を選ばなかった) (……クラリスは、久しぶりの噺人、なんですよね) (よく知っている。彼女から聞いたか) (はい) (未来を視る鳥獣のことも知っているか) (ネイティオのことですか) (彼等には惨い思いをさせた) (そうしたのはクヴルールの人達です) (きっかけを作ったのは私だ。そんなつもりはなかったと言っても、漂う獣達は許さないだろう)  水神と同様、未来を正確に導き出す特殊なネイティオを作り出すまでに、クヴルールは生まれない噺人の代わりにネイティオを水神の元へと送りこもうと試みた。しかし、ネイティオの魂は水神の元に辿り着けずに魂は壊れたのだろう。嘗て傷だらけになって帰ってきたという鳥獣の肉体と別に、帰り損ねた心は永遠に水底を飛び続けている。 (ネイティオが可哀想で、噺人を選んだんですか) (いいや)水神は僅かに首を振る。(人間の行動は意外ではあったが、気にも留めていなかった) (じゃあ、どうして)  水神は沈黙した。クラリスに劣らずまっすぐとした言葉を投げかける。 (ここには時間という概念が殆ど無い)  ぽつりと水神は呟く。 (貴方はキリの人間ではない。噺人の本来の由来を知らないだろう)  アランは頷く。 (元々は、ここに留まる私達に時を報せ、水底に朽ちた嘗ての町の噺を伝聞するための存在だった。未来予知は副次的なものに過ぎない。彼等の欲するものを与えただけ。……嘗て、キリの民は私の教えた未来を信じて生活していた。ほんの少し、いくらかの日を超えれば嵐が来る、或いは初雪が降る、晴天の吉日、些細な事象を含めて分け与えた未来を一つの柱として生きていただろう。しかし、今や、私が居なくなろうと、その役割は私だけのものでないと証明された。水神という存在を必要としない者も多くいるだろう。私の与えるものに価値は消えつつある。それは人間にとっての私自身の価値に等しい)  存在そのものを尊重された生き物が、長い時を経て、人々の記憶から失われていき、代わりに生まれたものによって価値は低下していく。新しきが古きを駆逐し、変容していく様と同じように。  そして、少しずつ忘れられていき、朽ち果てていく。 (……それでも、噺人をまた選んだのは……)  アランがしんと入り込む。 (寂しかったから、ですか?) (寂しい、か)  情緒的だ、と水神は言う。 (太陽も月も無い、時間の無い水底における時の指針。それが噺人。貴方が現在を知るために空を仰ぐように、私は噺人を寄せた。それだけのこと) (でも、未来を視ることができるんですよね) (未来は過去の先にあり、現在の先にある。現在という点が解らなければ、視える点を測ることは出来ない。春の嵐、夏の夕立、秋の木枯らし、冬の吹雪、重なり得ないものが重なる。今が解れば何が過去で何が未来なのかは自ずと判明する)  アランは顔を顰める。 (解るような、解らないような) (生きている貴方は理解しなくてもいい。生きるとは時間の中にいることに他ならない。生物は存在そのものが今であるのだから) (……水神様は、生きてないんですか) (私は長く水底に居座り続けている。この場所自体が時の流れから隔絶されている。死んでいるとも、生きているとも言える)  相変わらずアランが悩ましげな表情を浮かべている姿を、水神は微笑ましく見守った。 (貴方は知りたがりのようだ。ここに居ればいずれ自然と理解できるだろう)  水神は立ち上がり、アランの一歩前にやってくる。天井の碧い光を浴びて、アランには水神の作る大きな群青の影がのしかかる。彼女の目はぼんやりと濃く碧い逆光の中にいる水神を見つめ返した。 (私と居るか)  時の流れない、誰の言葉も届かないこの水底に。  アランは再度口を動かした。しかしその直後、がくんと頭が前に揺れる。瞼が重くのしかかろうとしている瞬間を耐えるように持ち堪えた。 (負荷が大きいのだろう) (何……) (少し眠るがいい。心配せずとも、ここでは時は無限だ) (でも……、まだ……)  水神の右手がアランの瞼に迫る。彼女が水神の棲むこの場所へやってきた時と同じ動きであることにアランは気付いたかどうか。碧い影に更に暗闇が被さって、クラリスを映した暗い視界を遮り、柔らかな掌が触れた。強張った表情が和らぎ、抗う隙も無く彼女の瞼は閉じられた。  浮かぶことなく、地上で重力に従って倒れ込むように、アランはそのまま前へと倒れていった。  意志を失った魂を水神は受け止める。  そしてゆったりとした動作で上半身を起こし、背後に横たわる巨大な獣にまた寄り添わせた。眠るアラン、ブラッキーの顔は苦しみとは無縁で、穏やかな顔つきをしている。  おやすみなさい。水神はぽつりと呟き、クラリスとの回路を切断した。 < index >
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kisanebacci · 4 years
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続編 公開版
作業所患者自治会のススメ
補遺であり発意として
本身乃発意願文として
Dグループのミナサンへの
飽くまで、
「作業所患者自治会のススメ」として
「患者自治会を作り維持するために」として
しかしながら、『ノウハウ』なんてモノには為り様も無く
飽くまで【D】グループの諸君に
飽くまで【所謂言うトコロの】発達障害を【自称し】
精神病とはチガウと言いつのり、発達障害を
【利用し胡坐をかいている】諸君に対してのものであり、
そしてそれは、当然のことに、所謂云うトコロの発達障害概念の批判として、『無仁義アクジ犯』への激烈な糾弾と為り、
「本編 作業所患者自治会のススメ」への補遺続編原稿であるとともに、真剣なる「本身乃発意願文」なのである
 誰だって、「出て行ってくれ」と言うのは嫌なものである。誰だって「来ないでくれ」 と言うのは嫌なものなのである。だから、この項を書くにあたって「迷い」がアッタ。そしてその「迷い」が、この項の意味を分からなくしてしまった。だから「補遺であり発意として 続 作業所患者自治会のススメ」として、稿を改めて、想いっきって、想うトコロの存念を赤裸々に、「エバッチは見た」から、書くことにしたのである。まずは「本編の素稿」にコウ書いてあって、そして消したのである。
  悪いけれどもあなたたちは、AグループBグループCグループが必死になって作っている精神病者の患者自治会には来ないでください。あなた方が来れば、結局は、リクツでもって不和をバラ撒き、不仁義と嘘でもって混乱させ、まるで官僚のような作文でもって支配することになる。ハッキリ言う。あなたたちが【自称として】発達障害を言うのであれば、発達障害の会を作ってくれ。その方が良い。なんとなれば、リクツジャないんデスヨ、コレは、、、なんとなれば、精神と知的の卓球大会を見ればいい。みんなが愉しく卓球をやっているときに、あなた方のような発達を自称する異様に動きに切れがある、クスリも飲んでいないような、ゲンキもある連中が、しんどい病者をしんどい障害者を食い物にして、エラい試合で強いやないの。だいたいトップをとるのはハッタツ系や。だから、この作業所の患者自治会でも、あなたたちは弱い病者たちを支配するだけに終わるだろう。それだけではない。Cグループの専門職すら、何やかんや言うていつの間にか、言い込めて、良いように使っている。恐ろしいことだ。
 そう、だからこそ、あなたたちを押さえるのは、支援者たるCグループの最大の大事な大事な役目なのです。スタッフこそがこの手のDグループにダメを出さなければならないんですよ。ナンとなれば、リクツじゃないんですよ、コレは。例えば、えばっちはこの文章の前に「作業所患者自治会を目指しませんか」と云う文章を書きました。その中に、こんな一節があったはずです。「なーーーあーーんやえばっち、そんなことは試したで。試して上手く行かんかったんや」と云う一節があったはずです。これ実はえばっちは何人かの方が、あるいは、何箇所かの方が「作業所患者自治会」や「たまりば学習会参加者自治会」「反差別運動体内患者自治会」を作ろうとし、実際やろうとし、実際にシッパイし、ポシャって行ったことを見ているからです。そして、その時はこのように文章化できなかったのですが、今なら文章化できます。なぜ、その取り組みがシッパイしていったか。何故、タイヘンな事態を招いてしまったのか。
 それは、こういうものに取り組もうとした時点で、実は、Dグループの無仁義なやりようを、人を人とも思わぬ、とんでもないやり口によって、AグループやBグループの病者たちが支配され、さらに言えば、不和をまき散らされ、もっと言えば、まるで権力闘争のようなヘゲモニー争いのようなDグループのやり様にみんなが疲れ、やる気のあった作ろうとした作業所の職員さんや看護婦さんや看護士さんたちが、「あの人たちも当事者だから言えんわ」とDグループの無仁義なやり様を止めなかったからなのでした。根性を叩きなおすつもりで止めるべきでした。今ならえばっちはコトの経緯を文章化できると想います。でも、細かいことは書けない。大事なことなのに、たくさんの病者のなかまたちや、やる気のあったスタッフのみなさんたちのことを考えると、そう軽々には詳細を書いたり言ったりできません。だからこの項にえばっちの『エバッチは見た』と云う結論だけを、これから自治会を作る皆さんに言っておきたいと想います。Dグループのミナサンには、引き取ってもらってください。どうしてもと言うのなら、「A>B>C>D」を徹底的に守るように徹底して言って下さい。あっ、これは、Cグループのみなさんに言うべきことでしたかね。ともあれ、宜しくお願い致します。
 たしかに、此れダケでは、ダメだ、とそう想う。ホントウのコトを赤裸々に語ってはいない、キレイ事に為りかかっていると、ソウ想う。だから、「エバッチは見た」をでき得る限り、例えばのハナシとして、例えばとして、もう少し、書いてみようと、想う。ドコに繋がっていくか、惧れを感じながらである。畏れている。恐れている。ドコに向かうかは、もはや分かっているのだから、、、、、ドウすればヨカッタのだろうか、、、
 ただ、その前に、一点、言わずもがなのコトだけれども、以下の点をハッキリと言っておきたい。『健病者』と言ってきたことに近いのではあるが、『神経症やノイローゼや神経過敏』と言われてイル、キタみなさんは『なかま』なのである、と。えばっち的には『所謂言うトコロの発達障害』とは、想っていないのである。だから『健病者』と云うコトバを生み出したのである。
 神経の過敏や得意不得手の差が激しかったり、音や匂い、カビの匂いが取れない、スプーンに鉄の味を感じてしまう、雑音を拾い過ぎてしまう、光がまぶしすぎたり、原色が眼に突き刺さってきたり、次から次へとコトバが湧き出ちゃったり、一定の決まった動作ややり方ににこだわり過ぎたり、ソレをしないと次の行動に進めない等々で、生活出来なくなってきたり、学校や家庭や会社や、村や町に居ずらく為ったり、クルシカッタり、病院や施設に閉じ込められたり、感覚の過敏や、清潔の強迫や戸締りの強迫などで苦しんでいる人達も多いと想う。えばっちは、これらのなかまたちを『所謂言うトコロの発達障害』だとは想っていない。『自閉症』や、『ノイローゼ』や『神経症』『強迫神経症』等々で苦しんでいる皆さんは、なかまなのである。良かったら、ドンドン、来てもらいたいと、想うのである。ただし、『健病者』的側面もあるので、オモたい精神病患者さんに配慮はしてもらいたい、とそう想うのである。えばっちだって、聴覚過敏と鍵の戸締り確認強迫神経症に憑りつかれて、苦しんでいるのである。これはこれで苦しい。よくわかる。自分もそうだから。病理的にはよくわからないが、躁うつ病の上に、この確認強迫神経症と聴覚過敏が重なっている。自宅の冷蔵庫のコンセントは引き抜いているのである。あのブーーンと云うコンプレッサー系の音に耐えられないからである。冷蔵庫はコンセントを入れないので、夏場はなかなかシビアーな暮らしである。国鉄はマダしも地下鉄に乗るのは苦行である。耳栓は手放せない。隣のベランダのクーラーの室外機のウォンウォンの音には、クルシメられてきた。夏場はツライ。なかま達は、よく知っていてくれているのである。だから、実は、感覚の過敏や強迫神経症のシンドさは、よくわかるのである。
 だから例えば、『躁鬱病がなく』『精神分裂もなく』この強迫神経症のような症状や感覚の過敏で苦しんでいる人達がいたら、我々のような在り方が、我々が目指しているような在り様が、『キーサン患者会』『地を這う患者会』『作業所患者自治会』のような在り様が、良いのであれば、どうぞ来てください、と、心から言いたいのである。でも、でも、己が『健病者』的側面を見つめながら、精神分裂病圏のなかまたち、躁鬱病圏のなかまたち、病歴の長いなかまたち、入院歴の長いなかまたち、入院の回数が多いなかまたち、苦労を重ねてきた薬もオモくクチもオモい年長のなかまたちを尊敬し、尊重し、配慮し、その上で、仲良く楽しく暮らしましょう、セーカツして生きましょう、と言いたいのである。さらに言えば、本当に重篤な『自閉症』の人たちは、Aグループに近い人たちだとえばっちは想っている。だから、ボクたちがちゃんとなかまとしてやれるかどうかは分からないけれども、Aグループに最も近いなかまたちと、想うのである。
 そして、敢えて書く。ムカシのコトバを大事にした方が良い。先人たちの苦労と、知恵と、哀しさと、怨念と、想いとセーカツが詰まっている。この点でも、こういうことを分かりにくくしてしまったのが、『所謂言うトコロの発達障害』概念の最大の愚かしさであると、想う。
 さて、いよいよ、「エバッチは見た」を書いてみたいと、想う。長くクルシい物語である。この物語は、この原稿を手渡させて頂くことが出来たなら、おそらくは、みなさん方の方で、もし、もし、『思い当たるフシ』に思い当たり、「アノ時のアレはナンだったのだろう」と思い続け、
 今現在も「コレってナンなの」と不審に思われていたとしたら、まさに、その物語であろう、と、えばっちは想っているのである。そして、リクツとしてコの物語を書いているのではなくして、今後その『思い当たるフシ』に出くわすことに為ったらドウしたらよいのか、、、あるいは、そうあの時の『思い当たるフシ』に、何時のタイミングで、ダレが、ドノように、ドウ言って、『出て行ってもらうべき』であったのか、悔恨と悔しさと涙の、悔し涙とともに、想い出されてくる物語なのである。つまるところ、この物語は、『何時のタイミングでドウ言い出すべきであったのか』の、今後、患者自治会を目指すにあたって、避けては通れないゲンジツのモンダイを赤裸々にし、考え抜き、想い抜くために語られるのである。
 最初は、素晴らしい仲間が来たと思うのである。素晴らしい通所者の当事者のリーダーに為れそうな好感の持てる人物が来たと思うのである。最初は、これでついに当所も『当事者主体』を実質的に担保できる時が来たと思うのである。
 ぴかぴか光っているのである。素晴らしく理論的に弁も立つのである。文章を書かせれば、学者か行政官僚のような文書が書けるのである。パソコン仕事も上手いのである。一見、仲間たちの相談にも乗っているようなのである。そして、そうこうしているうちに、なんだか知らないうちに、ヘンなことになってくることに気付くのである。ワサワサしだすのである。ナンダカ、喧嘩が不和が嘘が多くなってくるのである。しかも、それは今までのキーサンならではの憎しみのおしくらまんじゅう『ニクマン』とは違うのである。ナニかがチガウのである。この時点で、その違和感とナニかが違うということが、なかなか言葉として出て来ないのである。そうこうしているうちに、ドンドン事態は進行していき、そこが患者会であろうが、作業所であろうが、運動体内学習会であろうが、とにかく、ナニかがおかしくなってくる。それをどうにかしようとして、スタッフたちが忙しくなってくる。無駄な忙しさである。それは忙しくなったスタッフが一番感じている。何とかしなければならないと思う。この時点でもまだ、素晴らしい、ぴかぴか光った仲間が来てくれているのだから、ナントカここの通所者の中の役員やリーダーになってくれないかとも思う。だからますます一所懸命に話を聞き、サポートしようとする。いつの間にか、『巻き込まれ』てしまっている。そして、スタッフとして、あるいは仲間として、妙に視野が狭まってくる。いつの間にか、訴えの質が変わってくる。いつの間にか、良い様に利用されているのだが、それに気が付かない。それを気をつけないようにさせているのは、一見のうわべダケの素晴らしさなのだが、なかなかそれに気が付かない。
 要求は、訴えは、どんどんエスカレートしていく。議員や弁護士や学会の学者を紹介してくれ、あるいは、兎に角偉い人に会うように、あるいは、学会のようなケバい場所に連れて行くように、とばかり言われたりする。『なかま』や『たまりば』より『運動』の方が『エライ人に会う』コトの方が『議員』が『弁護士』の方が、ソンなに大事なのかとも、言いたくなってくるのである。
 そのうち、今度は、自分専用の秘書のようなスタッフや、運転手のようなスタッフが、必要だと、それとなくほのめかすようになってくる。このようなことを言い出した時には、このような状態にいつの間にかその場所がなっている。その場が、そうなるために、後から見えることだけれども、その場では、その時は、なんだか知らないが、そういう場に為り、為らせ、維持するために、そのために、嘘と不和が撒き散らされながら、いつの間にか、自分より弱い病者を支配し、良いように使っていることになる。本当にそうなのだ。ビックリする。しかも、弱いオモタいシンドい病者たちは、自分の病を押して、そいつの役に立とうとする。やばい状況に立ち至った時は、ナントカしてやろうと想うようになってくるのである。それで、スタッフとそいつが意見が対立するようなときに、間に立ってやるようなことまでしようとする。そして、病状が崩れて来るのである。疲弊が始まる。
 どんどん、状況は悪化する。ますます、図に乗ってくる。いつしか、人を人とも思わぬ態度が鮮明になってくる。人の気持ちを分かっていないのではないか、と思えるような言動が目立ってくる。だからますます嘘が増えていく。
 そして、スタッフたちは、二つに分かれていくようになる。気が付いて、この状況を何とかしようとするスタッフたちと、全く気が付かず、そいつの言いなりになることが『当事者主体』である、素晴らしい活動家とともにやっているのである、と云う騙されたスタッフたちである。スタッフ間に不和が撒き散らされる。やらなければならないことは、どんどん、増えていく。しかもそいつは、理屈は超一流、頭は素晴らしく良く、そう、まるで学者のような、役人のような、なのである。しかも、このぐらいになると、実は、オモたい病者たちが事態の進行に気付き始める。何故なら、そいつに手がかかり過ぎ、スタッフたちがモノ言わぬオモタいシンドい分裂病圏の病者たちの相談や生活の支援がおろそかになってくるのである。しかも、そのおろそかになったが故に、生活がままならなくなってきた病者も、まだ、そいつに期待を抱いているようなのである。病者たちはドンドン疲弊してくる。スタッフ側もドンドン疲弊してくる。ところが、人を人とも思わぬ態度によって、不和と嘘とでもって、実は、真の友達というものはできていないことが、だんだん、明らかになってくる。だから、スタッフ側も病者側も気が付いた人たちと、気が付いていない人たちに分かれていく。
 ところが、そんなことは二年も三年も続かない。そのうちに、大きな大きなタイヘンな仲間たちの死に直結するような事件が勃発する。事故のような事件かもしれない。ところが、その事件を糊塗するために、さらなるウソと不和とがまき撒き散らされる、ついには不義・・・無仁義と言えるような状況に立ち至る。
 ここまでくると、気が付かなかったスタッフたちも、巻き込まれ過ぎ、余裕がなくなりすぎ、状況と事件によっては『鬱的な神経症』みたいになってくるスタッフたちも出てくる。ますます、オモタい病者たちに支援の手が届かなくなり、再入院者や病状を崩すなかまたちが増えてくる。そいつは、我関せずのように何も感じていないかのように、自分のことだけを進めようとする。さすがに、ここら辺でみんなが気づく、なかまたちにとっては、そいつがジブンだけがエラく為ったり、学者や活動家や何らかの名分を得るためだけに、そのためダケに利用されたんだと云うことに気が付いてくる。そして、本当に友達と言えるのかどうかわからなくなる。
そういえば、最初から、トモダチは要らなかったように思える言動ダッタと気付く。
 裁判がやりたくて、弁護士が必要だっただけ。その法廷に傍聴人が必要だっただけ。何かの文章を発表するのに、有名な雑誌媒体が必要だっただけ。何かをやるための名分の御立派な組織が必要だっただけ。
 学会の理事会や評議員になりたくて、その推薦してくれたり紹介してくれたりするスタッフが必要だっただけ。そう、だから、通所者のオモタい病者の友達は、ハナッからいなかったのだ。友達になる気はなかったのだ。
 だから、よく考えてみると、自分にとって利用価値のある人間にだけ話をしていたはずである。そして、そう云うことがバレないように、上手く、立ち回らんがために、ウソや誹謗や中傷や不義や不和が必要だったのだ。だから、一見、良さそうに見えながら、非情な冷たさや冷酷さや、さらには、その場でヘゲモニーを握るために想像を絶するような汚いやり口のヘゲモニー争いのようなことが為されていたことに気付くのである。オモタい病者たちは、ただ単に利用されただけではない、バカにされ、否定され、虐められ続けられていたことに、やっと気付く。ところが、それに気付いたたときには、もはや遅い。ナニかの重大なジケンがおきてしまう。再入院者は出ている。死人も出ているかもしれない。そして、その場が実質上たまり場としての機能を失い、崩壊寸前であることに何人かは愕然とするであろう。その時に、恐怖を、想像を絶するような「こんなニンゲンもいたんだ」「いるんだ」という絶望と暗闇と後悔に苛まれることになる。
 ところがこれでコトは終わらない。
 この状況を改善して、再度やり直そうとしたときに、その動きを潰そうと、今度はなりふり構わず襲ってくるのである。
 何故か、再度やり直そうとしたときに自然と、そいつのやり様ややり口を明らかにするところから出発せざるを得ないからである。だからなりふり構わず潰そうと躍起になる。ところが、それが再構築しようとする側にはなりふり構わずというように見えるのだけれども、実は、計算ずくのとてつもない冷徹な、例えば、第三者機関や適正化委員会やあるいは刑事法廷や民事法廷、さらには警察、そしてネット上のアカウント停止審査委員会や、市役所や県庁などを駆使した、しかも、その時には、何かの学会の役員などになっており、その学会も、あるいは、スタッフ側が何かの専門職の場合、その専門職能性の学会や協会の監査委員会や倫理委員会などの、ありとあらゆる権力機構を利用とするのである。そしてここまでくれば、これを外から見ている人達からは、まるで、そいつが『正義の改革活動家』のように見えたりもし、ということは逆に、その場をまるで掌中の珠のように、時間をかけてじっくりと育て上げてきた仲間たちとともに、重たい病者たちとともに、スタッフたちとともに、まるで自分の子どもの様に、自分の人生を賭けて守ろうとしている側が、打倒されなければならない悪の施設や専門職や作業所のように見えたりシテしまうのである。
これが、一つの典型例である。このような『無仁義なヤタラとヤカラ』な連中が、当事者として自分たちの名分として最大限利用しているのが、『ハッタツ障害』なのである。だから、『発達障害』に反対している。
 だから、申し訳ないことながら、作業所患者自治会から『ハッタツ障害』のミナサンは出て行ってくれという言い方になってしまう。勿論、そういう人たちばかりでないことは分かっている。キーサンとして、十分分かっているつもりなのである。だから、そういう人たちは、分裂病圏や躁鬱病圏のなかま達に配慮してくれるなら、一緒にやって行こうと言いたいのである。
 だから、だからこそ、上記のような『無仁義アクジ犯』があまりにも当事者として『ハッタツ障害』を名分とするので、『発達障害』に反対せざるを得ないのである。しかもさらに言えば、この点に関しては、また別項で書かなければならないのだけれども、書くつもりなのだけれども、さらに言えば、この『所謂言うトコロの発達障害』概念そのものが、上記のような『無仁義アクジ犯』を良いものだとするような方向性を打ち出しているのだと想う。だから、この『所謂言うトコロの発達障害』概念そのものが、『無仁義アクジ犯』たちを力づけ、勇気づけ、再復活を遂げさせていると想う。「再」と書いたのは、ムカシから、こういうヒトたちはいたからである。いたが、パシーーンんと「ええ加減にせなあかんぞ。このマンマなら出て行け!」と言えたのである。もちろん、みんなで話し合いを重ねた上でのことではあるのだが、、、それが言えなくなったのは、まさしく、この『所謂言うトコロの発達障害』概念そのものの持つ恐ろしいところであり、「再」と書いた所以である。そう、『所謂言うトコロの発達障害』概念に胡坐をかき、『我々も障害当事者だ』と云うワケなのだ。
 だから、そう、これらの無仁義な行動を『所謂言うトコロの発達障害』概念が正当化してしまうのである。その最初の第一歩が、「コミュニケーションに障害があるので、人の話は聞きません」「人のことは知りません」「人の気持ちなんて理解しなくてもいいんです」「自分だけに支援者が付けばいいです」「好きなことだけします」「能力があるので、その能力を花開かせた��です」「そのためのサポートチームが要ります」「その上で、責任はとりません」「しかも、友人はいりません」「人と付き合いません」「でも、自分にとって必要な人は、いります」「挨拶もしません」「年長者も病気のオモタイ人も、弱い人も、関係ありません」「これが何で嘘なんですか?」「嘘だという証明をしてください」「こちらは、学者が学問が第三者委員会が裁判所が学会が、正当だと認めています」「間違いだと言うのなら、そちらが証明してください」「最後に、これが正義だ、と言わせてもらいます」「こうやるのは、これが正義だからです」「間違っているのはそちらだ」と云うカタチで、『所謂言うトコロの発達障害』概念に胡坐をかいて、好き放題、不和をバラまき、ウソをつき、どうも自分だけは右肩上がりの人生が歩めると思っているのが、そのためなら、ナンでも利用するものは利用すると云うのが『無仁義アクジ犯』の『ハッタツ障害者』なのである。ハッキリ言う。作業所患者自治会からは出て行ってほしい。来ないでほしい。それは、サロン自治会でも、デイケア自治会でも、一緒である。もう一層のこと、『無仁義アクジ犯』の『ハッタツ障害者』だけで会を作ってほしい。
 ところがそうはならない。なんとならば、利用する相手がいないからである。
 喰い物にする相手がいないからである。だから、我々はそいつらが利用できるような対象にならないことが、最大の防御策である。
 つまり、『キチガイのキーサンのオモタい病者中心の潰れかかった、汚い、風呂も入らない、口の意地汚いキーサンばかりが集まって、どこからも相手にされていない』もんで、こいつらもう利用のしようがない、と云うのが最大の防御策である。ところがそうもいかない。ドウイウワケダカ、こいつらが利用したいような名分や、ナンなのか分からないが、こちらはトンと解らぬが、ナニかがあるらしく、利用しようとして来るのである。更には、今回、新しく『意識的に』、作業所内にデイケア内にサロン内に、精神病者自身の通所者自身の病者自身の患者自身の自治会を作ろう、と言い出したのである。
 これが、もしかしたら『意識的な』精神病者運動としては、最初の動きかも知れない。上手く行かないこともあろうが、みんなで、掌中の珠のように信頼関係を構築し合って、ナントカナントか、もし上手く行きかけたら、それこそ、利用するにもってこいの名分となるだろう。いや、来るのは確実なのであろう。まさに『利用するために来る』のである。
 だから、あえて、誰だって言いたくないことを言っている。誰だって、「来ないでくれ」、と言うのは嫌なものである。誰だって、「出て行ってくれ」なんて、言いたくはない。
 だから、この原稿を書くのを迷いに迷った。しかし、書かなければならないと想い、なんと、「自治会のススメの続編」として、書かして頂いた。老婆心で書いたものとは想わないで頂きたいのである。「エバッチは見た」のである。『所謂言うトコロの発達障害』概念が流行り出す前から、「エバッチは見た」のである。皆様のご意見を待ちたいと想う。そして、このコトがナニに繋がっていってしまうか、ナヤミに悩み抜いた末に、書いているのである。そして、最終的には、このような、具体的なケツロンに達するのである。今後『通所者患者自治会』『通院患者自治会』を目指そうとする、全てのABCグループのなかまのみなさんに想い続け、考え抜いていただきたい、一つの視点なのである。
想い続け、悩み続け、そして、
言わなければならない時には、コウ言わなければならないと、えばっちは、想うのである。
 
 『オモタい病者や知的障害者や、お年寄りや、弱い人たちを、自分より下の存在と見下し、利用して、なかま達みんなの集う大事なたまり場を作業所を自分の権力行使の場として支配し利用しようとするヒトは、発達障害であろうが、知的障害であろうが、精神病者であろうが、個人として、ヒトとして、自治会にふさわしくはない、ということで、そう言っていけばいい、、、そう言っていかなければならない、、、シンドくても、、、』
2019/12/1 精神病患者会前進友の会やすらぎの里作業所
 キーサン革命の鬼 えばっち  江端一起
【追記】
できますれば、「本編 作業所患者自治会のススメ」「作業所患者自治会を目指しませんか」と「患者会とはナンなのだ」を読んで頂ければと想います。長い文章ですが、宜しくお願い致します。「えばっちのホームページ乾坤一擲」よりPDFとしてダウンロードできるようになっておりますので、宜しくお願い致します。特に「患者会とはナンなのだ」の「❷患者会の構成A>B>C|D」を読んで頂ければありがたいです。宜しくお願いいたします。
 精神病患者会前進友の会やすらぎの里作業所
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teainke · 6 years
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あらゆる思想は、損なわれた感情から生まれる -- エミール・シオラン 所有的思想 皆誕生於毀壞的情感中             -- 艾米爾 · 蕭沆 辛くて悔しくて まったく涙が出てくるぜ  辛勞 悔恨,全部隨著淚水流出 遮断機の点滅が警報みたいだ、人生の くさって白けて投げ出した 如同平交道警示般忽明忽暗的人生,腐爛、退色、半途放棄 いつかの努力も情熱も  必要な時には簡単に戻ってくれはしないもんだ 曾經的努力也好 熱情也罷  並不是在必要時就能夠簡單的拾回的吧 回り道、遠回り でも前に進めりゃまだよくて  繞道、迂迴  但是能夠向前總是好的 振り出しに何度戻って 歩き出すのも億劫になって 多少次的回到起點  到最後變得連踏出腳步都顯得麻煩 商店街の街灯も消える頃の帰り道 在商店街的街燈都熄滅的回家路上 影が消えたら何故かホッとして 今日も真夜中に行方不明 隨著影子的消失,卻不知���何的安心  今天也在深夜中行蹤不明 死ぬ気で頑張れ 死なない為に 言い過ぎだって言うな もはや現実は過酷だ  拚””死””地努力吧  為了不要失去生命  這樣說也一點也不為過  倒不如說是現實太過殘酷 なりそこなった自分と 理想の成れの果てで  即使自己沒能夠如願以償 也未能抵達理想完成的終點 実現したこの自分を捨てる事なかれ  也不要捨棄已經一路實現到現在的自己呀 君自身が勝ち取ったその幸福や喜びを  那正是你靠著自己所贏的幸福和喜悅 誰かにとやかく言われる 筋合いなんてまるでなくて  不論是誰都沒有理由  去評論、去抱怨 この先を救うのは 傷を負った君だからこそのフィロソフィー 而能夠拯救這樣未來  就只有已經傷痕累累的你啊 這正是哲學啊 都市の距離感解せなくて 電車は隅の方で立ってた  無法理解都市的距離感  而隱藏在電車的角落 核心に踏み込まれたくないから いつも敬語で話した 因為不想踏入他人的內心 而一直使用著敬語 心覗かれたくないから 主義主張も鳴りを潜めた  因為內心不被他人窺視   而深藏著自身的主張主義 中身無いのを恥じて ほどこした浅学、理論武装 因為沒有內涵感到羞恥 而以不求甚解、理論來武裝  自分を守って 軟弱なその盾が 戦うのに十分な強さに変わる日まで 為守護自己 軟弱的盾 在強大到能夠戰鬥之前(?) 謙虚もつつましさも むやみに過剰なら卑屈だ   如果過度的謙虛的話   就變成了卑躬屈膝 いつか屈辱を晴らすなら 今日、侮辱された弱さで 今天,被悔辱的這份弱小 總有一天會一雪恥辱 うまくいかない人生の為にしつらえた陽光は 為了這不順遂的人生所準備的陽光  消えてしまいたい己が影の輪郭を明瞭に  使得想要就這樣消失的自己身影的輪廓更加明顯 悲しいかな生きてたんだ そんな風な僕だからこそのフィロソフィー 雖然悲哀的存在著 但正是這樣活下去的我  這正是哲理啊 正しいも正しくないも考えだすとキリがないから せめて望んだ方に歩けるだけには 正確也好 不正確也罷 都是只思考後的結果  至少能向所希望的方向邁開步伐 強がって 願って破れて 問と解、肯定と否定 塞ぎがちなこの人生 承認してよ弁証法  逞強 祈願 破滅 疑問與解答 肯定與否定  在這苦悶悲嘆的人生  僅剩下承認的辯證法 悲しみを知っている 痛みはもっと知っている  已經體悟了悲傷  更是咀嚼著痛苦 それらにしか導けない 解が君という存在で 能夠引領著 的只有這兩者        而這解答就是你自身的存在 そもそも僕らが生きてく 動機なんて存在しなくて  這也正是我活下去的動機的所在 立ち上がるのに十分な 明日への期待、それ以外は 能夠讓自己振奮的 除了對明天的期待 別無他法 僕は僕の問いを解いて 君は君の、君だからこそのフィロソフィー 我已經解開對自己的疑問 對你來說 這份解答就是你自己 這就是屬於你的哲理
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chirinovel · 4 years
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風呂蔵まりあ
明け方まで授業の予習ノート作りが終わらなかった。白む窓の外を見て、世界よ滅びろと強く願う。諦めてベッドに入ると、乾いた目に光線が透けるのが痛くて、もう一度心の底から世界を怨んだ。
そのまま、日付が越える頃までスマートフォンでだらだらと読んでいたホラー漫画の展開や、そのおどろおどろしい描写について考えていた。
部屋の前まで足音が、ギッ、ギッ、ギッ、と近づいてきて、「開けてくれ」と雨水混じりの泥をこねるようなまろやかな声がする。その声の呼ぶままに扉を開けてしまうと…。
身体にグッと力が入る。目を一度固く閉じると、外の世界が妄想の通りになっていても、それに気づけない。我慢の限界になると、恐怖と言うのか、なんというか、取り残されてしまうような不安で、ハッと目を開けてしまう。そんなことを繰り返していると、スマートフォンの穏やかなアラームが鳴った。
また眠そびれた。
今日は午後が英語文法と古文で、五限の英単語小テスト対策は午前中の授業中にこっそりやるとして、六限の古文は最初にノートを集める。どう誤魔化そうか。もう、なんでもいいや。忘れ物さえしなければ、どうにかなる。頭がぼんやりしてるうちに、学校へ行ってしまえ。今日はこれで押し切る。
制服に着替えて、リュックを持ってリビングに降りると、昨日買っておいたコンビニのお弁当が袋のまましなびていた。テレビを点けて、電子レンジにお弁当を差し入れて、六〇〇ワットで二分半。テレビからニュースが流れ始めた。
「えー、引き続き、昨日午後五時頃、県立第一高等学校で起きました、無差別殺傷事件の速報をお伝えしております」
聞き覚えのある高校の名前に手を止める。すぐにスマートフォンでSNSの友人用アカウントを開くと、昨日の夕方から夜にかけて大騒ぎだった。ネットの情報では、私が通う高校に一番近い高校の文化祭で、男子生徒が刃物を振り回して
「七名が意識不明の重体…?」
ニュースから流れる速報は聞き逃した。
電子レンジの温めが終わり、響くアラームのなかで、茫然と立ち尽くした。ついさっきまで世の中を恨んでいたとは自分でも信じられないほど、強く胸が痛む。
刃物を振り回した生徒の、のっぴきならない胸のうち。もう二度と彼とは友達に戻れない、顔も知らない被害者たち。悲しいニュースの向こうから、悲しみにまみれた命をひりひりと身に感じて、寝不足の鈍く痛む眼球の裏からぼたりと涙が溢れてきた。
泣きながらご飯を食べ、のろまな足取りのままで家を出た。
外の蒸し暑い空気は少しも動く気配が無い。日差しは白く霞んで何かを誤魔化していて、とても気持ちが悪い。自転車のサドルはほんのりとヒビ割れて、そこからジトリと見つめる梅雨を連れ去った後の湿気。詰め込んだお弁当ごと胃が縮み、小さくえずいた。
コンビニでお昼ご飯を買っても、だいぶ早い時間に学校に着いた。じんわり汗ばんだ制服ではたはたと風を送りながら、ようやく教室へ辿り着く。教室の扉は開け放たれて、エアコンの涼風がむき出しの腕を撫でる。中で勉強をしている人影が見える。
あ、莉花ちゃんだ。
ちょっと嬉しくなって、
「おはよー」
そう声をかけると、少しこちらを見つめてから、不機嫌そうにイヤホンを取った。
鋭い眼差しに、少したじろぐ。莉花ちゃんとは、学校でいつも一緒にいる関係だけれど、機嫌が悪い時の容赦なさには、未だに慣れない。私が悪いことがほとんどだけれど、時折こんな風に、私にはどうしようもないことで傷つけてくる時もある。
彼女の機嫌が悪い時は、なるべく黙るようにしているけれど、今日は睡眠不足でちょっと気分が昂ぶっていた。どうにか笑って欲しい、ご機嫌がいい時みたいに、楽しく笑いあいたいと、思ってしまった。
そのまま、本来は別の生徒のものである、彼女の前の空席に腰掛けてみた。彼女の視線は私ではなく、手元の分厚い英単語帳に注がれていた。
「早くない?」
 なるべく自然に、続きを求める眼差しを彼女に向ける。会話を続けたい意思に気づいて欲しくて、無邪気に振る舞う。
「小テストの勉強今からやろうと思って」
「え、やるだけ偉くない?私もう諦めてるよ」
大げさに笑えば、時々釣られて笑ってくれる。莉花ちゃんは、馬鹿みたいに振る舞う私が好きみたい。
「いや、普通にやっといた方がいいと思うけど」
叩きつけられた返事に、体の中心で氷の塊がドキッと強く跳ねた。あからさまな嫌悪と手応えのないコミュニケーションに、顔はニコニコしたまま、頭が真っ白になる。
「いやー、はは」
口の中が乾いて、吸い込んだ空気は少し苦かった。外では野球部が朝練をしている。埃立つグラウンドは、ゆらゆら揺れているようだった。
彼女とは、このクラスになってから、アイドルの話題で仲良くなった。クラス替えからしばらく騒ついていたクラスメイトたちが各々グループで落ち着いた頃、私は風邪を引いて一週間学校を休んだ。その翌日の学校で、担任の堀田先生に、学校での人間関係は上手くいっているかと聞かれた。
その時は、担任の勘違いを解かなきゃ、と思って慌てたけれど、それまでは平気だったことが、急に死にたくなるほど恥ずかしく感じて、いてもたってもいられなくなってしまった。例えば、授業中に集中力が切れ睡魔に抗えず、先生に「オイ」と指さされることや、課題が終わらないこと、小テストに落ちること。本当に、クラスメイトとはなにもなかったし、関係の浅かった子たちが段々と離れていくのは普通のことだと頭では理解していた。それでも、春先に満ちた自尊心があらかた去っていった後に、羞恥心とふたりきり残されたこの教室は、確かに居心地が悪かった。
もしかしたら、堀田先生の心配通り、私はクラスメイトと上手くやれてなかったのかもしれないと思うと、不安で月曜日の学校に行けなくなった。
その頃、英語の授業を習熟度で分けたクラスで莉花ちゃんと一緒になった。
私のスマートフォンの待受を見て、「ねえ、その俳優さ、今度ナントカって映画で声優やるよね?」と、声をかけてくれた。「私もそのグループ好きなの、友だちになろう」すごく優しい子だと、思った。
今も、そう思っている。
それは見れば分かる。
「あ、ねえ…ニュース見た?一高の」
  ボールに飛びつく野球部の姿をぼんやり目で追っていると、彼女の方が声をかけてくれた。彼女の方を向くと、今度はきちんと私を見てくれている。何が原因かも分からない機嫌の悪さは、申し訳なさそうな色で上書きされている。ほら、今度はきっと、優しくしてくれる。心がふっと浮く。
「知ってる!やばくない?文化祭で生徒が刃物振り回したってやつだよね?めっちゃかわいそう。びっくりしてすぐに一高の友達にラインしたもん」
「何人か亡くなってるらしいじゃん」
「え、そうなの、笑うんだけど」
「笑えないでしょ」
あ、しまった。でも今は、不謹慎だとかよりも、目の前の彼女の機嫌を損ねたくない一心だった。必死に、「あー、ごめん。つい」片手をこめかみに当て、オーバーなアクションをする。視線を彼女に移すと、また英単語にラインマーカーで一生懸命線を引いていた。
「ごめん」
彼女が、私といてちっとも楽しくなさそうな時、私にはその理由がわからない。彼女はひどい時も優しい時もあるけれど、私は、莉花ちゃんのことが大好きだった。彼女の気に入らないところは直したいと、彼女の不機嫌の理由を一生懸命考えた。
彼女は、私を視界の外に、黙々と単語帳に線を引き続ける。
彼女のイヤホンから漏れる低い音が、まるで心音のようだった。胸元の「桝」の名札が、小刻みに揺れる。莉花ちゃんの息づかいに耳を澄ませながら、ふと残酷なことを思いつく。
あの事件のように今、私が刃物を振り回し、こんなに機嫌の悪い彼女が、慌てて逃げ出す様が見たい。いや、もしかしたら、彼女なら、逃げ出すより先に、「やめなよ」と言ってくれるかもしれない。そんな子が、事件のあった高校にも、居たかもしれない。だって、仮にも、同い年の友達だったはずだから。それでも命を落としてしまっただれかのことを想像すると、また鼻の奥が涙でツンとした。
犯行の動機が何であれ、他人の命に干渉してまで抑圧から解放されたら、その時は繰り返してきた自身の葛藤なんて、くだらなかったと思うのかな。
しばらくすると、他の生徒たちがやってきて、グラウンドの土と制汗剤の香りが教室一杯に混ざり合った。
午前中は、事件のことばかり想像していた。
例えば、今私が突然立ち上がって、刃物を振り回したら、どうなるんだろうか。人を刺す感覚や、肌を裂く感覚は、その時初めて知るものなのだろうか。事件に遭遇したことがないから分からないけれど、想像に難くないのは、両手で刃物を持って、力を込めて腹部を刺す光景。どのくらい痛がるんだろう。すぐに気を失ったりするものなのだろうか。先生が止めに来るかな。担任の先生は、どんな顔をするだろうか。
私が警察官に取り押さえられた時、それを見て、クラスは安堵で一杯になるのか、それとも、まだ犯人とクラスメイトとの境界は曖昧で、先生に友だちが怒られてる時のような、茶化せずにはいられない気まずい空気になったりするのかな。
そんなことをしてまで得られるものってなんだろう。
授業には集中できなくて、手元ばかり見つめていると、頭がぼんやりとしてくる。クーラーの効いた教室で、眠気に火照る肌が、科学素材のように嫌な熱気を放っていた。
そのうちすぐに瞼が重くなって、気を抜くとすぐ船を漕いでしまう。瞬きを何度もしながら手の甲を抓ると、痛覚は不甲斐無さばかりを呼び覚まし、蛇口を開けたみたいに悲しさが溢れ出した。
午後の小テストも、きっともうダメだ。ノートの提出も出来ない。嫌だな、今日は乗り越えられないかもしれない。いや、ダメだ!頑張らないと。朝、何か、これで乗り切ろうと思ったことがあったけど、なんだったっけ。
ちらりと莉花ちゃんの方を見ると、彼女もまた、俯いて静かに固まっていた。寝ているのかな。
少し元気が出てきた。期待を持って教室を見渡すと、周りはみんな、しっかりと授業を受けているように見えた。眼球の筋肉が軋むのを自覚しながらもう一度視線を戻すと、彼女も今度はしっかりと黒板を見ていた。
四限が終わるチャイムで目が覚め、少し泣きそうになった。スマートフォンと、朝に買ったサンドイッチの入ったコンビニ袋を持って教室を飛び出した。
どうして、みんなに出来ることが、私には出来ないんだろう。悲しくて、悔しくて、申し訳なくて恥ずかしくて、落ちるように階段を駆け下りた。
思えばずっと、話が噛み合わなかったり、誤魔化さなくていいことを誤魔化して来た気がする。
私も学校の意味を哲学したいけど、みんなと同じゴールを据えたいけれど、ずっとピントが合わないな。景色はボヤけたまま、名を呼ぶ声を頼りに、ただ今日を生きなくちゃ。吐き気のするような一秒の積み重ねを耐え抜いて、誰にも言えない痛みを、私だって知らなくちゃ。
でも、私だけどうしてこんなに辛いんだろう。悪いのは、私なんだけれど、悪者だけが原因とは限らないんじゃない。もっと他に理由があるかもしれない。そんな希望にさえ縋る。若者は無限の可能性を持っているなんて、酷い脅し文句だ。
遣る瀬なく涙を堪えて伏せた視線は、すれ違う生徒たちの腹部に行き着いた。女子は特に、柔らかそうだと、思った。
一階体育館昇降口へ続く廊下の途中に保健室がある。窓から廊下へ差す陽の光がジリジリと暑いのに、その日差しの中に舞うホコリは、ゆったり流れる。それをぼんやりと眺めると、辛く苦しい気持ちは段々と薄らいできた。
その安心は、このまま一秒でも長く頑張らなきゃと切迫したしこりも一緒に溶かした。こうなると、泣きながらでも教室に居続けることは、もう出来ない。
「帰っちゃおう」
呟くと、自分の息でホコリは流れを変える。それは、救いのような光に見えた。
保健室のとなりにある保健体育の準備室の前で足を止めた。自分の教室には居られない時、いつもここでご飯を食べる。
その広さは普通の教室の三分の一程度しかなく、教科書の在庫から、応急処置の実習に使う器具までが押し込められている。基本的には無人で、軽くノックしても、思った通り、なんの返事もない。私のために保健の先生が立ててくれた会議用の長机と理科室の椅子に腰掛ける。
カリカリと机を爪で引っ掻いていると、廊下から入ってきた方とは別の、保健室に直接繋がる扉から、養護教諭の仁科先生が顔を覗かせた。仁科先生は子どもがまだ小さいらしく、たまに居なかったりする。
「ああびっくりした!」
「あ、せんせえ」
「来てるなら言ってよね。なに今日、頑張ったじゃん」
「ちょっと辛いからもう帰る!」
「えー、もうちょっと頑張ろうよ、保健室で休んでもいいんだよ」
「ご飯食べて決めてもいい?あ、せんせえ、カフェオレ作ってよ」
「あんたねえ」
「お願い!今日で最後にするから!」
「もー、最後だからね」
そう言いながら保健室に消えていった。間も無く、陶器のカチャカチャぶつかる音と、コンロに火がつく音がした。
片手にカップを持った先生が現れたのは、すぐだった。
「あっ、聞かずにホットにしてしまった!大丈夫?」
「笑う!夏だよいま!えー、でも大丈夫、ありがとうせんせえ」
「ちょっと、火傷しないでよ」
「いただきまーす」
すぐにごくごく飲んだ。甘くて熱くて、喉が少しずつしか胃に落としてくれなかった。持ち上げたカップ越しに一瞬だけ先生を見た。いつもの表情。先生は、私がこれを飲んでいる時、決まって安心したような顔をする。確信が満ちているように見える。カフェオレの、糖分とか鉄分とか、カルシウムとか、そういうものが私の胃に落ちて、分解されて、栄養素に変わって行くのを、しかと見たぞといわんばかりに。それが少し面白かった。
「あんまり見ないでくださあい」
「なによ、かわいい生徒を見たらいかんのか」
「いやちょっと気持ち悪いんですけど!」
おかしくて笑った。先生はなにかを言いかけた、ように見えたけれど、保健室から呼ぶ別の生徒の声にはあい、と返事して、そのまま去って行った。
静かになった準備室で、机の上に今朝買ったサンドイッチを出した。少し歪になったサンドイッチからはみ出すトマトを、袋の上から一生懸命押し戻す。ポケットに入れたスマートフォンが振動し、画面が明るくなった。そこには、教室にいる彼女から「そっち行ってもいい?」と、メッセージがきていた。アプリを開いて、いいよ、の返事を送った。
本当は、会いたくなかった。繰り返し繰り返しした妄想で殺してしまった人に、会い直す。どんな顔をしたらいいのか分からない。
人生は変えられないけど、人を殺したら、人生観は変わるかな。気を引きたいとか、謝って欲しいとか、構って欲しいとかぶち壊したいとか、そう言う気持ちを暴力で発散し切ったら、人の言葉のひとつに救われたり、傷ついたりしたなんて閉塞的な世界からは出られるだろうか。
子供が互いに干渉し合って、大人になっていくんだから、ろくなこと、あるわけないよなあ。
欠けた月の、欠けた方をじっと見るような心地。そわそわと落ち着かない手でサンドイッチをビニール袋に戻した。
準備室のドアが、廊下から叩かれる。いつもはそんなことしないのに。
今朝方ベッドの中でしていた想像が、ふとよぎった。足音が近づいてきて、「開けてくれ」と囁く。妄想を振り払うように思い切りドアを開けた。
何度も刺してしまった顔が、目の前に現れた。
「ありがとね」
「いいよいいよ、もうご飯食べ終わった?」
彼女の手を準備室の中へ引きながらぎこちなく踵を返すと、保健室と準備室を繋ぐ扉から、仁科先生が顔を出した。
「あれ、二人一緒に食べるの?」
「はい」
彼女がにっこりと答えた。
先生は何度か頷き、おしゃべりは小さい声でね、と言い残し保健室に戻っていった。彼女はにこにこしたままで、さっきまで私が座っていた椅子に座りながら、問いかけてくる。
「これ、先生が淹れてくれたの?」
カフェオレのカップを覗き込みながら、手は持ってきたお弁当や英単語帳を机に広げていく。
「そう、あ、飲みたい?貰ってあげよっか」
「…いいよ」
少し不機嫌な声。粗探しをするような視線が、机の上を泳ぐのが分かった。そんな彼女の、小刻みに動く素直なまつげを、私は立ち尽くしたまま眺めた。
今なら彼女の考えていること、全部分かってしまいそう。それでも私は、こうして来てくれてとても嬉しいよ。
彼女の向かい側に腰掛けて、机の上にあったコンビニの袋の口を膝の上でこっそり縛った。
「あれ、食べ終わっちゃってた?」
「うん。サンドイッチだけだったからさ」
そのまま、そっと袋を床に置いた。
「食べてていいよ」
手前に並べられた彼女の英単語をこちらに引き寄せる。ボロボロの表紙を、マスキングテープでがっちりと固定してある。形から入るところがちょっと可愛くて、掠れた印刷を撫でるようにそっとめくった。
「今日何ページから?」
「えーっとね、自動詞のチャプター2だから…」
「あ、じゃあ問題出してあげるね。意味答えてね」
莉花ちゃんは、勉強がそんなに得意じゃないらしい。教科ごとの習熟度別クラスは、私と同じ基礎クラスで、小テストも不合格で、よくペナルティ課題を出しているのを知っている。本人は隠したがっているし、私の前では決してペナルティ課題をしない。彼女は見栄っ張りで、分かりやすい歪さを持っている。それはきっと深さだね。私とは全然違うタイプだけど、いつかもっと仲良くなったら、きっとすごい友達になれるよ。でも今は今朝の仕返しで、ちょっと意地悪させてね。
「えー…自信ないわあ」
「はいじゃあ、あ、え、アンシェント」
今日の出題範囲とは違う単語を、適当に口にする。
「はあ?」
莉花ちゃんがお弁当のミートボールを一生懸命噛んでいるのをうっとりと眺めていると、視線がぶつかった。
嫌な顔をしていない!それが嬉しくて、上手に仲良くできているのが幸せで、自分の頬が緩むのがわかった。                                                                                                   
「え、待って、ちょっと、そんなのあった?」
「はい時間切れー。正解はねえ、『遺跡、古代の』」
「嘘ちょっと見せて。それ名詞形容詞じゃない?」
ちょっと焦った自身の声の流れへ沿うように、箸を置いて、手が伸びてくる。私の目前から取り上げられ、彼女の元に戻っていく英単語帳の描く放物線。固定されたカバーは、調和を崩さない。
莉花ちゃん、安心して。単語ひとつ答えられないくらいじゃ恥ずかしくないよ。    
「違うし!しかもアンシェントじゃないよ、エインシェント」
笑い声が少し混じるのもまた、どんどん私の心を躍らせた。
「私エインシェントって言わなかった?」
「アンシェントって言った」
「あー、分かった!もう覚えた!エインシェントね!遺跡遺跡」
「お前が覚えてどうすんの!問題出して!」
「えー、何ページって言った?」
目の前に突き返された単語帳に、雲流れて黄金の日差しが窓から降りて、キラキラと光って見えた。遺跡はどんな豪華な神殿にも負けない響きを私の中にくっきりと残し、一生忘れない、と思った。
張り切ってページをめくるたびに、細かい埃が空気中を舞う。彼女と上手く笑い合えるひと時に異常なほど心踊らせる私には、魔法の粉にすら思えた。
光の帯の向こう側で、顔をしゃんと挙げたまま、蝶々みたいに軽く鮮やかな箸でご飯をまとめて、その先に真珠くらいの一口を乗せ、上品に尖らせた唇の間に隠すようにしてご飯を食べる。彼女は、その動作の中で、こっちを見ることもなく呟いた。
「午後出ないの?」
彼女の声は緊張しているように聞こえた。 まるで、世を転覆させる作戦か何かを、本当にやるのかと念を押すように。
真面目な彼女は、私が当然のように学校をサボったり、誤魔化しきれないズルをする時に、こういう反応をする。その度に、彼女の世界に成り立った文化や法律から、私は逸しているのだと実感する。だとしたら、私を見下すような振る舞いをすることも、納得できる。
こういうの、世界史の授業でやったなあ。
何世紀たっても、理解しがたいものに対して、人の中に湧き上がる感情は変わらない。汚くて、時に愛しくすら思う。
「うん。ごめんね、あの、帰ろうと思って」
 彼女は、無理に優しい顔をした。
「プリント、届けに行こうか。机入れておけばいい?」
「うん。ありがとう。机入れといて。いつもごめんね」
手元だけはお弁当を片付けながら、黒いまつ毛に囲まれた双眸がこちらを見つめる。
莉花ちゃんは、なにか言いたいけれど切り出せない時にこの表情をする。どきっとするようなその姿を黄金に霞ませていた太陽は、雲に隠されまたゆっくり静かに翳った。
何を言いたいんだろう。「今朝はごめんね」?、午後も出ようよ」?「家までプリント持って行くよ」?
私の頭の中は莉花ちゃんの言えなかった言葉で、たちまちいっぱいになった。同調してるのか、はたまた妄想かは分からないけれど、こうなると彼女のことを目で追うことしかできない。カーディガンを羽織った女性らしいシルエット、汗疹のある首、伏せた瞳の中に写るお弁当の包みの千鳥柄、そこ影を落とす前髪、その先端、食後のリップを塗られる唇、艶やかになる古い細胞。
昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴ったのも遠い国の出来事のようで、立ち上がった姿をまた深く潜水するように眺める。動きを魚影のようなおぼろに捉える。行っちゃう。何か、何か言わなくちゃ。
「つぎ、えいご?」
自分の口から溢れ出た言葉は、驚くほど頼りない。
「うん、教室移動あるし、行くね」
「うん…あのさ、いつもさ、ありがとね」
彼女は、また優しい顔をした気がした。窓から黄金の大流がゆっくりと幕を下ろす。
「え、んふふ。なんで?また呼んで、な」
  そう翻る彼女のスカートの一瞬は、一撃で世界を平定した。裏も表もない、細胞の凹凸も、心の手触りも、自分の輪郭も、日向も日陰も、なにもかも。人なんて殺さなくても、生死の境をたやすく超える。彼女が人生最後の友だちだ。
幸せで、ちょっと泣いた。今日を生きられなかった人、これだけ今を謳歌すれば、大志なんて抱かなくていい?午後の授業に出れなくても、存在していいよね。
「風呂蔵さん」
仁科先生に揺り起こされる。
「大丈夫?熱中症になるよ、こんな所で寝て」
「今何時ですか?」
「まだ昼休み終わって五分くらいしか経ってないよ」
「全然寝てないじゃん」
胸中に「どこからが夢だったんだろう」なんて思いがふっと湧いて私を茶化して消えた。
両手を握ったり開いたりすると、皮膚が突っ張って、三千年の眠りから覚めたような心地がする。
「私帰ります」 
「あ、待って待って。五限中に堀田先生来るって」
「え!やだ」
「そういうこと言わないの」
「何時に来るんですか?具合悪いんですけど」
「多分、もうちょっとで来ると思う。堀田先生お忙しいらしいのよ今」
「じゃあ来なくていいのに」
「かわいそう。会いたがってたよ、堀田先生」
「私会いたくない!ねぇ、仁科先生はさ、堀田先生好き?」
「はぁ?」
「私の周り、堀田ちゃん好きな子多くてさ。でも付き合うならみんな細倉先生がいいんだって。私どっちも嫌い。でも堀田の方が嫌い、おじさんじゃんあんなの」
「ちょっとあんたね、言っときますけど、堀田先生と細倉先生同い年ですからね」
 「うそ!」
「あんたたちから見たら堀田先生らへんの歳はもうひとまとめにおじさんなんだね」
仁科先生は笑いながら私の向かいに腰掛けた。
「風呂蔵さんさ、学校、正直どう?」
仁科先生は腕組みをしながら、先生語を流暢に話す。それは時折、字幕が途切れたように、突然聞き取りにくくなる。今もまた私には先生がなにを言ってるか分からなくて、申し訳なくて、へらへら笑ってみた。
「夜眠れてる?」
穏やかな顔と穏やかな声だなあ。きっと、私のこと心配してくれて、何か伝えようとしてくれているんだ。
言葉の通じ合わない私たちは、カフェオレとか、遅刻の提出物につく三角サインとか、成績表の五段階とか、調理された感情を安心してやりとりしてきた。腹を割って話す、出したばかりの内臓みたいな感情の良さはまだわからない。大人になれば生ものも美味しくいただけるかもしれないけど、今はまだカフェオレ越しじゃないと照れちゃうな。
「そういえば、先生」
私も私の言葉で話したくて、もう一度スタート位置に戻した。
「昨日、大きな事件があったよね」
「そうねえ」
「捕まった生徒って死刑になんの?」
「えー、どうかなあ、多分ならないと思うよ。未成年だからなあ」
「かわいそうだよね」
「亡くなった生徒のこと?」
「刑務所の中で死にたくないなと思って」
「そうかあ」
どうしても、居心地が悪い。一生懸命会話をしようとするのに、どこか決まったゴールに導かれているような。
「私ね、あのね」
言葉を途切れさせないように必死に考える。
「莉花ちゃんのことを殺しちゃったらどうしようって思ったの」
「うん」
「それでね、でも、ちゃんと伝えたいことは」
身振り手振りで一生懸命伝える。
この世界は、胸が裂けるほど怖いことばかりだ。言葉も、ルールも分からない世界で、時間は待ってくれない、隠れることもできない。
私だって、みんなと同じように頑張れるはずなのに。たくさんの言葉を覚えて、言いたいことだって言えるように、みんなと、莉花ちゃんと同じだけの時間をかけて大きくなってきたのに。
私は、友だちの上手な作り方も、失敗した時の許してもらい方も、仲直りの仕方も、勉強の仕方も、ちっとも上達しなかった。同じだけ、人を傷つけたり、馬鹿にしたり、責めたりも、見よう見まねでしか手につかなくて、諦めた。
でも、それもこれも、みんなには出来て当たり前のこと。
私たちもそんな人たちと同じ言葉で、同じルールで頑張って生きていくんだよ。期待を裏切ったり、人を悲しませたり、怒らせたりしながら。出来ないことばっかりで、恥ずかしくなるけど、逃げ出したり、駄々をこねちゃだめ。私たちより頑張ってる人たちのことを邪魔するようなことは、絶対にしちゃだめ。
「ちゃんと聴いてくれるよ、莉花ちゃんなら」
自分の言葉に、涙が出そうになる。私を励ますのは、いつだって私の、そうあって欲しいと願った言葉だった。
「そっか」
「まあでも、莉花ちゃん、あんまり私のこと好きじゃないんじゃないかって思うんだよね」
「ええ、とてもそうは思えないけれど。どうしてそう思うの」
「どうしてっていうか…。先生はそういうこと、ないの?」
「人に嫌われてるなあって思う瞬間?」
「ううん。私のこと好きじゃなくても、優しくしてくれる子だなあって、嬉しくなる瞬間」
「風呂蔵さん、誰もあなたのこと嫌ってる人なんて居ないよ」
出来る限り集中していたつもりだったけれど、仁科先生の言葉は聞き取ることが難しい。
「みんなと比べてどうかなんて、どうでもよくなるほど嬉しい日がきっとくるよ」
 温かい言葉を掛けてもらって、嬉しかった。同時に、真剣な顔をさせてしまったのがどうしても申し訳なくて、大笑いしてしまった。
「仁科せんせえ、大好き!ありがと!私、トイレ行って来るね」
「あ、先生も会議あるから席外すけど、ちゃんと堀田先生に会ってから帰りなさいよね」
「はーい!じゃあね」
仁科先生は、私の背中に手を置いた。反対の手が視界に入る。午後の日差しは、薬指の結婚指輪に反射して、先生のセリフを盛り上げるように、今から来る、ハッピーエンドを祝福するように、キラキラと散った。
「ね、あのね。学校は子供のためにあるのよ、無理に来る場所じゃないの。先生もみんな味方なの、忘れないでね」
ドラマのセリフみたいだ、と思った。
ずっと欲しかった言葉だった気がするけど、早口で聞き取れなくて、それが悔しくて、トイレで子供みたいに泣いた。洋式便器の蓋の上に座って、いつまで経っても白い上履きで、足元のタイルをバタバタ叩くと、もっと涙が出た。
励ましてくれるのはいつも自分の自給自足の言葉だけだと思っていたけれど、本当は今みたいに、私がいくつも聞き逃してしまっていただけなんじゃないか。そう思うと、大げさだと笑っていた絶望という言葉が、トイレの扉のすぐ向こう側にぴったりと張り付いて、私を待っているような気がした。怖くなって飛び出た。
いつか誰かが与えてくれる感動的な救いの言葉を、楽しみにしていたのに。 
慌てて保健準備室に逃げ込んで、隅っこに丸くなって座った。
さっきまで射してたはずの、陽の光の会った場所に膝を抱えて、また雲が途切れることを祈った。薄暗い準備室は、狭いのに物で溢れて四隅が見えず、どこまでも続いている気さえする。ただ、埃や日焼けで、学校中で一番古びているようにも見える。寂れた空気を肺いっぱいに吸い込むと、砂とも紙とも埃ともつかぬ塵に、臓器が参る。こっちの方が、よほど生きている心地がした。まるで古代の遺跡にいるような気分。儀式の途中で、文明の途切れた遺跡。
捧げ物みたいに転がるサンドイッチと、山のように積まれた心と身体の教科書。先生の復活の呪文。
ちょっと笑った。
私、おかしくなっちゃったのかな。 どうしてみんなの言ってることややっていることが、私にはわからないんだろう。
まだ病気とか、人間不信とか、そういうものになりたくない。道を間違えていたとしても、滅んだ遺跡を歩いて戻って、最後にはみんなと同じ景色が見たい。
「莉花ちゃん」
初めての会話で、無理してかけてくれた、嘘のない優しい言葉を、もう一度聴きたい。
しばらく日陰を見つめていると、隣の保健室からドアが開く音がする。
そうだ、仁科先生にお願いして、カフェオレをもう一杯もらおうと思ってたんだ。
立ち上がり、乾いたカフェオレのカップを手にして、保健室に繋がるドアノブに手を掛けた。
 「せんせー、カフェオレー」
いつもの優しい声が返ってこない。不思議に思って顔を上げると、保健室の一角に設けられた簡易相談室の、目隠しとなるパーテーションに片肘をついた堀田先生が、呆れた目でこちらを見ていた。
「うわ」
「はい、まりあさん、こちらへどうぞ」
先生はゆらゆらと手招きする。
「えー!やです」
「やですじゃないです」
私は渋々カップをすすぎ、流しに置いて、パーテーションの中の丸テーブルに腰掛けた。
先生は手元のファイルに視線を落としたまま、なかなか口を開こうとしなかった。沈黙に耐えきれず、
「先生、暇そうだね」
怒らないでと願いながら、茶化した。
新年度に選んだ、身の丈に合わないこの態度も、改めるタイミングを失ったまま。
堀田先生はたまに建前で叱るけれど、基本的には何でもいい、と言ったような対応を返す。
「まりあこそ、暇そうじゃん。午後出ようよ」
「具合悪いの!」
「お前なあ」
「明日はちゃんと全部授業出る」
「勢いだけは良いんだよなあ。仮に家に帰るとして、親御さん居るの?」
具合悪いなら、誰もいない家に帰るより保健室で休んでた方がいいんだよ、と、ファイルを手で遊びながら続ける。
それを言われると、都合が悪かった。ママは夜遅くまで仕事だし、パパはもう何年も家に居ない。ただ、私には、堀田先生との会話をやり過ごす、とっておきの切り札がある。
「親は居ないけど、先生の初恋の人ならうちにいるから」
先生の初恋の人、風呂蔵いのり。十一歳も離れた私のお姉ちゃんだ。
「あほ」
すぐに手にしていたファイルで頭を軽くはたかれる。
「痛いんですけど!」
「そういうの柏原くんから吹き込まれるわけ?」
私のお姉ちゃんには、柏原くんという彼氏がいる。そして、この柏原くんというのが、堀田先生の大学時代の大親友なのである。柏原くんはうちに遊びにくると、いつも堀田先生の大学時代の話をする。酔っ払った時は、決まってにやにやしながら「本当は、堀田もいのりのことが好きだったんだぜ。しかも初めて女の子を下宿に誘ったって。でも俺が奪っちゃったんだよね、いのりのこと」とおどける。
「そう。柏原くん言ってたよ、堀田先生もうちのお姉ちゃんのこと好きだったって」
堀田先生は眉間を押さえながら、
「あなた、やっぱり元気じゃん。小テスト落ちてもいいから出なさいって」
深いため息と言葉を一度に吐き出した。
もともと、堀田先生の印象はそんなに良くなかった。保険をかけるような、建前で最低限の責任を果たすような先生の振る舞いは、子供から見上げた時の独特な大人らしさがあって、苦手だった。
私が風邪で一週間学校を休んだ次の日の「まりあ、友だちと上手くやれてる?」は、その象徴だ。思い出すと今も嫌な汗が出る。先生の言葉を聞き取りにくく感じたのも、その時が初めてだった。私は聞き取れない言葉を、先生語と名付けた。心配するような響きは建前で、本音は「うまくやれよ、不登校になるなよ」なんだと、本能的に感じ取った。
柏原くんはいつも堀田先生のことを嬉しそうに話してくるけど、柏原くんのことだって苦手。いい人だけど、私からお姉ちゃんを取ったことは、何年経っても許せない。そんな彼にも、彼の思い出の中に登場する、学校とは違う子供っぽい堀田先生にも、言葉は悪いけれど正直、うんざりしていた。
「…まりあ」
先生が、先生らしい声で私の名前を呼ぶ。 耳を澄ませて、身を固くする。
「具合悪いのは、こう、学校に居ると心が辛い、みたいな感じかな。それとも、本当に体調悪い?」
「お腹痛い!私さ、生理痛重いんですよ」
間髪入れずに笑い飛ばすと、先生の表情はわずかに歪む。
真剣な話は嫌だった。照れるし、息苦しいし、話が通じないのがバレてしまうから、暗闇で木の枝を振り回すようにおどけてしまう。まさしく振り回した木の枝が当たってしまったような、萎れた反応。
「最近の若い子って、そういうのためらい無いわけ?」
バカみたいに笑いながら、目を細めて先生の目を覗き込むと、ただ悲しくてやるせない、そんな本音を垣間見た。そのことに、少し戸惑った。まっすぐ、私の目を見て、恥ずかしいくらいに。先生の言っていることも、考えてることも分からない。でも、心が痛そう。
私、また失敗してしまったかな、加減間違えちゃったかな、傷つけちゃったかな。辛い顔しないで、ごめんね、先生。
あはは、なんて笑いながら、先生の、祈るように組んだ手を見る。窓から差した光線は、先生の手の血管に陰影を与えたり、腕時計に鋭く反射したりして、温かく周囲に散らばった。
仁科先生の手を思い出す。
欲しい言葉が聴き取れない辛さと申し訳なさ。不甲斐ない自分に強く打ちのめされる。
でも分からないんだもん。教えてよ、先生、世の中難しいことだらけだ。
先生からしたら、私の悩みなんて、きっとばかばかしいことなんだろう。莉花ちゃんだって、クラスのみんなだって当然のようにできていることなんだ。ばかばかしいことばっかり、でも難しいことばっかり。
教えて欲しい事まだあるよ、先生
「てか、先生さ」 
「はい」
先生はわざとらしく、すっと背筋を伸ばした。
「クラスの生徒のことって大事?」
「当然じゃん」
「命かけて守ろうと思う?」
ちょっと目を大きく開いた。普段、表情の変わらない人だから、珍しくて、またじっと覗き込んでしまった。
建前も本音もなく彷徨う視線が、面白かった。 
「どうかなあ。学校って色んな人がいるから、命がけで守って欲しい人も、そんなことして欲しくない人もいるんじゃないかな」
「堀田先生っぽい」
「申し出に合わせると思う」
わかりやすい答えだな、と思った。世の中の求める答えではないかもしれないけれど、私は満足した。
「風呂蔵は」
「え」
不意の仕返しに私が狼狽えるのを、キョトンと見つめながら、手を組んだり解いたり、次の言葉を選んでいる。
「命がけで守られたら、午後の授業出る?」
「今日は、本当に!」
堀田先生はあんまりにこにこしない。冗談かどうかは相手の出方で後から決める、そんな人だ。
会話に行き詰まったら、逃げるのがいい。
「まだお話済んでませんよ」
「本当に!」
ごめんなさい、下げた頭の上に、降り注ぐような終業のチャイム。時間よ早く過ぎてと垂れる頭と裏腹に、チャイムの音を心地よく聴いていた。午後の太陽は保健室いっぱいに白く広がり、不甲斐ない自分の輪郭を溶かして、先生の目眩しになって、チャイムの尖った音をまろやかにしてくれる。恥ずかしくて、申し訳なくて、でも心地よくて、このまま居なくなってしまいたい。
そのまま、誤魔化すようにすり足でパーテーションの外に出ようとすると、先生のこぼした笑いが聞こえる。それはおまけでもらったマルのようで、私は見逃してもらった不正解だけど、それで良かった。許してもらうことが、なによりも幸せだった。
ホッとして顔をあげる。私がまた「ごめんなさあい」と笑うと、わざと口をへの字にした先生のため息が、もう一度笑うように揺れる。飛び上がるほど嬉しかった。
「気をつけて帰れよ。ちゃんと仁科先生にご報告して、早退届には明日まとめてサインするから」
「ありがとうございまーす」
そのまま逃げるように準備室へと飛び込んだ。スマートフォンにイヤホンを繋いで、今月のベストヒットを上から聴く。次の授業が始まればクラスメイトはそれぞれの教室へ向かう。その隙に私は誰もいない教室へ入り、帰りの支度をして学校を出る。準備室で息をひそめ、耳のイヤホンからは今月一番買われていった愛の歌が流れる。もしも今日の日が、いつか「青春」と名乗るなら、ちょっとした悲劇だな。でもそんなことはどうでもよくて、今は頰が緩んでしまうのを感じながら、始業のチャイムと共に廊下に出た。
静まり返った校内で、白く揺らめく階段を駆け上がる。自分の足音が少しずつ軽くなって響いて、羽が生えたみたいだと感じた。
暗い教室に辿り着いた。消し忘れられたエアコンが、必死に部屋を冷やしている。今日は一日中うっすらと曇って、時折日が差す程度だったから、蛍光灯をつけてしまば朝からまるで時間が経っていないように感じる。ただ、窓際の席に莉花ちゃんだけが居ない。 
一度机の中へしまった教科書を一冊ずつリュックサックへ戻していく。倫理、現代文、数学、英語、辞書、開いたことの無い単語帳。どの教科も、「前回の続き」が何ページなのか分からない。寂しい。本当は、もっといい子になりたい。それはいつだって変わらないのに、どうしてそうなれないんだろう。もしかして、私、みんなの何歩も手前で、もう頑張れなくなってしまってるのかな。これから夢を叶えようとして、挫折とか達成感とか、そういう漫画でしか知らない感情を知って大人になっていくみんなの教室に、紛れ込んでしまったんだ、私。
急に不安になって、答えを探して瓦礫を搔きわけるように、教科書をまたリュックに詰める。
今日は、先生に怒られなくて、笑ってもらえて、その場をやり過ごせて、早退できて、嬉しい。でも、莉花ちゃんともっと話したい。
すぐに手が止まった。まだまだ机の中には、触りたくもないものが詰まってる。もやのように淀んで、何から手をつければいいか分からない。
恐る恐る触れる古文、英語文法、古典単語帳、英単語帳、英和辞典。受けなかった小テストの束、ペナルティのプリントの束。たくさんの言葉を覚えたら、この気持ちに名前がつくのかな。夢もできるし、もっとみんなの気持ちが分かるようになるのかな。私もみんなと同じになれるのかな。
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