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#女子の胃袋掴みたい
tokyomariegold · 1 year
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2022/10/29〜
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10月29日 いろいろ疲れているので、日記も写真も今日の予定もすっぽかそう!の気持ちでいちにちを始めたら、全てまずまずやり遂げてしまった。
3ヶ月に一度の歯科検診へ。 前回、黒ごまラテの着色いじりへ不服を態度で伝えることができた、と思っていたのは勘違いで、今回も黒ごまラテから始まった診察。黒ごまラテは飲んでないけれど着色汚れがある。お茶をやめて水にしろ、言われたこともあったけれど、それは無理なので、コンクールジェル、シュミテクトホワイトニングの2回磨き+コンクールマウスウォッシュの消毒+ホワイトニングマウスウォッシュ、で術を尽くしていた口内事情。それを伝えると、シュミテクトホワイトニング以外やめてみましょう!と、新商品のシュミテクトホワイトニングの試供品をくれた。 シュミテクトって海外では違う商品名らしい。 とにかく歯が白くなって嬉しい。 でも口を開けっぱなしだったからか、喉を痛めてしまった。それと、毎度のことながら歯医者さんの後はお腹を壊している。
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都写美で野口里佳の“不思議な力”を鑑賞。 ほとんど観たことのある作品だった。作品展の空間に居られることがとても幸せに感じた。心地よい展覧会で幸せ。 撮っているものは、キュウリやヤシの木やコップなど、シンプルで一瞬で認識することができる写真。でも、じっくり落ち着いて観ていたくなるようにさせてくれる写真たちだった。 潜水して撮影したり、胃カメラを使って撮影したり、思っていたよりへんなことをしているのに、写真はシンプルで美しいのが不思議。 “夜の星に”のデジタル映像とコンタクトシートの展示を観て泣きたくなった。 昔、平日の曇天の昼の品川のキャノンギャラリーで観たことがある作品。会社員たちと、昼食にテイクアウトした商品を入れた緑の袋が、モスバーガーの店舗からどんどん出てくるシーンに、わ〜〜〜となった記憶。
何となく街のちょっとした陽の当たるところとか、そうゆう写真を撮っても良いんだね、と思い出して、まんまと写真をたくさん撮って恵比寿駅まで戻った。
アトレの無印良品で冬のお部屋のものなどを買い込んだ!
夜お部屋で花火が打ち上がる音を聞く。
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10月30日 今日の日はもうないものとして過ごしていたので、少しの家事や用事を済ませることができただけで大満足な日だった。
体の調子は変わらずに良くなく、体力を余分に消耗している体感でソワソワしながら日中を過ごした。
スーパーで年末年始っぽい音楽が流れている。駅前の歯医者にはツリーがあって、ショッピングモールにはカボチャのアイテムを身に付けた子供がたくさんいた。
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10月31日 昨晩、渋谷と京都のライブカメラ配信を見ていたら、渋谷はハロウィン前日の人の多さで、警察も出動していた。予定していたライブは、渋谷のライブハウスが会場だったので行けなくてよかったかも。
風邪薬が効きすぎているのか、エネルギーが勢いだけ有り余り、でもチャージはされていないのでスカスカの身体が、今日もずっとソワソワしている。 朝、一応体調が戻った気がして出掛けてみた。 途中で抗原検査キットを処方してもらう。 フィルム現像を出しに写真屋さんへ行くと、年賀状の注文をしている人がいた。
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平日の昼間のオフィス街がやはり大好き。 大手町から日比谷までの丸の内を歩いて歌って、ショーウィンドウを眺めて写真を撮っている時が一番楽しい!と思った。 みんなが働いているのに休んでいる優越感なだけ?と考えたけれど、みんな働いているのを知らない大学院生時代からこの通りを歩くのが大好きだった。 東京駅は外国の方が増えた。
日比谷のTOHOシネマズで映画を鑑賞。 うん、少しずつ映画館恐怖症?が治ってきている…はず。今日は2時間超の作品で、途中、とてつもなく気持ち悪くなりかけたけれど、足をゆさったり深呼吸をして凌げた。 鑑賞したのは趣里ちゃんが出演し、根本宗子が脚本の“もっと超越したところへ。” いろいろすごかったし、音が大きくて何度か酔っていた。趣里ちゃんの動き方や身体のバランス感がとても好き。 こないだyoutubeで予告を見た三浦透子ちゃん主演の映画にも、あっちゃんと元乃木坂の子が出演していたな〜、と思い出す。 映画は、後半からエンドロールまでが、演劇っぽい作品!と何も映画にも演劇にも詳しくないのに、なんとなく思っていた。
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映画の後、大丸のパパブブレでラスト1つのハロウィンキャンディセットを購入し、大学の研究室へ持っていくことにした。
駅から大学まで、都会特有の長い信号待ちの横断歩道を2回渡りながら、1つ目を渡った後、とっても走れば2つ目の青信号に間に合うことなどを思い出した。 結局、大学まで行って、何か怖気付いてしまい神保町古本祭りを眺めて帰宅した。
東京の平日の昼間って、たくさん撮りたくなるシーンがあって貴族の遊びが捗ってしまう。
丸の内のショーウィンドウの中のものたちが、どれもキレイで、それを欲して入店する人達も気品があるので安心する。 平日に、北関東のスーパーやディスカウントストアやショッピングモールやファミレスばかり見ていると、インターネットで欲しくないものばかり買ってしまうので、精神衛生的にも金銭的にも良くない。
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11月1日 朝起きて、これはだめなやつ!な身体だったのでお休みをすることにした。 けれど、このままずっと休んでしまうのでは?と、午前休にする。8時の電話をかけるまでの時間、いろいろな言い訳を頭の中でし続ける。 連絡をした後も、この午前休を何か有効的に使わなくては…!と眼科を予約。 身支度を済ませた時に、身体が本当に空っぽで薬の効果で駆動力だけ湧き上がっているのに気が付き、予約まで1時間以上あるのに家を出てしまう。
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すぐエネルギー切れになり、何か食べよう!と思った。 いつもは、少しの血糖値の上昇でも身体がきつく眠くぱったりしてしまうため、日中に食事はしない。でも、こうなると無理で、他のことが見えず、食物を探し彷徨ってしまうことがたまに起きてしまう。
とりあえずキレートレモンを片手に電車に乗った。 車内では秋の行楽のアナウンスが流れていて、窓の外を見て、休んでいた3日間で通勤経路の秋がどっと深まっているのを感じた。 無心で金曜から予定していた旅行をキャンセルした。 隣の席の人のスマホの画面を見ると、東博の“国宝展”のチケットを予約して、ラインで予約完了の報告をしている。あ!と、友人に国宝展のお誘いメッセージを送ると、なかなか予約が取れないらしい。その時、他の人からディズニーランドへ行く予定の確認が来ていて、でも今は全くディズニーランドなんて行きたくない!どちらかと言えば、有給とってでも国宝展へ行きたい気分。
下車した先のスタバの店員さんが赤いTシャツを着ていて今日からクリスマス解禁。
ここからまたコンビニというコンビニをうろつき、食物を探すけれど納得のいくものがなく、駅のちょっとした物産展へ入ってみると、こだわりプリン的なものが半額だったのでちょうど胃も辛いし咀嚼も辛いので、食べてみることにした。
広場の椅子とテーブルでは、女子高生が1人数学の問題集を解いていた。 私もそこに座りプリンを食べた。 近くではロボットが実走させられている。 プリンはカラメル以外は食べることができたし、満たされる美味しさを感じることができた。半額で190円支払ったので定価400円程する高級プリン…。
血糖値おばけになってガクガクしながら出勤して、やっぱり苦しくて虐げられて泣いたり、体調不良でワクチン接種できなかった事を笑い飛ばされたり、暇だけど何か手伝いますか?何をどうすればさらに職場環境が向上するか的なの前向きな話題を聞いたりして半日を過ごした。
すぐ泣きたくなる。すぐ、みんな良く喋るなー、ってモードになる。暇な時間をどう埋めるべきかで私の頭はとっても忙しい。そして実際に暇でもなくて、それはもう忙殺。
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11月2日 うさもっちの白はamazonで既に売り切れ!
朝、霧が濃くて紅葉が白に生えていたので、何となく持って行けたカメラでたくさん写真を撮った。帰り道も何か月とか撮ろうとしたけれど、いつも撮っているよね?と自制を効かす。
ケイトはいつまでもつのかな。 お花の片付け時がわからず、1週間と決めてしまっている。 なるべく、本当は明日から旅行だったのに!と思わないように2日間は生活と自分を喜ばせる時間に充てたい。
SNS映えのためにずっと生活をしているので、なるべく“映え”がテキトーにバカにされる言葉にならないで欲しい。 (“映え”という言葉が出てきた時、私のしたかったことはこの一言で表せるのかも!と思ったりした。一瞬。) 明らかに仕組み作られてしまったインターネットの世界でなかった頃、飲み会帰りにさっきまで一緒にいたみんながするツイートをふぁぼしていた頃、そうゆう感じで、掴みどころのないツイートを仕事終わりにして、みんなでいいね!をし合うものだと思っていた頃、その頃のインターネットを知っている私は幸せだと思う。
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11月3日 午後の予定まで東京駅〜銀座をお散歩した。 国際フォーラムではゴジラのイベントが開催されていた。本当に外国人の観光客が増えていて、話題の食べ物とセルカ棒で写真を撮っている。 KITTEの郵便窓口では、年賀はがきや年賀切手を60枚、70枚と大口購入されている方が多い。今年はもう年賀状をやめてしまおうと思っていたけれど、30枚インクジェット年賀はがきを購入してしまう。卯年のデザインのうさぎは、どことなくマイナンバーカードのうさぎに似ていて、うーん。 うさもっちは20体ほど残っていた! 紅しかいなかったけれど、実物はとっても可愛い。お会計してくれた局員さんは“うさもっち”と、言わないようにお会計手続きをしている感じ。 その後エルメスへ行ってみると展示が変わっていたので鑑賞。犬の粘土アニメーションが面白かった。
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帰りにスーパーへ行く。 どうもずっとお腹が気持ち悪く何も食べたくないのに身体はエネルギーを欲していてあべこべな気持ちで食材を買った。レジでお会計していたら、隣のレジのおばさんが「これ使った?私は今日もう使っちゃったのであげる!」と、10%引きクーポンをくれた。「え!?あっ、ありがとう…」と、ろくにお礼も言えずに、おばさんが先に袋詰めを済ませて店を出ていく姿におじぎをしたら、振り返って手を振ってくれた。
今、少し長い地震があった。こわい。 今日は結婚する報告を受けた。こうゆう時、誰かいるとこわさが軽減されていいのかもしれない。大丈夫なきれいな人がいるといいのだと思う。
ケイトを生けていた花瓶を倒して水を撒いてしまった。ケイトはまだ元気そうだったけれど、さよならすることにした。
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11月4日 1日休んで1日働くくらいが身体的にはちょうど良い。 明日から文化祭なので、広場には仮設ステージが設営されていて、朝から夜まで準備をしている人がいて、少し元気になった。 こうゆうイベントが少しずつ許されていて、元々苦手だったものは、この感染症を理由に断ったりして利用しつつ、うまくやっていければいいな。 文化祭前夜の仮設ステージと照明と雨の夜がとてもよかった。 酉の市には行けていないけれど、雨が降っているので!と行けない理由もできて大人しく帰宅できた(でも40分くらい写真を撮って遊んで貴族退勤した)。
「3年目までのメンバーで新人さんの歓迎会をやるんですけど、どうですか?」とお誘い話を受ける。ちゃんとこうゆう会を開こうって思ったり、人に声をかけたりできる人ってすごい。確かに歓迎会らしい会がなくここまできてしまったので、3年経ってもなんとなく知っていてなんとなく過ごしている人だらけ。
先週の反省として、頑張って掃除をしすぎない(体調を崩す)と言い聞かせて、いま夜を過ごしています。
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pureegrosburst04 · 11 months
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御茶ワールド「鮙〆香氣さんがミートカモネギって名前を付けたのは感謝しているからだよ このブログ世界を功績でいっぱいにしているのは家族の次に食用ポケモンにも後述通り幸せになって欲しいから 俺は小学生の頃ね、新作のマリオを自由時間にやっている期間に楽しい時間はあっという間っていう言葉が怖かった」
超電チャブル「この辺で魚達が洗剤で溶かされた成分を追ってみればお前か。人を苛める方が頂点としての闘いだって事が分かってる筈だ。何が目的だ」 無印04(10歳)「おいしさ、栄養、優れた遺伝子 表版仮想大鉱山の馬鹿共と違って高級かどうか以外にも判断するべき材料はいっぱいある だから旨いだけで他が全く貧弱なヨワシみたいな小物は釣れる度にイライラすんだよ 連続で3回釣れたら水に溶かした濃い洗剤を体内に注射して溶かして腐って死ぬまで遊んでやるだけだ {{{ふたたび にくたいをつけて この せかいに もどってくるのだ}}}になる事のねえ……w 俺も獲物も大物同士になれる為にする大人の厳選だよ(赤き真実)」防聖孤島「やっぱりタイムマシンでいつ会いに行っても一発でわかる。お前は本当の糞だよ、醤油差しと湯呑み、寿司に唾液を付けるクズよりずっと(赤き真実)」無印04(10歳)「別にそんな間抜けより下手な迷惑は掛けてねえつもりさ 自分の胃袋を労ってやる為にカスフードをドブにすてる合理的な余裕が人間には必要だと思わねえ?❔」超電チャブル「お前がこれ以上ポケモン保護法違反をする日は来ない。ひ弱な俺らが手を下すまでもなく怨念のゴースト・悪タイプしかもう居ねえんだからな(💢赤き真実😡)」無印04(10歳)「嘘だあ、俺逃げなきゃ死ぬじゃんありがとう🥶」防聖孤島「逃がさない、食べ物の恨みは絶対だ」
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御茶ワールド「みんな〜〜続きを話すよ。高校生になった辺りでは本当に忙しくて幸福量保存の法則っていう哲学に支えられて来た(頑張った後のご飯は美味しい🍚😋🍣とか)。でも何でも自由にしていい自己責任になった今はこう思うんだ、宝物を手に入れたり何かを成し遂げて成長すればどこまでもプラスが増えていくんだって。完成された世界に居たら弱くなるかもしれないけれど生きていれば何だって出来る(黄金の真実)」
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超電チャブル「そういえば千空大先生言ってたよな 学力テストで100点獲るより大事な数値があるかよってさw 今考えれば俺が図星を突かれた微笑ましい黒歴史だなあ…才能だけじゃない努力の表れだって気づいてるべきだった だからみんな高いと嬉しいんだ(もう逃げないぜ👍)」
“”鮙〆香氣””以上に”””防聖孤島”””という人物は辛い生存競争をしていくしか無い魚達に価値のある人間の意味を込めた結晶をばら撒いて、これから食われるとしても捧げた念を感じて貰って共に笑って暮らして欲しいと思っているんだ( ◠‿◠ )
〜次回予告〜
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霧島04(20歳)「自分の記憶力不足が俺を裏切るならば、楽しく酒を��んで気持ち良く己の肉体を裏切れば良い。幸せな後悔で学習させるんだよ🥴」スパイダーマン「そいつは自分を大切になんてしてない‼️」〜脳の一部だけが萎縮した〜
サキュバス「アナタ達の中で、気持ち良いのを経験した事がない人にチャンスをあげる おせっせしたら密室から出られるわよ💖」
〜数分後〜
ゴールドバズー「バカ‼️それは竹輪だろ⁉️貴重な食糧に何してんだ(´;Д;`)」霧島04「竹を竿との二刀流に例えたのはお前だ😡」ゴールドバラバズー500F「意味のわからない逆ギレをするな‼️‼️」 霧島04「ちんことチクワをバッティングさせてホモ(心の身障)になってやっただろ😁👌」ゴールドガッチャ「ほ、本当に馬鹿なのだな……😨」ゴールドバズー「いいか?お前がしなきゃならないのは、、セックス。だ」 無印04「了解、折楠だな😏👍」 表版仮想大鉱山500万人「ドアホ‼️❗️💢❗️‼️」無印04はなんかもうDIO様には敵わないからジョースター家のブランドになりたくて、その場で待機していた16歳の処女お姉さんを時をとめて殴り殺した そして時は動き出す
ゴールドバズー「無理矢理髪を掴んでこの豊満な果実でパイズリご奉仕をさせるんだよ🧡………あ、…もうおせっせできねえじゃん😨」 霧島04(裏ストボス)は過度の飲酒でセックスの単語を覚えているのが困難🌟 8筒ブルー/闇甲冑「俺達はここで飢えて死ぬんだ……」
サキュバス「この子、強敵ね……”水と油🍒(3位と5位)”すら落とせない私に”””””☠️極悪スーパーヒーローランキング1位の純粋硬派柱(裏ストボス)🏴‍☠️”””””は手に余るかしら?いいえ、過去を読むのよ(ニヤリ)
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8000人との8000秒😰……まぐわいの快楽がシコザル未満の快楽(赤き真実😨)
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原因は全て、霧島狩魔が軽率な判断をしたせいです ガタッ❗️❗️ 霧島狩魔「財前五郎様の言う通りです❗️‼️」 裁判所「どよっどよっ…」霧島狩魔「彼は負け犬キモオタ坂口明刹那真童貞の俺に変態オマンコ薄汚れた肉便器雌豚クソビッチを宛てがってくれたんです‼️ 見事なカルテ改竄の腹黒手腕の素晴らしさ‼️❤️‍🔥❗️だから彼の凶悪犯罪を隠蔽する義務がある!!!なんとしてもマ、おま、…🤔(ニコ動のオタ突っ込み??いや、違う)………💡…マンゴージュースが飲みたいんだ アマカジに運動させてくれ😁」
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裁判所の人々「😨😨😨😨😨」
当てがわれた女の子は性的な手は出される事なく、ちゃんと撲殺されていた。我らが最強はシコ猿童貞未満のゲロ以下の価値より余裕で劣るそれ未満の悲惨でしかない恋愛歴しか無かった……(赤き真実)
〜数年後〜
アイエフ「あいつらは冷酷な神なのよ‼️頭がおかしいの❗️」ネプテューヌ「あー…アイちゃん、今は亡き”””霧島04”””以外は唯のおとこのk」 アイエフ「ネプ子は黙ってて!!」ネプテューヌ「いや、だからね…」 アイエフ「黙ってて‼️💢」ネプテューヌ「😓」
👇生き返ったBLUE、純粋硬派柱ランキング2位
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usickyou · 2 years
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もうくさくなっています
 あの、小さな赤いシャベルをどうしただろう。
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 ある一点を除いて私たちの計画は完璧だったので、それからも日々は何気なく続いた。汚れを落としたレインコートや手袋の類は衣類とあわせて洗うと翌日には乾いて、翌々日にそれらは収集された。通学路や事務所に行くため乗り換える駅、友達の輪やうわさ話、どこにもその喪失はあらわれなかった(少なくとも私たちが知ることはなかった)。あれ、と思うことがあっても誰もそのかたちを思い起こすことはないし、次々襲う生活の起伏はそんなもの簡単に置き去りにできるほど切実でせわしい。私たちはよく笑ったし、しっかりと生きた。指先をあと一センチ伸ばせたら、半音だけ高い声を滑らかに出せたら、そんなことで人生はすぐいっぱいになった。  それに、周子といる時間が増えた。わけもなく互いの部屋を行き来するようになった。私たちはあった。話したり、話しもしなかったり、机に向かう私の横顔を周子が眺めたり、ふたりで映画を見たりした。楽しいときもべつに楽しくないときもあって、それは大事なことじゃなかった。  部屋には簡単な鍵がついている。私は寮にいる間はめったにかけないけれど、ノックもせずに入ってくるのは周子しかいない。それは内緒で合鍵を作って渡すのとはまるで意味が違う。私は許していた。そういうふうに大事なものを差し出していた。  今日も彼女は私の部屋にいる。私がシャワーを済ませるとベッドで横になっている。最近は、そういうことが多い。本当に眠ってしまっているらしく、私の名前を呼んだり笑ったりしない。とりあえず、あまり静かなので起こさないよう机に向かう。すると大体は、イディオムや数式は頭によく入る。けれどそれだけ。記号だけが残り意味はすり抜けていく。それは病食によく似ている。味は感じられなくても、栄養は豊富にある。おかげで模試の成績は良い。この調子なら志望校には問題なく入れそう。筆記も、もちろん実技も問題はない。仕事だってうまくいっている。問題はない。何も。  そのうち周子が目を覚ます。だらだらと身体を起こすと(後ろ髪が、幼くて恐れを知らない獣みたいにぴんと跳ねている)、視線をこちらに向ける。そうして、何も言わない。私は応える。黙って勉強を続ける。彼女は冷凍庫からアイスを出して食べたりする。机の上に置いてくれるから、私も食べる。  二十三時を過ぎると参考書を畳んだ。そのときやっと、「おつかれ」と周子は言った。とりとめのない笑顔には、背すじをぞくぞくさせたり胃を痙攣させたりする、そういうおぞましさがあった。  洗面室に行く途中、階段から下りてきた紗枝に会う。彼女は小さく手を振ると、「ええ夜どすなあ」と柔らかく言った。私は頷いた。「とても」と答えて、その先の言葉が何も出てこないのに驚いた。「夜更かし? めずらし」と周子が声を引き取ってくれたので、きっと、いい夜はつながった。 「イワナのてんぷらがな、おいしかったんよ」と彼女は言った。並んで歯みがきをしながら、思い出すみたいに。「せやから幸せで、うまく寝つけへん」 「夕ご飯?」 「そ、ふたりが食べれへんかったやつ」 「そんなにおいしかったの?」 「ふぇやなあ……」一度ぺっと吐き出して紗枝は続ける。彼女は最近、少しお行儀が悪い。「最近、多いんよ。幸せで、こう、あたまん中がいっぱいになって、前みたいにできへん。朝が、すこうし寂しい。けど夜がきたらまた幸せになって、くり返しやわ」  そう言った彼女の目尻が五ミリ下がったとき、ある山林の地表がそっと隆起を起こしナラの浅い根がかすかな悲鳴をあげた。ひっというその声は毛細管から樹幹を伝い数万本の葉脈から放散すると大気を伝い、私の耳にあのシャベルを地面につきたてた瞬間の鈍い刺突音として届いた。 「そないなこと、あらしまへんか?」  私に、紗枝は言った。 「あらしハッヒーふぇもさいあくふぇもねれるたいふ」と言って周子がむせる。紗枝は笑って「もう、だらしないんやから」と言った。それでも、私を手離すつもりはないみたいだった。  私は答える。 「眠るのは苦手。昔からね」  そう言ってうがいをした、その水は信じられないほど冷たい。口の中がすうすうとして、枯れた樹林の感じる凍えを全身に与えた。そういうものを体内にとどめるのは得意だったけれど、鏡を見る気にはなれない。視界の隅にうつる鏡面の私はシャベルを手に呆けている。周子が駆け寄ってきて肩に触れる。空想は、紗枝が「そら難儀やなあ」と答えてコップを置くと砕けて終わる。かすかな高い音が鳴り止むのを待って、「うちの秘訣ならいつでも教えるさかい、聞きにきてな」と続けた。  去り際に「周子はんもやで」とつけ加える、その影が角を曲がって床を染めなくなるまで私たちは見ていた。あえて歩調を緩めていたのか廊下が延々と伸び続けていたのか、長い時間だった。 「イワナ、食べたかったね」と歩きながら周子が言う。とてもそんなふうには聞こえかったので、「そうね」とだけ答えた。実際、私たちには無理だろうと思った。いつまで、と(おそらく私が)言うが答はなかった。  部屋に戻ると、アラームの時刻を設定しなおしたり(明日は休日だった、きっと)二重のカーテンを隙間なくしっかり閉じたり、バッグの中身を一つひとつ確かめたり、儀式めいた行為をする。その間に周子はベッドに入っている。そうすると、そこは少しだけ温かくなる。私は守られている、そう感じる。  あかりを消す。何も見えなくなった、暗澹としたうろ穴を底の方まで手探りで渡ると今夜もベッドがちゃんとある。私がもぐり込むと隣には周子がいて、ごり、とくぐもった破砕音が聞こえる。彼女は私に覆い被さって、眠るためのキスをくれる。舌が入ってきて、私のとまじると粉々にされた何かが流れ込む。喉の奥、体内のひだに破片が一つ引っかかり、溶けて落ちた。  それは、ひどく苦い。  唇が離れる前に、「おやすみ」と周子は言う。私も同じことを言う。それ以上、私たちは何もしない。そのことについて意見を交わしたり体を触り合ったりしない。ただ、手をつないでいる。それはいつ始まったか明確で、いつ終わるのかがわからない。 (幸せで、うまく寝つけへん)と紗枝は言った。  私も、と笑えば良かった。
 *
 文香ちゃんの落ち方は完璧だった。オレンジ色のマットレスに両足でしっかりと着地したら力を抜いてごろんと後ろに倒れる。彼を知り己を知れば百戦危うからずだ、とあたし受け売りにも思い出した。 「すごいじゃない、もしかして練習してきたの?」と奏ちゃんが言う。 「賢者は歴史に、経験にさえも学ぶものです」と文香ちゃんは答えた。乱れた前髪から透けた目は、らんらんとかがやいていた。  こうして、ボルダリングが始まった。元はアイドルの要望から特別講座として始まったレッスンだったけど、教室を借り上げて月二の定例になって少しずつ人数は落ち着いた。あたしや奏ちゃんは好きで通うことも多かった。文香ちゃんは初めてで、あたしたちは顔見知りのインストラクターに適度な距離で見守られながらほとんど三人で、文香ちゃんが上達していく様子を親心みたいな気持ちで眺めて過ごした。もともと(持久力は置いておいて)体格には恵まれた彼女だったし、頭が良くて、何より練習を嫌わない。見るみるうまくなって、そのたび次を目指す姿を見ていると嬉しくなった。  一方で、奏ちゃんの体はあまり向いていない。だいたい筋肉も、それを形づくる食も彼女は細い。そういう体質だから技術は自然に磨かれていって、時間をたっぷりかける登り方を身につけていた。ルートの構築は見事で、そこしかないという場所にある青いストーンを掴んだ彼女にあたしは野次を飛ばした。何か詩的に(まだ余裕があるらしい)答えたけど、ろくに聞こえなかったのであたしはただ笑ってみせた。腕が細かく震えているのは実際おもしろかったけど、そういう子だ。無理はしてほしくなかった。 「少し、つらそうですね」と文香ちゃんが言う。その何気ない言葉はあたしの平衡感覚をたやすく奪うだけ奪��て、すっと流れ去った。気持ちを落ち着けている間に空気とすっかり混ざったそれは、やっとかき集めたときにはひどくいびつな形をしていた。どうやって返すか迷っている内に「無理をしていなければ良いのですが」と彼女は続けた。 (それは、どっちの?)と空想のあたしが訊く。 (おふたりが、隠していることについてです)と彼女は答える。会話は続く。 (話したら楽になるかな) (今よりは少なくとも、確証は持てませんが) (歴史に学ぶってやつ?) (私は、迷える愚者ですよ) (ならあたしはもっとあほやわ) 「周子さん」と彼女があたしを呼ぶ。「美しいと思いませんか」と、前髪をしっかり分けて高くたかくを見つめている。  そこでは奏ちゃんが、手を伸ばしている。完璧な、お手本みたいなルートを登った先にある一つの選択肢、あるゴールにたどり着くかもっと先へ進むための道を選ぶか、彼女は後者を選ぼうとしていた。左足のつま先をよすがにして重心はできるだけ壁の方へ、繊細で壊れやすい左腕はとっくにやめようと震えながら叫んでいるのに、彼女はそうしない。強い意志が必要だろう。体は心よりずっとわがままだから、抑えつけて、言うことを聞かせるためには覚悟がいる。  いま左手がついにそのストーンを掴んだ。小指から親指へと岸壁に鈎をつき立てるように、そしてその奥深くにたくわえられた地殻の重力を壁面に作用させる大自然の魔法のように彼女の手のひらはそれを決して離さず、安寧の地から見たことのない高原へ飛び込んでいった。  そうして、彼女はまた先を見る。それで小さく笑って(美しく、すべて新たな世界の景色が遠くまで開けたみたいに)、ちょっとだけ下の方を見ると合図をして飛び降りる。冒険の終わりにふさわしいきれいな着地をして、タオルで汗を拭ったり水を飲んだりすると「思ったより、できるものね」なんて涼しげに笑ってみせた。楽しいと、その目が言った。 「楽しかった?」とあたしは訊く。彼女は少し考えて、「ええ」と答えた。唇のはじがかすかに、ほんのかすかに上がったときあの山林でコンパクトカーのトランクを閉じた瞬間に飛び立ったフクロウがブナの樹枝を鋭いかぎ爪で掴んで「平気」と「絶対、大丈夫だから」とくり返し鳴いた。 「やばいよ文香ちゃん、この子めっちゃ目きらきらしてる」とあたしは冗談めかして言う。彼女は「本当に……」と、それから続けて何か言う。あたしにはその先は聞こえないし文香ちゃんの言葉がどれだけの重みを持っているのかもわからないので、ただ笑ってるふりをしながら自分が登るための準備を始めた。待ち切れない様子を装って、目をそらした。青いストーンを、奏ちゃんと同じ道を選んだ。  あたしは、少なくともこの三人の中では誰よりうまい。体力も経験も(あたしはこのスポーツがけっこう好きだった)わりとあって、当てつけるみたいに彼女のルートをたどった。ずっと速く、そうしていやみたらしく見下ろすと奏ちゃんは、文香ちゃんまでが笑っていない。落ちるために絶壁を登る自殺志願者にかける言葉を探している、そんな表情をしている。どうしてだろう。何を間違えているのだろう。考えないために、心を体にまるごと預ける。それこそ最後にきれいな景色をとどめるため必死で生きている自殺志願者みたいに、高い場所を目指す。すると全身が、軽やかに働く。指や手のひらは磁力の作用みたいにストーンを掴んだし、足先は熟練のバレエダンサーじみた強靱さとしなやかさで全身を支えた。味わったことのない自由の感覚にあたしは夢中になった。やがて奏ちゃんが最後に選んだ青いストーン(間近で見るとその力強さにあたしは驚く)を掴むと、彼女が最後に踏んだ場所に足を乗せて、飛ぼうとしてやっと落ちる。  不思議だった。何もかも完璧だったのに、すべてがうまくいっていたのに、はじかれるか拒まれたみたいに体が宙を漂った。むき出しの天井配管や色とりどりの壁のストーン(そのとき青い��はすっかり消えている)が絡みながら混ざり合って滲んだ花車のように見えた。  そうして、あたしはマットレスに落ちた。そこは柔らかい。だけど最悪の、背中も頭もひどくぶつける落ち方をしたので痛かった。息も満足にできないし意識はぼやけた。すぐに奏ちゃんと文香ちゃんが上から覗く。あたしに触れようとする。インストラクターが二人を制して、病院へ運ぶからそのままにしておいてと言う。電話をするからと彼女がいなくなると、あたしたちは取り残される。文香ちゃんが、奏ちゃんの肩を支えていて、どうしてかあたしは笑っている。時間が経ってもぜんぜん息ができないから体だけを痙攣させるみたいな気持ち悪い笑い方をしながら奏ちゃんの涙に触れて、この子をだめにしてしまいたくないと思う。
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 周子は短期の入院をした。背中を強くぶつけたせいで肺にかすかな穴ができて、体内に漏れる空気を抜く必要があるらしかった。といっても本人は至ってふつうで、スマホゲームをしたりタブレットで映画を見たり、側胸から伸びた細い(それでも彼女を生かしてくれている)管をぶらつかせたまま病棟のロビーでカップの甘い抹茶オレを日々飲んだりしていた。  私は休みをもらった。ショックを受けているだろうと、それにスケジュールの都合がついたこともあって数日の配慮を受け取った。もっともそれは文香も同じで、その点において私は特別じゃない。  けれど一日、たったの一日だけ早く文香は日常に戻る。彼女の優しいまなざしやささやかな申し出を固辞して感謝を告げたとき、私はまた道を違えたと思った。彼女は追いかけてくるだろう。紗枝もそう。誰も私を、私たちを手離してくれない。愛情や慈しみ、そのあたたかな一掴みごとに私は自分が引き裂かれていると感じた。 「なんか、久しぶり」と周子がぼんやり言う。管を抜いて一日が経った、その場所を気にして触るので私は形ばかりの注意をする。周子は大げさに手を上げて「じんじんするんだよ、しゃあなくない?」と苦笑いをする。外したばかりの命綱のゆくえは、それが地面でどんな姿をさらしているか気にするのは当然だと、わかっている。 「久しぶりって?」と私は訊ねる。 「ふたりだけでいるのが」と周子が答える。  広々した個室のカーテンは閉じていて、窓の外は見えない。私は一度も、この部屋からの景色を見たことがない。  だから、時間がどれだけ過ぎたのかもわからない。 「先回り、したりしない」と私はどうにか言う。息をすることさえ、今はもう苦しい。「教えて。何を考えてるのか、ぜんぶ」  周子は私を見る。一度しっかりと目を閉じて、ただ目を向けるのでなく、見る。その仕草で、私は愛していると思う。彼女を愛していて他にどうしようもない私を感じる。瞳の内側にあるよく磨かれた黒檀、それがあまりに黒いのでほとんど私のかたちを呑み込んでしまうとき、私はかつて太古の昔に私たちがひとつの生き物であったことを夢みたいなリアリティで描くことができる。たくさんの枝分かれを越えて、また出会った。砂漠の砂粒の数ほどの時間を過ぎて私たちはもう一度ひとつになろうと誓ったのに、あれがやってきた。あのシャベルは、私たちを結ぶ糸を切ると赤く染まった。 「寝れないんだよね」と周子は言った。見ればわかるから、私は頷いた。「奏ちゃんとキスできないともうぜんぜん無理で、だから、たくさん考えた。あたしたち、このままじゃだめになるって思った。奏ちゃん、もう終わりにしよう」 「どうやって」私は言う。 「ぜんぶ打ち明けるよ」 「誰に」 「みんなに」 「何を」 「あたしがやりましたって言う。それだけ。奏ちゃんは大丈夫だから、安心して」 「嘘つかないで」 「嘘じゃない」 「やったのは私たちよ」 「違うよ」 「周子。ひとりで背負わないで、私だって」 「あたしだ!」と周子は叫んだ。それから、こう続けた。「あたしがやった。忘れられないよ。あのにぶい感触も冷たさも音も、ぐじぐじ鳴ってた、忘れられない。たぶん、一生。こんな手、誰かに振ったりあったかいごはん食べたり、こんな手で奏ちゃんに触るなんて、堪えられない」  周子は「そのたび死にたくなる」と言うと、やっと涙を落とした。それでも私を見ていて、「最後まで」と言いかけた声は震えていてまるであの樹林にいるみたいだと私は思った。私たちは、本当は今もそこにいて掘り返され埋めなおされたせいで変色している地表のグラデーションを懸命に整えながら、それで何もかもがなかったことになるみたいに泥だらけの手で土に落ち葉を被せている。必死になって、もうどうしたって元には戻らない柔らかな結びつきを恐怖が起こす神経症質な繊細さでつなぎ合わせている。けれど、私たちははり裂けた。世界有数のソプラノシンガーが出せる限界の高音にまで張りつめた心を青い風がひと撫ですると、情けなく足をもつれさせたり転びそうになる互いの体を支え合ったりして逃げ続けた。そうしてたどり着いたこの病室で、周子は「奏ちゃんを守らせて。あたしに」と言った。  終わったと、はっきり思った。  たくさんの時間が、過ぎていく。ふたり買った二足の靴を、家に帰ってなにげなく交換したらそのまま持ち主が変わった。冷蔵庫が、冷凍庫もびっくりするくらいからっぽでおなかを鳴らしながら抱き合って眠った。寒い寒いと思って測った体温が三十九度を示したときどうしてか一度キスした(結局インフルエンザには私だけがかかった)。周子のコート、カーキ色のフードのフォックスファーが心地良くて飽きるまで手をもぐらせていた。白い真昼の月を眺めながら甘い缶チューハイを初めて飲んで、何もかもから自由になったと錯覚したのは十八歳になってすぐのことだった。誇らしげに見せてくれた免許証の写真のがらが悪くて(それがあまりにもひどかったので)笑った。乗せたげへんから、と周子は冗談に言った。それが今でも本当だったなら良かった。 「時間が、戻せたならいいのに」と私は言う。心から、ひとを愛するのと同じ切実さで。  周子は頷いた。「うん」、とだけしぼり出して閉じた目のきわからきっと人生でいちばん悲しい涙がこぼれた。  私はそれに触れる。きめ細やかな頬に指のひらで、丁寧に涙をなじませると唇にキスをする。そこはかさついて、ひどく乾いていて、けれど触れるだけで足りた。こんな純粋な、澄んだキスを生きているうちにあとどれだけ周子とできるだろうと思った。  そっと唇を離すと、「聞いて」と私は言う。そうして未来の、ふたり生きる明日からの日々についての話を始める。  せめて今が最後でなくなるそのために。
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 あたしたちの計画は完璧だった。ある一点、借りようとしていた白色のドイツ車を実際に見て、やっぱりやめようと思ったそれ以外は。  レンタカーショップの店員(あの日と同じ、あたしより一回りくらい歳上に見える女性)は柔らかに、空いている別の車を手配して違約金と差額分を折衷した金額を提示して、契約書を作り直すと笑顔のままあたしたちを見送った。ことが予定通り運べば明日のうちに、彼女は裏切りに気付くだろう。汚れてしまった車がどうやってここに戻るのかはわからないけど、あたしは彼女に笑っていてほしいと思った。ひどく驚いて、コンプライアンスなんて忘れて私がこの車の手配をしたのと親しい友達に話したり恋人に打ち明けたりして、一週間もしたらテレビが新しいニュースをトップに流しはじめる、それくらいの気軽さでまた笑顔を浮かべてほしかった。  そんなふうに、出会うひとや触れるもの、日々のあらゆるできごとを愛おしく感じた。 「どうして、別のにしたの」と奏ちゃんが言う。なんとなく不満げな口ぶりのそばで、小さないたずら心が笑っている。「あんなに悩んで決めたのに」 「だって逃げたくなっちゃうって思ったんよ、しゃーない」 「どこに?」 「北と南、どっちがいい?」 「それなら北ね」 「何もかも捨てて?」 「誰も知らないところで」 「新しい暮らしなんか始めたくなっちゃう」 「それは、大問題ね」 「でしょ」  あたしたちは笑っている。そうすれば、いつだって欠けている何かをおぎなえると心の深いところで信じているみたいに、たくさん。 「あれに乗るなら、始めるときだって思った」  やがてその波がしずまると、あたしは言う。奏ちゃんはそのとき、何も言わずに手を握ってくれる。  この道は、間違いじゃないとあたしは思う。  車は前に進んで、景色は少しずつ開けて、広がっていく。だけどそれはあの山林の入り口で、車一台がやっと通れるくらいに狭まる。そこは昼間でも暗い。止まらずに進むには決意がいる。隣を見ると、奏ちゃんが告白文の点検を(もう何度したかもわからないのに)している。車酔いなんかがよく似合うのに、そんな様子は少しも見せない。人生は驚きに満ちている。それが命を色づけるんだと、あたしは今彼女に伝えたい。だからしっかりと口をつぐむ。いつかのふたりのために取っておく。あたしはそう言って、彼女を色づけたかった。なんであのとき言わなかったの。そう言ったなら、嬉しくて頬を染めてほしかった。  やがて小さな展望台の小さな駐車場に停まると、「着いたよ」とあたしは言う。奏ちゃんは、「そうね」と答える。そうしてふたり、ドアを開くと目��見える景色の何もかもが雪に覆われている。枯れた樹林はその表皮さえ見えず、この世界での役目を終えて朽ちていく神殿それ自体の墓標のように映る。刻まれた無数の名前は天国に(あるいは単にここではないどこかに)旅立とうとして柱を飛び出すと、むなしい願いそのままに凍り付き取り残されて歪な形をさらしている。そんな数々の願いは方々に伸びて、空を埋め尽くした。だからこの場所はひどく暗い。叶わなかったそれは、光を食べて悲しみにほんの少しだけの癒しを得る。  踏み出すと、ブーツのほとんどくるぶしまでが埋まった。一歩、一歩と時間を進めるたびあたしは逃げ出したくなった。むせ返るほどの喜びや内蔵で焦げ付いて一生剥がれない後悔、それと何気ない暮らしの全てから。  もう、あたしたちは互いの姿を見ない。その目を、瞳の奥でがなり立て続ける喪失の声を一度でも聞けば逃げ出してしまうとわかっている。だから進んだ。前だけを見て今だけを生きて生きて生き抜いたなら咲き誇る花と緑を想った。ふたり進む正しい道をはるか遠くの灯台がかすかに照らしはじめる、その一瞬を描き続けた。  ふたり手を繋いでいる。  百度参りに携えるともし火のように強く、決してなくしてしまわないように。  あたしたちはあの、小さな赤いシャベルをどうしただろう。それは未だまぼろしさえ見えない。だから、あたしは思う。変わらずその場所にあるそれは(たとえ二メートルの雪が降っても)、暗澹とした樹林を満たす死の影の内で鮮やかに染まっている。昇りはじめた朝日か沈み行く一日の終わりのように光りかがやいている。  やがて、その先端に一羽の蝶がとまる。体を休めてあたりをしばらく見渡すと蝶は羽ばたいた、そのとき、虹色の鱗粉が地に落ちるとあたしにはこの山林の樫で造られた古い扉がきしむ音が聞こえた。  だけどそれは開くとき、閉ざされたとき、ほとんど同じ音をたてる。その違いは肌に触れた雪が融ける音ほどにかすかで、この場所ではとても聞き分けられそうにない。  だから、あたしは触れる。そのために彼女の名前を呼ぶ。彼女は答える。そうやって、一度ずつ互いの名前を呼び合った。 「奏ってさ、きれいな名前だよね」  あたしがそう言うと、彼女がかすかな息をもらした。そのまぶたが愛のかたちに細められているのを、つないだ手のひらであたしは見た。  あたしたちは今、きれいに笑えた。
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565062604540 · 2 years
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 とつぜん血のつながらない姪っ子ができた。  宮野美依ちゃん、8さいだ。自分のことは「みーちゃん」と呼んでおりすごくかわいい。もちろん顔立ちもかわいくて、ちっちゃくて元気でかわいい。しかも俺のことが大好きでそのうえちょっとえっちなことが大好きだったりもするのではてしなくかわいい。もうだめだ。美依ちゃんがかわいすぎてつらい。  数ある大学の講義のなかでも最強に眠いと噂の講義を受けたあとの帰り道、スマホが震えた。 「遥さんか」  美依ちゃんのお母さんからである。メシを食いに来い、と実に男らしい文面だ。  ふつうに考えたら、だれにも言えないような関係になってしまった女の子の母親、となると会いたくないものだが、美依ちゃんは「ひみつ」を今日までかたくなに守っている。さらにいえば。 『今日は中華祭りだ。中華丼と餃子食い放題』  追加で入ったメッセージを見て、反射的に腹が鳴った。遥さんの作るメシはうまい。俺は完全に胃袋を掴まれてしまっている状態だ。  まっすぐ行きます、と返信した。 「なあ航大。人生ってのはつらいな」 「はぁ……」  メシ開始後10分で、遥さんはすでにできあがっていた。いつも思うんだけど、この人弱いのにわりと飲むんだよな……。そのかわり抜けるのも早いみたいなんだけど。 「なにがあったんですか?」 「休日出勤だ」 「おつかれさまです……」  それはつらい。 「ふつうなら断る。けど、いまは航大がいる。安心して美依のことを任せられる」  ちくりと、どころではなく、ずぶりと罪悪感に針が刺さる。  いっそのこと打ち明けられたら、とも思うが、そうしたら、きっと遥さんは俺を許さないだろう。  遥さんは、いわゆるシンママだ。夜の仕事をしているが、美依ちゃんのことはたいせつにしている。俺はその信頼を裏切っている。 「こーたがいるから、みーちゃんあんしんするよ!」  中華丼のあんかけで口のまわりをべたべたにしたまま、美依ちゃんが元気よく言った。遥さんは、そんな美依ちゃんに笑顔で頷きながら言った。 「そこでだ、航大。明日と明後日、美依の面倒をみてくれないか」 「2日間、ですか?」 「ああ」  遥さんが事情を説明する。  どうやら、店の常連さんと泊りがけでゴルフに行くらしい。場合によっては自分の店を出すための援助をしてくれるかもしれない、とのこと。 「それって……」 「あー、そういうんじゃねえって。つーか19歳の大学生がそんなとこに気を回してんじゃねーよ」 「なら、いいですけど」 「ただまあ、向こうも金持ちだからな。忙しいんだよ。それこそ週末のゴルフとかいう大義名分でもないと、仕事のほうから追いかけてくるくらいにな。どうせなら、短期間でみっちりと話を詰めて、さっさと進めたい、そういうことなんだろうさ。それに」  と、遥さんは、ぐいっと俺に顔を近づけてにやりと笑った。 「あれはいいハゲだ」 「……」  そういうことでしたか。なら俺が口を出す筋合いじゃない。  娘がいるとはいっても、遥さんはまだ二十代。羽を伸ばしたいときもあるだろう。それは、美依ちゃんを大事に思うことと矛盾しない。 「でもまあ……」  遥さんは、美依ちゃんを愛おしげに見つめて微笑んだ。 「自分の店を出せたら……もうちょっとは美依のそばにいてやれるな」 「うまくいくといいですね」 「ああ。あたしをだれだと思ってんだ。美依のママだぞ」 「そりゃ無敵だ」 「あはははわかってんじゃねーか、ほら一杯行け!」 「いや、未成年なんで」 「あたしの酒が飲めねーってのかー?」  これでまだビール2本目なんだぜ、この人……。  その夜は、食事を終えていったん帰った。翌日からは遥さんの家にお泊りである。  翌朝。遥さんが出かける1時間くらい前に宮野家に行き、朝食をごちそうになってから、美依ちゃんと一緒に遥さんを見送る。 「いってらっしゃいママー!」 「おー、いい子にしてんだぞ! おねしょ���んなよ!」 「みーちゃん、もうおねしょしないんだけど……」  ガチで不服そうな顔である。そんな美依ちゃんを意に介さず、その頭をわしゃわしゃとなでつつ、遥さんは言った。 「そんじゃ航大、あとは任せた。なんかあったらいつでも連絡入れろ」 「はい。がんばってください」 「ああ。血のションベンが出るくらい投資させたらあ!」 「……」  どうしていちいち物言いがこう……。  まあ、元気いっぱいだからいいか。俺みたいな人間から見ると、遥さんのあのバイタリティは謎である。  「さてと、そんじゃ、洗い物でもするか」  腕まくりをすると、さっそく美依ちゃんが抱きついてきた。 「こーた♡ こーた♡」 「はいはい」  頭をなでつつ台所へ向かう。  美依ちゃん、だんだん遥さんがいるときといないときの使い分けが顕著になってきた。もちろん遥さんがいる前でも甘えてはくるが、べたべたはしなくなった。そして遥さんがいなくなった瞬間、これである。  俺が洗い物をすると、美依ちゃんが布巾で拭いて棚にしまう。吸水力抜群のなんちゃらという特殊な布巾である。遥さん、百均大好きなんだ。  その様子を見ていて、ふと疑問に思う。 「いつも思うんだけどさ、美依ちゃんって、お母さんがでかけていってもさびしそうにしないよね。平気なの?」 「さびしい!」  元気いっぱいである。 「さびしいのか……」 「でもね、ママ、すごいの! すごいからへーき! きっとハゲのおじさんをろーらくして、めろめろにしてかえってくるの!」 「そっかあ、ろーらくかあ……」  俺が帰ったあと、そんな話をしてたんだろうなあ。いかにも遥さん、言いそう。 「それにね、あのね、こーたがいるよ」 「俺?」 「うん。こーたがいると、えっとねー、さびしいのも、ぜーんぶだいすきになっちゃうから、えっと……だいすき!」 「うっ」  なにこのかわいいいきもの。洗い物してなきゃいますぐぎゅーってしたのに。  居間に戻ってコーヒーなど飲みつつ、美依ちゃんに聞いた。 「さて、それじゃ美依ちゃん、今日はなにしよっか」 「えっちなの!」 「……うん。知ってた。そう来るよね」  美依ちゃんは、ほんとにえっちなこと好きである。遥さんがいるときはできない、気持ちよくていちばん楽しい遊び。たぶんそれが美依ちゃんのなかでの位置づけだ。 「えー。だめー?」 「それもいいんだけどさ、せっかくだからお出かけしない?」 「おでかけ!?」  身を乗り出す美依ちゃん。 「どこ? どこ?」 「動物園とかどうかな」 「いくっ、みーちゃんどうぶつえんいくっ」 「よし、決まりだ。じゃあせっかくだからお弁当も作っていこう」 「うん!」  家から徒歩圏内の場所に、市民ならまあ一度は行ったことがあるだろう無料の動物園がある。保護者が不在のときに遠出するのも不安だったから、近場にした。 「こーたっ、ライオンだライオン!」 「おー、ライオンだなあ」 「やるきのないおっさんみたーい!」  美依ちゃん、大はしゃぎである。学校の遠足みたいなので一度来たことがあっただけらしい。そしてライオンまじでやる気ねえな。段差またいで斜めに寝そべって虚空見てるぞ。大丈夫かあれ。 「こーたこーた、あのちっこいカンガルみたいなのは?」 「ワラビーかな。あ、こっちに説明あるな」  オグロワラビー。主に山岳地帯に住む夜行性のワラビーらしい。 「うおーーー、だちょうでけーーーー!!」 「お、おお……」  まじででけえ。でかいという予備知識があってなおでかい。  美依ちゃんのおとものつもりで来た動物園だったが、しっかり俺まで楽しんでしまった。というより、なにを見ても新鮮に驚く美依ちゃんがいるからこそ楽しい。  美依ちゃんと出会ってから、いろんなことが変化した気がする。  別に出会う前がどうしようもなかったというつもりはない。しいていえば、そのへんに転がってる平凡な大学生の一人だった。親がいないというハンデこそあっても、いずれはどこかに就職して、働いて、なんとなく生きていくのだろうくらいに思っていた。  けど、いまは違う。帰りがけに美依ちゃんにおみやげのお菓子でも買おうかな、なんて考える。なにをあげたら美依ちゃんは喜ぶだろう。浅くて広くて気遣いばかり要求される人間関係だって、帰ったら美依ちゃんに会えると思えば、どうってことなくこなせるようになってきた。  掛け値なしに、美依ちゃんは俺にとって重要なものになっている。 「ありがとな、美依ちゃん」 「ん?」  フクロウの首の動きにあわせて左右に首を振っていた美依ちゃんの頭に手を乗せる。 「どしたの、こーた」 「いや、なんでも」 「あははは、へんなのー」  人にやさしくしたい。  そんな単純な感��ですら、俺は長いこと見失っていた気がする。 「おひるだー!」 「おう」  動物園には、芝生の広場がある。準備しておいたレジャーシートを広げて、お弁当タイムだ。といっても、作ってきたのはおにぎりくらいで、おかずは持ち帰り弁当の店で買ってきた。  ひととおり動物を見て回ったあと、ふれあい広場というところでうさぎやらモルモットやらと戯れてからの昼食である。なんか知らんけどやたらに美依ちゃんがモルモットになつかれていた。 「いただきまーす!」 「いただきます」  天気は快晴。湿度は低く、温度もちょうどいい。申し分のないお出かけ日和だ。おにぎりは微妙だったけど、買ってきた鶏の唐揚げは想像以上においしい。美依ちゃんも元気いっぱいでおにぎりを頬張っている。  が、しかし……。 「あ、ちゅーした」 「めっ。見ちゃいけません」  ここ、やたらカップルが多い。  休日のこの動物園なんて、家族連れしかいないと思っていたのだが。  ふと思い立ってスマホを操作する。 「どしたのー?」 「ちょっと調べもの」  すぐに結果が出た。どうも昨日、テレビで穴場のデートスポット的な特集をやっていて、都会のなかの癒やしスポットってことで、この動物園が大々的に取り上げられたらしい。なんだかんだでテレビの影響力、健在である。 「じー」 「どうした、美依ちゃん」 「じーーー」  すでにおにぎりを2個完食した美依ちゃんが、指をくわえて俺を見ている。 「ちゅーしたい」 「お外じゃだめ」 「むぅぅ……じゃあだっこ」  少し悩んだ。 「ま、それくらいなら」 「わーい」  ぽすんと、美依ちゃんが俺の足のあいだに収まる。 「手は前にしてくださいっ」 「はいはい」  言うとおりに、肩越しに美依ちゃんのおなかのあたりに手を回す。  あたりまえだけど、ちっちゃい。すっぽりと腕のなかに収まる。  さわさわと、心地のよい風が吹く。こういうのも悪くない。布越しに感じる美依ちゃんの体温。そして、さんざん走り回ったせいか、美依ちゃんの頭からはちょっと汗のにおいがする。石鹸の香りと入り混じって、俺の胸をざわつかせる。  不意に、美依ちゃんが俺の手首を掴んだ。 「ん?」 「こーたの手は、ここ……♡」  小さな手で俺の指を掴んで、短いスカートのなかに導いた。  ふにっとした感触で、指がわずかにめりこんだ。  俺に背中を預けていた美依ちゃんが、首を後ろに傾けて、俺の顔を覗き込んできた。 「おそとで、えっちなとこ、さわられちゃった……」 「美依ちゃん!」  あわてて手を引き抜く。 「外じゃだめだろ」 「えー、だってみーちゃん、こいびとのこと、したいもん……」 「それでも。ほら、ほかの人たちだって、恋人どうしだからって、そんなことしてないだろ」 「してるよ?」  美依ちゃんが視線を向けた先。そこにはめっちゃ濃厚なベロチューとおぼしきものをしているカップルどもがいる。教育に悪いことおびただしい。 「じーーー」  指をくわえて物欲しげに俺を見上げてくる美依ちゃん。  ぶっちゃけ、かわいい。  かわいいのみならず。  美依ちゃんのこのちっちゃな口は、すでに何度も俺の精液を受け止めている。口だけじゃなく。手だって、体だって、性器だって、すでに美依ちゃんの体で俺の精液がかかっていない場所はない。  まずい、と思いつつも下半身が勝手に反応して、美依ちゃんの小さなおしりを突く。 「あー、こーた、ちんぽおっきくなっちゃたぁ♡」  小声でささやいてくる。  あわてて、美依ちゃんの体を持ち上げて離す。  あらためて俺に向き直った美依ちゃんが、耳元に顔を近づけてきて言った。 「うちにかえったら、いっぱい、ちんぽから白いおしっこ、出して?」 「……」  他愛もなく、俺は敗北した。  できるだけこの2日間を健全に過ごそうとして、もうこのざまだ。  いっこうにおとなしくならない下腹部に違和感を抱えつつ、俺は撤収の準備を始めた。  帰りが地獄だった。  美依ちゃんは「人に見られるところではだめ」という俺の言葉を忠実に守った。  しかし前後に人が見えなくなった瞬間、俺の指をくわえてくる。人が来たらぱっと離す。そしてまた人の気配が途絶えたと思ったら、ただでさえ歩きづらくなっている俺の股間に触れてくる。 「ちんぽ、かちかち……♡ こーたぁ、しろいの、だしたい……?」 「頼む、勘弁してくれ……」 「あのね、みーちゃんも、おまんこべちょべちょだよ?」  そして、人が見えるや、ぱっとつないだ手を離す。  いいように煽られている。いや、たぶん美依ちゃんにその自覚はない。これはきっと、美依ちゃんにとって楽しい遊びなのだ。  なのに美依ちゃんの顔は軽く上気して赤くなっている。俺にえっちなことをしてくれと懇願するときのあの表情だ。 「ちんぽ、なめたいな……。こーたのかちかちちんぽ、いっぱいぺろぺろしたいな……♡」  もうやめて。まじでもたない。  傍から見たら、仲のよい兄妹にでも見えるのかもしれない。美依ちゃんはまだ8歳なのだ。  だれも想像しないだろう。こんなにかわいくて幼い子がセックスのすべてを知っているのだなんて。喜んで俺のモノを舐め、精液を飲み込み、おしっこをする以外の用途なんてないはずの性器を自分で広げて挿入を懇願するなんて。  下着が張り付いて気持ち悪い。  俺はもう、一刻も早く家に着いて、これを解放すること以外、頭になかった。  やっとの思いでアパートにたどり着いた。  中に入って、鍵を閉めた。  その瞬間、美依ちゃんが俺に抱きついてくる。 「こーたぁ……♡ こーたぁ……♡」 「美依ちゃん……!」  頭を抱えて抱き寄せる。  小さな体。頭が俺の胸に届くかどうか。夢中になって、その頭に顔をうずめた。やわらかい髪。シャンプーの香り。美依ちゃん自身の甘い香りと汗のにおい。それらが渾然一体となって、俺の欲望にやけくそ気味に火を注ぐ。  かわいい。いとしい。めちゃくちゃにしたい。  俺はその場でベルトを緩めて、自分のモノを取り出した。 「わぁ……ちんぽ……♡ べちょべちょだぁ……♡」  屈んだ美依ちゃんが、躊躇なく俺のモノに触れる。 「ん……ちんぽ……♡」  ちっちゃな両手で俺のモノを握りつつ、先端をぺろぺろと舐めてくる。 「ちんぽ……♡ こーたのかちかちちんぽ……♡ みーちゃん、こーたのちんぽすき……だいすき……♡」 「美依ちゃんっ、やばいっ。限界まで我慢してたから……!」  そう言うと、美依ちゃんはあっさりと俺のモノから手を離した。  そして、自分のスカートをめくりあげると、ぱんつに指を引っ掛けて引きずり下ろす。少しだけふにっと盛り上がったワレメが見えた。 「あのね、みーちゃんも、ずっとがまん、してたよ……?」  そう言って、ワレメに指を押し当てて、ふにっとへこませた。  服を脱ぐのももどかしい。すぐに二人とも全裸になった。  何度見ても、美依ちゃんの体に異常なくらいの興奮を覚える。すらりとした細い体。頼りない手足。少しだけぽっこりとしたおなか。隠すことなくさらけ出されているワレメ。膨らみの予兆すら見えない胸。そして、年のわりにぷっくりとふくらんだ乳首。 「はやく、こーた、はやくー」 「う、うん」  手を引いて連れていかれたのは浴室だ。  扉を閉めると、美依ちゃんは浴槽にまたがって、足を広げる。  俺の目の前に、8歳の女の子のおまんこがある。足を広げても、ぴったりと閉じたままのワレメだ。そこだけ、ほんのりとピンク色に色づいている。 「ああ、美依ちゃん……」 「みーちゃんのおまんこ、いっぱいがまんしたら、べちょべちょになっちゃった……♡」  もう、俺の性癖はすべて美依ちゃんに知られている。  なにも隠すことがない。  俺は、風呂場の床に座り込んで、吸い寄せられるように美依ちゃんの股間に顔を近づけた。  遥さんは娘の身だしなみや清潔さにはわりとうるさいほうだ。美依ちゃんもいつも小綺麗にしている。  けれど、朝から美依ちゃんはシャワーは浴びていない。ましてあれだけ走り回ったのだ。 「こーたぁ♡ みーちゃんのおまんこ、すき……?」 「ああ、最高だよ……」  おしっこが群れたようなにおいと、汗のにおい。それが美依ちゃんの甘い肌のにおいと混じって、鼻をくすぐる。このにおいを嗅ぎながら射精したい。美依ちゃんの味で口のなかをいっぱいにしながら、気が狂うほど射精したい。 「あのね、ぺろぺろはだめ」 「どうして?」 「あのね、みーちゃん、がまんしてたの、さわるのだけじゃないの……」  見上げた美依ちゃんは、小さな子がしちゃいけないような淫蕩な表情を浮かべて言った。 「おしっこ、いっぱいがまんしてた……あのね、こーたのだいすきなおまんこから、いっぱいおしっこ出るよ……?」  最初に美依ちゃんとえっちなことをしたときも、同じ状況だった。それ以来、美依ちゃんはこれがお気に入りだ。  狭い浴室で、俺が床にあぐらをかいて座る。  その俺の足にまたがって、美依ちゃんが座る。密着する濡れた太ももの感触が気持ちいい。  ガチガチに高ぶった俺のモノのすぐそばに、美依ちゃんの性器がある。  期待でどうにかなりそうだった。  美依ちゃんが、俺のモノを両手で握って、先端を自分の性器にこすりつける。ふにっと、先端がめり込む。ワレメに隠れた小さなクリトリスのあたりを、執拗に俺のモノでこする。 「あぁぁ……こーたぁ♡ みーちゃん、ちんぽおなにー、きもちーよぉ♡」 「美依ちゃんのおまんこ、ぷにぷにで気持ちいいよ」 「ほんと? みーちゃんのえっちおまんこ、きもちー?」 「ああ」  本当のことをいえば、刺激は物足りない。いまこの瞬間も、俺は美依ちゃんに挿入したくてたまらない。けれど、美依ちゃんとの行為に慣れてきたいまは、一瞬でも長く、射精までの時間を引き伸ばしたいという気持ちもある。  こんなちっちゃな子が、自分から快楽を求めて、必死でチンポを自分の性器にこすりつけている。それが興奮する。あられもない表情で、よだれを垂らして、必死にチンポをこすりつけている。  かわいい。世界でいちばん美依ちゃんがかわいい。 「こーたぁ、ちくびも、ちくびもしてぇ♡」 「ああ」  この年齢では男女差がないはずの乳首だが、美依ちゃんのそれは、ぺったんこなおっぱいの先端で、確実に主張している。美依ちゃんはどうやら、おまたをいじるよりも先に乳首オナニーのほうを覚えていたらしい。お風呂に入るたびにいつもいじっていたそうだ。  つまめるくらいに立っているそれを、きゅっと指で挟んでやる。 「んあっっっ」  びくんっと美依ちゃんの体が動く。反動で、おまんこに先端がめりこむ。 「やっ、んっっ、やっっ」  ちょろっと、熱い液体がおまんこから迸って、俺の亀頭を打った。 「美依ちゃん、もうおしっこ我慢できない?」 「ちょっとだけだもん……みーちゃん、もっとちんぽおなにー、するもん……♡」  双方の粘液でぬるぬるになった性器。にちゃにちゃと浴室にいやらしい音が響く。乳首をいじったら、美依ちゃんの絶頂は早い。 「はぁっ、はぁっ、ちくび、きもちー、ぬるぬる、んぅっ、ちんぽ、ごしごしっ……えっちおまんこ、きもちーよぉ……♡」  美依ちゃん体はひっきりなしに震える。指先にしっかりと硬さを感じる乳首。まだ8歳なのに、美依ちゃんの性感帯は美依ちゃん自身によってしっかりと開発されている。  俺のモノを握る美依ちゃんの力が強くなってきた。こすりつけるたびに、美依ちゃんのおまんこからは、ちょろっ、ちょろっとおしっこが漏れて、お風呂には美依ちゃんの尿臭がただよう。  いくら引き伸ばしても限界はある。 「美依ちゃん、そろそろいきそうだ……!」 「みーちゃんもっ、みーちゃんもっ、きもちーの、とまんなく……っ、あっ、あっ、こーたっ、こーたぁっっ♡♡」 「美依ちゃん!」  ぎゅーっと、美依ちゃんが俺のモノを自分のおまんこに押し付ける。 「あっ、ああっ、あぁぁぁ……っ、んあっっっっ」  俺の膝の上で美依ちゃんがのけぞる。  それと同時に、じんわりと俺のモノが熱い液体に包まれる。モノを押し付けてなお堪えられないくらい、美依ちゃんの尿意は高まっていた。 「んぅぅっ、でちゃうっ、おしっこ、でちゃうぅぅぅ♡♡♡」  モノが離れた瞬間、ぷしゃっと、美依ちゃんのワレメから盛大におしっこが噴き出して、俺のモノを叩きつけた。 「ウッ!」  美依ちゃんのちっちゃな手に包まれたまま、俺は爆発した。とめどなく迸り出る精液が、美依ちゃんのおへそのあたりを直撃する。 「あぁ……こーたぁ……♡」  美依ちゃんが俺の首に手を回してきた。 「こーたぁ……♡ すきぃ……♡」  そう言いながらも、美依ちゃんの小さな体は、ひっきりなしに震えている。その背中をやさしくなでてあげた。  しでかした粗相の後始末をする。といっても、徹底的に体液ばかりなので、シャワーで流すだけである。  にしても驚くべきは俺のモノである。あれだけ派手に射精しておいて、まったく萎える気配がない。 「ほえー、こーたのちんぽ、しろいの出したのに、おっきぃまんまだ……」 「まあ、美依ちゃんの裸を見てるだけでこうなっちゃうかな」  とはいえ、一度は出したので、さっきまでのひりつくような飢餓感はない。 「ふーん……?」  そういって、しげしげと俺のモノを眺めたり、先端をつついたりしている美依ちゃんだったが、とつぜん、にまーっといたずらを思いついたような笑みを浮かべた。 「どうしたの?」 「えっとねー♡」  そう言うと、美依ちゃんはとつぜん立ち上がって俺に背を向け、前屈に近い姿勢になった。  標準的なユニットバスの室内である。狭い。  つまり、俺の目の前には、いま美依ちゃんの性器がある。 「おまんこ、あらって?」  そう言って、美依ちゃんは、自分の手で性器をむにっと広げた。  いったい、性欲というものは尽きることがないのだろうか。  きれいなスジにしか見えないワレメのなかに隠れている、美依ちゃんの女の子の部分。ちっちゃな尿道。ぴったりと閉じた膣。そして、色素の沈着していないかわいいアナル。  ふだん見ない角度からの眺めに、他愛もなく欲望がふつふつと湧き出してきた。
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pastasaikou1984 · 2 years
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渋谷円山町に位置する【老舗の焼肉店あじくら】はご存知でしょうか? はっきり言ってオススメです 味だけではなく想いの面でも広まって欲しいアイデンティティがあじくらにはありました 『料理を通じて何がしたいのか?』と言った目的が伝わってくる飲食店はジャンル問わずに大好きです この度縁あってあじくらのWEBページの撮影をさせていただきました ヒアリングも兼ねてあじくらの皆さんと、あじくらで食事をさせていただきながらヒアリング会をさせていただきました 撮影前に職人の皆さんの想いを知る事ってとても大事だと考えています 【その人が何を伝えたいのか】 その想いこそこだわりであり、私にとってお伝えしたい1枚になると考えています 会では、あじくらの皆さんの焼肉に対する想いを聞かせていただきました 皆さんが口々におっしゃっていたのは 『とにかく安い値段で美味しい物を食べてもらいたい!』 という事 シンプルながら刺さる一言です 美味しいものを安く出すって物凄い努力が必要な事なんです 渋谷の円山町の地にて20年以上お店を構えるということは容易なことではありません 飲食店激戦区の最たるエリアとして名が上がる渋谷にて20年以上愛され続けるということ 3ヶ月で潰れてしまう飲食店も多く存在するなか240ヶ月以上も営業し続けているということ 老舗の魅力って流行り廃りに流されない強さがあると思うんです でも古いままではなくて、革新的なこともうまく取り入れて、時代にあわせたスタイルで伝統を革新にしている魅力があることが大切だと考えています あじくらの想いは『とにかく安い値段で美味しい物を食べてもらいたい!』ということ 20年以上も磨き上げたこの想いで提供されるこだわりのお肉は、選び抜かれたA4・A5ランク和牛と、ものすごく新鮮なホルモン あじくらにしかない味としてのオリジナルメニューの豊富さも人気の秘密 【ここでしか食べられない味】を求めてリピートしている常連さんも多いんだとか 長く愛され続けているあじくらの味 『わかる人にわかってもらえればいい』そう言葉を残したあじくらの皆さんからは、自分達の仕事に自信と誇りを持って取り組んでいる職人さんの魂を感じました 神泉駅から徒歩2分の好立地 胃袋を鷲掴みにされちゃってください 私はもうすでに月に3回リピートしちゃいました 想いのあるお店に弱いんですよね(笑) #あじくら2号店#ホルモン倶楽部あじくら#神泉#神泉グルメ#神泉ディナー#神泉テイクアウト#ホルモン#ホルモン焼き#ホルモン好き#ホルモン焼肉#渋谷#円山町 #焼肉#焼肉ライク#焼肉屋#焼肉食べ放題#焼肉ディナー#焼肉好きな人と繋がりたい#焼肉パーティー#焼肉デート#焼肉部#焼肉女子#焼肉店#焼肉好きと繋がりたい#焼肉大好き#焼肉スタグラム #焼肉屋さん#焼肉🍖#焼肉食べたい#焼肉コース 渋谷円山町ほるもん倶楽部あじくら https://www.yakiniku-ajikura.com/ (ほるもん倶楽部 あじくら) https://www.instagram.com/p/CdYe5VzPSpK/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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69creator · 5 years
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ゆう'sキッチン🍽 はじめてつくったやつ。 中々うまくとろみがついた。 材料: カニのほぐし身、冷や飯、卵 焼豚、細口ネギ、片栗粉、醤油、塩胡椒 創味シャンタン【お好みで】 ✩ #レシピ #yummy #foodporn #instafood #おうちごはん #飯スタグラム #飯テロ #贅の極み #delistagrammer #ソルト映え #saltbae #塩のかけ方の癖がすごい #男の手料理 #おとこめし #美容師がつくる手料理 #クックパッドが先生 #女子の胃袋掴みたい #俺の〇〇シリーズ #クッキングラム #彼ごはんとは彼が作るごはん #目指せモコズキッチン #もこみちみたいになりたい #料理好きな方と繋がりたい #誰か料理教えてください #一緒にご飯作ってくれる人募集中 #あるもので作ったって言ってみたい #自分で作ると何でも美味しくて幸せ #食べた分は筋肉に変えたい #服部筋トレ始めるってよ ✩ 今日のご飯は これで決まり‼️ ✩ とろ~り餡掛けで口当たりなめらかな カニ餡掛け炒飯 * 料理のリクエスト受付中 頑張って作ってみます(笑) (Nagoya-shi, Aichi, Japan) https://www.instagram.com/p/Bq4gAEiHmPl/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=rlrwafv1ywwb
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xx86 · 3 years
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しずめて
夜の10時前に、コンビニでシュークリームだのポテチだの引っ掴んでカゴに入れて、大きなレジ袋にぜんぶしまわれる。
田舎の夜は暗い。私が幼い頃からずっと不審者が出ると言われている公園だけこうこうと白熱灯で照らされていて逆に不気味だった。たまにとおりすぎる車を目で追いながら、今車に轢かれてレジ袋の中身ぶちまけたらお菓子だらけで恥ずかしいなとか、どうでもいいことを思った。そもそもマイバック持ってないなんて女やめろと矢島さんにまたため息吐かれるかも。
持ってないものばかり数えるから苦しくなるのだ。私だって持ってるものを数えたらそれなりにあるはず。まずは仕事。休職に追い込まれているのはさておき会社がいい。手を差し伸べてくれる人事に半狂乱で泣き喚いても私の事見捨てたりしない。この会社に入社してからほぼほぼ休んでいて実績も何もないのに手厚いサポート。そしてなによりも一緒に働いている人達だ。前の支店の人達も今の支店の人達も大好き。今復帰したところで仕事なんてひとつもできないだろうに、みんなに会いたいが為に仕事したいと思うぐらいには好きだ。
あとは家族も友人関係も上澄みだけをみればとても恵まれている。そう、上澄みだけみれば私の人生超ハッピーなのだ。何も悩むことなんてない。その上澄みをすべてだと信じ込んでいたから結局今その他の部分に引き摺り込まれてしまったのだけれど。
松田さんは圧がすごいから、とすんとした顔で言われる。うるさいな、それが私の長所やろ、そこが可愛いって思えない男の人が超絶見る目ないだけなんだからほっといてくれる、と心の中で思いながら、わかりました、じゃあそういうのやめます、と言った。どっちも本音である。私はすごく素直なのだ。
私しんでも天国に行かれないかもしれない。酔っ払ってうっかり洗濯カゴに入れてしまい、洗濯機で洗われたChutのアイラッシュレースの下着が毛玉だらけになったのをみて打ちひしがれながらそう思った。まだ1回しか履いてないのに。これだから箱入り娘はと呆れられるんだろう。この両親の血が流れていると思うと体を掻きむしりたくなるほどもがき苦しんでいるというのに、周りからみた私は箱入り娘で、親からみた私はご機嫌をとらなくてもいつもにこにこ家の空気を明るくするのが当たり前で親に懐いている娘なのだ。ねえほんと、絶望でしょう。この絶望を事細かに書き綴る事もできるけど、そんな体力を根こそぎ奪われるほどの絶望なのだ。どうせ箱に入るなら贈答用の箱がよかった。
あの頃に戻ってやり直すことは出来ないけれど、あの頃をめちゃくちゃにすることは大人になってからでも出来る。うれしはずかしあーさがえり、なんて小さく真顔で歌いながらタクシーに乗り込む。朝4時だというのに困ったな、ちっとも眠たくない。こんな時間に帰る事をどう言い訳をしよう、なんて考えていたら取り返しのつかない時間になってしまった。シンデレラなので。
お菓子パーティーをしようとお菓子をたくさん買い込んだのに、少しずつ色々つまんだらもういらなくなってしまった。食べたく無いのに、ひたすらしあわせバターを胃袋の中に詰め込む。ポッキーをだらだら口に運ぶ。
むかし読んだ小説の、子供の頃虐待を受けていた大人の心理描写や行動が痛いほど分かるようになってきてしまってつらい。あの頃はひとつもわからなかったのに。でも私は受けてきた痛みを虐待だと泣きついてもいいのか、みんな多かれ少なかれ家庭に問題は抱えているよと流されるものなのか、こんなに大切に育てられたのに親不孝ものだと蔑まれるものなのか、そこがずっとわからない。もやがかかっている。
だっていちばん痛かったことは記憶しないように私の脳みそはできているのだ。なんて便利。
私が男の人に本当に求めているものなんて、一生あなたには気づいて欲しくない。
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nyantria · 4 years
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2020.1.26~27にかけての深夜、急性カフェイン中毒でのワンチャンを狙ってカフェイン錠を80錠、ハイボール缶でOD(のちのち致死量の倍だと知る。)本当は200錠の予定だったが��買いだめている最中に希死念慮が強くなってしまい、確実に死ねるかはわからなかったが120~140錠飲むことにする。しかし気分が悪くなって喉が受け付けなくなり80でしか飲めなかった(錠剤もでかかったし)。
ところでまわりに高いマンションもない一軒家住みなので突発的に飛び降りはしなかったが、以前諸事情で月の半分くらいを過ごしていた単身の20階建てマンションに今もまだすんでいたら、飛び降りていたかもしれない(14階くらいに住んでいたし)。
80錠のんでぼーっとしてムカムカしてくる。わたしここで死ねないことを悟り親を起こす。服薬から1時間~1時間半経って救急車に乗る、心拍数などはわからないが若干胸がドキドキする、ここで吐き気と嘔吐(夕飯のぶん)。
服薬2時間くらいで病院に到着、嘔吐がとまらず、内容物は薬と血のみ(食べたものは全てもうでた)。インフルエンザのひどいときみたいな吐き気と嘔吐が2時間半後くらいからずっと続く、意識が朦朧としてきて、死ねなさげなのにいたらずらに苦しくて後悔してくる。2時間~2時間半後にかけて先生や看護師さんに質問されるが返せない。2~3時間後から嘔吐をする際に自分の意思で袋にはいたりできなくなりそのへんに吐き散らかす(看護師さんごめん)。
視界がぐらぐらしてブラックアウトする。意識の覚醒と消失を繰り返す(薬が抜ける数日後までこれが続く)。
筋肉の硬直が始まり自分で動けなくなる。わたしの場合は右半身が固まり眼球も右のほうしか向かなくなる。まばたきができなくなり白目を向きながら嘔吐を繰り返す。
3~4時間後から体が完全に固まり、寝たりたったりができず座ったまま硬直する(イメージは重度の脳性まひの人のかたまり方)(指摘をいただいたので訂正します)。思考はまだ動いているので予想以上の後遺症の可能性に怯える。周囲の様子や質問はほぼわからない。
ここでトイレに行きたくなり看護師さんと母に抱えられて行く。体がまっすぐ硬直しているのでズボンと下着は脱げず、脱がしてもらう。排尿の際に筋肉が動いてないのか5~10分かけて垂れ流しのような状態。わたしは女性ですが、ここでおりものが茶色くなる。(もし男性が見ていたときのための補足ですが、おりものは膣からの分泌物で、基本的にはさらさらと白かったり黄色かったりします)
ここからあまり記憶がないがそのまま6~8時間経つ。場所や時間がわからずうわ言を繰り返す。苦痛から気をそらそうと看護師さんたちがわたしの赤い髪やネイルを誉めてくれるが、なにも返せない。
カリウム?などの値が異常になり、一般的な総合病院から死にかけの人間が運ばれるデカイ救急の総合病院(病院からの紹介状がないと入れない、一般的な外来のないところ)に搬送が決まる(おそらく服用から10時間後くらい)。
看護師さんに「もうすぐ迎えがくるからね」と励まされるが、わけがもうわからないので、「死神………………?うれ……しい……」と途切れ途切れに返して「ちがうよ!」と言われてしまう。
全身の硬直、過度の痙攣、暴れがある。暴れているため体を拘束具で拘束される。わけがわからず救急車に乗せられ瞳孔確認されるが眩しいと思えない。
服用から12時間くらいでその病院に着き、尿道にカテーテルをいれられオムツをさせられたりレントゲンとられたりするが恥ずかしいという感情も体のうごきもない。自力で体が動かせないため、レントゲンをとるのも一苦労。3人かかり。
体温計で体温をとられるが、体温計が何なのか理解できず、「なんでこんなもの脇に挟むの?」と真剣に疑問に思う。また、「みんななんでか白い服で不思議だなあ。おそろいなのかな」とも思う。ダメージを得て、知能が著しく下がり始める。
太い動脈に点滴とか採血とか数種類の管をつけられるが痛みもなく、視界が白黒になる。この場所がどこかもわからないがなぜか頭の中で好きなバンドである神聖かまってちゃんが流れ始める。なぜか暗い曲ではなく『彼女は太陽のエンジェル』だった。
嘔吐、吐血、硬直、痙攣が続く。尿は白くて、なんか栄養が全くなさそう(血尿はなぜかなかった)。
とにかく苦しい殺してくれ以外の感情が消え、場所はおろか昼夜の感覚もなく、目の前の人間の性別の区別もあまりつかないし年齢もわからない。
頭の中で音楽とフィクションの映像がとまらなくなる。
胃と食道なども傷つけて血しか吐けなくなる。よくわからないので自分が吐いているという感覚すらなくなり、全身の硬直と痙攣のせいでずっと噛み続けていた口の中と顎が非常に痛くなる。支離滅裂なうわ言しかつぶやけなくなる。
ここから水分を飲むことを禁止され点滴に頼るしかないが水分禁止すら理解できず看護師さんに対して怒りをあらわに暴れだす。体をふたたび拘束具で拘束される。
涙と唾液がとまらなくなる。支離滅裂なうわごととなんだかすごい脳内妄想で無敵感を得はじめる。そこからほぼ意識ないが眠っているのではなく意識レベル低下(おそらく嘔吐、吐血、硬直、痙攣、たまの暴れが続く)。 
服用後1日経つか経たないかくらいで氷水によるうがいを許可される。その頃には暴れがおさまり、自分の水分禁止を理解できはじめるので、飲まないように懸命にうがいをする。が、吐き出すためのトレーには手が届かず、ベッドの上に吐き散らしてしまうことを繰り返す。全身の激しい痛みにより、寝返りはおろか、手を動かすこともできない。看護師さんが忙しいためなかなか口に氷水をいれてくれず泣いたりする。このとき看護師さんに対して怒りより悲しみをなぜか覚える。
意識の消失と覚醒を繰り返し、脳内妄想、えずき(血もでなくなる)、被殺害願望の抱きを得る。
えずく元気もなくなりベッドで死んだように突っ伏す。
時折体勢を変えようと看護師さんが動かしてくれるが、仰向けになるだけで痛みのあまり手が硬直して天井を向き、勝手に「ア~~~!!」と叫んでしまう。
時間、場所、自己存在すべての感覚を失い、本能がわずかに残るのみの感覚。自覚はないがまだ激しい痙攣があり(恐らく)、母音のみの大きな声をずっとあげている。「アー!アー!アー!」を繰り返していて看護師さんに「頑張って静かにしようね」と言われるが、好きでしているわけじゃないのでできない。
とにかく水が飲みたい以外の感情がない。おそらく1日半くらい経ち毒素が抜け始めたのか苦しみを明確に得る。「こんなに苦しいなら殺してくれ」と看護師さんに懇願する。硬直はとけるが激しい痙攣と大声、妄想、えずきがとまらない。
とにかく死より後遺症が恐くてたまらなかったので、自分がまだ文字を読めるかを必死に考えて、ベッドの柵に書いてある「警告 サイドレールをベッドの内側から操作しないでください。サイドレールが急に下がり、転落し、けがをするおそれがあります」という文章を(覚えちゃいました)ずっと目で追って、まだ読める、まだ読める、と必死になっていた。 
(恐らく)医師に「最近恋人と別れたとかない?」と聞かれるが、言葉にならないが「そんなわかりやすい理由なら苦労してね~~~!!」とキレそうになる。(恋人と別れて死ぬ人もいるし辛さは人それぞれだからそれは否定しませんが、そのときは「は!?」となってしまいました)
その後強制的に眠らされる(透析の可能性も浮上)。
2日後~徐々によくなる、まずは妄想が消え、つぎに痙攣の過小化、吐き気の沈静化、自分のおかれている状況の理解。ベッドが少しずつ入り口に近づいていく。
看護師さんの名前が読めるようになる(発音はまだできない)。
時々激しい痙攣のぶり返し、涙、よだれ、また力の加減がまだできず人の手を怪我させてしまう。
筋肉痛の100倍みたいな全身の痛みに気づく。「はやく退院したい」と思う。
少しずつ話せるようになってくるが語彙選びや声量の調整はうまくできず、また吃音の発生。例えば看護師さんに「母は来ましたか?」と尋ねたくても「ウーッウーッ、マ、マ、マ、ママ、ママ、かんごしさん、ママ、」としか言えない状況。
点滴の量が減り料理がだされるが、薄い味噌汁を数口とお水を数口、牛乳1口が限界ですぐに吐きそうになる。
きつい後遺症を覚悟する。
時計の読み方がわからない。それが時間を示すものなのはわかるが、読み方はわからない。なのに自分が排卵期であることは把握できていて、オムツが濡れたときに「は、は、はいらんだから、血が、かも、」と伝える。が、血尿はないが子宮から出血。膣から生理2日目くらい出血があるが生理ではなく、女性にしか伝わらないだろうが、なんか感覚がちがう。内壁が剥がれたとかではなくダイレクトに血管から出ている気がする。
ODしたときの記憶がフラッシュバックし吐き気を催す。
だんだん昼夜の感覚が戻り、人の性別、名前、おおよその年齢、部屋の構造の把握などができるようになってくる。空のえずきが続き、歯磨きをしてもらうが匂いでまたえずいてしまう。楽しみにしていたぺこぱの番組見れんかったなとか考え始める(ここらへんから妄想より現実世界の把握が主になる)。
日付が気になり始める。
後悔が半端なくなり、理性的な涙を流すようになり、心の中で看護師さんの名前を呼びながら謝罪を続けるが声にはならない。あと家族に面会時間がある当たり前のことをようやく理解できるようになる。痙攣が下半身のみになり、腕はベッドの柵を掴んで歯を食い縛る。うがい用紙コップに書いてあった、Comfortableという文字が読めるか必死に考える。意味はわからないが綴りは何となく読めて、意味を理解してないことは理解できていて少し安心する。
その頃には硬直はほぼなく、柔らかい白米を一口だけ食べられるようになる。人工的な味を嫌い、母にローソンで買ってきてもらったりんごゼリーのりんごを一齧り、みかんゼリーの小さなみかんを2つ食べる。
看護師さんにリハビリの話をされるが返事はあまりできず。
1日が24時間なら時計は24表記にすべきだと真剣に考えるようになり、その場合の針の刻み方を考案し始める。「それを看護師さんに伝えなくちゃ!時計は24にすべきです!わたしが作ります!」という頭のおかしいことを真剣に訴えようとする。
だんだん痙攣が小さくなり、時折の体の硬直を除けば、一般的なくらいの痙攣になるが、痙攣のせいで点滴が抜けたり毛布に血が飛び散ったりするがまだ気にかけることができない。またずっと続いていた痙攣のせいで足の小指の爪がとれる。
えずきが時折になる。未来を考え始める。
2日かけて吐き気と嘔吐がおさまったため、全身の激しい痛みとの戦いになる。苦しいのはわかっていたが、あんなに痛いと思ってはいなかった。激しく運動したあとの筋肉痛の100倍のやつが頭皮から爪先までを支配している。メチャクチャ痛いです。人生で一番痛い。
精神科の先生に精神病棟に入院するか聞かれるが断固拒否する。 
2日半かかり痙攣が僅かになり吐き気の消失、髪と下半身洗いたいな……などを考える余裕ができる。ベッドの周囲を見渡す余裕ができ、髪が激しく抜けていることに気づく。髪ゴムはあったが髪のくくり方が思い出せなくなる。
2日半後にゼリーと汁物を半分くらいなら食べられるようになるが、腕が二倍くらいに腫れ上がっていることに気付く。看護師さんを名前で呼んだり、看護師さんによる採血の結果の数値の説明の理解などが少しずつできるようになってくる。
ストローを使って氷水が自力で飲めるようになり、風呂に入ったりトイレいったりしたいなと思うようになる。先生と看護師さんに「生きるためにがんばれ」と言われそれに素直に応じるようになる。また看護師さんの世間話に「うん」「はい」と相づちを打てるようになる。
かなり頑張ってだが、ゼリーのみかんを8割食べられるようになる。
音を消したテレビを眺め内容をおおむね理解できるようになる。林先生と伊沢さんが出ていた。おいしい唐揚げを作る裏技をしていたので、あとで母に教えてあげようと思ってメチャクチャ真剣に見ていた。
全身の痛みは消えないが痛み以外の症状はほぼなくなる。
まだ知能はおかしく、50÷25の計算をするのに何分もかかる。その一方で、暗記した覚えのない『失恋ショコラティエ』の1巻1ページ目から頭のなかで読み返すことができた。おそらく脳の働く部位が極端におかしくなっていたのだと思う。
服薬から約3日後、昼夜を完璧に把握できる���うになり、看護師さんたちに謝罪できるようになり、退院を逆に不安がるようになる。
服薬から3日後~自分で簡単なベッドの操作をしたり寝返りを打ったり声を出して看護師さんを呼んだりできるようになる。
オムツははめたままだがおしっこの管を抜き、点滴を抜き、ふやふやの野菜と豆腐と牛乳なら8割食べられるようになる。
人の手を借りて歩く練習、トイレに行き自力で排泄、時間はかかるがふくこともできるようになる。
痛みと声以外の症状はなくなり、飛び降りした向かいのベッドの別患者の心配をするようになる。
1/29、服薬から3日半くらい、きょう退院しましょうと言われる(重体重傷の人が運ばれる場所っぽいので、命の危機だけは脱したことが伺える)。退院は不安だがそれに従う。
人の手を借りて、なおかつ十メートルごとに休めば歩けるようになり、ああ血がでてるからナプキン買わないとなあとか考えられるようになる。
寝苦しさはあるので、病院では意識の混濁時以外はほぼ寝られず(カフェインだしね)。途切れ途切れだが家族に謝罪できるようになる。
自力着替えは無理だが前開きのものなら自力で着られ、疑問を先生や看護師さんに聞けるようになる。うっすいコンソメスープを濃いなと感じる。
1/29の14時頃退院、自力歩行はできないが、介助を得ればトイレでの排泄、歩行、立ったり座ったり、身の回りのことができるようになる。
生きなきゃなと思い、帰りの車でTwitterの心配をする。
15時頃、10mくらいならふらふらだが自力歩行ができ、トイレでの排泄やナプキンの交換も自力でできるようになる。処理もできるが、拭くだけで数分がかかる。
全身の激しい痛みとうめき声は相変わらずだが、15時頃~自宅ベッドで汁物を進んで摂取し、LINEやTwitterにアクセスする。思考と打つのに普段の10倍くらいかかるが、多少の誤字脱字のみとなる。
ようやく少し眠れる。
1/29(服薬から3日半すこし)、全身の痛み(少しまし)、うめき声はあるが、汁物を接種するなど食欲が少しずつ甦り、日常に戻りつつある。風呂などはまだ不可能。
以上が退院までの地獄詳細です。方法にもよるけど、これから死ぬみんなはここに引っ越すし、さらにその先に引っ越すので、わたしは「まあ……その勇気あるなら人生どうにかなるやろ」というわたし自身クソ聞きあきた陳腐なことを言いそうになりますが、とにかくやるならガッツしかない。わたしはもう二度としたくないです。
現在も子宮からの出血や全身の痛み、内臓の痛み、麻痺、うめき声、記憶の混濁などがあるので、また回復したらそちらも「地獄から生還したらそっちもまあまあ地獄だったよ編」としてアップします。
https://highb.hatenablog.com/entry/2020/02/03/155423 こちらです
これから先の人生には不安しかないけど、いまは簡単な計算をアプリでやったり文字を書く練習をしたりしています。 
ま、自殺って結局「自分を殺す」わけだからそんな簡単にはいかないですよね。当たり前。
死の否定は難しくても生命の肯定はしていきたいですね。
メンヘラがODで自殺未遂して地獄を見た(地獄編) - 現金満タン、ハイオクで。
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keredomo · 3 years
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森をはんで乳の海によこたわって
18.1
食事をおこない、BMIが18.0を超えると生理の気配が戻ってくる。 冗談じゃない。生殖機能は時代遅れだ。
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17.8
シャワーを浴びたあと、水滴を拭きながら洗面所の鏡に映る自分を確認する。 手を上に伸ばして胸を反らすと、肋骨が美しい影をたたえて五六本、乳房の下に静かに並んだ。それぞれがくっきりと影をなし、博物館がライトアップして展示している動物の骨を想起させる。撫でると、薄くすべらかな皮膚のむこうに硬い曲線が走っているのが感じられる。 悦に入る。ああなんて、理想的。
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20.3
テレビの向こうの女の子たち。紙の向こうの女の子たち。文字の向こうの女の子たち。 「向こう側」の人々は、夜中にケーキを食べても早朝のジョギングを怠けても太らない。ハンバーグもオムライスも好きなだけ食べるし、スターバックスで生クリームを飲み干すことも躊躇わない。 しゃがみこんでもお腹に肉の襞ができない。腕を曲げても横に膨らまない。俯いても二重あごにならない。横顔はかならず直線的で、笑っても頬の肉が盛り上がらない。手を振っても二の腕は揺れない。座り込んでも太ももはべったりと広がらないし、背中にはきれいに筋が通る。お尻はつるんと丸くてキュートで、足首だって片手で掴めそう。 かわいいかわいい女の子たち。誰もが羨む、理想の女の子たち。
こちら側で見下ろせば、皮下でうごめくだらしない脂肪の海。 腹部をなぞれば柔くたるんで溢れる。豊かな自堕落、責苦の谷の静けさ。圧倒する肌色。
どうしてわたしの肉体は襞をなすの?
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17.9
鎖骨も綺麗、と目の前の男が微笑む。唇をつけたり鼻をうずめたりはしない。
わたしたちは服を着たままとても控えめに抱き合う。布と布の擦れるすべすべした音が時々鳴る。カーテンを閉め切った部屋でのんびりと、午前いっぱいただ寝転んでいる。抱き合ったまま話をして、笑いあって過ごしている。
ゆるい午前。薄暗い部屋。 カーテンを掛けていない小窓からの曇りの光で、男の顔がよく見える。静かで穏やかな日曜の朝で、男の声がよく聴こえる。 男の声が耳に親しむ。初めてこうして触れるからだを褒めているはずの声音が、どうしてこんなに親しんでいるのだろう。もう何度も同じように褒められてきたかのようだ。 水の中で呼吸しているみたいな不思議な気持ちがする。
細い腰だなあ。うん、細い。細いな。女性の豊かな腰ももちろん好きだけど、あなたはこの細い腰がすごくいい。すごく綺麗。触っていて綺麗だな。あなたの健康は心配だけれど、細いなあ、うん、細い。本当に。心配したいのに、困ったな、どうすればいいんだ。
大きくはないけれど確かに男の人のものである手で骨盤の淵を包み込み、わたしの薄さを無邪気によろこんでいる男を眺める。 男を愛しく思うと同時に、自分自身を愛しく思う。この腰は、そんなふうに愛でてもらえるほど、いいものなのね。わたしの腰は、そんなに言うほど細いのね。 ありがとう。わたしのかわりにわたしを愛でてくれてありがとう。
痩せていれば、きっと「肉感的」から遠く離れたところで清潔な官能が迎えてくれる。「清潔な官能」などという欺瞞が膜をはるその場所の景色の歪みは下品そのものだとしても、今はそこに向かうことにしか救いを見出せない。 肉感的な、実際的な官能を、今のわたしは引き受けられない。受け入れきれない。 肉から離れてきれいないきものになれば、なんとかなる。きっとなんとかなる。きっと解放される、この襞さえ脱ぎ捨てれば、「向こう側」に近づくはず。きれいなばかりの「向こう側」に。向こう側に近づけば、わたしはきっとなんとかなる。
だからこの腰を守らなければならない。 愛でられるだけの、細い腰を。
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17.9
半年ぶりに血を眺めながら、女友達の「生理が来たらリセット」という言葉を思い出す。 生理と生理のあいだは、一人のひととしかしないの。 きたら、リセット。誰としたことも、何をしたことも、全部流れて、きれい。
指先を血みどろにしながら、肉体の内壁が崩れ落ちて流れ去るのを嬉しく思う。 汚されたものが、流れ去って、また新しくわたしだけの子宮になる。 爪に入ってなかなか取れない血液の黒い赤を、派手にひねった蛇口から噴き出すおびただしい水道水で押し流そうとする。 グロテスクな黒、女の穢れの証拠。 でも、わたしがわたしだけの清潔な私に戻った証拠。 矛盾を水で押し流す。排水溝に血の塊が流れる。
生殖機能。を担う子宮が下腹部で膨らんでいる。 わたしだけの清潔なわたしに戻って無垢を誇っていたのに、わたしだけのわたしとはやはり塊の肉であることを思い知らされて、生殖機能、ゆるやかな曲線、胸の襞、腹の襞、浮腫んだ内腿、 ああ。この醜い曲線は。
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17.4
一日に何度も体重計に乗る。 刻一刻と小数点第一位の数字が小さくなる。7、5、3。 もっと、もっと、もっと。 わたしには守らなければならないものがある。 数字を下げようと、連日下剤を飲む。あまり食べずに飲むので、きりきりと内臓を苛む。
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17.8
成果主義の職場でプレッシャーに耐えられない。 メンタルバランスチョコレート、一袋を一日かけて食べる。きっかり25粒。ストレスがちりっとこめかみに電気を走らせるたびに小さなキューブを口に放る。 昼食はトマトと卵、パンを二かけら。午後はメンタルバランスチョコレート15粒。 生きているだけではだめなのか。金を産むのが人間なのか。
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18.4
この数字。気が狂いそうだ。 甘い甘いメンタルバランスチョコレートに縋った罰だった。パラノイアックに摂取カロリーを抑えることばかりを考え続けていなければ、簡単にこうなる。 見下ろす腕が太い。鏡に映る腹の凹凸が醜い。気持ち悪い。曲線が憎い。 水分を溜め込んで、指の食い込む肌をつくって、べつに誰に触れられもしないのにどういうつもりなのだろう。 あの腰を守らずに、わたしはどうやってわたしを愛したらいいんだろう。 がさがさの皮膚。赤まだらの瞼。皺だらけの指。 白く粉をふく肩。肉厚な脇。広大な二の腕。かさかさの手のひら。ぼこぼこの爪。 緩んで溶けそうな太もも。だらしなく重力に負ける尻。 丸一日食事を摂らなかったのに、昨日よりも増えている数字。 いつもの指輪が少しきつい気がする。 顔も、胸も、首も、すべてが醜く映って気分が悪くなる。 触れると、緩んだ肉体の重々しい肉感が手のひらを支配する。 醜い。重い。 数週間前の清潔な愛情の余韻が肉感のどろりとした熱に押し潰されて掻き消える。この醜さはあまりに「向こう側」から遠い。
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??.?
辞書を落とした拍子に体重計が割れた。 びっくりした。最後に見た数字は何だっただろう。
腕を掴んでみる。冷えている。太いのか細いのかよくわからない。 腰を撫でてみる。わからない。 「細い腰」は「18未満」に支えられていた。「18未満���がなくなれば「細い腰」も消えてしまう。「細い腰」も「綺麗な鎖骨」も、薄曇りの朝も足に触れた衣服の感触も、無臭のひとの胸の上でのうたた寝の安堵もすべて消えてしまった。
夢がはじけたみたいに何もかもわからなくなってしまった。 途方に暮れたようなそぶりで、冷蔵庫を開ける。 トマトがあったのでキャミソールで拭いて囓じる。歯が青臭さの中を貫通する。 胡瓜もあるので今度は水で流して囓じる。歯が瑞々しい緑を割る。 しなびたレタスを取り出してむしって食べる。繊維を奥歯で磨り潰す。
おいしい。足りない。
ブロッコリーの花が咲いている。薄汚れた黄色の花。分解して、湯に放り込む。 アボカド。カロリーを調べてから手が出せなくなって冷蔵庫の奥深くに眠らせていたアボカド。取り出して、手で包み込む。硬さを確認する。どのくらい放置したかわからないが、腐ってはいなかった。包丁を入れてくるりと回すと、鮮やかな黄緑色がお目見えする。少し繊維の茶色がにじんでいるが構わない。賽の目にして、ツナ缶の汁をきって、キューブのクリームチーズと一緒に混ぜ合わせる。黒胡椒と岩塩とバジルを振る。頬張るとねっとりと舌に油分がまとわりつく。粗く挽かれた胡椒の粒が歯ではじけて香る。 花の咲いて薄汚いブロッコリーが茹ったので引き上げて、熱したオリーブオイルに移す。鷹の目とクミン、塩こしょうでさっと炒める。一瞬で胃に収まる。一株あったのにな。森を一株、数秒で。しょっぱくて美味しい。古くなってしまったブロッコリーの歯ざわりは悪いけれど、舌で潰すように食べると気持ちいい。 作り置きのゆで卵を三つ。あるだけ殻を剝いて食べる。命の味がする。 ナッツを固めたプロテインバーを三本持ち出す。二日に一本食べようと思って買ってある高級輸入品。三本食べてまだ足りないので最後の一本を食べる。八日分のプロテイン。 デザートにはヨーグルトにたっぷりの胡桃と蜂蜜を混ぜて食べる。ファミリーパック、450gを丸ごと。
腹部を撫でると、丸く膨らんでいた。 丸く膨らんでいることがわかった。 食べて膨らむ。すごく確かだ。
---
冷蔵庫が空になったので、Amazonを開いて体重計をカートに入れた。 腹が苦しいが、自分の胃に収まっているのが岩と森と乳の海であることを思い出して笑えてくる。 岩と森と乳の海が収まっているのならそれは重くなっていることだろう。500kgくらい増えているかもしれない。そんなになってしまったら、エラーの数字が液晶で叫んでもきっと聞こえない。
新しい体重計には小数点第二位と筋肉量が表示されるらしい。管理が行き届く。 明日その機械が届くまでは、わたしも自然のまま横たわっていてもいいのだ。
(2018/06/12 20:55)
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skf14 · 4 years
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08280005
.........だから、俺がもし大通りで通り魔殺人をするなら、きっと最初に狙うのは腹の大きな女だ。子供が狙い目だと思われがちだが、案外そうでもない。もう生まれてしまった子供は親が必死になって守るから、むしろ普通の人間よりも狙いにくい部類だろう。くだらないが、それを無理矢理狙って殺すのは至難の技だ。両親が揃っているなら尚更。
俺の目の前でベビーカーを押す女が楽しそうに旦那に話しかけて、旦那は嬉しそうに目を細め子供をあやしている。ああ、世界共通の幸せの絵だ。反吐が出る。
幸せ、ってなんだ?他人から見て、己が幸せな姿に映ることか?いや、違う。幸せは、自分の置かれている状況について何も不平不満を抱かず、我慢を強いられることなく、全て俺の意のままに遂行されることだ。そうに違いない。幸せ、幸せ。ああ、俺は幸せになりたい。ずっと子供の頃からの夢だった。幸せになることが。幸せになることこそが。
他人の幸せに対して恐ろしく心が狭くなったのは、きっと今俺の置かれている状況が著しく幸せから遠いから、だろう。社会の中での立ち位置も、持って生まれた時点で腐っていた神様からのギフトとやらも、白痴付近を反復横飛びする出来の悪い頭も、見てくれの悪さも、全てだ。
自ら遠ざかったつもりはない。人の幸せを妬んで、それで、手に入らないことには気付いていて、そして、そして、?
?ん、あぁ、覚める、ダメなやつだ、これ、と、思考が曖昧になって、見えていたものも、匂いも、温度も、何もかもが遠ざかって、そして、何も見えなくなった。
極めて自然に、目蓋が開いた。手探りで掴んだスマホの画面を見れば、時刻は朝の5時を少し回ったところだった。曜日表示は土曜。どちらにせよ早すぎる。
"彼"の中途半端に病んだ思考が俺の頭と同期して、混ざろうとしているのが分かって吐き気を覚えた。やめろ。混ざるな。のそり、重たい身体をベッドから引きずり起こして、ふらふらと冷蔵庫に縋り付き、冷えたミネラルウォーターを喉へ流し込んだ。水の通り道が冷えていって、そして胃の辺りがじんわり冷たくなる。物理的にはあり得ないが、その温度は首の後ろを通って、脳へと伝わり、思考が少し、冷めていく。
何が通り魔だ。情けない。俺の夢を支配して、外に出たがったくせにやりたいことがそんなバカの憂さ晴らしだなんて興醒めもいいところだろう。しかも、やる前のウジウジした感情から見せるなんて。はっ。しょうもない。どうせなら血溜まりの中の回想にでもしてくれていれば、今頃、小話くらいには昇華出来たものを。
奴の目線から見えていた短い指と、くたびれ皺の寄ったスーツとボロボロの革靴、己を嘲笑っているように見える周りの視線と話し声、やけに煩いメトロの到着メロディ、喧騒、咽せるようなアスファルトの油の匂い、脳天に刺さる日差し、それら全てを戦後の教科書の如く黒塗りで潰して、そして、深呼吸ののち頭の中のゴミ箱へと入れた。これで、俺は、俺に戻れる。もう一眠りしよう、と、布団に潜り込み、俺は柔らかい綿人形を抱き締めて、眠るための定位置へと着き直した。
物書きで飯を食える、などという夢を抱く間もなく、敷かれたレールに乗って模範囚の如く社会の、それも下の方の小さな歯車の一つに成り果てた俺。チャップリンのように笑えたらいいんだろうが、生憎笑えない現状の片手間で書いている小説、そんな大層なものではないが、もう200を超えただろうか。詳しく数を数えてはいない。数字を重ねることに、大して意味はない。ただ増えていくソレを見るよりも、彼ら、彼女らの過去、未来に想いを馳せる方がよっぽど大事だ。俺は、彼らの人生を文字に変え、束の間の虚無を忘れている。
俺は、自分の力では、小説を書けない。
一昔前に流行ったゴーストライターではなく、どこかの小説の盗用でもない。人から詳細を聞かれたら、「主人公達が動くのを見て書いてる」と答えて誤魔化しているが、俺は、自分の夢を小説にしていた。いや、自分の夢でしか、小説を書けない。
夢の中で、俺は俺じゃない誰かとなって、違う人生の一部を経験する。なった誰かの感情と共に。そしてその夢は、嫌に鮮明に、必ず完結して終わる。
そのおかげで、俺はまるで自らが体験したように、綿密な話が書ける。不思議と夢を忘れることはなく、内容によっては自ら夢を捨て、今朝のように半ば不快感を持って目覚める。そして、その夢の記憶はじきに消える。
そうして俺は眠り、夢を見て、出てくる彼らの物語を文字に認めて、満たされず空虚な、平々凡々な自分の人生を今日も狂気で彩る。
ある日偶然君の皮膚片を食べた時、世界にはこんなにも美味しいものがあったのかと感嘆し、感動のあまり失禁したことを思い出した。
目が覚めた瞬間、これよりいい書き出しは無い、と思った。思考は溶けた飴のように彼のものと入り混じっていて、はっきりと覚醒はしない。恐らく、俺の思考は殆ど死んでいるんだろう。今こうして無心で手を動かしているのは、確かに生きていた彼だ。口内には口にしたこともない見知らぬ女の皮膚片の味がこびりついて、舌の上がまだぬるぬると滑る感覚、しょっぱい味が残っていた。食べたことのない味。ああ、書かないと、無心で筆を走らせる。書く瞬間、俺は俺でなくなり、彼が俺を使って脳を動かしているような感覚に陥る。戻ってこられなくてもいい、そのまま彼に身体を明け渡しても後悔なぞしない。と、俺は諦め身体の主導権を彼らに手渡している。
ふと気が付いたときには、もう小説は書き上がっていた。軽く誤字を確認して、小説掲載サイトにそれを載せる。人からの反応はない。別に必要はない。
サイトを閉じ、ツイッターを開く。現れたアカウントでただ一人フォローする彼女のアイコンを見て、そしてDMを開いて、青い吹き出しが羅列される様をざっと見て、心が幸せに満たされていくのを感じる。じわり、と湧き出たのは、愛情と、快楽と、寂しさと、色々が入り混じったビー玉みたいな感情だった。
彼女は、ネットの中に存在する、美しく気高く、皆から好かれている人気者。そんなのは
建前だ。彼女は、まさしく、
「おれの、かみさま。」
そう呟いて画面をなぞる。ホワンと輪郭がぼやけたケーキをアイコンにしているあたり、ここ最近どこかへケーキを食べに行ったのかもしれない。俺が彼女について知ってることは、声を聞く限り恐らく女性で、恐らく俺よりも歳が下で、俺のことなど認知すらしていない、ということだ。
別に悲しくなんてない。彼女はただここにいて、俺に愛されていてくれれば、それでいい。拒絶されない限り、俺の幸せは続く。好きだ、好きだ、今日も彼女が好きだ。
彼女のツイートは食べたスイーツのこと、日常のほんの些細ないいこと、天気のこと、そんなささやかな幸せに溢れた温かいものばかり。遡る度、何度見ても心が溶かされていく。
どこで何をしているのか、どんな服を着て誰と笑うのか、そんなのは知らない。どうでもいい。得られないものを欲しがるほど俺は子供じゃない。そばで幸せを共有したいなど、贅沢が過ぎて口にした日には舌でも焼かれそうだ。
『今日も、好きだよ。』
また一つ増えた青い吹き出しをなぞり、俺は不快感に包まれる頭を振り、進めかけていたゲームの電源を入れた。時刻は午後の2時。窓の外では蝉がけたゝましく鳴いており、心の底から交尾を渇望しているらしかった。
触れ合えないことを、惜しいと思わない日はない。彼女の柔肌に触れて、身体を揺さぶって一つになることが、もし出来るのなら、俺は迷わず彼女を抱くだろう。幾度となくそんな妄想で、彼女を汚してきた。俺の狭い部屋のベッドの上で、服を雑に脱ぎ散らかし、クーラーでは追い払い切れない夏の湿気と熱気を纏った彼女が、俺の上で淫らに踊る様を、何度想像したか分からない。その度に俺は右手を汚し、彼女への罪悪感で希死念慮が頭を擡げ、そしてそんな現実から逃げるように夢を伴う惰眠を貪る。
彼女を幸せにしたいのか、彼女と共に幸せになりたいのか、彼女で幸せになりたいのか、まるで分からない。分からない、と、考えることを放棄する俺の脳には、休まる時はない。
俺の中の彼女は最早、彼女本人からはかけ離れているのかもしれない。俺が見る夢の種類は大まかに分けて二つ、目を覆いたくなるような凄惨な感情の入り混じるものと、急に凪になった海をただ眺めているような穏やかなもの。後者に出会った時、俺は必ずと言っていいほど相手の人格を彼女に当てはめる。彼女は右利きで、俺の左に立つのが好きだ。彼女は甘党で、紅茶に詳しくダージリンが特に好み。彼女は子供が好きで、時折自身も無邪気に遊びまわる。彼女は、彼女は、彼女は。どれも、ツイートからじゃ何も読み取れない、俺が付与した彼女のあるべき姿だ。起きて、文章を仕上げて、そして心には虚しい以外の感情が浮かばない。
分かりやすく言うなら、花を育てる感覚に似ている。水を注ぎ、栄養をたっぷり与え、日の光と風を全身に浴びさせて、俺が花から得る物理的なものは何もない。花の子孫繁栄の手助けとしてコマとなり動いたに過ぎない。花側から見ても、ただ育った環境が良かったという認識にしかならないだろう。それでいい。俺はただ目の前で、花が咲くのを見られたらそれで良かった。植物と違って人間は枯れない。根腐れもしない。メリットがあれば、大切に大事に育てれば、半永久的に、花を咲かせ続けてくれる。これほど幸せなことはないだろう。自らの手で育つ様を、永遠に見られるなんて。
ああ、今日も彼女が好きだ。
恋は病気で愛は狂気。言い得て妙だ。病気、狂気、これはまさしく狂気だろう。まごうことなき、彼女への愛なのだから。世間で言う正しい愛じゃないことくらい、まだ正気を保ってる俺の脳は理解してる。が、正しさが必ずしも人を幸せにするわけではない。しかし、正しくない、道が外れている、本当の愛ではない、そう声高に叫ぶ内なる自分がいるのも確かで、結局俺は世間よりも何よりも、俺に足を引っ張られて前に進めないまま、深く深く沈んでいく。ただ一つ言えるのは、どんな形であれ、俺が彼女に向ける愛は狂気であり、すなわちそれが愛ということだ。
純粋な愛からなる狂気ならどれほど良かっただろう、と、目覚めた瞬間トイレに駆け込み僅かばかりの胃液を吐き出しながら考えていた。つい先日の思考を巻き戻して、何処かに齟齬があったかと必死に辿るが吐き気に消されて頭の中が黒に塗り潰される。
違和感を感じたのは夢が始まってすぐのことだった。視界が、進み方が、現実と大差ない。変だ。いつもなら若干の浮遊感から始まる夢が、地に足ついた感覚で、見える手や腕も自身のもので恐らく間違いない。なぜだ。初めてのパターンに内心は動揺しているが、夢の中の俺は平然としている。俺は黙々と愛車を運転し、車は山道を奥へ奥へと進んでいく。ガタゴトと揺れる車に酔いそうになりながらも、ナビを切りただ道なりに進んで、そして暫くしてから、脇道へと入った。脇道といっても草は生え放題、道未満のその木のないエリアを少し走ってから車を止めた俺は、車内のライトをつけ、行儀悪く身を乗り出して後方座席へ移動し、転がっていた黒い巨大なビニール袋を破いた。
キツく縛られまるで芋虫のような姿で袋から出てきたのは、紛れもない、何度夢想したかわからない、愛おしい彼女だった。俺は、彼女の着ている薄いワンピースの感触を楽しむように掌で撫で、身体のラインを触れて覚えていく。凹凸、滑らかな生肌を想像しながら身体を撫で回し、スカートの裾を少しずつたくし上げていく。彼女が噛んでいる猿轡には血が滲んでおり、嫌々、と首を振っては綺麗な涙をぱたぱた散らす。そのリスのような丸い目に映る俺はきっと、この世の誰よりも恐ろしい化け物に見えているだろう。身体を暴く手は止まらない。胸を、局部を、全てあらわにし、下着を一度抱きしめてから破り捨てる。そして、現れた汚れなき場所へ、手を、口を寄せ、そして、俺は、彼女と、一つになった。頭の中が気持ちいい、暖かい、柔らかい、という白痴のような感想で埋め尽くされる。彼女に埋まった俺の身体の一部が溶けてしまう、気持ち良さで脳が溶けてしまう、身体の境界も全て失ってただ善がる概念になってしまう。ああ、ああ、と、感嘆する声が漏れて、俺は目の前の柔い身体を撫で回し、噛み、舐めしゃぶり、全身で味わった。涎が溢れて止まらない。彼女の柔らかい腹にぼたぼたと泡混じりで落ち溜まっていく。鼓膜に己の荒い呼吸音だけが響いて、車外の虫の声も彼女の呻き声も、何も聞こえない。ただただ車はギシギシと揺れ、彼女の目尻から絶えることなく涙が溢れて、俺の心から絶えることなく多幸感が溢れて、彼女の中に彼女と俺が混ざり合った生き物の種が植え付けられた。
死んだと見間違う目をした彼女へ、俺は口を寄せて一言、囁く。
『今日も、好きだよ。』
そこで目が覚めた。
吐くものが無くなってもまだ喉がひくりひくりと痙攣していた。苦しい。買い溜めしておいた水の段ボールを引き寄せて、無造作に掴んだ一本を雑に開け胃へと流し込む。零れた水が首を伝ってTシャツを濡らした。ぜえぜえと喉が鳴る。頭を振り払って、絞り出した声は驚くほど情けないものだった。
「そんな、はずはない、あんなの、俺じゃ、俺じゃない、っ、ぅ...」
逆流する胃液に応戦するように水を飲む。喋ると逆効果なのは分かっているのに、誰に主張したいのか、言葉は止まらない。今話しているのは俺か、誰か、分からない。
「俺はそんなこと望んでない!!!!っ、くそ、ふざけんな...っ、クソ...」
込み上げた涙は悔しさ故。浅ましい己の脳がどうにも恥ずかしく、憎らしく、それに縋って自尊心を保っていた己が卑しく、そして何よりも己の夢の特性に殺意が湧いた。
一度、目を覆っても嫌になるような凄惨な夢を見た。それは、簡単に言えば理不尽な男がバールで一家をぐちゃぐちゃに叩き潰す話だった。書くべきなのか、と筆が止まり、彼の人格を放置したまま俺は1日過ごして眠り、そして、同じ夢を見た。次の日も、次の日も、むせ返るような血の匂いと足を動かすたびにびちゃりと鳴る足音と、頭部を殴った拍子に転がり落ちた眼球を踏んだ足裏の感触と、その後彼の同居人が作ったハンバーグの味が消えないまま1週間が経ち、俺は書かなければ夢に殺されると自覚して、筆を取った。
夢を使って自分を満たす以上、逃げることは許されない、ということか。忌々しい。まだ治らない吐き気に口元を押さえ、放り投げていたスマートフォンを手に取った。仕事を休んでも夢に囚われ続ける。ならば、書くしかない。時刻は朝の4時半過ぎを指し示していた。
そして、彼女を好き放題貪った話がスマートフォンの中に出来上がった。満員電車で誤字チェックをすると、周りの乗客の視線がこちらに向いている気がした。フラフラするが、仕事からは逃げられない。あの夢も、俺の偽物もこれで消えた。今日は眠れる。
楽観視、だったんだろう。巣食う闇の深さは思った以上だった。俺は翌日も吐き気で目覚めトイレに駆け込み、脳内をぐるぐると駆け回る、四肢に残る彼女の感触と、膣内の締め付けと湿り気、背中に走る絶頂感と共に噛みちぎった喉笛のコリコリとした食感、口に溢れる鉄臭い鮮血の味、そして、恍惚とした表情で俺に抱かれたまま絶命した彼女の顔を、振り解いて捨てようとしては目眩に襲われた。
「分かった、書くから、分かったから...俺じゃない、あれは俺じゃない、俺の皮を被った偽物だ、」
彼女の夢を見始めてから、ツイッターを覗かなくなった。
彼女は、毎日俺の夢に出てくるようになった。最悪の気分で夢に無理矢理起こされ、時折吐いて、震える手でなんとか夢を文字で起こして、溜まっていくそれらはメモを圧迫していく。救えない。先が見えない。
そして夢で彼女を殺し始めてから、今日で3日が経った。もう、うなされることも跳ね起きることもない。静かに目を開けて、見慣れた天井を認識して、重い胃を抑えて起きるだけだ。よくもまああんなに楽しんで殺せるもんだ。と、夢の内容を反芻する。
彼女の膨らんでいた乳房も腹も尻も太ももも、鋭利なサバイバルナイフでさっくりと切り取られていた。カケラはそこかしこに散らばって、手の中には乳房があった。俺は生暖かい開かれた彼女の腹に手を探り入れて、挿入していた愚息を膣と、そしてその先に付いた子宮の上から握りしめた。ないはずの脈動を掌で感じるのは、そこが、命を育む大切な部屋だから、だろうか。暖かい、俺の作られた場所。彼女の作られた場所。人間が、人間になる場所。ああ、気持ちいい。無心で腰を動かせばがくがく揺れる彼女の少ない肉が、小さく蠢いているように見えた。動きがてら肋骨あたりを弄れば、つまみ上げた指の間で蛆虫がのたうち回っている。気味が悪い、と挟み殺して、彼女の内臓に蛆虫の体液をなすりつけた。目線を彼女の顔までやって、いや、そういえば頭は初日に落としたんだった、と、ベッド脇の机に鎮座した彼女を見遣る。目線を腹に戻す。食いちぎったであろう子宮の傷口からは血と、白濁の体液が流れ出て腹膜を彩っていた。芸術には疎いが、美しいと感じる色彩。背筋に快楽が走る。何時間でもこうしていられる。ああ、ああ、嗚呼......
こんなはずじゃなかった。彼女と見る夢はもっと暖かくて、綺麗で、色とりどりで、こんな狭い部屋で血肉に塗れた夢じゃなかったはずだ。どこで何を、どう間違えたのか、もはや何も分からない。分からないまま、夢に囚われ、俺は今日も指を動かすんだろう。
スマートフォンを握った瞬間、部屋のチャイムが鳴った。なんだ、休日のこんな朝早くに。宅配か?時計を見て顔を顰め、無視の体勢に入ろうとした俺をチャイムの連打が邪魔してきて更に苛立ちが増す。仕方なく、身体を起こして彼女の眠るベッドから降りた。
床に降り立つ足裏に触れる無数の蠅の死骸の感触が気持ち悪い。窓は閉め切っているのに片付けても片付けても湧いてくるのはなぜなんだろう。追い討ちをかけるように電子音が鳴り響く。休日にも関わらずベッド脇の机に鎮座し勘違いでアラームを鳴らす電波時計にも腹が立つ。薙ぎ払えば一緒に首まで落ちて気分は最悪だ。クソ、クソクソクソ。ただでさえ変な夢を見て気分が悪いのに。鳴り止まないチャイム。煩いな、出るよ、出るっつってんだろ。俺は仕��なく、着の身着のままで玄関のドアを開けた。
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sonezaki13 · 4 years
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※高2の時に書いた作品です。
リメイク版作成にあたりオリジナルをほぼそのままあげます。誤用、文章作法誤りそのままです。
しとしと降る雨のリズム(後編)
―…鞄の中にクラスの給食の残飯をつめこまれたせいで、その次の日から、絵美の鞄は新しくなっていた。それでも、やっぱりクマはついていた。
朝休み、浅賀は突然、席に座っていた絵美の目の前に自分の手をつき出した。
「見て。コレ。」
浅賀の手は絆創膏だらけだった。
「昨日あんたが私の手の平掴んだ時に、あんたの爪で引っかかれたんだけど。」
引っかかれただけで、そんな傷になるはずがない。まして、昨日、絵美は反論すらしていないし、絵美の給食袋を奪っていた浅賀の方が悪いのは確実だ。
あまりのわざとらしさに、こっちが浅賀を嘲笑してやりたくなった。
でも、もちろんそんな幼稚なことはしない。そんなことをして何になる?
このゲームにはこのゲームの常識があって、社会だとか道徳的な常識と言うものは存在しない。そんなことはわかっている。
そんなことは当たり前なのだ。
じゃあ、一体僕はどうすればいいのだろう?
「あんたってホントすぐムキになるから。中2にもなって何歳児のつもり?ちょっとは考えて行動したら?」
絵美はそう言われると、小さくうなずいた。顔はうつむき気味でよく見えなかったが、怯えているのはすぐにわかった。
「じゃあさ、今日ちょっと放課後付き合ってよ。怪我させたお礼として。謝罪の機会をあげる。」
浅賀は嫌らしい笑みを浮かべている。
あぁ、また絵美は酷い目に合わされるみたいだ。
そんな今始まったことではないようなことを今更考えると、胸がかきむしられるように熱くて、全てを、胃の中も胃も腸も肝臓も肺も心臓もこの罪悪感も迫ってくる虚無感も、みんなみんな吐き出してしまいたいと思った。
そして、そのくせ僕は黙って見ているだけの傍観者であり続けた。
―…放課後、しとしとと降り始めた雨に気付き、僕は折り畳み傘を探したが見つからず、近くのコンビ二の屋根の下へ雨宿りに入った。
どうやら通り雨のようで、雨はすぐに大粒に変わり、僕の視界に薄い白いカーテンをかけた。
冷たい空気が僕の指先から侵食してくる。
このまま凍ってしまえばいいのに。そして次に目を覚ました時には今とは全てが違う風景が広がっていて、こんな自分ではない人間でありたい。
そんなことを微かに期待して静かに目を閉じて、そっと目を開けてみた。
けれど、もちろん、そこにあるのは相変わらず降り注ぐ雨とコンビニの屋根の下でただ一人で雨宿りをしている、無様な少女だった。
ふと、何かこの目の前の世界とは異質なものが、僕の視界に入ってくるのを感じた。
そこにいたのは絵美だった。この上なくぼろぼろの絵美だった。
黒く変色した制服。傘も差さず雨に打たれて、寒そうに震えている。そして、本当にゆっくりゆっくりと一歩ずつ弱々しい足取りで歩いている。
「絵美!」
僕は名前を呼びながら手招きをした。
いてもたってもいられないのに、僕はコンビニの屋根の下から飛び出すことはできなかった。
絵美は僕に気付くと澄んだ、眼で僕をじっと見つめた。
泣いているのかは雨のせいでわからなかった。
絵美はゆっくりと僕の隣にやってきて、倒れこむようにコンビニの壁にもたれかかった。
「どうしたの?」
絵美はしばらくぼーっとしていたが、うつむいて答えた。
「別に、大丈夫だよ。」
そして、小さい体をぶるっと震わせて呼吸を置いてもう一言言った。それが寒さのせいか、恐怖のせいかはわからない。
「冬のプールは寒いなぁって思った。それだけ。」
どうして絵美はこんな目にあってるんだろう。何が原因だったのだろう。どうしてあんなゲームが始まったのだろう。
わからない。いくら考えても答えは出ない。
「そんな…」
何か言おうとするのに、言葉が出ない。こんなことですら気の効いたことの一つも言えない。言いたいのに、言わなくちゃいけないのに、言葉はバラバラになって不規則に宙をくるくると回っていた。
「私は大丈夫だよ。だから気にしないで。」
そう言った絵美の笑顔は寂しくて儚くて。ガラスのように澄んだ存在のは少し触れただけで壊れてしまいそうで。それがなんだか、悲しくて苦しくて。
僕はどうしたらいいんだろうか。
「あのさ…」
僕はいつの間にか泣きそうな声になっていた。
「痛かったら痛いって言ってもいいし、辛かったら辛いって言ってもいいし、苦しかったら苦しいって言ってもいい。だからさ、我慢なんてする必要ないんだよ。それだけ。」
自分でも何が言いたいのかわからないけれど、僕はそう言って、まだやまない雨を見た。気がつけば、今にも泣き出しそうになっていた。
絵美は暖かく微笑んで、僕を見ていた。
―…「中澤の机くっせぇ。」
廊下は狂った笑い声であふれていた。
「ってか中澤も臭いし。何そのニオイ。」
わかっているくせにわざとそう言って、下卑た笑いが起こる。そして何人かはうつむいて聞かないふり、見ないふりをする。
ちょっとぉ私アイツの近くの席なんだけど~ってか待ってよ教室中臭いしオレの席なんてすでに臭くて戻れねえようっわ授業中なんて耐えれないってどうしようそれを言うならアタシもだよホントいい迷惑だってばアイツウザすぎだよホント目障り消えろよこんなんじゃ教室に入れねえよアイツクラス中に迷惑かけてることわかってんのか
入り混じるざわめき。
絵美の机に大量にまかれた腐った給食は激しい異臭を発し、クラスメイトは全員廊下に避難していた。
雑巾を持った絵美が水道から教室へ向かうと、必要以上の幅の人の道が開いた。
人ごみの中で少しだけ見えた絵美は、強がった歩き方で、誰もいない教室へ入っていった。
広い教室の中で絵美がポツンと、教室の窓際の席で四つんばいになって、腐った給食を拭いている。
そんな様子を見て、また嘲笑が起こる。笑うようなことじゃないのに。
目を背けながらも、心配そうにしている奴だって結局は何もしない。僕も同じことだが。
牛乳を拭き取ると、絵美はまた雑巾を洗って、廊下の開けられた窓にかけた。
そして、強がった表情で自分の席に戻り、ただぼんやりと窓の外を眺めていた。
相変わらず廊下の群集は教室に入ろうとしない。
広い教室の隅で、壊れそうなぐらいに透き通った絵美が窓の外を眺めている風景はなんだか現実感のない夢のようだった。
「まだ臭うし。アイツもっとちゃんと拭けよ。」
嫌そうな顔で、クラスメイトの1人が言う。そして、それに何人かが同調する。
「ホント、アイツは何一つちゃんとできないんだな。」
「だよね。雑巾がけすら出来ないなんて、本当に何もできないんだね。」
「ああいうのをダメっていうんだよ。」
「一生拭いとけって話。」
それが次第に大きくなって、単なるごちゃごちゃした規則性のないざわめきへと変化する。
ってかマジで学校来んなって感じホント消えろよアイツいるだけで空気悪くなること自覚してないんじゃないの同じ空気吸ってるてこと自体が気持ち悪い目障りだよね存在自体がウザイし
耳を塞ぎたかった。けれど、塞げなかった。これが現実だから。これが僕の言う平和だから。
これでいいの?ホントに?
僕は自問していた。
彼らはざわめき続ける。
あぁホントうぜぇさっさと死ねよそうだよ自殺でもすりゃいいんだよさっきから窓の外なんか見て飛び降りたいんじゃないの今すぐ飛び降りろよアイツがいなくなったらどんなに平和になるか全員に死んでわびろよあははホントそうだよねなんで死なないのかな誰か殺してよ~アイツだったら殺しても罪にならないって
本当に楽しそうに笑いあっているクラスメイト。
僕がいるのはこんな世界だってことぐらいとっくに知っていた。
だから、仕方ないんだ。世界を容認するしか世界で生きていくことはできないから。
そう、仕方ない。仕方ないことなんだ。
それなのに僕は手の平から血がにじむぐらい、拳を握り締めていた。
こんなことは今始まったことじゃない。前からだ。いつもと同じじゃないか。それなのにどうして今は、こんなに苦しい?
もはや虚無感は僕のすぐ後ろで、大きな口を開けて待っていた。
僕の中の足りない部分を求める心が激しく疼いていた。
どうしてどうして。ねぇどうして?
―…何とも形容しがたい鈍い音がして、僕はすぐ隣で絵美を嘲っていた男子の顔面を、きつく結んだ拳で殴りつけていた。
殴られた方も、殴った方も、お互い何が起こったのかすぐにわからなかったらしく、僕とそいつはしばらくそままじっとしていた。
廊下が一瞬にして静まり返っていた。
何があったのか。
あぁ、そうか。
僕は
破壊しなければならないんだ。
相手が反撃してくる前に、僕はもう何発か顔面を思いっきり殴った。
血。鮮やかな赤い血が手にべっとりとついていた。
僕の手の平から流れる血と相手の血がまざりあう。
息が苦しい。
僕は逃げ出そうとした女子を思い切り突き飛ばして、上靴で腹を何発か蹴った。
そこにためらいはなかった。
その後は構わず殴った。手当たり次第だった。浅賀も、その取り巻きも、絵美を嘲った他の奴も、単なる野次馬も、見ないフリをした奴も、聞かないフリをした奴も、止めに入った奴も、とにかく殴った。
殴った。血が出る。殴った。殴った。殴った。血が出る。殴った。血が出る。血が出る。
それは永久に続く繰り返しのように思えた。
骨と骨がぶつかって、手がじんじんと痛む。でも、そんなことはどうでもいい。例え手の骨が粉々になっても僕は殴る。
反撃されて床に叩きつけられた。血でぬめぬめとした廊下は鉄臭かったが、僕はゆっくりと息を吐いて起き上がると、また殴った。
今の僕は腕がもげても、足を失っても、目が潰れても、耳が聞こえなくなっても殴るだろう。
あぁ僕は、こんなことしかできない。理由もわからない。
でも、とにかく何かしなくちゃいけないのはわかっていた。僕にはしなくちゃいけないことがあった。
こんなことになったのは欠けている部分のせいなんだろうか。
いつの間にか迫っていた虚無感は消えていた。
しかし、僕はそれと一緒に欠けている部分がわからなくなるぐらい、自分自身をごっそり失ってしまった気がする。
何もかもがめちゃくちゃだ。
こんなはずじゃなかったのに。
僕は自分自身が人間なんかじゃなくて、「殴る」という概念そのものに思えた。
狂って壊れて殴り続けた。そうした所でどうにもならないことがわかっているのに、そうしなくちゃいけない気がして、殴り続けた。
「ゆいちゃん。」
どこからだろう。どこからだろう。
優しい声が聞こえた。
「やめてよ!ゆいちゃん!」
あんなに優しいのに泣きそうだ。泣きそうな声で僕を呼んでる。
行かなくちゃ。行かなくちゃいけない。だから止めないと。殴るのを止めないと。
胸の中で得体の知れない靄が立ち込めて、僕は自分がまっすぐ立っているのかすらわからなくなった。それなのに、殴るのはやめられない。
「ゆいちゃん!」
僕が殴ろうと振り上げた右手を、絵美が両手で握り締めていた。
絵美はなんだか泣きそうで、崩れてしまいそうで。
それを見ていると、なぜだか殴りたい衝動が引いていった。
絵美の手は温かくて、僕の血まみれの手を優しく覆っていた。
僕は…
「ごめん。ごめんね。」
ずっと言いたかったのはこんなにも短い簡単な言葉��、それがわかった瞬間、僕の空っぽの心はふんわりとした何かで満たされていた。
「ごめんね。」
なんだか僕まで泣きそうになっていた。
「大丈夫だよ。ここにいるから。」
絵美が優しく笑って言った。
それがじんわりと温かくて、なんだか嬉しくて、僕は絵美の手を握り返した。
だから、もう大丈夫だ。
【2020年の作者が読んで見つけた課題】
・文章作法を知らない。
・登場人物の人間性や悩み方、暴力描写が薄っぺらいので読者は置いてけぼり。大して辛くなさそうな登場人物たちとあまり痛くなさそうな暴力描写。
・主人公がクソ無神経なのになんか良い話みたいになってるし、自分がクソであることを理解してる上で大した葛藤もなく善人ぶった上に良い話っぽく終わってるのが謎。
・言葉を羅列したり、同じ単語を並べたりして、表現力のなさを誤魔化している。
・僕っ娘の百合と暴力と言わせたい台詞と書きたい場面と語感の良い「しとしと降る雨のリズム」というタイトルを全部詰め込んだのは良いが、どれも掘り下げが浅いため「とりあえず好きなものを全部入れました」感がすごい。いろいろシチュエーションに無理がある。
・当時友達数人からも「腐った給食はどうやって用意したのか」と言われたが本当にそう。
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tiiimov · 4 years
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「綺麗でもなくスタイルも良くない子は胃袋を掴むしかない」と言われているようで、それはつまり「あなた(男性)にとって都合良い女でいるから側にいさせて」というスタンスを強要させられているようで、嫌だった。
料理上手なフォーリンラブ♡バービーが「男の胃袋をつかみたくない」理由(バービー) | FRaU
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ecoamerica · 24 days
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youtube
Watch the American Climate Leadership Awards 2024 now: https://youtu.be/bWiW4Rp8vF0?feature=shared
The American Climate Leadership Awards 2024 broadcast recording is now available on ecoAmerica's YouTube channel for viewers to be inspired by active climate leaders. Watch to find out which finalist received the $50,000 grand prize! Hosted by Vanessa Hauc and featuring Bill McKibben and Katharine Hayhoe!
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4komasusume · 5 years
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胸に響くふたりの物語――黒麦はぢめ「ふたりが家族になるまでに」
 量産型砂ネズミです。現在の4コマ誌で一番攻めの姿勢を出してるのが「まんがタイムスペシャル」だと確信しています。綺羅星のごとく作品群からまた一つ傑作がコミック化の運びとなりました。
 6月7日発売になる黒麦はぢめさんの『ふたりが家族になるまでに』です。
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 黒麦はじめさんは『できれば俺が腕枕』を同誌で掲載後に続けて本作を連載開始しました。昨年はMAG Gardenの運営するMAGKANでストーリ作品の『夏のしるし』を発表しています。『できれば俺が腕枕』、『夏のしるし』ともに無料で読めるのでこの機会に読んでみてください。
・彼女、彼から目が離せない
 では、この作品の登場人物を紹介していきましょう。
あさひ
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 高校1年にして陸上部の次期エースと期待される選手です。負けん気が強く高いプライドを持つストイックな性格ですが、その反面自分の身の回りのことはお母さんに任せっきりで家事スキルは壊滅的。母子家庭である事を男子にからかわれた経験から男に対して警戒心が強く、後述するジローさんにも当初猜疑心がMAXでした。男性に対する警戒心の高さはあさひへの好意の感情を覆い隠してしまうというデメリットもあり、これに泣く男子が一名いたりします。
 ジローのことで感情を持て余し気味になるあさひですが、そのときに見せる表情がまた魅力的です。
ジロー
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 あさひの従兄妹で彼女の世話係としてやってきたアラサー男子。世話係としてのスキルは高く、家事全般に加え栄養士の資格を持つハイスペック青年。穏やかな空気をまとい誰に対してもフレンドリーで、ジローの周りには男女問わずに人が集まってきます。保護者としてあさひに対してきめ細やかな世話をするのですが、完璧すぎるジローの行動にはある問題を孕んでるのです。
 他にあさひの親友の菜摘、あさひに好意を向ける塚本、ジローの同僚篠原といったキャラクターが出てきます。このキャラクターたちとのドラマは二人一緒にいるときとは違うあさひとジローの魅力を見せてくれるのです。さらに黒麦はぢめさんは脇役にもかなりの力を入れていて、モブキャラと言っていい陸上部のメンバーにも役割が与えられていて、作品の華やかさに一役買っています。
・心の変化は家族へ至る道程である
 黒麦はぢめさんは心理描写が巧みでストーリーに説得力をもたせると同時に、読者がキャラクターへの思い入れを強くしていきます。
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 あさひのジローへの感情は「嫌」という身も蓋もないもの。これは男性が苦手なあさひからしてみれば従兄妹とはいえ一つ屋根の下で暮らすことへのストレートな気持ちです。
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 この拒絶感をねじ伏せるのがジローの家事スキル。10代の健康な胃袋を鷲掴みにして同居を既成事実にしてしまう。ジローの凄さもわかる演出も見事です。
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 同居生活が一月ほど経った頃になるとジローと交わしていた「ただいま」「おかえり」という挨拶をお母さんと一緒の頃はちゃんとしてなかったと気づき羞恥に悶ます。さらに一方的に世話をされる関係に変えようと行動を始めるのです。あさひはジローを鏡として自分を映し意識改革を始めるのと同時に常に人のために行動するジローの行動に疑問をいだきます。この2つを同時に描いている所が非常に秀逸です。
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 さらに陸上部の夏合宿で部員の食事を作ることから雑用まで進んで引き受けるジローの考え方に、あさひの胸に宿るもやもやは強くなります。ただまだあさひの中でこの事を言語化できていません。
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 そしてXデー。このシーンのあさひとジローの対象的な表情が二人が持つ「家族」という考え方に大きな溝があることを表しています。あさひはジローの「頼られたがり」の酷さがジローと対等の関係になれない原因であると友人に語り、ある決意を固め行動に移すのです。
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 あさひのこの力強い表情。クライマックスへの期待感を高めてくれます。
 ジローにより意識改革をしたあさひだからこそ、善意から来るとはいえ傲慢を含んだジローの酷さに気づくことができたのです。連載を追っているとこのあさひの心理描写にシビレます。
・全26話という構成の見事さ
 『ふたりが家族になるまでに』は1巻ではなく上巻です。黒麦はぢめさんはツイッターで全26話、上下巻での刊行を目指しているとツイートしています。4コマ作品ではかなり珍しい連載の仕方ですね。最初から話数を決めておくとストーリー4コマでは大きな利点があります。ストーリーをクライマックスに合わせて盛り上げていくことです。
 上巻には1話から13話までが収録されています。その13話目で最大のカタルシスを提供することができるのです。先に語ったXデー後のあさひのジローに対する行動が13話目に当たるのですが、これが本当にお見事。読後の爽快感がたまりません。
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 さらに1話目のラストの4コマと対になるシーンが13話目にも描かれていて同じ言葉を使っているのに意味合いが大きく異なる演出となっているのも心憎いです。
 いささか世知辛い話になりますが、下巻が刊行されるのは上巻の売上次第とツイートもされています。上巻で終わらせないためにも応援していきたい所存です。
・4コマに吹く新風になれ
 今回は今年一番期待している『ふたりが家族になるまでに』を紹介しました。心理描写や構成以外にも注目する点が多々あります。非ワイド4コマですが背景の描き込みやモブキャラの配置をかなり大胆にしています。
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 陸上部の夏合宿の回がよく分かると思います。黒麦はぢめさん自身が4コマでできる限界ギリギリの密度で描いていると語って、その努力は作品の質に確かに反映しています。
 『ふたりが家族になるまでに』この作品が4コマに新しい風を吹かせてくれると大いに期待している作品です。
画像出典 pixivコミックス「ふたりが家族になるまでに」より第9話 1ページ 7ページ 第1話 3ページ 1ページ 第2話 7ページ 第3話 5ページ 第10話 8ページ 第12話 4ページ 7ページ 第9話 2ページ 掲載順 
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usickyou · 2 years
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Sugar.Bride.Strawberry.
(作品内に嘔吐表現があります。ご注意ください)
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 私はそれが嫌いだった。  その味が嫌いだった。風味も奥行きもなくただ甘いだけ、味蕾に触れることを想像するだけで吐き気をもよおす。その香りが嫌いだった。質の悪い油の焦げた匂い、煤の塊と少しも変わりはしない。かじる、咀嚼する、嚥下する、口の周りに半固形の糖が付着する下品な姿。意匠の欠片もない無為なデザイン。何枚何十枚と布を重ねても指先に残り続ける執拗な汚れ。辟易する。唾棄すべき、豚の餌にも劣るもの。一生私に近付けたくない。こんなものを好き好んで食べる人間は、どこか頭がおかしいのだろう。いや。間違いなく、そいつらは気が振れている。  つまり、私も同じ。  こんなものを買うために列を成して、キーキーと甲高い声を上げる女共は餌をねだる豚に見える。それが自分と同じ類に属する生物だと思うと、この場で命を絶ちたくすらなる。私のでなく、ここに並んだ全員。それで少しは、この世の中もマシになる。もしかしたら、この心も晴れるかもしれない。  店内へ進む。臓腑を揺さぶる悪臭に耐えながら、注文するものは決めて��た。ずっと前から、決まっていた。 「一番甘いものを」  聞き返した店員は、何を言っているのか理解できない、そんな顔をしている。言葉を理解することさえ難しいのか、しかし豚であればそれも仕方がない。 「世界で一番、甘いものを出しなさい」  怪訝そうな表情を飲み込んで、店員はディスプレイから商品を取り出す。どうやら、本当に私の気も振れているらしい。豚との意志疎通は成立し、手にした紙袋からはうんざりするほどの甘い香りが立ち昇る。店を出た時には、厚い雲の隙間から無遠慮な日が降っていた。約束の通り、雨は止んだ。空の流れを追う。腹立たしいことに、よく晴れた一日になりそうだった。  六月の太陽。祝福する声。ドレス、ドーナツ。あの子の好きなもの。私が嫌うもの。  こんな日に旅立つ、それほどの不運はない。  心から、思う。
 *
「……来てくれたんだあ!」その声は、あの頃と違う音色で私を迎え入れる。自制を知らなかった唇も、その姿に似合う立ち居振る舞いを覚えたようだった。「時子さん」 「法子。様を忘れてるわよ」 「嬉しいよ、時子様」 「光栄に思うことね」  お前は家族やスタッフ、そういった連中を控室から追い出して、私と向き合う。その表情、体つき、佇まい。そういうものも、随分と変わっていた。「ね、私きれいになったでしょ?」  お前は笑う。十年が経ち、子供が大人になろうと、笑い方だけはあの頃と同じだった。  私は笑う。嘲笑を、する。「いいえ。少しも変わらないわ」 「むー、絶対褒めてくれるって思ってたのにー」 「そういう言葉は、マシな衣装に替えてから言いなさい」ドレスには、お前の好きな淡いピンクの色。雨傘の形に広がる裾には、ドーナツの飾りが二つ、空気も読まずに貼り付いている。「十年前の方が、まだマシよ」 「ね、楽しかったよね」 「は? どこが」 「毎日、夢みたいだったよね」 「悪い夢ね」お前を置いて、私は続ける。「これを、あげるわ」  膨らませていた頬を途端に崩して、お前はまた笑う。それは反射なのだろう。思考の介在しない、全く人間からかけ離れた行為。「ドーナツだあ!」 「ありがたく受け取ることね」纏ったドレスと同じ、ピンク色。小麦や卵、ミルク、油、べっとりと指先を汚すストロベリーシュガーのコーティング。全てが質の悪いもの。お前の、大好きなもの。「残さず、食べなさい」 「うん、でもメイクしちゃったのになあ」 「何度でもさせればいいわ」 「あはは、そうだね。時子さんの命令だもん」 「様」 「じゃあ、いただきます」お前はそう言って、私が掴んだドーナツをそのまま口にする。一口かじり、咀嚼し、嚥下する。飲み込んで、もう一口。信じられないという表情で、お前はささやく。「嬉しいなあ。幸せだなあ。時子さんとドーナツが、お祝いしてくれるなんて」私の知らない、法子がそこにいる。 「……そのまま全部食べるつもり?」 「だめ?」 「受け取りなさい」 「メイクさんに、謝らなきゃ」 「私から言っておくわ」 「お手柔らかにね」 「ええ、よく言い聞かせておく」私は立ち上がる。紙袋を捨て軽くなった脚で、扉へ向かう。「じゃあね、法子」 「待って、時子さん」お前は、私を引き留める。その目は、不安気に私を見上げている。「見ていって……くれるよね?」 「本当に、物覚えの悪い子」私は答える。「手塩にかけた子豚の出荷よ。見送るのが、飼い主の義務でしょう」 「……よかったあ」お前は、少し目に涙を浮かべて、それでも笑っている。安堵と共にかじられたドーナツは、今、お前の口と同じ形をしている。「ね、歌ってくれるよね。式で、みんなに歌ってもらうんだ」 「何を歌わせるつもり?」 「ふふ、ないしょだよ」 「……いいわ、特別に許してあげる」 「すごい、私も張り切らなきゃ」 「じゃあね、法子」 「うん、またね」  扉に手をかけた、私をお前はもう一度だけ呼んだ。「時子さん。そのドレス、すごく綺麗だよ」  私も一度だけ振り返り、答える。「当然でしょう」  そうして扉を閉じると、私は来た道を辿った。披露宴会場へ続く階段を登ることなく、降りていく。振り返ることは一度もなく、後ろ髪を引かれる想いもなく、しかし不意に行く先を豚の集団が塞いだ。思慮も配慮もなく、揃いの黒い衣装を纏って階段を塞ぐ、愚にもつかない連中。畜舎の光景のようだと思う。  苛立ちに爪を噛む、それは私の癖だった。  私は忘れていた。気付いた瞬間には全てが手遅れで、指先に付着していたストロベリーシュガーのコーティングは口内から咽頭、鼻腔を伝わり、脳を攪拌する。振動は全身を、内側をかき乱し外側までを震わせて、私は豚の群れを掻き分けて階段を駆け下りる。歪んだ視界で表示を確かめて、人目をはばかることもできずに飛び込んだレストルーム。その個室の一番奥にひざまづいて、嘔吐をした。  胃が、食道が痙攣し、淡黄色の液体が便器の内側に吐き出される。立ち昇る酸の味、匂いが更なる嘔気を促し、際限なく続いていく。全てを吐き出しても、空えづきに涙や唾液を絞り出しても、終わらない。何も食べていないのに、嘔吐物の中には固形の物体が混じっている。それは、すり潰された内臓。そうでなければ、私を形づくる何か。きっと、大切なもの。  誰もが、それを持っている。私も法子も、豚でさえも変わりはしないと、私は知らなかった。いや、知っていたのかもしれない。しかし、信じることはできなかった。十年前の私はそう、きっと、今だって。  冷たい水が、全てを洗い流す。個室を後にして鏡の前、顔や首すじに飛び散った液体を拭き取った。ドレスについた染みは、ショールで覆い隠すより他なかった。そうしてから、指を洗い流す。丁寧に、丹念に、何度も何度も。二度と、触れてしまわないように。いっそ切り落としてしまおうかとも考えたが、刃物がないのでやめにした。  鏡には、やつれた頬や窪んだ目をした女が写っている。「さようなら」その女は、小さく口を開いた。「私のかわいい、ピンクの子豚」  そうして女は扉を開く。思い出したように振り返り、屑籠にハンカチを放り捨てた。  いつかその子から贈られたハンカチは、淡いピンクの色をしていた。
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 私を目覚めさせたのは、月の明かりだった。  私は、隣に眠るお前に気付く。決して起こしてしまわないよう、開きかけていたカーテンを閉じて、そっとベッドを抜け出した。  少し、肌寒い夜だった。不思議と目は冴えて、私はコーヒーをマグカップに注ぐ。丸い穴の空いたカップからコーヒーは全てこぼれ落ちて、私は舌打ちをする。お前の声が聞こえた気がして、しかしお前はベッドの中で安らかな寝息を立てていた。  みだれた毛布をかけなおして、その髪を撫でた。名前を呼んだ。眠る頬に、一度だけ唇で触れた。お前は決して、起きることはなかった。  静かにカーテンをくぐり、ベランダに踏み出す。寒いだろうと思っていた、風のない夜の空気は温かに体を包み込む。ひんやりと心地良い、手すりにもたれて空を見上げる。雲一つない空。星のまたたく夜。お前の好きなもの。私が嫌うもの。  夜空には、月が浮かんでいる。  穴の空いた、丸い月が浮かんでいる。
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confusekoenji · 4 years
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【2019ラスト】混乱vol.22は11/30
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次の「混乱」は、11/30(土)に忘年会スペシャルverで開催!
えー、BLACKSHEEPと被ってるじゃん!!!
というアナタ、すみません。こちらも夏から決めていたもので・・・、 COGEE先輩には昼の部に出演していただきます。 え、昼の部? そう、昼の部。
今回の混乱は久々の昼&夜の2部構成でやりまっす。
1、 東西女子による夢のキノコパーティー!
2、22時から本気とかいてマジの「混乱 VOL.22」
どちらも気になる豪華二本立て、詳しくは下記へ!
1、 東西女子による夢のキノコパーティー!
 と、書くと魔法の世界にいってしまいそうですが、 今回の混乱 昼の部は、インディーズFOODアーティストの紹介サイト
「WanderKicthen」 inYEALO!とコラボパーテ��ーを開催します。
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ずっと大好きだったのでうれしい! そしてゲストには、関西中のDJの胃袋を掴んでいる
女子2名のフードユニット”極楽肴nd”が 大阪から高円寺Ampcafeに初登場!
本当に旨いぞ~~ビビるぞ~~!
彼女たちは平日からすごいメンツで遊んでいるだけでなく
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台湾でもご飯をつくって、パーティーをオーガナイズして、
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阿波踊りで盛り上がる徳島でもパーティーをやって、 やっぱり・踊りは・やめられない、略してYOYなパーティーを
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徳島阿波踊りでは、極楽肴ndが 高円寺阿波踊りでは混乱がやったりして、 「いつか一緒になりたいね」といいながら 遠距離恋愛を楽しんできました。 そんな我らの極楽肴ndがWanderKitchenに~~♡ということで、 混乱DJsからは、COGEE&Sunnova&rinnnai&Thomyorkoの4人が登場。 Liveには、こちらも大阪から、 しこたま良いグルーヴをもつ青木拓人が、
そして昨年混乱を大混乱に陥れた まさかの、ほちぃ!KANABUNも大阪から、混乱に再降臨。
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725gohan / くいしんぼうシスターズ の 東京チームのキノコ飯もスーパー楽しみ。 店内は禁煙なので、キッズもWELCOME! 夜遊びはちょっと・・・という方、 食いしん坊な方、Ampcafeで会いましょう! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2019.11.30 テーマは”キノコ”のご飯パーティー WanderKitchen×混乱 16:00-22:00  at 高円寺ampcafe Live 青木拓人(fromOsaka) DJ COGEE,Sunnova,rinnai,thomyorko   Showtime KANABUN(fromOsaka) チャージはありませんが、 最初のドリンクのみ1杯700円いただきます。 フードは全品1皿500円 ▼さらなる詳細はこちら https://www.facebook.com/events/2149060208728387/ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ということで、昼から混乱全開。 そして22時からは、混乱vo.22へと続きます。
2、混乱vol.22 こちらもマジでマジで本気です。
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今年の3月から極楽肴ndのさなっぺと温めてきた
混乱に大阪の面白いやつみんな連れてきて 大忘年会しよう!企画
とうとう、念願叶い11月30日に22時からスタートします。
そう、大阪からゲストが来るのは、 昼の部だけじゃないんだよおおおおおおお!
大阪からのカッコよすぎるゲスト①  TECHNOMAN!
最近東京のDJからも「ヤバいよね!」という噂がメキメキ広がる彼ですが、まず、このアー写だけで100点。
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無論DJも独創的で唯一無二。 混乱のフロアーを縦横無尽に駆け回ってもらえること間違いなし。 事前に予習しておきたい!という真面目なあなたはコチラヨリ。 https://t.co/2jhSq7bP3B?amp=1
大阪からのカッコよすぎるゲスト②  Dig.Dug
Quietstorm、Igacorosassに続く混乱HIPHOPゲストvol.3!
今回は、大阪を拠点に活動する3peace Hip Hop band Dig.Dug とにかくこの1曲を聴いてから、この記事の先を読みましょう。
カッコいいんだから!
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VJは、混乱が誇るB-BOY NAZAが当日担当予定。
大阪からのカッコよすぎるゲスト③ doordoor
アゲてるばかりが関西じゃないのよ、 ってことでエレクトロニックでアンビエントなユニット doordoorも (おそらく)東京そして高円寺初LIVE!! doordoor どやどや つって 彼らの世界観にどっぷりハマりましょう。 VJのMasaya Inabaとの融合も非常に楽しみです。 //////// //////////////////////// //////////////////////// //////////////////////// //////////////// 2019.11.30 @Knock Koenji 混乱 vol.22 22:00- till late
Guest DJ TECHNOMAN(from Osaka)
Guest LIVE digdug(from Osaka) doordoor(from Osaka)
LIVE [f]ukui hiroaki
DJ Gnya Gnya Chirdren(Tha Zoro&FLAG) dj moss rinnai thomyorko VJ Inaba masaya NAZA
SHOP 喫茶しびれ maaai happy medical herb Tea!
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おもちがお休みなのは悲しいですが、 汗だくでフロアで踊っている姿は拝めるはず。
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そして、11月30日はBnA Hotel Koenjiにて 12月6日まで開催中、三角FRASCO研究所の Inaba Masaya+Yuki Okabeによる 保存展が開催中。 アートホテルのバーの空間を使ったインスタレーションは、 「え、なにここ。ネオ高円寺?」というくらい異空間。
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こちらもチェックしてくださいねー! 2019年最後の混乱は、 太陽のように明るい女性たちが終始遊んでいるハッピーさと、 Masaya Inabaによる映像のドープさと (今回のテーマはオレンジとグレーとのこと!) 高円寺と関西の似ているようで非なるグルーヴを ごっちゃごちゃにして朝まで遊びましょう。 お待ちしています!
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kkagneta2 · 5 years
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少女の館
グロ注意。その一は長身女性(巨大娘?)、その二は超乳娘、その三はふたなり娘。どの少女も怪力なことから察してください。
その一
 さて、皆様、お食事はお済みでしょうか? 何分、急でしたから、たいしたものを出せず、申し訳ございません。――ありがとうございます。そう言って頂けると、私としても大変嬉しく思います。やはり、あなた方は優しい、惜しいほどに優しいです。他意はございません。……
ええ、ええ、再会を祝して私もいただくことにしましょう。ですが、こうしていると、いくらでも時間が経ってしまいますから、話を戻すことにしまして、あの日以来、私の身に何が起きたのか、約束通り語ることにしましょう。
まずは自己紹介から初めたいと思います。――左様、左様、必要ないとは私も理解しておりますが、今の身分を語っておきたいのです。――ええ、名前は今も変わっておりません、○○と申します。ですが職業の方は変わっておりまして、今はこちらの館、……あなた方が迷い込んだこの屋敷で、いわゆる中世ヨーロッパのような執事を生業としております。昔は別の館に仕えていたのですが、その時の名残と言いますか、性に合っていたと言いますか、あの館を後にしてもこうして執事業を続けておりまして、その時の主人が厳格なものでしたから、すっかり口調なども変わってしまいました。――ええ、そうです、その通りです。その「別の館」というのが問題だったのです。
冷静になってみれば、かなりおかしな館でした。あの日、死に場所を探し求めて見つけてしまったそれは、山の中にひっそりと佇むお城のような洋館で、壁一つとっても、窓一つとっても、作りが華々しく、ここ日本には全く似合わない雰囲気を辺り一帯に振りまいていました。中からはところどころ光が漏れていまして、誰かがいらっしゃるのは間違いないようです。
死が間近にせまっていた私には、その暖かい光は途方もなく魅力的に見えました。呼び鈴も何も無かったため、思い切って正面にある大きなエントランスをくぐって中に入りますと、……様子は思い思いご想像していただきたいのですが、私の印象としましては、「とてつもなく広い」の一言でしょう。その時、声が聞こえたような気がして、吸い寄せられるようにして扉をくぐり、廊下を歩き、階段を登りして、たどり着いたところは、食堂のようです。中では5人のご主人様、……まだ幼さの残る美しいお顔立ちでいらっしゃいます5人の少女たちが、一堂に会して食事をお取りになっておいででした。
「こっちにおいで」
と言われた私は、その中の一人の元へ歩いて行きます。しかし、その時私はあることにようやく気づいて、歩みを止めそうになりました。……中にある家具が全て巨大なのです。後ろにある扉も巨大であれば、テーブルも、椅子も、人が使うにしては大きすぎました。テーブルは立った私の首元にまで届き、椅子は私の股の部分に座面が来ています。その座面というのも広く、机と言われても何も不思議ではありません。机に置いてあるお皿や、スプーンや、フォークと言った食器類すらも、常識では考えられないほど大きい。……
が、ご主人様たち、……少女たちはそんな椅子に足をつけて座り、そんな机の上にあるご馳走を上品な手付きで召し上がっていらっしゃいます。先程私をお呼びしたご主人様の前にたどり着いた時、私は心底恐怖を抱きました。彼女の目線は座���た状態で私より上、肩幅は広く、腕は太く、胸は大きく、むっちりとした太ももは私の胴体とそれほど変わりません。動きに合わせて躍動する筋肉は、ご主人様の顔からは全く想像できないほどたくましく、かと言って女性らしいしなやかさは失っておらず、たいへん魅力的でございます。
「食べる?」
と彼女はおっしゃって、肉の一欠片を差し出しました。私は無礼にもご主人様のお召し物をいただきました。ほどよい塩加減と、濃厚な肉の香りと、舌から伝わってくる途方もない熱量、……これほどまで美味な食べ物はこの世には無いでしょう。空腹に耐えかねて水でごまかし続けた私の胃袋は、たったそれだけで満たされてしまいました。
それからしばらく、面白がって同じことをなさり初めた他のご主人様からもお召し物をいただき続け、食事が終わった頃合いにはすっかり生気を取り戻したような気がします。にっこりと微笑むご主人様の視線を受けながら、床に置かれた水を這いつくばって飲み干しました。見上げると、彼女は慈しみに富んだ目で私を見下ろして来ておりました。
「もう飲んだの? えらいえらい。じゃあ、早速、最初の仕事、お願いしちゃおうかな。でも、その前に自己紹介しようね」
と言って、他のご主人様をお呼びになる。
「みんなー、おもちゃがやってきたよー」
「あゆみちゃん、おもちゃって言ったらダメですよ。ちゃんと執事って呼ばないと」
と、一人の大人しそうなご主人様が言う。
「あー、はいはい。ほら、執事くん? お姉ちゃんの膝においで」
ご主人様の手が伸びて来ました。私の顔を簡単に包めるほど大きなその手は、そっと脇の下に入ってくると、ひょいと私の体を持ち上げ、恐怖を感じる暇もなく膝の上にストンと下ろします。私は背中に押し付けられた、ご主人様の豊かな胸元を感じながら、足をぶらぶらと宙に浮かせつつ、彼女の膝の上に座らせていただく状態になりました。……いえ、座るというのではもはやありません。私の下半身はご主人様の太ももと太ももの間にすっぽりと収まり、私の上半身はご主人様の上半身と一体になってしまいました。
「キャハハハハ、かわいい!!!」
「キョロキョロしちゃって、まぁ。……」
「ダメですよ、みんなそんなに見つめちゃ。……ほら、怖がってるじゃありませんか」
「ねー、ぼく? ぼくはどこから来たのかな? おなまえは?」
「あ、そうだそうだ。名前だ。執事くんの名前はなんて言うの?」
と上から声がかかったので、私は名前をご主人様たちに申し上げます。すると彼女たちもご自分の名前をおっしゃり初め、数々の質問を私になさりました。
「じゃあ、もう厨房の場所は分かってるよね? あなたの初めてのお仕事は、そこへ私たちのお皿を持っていくこと。それが終わったら小人、……じゃなかった。使用人用のお風呂で体を洗った後、疲れてるでしょうから、もう部屋で寝なさい。いいね?」
このとき、私はこの館の間取りを教わってはおりません。しかし、なぜか頭の中には次の目的地がしっかりと焼き付いておりました。私の体を床に下ろしになったご主人様は、自身の腰にも届いていない私を撫でると、
「おやすみ」
と一言だけおっしゃってから、あの巨大な扉を、頭をかがめてくぐって行きました。
こうして、私の執事生活は始まりました。ご主人様たちの失礼のないように気を張る必要はあったのですが、業務は単純、衣食住は完備されている、ご主人様たちは人間の二倍以上の体格だけども、極上の体つきと、極上の顔立ちと、極上の性格を誰もが兼ね備えていらっしゃり、そもそも館そのものが広くて快適でした。……第二の人生としてはこれほどない好待遇、私は奇跡を目の当たりにして、浮かれてしまっていました。
――ええ、終わったのです。私は恐怖のどん底に再び落ちることになりました。ある日、
「今日はお客さんがたくさん来るから、そのつもりで居てね!」
と声をかけらた私は、いつものように勝手に頭の中に入ってくる業務内容をこなし、おっしゃられた通り10人分の人間用の食事を作りました。程なくしてご主人様たちが賑やかになっておいでになると、エントランスの方で扉の開く音がします。
「あなたはこれから、あの小人、……じゃなかった。あの人達を食堂に案内しなさい。食べ終わったらホールの方へ連れて来るように」
と仰せられるので、私はその通り彼ら、……男ばかりでした。おそらく私のようにこの館に迷い込んだ人たちでしょう、数えてみるとぴったり10人でございまして、私は彼らに先程作った食事を提供した後、ご主人様たちがしばしばダンスを嗜んでいらっしゃるホールへ連れて行きました。
「ここから先は、執事くんにはきついよ? 本当に居るつもり?」
「お姉ちゃんと一緒に部屋まで行こう、ほら」
彼女たちはどういう訳か私を追い出そうとしていらっしゃいました。ですが怖いもの見たさと言いますか、私はここに残ることにしまして、ご主人様の許可を得てから、ホールの隅で静かにこれから起こることを見守ることにします。
結論から言えば、後悔しかありません。ご主人様たちは男たちを一列に並ばせて、こう言いました。
「突然だけど、これから虐殺を行いまーす」
可愛らしい声、狼狽える男たち、呆気に取られる私。ご主人様たちはのんびりと伸びをなさったり、楽しげな声でお喋りをなさったりして、男たちに近づいて行きます。自分の二倍以上ある少女を見て彼らは何を思ったのでしょう、恐れおののいたのでしょうか、それともまだあのお体を好きに出来ると期待していたのでしょうか。どちらにせよ、ご主人様のお言葉には嘘はありません。次の瞬間には、ダンスホールは地獄となっていました。
ある者はご主人様の脇に頭を挟まれてそのまま潰されてしまいました。
ある者はご主人様の太ももに挟まれて上半身全てを失ってしまいました。
ある者はご主人様の手で頭を掴まれてトマトのように握りつぶされてしまいました。
ある者はご主人様のお腹に顔が潰れるほど押し付けられ、抱きしめられ、跡形もなく消えてしまいました。
ある者はご主人様の手に掴まれてバレーボールのように跳ね上げられた後、強烈なアタックで壁の染みとなってしまいました。
逃げる者を圧倒的な歩幅で詰め寄り、圧倒的に長い手で捕まえ、そして暴れまわってもがく者を宙吊りにしながら、うっとりとした顔でじっくり眺めてからあらゆる手を使って殺す。
「キャハハハハ!! それで抵抗のつもり? クソ雑魚ども、もっと力を入れろ!!」
と、髪をポニーテールにお纏めになったご主人様は、男をその巨大な足で踏んづけて、最後のもがきをお楽しみでいらっしゃいます。
「すみません、小人さん。でも、私たちこれをやめられないんです」
と、大人しそうなご主人様は男の腕を引き抜き、足を引き抜き、だるまにしてから、声ならざる声で雄叫びをあげる男に語りかけていらっしゃいます。
「ぼくはどう殺されたい? おっぱいがいい? それともおしりがいい? んー、おっぱいが好きそうだから窒息でいいかしら?」
と、一番年上に見えるご主人様が男の顔を胸の谷間の中へすっぽりと入れます。あまりの身長差に男の足はぶらぶらと宙に浮いて、激しく動いていますが、「あっ、……」とご主人様が言った時には、事切れたように揺れるだけになってしまいました。
私は目の前の光景を黙って見ているしかありませんでした。息すらも止めていたのかもしれません。少しでも動くとご主人様たちに感づかれて、あの男たちのようになってしまう、……そんな恐怖で全く体を動かすことが出来ないのです。が、同時に私の中である一種の感情が芽生えていました。それは、芸術品を見ているような、音楽を聞いているような、そんな口では上手く説明のできない何かでした。なぜそんな感情を抱いたのでしょうか。男を虐殺しているご主人様たちがあまりにも美しかったからでしょうか。それとも私の中で新たな性癖が生まれたからでしょうか。恍惚と男を嬲る彼女たちと同じように、私もまた、恍惚とした表情をしておりました。
ご主人様たちによる虐殺は、ものの5分もかからなかったような気がします。後に残ったのは、血だらけの彼女たちと、血だらけのダンスホールと、男たちの着ていた服のみ。この時聞いた、女性の甲高く色っぽい声は今でも突然思い出すことがあります。――ええ、そうなのです。ご主人様たちは男たちを虐殺することで、性的な欲求を満たしていらっしゃいます。およそ身長2.5メートルほどもある巨大な少女たちが、互いの股を弄り合い、エロティックな声で慰め合う光景は、誰しもが目を奪われるに違いありません。
私はこの時決断をしました。……この屋敷から逃げる、と。が、その代償に右足がもはや機能しなくなってしまいました。――ええ、そうです、この足はご主人様の太ももに挟まれたのです。まだ残っているのは、せめてもの慈悲で、どれほどご主人様が優しい人物でおありなのか、お分かりになりましょう。
さ、みなさん、もう一度再会を祝して、杯を交わしてはくれませんか。――ありがとうございます。
 と、男は足を引きずりながらテーブルに近づき、右手で杯を上げると、
「乾杯」
と歯の抜けた口で言った。
  その二
  さて、皆様、お食事はお済みでしょうか? 何分、急でしたから、たいしたものを出せず、申し訳ございません。――いえいえ、そんな���……恐縮でございます。ですがそう言って頂けると、大変嬉しく思います。やはり、あなた方は優しい、惜しいほどに優しいです。他意はございません。……
では、再会を祝して私もいただくことにしましょう。ですが、こうしていると、いくらでも時間が経ってしまいますから、話を戻すことにしまして、あの日以来、私の身に何が起きたのか、約束通り語ることにしましょう。
まずは自己紹介から初めたいと思います。――左様、左様、必要ないとは私も理解しておりますが、今の身分を語っておきたいのです。昔はあのような会社でパワハラに次ぐパワハラを受けておりましたが、今はこちらの館、……あなた方が迷い込んだこの屋敷で、いわゆる中世ヨーロッパのような執事を生業としております。と言っても、ほとんど家政婦のようなものですけど、とにかくご主人様曰く、執事だそうです。昔は別の館に仕えていたのですが、その時の名残と言いますか、性に合っていたと言いますか、あの館を後にしてもこうして執事業を続けておりまして、その時の主人が厳格なものでしたから、すっかり口調なども変わってしまいました。――ええ、かなり厳格でした。今は全然そうではないです。――そうです、その通りです。その「別の館」というのが問題だったのです。
冷静になってみれば、かなりおかしな館でした。あの日、死に場所を探し求めて見つけてしまったそれは、山の中にひっそりと佇むお城のような洋館で、壁一つとっても、窓一つとっても、作りが華々しく、ここ日本には全く似合わない雰囲気を辺り一帯に振りまいていました。中からはところどころ光が漏れていまして、誰かがいらっしゃるのは間違いないようです。――ええ、夜のことです。たしか、午後7時か、8時ほどでしたでしょうか。記憶が曖昧ではっきりとは申し上げられませんが、夜が更けつつある頃でした。
さて、話を戻しましょう。死が間近にせまっていた私には、その暖かい光は途方もなく魅力的に見えました。呼び鈴も何も無かったため、思い切って正面にある大きなエントランスをくぐって中に入りますと、……様子は思い思いご想像していただきたいのですが、私の印象としましては、「とてつもなく広い」の一言でしょう。その時、声が聞こえたような気がして、吸い寄せられるようにして扉をくぐり、廊下を歩き、階段を登りして、たどり着いたところは、浴室のようです。思い切って中に入りますと、5人のご主人様、……まだ幼さの残る美しいお顔立ちでいらっしゃいます5人の少女たちが、プールのような広い浴槽の中でゆったりと湯に浸っておいででした。
「服を脱いでこっちにおいで」
と言われた私は、何がなんだか分からないままに服を脱ぐと、浴室へ入って行きます。しかし、その時私はあることにようやく気づいて、歩みを止めそうになりました。……牛乳のような優しい匂いが浴室中に漂っているのです。膝を崩しそうになるほど強烈に匂ってくるその香りは、浴槽に近づけば近づくほど強くなっていくようでした。見ると浴槽の中には白骨の湯のように真っ白な何かで満たされ、トポトポと外へ流れ落ちています。足に流れついたそれは、ぬるぬると粘り気があります。そしてさらに気になったのは、彼女たちの前にある二つの丸みを帯びた、巨大な球体でございました。
呆気にとられる私をよそに、ご主人様たち、……少女たちはプカプカとその球体を浮き沈みなさりながら、惚けた顔でお湯に浸かっていらっしゃいます。先程私をお呼びしたご主人様の前にたどり着いた時、私は心底興奮しておりました。彼女の前にある球体は、彼女の肌と同じ色、同じ質感、そして手が触れる度に自由に変わるほどの柔らかさ、……間違いありません。球体のように見えた何かは、途方もなく大きな女性の乳房、つまりおっぱいでございます。小学生とも取れるご主人様の可愛らしいお顔からは決して想像は出来ないそのおっぱいは、少なく見積もっても直径2メートルほどもあり、浴槽の縁に柔らかく乗り上げています。
「舐める?」
と彼女はおっしゃって、人差し指を差し出しました。私は無礼にもご主人様の指に口を近づけて、猫のようにぺろりと舐めました。濃厚な味と、芳醇な香りと、なめらかな舌触り、……これほどまで美味な飲み物はこの世には無いでしょう。喉の渇きに耐えかねて木の実でごまかし続けた私の喉は、たったそれだけで潤されてしまいました。
それからしばらく、面白がって同じことをなさり始めた他のご主人様の指を舐め続け、彼女たちが満足された頃合いにはすっかり生気を取り戻したような気がします。にっこりと微笑むご主人様の視線を受けながら、まだ物足りない私は、浴室に流れ出たその白い液体を這いつくばって舐めました。見上げると、彼女は慈しみに富んだ目で私を見下ろして来ておりました。
「ふふ、満足した? よかったよかった。じゃあ、早速最初の仕事、お願いしちゃおうかな。でも、その前に自己紹介しようね」
と言って、他のご主人様をお呼びになる。
「みんなー、おもちゃがやってきたよー」
「あゆみちゃん、おもちゃって言ったらダメですよ。ちゃんと執事って呼ばないと」
と、一人の大人しそうなご主人様が言う。
「あー、はいはい。ほら、執事くん? お姉ちゃんのおっぱいにおいで」
ご主人様の手が伸びて来ました。女の子らしい小さくしなやかなその手は、そっと私の手を掴むと、信じられない力で一気に浴槽の方へ引き込み、私を胸元へ勢いよく倒れ込ませます。なんとか身を翻した私は、彼女の吐息を耳元に感じながら、とてつもなく柔らかいおっぱいに包んでいただく状態になりました。……本当に包まれておりました。顔こそは出ているものの、首から下は足先の方まで余すこと無くご主人様のおっぱいの感触が伝わってきております。
「キャハハハハ、かわいい!!!」
「惚けた顔をしちゃって、まぁ。……」
「ダメですよ、みんなそんなに見つめちゃ。……ほら、恥ずかしがってるじゃありませんか」
「ねー、ぼく? ぼくはどこから来たのかな? おなまえは?」
「あ、そうだそうだ。名前だ。執事くんの名前はなんて言うの?」
と背後から声がかかったので、私は名前をご主人様たちに申し上げます。すると彼女たちもご自分の名前をおっしゃり初め、数々の質問を私になさりました。
「じゃあ、もう掃除用具の場所は分かってるよね? あなたの初めてのお仕事は、この浴室を綺麗にすること。それが終わったら変態ども、……じゃなかった。使用人用の食堂で食事を取った後、疲れてるでしょうから、もう部屋で寝なさい。分かった?」
このとき、私はこの館の間取りを教わってはおりません。しかし、なぜか頭の中には次の目的地がしっかりと焼き付いておりました。私の体を谷間から引き抜いたご主人様は、ひどく惜しい顔をしている私の顔にキスをされると、
「おやすみ」
と一言だけおっしゃってから、扉におっぱいをめり込ませながら、浴室から出ていきました。
こうして、私の執事生活は始まりました。ご主人様たちの失礼のないように気を張る必要はあったし、彼女たちのブラジャーを洗うのは一筋縄ではいかなかったのですが、業務は単純、衣食住は完備されている、ご主人様たちは普通の女性の何百倍ものおっぱいを持っているけれども、何一つ不満をお漏らにならないほど心強く、私にお気遣いなさるほど優しく、私をドギマギなさるほど可愛くいらっしゃり、そもそも館そのものが広くて快適でした。……第二の人生としてはこれほどない好待遇、私は奇跡を目の当たりにして、浮かれてしまっていました。
――ええ、終わったのです。私は恐怖のどん底に再び落ちることになりました。ある日、
「今日はお客さんがたくさん来るから、そのつもりで居てね!」
と声をかけらた私は、いつものように勝手に頭の中に入ってくる業務内容をこなし、おっしゃられた通り10人分の人間用の食事を作りました。程なくしてご主人様たちが賑やかになっておいでになると、エントランスの方で扉の開く音がします。
「あなたはこれから、あの変態、……じゃなかった。あの人達を食堂に案内しなさい。食べ終わったら浴室の方へ連れて来るように」
と仰せられるので、私はその通り彼ら、……男ばかりでした。おそらく私のようにこの館に迷い込んだ人たちでしょう、数えてみるとぴったり10人でございまして、私は彼らに先程作った食事を提供した後、私とご主人様たちが最初に出会った浴室の方へ連れて行きました。
「ここから先は、執事くんにはきついよ? 本当に居るつもり?」
「お姉ちゃんと一緒に部屋まで行こう、ほら」
彼女たちはどういう訳か私を追い出そうとしていらっしゃいました。ですが怖いもの見たさと言いますか、私はここに残ることにしまして、ご主人様の許可を得てから、浴室の隅で静かにこれから起こることを見守ることにします。
結論から言えば、後悔しかありません。ご主人様たちは男たちを一列に並ばせて、こう言いました。
「突然だけど、これから懲罰を施行しまーす」
可愛らしい声、狼狽える男たち、呆気に取られる私。ご主人様たちはのんびりと伸びをなさったり、楽しげな声でお喋りをなさったりして、男たちに近づいて行きます。自分の体以上もある少女の乳房を見て彼らは何を思ったのでしょう、気持ち悪いと感じたのでしょうか、それともまだあのおっぱいを好きに出来ると期待していたのでしょうか。どちらにせよ、ご主人様のお言葉には嘘はありません。次の瞬間には、浴室は地獄となっていました。
ある者はご主人様のおっぱいに壁際まで押しやられてそのまま潰されてしまいました。
ある者はご主人様のおっぱいに何度も何度も壁に打たれて肉塊となってしまいました。
ある者はご主人様のおっぱいに上から押し付けられて浴槽の中で溺死してしまいました。
ある者はご主人様のおっぱいにハンマーのように打ち付けられて骨すら粉々になってしまいました。
ある者はご主人様のおっぱいに丸ごと挟まれて、全身をパイズリされているあいだにすり潰されてしまいました。
逃げる者を圧倒的な大きさのおっぱいで殴り、倒れ込んだところでおっぱいの下敷きにし、そして暴れまわってもがく者を谷間にはさみながら、うっとりとした顔でじっくり眺めてからあらゆる手を使って殺す。
「キャハハハハ!! それで抵抗のつもり? クソ雑魚ども、もっと力を入れろ!!」
と、普段は髪の毛をポニーテールにお纏めになっておいでになるご主人様は、壁に押し付けた男の体を宙に浮かせながら、最後のもがきをお楽しみでいらっしゃいます。
「すみません、変態さん。でも、私たちこれをやめられないんです」
と、大人しそうなご主人様は男の腕をおっぱいですり潰し、足をおっぱいですり潰し、だるまにしてから、声ならざる声で雄叫びをあげる男に語りかけていらっしゃいます。
「ぼくはどう殺されたい? パイズリがいい? それともおっぱいビンタがいい? んー、ビンタの方が怖そうだからおっぱいビンタでいいかしら?」
と、一番年上に見えるご主人様が男の腕を取って、無理やり立たせます。常識では考えられないおっぱいの持つ彼女らにとって、男を持ち上げることくらい訳ないのでしょう。そんなご主人様が、
「せーのっ!!!」
と掛け声を放たれたのです。ボールのように吹き飛んだ男の体は、次の瞬間には、あまりの勢いに液体となって壁から滴り落ちていました。
私は目の前の光景を黙って見ているしかありませんでした。息すらも止めていたのかもしれません。少しでも動くとご主人様たちに感づかれて、あの男たちのようになってしまう、……そんな恐怖で全く体を動かすことが出来ないのです。が、同時に私の中である一種の感情が芽生えていました。それは、芸術品を見ているような、音楽を聞いているような、そんな口では上手く説明のできない何かでした。なぜそんな感情を抱いたのでしょうか。男を虐殺しているご主人様たちがあまりにも美しかったからでしょうか。それとも私の中で新たな性癖が生まれたからでしょうか。恍惚と男を嬲る彼女たちと同じように、私もまた、恍惚とした表情をしておりました。
ご主人様たちによる虐殺は、ものの5分もかからなかったような気がします。後に残ったのは、血だらけの彼女たちと、血だらけの浴室と、男たちの着ていた服のみ。この時聞いた、女性の甲高く色っぽい声は今でも突然思い出すことがあります。――ええ、そうなのです。ご主人様たちは男たちを虐殺することで、性的な欲求を満たしていらっしゃいます。およそバスト5メートルほどもある巨大なおっぱいを持つ少女たちが、互いの股を弄り合い、母乳を吹き出しながら、エロティックな声で慰め合う光景は、誰しもが目を奪われるに違いありません。
私はこの時決断をしました。……この屋敷から逃げる、と。が、その代償に歯が奥歯以外全て抜け落ちてしまいました。――ええ、おっしゃる通り、この歯はご主人様のおっぱいに打たれたからなのです。まだ奥歯が残っているのは、せめてもの慈悲で、どれほどご主人様が優しい人物でおありなのか、お分かりになりましょう。
さ、みなさん、もう一度再会を祝して、杯を交わしてはくれませんか。――ありがとうございます。
 と、男は足を引きずりながら右手で杯を上げると、
「乾杯」
と歯のない口で言った。
  その三
 さて、皆様、お食事は、……ああ、すみません、すでにお済みでしたか。それにしても何分、急でしたから、たいしたものを出せず、申し訳ございません。――恐縮でございます。まだまだ修行の身ですが、その一言があるおかげで頑張れます。やはり、あなた方は優しい、惜しいほどに優しいです。他意はございません。……
ところで、再会を祝して一杯この私めに盃を傾けてはくれませんか? ――ありがとうございます。さて、そろそろ話を戻すことにしまして、あの日以来、私の身に何が起きたのか、約束通り語ることにしましょう。
まずは自己紹介から初めてもよろしいでしょうか。――ええ、ええ、必要ないとは私も理解しておりますが、今の身分を語っておきたいのです。――名前、……ですか? もはや私に名前など必要ございません、単に「執事」とお呼びください。――ええ、今はこちらの館、……あなた方が迷い込んだこの屋敷で、いわゆる中世ヨーロッパのような執事を生業としております、ほとんど下僕のようなものですが。昔は別の館に仕えていたのですが、その時の名残と言いますか、性に合っていたと言いますか、あの館を後にしてもこうして執事業を続けておりまして、その時の主人が厳格なものでしたから、すっかり口調なども変わってしまいました。――私はもうご主人様に屈してしまったのです。――左様、その「別の館」に仕えていた時が問題だったのです。
冷静になってみれば、かなりおかしな館でした。あの日、死に場所を探し求めて見つけてしまったそれは、山の中にひっそりと佇むお城のような洋館で、壁一つとっても、窓一つとっても、作りが華々しく、ここ日本には全く似合わない雰囲気を辺り一帯に振りまいていました。中からはところどころ光が漏れていまして、誰かがいらっしゃるのは間違いないようです。
死が間近にせまっていた私には、その暖かい光は途方もなく魅力的に見えました。呼び鈴も何も無かったため、思い切って正面にある大きなエントランスをくぐって中に入りますと、……様子は思い思いご想像していただきたいのですが、私の印象としましては、「とてつもなく広い」の一言でしょう。その時、声が聞こえたような気がして、吸い寄せられるようにして扉をくぐり、廊下を歩き、階段を登りして、たどり着いたところは、寝室のようです。中では5人のご主人様、……まだ幼さの残る美しいお顔立ちでいらっしゃいます5人の少女たちが、キングサイズのベッドよりもまだまだずっと大きなベッドの上で、思い思いの体勢で寝ておいででした。
「こっちにおいで」
と言われた私は、その中の一人の元へ歩いて行きます。しかし、その時私はあることにようやく気づいて、歩みを止めそうになりました。……いえ、実際に止まりました。床のいたるところに散乱した白い水たまりに足をすくわれてしまったのです。
「クスクス、……だっさー、……」
見ると白い水たまりは、ぷるぷるとゼリー状になっていました。匂い立つ芳香は、とてもずっと嗅げるほどいい香りではなく、生々しく、それでいて魅惑的で、例えるなら栗の花のような匂い、――ええ、そうです。この白い水たまりとは人間の精液だったのです。しかし、尋常ならざる量でしたから、私は初め、それが精液だとは気が付きませんでした。何せ倒れ込んだ背中にべっとりと付着していたのですから、とても一度や二度の量ではございません。
が、ご主人様たち、……少女たちはそんな匂い立つ部屋の中で、可愛らしい声をお上げになりながら、こちらをじっとりと舐め回していらっしゃいます。先程私をお呼びしたご主人様の前にたどり着いた時、私は心底驚嘆してしまいました。彼女の股からは猛々しいそれが、……男にしか生えてはならない男の象徴とも言えるそれが、キャミソールの裾を持ち上げて、こちらに首を向けて来ていたのです。それは紛うことなき男性器、……しかし男のものとは比べ物にならないほど長く、太く、ご主人様の可愛らしいお顔立ちからは決して想像も出来ないほど獰猛でございます。
「口をお開け?」
と彼女はおっしゃって、私の顔に男性器をお向けになりました。私は無礼にも、一瞬口に入れようか迷ってしまいました。しかし、後頭部を抑えられるや、無理やり口に入れられました。えぐい塩加減と、嫌な香りと、口全体から伝わってくる途方もない彼女の熱、……これほどまで吐き出したい念に駆られた物は、これまでの人生で初めてでございます。空腹に耐えかね、喉の渇きに耐えかねた私の胃袋に、ご主人様の精液が止めどもなく流れ込んできて、私の胃袋はたったそれだけで満たされ、ついには溢れてしまいました。
それからしばらく、面白がって同じことをなさり初めた他のご主人様の男性器も口に含み続け、私の体が精液でドロドロになった頃合いになってようやく開放されたような気がします。にっこりと微笑むご主人様の視線を受けながら、床に散らばった精液を這いつくばって舐めあげました。見上げると、彼女は愉悦に富んだ目で私を見下ろして来ておりました。
「まだ綺麗になってないじゃない。そんなことも出来ないの? 早くきれいにして、と言いたいところだけど、でも、その前に自己紹介しようね」
と言って、他のご主人様をお呼びになる。
「みんなー、おもちゃがやってきたよー」
「あゆみちゃん、おもちゃって言ったらダメですよ。ちゃんと執事って呼ばないと」
と、一人の大人しそうなご主人様が言う。
「あー、はいはい。ほら、執事くん? お姉ちゃんのお股においで」
ご主人様の手が伸びて来ました。女の子らしい小さくしなやかなその手は、そっと私の手を掴むと、信じられない力で私の体をベッドの方へ引き込み、有無を言わせず自身の男性器と私の顔を対峙させます。私は後頭部からかかるご主人様の怪力に、懸命に抗いながら、土下座のような格好で、目の前でヒクつく圧倒的な存在に体を震わせる状態になりました。思えば、彼女たちは私の記憶の中でも、特に残虐性に溢れた子たちでした。体は小さく、外から見れば小学生にさえ見えますが、力はどんな男よりも強いでしょう。眼の前でグランドピアノが一人のご主人様の手によって浮いたのです。それも笑顔で。恐怖に震える私を見て、ご主人様はクスクスと笑みを溢していらっしゃいました。
「キャハハハハ、かわいい!!!」
「キョロキョロしちゃって、まぁ。……」
「ダメですよ、みんなそんなに怖がらせちゃ。……ほら、震えてるじゃありませんか」
「ねー、ぼく? ぼくはどこから来たのかな? おなまえは?」
「あ、そうだね。名前だ。執事くんの名前はなんて言うの?」
と上から声がかかったので、私は名前をご主人様たちに申し上げます。すると彼女たちもご自分の名前をおっしゃり初め、数々の質問を私になさりました。
「じゃあ、もうお風呂の場所は分かってるよね? あなたの初めてのお仕事は、そこで体を綺麗にすること。そしてこの床を綺麗にすること。それが終わったら短小、……じゃなかった。使用人用の食堂で食事を取った後、もう部屋で寝なさい。わかった?」
このとき、私はこの館の間取りを教わってはおりません。しかし、なぜか頭の中には次の目的地がしっかりと焼き付いておりました。私の頭を開放したご主人様は、恐怖で震えの止まらない私を突き放すと、
「おやすみ」
と一言だけおっしゃってから、ヒクつく男性器をパンツの中へ入れてから、部屋から出て行きました。
こうして、私の執事生活は始まりました。ご主人様たちの失礼のないように気を張る必要はあったのですが、業務は単純、衣食住は完備されている、ご主人様たちは男よりも男らしいものを股に生やしているけれども、基本はただのいたずら好きな女の子で、時々私ごときを気にかけるほど優しく、この世の少女とは思えないほど可愛らしいお顔立ちをしていらっしゃり、そもそも館そのものが広くて快適でした。……第二の人生としてはこれほどない好待遇、私は奇跡を目の当たりにして、浮かれてしまっていました。
――ええ、終わったのです。私は恐怖のどん底に再び落ちることになりました。ある日、
「今日はお客さんがたくさん来るから、そのつもりで居てね!」
と声をかけらた私は、いつものように勝手に頭の中に入ってくる業務内容をこなし、おっしゃられた通り10人分の人間用の食事を作りました。程なくしてご主人様たちが賑やかになっておいでになると、エントランスの方で扉の開く音がします。
「あなたはこれから、あの短小、……じゃなかった。あの人達を食堂に案内しなさい。食べ終わったら寝室の方へ連れて来るように」
と仰せられるので、私はその通り彼ら、……男ばかりでした。おそらく私のようにこの館に迷い込んだ人たちでしょう、数えてみるとぴったり10人��ございまして、私は彼らに先程作った食事を提供した後、ご主人様たちが度々会してお楽しみになる寝室へと連れて行きました。
「ここから先は、執事くんにはきついよ? 本当に居るつもり?」
「お姉ちゃんと一緒に部屋まで行こう、ほら」
彼女たちはどういう訳か私を追い出そうとしていらっしゃいました。ですが怖いもの見たさと言いますか、私はここに残ることにしまして、ご主人様の許可を得てから、寝室の隅で静かにこれから起こることを見守ることにします。
結論から言えば、後悔しかありません。ご主人様たちは男たちを一列に並ばせて、こう言いました。
「突然だけど、これからあなた方をレイプしまーす」
可愛らしい声、呆れ笑う男たち、呆気に取られる私。ご主人様たちはグングンと股にある男性を大きくしながらのんびりと伸びをなさったり、楽しげな声でお喋りをなさったりして、男たちに近づいて行きます。自分の二倍以上ある少女のそれを見て彼らは何を思ったのでしょう、恐れおののいたのでしょうか、それともまだあのか細いお体を見て余裕を持っていたのでしょうか。どちらにせよ、ご主人様のお言葉には嘘はありません。次の瞬間には、寝室は地獄となっていました。
ある者はご主人様の男性器に心臓をつきぬかれて死んでしまいました。
ある者はご主人様の男性器に口を貫かれ、腹部を精液で破裂させられて死んでしまいました。
ある者はご主人様の男性器にお尻を貫かれ、これもまた腹部を精液で破裂させられて死んでしまいました。
ある者はご主人様の男性器を手で上手く気持ちよく出来なかったために、激しく犯されて死んでしまいました。
ある者はご主人様の男性器を耳に入れられ、脳を直接犯され、脳に直接精液を注がれて死んでしまいました。
逃げる者を圧倒的に強靭な足で追いかけ、圧倒的な怪力で後ろから抱え上げ、そして暴れまわる者を、逆駅弁の体勢でじっくりといじめてからあらゆる手を使って殺す。
「キャハハハハ!! それで抵抗のつもり? クソ雑魚ども、もっと力を入れろ!!」
と、髪をポニーテールにお纏めになったご主人様は、男の髪の毛を掴み、無理やり顔を前後に動かして口を犯しながら、最後のもがきをお楽しみでいらっしゃいます。
「すみません、短小さん。でも、私たちこれをやめられないんです」
と、大人しそうなご主人様は男の腕を引き抜き、足を引き抜き、まるでオナホールの���うにその体をもてあつかいながら、声ならざる声で雄叫びをあげる男に語りかけていらっしゃいます。
「ぼくはどう犯されたい? お口がいい? それともおしりがいい? んー、みんなお口を犯してるから、お尻の方にしようかな?」
と、一番年上に見えるご主人様が男を四つん這いになさり、泣き叫ぶ男の声にうっとりとした顔を浮かべながら、お尻に自身の男性器を入れます。おぞましいまでの音を立てながら犯される彼の体は、もはや男性器に支えられているのか、ぶらぶらと手足が揺れています。そして、
「んっ、ふぅ、……」
とご主人様が色っぽい声をお上げなさった途端、彼の体は二倍にも三倍にも膨らみ、白い精液と、赤い血を当たりに撒き散らしながら床に力なく倒れてしまいました。
私は目の前の光景を黙って見ているしかありませんでした。息すらも止めていたのかもしれません。少しでも動くとご主人様たちに感づかれて、あの男たちのようになってしまう、……そんな恐怖で全く体を動かすことが出来ないのです。が、同時に私の中である一種の感情が芽生えていました。それは、芸術品を見ているような、音楽を聞いているような、そんな口では上手く説明のできない何かでした。なぜそんな感情を抱いたのでしょうか。男を虐殺しているご主人様たちがあまりにも美しかったからでしょうか。それとも私の中で新たな性癖が生まれたからでしょうか。恍惚と男を嬲る彼女たちと同じように、私もまた、恍惚とした表情をしておりました。
ご主人様たちによる虐殺は、ものの5分もかからなかったような気がします。後に残ったのは、血だらけの彼女たちと、血だらけの寝室と、男たちの着ていた服のみ。この時聞いた、女性の甲高く色っぽい声は今でも突然思い出すことがあります。――ええ、そうなのです。ご主人様たちは男たちを虐殺することで、性的な欲求を満たしていらっしゃいます。およそ男の何倍もある巨大な男性器を持つ少女たちが、互いの股を弄り合い、エロティックな声で慰め合う光景は、誰しもが目を奪われるに違いありません。
私はこの時決断をしました。……この屋敷から逃げる、と。が、その代償に左腕を失ってしまいました。――いいえ、違います。私はご主人様に勇気を出して、この屋敷から出たいと申し上げました。この腕はその時激高したご主人様に犯された際に、あまりにも抵抗してしまったために握りつぶされてしまったのです。まだ右腕が残っているのは、せめてもの慈悲で、どれほどご主人様が優しい人物でおありなのか、お分かりになりましょう。
さ、みなさん、もう一度再会を祝して、杯を交わしてはくれませんか。――ありがとうございます。
 と、男は足を引きずりながらテーブルに近づき、右手で杯を上げると、
「乾杯」
と歯の抜けた口で言った。
  その四?
 さて、私はみなさんに一つだけ嘘をつきました。何でござりましょう。常識では考えられないような15人のご主人様たちと日々を送っておりますと、私自身もまた、常識では計れないような人になってしまったようでございます。あの日、私の運命は決まったようなものでしたが、ご主人様たちはあまりにも慈悲深く、チャンスをお与えになりました。本当ならば私はとっくの昔に、ご主人様の手によって肉塊にされていたことでしょう。
ところで、今夜皆さんにお集まり頂いたのは他でもありません。道に迷ったかと思いましたか? それは違います。ご主人様たちがそう思ったからここに来たのです。ご主人様たちが、あなた方をここに来るよう仕向けたのです。おそらくは突然旅行に行こうなどと思いついて、なぜか山の中にある温泉地を目指すことになったのでしょう。しかし、地図をごらんなさい。そんなものはこの辺りにはありません。ここは、鬱蒼と生い茂った木々を分け入って、道なき道を歩んでようやくたどり着けるおかしな洋館、……そこでは常識では考えられないような少女たちが、現世を離れて暮らしていると、知っている人は知っています。あなた方は、そんな少女たちがお望みになられた通り道を間違い、疑問にも思わず山道を歩いてここまで来たのです。
では、私はここまでで失礼することにしましょう。そろそろ、ご主人様たちがここへおいでになります。粗相のないよう、お気をつけください。
 と、執事が歯のない口で言って、片腕で食事の入っていた皿を片付けて、足を引きずりながら出て行ってしばらくすると、男たちの背後にある大きな扉から、ざわざわと嬉しそうな話し声が聞こえて来た。
 (おわり)
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