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#気紛 女の恋
zegalba · 5 months
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Yoshitaka Amano: 放态 & 気紛 女の恋 (1999)
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kasumime · 10 months
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かりそめの恋愛は足早に腐っていって、詰まらせたまま放置していた排水溝の栓が再び流れ出すみたいに全てが元通りになった。例年より長い梅雨が明けて平熱より高い夏が訪れ、別れを切り出してから遠くない日の夜に友人と寝た。彼は想像よりも多くの女を抱いてると言って、猫みたいに懐っこい手遣いで抱擁を迫り、文字通りの定型文を場面を追うごとに使い分けてみせた。背中をなぞるとのけぞろうとするのを見ながら、寂寥の吐口は「誰でも」じゃダメかも、と思った。マッチングアプリを介して出会った男に下着の線をなぞられた時は虫酸が走るほど嫌気が差した。友人にいっていい?と聞かれて反発的にきしょいねと答えた。二人眠りに就いた頃には午前四時を回っていた。正午をとうに過ぎて部屋を出ると、地球規模でのサウナブームが巻き起こっているのかと見紛うほど蒸し暑い外気がたちまち玄関に立ち込めた。家路までの予防策として保冷剤を受け取った。でもそれも商店街の入口で全部液体になって溶けた。
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oka-akina · 5 months
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1117-1120
1117
遠出したい。せっかく新刊もできたことだし遠くのイベントに出ようかなと思った。11/26のZINEフェス長野がまだ申し込めるようだった。あずさで行くかかがやきで行くか。うちからだと新宿に行くまでがけっこう遠いのでかがやきの方が速い気はするけどあずさ乗ってみたいよな〜と思った。
むかし妹が長野の男とつきあっていたときしょっちゅうあずさに乗っていた。その後結婚した夫も長野出身だけど場所はぜんぜんちがったと思う。過去の恋愛や人間関係を周囲の人間がずっと覚えているの悪いなあと思いつつずっと覚えている。わたしについてもきっと誰かが覚えている。恥ずかしいかというとわからない。指摘されたら恥ずかしいかも。
電車の料金を調べてみたら思ったより高くてびっくりしたので帰りは高速バスにしようと思った。バカデカ優人さんポスターを連れて遠出するの魍魎の匣っぽいかな。そんなことないか。デカいし。
遠出したくてうずうずして、1月のZINEフェス奈良も行きたくなっている。文フリ京都に出られないのでその代わりとして。文フリとZINEフェスがだいぶちがう種類のイベントだとはわかっている。あんまり小説を売るところではない。でもJ.GARDENもそうだけど、自分にとってどまんなかではない、正直そんなにたくさんは売れないイベントに出るのってそれはそれで気楽な面はある。交通手段とかホテルとか飲食店とか検索した。まだフワッとしている予定未満の予定についていろいろ検索しまくる時間がいちばん楽しいよな…と思った。
1118
パートナーとレッドロブスターへ。なんでもない日にやけにぜいたくした。文フリの打ち上げのつもり。パートナーはわたしの小説読んだことないけど。お店の人が生きているロブスターを一回テーブルに見せに来て、お写真撮りますかと言われたので写真を撮って「バイバーイ」とか言った。あの子はまだ自分が死ぬのを知らないのだ…と二人でつぶやきあった。いやな感じの冗談を言うときわたしたちは本当にイキイキしている。スチームしたロブスターはある程度お店の人が解体してくれるけど、自分たちでほじくったりちぎったりが必要なので、これはごく親しい人と二人で食べるのがちょうどいい食べ物だなと思った。知り合いやほかの家族とこれをやるのはけっこう気をつかいそう。
なんとなく頼んだフライのコンボ、白身魚のフライがふわふわでこんなに美味しいの初めて!と感激した。食べ慣れたもので美味しいものに出会うと本当にうれしい。そしてこれもなんとなく頼んだチーズビスケットが、想像していたよりずっとサクッとふわっとしていて、こういうのがこんなに美味しいことってあるんだ…と驚いた。これテイクアウトあったらいいのにねと話した。検索したらamazonで売っていたけどどうやらそれは1.5kg入りのミックス粉で、自分で作ってくださいというものだった。40個できるらしい。業者じゃん。
1119
ゴルフの練習。ゴルフを始めて2年になる。レッスンは週一。あんまりまじめにやっていないので当然なかなかうまくならないけどぜんぜんできないことをやる時間というのは新鮮で面白い気がする。先生に言われたことを言われたようにできない。説明はわかるけど頭でわかるようには身体は動かない。この不自由さ。そうしてそれがべつにぜんぜん恥ずかしくないのは、やっぱり歳をとったからなんだろうか。子どものころの体育の時間はとにかくぜんぶが恥ずかしかったし、演劇のときもそうだった。
集まるクィアの会へ。近くに用事があったので途中からになっちゃうけどちょっと行ってみた。新宿中央公園の芝生の上で、みんなでプラカードを書いたり、何か話したいことがある人は手を挙げてスピーチをしたり。途中参加のわたしは聞いていただけだったんだけど人の話を聞いていると自分もすっかり打ち明け話をしたような気持ちになる。これは本を読むときにも感じることで、胸を開くというか解放感がある。公園はいろんな人が思い思いに過ごしていて、晴れていて気持ちのいい時間だった。こういうところで話をしたり連帯をたしかめあうのはすがすがしい。先週デモに行ったときとはかなり気分が変わっている。これはそれがどういう集まりかということではなくたんにわたしの調子だし、おおまかに体調だと思う。なので、わたしの言うこと(書いた文章)はあんまり真に受けないでください…と思ってしまうけど、真に受けないでほしいからいっぱい書きたいのかもしれない。文フリでブースに来てくれたTANさんに会えてうれしかった。
なむあひさんとゆとぴやぶっくすさんへ行ってねぎで飲んだ。オフラインで話すのやっぱりいいなと思った。あたらよ受賞おめでとうございますのお花を渡した。もっとブーケっぽいのを買おうとしてい��んだけど花屋で大輪のダリアを見つけたら思わず…なむあひさんはDAHLIA(X JAPAN)でしょう…と思って。ねぎは古いJ-POPばかり流れている店で、ちゃんとXもかかった。前奏が流れた瞬間なむあひさんが「Xですね…美しい…」と言ったのがすごくよかった。
1120
渋谷◯◯書店に文フリの新刊などを納品に行こうと思ったのに本を入れた袋をまるまる忘れて家を出てきてしまった。電車に乗って愕然とした。か? わざと忘れたような気もする。売上を紛失されて以来、◯◯書店での活動にやる気が出ない。いや、紛失された直後はそうではなかった。ちきしょう自分の場所を守るぞという気持ちでやる気がみなぎっていたのに、夏を過ぎたあたりでなんだか急速に興味がしぼんでしまった。
えもの家へ。電車の着く時間を伝えたら「コーヒーとおにぎりをあたためて待ってるね」と言われ、それがもうすごくあたたかいよなと思った。晴れているけど風が強くて寒い日。こういう日は冬っぽくて好きなんだけど、長い地下鉄に乗っているうちに日は陰ってしまって、電車が地上に出たらすっかり夕方だった。
展示の作品を見せてもらい、昨日なむあひさんから預かった『aneimo』を渡した。土曜に送った『疎林で寝る』とわたしの本は無事届いていてよかった。レターパックを追いかけるように家を訪ねてしまったなあと思ったが、会えてうれしかった。今日晴れてるからえもちゃんち行っていい?と急に声をかけたらのってくれて、わたしは先々の予定を立てるのが苦手なので急に遊べるのほんとにうれしいな…と思う。展示用の置き物やドローイングが本当によかった。アナログの表現がめちゃくちゃ上手いよなあと感嘆した。
電車の中でキム・ヘジン『中央駅』を読み終えた。ホームレスの「俺」が誰なのか、どこからきてどうしてここにいるのか、何歳でどんな容姿なのかとか、そういう過去やスペックのようなものは一切語られない。あるのはいま現在の「俺」の感情と感触。男女の愛の話だと思うけど「俺」と周囲の人間との関わりはブラザーフッドの話としても読める気がした。ぜんぜんうまくいかないブラザーフッド。
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このくらいの日記を毎日つけてzineにしてみたい気持ちがある。
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yuihyz · 6 months
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「きのう何食べた?」みてシロさんとケンジみたいな、思いやりに溢れた2人組になりたいと思ったのも、音楽が大好きで、卒業して2年もたつサークルのことを、友達のことを、家族のことを愛しているのも本当で。
使用済みの下着を売りたい、ナカジマとやりたい、先生とやりたい、想像するだけで楽しい、すぐ、そういうこと考えちゃうのも本当で。
でも、実際、この、Tumblrという誰にも見られてはいけない日記に書いてることでさえ私が本当だと思ってるだけで本当かなんて分からないし。
友達が半年以上片思いしてて、好きで、まあセフレみたいにもなりつつある人に彼女いた、私浮気相手だったんだ、、って、なってた。
でもその友達の好きな人は、何度彼女いたの?とか、友達が彼のスマホを見て分かって事実をカマかけても、いない、電話もしてない、元カノはすぐブロックするって言ってるらしい。意味がわからない。
でも、私の友達の前では嘘であっても、もしかしたらそういう自分でいたいのかもしれない、と思った。
未練タラタラで元カノに電話しちゃう29歳じゃなくて、彼女いなくて甘え上手で仕事できる職場の先輩でいたいのかなって。そう思うとちょっと悲しくなる。
人生はゲームみたいにリセマラできない。
遊んでしまったこと、心の底から愛している異性の友達がいること、同じ職場のバイトの子とセフレであること、四六時中セックスのことばかり考えてしまうこと、人生めんどくさくて死にたくなる時が結構あること、すぐにしんどくなって泣いてしまうこと、全部リセットできない、紛れもない私であること。
でも、そんな私でも、真面目に恋愛したいとは思っていて、綺麗な心でいたくて、やさしくて、かわいくて、思いやりを持つことが出来る人になりたいこと、自分の服を全部だして、全部大事で可愛いな、服がやっぱり好きと思えたり、将来とか幸せとか愛とか、そんなことも真剣に悩んでたり。これも、紛れもなく私。
恋人や親しい相手だからと言って「全部」を共有は出来ないけど、なるべく相手に誠実でいたい。そして、相手も、自分と同じような人に言えないことを持っていることを想像して、その人を信じるか、その人を信じるという自分を信じることが出来るか、考えたい。
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mlyzvt-no2157 · 3 months
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一文字の間違いで物凄い意味が違った事
【ご注意】
今回のエピソードは、かなりお下品です。っていうか、ガチで下品です。それでも大丈夫って方なら、どうぞ👇
私が前に勤めていた会社は珍事件の宝庫だった。��に、ユニークで面白いというか個性的(変な人とも言う)が非常に多く、常に誰かがネタを落としてくれていた。
私が新人の頃、嘱託で読書家だったZさんはスペイン語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語を話すマルチリンガルで、若い頃の記者時代はキューバ革命や冷戦中のキューバ危機、コロンビアの紛争など、主にスペイン語圏の中南米の記者だった。そして、かのカリスマ革命家のチェ・ゲバラにも会ったという事で私も含めて若手記者達の目標と憧れでもあった。(ちなみに私は、アル・カイーダのウサマ・ビンラディンに会ってみたかったが、終ぞ、彼に会う事は叶わないまま、ビンラディンは死亡してしまった)
ただ、Zさんはラテン語は物凄く上手なのに、英語は超が付くほどド下手だった。ハッキリ言って、そこら辺にいる小学生や、中学生の方が遥かに英語が上手だろうと思うくらい、英語が下手で、普通に英単語の発音が間違っていたり、ラテン語が混ざっていたりするので、Zさんが使う英単語が何を意味するのか理解出来ない人がほとんどだった。例えば、イギリスのチャールズ皇太子(現チャールズ国王)をラテン語読みで「シャルル皇太子」と言うので、理解できるまで???状態になってしまう事もしばしばだった。
ある日、所属長のMさんと同期のS君と私との3人でのんびり過ごしている時、Zさんが我々の部署にやってきて、私の隣の席(もともと誰も座っておらず、常に空いている)に座り、声をかけてきた。
Zさん「なぁなぁ、みずほちゃん、今暇?時間大丈夫?」
私「暇なわけじゃないですが、立て込んでないので大丈夫ですよ」
Zさん「よかった。ところで、みずほちゃん、『ペニスの商人』って知ってる?」
私は教皇の間に呼び出されたミロのように、思わず、「はっ?」と言ってしまいそうになったのをグッと堪えた。
『ペニスの商人?なんじゃそりゃ????臓器売買のブローカーのことかな???いや、ペニスは臓器じゃないか(👈どうでもいい)...ペニスを除去するのなら、私が子供の頃はモロッコ、今はタイが主流だけれど、何の事だろう???そもそも、ペニスを取り除くって需要があるのは知っているけれど、ペニスが欲しいって需要なんかあるのかな?それとも、私が知らないだけで、ペニスの売買っていう市場があったのかな?しかし、需要と提供のバランスはちゃんと取れているのかな?ペニスを提供する人は何の為に提供するのかな?ひょっとして物凄い高額な市場なのかな?でも、聞いた事ないしな~???』
私の頭の中は疑問符が飛び交っていた。
私が珍妙な表情をして黙りこんでしまうと、Zさんは、「おーい、みずほちゃん、聞こえてる?」っと尋ねてきた。
「聞こえてますよ」
「じゃぁ、返事くらいしてよ」
「いや~、Zさんが仰った『ペニスの商人』って何だろう?って思って、考え込んでしまったんです。『ペニスの商人』って何ですか?臓器売買のブローカーか何かですか?」
「臓器売買のブローカーって恐ろしい事いうなぁ...ペニスの商人は明るい話で、有名な小説だよ。知らんの?」
「小説ですか。初めて聞きました。」
Zさんが、『ペニスの商人』が小説だと言うので、私はそのとき、ふと小松左京さんの『アダムの末裔』という小説の事を思い出した。以下がアダムの末裔の簡単なあらすじである。
ポルノ小説作家である主人公は、恋人と幸せに暮らしていたが、自分の作品がマンネリ化している事に悩んでいた。新しい小説の連載の締め切り期限が近づいているが、一向に新鮮なネタが思い浮かばず、悩んでいるとき、自宅のリビングの飾り棚に物凄く巨大なペニスのオブジェがある事に気付く。恋人と自分の関係もマンネリして、恋人がこの巨大なオブジェを買ったのだろうか?と疑問を抱きながら、主人公がオブジェを見ていると、なんと、そのオブジェが動き出した。ビックリ仰天した主人公は腰を抜かしてしまう。そして、気が付くと、自宅の周りには、その最初に見たオブジェと同じぐらいの大きさのペニスのオブジェが溢れかえっていた。恐れおののく主人公。巨大ペニスの大群が自宅の中を好き放題荒らしていったが、一匹(と言っていいのか分からないが💦)のペニスがネズミ捕りの罠にかかり絶命してしまう。その他のペニスはいつの間にか忽然と消えていた。すると、巨大な人がやってきて、そのペニスはずっと未来の人間の男性の姿なのだと言う。遠い未来、男性の役割は子種を残す為だけのものとなり、進化の過程の一環で、身体はペニスだけとなり、文明の繁栄をもたらす女性は巨大化したのだという。絶命したペニスは未来からやってきた女性に持って帰られ、主人公は男性の未来の姿がペニスだけになるという事い愕然とする一方で、男性で人類の祖先と言われている聖書の「アダム」の「末裔」が「巨大化したペニス」という小説のネタを思い浮かぶ
30年以上前に、親友に借りて読んだ小説なので、あまりはっきりとした事は覚えていないが、アダムの末裔のあらすじはこんな感じだったような気がする。私は、Zさんが言っている「ペニスの商人」と言うのは、ちょっと内容は異なるが、ひょっとして「アダムの末裔」のことではないかと思った。
私「ペニスをテーマにした題材なら、小松左京さんの『アダムの末裔』なら知ってますけど、「ペニスの商人」は初めて聞きました。誰の作品ですか?」
Zさん「ペニスの商人の作者は、日本人じゃなくて、外国人の作家。有名な作家だよ。けど、ボクは作者の名前を発音できないけど、ファーストネームは『ギジェルモ』で、ラストネームは『○×◆□×////』ダメ、ボクは発音できない。しかも、ペニスを売るからペニスの商人っていうタイトルじゃなくて、ペニスっていうのは地名だよ」
私「『ペニスの商人』は、ギジェルモ・ナントカさんって人が書いた小説なんで、ペニスは地名ですか...?」
私の頭の中は益々混乱した。
ギジェルモって誰だろう?有名な外国人作家でギジェルモなんて人はいたかな?トーマス・マン、フランツ・カフカ、オスカー・ワイルド、アレクサンドロス・デュマ、エミリ・ブロンテ、ビアトリクス・ポター、アーネスト・ヘミングウェイ、ドストエフスキー、レフ・トルストイ、チャールズ・ディケンズ、ヘルマン・ヘッセ...やっぱり、ギジェルモって人は知らんなぁ...
しかも、ペニスなんて地名はあっただろうか?一体何処だろう?未承認国家の山の奥地かな?それとも、インドネシアのジャングルの奥地に住んでいる原住民みたいなペニスケースを衣服としている人々の集落かな?うーん、検討もつかない...Zさんは、一体何の何処の場所を言っているんだろう??
私の頭の中は、益々激しく疑問符が飛び交っていた。
私「ペニスってどんな場所ですか?未開の地のジャングルか山奥の原住民が暮らしている集落ですか?アフリカの奥地ですか?それともアマゾンの奥地ですか?もしくは、鎖国している国にある秘境か未開の場所ですか?」
Zさん「違う違う!ペニスはキレイな事で有名な街だよ。そうだな~一番の特徴は、お面を付けるお祭りがあることかな」
私「ペニスには、お面を付けるお祭りがあるんですか?」
Zさん「そうそう!お面を付けた華やかなお祭り!いっぱい観光客が来るよ♪」
私の頭の中はまたもや疑問符だらけになってしまった。第一「ギジェルモ」なんて名前の有名な小説家は聞いた事が無いし、お面を付けたお祭りなんて、ひょっとこのお面にドジョウ掬いぐらいしか思い浮かばなかった。ひょっとこのドジョウ掬いは、島根県に由来する事は知っていたが、私の頭の中で、島根県に『ペニス』なんて地名はない。島根県のドジョウ掬いを、外国の有名な作家が、わざわざ舞台にして小説化するだろうか?ドジョウ掬いの祭を見に行ったことはないが、観光客が押し寄せるとも考えにくい。しばらく考え込んでから、私は再びZさんに尋ねた。
私「お面を付けたお祭りって、もしかして、島根県でやる、ひょっとこのお面を付けたドジョウ掬いの事ですか?」
Zさん「違う違う。そんなんじゃなくて、もっと洗練されたカッコイイお祭!」
私「洗練されたカッコイイお祭りですか。ペニスってお面を付けたお祭り以外にも、何か有名な物ってないですか?」
Zさん「ええっとねぇ。まず、ヨーロッパにあって、観光客が常にいて、車の乗り入れが禁止されていて、アドリア海に面していて、昔都市国家だったときに凄く繁栄していた街。それでね、物凄く街並みがキレイで、世界遺産にもなっていて、ペニスは別名として『アドリア海の女王』とも呼ばれている所!」
私は、『アドリア海の女王』という言葉を聞いて、やっとZさんが言っていた「ペニス」が何処であるかを分かった。都市国家、車の乗り入れ禁止、物凄くキレイな街並み、かつては都市国家として栄光の歴史を歩んでいる、『アドリア海の女王』、これはすなわち、アドリア海に面した運河の街、イタリアのヴェネツィアで間違いないだろう、と。
私「Zさん、ペニスって、イタリアのヴェネツィアのことですか?」
Zさん「そうそう!ヴェネツィア!ヴェネツィアを舞台にしたギジェルモ・ナントカの喜劇小説!」
私「やっと分かりました。ウイリアム・シェイクスピアの『ヴェネツィアの商人』の事ですね」
Zさん「そうそう!その通り!」
ヴェネツィアは、英語読みすると『ベニス』と発音する。Zさんは、英語が恐ろしく苦手な人なので、濁音の「ベ」が半濁音の「ペ」になってしまっていたのだろう。そして、ウイリアム・シェイクスピアのファーストネームであるウイリアムはスペイン語読みで「ギジェルモ」と発音する。『シェイクスピア』をZさんは発音できなかったのだろう。
この後、Zさんとどういう会話をしたか、あまり覚えてないが、チラっとMさんとS君の方を盗み見ていると、PCの画面に顔を埋めて肩が小刻みに震えていた。恐らく我々の会話を聞いて、吹き出したいのを堪えていたのだろう。
私は、Zさんに、ヴェネツィアの英語読みは、『ペニス』ではなく、『ベニス』と発音すると教えてあげるかどうか迷ったが、Zさんに恥じをかかせる事になると思い、黙っておくことにした。
しかし、一文字の違い、しかも濁音か半濁音かの違いで、トンデモナイ意味の違いがあるのだなぁと改めて思った。同じ事を意味のつもりでも、『ヴェネツィアで、仮面を付け、仮装した人々でカーニバルが開催される』と『ペニスで、お面を付けたお祭りがある』では、Zさんにとっては同じヴェネツィアのカーニバルの事を意味していても、聞く方になってみると、全く違うモノを想像してしまう。
一文字の違いが、こんなに大きな意味の違いになってしまうとは、字書きとして、気を付けなければと思った瞬間だった。
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rosysnow · 29 days
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ずっとそばに
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 ゆっくり、夜の街に明かりが戻ってきたと感じる。居酒屋やスナックが夜遅くまで光を灯している。
 そんな通りに並ぶ、とあるバーに大学時代からよく行っている。ゲイバーじゃないけど、ママがニューハーフで、トークがなかなか愉快なのだ。そんなママを気に入って、店によく来る奴のメンツもだいたい決まっている。
 その人々の中に、いつからそのカップルがいたのかは憶えていない。自然と、名前と顔は一致するようになっていた。長身でワインレッドのメッシュを入れた男が真寿、黒髪ショートのきりっとした女が寧々だ。真寿は二十六の俺とタメくらいで、寧々はそれより年上で三十手前だろうか。
 見ている感じ、真寿は寧々の尻に敷かれている。寧々が何かしら一方的に言うと、真寿はしゅんとして謝っている。
 あんな女、俺なら嫌だな。そう思うけど、だからこそ、好きこのんで寧々とつきあう真寿は、よほど彼女が好きなのだろうと俺は思っている。
「あの子も、あんなモラハラみたいな女、やめとけばいいのに」
 その日も仕事を終えて、帰宅前にカウンターで一杯飲んでいた。すると、大学時代に同じサークルだった茅乃も顔を出し、俺の隣でカクテルを飲みはじめた。お局に対する愚痴をひと通り述べたあと、ボックス席にいる真寿と寧々を一瞥して、茅乃はそう言った。
「モラハラって」
「いつも怒られてるじゃん、あの子」
「あいつが彼女のこと好きなら、勝手なんじゃね」
「克宏も、好きな女だったらああいうのOKなの?」
「……俺は嫌だけどな」
「ほら。あーあ、真寿くんならもっといい女がいるのにさ」
 俺は静かにハイボールを飲んだあと、「それは、お前が『いい女』だと自称してるのか?」と眉を寄せた。
「悪い?」
「お前は『いい女』ではないな」
「克宏にはそれでいいけど」
「真寿くんに興味あんの?」
「私は可哀想な男が好きなの」
「可哀想って……」
「放っておけない。私が幸せにしたい」
「本人は幸せだと思うぞ」
「あれを見て、本気でそう思う?」
 真寿と寧々がいるボックス席をちらりとした。寧々は腕を組んでソファにもたれ、何か言っている。真寿はやっぱりうなだれている。会話はジャズと客の話し声に紛れている。
「絶対モラハラだわ、あれは」
 茅乃はひとりうなずき、オレンジ色のカクテルを飲んだ。「そうですか」と俺は聞き流して、スマホを手に取っていじる。
 今まで、真寿と寧々のそういう関係は、当たり前のように見ていた。でも、実は真寿は寧々に負担を感じているのだろうか。だとしたら、別れない理由が俺には分からないけど、真寿は別れたいと切り出せるタイプじゃなさそうだなとは思う。
 やがてアルコールが軆にまわり、ほどよいほてりを覚えてきた。茅乃には「あんま野暮なこと考えんなよ」と釘を刺し、俺はママに支払いをしてバーをあとにした。
 びゅうっと寒風が吹きつけてくる。十二月になって、一気に冷えこむようになった。マスクが隠れるくらい、マフラーをぐるぐるに巻いて、駅へと革靴の足を向ける。
 この通りは、パンデミック前は酔っ払いもかなりふらふらしていて、やや治安が良くない感じだった。でも、時短営業を機に閉じた店も多く、現在はそこまでうるさくない。灯っている明かりは増えたけど、活気が戻るのはまだもう少し先なのかなと思う。
 恋人もいない俺は、毎日会社で仕事をやるしかない。リモートワークも選べるけど、実家住まいの俺は、フルリモートが解除されたら、さっさと出社するようになった。リモート授業の大学生の妹に、「満員電車に乗ってきて、そのまま近づかないでよね」とか言われるが、そもそもお前がそんなふうに生意気だから家でゆっくりできねえんだよと思う。そして、これを口にしたら、両親は確実に妹の味方をするのも鬱陶しい。
 年末感が濃くなる金曜日、俺はまたバーにおもむいた。今年は土日がクリスマスなので、何となくうんざりしていた。彼女持ちの後輩は、「彼女とゆっくり過ごせるから最高ですよね」とか言って、俺は引き攣った苦笑いをするしかなかった。
「今年は久しぶりにオールのクリスマスイベントやるから、うちに来たら? 出逢いもあるかもしれないわよ」
 ママになぐさめられて、それもありかもしれないと深刻な面持ちで検討していると、からん、とドアベルが響いた。ついで、「こんばんは」と誰か店に入ってくる。
「あら、真寿くん。寧々ちゃんは?」
 俺はグラスから顔を上げ、入ってきたのが紺色のコートを羽織った真寿であることを認めた。彼は相変わらずな印象の弱気な笑みを見せると、ホールのボックス席でなく、俺のいるカウンターにやってくる。
 手にしたメニューを見つめた真寿は、吐息をついて、「とりあえず水を……」と言った。
「いいの? お水でもお金はいただくわよ」
「分かってます」
 ママは肩をすくめ、ミネラルウォーターをペットボトルごと真寿に渡した。しかし、受け取った真寿は、それに手をつけようとしない。
「何かあったの?」
 スツールがあいだにふたつあるけど、その横顔を見兼ねて、俺は声をかけてみた。はっと真寿はこちらを見る。女顔だなあと失礼ながら思っていると、「……克宏くん」と真寿はつぶやく。話すのは初めてだが、名前ぐらい把握されていても驚かない。
 真寿は視線を下げると、「あの子……」とぽつりと口を開いた。
「君の恋人ではなかったんだね」
「はい?」
「茅乃さん。ずっと、そう思ってたよ」
「………、え、茅乃と何かあったのか?」
 真寿はやっとペットボトルを開封すると、ごくんと喉仏を動かして、ミネラルウォーターを飲みこんだ。
「夕べ、茅乃さんと一緒だったんだ」
「はっ?」
「それが寧々に見つかって、怒られちゃって」
 え……と。
 何言ってんだ、こいつ。茅乃と夕べ一緒だった?
 もしや、この男、おとなしそうな顔して下半身は緩いのか。一緒だったということは、まあ、そういうことだろう。そりゃあ寧々も怒る。
 いやいや、待て。茅乃は先日、モラハラとかめんどくさいことを勝手に言っていた。
「もしかして、茅乃に無理に迫られた?」
「……まあ」
「マジか。それは……何か、あいつの友達として謝らないとな」
「いやっ、僕が流されただけで」
 そこは確かにお前も悪い。と言うのはこらえて、「真寿くんって、寧々さんとうまくいってなかったりする?」と問う。
「え? そんなことはないけど」
「じゃあ、あんまり……良くはなかったな」
 あんまりというレベルじゃないが、そう言っておく。真寿は黙りこんでしまい、ただ不安そうな顔で水を飲む。
「茅乃は、その──あいつなりに、真寿くんを心配にしてたみたいだから」
 沈黙が窮屈になった俺の言葉に、「心配?」と真寿は首をかたむける。ワインレッドのメッシュがさらりと流れる。
「真寿くんが、寧々さんにモラハラ受けてんじゃないかって」
 真寿は心底驚いた丸い目になって、「それはないよっ」と身まで乗り出してきた。
「確かに、寧々は僕のダメなところに目敏いし、よく指摘するよ。でも、それはほんとに僕が直さなきゃいけないところで」
「お、おう」
「ふたりきりになれば、寧々は僕のいいところもたくさん褒めてくれるんだ。すごく厳しいけど、すごく優しいんだよ」
「そう、なのか……」
「寧々はかっこいい。ずっと僕の憧れだった」
「ずっと?」
「うん。友達のおねえさんだったんだ、もともと。何年も、すれちがうときに挨拶するだけで。寧々からお茶に誘ってくれたときは、夢みたいに嬉しかったなあ」
 真寿は幸せそうに寧々との馴れ初めを語り、俺は臆しながらそれを聞く。
 何か、こんなに寧々にベタ惚れしていて、こいつ、本当に茅乃と寝たのか?
 そこのところを、具体的に訊けずにいたときだった。
「やっぱりここにいた」
 からん、とベルを鳴らして、店に入るなりそう言ったのは、カーキのオーバーと細いデニムを合わせた、いつも通りボーイッシュな寧々だった。
 真寿ははたと寧々を振り向き、口ごもる。
「ねえ、あんたの部屋にあたしとあの子とふたりきりにして、あんたは逃げ出すって何なの?」
 おいおい、そんな修羅場を投げてきたのかよ。ついそう思ったが、同じ男として、そんな現場は逃げたくなる気持ちも分からなくはない。
 真寿は気まずそうにうつむいているので、思わず「友達が失礼したみたいで」と俺は口をはさんだ。寧々はこちらに、長い睫毛がナイフみたいにも感じる鋭利な目を向ける。
「あの女の子の友達?」
「そうです」
「友達は選んだほうがいいわよ。で、真寿、あんたはあたしに言い訳ぐらいしたらどうなの?」
「言い訳なんて……悪いのは、僕だし」
「それで、何も説明しないのはもっとずるい。あたしがどうでもいいってことなら別だけど」
「それはないよ! 僕が好きなのは寧々だよ、絶対に。寧々のこと、大好きだよ」
「あの子にも同じことを言ったの?」
「言うわけないっ」
「じゃあ、それは、あたしにきちんと説明してほしかったな」
「……ごめん」
「あと、一緒に過ごしたくらいで、だいぶ大ごとに捕えてるみたいだけど、何もなかったならあたしは怒らないわよ」
 え? 俺は思わずぽかんとして、真寿もまばたきをする。
「あの子が言ってた、『相手にされなかったから』って」
「信じて……くれるの?」
「むしろ、信じないと思われるほうが不愉快ね」
「ご、ごめんっ。僕だったら、寧々がほかの男とふたりで過ごしたら許せないし、たぶん、何もなかったなんて信じられないから。そんなの、頭が変になると思う」
「……あたしも、頭は変になりかけたけどね」
 むすっとした感じで寧々が言うと、真寿はぱあっと笑顔になり、スツールを立ち上がって「ごめんね」と彼女を抱きしめた。「あらあら」なんてママはにっこりしているけど、俺にしたら痴話喧嘩なので、しょうもないと思いながらスマホを取り出す。
 いつのまにか、通話着信がついている。茅乃からだ。俺はいったん席を立ち、壁際で茅乃に通話をかけた。奴はワンコールで出た。
「真寿くんとひと晩過ごして、何もなかったことは聞いた」
 俺が開口で言うと、茅乃は『ありえないでしょ……』と絶望的な涙声でつぶやいた。
「だから、真寿くんはそれだけ寧々さんに惚れてんだよ」
『うー、つらいよお。私、真寿くんのこと、けっこうマジで好きだったんだよ?』
 俺は壁に背中をもたせかけ、けっこうマジで好きなのはこっちもだけどな、と思う。
 本当に、見る目がない女だ。そんなお前に恋をした俺が悪いんだろうけど。マジで、鈍感すぎる。
 俺がいつも隣にいるって気づいてくれよ。何だかんだ、ずっとそばにいるじゃないか。でも、こいつはおもしろいくらいに気づいてくれない。
 真寿と寧々は、いつも通りのホールのボックス席に移動している。寧々が何か言っても、真寿はいつになく嬉しそうだ。
 あのふたりは、ずっとお互いのそばにいるんだろうな。茅乃の泣き言を聞きながら、そんなことを思う。
 俺が茅乃とあんなふうになれるかは分からないけど、憂鬱だった週末のクリスマスは、ひとまず彼女のやけ酒につきあって過ごすことになりそうだ。
 FIN
【THANKS/診断メーカー『お題ひねり出してみた(ID:392860)』】
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ari0921 · 6 months
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桜林美佐の「美佐日記」(237)
ハマスとイスラエルの紛争ー現代風の価値観は通用
しないー
桜林美佐(防衛問題研究家)
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おはようございます。桜林です。「男もすなる日記
といふものを、女もしてみむとてするなり」の『土
佐日記』ならぬ『美佐日記』、237回目となりま
す。
私は数年前に少しだけクラヴマガを習っていました。
クラヴマガは、ハンガリーで生まれたユダヤ人武道
家イミ・リヒテンフェルドが完成させた護身術です。
イミ・リヒテンフェルドは警察官の父の指導により
ボクシングなどで活躍するアスリートでしたが、1
930年代から始まったユダヤ人迫害により、実際
に暴漢たち相手に誰もが身を守らなくてはならない
状況になったことから、このテクニックを編み出し
たといいます。
その後、ナチスの迫害から逃れるためパレスチナに
脱出し、ユダヤ人による軍事組織ハガナーの一員と
して近接戦闘術を指導。1948年に設立されたイ
スラエル国防軍は、ハガナーが中核になっています。
 軍でも必須であるクラヴマガではありますが、始
まりはどんな人でもとっさに身を守れるように、と
いうことからでしたので、女性にも適しているとい
うことで、日本でもいくつかジムができているので
す。
 私は本当に少しかじった程度ですが、何か道具を
借りたり試験を受ける時はTシャツを買う必要があ
るとか細かい出費があるのが大変だと、イスラエル
通の知人に話したら「それはイスラエル的ですね~」
と笑っていたのを思い出します。
 習い事は、だいたい入ってみたら色々お金がかか
るものなのかもしれませんが、この時の知人の反応
がふと頭によぎったのは「反ユダヤ主義」が世界で
広がった理由として、彼ら(の一部)が、成功して
お金持ちになっているということがよく言われるこ
とです。
 前回までに書いたように、ローマ帝国に聖地エル
サレムを奪われたユダヤの人々は世界各地に散らば
りました。しかしそこでも何かと差別され、教育を
充実させ、識字率が高くても、就ける職業は限られ
ていました。
 そこで、多くのユダヤ人が金融業に携わるように
なったと言われます。そして結果的に大きな資産を
築く人々が出てきたわけです。
 道ばたで暴行しても強くなって抵抗してくる、そ
してそれさえ商売にしている、迫害しても金持ちに
なってしまう、という具合で、いじめる側はますま
す面白くない、こうしたことも「反ユダヤ主義」を
エスカレートさせているのかもしれません。
 いずれにせよ、ハマスなどイスラム組織は「反ユ
ダヤ主義」を今改めて世界の人々に植え付けること、
そしてそれを利用しようとしていることが分かりま
す。それもガザの無辜の人々を人間の盾にして、で
す。
イスラム教の目的は、世界をイスラム教に塗り替え
ることですので、この出発点は私たちも念頭に置く
必要があると思います。
 ハマスはイスラム教で世界征服をすることを最終
目標にし、手始めにイスラエルを絶滅させると明言
しているわけですから、もしイスラエルで成功した
ら、次のターゲットに向かうことになります。日本
も標的になるのです。
 この出発点という概念が、日本では不足している
ような気がします。イスラエルの人々にとっての出
発点は、アブラハムやモーセです。
 私たちの多くの固定概念というのは、何千年以上
も前のことを信じているのか?とか、命は地球より
重いとか、話し合い��停戦こそみんなを幸せにする
とか、そういう現代的な思考形態から始まっていま
す。
 しかし、こうした私たちの「ものさし」が通用す
るようになった歴史はまだ浅く、しかもあくまでも
理想(幻想)であるということが暗黙了承されてい
ると言えます。
 それが証拠に、米国であれ、自国民がテロで殺害
されれば、テロの首謀者を殺害し「停戦」に向けて
話し合ったりしていません。
 私たちは今、戦争やめろ犠牲を増やすなと騒ぐだ
けでは平和が戻らないという厳しい現実を目の当た
りにしているのです。日本にハマスが存在するよう
なことになれば、もっとリアリティを持つことにな
るのでしょう。
 もちろん、犠牲者が増えることは何とかして阻止
できないかという気持ですが、多くの日本メディ��
が言うほど単純構造ではないということです。
 話が飛ぶようですが、イスラエルにはエチオピア
から移住した黒人のユダヤ人も多数存在します。
 なぜ、エチオピアなのか?そのルーツは、ソロモ
ン王の時代にさかのぼります。ソロモン王とシバ王
国の女王が恋に落ち、ふたりの間に生まれた子供の
子孫とされるのが「エチオピア系ユダヤ人」です。
 1970年代以降、エチオピアの政情不安や飢饉
により、同国で暮らしていたユダヤ系エチオピア人
が殺害されたり、餓死するという事態になった時、
イスラエルは大規模な救出作戦を遂行したのです。
 「モーセ作戦」「ヨシュア作戦」「ソロモン作戦」
と名付けられたミッションにより、旅客機をフル回
転させ、4万人ものユダヤ人をエチオピアから救出し、
イスラエルに移住させました。
 彼らにとって「出エジプト」は、伝説でも神話で
もなく、まさにまだ続いている現実なのです。
驚くのは、イスラエルの最高裁がエチオピアからの
移住は完了したと、この作戦の完了を宣言したのは
2022年2月、つまりつい最近のことです。
 そして、まだ移住していない人もいると、依然と
して今年も数百人規模でイスラエルに移ってきてい
るそうです。
 ユダヤ人である限り決して見捨てない、とにかく
これが、イスラエルの人々なのです。このエチオピ
アから来た人たち、トイレも使ったことがなかった
地から来て、イスラエルでは差別を受けたりして、
人間社会らしくここでまた揉めるのですが、とにか
く彼らは、人間としての好むと好まざるという感情
は関係なく、同胞を救い「約束の地」を共有するの
です。
 こうした事例からも、よくハマスとイスラエルの
紛争は「憎しみの連鎖だ」とか解説されますが、軽
さを感じざるを得ません。彼らは一個人として、よ
りも民族としての使命を帯びて生きている、そのよ
うに思えます。
 現代風の、ぽっと出の価値観で、この問題を評す
ることなどできない、とにかくそのように強く思い
ます。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
皆様にとって良い1週間でありますように!困難の中
にいる全ての人のために祈り、あらゆる紛争の犠牲
者を悼みながら。
(さくらばやし・みさ)
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darekano94 · 4 months
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オモイデドロップス前半とMSS含めた感想(無駄に長いかつネタバレあり)
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まずワクワクしながらダウンロードしてたら「みことがねむの身体を乗っ取り」の一文でビックリしてテンションぶち上がりました(?)
ワクワクガチャ引く瞬間は替えがたい至高…いつもはやる気持ちを抑えておはなしを読む前に引くのが慣例になっています…おはなし読んだら大体余裕が無くなるからです…安心した状態でゆっくり集中したいから…
ちなみにガチャはすり抜けて瞬いてばかりで泣きました…物欲センサーなの…?!くしのことがそんなにきらいなの…!?!って半狂乱になりました…ふーん、そんなに私の本読みたいんだ…読みたいよ?!読ませて?!!(なんとか意地で手に入れました)メモリアは早々に出てくれたからよしとします【追記】ストーリー読んだあとにまた石をかき集めては引きますがほんとに出ない…出なくても仕方無いかなぁ袋小路でジリ貧で努力が空回りしてる感じが僅かにイベストとシンクロ出来た気がするからよしとします(よくはないよね?)
覚醒させたら正面を向いてくれてありがとう…(作画資料的な意味で)
それにしてもウワサ形態って毎回 絵師殺しって感じで最高ですね…
エックスの企画クイズのやつ覚醒セリフだったんですね………素直な気持ちだいじ!!!
闇堕ちしたみたいな見た目なのにセリフは光……ですね…(※この時点ではまだイベスト読んでませんでした)
待機中に手を振ってくれてる…?だれに?帆奈ちゃん…?(しかいないな…)
なんかもうイベントタイトルBgmが希望だ…今度は私が見つけてみせるから…最高にすき…
戦闘ボイス…声がすこし明るくなった…?って思ったけど「消えてもらうね♡」「目障りなの♡」っていう…コネクト…「がんばろっか♡」闇だ…
ストーリー…とんでもない……
ねむ様強いですね…てっきりやられたらまたしばらく起きないものと(失礼)
絵面的にしばらくねむちゃんが帆奈ちゃぁぁん!って帆奈ちゃんにべたべたしてたと思うとドキドキします!しません?自分はしました。乗っといておいて「こんな体でべたべたしてごめん」とか言う…こんな体ってそんな…
わかってたならベタベタする前に気がつこうぜ!でも帆奈ちゃん前にしたら恋しすぎて止まらなかったみことちゃん愛おしい…独占欲つよつよ
「お前」呼ばわりしたり「覗き見女が」って言ったり…悪口はみことちゃんのが語彙ありそう…そのあとのフード頭呼ばわりにちょっとほほえましくなりました。ただの愛称…帆奈ちゃんは本当に優しいね…みことちゃんのMSSの敵が覗き見城下町のウワサで…えっ もしかして覗き見女発言から?!ってジワジワきています…アニレコが恋しい…
環さんの、ねむちゃんより同情してる気配は出しつつもみことちゃんの発想は理解出来なくて倫理観と正論でパンチするとこほんと環さん(けなしてるわけではなく)弱者に寄り添いきれないあたりの解像度がアニレコ並みに高い気がする……(けなしてるわけでは!)
力技だけで片付けられずみことちゃんとどうしても分かり合えないというところもしっかり見られて解釈はめちゃくちゃ一致というか……みことちゃんもほむほむみたいに帆奈ちゃんの話をもっともっと環さんにしまくってアピールしてたら少しは違ったのかな…?でも大切な思い出だからね…環さんにはちょっと…アリナちゃん(と巻き込まれた御園ちゃ���)には見せてましたよね…心開いてるから?っていうか心開いてそうなアリナちゃんのアの字も出なくて(手は出た)くしは泣いた…どこにいるの…?
みことちゃんの…ほんとに救われたいのに救われようとあがくたびにかえって悪い方向に行って絶望する仕組みかなしい…「一緒にいられたらそれだけでいい」という気持ちは同じなのに根本では自分の価値に自信が無いから「役に立たないといけない」って空回り方をする…
そもそも願いを叶えてから能力を使う時も…お母さんに使うんじゃなくて自分に使う…帆奈ちゃんに家を見せられず苦し紛れで他人に使う…そして精神を病む…性格や境遇上どうしようもなかったのかな…って悲しい クリスマスくらい普通にはしゃぐエピがあっていいじゃないですか!?いやはしゃいではいましたけど…輝きと絶望が一緒になって追いかけてくる…クレープ、ウインドーショッピング、遊園地、喫茶店でバイトとかいうオタクの夢てんこ盛り内容なのに胸が苦しい!!!記憶を無くしたくないのに結局無くす方向へ向かう因果……
通常みことちゃんがミラーズのコピーはお人形遊びするためにいるのに…とか言ってましたが…今回してることも帆奈ちゃんの幻を見てるだけだと思うと…切なすぎる…隠遁っていう性質なだけある…「運賃は支払わないと」「人が死ぬね」とか妙なところ律儀なのに …不安定になるとすぐ話が通じなくなる…主張が空回りして本末転倒になるあたり本当に愛おしいけど本当に苦しい……
でも…本当は困ってる人を見逃さず助けられるヒーローになりたかったっていう夢とだれかに見つけてほしかった必要として欲しかったっていう夢が巡り会った帆奈瀬奈という組み合わせは悲しいくらいに美しい………いちいちセリフがドラマチックがすぎる…クリスマスbgmに染まらない強さがあります……
スノードロップとか…もう帆奈瀬奈という言葉が冬の季語として機能するのでは…?くしにも歌を詠む力があれば…
わーんもう情緒めちゃくちゃ…マギアレコードさん…!!!
あとは…後半読んでからにします……(ここまで駄文を読んでくださった方ありがとう…)
下の写真は帆奈ちゃんにみことちゃんを🎁した図です(はやくあけて!
今は石マジでゼロです…
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この図ほんと面白い…
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pasta--tabetai · 5 months
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(ホラー苦手な人がもしここを見ると大変なことになるのでぼかしておきました。)
唐突に「とにくん予定空いた!」って今回はさなちゃんが誘ってくれてこの間活動をはじめた映画同好会ははやくも昨日で3回目を迎えた!電話をかけると秒で出たさなちゃんのはやさに思わずはやっ!って言ったら楽しみにしててんもんって言ってくれてうれしかったなあ。俺も楽しみにしてたんだな!途中でさなちゃんのネトフリがあたふたしてておもしろかった。なんの打ち合わせもしてないのに毎回当たり前のように映画見始める前にお互いご飯の用意しはじめるのちょっと笑えるよね。今回のテーマは「人形系のホラー(?)」てきな感じでその名のとおりの作品を選んで観た!ピエロも人形ということでIT含めて今回は3本観よっか!って決めてたのにけっきょく4本観た!お昼の13時から始めた電話は気付けば22時を回ってて9時間もさなちゃんと一緒にいた!まじで時間溶けたね。しゃわしゅわー!お昼ごはんも夜ごはんも一緒にたべた!なかよぴだな!ふたりでずっと「わー!ひぃー!きたーー!」って言ってたなあ。さなちゃんは過去一叫んでて、何回も「とにくん電話きらんでね!きらんでね!」って言ってておもしろかった!ちょっといたずらしようか迷った!ホラー映画観てるのにずっと楽しそうにしてたさなちゃんと観る映画はやっぱり毎回ずっとたのしいんだな!そしてホラー映画はちゃんとストーリー性があるし奥が深い!初めてインドネシアのホラー映画観たけどなかなかおもしろかったなあ。ずっと特定のインドネシア語にふたりしてハマっててこわいシーンがくるたびにそれで紛らわしてんの愉快だったなあ。そして観る順番も神ががってた!そしてさなちゃんは相も変わらず「最近どうなん?」って聞いてくるからはぐらかしてみたり真剣に相談してみたり「とにくんなにやってん!もう!」って怒られてみたり。「あかんで!」って言ってくれたり肯定ばかりじゃないさなちゃんのお説教にちょっと安心すら覚えてるもん。いつの間にかなんでも話せてる女神さま!今回もほんとに楽しかったです!ありがと!次回もめちゃめちゃたのしみにしてます!
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そして次までにTWICEの曲ぜんぶ歌えるようになるね。たぶん。(「とにくんぜったい聴いてへんやろ!?」って言われる未来が見えました。)そちらも乞うご期待!さなちゃんがすすめてくれた恋愛映画も観てちゃんといろいろ勉強したいとおもいまする。
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longgoodbye1992 · 2 years
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祭りのあと
この街を去る前にエリに会いたいと思っていた。
最後に話したのは七月の終わり。
その後互いに忙しかったのに加えて、その時の会話でエリの恋愛対象に離婚歴がある男は入らないということを知って、なんだか心が折れていた。
それでも会いたいと思ったのは、エリの声と姿を耳と目に焼き付けておきたかったからだ。
声かけたのは日曜日。
相変わらずメッセージの文面は簡潔でさっぱりしていて、すんなりと九月の初日に会うことになった。
休日も仕事で忙しいんだろうが、俺が街を去ることを知って気を遣ってくれてるんだろう。
八月半ばのエリの誕生日にメッセージとちょっとしたギフトを贈った。その頃エリは実家で病の床に伏していた。流行病をもらったらしく、地元の友人達と会う予定が全て潰れたと嘆いていた。
つくづく今の流行病というのは万事を狂わす天災だ。
当日の昼にエリから時間に遅れるとメッセージがくる。予定時間よりだいぶ前だから、やはり家での仕事が捗っていないのだろう。
時間を調節しながらエリを待つことした。
ふと思う、何を話せばいいのだろう。
闘病記や最近の仕事の他に話題は何かあるのだろうか。
会いたいと思う事は何かを話したいではなくて、同じ時間を過ごしたいからな訳で、酒を飲んで軽く食べながらどんなことを話したらいいのかわからなくなる。
沈黙なんてSkype時代に嫌というほど他者と経験して、きられることに慣れていたのに、今はこんなにも怖く思える。
行きつけのバーが明るいうちから開いていることに感謝だった。
だけど相談しても答えなんて出やしない。
それが普通で、まっとうなんだと思った。
待ち合わせは、新たに設定した時間より三十分早まった。嬉しいのかどうか自問自答しながらバーを出る。
��ち合わせは中央改札。その前にある総合案内の真横でエリを待った。
着いたというメッセージとともに緊張が走る。
何に対しての緊張なのか。
エリに会うことなのか、沈黙に対するものかわからないでいた。
耳元で桑田佳祐の祭りのあとが流れる。
粋で優しい馬鹿でいろ。
そんなフレーズがやけに耳に残る。
じっと見つめていた改札の反対側からエリは現れた。
呆気にとられて「えっ、こっち?」なんて間抜けたことを口走った。
エリは誰が見ても元気がない。そんな様子だった。
案の定、仕事に追われた休日だったらしい。
ただ、髪が短くなったような気がした。
前よりも可愛らしく、魅力的になったと今は言わないでおいた。
繁華街に歩きながら店の話をした。
前の店でいいよ。なんてつまらない事を言う。
でもそれは俺にとって気楽になる一言でもあった。
前と同じ煙草が吸える店に入る。
デジャヴのようにおんなじ席に通されて軽く笑えた。
そして前とおんなじように生ビールを二つ頼んだ。
食べ物は任されてしまった。そんなに食べないエリらしかった。
嫌いなものを聞いたらトマトとキュウリだった。
俺と全く同じでつい一緒だなと口が動いた。
乾杯する。エリと会うのは二回目で、二十六歳になって始めて会ったから誕生日祝だった。
その後の会話は結論から言えばなんてことなく、心配をよそに話は進んだ。
「髪切ったよね」
「そう昼に切った」
「今日だったんか短くなったな」
「結構ね、短いの似合うんだよね」
「すごい可愛いと思うよ」
「ありがと」
エリは照れた。わかりやすいくらいに。
Instagramを教えてもらって、過去のギャルだった頃やら、若さほとばしる時期の写真を見てこれまた可愛らしいなとにやける。
アイコンが前に俺が撮った写真だった。
「俺撮ったやつやん」
「一番盛れてるから!」
前に篠山紀信が宮崎美子を撮ったときに、オーディションに送った写真を超えられないと話したエピソードがある。
恋人が撮ったその写真の表情を自分は超えられないと言ったらしい。
俺が撮った無防備なエリを、今は誰も超えられないんだなと悦に浸った。
一瞬付き合った女性の話も思わずしてしまった。
エリは俺の気持ちに共感してくれた。そうするしかなかったのかもしれないけれど嬉しかった。
「財布出すのは礼儀だとおもってた」
「えらいよエリは」
「そんな女いるんだね」
「今日は俺が払うから財布見せんなよ」
「それフリ?」
「違うよ。誕生日祝だから」
「じゃあ甘えるわ」
これがエリが歳上に愛される理由なんだろう。
エリの最近のロマンスは前の職場で知り合った人が隣のマンションで、しばしば会っているということだった。
七つ上の営業マンで気が利くいい人らしい。
エリは六割くらい気があるみたいで、その話をするときの顔は乙女の顔でちょっと妬けた。
「七つ違うのってどうなん?」
「関係ないだろう。俺の三つ上だし」
「なんかそこがきになるんよねー」
「気にすんなよ。誤差だって」
「気になるよー」
ウーロンハイを口に運びながらそんな話をした。
それを気にするなら離婚歴も気にするよなと思った。
「一度人のものになったっていうのがお下がりみたいで嫌」
そう言われたのは正直ショックだった。
だけど今はネタで話せるくらいになった、
「もしエリちゃんがバツイチでも良くなったら俺がいるよ」
「ははは。それ気にしてんだね」
「そりゃ好きだからさ」
「気にならんくなるんかな」
「五年後はわからんよ」
「そうかもね」
煙草に火を点ける横顔がなんだか恨めしく思えたけれどエリらしかった。
「でもさ、今は幸せになるなら誰でもいいと思ってるよ」
なんて口にした。
「親目���かよ」
「兄目線的な?」
「大丈夫だよ」
「俺みたいなクズはさ同族嫌悪でクズのものになってほしくないわけよ」
「大丈夫だよ。あたしだって綺麗な生き方してきたわけじゃないし」
「そうなん?」
「バレなきゃいいって思ってた時期あったよ」
エリは学生時代、数年間遠距離の彼氏がいた。
「まあ、バレなきゃな」
「それなりに遊んでたよ」
かなり酒が効いてるらしく普段言わないことも話している。
聞きたくないような、でもリアルでエリらしかって。
「だからさ、自分みたいな男はわかるつもりだよ」
「ならちょっとは安心だけどな」
「誰目線だよ」
「わかんねぇけどなんか安心した」
「心配してくれてありがと」
「まあ、ロマンスがあってよかったよ」
「ちょっとはあるよそりゃあ」
「ロマンスは有り余るくらいがいいからな」
「それなんだっけ」
「ゲスだ」
二人でハモった。
その後は音楽の話になり、一生で一つのバンドしか聞けないとなったらどのバンドがいいか(俺はスピッツで、エリは横山健のバンド)とか、ELLEGARDENの曲で何が一番好きか(エリはlonesomeで、俺はmiddle of nowhere)なんて話で盛り上がり、カラオケに行くことになった。
初回とまったく同じコースだった。
カラオケボックスに入って歌いたい曲を入れ始める。
エリはELLEGARDENのジターバグ、俺はエリの母親が好きな矢沢永吉のsomebodytonight。
矢沢の真似をしてる間に入れたエリの曲は「若者のすべて」で思わず崩れ落ちた。
「ちょっと、それはヤバいって」
「夏の終わりだからさ」
「最高だよエリは」
「夏終わったわ。なんもしてねぇ」
「夏が終われば赤黄色の金木犀の時期だ」
「それな」
エリのセンスは本当に最高だ。
キーを三つ上げて歌う若者のすべてはなんだか別な曲みたいだったけどよかった。エリの声で聞けるのが嬉しかった。
大塚愛の歌声に似てるからと言って、今回は「クラゲ、流れ星」を選曲した。
「桃ノ花ビラ歌ってくれよ」
「これと焼肉の歌しか歌えないんよ」
「練習してくれ。俺落ちるから」
「ははっ、落ちるんだ」
もうすでに落ちてたなんてわかりきってるだろう。
二時間半はあっという間に過ぎた。
今回は俺も最後まで声が続いた。
「煙草吸って帰ろか」
「うん」
エリは喫煙所で燃え尽きたようにうなだれる。
「酔ったな」
「久々に酔って歌った。いきそうだよ」
「最高の夜、ありがとな」
エリを抱き締めて頭を撫でた。
力の入っていない身体を支えながら。
「行こっか」
エリは急に我に返ったように歩き出す。
会計でエリは数千円をポッケに突っ込もうとしてきたが突き返した。
「だからさ、今日は祝なんだから」
「じゃあ出さない!」
「それでいい!」
「あたしそう言われたらほんと出さないかんね」
「いいってば」
「ありがとう」
どうして俺はこの子の目に映らないんだろう。
カラオケ出て、ふらつくエリの手を握った。
ギタリストの手にしては小さくて柔らかかった。
エリは楽しそうに手を振りながらトトロの歌を歌った。
タクシー乗り場までの間はどんな事があってもこの手を離さないと思った。
「もう電車乗りたくない」
「だからタクシーなのね」
「ラーメン食べたい」
「食べて帰るか」
「ダメ、ジムに通ってるから抑えなきゃ」
変に意志が堅い。
タクシーに崩れ込むように乗り込んで別れた。
エリを乗せたタクシーは夜の車道へ紛れていった。
帰り道。学生時代にたまに行ってたつけ麺屋に入った。大盛りを食べても満足いかなくて、別なラーメン屋でもう一杯食べた。
これはエリの分だと訳のわからない理由をつけて。
エリにメッセージを送った。
ありがとう。また会おう。なんて。
相変わらず簡潔に、ありがとう!ご馳走様!と返ってきた。
ふらふらのエリの精一杯なのかもしれないと思いながらこれを書いて眠りにつこうとする。
この日を真空パックして忘れたくなかった。
花火は燃え尽きた。
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esennk · 1 year
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4/19 体調◎
 今日は彼女を家で寝かせたまま学校へ。先週体調を崩して学校にいけなかったので全て初見授業だった。もう三年もまともに授業を聞いていなかったのだから、今更真面目にやろうとしても集中できない。下級生に混じって受ける授業、惨めに思えてくる。
 昼休み、タバコを切らしていたので祈りながら喫煙所へ行くと、しおんがいた。一本もらった、ありがとう。
 授業終えてそそくさと防音室へ、モーニングコールズの練習。今日は裕介と市川を招き入れ、サスケベース、僕立ちボ編成での初音合わせ。曲としてのレベルが上がりすぎてもう2人だけじゃ人前で演奏できないなと怖くなった。楽器が上手いって楽しいんだろうな。
 3人で紛い物コーラを飲んで商店街まで歩き、サスケとは油組に入る時に解散した。稀に発生する市川とのサシメシ、最初の時の緊張を思い出しては仲良くなったなって思ってニコニコしてしまう。同い年なはずなのに、彼は落ち着いている。店を出てタバコを吸いながら市川の近況を聞いた。ギターマシンの人間的なところを垣間見ると、かなり嬉しくなってしまう。
 たつきと合流してもじゃ横公園へ、一週間前よりはどこか気持ちが軽そうなたつきを見て安心した。ちはるさんと裕介も合流して、次住む街の話。僕も一年後のことを思い、ウキウキしたり不安になったりした、僕は今の部屋が好き。久しぶりに智春さんに会った。近況聞いたりできなかったけど、嬉しくてモテギスミス流しちゃった。ビールこぼしてごめんなさい。
 ふと中学生の頃に少しだけ日記をつけていたことを思い出した。当時はまだガキだったから、その当時の恋人や好きな人の話、下世話な話から悪口までとても人に見せられないような事ばかり書いてたはず。実は上京する時に置いていくことも捨てることもできずこっちに持ってきている。もう見返したりもしない、近々捨ててしまおう。
4/20 体調◯
 今日は全休、朝郵便物を受け取ったはずなんだけど記憶にない。深く寝れたんだろう、いい事だ。昼前まで布団で過ごした。
 ギターの練習をしばらくやって練習へ。ギターの知識の無さや練習不足で友人らに迷惑をかけた。もっと上手くならないと淘汰されてしまう。いつもありがとう友達。
 かずさとフェリーチェを食べて、はるきとたくみくんでおふくろへ。後輩と初めて飲むとき、自分が同期とどうやって仲良くなったかを話すんだけど、その度に仲良かったなとか若かったなとか、少し寂しい気持ちになる。あの頃は時間も体力も有り余ってた。悔しい。
 もう最上級生になってしまった。毎日忙しいし、自分の人としての出来の悪さを何度も自覚させられる、精神に悪い。でももうここで楽になろうとすることが後の自分を苦しめることは分かりきっているので投げ出さずに頑張りたい。頑張ろうね‼️
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setochitose0830 · 2 years
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BLコミックプレゼン作品たち
先日、BL漫画のプレゼン大会が催され、私も参加した。
BLコミックに関して私はズブの素人である。開催までのわずかな間にいくつか読んだとて歴戦の戦士たちとは並ぶべくもないだろうから、いっそ開き直って当日に書店へ向かい「この装幀は力(リキ)が入ってんね!」と思った作品を選ぶことにした。
仕事でTLコミックを担当する際BLコミックの雰囲気や方向性のデザインを求められることも多かったし、なによりデザインでおまんまを食べているので、これなら自分なりのプレゼンができるだろうと思ったからだ。もちろん見た目の派手さだけがすべてではないし、内容に即したデザインかどうかは買った上で中身を吟味しないとそのものの良さを語れないし、そもそもイロハや作法もわかっていない状態で面だけで選ぶというのはあまりにも浅はかであったと完全に反省してます。みなさん許してくださり本当にありがとうございます……。
ということで「この装幀は力(リキ)が入ってんね!」と思って書店で買った3作。どの作品もちゃんと読んだがひとまず当初のコンセプト通り装幀に触れる。解説というより自分用のメモ代わりです。
『春懸けて、鶯』那梧なゆた
NUUDE COMICS/東京漫画社 Art Direction/Design 楠目 智宏(arconic)
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CMYK+蛍光イエロー+UVインクの6C 加工はグロスPP。共刷りっぽいので帯もグロスPPでテカテカ。蛍光イエローと黒い筆跡部分はUV鬼盛り。シュリンクが掛かった状態でも(ちゃんと盛り上がってるな〜)がわかる。UVはよく使う加工方法だがたいてい表1と背で、袖側まで使うのはあんまり見ない気がする(担当した作品だとヲタ恋はそうだったがこんなに鬼盛りじゃなかった)し、折り部分にくるとUVが割れるかもと避ける傾向にあるが強気に背渡し。なによりバーコード横の定価部分もUVが乗ってるのは本当に初めて見た。こんなことできるんだ。 特徴的な筆文字のロゴタイプはモリサワの【うたよみ】がベース。「懸けて、」はフォントママで「春」と「鶯」は筆のかすれや勢いが付け足されている。重版版しかなかったので帯は重版���文言だが、(ネットで検索した)初版の方がコピーとカバーイラストが合致している感じがしてかっこいい。重版は帯にUV加工は為されていないが初版だと違うんだろうか。ネットで書影を見るとくっきりしたイエローでたしかに目を引くが、やっぱり本領は鬼盛りUVだよな〜という感じ。ブツで欲しいやつだ。
『2ndバージンのじょうずな育て方』ずんだ餅粉
DEAR+ COMICS/新書館 Design 記載なし
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CMYK+蛍光イエロー+特色金(DIC620系の青金)の6C 加工はマットPP。蛍光イエローの英字をオーバーレイとかでノセにして、絵柄の色差が黄色に浮く感じ。その上に金。よーーーく見たら版ズレしているのでちょっと悲しい気持ちになる。私も金色を使うとき気をつけよう。でもやっぱり蛍光イエローと金は豪華に見えるね。金色の発色はどうしても液晶で見ると茶色に見えるので、実際に手にして角度を変えてその繊細さがわかる。ブツで欲しいやつだ。
ロゴはモリサワ【A1明朝】をパスのオフセットで細くした、TLコミックスのロゴでも非常に参考にしたタイプ。読めない前提でガンガンロゴを断ち落としにして飾り的に見せつつ、読めるタイトルを小さくサラっと入れる流行りのやつ。あと、いつのまにか帯を紛失していてショックだ。加工や紙質はちょっとわからないけど、ネットで見る感じ、マゼンダがちょっと入ったイエロー(特色で2C刷りかも)のカラーはカバーの繊細な感じと真逆の力強いイメージでかっこいい。傾向イエロー、青金、マゼンタ混色のイエローが黄色系、帯の黒地とタイトルに使われている座布団の黒が統一感をある。なくしたのショックだ〜!デザインが記載されてなくて残念。
『ボーイミーツマリア』PEYO
Conna Comics/フランタン出版 Design YASUHISA KAWATANI(kasatanidesign)
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CMYK+蛍光ピンク+緑系特色の6C プレゼンの際は意気揚々と緑は特色じゃないなど言ってましたが完全に緑が特色です。私の目は節穴……。加工はマットニス。風合いのある用紙なのでニス加工でもちょっと手触りが残っている。さすが少女漫画メチャつよの川谷デザイン、帯にカバーのイラストを使うのではなく、トレーシングペーパーを使って文字を載せつつ、透明感を物理的に解決しつつ、表1の時点で物語が浮き上がってくる見せ方。表4も花瓶を隔ててわずかに色のトーンが違っているのもいい。PEYOさんと川谷さんの互いの領分がどこまでだったかはわからないが、本当にこういう仕事をしたいものである。 ロゴタイプのフォントはゴシック系で、尖ったウロコが特徴的だがちょっと普段使うフォントではないのでよくわからない。方向としては先ほどの『2ndバージン』と似た感じ。全体的にポップな色使いなので色が外に広がりすぎそうなところをタイトルの「ボーイミーツマリア」「PEYO」「Boy meets Maria」、帯の「演劇部のマドンナ。彼女は、男でした」のゴシック体に使われている黒が引き締めている。少女漫画雑誌でもよく言われる“墨単色は誌面で強すぎるが使わないと散らばってしまうので要所を抑えて”が反映されていて勉強になる。帯は重版用。ピンク系の特色でさらっと入れていて、そもそも読める必要はないので(特にこの作品だと表1に付帯情報を入れてしまうと雰囲気そのものが崩れると思う)、これでいきましょうで通せるデザイナーも理解のある編集者もこの作品の方向性を本当にわかってる……と感動してしまう。
あと、作品を選ぶ際、もしかしたら顎が尖っていて気怠そうに笑う顔のいい男が好きなのではという気づきがあった。もちろん「この装幀は力(リキ)が入ってんね!」で選んだのだが、無意識にそういう作品の方が長いあいだ吟味していたような気もする。今回のプレゼンで紹介いただいた作品はひとまず電子で(電子ですみません……)購入したので読んでゆくぞ〜です。 学生の頃はこの作品おもしろい!や読んで!を紹介したりされたりがごく当たり前だったのが、そういうやりとりからずいぶん遠ざかってしまって、久しぶりに熱量のある作品紹介を聞いてひとりでグッときてました。これが好き!って会話をするのが好きだったんだよ〜。なのでみんな好きな作品をどんどん教えてくれ。ひとまず対戦ありがとうございました〜!
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myonbl · 2 years
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2022年7月17日(日)
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三重県紀北町・奥川ファームから隔週に届く定期便、畑無農薬野菜・平飼い有精卵・特別栽培玄米、それに手打ち蕎麦と地鶏。今回のスペシャルは<くき漬け>、八頭の茎を紫蘇と塩で漬けたもの、紀北地方独特の郷土料理だ。暑い夏、食欲の落ちる頃に好んで食べられる。もっとも、私には食欲が落ちるということはないのだが、早速頂こう。奥川さん、いつもありがとうございます!
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5時起床。
日誌書く。
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納豆素麺+牛乳+ヨーグルト。
洗濯1回。
ツレアイは、午前8時に電話を切り替えて緊急電話当番。
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今日は祇園祭・前祭の山鉾巡行、NHKが全国に中継している。
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奥川ファームから定期便が届く、夏野菜が一杯。一緒に<糠床>をお願いしたのだが、なんと既に野菜を漬け込んだ大きなタッパも一緒に送って下さった。申し訳ないが、ありがたい。
これまで無印良品の糠床を使ってきたが、届いた伊勢産のものと入れ替える。
先日紛失したスーパー・ライフのクレジットカード、再発行を依頼したものが届いた。
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ラン���、届いたばかりの野菜(カボチャ・ナス・シシト��)を天ぷらにして蕎麦と一緒にいただく。少しだけ(?)🍶も。
録画番組視聴、刑事コロンボ。
(43)「秒読みの殺人」
何度見ても新しい!ミステリードラマの金字塔。テレビ局の敏腕プロデューサーが恋人である上司を殺害する。完全なアリバイ工作を行ったように思えたが… 
 テレビ局の敏腕プロデューサー、ケイ・フリーストンは、支社長のマークと恋人関係にあった。マークは本社への栄転が決まるが、ケイを後任に推す気がなく、二人の関係も終わらせようとしていた。それを知ったケイは、局の重役たちに担当番組を見せている間、映写室を抜け出してマークを殺害。自らの声で録音した、秒数をカウントダウンするテープを利用してアリバイ工作を行った。
私は午睡、ツレアイは買物へ。
昼の天ぷらが美味しかったので、夜も天ぷらにする。
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カボチャ・ナス・ピーマン・ソーセージ・チクワ、トマトとレタスはスーパーのもの。義兄からいただいた3本目、まずまずかな。
録画番組視聴、日本の話芸。
桂雀三郎 落語「青菜」
初回放送日: 2022年7月17日
桂雀三郎さんの落語「青菜」をお送りします(令和4年6月2日(木)NHK大阪ホールで収録)【あらすじ】家の旦那は、仕事を終えた植木屋に青菜を出すよう妻に指示をする。妻が、「鞍馬から牛若丸が出でまして、その名を九郎判官」「そうか、義経」。これは、青菜は食べてしまってもうないと客人の前で言えないので、「菜を食らう判官」「よし(つね)」というやり取りだったのだ。感心した植木屋は家に帰り、女房に試すが…。
やはり上方版は暑苦しい、柳家小三治のCDで聴き直す。
酒が回って、今夜も早めにダウン。
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家から一歩も出ず、水分は1,800ml。
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kennak · 2 years
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雨の公園で濡れながら本に目を落とす10歳の少女・更紗(白鳥玉季)。 父を亡くし、母が他所に男を作ってしまったことで伯母の家に引き取られるも そこにも居場所はなく孤独の中で時間を持て余していた。 公園に傘を持って現れたのは、更紗と同じく孤独を抱えた大学生の文(松坂桃李)。 僅かな会話から事情を察した文は、自分の家に来るかと声をかけ二人の共同生活が始まった。 安心して眠れる場所を見つけた更紗と、少しずつ笑顔を取り戻す更紗を黙って受け入れる文だったが 同居生活から2ヵ月経ったある日、文は誘拐犯として逮捕され、束の間の平穏な日々は終わりを告げる。 そこから15年後、更紗(広瀬すず)は恋人の亮(横浜流星)と同棲生活を送っていた。 亮との関係は決して順調とはいえず、狂い始めた歯車の軋む音が更紗にとって次第に重荷になっていた。 相談に乗ってもらうために同僚の佳菜子(趣里)と偶然入ったカフェにいた店主は、紛れもない文だった。 物語は、以前ドラマ化もされた「幸色のワンルーム」(*アマプラ)によく似ている。 「幸色〜」は年端もいかない少女を連れ去った事件を美化していると批判が殺到し 当初は地上波での放送予定だったものを断念して配信へと切り替えられた。 ほぼ同じプロットの物語に挑んだ李監督は、年の離れた二人の絆の強さを 当事者と部外者双方の心情を配慮した上で、常識や倫理を超えて呼び合ってしまう 二人の関係を描き出すことに成功している。 「当事者にしかわからないこと」と「部外者にしか見えないもの」の狭間で揺れる 二人の少女がどちらも素晴らしく、特に更紗の少女時代を演じた白鳥玉季が放つ 眩しいばかりの透明感と芯の強さがうかがえる眼差しは、 今にも壊れてしまいそうな文の脆さとは対照的で重苦しい雰囲気の漂う本作の一筋の光になっている。 『10歳の少女に大学生が声をかけ同棲生活を送っていた』と聞けば 世間の多くは亮や作中の学生達、レストランで働く同僚と同じ感情を抱くだろう。 二人がどんな気持ちで響き合い、繋がっているのかを吟味する間もなく 更紗と文の年齢差だけをもって「汚らわしい」と決断を下す。 法に従って動く警察はまだしも、感情で動く世間の暴走には歯止めが効かない。 理解できないものを排除し、側から遠ざけようとするのは防衛本能故だろうが 自分達の安息のために、行き場のない二人をさらに孤独に追い込むことには無頓着になっている。 二人の共依存を強固にしているのは、実は自分達の無理解なのだという自覚はおそらくない。 終盤で明かされる松坂桃李の事実には衝撃を受けたが 思えばこの作品のポスターや予告編での文は、その片鱗を既に匂わせていて 改めて松坂桃李の凄まじさを思い知らされてしまった。 「新聞記者」「孤狼の血」と映画賞に連続して顔をだし、まだ今年こんな芝居を出してくるとは。 広瀬すずは「ラストレター」の時に森七菜に花を持たせた時と同じく 白鳥玉季の鮮烈さを際立たせる受けの芝居に徹していて、こちらも大女優の風格。 特に亮との関係性が「不穏」→「怒り」→「恐れ」→「諦観」→「憐憫」と変化していく様子を 亮に向ける眼差しだけで表現しているのは圧巻。 さらに亮を演じる横浜流星も、これまでに見たことのない表情を連発し 李組の洗礼を受けて完全に一皮向けた印象。 今年の映画賞は本作の出演者が続々ノミネートされそうな気がする。 まだ上映開始になったばかりの地域や、これから公開になる地域もあるようなので ラストを含む重要なネタバレには触れないようにしたが 黒沢清監督の「岸辺の旅」やバリー・ジェンキンス監督のオスカー受賞作「ムーンライト」にも 引けを取らない名作だと思う。
映画「流浪の月」当事者にしかわからないこと、部外者にしか見えないもの - 忍之閻魔帳
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derspericher · 3 hours
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子供達は笑う #Russian Federation
2回目の友好使節団として、ロシアのとある東地域に位置する都市を中心としたロシアのサマーキャンプに参加した。私は当時やっと6年生になろうとしていた頃だったように思う(定かではない)
そこでは一週間ほど現地の子供とサマーキャンプを楽しんだ。私は今でも、当時サマーキャンプに参加していたロシアの子供たちからもらった文通用のアドレスが書いてある紙切れや、男の子がくれた美しい木製の十字架の数珠を大事に持っている。文化交流の一環として覚えたロシア語の歌は、今でもそらで歌える。「カチューシャ」という歌で、古くから海外版として世界で親しまれているロシアの歌だ。日本語版もあり、私の祖母が歌っていた。カチューシャ、というのはヘアバンドのことではなく、ロシアの女性名だ。カチューシャが出征した恋人への想いを歌っているというもの。
出征。もう2年ほど続いている、悲惨なウクライナ・ロシア間での大規模な戦争が頭によぎる。今思うと、当時は政治的なルートを回りながら文化交流をしていたようにも思う。サマーキャンプでひとしきり交流した後日、キャンプとは別で日程が組まれており、その日はまずロシア正教の美しい教会へ行った。私が初めて仏教以外の宗教に触れたのは、この時だった。そのことに関しては今も昔も違和感はないが、その後、宇宙飛行士で有名なガガーリン像を横目に、私たちはなぜか軍用機に乗せられたことは謎だ。あの日の曇った空と、訳もわからず乗せられていった時の興奮が思い起こされる。「軍用機なんて滅多に乗れないんだから!」とワクワクしていた。子供は単純だ。いまだになぜ軍用機に乗せられたのかが疑問ではあるが、この世界情勢を見るに、あのツアーですら、政治的な活動だったのかもしれない。
それでも結局、ロシアと言われて目に浮かぶのは、交流した子供たちだ。サマーキャンプ中、何を話したか詳しくはもう覚えていないが、彼らは優しかった。たくさんのチョコレートをいろんな子供たちから毎日のようにもらった。最終的に、リュックの中はほぼチョコレートで埋まっていた。私の腕にみんなの名前をロシア語でマッキーでサインしてもらった。みんなの腕にも私の名前を書いた。嬉しそうにそれを見せている写真が残っている。サマーキャンプ中に私のガイド役でバディとなった綺麗な女の子から、確か好きな男の子の話を聞いた。真っ赤に頬を染めながら話してくれていた。うんうんと聞いていると、帰り際に緑色の四角い宝石が並んだブレスレットをくれた。どうやってその話がわかったのかは、今はわからない。多分英語は話していなかった。でも確かに、私はその子とコミュニケーションをとった。ブレスレットは、その証のような気がしている。
そういえば、後にも先にも、一番おいしかったマッシュポテトはこの時にみんなで食べたマッシュポテだ。私の好物の一つでもある。
最終日はみんなでキャンドルを囲みながら、それぞれ、今回のサマーキャンプの思い出を順番に話した。たった1週間ほどのサマーキャンプ。それでも子供たちは「友達」に確かになっていた。なぜか寂しい気持ちになり、互いに涙ぐみながら話した。どうやってそんなに仲良くなったんだろう、と今でも不思議に思う。思春期ほど「友達って何?」とか考える頃だっただろうに、紛れもなく「友達になれた」と思っていた。この時のことを思い出すと、「言葉の壁」とは本当にあるのだろうか?と考える。
私には、今、ロシア人とウクライナ人、両方の友達がいる。どちらも互いを批判しており、その意見を聞きながら、あのサマーキャンプを思い出す。政治家のマネーゲームに踊らされていくのが大人だとしても、彼らもまた、私と同じように子供だったんだよな。あの頃会っていたら、彼らも友達になれたんじゃないか。そんなことを考えるととても悲しくなる。
話はさらに少し変わるが、数年前にポーランドのアウシュビッツ収容所を訪れた際、現地に住む唯一の日本人ツアーガイド中谷さんから「縞模様のパジャマの少年」という映画をおすすめされた。収容所に入れられた子供と、収容所を仕切っている大佐の子供が、フェンス越しに仲良くなってしまう話だ。幼な子たちは、どんな戦火にいても、心は柔らかい。友達になってしまう。いつ、どの時点でその柔らかさを失っていってしまうんだろう。私ですら失っている気がする。
あの頃出会った子供たちは、今日、どんな目で世界を見ているのだろうか。
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soleggiatony · 5 days
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1ヶ月の半分。
付き合ってからそれだけ経つから、一緒に居た期間を含めるともっと長いね。
ななが僕の隣に、彼女になってから、僕の世界は明るくなった。付き合う前から、ゆうくんは幸せになっていいんだよって何回も何回も言ってくれて。背中を押してくれて。それがどんなに嬉しかったか。いつまでも一歩踏み出せなかった僕のこと、ずっと好きでいてくれて、それを伝えてくれて。ななのこと、沢山待たせたし悲しい思いもさせてごめんね。だけどそれよりありがとう、って思ってます。
恋人になってから、僕は今もずっと幸せ。今まで出来なかった恋人らしいことや、ちゃんと愛されて、自分も愛してる関係性が嬉しくて嬉しくて。なながいつもマイナスポイントに思ってる早寝も、朝ごめんねって本当に悲しそうに謝ってるななを見ると、愛おしいなって想う。
寂しい思いさせてごめんね、とか、もしかしたらその間に他の女の子の所に、とか、彼女なのに一緒に居てあげられないの失格だ、とか、そんな事を前言ってたね。それを聞いた時に、なんで?って思ってた。会いたいなあとは思うけど、ななの寝顔(きっと嫌って言うだろうけど)を見る時間はとてつもなく幸せだし、それが募って会いたいって口に出しちゃうだけ。何してんの、彼女なんだから起きててよ、なんてマイナスの意味じゃないから、それは分かっててね?会いたい気持ちは他の子じゃ紛らわせないし、もっと会いたくなるからその心配はなし!でもななが不安にならないように、沢山沢山好きは伝えるから。
嫉妬も独占欲も僕の方がきっと強いし、不安になって拗らせて、ぶうぶう文句言ってることが多いと思う。自覚してます。(笑)でもほんとは好きだし、離れるつもりなんてないし、ななの嫌なことはしたくないって思ってるから。逆にもしもななが不安になったり、心が少しざわついた時には、なんでも聞いて。隠すことなんて何もないし、なんでも答える。ななが1番大事だからね。そしてそれを面倒臭いかな、なんて思わないで。前も言ったけど、そう思ってくれるくらい、好きで居てくれてるんだなって安心するからさ。
まだ出会って、付き合ってそんなに日は経ってないけど、ななへの気持ちが毎日募ってくんだ。
優しいところ。気遣いが出来て、僕のことを1番に考えてくれて、その気持ちの変化にも気付いてくれて。そんな所が好き。可愛いところ。素直な時もちょっと意地悪な時も、ななはいつも可愛い。愛らしい、って言った方がいいかな。僕の目にはどんな仕草も、可愛らしく映ってるよ。きっと盲目だってまた笑われるだろうけど。かっこいいところ。ゆうくんの幸せは私が守る!傷つけるやつはゆるさん!って盾になってくれるところ。でも今度は、僕にもななの幸せを守らせてね。お互い、時に相手の為に戦える剣に、相手を守る為の盾になれるような、そんな関係性でいようね。沢山笑うところ。仕事から帰って来た時、朝のおはよう、いつだってにこにこしてくれてる。その笑顔を見る度に元気になるし、その笑顔をずっと隣で守らせてねって思ってるよ。素直なところ。いつも真っ直ぐに伝わるななの言葉は、宝物のようにキラキラしてる。好きも、楽しいも、幸せも。泣いたり笑ったり怒ったり、僕の隣では繕うことなく自然体のななでいてね。そうなれるような場所をきっと作るから。えっちなところ。これは言わずもがな。そういうところも好きだよ。僕を好きでいてくれるところ。好き、って言ったら必ず面倒くさがらずに好きって返してくれるところ。当たり前のように見えて、そうじゃないこと僕は知ってる。何ヶ月、何年経っても、そうやって好きを伝えることをずっと続けていけたらな。
沢山回り道も遠回りもしたけど、ななと出逢えて、恋人になれて本当に良かったし、僕を選んでくれてありがとうって思ってる。彼女になってくれてありがとう。世界一自慢の彼女です。これからも一緒にいよう、ずっと僕についてきてください。
大好きだよ、愛してる。
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