タイトル:「羽化」
「あいつはまだ幼虫だけど、放っておくと子どもを産むから」
そう言って彼女が2本の剣を鞘から抜くとたちまち、2匹の虫が落ちてきた。向こうに見える巨大な幼虫よりは随分小さいものの、成人男性の腕くらいの大きさはありそうだ。
地面に昆虫の体液がだらりと流れ出している。それなのに、昆虫を切ったはずの2本の刀身は体液を浴びた様子もなく、蒼く光っていた。
「向こうにいるでかいあれも幼虫?」
「うん」
彼女は建物に寄りかかる巨大な虫を見つめたままで言った。蠢きながら脱皮している幼虫をよく見ると、彼女が落とした2匹の昆虫と姿形が似ている。幼虫がここまで大きくなるのなら、成虫は一体どのくらいになるのだろうか。
「じゃあちょっと私、行ってくるね」
振り返り際に彼女はそう残して、建物に寄りかかる巨体に向かって走ってゆく。
次の瞬間にはその巨体を駆け上がり、2本の剣で頭を落としていた。
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#you can see more works at the following URL.#手刷り印刷屋「後藤ガリ版印刷所」 (goto-gariban.com)
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いつもと違う景色
The usual scenery looks different
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【お知らせ】
ベネッセコーポレーション様、進研ゼミ中学講座 中高一貫|2022年度『My Vision』11月号表紙イラストを担当しました。
電車通学
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[My Vision / Benesse] November 2022🚃
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