Tumgik
#和紙風ベタ
takamura-kai · 6 months
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ポストカードイラスト(昇り龍)
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p1zzapi22a · 1 year
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なんとか生後100日を過ぎたので、入院中~退院して数日間書いていた日記を今更見返したりしている。なかなか貴重な体験をしたので自分のために残しておこうと思う。
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いよいよ予定日が近づいてきて、私はと言うと出産が怖くなり突然泣いたりと、かなりはちゃめちゃな精神状態になっていた。
予定日の10日前、旦那とおなかいっぱい夕飯を食べた夜中の0時頃、そろそろお風呂に入らなきゃなどと話していたら突然破水した。びっくりしたのは本当にお腹で破裂音が鳴ったこと。話には聞いていて半信半疑だったが音がするのって本当だったんだ。
陣痛タクシーで産婦人科へ。
旦那が居ない時に破水か陣痛が来たら怖いな…と不安がっていたので家にいるときで良かったと思った。おチビ、空気読んでくれてありがとう。
緊張なのか急に手足が冷えて車内で震えが止まらなかった。
産院に着いて試験紙で破水と確認。即入院。
陣痛がまだ来てないので旦那は一時帰宅。 配車したら行きと同じタクシーの運転手さんで旦那だけ帰るかもと思い近くを流してくれていたらしい。感動…なんていい人なんだ。
その後軽い陣痛のような痛みが始まる。
痛いのに不思議と眠くなる。少し寝る。
起きると痛みが10分~5分間隔になっていたが耐えるしかないらしく陣痛室でなんとか過ごす。心細くて長い長い夜だった。
朝7時頃、子宮口3cm。まだまだ。
とにかく痛くて寝てられない。座ると楽なので座って小刻みに寝た。
10時前に子宮口7cmくらいになったので旦那に連絡して産院に来てもらうが、なぜか陣痛が弱まり室内を永遠歩かされる。これがしんどすぎて「痛いよ~」「嫌だよ~」と子供のように泣きながらとぼとぼ歩いていた。
子宮口は開いてきたけれど陣痛間隔が開きすぎてて分娩はまだ出来ず、ただ時間が過ぎてゆく。
わたしの体力がもう限界のため促進剤で促すことにして分娩室へ。やっと終わる~~~と思ったのもつかの間、地獄へようこそ!!!!
こんな痛みがあるのかという痛さだった。
いきむのは本当に便秘うんちを出す感覚だった。これも聞いていたのでまあまあ上手くできた気がする。
しかしなかなか出てこず、赤ちゃんの心拍が少し弱まってしまったので最後は吸引に切り替え。
吸引でも上手くいかなさそうな気配でなにやらわたしの股の前で先生と助産師さんがあーだこーだ言っている。なんかでっかい銀の怖い器具みたいなのがチラッと見えた。なにあれ?
汗と涙といろいろでべちょべちょだし下半身がどうなってるかもうわからん。
本当に痛い時は声が出ないなどと聞いていたが声を出さないと気絶してしまうと思ったので声を出したらスパルタドクターに「声出す暇があったらイキむ!!」と言われ続け泣きながら息を止めて頑張った。
最後はドクターの全体重でわたしのお腹をおしつぶしてちびを出す作戦。いやあんなにお腹大切に守ってきたのに最後の最後そんなことしていいの?????
ぎゅうぎゅう押されてもうダメだと思った瞬間に「ひぎゃ…」と小さな一声を聞いてその時だけ痛みもなにも感じなくなった。
終わった…!!!!!!!!!!
姿はまだよく見てないけど今この瞬間初めて肺呼吸をした人は元気に大声で泣いている。
いろいろネットで見て恐れていた会陰縫合はもちろん痛いけど、お産に比べたら「いた~い」てくらいのレベルだった。アドレナリンすげえ。トイレもめちゃくちゃ怖かったけどさほど痛くない。終わったから言えるけど陣痛の方が辛かったかもしれない。
身体を拭いてもらったチビがわたしの上に乗せられた。に、人間だ…………。目を開けて、息をして、頭からつま先までしっかり人間だ。
はじめまして。
部屋に帰って少しご飯を食べて旦那は帰宅。
気絶するように少し眠った。
出産直後は涙なんて出なかったのにベッドに入ったら疲れと安堵と寂しさが一気に押し寄せてきて涙が止まらなかった。
部屋に連れてこられたチビはすごくかわいい。本当にさっきまでお腹にいたの? 目が大きくて髪の毛がファサファサで耳の形がとっても綺麗。
あなたに何かあったらどうしようと毎日気が気じゃなかったけれど、とりあえず健康そうで安心したよ。
どこにいてもチビと身体を共有してずっと2人一緒だったのに胎動のしない空っぽのお腹 少し寂しいよう��気もする。でもこれからは毎日顔を見られる。嬉しい!
長い長い時間そばに居てくれた旦那には心から感謝。この人と結婚して本当に良かったと改めて思った。
助産師さんも先生も全力で私とチビを会わせてくれて感謝してもしきれない。
産後ハイやマタニティブルーなどあまり信用していなかったが、実際そうだった。
産後1日目は痛みがまだアドレナリンで緩和されていた感じがするが2日目は全身激痛だしもう理由も無く涙腺から溢れ出る涙。毎日夜中2時間くらいずっと泣いていた。
時間が無くて自分達で地面にカメラを置いて撮った斜め構図のど素人マタニティフォトを見返していて、もう夫婦2人だけの時間は二度と戻らないのだと思ったら更に涙が止まらなかった。
決してマイナスの意味では無く、抗えない時の流れを実感した。
3人になったこれからの一日一日も二度と同じ日は来ないし、過ぎ去るばかりで時間は有限だということに改めて気が付かされた。大切に大切に上書きしていかなければ。
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出産は痛くて怖くてどろどろで発狂寸前の誰にも見せたくない姿になってしまうけど何かすごい経験をしたことは確か。
神秘的などとよく言うが、神秘的というよりあれは紛れもない医療現場。全員で頑張る医療現場だった。
この子がこの先苦しくて辛いことを経験した時、それを親は代わってあげられないけれど、出産だけは苦しみを半分受け持ってあげられる唯一の瞬間だと助産師さんから聞いて、あの痛みに耐えた苦しみが報われた。
人生で1番頑張ったと言える壮絶な18時間だった。
そして顔も声も知らなかったはじめましての人間を心から愛せることに驚いた。可愛いと思えるかどうかなんて不安は瞬く間に消え去り、わたしは母になったのだ。
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●持ちもの評価
・おうちの香りのするバスタオル◎
産後枕に敷いてよく眠れた
・お茶◎
水は味気ないしポカリは甘くて受け付けなかったのでお茶は絶対あったほうがいい
・ウィーダーインゼリー△
甘いしなんか飲み込めん
・ストローキャップ◎
絶対絶対絶対いる!!!!!!!
・レッグウォーマー◎
寒かったので助かった
・お菓子×
ネットでは持ってくといいと書いてあったけど食べる気力無いし産院でおやつが出た!
バッグは分けて用意しておいてかなりスムーズだった。
・入院バッグ
パジャマ/バスタオル/靴下/レッグウォーマー/生理用品/箱ティッシュ
・陣痛バッグ
スマホ/母子手���などの基本品/飲み物/充電器/ティッシュ/タオル
常に枕元に置いておきたいものを入れれば間違いない
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退院日はクリスマスだった。
ベタなこと言うようだけれど我が家にかわいいクリスマスプレゼントがやってきた。
そして先日100日目を迎え、毎日たくさん笑い、たくさん泣いて、たくさんミルクを飲んでふくふく元気に育っている。
ゆっくり成長しておくれ。
そんなこんなで忘れる前の産後メモ。
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crispy-moratta · 2 years
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民藝の100年 memo
白樺同人は印刷物として、西欧の美術動向を吸収するのに役立った。
リーチ、lovelyとメモるのかわいいな、、、
交通手段として失われていく船を前近代の象徴として、またインターナショナルなイメージとして、北前船の交易品は蒐集された
朝鮮民族美術館の宮廷の建物をミュージアムにした際に、朝鮮家具の卓子という書棚が展示ケースとして活用される。また日本民藝館のケースはこれがルーツであり、鈴木繁男が拭漆を施したものである。
日本民芸術館設立趣意書 「自然から産みなされた健康な素朴な活々した日を求めるなら、民藝Fork Artの世界に来ねばならぬ」と、蒐集対象は民衆に用いられた日常の雑具と規定した。表紙は青山二郎の染付羊歯文平猪口
船箪笥の図案が文字っぽいあしらいがされているところがあり、また留め具が非常に多い。上に持ち運びのための取手?がついている。
越後タイムスは吉田正太郎の依頼を受けたもので、中身は新聞のような紙版がなされている。下手物が特集?されていて、紙面中央には器の図版、特集タイトルの上にある花の図案は何だろうか。、、また展示体系のして、額装してあるが、マージンにマージンをとる、ビジュアル的な良さがあった。
東こぎん肩布の図案は菱形の図形が組み合わされ、また縫い?の荒さ?がとても良い。が肩布って何に使うもの?
日本民藝品図録の紙面、民藝品が画面中央にモノクロ印刷で置かれており、右下にノンブルが漢数字で入っている。このノンブル、各ページ同ポジになく、圖三十二 など。 印刷方法に依存しているところもある?
紙縒卍文八角膳の天板の模様が気になる。中央から何かそういう形で押し付けたような、掘ったよあなかたち。木目ではないが、荒い目でみるとそういうふうに認識してしまう。漆を塗る過程によるものな気はするが。
柳宗悦や濱田庄司らはイギリスと韓国の家具を高く評価する。またハーバード大学附属フォッグ美術館の招きを受け、欧州経由で渡米。スウェーデンの北方民族博物館やスカンセン(野外博物館)にしょくさつされて、将来の民族美術館の構想を温める。アメリカでは素朴な味わいの聖書の挿絵を蒐集。ボウバックアームチェアスプラッタあるタイプの意匠が非常に好き。たびたび出てくる、クネクネとした。人のような植物のような版画的に造形、図版は何に由来しているんだ、、。
スパリップウェアが掛け流しの重要な参照点となる。
マイケルカーデューの紙皿がとても素晴らしい。化粧土をかけた後に櫛形を施したらしいが、櫛形の曲がるときのスナップが妙な歪さをうんでいる。たぶん私が好きな最たる理由は色だが。
聖書の挿絵が意外とコミカルでおもろかった。ノンパースで、バットが空間に浮いていてお祈りしてるもか、そんな高くない。高座にいるとか。ドイツのもの。
1920-30 日本の近代化にあわせ、大正末から昭和の初期にかけて、矛盾が露呈してきて(誰目線だ?)都市に対する郷土という概念が成立する。民俗、民家、民具、民藝などの生活文化を再評価する動きが高まり、都市生活者の趣味という側面とともにかっぱつかする,
柳田と柳が話したのは一度だけらしく、過去の歴史を正確にするのが民俗学であると柳田は主張し、柳はこうあらねばならくという世界に触れていく使命を担うのが民藝だと説いたが、ふたりはその違いを確認するにとどまった。表層的だが、柳田の民俗学論に共感するが、どちらが善でどちらが悪という話でもなく、どちらも持ち合わせているような気もするので、派はないがグラデーション的には柳田スタンスか、私は。
緑草会編 民家図集の紙面が良かった。頁上部に図版があり、下に設計?ラフとテキストが200字ほど、これらは印刷工の仕事?1930
京郊民家譜の河井寛次郎の装丁が素晴らしく良い。イッチン描き風の文字が現代的な視点ではかたりパンクだが、実際イッチン的な素朴さを当時は感じていたのか?
20世紀初頭、大津絵が再評価されるが、これが良いのが格子の裂を多用した表装で柳も大津絵の新しい見せ方と高く評価したそう、普通にタータンっぽくもあるが、もう少しばあさんっぽい。
芹沢銈介は絵馬を集めてたらしいワ。
山本鼎の木鉢のデザイン画がとっても良いが、クラフト紙に水彩?で書いてる、これが一発書きとは思えないので、これを書いていく過程で決まるかたちもあると思うが、逆にこれを見て作れる職人もすごいな、設計図とか別にあるのかな、
民藝同人によって蒐集されたものの中には道具としての生命を終えたものもあるが、煙で燻され、磨き込まれて深まった色合いや皿の味わいを「見る」という用途をもっていると柳はいった。
赤絵丸文繁鉢、丸という枠に図案をされる。赤と緑、生成りのような黄色なかな。活発である。縁の黒が効いているのもあるか。アウトラインをつけることによって、おもちゃ感が強い。がキムチとかをポンと入れたくなる高貴さはある。
美の標準 そのニ 工藝第2号において、柳はふたつの挿絵を入れ、なぜ一方が不十分で、一方が優れているかを示しこれによって美の標準をはっきりさせたいと思っている。これは言葉によらず、具体的に一見して分かるから読者にも興味があると思う。とかなり読者に寄り添った、へんしゅうをしているが、悪いものの例には有名なものを、いい例には無名なものをいらるという編集方針がとても良い。そのものを押し出すのではなく、考えを押し出すのだ。また12回の連載を終え、悪い方の例になるものを写真に撮るのがなかなか面倒になったらであるなどといっている、笑
雑誌 工藝 は雑誌そのものが工芸的な作品であるべきであるという発想のもとつくられており、布表装にしたり、用紙に和紙を使ったり、豊富な小窓絵と写真を使ったりという工夫が凝らされてた。
雑誌 工藝の芹沢銈介のはたらきがめちゃくちゃに良い。扉絵の挿絵、これらのにじみなどに芹沢の影を感じた。また、線の形として、あまり勢いはなく、熟考された上での手癖っぽい感じ、またそれが直線とのコントラストを産み、なお良い。
民芸フォントと題されたところで、柳が「非個人的な字」を見出したとある。壺の局面に書く際のいっちんの手法の不自由さが、個性の角をとるということだが、浄瑠璃、芝居の番付、提灯の文字、将棋の駒なども近しいという。が芹沢の手癖的な文字の方が私は愛おしいと思うが、あれは違う?いっちんのパンクな感じは、もしかしてグラフィティてきなところに繋がりを感じられるかもしれない。不自由な手法という意味では。
柳も仮名のかたちとして注目した、浄土真宗初期の版本の文字が非常に良いが、版画なのか、、文字の上に家紋的な図版が、レイヤーで捺印されていて、字と図の境界を曖昧にしている。が良くみると推されている圖はぜんぶおなじで、なんか訂正印みたいでもあるが、なにか用途がある?
織物の袖無長衣 サイシャット族 | 台湾の色彩と図案のバランスが素敵だが、テキスタイルの柄に依存して、ライン先の記事全体の形がキュッとなっているのもかわいい。また、ライン的に入る柄には縫いの位置ととても関係性がありそうで、これも素朴さの所以かもしれん。
雑誌 民藝でも見られたが、柳は本文ページと表装のコントラストがないことを嫌ったそうだった。「表具に用いる素材としての布又は髪の色をら本品と近いものから選びますとその結果が至って無難なことが見出されました」とある。
山陰新民藝品展覧会 1932のパンフレットが美しい。図版が自由に配されつつ、その周りにキャプション、中央に四角く囲った民藝品のリストが固く組まれている。
柳の拭漆机の棚に彫られた、4枚の花の図案が美しい。深く掘りエッジを立たせることで、シャープな印象をつくるが、これも柳のシャープ好きを裏付けるものか?
日本民藝地方民窯展 展示風景1940がめちゃくちゃによい、地図から糸を引き、器よ結びつける。非常によい。
柳と芹沢で制作された全長13メートルの巨大な日本民藝地図、旧国名による区分に都道府県を協会を重ね、オーバラップさせる。また鉄道網を走らせ、民藝品を記号化したものをつかい、500を超える産地をマッピングしたよのたが、ここまでのレイヤーを作るながら、意外とあっけらかんとした。色面の印象が強い、ビジュアルで、いけいけとしながも力強い。芹沢の色彩感覚がめちゃくちゃよく、赤、深緑、黄色、緑っぽいグレーに、白文字金文字、ときおり赤文字で入る地名のカリグラフィーがめちゃくちゃ心地よい、地図はベタで、海は陸に沿って若干コントラストがついている。ふわふわしそうな、色使いたが、鉄道路線の黒がコントラストを1番上のレイヤーでつくり、横に広がり続けるビジュアルに流れる視線を留めてくれる。民藝品のアイコンが素敵、そこまでディテールを排除せず、色数も極端に絞らず、揚々としている。
抱瓶とよばらる酒瓶の一種でかたちが三日月型のらいんになっているのは腰に当てて方から下げて携帯したことによるもの。しかし現在でではサイズ感的に絶対置きだろと思いつつ、なんなら水指であるが、これも用途の転換と呼べるものか。
生成り本文頁にモノクロの写真をおく、だんだんページは焼けてきて、独特なコントラストをつくる。
青森の伊達げら、の模様がかわいい。記事のつくりによって図案がワープしている。
芹沢銈介の海外中の挿絵が良かった。家が消失してもなお、仕事が続けられる体制がとれているところに自分的に芹沢を見た。どんな状況でもものづくりに向き合えるのは最低限の環境、それなりのスペースと採光、そんなに必要とされる条件は厳しくないのかもしれない。
文字絵 忠 | 考 朝鮮半島 文字絵芹沢のものが有名なので、あまり朝鮮などにそういう意識がなかったが、なんか図の割合多くないという感じと、なんかちょっと稚拙な図案に強筆という印象。
スウェーデンのヴィルヘルムコーゲの澱青釉碗がすごく、深く名前の通り澱んだ青としているにもかかわらず、輝きがあり、骨太なかたちが素敵だった。
河井寛次郎のキセルシリーズの現物を始めてみたが、ネットで見るよりも格段にエロティックで、原案デッサンは至って素直な感じ。メカニカルなエロさがあるが、河井寛次郎自身も、「本当の民衆的工芸のメカニカルは機械産業が後継になる」って言った
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kkagneta2 · 5 years
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逆の関係
長身女性もの。14k文字。
妻の美雪と出会ったのは高校の入学式だったろうか、出会ったというよりも姿を見た程度ではあったが、今でもあの時の衝撃を忘れることはない。スクールバスから降り立って、上級生に案内されて、体育館にずらりと並んだ生徒たちの中でひときわ突き抜けた、――周りは高校一年生の女子なのだから、遠目からでも胸から上が丸ごと見えてしまっているほどに背の高い女生徒、――もう心臓が張り裂けそうでならなかった。あまりにも現実離れしている。見間違い? それとも台に乗っている? いやいや、何度目を擦っても一人だけ浮いたように胸から上が出てしまっている。他の女子がちょっと大きめの160センチだとしても、明らかに190センチは超えている。……
残念なことに美雪とは違うクラスであったから、心配されるほどに落胆してしまったのだが、嬉しいことに彼女と声を交わしたのはそれから2、3日もしなかった。
ちょっとここで、話を分かりやすくするために説明しておきたいことがあるので、回り道を許していただきたい。私たちの高校では、クラスは分かれるけれども、実のところ授業はそれとは関係なく、選んだ先生の元に生徒が行って、そこで授業を受けると云う、要は大学みたいな授業の受け方なのである。だから毎時間、本来の教室に教科書やらを取りに戻りはするけれど、だいたいあっちへ移動して、こっちへ移動して、それが終わればここへ移動して、……と云うように、学生からすると面倒くさいだけのシステムを、私はこなしていた。
で、私は最初の週の木曜日、うっかり教室を間違えてしまって、微妙に食い違った席順に違和感を覚えながら座っていたのであるが、チャイムが鳴る少し前、目の前に黒い人の気配を感じて目を上げると、――彼女が居た。
「あ、あの、……」
と鈴のような綺麗な声が私にかかる。
「は、はい?」
ときっと変な声を出してしまっていただろう。何せ目線よりもずっと上に彼女のスカートと裾の切れ目が見えるのである。それに、天井を見るように顔を上げると、「美雪」と云ふ名にふさわしい綺麗で大人びた顔つきが見え、私は必死で歯が震えるのを抑えていた。
「もしかして、間違えてませんか? そこ私の席だと思うんですけど、……」
「あれ? えっと、もしかして、次は化学ではない?」
「そうですね。次はここ古典になってます」
ペロリと彼女が席順等々を記している紙を見せてくれる。
「えっ、あっ、ほんとうだ。……ご、ごめん。通りで変だと思った。……」
と、私は立ち上がった。――のだが、立ち上がった感覚がまるでしなかった。私の眼の前には彼女の豊かな胸元があったし、ぐいと見上げないと彼女と目が合わせられないし、私の腰と彼女の太ももの腹がだいたい同じ位置に来ているし、……要は座った状態で人を見上げる時の景色が、そこには広がっていた。――
「いや、ごめんね。どうぞ」
と足早に過ぎようとしたのであるが、焦りが顔に出てしまっていたのか、
「くすくす、……次からは気をつけてね」
と、柔らかな笑みを浮かべられた彼女に、私は手を振られながら教室を後にした。
ただただ恥ずかしかった。一目惚れをした相手に笑われて、第一印象が肝心なのにこれでは、……と思って、次の授業中泣きそうになっていた。
ところが話はこれだけではないのである。明くる日、教室を移動していると廊下に彼女の姿が見えたので、自然私は隠れるように次の授業の教室に入ったのであるが、なんとそこに彼女が、扉の上に頭をぶつけないよう身をかがめて入って来た。しかも私の横の席に座ってくるのである。私は窮屈そうに横へ放り出されている彼女の足の筋と肉の織りなす芸術に見とれつつも、教科書と、ノートと、筆記用具を取り出す彼女を眺めていた。――と、その時、ひらひらと、扇のように大きな手が右へ、左へ。
「こんにちは。今日は間違えてませんよね?」
とくすくすと笑ってくる。
「たぶんね。誰もここに来なかったら、大丈夫だろう」
この時の私はなぜか冷静だった。それでも彼女のくすぐったい笑いに顔を赤くしてはいたが、……
「ふふ、そうなってからは遅いんじゃありません?」
「ま、でも、同じ教科書を出しているあたり、間違ってはいないんだろうな」
「ですね、――」
とチラリと時計を見た。
「自己紹介、……しましょうか」
「だな。でも、その前に、俺に敬語なんて必要ないんだけど?」
いえ、これは癖なので、……と云ってから彼女は自分の名前を云い出した。旧姓は笹川と云う。私はどこそこの中学校から来た者で、地元はあそこで、今はスクールバスで通っている身で、家で飼っている兎がたいへん可愛くて、……などなど意外にも自身のことをたくさん喋る。
「へえ、笹川さんはあの辺りから来たんだ。俺もお爺ちゃんがあそこらへんに住んでるから、よく行くよ」
「それなら、すれ違ってるかもしれませんね。――ところで、笹川〝さん〟はやめてください」
「笹川さんが敬語をやめたらね」
「うぅ、……橘さんのいぢわる。ひどいです。……」
とわざとらしく手を目元にやるので、私はその見た目とは反対のお茶目っぷりに声を出して笑った。
  この日が契機となって、私たちは週に一度だけ、それも10分だけある休み時間のみではあるが、よく話をしたものだった。私の緊張も次第に溶けていって、一ヶ月もすれば、ごく自然に美雪の前で振る舞えるようになっていた。が、彼女の長身ぶりは半端なものではなく、毎回教室をかがんで入ってくるし、普通のボールペンやらシャーペンがミニチュアサイズに見えてしまうし、相変わらず私の頭は彼女の胸元にしか辿り着いてないし、何より足を前に伸ばせば前の席からかかとが出てしまうのには、驚きで目を見開いてしまった。すると美雪はハッとなって足を引っ込めるのであるが、その仕草がまたいじらしくて、辛抱するのも限界であったかもしれない。
当然、彼女の身長については様々な憶測が飛び交っていた。180センチだの190センチだの、はたまた2メートルは超えているだの、何度聞いたことか。一応男子で180センチはある同級生が居たから、わざと並ぶように立ってもらい、それを色々な角度から見て目算で美雪の身長を見積もると云う方法をやったことがある。が、彼女は話している時には下を向くのと、体を使って話そうとするから上手くはいかなかった。それでもなんとか見てみると、182センチの男子生徒の頭の天辺が、彼女の顎程度にし��辿り着いてないのである。ということは、彼女が小顔であることを考慮すると190センチと、もう少しあるぐらい、とにかく190センチは超えている、――という結論に至った。
私はこの話を馬鹿らしいと思いながら聞いて、その実どれほど心を踊らせていたか。たった一ヶ月前には中学生であった女子高生が、男よりも遥かに高い、190センチを超える身長を持っている。……これだけ分かれば、もう夜のおかずには困らない。しかもめちゃくちゃかわいい、奥ゆかしい、麗しい、……
より私の心を踊らせたのは、中学生時代から美雪の友達だと云う女子の話であった。聞くと彼女は小学生の時にすでに180センチ以上あり、ランドセルが背負えないからトートバッグか何かを持って通学していたと云う。それで中学に入ると、身長の伸びは鈍くはなったが、身体測定のたびに先生を驚かせていたから190センチ以上と云うのは確かだと思う。色々あるけど、すごいのはプールの授業の時で、水深1メートル10センチだったから、みんな胸元に水面が来ていたんだけど、彼女だけ股のあたり、――腰にも水面が届いてなかった。笹川は背が高いけど、本当に恐ろしいのは足の長さなんだよ。君も座ってると別にあの子があんなに背が高いとは思わないでしょ? と云うのである。
たしかにその通りである。私は当時、美雪と基本的に話をすると云えば、互いに座ったまま声を交わすことだったから、しばしば目が合ってしまって顔が赤くなるのを感じたものだった。彼女の上半身は普通の、……少し大柄かな? と思う程度、……恐らく原因は豊かな乳房にある、……裸を見ることの出来る今だから云えるが、背が高いとは云っても、少なくとも私よりは細い。……いや、やっぱり胸はちょっと大きすぎるかもしれない。……
それで、だいたい彼女の身長は190センチ台だということが分かったのであるが、あまりにもはっきりしないものだから、なぜか私に白羽の矢が立ったのであった。恐らく私があまりにも楽しげに美雪と話していたからであらう。
「あー、わかんね。たちばなー、お前聞いて来てくれよ」
「えっ、何で俺なんだよ」
「だって俺たちっていうか、1年の男子の中で、笹川と一番仲が良いのってお前じゃん?」
「それは、まあ、自負してるけど、……だけどこういうのはコンプレックスになってるかもしれないから、良くはないだろ」
「けどお前も、もっと仲を縮めたいだろう? ならいつかは聞かなくちゃいけないから、ほら、ほら、行くぞ」
「あ、ちょっと、まっ、………」
と、俺は昼休みの時間、まだ食べ終えていない弁当を尻目に連れ出されてしまった。
とは云っても、他人のコンプレックスになってるかもしれない事柄に口を出すのはご法度であるから、もぐもぐと色鮮やかな弁当を食べている美雪の前に立たされた私は、頭が真っ白になっていた。ニヤニヤと笑いながら見てくる友人には、今思い出しても腹が立つ。
「あ、……」
「うん? どうしました?」
「あ、いや、なんでもない。あー、……こ、今度の日曜にユニバでも行かないか?」
なぜ、デートの誘いになったのかは、私自身も分からない。ニヤニヤと笑っていた友人は口を開けて止まっているし、彼女の周りに居た女子数名もパントマイムのように動きが止まっているし、そもそもの話として教室中がしいんと静まりかえってしまった。なんでこんなことを云ったんだ、今すぐにでも教室から出て行きたい、……そんな思いがあって、誤魔化すように頬を爪でかいていたけれども、美雪だけは、あの柔らかい笑みを浮かべていた。嫌味も嫌悪も全くない、今でも私だけに見せるあの、純粋に好意に満ちた笑みを。
そんな美雪だったから、当然デートには行くことになったのであるが、私としては出来るだけその時の事は思い出したくない。それまで恋愛の「れ」の字も味わったことのない小僧が、いきなり女性とデートだなんて、――しかもほとんど自分の理想と云っても良いほどの体と性格を持っているのだから、それはそれはひどい有様だった。
まず、会話が上手く続かない。彼女が頑張って話題を振ってくれるのを感ずる度に、逃げ出したくなった。実は友人数名がこっそりとついてきていたらしく、あの後かなり揶揄されたのもきつい。それに、歩幅が違いすぎて、始終小走りでなくては彼女についていけなかったのが、何よりも情けなくてつらい。
それほどまでに、彼女の足は長いのである。具体的に云えば、彼女の膝下と私の股下がおおよそ同じなのである。裸足であれば言い過ぎなのであるが、あの日美雪は底のあるブーツを履いており、並んでいる時にこっそりと比べてみたところ、足の長さが倍くらい違う。目線を落とすとすぐそこに彼女の豊満なお尻、……が見えるのはいつものことなのであるが、あの日はタイツかストッキングで包まれた彼女の膝が、ほんとうに私の足の付け根と同じ位置にあった。
デート後半になると、私が息をきらしながら遅れてついてくるので、美雪はとうとう手を繋ごうと提案した。承知した私の手を包む彼女の手の暖かさは、初夏であってもやさしく、一生忘れられない。……が、却って大変であった。彼女は意外と力が強く、疲れて足取り重くなった私の手をしっかりと握って引っ張るものだから、感覚としては無理やりマラソンをさせられているのに似る。グイグイと他の客をかき分けて行く彼女に、けれども手の心地よさを味わいたい私は、無理でもついていくしかなかった。
その様子がどんなものであったかを知ったのは次の日であった。勝手についてきた連中が写真を撮っていたと云うので、見せてもらったところ、――いや、もう忘れたい。お姉ちゃんに無理やり連れてこられた小学生の弟が、手を繋がれてやっとのことで歩いている様子が、……あゝ、今でも時折その写真は見ることがあるのだが、まさに大人と子ども、……周りの人々にそういう風に見られていたと云うだけでも、私はもう我慢できなくなる。違う写真には、私が疲れて下を向いていた時の様子が映し出されていたのであるが、それもむくれてしまった子どものように見える。……私は美雪に嫌われたと思った。せっかくデートに誘ったのに、こんな情けない男と出歩くなんてと、思っていた。
が、彼女は彼女でかなり楽しんだらしい。明くる日のお昼休みにわざわざこちらの教室にまで出向いて、昨日は楽しかったです、お誘いありがとうございました、ところで次はどこに行きましょう? 金曜日に言い合いっこしましょうか。では、ほんとうに昨日はありがとうございました。と云って、呆気にとられているうちに出ていってしまった。
  美雪とはそれからどんどん心を寄せ合って行った。とは云っても、私も彼女も非常な奥手で、弁当を一緒に食べることすら一年はかかった。キスをするのには丸ごと二年はかかった。お互い奥手過ぎて告白というものをせず、自然の成り行きにまかせていたせいなのだが、だからこそ初キスの耽美さは際立っていた。それは私たちが高校3年生に上がる頃だっただろうか、すっかり寒さが和らいで、桜もほとんど散っていたから4月ももう後半と云った頃合いだらう。どうしてキスなどと云うものをしようと思ったのかは分からない、それすらも成り行きに任せていたから。だが、確かに憶えているのはどんどん近づいてくる彼女の唇である。
確か、キスをしたのは階段の踊り場であった。ベタな場所ではあるが、学校の中であそこほど気分を高めてくれる所はなかろう。奥手な私たちにはぴったりな場所である。階段を二段か、三段上がったところで美雪は私を呼び止めた。
「優斗さん、……あ、そのままで。……」
相変わらず「さん」付けはしていたが、その頃にはすっかり、私たちは下の名で互いを呼び合っていた。
「どうした?」
と云っているうちにも美雪は近づいてくる。――不思議だった。いつもは下から見上げる美雪の顔が今では、――それでも彼女は私を見下ろしてはいたが、まっすぐ目の前に見える。
「……目を閉じてください」
いつの間にか頬を、顔を、頭を彼女の大きな手で包まれていた。薄目を開けてみると、もう目の前まで彼女の顔が近づいてきている。あっ、と思った時には唇と唇が触れ合っている。……
頬から暖かい手の感触が無くなったので、目を開くと、顔を赤くしてはにかむ美雪と目が合った。きっと私も同じような顔をしていたに違いないが、その時はもう目の前に居る女性が愛おしくて愛おしくて、このまま授業をサボって駆け出したい気持ちに駆られた。
「さ、早く行きましょう。もう予鈴が鳴りましたよ」
と一息で私の居た段を飛び越すと、こっちの手を取ってくる。
「ああ、そうだな。……」
私はそれくらいしか言葉を発せられやしなかった。
それからの一年間は、美雪との勉強に費やした。もっとも私は教えられるばかりではあったが、そのおかげで、受験はお互い無事に突破できて、お互い無事に同じ大学へ通うことになった。残念ながら大学時代は一つの事を除いて特筆すべき事がまるでない。全くもって平々凡々としたキャンパスライフだった。
さて、その「一つの事」なのであるが、それは何かと云うと、ついに彼女の身長が判明したのである。大学二回生の時の健康診断の時だったのはよく憶えている。私は長い行列に並ぶのが面倒で飛ばそうかと思っていたのだが、朝方下宿先へとやってきた美雪に、それこそ姉弟のように引っ張られる形で、保健センターへと向かった。レントゲンこそ男女別だったものの、血圧身長体重を測る列に並ぶ頃には、私はまた美雪の後ろにひっついて歩いていた。
彼女は相変わらず女神のような存在だった。後ろに居る私は云うまでもないとして、列に並ぶ誰よりも頭二つ三つは突き抜けている。みんな、彼女からすれば子どもである。誰も彼女には敵わない、誰しもが彼女の弟妹でしかない。ただ私だけが彼女の恋人であった。
事が起こったのは私が身長を測り終えた時である。美雪は私を待っていてくれたのだが、ちょうど私たちの間には微妙な段差があって、胸元にあった彼女の診断結果が見えてしまっていたのである。苦い顔をしながら眺めていたから、横から来た私に気が付いていなかったのかもしれない。だが普段は気が付かなかったところで何も見えない。彼女の胸元と云えばちょうど私の頭の天辺なのだから、背伸びをしなければ、何があるのかも分からない。――が、とにかく、その時の私には、小さいカードに刻まれた下から二つ目の数字がなぜかはっきりと見えた。そこには198.8と云う数字が刻まれていた。余裕があったから私のカードを見てみると、167.4と云う数字が刻まれているからきっとそれは身長で、なら彼女の身長は198.8センチ、……もうあと2センチも大きくなれば2メートル、……2メートル、2メートル、………
胸の高鳴りは、しかし保健センターの職員に邪魔をされてしまって、その後教科書を買いに行くと云う美雪に引っ張られているうちに消えてしまった。が、その日私の頭の中にはずっと198.8と云う数字がめぐりにめぐっていた。あの時の、高校生の時の、190センチ以上は確実にあるという話は確かであった。美雪の身長は198.8センチ、多少の違いはあるとしても、成長期を終えようとしている女の子の身長が、そう違うことは無いはずである。ならば、少なくとも高校に入学した時の美雪の身長は195センチはあったはずである。なるほどそれなら182センチの男子が並んだところで、顎までしか���かなかったのも頷ける。扉という扉を〝くぐる〟のも頷ける。自販機よりも背が高いことも頷けるし、電車の荷物棚で体を支えるのも頷けるし、私の下宿先の天井で頭を打ったのも頷ける。私はとんでもない女子高校生と、あの日出会い、あの日お互いを語り合い、そして、あの日恋に落ちたようである。
結婚をしたのは私たちが特に留年することもなく、大学を卒業したその年であった。恥ずかしながら美雪と初めてしたのは初夜だった。服を脱いで、下着一枚となり、私の前であの大きな乳房を隠そうと腕をもじもじさせる彼女の姿は、いつもと打って変わって、まだ年端のいかない少女のものであった。私はゆっくりとブラジャーを取って眺めた。カップの左下にあるタグには65P と云う英数字が並んでいた。天は美雪に何もかもを与えていた。体も頭脳も美貌も境遇も、何もかもを彼女は持っていた。P カップのブラジャーは途方もなくいい匂いがした。私は実際に彼女の乳房に包まれたくなった。美雪は私を受け入れてくれた。乳房のあいだに辛うじて見える私の頭を撫でてくれた。力の入らない私の背を撫でてくれた。私は彼女の恋人でも弟でもなかった。ただの赤ん坊であった。私はいつしか彼女をこう呼んでいた。
「まま、……」
と。――
一度やってしまえば美雪も私も枷が外れたのか、週に一度とか、月に一度のペースではあるけれども、性行為に勤しんだ。殊に嬉しかったのは彼女が私の様々な要望を答えてくれることであった。もうすでにお分かりの通り、長身女性そのものを性癖として持つ私はずっと昔からそういうプレイをしたくしてしたくてたまらなかった。時には男が床でするように、彼女の太ももにモノをこすり付けたり、時には壁際で圧迫されながら素股、――と云ってもほとんど膝のあたりにしか届かなかったが、彼女の乳房の匂いを嗅ぎながら情けなく太ももで扱かれたり、時には上から押さえつけられるようなキスと手コキだけで射精に至ったり、様々な長身プレイを楽しんだ。
特に、私が気に入ったのは美雪の腕力に任せたプレイだった。先にチラリと出てきたのであるが、彼女の力は強い、……いや、強すぎる。もう何度、ひょんなことで体を浮かされたか。朝眠気にかまけて眠っていたら、ふわり。電車で倒れそうになったら、ふわり。性行為の時に「だっこ」と云ったら、ふわり。重くはないのか? と聞くと、優斗さん軽いんだもん、全然重くないよと云う。私も身長こそ167センチで止まっているが、体重は55キロあるから決して軽くは無いはずである。それを軽いと云って、ふわりと持ち上げられるのは驚異的であるとしか言いようがない。
一度、遊びだからと云って、握力計を握らせたことがあった。3000円ほどの玩具のような握力計ではあったが、100キロまで測れると云うので、さすがにそのくらいあれば良いかと思って買ってきたのである。案の定、美雪は全力を全く出してくれなかった。デジタル表示を見ながら、ちょうど25キロか30キロほどで測定を止めて、手渡してくる。ちゃんとして、と云っても笑ってごまかされる。結局その日は諦めて、また機会があればと思って、それっきりになっていたのであるが、数カ月後のある日、部屋の片付けをしている時に件の握力計が出てきたので、そう云えばあの時自分が測ってなかったなと思って握ってみると、なぜかスカスカする。握力計だから、握ると手応えがあるはずだが、……? と思いながらもう一度握ると、やはりスカスカする。不思議に思って適当にボタンを押していると、100、28、31、27、……と云った数字が出てくる。2つ目以降の数字はまさにあの日美雪が出した結果であった。と、云うことは最初の100と云う数字は一体、……? あの日以来、自分はこの握力計には触っていない。それにこの壊れた取手の部分も気になる。……そこで私はある結論に至り、背筋を寒くした。美雪を怒らせてしまったら、一体どうなる。……? 本気で手を握られでもしたら、……? 私の股間は熱くなる一方であった。
だが、彼女の力の強さを実感するに従って、漠然とした物足らなさが私を襲っていた。美雪にその力を存分に発揮させて、己の無力さを味わいたい。行為に到る時、彼女はどこか一歩引いたような風采(とりなり)で私を痛めつけるのである。それは本来美雪の性癖がそっちでは無いからでもあるし、まさか夫にそういうことをするわけにはいかないと云う思いもあるのであらう。赤ちゃんごっこはそこを上手くついてはいるが、やはり彼女にはその力でもって、私を嬲ってほしい。もっともっと、私を蔑んでほしい。……
とは云っても、美雪は完璧な良妻賢母である。何時に家に帰ろうとも起きていてくれて、しかも笑顔で迎えてくれるし、ご飯は物凄く美味しいし、家事は何一つ抜かり無く行うし、夫への気遣いはやりすぎなほどである。私はとんでもない女性を嫁にもらったようであった。毎日が幸せで、毎日が楽しく、充実している。――
  だが、そんな私と美雪のしあわせな結婚生活は終わりを迎えようとしていた。なぜなら、……
「パパ! パパ! 居るよね、聞いて聞いて!」
と娘の詩穂里が、〝腰を折り曲げながら〟書斎に入ってくる。全てはこの娘とのいびつな関係が原因なのである。――
詩穂里が生まれたのは結婚してすぐのことであった。まさかこんなに大きな女性から生まれたとは思えない、小さな可愛らしい存在に、私たち夫婦は胸を打たれた。授乳のためにさらに大きくなった美雪の乳房から母乳を飲む姿は、天使のようにも思える。
詩穂里はすくすくと成長した。それこそ退院時にはすでに同年代の子よりも一回りほど大きかったのだが、美雪が痛がっても母乳を求め続けた結果、離乳期はもとより幼稚園に入る頃には、一人だけ小学生が紛れたかと思うほど、娘は大きくなっていた。妻は、私もそんな感じだったから、別にいじめられていなければ気にするでもない、と云うので見守っていたのであるが、詩穂里とその組の集合写真を見てあろうことか、私は明らかに娘に、――それもまだ小学生にも至っていない女の子に向けるべきでない欲望が芽生えるのを感じた。美雪が撮って見せてくれる写真や動画もまた、かわいいかわいいとは口で云いながらも、その実私はその、他の子と比べて倍はあろうかと云う体格をした娘に股間を固くしていた。
小学生に上がった娘は相変わらず大きかった。他の子と比べるのは云うまでもないが、小学三年生になる頃には男の先生と比べても遜色なくなっていた。その時にはもうすでに身長160センチ近かったであろうか、気がついた時には私も詩穂里に背の高さで追いつかれつつあった。小学生のまだあどけない顔つきが日を追う毎に高くなって行く。……私はこの年になって久しぶりに、負けて悔しいという感情を抱いていた。
結局負けたのは詩穂里が小学四年生のときであっただろうか、立った時にやたら目線が合うかと思いきや、次の週には少し上から、次の月には娘ははっきりと私を見下ろしていた。そしてあろうことか、
「あれ? パパなんか小さくない?」
と云って、自身の頭から手をすっと横へずらしてくる。その手は明らかに数センチは私の上をかすめていった。
「ふふん。パパに勝っちゃった。ほめてほめて!」
「あ、あぁ、……よくやった。……」
私の声はかすれ声となっていた。
「ダメよ。そういうことしちゃ。パパだって意外と気にしてるんだから。ほら、ごめんなさいは?」
「あ、……えと、ごめんなさい」
詩穂里は美雪の云うことは聞くと云った風で、そこには妻の背の高さに対する尊敬の念が含まれているらしかった。
次の年、つまり詩穂里が小学5年生となった時、娘の身体測定の結果を見た私は愕然とした。そこには182.3センチという数字が並んでいた。180センチオーバーの小学5年生、……それが我が娘だなんて信じられやしなかった。
もうその頃には詩穂里は私よりも頭一つ以上は大きく、親子三人で出かけると決まって間に挟まることになる私のみすぼらしさは計り知れなかったことであろう。方や2メートルまであと一歩の美女、方や小学5年生にして180センチを超えた美少女。しかもヒールのあるブーツを履くので、外では二人の身長差はなくなる。……私は小人になった気分で、両者に手を引かれてついていくしかなかった。いや、小人と云うよりは囚われた宇宙人と云った方が正しいか。ある時、公衆の面前で、いきなり詩穂里が手を上げて、
「ほら、お母さんも」
と云うので、美雪も手を挙げる。私はあっさりバンザイの格好になったのであるが、肩に痛みを感じるや、次第に地から足が浮く感覚がする。――
そういう時がもう何度もあった。それに、二人とも、私の耳が自分たちの口の30センチは下にあることを利用して、コソコソとこちらをチラリと見つつ話をするのである。そして大概の場合、私は二人に挟まって、前からは美雪が、後ろからは詩穂里がという風にどんどん圧迫してくるのである。二人の長身美女に挟まれて身動きの取れない男、……想像したくもないが、一体どのように傍からは映っているのであろう。
そんな娘との関係が歪になり初めたのは、このペースで身長が伸び続ければ190センチも軽いと思っていた矢先のことであった。これは私たち夫婦の落ち度なのであるが、どうも夜の営みと云うものを見られたらしい。とは云っても、そんなに重いものではなくて、ただ妻に持ち上げられて背中をぽんぽんと、……要は赤ちゃんをあやすように抱っこされていた光景を見られたらしかった。
だが、小学5年生の女の子にとっては衝撃だったのであろう。明くる日、ちょうど折り悪く土曜日だったから、昨晩の余韻に浸りつつ、ソファに寝転がって本を呼んでいたところ、突然、
「パパ」
「ん? どうした?」
「ちょっと立って」
とニヤニヤと笑いながら云ってくる。手を伸ばして来ていたので、掴んで立ち上がると、
「そのまま立っててね」
と云われる。相変わらず小学生らしからぬ圧倒的な体つきであった。私の背は娘の肩までしか届いていなかった。目線は彼女の胸元であった。神々しさを感じていると、詩穂里は唐突に脇の下に手を入れてきた。そして、気がついた時には、――私は彼女と目が合っていた。
「え、……うわ! しほ、下ろしてくれ!!」
とジタバタと、地につかぬ足を動かすが、娘には何の抵抗もなっていないようである。そもそも私を持ち上げるのに全然力を使っていないようであった。無邪気な声で、
「あははは、パパかるーい」
と私を上下させながら云う。
「や、やめてくれ!!」
「ふふふ、わたし昨日見ちゃったよ。たかいたかいしてあげよっか」
「やめろ、たのむ、詩穂里!!」
「えー? やだ」
私の叫び声を他所に、詩穂里はさらに手を上へ。
「ほーら、たかいたかーい」
「うわああああああ!!!」
脇腹に感じる激しい痛みもあったが、それ以上に、天井に頭をぶつける恐怖の方が強かった。私はとにかく手も使って暴れたが、妻譲りの怪力を持つ娘には全くもって通じていない。
「ふふん、どう? もう一回?」
「や、やめて、……やめてくれ」
「やだ。それ、たかいたかーい!」
それが幾度となく繰り返された。小学生の娘にたかいたかいをされる恐怖と屈辱に私は涙を流しそうにもなっていた。――と、その時、折良く野暮用から美雪が帰ってきたらしく、部屋に入ってくる。
「あら? 二人とも何やってるの?」
「パパにたかいたかいしてあげてるの!」
「そう、ならもっとしてあげてね」
「美雪、……助けてくれ。……」
「優斗さん、実は楽しんでるでしょう? 私はまだやらないといけないことがあるから、もうちょっとしほの相手をしてあげて。大丈夫、怪我しないように手加減はしてくれるから、ね? しほちゃん?」
「うん! じゃあパパ、もう一回行くよー?」
――全く、私はとんでもない女の子を娘に持ってしまったようである。小学生なのに、背は私よりもう30センチ近くは高い、顔は可愛い、力は怪力、……それに生まれつきのサディスティックな性質。……この時、詩穂里にたかいたかいをされながら、私は美雪では満たされ得なかった何かが自分のなかに満ちていくのを感じた。
そして、その感覚は以来、続くことになった。と、云うのも、詩穂里はこの日以来、しばしば私を相手にたかいたかいやら、美雪のように抱っこをして背中をぽんぽんと叩いてくれたりするのである。彼女からするとごっこ遊びの一種なのであろう。体つきこそ大人顔負けなのに、心は小学生のままである。
そう云えば、家族三人で海に出かけた時は特にひどかった。私は沖に出る二人について行ったのであるが、あっという間に足が底につかなくなってしまった。見かねた美雪に引っ張られて抱きかかえられたものの、それに嫉妬した詩穂里に、
「ほら、パパおいでおいで」
と無理やり妻の柔らかい体から引き剥がされる。そして、
「もう、小さいのに無理して出てきて、溺れたら困るでしょ?」
と云う。もはや子供扱いだったが、さらに、
「なら、溺れないように詩穂里お姉さんと一緒に特訓しよう! ほら、まさとくん、手は離さないからゆっくりと浮いてごらん?」
と、本当に泳ぎの練習が始まってしまった。極めつけには、妻と娘よりも私が先にバテてしまって、注目を浴びる中、詩穂里の胸に抱きかかえて海から上がったのである。
公衆の面前で、小学生の娘に抱きかかえられる父親、……もうたまらなかった。私は妻よりも娘の方にすっかり好意が移ってしまった。まだ未発達な詩穂里の乳房を感じながら、その力強さと、その優しさに酔いしれていた。この時はまだ、あんなことになるとは思ってはいなかった。
あんなこと、と云うのはそれから実に一年が経った頃合いの出来事である。詩穂里は小学6年生、春の身体測定では身長はほとんど妻と変わらない193.4センチだと云う。顔つきもどこか妻に似て、おしとやかである。もう私では背伸びをしても娘の肩に届かない。寝る時は湯たんぽにしかなっていない。普段はほとんど子供をあやすような甘い声しかかけられない。
そんな中、私はある日曜日、大学の同級生とちょっとした遊びに出かける予定があって、支度をしていたのであるが、いざ出かけようと自室の扉を開こうとした時、向こう側から勢いよく詩穂里が入ってきた。当然、屈んで扉をくぐる。
「パパ、どこへ行こうとしてるの?」
いつもとは違うトゲトゲしい調子に、私は相手が娘だと云うのに怖かった。
「いや、ちょっと友達とな。……」
「へえ、そう」
「あ、遊びに行くから、……」
「ふぅん? そうなんだ。わたしとの約束よりもパパは友達との遊びを優先させちゃうんだ」
約束、……たしか先週か先々週に詩穂里と一緒に、――思い出した時には遅かった。私は壁際に追い詰められていた。
「ま、まって、それはまた来週、来週に行こう、な?」
「パパ」
「だ、だから今日は、家でおるすば、……」
「パパ?」
「は、はい」
私を追い詰めた詩穂里はどんどんと近寄って来て、一人の小さな男をその体でもって潰そうと云わんばかりに密着してくる。彼女の胸と壁に挟まれた頭に激痛が走り、私は呻き声をあげる。
「やっぱいいや、行ってもいいよ。許してあげる。でもそのかわり、わたしはずっとこうしてるから」
「うがああああ!!」
「あ、思いついた。じゃあ、こうしよう。このままパパがわたしから逃げられたら、約束のこと無しにしてあげる。でも、出来なかったら。……」
「あ、ひっ、うああ!!!」
と私は詩穂里の体を跳ね除けようとしているのであるが、それは約束云々と云うよりも、この激痛から逃れられたい一心からであった。
「ふふふ、よわいよわいパパ。小学生の娘にも勝てないなんて、……ほら、頑張って、頑張って」
と詩穂里は馬鹿にしたように云う。そのうちにもどんどん彼女の力は強くなっていく。
「ね、パパ、今日はさ、わたしと一緒にいけないことしようよ。お母さんには内緒で。あと10分で逃げられなかったら、そうしようね」
と、その「いけないこと」を暗示するように、太ももを私の股間にこすりつける。
もうどうしようもなかった。気がついた時には私は手を取られてバンザイの格好をしていたし、娘の太ももに座るようにして足は宙に浮いていた。抵抗する気なぞ、とうに消えていた。
結局、その日は本当に美雪には適当を云って、大学の友人には子どもが熱を出したと云って、詩穂里とホテルへ向かった。……この先は云うまでもなかろう。彼女の初めてとは思えない手付きや言葉遣いで、私の娘に対する長年の欲望は全て搾り取られてしまった。行為の最中、私に主導権はなかった。ただひたすら、歳の離れた実の娘のなすがまま、存分に嬲られ、痛めつけられ、挙句の果てにはその余りの神々しさに彼女をこう呼んだ。
「まま、……」
と。――
  「パパー? 聞いてるー? 今日ねー、――」
と詩穂里は私の眼の前に腰掛けた。つい数週間前に中学生になったばかりの彼女はもう妻よりも大きい。私からすると二人とも巨人のように見えるのであるが、明らかに詩穂里の頭の方が、美雪よりも高い位置にある。少し前に、とうとうお母さんよりも大きくなっちゃった! と、はしゃいでいたのは記憶に新しい。
――その時、嬉しいことを思い出した。娘は今日、身体測定だと云って家を出ていっていた。
「久しぶりに身長測ったんだよ! 聞きたい?」
「あ、ああ。……」
グイと近づいてくる、詩穂里は、誰にも聞こえぬと云うのに、私だけに伝わるよう耳打ちをする。
「2メートルと、7センチ、……だよ!」
「2メートル、2メートル、7センチ、……2メートル、2メートル。……」
「そんな何度も云わなくていいじゃん。もう、パパはお馬鹿さんだねぇ」
と、云いながら詩穂里は私の体を抱きしめる。
「ね、約束、覚えてる?」
「も、もちろん」
「良かった。ほら、おいでまさとくん」
と私の顔を豊かになりつつある胸元に抱き寄せる。私は彼女に体をすっかり預けて、その甘い匂いに頭をとろけさせた。
「まま、……」
「んふふ、また今夜しようね、まさとくん」
だらりと垂れた私の体を愛おしく抱きしめながら、詩穂里は子守唄を歌った。それは鈴のように美しく、よく通る音色だった。
 (おわり)
8 notes · View notes
junikki · 2 years
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2022/02/06
日記しばらくサボっていました。今日は逆誕生日(6/2生まれ)なのでケーキ食べました。チーズケーキ♡
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ᙏ̤̫͚
@cosmeまた最近よくみてて、私自身アカはあるものの10年くらい前に投稿して以来放置。その@cosmeのブログで2013年に投稿したポーチの中身が載ってた。今見るとめちゃくちゃシンプルだなあ。
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当時インテグレートのアイシャドウ使ってたんだっけ。あんまりアイメイクしてた記憶が無いんだが底見えしてるし。当時はこの薄ピンクだけ使ってまぶたに軽くツヤを出すだけのメイクだったらしい。二十代の頃はコスメほとんど買わなかったから、普通に底見えしてるし割と使い切ってたんだよな。アイシャドウの底見えとかしたことないとか思ってたんだけども。当時はそこまでアイシャドウに興味ないから無駄にアイシャドウも買わんかったんだよなあ。底見えするほど気に入ってたけども、インテグレートのアイシャドウは途中まぶたが恐ろしい程かぶれたので全部使わずに処分した記憶がある。それがトラウマでしばらくアイシャドウ全く使わずに過ごしていた。今でもアイシャドウでなぜか荒れる時はあります。それにしてみエテュセのBBクリーム懐かしいわ。当時BB必須だったな。ググったら今はもう廃番なんだってね。
インテグレートの薄ピンクは類似色探してリピしたいなーとか思ったけども、Barbieのハイライターで代用できそうだから別に新たにはいらんか。
ᙏ̤̫͚
https://girlschannel.net/topics/3820493
育児あるある読んでると自分の子供時代を思い出す。ガチャガチャや食玩大好きだったなあとか。ゲーセンやプリクラも。でもカナダにはどれも無い。あることはあるけどしょぼかったりするし。カナダで子育てしたらガチャガチャとか滅多に無いし、日本より基本的に誘惑が少ないから楽なのかもしれないと思った。無限シャワーもカナダでは水道代は家賃込みとか激安なので節水の感覚が薄いから問題ないし。
つくづく日本って誘惑の多い国だよなあ、とは思う。カナダでも子供にとって惹かれるゲームやおもちゃってほとんど日本関連のものばっかりだわ。日本は罪深い国だよ。でも買い物するなら日本以上にいい国はなかなか無い。実際上に載せた10年近く前の可愛いコスメたちは全部プチプラだし、ポーチは雑誌付録だし、ぬいぐるみはUFOキャッチャーのやつだし、安価でここまで可愛い色々なものが手に入る国って日本ぐらいやで。そう考えると日本って安カワなものが多すぎる。そりゃ大人でも物欲がすごいことになるわ。
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今日は寒さが少し和らいでいる。とはいっても最高-2度で最低-7度とかだけどもね。家の近くのいつもの小道。雪が白い花のよう。
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雪が太陽光で光っててめちゃくちゃ綺麗だった。ラメみたいにキラキ��。こういうアイシャドウ欲しいとか思った。
ᙏ̤̫͚
https://news.yahoo.co.jp/articles/7a44c5cda84d183499816d1181a425f34229f533
最近ピッコマで読んでる漫画が何気に衝撃的で毎日楽しく読んでるんだけども、それがYahooニュースの記事になってた!
でも結構コメ欄荒れてるなあ。たしかに奥さんの負担が大きすぎるわ。奥さんにメリットがあまり無さそうな結婚。この漫画では旦那さんがきっちり丁寧な暮らししているけども奥さんは大雑把で金遣いが荒くて、みたいな内容なんだけども、私からみたら奥さんも充分まめな方だしそんなに無駄遣いしてるとは思えない。お弁当に可愛いイラストの手紙を毎回添えるとか凄すぎる。字も綺麗だし。そりゃ旦那さんもめちゃくちゃうれしいだろうなあって思うわ。ていうかパン屋さんなら奥さんにお弁当作ってもらわなくとも売れ残りのパンでも食べとけば良いのに、とか思ってしまう。本当に奥さんの方が旦那さんにベタ惚れだからどうにかやっていけるんだろうなーって読んでてめちゃくちゃ思った。旦那さんは一応パン屋のオーナーっぽいのに、二人合わせて月12万しか使えないって、どんだけ酷いんだろう…バイトの方がよっぽど稼げるだろうね。東京だからテナント料でかなり持っていかれるのかもしれんし、書かれていないけども実は借金があって返しているからかもしれんけども、とにかく二人で月12万だけしか使えないのは謎すぎる。結婚して旦那さんの方がむしろ生活が楽になったんだと思う。家賃の負担も旦那さんの方が少ないみたいだし。
ᙏ̤̫͚
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今日のアイメイク。目尻にANNA SUIのピーコックグリーン、目頭にMacのスターリーナイトを乗せたメイク。スターリーナイトの青み偏光カラーがピーコックグリーンと本当によく馴染む。髪色をターコイズ系に変えてからは毎日このANNA SUIのピーコックグリーンのアイシャドウを使ってます。マーメイドのイメージで。今日の服は黒系で統一。
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groyanderson · 3 years
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☆プロトタイプ版☆ ひとみに映る影シーズン2 第八話「シャークの休日」
☆プロトタイプ版☆ こちらは電子書籍「ひとみに映る影 シーズン2」の 無料プロトタイプ版となります。 誤字脱字等修正前のデータになりますので、あしからずご了承下さい。
☆ここから買おう☆
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
དང་པོ་
 高々とそびえる須弥山の麓。宙にはトンビやカラスが舞い、地上では鮎や鯉が戯れに滝を登る。その平穏な滝壺のほとりで、徳川徳松少年は私達に今生の別れを告げる。 『あんたらは何も気にしないでいい。地獄行きはぼくだけだ』 「そんな」  光君はしゃがんで徳松の両肩に触れた。 「利用されてただけで。地獄など!」 『ダメだ。御戌神は沢山殺しすぎた。誰かがその業を背負って行かにゃ、地獄の閻魔さんが困っちまう』  ……野暮な事実だけど、現代に地獄や極楽へ行く人は稀だ。大昔は全ての神仏と霊が宗教という秩序のもと、亡くなった人の魂を裁いたり報うための聖域が幾つも設けられていた。けど地球全土が開拓され人口過多の現代では、そういった聖地を置ける場所も管理する神仏も足りていない。誰もが知っている程の重罪人や、誰が見ても割に合わない一生を遂げた善人だけが、狭小な聖地へ招き入れられるんだ。それが当たり前となった平成の時代に徳松が『地獄』へ赴いたとしても、事務的な獄卒にちょっと話を聞かれて追い返されるだけだろう。ただ、江戸時代からずっと本物の地獄を生き続けた彼に、私もドマルもそんな残酷な事言えるわけがなかった。 「どうしてそこまで……島の人達が、あんたに見返りを?」 『見返りなど! これは誰かがやらにゃならねえ事だから。……そりゃ本当はぼくだって辛かった。大散減が飢えたらぼくも腹ペコになって、嫌だ嫌だって思いながら人殺しを。しかも殺るのはぼくと本来無縁だった来世達が! ぼくは……何も出来なかった。ゴメンナサイって思うしか出来なかった』 「僕が地獄へ行く」 『バカこくな……』 「こいてねえ!」  光君は徳松を抱きしめた。 「何が救済だ! この世界は誰かがババ引かにゃ成り立たねぇなら、僕が地獄へ行く! そして何一つ反省しないで永遠に場所取り続けてやる! あんたみたいな人が落ちてこれねぇように!!」 『……!』  すると光君の背中に後光が差していく。ドマルは無言で跪き合掌。私は徳松の隣に寄り添い、彼の顔から影を拭った。 「徳松さん、もう誰もこの件で地獄に落ちる事はありません。あなたは許されたんです」 「『え?』」  光君は振り返り、自分の後ろに光輪ができている事に気がついた。 「こいつは……!」 ༼ 正しい心のもとに、仏様は宿られる。今のこの青年の言葉は、あなたが犯した罪を浄化するに足る力があった。そもそも、殺生の罪とは誰か一人に擦り付けられる物ではない ༽  ドマルも徳松の傍に寄る。 『そんな……けどぼくは実際、何度も人殺しを』 「徳松さん」  これは、あなただけの問題じゃないんだ。 「人が生きるためには、誰かが絶対に殺生をしなきゃいけないんです。お肉を食べるためには、農家の人に動物を屠殺して貰わなきゃいけない。家を守るためには、ときどき業者さんに虫や鼠を駆除して貰わなきゃいけない。殺した本人が悪い、自分で殺してないならセーフ、じゃないんです」 ༼ 言っておくが、僧侶やヴィーガンなら無罪とかそういう事もないからな。草木を殺した死体を着て胡座をかいている坊主だって、もちろん業を背負っている。大事なのは、自分や大切な人々が生きるために糧となった命達への謝意。『謝罪』と『感謝』の心だ ༽ 『謝意……』  光君は徳松の頭を撫で、徳松と指切りをする。 「徳松様。僕達の救済は殺生って形だったけど、誰もせにゃもっと沢山人が死んでたかもだ。僕はあんたの苦しみをずっと忘れない。あんたと一緒にしでかした事、あんたと繋がる縁、全てを忘れない。だから、どうか、安らかに」 『光』  光君の後光は強まり、草葉の陰にまで行き渡る。するとそこから一匹のザトウムシが現れた。針金のように細い体を手繰る、か弱い盲目の虫だ。徳松は子犬のような笑顔を浮かべた後、もはや誰も傷つける事なきその小さな魂を率いて何処へと去っていった。 ༼ はあ、最高かよ。エモいなあ ༽  ドマルが呟いた。口癖なのかな、それ。 「ドマルはどうするの?」 ༼ 拙僧はあなたの本尊だ。ムナルの遺志をあなたが成し遂げた時、この自我は自然とあなたに���するだろう ༽ 「そう。じゃあ、金剛を滅ぼすまで成仏はお預けだね」 ༼ 成仏……あいつみたいな事を言うな。そもそも拙僧は邪尊だ ༽  ドマルは須弥山の風景を畳み、また私の影に沈んでいった。あの世界で逝去した徳松は、私と光君の中で永遠に生き続けるんだ。
གཉིས་པ་
「じゃじゃじゃじゃあ、埋蔵金って徳川徳松を襲った大妖怪の事だったんですか!?」  空港エントランスにタナカDの馬鹿でかい声が響く。熾烈を極めた大散減浄霊から一夜、五月五日午前九時。私達はしたたびの締めコメントを収録している。けど佳奈さんと二人きりじゃない。この場には玲蘭ちゃん、後女津親子、そして光君がいる。モノホンのみんなで予め打ち合わせした筋書きを、玲蘭ちゃんがカメラに向かって話す。 「したたびさんが歌の謎を解いて下さって、助かりました。マジムンは私達霊能者が協力して、一匹残らず退治しました。ね、斉一さん」 「え! え……ええ!」  斉一さんは『狸おじさん』のキャラを再現しようと、痛ましい笑顔を作った。 「いやぁ、大変だったんすよ。でもね、私の狸風水で! 千里が島の平和は……ぽ、ぽんぽこ、ぽーん、と……」 「た、狸おじさん? ひょっとして泣いてるんですか?」  タナカDが訝しむ。その涙は失った家族を思い出してのものか、はたまた安堵の涙か。カメラに映らない万狸ちゃんと斉三さんも、唇をぎゅっと噛んだ。 「い……いえね……俺今回、割とマジで命がけで頑張ったから……撮ってなかったなんてあんまりじゃないっすか、タナカDっ!」 「なはははは、そりゃすいませんねぇ! こっちも色々とおみまいされてまして……ぶえぇっくしょん!!」  そういえば光君が島民達に拉致されてから色々ありすぎて、私も佳奈さんもタナカDの事をすっかり忘れていた。スマホに入っていた何十件もの不在着信に気がついたのは、昨晩ホテルに戻っていた道中。二人で慌ててタナカDを迎えに行くと、彼は何故か虫肖寺の井戸の中で震えていたんだ。 「タナカさん、そっちは一体何があったんですか?」 「聞いてくれますか? 僕はねぇ���人生で一番恐ろしい思いをしたんですよぉ……」  未だ風邪気味な声でタナカDは顛末を語った。あの時島民達に襲われたタナカDは、虫肖寺のお御堂へ拉致された。そこの住職はタナカDに、「肋骨を一本差し出せばしたたびチーム全員をこの島から無事に帰してやる」というような脅迫をする。祟りなんて半信半疑だったタナカDは千里が島を『島丸ごと治外法権のヤバいカルト宗教村』だと判断、演者の命を優先するため取引に応じる事に。ところが「肋骨は痛そうだしちょっと……」「小指の骨とかで妥協して頂けませんかねぇ?」「足の小指です」などと交渉に交渉を重ねた結果、島民達を怒らせて殺されかけてしまう。慌ててお御堂から逃げ出したがすぐに追っ手が来たため、タナカDは咄嗟に井戸を降りて身を隠した。しかし数分やり過ごして地上へ戻ろうとしたその時、地震や爆発音などあからさまに異常事態が起きておちおち井戸から出られなくなってしまったのだという。色々とツッコミどころが満載な顛末だ。 「あなた、カルト相手に演者の命を値切りしたんですか」 「悪かったですって。けどあの時は本当に怖かったんですよぉ、紅さんだって同じ立場だったら値切るでしょぉ?」 「それは暗にまた私を小心者だと言ってるんですか? この三角眉毛は??」 「一美ちゃん、ここでキレたら小心者だよ!」 「なっはっはっはっはっは!!」  なんだか腑に落ちないけど、まあタナカDが無事だったのは本当に良かった。思い返せば虫肖寺という名前は『虫の肖像という名を冠したお寺』で、さらに漢字を繋げて読むと『蛸寺』になる。つまりそこも八本足のザトウムシ怪虫、大散減を祀る場所だったんだろう。 「皆さん、もうすぐ搭乗開始が」  光君が腕時計を見て告げる。二泊三日、色々あった千里が島ともついにお別れだ。それでも、この地で出会った人達や出来事、それら全ての『ご縁』は、決して捨てるべきじゃない大事なものだと思う。 「光君」  私は化粧ポーチから青いヘアチョークを取り出し、光君に手渡した。 「引越しが落ち着いたら、連絡してね」 「モチのロンで。一美ちゃんいないと、東京で着る服など何買えばいいかわからないんだから」  光君は徳松の成仏を機に、役場の仕事を辞めて島を出る事にしたそうだ。運転免許を取ったらすぐに引っ越すらしい。今は一時のお別れだけど、またすぐに会える。 「それじゃあみんな、帰るよ」  佳奈さんがここにいる全員の手を取った。 「……東京へ帰るよ!」 「「「おー!」」」
གསུམ་པ་
 それから数週間経ち、したたびで千里が島編がオンエアされる頃。  宗教法人河童の家は、『リムジン爆発事故で教祖含め大勢の信者が亡くなった』事故で、アトムツアー社に業務上過失致死の集団訴訟を起こした。リムジンを居眠り運転をしていたアトム社員が新千里が島トンネル前のコンビニに突っ込み、そこに設置されていたプロパンガスに引火、大炎上を起こした……という筋書きだ。この捏造によって私がコンビニを焼却した件も不問になり、私は本当に河童の家さんに落とし前をつけて貰った事になる。なんだかだぶか申し訳ない気もしたけど、先日あんこう鍋さんにお会いしたら『アトムから賠償金めっちゃふんだくれたんでオッケーす、我々はただの笑いと金が大好きなぼったくりカルトですから』と一笑に付してくれた。  加賀繍さんは、玲蘭ちゃんと斉一さんが辞退した除霊賞金三億円を一切合切かっさらっていった。その資金を元手に、電話やスマホアプリで人生相談ができるサービス『みんなのぬか床』の運営を開始。それが大ヒットして、今度は星占い専用人工衛星とやらを打ち上げる計画をしているそうだ。私も興味本位で一度ビデオチャットを課金してみたら、魔耶さんと禍耶さんが相談に乗ってくれた。そういえばこのサイトには、プロフィールも名前もない謎の占い師と繋がる事がある……なんて都市伝説があったような。  後女津親子は失った斉二さんの分の戦力を補充するため、木更津のどこかにあるという聖地『狸の里』で一から修行し直すと言っていた。斉一さんは生きながら強力な妖怪の魂を持つ半妖(はんよう)という状態を目指し、万狸ちゃんと斉三さんもそれぞれ一人前の妖怪になれるよう鍛錬を欠かさないとのことだ。ちなみに万狸ちゃんは九尾の狐みたいに糸車尻尾をたくさん生やして、佳奈さんの童貞を殺す服を着た女を殺す京友禅メイド服に対抗する服を作るのが目標らしい。  玲蘭ちゃんはなんと、あの後再び千里が島に行ったそうだ。今度は沖縄から神様を大勢率いて、長年大散減によって歪んでいた島の理を正したんだという。そこまでしたのにアトムツアーから何の見返りも受け取らなかったのは、『あんな賠償やら何やらで倒産寸前の会社と今更縁を持ちたくないから』。代わりに島の魂達から感謝の印にと、ちゃんと浄化済みの大散減のエクトプラズムをたくさん授かったそうだ。これまで多くの人々が追い求めていた徳川埋蔵金は、玲蘭ちゃんが手に入れたんだ。  さて。一方私はというと、顔のかなり目立つ位置にニキビができてしまいちょっぴりヘコんでいる。しかもこんな時に限って、メッセージアプリで久しぶりに光君から連絡が来た。だぶか、これが想われニキビというやつなんだろうか。 『From:あおきち 映画の前売チケットがたまたま二枚で! ご興味など?』  ……うーん、なんてベタな誘い文句! 返信をしたら詳しく経緯を説明してくれた。  実は来週公開の『シャークの休日』というイタリア映画が、光君が以前務めていた千里が島観光課とのタイアップで『全編南地語字幕上映』という企画をやるらしい。それで光君にも、地元の元同僚さんからチケットが送られてきたそうだ。イタリア人がチャキチャキの南地語を喋ってるような字幕ってまるで想像がつかないけど、確かに面白そうだと思った。 「えーと、『来週の月曜か木曜なら木曜がいいです』……と」  実はどっちも予定は空いているけど、ニキビを治したいから遅めにして貰った。返信を終えた私は早速洗面所へ。さっきお風呂で洗顔したとはいえ、ニキビの箇所はもう一度念入りに洗ってからちゃんとスキンケアしよ……
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Fjórði
 そして一週間後、『トラップブラザーズシアター東雲(しののめ)』にて。 「あ、一美ちゃん! ごめん、お待たせを!」  平日昼間にも関わらず混雑する複合ショッピングセンターで、私は道に迷った青木光、恋人の光君をメッセージアプリ頼りに探し出した。 「あれ、キョンジャクとカンリンは?」 「それが、なくなっちゃったんだ。探してるから見つけたら教えて。そんなことより、行こう?」  この期に及んで『デートできる服を持ってない』などと言い出す恋人を助けてやるため、私は映画鑑賞の時間が近付く前にメンズファッションフロアへ向かった。まるでコーディネートの基本もなっていない男に、流行に合わせた服装を宛がう。それだけで「さすがプロは違う」と煽てられるのだ。 「一美ちゃん? ひょっとして、退屈で?」 「ううん、光君と一緒にいられて楽しいよ」  上映十五分前になり、私達は映画館に戻った。ロビーのスクリーンでは、丁度今日見る作品『シャークの休日』のトレイラーが流れていた。 『餌食である人類の世界を見てみたい……海底は人喰いザメの王国から、自由を求めるサメ姫シャークリー・シャックバーンがローマにやって来たぞ! 姫は魔法で人間に化けて新聞記者と恋仲になるけど、デート中『真実の口』に手を入れたらサメだと見破られちゃった! 魔法が解けて、ローマの人々をヤケ食いし始めるお姫様……全伊震撼の大パニックムービー誕生!』  お世辞にも興味をそそられる内容とは思えないが、私は今までしてきたように楽しそうに振る舞う。 「映画、楽しみだね」 「うん。あ、一美ちゃん、あそこに真実の口が!」  光君が嬉々として示した方向には、記念写真が撮れる真実の口のパネルがあった。彼はタイマー撮影用スタンドに自分のスマートフォンをセットした。 「ねえ、光君。作中の真実の口って、トレイラーで喋ってたよね。『サメ……ウソ……』って。これも手を入れたら喋るかな?」 「一緒に確かめてみるので。いっせー……」 「のー……」 「「せ!」」 『シタタビ……ウソ……』  その時、私はこの真実の口が何か妙な事を言ったように聞こえた。シャッター音と被って耳が錯覚を起こしただけ、だろうか。 「ごめん、もう一回手を入れてみていい?」 「モチのロンで」  二人でセンサー部分に再び手をかざす。 『シタタビ……ドッキリ!』  ヌーンヌーン、デデデデデン♪ ヌーンヌーン、デデデデデン! 突然、テレビ湘南制作『ドッキリ旅バラエティしたたび』主題歌、『童貞を殺す服を着た女を殺す服』のイントロが映画館ロビーに響き渡った。忽ちこの身体は自らの意志に逆らい跳躍し、入場口とは反対方向のエスカレーターへ飛び降りていた。先月末、ドラマ『非常勤刑事』の撮影で主演の男に「一度も見破れないのはだぶか君の才能だ」と言われた記憶が脳で想起される。 「って、サメえええぇぇえええ!?」  エスカレーター階下にはサメ帽子を被ったエキストラの大軍が群がっていた。私はコミカルに叫び、スカートスタイルにも関わらず粗暴に下りエスカレーターを駆け上がった。すると階上には、『ドッキリ』と書かれたプラカードを掲げる光君と志多田佳奈が待ち受けていた。 「ドッキリ大成功ー! 志多田佳奈のドッキリ旅バラエティ、」 「「したたびでーす!」」  悔しがってどうこうなるわけでもないはずだが、この身体はヒステリックに地団駄を踏んでいた。 「やいやいやい小心者! ハニートラップに引っかかるなんてまだまだ小心者だぞ小心者!」 「うるさい万年極悪ロリータ! そこの真実の口で実年齢をバラしてやろうか!?」 「うわぁ~、みみっちー」  しかし、これを放送するのは芸能事務所に許可されるのだろうか。私はまだ世間に正式に発表できるほど、彼と進展した関係ではないはずだ。 「あのね、佳奈さん。私と光君は今日が初デートだし、まだ事務所に何も言っていないんです。こんなのオンエアされたらこちとらたまったもんじゃないんですよ!」 「あ、社長さんには私が色つけて説明しといたから大丈夫だよ」 「勝手に何してくれちゃってるんですか!?」 「だってだって、光君の一美ちゃんへの愛は本当だよねー?」  光君は気恥しそうに真実の口へ手を入れた。 『……ホント』  よく見ると真実の口は、画角外のタナカDが裏声で喋っていたようだ。 「初デートを返せこの三角眉毛ェェ!!」 「ぬわははははは!! ごめんなさいって! ナハハハ!」 「一美ちゃんごめん、本っ当ごめん! これで堪忍を!」  光君が私に何やら縦長なフリップを差し出した。それは特大サイズに拡大印刷されたシャークの休日の前売券だ。 「『映画の世界へご招待! リアルシャークの休日』……『inローマ』ああぁ!!?」 「そ! 今回のしたたびは海外企画、イタリア編! 実は私、この映画の日本版主題歌を担当させてもらったの。そのPVを、ラブラブなお二人に撮ってきて貰いまーす!」 「え、じゃあ佳奈さんは今回行かないんですか?」 「うん。だって主題歌が入るニューアルバム、まだ収録全曲終わってないし。代わりにPVでは一美ちゃんの彼氏役が必要でしょ? だから光君を呼んだの」  そういう事だったのか。今回は光君が撮影に同行するのだ。 「ドッキリは正直ちょっと気が引けたかもけど、テレ湘さんが僕達を海外旅行に連れてってくれるんだから。ローマで本物の真実の口やったり、トレビの泉でコイン投げるなど!」  光君はさぞ嬉しそうに小躍りした。だが、それでは浅はかというものだ。 「光君、ちなみにローマで何をするか知ってるの?」 「うん。だから、映画みたいに真実の口とか……」 「そのフリップ、『inローマ』の下にやたら余白があるよね。よく見て、端がめくれるようになってる」 「え? あっ本当だ! タナカさん……」 「いいですよ、めくって」  フリップから粘着紙を剥がした光君は、前髪で表情が隠れていても解る程、顔面が蒼白した。フリップ上に現れた文章は、上の文字と繋げて読むと『映画の世界へご招待! リアルシャークの休日inローマ県オスティア・ビーチ~スキューバダイビングで人喰いザメの王国へ~』と書かれている。 「そっちへ!?」  彼もまた、私と同様に番組に騙されていたという事だ。するとタナカDが高笑いしながら、タブレットPCで企画書を開いた。 「お二人には最初の三日間でライセンスを取得して、四日目にサメと潜って頂きます。天候とかあるので五日目は予備日にしていますが、運が良ければ真実の口にも行けるかもしれませんよぉ」 「行けるかもしれませんよぉ、じゃないですよ。何が悲しくてイタリアまで行ってサメのいる海に潜らなきゃいけないんですか!」 「あやや……あやややや……」 「しかもこんなショッピングセンターでネタバラシしたって事は、どうせここで荷物買って今から行くんでしょ? 予算一万とかで」 「さすが紅さん、よくわかってらっしゃる」 「今から!? しかも一万円で旅支度を!?」 「安心して下さい、一人一万です。うははははははは!」  私達したたびチームにとっては定石である無秩序な行動に、光君はただ困惑している。 「じゃあ光君、衣装買いに行くよ。デートに行く服がなかったなら、PVに出る服だって持ってないでしょ」 「えっでも、流石にダイビングスーツは現地じゃ?」 「サメと泳ぐだけで終わらせるわけないでしょ? だぶか海中ロケなんてさっさと終わらせて、二人で街ブラする撮れ高で佳奈さんのPV埋め尽くしてやるんだ!」 「そ、そうだ……せにゃ! 見てろよ佳奈さん!」 「ふっふっふー。そう簡単にいくかな? 衣装に予算使いすぎてだぶか後で後悔するなよっ!」 「国際モデルのこの私のプチプラコーデ力を侮らないで下さい。だぶか佳奈さん本人が出てるPVより再生数稼いでやる!」  斯くして、また私達は旅に出る事になった。『行った事のない場所にみんなで殴り込んで、無茶して、笑い合って、喧嘩して、それでも懲りずにまた旅に出る』とは佳奈さんの言葉だ。それが私にとっての日常であり、私はこのような日々がいつまでも続くと漠然と思い込んでいる。
 し か し 、 そ れ で は こ の 『 私 』 に 金 剛 の 有 明 は 訪 れ な い 。 間 も な く 時 が 来 る 、 金 剛 の 楽 園 ア ガ ル ダ が こ の 星 を 覆 い 尽 く す の だ 。
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takamura-kai · 2 years
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kinnokuraya1 · 5 years
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ヤフオク1,000円スタート出品 5/18 PM 21時終了 誠実屋で検索下さい。 今回、誠実屋から心を込めて出品させて頂きますのは、 新品 当店お仕立て しつけ付き 未使用 美品 証紙付き 本麻 越後 本場小千谷ちぢみ 杉山織物謹製 手縫い仕立て 裄丈たっぷり です。 【こちらのお品は、ヤフオク出品の為に当店で新品反物からお仕立てしたお品でございます!】 ★新古品ではなく新品ですので、新品の香りがいたします。 小千谷縮みは、7月・8月の盛夏に涼しく着られる、上質だけど気軽に着られる夏の着物です。 独得のシボがあり、さらりとしてベタつかず、シャリ感のある着心地のよさが魅力です。 優しいお色味の蒸栗色地で、ほんのり透けて見た目も涼しげですよね~♪ 縦縞ストライプがスッキリとした着姿を演出し、通好みの雰囲気を醸し出していますね。 風が吹き抜ける涼しげな麻着物。 夏の気軽なお出かけ着として活躍してくれます。 緯糸によりをかけて、しぼ(しわ)を出すのが特徴で、さらりとした涼感が、夏の着物としておすすめの小千谷縮。 重要無形文化財の技術保存の指定を受けている「小千谷縮」は、手績みの糸を手括りして染めた絣糸を、居坐機で織ったあと、一反一反と湯もみ、足踏みでシボを取り、雪晒しを行うという伝統的な技法でつくられ、技術者たちによって今もなお伝えられています。 新潟県小千谷市・杉山織物謹製です。 有機栽培麻糸・オーガニックラミーを100%使用しています。 天然繊維の麻だけが持つ爽やかな肌触りと縮布独特の生地は さらさらとしたシャリ感ろ清涼感があり、軽く通気性にも富み、 心地良い夏の最高のお召し物です。 夏着物は数も少なく、綺麗なもの、新品はお仕立ても高価で大変希少です。 通常、反物だけでも10万以上はするお品でございます。 お仕立てをすると、居敷当て・衿裏が1万円位、お仕立て代3万円位します。 最近は、呉服屋さんで新品反物を購入してお仕立てをする方も減ってきましたので 新品のお値段を知る機会も減ってしまいましたが、 ご存知の方は即決価格でこのお値段で買えるなんてびっくりですよね・・・! また、新古の反物からではなく新品の反物からのお仕立てですのでとても綺麗です。 どうしても新古の反物ですと色焼けしていることが多いので仕立てる事には向いていません。 そしてリサイクル品では夏着物は数も少なく、夏着物は汚れていることがほとんどなんです。 ぜひこの機会をお見逃しなく! お色は画像1のお色です。 他で多少色が違っても画像1から全体をご判断下さい。 新品・未使用品ですので、 表地、裏地、シミや汚れなく大変綺麗なお品でございます。 カジュアルシーンに活躍してくれそうですね。 お茶やお花、書などのお稽古ごとに・・・散策・・・小旅行に・・・ 展示会、食事会、女子会、観劇や観戦に・・・ お着物を着てなんていうのも素敵ですね~♪ お出かけするのが楽しくなりますね。是非、着物を楽しんでくださいませ。 磨きぬかれた匠の技が創りあげる普遍の美しさに酔いしれるお品ですので、 この機会にぜひお手にとってご堪能ください。 是非、当社との絆の始まりとしてこちらの商品をお手元に置いて頂き、 末永く可愛がっていただきたいと存じます。 ■広衿 (スナップ) ■素材 表生地:本麻 衿裏:絹交織 (居敷当て付き) ■サイズ 身丈(肩):166㎝(前6㎝、後9.4㎝縫込みあり) 裄:68.3㎝(肩側1.5㎝、袖側1.8㎝縫込みあり) 袖幅:34.4㎝ 袖丈:49.2㎝(4㎝縫込みあり) 前幅:24.7㎝ 後幅:30.5㎝ ■適用身長:161㎝-171㎝位の方 (着丈の+-5㎝が基本で目安になります) #着物 #和装 #和服 #着付け #着付け教室 #和 #kimono #お茶会 #お茶席 #茶道 #書 #書道 #花道 #華道 #美 #美容 #美容 #美容師 #ヤフオク #ヤフオク出品中 #麻の着物 #小千谷縮み #小千谷縮 #本麻の着物 #夏着物 #夏の着物 #新品 https://www.instagram.com/p/BxlVX3IFYdc/?igshid=1lqfdfp1v8evt
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pinoconoco · 7 years
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空座第七女子寮物語 20 終
【 くだらないことばっかみんな喋りあい
嫌になるほど誰かを知ることはもう2度とない気がしてる 】
ポストを覗いて彼女は微笑んだ。 手紙にはデジタル世界には勝てないものがある。暖かさだと彼女は思う。 その人の癖のある文字を目で見て喜びを感じることや、色んなところを経由してきたこの小さい封筒についたたくさんの匂い。 封を開ける時の喜び。
そしてそれが 何年もかけて少しづつ貯まっていく喜び。
何度でも、寂しい夜にはそれを開く。
そして彼女もまた、返事を書く。
確かな言葉はあのときも今もなにひとつない けれどもっと嬉しいのは 別れの言葉も一度もないこと
そして彼がずっとあの場所にいること
親と和解して頭を下げて借金して 医大に復学して それでもあの場所で もう当時の自分を知る人は誰もいない、あの場所で 彼は管理人をやめていない
好きな人ができたとか お付き合いしている人がいるのかとか どうして何年もの間 必ず1ヶ月に1度は何があってもお手紙を送ってくれるのか
知りたいと思わないわけではないけれど
この手紙がこうやって自分ののもとへ届く間 彼女は あの頃の日々を忘れることがないと 嬉しく思う。
彼女はその日は直ぐに机に向かった
「 2ヶ月後に、日本に帰ります 」
次に届く返事に 彼はなんて書いてくるのだろう
追伸 「 あの二人にも伝えてね 」
◾ ◾ ◾
【 本当は分かってる 二度と戻らない美しい日にいると そして静かに心は離れてゆくと 】
「おい、ここ、もうやばいんじゃねぇのか?」 「なにが?」 「建て直さねえと、地震とか大雨きたらぜってえ死ぬだろこれ。おまえはいいけどよ、寮にいる学生はまずいだろ」 「リフォームはしているし、問題ないよ」 「ケチだなぁ、相変わらず。てか金はおばさんが出すんだろ?」 「うるさいな君は。いいんだよこれで!」
腐れ縁とはこの事だと男はため息をついた。
出会いから気に入らなかったこのオレンジ頭の男とは、何の因果か今では一番つるんで一緒にいる、まるで友達のようになっている。
断じて違うけどな こんな中卒の 夜の仕事して女をタブらかして その女に刺されて命を失いかけた馬鹿男 そのくせちゃっかり一人の女を手に入れて 何年たとうとその女にベタ惚れで
「なぁ、あいつがさぁ~立ち会い未だに嫌がるんだよ……」 「知らないよそんなの。君達が決めることだろ?」 「ぜってー、不安なんだぜアイツ。しょっちゅう本読んで難しい顔とか怯えた顔してんの。や、それはそれで可愛くて笑っちまうんだけどよ。なのに立ち会いなんて死んでもやだとかさぁ~ だから俺がついててやるって言ってんのによ、意地はって聞かねぇの」 「わからなくもないけどね。仮にも愛する男の前で股拡げるんだから」 「そんなのいつも見てんじゃんなぁ」
真面目に言うオレンジ頭に呆れた顔して睨み付ければ「ん?」とすっとぼけた顔で首を傾げた。
「……彼女、帝王切開じゃないんだね」 「それな。病院でも言われたんだけどな、チビだし。でもあそこから産みたいんだと」 「あそことか言うな」 「じゃあーなんて言うんだよ!」 「下からとか」 「あ、なるほど」
言いながら、オレンジ頭と店に向かう。
最近は前みたくスロットを打つことはなくなった。今じゃ息抜きだ。このオレンジ頭も多分そうだ。
オレンジ頭は塗装で生計を立てている。見習いから始めて5年経った今では自分で仕事を取ってくるようになっていた。 一人で始めた頃は色々大変だったようだが自分には愚痴を溢すこともなかった。 そのくせ「たまには打ちに行かね」 と誘ってきた。愛する彼女と行かないで自分を誘ってくるときは、まず彼女と喧嘩しているときか辛い時だというのはわかってしまう。オレンジ頭はわかりやすいのだ。 そのまま飯食おうとなって、酒を飲んでは潰れて愛しい彼女の名前ばかり言うようになると、僕が彼女に電話をする。 彼女はいつも直ぐに飛んできて
「このばか!」
と彼の頭を叩いてから僕に
「いつもすまぬな。貴様も勉強忙しいのだから、この馬鹿は捨てて帰っていいからな」
と困ったような笑顔をみせる。 そして物凄く小さいくせに、180センチはあるオレンジ頭を担ぐ。 手伝ってもいいというか、手を貸してあげたいがそうすると、酔ってぐだぐだのはずのオレンジが僕の手を弾いてくるので手伝えないのだ。
「……こいつ酒が入ると君の話しかしないんだよ」 「あ~……聞き流してくれ……」 「聞き流すも何も、もう君と彼のことで知らないことはないと思うぐらいコイツ僕に話してるけど」
えぇ?と彼女は担いでいたオレンジを落として驚いた。 いてぇ~、と地面に倒れたオレンジを蹴りあげて僕に詰め寄る。
「な、何の話をしてるのだ!?こ奴は!」 「……君が秋刀魚と鯵を間違えて覚えているとか、寝るときは必ずキスしないといつまでも蹴ってくるとか、怖いテレビの時は膝に乗ってくるとか」 「……くだらないことをまぁベラベラと話しているようだな……すまん、忘れてくれ」 「……それからね、自分だけでなく、君も彼に一目惚れしていたとか」 「だぁー!忘れろ!というか、嘘だそんなの!」
突然かあぁ、と彼女は顔を赤くして飛びかかってきた。その姿は子猿のようでちょっと可愛いと思って笑う。
「何年前の話だ! そんな話忘れろ!」
子猿は赤い顔のまま僕の頭を叩きながら、記憶無くせ!と意味不明なことを口走っていた。
あの日
意識の戻らないオレンジ頭のために 彼女は林檎をたくさん買ってきた。
「それを、枕元に並べてくれ」 「こんなにたくさん?」 「林檎は、私とこいつの思い出なんだ。林檎の香りで目が覚めるかもしれない」
あの時彼女はそう言った。 その言葉通り彼は目覚めた。
後日、オレンジ頭にその事を言ったら 彼は珍しく優しく笑った。
彼女が演じる白雪姫を、彼女の父親に連れて行かれて見に行ったオレンジ頭に 白雪姫の彼女は林檎をくれたのだという。オレンジ頭はその時彼女に一目惚れをしたらしい。その後何年も追いかけて手にした今も オレンジ頭にとって彼女は色褪せないお姫様だ。 ところが後から彼女の方も
「すごいかっこいい男の子!」
とオレンジ頭に恋をしたのだと告白してきたという。嘘かもしれないけど。 でも今目の前で赤い顔してる彼女を見れば嘘ではないのかもしれない、と思う。
父親がかっこいい男の子を連れていて 誰?と聞けずに咄嗟に林檎を渡したんだとか
ただ、彼女はその翌日に父親を亡くしていたから その前後の記憶は、その後ほとんどなかったらしい。 全てをオレンジが告白した時に 色鮮やかに彼女の記憶も甦ったそうだ。 「だから俺らは運命なんだ」 なんてオレンジ頭は言っていた。 はいはい、と聞きながら、でもそうかもななんて少し思った。
お前がいなけりゃ、俺目覚めなかった
いつだかオレンジはそう言って俺のコップになみなみと、升に溢れるほど酒を注いでくれた。
あいつが言ってた 自分だけじゃないって おまえに言われた言葉で 俺は戻ってこれたんだって
だからムカつくけどおまえは俺の恩人らしーな
ははは、とオレンジは笑った。 そして聞こえないぐらい小さく サンキュ、と呟いた
◾ ◾
「ゴルァ~何してんだテメェ」
ゆらりと突然起き上がったオレンジ頭が、僕の頭を叩く彼女を抱き抱えてお尻を叩いた。
「なにおまえ、俺の前で眼鏡といちゃついてんの?」 「違う!こいつが恥ずかしいこと言うから」 「恥ずかしいこと?あーーーん?おい眼鏡!テメェ何言いやがったゴラ」
あぁまたこんな展開 こいつ達に絡まれるのはもう慣れたけど
「彼女が君に惚れた時の話だよ」 「ん?」 「煩い!!」 オレンジの両頬を、抱かれているせいで叩き易かろう彼女がばちんと叩いた。
「もう帰るぞ!」 「うん……あんな眼鏡触るの禁止な……?」 「はいはい、」 「ん~」
と彼女にキスしようとするオレンジの頬を思い切り跳ね返しながら、身体をよじって彼女は僕に手を振る。
「またな!石田」 「……身体大事にしてよ?悪阻終わったからって油断しないで」 「うん!」
これやめろというのに! それでも歩きながらも彼女に何とかキスしようとするオレンジ頭の頭ごと押し返しながら歩いていく二人をやれやれと眺める。
腐れ縁 イイ言葉だ それ以上もそれ以下もない 何よりサヨナラを云わなくていい
腐れ縁の僕達は 出逢ったあの日からこれからもずっと サヨナラなんてする必要がないのだ
ただ一人 あの頃のあの日々にいた女(ひと)だけが ここにいない それは腐れ縁などではないからだろう 美しく優しく住む世界の違うあの女は 今ここにいない
腐れ縁になれなくても それでもあの女に僕はサヨナラをやはり云わない
いえない いわない いうひつようがない いいたくない
どれも正しくどれも違うと 思っているから
◾ ◾ ◾
【 左へカーブを曲がると光る海が見えてくる
僕は思う この瞬間は続く いつまでも】
目覚めてから暫くは彼女との蜜月よりも警察からの事情聴衆に忙しかった。 貴枝のこともあの事件のことも、何かしら責任をとるのであろうと覚悟していたが どちらもそんなことはなく終わった。 浮竹さんには少し叱られもしたが。
本当は知っていた。 黄色い瞳のあの男から、母は薬を買っていたことも あの男の指示でおじさんを薬漬けにしようと企んでいたことも 母がそれを失敗して殺してしまったことも
それでも母と自分が殺されるのは怖かった ずっと 言えないでいた
それさえ話していれば 彼女の父親の無念を晴らせて 彼女も忌み嫌われることもなかったのに
彼女を辛い目にあわせてしまったのは 誰でもない自分だというのに
それでも海燕の描いた未来を夢見て 可愛い彼女への想いを抱いたまま 全て封印して彼女を自分のものにした
こんな汚い自分は消えたいと願った それでも 痛みを抱えて生きろと死神から背中を押された
今は生きたいと思う 彼女と一緒に、生きたいと思った
◾ ◾
貴様に私も一目惚れしていたのだよ
いたずらっ子の顔で彼女はそう言うと、チュッと音たてて頬にキスをくれた。 嘘つけ、と笑えばふるふる、と首を振った。
アンタのお父さんといるあのかっこいい男の子誰?って、友達に言われたんだ。 劇が終わって先生のお話も終わった時だったかな? 女子は目敏いからなぁ 私は実は緊張していて、お父さんが客席にいるのを探す余裕もなくて でも何人かの生徒たちはみてたらしいぞ貴様のこと。 それで、お父さんの傍に行った時 本当だ!とドキドキしてたんだ本当は。 茶髪で少し髪の毛が長かっただろう? そんな男子、うちの学校にいないからな! 顔もカッコよくて。なのになんか、うまく声かけれなくて、それでも話したくて林檎をな、渡したんだ う~ん、甘酸っぱい思い出だと思わぬか?
あの頃髪が長かったのは 床屋に行く金も貰えず親にも切ってもらえなかったからなんだとは言えずに、笑った。 彼女はそんな俺に気付かず話を続ける。
でもな その翌日にあんなことが起きて あの頃のことは 何もかも忘れていた
まさかあのときの男の子が貴様だとはなぁ
お父さんがデートしてた相手も貴様だなんて
なあ
話してくれて本当に、ありがとう
貴様の痛みをさらけ出させてしまって 申し訳ないとおもうが 私は貴様の話を聞けて、良かった 何よりも 貴様を自信を持って好きになれた 飽きるまで傍にいてやるから覚悟しろ?
そう言って彼女はわらう。
傍にいていいのか? と、本当は聞きたかった でも聞かなかった。一生聞くのはやめようと思った。
いつでも怯えていた 自分自身が怯えていることに気が付かなかったけれど 物心ついてから今に至るまで
俺は毎日怯えて生きている
この女に愛されているとわかって尚、俺は怯えているのだ
いつか、彼女の気持ちが離れたらー
これは俺の病だ 不治の病だ
おじさんは言っていた どんな痛みにも処方箋があると。 俺の病は生きている間治らないかもしれないけれど
「なぁ」 「ん?」 「おまえのプロポーズ受けるからな」 「……あ!」
彼女はベッドに横たわる俺に、寄り添う猫のように丸まっていた身体を飛び上がらせた。 本当に猫のようだと笑ってしまう。
「なんだよ、あれ嘘だったのかよ」 「嘘じゃないけど……」 「おじさんの描いた未来、叶えたくねぇのかよ」 「そ、それは……」 「もらえ!ときたもんだ、ありゃすげえな」 「わ、忘れてくれ頼む」 「…………忘れられるかよ、泣きたくなるほど、心に響いたのに」
そう言って彼女の後頭部を掴むと自分に引き寄せた。
「おまえにあんなこと言わせたのは癪だけど、でももう俺受けてたつって決めたから。……俺のこと幸せにしてくれよ」
素直にそう言うと彼女はこくんと神妙に頷いた。その顔も仕草も全てが可愛くていとおしくて
「その倍以上に、おまえ幸せにするから」
そう言って目蓋に唇を寄せた 彼女はふ、と笑ったのか泣いたのかわからない吐息を溢した。
ごめんな、
気が付くと 呟いてしまう この言葉がどうしても口から溢れ落ちる 彼女はそれが嫌なのだと言う
ペロリと生暖かくしっとりした彼女の舌先を指に感じた。 え? と目をやれば、彼女が俺の右手を両手で掴み、指先を舐めていた。 上目使いに見上げるその瞳は妖艶というよりはおどおどとしているのに、紅く小さな唇を半開きに赤い舌を指の間に這わせてきた。
「……こら、」
と言うものの勿論怒ってなどいない。 言いながら優しく彼女の頭を撫でた。 彼女は指の間を丁寧に舐めてから、中指をパクリと加えて上下に頭を動かした。何度も繰り返してから、今度はもう少し大きく口を開けて薬指も一緒に含んで舐めた。 笑えるほどに俺のものは簡単に勃ちあがる。 それを、横目で確認した彼女の唇は銀糸を引いて指から離れると、病院で着せられた寝間着の裾を開いた。
「……おい」 「……」 「ばか、無理するなって」 「無理してない」 「風呂入れてもらったの、一昨日だよ、汚えから」 「……嫌か?」
だから!何でそんなおどおどして聞くんだよ!襲うなら襲えよいや違う、そんな可愛い顔してエロいことされたらやばいんだって!
んぐ、と声を漏らして彼女は俺のものを口に含んだ。まだあんまり上手にできない彼女のそれは最高に気持ちがいい。身体が動かないのが辛い。本当なら本当なら……
「あ!」
溜まっていた俺の欲は笑えるくらいすぐに放たれてしまった。おまけに彼女の口の中で。 彼女はんんんんー!?と口許を押さえて洗面所に駆け込んだ。 水の流れる音がする。吐き出したのだろう。 かわいそうで可愛くて気持ちよくて あーーー!と顔を覆う。
「…………」
無言で戻って来て 恥ずかしそうに無言で俺のベッドに彼女がよじ登る。
「……今すぐ抱きてぇ」 「無理だばかもの」 「じゃあなんで、俺煽るんだよ」 「……煽る? だって、あの……たまる、のだろ?」 「…………そんな言葉、どこで覚えたんだよ」
俺が教えてもいねぇのに。男知らないくせに。めっちゃエロいことしやがって。
「貴様の先輩に……あるもの渡されて」 「………………は?」
思わず勢いよくがばりと動けば背中に痛みが走る。いてぇ!と声を上げれば彼女が慌てた。
「こら、無理に動くなというのに!」 「待て待て待て!先輩とか渡されたとか、何の話?」 「え、いや、あの……」
彼女は目をそらしてモゴモゴと口籠る。 貴様の先輩がCDをくれてそれで 男はたまると死ぬほど辛いからって、それで
「 アイツ前俺んちでさ、これ一緒に見てた時こーゆーのされたらたまんねーなって言ってたから勉強してやってあげたら喜ぶぜ? 頑張ってな!」
と、言われたのだ……
そう言う彼女になんとも色んな感情が沸き起こる。そんな、こいつがエロビデオ見て俺の為にってそんな……てかアイツ!! 先輩何やってくれちゃってんだよ!つーか普通そんな事言うか?教えるか? だからあの人は馬鹿なんだよ!そうだ馬鹿だった!!
悶々としてる俺の寝間着の袖を彼女に引かれた。
「……すまぬ、下手だったか?」 「…………ぅわぁぁぁぁ」 「一護?どうした?!」 「もう!ごめんな!」
ぎゅうっと彼女の顔を見れなくて胸に押しつけて抱き締めた。
「…………すげぇよかったけど、これからはそーゆーのは……俺が教えるから」 「ん、わかった……」 「俺以外とエロい話禁止な、ダメだ何かスゲーむかつくから」 「わかったよ」
くすくすと笑い声が胸から聞こえる。 可愛くて天然でえろくてどうしようにもなくいとおしくて。
全てを受け止めてくれる俺の白雪姫を
背中の痛みすら 今は嬉しく思いながら抱き締めた
◾ ◾ ◾
【 いつもいつも君が恋しくて 泣きたくなるわけなんかないよ
思い出すたび なにか胸につっかえてるだけ】
あの飛行機だろうかー と石田はエアフラの飛行機が着陸するのを見ながら、ポケットから地球儀のネックレスを取り出した。
これを織姫は、旅立つ日に見送りに来ていた空港のこの場所で外して石田に渡してきた。
「石田さんの役にたつか���しれないし、お守りにしてもいいし。あたしを思い出してもいいですよ?」
そう言って織姫はくすくすと笑った。 いつもつけてるから、臭いかな?匂いは嗅がないでくださいねと言って彼女は笑った。 泣いていたルキアもその時は笑った。 変態野郎だから嗅ぐんじゃねえか?と一護は石田をからかった。 あれはもう、5年も前になるのか
石田はネックレスを見つめて握りしめた その時
「……ほぅ、想いでの品と一緒にお出迎えか?」 「ぅわぁ!」
にたーと意地悪く笑うルキアが何故かいた。
「な、何で君がいるんだ!?……てことはあいつもいるのか?」 「失礼な。親友のお迎えに来てなにが悪い。残念ながら一護ならおらんぞ。あいつは仕事だ」 「……あ、そう」
ルキアは石田のネックレスを貸せ、と言わんばかりに手を出した。その小さな手にネックレスを乗せてあげるとルキアは微笑んだ。
「なぁ、石田」 「なんだい」 「……あの時の織姫の言葉覚えてるんだろ?だから貴様は今日これを持ってる」 「……まぁね」 「織姫はこれ、毎日なんてしてなかった、毎日していたのはクロスのネックレスだった」
そう言って見上げてくるルキアの顔は、もう先程の意地の悪い顔ではなく慈しむような顔をしていた。
この女も知ってるのかー
石田はそう思ったけれど、口にはしなかった。
毎日こんなオブジェのようなネックレスをしているわけない そんなことはなんとなく気がついていた。
あの頃はー
あの頃の自分は金の事が頭を閉めていた。 勿論人に話したり愚痴っていたわけではないが それでも返済のためにまた借りたり 稼いだ金を更に増やそうと全て無くしたり
全てを話してはいなかったが 朽木ルキアも井上さんも何となくは気づいていたのだろう。
彼女に渡されたネックレスを 何も考えずいつもの質屋に持っていった。 質屋の老人は
「……50万てとこだな」
と言った。
さすがお嬢様だ こんな高価な物を自分にくれるなんて でもね僕の借金はこんなもんじゃないんだ残念ながら お嬢様の思い出として、これはとっておこう。そう思った。
「そうですか。じゃあいいです。返してください」
質屋の老人にそう言って手を差し述べた時 老人は何故か突然慌て出した。
「なんじゃ、担いだんか?すまん悪かった!」
声を荒げる老人に「え?」と怪訝な顔で振り替えれば老人は唇を歪めた
「……それどこで手に入れた?」 「どこって……友達にもらったんだ」 「そのイミテーションにも見える石は全部本物だ……おまけにそれは、アラブの王女のドイツ来日記念の限定物、それも本物だ。普通の奴にゃ手に入らない……一千万だ」
言葉を失う腰を抜かす顎が外れる
その言葉全てがその時の僕だった
彼女はどうしてこれを僕に渡したんだ 金を返せということだとしても 身内でも恋人でもない僕に 彼女は嘘をついてまで 毎日してるから臭いかもなんて そんな嘘をついてまで
私を思い出してもいいですよ
彼女のその言葉に目頭が熱くなった。 あんな恵まれた環境に育ち普段も自由気ままに生きてきて そんな遠回しな言葉しか言わないなんて言えないなんて。
あの日僕はこのネックレスを絶対売らないと心に誓った。 いくらになるんだろうなんて金額を調べた自分を恥じた。
彼女に恥じない自分になって 彼女を迎えに行こうと決めた 何年かかるかわからない こんな生活をしていた偏屈な自分が やり直せるのかもわからない
その時はこのネックレスをくれた彼女を思い出そうと、心に誓った。
「ここは、このままでいてほしいなぁ」
第七寮を、彼女が出ていったあの日 晴天の青空の下、寮の女達に見送られて旅立つ彼女は1度だけあの古い家屋を振り返ってそう呟いた。
世の中のスピードに呑み込まれないで いつまでもここはこのままでいてくれたら
なぁんてね
どういう意味で言った言葉かはわからないけれど、だから、僕はここを守ってきた 彼女がそれで喜ぶのなら 僕にできることはそれぐらいだったから
「……とうとう、それ、返すのか?」 「……うん。お守り、だったからね本当に。でももう、彼女に返すんだ」 「織姫は返されたら悲しくないかな」 「……ただでは返さないよ」 「? ん? 何と言った?どういう意味だ?」 「うるさいなぁ もう、暴れないで!」 「だって今貴様は意味深な事を言っただろ!気になるではないか!」 「引っ張らないでってば!また一護に怒られるぞ、男に触ると!」 「貴様なんか男でないわ!」 「僕も君なんか女じゃないよ!」
あいかわらずだなぁ、
と優しい声に僕達は振り返った
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tvod · 7 years
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#002 Happy Birthday, Happy Science?
コメカ 消費社会の住人になってしまうと、社会への関わり方が「消費者」としてのスタンスに、基本的に限定されちゃうからさ。例えば90年代ポ��プスで言えば、「消費者」としての生を全うしようとしたのがコーネリアス「太陽は僕の敵」で、「消費者」としての生の虚しさを言葉にしたのがフィッシュマンズ「BABY BLUE」…みたいなさ(笑)。「あらかじめ分かっているさ 意味なんてどこにも無いさ」までは同じなんだよね。でも、「意味なんかない 意味なんかない 今にも僕は泣きそうだよ」というメランコリーに、後者は流れ着いてしまう。結局、「内面」に言及してしまうというね。「消費社会」の中でbotみたいな生を生きられれば、確かに「内面」の問題なんて後景化したと思うんだけど、結局誰もがそうはなれなかったってことかと。だから今もサブカルチャーの領域には「内面」についての問題系が大きく影を落としているし、それは今後も変わらないだろうね。 同時に、90年代には、ある種のサイケデリックカルチャーみたいな志向、脱「内面」的な志向もサブカル界隈の中に色々散見されたけどね。それこそ鬼畜系みたいなものも含めて。電気グルーヴの「Happy Birthday」的な。「どうでもいいコトを気にしながら ビクビクする必要も無く 今までに無い自分見つけたから 新しいボクに Happy Birthday」。でも、こういう脱「内面」的な志向は、90年代末から急速に後景化していく。90年代テクノの盛り上がりから衰退までが、その象徴と言えるかと。
パンス 95年くらいのジャパニーズ・テクノ/アンビエントにあった、木漏れ日っぽいトランス感が僕は大好きだけど、ほんの数年経ってハードミニマル全盛になっちゃうスピードの速さは何だったんだろう(そっちも好きです)。 たくさんキーワードが出てきてるので、何から話せばいいか迷うところだけど、ではタイムリーなやつを……。90年代の話になってきたけど、その前半、95年までに最も内面を追求しまくってたのは、新宗教にハマってた人たちでしょう。さらに正確にいうと、内面を克服して「新しい自分になりたい」とか「別の世界を見つけたい」からハマるという。なかでもオウム真理教と幸福の科学は、80年以降に設立されたフレッシュな団体だった。しかし95年の地下鉄サリン事件を境に、カルト的なものに対する市民社会の目が厳しくなったのは、みなさん実感するところかと。 幸福の科学は、かつては講談社前で抗議しまくったりと荒っぽかったのに、オウム以降をソフトに乗り切ったよね。いまネトウヨ的思想? と親和性が高すぎるというのも気になるところ。今朝テレビをつけたら、島田裕巳氏が幸福の科学について語ってるというアーリー90'sな光景が現出しててビビったよ。しかもそれをTwitterで呟いたらご本人にすぐリツイートして頂いて、時間軸が歪みまくった (笑)。急に騒動になってるけど、入信したこと云々より、所属してた事務所の体制を問うところに焦点が当たってるのがいまっぽいな〜と。オウム事件から20年以上経って、日本人はカルトに結構寛容になってるんじゃないか!? もちろん信教の自由は認められるべきだし、宗教は社会のなかで相互扶助装置としても機能するし重要な面もあるんだけど、カルトはカルトだし、おかしなこと言ってる人はおかしいと思うんだけど……。
コメカ それこそ、オルタナファクト的なものが前景化する世界の中では、カルト宗教が語る「物語」の存在感も上がってしまうよね。90年代のオウム等の新宗教の動きって、「戦後民主主義的なものへの挑戦」っていう側面があったと思うんだけど、右派の歴史修正主義と同じ様に。90年代にはまだかろうじて戦後民主主義的な価値観が普通に社会に共有されていたけれど、それがほぼ打ち捨てられ、ありとあらゆる雑多な情報がネット上で乱れ飛ぶ現状では、カルトという傍流に対する本流の「世界観」が存在しなくなりつつある。それこそ、安倍政権は戦後民主主義に代わる新たな本流の「世界観」をつくろうとしてるんだろうけど。その「世界観」が、それこそぼくらみたいな人間には受け入れがたいものである訳だけど……。 戦後民主主義っていうのは基本的に社民主義的な世界観だと思うんだけど、オウムってそれに対する革命路線だった訳じゃない?おたくの連合赤軍と言われたぐらいのもんで。で、その暴力革命は失敗した訳だけど、小泉政権以降の自民党は、ある意味で少しずつ革命に成功しつつある訳じゃない?戦後民主主義的なものを順調に壊しつつある。消費社会の中で悶々と自意識を拗らせ、「生きる意味」みたいなものを極端に考え過ぎたおたく世代の革命志向は失敗し、その後は新自由主義的タカ派右翼が、左翼もハト派右翼も駆逐して革命に成功しつつある。そして「新自由主義的タカ派右翼」はそれこそ小池百合子を引き合いに出すまでもなく、幸福の科学みたいなカルトとも親和性が高い……というか、幸福実現党はまさに新自由主義的タカ派右翼政党だね。 内面の弱さを漠然としたナショナリズムやカルトに身を任せることで生まれるのがネトウヨだとすれば、内面を意識的に「意味」や「物語」に還元しない様にするのが新自由主義的な態度の人間じゃないかとぼくは思ってて。ある意味脱「内面」志向の成功例だと思うんだよ。宗教的な修行やサイケデリックトリップでは自意識から逃れきれないかもしれないけど、経済至上主義において勝ち組になれれば、脆弱な自意識に悩まなくて済む様になる。「今までに無い自分見つけたから 新しいボクに happy birthday」を迎える為に必要だったのは宗教的真理ではなく、経済的体力だったんじゃないかと。修行するよりも、��乏人の頬を札束ではたくみたいなことで意外とあっさりと自意識の弱さは克服されてしまう、みたいな……(笑)。 ただ、小泉さんは「真理」を欲しないニヒリストに見えるけど、安倍さんはニヒリストではない感じがするよね。彼はそれこそ「内面」をなんとか埋め合わせようと必死になっている感じがするんだよね。個人的な印象なんだけどさ。信じる「物語」が違うだけで、ある意味ネオリベ系よりも安倍晋三は自意識に悩む一般層に近い感じがするよ。その辺りも彼は実は、21世紀的なポピュリズム時代の政治家として資質を持ってしまってるのでは。超人的なカリスマ性を持たない「駄目な僕」であることが滲み出ているからこそ、人々に何かを感染させているのでは。本人はそんなつもりじゃないだろうけど。ただ彼のそういう資質は、どこかで人々にシンパシーを与えてしまっているんじゃないかって思う。
パンス 小泉氏と安倍首相の比較は面白いね。小泉は新自由主義的ポピュリストかつナショナリスティックな思想を振り回していたけど、じつはどこにも依拠していないというか、奥底で何を考えていたのか、いま考えてもよく分からない。「行動的ニヒリスト」と言ってしまったら笠井潔氏に怒られてしまいそうですが……、内面をほとんど感じさせない。それに比べると、安倍がトランプと会食している姿は、お金はたくさん持ってるのでヤンキーに好かれてる男子がデニーズの椅子に座っているようなユルさを感じさせる。彼らのイデオロギーは宗教右翼的なものと言われてるけど、「日本のいちばん長い日」の陸軍兵士や、浅沼稲次郎を刺した山口二矢は、国会でニヤニヤしながらヤジったりするようなキャラではないでしょう。あのニヤニヤ笑いがどこからくるのか……というのはいったん置いといて、デニーズといえば『TOKYO TRIBE』ですよ。あそこに描かれたデニーズ(的なファミリーレストラン)でダラダラする風景が、戦後民主主義の極点だったのではないか。 『TOKYO TRIBE』は、90年代の風景を過剰にデフォルメしてるのがいま読むと面白い。得体の知れない宗教家が演説しているのを冷ややかに見つめる、ベタにストリートな青年たちが抗争を起こす。実際はそんなことは起こってなかったわけだけど、構成する要素だけは現実と合致しているという。抗争におけるリーダーの青年は「オレはダレだ」と自己言及を繰り返してるんだけど、当時は悩んだまま保留にされていた内面の問題が、のちのちナショナルなものに向かって『凶気の桜』あたりに繋がってるかなと考えたりしてる。『2』から出てくるデニーズ的な部分は『The 3名様』に。 『凶気の桜』前後、1998〜2002年くらいの期間は、サブカルチャーのなかに「右傾化」の気配があるんじゃないかと囁かれてた。ライムスターが朝日新聞紙上で封建主義的なんて言われてたなんて、いまから見たら誤解もいいとこだけど、そんな議論も起こってたのでした。同時期にはもっと直接的に、ドラゴンアッシュや椎名林檎のような、「革命」や昭和日本のガジェットを使ってボンヤリした「崇高さ」への志向を見せる人たちが出てきた。一方で政治のほうはどうだったかというと、1999年に、国旗国歌法、通信傍受法を含む組織犯罪対策三法、住民基本台帳法などなど、現在につながる「統制的」な法案がガンガン成立してる。すべて小渕政権下。このあたりで局面が変わってるんじゃないかな。
コメカ 2000年前後の「ぷちナショナリズム」的なサブカルチャーの登場と共に、さっき話したような90年代テクノ的なトランス志向・脱「内面」志向は後景化していった。例えばテクノにおいても所謂エレクトロクラッシュが人気を集めて、トランス・ヒプノティックな方向ではなく、80年代スノビズムのリバイバルみたいな方向にいってしまう。脱「内面」志向のめぼしいサブカルチャーが見当たらなくなって、無邪気に「国家」や「日本」に絶対性を求め、それを介して内面に安定性を得ようとする志向が前景化していった。 あと、例えば2000年代の日本のロックって、所謂下北ギターロック的なもの、つまり自分の脆弱な自意識・内面について歌う…みたいなものしか、表立ったものが無くなった時期があった。ネオリベ・ネオコンの時代になっているのに、まだ90年代オルタナティブロック的な自意識表出を繰り返していた訳だよね。アジアンカンフージェネレーションの後藤さんみたいに、そこから社会的なものに踏み込んでいく作家も出てきたけど、大概の下北ギターロック派やその系譜にいる人々は、未だに自意識にだけ焦点を定めている。ただぼくは、自意識に焦点を定めることが悪い訳ではなくて、その定め方に問題があると思うんだけどね。少なくとも、「社会」っていう水準を抜きにした形で、自意識だけにカメラの焦点を定めるのは片手落ちだと思うんだけど、これは今の日本のサブカルの標準的態度でもある。 対して、2000年代中頃から盛り上がったアイドルシーンは、演者の自意識表出よりも「アイドルシーン」という環境の中でのパワーゲームや物語を消費させる機能的な面白さを持っていた。それはネオリベ時代にちゃんと対応したシーンだったんじゃないかと思う。オルタナロック的な内面のヴァルネラリティにはもはや殆どの人が見向きもしなくなってしまった。ただ、実際は人々が内面の弱さを克服できた訳じゃなくて、環境システムの中で行なわれるゲームに参加して、内面のことを忘れようとした人が多かったんじゃないかと思ってて。このことのツケは今後結構ジワジワ響いてくるんじゃないかな。システムに参加することで内面に安定性を得るっていう作法は、全体主義的なものとの親和性はやっぱり高いからね。
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pb-text · 4 years
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奥付の印
底本:「菊池寛文學全集 第三巻」文藝春秋新杜    1960(昭和35)年05月20日発行
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625-4 · 4 years
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吹きさらしの僕たちは
 わらった顔がすきだと言う。現に、わらうことに不慣れなおれの表情筋が些かぎこちなく動いて不器用な笑顔を象る度、おれを見つめる恋人の瞳はきまってひどく愛おしげに細められた。おれよりもいくらか色素の淡い焦げ茶色の虹彩は、生気がうすい割に不思議なつよいひかりを放っている。存外長くてまばらに並んだ細い睫毛がふちどる瞳の奥へやわらかく浮かぶものがくすぐったくて、まばゆくて、あまり長い間じっと見つめていられないおれの頭��中には、鎖骨の頭が覗く襟首や肌触りのよい布地に覆われた肩口の方が恋人の顔の記憶よりも多いような気がした。
 丸まってねむるせいでスペースの余る寝床にはいつも恋人の脱いだ服が数着溜め込まれていた。安堵が具現化されたような空間。愛する人のにおいと触感に安心する子どものようなおれを、かわいいとか、愛おしいと、彼は言う。
 枕に敷いた赤いパーカーに頬を預けながら膝を抱いて微睡んでいたおれの意識は、午前十一時に部屋へ鳴り響いたインターホンの音で現実へと引き戻された。はあい、と寝惚けた返事をしてのろのろと寝床から這い出て玄関を開けると、初夏だというのに長袖の修道衣を着込んだシスターが花を抱いて立っていた。
「ドウモ」
「わざわざ来てくれてありがとう、それくちなし?」
「院の庭で見目の良いものを見繕ってきました」
 葉を少し切り落とし、枝を束ねて白い紙で包んだだけの簡素なくちなしの花束を渡されるまま受け取った。胸に抱いて花弁に鼻先を寄せれば鼻腔にやさしくあまい匂いが満ちて頬がゆるむ。海に似たあまいにおいのする初夏の花。濡れたような手触りの薄い花びらが愛おしくなって、その表面を指で撫ぜてから顔を上げる。
「いいにおい」
「お祝いに」
「ありがとう」
 目尻をほんの僅かにゆるめて見せたシスターを家の中へ促し、花を片腕に抱いたまま狭いキッチンの戸棚を漁る。何の容器だったのか思い出せない空き瓶を戸棚の奥から見つけ出して浅めに水を張り、贈られた花を生けると二人分のグラスに注いだ冷たい麦茶と一緒に卓袱台の上へ置いた。六畳一間の色気も何も無い殺風景な部屋に似つかわしくない白く可憐な花は、ぽっかり空気に浮かび上がるように空間へ嵌め込まれたみたいで少し笑ってしまう。にいさんが見たらなんて言うのかな。きれいだね、って言うんだろうか。礼儀正しい客人はどうやら家主のおれが腰を下ろすまで座る気がないようだったので、慌てて座布団の上に乗って向かいの座布団へ彼を促した。
「お話というのは」
「ア、ええと、あの……明日、聖堂を少し貸してほしくて」
「結婚式ですか?」
 勘の良いシスターにそのものずばりを口にされ、その響きがどうにも照れ臭くてアとかイヤとか口籠もりながら「そんなかしこまった大層なことするつもりはないんだけど」などと早口で弁解にもならない言い訳を並べてしまう。そもそも血の繋がった兄弟で、結婚、いや、結婚しては、いるのだが。入籍も何も元々同じ籍に入っているし何か書類上の手続きがあったわけでもない。法的には口約束の域を出ないわけで。それでも左手の薬指に嵌めた槌目のうつくしい指輪を見るにつけ、愛おしく、とうとい気持ちになるそれを、ケッコン、とはっきり言語化するのがおれにはまだ面映ゆいのだった。一年も経つのにな。
「同性だし、そもそも兄弟だし……でもまあ駄目元でお願いしてみようと思って」
「確かに聖書には男女が結ばれるべきと記載されている部分があります。特に新約聖書には婚前性交渉、男色を行う者には神の国が相続されないとも」
「コンゼンセーコーショー……」
 静かに紡がれる言葉を思わず復唱してしまった。身に覚えがあるどころの騒ぎではない。思わず渇いた笑いを漏らしつつ目の前の聖職者から視線を逸らして麦茶に口をつける。夏の味がした。罪まみれでイエスも助走つけておれたちを殴るレベルなのでは?地獄行き確定コースですか?困る。
「まあ……そういうわけで、使っていただいて構いませんよ」
「前後の文脈が繋がらなくて混乱する……」
「生憎うちの生臭神父様は留守なんですが、特に問題視しないかと」
「鷹揚っていうか豪快っていうか」
「無神経なんですよ」
 兎角細かいことを全く気に留めなさそうな背の高い美丈夫の姿を思い出す。話したことはなかったような、あったような。会ったことあったっけ?どうにも恋人以外のことをよく覚えていられなくて困ってしまう。おれの言葉を忌々しげに訂正するシスターの口ぶりに苦く笑いつつも、忌憚の無いこと、衒いの無いことが何よりも信用に足るのをよく知っているおれは目を細めた。
「あの人の言葉を借りるのであれば、愛はどこに介在していても美しいものです」
 切れ長の瞳に浮かぶ穏やかな色。あまり笑わないのに聖職者らしく話す相手を安心させるのは、彼の瞳の奥がいつでも柔和に凪いでいるからだろう。おれたちの愛はうつくしいのだろうか。カラン、と涼しい音を立てて空のグラスの中で氷が溶け落ちる。くちなしの花へ視線を遣ったシスターが少しだけ口角を持ち上げて見せた。
「良い式になるといいですね」
「うん、ありがとう」
「朝からこちらに?」
「エエ……どうだろう、あの人マイペースだから」
「……では昼夜鍵を閉めないようにしておきましょう」
 ちょうど留守みたいだし神父役は要らないから二人だけでいい、聖堂の中も飾りつけたりしつらえたりしなくて大丈夫、いつも通りのままで、お構い無く、勝手にやって勝手に帰ります……と話すおれに、本当にそれでいいんですか?とシスターは怪訝そうだった。でもやっぱり、あんまり華美なのはおれたちに似合わないと思うし、こういうのは、たぶん、互いの間に意味が残ればそれで良いのだ。
「にいさんもたぶん堅苦しいのは緊張すると思うし」
「あなたはいつもそんな顔で配偶者のことを話すんですか?」
「ウン……?」
「見ているこっちが胸焼けしそうです」
 皮肉と嫌味を淡々と口にしている割には棘の無い声音だった。ベタ惚れの自覚はある。大いにある。しかし今しがた自分がどんな顔をしていたのか全く思い出せずにぽかんと目を瞬いているおれを余所に、シスターはそれ以上言及するのをやめてグラスの中の麦茶を飲み干し、水滴を纏ったそれをことりと卓袱台の上へ置いた。
「おかわりいる?」
「いえ、ありがとうございます」
 麦茶のおかわりを断り、せっかく町に出てきたからダーヴァの顔も見て帰りたい、子どもたちの夕飯の支度もありますから、と言って小一時間もしないうちに帰ろうとするシスターを慌てて引き留める。部屋の隅に置いていた紙袋を持ってきて、修道衣の裾へ残った皺を伸ばしている手へ半ば押し付けるように握らせた。袋の中身は細長い紙製の箱が二つ。古めかしい文字で "赤塚堂かすていら" と記されているのを覗き込んでシスターが目を細める。
「子どもたちが喜びます」
「荷物になってごめんね」
「とんでもない。旦那様にもよろしくお伝えください」
「だ、ダン……ハイ……」
「いつまで照れるんですか」
 もごもごと口籠るおれに向かって呆れたようにそう言ってから玄関で靴を履き、ふ、と思い立ったように振り返ったシスターが胸元で十字を切って手を組む。名前も顔もほとんど同じだというのに、異国の血だとか服装だとか表情だとかそういう表面的な部分以外の、もっと根源的なところで、シスターはおれたちの中でもすこし異質に見えるのはどうしてだろう。
「二人に主のご加護があらんことを」
「……ありがとう」
 そもそも宗教を持たないし、聖書によればどうやら罪だらけのおれたちはたぶん神に仕える者に祈ってもらえるような二人ではない。誰にゆるされなくともおれたちはおれたちがゆるす限りここに居るのだけれど、とはいえそれでも、こうして祝福されるのは嬉しかった。
 くちなしのあまいにおいで満ちた部屋。恋人であり夫であり兄の、やさしい笑顔ばかりが思い出されて胸の奥が甘ったるい。驚いてくれると、いいんだけどな。どうかな。
 客人も帰らぬうちにそんなことばかりを考えているおれにいつか天罰を下すなら、神さま、明日以降がいいです。
(くちなしの花言葉「喜びを運ぶ」)
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ecoamerica · 1 month
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Watch the American Climate Leadership Awards 2024 now: https://youtu.be/bWiW4Rp8vF0?feature=shared
The American Climate Leadership Awards 2024 broadcast recording is now available on ecoAmerica's YouTube channel for viewers to be inspired by active climate leaders. Watch to find out which finalist received the $50,000 grand prize! Hosted by Vanessa Hauc and featuring Bill McKibben and Katharine Hayhoe!
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kt-grotesque · 4 years
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手紙2017/4/16
お元気ですか? 東京も暖かそうだけど、仙台も負けてはいません。4月に入ってからの、特にこの1~2週間の暖かさは記録的。いつもはなかなか開花せず、焦らされてばかりいた性悪桜も改心したのでしょうか。今を盛りと咲き誇り、地ベタではまだ幼いタンポポが、それでも負けじとけん(・・)を競っているあり様です。 今日は窓を開けた途端に、すっかり忘れていた暖かい南風が舎房に吹き込んできたのにはびっくり。それまで見ていたビデオは『逃げるは恥だが役に立つ』。ヒロインは家事代行業。だからなのか箒を手にボクも掃除を始めていたりして。終わって窓の外に目をやると、遠くにある桜から風に乗って舞い込んだ花片が、2片3片と畳の上に落ちています。 先月末に届いたAちゃんの手紙には、東海林さだおの野球チームに入り、8番セカンドで練習試合に出たとありました。そして次の試合ではもっと活躍したいと__。本当に春ですね。 春だからという訳ではないでしょうが、トランプの迷大統領振りを書き立てる新聞には、もちろんご本人は言うに及ばずつくづく嫌気がさしてしまいました。シリアへのミサイル攻撃や北朝鮮への軍事的威嚇にしても、その後の政策を欠落させた場当たり主義的な対応でしかありません。 特に空母まで派遣した北朝鮮への対応は、北朝鮮が先制攻撃はしないと明らかにしているだけに手詰り状態になるのは当然でしょう。そうなった場合にトランプの打つ手は限られてきます。シリアへの攻撃がロシアの優位につながっていくように、北朝鮮では中国を「味方」にする他ありません。 安倍は、日米でもって更に中国への圧力を強めようと考えてますが、そのうちトランプにも相手にされなくなるでしょう。まあこの人のことはさておき、ニクソンは日本の頭越しに中国と手を結んだ歴史を忘れてはなりません。戦った場合に自らも深手を負うような相手なら、手を結ぶのが賢いやり方。 もっともトランプの軍事的方針を支持する人は多いでしょう。それが、公約の大半は破産しそうな状況にあって、支持率も下がってきたのを一気に挽回するギャンブル的狙いだとしても、閉塞した今を打開するかもしれないと__これって周囲の懲役諸君と同じ発想なのですよね。 塀の外とは切れてしまい、新聞はスポーツ欄と三面記事だけ、あとはTVのバラエティ番組で理論武装したような諸君の殆どは、トランプが北朝鮮をやっつけてくれると思っているか、強く願望しています。それからも考えていることは、安倍と大して違わないのではと__。 マスコミはトランプの政治手法をポピュリズム呼ばわりし、大衆迎合主義と称してきました。これを素直に解釈すれば、「悪い」のは大衆であって、トランプはそれに同調しているだけと__そうでしょうか。ボクは以前から、ポピュリズムを大衆迎合主義とするのに疑問を抱いていました。トランプのような輩は、もっと悪質な存在ではないかと。そうではなくて、大衆の「政治的無知」につけ込み、そそのかす(・・・・・・・・・)ような政治手法を用いるのがポピュリズムであり、トランプらのやり方ではないだろうかとね。そもそも移民が白人労働者の職を奪うことになると、最初に言い出したのは、白人の人口がアフリカ系やヒスパニックに追い越されそうになったことに恐怖した、共和党の極右派や白人至上主義的組織であったようにです。 それのいい例がイギリスでしょう。EU離脱派の多くは移民の増大がイギリス人の職を奪うとして賛成したけど、実際に離脱派が多かった地域には移民がいないか、いてもごく少数だったと。そして移民が多い地域ほど離脱反対派も多かったのです。 これからも明らかなのは、移民反対派の多い地域は、不況に陥ったようなところが多く、それを隠蔽するため移民がスケープゴートにされたのでしょう。正確には長い間、保守派によってスケープゴートにされてきたため、移民を見たことがない人たちも、いつしか増大の恐怖を刷り込まれたといえます。 トランプを支持したアメリカ中央部から南部に至る不況地帯こそは、共和党保守派の聖地であり、キリスト教原理主義から白人至上主義といったとんでもない勢力が、幅をきかせるところです。彼らこそが、白人下層労働者の政治的無知につけ込み、そそのかしてきたから大統領選でトランプに熱狂したのは当然でありましょう。 この暖かく気分のいい休日を、本当のことを言うとトランプなどにかまけていた訳ではありません。実はイルメ・シャーバーの『ゲルダ』(祥伝社・2100円)を読みふけっていたのです。いつかロバート・キャパの本に触れた際に、彼とスペイン市民戦争の前線に同行した女性を話題にしましたが、彼女がゲルダ。 でも『ゲルダ』は1年半も前に購入したものの、なかなか読めずにいたのです。あまりにも最期が__ユダヤ人だった彼女はドイツからパリに逃れ、カメラマンとしてスペイン市民戦争の前線で兵士たちと行動を共にします。しかも彼女はフランコ軍の飛行部隊による機銃掃射や、爆弾投下に全く恐れず、上空を仰いでシャッターを切っていたというから驚きます。レンズが射して光れば絶好の的になる危険性があったのにです。 そうした彼女を知っているあちこちの前線の兵士たちは、彼女がやってくるといつも大歓迎し、士気も上がったといわれてますから、沢木耕太郎が描いた彼女よりも、ずっとスケールが大きかったのでしょう。とにかく偉大な人__実際は小柄な赤毛で少年のようでいて、実に可愛らしく皆に愛されたのですが、それを知るだけに最期は一層悲劇的に感じられてなりません。 ところでゲルダはゲルダ・タローと名乗っていました。このタローの由来についてはいくつかの説があるなかで、一番信憑性が高いのが岡本太郎からつけたというもの。2人は共通の知人を通じて会っているし、岡本太郎は彼の本の中で強烈な印象を受けた様子を書いています。 また、ロバート・キャパとゲルダはパリで数人の日本人ともつき合っていました。スペイン市民戦争に参加した日本人は、今のところ一人しか分かっていませんが、こうした形で「支援」していた人は案外いたように思います。 カメラマンとしてはキャパだけが有名ですが、当時はむしろゲルダの人気が高かったと言えるでしょう。だが1949年、FBIは「ゲルダ・ポホリレ(彼女の本名)」調書を作成。冷戦が始まると、共産主義に多大な恐怖を抱いたアメリカではマッカーシー旋風__赤狩りが吹き荒れます。 皮肉なことに、反ファシズムを戦ったスペイン市民戦争の闘士は、共産主義の危険分子とされたのです。そのためヒットラーに追われたユダヤ人のゲルダは、スペイン市民戦争当時の人間関係を調べられ疑われたのでした。 ファシズムから逃れてきた難民を受け入れてきた一方では、反ファシズムを戦った者を危険視する__大衆の政治的無知につけ込み、そそのかすようにして。「自由の国」アメリカは、常にこうしたポピュリズムの狭間で揺れてきた歴史にあるでしょう。 しかし事実はいつまでも埋もれたままではありません。ゲルダ・タローの再評価がなされつつあり、復権したのです。凄い人がいたものだと改めて感嘆しながら、窓の外に舞う桜の花片を時折眺めては、春、桜、花片といった月並な表現にちょっと恥たりして__それでは又、お元気で!! (2017.4.16)
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vpjazz · 4 years
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東北 Game Sound Party 第2章 感想
どうも。まもせめです。
前回に引き続き東北GSP第2章について書きます。
対バンの方々を見た感想について順を追ってつらつらと。
かなり日が経ってるので記憶間違いもあるかと思います。
それは許して頂きたい。
あれだけ素晴らしいイベントはどうしてと書き残しておきたいという気持ちもありまして今回遅ればせながら。
私見が多くて超長いです。
(これでも端折ってますが…)
〜①スーパーヒーロー伝説さん〜
ソロギターでファミコン時代ドラクエのエエとこ取り演奏でした。
ライブやるのが初めてとは思えないくらい堂々とした演奏っぷりでビックリしました。
MCも喋りすぎてはいかんとBGMを流しながら曲の終わりを目印にタイムキープをしっかり行うという段取りの良さ!
特筆すべきは「てんくうのつるぎ」を模した自作改造ギター!再現度の高さ!光ルンですよ!楽器フェアで飾るべきだ!
写真撮らなかったのが悔やまれる…
次に見る時は再現度がさらにアップしたぶきやぼうぐを楽器で再現してくれるでしょう!たぶん。
〜②SortゲーMさん〜
みかりんさんとそう君によるダブル所長デジタルポップユニット。
第1章にも出演されておりました。
前回出演実現までのいきさつを少々
みかりんさんとは2〜3年前からの音楽的(DTMerの集まり的な)繋がりを持たせて頂いております。
遡って去年の定禅寺フェスで初めてSortMさんのステェジ見てその音楽性にベタ惚れした私は
まもせめ「仙台出身でゲーム音楽好きなら俺ファミさんに紹介させてくれぇ!」
みかりんさん「いいよ。(^^)」
まもせめ「東北GSP第1章出演でオススメしたい仙台出身ユニットさんが居ましてね!」
俺ファミさん「ぜひ!(^^)」
なやりとりをさせて頂きました。
所長業が忙しい中、今回も素晴らしい演奏を聴かせてくれました!
オケ音源を使って鍵盤弾きまくったり、オケ無し鍵盤生演奏スタイルで演奏しておりました。
みかりんさんの衣装と音楽性でベヨネッタの曲が刺さりましたし、鬼ヶ島の鍵盤デュオもとても良かったです!
〜③H.G.K.さん〜
東京からの参戦!
ハードロックを基調としたツインギターと鍵盤のバンドスタイル5人編成。
個人的には東京で何度かライブ見に行ってるんですが仙台でも見れることこの上なく感慨深く、対バンできたことが信じられないくらい嬉しいことなんですよ!
活動歴は20年らしく、ステージで出す音はサスガの一言でありまして。
音を出した瞬間のグッとくる何かがあるんですよ…!(語彙力)
個人的にメタルサウンドは好きなのでこの手の超絶技巧ツインギターの掛け合いがたまらんでしてね!
原曲が和風な「太陽は昇る」を演奏しても彼らのサウンドになりますし!
「Like The Wind」はセットリストの中ではもはや代名詞的存在なのですよ!
この次が私らの出番でステージ横控室で待機してなければならんかったにも関わらず客席イチバン前で絶叫しながら聴いてたせいで、バンド内最終確認がほとんど出来なかったことにはピコジャズメンバー皆さんにお詫びしなくては行けませぬ…。
(やっぱ聴きたいやん…?)
H.G.K.さんが仙台に残したインパクトはデカいと思います!
〜④VIVA! PICOJAZZ!〜
当ブログ記事でドラゴン氏が前回書いてくれてるので割愛します。
〜⑤WMさん〜
ツインボーカル擁するアコースティックユニット。
彼らも第1章から続けての出演です。
セトリの出典が個人的に未プレイなゲームばかりだったので曲があまりわかりませんでした…。
ワイルドアームズ2とFFX-2が辛うじて聴いたことあるくらい…。
曲は知らなくてもバックの演奏が超しっかりしていて、ツインボーカルの緩急ダイナミクスの付け方があまりにも素晴らしく、これだけでじゅうぶんな聴きごたえ!
個人的にはツインボーカルのマイクの使い方が場面によって異なる所に目が行きました。
ワタクシ、ハーモニカ奏者なので…。
マイクの離し方、近づけ方などなどとても参考になりました!
ツインギボーカルお二人はこの後の俺ファミさんステージでもゲスト出演して素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれました!
話逸れますが、ボーカルの片方マイトさんは俺ファミさんの「俺にゲーム愛を語らせろ!動画企画」(で合ってる?)で聖剣伝説3の素晴らしさを語っておられます。
前編が公開されてるのでチェックされたし!
後編もたぶん近々公開される!(気がする)
〜⑥俺たちファミコンマニアーズさん〜
ザ・数の暴力!(褒め言葉)
フロント楽器多数とギターと鍵盤多数のフルバンド編成。
お揃いの赤いハッピや帽子や譜面背表紙が素敵です。(真似したひ…)
あの狭いステージに10人以上の奏者と足元いっぱいの機材、そして更にゲストボーカルの為のスペースを空けなくてはいけないという状況をスムーズにこなす各メンバーの手際良さに脱帽…笑
ある程度は原曲リスペクトな部分もあるんですが、あれだけ沢山楽器あると編曲が大変だと思いますし、毎回違うセトリ持ってくるのも凄いですよね…!
楽器数が多種多様で曲ごとに参加楽器が異なるゆえにステージ音作りが非常に困難なことは想像に難くありません。前回は恐らくPAさん苦戦していた(?)せいかフロント楽器が聴こえ辛かった気がしますが今回はステージで予めミックスしたものをPAに渡して音を作る形式で音作りした事が功奏したようで、客席でも絶妙なバランスで聴けました。
彼ら程になると転換もいちパフォーマンスですな笑
演奏については全く隙が無く、圧巻でした!
カオスさんとよーすけさんによるMCも面白いし、出だしの「俺たちファミコンマニアーズ、ゲームスイッチON」はもはや定番キャッチフレーズですね!
個人的にですが彼らのステージは今年3回目となりまして、回を重ねるごとに凄みを増してる気がします…!
〜DJのMASAさん〜
第1章に引き続きのDJ出演です。
主にステージ転換のDJとトークで盛り上げてくれました!
全ての転換時に前出演者のセトリにまつわる曲をすかさず流し、鋭いトークを展開されておりました!
MASAさんも東北のVGM的DJの代表的な存在だと思います!
〜さいごに〜
東北にゲーム音楽を演奏するミュージシャン団体はいくつか存在していますが、ゲーム音楽に特化したイベントは殆ど存在せず、というか前回の第1章が初めてではないでしょうか?
前回よりもお客様の数は着実に増えていることは実感できましたし、更に定着して欲しいと願うばかりです。
第3章も恐らく近々どこかのタイミングで開催されると思います。
私らピコジャズも演者で出れるのか、そうでないのかはその時になってみないと分かりませんが、演者なら喜んで出させて頂きますし、演者でないなら個人的に現地まで行って応援したいと思います!
色んな地域から色んなバンドが出演して交流が生まれて俺ファミさん中心に仙台の(東北の)ゲーム音楽シーンが活発化されることを我願わん!
東北GSP第2章という素敵なイベントに出演できたこと、誠に感謝いたします!
お客様、俺ファミさん、出演者の方々、お店スタッフの方々、どうもありがとうございました!
再び仙台の地でお会いしましょう!
by まもせめ
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otoha-moka · 5 years
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贈り物を贈るちょぎくにの話
【もかのちょぎくにの場合】 愛してると一口に伝える事は出来なさそうなので、贈り物を一緒に添えようと思う。何にしようか。喜んでくれるといいけれど。 https://shindanmaker.com/585979 診断メーカー久しぶりにやったけどこんな素敵なのがあるとは…。
これあれ、あんだけ散々溝があった関係で、今更好きだなんて言っても信じてもらえやしないだろうみたいな…そういう不安から物で釣れば誠意も伝わるのでは?とか考える長義くんでしょ…でも、まんばは高価なものとかは遠慮して受け取らないだろうし、食べ物?いやいや旅行土産じゃないんだから…とか。
で、結局一緒に出かけた際に、逆に、長義は小さな紙袋を渡されるから「え、何かな…これは」とかなるのに対して、まんばが頬を染め俯き言葉を探すようにしながら「兄弟が、揃いのを付けてて…その、いいなと…」とか言うんだよ。開けてみるとベタにシンプルな碧のイヤリングが入ってる。
で、まあ長義くんは察しがいい方だと信じてるので、ああこれは国広の瞳だって気がついて、そこで初めてまんばの耳元を見ると、蒼のイヤリングが控えめに主張していることに気がつくんだな。それを見て思わず「…好きだ」って零してしまう。まんばは「!気に入ってくれたならよかった…」とか返す。
伝わってないとすぐに気付いた長義くんは、改めて真っ直ぐまんばを見つめて、「違う、そうじゃなくて。お前が好きだ」って言うんだよ。ここで二人の間を風がふきぬける。「え…」「信じて貰えないかもしれない。俺はお前を傷付けてきたし、お前も…ああもうそうじゃなくて!」とまあかっこつかない。
で、これの続き。驚いて目を見開いたまんばが、長義のその様子にくつくつと可笑しそうに笑うかから、「あーもう、くそ…なっ、笑うな!」ってバツが悪そうに目を逸らしかけたとこでまんばの様子に気がついてむっとした長義くんが抗議すると「いや、すまん…ふ、あんた、心配性だな…」ってなお笑う。
「俺は、あんたの言うことを疑わない。昔も、今もな」って真剣な面持ちで見つめて言い出すから、いよいよ負けた気がする長義くんは「なんなんだよお前…」って項垂れたあと「で、返事は?」と尋ねる。「返事?」「俺にそこまで言わせるか。告白したんだよ、返事くらいほしいだろう?」
んで、そうするとまんばの方がまだ長義くんの手にある紙袋を指さして「それ、加州に言われて…」と言い出す。「そういう贈り物をすれば、気持ちが伝わる…と」さっきの威勢はどこへ行ったとばかりにどんどん声が小さくなる。そこで、長義くんはまんばが自分と似たようなことを考えていたことに気付く。
で、今度はまんばが押し黙ってしまうので長義くんは可笑しくなる。「ひとのこと言えないな、俺もお前も」と呟くと「う…分かりにくいとか言うんだろ」と愚痴っぽく言い出すんで「ああ、分かりにくい」と意地悪く笑って、イヤリング付けるじゃん…。
で、「ほら、やりたかったんだろう?お揃い」って長義くんがまんばの耳元を見ながら言うから、まん���は、うわこいつ気づいてたのか!と慌てて耳元を手で隠そうとするんで、その手を掴んで「さて、このまま帰るか」って本丸に仲良く手を繋いで帰るんだよ。もちろん全部綺麗に和解後です。 
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hikoheihi · 5 years
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7月から今日まで
久しぶりに忙しい内容の生放送。朝冷蔵庫に忘れ物をして幸先が悪い。雨宮さんに試食を丸投げしてディスプレイする。放送開始後生肉を切りにいかなくちゃならず、インカムから聞こえる縁起のいいめだかを紹介する中継を聞きながら「おめだか様の手も借りてえ・・・」と思う。めだかには手も足もないというのに。猫に助けを求める時点で相当てんてこ舞いなのに、めだか。まあなんとか破綻せずにすんだ。かなり危なかった。試食入れ終わったの10秒切ってた。相変わらず想像力がない。帰って役所に行くつもりだったけど結局寝てしまった。19時に起きてデニーズにいく。1時に帰宅。流石に疲れてフラフラで寝る。
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ちょっと余裕ある時間に起きてステーキ丼食べる。堀井さんの担当回を少し見て家を出る。 JAFNA。川畑さん仕事早い時はちゃっちゃとやってくれるからってそんなトゲのある言い方しなくても。今日はまあ普通。そんなに早くは終わりません。昼飯は例によってはしご。5回連続。だあろう。隣の人が食べてたシュウマイがうまそう。次はだんだんとシュウマイかな。 なんだか酷く疲れてしまい帰ったら寝るなと思ったのでプロントに入る。が、wifiがなく結局飲んじゃう。 
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朝雨がすごかったから小田急でツイート検索したら積み残しが凄そうだったのでケイクスにメールして1時間余計に寝た。カレー食べて11時半くらいに電車乗って12時半とかに出社した。パン祭り今日だったのにおにぎり弁当買っちゃった。なんだかんだ結構食べちゃう。全部めちゃうまかった。ロブションのクリームパンすごい。今度人に買っていこう。体力がガーーっとなくなって大変だった。結構やばい気分だったけど下北で一龍食べてブルーマンデーでES書く。興が乗ってきて、いい感じでまとめることができた。なによりやりきったことで得体の知れないエネルギーを得た。22:50くらいまでいたけど0時前に帰ってきた。下北沢は近い。
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朝起きて学校に行って証明書を発行して図書館にいって本を読もうと思っていたのに結局14時まで寝てしまった。背中に痛みを感じつつシャワーを浴びて代々木八幡に行く。月一の散髪。着く直前に清水さんから連絡が来ていることに気がつく。早稲田に移動。証明書を入れるクリアファイルを忘れてどうしようか迷ったけどお父さんは週末しかいないので発行することに。ついでに成績証明書も取っておいた。なにかに使う気がするので。図書館で『舞踏会に向かう三人の農夫』を借りて少し読む。どうやら舞踏会とは戦場のことらしい。19時に合流してピカソ。桃のサラダと2本目のワインが美味しかった。牧舎に行って藤田さんの誕生日に乾杯する。気にかけてくれていて嬉しい。
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13時まで寝てしまう。お父さんがご飯に誘い出してくれた。ロイホでハンバーグ。 煙草の吸いすぎで胸が痛くてあんまり長くものごとを考えられない。 少ししてヤマザキに買い物に行く。そうめんをゆでて食べてしばらくしてからデニーズに行く。日記を書いている。このあと帰ってお風呂に入って寝る。
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リハをやって本番をやる。古野さんが最後だったのにうまく感謝を伝えられなかった。頼りにされていたと思うし、つくしたいという気持ちがあった。いい経験だった。江ノ島に撮影に行く。しゅんじに手伝ってもらいながら二日間で5カット。満足。でも提出時に5カット”以上”で、テーマが『早稲田の光』であることに気づいてしまった。まあいいか。電車の乗り継ぎを間違えてしゅんじを1時間も待たせてしまった。ふつうにおちこんだ。 木金は銀座で事務。久保さんいないので好き勝手やった。でも仕事はほとんどきちんと終わらせた。ウーバーイーツを初めて使った。tosirou(85)がお届けしてくれた。ビッグマックセット。帰りにオールスター見たくて代々木上原のビアバー行って5千円も使ってしまう。でも秋山が松坂からホームラン打つところみれたからいいか。今日はプール行ってそうめん食べた。音楽の日とかいうテレビの歌番組で宇多田ヒカルを見る。今日も美しかった。
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引越しを手伝う。12時に渋谷につけるように起きて家を出た。セブンイレブンでサンドイッチとコーヒーを食べて電車に乗ったらお腹が痛くなって新百合で降りた。間に合うかなと思っていたらやっぱ13:30と連絡があってこの感じ懐かしいなと思った。下北で立ち読みして100均でメジャーを買って改めて渋谷に向かう。井の頭線に新しいエスカレーターができている。結局14時前に集合して天下寿司にいく。美味しい。元祖より美味しいし値段もそんなにしないし閉店間際は安くなるらしいしいい。カーテンを買いベッドを物色してから無印へ。ベッドを決めてハンズで壁美人を買う。ニトリに戻って鏡を買って再び戻る。楽しみだなあこれからの人生と言った友達が眩しかった。おれは全然楽しみじゃない。正気を保つので必死だ。
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俊二と早稲田に行って図書館とコンタクトセンター。ふたりでメルシーを食べる。別れて松の湯にいく。体重が70kgになっていて驚く。ゴトーでチーズケーキ食べて帰る。ダイエットだと思い夜はツナ缶とレタス。那須の話が動き出す。
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金曜日の夜からリンクス同期7人で那須に旅行に行った。1日で先に東京に戻って新木場でceroのtrafficに。SPANKHAPPYに間に合うか危なかったけど大丈夫だった。完全に整った。帰りにコンビニで煙草を吸うこともなく、石鹸を買い足し忘れたことにも苛立たず。おおらかなこころを取り戻した。
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9時台に起きて朝ごはんを食べる。昼まで洗濯をして12時半に正ちゃんへラーメン食べに行く。しょうゆ味玉。アイス食べてCS見る。ずっと後手。点差以上の差を感じた。
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ファミマで肉まん食って夜はサガミで味噌うどん。怒りの葡萄上巻読み切ってコンビニでコーヒーとチョコ。まじでおもしろい。怒りの葡萄。文章全体が煌めいてる。
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多摩川に行ってお昼を食べる。川沿いを歩く。狛江高校の女子陸上部がいる。硬式の少年野球がいる。小さい子供とその親がいる。女の人二人組がいる。洪水を伝える石碑を見つける。おれにも伝わったよ、と思う。トイレに行きたいのとゴミを捨てたいのとで駅に向かって歩く。結局改札内にしかトイレもゴミ箱もなかった。なんて不便なところなんだろう。駅でガーベラを、セブンでロックアイスを買って帰る。裏庭で焼き鳥をするというので鶏肉を切って串に刺す。串に食材を刺すことを串を打つという。ビール飲んで焼き鳥食べる。日本シリーズを最後まで見てコンビニに行く。帰ってきて風呂に入ってウイスキーを一杯だけ飲む。2時に寝る。
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俺を漢字一文字で表すと瓦らしい。瓦斯の瓦。青い炎。採用。9時に起きて着替えてコンビニまで散歩。なんとか振り絞ってES書いて履歴書も書き直してギリギリで家出る。走る。間に合って面接。可愛くて愛想がいいけどペラい感じの女の子が受け付けてくれる。なんか小説に出てきそうな絵に描いたようなベンチャー企業の若い女の子だ。面接はけっこう芯食ったと思う。終わって駅前でサンドイッチとカフェオレ。煙草。帰って授業の準備と授業。面接と演習で脳が興奮状態にある。
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リハ。ADさんが有能でとても助かる。パターンいじってただけ。本屋とベローチェで時間潰す。ベローチェにZAZYがいた。魚金で飲み会。楽しかった。
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本番。飯田さんへの手元大根の打ち込み浅かった。記憶ねえ。こういうとこだ。 オファーボックス整備。めっちゃオファーくる。去年の今頃からやっとけばよかった。
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12時半まで寝てから掃除と洗濯をして、ツタヤに行って帰りにコンビニでタバコを吸ってあとは部屋で音楽を聴いたりSNSをみていた。今日は129円しか使わなかった。これで2千円浮かしたのでもう本が買える。 年金の督促が来てしまったので遡って猶予できるか確認しにいかなくちゃいけない。でもこれで最大でも九月までしか猶予にならないことは確実になったから少なくとも半年分は月16000円払わなくちゃならない。ばりキツイ。
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11時前に起きてご飯を食べる。宇多田ヒカルのプロフェッショナルを見てからまほろ駅前狂騒曲をみる。真実は他者にはない。世界にもない。自分にしかない。思い出す作業に近い。なにか引っかかったら引き寄せくる。まほろは終盤急に大味になっていまいちだった。あのぬるっとした緊張感のなさと進行している狂気のギャップが悪い方にでてた。でも作品全体に横たわる空気はとても好きだ。映画終わってちょうどM-1始まったから見る。ここ3年はとても刺激的で、しかも笑いを通してなにか世の中の倫理観とか空気感がいい方向に転がっているような感覚がある。平場の志らくほんと嫌いなんだけど絶対上沼殺すマンになっててよかった。塙富澤志らくは審査基準を繰り返し述べていたのが番組全体に安定感と信頼感を与える結果になっていてとてもよかった。霜降り明星の漫才はボケ単体でもパワーがあるのにツッコミが全ワードハマっててすごかった。久々に背中痛くなるくらい笑った。92年93年生まれらしくて嬉しくなった。和牛が準優勝3回目と聞いて聖光学院かよと思った。ジャルジャル。もうジャルジャルが2本やっただけでいかにいい大会だったかということがわかる。その上で3位。いい塩梅。絶対結果を出そうとして、その過程についてまでも理想を描いて、突き詰めて、あの組み順で決勝に残って、ウケて、あの2組にああやって負けて、エンディングのあの表情。もう充分すぎるくらい見せてくれた。あなたたちが俺たちの幸福を願ってることは充分伝わった。あしたからも楽しく、幸せに、全員連れて行く漫才をつづけてください。ありがとう。
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新バイトへの説明と本番、JAFNA。眠すぎて市民センターいけなかった。友達から結婚の報告を受ける。おめでたい。すすすっと生きていくのに全然悲壮感やさみしさを感じさせないコミーさん好き。
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面接して面接。1本目はとてもうまく行ってその場で内定がでた。変に受け流しても体に良くない気がしたのでじんわり喜んだ。でも次があったので脚はわりと高速で回転させた。2本目は大失敗した。面接官の第一声を聞いた瞬間にこいつ冷たいな、見下してんな、しゃべりたくねえなと思った。終始全然響いてない感じで、締めの言葉が御足労ありがとうございましただったんでもう完全に終わったと思った。やべえどうしよう、まじでエンジニアか。これどっちだ?悲しいのか?迷いなくな���てむしろいいのか?んんん??となりつつタリーズでなんかピザクロワッサンみたいなのとチャイミルクティー、煙草。ぼーっとして、ぼーっとしながらも猛烈な勢いでなんJ読み漁るいつものぼーっとするをして、ながらご飯、みたいなことだけど、して、体はねむいし頭は混乱してるから首がくんして寝ようとするけど次の瞬間には巨人のプロテクトリスト予想見て、いやどうせ若手が漏れてる、とか思った瞬間にはガクン。してるうちにメール。え、うわっ3時間で来た。常にお互い即レスという12月採用あるある第2位をやりながらここまできたもののさすがに今回はひらけず。再び広島スレを回遊したのち急にプロ野球が色褪せて見えたので、やっぱ一番面白いの自分の人生か、と思いつつ開いたら通ってて草。通ってて草。なにがあった?の答え一発目として上出来なやつだった。草ってリアルで使う人ほんと無理だったんだけどこの1年でちょっと大丈夫になった。3時間ふらふらだったけどまた別の種類のフラフラがきてフらふラだった。でも迷いは晴れない、とりあえず脳内に『まだ内定じゃない』をかけて戦闘モードを呼び戻す。
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最後のJAFNA。文書保存箱の組み立て方がわかんなくて、何はともあれ検索だと思ったら動画でてきて5秒で解決した。10分くらいウンウン言ってたのに。ファイルの整理や会員向けの資料の封書をしているうちにお昼に。最後なので事務局長とお食事。勤務初日に行ったイタリアンと同じビルにある和食屋さんに行った。目の前の壁に白鵬の手型が飾ってあってベタだなと思った。なんかふつうにハンバーグとステーキ重で迷っていていや和食和食と穴子重にした。穴子って銀座の和食屋でのランチとして一番ちょうどいい気がした。うなぎだと鰻屋のパチモンみたいになるし。美味しかった。なんで留年したのかとかどんなバイトしてたのかとかを話した。通常初日にする話。一応就活終わりましたと報告しておめでとうな空気にしておいた。就留中社会性を保つために始めたバイト先が、まさか解散し、まさか最終勤務日の前日に内定をもらうとは、なかなかかけない筋じゃないですか、と言おうと思ったけど何かの拍子に忘れ、今思い出し、言わなくてよかったと思う。席を立つ時「ここに白鵬の手型あるの気づいてましたか」と聞いたら見るなり「思ったより小さいのね」と言うので笑ってしまった。小ささに気づくの早っ。確かに小さい気がするけど。驚きの焦点の切り替わり方が早すぎる。バナナジュースコリドールに移動。レトロポップ&たしかな品質に久保さんも気に入ってくれたようでよかった。今日はベースを豆乳に変えてレモンとナッツを追加した。めっちゃうまい。またポイントカード作るの忘れた。午後は封書を頑張る。60ちょい。また盛大に紙を無駄にしながらも印刷したりなんだり。春にやってたら絶対おわんなかったし間違いまくりだったけど今はわりとふつうなのでふつうに頭が働いていい感じにミスを未然に修正してくれた。おれは間違えるけど脳みそが助けてくれる感じがした。無意識がのびのびしてるのがちょうどいい時
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9時に起きてラグビー。7時に兵藤から10時集合との連絡あったようだけどもう間に合わないと連絡。インスタみるも兵藤の気配がないのでたぶん朝まで起きてて今寝てる。三ツ沢上町から球技場まで歩く。とても立派な公園。球技場は球技場だけあって臨場感すごい。負けちゃった。けど生ラグビーはとても良いもの。早明戦以来だった。あれも冬。冬の晴れた日に熱く美しいスポーツを見るというのはなかなかいいものです。試合後横浜で飲む。みなさん暖かく受け入れてくれてありがたかった。
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吉祥寺でワカサギ会議。ワカサギを釣りにくことが決まった。長野に。久しぶりに井の頭公園にいく。大道芸人がとてもすごくて見いってしまった。その後ローグでキルケニーとなんかIPAを飲む。トラファルガーより品があって気分が出る。店内禁煙になっていたのもいい判断なように思う。お釣りが合わないからとたくとにスタバでチャイラテを買ってもらう。甘いの忘れていた。全然美味しくない。帰宅後、ご飯がなんにもないので腹ペコの中日記を書く。チャイへの後悔と空腹からナイルレストランを思い出して無性に食べたくなる。
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リハ。助手さんが有能で助かるというかおれが無能すぎて申し訳ない。でもなんとかなりそう。
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本番。まあなんとかなる。もっと時間をかけて準備しなくては。やっぱりSEは向いてない、というか嫌、やりたくない、のかもしれないと思い始める。まさきくんとよっちゃんと会う。よしひろに彼女ができたの本当だった。なんだか胸が熱くなった。相手と自分にきちんと向き合って常によしひろにとって最良の選択肢を選んでほしいと願うし、そのための力になりたいと思った。
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内定先の選定で無間地獄に落ちる。双六のルートを限界まで読み込んだところで結局ルーレット次第なので意味ない。意味ないことを意味ないで終わらせられなくてずっと困り続けてる。
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本番。朝、あっきーとあめみーさん結婚の報を知りはい?となる。目が覚める。以降いつになく調子がいい。つつがなく進む。結構見えてる感じ。一回インカム聞き逃して変な感じになったけど。サンドラ・ブロックがキアヌ・リーブス好きだったと告白したという記事で、当時サンドラはキアヌの顔を見るとあはははってなっちゃうから真剣になるのが大変だったと書かれていて、その好きのこぼれ方はとてもいいなと思った。
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9時に起きて10時から授業。途中11時からのも頼まれて12時に部屋に戻る。4時まで何をしようかと思っていると1時からもと言われて結局3時前にコメダに。グラコロバーガーとたっぷりウインナーコーヒー。おいしい。インヴィジブルを読む。佳境に入る。こういう視点の切り替えとても好きだ。夜はセブンの肉じゃがを2パック買ってきて食べた。美味しい。なんなら家のより塩分控えめでいいんじゃないかとすら思う。Spotifyはじめてみたけどとてもいい。
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9:30に起きて10時から授業。一コマやって夕方まで間があったので下北へ服を買いに行く。せっかくなので一龍納めする。奥のほうに常連がいていつもよりずいぶんにぎやかだった。なんか年末っぽい。一番盛り上がって最古参と思われたおじさんが実は初めての来店だったらしく他の客にひかれていた。4時に帰宅。夕飯の準備をしてから2コマ。終わって炊事。ニラとケールと豚肉と卵の炒め物。ネギと里芋がいつのまにかお好み焼きのタネにされていたので味噌汁はインスタントにした。
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インターン先に1ヶ月ぶりに出勤。新オフィスめっちゃ綺麗で笑ってしまった。編集部のみなさまに挨拶。なんだかんだ可愛がってもらってありがたいことです。鈴木くんと目黒。落ち着いたしいろいろ書こうねという話をする。なぜかダーツへ。楽しい。
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昼飯に藤田へ。鴨南蛮。この商店街もそろそろ建て替えらしく西側はもう取り壊されたらしい。よく通った駄菓子屋俺たちのサンケイこと三景も閉まったらしい。ドキュメント72時間の年末スペシャルを見て泣いたりウンウン唸ったりする。デパート閉店の回が特によかった。6時ごろ出て下北で時間潰す。山角納めしようと思ったらすでにお納まりになっていた。仕方がないからひとりでジンギスカンを食べる。今ブルーマンデーでこれを書いていてこのあと渋谷に行く。
20181229
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ecoamerica · 1 month
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Watch the 2024 American Climate Leadership Awards for High School Students now: https://youtu.be/5C-bb9PoRLc
The recording is now available on ecoAmerica's YouTube channel for viewers to be inspired by student climate leaders! Join Aishah-Nyeta Brown & Jerome Foster II and be inspired by student climate leaders as we recognize the High School Student finalists. Watch now to find out which student received the $25,000 grand prize and top recognition!
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